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特開2023-180081表示装置、情報処理装置、サイネージ装置、画像処理装置、及び表示装置システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180081
(43)【公開日】2023-12-20
(54)【発明の名称】表示装置、情報処理装置、サイネージ装置、画像処理装置、及び表示装置システム
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20231213BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20231213BHJP
   H04M 1/72412 20210101ALI20231213BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
H04M11/00 302
G09G5/00 555D
G09G5/00 555G
G09G5/00 510B
H04M1/72412
H04M1/00 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022093184
(22)【出願日】2022-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】武捨 章洋
(72)【発明者】
【氏名】松下 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】浅井 章弘
(72)【発明者】
【氏名】倉本 南
【テーマコード(参考)】
5C182
5K127
5K201
【Fターム(参考)】
5C182AA02
5C182AA03
5C182AB08
5C182AB11
5C182AC02
5C182AC03
5C182AC43
5C182BA01
5C182BA03
5C182BA04
5C182BA06
5C182BA27
5C182BA35
5C182BA75
5C182BC01
5C182BC11
5C182BC14
5C182BC25
5C182BC26
5C182CB52
5C182DA02
5C182DA44
5K127AA26
5K127BB23
5K127DA13
5K127GA25
5K127HA11
5K127JA23
5K201CA01
5K201CA07
5K201CC10
5K201EC06
5K201ED04
(57)【要約】
【課題】災害時にネットワークが切断された状態において、個人属性に合わせた情報を表示及び配信すること。
【解決手段】情報端末と、前記情報端末と通信が可能な表示装置とを有する表示装置システムであって、前記情報端末は、ユーザによる他のユーザに共有するための項目の情報を有する共有情報の入力を受け付ける操作受付部と、前記共有情報を端末間直接通信により前記表示装置に送信する直接通信部と、を有し、前記表示装置は、前記共有情報を端末間直接通信により前記情報端末から受信する直接通信部と、受信した前記共有情報を記憶する記憶部と、前記ユーザが設定した共有可否に関する設定情報に基づいて、共有可能である前記項目を判断する判断部と、前記判断部が共有可能であると判断した前記項目の前記共有情報を表示する表示制御部と、を有することを特徴とする。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報端末と、前記情報端末と通信が可能な表示装置とを有する表示装置システムであって、
前記情報端末は、
ユーザによる他のユーザに共有するための項目の情報を有する共有情報の入力を受け付ける操作受付部と、
前記共有情報を端末間直接通信により前記表示装置に送信する直接通信部と、
を有し、
前記表示装置は、
前記共有情報を端末間直接通信により前記情報端末から受信する直接通信部と、
受信した前記共有情報を記憶する記憶部と、
前記ユーザが設定した共有可否に関する設定情報に基づいて、共有可能である前記項目を判断する判断部と、
前記判断部が共有可能であると判断した前記項目の前記共有情報を表示する表示制御部と、
を有する表示装置システム。
【請求項2】
前記表示装置は、
前記共有情報を他の表示装置から受信する広域通信部を更に有し、
前記判断部は、予め定められた共有範囲に関する設定情報に基づいて、前記共有情報を前記他のユーザに共有可能であるかを判断し、
前記直接通信部は、前記判断部が共有可能であると判断した前記他のユーザの情報端末に前記共有情報を送信する請求項1に記載の表示装置システム。
【請求項3】
前記広域通信部は、前記広域通信部が用いる広域ネットワークの範囲内にある全ての他の表示装置に前記共有情報を送信する請求項2に記載の表示装置システム。
【請求項4】
前記直接通信部による前記端末間直接通信は、近距離無線通信、光通信、音波通信のいずれかである請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の表示装置システム。
【請求項5】
前記共有情報は、前記ユーザの安否情報である請求項1に記載の表示装置システム。
【請求項6】
前記共有情報は、前記ユーザが発声した音声を含む請求項1に記載の表示装置システム。
【請求項7】
情報端末と通信が可能な表示装置であって、
前記情報端末のユーザが他のユーザに共有するための項目の情報を有する共有情報を端末間直接通信により前記情報端末から受信する直接通信部と、
受信した前記共有情報を記憶する記憶部と、
前記ユーザが設定した共有可否に関する設定情報に基づいて、共有可能である前記項目を判断する判断部と、
前記判断部が共有可能であると判断した前記項目の前記共有情報を表示する表示制御部と、
を有する表示装置。
【請求項8】
情報端末と通信が可能な情報処理装置であって、
前記情報端末のユーザが他のユーザに共有するための項目の情報を有する共有情報を端末間直接通信により前記情報端末から受信する直接通信部と、
受信した前記共有情報を記憶する記憶部と、
前記ユーザが設定した共有可否に関する設定情報に基づいて、共有可能である前記項目を判断する判断部と、
前記判断部が共有可能であると判断した前記項目の前記共有情報を表示する表示制御部と、
を有する情報処理装置。
【請求項9】
情報端末と通信が可能なサイネージ装置であって、
前記情報端末のユーザが他のユーザに共有するための項目の情報を有する共有情報を端末間直接通信により前記情報端末から受信する直接通信部と、
受信した前記共有情報を記憶する記憶部と、
前記ユーザが設定した共有可否に関する設定情報に基づいて、共有可能である前記項目を判断する判断部と、
前記判断部が共有可能であると判断した前記項目の前記共有情報を表示する表示制御部と、
を有するサイネージ装置。
【請求項10】
情報端末と通信が可能な画像処理装置であって、
前記情報端末のユーザが他のユーザに共有するため項目の情報を有する共有情報を端末間直接通信により前記情報端末から受信する直接通信部と、
受信した前記共有情報を記憶する記憶部と、
前記ユーザが設定した共有可否に関する設定情報に基づいて、共有可能である前記項目を判断する判断部と、
前記判断部が共有可能であると判断した前記項目の前記共有情報を表示する表示制御部と、
を有する画像処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、情報処理装置、サイネージ装置、画像処理装置、及び表示装置システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット等を経由して、デジタル掲示板又はデジタルサイネージ等と呼ばれる表示装置に広報情報や災害情報を掲示又は配信する技術が普及している。特許文献1には、災害時にネットワークが切断された際に、一斉配信するコンテンツをデジタル掲示板と個人が所有する情報端末に配信する技術が開示されている。特許文献2には、デジタル掲示板への掲示情報を個人の情報端末に配信する技術が開示されている。特許文献3には、災害時に商用電力がなくなった場合、蓄電電力を使用して、災害情報等をデジタルサイネージと個人の情報端末に送信する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の技術では、災害時にネットワークが切断された状態において、個人属性に合わせた情報の表示及び配信ができなかった。
【0004】
本発明の実施形態は、上記課題に鑑み、災害時にネットワークが切断された状態において、個人属性に合わせた情報の表示及び配信を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明は、情報端末と、前記情報端末と通信が可能な表示装置とを有する表示装置システムであって、前記情報端末は、ユーザによる他のユーザに共有するための項目の情報を有する共有情報の入力を受け付ける操作受付部と、前記共有情報を端末間直接通信により前記表示装置に送信する直接通信部と、を有し、前記表示装置は、前記共有情報を端末間直接通信により前記情報端末から受信する直接通信部と、受信した前記共有情報を記憶する記憶部と、前記ユーザが設定した共有可否に関する設定情報に基づいて、共有可能である前記項目を判断する判断部と、前記判断部が共有可能であると判断した前記項目の前記共有情報を表示する表示制御部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、災害時にネットワークが切断された状態において、個人属性に合わせた情報の表示及び配信ができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態に係る表示装置システムの概略図の一例を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る表示装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る情報端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係る管理用端末装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図5】本発明の実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図6】本発明の実施形態に係る表示装置システムにおける機能ブロックの構成図の一例を示す図である。
図7】本発明の実施形態に係る情報記憶処理に関するフローチャートの一例を示す図である。
図8】本発明の実施形態に係る音波による端末間直接通信における音声信号の一例を示す図である。
図9】本発明の実施形態に係る表示装置における情報表示処理に関するフローチャートの一例を示す図である。
図10】本発明の実施形態に係る情報共有に関する設定(共有可否)を含む安否情報の一例を示す図である。
図11】本発明の実施形態に係る表示装置の外観図(通常時)の一例を示す図である。
図12】本発明の実施形態に係る表示装置の外観図(災害発生時)の一例を示す図である。
図13】本発明の実施形態に係る情報共有処理に関するフローチャートの一例を示す図である。
図14】本発明の実施形態に係る情報共有に関する設定(共有範囲)の一例を示す図である。
図15】本発明の実施形態に係る広域ネットワークを用いた表示装置システムの概略図の一例を示す図である。
図16】本発明の実施形態に係る広域ネットワークを用いた情報表示及び配信処理に関するシーケンスの一例を示す図である。
図17】本発明の実施形態に係る画像形成装置を用いた表示装置システムの概略図の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る表示装置、情報処理装置、サイネージ装置、画像処理装置、及び表示装置システムの実施形態を詳細に説明する。
【0009】
[第1の実施形態]
<システム概要>
図1は、本発明の実施形態に係る表示装置システムの概略図の一例を示す図である。表示装置システム1は、例えば、インターネット等の通信ネットワーク3に接続する管理用端末装置5、表示装置2、及びスマートフォン、タブレット端末等の情報端末4を含む。表示装置システム1aに示す通常時において、管理用端末装置5は、通信ネットワーク3を介して、表示装置2に表示するコンテンツ情報を配信する。表示装置2は、管理用端末装置5から配信されたコンテンツ情報を受信して、表示装置2の画面に表示する。情報端末4は、表示装置2と同様に、通信ネットワーク3を介して、管理用端末装置5から配信されたコンテンツ情報を受信して、情報端末4の画面に表示することが可能である。更に、情報端末4は、近距離無線通信や音波を用いた通信等(詳細は後述)の端末間直接通信により、表示装置2からコンテンツ情報を受信することも可能である。
【0010】
一方、表示装置システム1bに示す災害発生時において、管理用端末装置5、表示装置2、及び情報端末4(4a、4b)は、通信ネットワーク3を介した通信が不可能となる。ここで、表示装置2は、通信ネットワーク3を介した情報の受信から、情報端末4等との端末間直接通信による情報の受信に切り替える。これにより、例えば、情報端末4aは、端末間直接通信により、表示装置2にユーザの安否情報等の共有情報を送信することが可能であり、表示装置2は、受信した情報を表示装置2の記憶装置に記憶し、表示装置2の画面に表示することが可能である。更に、例えば、表示装置2は、端末間直接通信により、記憶した情報を情報端末4bに配信することも可能である。ここで、情報端末4aは、個人属性を含めた情報を表示装置2に送信することにより、表示装置2は、個人属性に合わせた情報の表示が可能である。例えば、情報端末4は、安否情報における複数の項目に対して、ユーザにより予め設定された共有可否情報に基づいて、表示装置2は、ユーザにより共有を許可された項目の情報のみを表示する。また、表示装置2は、個人属性に合わせて情報の配信を行うことが可能である。例えば、表示装置2は、予め設定された情報共有が可能な配信範囲情報に基づいて、情報の配信が可能である情報端末4にのみ配信を行う。
【0011】
なお、図1に示す表示装置システム1のシステム構成は一例である。通信ネットワーク3には、例えば、移動体通信、又は無線LAN等の無線通信による接続区間が含まれていても良い。また、表示装置システム1含まれる管理用端末装置5、表示装置2、及び情報端末4の台数は、任意の台数であってよい。また、表示装置2は、同等の通信機能及び表示機能等を有する情報処理装置、サイネージ装置、画像形成装置、画像処理装置であってもよい。
【0012】
<ハードウェア構成例(表示装置)>
図2は、本発明の実施形態に係る表示装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示されているように、表示装置2は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、SSD(Solid State Drive)204、ネットワークI/F205、外部機器接続I/F(Interface)206、及び広域ネットワークI/F207を備えている。
【0013】
これらのうち、CPU201は、表示装置2全体の動作を制御する。ROM202は、CPU201やIPL(Initial Program Loader)等のCPU201の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。SSD204は、表示装置用のプログラム等の各種データを記憶する。ネットワークI/F205は、インターネット通信を制御する。広域ネットワークI/F207は、LoRa等の広域ネットワーク通信を制御する。外部機器接続I/F206は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ230、外付け機器(マイク240、スピーカ250、カメラ260)である。
【0014】
また、表示装置2は、キャプチャデバイス211、GPU212、ディスプレイコントローラ213、接触センサ214、センサコントローラ215、電子ペンコントローラ216、近距離通信回路219、及び近距離通信回路219のアンテナ219a、電源スイッチ222及び選択スイッチ類223を備えている。
【0015】
これらのうち、キャプチャデバイス211は、外付けのPC(Personal Computer)270のディスプレイに対して映像情報を静止画または動画として表示させる。GPU(Graphics Processing Unit)212は、グラフィクスを専門に扱う半導体チップである。ディスプレイコントローラ213は、GPU212からの出力画像をディスプレイ280等へ出力するために画面表示の制御及び管理を行う。接触センサ214は、ディスプレイ280上に電子ペン290やユーザの手H等が接触したことを検知する。センサコントローラ215は、接触センサ214の処理を制御する。接触センサ214は、赤外線遮断方式による座標の入力及び座標の検出を行う。この座標の入力及び座標の検出する方法は、ディスプレイ280の上側両端部に設置された2つ受発光装置が、ディスプレイ280に平行して複数の赤外線を放射し、ディスプレイ280の周囲に設けられた反射部材によって反射されて、受光素子が放射した光の光路と同一の光路上を戻って来る光を受光する方法である。接触センサ214は、物体によって遮断された2つの受発光装置が放射した赤外線のIDをセンサコントローラ215に出力し、センサコントローラ215が、物体の接触位置である座標位置を特定する。電子ペンコントローラ216は、電子ペン290と通信することで、ディスプレイ280へのペン先のタッチやペン尻のタッチの有無を判断する。近距離通信回路219は、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の通信回路である。電源スイッチ222は、表示装置2の電源のON/OFFを切り換えるためのスイッチである。選択スイッチ類223は、例えば、ディスプレイ280の表示の明暗や色合い等を調整するためのスイッチ群である。
【0016】
更に、表示装置2は、バスライン210を備えている。バスライン210は、図2に示されているCPU201等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0017】
なお、接触センサ214は、赤外線遮断方式に限らず、静電容量の変化を検知することにより接触位置を特定する静電容量方式のタッチパネル、対向する2つの抵抗膜の電圧変化によって接触位置を特定する抵抗膜方式のタッチパネル、接触物体が表示部に接触することによって生じる電磁誘導を検知して接触位置を特定する電磁誘導方式のタッチパネルなどの種々の検出手段を用いてもよい。また、電子ペンコントローラ216が、電子ペン290のペン先及びペン尻だけでなく、電子ペン290のユーザが握る部分や、その他の電子ペンの部分のタッチの有無を判断するようにしてもよい。
【0018】
<ハードウェア構成例(情報端末)>
図3は、本発明の実施形態に係る情報端末のハードウェア構成の一例を示す図である。図3に示されているように、情報端末4は、CPU401、ROM402、RAM403、EEPROM404、CMOSセンサ405、撮像素子I/F406、加速度・方位センサ407、メディアI/F409、GPS受信部411を備えている。
【0019】
これらのうち、CPU401は、情報端末4全体の動作を制御する。ROM402は、CPU401やIPL等のCPU401の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。EEPROM404は、CPU401の制御にしたがって、情報端末4用プログラム等の各種データの読み出し又は書き込みを行う。CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ405は、CPU401の制御に従って被写体(主に自画像)を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。なお、CMOSセンサではなく、CCD(Charge Coupled Device)センサ等の撮像手段であってもよい。撮像素子I/F406は、CMOSセンサ405の駆動を制御する回路である。加速度・方位センサ407は、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパス、加速度センサ等の各種センサである。メディアI/F409は、フラッシュメモリ等の記録メディア408に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。GPS受信部411は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
【0020】
また、情報端末4は、遠距離通信回路412、CMOSセンサ413、撮像素子I/F414、マイク415、スピーカ416、音入出力I/F417、ディスプレイ418、外部機器接続I/F(Interface)419、近距離通信回路420、近距離通信回路420のアンテナ420a、及びタッチパネル421を備えている。
【0021】
これらのうち、遠距離通信回路412は、通信ネットワーク3を介して、他の機器と通信する回路である。CMOSセンサ413は、CPU401の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F414は、CMOSセンサ413の駆動を制御する回路である。マイク415は、音を電気信号に変える内蔵型の回路である。スピーカ416は、電気信号を物理振動に変えて音楽や音声などの音を生み出す内蔵型の回路である。音入出力I/F417は、CPU401の制御に従ってマイク415及びスピーカ416との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイ418は、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機EL(Electro Luminescence)などの表示手段の一種である。外部機器接続I/F419は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。近距離通信回路420は、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の通信回路である。タッチパネル421は、利用者がディスプレイ418を押下することで、情報端末4を操作する入力手段の一種である。
【0022】
また、情報端末4は、バスライン410を備えている。バスライン410は、図3に示されているCPU401等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0023】
<ハードウェア構成例(管理用端末装置)>
図4は、本発明の実施形態に係る管理用端末装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図4に示されるように、管理用端末装置5はコンピュータによって構築されており、CPU501、ROM502、RAM503、HD(Hard Disk)504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0024】
これらのうち、CPU501は、管理用端末装置5全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、マイク521、スピーカ522、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、インターネットを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。広域ネットワークI/F520は、LoRa等の広域ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、図4に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0025】
また、キーボード511は、文字、数値、又は各種指示などの入力に使用される複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWドライブ514は、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0026】
<ハードウェア構成例(画像形成装置)>
図5は、本発明の実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図5に示されているように、画像形成装置9(あるいは、MFP、Multifunction Peripheral/Product/Printerと呼ばれる)は、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940、ネットワークI/F950、広域ネットワークI/F951、及び外部接続機器I/F952を備えている。
【0027】
これらのうち、コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU901、システムメモリ(MEM-P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、ローカルメモリ(MEM-C)907、HDDコントローラ908、及び、HD909を有し、NB903とASIC906との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続した構成となっている。
【0028】
これらのうち、CPU901は、画像形成装置9の全体を制御する。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、及びAGPバス921とを接続するためのブリッジであり、MEM-P902に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0029】
MEM-P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM902a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM902bとからなる。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0030】
SB904は、NB903とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDD908およびMEM-C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC906は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931及びプリンタ部932との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC906には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしてもよい。
【0031】
近距離通信回路920は、ICカードなどに記憶された利用者の認証情報などを読込むためのカードリーダ920aを有する。
【0032】
操作パネル940は、利用者による入力を受け付けるタッチパネル940aとテンキー940bを有する。また、タッチパネル940aは、ネットワーク等を介して受信したコンテンツ情報、又は画像形成装置9が実行するアプリケーション画面などを表示する。
【0033】
ネットワークI/F950は、インターネットを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。広域ネットワークI/F951は、LoRa等の広域ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。外部接続機器I/F952は、マイク953、スピーカ954等の外部機器を接続するためのインターフェースである。
【0034】
<機能について>
図6は、本発明の実施形態に係る表示装置システムにおける機能ブロックの構成図の一例を示す図である。表示装置2は、通信部20、広域通信部21、直接通信部22、表示制御部23、認証部24、及び判断部25を有する。これら各部は、表示装置2にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令をCPU201が実行することで実現される機能又は手段である。記憶部26は、例えば、表示装置2が有するSSD204などの記憶装置によって実現可能である。
【0035】
通信部20は、表示装置2が有する通信機能であり、インターネット等の通信ネットワーク3を介して管理用端末装置5等と情報の送受信を行う。また、通信部20は、災害発生時等による通信の切断を検出し、通信ネットワーク3による通信から、直接通信部22による端末間直接通信、又は広域通信部21による広域ネットワーク7を介した通信に切り替える。
【0036】
広域通信部21は、表示装置2が有する通信機能であり、広域ネットワーク7を介して管理用端末装置5等と情報の送受信を行う。広域ネットワーク7についての詳細は後述する。
【0037】
直接通信部22は、表示装置2が有する通信機能であり、情報端末4と近距離無線通信、光通信、及び音波を用いた通信等(詳細は後述)による端末間直接通信を行うことにより、情報の送受信を行う。また、直接通信部22は、端末間直接通信により、情報端末4からの情報要求の送信を検知する。
【0038】
表示制御部23は、広報情報、災害情報、安否情報等を表示装置2のディスプレイ280に表示する。
【0039】
認証部24は、情報端末4又は管理用端末装置5等から表示装置2にアクセスするユーザの認証を実行する。ユーザの認証は、例えば、アクセス時に情報端末4又は管理用端末装置5から受信したユーザIDとパスワードが、保持する情報と一致するか否かに基づいて行う。
【0040】
判断部25は、予め設定された情報共有に関する設定情報等に基づいて、安否情報等の情報の共有が可能であるか、即ち、表示装置2のディスプレイへの情報の表示、又は他のユーザが利用する情報端末4への情報の配信が可能であるかを判断する。
【0041】
記憶部26は、広報情報、災害情報、安否情報等、及び情報共有に関する個人属性の設定情報等を記憶装置に記憶する。また、記憶部26は、情報端末4から受信した安否情報等の情報を記憶したか否かを検知する。
【0042】
情報端末4は、通信部30、直接通信部31、操作受付部32、及び表示制御部33を有する。これら各部は、情報端末4にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令をCPU401が実行することで実現される機能又は手段である。記憶部34は、例えば、情報端末4が有するEEPROM404などの記憶装置によって実現可能である。
【0043】
通信部30は、情報端末4が有する通信機能であり、インターネット等の通信ネットワーク3を介して管理用端末装置5等と情報の送受信を行う。
【0044】
直接通信部31は、情報端末4が有する通信機能であり、表示装置2と近距離無線通信光通信、及び音波を用いた通信等(詳細は後述)の端末間直接通信を行うことにより、情報の送受信を行う。
【0045】
操作受付部32は、情報端末4のタッチパネル421を介して、ユーザによる文字入力やボタンの押下などの操作を受け付ける。
【0046】
表示制御部33は、受信した災害情報や安否情報等を情報端末4のディスプレイ418に表示する。
【0047】
記憶部34は、広報情報、災害情報、安否情報等、及び情報共有に関する個人属性の設定情報等を記憶装置に記憶する。
【0048】
管理用端末装置5は、通信部10、広域通信部11、操作受付部12、及び表示制御部13を有する。これら各部は、管理用端末装置5にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令をCPU501が実行することで実現される機能又は手段である。記憶部14は、例えば、管理用端末装置5が有するHD504などの記憶装置によって実現可能である。
【0049】
通信部10は、管理用端末装置5が有する通信機能であり、インターネット等の通信ネットワーク3を介して表示装置2及び情報端末4等と情報の送受信を行う。
【0050】
広域通信部11は、管理用端末装置5が有する通信機能であり、広域ネットワーク7を介して表示装置2等と情報の送受信を行う。広域ネットワーク7についての詳細は後述する。
【0051】
操作受付部12は、管理用端末装置5のキーボードやポインティングデバイスを介して、ユーザによる文字入力やボタンの押下などの操作を受け付ける。
【0052】
表示制御部13は、表示装置2にアクセスした際に、管理画面等を管理用端末装置5のディスプレイ506に表示する。
【0053】
記憶部14は、広報情報、災害情報、安否情報等、及び情報共有に関する個人属性の設定情報等を記憶装置に記憶する。
【0054】
<表示装置における情報記憶処理>
図7は、本発明の実施形態に係る情報記憶処理に関するフローチャートの一例を示す図である。本フローチャートでは、図1の災害発生時、表示装置システム1bにおいて、表示装置2が端末間直接通信により情報端末4から安否情報を受信し、受信した安否情報を記憶する。以下、図7の各ステップの処理について説明する。
【0055】
ステップS50:表示装置2の通信部20は、災害の発生等により、通信ネットワーク3における通信が切断されたことを検知したならば、処理をステップS51に遷移させ、そうでないならば、通信切断の検知処理を継続する。
【0056】
ステップS51:表示装置2の直接通信部22は、端末間直接通信による情報端末4からの情報受信を有効化する。通常時は、悪戯防止の観点により端末間直接通信による情報送信のみを有効化し、情報受信は無効化することが望ましい。このため、表示装置2の直接通信部22は、通信ネットワーク3における通信が切断されたことを検知した後、通信ネットワーク3からの情報受信から、直接通信部22による端末間直接通信の情報受信に切り替える。端末間直接通信の手段として、近距離無線通信、光通信、及び音波通信等を用いることが可能である。近距離無線通信は、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、NFC(Near Field Communication)等の技術を用いることで、最大数十メートル程度の範囲までの通信が可能となる。光通信は、専用の送信機と受信機を用いることにより、通信が可能となる。音波通信は、表示装置2と情報端末4が有するマイクとスピーカを用いて、音波による通信を行うことが可能となる。図8は、本発明の実施形態に係る音波による端末間直接通信における音声信号の一例を示す図である。図8において、縦軸は情報端末4のスピーカから発した音波を表示装置2のマイクで受信した音声信号に対して、フーリエ変換により周波数領域に変換して算出した音声信号の音量(強度)を示し、横軸は音声信号の周波数を示す。ここで、周波数が低い領域に周辺ノイズの音声信号120が存在し、周波数が高い領域に情報端末4が送信した送信情報を含む音声信号121が存在する。周辺ノイズよりも高い周波数の音波を用いて情報を送信することにより、周辺ノイズの影響を受けにくくすることが可能であるが、ユーザが情報の送信を知覚可能にするため、可聴領域の周波数の音波を用いてもよい。図7に戻って説明する。
【0057】
ステップS52:表示装置2の直接通信部22は、端末間直接通信により、情報端末4から安否情報を受信したならば、処理をステップS53に遷移させ、そうでないならば、処理をステップS50に遷移させる。ここで、表示装置2の認証部24は、情報端末4から安否情報を受信する前に、情報端末4を利用するユーザの認証を実行して、認証が成功した場合のみ、情報端末4から安否情報を受信するようにしてもよい。ユーザの認証は、例えば、情報端末4から受信したユーザIDとパスワードが、保持する情報と一致するか否かに基づいて行う。表示装置2の直接通信部22が安否情報を受信する場合、情報端末4の直接通信部31は、安否情報において共有可能な項目の情報のみを送信する、或いは、項目ごとに共有可能であるか否かの情報を付与して送付してもよい。
【0058】
ステップS53:表示装置2の記憶部26は、情報端末4から受信した情報を表示装置2の記憶装置に記憶する。
【0059】
以上の処理が示すように、表示装置システム1では、災害発生等によりインターネット等の通信ネットワーク3が切断された際に、表示装置2が端末間直接通信により情報端末4から安否情報等の情報を受信し、受信した情報を記憶することが可能である。
【0060】
<表示装置における情報表示処理>
図9は、本発明の実施形態に係る表示装置における情報表示処理に関するフローチャートの一例を示す図である。本フローチャートでは、図1の災害発生時、表示装置システム1bにおいて、表示装置2は、個人属性に基づいて、図7のフローチャートにおける処理で記憶した安否情報を表示する。以下、図9の各ステップの処理について説明する。
【0061】
ステップS60:表示装置2の記憶部26は、情報端末4から受信した安否情報を記憶したことを検知したならば、処理をステップS61に遷移させ、そうでないならば、安否情報の検知処理を継続する。
【0062】
ステップS61:表示装置2の判断部25は、情報端末4から受信した安否情報に含まれる個人属性に関する情報に基づいて、表示可能な情報があるかを判断する。図10は、本発明の実施形態に係る情報共有に関する設定(共有可否)を含む安否情報の一例を示す図である。図10の安否情報100は、ユーザID101、設問102、状態103、及び共有可否104の項目を有する。
【0063】
ユーザID101は、ユーザを識別する識別子であり、IDはIdentificationの略である。
【0064】
設問102は、安否情報における設問の種類を特定する情報である。安否情報の設問は、「負傷しているか?」等の内容である。
【0065】
状態103は、設問102に対してユーザが入力する情報である。例えば、「負傷しているか?」の設問に対して、負傷していないならば、状態は「問題無」となる。
【0066】
共有可否104は、状態103に設定された情報を表示装置2に表示する等により、共有することが可能であるか否かを示す情報であり、「〇」は共有可能、「×」は共有不可を示す。
【0067】
表示装置2の判断部25は、安否情報100において、共有可能である情報(共有可否104が「〇」の情報)が存在するならば、表示可能な情報があると判断する。図9に戻って説明する。
【0068】
ステップS62:表示装置2の表示制御部23は、表示装置2のディスプレイ280にステップS61で判断部25が共有可能であると判断した安否情報を表示する。図11図12は、本発明の実施形態に係るそれぞれ通常時と災害発生時における表示装置の外観図の一例を示す図である。図11の通常時における表示装置外観80には、表示装置2のディスプレイ280に相当する表示部81と掲示物を掲載する掲載領域84が存在する。更に、表示部81には、広報情報を表示するための領域である広報情報表示領域82と広報情報表示領域83がある。また、図12の災害発生時における表示装置外観90には、表示装置2のディスプレイ280に相当する表示部91と掲示物を掲載する掲載領域94が存在する。更に、表示部91には、災害情報を表示するための領域である災害情報表示領域92と災害情報表示領域93、及び安否情報を表示するための領域である安否情報表示領域95がある。表示装置2の表示制御部23は、判断部25が共有可能であると判断した安否情報を安否情報表示領域95に表示する。図9に戻って説明する。
【0069】
以上の処理が示すように、表示装置システム1bでは、災害発生時において、表示装置2が、ユーザが予め設定した共有可否に関する情報に基づいて、安否情報を表示すること、即ち、個人属性に合わせた情報の表示が可能である。
【0070】
<表示装置における情報共有処理>
図13は、本発明の実施形態に係る情報共有処理に関するフローチャートの一例を示す図である。本フローチャートでは、図1の災害発生時、表示装置システム1bにおいて、表示装置2が、個人属性に基づいて安否情報を他の情報端末に共有する。以下、図13の各ステップの処理について説明する。
【0071】
ステップS70:表示装置2の直接通信部22は、端末間直接通信により、情報端末4からの情報要求の送信を検知したならば、処理をステップS71に遷移させ、そうでないならば、情報要求の検知処理を継続する。ここで、表示装置2の認証部24は、情報端末4から情報要求を受信した後、情報端末4を利用するユーザの認証を実行して、認証が成功した場合のみ、処理をステップS71に遷移させるようにしてもよい。ユーザの認証は、例えば、情報端末4から受信したユーザIDとパスワードが、保持する情報と一致するか否かに基づいて行う。
【0072】
ステップS71:表示装置2の記憶部26は、情報端末4から受信した安否情報が記憶されていることを検知したならば、処理をステップS72に遷移させ、そうでないならば、情報端末4との通信を終了して、処理をステップS70に遷移させる。ここで、情報端末4との通信を終了する前に、表示装置2の直接通信部22は、安否情報がないことを通知するメッセージを情報端末4に送信してもよい。
【0073】
ステップS72:表示装置2の判断部25は、予め設定された情報共有に関する設定に基づいて、通信中の情報端末4を利用するユーザに共有可能な安否情報が存在するか否かを判断する。図14は、本発明の実施形態に係る情報共有に関する設定(共有範囲)の一例を示す図である。図14の設定情報110は、グループ111、ユーザID112、安否情報113、及び共有範囲114の項目を有する。
【0074】
グループ111は、ユーザが所属するグループ(家族等)である。
【0075】
ユーザID112は、図10のユーザID101と同じく、ユーザを識別する識別子である。
【0076】
安否情報113は、ユーザが入力した安否情報であり、「〇」は安全であることを示し、「-」は未入力であることを示す。
【0077】
共有範囲114は、安否情報113を共有可能である範囲であり、「公開可能」は全てのグループに共有可能(公開範囲の制限が無い)であることを示し、「家族内」は自分の家族内のみに共有可能であることを示す。
【0078】
表示装置2の判断部25は、設定情報110を参照して、情報端末4を利用するユーザに共有可能な安否情報が存在するならば処理をステップS73に遷移させ、そうでないならば、処理をステップS70に遷移させる。ここで、処理をステップS70に遷移させる際に、表示装置2の直接通信部22は、共有可能な安否情報がないことを通知するメッセージを情報端末4に送信してもよい。
【0079】
ステップS72:表示装置2の直接通信部22は、共有可能と判断された安否情報を情報端末4の直接通信部31に送信する。或いは、表示装置2の表示制御部23は、共有可能と判断された安否情報をディスプレイに表示する。
【0080】
以上の処理が示すように、表示装置システム1では、表示装置2は、予め設定された共有範囲に関する情報に基づいて、情報端末4を利用するユーザに共有可能な安否情報の共有することが可能である、即ち、個人属性に合わせた情報の表示又は配信が可能である。
【0081】
<広域ネットワークを用いた情報配信>
図15は本発明の実施形態に係る広域ネットワークを用いた表示装置システムの概略図の一例を示す図である。図15に示す表示装置システム1cでは、災害発生時に通信ネットワーク3が利用不可能となった場合、通信ネットワーク3と独立したネットワークである広域ネットワーク7を利用して、災害情報や安否情報等を配信する。広域ネットワーク7は、例えば、LoRa等の低電力で広域をカバーするLPWA(Low Power Wide Area)とよばれるネットワークであり、最大数百メートルから数キロ程度の範囲で無線通信が可能である。管理用端末装置5は、広域ネットワークゲートウェイ6を介して、広域ネットワーク7に接続して、表示装置2(2a、2b)に対して、災害情報等の配信、及び配信時における個人属性に関する設定等を実行する。
【0082】
図16は、本発明の実施形態に係る広域ネットワークを用いた情報表示及び配信処理に関するシーケンスの一例を示す図である。本シーケンスでは、図15の表示装置システム1cが、広域ネットワーク7に接続された表示装置2a、2bを介して、情報端末4aのユーザの安否情報を遠隔にいるユーザの情報端末4bに配信する。
【0083】
ステップS40:通信ネットワーク3に接続可能な正常時において、管理用端末装置5の操作受付部12は、個人属性に関する設定を表示装置2aに設定するための管理者による操作を受け付ける。ここで、個人属性に関する設定は、図10及び図14に示した安否情報の項目に対する共有可否に関する情報、及び安否情報を共有可能な共有範囲に関する情報等の情報共有に関する情報である。管理用端末装置5の通信部10は、管理者が設定した個人属性に関する設定情報を表示装置2aの通信部20に送信する。或いは、管理者による操作に基づいて、管理用端末装置5の通信部10は、記憶部14に記憶された個人属性に関する設定情報を送信するようにしてもよい。表示装置2aの記憶部26は、受信した個人属性に関する設定情報を記憶する。
【0084】
ステップS41:表示装置2bに対しても、ステップS40と同様の処理を実行する。
【0085】
以降、災害が発生して、通信ネットワーク3が利用不可能となるが、広域ネットワーク7は利用可能である。
【0086】
ステップS42:情報端末4aの操作受付部32は、ユーザによる安否情報(図10の状態103と同様の情報)を入力する操作、及び入力した安否情報の送信要求を表示装置2aに送信する操作を受け付ける。ここで、操作受付部32は、ユーザによる送信する安否情報の項目を選択する操作、又は安否情報の項目に対する共有可否に関する情報(図10の共有可否104と同様の情報)を入力する操作を受け付けてもよい。情報端末4aの直接通信部31は、前述の音波通信等の端末間直接通信を用いて、安否情報の送信を要求するメッセージを表示装置2aの直接通信部22に送信する。送信するメッセージには、ユーザが入力した安否情報が含まれ、更に共有可否に関する情報が含まれてもよい。
【0087】
ステップS43:表示装置2aの記憶部26は、受信した安否情報を記憶装置に記憶する。また、表示装置2aの認証部24は、情報端末4aから安否情報の送信要求を受信した際に、情報端末4aを利用するユーザの認証を実行してもよい。ユーザの認証は、例えば、情報端末4aから受信したユーザIDとパスワードが、保持する情報と一致するか否かに基づいて行う。
【0088】
ステップS44:表示装置2aの判断部25は、共有可否に関する設定情報に基づいて、受信した安否情報に共有可能な安否情報が含まれるか否かを判断する。共有可否に関する設定情報は、ステップS40で設定された情報であってもよいし、受信したメッセージに含まれる情報であってもよい。また、判断部25は、ステップS40で設定された共有範囲に関する設定において、該当するユーザの安否情報の共有範囲が制限されていない場合のみ(例えば、図14の共有範囲114が「公開可能」の場合のみ)、共有可能であると判断してもよい。共有可能な安否情報が含まれる場合、表示装置2aの表示制御部23は、共有可能な安否情報をディスプレイに表示する。
【0089】
ステップS45:表示装置2aの広域通信部21は、広域ネットワーク7を介して、受信した安否情報を表示装置2bの広域通信部21に送信する。ここで、表示装置2aの広域通信部21は、ステップS42で受信したメッセージに含まれる共有可否に関する情報を安否情報とともに送信してもよい。
【0090】
ステップS46:表示装置2bの記憶部26は、受信した情報(安否情報、及び共有可否に関する情報)を記憶装置に記憶する。
【0091】
ステップS47:表示装置2bの判断部25は、共有可否に関する設定情報に基づいて、受信した安否情報に共有可能な安否情報が含まれるか否かを判断する。共有可否に関する設定情報は、ステップS41で設定された情報であってもよいし、ステップS46で受信した情報であってもよい。また、判断部25は、ステップS41で設定された共有範囲に関する設定において、該当するユーザの安否情報の共有範囲が制限されていない場合のみ(例えば、図14の共有範囲114が「公開可能」の場合のみ)、共有可能であると判断してもよい。表示装置2bの表示制御部23は、受信した安否情報に共有可能な安否情報が含まれる場合、共有可能な安否情報をディスプレイに表示する。
【0092】
ステップS48:情報端末4bの操作受付部32は、ユーザによる安否情報の受信要求を表示装置2bに送信する操作を受け付ける。情報端末4bの直接通信部31は、前述の音波通信等の端末間直接通信を用いて、安否情報の受信を要求するメッセージを表示装置2bの直接通信部22に送信する。ここで、表示装置2bの認証部24は、情報端末4bを利用するユーザの認証を実行してもよい。ユーザの認証は、例えば、情報端末4bから受信したユーザIDとパスワードが、保持する情報と一致するか否かに基づいて行う。
【0093】
ステップS49:表示装置2bの判断部25は、共有範囲に関する設定情報に基づいて、ステップS46で記憶した安否情報を情報端末4bのユーザに共有可能であるか判断する。例えば、判断部25は、安否情報の共有範囲が家族内に限定されており、安否情報を送信した情報端末4aのユーザと安否情報を受信する情報端末4bのユーザが同じ家族である場合、共有可能と判断する。安否情報が共有可能であると判断された場合、表示装置2bの直接通信部22は、情報端末4bの直接通信部31に安否情報を送信する。
【0094】
以上の処理が示すように、表示装置システム1cでは、災害発生時に、情報共有に関する個人属性の設定に基づいて、安否情報を離れた場所にある表示装置2及び情報端末4に配信、及び表示することが可能である。
【0095】
なお、災害発生前に、ステップS40、S41において、通信ネットワーク3を介して表示装置2に対して実行した個人属性に関する設定情報の設定処理は、災害発生後に、広域ネットワーク7を介して、同様に設定処理を実行してもよい。また、災害発生後に、管理用端末装置5から表示装置2に災害情報を配信、及び表示してもよい。
【0096】
<画像形成装置を用いた情報配信>
図17は、本発明の実施形態に係る画像形成装置を用いた表示装置システムの概略図の一例を示す図である。図17の表示装置システム1dには、コンビニエンスストア等の店舗8a、8bごとに設置されたコピー機能やスキャン機能を有する画像形成装置9a、9bを含む。ここで、図16の表示装置システム1cにおける表示装置2a、2bの代わりに、広域ネットワーク7を利用可能な範囲内のコンビニエンスストア等の店舗にある画像形成装置を活用することにより、同様に安否情報の表示及び配信処理を実行することが可能である。また、図17の画像形成装置9a、9bは、図16の表示装置2a、2bと同様に、広域ネットワーク7における通信、情報端末4a、4bとの端末間直接通信、受信した情報の記憶、及び情報表示が可能であるものとする。
【0097】
<変形例>
図7のステップS52において、表示装置2の直接通信部22が受信する安否情報は、情報端末4のユーザが発声した音声をマイクで受信した音声データが含まれていても良い。ここで、音声データは、ユーザが情報端末4のマイクで入力した音声データであってもよいし、表示装置2のマイクに入力した音声データを情報端末4から受信した安否情報に加えるようにしてもよい。更に、図9のステップS62において、表示装置2は、安否情報を表示する際に、安否情報に含まれる音声データをスピーカで再生する。又は、図13のステップS73において、安否情報を情報端末4に共有した後、安否情報を情報端末4で表示する際に、安否情報に含まれる音声データをスピーカで再生する。これにより、目が不自由なユーザ、又はユーザの家族等の目が不自由である場合に、安否情報を音声で聞かせることが可能となる。
【0098】
以上、本発明を実施するための幾つかの形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0099】
例えば、図6の機能ブロックの構成図の一例は、表示装置システム1、表示装置2、情報端末4,及び管理用端末装置5による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。表示装置システム1における処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【0100】
また、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0101】
また、記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、表示装置システム1は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。
【符号の説明】
【0102】
1、1a、1b、1c、1d 表示装置システム
2、2a、2b 表示装置
3 通信ネットワーク
4、4a、4b 情報端末
5 管理用端末装置
6 広域ネットワークゲートウェイ
7 広域ネットワーク
9、9a、9b 画像形成装置
10、20、30 通信部
11、21 広域通信部
12、32 操作受付部
13 23、33 表示制御部
14、26、34 記憶部
22、31 直接通信部
24 認証部
25 判断部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0103】
【特許文献1】特開2018-147320号
【特許文献2】特開2015‐225612号
【特許文献3】特開2017‐033183号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17