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特開2023-180519情報処理装置、情報処理方法、プログラム、および情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180519
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラム、および情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/90 20190101AFI20231214BHJP
【FI】
G06F16/90 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022093891
(22)【出願日】2022-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】小浦 誠矢
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175EA01
5B175JC05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】チャットボットにおけるユーザの質問および回答に関するFAQ等について、ユーザのフィードバックおよび操作等からFAQをより効率的に改善することができる情報処理装置、情報処理方法、プログラム、および情報処理システムを提供する。
【解決手段】情報処理システムにおいて、回答作成サーバ3は、過去に入力された第1の文章に対応する第2の文章を記憶する文章記憶部303と、第2の文章に対する利用者の操作情報を所定の情報と対応付けて記憶する操作情報記憶部と、文章記憶部から、新たに入力された第1の文章に対応する第2の文章を検索する検索部301と、操作情報記憶部において、検索された第2の文章の操作情報と対応付けられる所定の情報に基づいて、当該検索された第2の文章の表示順を判定する判定部302と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
過去に入力された第1の文章に対応する第2の文章を記憶する文章記憶部と、
前記第2の文章に対する利用者の操作情報を所定の情報と対応付けて記憶する操作情報記憶部と、
前記文章記憶部から、新たに入力された前記第1の文章に対応する前記第2の文章を検索する検索部と、
前記操作情報記憶部において、検索された前記第2の文章の前記操作情報と対応付けられる前記所定の情報に基づいて、当該検索された第2の文章の表示順を判定する判定部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記表示順に従って、検索された前記第2の文章を表示する表示制御部をさらに備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示順の判定に用いる学習モデルを学習する学習部と、
前記学習モデルを記憶するモデル記憶部と、をさらに備え、
前記判定部は、さらに、前記モデル記憶部に記憶される前記学習モデルに基づいて、検索された前記第2の文章の前記表示順を判定する、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記操作情報は、前記第2の文章に対する利用者の操作の操作ログを含む、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記所定の情報は、前記第2の文章に対する利用者の回答の種別を含む、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記回答の種別は、前記第2の文章に含まれるリンクの操作を含む、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第1の文章は、質問情報であり、
前記第2の文章は、回答情報である、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
情報処理装置で実行される情報処理方法であって、
過去に入力された第1の文章に対応する第2の文章を記憶する文章記憶部から、新たに入力された前記第1の文章に対応する前記第2の文章を検索するステップと、
前記第2の文章に対する利用者の操作情報を所定の情報と対応付けて記憶する操作情報記憶部において、検索された前記第2の文章の前記操作情報と対応付けられる前記所定の情報に基づいて、当該検索された第2の文章の表示順を判定するステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項9】
前記表示順に従って、検索された前記第2の文章を表示するステップをさらに含む請求項8に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記表示順の判定に用いる学習モデルを学習するステップと、
モデル記憶部に記憶される前記学習モデルに基づいて、検索された前記第2の文章の前記表示順を判定するステップと、
を含む、請求項8または9に記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記操作情報は、前記第2の文章に対する利用者の操作の操作ログを含む、請求項8または9に記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記所定の情報は、前記第2の文章に対する回答の種別を含む、請求項8または9に記載の情報処理方法。
【請求項13】
前記回答の種別は、前記第2の文章に含まれるリンクの操作を含む、請求項12に記載の情報処理方法。
【請求項14】
前記第1の文章は、質問情報であり、
前記第2の文章は、回答情報である、請求項8または9に記載の情報処理方法。
【請求項15】
コンピュータを、
過去に入力された第1の文章に対応する第2の文章を記憶する文章記憶部から、新たに入力された前記第1の文章に対応する前記第2の文章を検索する検索部と、
前記第2の文章に対する利用者の操作情報を所定の情報と対応付けて記憶する操作情報記憶部において、検索された前記第2の文章の前記操作情報と対応付けられる前記所定の情報に基づいて、当該検索された第2の文章の表示順を判定する判定部と、
して機能させるためのプログラム。
【請求項16】
過去に入力された第1の文章に対応する第2の文章を記憶する文章記憶部と、
前記第2の文章に対する利用者の操作情報を所定の情報と対応付けて記憶する操作情報記憶部と、
前記文章記憶部から、新たに入力された前記第1の文章に対応する前記第2の文章を検索する検索部と、
前記操作情報記憶部において、検索された前記第2の文章の前記操作情報と対応付けられる前記所定の情報に基づいて、当該検索された第2の文章の表示順を判定する判定部と、
を備える情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、プログラム、および情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザからの質問に対する回答を作成するチャットボットサービスが知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
利用者からの問い合わせ等に応じて、コンピュータ等の装置またはオペレータが応答する自動応答サービス、いわゆるチャットボットサービスのシステムが知られている。チャットボットサービスにおけるアクターは、問い合わせに対する応答(つまり、FAQ等)のメンテナンスを実施する管理者、および、チャットボットに対して質問するユーザの双方である。
【0004】
従来のチャットボットサービス(以下、単に、「チャットボット」という。)では、ユーザのフィードバックからFAQのメンテナンスする方法およびその効果が限定的であり、よりユーザの所望の回答を得られるための改善に手間がかかり効率的とは言えなかった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、チャットボットにおけるユーザの質問および回答に関するFAQ等について、ユーザのフィードバックおよび操作等からより効率的に改善することができる情報処理装置、情報処理方法、プログラム、および情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、過去に入力された第1の文章に対応する第2の文章を記憶する文章記憶部と、前記第2の文章に対する利用者の操作情報を所定の情報と対応付けて記憶する操作情報記憶部と、前記文章記憶部から、新たに入力された前記第1の文章に対応する前記第2の文章を検索する検索部と、前記操作情報記憶部において、検索された前記第2の文章の前記操作情報と対応付けられる前記所定の情報に基づいて、当該検索された第2の文章の表示順を判定する判定部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、チャットボットにおけるユーザの質問および回答に関するFAQ等について、ユーザのフィードバックおよび操作等からより効率的に改善することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施の形態にかかる情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、本実施の形態にかかる情報処理装置、回答作成サーバ、またはAIモデル作成サーバを実現するPCまたはサーバのハードウェア構成図である。
図3図3は、本実施の形態にかかる情報処理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図4-1】図4-1は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおける回答情報の表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4-2】図4-2は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおけるAIモデルの学習処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5図5は、本実施の形態にかかる情報処理システムによる所定の情報の取得処理の一例を説明するための図である。
図6図6は、本実施の形態にかかる情報処理システムによる所定の情報の取得処理の他の例を説明するための図である。
図7図7は、本実施の形態にかかる情報処理システムによる所定の情報の取得処理の他の例を説明するための図である。
図8図8は、本実施の形態にかかる情報処理システムが有する操作ログ保存DBのデータ構成の一例を示す図である。
図9図9は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおける回答情報の表示処理の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、情報処理装置、情報処理方法、プログラム、および情報処理システムの実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
図1は、本実施の形態にかかる情報処理システムの構成の一例を示す図である。本実施の形態にかかる情報処理システムは、図1に示すように、情報処理装置1と、操作ログ保存DB2と、回答作成サーバ3と、AIモデル保存ストレージ4と、AIモデル作成サーバ5と、ユーザ端末6と、を有する。情報処理装置1、操作ログ保存DB2、回答作成サーバ3、AIモデル保存ストレージ4、およびAIモデル作成サーバ5は、チャットボットサービス(以下、チャットボットという)を導入している企業等の管理者(オペレータを含む管理ユーザ)の管理端末等により実現される。ここで、チャットボットは、利用者からの問合せ等の質問情報に対して、回答情報を自動的に応答する自動応答サービスである。
【0011】
情報処理装置1は、チャットボットを有する装置である。ユーザ端末6は、スマート端末等、チャットボットの利用者が利用する端末である。操作ログ保存DB2は、ユーザ端末6における利用者の各種操作のログである操作ログ(操作情報の一例)を記憶する。回答作成サーバ3は、ユーザ端末6において利用者から入力された質問情報に対する回答情報を作成する。
【0012】
AIモデル保存ストレージ4は、回答作成サーバ3において作成される回答情報を表示する順序(以下、表示順という)の判定(決定)に用いるAIモデル(学習モデルの一例)を保存(記憶)する。AIモデル作成サーバ5は、操作ログ保存DB2に記憶される操作ログを用いて、AIモデルを学習し、当該学習したAIモデルをAIモデル保存ストレージ4に保存する。
【0013】
図2は、本実施の形態にかかる情報処理装置、回答作成サーバ、またはAIモデル作成サーバを実現するPCまたはサーバのハードウェア構成図である。ここでは、回答作成サーバ3のハードウェア構成について説明する。本実施の形態では、ユーザ端末6は、PCにより実現されるが、スマート端末であっても良い。
【0014】
図2に示されているように、回答作成サーバ3は、コンピュータによって構築されており、図2に示されているように、CPU501、ROM502、RAM503、HD504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、データバス510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0015】
これらのうち、CPU501は、回答作成サーバ3全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、または画像等の各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリおよびプリンタ等である。ネットワークI/F509は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。データバス510は、図2に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスおよびデータバス等である。
【0016】
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示等の入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択および実行、処理対象の選択、カーソルの移動等を行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出しまたは書き込み(記憶)を制御する。
【0017】
図3は、本実施の形態にかかる情報処理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。本実施の形態では、情報処理装置1は、図3に示すように、チャットボット101を有する。チャットボット101は、ユーザ端末6において入力を受け付けた質問情報(第1の文章の一例)に対する回答情報(第2の文章の一例)を行う。また、チャットボット101は、回答情報に対する利用者からの各種操作を受け付ける。ここで、各種操作は、回答情報の表示後の利用者の操作を含む。また、チャットボット101は、回答作成サーバ3において作成された回答情報を、当該回答作成サーバ3において判定された回答情報の表示順に従って表示する。
【0018】
操作ログ保存DB2は、情報処理装置1において入力を受け付けた各種操作の操作ログと、所定の情報と、を対応付けて記憶する操作情報記憶部の一例である。ここで、所定の情報は、チャットボット101の回答情報に対する利用者のアクション(回答情報を含む)の種別、例えば、チャットボット101の回答情報に含まれるURLリンク(リンクの一例)の操作(例えば、クリック)、チャットボット101の回答情報に対する利用者の満足度を含んでも良い。
【0019】
回答作成サーバ3は、検索部301、判定部302、および文章記憶部303を有する。検索部301は、ユーザ端末6から情報処理装置1に入力された質問情報に対する回答情報を作成し、その作成結果を情報処理装置1に送信する。文章記憶部303は、過去に入力された質問情報に対する回答情報を記憶する文章記憶部の一例として機能する。検索部301は、文章記憶部303に記憶される回答情報の中から、新たに入力された質問情報に対する回答情報を検索(作成)し、当該検索した回答情報を情報処理装置1に返す。
【0020】
判定部302は、操作ログ保存DB2において、検索された回答情報の操作ログと対応付けられる所定の情報に基づいて、当該回答情報の表示順を判定する。そして、判定部302は、判定した表示順を情報処理装置1に送信する。これにより、ユーザが手動でチャットボット101におけるFAQをメンテナンスする必要がなくなるので、FAQのメンテナンスコストおよび手間を削減する等、効率化することができる。また、FAQがユーザによって価値のある情報を届けたか否かを自動で図ることができるので、ユーザのフィードバックおよび操作等からFAQをより効率的に改善することができる。本実施の形態では、判定部302は、AIモデル保存ストレージ4に記憶されるAIモデルに基づいて、検索された回答情報の表示順を判定する。
【0021】
AIモデル保存ストレージ4は、回答作成サーバ3により作成された回答情報の表示順の判定に用いるAIモデルを保存(記憶)するモデル記憶部の一例である。ここで、AIモデルは、回答情報の表示順の判定に用いる学習モデルの一例である。
【0022】
AIモデル作成サーバ5は、学習部521を有する。学習部521は、操作ログ保存DB2に記憶される操作ログを用いて、AIモデルを学習し、当該学習したAIモデルをAIモデル保存ストレージ4に保存する。学習部521は、ユーザの操作ログが操作ログ保存DB2に記録される度、または1日に1回等の予め設定される頻度で、操作ログを学習データとして利用して、AIモデルを更新することで、管理者がユーザにとって必要な回答情報のランキング(表示順)を自動で更新する。例えば、季節柄の質問情報等は、その期間の操作ログが回答情報のランキングに影響する方が好ましい。そこで、学習部521は、学習する操作ログのデータを、質問情報を受け付けた日付でフィルタリングした上で、AIモデルを学習しても良い。
【0023】
ここで、回答情報の表示順の判定等、チャットボット101におけるFAQのメンテナンスの一例について説明する。本実施の形態では、情報処理システム(判定部302)は、情報処理装置1のチャットボット101からのメッセージ(回答情報)に対するユーザの何らかの操作ログに対応する所定の情報(直接的なフィードバック等を含む)を利用して、自動で、FAQのメンテナンスを実施する。ここで、FAQのメンテナンスには、回答情報のランキング、つまり、表示順序の自動調整が含まれる。ここで、チャットボット101からのメッセージは、例えば、以下のような内容であっても良い。
・ユーザの質問情報に対する回答情報
・ユーザの質問情報に対する回答情報と一緒に表示される直接的なフィードバック(例えば、「この中に答えはない」)
・ユーザからのフィードバック(満足度等)に対するユーザへの質問情報(直接的なフィードバック)
ここで、直接的なフィードバックとは、ユーザが意思を持って行った回答情報(操作)を意味する。
【0024】
また、FAQのメンテナンスのために必要となるユーザの操作ログの例には、ポジティブなアクション、およびネガティブなアクションが含まれていても良い。ポジティブなアクションとは、チャットボット101がユーザの質問情報に対して回答情報を返すことができたことを表しても良い。また、ネガティブなアクションとは、チャットボット101がユーザの質問情報に対して回答情報を返すができなかったことを表しても良い。
【0025】
本実施の形態では、操作ログ保存DB2、回答作成サーバ3、AIモデル保存ストレージ4、およびAIモデル作成サーバ5等、複数のサーバおよびストレージが、情報処理装置または情報処理システムの一例として機能するが、1つのサーバによって、情報処理装置または情報処理システムを実現することも可能である。
【0026】
図4-1は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおける回答情報の表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。図4-2は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおけるAIモデルの学習処理の流れの一例を示すフローチャートである。図4-1に示すように、ユーザが、チャットボット101により表示される画面において、質問情報を入力した場合、ユーザ端末6は、入力された質問情報を受け付け(ステップS401)、受け付けた質問情報をチャットボット101に送信して、当該質問情報に対して応答する回答情報の作成を依頼する(ステップS402)。
【0027】
チャットボット101は、ユーザ端末6から受信した質問情報を、回答作成サーバ3に転送する(ステップS403)。回答作成サーバ3の検索部301は、質問情報に対する回答情報を作成し、当該作成した回答情報を情報処理装置1に返す(ステップS404)。また、回答作成サーバ3の判定部302は、操作ログ保存DB2において当該作成された回答情報の操作ログと対応付けられる所定の情報、およびAIモデル保存ストレージ4に記憶されるAIモデルに基づいて、当該回答情報の表示順を判定する(ステップS405)。そして、判定部302は、判定した表示順を情報処理装置1に送信する(ステップS406)。情報処理装置1のチャットボット101は、回答作成サーバ3により受信した表示順に従って、回答作成サーバ3により受信した回答情報を含む画面を作成し、当該画面をユーザ端末6に表示させる(ステップS407)。
【0028】
図4-2に示すように、その後、ユーザ端末6に表示された回答情報に対する操作が入力されると、情報処理装置1のチャットボット101は、当該入力された操作の操作ログを操作ログ保存DB2に保存する。その際、チャットボット101は、入力された操作の操作ログを参照して、当該入力された操作が、ポジティブなアクションか否かを判断する(ステップS408)。ユーザにより入力された操作がネガティブなアクションであると判断した場合(ステップS408:No)、チャットボット101は、ユーザの質問情報に対するフィードバック(例えば、回答情報)の満足度が、予め設定された満足度より低いと判定する(ステップS409)。この場合、チャットボット101は、判定した満足度を操作ログと対応付けて操作ログ保存DB2に保存する(ステップS412)。
【0029】
一方、ユーザにより入力された操作がポジティブなアクションであると判断した場合(ステップS408:Yes)、チャットボット101は、回答情報と共に表示される直接的なフィードバック(例えば、「この中に答えはない」)に対する操作が、ポジティブなアクションか否かを判断する(ステップS410)。直接的なフィードバックに対する操作がネガティブなアクションと判断した場合(ステップS410:No)、チャットボット101は、ユーザの質問情報に対するフィードバック(例えば、回答情報)の満足度が、予め設定された満足度より低いと判定する(ステップS409)。この場合も、チャットボット101は、判定した満足度を操作ログと対応付けて操作ログ保存DB2に保存する(ステップS412)。
【0030】
一方、直接的なフィードバックに対する操作がポジティブなアクションであると判断した場合(ステップS410:Yes)、チャットボット101は、回答情報に対するフィードバック(例えば、満足度)が有るか否かを判断する(ステップS411)。そして、回答情報に対するフィードバックが無い場合(ステップS411:No)、チャットボット101は、予め設定された満足度より低いと判断して、当該満足度を操作ログと対応付けて、操作ログ保存DB2に保存する(ステップS412)。
【0031】
一方、回答情報に対するフィードバックが有る場合(ステップS411:Yes)、チャットボット101は、当該フィードバックが示す満足度を操作ログと対応付けて操作ログ保存DB2に保存する(ステップS413)。
【0032】
操作ログ保存DB2に操作ログが保存されると、AIモデル作成サーバ5の学習部521は、操作ログ保存DB2に記憶される操作ログを用いて、AIモデルを学習し(ステップS414)、当該学習したAIモデルをAIモデル保存ストレージ4に保存する(ステップS415)。
【0033】
図5は、本実施の形態にかかる情報処理システムによる所定の情報の取得処理の一例を説明するための図である。所定の情報は、ユーザの質問に対するチャットボット101の回答が適切であったのかの満足度アンケートの結果に基づいて取得されても良い。
【0034】
例えば、図5に示すように、ユーザが「価格について知りたい」と質問すると、チャットボット101が回答情報を表示する。その後に、回答情報がユーザにとって必要な情報であったかを、チャットボット101が質問(例えば、「今の回答で解決しましたか?はい、いいえで回答を終了します。」)をする。チャットボット101は、ユーザが「はい」または「いいえ」等で回答した結果を所定の情報として利用する。チャットボット101の回答情報に満足している「はい」を選択した場合は、チャットボット101は、ポジティブなリアクションと判断して、満足度が高いことを所定の情報として取得する。チャットボット101の回答情報に不満足である「いいえ」を選択した場合は、チャットボット101は、ネガティブなリアクションと判断して、満足度が低いことを所定の情報として取得する。そして、チャットボット101は、操作ログと、所定の情報と、を対応付けて操作ログ保存DB2に保存する。
【0035】
図6および図7は、本実施の形態にかかる情報処理システムによる所定の情報の取得処理の他の例を説明するための図である。所定の情報は、ユーザの質問に対するチャットボット101の回答に必要な情報があったか否かのアンケート結果(操作ログ)に基づいて取得されても良い。
【0036】
例えば、図6に示すように、ユーザが「AIについて知りたい」と質問すると、チャットボット101が回答情報の候補を表示する。チャットボット101は、その中に、「この中にはない」等のメッセージ(アンケート)を含めておいても良い。チャットボット101は、当該メッセージをユーザが選択したか否かの結果に基づいて、満足度を判断し、当該満足度を所定の情報として取得しても良い。当該メッセージを選択した場合は、チャットボット101は、ネガティブなリアクションと判断し、満足度が低いことを所定の情報として取得する。一方、当該メッセージが選択されず、何かしらの回答情報(例えば、「AIについて」または「体験版はありますか」等のメッセージ)が選択された場合は、チャットボット101は、ポジティブなリアクションと判断し、満足度が高いことを所定の情報として取得する。そして、チャットボット101は、操作ログと、所定の情報と、を対応付けて操作ログ保存DB2に保存する。
【0037】
また、ユーザの質問情報に対するチャットボット101の回答情報に対する操作ログは、以下の操作ログであっても良い。
・ユーザが回答情報に含まれているURLリンクL(図7参照)をクリックした。
・ユーザが回答情報に含まれている動画再生ボタンをクリックした。
・ユーザが回答情報に含まれているファイルのダウンロードボタンをクリックした。
・ユーザが回答情報に含まれているテキストのコピーをした。
【0038】
そして、チャットボット101は、当該チャットボット101の回答情報に対してユーザが実行したアクションの操作ログを利用して所定の情報を取得しても良い。上記の操作ログは、いずれの操作ログも全てユーザにとって何かしらの気づきを与えたと判断できるので、チャットボット101は、ポジティブなアクションを所定の情報として取得しても良い。また、これらの操作ログは、ユーザが抱えている課題を解決するための一連のアクションであるため、収集しやすい操作ログとなる。ただし、これらの操作ログは、ユーザが質問情報を解決するためのアクションとは別の目的を達成するための行動ではない。また、アンケートは、実質的には質問情報を解決するためのアクションではないので、ユーザが操作する可能性が低い。
【0039】
図8は、本実施の形態にかかる情報処理システムが有する操作ログ保存DBのデータ構成の一例を示す図である。本実施の形態にでは、操作ログ保存DB2は、図8に示すように、ユーザの質問情報(例えば、「AIについて知りたい」)に対応付けて、当該質問情報に対する回答情報(例えば、「AIについて」)、当該回答情報に対する操作ログ(例えば、URLリンクをクリック)、所定の情報(例えば、回答情報に満足したか否か、質問を受け付けた日付)を記憶している。AIモデル作成サーバ5の学習部521は、操作ログ保存DB2に記憶される各回答情報の操作ログを用いて、回答情報の表示順を決定(判定)するAIモデルを学習しても良い。
【0040】
図9は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおける回答情報の表示処理の一例を説明するための図である。本実施の形態では、チャットボット101は、図9に示すように、回答情報の表示順の学習(改善)前においては、「体験版はありますか」という回答情報の候補を上位に表示している。また、チャットボット101は、「導入実績が知りたい」という関連の質問がされた際に、「その他の候補を見る」を回答情報の候補として表示させる。そして、「社外からの問い合わせ対応事例について」がユーザによってよく選択された場合、チャットボット101は、「社外からの問い合わせ対応事例について」という回答情報の候補を上位に表示することが可能となる。
【0041】
このように、本実施の形態にかかる情報処理システムによれば、ユーザが手動でチャットボット101におけるFAQをメンテナンスする必要がなくなるので、FAQのメンテナンスコストおよび手間を削減する等、効率化することができる。また、FAQがユーザによって価値のある情報を届けたか否かを自動で図ることができるので、ユーザのフィードバックおよび操作等からFAQをより効率的に改善することができる。
【0042】
なお、本実施の形態の情報処理システムで実行されるプログラムは、ROM502等に予め組み込まれて提供される。本実施の形態の情報処理システムで実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0043】
さらに、本実施の形態の情報処理システムで実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態の情報処理システムで実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0044】
本実施の形態の情報処理システムで実行されるプログラムは、上述した各部(チャットボット101、検索部301、判定部302)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU501等のプロセッサが上記ROM502からプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、チャットボット101、検索部301、判定部302が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0045】
1 情報処理装置
2 操作ログ保存DB
3 回答作成サーバ
4 AIモデル保存ストレージ
5 AIモデル作成サーバ
6 ユーザ端末
101 チャットボット
301 検索部
302 判定部
303 文章記憶部
501 CPU
502 ROM
503 RAM
521 学習部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0046】
【特許文献1】特開2020-13514号公報
図1
図2
図3
図4-1】
図4-2】
図5
図6
図7
図8
図9