(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181257
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
H04N 23/52 20230101AFI20231214BHJP
G03B 17/55 20210101ALI20231214BHJP
G03B 19/07 20210101ALI20231214BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20231214BHJP
G03B 37/00 20210101ALI20231214BHJP
【FI】
H04N23/52
G03B17/55
G03B19/07
G03B15/00 W
G03B37/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023179335
(22)【出願日】2023-10-18
(62)【分割の表示】P 2019068522の分割
【原出願日】2019-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】藤央弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】築山 大亮
(72)【発明者】
【氏名】秋山 輝匡
(72)【発明者】
【氏名】伊三木 一皇
(72)【発明者】
【氏名】木次 康雄
(72)【発明者】
【氏名】神山 知也
(72)【発明者】
【氏名】相原 卓也
(57)【要約】
【課題】筐体内の熱を拡散すること。
【解決手段】撮像装置は、第1撮像素子と、前記第1撮像素子で発生した熱を伝導する第1熱伝導部と、前記第1撮像素子からの出力に基づく第1画像データを処理する、前記第1撮像素子よりも発熱量が大きい第1画像処理回路と、前記第1画像処理回路で発生した熱を伝導する第2熱伝導部と、前記第1撮像素子から前記第1熱伝導部への熱の伝導経路と、前記第1画像処理回路から前記第2熱伝導部への熱の伝導経路との間に設けられ、前記第2熱伝導部による熱を拡散する熱拡散部と、を備え、前記第1熱伝導部は、前記第1撮像素子に対して、前記第1撮像素子に光が入射する方向とは異なる方向に配置される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1撮像素子と、
前記第1撮像素子で発生した熱を伝導する第1熱伝導部と、
前記第1撮像素子からの出力に基づく第1画像データを処理する、前記第1撮像素子よりも発熱量が大きい第1画像処理回路と、
前記第1画像処理回路で発生した熱を伝導する第2熱伝導部と、
前記第1撮像素子から前記第1熱伝導部への熱の伝導経路と、前記第1画像処理回路から前記第2熱伝導部への熱の伝導経路との間に設けられ、前記第2熱伝導部による熱を拡散する熱拡散部と、を備え、
前記第1熱伝導部は、前記第1撮像素子に対して、前記第1撮像素子に光が入射する方向とは異なる方向に配置される、撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、複数種類の発熱電子部品の間で熱的な干渉が生じ難くした放熱構造を開示する。しかしながら、特許文献1の放熱構造では、断熱部材を用いているため、断熱部材において熱が均一に広がらない。したがって、回路基板近傍での熱拡散が考慮されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
本開示技術にかかる撮像装置は、第1撮像素子と、前記第1撮像素子で発生した熱を伝導する第1熱伝導部と、前記第1撮像素子からの出力に基づく第1画像データを処理する、前記第1撮像素子よりも発熱量が大きい第1画像処理回路と、前記第1画像処理回路で発生した熱を伝導する第2熱伝導部と、前記第1撮像素子から前記第1熱伝導部への熱の伝導経路と、前記第1画像処理回路から前記第2熱伝導部への熱の伝導経路との間に設けられ、前記第2熱伝導部による熱を拡散する熱拡散部と、を備え、前記第1熱伝導部は、前記第1撮像素子に対して、前記第1撮像素子に光が入射する方向とは異なる方向に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】
図1は、実施例1にかかる撮像装置の斜視図である。
【
図2】
図2は、実施例1にかかる撮像装置の側断面
図1である。
【
図3】
図3は、実施例1にかかる撮像装置の側断面
図2である。
【
図4】
図4は、実施例2にかかる撮像装置を示す説明図である。
【
図5】
図5は、実施例3にかかる撮像装置の側断面図である。
【
図6】
図6は、実施例3にかかる撮像装置の側断面図である。
【
図7】
図7は、撮像装置内におけるフレキシブル配線基板の引き回し例を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、実施例5にかかる撮像装置の側断面図である。
【
図9】
図9は、実施例6にかかる撮像装置の側断面図である。
【
図10】
図10は、実施例7にかかる撮像装置の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例0006】
<撮像装置の外観>
図1は、実施例1にかかる撮像装置の斜視図である。
図1において、(A)は正面斜視図であり、(B)は背面斜視図である。撮像装置100は、筐体101を有する。筐体101は、正面板部101A,背面板部101B,底面板部101C,上面板部101D,左側面板部101Eおよび右側面板部101Fを有する。
【0007】
正面板部101Aには、広角レンズ102Aが設けられる。背面板部101Bには、広角レンズ102Bが設けられる。左側面板部101Eには、吸気口104が設けられる。右側面板部101Fには、排気口105が設けられる。吸気口104および排気口105には、たとえば、網目状または線状のスリットが設けられ、スリットの間を空気が通過する。吸気口104および排気口105は、筐体101内部でX軸方向に連通するように構成される。
【0008】
広角レンズ102Aは、筐体101から表出するように筐体101に設けられる。広角レンズ102Aは、筐体101外からの光を入射して撮像素子に出射する。広角レンズ102Bは、広角レンズ102Aが表出する方向とは反対方向に筐体101から表出するように筐体101に設けられる。広角レンズ102Bは、筐体101外からの光を入射して撮像素子に出射する。
【0009】
広角レンズ102Aの光軸と広角レンズ102Bの光軸とは一致する。広角レンズ102A,102Bの少なくとも一方は、180度以上の画角を有する。撮像装置100は、2つの撮像素子を互いに逆向きとなるように配置し、各撮像素子の前段に広角レンズ102Aおよび広角レンズ102Bを配置することで、4πステラジアンの立体角で被写体を撮像する。
【0010】
2つの撮像素子で得られた画像データを合成すると、全天球画像(4πステラジアンの立体角内の画像)の画像データが生成される。なお、広角レンズ102A,102Bは、被写体を撮像する範囲が4πステラジアンの立体角分必要ない場合には、2つとも180未満の画角を有するものでもよい。
【0011】
ここで、実施例1の座標軸110について説明する。座標軸110では、広角レンズ102A,102Bの光軸をZとし、光軸Zと102Bから広角レンズ102Aへの方向を+Z方向とし、光軸Zと102Aから広角レンズ102Bへの方向を-Z方向とする。また、光軸Zに直交する2つの軸をそれぞれX、Yとする。
【0012】
軸Xは、左側面板部101Eおよび右側面板部101Fの配列方向である。左側面板部101Eから右側面板部101Fへの方向を、+X方向とし、右側面板部101Fから左側面板部101Eへの方向を、-X方向とする。+X方向は、吸排気方向を示す。軸Yは、底面板部101Cおよび上面板部101Dの配列方向である。底面板部101Cから上面板部101Dへの方向を、+Y方向とし、上面板部101Dから底面板部101Cへの方向を、-Y方向とする。
【0013】
また、本実施例において、広角レンズ102A,102Bのように、末尾に「A」および「B」が付されている符号において、末尾がAの符号は、撮像装置100の正面側に配置される部材を示し、末尾がBの符号は、撮像装置100の背面側に配置される部材を示す。なお、「A」(正面側)および「B」(背面側)を区別しない場合は、「A」および「B」を省略する。たとえば、広角レンズ102A,102Bを区別しない場合は、単に、「広角レンズ102」とする。
【0014】
<撮像装置100の側断面図>
図2は、実施例1にかかる撮像装置100の側断面
図1である。撮像装置100は、鏡筒201A,201Bと、撮像素子202A,202Bと、第1ヒートシンク203-1A,203-1B,第2ヒートシンク203-2A,203-2Bと、フレキシブル配線基板204A,204Bと、第1放熱シート205-1A,205-1B,第2放熱シート205-2A,205-2Bと、熱拡散部材206A,206Bと、回路基板207A,207Bと、プロセッサ208A,208Bと、第3ヒートシンク209A,209Bと、通気孔210と、冷却ファン211と、と有する。
【0015】
撮像素子202、回路基板207およびプロセッサ208が熱源である。プロセッサ208は、撮像素子202よりも発熱量が大きい。鏡筒201は、広角レンズ102を保持する。撮像素子202は、広角レンズ102からの被写体光を受光して電気信号に変換し、フレキシブル配線基板204を介して回路基板207およびプロセッサ208に出力する。
【0016】
第1ヒートシンク203-1は、第1放熱シート205-1から吸熱し、筐体101に放熱する熱伝導部材である。また、正面板部101Aから第1ヒートシンク203-1を露出させてもよい。これにより、筐体101の内部の空気が第1ヒートシンク203-1から直接撮像装置100の外部に排出されるため、冷却効率が向上する。撮像素子202から第1ヒートシンク203-1への熱が伝わる経路を、熱伝導経路と称す。
【0017】
第2ヒートシンク203-2は、第2放熱シート205-2から吸熱し、筐体101に放熱する熱伝導部材である。正面板部101Aから第2ヒートシンク203-2を露出させてもよい。これにより、筐体101の内部の空気が第2ヒートシンク203-2から直接撮像装置100の外部に排出されるため、冷却効率が向上する。撮像素子202から第2ヒートシンク203-2への熱が伝わる経路を、熱伝導経路と称す。
【0018】
フレキシブル配線基板204は、可撓性のプリント配線基板であり、撮像素子202からの出力信号を回路基板207およびプロセッサ208に出力する。フレキシブル配線基板204は、撮像素子202と回路基板207との間で、熱拡散部材206を迂回して、熱拡散部材206の-X側端部と右側面板部101Fの内面との間に引き回されている。
【0019】
第1放熱シート205-1は、フレキシブル配線基板204を介して撮像素子202から吸熱し、第1ヒートシンク203-1に放熱する熱伝導部材である。第2放熱シート205-2は、撮像素子202から吸熱し、第2ヒートシンク203-2に放熱する熱伝導部材である。
【0020】
熱拡散部材206は、断熱部材のように、断熱部材の一方側の熱を他方側に伝えないようにするものではなく、回路基板207およびプロセッサ208からの熱を熱拡散部材206の内部に拡散する。熱拡散部材206は、たとえば、ステンレス鋼(または、銅、アルミニウム等)で構成される。熱拡散部材206は、たとえば、Z軸、すなわち、撮像素子202およびプロセッサ208の配列方向に交差(好適には直交)する板状部材である。熱拡散部材206の一端は左側面板部101Eの内面で支持され、他端は右側面板部101Fの内面でフレキシブル配線基板204とともに支持される。熱拡散部材206としては、熱伝導率が10[W/mK](W:ワット、m:メートル、K:ケルビン)以上であることが好ましい。なお、ステンレスの熱伝導率は、概ね15~20[W/mK]となっているため、熱拡散部材としては、15[W/mK]以上であることが好ましい。
【0021】
熱拡散部材206は、熱拡散部材206の内部において、熱拡散部材206の平面方向、すなわち、XY平面方向に熱を拡散する(
図2中、白太矢印で表記)。この方向を熱拡散方向と称す。熱拡散部材206は、その中央において第1ヒートシンク203-1、第2ヒートシンク203-2、第1放熱シート205-1および第2放熱シート205-2と、回路基板207と、に挟まれている。したがって、熱拡散方向は、これら熱伝導部材から離間する方向となる。
【0022】
撮像装置100のような全天球型撮像装置では、Z軸付近の熱源(撮像素子202、回路基板207およびプロセッサ208)近傍に熱がこもりやすい。熱拡散部材206をXY平面方向に広がる板状部材とすることにより、Z軸付近である熱源(撮像素子202、回路基板207およびプロセッサ208)近傍に熱がこもらない。したがって、熱が熱拡散部材206内部で拡散するほど、熱源と対向する熱拡散部材206の中途部での熱分布を小さくし、熱源と対向しないX方向の両端での熱分布を大きくする。これにより、熱源の温度上昇を抑制する。
【0023】
熱拡散部材206Aは、筐体101内部の通気孔210から+Z方向へ向かう前面側の内部空間を、第1内部空間221Aと第2内部空間222Aとに区画する。同様に、熱拡散部材206Bは、筐体101内部の通気孔210から-Z方向へ向かう前面側の内部空間を、第1内部空間221Bと第2内部空間222Bとに区画する。
【0024】
これにより、撮像素子202から発生する熱は第1内部空間221から熱拡散部材206に伝達されても熱拡散部材206の内部で拡散するため、第2内部空間222への熱伝達を抑制する。同様に、プロセッサ208および回路基板207から発生する熱は第2内部空間222から熱拡散部材206に伝達されても熱拡散部材206の内部で拡散するため、第1内部空間221への熱伝達を抑制する。
【0025】
回路基板207は、プロセッサ208およびその他不図示の回路、メモリ、配線および端子を実装し、フレキシブル配線基板204と接続する熱伝導部材である。プロセッサ208は、撮像素子202からの出力信号に基づいて画像処理を実行し、画像データを生成する画像処理回路である。
【0026】
第3ヒートシンク209は、プロセッサ208と当接してプロセッサ208から吸熱し、通気孔210に放熱する。第3ヒートシンク209は、たとえば、Z軸に交差(好適には直交)する板状部材である。第3ヒートシンク209は、筐体101の内面および熱拡散部材206とともに、第2内部空間222を形成する。
【0027】
通気孔210は、吸気口104と排気口105とを有する空間である。通気孔210は、Z方向において第3ヒートシンク209で区画される。吸気口104からの空気は、通気孔210内部で第3ヒートシンク209からの熱により温められ、排気口105から排出される。なお、
図2では、通気孔210はX方向に存在するが、Z方向に存在してもよい。
【0028】
冷却ファン211は、通気孔210内に設けられ、通気孔210内を冷却する。冷却ファン211の回転軸は、Z軸に平行である。冷却ファン211は、吸気口212A,212Bと、排気口212Fと、を有する。吸気口212A,212Bはそれぞれ、第3ヒートシンク209に対向する。排気口212Dは、筐体101の排気口105に向けられている。したがって、冷却ファン211は、通気孔210内の空気を吸気口212A,212Bで吸気し、排気口212F,105から排気する。
【0029】
なお、
図2では、XZ平面の断面を示したが、熱拡散部材206は、XZ平面にわたって存在しない。これにより、撮像装置100の軽量化を図ることができる。また、熱拡散部材206は、XZ平面にわたって存在してもよい。これにより、熱拡散部材206の面積が広くなり、熱拡散効率の向上を図ることができる。
【0030】
なお、
図2では、XZ平面の断面を示したが、第3ヒートシンク209は、XZ平面にわたって存在しない。これにより、撮像装置100の軽量化を図ることができる。また、第3ヒートシンク209は、XZ平面にわたって存在してもよい。これにより、通気孔210内部の空冷効率の向上を図ることができる。
【0031】
図3は、実施例1にかかる撮像装置100の側断面
図2である。
図3では、回路基板207と対向しない熱拡散部材206のX方向の両端が、回路基板207と対向する中途部よりもZ方向に厚くなった構成である。このように、回路基板207から離間するほど、熱拡散部材206のZ方向の厚さを厚くすることで、回路基板207と対向する中途部での熱分布を小さくし、回路基板207と対向しないX方向の両端での熱分布を大きくする。したがって、回路基板207の温度上昇を抑制する。
【0032】
このように、撮像装置100は、回路基板207近傍の熱を回路基板207から離間するように拡散することができる。これにより、回路基板207の温度上昇を抑制し、ノイズ発生の低減化を図ることができる。
正面板部401Aには、広角レンズ102Aが設けられる。背面板部401Bには、広角レンズ102Bが設けられる。左側面板部401Eには、吸気口401Eaが設けられる。右側面板部401Fには、吸気口401Faが設けられる。吸気口401Eaおよび吸気口401Faには、たとえば、網目状または線状のスリットが設けられ、スリットの間を空気が通過する。吸気口401Eaおよび吸気口401Faは、筐体401内部でX軸方向に連通するように構成される。
第4ヒートシンク403は、上面板部401Dの内面に当接して設けられる。第4ヒートシンク403は、第3放熱シート405に支持される。第4ヒートシンク403は、第3放熱シート405から吸熱し、筐体401に放熱する。また、上面板部401Dから第4ヒートシンク403を露出させてもよい。これにより、筐体401の内部の空気が第4ヒートシンク403から直接撮像装置100の外部に排出されるため、冷却効率が向上する。
フレキシブル配線基板404は、可撓性のプリント配線基板であり、撮像素子202からの出力信号を回路基板207およびプロセッサ208に出力する。フレキシブル配線基板404の+Y側端部は、第4ヒートシンク403に接続されている。フレキシブル配線基板404の中途部は、撮像素子202と第3放熱シート405とに挟まれている。フレキシブル配線基板404の-Y側端部は、熱拡散部材406を迂回して回路基板207に接続される。
第3放熱シート405は、第4ヒートシンク403およびフレキシブル配線基板404に当接する。第3放熱シート405は、フレキシブル配線基板404を介して撮像素子202から吸熱し、第4ヒートシンク403に放熱する。第3放熱シート405は、たとえば、銅テープである。
熱拡散部材406は、熱拡散部材206と同様、回路基板207およびプロセッサ208からの熱を熱拡散部材406の内部に拡散する。熱拡散部材406は、たとえば、ステンレス鋼で構成される。熱拡散部材406は、たとえば、Y軸、すなわち、撮像素子202およびプロセッサ208の配列方向に交差(好適には直交)する板状部材であり、筐体401内部で支持される。
熱拡散部材406は、撮像素子からの熱と、回路基板407およびプロセッサ208からの熱と、熱拡散部材406の内部でXZ平面方向に拡散する。この方向を熱拡散方向と称す。熱拡散部材406は、その中央において熱源であるプロセッサ208、回路基板407、撮像素子202に挟まれているため、熱拡散方向は、熱源から離間する方向となる。
撮像装置400のような全天球型撮像装置では、Z軸付近の撮像素子202近傍に熱がこもりやすい。熱拡散部材206をXZ平面方向に広がる板状部材とすることにより、Z軸付近である熱源(撮像素子202)近傍に熱がこもらない。したがって、熱が熱拡散部材406内部で拡散するほど、熱源と対向する熱が熱拡散部材406の中途部での熱分布を小さくし、熱源と対向しないZ方向の両端での熱分布を大きくする。したがって、熱源の温度上昇を抑制する。
熱拡散部材406は、筐体401内部を、第3内部空間421と第4内部空間422とに区画する。これにより、撮像素子202から発生する熱は第3内部空間421から熱拡散部材406に伝達されても熱拡散部材406の内部で拡散するため、第4内部空間422への熱伝達を抑制する。同様に、プロセッサ208および回路基板407から発生する熱は第4内部空間422から熱拡散部材406に伝達されても熱拡散部材406の内部で拡散するため、第3内部空間421への熱伝達を抑制する。
回路基板407は、プロセッサ208およびその他不図示の回路、メモリ、配線および端子を実装し、フレキシブル配線基板404と接続する。回路基板407は、Y軸方向に延在する。
第5ヒートシンク409は、内部に通気孔410を有する。第5ヒートシンク409は、吸気口401Eaと吸気口401Faとを通気孔410で連通させる。第5ヒートシンク409は、プロセッサ208と当接し、プロセッサ208から吸熱して通気孔410に放熱する。第5ヒートシンク409は、通気孔410内に冷却ファン411を有する。
冷却ファン411は、吸気口401Eaから吸気する。吸気された空気は、通気孔410内に放出された熱で温められる。冷却ファン411は、この温められた空気を吸気口401Faから排出する。第5ヒートシンク409および冷却ファン411は、筐体401内の熱を筐体401外に拡散する熱拡散部として機能する。
このように、実施例2の撮像装置400のような内部構造であっても、回路基板407およびプロセッサ208近傍の熱を回路基板407およびプロセッサ208から離間するように拡散することができる。これにより、回路基板407およびプロセッサ208の温度上昇を抑制し、ノイズ発生の低減化を図ることができる。