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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181822
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】基板処理装置および基板処理方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20231218BHJP
   H01L 21/677 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
H01L21/304 651Z
H01L21/304 645A
H01L21/304 648A
H01L21/304 645C
H01L21/68 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095173
(22)【出願日】2022-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】中島 常長
(72)【発明者】
【氏名】稲富 弘朗
【テーマコード(参考)】
5F131
5F157
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA21
5F131AA22
5F131BA37
5F131BB02
5F131BB03
5F131CA12
5F131DA02
5F131DA32
5F131DA33
5F131DA36
5F131DB52
5F131DB62
5F131DB72
5F131DB76
5F131EA06
5F157AA09
5F157AA73
5F157AB45
5F157AB48
5F157AB51
5F157AB64
5F157BG14
5F157BG32
5F157BG73
5F157BG75
5F157BG85
5F157BG96
5F157CB14
5F157CB26
5F157CB27
5F157CE62
5F157CE63
5F157CE64
5F157CF16
5F157DA21
5F157DB32
5F157DB33
5F157DB34
5F157DB37
(57)【要約】
【課題】超臨界乾燥後の基板の清浄度を向上する、技術を提供する。
【解決手段】基板処理装置は、液処理装置と、超臨界乾燥装置と、第1ロードロック装置と、ドライ洗浄装置と、制御装置と、を備える。前記液処理装置は、基板の表面に液膜を形成する。前記超臨界乾燥装置は、前記液膜を超臨界流体に置換することで前記基板を乾燥する。前記第1ロードロック装置は、前記基板の搬送経路の途中で前記基板の周辺雰囲気を常圧雰囲気と減圧雰囲気の一方から他方に切り替える。前記ドライ洗浄装置は、減圧下で前記基板の前記表面をドライ洗浄する。前記制御装置は、前記液処理装置による前記液膜の形成と、前記超臨界乾燥装置による前記基板の乾燥と、前記第1ロードロック装置による前記基板の周辺雰囲気の切り替えと、前記ドライ洗浄装置による前記基板のドライ洗浄とをこの順番で実施する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の表面に液膜を形成する液処理装置と、
前記液膜を超臨界流体に置換することで前記基板を乾燥する超臨界乾燥装置と、
前記基板の搬送経路の途中で前記基板の周辺雰囲気を常圧雰囲気と減圧雰囲気の一方から他方に切り替える第1ロードロック装置と、
減圧下で前記基板の前記表面をドライ洗浄するドライ洗浄装置と、
前記液処理装置による前記液膜の形成と、前記超臨界乾燥装置による前記基板の乾燥と、前記第1ロードロック装置による前記基板の周辺雰囲気の切り替えと、前記ドライ洗浄装置による前記基板のドライ洗浄とをこの順番で実施する制御装置と、
を備える、基板処理装置。
【請求項2】
前記基板を収容するカセットを支持する第1載置台と、常圧雰囲気である第1搬送室と、前記第1搬送室で前記基板を搬送する第1搬送装置と、を有する、第1ブロックと、
前記液処理装置と、前記超臨界乾燥装置と、常圧雰囲気である第2搬送室と、前記第2搬送室で前記基板を搬送する第2搬送装置と、を有する、第2ブロックと、
前記ドライ洗浄装置と、減圧雰囲気である第3搬送室と、前記第3搬送室で前記基板を搬送する第3搬送装置と、を有する、第3ブロックと、
前記第1搬送装置と前記第2搬送装置の間で前記基板を受け渡すトランジション装置と、
を備え、
前記第1ブロックと前記トランジション装置と前記第2ブロックと前記第1ロードロック装置と前記第3ブロックとがこの順番で水平方向に一列に並んで設けられる、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記基板を収容するカセットを支持する第1載置台と、常圧雰囲気である第1搬送室と、前記第1搬送室で前記基板を搬送する第1搬送装置と、を有する、第1ブロックと、
前記液処理装置と、前記超臨界乾燥装置と、常圧雰囲気である第2搬送室と、前記第2搬送室で前記基板を搬送する第2搬送装置と、を有する、第2ブロックと、
前記ドライ洗浄装置と、減圧雰囲気である第3搬送室と、前記第3搬送室で前記基板を搬送する第3搬送装置と、を有する、第3ブロックと、
前記基板の搬送経路の途中で前記基板の周辺雰囲気を常圧雰囲気と減圧雰囲気の一方から他方に切り替える第2ロードロック装置と、
を備え、
前記第1ブロックと前記第2ロードロック装置と前記第3ブロックと前記第1ロードロック装置と前記第2ブロックとがこの順番で水平方向に一列に並んで設けられる、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記基板を収容する第1カセットを支持する第1載置台と、常圧雰囲気である第1搬送室と、前記第1搬送室で前記基板を搬送する第1搬送装置と、を有する、第1ブロックと、
前記液処理装置と、前記超臨界乾燥装置と、常圧雰囲気である第2搬送室と、前記第2搬送室で前記基板を搬送する第2搬送装置と、を有する、第2ブロックと、
前記ドライ洗浄装置と、減圧雰囲気である第3搬送室と、前記第3搬送室で前記基板を搬送する第3搬送装置と、を有する、第3ブロックと、
前記基板を収容する第2カセットを支持する第2載置台と、常圧雰囲気である第4搬送室と、前記第4搬送室で前記基板を搬送する第4搬送装置と、を有する、第4ブロックと、
前記第1搬送装置と前記第2搬送装置の間で前記基板を受け渡すトランジション装置と、
前記基板の搬送経路の途中で前記基板の周辺雰囲気を常圧雰囲気と減圧雰囲気の一方から他方に切り替える第2ロードロック装置と、
を備え、
前記第1ブロックと前記トランジション装置と前記第2ブロックと前記第1ロードロック装置と前記第3ブロックと前記第2ロードロック装置と前記第4ブロックとがこの順番で水平方向に一列に並んで設けられる、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記基板を収容する第1カセットを支持する第1載置台と、常圧雰囲気である第1搬送室と、前記第1搬送室で前記基板を搬送する第1搬送装置と、を有する、第1ブロックと、
前記液処理装置と、前記超臨界乾燥装置と、常圧雰囲気である第2搬送室と、前記第2搬送室で前記基板を搬送する第2搬送装置と、を有する、第2ブロックと、
前記ドライ洗浄装置と、減圧雰囲気である第3搬送室と、前記第3搬送室で前記基板を搬送する第3搬送装置と、を有する、第3ブロックと、
前記第1搬送装置と前記第2搬送装置の間で前記基板を受け渡すトランジション装置と、
を備え、
前記第2ブロックと前記第3ブロックは鉛直方向に積層して設けられ、前記トランジション装置と前記第1ロードロック装置は鉛直方向に積層して設けられ、前記トランジション装置は前記第1ブロックと前記第2ブロックの間に設けられ、前記第1ロードロック装置は前記第1ブロックと前記第3ブロックの間に設けられる、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記液処理装置と、前記超臨界乾燥装置と、常圧雰囲気である第2搬送室と、前記第2搬送室において前記基板を搬送する第2搬送装置と、を有する、第2ブロックを備え、
前記第2ブロックにおいて、前記液処理装置と前記超臨界乾燥装置とは、前記第2搬送室を挟んで、水平方向に対向して設けられる、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記液処理装置と、前記超臨界乾燥装置と、常圧雰囲気である第2搬送室と、前記第2搬送室において前記基板を搬送する第2搬送装置と、を有する、第2ブロックを備え、
前記第2ブロックにおいて、前記液処理装置と前記超臨界乾燥装置とは、前記第2搬送室の少なくとも片側で、鉛直方向に積層して設けられる、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記ドライ洗浄装置と、減圧雰囲気である第3搬送室と、前記第3搬送室において前記基板を搬送する第3搬送装置と、前記第3搬送室と前記ドライ洗浄装置の間で前記基板の周辺雰囲気の減圧度を切り替える第3ロードロック装置と、を有する、第3ブロックを備え、
前記ドライ洗浄装置は前記基板を収容する洗浄室を有し、前記第3搬送室の圧力は常圧よりも低く且つ前記洗浄室の圧力よりも高い、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記液処理装置と、前記超臨界乾燥装置と、前記第1ロードロック装置と、前記ドライ洗浄装置と、常圧雰囲気である第2搬送室と、前記第2搬送室において前記基板を搬送する第2搬送装置と、を有する、第2ブロックを備え、
前記液処理装置と前記超臨界乾燥装置と前記第1ロードロック装置は、前記第2搬送室に隣接して設けられ、
前記ドライ洗浄装置は、前記第1ロードロック装置に隣接して設けられる、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記ドライ洗浄装置と、減圧雰囲気である第3搬送室と、前記第3搬送室において前記基板を搬送する第3搬送装置と、を有する、第3ブロックを備え、
前記第3ブロックは、さらに、減圧下で前記基板の前記表面をエッチングするエッチング装置を有する、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の基板処理装置を用いて基板を処理することを有する、基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理装置および基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、超臨界乾燥方法が記載されている。超臨界乾燥方法は、基板の表面に液体が付着した状態で、基板を超臨界流体に一定時間晒すことで、基板の表面を乾燥する。液体としては、例えばアルコールなどが用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-101074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の一態様は、超臨界乾燥後の基板の清浄度を向上する、技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る基板処理装置は、液処理装置と、超臨界乾燥装置と、第1ロードロック装置と、ドライ洗浄装置と、制御装置と、を備える。前記液処理装置は、基板の表面に液膜を形成する。前記超臨界乾燥装置は、前記液膜を超臨界流体に置換することで前記基板を乾燥する。前記第1ロードロック装置は、前記基板の搬送経路の途中で前記基板の周辺雰囲気を常圧雰囲気と減圧雰囲気の一方から他方に切り替える。前記ドライ洗浄装置は、減圧下で前記基板の前記表面をドライ洗浄する。前記制御装置は、前記液処理装置による前記液膜の形成と、前記超臨界乾燥装置による前記基板の乾燥と、前記第1ロードロック装置による前記基板の周辺雰囲気の切り替えと、前記ドライ洗浄装置による前記基板のドライ洗浄とをこの順番で実施する。
【発明の効果】
【0006】
本開示の一態様によれば、超臨界乾燥後の基板の清浄度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、一実施形態に係る基板処理装置を示す平面図である。
図2図2は、一実施形態に係る基板処理方法を示すフローチャートである。
図3図3(A)はステップS101の一例を示す図であり、図3(B)はステップS102の一例を示す図であり、図3(C)はステップS104の一例を示す図である。
図4図4は、第1変形例に係る基板処理装置を示す平面図である。
図5図5は、第2変形例に係る基板処理装置を示す平面図である。
図6図6は、第3変形例に係る基板処理装置を示す平面図である。
図7図7は、第4変形例に係る基板処理装置を示す平面図である。
図8図8は、第4変形例に係る基板処理装置を示す正面図である。
図9図9は、第4変形例に係る基板処理装置を示す側面図である。
図10図10は、第5変形例に係る基板処理装置を示す平面図である。
図11図11は、第6変形例に係る基板処理装置を示す平面図である。
図12図12は、第6変形例に係る基板処理装置を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各図面において同一の又は対応する構成には同一の符号を付し、説明を省略することがある。また、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は互いに垂直な方向であり、X軸方向及びY軸方向は水平方向、Z軸方向は鉛直方向である。
【0009】
本明細書において、「常圧」とは80kPa~120kPaの圧力のことであり、「減圧」とは0Pa~1kPaの圧力のことである。「常圧雰囲気」と「減圧雰囲気」の雰囲気は、大気雰囲気でもよいし、不活性雰囲気でもよい。不活性雰囲気は、窒素ガス又は希ガスを含む。希ガスは、例えばアルゴンガスである。
【0010】
図1を参照して、一実施形態に係る基板処理装置1について説明する。基板処理装置1は、液処理装置51と、超臨界乾燥装置52と、第1ロードロック装置53と、ドライ洗浄装置54と、制御装置90と、を備える。液処理装置51は、図3(A)に示すように、基板Wの表面Waに液膜Lを形成する。超臨界乾燥装置52は、図3(B)に示すように液膜Lを超臨界流体Sに置換することで基板Wを乾燥する。第1ロードロック装置53は、基板Wの搬送経路の途中で基板Wの周辺雰囲気を常圧雰囲気と減圧雰囲気の一方から他方に切り替える。ドライ洗浄装置54は、図3(C)に示すように減圧下で基板Wの表面Waをドライ洗浄する。
【0011】
制御装置90は、例えばコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)などの演算部91と、メモリなどの記憶部92とを備える。記憶部92には、基板処理装置1において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。制御装置90は、記憶部92に記憶されたプログラムを演算部91に実行させることにより、基板処理装置1の動作を制御する。
【0012】
制御装置90は、液処理装置51による液膜Lの形成と、超臨界乾燥装置52による基板Wの乾燥と、第1ロードロック装置53による基板Wの周辺雰囲気の切り替えと、ドライ洗浄装置54による基板Wのドライ洗浄とをこの順番で実施する。第1ロードロック装置53によって基板Wの周辺雰囲気を切り替えることで、ドライ洗浄装置54の内部を減圧雰囲気に維持でき、基板処理装置1のスループットを向上できる。また、ドライ洗浄装置54によって超臨界乾燥後の基板Wの清浄度を向上できる。
【0013】
ドライ洗浄装置54は、基板Wを液体で濡らすことなく基板Wを洗浄する。それゆえ、基板Wの表面Waの凹凸パターンに液体と気体の界面が現れない。その結果、表面張力の発生を防止でき、凹凸パターンの倒壊を防止できる。ドライ洗浄装置54の代わりにウェット洗浄装置で基板Wを洗浄することも可能であるが、その場合、凹凸パターンの倒壊を防止すべく再び超臨界乾燥を実施することになり、スループットが低下する。
【0014】
基板処理装置1は、図1に示すように、例えば、第1ブロック10と、第2ブロック20と、第3ブロック30と、第1ロードロック装置53と、トランジション装置55と、を備える。第1ブロック10と、トランジション装置55と、第2ブロック20と、第1ロードロック装置53と、第3ブロック30とがこの順番で水平方向に一列に並んで設けられる。
【0015】
第1ブロック10は、第1載置台11と、第1搬送室12と、第1搬送装置13と、を有する。第1載置台11は、第1カセットC1と第2カセットC2を支持する。第1カセットC1は、処理前の基板Wを複数枚収容する。基板Wは、例えば半導体基板を含む。半導体基板は、シリコンウェハまたは化合物半導体ウェハを含む。基板Wは、半導体基板の代わりに、ガラス基板を含んでもよい。基板Wの表面Waは、電子回路などのデバイスを有してもよく、凹凸パターンを有してもよい。第2カセットC2は、処理後の基板Wを複数枚収容する。
【0016】
第1搬送室12は、第1載置台11とトランジション装置55の間に設けられる。第1搬送室12は、常圧雰囲気である。第1搬送装置13は、第1搬送室12において基板Wを搬送する。第1搬送装置13は、処理前の基板Wを第1カセットC1から取り出す。また、第1搬送装置13は、処理後の基板Wを第2カセットC2に収納する。第1搬送装置13は、基板Wを保持する搬送アームを有する。搬送アームは、水平方向と鉛直方向に移動可能であり、また鉛直軸周りに回転可能である。
【0017】
第2ブロック20は、液処理装置51と、超臨界乾燥装置52と、第2搬送室22と、第2搬送装置23と、を有する。第2搬送室22は、トランジション装置55と第1ロードロック装置53の間に設けられる。第2搬送室22は、常圧雰囲気である。第2搬送装置23は、第2搬送室22において基板Wを搬送する。第2搬送装置23は、第2搬送室22に隣接する複数の装置間で基板Wを搬送する。第2搬送装置23は、基板Wを保持する搬送アームを有する。搬送アームは、水平方向と鉛直方向に移動可能であり、また鉛直軸周りに回転可能である。
【0018】
第2ブロック20において、液処理装置51と超臨界乾燥装置52は、第2搬送室22を挟んで、水平方向に対向して設けられる。なお、図12に示すように、第2ブロック20において、液処理装置51と超臨界乾燥装置52とは、第2搬送室22の少なくとも片側(図12では両側)で、鉛直方向に積層して設けられてもよい。後者の場合、前者の場合に比べて、液処理装置51から超臨界乾燥装置52まで基板Wを搬送する際に、基板Wの水平移動による液膜Lの崩れ(液がこぼれること)を抑制できる。
【0019】
第3ブロック30は、ドライ洗浄装置54と、第3搬送室32と、第3搬送装置33と、を有する。第3搬送室32は、減圧雰囲気である。第3搬送装置33は、第3搬送室32において基板Wを搬送する。第3搬送装置33は、第3搬送室32に隣接する複数の装置間で基板Wを搬送する。第3搬送装置33は、基板Wを保持する搬送アームを有する。搬送アームは、水平方向と鉛直方向に移動可能であり、また鉛直軸周りに回転可能である。
【0020】
第1ブロック10と第2ブロック20の間には、トランジション装置55が設けられる。トランジション装置55は、第1搬送室12と第2搬送室22に隣接して設けられ、第1搬送装置13と第2搬送装置23の間で基板Wを受け渡す。複数のトランジション装置55が鉛直方向に積層されてもよい。
【0021】
第2ブロック20と第3ブロック30の間には、第1ロードロック装置53が設けられる。第1ロードロック装置53は、第2搬送室22と第3搬送室32に隣接して設けられ、第2搬送装置23と第3搬送装置33の間で基板Wを受け渡す。複数の第1ロードロック装置53が鉛直方向に積層されてもよい。
【0022】
図1図3を参照して、一実施形態に係る基板処理方法について説明する。基板処理方法は、例えば、図2に示すように、ステップS101~S105を有する。ステップS101~S105は、制御装置90による制御下で行われる。なお、基板処理方法は、ステップS101~S105以外の工程を有してもよい。
【0023】
先ず、複数枚の基板Wを収容した第1カセットC1と空の第2カセットC2が第1ブロック10の第1載置台11に載置される。次に、第1搬送装置13が、第1カセットC1から基板Wを取り出し、トランジション装置55に搬送する。その後、第2搬送装置23が、トランジション装置55から基板Wを取り出し、液処理装置51に搬送する。
【0024】
次に、液処理装置51が、図3(A)に示すように基板表面Waに液膜Lを形成する(ステップS101)。液処理装置51は、例えば、基板表面Waを上に向けて基板Wを水平に保持する不図示のスピンチャックと、基板表面Waに処理液を供給するノズル51aと、を有する。スピンチャックが基板Wを回転させた状態で、ノズル51aが基板表面Waの中心部に処理液を供給する。処理液は遠心力によって基板表面Wa全体に広がり、基板表面Wa全体に液膜Lが形成される。複数種類の処理液が基板表面Waに順番に供給されてもよく、複数種類の液膜Lが順番に形成されてもよい。ステップS101の後、第2搬送装置23が、液処理装置51から基板Wを取り出し、超臨界乾燥装置52に搬送する。
【0025】
次に、超臨界乾燥装置52が、図3(B)に示すように液膜Lを超臨界流体Sに置換することで基板Wを乾燥する(ステップS102)。超臨界乾燥装置52は、図示しないが、例えば、基板Wを収容する圧力容器と、圧力容器に超臨界流体Sを供給する供給ラインと、圧力容器から超臨界流体Sを排出する排出ラインと、を有する。超臨界流体Sは、臨界温度以上の温度と、臨界圧力以上の圧力下におかれた流体であり、液体と気体の区別がつかない状態の流体である。液膜Lを超臨界流体Sに置換すれば、基板Wの凹凸パターンに液体と気体の界面が現れるのを抑制できる。その結果、表面張力の発生を抑制でき、凹凸パターンの倒壊を抑制できる。液膜Lは例えばIPA(イソプロピルアルコール)などの有機溶剤であり、超臨界流体Sは例えばCOである。ステップS102の後、第2搬送装置23が、超臨界乾燥装置52から基板Wを取り出し、第1ロードロック装置53に搬送する。
【0026】
次に、第1ロードロック装置53が、基板Wの周辺雰囲気を常圧雰囲気から減圧雰囲気に切り替える(ステップS103)。第1ロードロック装置53は、図示しないが、例えば、ロードロック室を内部に形成する処理容器と、ロードロック室の圧力を調節する調圧機構と、を有する。ロードロック室には、基板Wを載置する載置台が設けられる。調圧機構は、例えば、ロードロック室のガスを排出する排気機構と、ロードロック室にガスを供給する給気機構とを有する。調圧機構は、ロードロック室の雰囲気を常圧雰囲気と減圧雰囲気の一方から他方に切り替える。ステップS103の後、第3搬送装置33が、第1ロードロック装置53から基板Wを取り出し、ドライ洗浄装置54に搬送する。
【0027】
次に、ドライ洗浄装置54が、図3(C)に示すように減圧下で基板Wの表面Waをドライ洗浄する(ステップS104)。ドライ洗浄装置54は、例えば減圧下で基板表面WaにガスクラスターGCを照射する。ガスクラスターGCは、幅の狭い凹部の内部に入り込むことができ、凹部の内部からパーティクルPを除去できる。ドライ洗浄装置54は、例えば、基板Wを収容する洗浄室54aを有し、洗浄室54aにノズル54bを有する。
【0028】
ノズル54bは、ガスクラスターGCの原料ガスを噴射する。原料ガスは、予め減圧された洗浄室54aで断熱膨張することで、凝縮温度まで冷却され、分子または原子の集合体であるガスクラスターGCを形成する。原料ガスは、例えば二酸化炭素(CO)ガスおよびアルゴン(Ar)ガスから選ばれる少なくとも1つを含む。
【0029】
ノズル54bは、原料ガスとキャリアガスの混合ガスを基板表面Waに噴射してもよい。キャリアガスは、原料ガスの分圧を下げることで、ノズル54bの内部での原料ガスの液化を抑制する。また、キャリアガスは、原料ガスの加速を高め、ガスクラスターGCの成長を促す。キャリアガスは、原料ガスよりも小さな分子量または原子量を有する。それゆえ、キャリアガスは、原料ガスよりも高い凝縮温度を有する。従って、キャリアガスは、ガスクラスターGCを形成しない。キャリアガスは、例えば水素(H)ガスおよびヘリウム(He)ガスから選ばれる少なくとも1つを含む。
【0030】
ガスクラスターGCは、基板表面Waに付着したパーティクルPに衝突し、パーティクルPを吹き飛ばす。ガスクラスターGCは、パーティクルPに直接衝突しなくてもよい。ガスクラスターGCは、衝突位置周辺のパーティクルPをも吹き飛ばすことができる。ガスクラスターGCは、衝突によって高温になるので、バラバラに分解され、洗浄室54aの排気口から排気される。吹き飛ばしたパーティクルPも、洗浄室54aの排気口から排出される。
【0031】
ドライ洗浄装置54は、基板表面Waに対して垂直にガスクラスターGCを照射する。基板表面Waには、複数のデバイスが予め形成されており、凹凸パターンが予め形成されている。基板表面Waに対して垂直にガスクラスターGCを照射すれば、ガスクラスターGCの衝突による凹凸パターンの倒壊を抑制でき、また、凹部の内部からパーティクルPを除去できる。
【0032】
ステップS104の後、第3搬送装置33が、ドライ洗浄装置54から基板Wを取り出し、第1ロードロック装置53に搬送する。
【0033】
次に、第1ロードロック装置53が、基板Wの周辺雰囲気を減圧雰囲気から常圧雰囲気に切り替える(ステップS105)。ステップS105の後、第2搬送装置23が、第1ロードロック装置53から基板Wを取り出し、トランジション装置55に搬送する。その後、第1搬送装置13が、トランジション装置55から基板Wを取り出し、第2カセットC2に収納する。これにより、一連の処理が終了する。
【0034】
本実施形態によれば、図1に示すように、第1ブロック10と、トランジション装置55と、第2ブロック20と、第1ロードロック装置53と、第3ブロック30とがこの順番で水平方向に一列に並んで設けられる。第1搬送室12と第2搬送室22がいずれも常圧雰囲気であるので、ロードロック装置の代わりに、より簡素で安価なトランジション装置55を使用できる。また、超臨界乾燥後に基板Wの清浄度が高く、ドライ洗浄が不要である場合に、基板Wを第3ブロック30に搬送することなく第2カセットC2に収納することができる。ドライ洗浄が不要である場合に、基板Wの搬送経路を短縮でき、基板処理装置1のスループットを向上できる。
【0035】
次に、図4を参照して、第1変形例に係る基板処理装置1について説明する。以下、上記実施形態との相違点について主に説明する。図4に示すように、第1ブロック10と第2ロードロック装置56と第3ブロック30と第1ロードロック装置53と第2ブロック20とがこの順番で水平方向に一列に並んで設けられる。
【0036】
第2ロードロック装置56は、第1ロードロック装置53と同様に構成され、基板Wの搬送経路の途中で基板Wの周辺雰囲気を常圧雰囲気と減圧雰囲気の一方から他方に切り替える。第2ロードロック装置56は、常圧雰囲気である第1搬送室12と、減圧雰囲気である第3搬送室32とに隣接して設けられる。
【0037】
本変形例の基板処理装置1の動作は、下記の通りである。先ず、第1搬送装置13が第1カセットC1から基板Wを取り出し、第2ロードロック装置56に搬送する。次に、第2ロードロック装置56が基板Wの周辺雰囲気を大気雰囲気から減圧雰囲気に切り替える。その後、第3搬送装置33が、第2ロードロック装置56から基板Wを取り出し、第1ロードロック装置53に搬送する。その後、第1ロードロック装置53が基板Wの周辺雰囲気を減圧雰囲気から常圧雰囲気に切り替える。次に、第2搬送装置23が、第1ロードロック装置53から基板Wを取り出し、液処理装置51に搬送する。
【0038】
次に、液処理装置51が、図3(A)に示すように基板表面Waに液膜Lを形成する(ステップS101)。ステップS101の後、第2搬送装置23が、液処理装置51から基板Wを取り出し、超臨界乾燥装置52に搬送する。次に、超臨界乾燥装置52が、図3(B)に示すように液膜Lを超臨界流体Sに置換することで基板Wを乾燥する(ステップS102)。ステップS102の後、第2搬送装置23が、超臨界乾燥装置52から基板Wを取り出し、第1ロードロック装置53に搬送する。
【0039】
次に、第1ロードロック装置53が、基板Wの周辺雰囲気を常圧雰囲気から減圧雰囲気に切り替える(ステップS103)。ステップS103の後、第3搬送装置33が、第1ロードロック装置53から基板Wを取り出し、ドライ洗浄装置54に搬送する。次に、ドライ洗浄装置54が、図3(C)に示すように減圧下で基板Wの表面Waをドライ洗浄する(ステップS104)。
【0040】
ステップS104の後、第3搬送装置33が、ドライ洗浄装置54から基板Wを取り出し、第2ロードロック装置56に搬送する。次に、第2ロードロック装置56が、基板Wの周辺雰囲気を減圧雰囲気から常圧雰囲気に切り替える。その後、第1搬送装置13が、第2ロードロック装置56から基板Wを取り出し、第2カセットC2に収納する。これにより、一連の処理が終了する。
【0041】
本変形例によれば、上記実施形態に比べて、第1ブロック10と第3ブロック30の距離が近い。それゆえ、ドライ洗浄後にドライ洗浄装置54から第2カセットC2まで短時間で基板Wを搬送できる。よって、ドライ洗浄後に、基板Wの搬送中に基板Wにパーティクルが付着するのを抑制できる。
【0042】
次に、図5を参照して、第2変形例に係る基板処理装置1について説明する。以下、上記第1変形例との相違点について主に説明する。本変形例の第3ブロック30は、ドライ洗浄装置54と第3搬送室32と第3搬送装置33に加えて、エッチング装置57を有する。エッチング装置57は、減圧下で基板表面Waをエッチングする。
【0043】
本変形例の基板処理装置1の動作は、下記の通りである。先ず、第1搬送装置13が第1カセットC1から基板Wを取り出し、第2ロードロック装置56に搬送する。次に、第2ロードロック装置56が基板Wの周辺雰囲気を大気雰囲気から減圧雰囲気に切り替える。その後、第3搬送装置33が、第2ロードロック装置56から基板Wを取り出し、エッチング装置57に搬送する。
【0044】
次に、エッチング装置57が減圧下で基板表面Waをエッチングする。基板表面Waをエッチングする目的は、特に限定されないが、例えば不要な膜の除去、凹凸パターンの付与または表面改質である。エッチング装置57は、例えばプラズマエッチング装置である。その後、第3搬送装置33がエッチング装置57から基板Wを取り出し、第1ロードロック装置53に搬送する。その後の処理は、上記第1変形例と同様であるので、説明を省略する。
【0045】
なお、エッチング装置57は、上記実施形態または下記変形例でも使用可能である。
【0046】
次に、図6を参照して、第3変形例に係る基板処理装置1について説明する。以下、上記実施形態および上記変形例との相違点について主に説明する。図6に示すように、第1ブロック10とトランジション装置55と第2ブロック20と第1ロードロック装置53と第3ブロック30と第2ロードロック装置56と第4ブロック40とがこの順番で水平方向に一列に並んで設けられる。
【0047】
第1ブロック10は、第1載置台11と、第1搬送室12と、第1搬送装置13と、を有する。第1載置台11は、第1カセットC1を支持するが、上記実施形態および上記変形例とは異なり第2カセットC2を支持しない。第1カセットC1は、処理前の基板Wを複数枚収容する。一方、第2カセットC2は、処理後の基板Wを複数枚収容する。
【0048】
第4ブロック40は、第2載置台41と、第4搬送室42と、第4搬送装置43と、を有する。第2載置台41は、第2カセットC2を支持する。第4搬送室42は、第2載置台41と第2ロードロック装置56の間に設けられる。第4搬送室42は、常圧雰囲気である。第4搬送装置43は、第1搬送装置13と同様に構成され、第4搬送室42において基板Wを搬送する。
【0049】
本変形例の基板処理装置1の動作は、下記の通りである。なお、ステップS101~ステップS104までの動作は、上記実施形態と同様であるので、説明を省略する。ステップS104の後、第3搬送装置33が、ドライ洗浄装置54から基板Wを取り出し、第2ロードロック装置56に搬送する。次に、第2ロードロック装置56が、基板Wの周辺雰囲気を減圧雰囲気から常圧雰囲気に切り替える。その後、第4搬送装置43が、第2ロードロック装置56から基板Wを取り出し、第2カセットC2に収納する。これにより、一連の処理が終了する。
【0050】
本変形例によれば、上記実施形態および上記変形例に比べて、第1カセットC1から第2カセットC2に至るまでの基板Wの搬送経路が短い。それゆえ、基板処理装置1のスループットを向上できる。また、本変形例によれば、上記第1変形例および上記第2変形例と同様に、上記実施形態に比べて、第2カセットC2と第3ブロック30の距離が近い。それゆえ、ドライ洗浄後にドライ洗浄装置54から第2カセットC2まで短時間で基板Wを搬送できる。よって、ドライ洗浄後に、基板Wの搬送中に基板Wにパーティクルが付着するのを抑制できる。
【0051】
次に、図7図9を参照して、第4変形例に係る基板処理装置1について説明する。以下、上記実施形態および上記変形例との相違点について主に説明する。図8に示すように、第2ブロック20と第3ブロック30は鉛直方向に積層して設けられる。第2ブロック20と第3ブロック30の配置は逆でもよく、どちらが上でどちらが下でもよい。また、トランジション装置55と第1ロードロック装置53は鉛直方向に積層して設けられる。トランジション装置55と第1ロードロック装置53の配置は逆でもよく、どちらが上でどちらが下でもよい。トランジション装置55は、第1ブロック10と第2ブロック20の間に設けられる。また、第1ロードロック装置53は、第1ブロック10と第3ブロック30の間に設けられる。
【0052】
本変形例の基板処理装置1の動作は、下記の通りである。なお、ステップS101~ステップS102までの動作は、上記実施形態と同様であるので、説明を省略する。ステップS102の後、第2搬送装置23が、超臨界乾燥装置52から基板Wを取り出し、トランジション装置55に搬送する。その後、第1搬送装置13が、トランジション装置55から基板Wを取り出し、第1ロードロック装置53に搬送する。
【0053】
次に、第1ロードロック装置53が、基板Wの周辺雰囲気を常圧雰囲気から減圧雰囲気に切り替える(ステップS103)。ステップS103の後、第3搬送装置33が、第1ロードロック装置53から基板Wを取り出し、ドライ洗浄装置54に搬送する。次に、ドライ洗浄装置54が、図3(C)に示すように減圧下で基板Wの表面Waをドライ洗浄する(ステップS104)。
【0054】
ステップS104の後、第3搬送装置33が、ドライ洗浄装置54から基板Wを取り出し、第1ロードロック装置53に搬送する。次に、第1ロードロック装置53が、基板Wの周辺雰囲気を減圧雰囲気から常圧雰囲気に切り替える。その後、第1搬送装置13が、第1ロードロック装置53から基板Wを取り出し、第2カセットC2に収納する。これにより、一連の処理が終了する。
【0055】
本変形例によれば、第2ブロック20と第3ブロック30が鉛直方向に積層されると共に、トランジション装置55と第1ロードロック装置53が鉛直方向に積層される。それゆえ、基板処理装置1のフットプリント(設置面積)を低減できる。また、本変形例によれば、第2ブロック20と第3ブロック30のいずれか一方のみを用いて基板Wを処理する場合に、他方に基板Wを搬送することなく第2カセットC2に収納することが可能である。第2ブロック20のみを用いて基板Wを処理する場合と、第3ブロック30のみを用いて基板Wを処理する場合のどちらの場合であっても、基板Wの搬送経路を短縮でき、基板処理装置1のスループットを向上できる。
【0056】
次に、図10を参照して、第5変形例に係る基板処理装置1について説明する。以下、上記実施形態および上記変形例との相違点について主に説明する。図10に示すように、第3ブロック30は、第3ロードロック装置58を有してもよい。第3ロードロック装置58は、第1ロードロック装置53と同様に構成される。
【0057】
第3ロードロック装置58は、第3搬送室32とドライ洗浄装置54の間で基板Wの周辺雰囲気の減圧度を切り替える。減圧度は、常圧に対する差圧で表される。差圧の大きさが大きいほど、減圧度が大きい。第3搬送室32の圧力は、常圧よりも低く、且つドライ洗浄装置54の洗浄室54a(図3(C)参照)の圧力よりも高い。
【0058】
本変形例の基板処理装置1の動作は、下記の通りである。なお、ステップS101~ステップS103までの動作は、上記実施形態と同様であるので、説明を省略する。ステップS103の後、第3搬送装置33が、第1ロードロック装置53から基板Wを取り出し、第3ロードロック装置58に搬送する。
【0059】
次に、第3ロードロック装置58が、基板Wの周辺雰囲気の圧力を、第1圧力P1から第2圧力P2に小さくする(P2<P1)。第1圧力P1は、第3搬送室32の圧力と同等である。第2圧力P2は、洗浄室54aの圧力と同等である。
【0060】
次に、図示しない内部搬送アームが、第3ロードロック装置58のロードロック室から基板Wを取り出し、ドライ洗浄装置54に搬送する。内部搬送アームは、例えば第3ロードロック装置58の一部であって、ロードロック室の内部に待機しており、ロードロック室から基板Wを搬出したり、ロードロック室に基板Wを搬入したりする。
【0061】
次に、ドライ洗浄装置54が、図3(C)に示すように減圧下で基板Wの表面Waをドライ洗浄する(ステップS104)。ステップS104の後、図示しない内部搬送アームが、ドライ洗浄装置54から基板Wを取り出し、第3ロードロック装置58のロードロック室に搬送する。
【0062】
次に、第3ロードロック装置58が、基板Wの周辺雰囲気の圧力を、第2圧力P2から第1圧力P1に大きくする(P2<P1)。その後、第3搬送装置33が、第3ロードロック装置58から基板Wを取り出し、第1ロードロック装置53に搬送する。その後の処理は、上記実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0063】
本変形例によれば、第3ロードロック装置58が第3搬送室32とドライ洗浄装置54の間で基板Wの周辺雰囲気の減圧度を切り替える。よって、第3搬送室32の圧力を常圧よりも低く且つドライ洗浄装置54の洗浄室54aの圧力よりも高く維持できる。第3搬送室32の体積は、洗浄室54aの体積よりも大きい。体積の大きい第3搬送室32の圧力を比較的高く設定することで、真空ポンプの負荷を軽減できる。
【0064】
なお、第3ロードロック装置58は、上記実施形態または上記変形例でも使用可能である。また、第3ロードロック装置58は、図10に示すようにドライ洗浄装置54ごとに個別に設けられてもよいが、複数のドライ洗浄装置54に隣接して設けられてもよい。後者の場合、第3ロードロック装置58の数を低減できる。
【0065】
次に、図11図12を参照して、第6変形例に係る基板処理装置1について説明する。以下、上記実施形態および上記変形例との相違点について主に説明する。図11に示すように、第3ブロック30が無くてもよく、第2ブロック20が液処理装置51と超臨界乾燥装置52(図12参照)と第1ロードロック装置53とドライ洗浄装置54と第2搬送室22と第2搬送装置23を有してもよい。
【0066】
液処理装置51と超臨界乾燥装置52と第1ロードロック装置53は、第2搬送室22に隣接して設けられる。第2搬送室22は、常圧雰囲気である。そこで、ドライ洗浄装置54は、第1ロードロック装置53に隣接して設けられる。第1ロードロック装置53は、基板Wの搬送経路の途中で基板Wの周辺雰囲気を常圧雰囲気と減圧雰囲気の一方から他方に切り替える。第1ロードロック装置53は、図11に示すようにドライ洗浄装置54ごとに個別に設けられてもよいが、複数のドライ洗浄装置54に隣接して設けられてもよい。後者の場合、第1ロードロック装置53の数を低減できる。
【0067】
本変形例の基板処理装置1の動作は、下記の通りである。なお、ステップS101~ステップS103までの動作は、上記実施形態と同様であるので、説明を省略する。ステップS103の後、図示しない内部搬送アームが、第1ロードロック装置53のロードロック室から基板Wを取り出し、ドライ洗浄装置54に搬送する。内部搬送アームは、例えば第1ロードロック装置53の一部であって、ロードロック室の内部に待機しており、ロードロック室から基板Wを搬出したり、ロードロック室に基板Wを搬入したりする。
【0068】
次に、ドライ洗浄装置54が、図3(C)に示すように減圧下で基板Wの表面Waをドライ洗浄する(ステップS104)。ステップS104の後、図示しない内部搬送アームが、ドライ洗浄装置54から基板Wを取り出し、第1ロードロック装置53のロードロック室に搬送する。その後の処理は、上記実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0069】
本変形例によれば、第2ブロック20が液処理装置51と超臨界乾燥装置52と第1ロードロック装置53とドライ洗浄装置54と第2搬送室22と第2搬送装置23を有する。第3ブロック30が無いので、基板処理装置1の構造を簡単化できる。
【0070】
以上、本開示に係る基板処理装置および基板処理方法の実施形態等について説明したが、本開示は上記実施形態等に限定されない。特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更、修正、置換、付加、削除および組み合わせが可能である。それらについても当然に本開示の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0071】
1 基板処理装置
51 液処理装置
52 超臨界乾燥装置
53 第1ロードロック装置
54 ドライ洗浄装置
90 制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12