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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181934
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】電源装置、及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20231218BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
G09G5/00 550C
G09G5/00 550B
G06F3/041 570
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095345
(22)【出願日】2022-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】八百山 高広
【テーマコード(参考)】
5C182
【Fターム(参考)】
5C182AB06
5C182AB11
5C182AC02
5C182AC03
5C182AC33
5C182AC37
5C182BA02
5C182BA27
5C182BA35
5C182BA54
5C182BA55
5C182BA64
5C182BA66
5C182BA75
5C182BC26
5C182DA32
5C182DA42
5C182DA65
5C182DA66
(57)【要約】
【課題】周囲の状況に応じて省電力モードの解除を有効に機能させる。
【解決手段】電源装置は、情報処理装置に電力を供給する電源部と、情報処理装置に設けられた検知部による人の検知結果を取得する取得部と、情報処理装置が受け付け可能な操作に関連した条件である第1条件を満たしているか否かを判定して第1判定結果を出力する第1判定部と、情報処理装置の周囲の状況に関連した条件である第2条件を満たしているか否かを判定して第2判定結果を出力する第2判定部と、情報処理装置に電力を供給する通常モードと比べて供給する電力を低減させる省電力モードが設定された状態において、検知結果で人を検知した場合に、第1判定結果及び第2判定結果に基づいて、省電力モードを解除する制御部と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置に電力を供給する電源部と、
前記情報処理装置に設けられた検知部による人の検知結果を取得する取得部と、
前記情報処理装置が受け付け可能な操作に関連した条件である第1条件を満たしているか否かを判定して第1判定結果を出力する第1判定部と、
前記情報処理装置の周囲の状況に関連した条件である第2条件を満たしているか否かを判定して第2判定結果を出力する第2判定部と、
前記情報処理装置に前記電力を供給する通常モードと比べて供給する前記電力を低減させる省電力モードが設定された状態において、前記検知結果で人を検知した場合に、前記第1判定結果及び前記第2判定結果に基づいて、前記省電力モードを解除する制御部と、
を備える電源装置。
【請求項2】
前記第1判定部は、前記省電力モードに移行してからの経過時間が第1時間を経過している場合に、前記第1条件を満たしたと判定する、
請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
前記第2判定部は、第2時間当たりの、前記検知部によって検知された前記人の動きの検出回数が、所定の閾値より大きい場合に、前記第2条件を満たしたと判定する、
請求項1又は2に記載の電源装置。
【請求項4】
前記第2判定部は、第2時間当たりの、前記検知部によって検知された、周囲に存在する前記人の動きの検出回数が、前記所定の閾値以下の場合に、前記第2条件を満たしていないと判定し、前記検知部による前記人の動きの検知を、第3時間抑制する、
請求項3に記載の電源装置。
【請求項5】
表示部と、
前記表示部に電力を供給する電源部と、
前記表示部に設けられた検知部による人の検知結果を取得する取得部と、
自装置が受け付け可能な操作に関連した条件である第1条件を満たしているか否かを判定して第1判定結果を出力する第1判定部と、
前記自装置の周囲の状況に関連した条件である第2条件を満たしているか否かを判定して第2判定結果を出力する第2判定部と、
前記表示部に前記電力を供給する通常モードと比べて供給する前記電力を低減させる省電力モードが設定された状態において、前記検知結果で人を検知した場合に、前記第1判定結果及び前記第2判定結果に基づいて、前記省電力モードを解除する制御部と、
を備える表示装置。
【請求項6】
前記第1判定部は、前記省電力モードに移行してからの経過時間が第1時間を経過している場合に、前記第1条件を満たしたと判定する、
請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第2判定部は、第2時間当たりの、前記検知部によって検知された、周囲に存在する前記人の動きの検出回数が、所定の閾値より大きい場合に、前記第2条件を満たしたと判定する、
請求項5又は6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第2判定部は、第2時間当たりの、前記検知部によって検知された前記人の動きの検出回数が、前記所定の閾値以下の場合に、前記第2条件を満たしていないと判定し、前記検知部による前記人の動きの検知を、第3時間抑制する、
請求項7に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置、及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電力を供給する装置において、状況に応じて電力の供給手法を異ならせる技術が提案されている。例えば、当該装置が、通常モードと、当該通常モードと比べて消費する電力を少なくする省電力モードと、を有する構成が知られている。
【0003】
このため、人感センサを用いた人の検知結果に基づいてモードを切り替える技術が知られている。このような人の検知結果に基づいてモードを切り替える技術においては、表示装置に対して省電力モードが設定された場合に、人の検知結果に応じて省電力モードがすぐに解除されることを抑制するために、人感センサの検知結果による切り替えを一定期間無効にする技術が提案されている。例えば、特許文献1に記載された技術では、人感センサが人を検知した場合には人を検知したタイミングを基準として一定期間、モードの切り替えを無効としている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、省電力モードを設定した後に、人が近傍に存在する場合、人感センサが人の検知をし続けるので、モードの切り替えの無効状態が解除されることが難しい。このため、モードを切り替える場合には、ユーザがモードの切り替え操作を行う必要があった。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、周囲の状況に応じて省電力モードの解除を有効に機能させる電源装置、及び表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで上記課題を解決するため、電源装置は、情報処理装置に電力を供給する電源部と、情報処理装置に設けられた検知部による人の検知結果を取得する取得部と、情報処理装置が受け付け可能な操作に関連した条件である第1条件を満たしているか否かを判定して第1判定結果を出力する第1判定部と、情報処理装置の周囲の状況に関連した条件である第2条件を満たしているか否かを判定して第2判定結果を出力する第2判定部と、情報処理装置に電力を供給する通常モードと比べて供給する電力を低減させる省電力モードが設定された状態において、検知結果で人を検知した場合に、第1判定結果及び第2判定結果に基づいて、省電力モードを解除する制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
省電力モードを適切な状況で解除することで利便性を向上させた電源装置、及び表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る表示装置の外観を例示した図である。
図2図2は、実施形態に係る表示装置のハードウェア構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る表示装置が有する機能をブロック状に分けて説明する機能ブロックの一例を示した図である。
図4図4は、実施形態に係る、省電力モードが設定された状態における表示装置の各構成の状態変化を例示した図である。
図5図5は、実施形態に係る、省電力モードが設定された状態における表示装置の各構成の状態変化を例示した図である。
図6図6は、実施形態に係る、省電力モードが設定された状態における表示装置の各構成の状態変化を例示した図である。
図7図7は、実施形態に係る表示装置の全体的な処理を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明を実施するための最適かつ最小限な形態について、図面を参照して説明する。なお、図面において、同一の符号を付す場合には、同様の構成であることを示し、重複する説明を省略する。また、図示する具体例は、例示であり、図示する以外の構成がさらに含まれる構成であってもよい。
【0010】
以下、電源装置を有する表示装置の実施形態について説明する。本実施形態に係る表示装置は、例えば、ユーザが電子ペン等で文字、又は図などを入力可能な電子黒板を用いてもよい。
【0011】
図1は、本実施形態に係る表示装置の外観を例示した図である。図1に示される表示装置は一例として用いたものであって、複数の表示装置を組み合わせて利用されてもよい。
【0012】
また、表示装置2は、図示しない通信ネットワークを介して通信可能に接続してもよい。本実施形態に係る表示装置2には、タッチセンサ付きディスプレイ3(表示部の一例)を有している。
【0013】
つまり、表示装置2は、タッチセンサ付きディスプレイ3を有するので、電子ペン4によってタッチセンサ付きディスプレイ3に入力されたイベント(例えば、タッチセンサ付きディスプレイ3に対して、電子ペン4のペン先、又は、電子ペン4のペン尻によるタッチ等の操作である。)で描画されたストローク画像を入力処理し、当該ストローク画像を、タッチセンサ付きディスプレイ3に表示できる。ユーザが表示装置2(例えば、電子黒板)に手書きで書く文字、図形、数字、記号、線又はこれらの組み合わせを示す画像を、ストローク画像と称してもよい。
【0014】
なお、電子ペン4だけでなく、ユーザの手H等によって生じるイベント(例えば、拡大、縮小、又は、ページめくり等のジェスチャである。)に基づいて、表示装置2は、ディスプレイ3上に表示している画像を変更する。
【0015】
また、表示装置2には、USBメモリ5が接続可能である。そして、表示装置2は、USBメモリ5からPDF(Portable Document Format)等の電子ファイルを読み出す、又は、USBメモリ5に電子ファイルを記憶する等が可能である。
【0016】
表示装置2は、DisplayPort、DVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)、及び、VGA(Video Graphics Array)等の規格に準じたコネクタを有する。したがって、表示装置2には、ケーブルを介して、(図示しない)ノートPC等を接続できる。
【0017】
さらに、表示装置2は、電源スイッチ7と、人感センサ6と、を有する。
【0018】
電源スイッチ7は、電源のON/OFFを切り換えるためのスイッチである。表示装置2は、ユーザから電源スイッチ7に対する入力に従って、電源オンと、電源オフと、を切り替えることができる。電源オンになった場合、表示装置2は、アプリケーションプログラムを起動させる。以降、表示装置2は、ユーザから入力された操作に対応する処理を行うことができる。
【0019】
人感センサ6は、人の有無を検知するセンサである。例えば、人感センサ6は、赤外線を用いて人を検知する。すなわち、人又は動物等が持つ温度によって赤外線が発せられる。そこで、人感センサ6は、人等が発する赤外線をセンシングして人を検知する。本実施形態に係る人感センサ6は、表示装置2の周囲に存在する複数の人を検知できる。
【0020】
なお、人感センサ6は、赤外線による方式に限られない。例えば、人感センサ6は、カメラ等によって撮影した画像に人がいるかいないかを顔認証等によって検知してもよい。他に、人感センサ6は、音、温度、振動、外部装置からの検知結果の取得、又は、これらの組み合わせ等によって人を検知してもよい。
【0021】
また、以下の説明では、表示装置2として電子黒板を用いた例を説明する。ただし、電源装置を有する表示装置は、電子黒板以外でもよい。例えば、表示装置は、電子看板(デジタルサイネージ)、スポーツ、天気予報等で利用されるテレストレータ、又は、遠隔画像(映像)診断装置等であってもよい。
【0022】
以下の説明では、表示装置2に接続可能な記録媒体が、USBメモリ5である例を説明する。ただし、記録媒体は、これに限られない。例えば、記録媒体は、SD(登録商標)カード等の他の種類の記録メディアであってもよい。
【0023】
<表示装置ハードウェア構成例>
以下、本実施形態の表示装置のハードウェア構成例を説明する。
【0024】
図2は、本実施形態に係る表示装置2のハードウェア構成例を示す図である。図2に示されているように、表示装置2は、CPU(Central Processing Unit)201と、ROM(Read Only Memory)202と、RAM(Random Access Memory)203と、SSD(Solid State Drive)204と、を備えている。
【0025】
CPU201は、入力された命令に従って演算を行う。ROM202は、IPL(Initial Program Loader)等のCPU201の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。
【0026】
本実施形態ではCPU201、ROM202、及びRAM203を組み合わせることで、制御部250を実現する。制御部250は、表示装置2全体の制御を行う。
【0027】
なお、本実施形態においては、制御部250のハードウェア構成は、上述のものによらず、制御部250の有する機能の一部又は全部を、1又は複数の処理回路で実現しても良い。ここで、処理回路とは、電子回路である上述のCPU、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の電子回路、従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0028】
SSD204は、OSや表示装置2用のプログラム等の各種データを記憶するが、これらのデータはROM202に記憶されていてもよい。なお、このプログラムは汎用的なOS(Windows(登録商標)、Mac OS(登録商標)、Android(登録商標)、iOS(登録商標)等)を搭載した情報処理装置で動作するアプリケーションプログラムでもよい。すなわち、表示装置2は情報処理装置でもよい。
【0029】
表示装置2は、(図示しない)通信ネットワークを用いる通信を制御するネットワークインタフェース(I/F)205、並びに、外付けされるUSBメモリ5等の外部装置との通信を制御する外部機器接続インタフェース(I/F)206を有する。
【0030】
また、表示装置2は、人感センサ6と、電源スイッチ7と、ディスプレイコントローラ213と、タッチセンサ214と、タッチセンサコントローラ215と、マイク216と、スピーカ217と、無線通信回路219と、電源制御回路224と、ACアダプタ225と、バッテリ226と、を備えている。人感センサ6及び電源スイッチ7は、上述した構成である。
【0031】
ディスプレイコントローラ213は、出力画像をディスプレイ3へ出力するために、画面表示の制御及び管理を行う。
【0032】
タッチセンサ214は、ディスプレイ3上に電子ペン4やユーザの手H等(ペンやユーザーの手は入力手段の一例)が接触したことを検知する。
【0033】
タッチセンサコントローラ215は、タッチセンサ214の処理を制御する。具体的には、タッチセンサ214は、赤外線遮断方式による座標の入力及び座標の検出を行う。この座標の入力及び座標の検出する方法は、まず、ディスプレイ3の上側両端部に設置された2つ受発光装置が、ディスプレイ3に平行して複数の赤外線を放射する。そして、放射された赤外線は、ディスプレイ3の周囲に設けられた反射部材によって反射する。その後、受光素子が、放射した光の光路と同一の光路上を戻って来る光を受光する。
【0034】
タッチセンサ214は、物体によって遮断された2つの受発光装置が放射した赤外線のIDをタッチセンサコントローラ215に出力し、タッチセンサコントローラ215が、物体の接触位置である座標位置を特定する。なお、本実施形態では、物体の接触位置である座標位置を特定する手法を2つの受発光装置を用いた例に制限するものではなく、例えば、タッチパネルを用いて座標位置を特定してもよい。
【0035】
また、タッチセンサコントローラ215は、通信ユニット215aを有している。通信ユニット215aは、電子ペン4と無線で通信できる。例えば、通信ユニット215aは、電子ペン4を識別するペンIDを受信できる。例えば、通信ユニット215aが、Bluetooth(登録商標)などの規格で通信している場合、電子ペン4として、市販されているペンを使用できる。通信ユニット215aには、予め1つ以上の電子ペン4を登録してもよい。電子ペン4が登録された場合、ユーザが接続設定を行うことなく、電子ペン4が表示装置2と通信できる。
【0036】
なお、タッチセンサ214は、赤外線遮断方式に限られない。例えば、タッチセンサ214は、静電容量の変化を検知することにより接触位置を特定する静電容量方式のタッチパネルを用いてもよい。さらに、タッチセンサ214は、対向する2つの抵抗膜の電圧変化によって接触位置を特定する抵抗膜方式のタッチパネルを用いてもよい。他の例としては、タッチセンサ214は、物体が表示部に接触して生じる電磁誘導を検知して接触位置を特定する電磁誘導方式のタッチパネル等を用いてもよい。
【0037】
タッチセンサ214は、ペン先のタッチの有無を検知するのに電子ペンが必要ない方式であってよい。この場合はタッチ操作をするのに指先やペン型の棒を使用できる。なお、電子ペン4は、細長いペン型でなくともよい。
【0038】
マイク216は、音声の入力に使用される。スピーカ217は、音声の出力に使用される。
【0039】
無線通信回路219は、ユーザが携帯する端末と通信し、例えばインターネットへの接続を中継する。無線通信回路219は、Wi-Fi又はBluetooth(登録商標)などで通信するが、通信規格は問われない。無線通信回路219はアクセスポイントを形成しており、ユーザが入手したSSID(Service Set Identifier)とパスワードをユーザが携帯する端末に設定すると、アクセスポイントに接続できる。
【0040】
なお、無線通信回路219は、2つ以上のアクセスポイントを有してもよい。例えば以下に示される2つのアクセスポイントが考えられる。
【0041】
a. 第1アクセスポイント→インターネット
b. 第2アクセスポイント→社内ネットワーク→インターネット
【0042】
aで示される第1アクセスポイントは、社外のユーザ用であって、当該アクセスポイントを利用する場合には社内ネットワークにはアクセスできないが、インターネットを利用できる。一方、bで示される第2アクセスポイントは、社内のユーザ用で、当該アクセスポイントを利用する場合には、社内ネットワーク及びインターネットを利用できる。
【0043】
電源制御回路224は、表示装置2の電源であるACアダプタ225とバッテリ226を制御する。ACアダプタ225は商用電源が供給する交流を直流に変換する。本実施形態においては、ACアダプタ225及びバッテリ226のうちいずれか一つ以上と、電源制御回路224と、の組み合わせによって電源部として機能する。例えば、電源制御回路224は、ACアダプタ225又はバッテリ226からの電力を、表示装置2全体に供給する。
【0044】
本実施形態においては、表示装置2に電力を供給する例について説明するが、電力の供給先を表示装置2に制限するものではなく、電力を消費可能な情報処理装置であればよい。
【0045】
例えば、ディスプレイ3が、いわゆる電子ペーパーの場合、画像が描画された後の画像を維持するためにほとんど又は一切電力を消費しないので、バッテリ226による駆動も可能である。これにより、屋外など電源を接続しにくい場所でもデジタルサイネージなどの用途で表示装置2を使用することが可能になる。
【0046】
さらに、表示装置2は、バスライン210を備えている。バスライン210は、図3に示されているCPU201等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0047】
<機能構成例>
次に、図3を用いて表示装置2の機能について説明する。図3は、本実施形態に係る表示装置2が有する機能をブロック状に分けて説明する機能ブロックの一例を示した図である。表示装置2は、情報処理を実行する情報処理装置として機能する。さらに、表示装置2は、ACアダプタ225及びバッテリ226のうちいずれか一つ以上と、電源制御回路224と、の組み合わせによって実現する電源部が供給する消費電力を制御する電源装置としての機能を有する。
【0048】
表示装置2の制御部250は、例えば、SSD204にインストールされる一以上のプログラムをCPU201で実行することにより実現される機能部として、取得部301と、第1判定部302と、第2判定部303と、モード制御部304と、を備える。
【0049】
モード制御部304は、表示装置2に関連するモードの制御を行う。例えば、モード制御部304は、表示装置2を動作させるモードの切り替えを行う。本実施形態に係るモード制御部304は、電源制御回路224に信号を送信することで、モードの切り替えを行うことができる。また、モード制御部304は、現在設定されているモードに応じた表示装置2の制御を行う。
【0050】
本実施形態に係る表示装置2は、切替可能なモードとして、通常モードと、省電力モードとが存在する。
【0051】
通常モードは、表示装置2の通常の動作の際に用いるモードとする。
【0052】
省電力モードは、表示装置2に供給する電力を通常モードと比べて低減させるモードとする。電力を低減させる手法として、本実施形態に係る省電力モードは、ディスプレイ3の表示をオフにするモードとする。なお、省電力モードは、ディスプレイ3の表示をオフにする制御に制限するものではなく電力を低減させればよい。例えば、省電力モードとして、ディスプレイ3のバックライトのみをオフにしてもよい。なお、通常モード及び省電力モードによる切り替えは、ディスプレイ3の使用可否のみで定まらない。すなわち、省電力モードは、消費する電力を少ない状態であればよい。したがって、省電力モードで電力が遮断又は電力の供給が少なくする電源制御を行う構成であれば、どのような装置でもよい。
【0053】
モード制御部304は、例えば、タッチセンサ214又は(図示しない)各種ボタンに対して受け付けた操作に従って、通常モードから省電力モードに移行する制御を行う。タッチセンサ214が受け付けた操作とは、例えば、ディスプレイ3に表示された、省電力モードに移行するアイコン等を押下する操作とする。各種ボタンの操作としては、例えば、ディスプレイ3をオフにするボタンの押下とする。
【0054】
取得部301は、表示装置2に設けられた各種センサからの信号を取得する。例えば、取得部301は、表示装置2に設けられた人感センサ(検知部の一例)6による人の検知結果を示す信号を取得する。
【0055】
第1判定部302は、表示装置2(情報処理装置の一例)が受け付け可能な操作に関連した条件である第1条件を満たしているか否かを判定して第1判定結果をモード制御部304に出力する。本実施形態に係る第1判定部302は、ユーザからの操作で表示装置2が省電力モードに移行してカウントを開始してからの時間が無効期間T1(第1時間の一例)を経過した場合に第1条件を満たしたと判定する。本実施形態では、省電力モードに移行する操作を受け付けてからの経過時間を、第1条件とする例について説明するが、第1条件をこのような条件に制限するものではない。第1条件としては、例えば、ユーザからの操作に関連する条件であればよい。
【0056】
また、本実施形態に係る第1判定部302は、カウントを開始してからの時間が無効期間T3(第3時間の一例)を経過したか否の判定も行う。当該カウントを開始する条件については後述する。
【0057】
無効期間T1(第1時間の一例)、T3は、人感センサ6が人を検出しない時間とする。無効期間T1、T3は、例えば、事前に設定される期間であって、例えば、SSD204に記憶される。無効期間T1、T3は、省電力モードへ移行させる操作を行ったユーザが、操作を行ってから、人感センサ6の検知範囲外に出るまでに要する時間が設定されるのが望ましい。一方で、無効期間T1、T3は、あまり長時間でないのが望ましい。
【0058】
10秒未満の短時間な設定であると、まだ省電力モードへ移行させる操作を行ったユーザが近くにいる場合が多い。10秒以上の無効期間T1、T3に設定すると、省電力モードへ移行させる操作を行ったユーザが、操作を行った後に再度検知されてしまうのを防ぐことができる。また、無効期間T1、T3が長すぎると、次のユーザが直ぐに使用できない場合がある。そこで、無効期間T1、T3は、60秒未満程度に設定されるのが望ましい。
【0059】
したがって、無効期間T1、T3は、10乃至60秒程度に設定されるのが望ましい。このような無効期間T1、T3であると、省電力モードへ移行させる操作を行ったユーザの誤検知を避け、かつ、次のユーザが直ぐに使用するのが阻害されるのを防ぐことができる。
【0060】
ただし、無効期間T1、T3は、人感センサ6の人を検知する範囲、並びに、表示装置2が設置される位置及び部屋の広さ等の環境によって最適な値が異なる。したがって、無効期間T1、T3は、人感センサ6の設定及び環境等を考慮して設定されるのが望ましい。なお、上記に例示した10乃至60秒程度の設定は、一般的な会議室を想定した場合の設定である。
【0061】
第2判定部303は、表示装置2(情報処理装置の一例)の周囲の状況に関連した条件である第2条件を満たしているか否かを判定して第2判定結果をモード制御部304に出力する。本実施形態に係る第2判定部303は、単位時間(第2時間の一例)当たりの、人感センサ6によって検知された人の動きの検出回数が、所定の閾値より大きい場合に、第2条件を満たしたと判定する。本実施形態では、単位時間(第2時間の一例)当たりの、人感センサ6によって検知された人の動きの検出回数が、所定の閾値より大きいか否かを第2条件とする例について説明するが、第2条件をこのような条件に制限するものではない。第2条件としては、例えば、表示装置2に設けられた、表示装置2の周囲の状況を検知するセンサの検知結果を条件としてもよい。なお、単位時間(第2時間の一例)は、人の動きを検出するために定められた時間であって、人感センサ6の性能など実施態様に応じて定められる。
【0062】
人感センサ6によって検知された人の動きの検出回数は、例えば、表示装置2(情報処理装置の一例)の周囲に存在する人の数に対応してもよい。つまり、人の動きの検出回数が、所定の閾値より大きい場合とは、人感センサ6で検出された人の数が、所定の閾値より多い場合に、第2条件を満たす等が考えられる。
【0063】
モード制御部304は、省電力モードに移行させた後、人感センサ6の検知結果で人を検知した場合に、第1判定部302から入力された第1判定結果、及び第2判定部303から入力された第2判定結果に基づいて、省電力モードを解除するか否かを決定する。
【0064】
本実施形態に係るモード制御部304は、入力された第1判定結果によって第1条件が満たされたことを認識すると共に、入力された第2判定結果によって第2条件が満たされたことを認識した場合に、省電力モードを解除する。
【0065】
つまり、モード制御部304は、省電力モードに移行してからの経過時間が無効期間T1(第1時間の一例)を経過すると共に、人感センサ6によって検知された人の数が所定の閾値(例えば2人)より多い場合に、省電力モードを解除する。本実施形態においては、省電力モードに移行してからの経過時間が無効期間T1(第1時間の一例)を経過した後(第1条件を満たしたと判定された後)に、人感センサ6による検知が開始される。そして、モード制御部304は、人感センサ6によって検知された人の数(動きの検出量)が所定の閾値(例えば2人)より多い場合に省電力モードを解除する。
【0066】
次に表示装置2における省電力モードが設定された状態で行われる制御の第1の例について説明する。図4は、省電力モードが設定された状態における表示装置2の各構成の状態変化を例示した図である。図4に示される例では、表示装置2の人感センサ6が人を検出しなかった場合を示している。
【0067】
図4に示されるように、省電力モードが設定された状態では、ディスプレイ3は表示抑制状態(例えば、表示オフ状態)となると共に、人感センサ6が無効期間T1の間、検出を行わない無効状態となる。
【0068】
無効期間T1を経過した後、人感センサ6は条件付き有効期間T2の間、条件付き有効状態となる。条件付き有効状態で人を検出した場合については後述する。
【0069】
そして、人感センサ6が、条件付き有効期間T2の間、人を検知せずに経過した場合、人感センサ6が有効状態となる。人感センサ6が有効状態となった後、人感センサ6が人を検知した場合に、モード制御部304が、表示装置2の省電力モードを解除する。なお、条件付き有効期間T2は、実施態様に応じて定められる。
【0070】
次に表示装置2における省電力モードが設定された状態で行われる制御の第2の例について説明する。図5は、省電力モードが設定された状態における表示装置2の各構成の状態変化を例示した図である。図5に示される例では、表示装置2の人感センサ6が時刻t11で人を検出した場合に示している。
【0071】
まずは、図4と同様に、省電力モードがオンになった場合に、ディスプレイ3は表示抑制状態(例えば、表示オフ状態)となると共に、人感センサ6は無効期間T1の間、検出を行わない無効状態となる。
【0072】
無効期間T1を経過した後、人感センサ6は、条件付き有効状態となる。人感センサ6が、条件付き有効状態である時刻t11において人を検出する。
【0073】
図5に示す例では、第2判定部303は、時刻t11において、人感センサ6の検出回数(人の数)が所定の閾値より大きいと判定する。この場合、モード制御部304は、判定結果に基づいて、省電力モードを解除するための制御を行う。これによりディスプレイ3は、通常表示状態(例えば、表示オン状態)に移行する。そして省電力モードが解除された後、人感センサ6は、検出を行わない無効状態となる。
【0074】
図5に示される例では、人感センサ6が条件付き有効状態となった場合に、人感センサ6の検出回数、換言すれば検出した人の数が所定の閾値より多い場合である。このような場合には、表示装置2の省電力モードが解除される。換言すると、表示装置2の周囲には多くの人が存在するので、表示装置2を用いた作業が行われると判断して、省電力モードが解除される。
【0075】
次に表示装置2における省電力モードが設定された状態で行われる制御の第3の例について説明する。図6は、省電力モードが設定された状態における表示装置2の各構成の状態変化を例示した図である。図6に示される例では、表示装置2の人感センサ6が時刻t21で人を検出した場合に示している。
【0076】
まずは、図4と同様に、省電力モードがオンになった場合に、ディスプレイ3は表示抑制状態(例えば、表示オフ状態)となると共に、人感センサ6は無効期間T1の間、検出を行わない無効状態となる。
【0077】
無効期間T1を経過した後、人感センサ6は、条件付き有効状態となる。人感センサ6が、条件付き有効状態である時刻t21において人を検出する。
【0078】
図6に示す例では、第2判定部303は、人感センサ6の検出回数が所定の閾値以下であると判定する。この場合、モード制御部304は、判定結果に基づいて、省電力モードを維持するための制御を行う。これによりディスプレイ3は、表示抑制状態(例えば、表示オフ状態)が維持される。また、人感センサ6は、無効期間T3(第3時間の一例)の間、検出を抑制する無効状態となる。無効期間T3は、無効期間T1と同じ長さでもよいし、異なる長さでもよい。
【0079】
無効期間T3を経過した後、人感センサ6は、有効状態となる。有効状態においては、人感センサ6が人を検出した場合、検出した人の数にかかわらず、省電力モードが解除される。
【0080】
図6に示される例では、時刻t22において、人感センサ6が人を検出したので、モード制御部304が、省電力モードを解除するための制御を行う。これによりディスプレイ3は、通常表示状態(例えば、表示オン状態)に移行する。そして省電力モードが解除された後、人感センサ6は、検出を行わない無効状態となる。
【0081】
図6に示される例では、人感センサ6が条件付き有効状態となった場合に、時刻t21において、人感センサ6の検出回数、換言すれば検出した人の数が所定の閾値以下の場合である。このような場合には、表示装置2の省電力モードが維持されると共に、人感センサ6が再び無効状態になる。換言すると、時刻t21の時点では、表示装置2の周囲には存在する人が少ないので、省電力モードが設定されたときの状況が継続していると判断して、省電力モードが維持される。
【0082】
<全体処理の流れ>
次に、本実施形態に係る表示装置2の全体的な処理の流れについて説明する。
【0083】
図7は、本実施形態に係る表示装置2による、全体的な処理の流れを示したフローチャートである。図7で示される例では、既に表示装置2の電源がオン状態とする。
【0084】
まず、モード制御部304が、通常モードに従って表示装置2の制御を行う(S701)。すなわち、人が会議等で表示装置2を使用している間は、通常モードが設定される。
【0085】
そして、モード制御部304は、タッチセンサ214等から省電力モードに移行させる操作を受け付ける(S702)。例えば、ディスプレイ3をオフ制御するため、ボタン又はアイコン等のインタフェースを介して、省電力モードへ移行させる操作を受け付ける。そして、モード制御部304は、操作をトリガとしてS703に進む。
【0086】
モード制御部304は、表示装置2が省電力モードに移行させる制御を開始する(S703)。省電力モードでは、例えば、ディスプレイ3のオフ制御等を行うことで、供給する電力を少なくする。
【0087】
モード制御部304は、経過時間のカウントを開始させる(S704)。
【0088】
モード制御部304は、表示装置2が省電力モードに移行したか否か(例えばディスプレイ3のオフ制御が行われたか否かを)を確認する(S705)。表示装置2が省電力モードに移行していない場合(S705:NO)、当該確認を継続する。
【0089】
一方、モード制御部304は、表示装置2が省電力モードに移行したことを確認した場合(S705:YES)、人感センサ6を無効状態に移行させる(S706)。
【0090】
その後、第1判定部302が、経過時間が、無効期間T1を経過したか否かを判定する(S707)。無効期間T1を経過していないと判定した場合(S707:NO)、再びS707の判定を行う。
【0091】
その後、第1判定部302が、経過時間が、無効期間T1を経過したと判定した場合(S707:YES)。判定結果をモード制御部304に出力すると共に、モード制御部304は、人感センサ6を条件付き有効状態に移行させる(S708)。
【0092】
さらに、モード制御部304は、経過時間を'0'で初期化した後、再び経過時間のカウントを開始させる(S709)。
【0093】
そして、人感センサ6は人を検知したか否かを判定する(S710)。人を検知していないと判定した場合(S710:NO)、第1判定部302は、条件付き有効期間T2を経過したか否かを判定する(S711)。条件付き有効期間T2を経過していないと判定した場合(S711:NO)、再びS710の検知を行う。
【0094】
一方、第1判定部302が、経過時間が、条件付き有効期間T2を経過したと判定した場合(S711:YES)、判定結果をモード制御部304に出力する。これにより、モード制御部304は、人感センサ6を有効状態に移行させる(S712)。
【0095】
そして、人感センサ6は人を検知したか否かを判定する(S713)。人を検知していないと判定した場合(S713:NO)、人を検知するまで、当該判定を繰り返す。
【0096】
一方、人感センサ6が人を検知したと判定した場合(S713:YES)、モード制御部304は、人感センサ6からの人を検知した旨の信号に基づいて、省電力モードを解除して処理を終了する(S715)。
【0097】
S710において、人感センサ6が人を検知したと判定した場合(S710:YES)、第2判定部303は、検出回数が所定の閾値より多いか否かを判定する(S714)。
【0098】
第2判定部303が、検出回数が所定の閾値より多いと判定した場合(S714:YES)、モード制御部304が、省電力モードを解除して処理を終了する(S715)。
【0099】
一方、第2判定部303が、検出回数が所定の閾値以下と判定した場合(S714:NO)、モード制御部304が、人感センサ6を無効状態に移行させる(S716)。その際に、経過時間を'0'で初期化する。
【0100】
その後、第1判定部302は、経過時間が、無効期間T3を経過したか否かを判定する(S717)。第1判定部302は、経過時間が、無効期間T3を経過していないと判定した場合(S717:NO)、経過時間が、無効期間T3を経過するまで、当該判定を繰り返す。
【0101】
一方、第1判定部302は、経過時間が、無効期間T3を経過したと判定した場合(S717:YES)、判定結果をモード制御部304に出力する。これにより、モード制御部304は、人感センサ6を有効状態に移行させる(S712)。以降の処理(S713、S715)は、上述した通りのため、説明を省略する。
【0102】
<変形例>
上述した実施形態は、第1条件及び第2条件は、上述した条件に制限するものではない。例えば、第1条件としては、ユーザから所定のジェスチャ操作を受け付けたか否かに応じて、第1判定部302が第1条件を満たしたか否かを判定してもよい。
【0103】
例えば、条件の判定に顔認証等を用いてもよい。例えば、表示装置2が顔認証を行うセンサを備えた場合に、省電力モードにする操作を行うユーザが認識できる。そして、第2判定部303が、顔認証の検知結果として、操作が行われた際に認識されたユーザとは異なるユーザが検知されたと判定した場合に、第2条件を満たしたと判定してもよい。なお、この場合の第1条件は、上述した実施形態と同様としてもよいし、異なる条件であってもよい。
【0104】
省電力モードにする操作を行うユーザは、表示装置2の使用を終了する者である場合が多い。このため、操作を行ったユーザとは異なるユーザが検知された場合、当該異なるユーザは、次に表示装置2を使用するユーザと推定できる。そこで、第2判定部303が、当該異なるユーザを検出したと判定した場合に、第2条件を満たしたと判定してもよい。
【0105】
なお、ユーザの認識は、ID等を用いる他の方法でもよい。
【0106】
また、第2条件として、表示装置2に近づいてくるユーザを検出してもよい。例えば、第2判定部303は、ユーザとの距離を計測するセンサから入力された検知結果に基づいて、近づいてくるユーザが存在するか否かを判定する。つまり、遠ざかっていくユーザは、表示装置2の使用を終了したユーザであり、近づいてくるユーザは、これから表示装置2の使用を開始するユーザであると推定できる。そこで、第2判定部303は、検知結果に基づいて近づいてくるユーザが存在すると判定した場合に第2条件を満たしたと判定してもよい。
【0107】
本変形例では、ユーザの移動態様に応じて省電力モードを解除できるので、近づいてきたユーザはすぐに表示装置2を使用できるので、利便性を向上させることができる。
【0108】
なお、モードは、通常モード及び省電力モードの2つに限られない。少なくとも、電源装置は、省電力モードが設定可能であれば、他にどのようなモードがあってもよい。また、モードの名称は、通常モード及び省電力モード以外でもよい。例えば、省電力モードは、使用時よりも電力の消費が少ないモードであればよく、「待機モード」等でもよい。
【0109】
また、上述した実施形態では、省電力モードへの移行は、ユーザから受け付けた操作に基づいた例について説明した。しかしながら、省電力モードへの移行は、ユーザから受け付けた操作に基づいた手法に制限するものではない。例えば、表示装置2の起動時から省電力モードに移行してもよいし、ユーザから操作を受け付けなくなってから所定の時間を経過した場合に移行してもよいし、タイマによって所定時間経過した場合に移行してもよい。
【0110】
なお、全体処理の全部又は一部は、コンピュータに電源制御方法を実行させるためのプログラムによって実現されてもよい。すなわち、プログラムは、電源装置、表示装置等といったコンピュータに各処理を実行させるためのコンピュータプログラムである。したがって、プログラムに基づいて電源制御方法が実行されると、コンピュータが有する演算装置及び制御装置は、各処理を実行するため、プログラムに基づいて演算及び制御を行う。また、コンピュータが有する記憶装置は、各処理を実行するため、プログラムに基づいて、処理に用いられるデータを記憶する。
【0111】
また、プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されて頒布することができる。なお、記録媒体は、磁気テープ、フラッシュメモリ、光ディスク、光磁気ディスク又は磁気ディスク等のメディアである。さらに、プログラムは、電気通信回線を通じて頒布することができる。
【0112】
以上、実施形態における一例について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されない。すなわち、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。
【0113】
上述した実施形態及び変形例においては、表示装置2が、第1条件及び第2条件を満足した場合に省電力モードを解除するので、ユーザが表示装置2を利用する際の利便性を向上させることができる。
【0114】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0115】
本発明の態様は、例えば、以下の通りである。
<1>
情報処理装置に電力を供給する電源部と、
前記情報処理装置に設けられた検知部による人の検知結果を取得する取得部と、
前記情報処理装置が受け付け可能な操作に関連した条件である第1条件を満たしているか否かを判定して第1判定結果を出力する第1判定部と、
前記情報処理装置の周囲の状況に関連した条件である第2条件を満たしているか否かを判定して第2判定結果を出力する第2判定部と、
情報処理装置に電力を供給する通常モードと比べて供給する電力を低減させる省電力モードが設定された状態において、前記検知結果で人を検知した場合に、前記第1判定結果及び前記第2判定結果に基づいて、前記省電力モードを解除する制御部と、
を備える電源装置。
<2>
前記第1判定部は、前記省電力モードに移行してからの経過時間が第1時間を経過している場合に、前記第1条件を満たしたと判定する、
前記<1>に記載の電源装置。
<3>
前記第2判定部は、第2時間当たりの、前記検知部によって検知された前記人の動きの検出回数が、所定の閾値より大きい場合に、前記第2条件を満たしたと判定する、
前記<1>又は<2>に記載の電源装置。
<4>
前記第2判定部は、第2時間当たりの、前記検知部によって検知された前記人の動きの検出回数が、前記所定の閾値以下の場合に、前記第2条件を満たしていないと判定し、前記検知部による前記人の動きの検知を、第3時間抑制する、
前記<1>乃至<3>のいずれか一つに記載の電源装置。
<5>
表示部と、
前記表示部に電力を供給する電源部と、
前記表示部に設けられた検知部による人の検知結果を取得する取得部と、
自装置が受け付け可能な操作に関連した条件である第1条件を満たしているか否かを判定して第1判定結果を出力する第1判定部と、
前記自装置の周囲の状況に関連した条件である第2条件を満たしているか否かを判定して第2判定結果を出力する第2判定部と、
情報処理装置に電力を供給する通常モードと比べて供給する電力を低減させる省電力モードが設定された状態において、前記検知結果で人を検知した場合に、前記第1判定結果及び前記第2判定結果に基づいて、前記省電力モードを解除する制御部と、
を備える表示装置。
<6>
前記第1判定部は、前記省電力モードに移行してからの経過時間が第1時間を経過している場合に、前記第1条件を満たしたと判定する、
前記<5>に記載の表示装置。
<7>
前記第2判定部は、第2時間当たりの、前記検知部によって検知された前記人の動きの検出回数が、所定の閾値より大きい場合に、前記第2条件を満たしたと判定する、
前記<5>又は<6>に記載の表示装置。
<8>
前記第2判定部は、第2時間当たりの、前記検知部によって検知された前記人の動きの検出回数が、前記所定の閾値以下の場合に、前記第2条件を満たしていないと判定し、前記検知部による前記人の動きの検知を、第3時間抑制する、
前記<5>乃至<7>のいずれか一つに記載の表示装置。
【符号の説明】
【0116】
2 表示装置
3 ディスプレイ
4 電子ペン
5 USBメモリ
6 人感センサ
7 電源スイッチ
213 ディスプレイコントローラ
214 タッチセンサ
215 タッチセンサコントローラ
224 電源制御回路
225 ACアダプタ
226 バッテリ
301 取得部
302 第1判定部
303 第2判定部
304 モード制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0117】
【特許文献1】特開2021-166040号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7