(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181959
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】レンジ焼け防止剤、食品のレンジ焼け防止方法、及び冷凍食品の製造方法。
(51)【国際特許分類】
A23D 7/00 20060101AFI20231218BHJP
A23L 29/10 20160101ALI20231218BHJP
A23D 7/01 20060101ALI20231218BHJP
A23L 5/10 20160101ALI20231218BHJP
A23L 3/37 20060101ALI20231218BHJP
A23L 7/109 20160101ALN20231218BHJP
【FI】
A23D7/00 504
A23L29/10
A23D7/01
A23L5/10 C
A23L3/37 A
A23L7/109 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169044
(22)【出願日】2022-10-21
(31)【優先権主張番号】P 2022095004
(32)【優先日】2022-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2022135545
(32)【優先日】2022-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000227009
【氏名又は名称】日清オイリオグループ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 太一
(72)【発明者】
【氏名】岡田 孝宏
【テーマコード(参考)】
4B022
4B026
4B035
4B046
【Fターム(参考)】
4B022LA01
4B022LB01
4B022LJ02
4B022LQ07
4B026DC06
4B026DG04
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4B046LG11
4B046LG15
4B046LG18
4B046LP56
4B046LP69
(57)【要約】
【課題】本発明の課題は、食品のレンジ焼けを防止する、レンジ焼け防止剤を提供することである。また、食品のレンジ焼け防止方法を提供することである。また、レンジ焼けが防止された冷凍食品の製造方法を提供することである。
【解決手段】
電子レンジ加熱で生じる食品のレンジ焼けを防止するためのレンジ焼け防止剤であって、前記レンジ焼け防止剤が、油脂と乳化剤を含有する油性成分と、増粘多糖類を含有し、前記レンジ焼け防止剤は、100~13500mPa・s(25℃)の粘度を有する乳化物、又は加水して100~13500mPa・s(25℃)の粘度を有する乳化物として用いるものである、レンジ焼け防止剤。前記油性成分中に油脂を20~80質量%、乳化剤を10~80質量%含有し、該乳化剤のHLBが3~10の乳化剤であることが好ましい。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子レンジ加熱で生じる食品のレンジ焼けを防止するためのレンジ焼け防止剤であって、
前記レンジ焼け防止剤が、油脂と乳化剤を含有する油性成分と、増粘多糖類を含有し、
前記レンジ焼け防止剤は、100~13500mPa・s(25℃)の粘度を有する乳化物、又は加水して100~13500mPa・s(25℃)の粘度を有する乳化物として用いるものである、
レンジ焼け防止剤。
【請求項2】
前記油性成分中に油脂を20~80質量%、乳化剤を10~80質量%含有し、
該乳化剤のHLBが3~10の乳化剤である、
請求項1に記載のレンジ焼け防止剤。
【請求項3】
前記油脂が、油脂の構成脂肪酸中に炭素数8~10の直鎖状飽和脂肪酸を30質量%以上含有し、
前記乳化剤が、グリセリンモノ脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、有機酸モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリソルベート、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチンから選ばれる1種又は2種以上の乳化剤であり、
前記増粘多糖類が、キサンタンガム、ガラクトマンナンから選ばれる1種又は2種以上である、
請求項1に記載のレンジ焼け防止剤。
【請求項4】
レンジ焼け防止剤中の油性成分と増粘多糖類の質量割合が油性成分:増粘多糖類=300:1~3:1である、
及び/又は前記乳化物中の増粘多糖類が0.01~2.5質量%である、
及び/又は前記油性成分中の乳化剤において、乳化剤の構成脂肪酸の60質量%以上が、不飽和脂肪酸である、
請求項1に記載のレンジ焼け防止剤。
【請求項5】
食品が、冷凍食品である、請求項1に記載のレンジ焼け防止剤。
【請求項6】
電子レンジ加熱による食品のレンジ焼け防止方法であって、
100~13500mPa・s(25℃)の粘度を有する乳化物を、電子レンジで加熱する前に食品の表面に適用し、
前記乳化物が、請求項1~5のいずれか1項に記載のレンジ焼け防止剤、又はレンジ焼け防止剤を加水した乳化物であり、
乳化物中の油脂、乳化剤、増粘多糖類の総量が、食品100質量部に対して、0.08~3質量部となるように適用する、
食品のレンジ焼け防止方法。
【請求項7】
電子レンジで加熱して食す冷凍食品の製造方法であって、
100~13500mPa・s(25℃)の粘度を有する乳化物を、電子レンジで加熱する前に食品の表面に適用する工程、
次いで食品を冷凍する工程を含み、
前記乳化物が、請求項1~5のいずれか1項に記載のレンジ焼け防止剤、又はレンジ焼け防止剤を加水した乳化物であり、
乳化物中の油脂、乳化剤、増粘多糖類の総量が、食品100質量部に対して、0.08~3質量部となるように適用する、
冷凍食品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンジ焼け防止剤、食品のレンジ焼け防止方法、及び冷凍食品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レストラン、家庭における調理作業を軽減するために、調理された食品を冷凍、チルド、冷蔵で流通、保管し、電子レンジで加熱して、食事に供すことが増えている。特に、フードロスの観点から保存性が高い、冷凍食品が増えている。
【0003】
これらの冷凍食品、チルド食品及び冷蔵食品を電子レンジで加熱した際に、「レンジ焼け」が発生する。「レンジ焼け」とは、食品への部分的な過加熱による乾燥や焦げならびに加熱むらである。「レンジ焼け」により、食品の外観や食感が損なわれるため、水・油脂・多価アルコール、及び乳化剤を含む、レンジ焼けを防止するための組成物が提案されている(特許文献1)。乳化物は、水を多く用いることで、コストを抑えることができるが、特許文献1の方法では、水の含有量が組成物の全量に対し83質量%を超えると冷凍焼けに対する耐性が不十分とされ、水分量が高い領域では用いることができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、食品のレンジ焼けを防止する、レンジ焼け防止剤を提供することである。また、食品のレンジ焼け防止方法を提供することである。また、レンジ焼けが防止された冷凍食品の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、レンジ焼け防止剤として、特定の乳化物を用いることで、レンジ焼けを抑制することを見出し、上記の課題を解決することを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明は、下記の[1]~[7]を提供する。
[1] 電子レンジ加熱で生じる食品のレンジ焼けを防止するためのレンジ焼け防止剤であって、
前記レンジ焼け防止剤が、油脂と乳化剤を含有する油性成分と、増粘多糖類を含有し、
前記レンジ焼け防止剤は、100~13500mPa・s(25℃)の粘度を有する乳化物、又は加水して100~13500mPa・s(25℃)の粘度を有する乳化物として用いるものである、
レンジ焼け防止剤。
[2] 前記油性成分中に油脂を20~80質量%、乳化剤を10~80質量%含有し、
該乳化剤のHLBが3~10の乳化剤である、[1]のレンジ焼け防止剤。
[3] 前記油脂が、油脂の構成脂肪酸中に炭素数8~10の直鎖状飽和脂肪酸を30質量%以上含有し、
前記乳化剤が、グリセリンモノ脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、有機酸モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリソルベート、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチンから選ばれる1種又は2種以上の乳化剤であり、
前記増粘多糖類が、キサンタンガム、ガラクトマンナンから選ばれる1種又は2種以上である、[1]のレンジ焼け防止剤。
[4] レンジ焼け防止剤中の油性成分と増粘多糖類の質量割合が油性成分:増粘多糖類=300:1~3:1である、
及び/又は前記乳化物中の増粘多糖類が0.01~2.5質量%である、
及び/又は前記油性成分中の乳化剤において、乳化剤の構成脂肪酸の60質量%以上が、不飽和脂肪酸である、
[1]のレンジ焼け防止剤。
[5] 食品が、冷凍食品である、[1]のレンジ焼け防止剤。
[6] 電子レンジ加熱による食品のレンジ焼け防止方法であって、
100~13500mPa・s(25℃)の粘度を有する乳化物を、電子レンジで加熱する前に食品の表面に適用し、
前記乳化物が、[1]~[5]のいずれかのレンジ焼け防止剤、又はレンジ焼け防止剤を加水した乳化物であり、
乳化物中の油脂、乳化剤、増粘多糖類の総量が、食品100質量部に対して、0.08~3質量部となるように適用する、
食品のレンジ焼け防止方法。
[7] 電子レンジで加熱して食す冷凍食品の製造方法であって、
100~13500mPa・s(25℃)の粘度を有する乳化物を、電子レンジで加熱する前に食品の表面に適用する工程、
次いで食品を冷凍する工程を含み、
前記乳化物が、[1]~[5]のいずれかのレンジ焼け防止剤、又はレンジ焼け防止剤を加水した乳化物であり、
乳化物中の油脂、乳化剤、増粘多糖類の総量が、食品100質量部に対して、0.08~3質量部となるように適用する、
冷凍食品の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、レンジ加熱による食品のレンジ焼けの発生を防止することができる。特に、冷凍食品のようにレンジ加熱による加熱量が多い食品に対して、より効果的にレンジ焼けの発生を抑えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明について詳細に例示説明する。なお、本発明の実施の形態において、A(数値)~B(数値)は、A以上B以下を意味する。また、以下で例示する好ましい態様やより好ましい態様等は、「好ましい」や「より好ましい」等の表現にかかわらず適宜相互に組み合わせて使用することができる。また、数値範囲の記載は例示であって、各範囲の上限と下限並びに実施例の数値とを適宜組み合わせた範囲も好ましく使用することができる。さらに、「含有する」又は「含む」等の用語は、「本質的になる」や「のみからなる」と読み替えてもよい。
【0010】
[レンジ焼け防止剤]
本発明のレンジ焼け防止剤は、電子レンジ加熱で生じる食品のレンジ焼けを防止するためのレンジ焼け防止剤であって、前記レンジ焼け防止剤が、油脂と乳化剤を含有する油性成分と、増粘多糖類を含有し、前記レンジ焼け防止剤は、100~13500mPa・s(25℃)の粘度を有する乳化物、又は加水して100~13500mPa・s(25℃)の粘度を有する乳化物として用いるものである。
【0011】
<乳化物>
本発明のレンジ焼け防止剤は、レンジ焼け防止剤そのものが乳化物の状態、又は、乳化して乳化物として用いるものである。乳化して用いる場合は、レンジ焼け防止剤を水と混合して乳化物とする。なお、乳化物は、特に限定するものではないが、水中油型(O/W型)乳化物、又は油中水型(W/O型)乳化物、あるいはW/O/W型乳化物などが挙げられ、好ましくは水中油型乳化物である。
【0012】
本発明のレンジ焼け防止剤は、増粘多糖類を含有することで、増粘多糖類を含まないものに比べて、乳化物の粘度が高くなる。乳化物の粘度が高くなることで、食品のレンジ焼けを防止する効果を有する。しかし、粘度が高すぎると作業性や食品に対するコーティング性が劣る。そのため、本発明のレンジ焼け防止剤は、100~13500mPa・s(25℃)の粘度を有する乳化物である、又は、本発明のレンジ焼け防止剤は、レンジ焼け防止剤に加水して得られた乳化物の粘度が100~13500mPa・s(25℃)である。なお、加水する前のレンジ焼け防止剤は、実質的に水を含まない(水相がない)状態でも、水を含む乳化状態でもよい。加水は、水による乳化及び/又は希釈することになる。そのため、実質的に水を含まないレンジ焼け防止剤は、加水により、乳化物となる。乳化状態のレンジ焼け防止剤は、加水により希釈され、乳化物の粘度が低下する。また、レンジ焼け防止剤は、100~10000mPa・s(25℃)の粘度を有する乳化物、又は、レンジ焼け防止剤を加水した乳化物の粘度が100~10000mPa・s(25℃)となることが好ましい。レンジ焼け防止剤は、100~9000mPa・s(25℃)の粘度を有する乳化物、又は、レンジ焼け防止剤を加水した乳化物の粘度が100~9000mPa・s(25℃)となることがより好ましい。レンジ焼け防止剤は、400~5000mPa・s(25℃)の粘度を有する乳化物、又は、レンジ焼け防止剤を加水した乳化物の粘度が400~5000mPa・s(25℃)となることがさらに好ましい。レンジ焼け防止剤は、1000~2000mPa・s(25℃)の粘度を有する乳化物、又は、レンジ焼け防止剤を加水した乳化物の粘度が1000~2000mPa・s(25℃)となることが最も好ましい。
【0013】
なお、本発明において、粘度は、日本油化学会制定 基準油脂分析試験法(2.2.10.5-2013 粘度(ブルックフィールド法)に準拠して測定することができる。例えば、BM型粘度計を用い、回転開始後から1分後の粘度を用いることができる。
【0014】
<油脂>
本発明のレンジ焼け防止剤は、油性成分を含み、油性成分中に油脂を含む。油脂としては、動植物油脂、グリセリンと脂肪酸から合成した油脂及びそれらの分別油、エステル交換油、水素添加油などを単独あるいは組み合わせて用いることができる。
動植物油脂としては、例えば、大豆油、なたね油、ひまわり油、オリーブ油、サフラワー油、コーン油、綿実油、米油、ゴマ油、エゴマ油、亜麻仁油、落花生油、グレープシード油、牛脂、乳脂、魚油、ヤシ油、パーム油、パーム核油などが挙げられる。
グリセリンと脂肪酸から合成した油脂としては、炭素数8~10の直鎖状飽和脂肪酸を含有する油脂、例えば中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)などが挙げられる。
分別油としては、パームオレイン、パームスーパーオレイン、パームステアリン、パームミッドフラクションなどのパーム油の分別油が挙げられる。
エステル交換油としては、パーム油あるいはパーム油の分別油と他の液状油脂のエステル交換油、あるいはMCTと植物油などとのエステル交換油を用いることができる。
水素添加油は、動植物油、動植物油の分別油の水素添加油の他、エステル交換油の水素添加油などが挙げられる。
【0015】
本発明で用いる油脂は、室温で流動性を失うものは、食品の表面への適用時に加熱により溶解させる必要があるので、30℃で流動性を有する態様のものが好ましい。原料油脂の一部が30℃で固体であっても、他の原料油脂と併用して用いることによって、油脂全体として流動性を有していれば好適に使用できる。20℃で流動性を有する油脂がより好ましく、20℃で液状である油脂がさらに好ましい。特に、融点の低い液状油でありながら、酸化安定性も良好であるという利点を有することから、油脂の構成脂肪酸に炭素数8~10の直鎖状飽和脂肪酸を含有する油脂、なたね油、パームオレイン、これらの混合物などを好適に使用することができる。特に、油脂の構成脂肪酸の30質量%以上が、炭素数8~10の直鎖状飽和脂肪酸である油脂はレンジ焼け防止効果が良好であり、好ましい。油脂の構成脂肪酸の50~100質量%が、炭素数8~10の直鎖状飽和脂肪酸である油脂がより好ましく、80~100質量%が、炭素数8~10の直鎖状飽和脂肪酸である油脂がさらに好ましい。炭素数8~10の直鎖状飽和脂肪酸として、カプリル酸、カプリン酸が挙げられる。
【0016】
本発明のレンジ焼け防止剤は、油性成分中に油脂を20~80質量%含有することが好ましい。本発明のレンジ焼け防止剤は、乳化物、又は加水して用いるものであり、油性成分中に油脂を20~80質量%に含有した場合、後述の乳化剤の量があれば、十分乳化することができる。また、同範囲の油脂を含有することで、後述の乳化剤、増粘多糖類とともに、レンジ焼け防止性が許容できる範囲となる。油性成分中の油脂量は、30~70質量%がより好ましく、40~60質量%がさらに好ましく、45~55質量%がことさらに好ましい。
【0017】
<乳化剤>
本発明のレンジ焼け防止剤は、油性成分中に乳化剤を含む。乳化剤としては、グリセリンモノ脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、有機酸モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリソルベート、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチンなどを用いることができる。
【0018】
乳化剤は、食品のレンジ焼け防止性を向上させるために、乳化剤のHLBは3~10が好ましい。また、HLB3~10の乳化剤は乳化機能もあり、本発明では同乳化剤を利用して乳化物とすることができる。特に効率よく乳化をするために、乳化剤のHLBは6~10が好ましく、6~8がより好ましい。
【0019】
HLBは、親水性疎水性バランス(Hydrophile Lipophile Balance)の略であって、乳化剤が親水性か親油性かを知る指標となるもので、0~20の値をとる。HLB値が小さい程、親油性が強いことを示す。本発明において、HLB値の算出はアトラス法の算出法を用いる。アトラス法の算出法は、
HLB=20×(1-S/A)
S:ケン化価
A:エステル中の脂肪酸の中和価
からHLB値を算出する方法を言う。同算出方法では、HLB値は、算術平均として算出される。
【0020】
本発明において、レンジ焼け防止剤は、油性成分中に乳化剤を10~80質量%含有することが好ましい。この範囲であれば、前述の油脂とあわせて十分乳化することができる。乳化剤の含有量は、油性成分中に、10~60質量%含有することがより好ましく、20~55質量%であることがさらに好ましく、30~50質量%であることがことさらに好ましく、油性成分中に35~45質量%であることが最も好ましい。
【0021】
なお、油性成分中に含まれる乳化剤は、低温下での固化を防ぐために、構成脂肪酸の60質量%以上が不飽和脂肪酸であることが好ましい。構成脂肪酸の70~100質量%が不飽和脂肪酸であることがより好ましく、構成脂肪酸の80~98質量%が不飽和脂肪酸であることがさらに好ましい。また、不飽和脂肪酸は、炭素数16~22の直鎖状不飽和脂肪酸を用いることができる。不飽和脂肪酸としては、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸から選ばれる1種又は2種以上の不飽和脂肪酸が好ましい。特に好ましくは、構成脂肪酸の65~90質量%がオレイン酸である。乳化剤の不飽和脂肪酸以外の脂肪酸は飽和脂肪酸である。飽和脂肪酸としては炭素数6~22の直鎖状飽和脂肪酸が好ましく、16~22の直鎖状飽和脂肪酸がより好ましく、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸から選ばれる1種又は2種以上を用いることがさらに好ましい。
【0022】
用いる乳化剤として、ジグリセリンモノ脂肪酸エステル及び/又はトリグリセリンモノ脂肪酸エステルであることが好ましい。この乳化剤は、食品のレンジ焼け防止性だけでなく、油脂を乳化させる機能が高い。そのため、単独あるいは他の乳化剤と同時に用いることができる。例えば、ジグリセリンモノ脂肪酸エステルは、ジグリセリンと脂肪酸をエステル化して製造されたジグリセリン脂肪酸エステルを用いることができる。ジグリセリンモノ脂肪酸エステル及び/又はトリグリセリンモノ脂肪酸エステルは、反応物を蒸留してモノエステルの純度を高めたものを用いることが好ましいが、ジエステルやトリエステルを不純物として含有するものを用いてもよい。
【0023】
本発明において、レンジ焼け防止剤は、ジグリセリンモノ脂肪酸エステル及び/又はトリグリセリンモノ脂肪酸エステルを、油性成分中に10~60質量%含有することが好ましい。配合量が10質量%以上あれば、十分乳化することができ、また、配合量を60質量%以下に抑えることで、他の乳化剤を配合する余地が生じ、他の乳化剤との相乗作用が期待できる。ジグリセリンモノ脂肪酸エステル及び/又はトリグリセリンモノ脂肪酸エステルの含有量は、油性成分中に20~55質量%であることがより好ましく、油性成分中に30~50質量%であることがさらに好ましく、油性成分中に35~45質量%であることがことさらに好ましい。
【0024】
本発明において、レンジ焼け防止剤は、ポリグリセリンの平均重合度が4以上のポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチンから選ばれる1種、又は2種以上の乳化剤を用いることが好ましい。これらの乳化剤も単独で用いることもできるが、前述のジグリセリンモノ脂肪酸エステル及び/又はトリグリセリンモノ脂肪酸エステルと同時に用いることで、食品のレンジ焼け防止性をより向上させる効果がある。ポリグリセリンの平均重合度が4以上のポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチンから選ばれる1種、又は2種以上の乳化剤は、油性成分中の含有量が、0~40質量%であるが好ましく、5~30質量%であることがより好ましく、5~20質量%であることがさらに好ましく、5~15質量%であることがことさらに好ましい。
【0025】
ポリグリセリンの平均重合度が4以上のポリグリセリン脂肪酸エステルは、ポリグリセリンと脂肪酸をエステル化して合成されたものである。ポリグリセリン脂肪酸エステルの原料として使用されるポリグリセリンは一般には、グリセリンを原料として苛性ソーダなどのアルカリ触媒の存在下、高温にて脱水縮合し、必要に応じて蒸留、脱臭、脱色して得られる。これらポリグリセリン脂肪酸エステルの原料であるポリグリセリンは、反応ポリグリセリンとも呼ばれ、重合度の異なるポリグリセリンの混合物であり、重合度分布の広いものである。ポリグリセリン脂肪酸エステルは、一般的に、重合度4以上のものは、単離することが困難なため、様々な重合度のポリグリセリン脂肪酸エステルの混合物であることを許容する。
【0026】
本発明において、平均重合度は、ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンの重合度を示すものである。なお、ここでいう平均重合度とは、ポリグリセリン脂肪酸エステルの原料であるポリグリセリンの水酸基価より計算された値であり、例えば、次式(式1)及び(式2)から平均重合度(n)を導き出すことができる。
(式1)分子量=74n+18
(式2)水酸基価=56110(n+2)/分子量
【0027】
そして、一般のポリグリセリンは、水酸基価を測定して求められる末端基分析法により決定された平均重合度によって、テトラグリセリン(平均重合度4)、ヘキサグリセリン(平均重合度6)、デカグリセリン(平均重合度10)等と呼ばれて販売されている。従って、平均重合度は、計算上で求められた値であり、実際の重合度とは異なる値を示す場合がある。
【0028】
ポリグリセリン脂肪酸エステルのポリグリセリン部分の平均重合度は、4~12がより好ましく、4~10がさらに好ましく、6~8がことさらに好ましい。
【0029】
有機酸モノグリセリドを構成する有機酸としては、特に限定されるものではないが、クエン酸、コハク酸、酢酸、酒石酸、酪酸等を好適に使用できる。特にクエン酸が、高いレンジ焼け防止効果が見られるため好ましい。
【0030】
プロピレングリコール脂肪酸エステルは、プロピレングリコールと脂肪酸をエステル化したものであるが、HLB3~10のものを好適に使用することができる。
【0031】
レシチンは、卵黄レシチンあるいは植物由来のレシチンを用いることができ、植物由来のレシチンを用いることが好ましい。植物由来のレシチンの原料としては、大豆、菜種、コーン、ヒマワリ、サフラワー、ゴマ、アマニなどの油糧種子を圧搾および/または抽出して得られる原油、該原油に水または水蒸気を吹き込んで沈澱物としで得られる油滓、分離した該油滓を乾燥して得られる粗レシチン、該粗レシチンから溶剤分別等の公知の方法で中性油脂分を除去したレシチン、さらには該混合レシチンから特定のリン脂質を濃縮・分画した濃縮あるいは高純度レシチン等が利用できる。なお、本発明においては、かかる原料を脱糖処理したレシチンが、着色を抑えられる点から好ましい。
【0032】
なお、本発明において、乳化剤中のレシチンは、日本油化学会制定 「基準油脂分析試験法 4.3.1-2013 アセトン不溶物」で測定されるアセトン不溶物をレシチンとすることもできるが、同測定方法は、アセトン不溶物が5質量%以下のものの測定は適さないため、リン含有量を測定し、換算してレシチン含有量とすることができる。例えば、リンを含有する澱粉含有食品用ほぐれ剤を、高周波誘導結合プラズマ(ICP)を光源とする発光分光分析法(ICP発光分析装置)によりリン含量を定量し、リンの原子量とレシチンの分子量比は、概ね1:25であるので、リン含有量を25倍して求めてもよい。
【0033】
<増粘多糖類>
本発明の レンジ焼け防止剤は、増粘多糖類を含有する。増粘多糖類とは、水に溶解すると粘度を示したり、ゲル化したりする性質をもった水溶性の高分子物質であり、例えば、キサンタンガム、ガラクトマンナン、タマリンドシードガム、カラギーナン、寒天、ペクチン、アラビアガム、プルラン、大豆多糖類などが挙げられ、これらの増粘多糖類の1種又は2種以上を用いることができる。好ましくは、キサンタンガム、ガラクトマンナンから選ばれる1種、又は2種以上である。また、ガラクトマンナンとしては、グアーガム、ローカストビーンガムが好ましい。
【0034】
本発明において、レンジ焼け防止剤は、乳化物又は加水して乳化物として用いるものであるが、乳化物の粘度が高くなることで、食品のレンジ焼けを防止する効果を有する。そのため、本発明では、増粘多糖類を配合する。レンジ焼け防止剤中の油性成分と増粘多糖類の質量割合は、油性成分:増粘多糖類=300:1~3:1であることが好ましい。及び/または、乳化物中の増粘多糖類の含有量は0.01~2.5質量%であることが好ましい。この範囲であれば、一定の乳化物の粘度上昇が見込めるため、食品のレンジ焼けを防止する効果がより高まる。レンジ焼け防止剤中の油性成分と増粘多糖類の質量割合は、油性成分:増粘多糖類=200:1~3:1が好ましく、油性成分:増粘多糖類=160:1~3:1がより好ましい。乳化物中の増粘多糖類の含有量は0.05~2.0質量%であることがより好ましく、乳化物中の増粘多糖類の含有量は0.1~1.0質量%がさらに好ましい。
【0035】
<水>
本発明のレンジ焼け防止剤は、乳化物として、又は加水して100~13500mPa・s(25℃)の粘度とした乳化物として、用いる。そのため、レンジ焼け防止剤は、水を含有してもよい。レンジ焼け防止剤中の水含有量は、0~99.8質量%が好ましい。レンジ焼け防止剤が乳化物の場合、水分含有量は、50~99.8質量%が好ましく、84~99.5質量%がより好ましく、85~99.5質量%がさらに好ましい。
また、100~13500mPa・s(25℃)の粘度を有する乳化物としては、水分含有量は、50~99.8質量%が好ましく、84~99.5質量%がより好ましく、85~99.5質量%がさらに好ましい。
【0036】
<その他の成分>
本発明のレンジ焼け防止剤は、上記成分以外にも、レンジ焼け防止剤に一般的に配合される原材料を使用することができる。具体的には、例えば、エタノール、pH調整剤、調味剤、着色料、香料、酸化防止剤、糖類、多価アルコール、安定剤、乳化剤等を使用することができる。なお、多価アルコールとしては、グリセリン、ソルビトール、還元水あめなどが挙げられ、増粘多糖類は含まない。これらの成分の量は、本発明の効果を損なわない限り任意の量とすることができるが、例えば、レンジ焼け防止剤中に10質量%以下含有させることができ、好ましくは3質量%以下、より好ましくは0~3質量%、さらに好ましくは0~1質量%含有させることができる。また、多価アルコール及びエタノールは、水溶液の物性を変えるため、乳化物中の水が少ない場合、乳化物中の含有量が少ない方が好ましい。例えば、乳化物中の水量が83質量%以下では、多価アルコール及びエタノールの含有量は、3質量%未満であり、より好ましくは0~2質量%以下であり、さらに好ましくは0~1質量%であり、最も好ましくは含まないことである。
【0037】
<食品>
本発明のレンジ焼け防止剤は、食品に用いるが、食品とは、冷凍食品及び冷蔵・チルド食品を含む。冷凍食品は、電子レンジで解凍及び/又は加熱され、冷蔵・チルド食品は、電子レンジで加熱されて、食すことができる。
これらの食品としては、澱粉含有食品、野菜類、魚類、甲殻類、肉類等が挙げられる。澱粉含有食品としては、そば、うどん、中華麺、パスタ等の麺類、及び、ご飯、チャーハン、カレーライス、丼物等の飯類、餃子などの麺皮加工品が挙げられる。
レンジ焼け防止剤は50~13500mPa・s(25℃)の粘度を有する乳化物として、これらの食品の表面に適用して用いることができる。レンジ焼け防止剤の食品表面の適用量は、食品100質量部に対して、乳化物として0.1~7質量部となるように塗布することが好ましく、0.2~5.0質量部となるように食品表面に適用することがより好ましい。
【0038】
[食品のレンジ焼け防止方法]
本発明の食品のレンジ焼け防止方法は、前述のレンジ焼け防止剤を用いて、食品の表面に適用することである。即ち、本発明の食品のレンジ焼け防止方法は、電子レンジ加熱による食品のレンジ焼け防止方法であって、100~13500mPa・s(25℃)の粘度を有する乳化物を、電子レンジで加熱する前に食品の表面に適用し、前記乳化物が、前述のレンジ焼け防止剤、又はレンジ焼け防止剤を加水した乳化物であり、乳化物中の油脂、乳化剤、増粘多糖類の総量が、食品100質量部に対して、0.08~3質量部となることを特徴とする。
【0039】
なお、本発明の食品のレンジ焼け防止方法において、乳化により、100mPa・s(25℃)超の粘度を有する乳化物とした後に、混合を伴う加水を行い、100~13500mPa・s(25℃)の粘度に低下させた乳化物を、食品に適用してもよい。
【0040】
本発明においてレンジ焼け防止効果を発現するためには、一定量の、乳化物、特に乳化物中の水以外の成分が必要である。そのため、乳化物中の油脂、乳化剤、増粘多糖類の総量が、食品100質量部に対して、0.08~3質量部となるように食品表面に適用する。乳化物中の油脂、乳化剤、増粘多糖類の総量は、食品100質量部に対して、0.3~3質量部であることが好ましく、0.45~2.5質量部あることがより好ましく、0.5~1.5質量部あることがさらに好ましく、0.7~1.2量部が最も好ましい。
【0041】
本発明の食品のレンジ焼け防止方法で用いるレンジ焼け防止剤、得られた食品の詳細は、前述の[レンジ焼け防止剤]で述べた通りである。レンジ焼け防止剤の食品の表面に適用する方法は、特に限定するものではないが、浸漬、スプレー、和える等の方法がある。また、食品表面への適用は、食品の調理前、調理中、調理後のいずれにおいて実施してもよく、複数回実施することもできる。なお、食品が冷凍食品の場合、食品表面への適用は、冷凍前、冷凍中、冷凍後のいずれにおいて実施してもよく、複数回実施することもできるが、好ましくは、冷凍前である。
【0042】
[冷凍食品の製造方法]
本発明の冷凍食品の製造方法は、前述の食品のレンジ焼け防止方法を用いて、冷凍食品の製造を行う。即ち、本発明の冷凍食品の製造方法は、電子レンジで加熱して食す冷凍食品の製造方法であって、100~13500mPa・s(25℃)の粘度を有する乳化物を、電子レンジで加熱する前に食品の表面に適用する工程、次いで食品を冷凍する工程を含み、前記乳化物が、前述のレンジ焼け防止剤、又はレンジ焼け防止剤を加水した乳化物であり、乳化物中の油脂、乳化剤、増粘多糖類の総量が、食品100質量部に対して、0.08~3質量部となることを特徴とする。詳細は、前述の[レンジ焼け防止剤] 及び[食品のレンジ焼け防止方法]で述べた通りである。
【実施例0043】
次に、実施例、比較例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに何ら制限されるものではない。また。以下において「%」とは、特別な記載がない場合、質量%を示す。
【0044】
[レンジ焼け防止剤:参考例1、比較例2~5]
レンジ焼け防止剤を表1~3の配合で調整した。用いた、油脂、乳化剤、増粘多糖類は下記のとおりである。
MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド:日清オイリオグループ株式会社製:構成脂肪酸 カプリル酸60%、カプリン酸40%)、
菜種油(精製キャノーラ油 商品名「日清キャノーラ油」:日清オイリオグループ株式会社製)
ジグリセリンモノオレイン酸エステル(理研ビタミン株式会社製 商品名「ポエムDO-100V」:HLB7.3)
デカグリセリンペンタオレイン酸エステル(太陽化学株式会社製 商品名「サンソフトQ-175S」:HLB7)
キサンタンガム(太陽化学株式会社製 商品名「ネオソフトXR」)
グアーガム(ユニテックフーズ株式会社 商品名「VIDOGUM GHK175」)
【0045】
参考例1は、水をサンプルとした。
【0046】
比較例1~3は、表1の配合で混合したものをサンプルとして用いた。
【0047】
比較例4は、表1の配合で、油脂と乳化剤の油性成分を混合した。さらに油性成分と水と混合して乳化物とし、サンプルを得た。
【0048】
比較例5、実施例1~15は、表1~3の配合で、油性成分の油脂と乳化剤を混合した。さらに油性成分に増粘多糖類を分散させた後、水と混合して乳化物とし、サンプルを得た。
【0049】
[粘度]
各サンプルの25℃での粘度を、ブルックフィールド粘度計(BM型粘度計、東機産業株式会社製 商品名「VISCOMETER TVB-15」)にて、回転開始後から1分後の粘度を測定した。
【0050】
[レンジ焼け性能]
(うどんの電子レンジ加熱)
市販の冷凍うどん(テーブルマーク株式会社製)を1分間熱湯で解凍した後、冷水で冷却し、水切りを行った。得られたうどんに対して、表1~3の配合量でサンプルを添加、混合し、うどん表面に塗布した。食品100質量部に対する、サンプルの塗布量(質量部)と、油脂、乳化剤、増粘多糖類の総量(質量部)を表1~3に示した。
【0051】
レンジ焼け防止剤を付着させたうどん60gを容器に入れ、急速冷凍(―30℃)し、冷凍後、―18℃の冷凍庫で12時間保管し、冷凍うどんとした。冷凍うどん60gを、レンジ焼けしやすくするために、電子レンジで過剰加熱(600W、2分間)し、加熱したうどんを得た。
【0052】
(破断強度)
加熱したうどんの破断強度を測定し、レンジ焼けの評価を行った。破断強度は、Texture Analyzer(型番「TA.XA Plus」、Stable Micro Systems Ltd製)を用いて測定(測定条件:降下速度 1mm/秒、治具 Blade Set、Strain(ひずみ)が 98%で停止するよう設定))した。得られた破断強度(98%まで破断した場合の最大強度を測定)を表1~3に示した。
なお、破断強度の数値が高いものほど、レンジ焼けが進み、うどんが硬くなっていることを示している。
破断強度2001g以上 :×(不合格)
破断強度1601~2000g :●(合格)
破断強度1201~1600g :〇(合格:良好)
破断強度1200以下 :◎(合格:優良)
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
実施例1~15はいずれも、参考例1、比較例1~5に比べて、破断強度が低く、レンジ焼け抑制効果があった。