(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182367
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】ゲームシステム、サーバ装置、プログラム及びゲーム提供方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/58 20140101AFI20231219BHJP
A63F 13/52 20140101ALI20231219BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20231219BHJP
【FI】
A63F13/58
A63F13/52
A63F13/79
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095922
(22)【出願日】2022-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(72)【発明者】
【氏名】薄井 宏太郎
(72)【発明者】
【氏名】藪本 勇稀
(57)【要約】
【課題】プレーヤがイベントの選出を戦略的に行うことが可能なゲームシステム等を提供すること。
【解決手段】ゲーム進行に応じて変動するパラメータに基づいて、イベントを選出するゲームシステムであって、プレーヤの入力情報に基づいて変動する前記パラメータの情報が、第1の所定条件を満たした場合に、前記パラメータの情報に基づいて複数のイベント候補を選出する。そして、プレーヤ情報及び前記パラメータの情報の少なくとも一方に基づいて、前記複数のイベント候補の中から、実行すべきイベントを選出する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム進行に応じて変動するパラメータに基づいて、イベントを選出するゲームシステムであって、
プレーヤの入力情報に基づいて変動する前記パラメータの情報が、第1の所定条件を満たした場合に、前記パラメータの情報に基づいて複数のイベント候補を選出する第1の選出部と、
プレーヤ情報及び前記パラメータの情報の少なくとも一方に基づいて、前記複数のイベント候補の中から、実行すべきイベントを選出する第2の選出部と、を含むことを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
請求項1において、
前記パラメータの情報に応じて、ゲーム画面上に表示する前記パラメータの表示体を変更する表示制御部を含むことを特徴とするゲームシステム。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記第2の選出部は、
前記パラメータの情報が第2の所定条件を満たした場合に、コンピュータ制御に基づいて、前記イベントを選出することを特徴とするゲームシステム。
【請求項4】
請求項1又は2において、
前記第2の選出部は、
前記プレーヤの入力情報に基づいて、前記イベントを選出することを特徴とするゲームシステム。
【請求項5】
請求項4において、
前記第1の選出部は、
前記第2の選出部において、前記プレーヤの入力情報に基づいて、前記複数のイベント候補の中から、実行すべきイベントを選出しないように制御した場合に、複数のイベント候補を再選出することを特徴とするゲームシステム。
【請求項6】
請求項5において、
前記第2の選出部は、
前記プレーヤの入力情報に基づいて、再選出された複数のイベント候補の中から、前記イベントを選出することを特徴とするゲームシステム。
【請求項7】
請求項1又は2において、
前記パラメータの情報は、前記パラメータの変動情報を含むことを特徴とするゲームシステム。
【請求項8】
請求項1又は2において、
前記パラメータの情報は、前記パラメータの変動時又は前記パラメータの変動期間におけるゲーム状況を含むことを特徴とするゲームシステム。
【請求項9】
請求項1又は2において、
前記パラメータの情報は、前記パラメータの変動時又は前記パラメータの変動期間における前記プレーヤのゲーム行動情報を含むことを特徴とするゲームシステム。
【請求項10】
請求項1又は2において、
前記イベントは、前記プレーヤのゲームを有利に進行させるイベントであることを特徴
とするゲームシステム。
【請求項11】
ゲーム進行に応じて変動するパラメータに基づいて、イベントを選出するサーバ装置であって、
プレーヤの入力情報に基づいて変動する前記パラメータの情報が、第1の所定条件を満たした場合に、前記パラメータの情報に基づいて複数のイベント候補を選出する第1の選出部と、
プレーヤ情報及び前記パラメータの情報の少なくとも一方に基づいて、前記複数のイベント候補の中から、実行すべきイベントを選出する第2の選出部と、を含むことを特徴とするサーバ装置。
【請求項12】
ゲーム進行に応じて変動するパラメータに基づいて、イベントを選出するプログラムであって、
プレーヤの入力情報に基づいて変動する前記パラメータの情報が、第1の所定条件を満たした場合に、前記パラメータの情報に基づいて複数のイベント候補を選出する第1の選出部と、
プレーヤ情報及び前記パラメータの情報の少なくとも一方に基づいて、前記複数のイベント候補の中から、実行すべきイベントを選出する第2の選出部として、コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項13】
ゲーム進行に応じて変動するパラメータに基づいて、イベントを選出するサーバ装置から、プレーヤの端末装置に、イベントに関する情報を提供するためのゲーム提供方法であって、
前記サーバ装置が、
プレーヤの入力情報に基づいて変動する前記パラメータの情報が、第1の所定条件を満たした場合に、前記パラメータの情報に基づいて複数のイベント候補を選出する第1の選出部と、
プレーヤ情報及び前記パラメータの情報の少なくとも一方に基づいて、前記複数のイベント候補の中から、実行すべきイベントを選出する第2の選出部と、を含む場合において、
前記端末装置によって受け付けられた前記プレーヤの入力情報を前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置からイベントに関する情報を受信することを特徴とするゲーム提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム、サーバ装置、プログラム及びゲーム提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ゲーム進行に応じて変動するパラメータに基づいて、ゲーム処理を行うゲームシステムが存在する。
【0003】
例えば、複数の端末で行うマルチプレイゲームにおいて、各プレーヤの強さを表すパラメータがあり、当該各プレーヤのパラメータに基づいてゲーム内イベント(例えば、ボス)を決定するゲームシステムが存在する(例えば、特許文献1の0057~0061段落参照)。
【0004】
また、プレーヤのパラメータの変動が所定の条件に達するまで、ミッション中に発生するイベントの抽選を繰り返し行うゲームシステムが存在する(特許文献2の0045~0050段落参照)。
【0005】
更に、ゲームカードの規定されているプレーヤキャラクタPCを用いてゲームを進行させつつ、当該ゲームカードに設定されている上限設定パラメータAが上限値に達すると、特典を獲得させるイベントを実行させるゲームシステムが存在する。このゲームシステムは、当該ゲームカードの更なる成長や変化の可否や、当該成長や変化させるための要素にゲーム性を組み込むことができる(特許文献3の
図4、0151段落~0160段落参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013-248172号公報
【特許文献2】特許5270020号公報
【特許文献3】特開2021-29263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術は、パラメータが上限値に達するなど所定条件を満たした場合に、イベントが実行されるものであるので、イベント選出に関してプレーヤがパラメータの変動のみを着目するだけに留まっていた。つまり、プレーヤが、イベント選出に関与する余地が少なく、イベント選出の戦略性に欠ける問題があった。
【0008】
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、プレーヤがイベントの選出を戦略的に行うことが可能なゲームシステム等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明は、
ゲーム進行に応じて変動するパラメータに基づいて、イベントを選出するゲームシステムであって、
プレーヤの入力情報に基づいて変動する前記パラメータの情報が、第1の所定条件を満たした場合に、前記パラメータの情報に基づいて複数のイベント候補を選出する第1の選出部と、
プレーヤ情報及び前記パラメータの情報の少なくとも一方に基づいて、前記複数のイベ
ント候補の中から、実行すべきイベントを選出する第2の選出部と、を含むゲームシステムに関する。
【0010】
また、本発明は、上記各部を含むサーバ装置に関する。また、上記各部を含む端末装置(ゲーム装置)に関する。また、本発明は、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラムに関する。また、本発明は、コンピュータが読み取り可能な情報記憶媒体であって、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラムを記憶する情報記憶媒体に関する。
【0011】
また、本発明は、
ゲーム進行に応じて変動するパラメータに基づいて、イベントを選出するサーバ装置から、プレーヤの端末装置に、イベントに関する情報を提供するためのゲーム提供方法であって、
前記サーバ装置が、
プレーヤの入力情報に基づいて変動する前記パラメータの情報が、第1の所定条件を満たした場合に、前記パラメータの情報に基づいて複数のイベント候補を選出する第1の選出部と、
プレーヤ情報及び前記パラメータの情報の少なくとも一方に基づいて、前記複数のイベント候補の中から、実行すべきイベントを選出する第2の選出部と、を含む場合において、
前記端末装置によって受け付けられた前記プレーヤの入力情報を前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置からイベントに関する情報を受信することを特徴とするゲーム提供方法に関する。
【0012】
本発明は、第1段階として、複数のイベント候補を選出し、その後、第2段階として、複数のイベント候補の中から1つのイベント候補を実行すべきイベントとして選出する2つの段階が存在する。
【0013】
また、本発明は、プレーヤの入力情報に基づいて変動するパラメータがあり、当該パラメータの情報が第1の所定条件を満たした場合に、当該パラメータの情報に基づいて複数のイベント候補を選出する。したがって、プレーヤは、自身の入力操作によって、選出対象の複数のイベント候補に関与することができる。
【0014】
そして、本発明は、プレーヤ情報及び当該パラメータの情報の少なくとも一方に基づいて、複数のイベント候補の中から実行すべきイベントを選出する。したがって、本発明によれば、プレーヤがイベントの選出を戦略的に行うことができる。
【0015】
(2)また、本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、端末装置、プログラム、情報記憶媒体及びゲーム提供方法では、
前記パラメータの情報に応じて、ゲーム画面上に表示する前記パラメータの表示体を変更する表示制御部を含むようにしてもよい。
【0016】
本発明によれば、プレーヤは当該表示体を見ることによって瞬時にパラメータの変動状況を確認することができる。その結果、本発明は、戦略的なゲームプレイを促進することができる。
【0017】
(3)また、本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、端末装置、プログラム、情報記憶媒体及びゲーム提供方法では、
前記第2の選出部は、
前記パラメータの情報が第2の所定条件を満たした場合に、コンピュータ制御に基づいて、前記イベントを選出するようにしてもよい。
【0018】
本発明は、パラメータの情報が第2の所定条件を満たした場合に、コンピュータ制御に基づいて、イベントを選出するので、プレーヤに対して、パラメータの情報が第2の所定条件を満たすように入力操作を促すことができる。
【0019】
また、本発明は、コンピュータ制御に基づいて、実行すべきイベントを選出するので、プレーヤが、実行すべきイベントを選出する手間を省くことができる。
【0020】
(4)また、本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、端末装置、プログラム、情報記憶媒体及びゲーム提供方法では、
前記第2の選出部は、
前記プレーヤの入力情報に基づいて、前記イベントを選出するようにしてもよい。
【0021】
本発明は、プレーヤの入力情報に基づいて、実行すべきイベントを選出するので、プレーヤ自身が所望するイベントを選択することができる。
【0022】
(5)また、本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、端末装置、プログラム、情報記憶媒体及びゲーム提供方法では、
前記第1の選出部は、
前記第2の選出部において、前記プレーヤの入力情報に基づいて、前記複数のイベント候補の中から、実行すべきイベントを選出しないように制御した場合に、複数のイベント候補を再選出するようにしてもよい。
【0023】
本発明は、プレーヤの入力情報に基づいて、実行すべきイベントを選出しないように制御した場合に、複数のイベント候補を再選出するので、結果的に、プレーヤに対して、満足度の高いイベント選出を行うことができる。
【0024】
(6)また、本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、端末装置、プログラム、情報記憶媒体及びゲーム提供方法では、
前記第2の選出部は、
前記プレーヤの入力情報に基づいて、再選出された複数のイベント候補の中から、前記イベントを選出するようにしてもよい。
【0025】
本発明は、プレーヤの入力情報に基づいて、実行すべきイベントを選出しないように制御した場合に、再選出された複数のイベント候補の中から、イベントを選出するので、プレーヤに対して、満足度の高いイベント選出を行うことができる。
【0026】
(7)また、本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、端末装置、プログラム、情報記憶媒体及びゲーム提供方法では、
前記パラメータの情報は、前記パラメータの変動情報を含むようにしてもよい。
【0027】
ここで、パラメータの変動情報とは、パラメータの変動期間、パラメータの変動速度等である。
【0028】
本発明によれば、パラメータの変動情報を考慮して、イベントの候補の選出や、イベントの選出を行うので、プレーヤは、イベントの選出に関して、パラメータの変動情報を加味して考えることになり、更に、戦略的にゲームプレイを行うことができる。
【0029】
(8)また、本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、端末装置、プログラム、情報記憶媒体及びゲーム提供方法では、
前記パラメータの情報は、前記パラメータの変動時又は前記パラメータの変動期間におけるゲーム状況を含むようにしてもよい。
【0030】
本発明によれば、パラメータの変動時又はパラメータの変動期間におけるゲーム状況を考慮して、イベント候補の選出や、イベントの選出を行うので、プレーヤは、パラメータの変動時又はパラメータの変動期間におけるゲーム状況を加味して考えることになり、更に、戦略的にゲームプレイを行うことができる。
【0031】
(9)また、本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、端末装置、プログラム、情報記憶媒体及びゲーム提供方法では、
前記パラメータの情報は、前記パラメータの変動時又は前記パラメータの変動期間における前記プレーヤのゲーム行動情報を含むようにしてもよい。
【0032】
本発明によれば、パラメータの変動時又はパラメータの変動期間におけるプレーヤのゲーム行動情報を考慮して、イベントの候補の選出や、イベントの選出を行うので、プレーヤは、イベントの選出に関して、パラメータの変動時又はパラメータの変動期間におけるプレーヤのゲーム行動情報を加味して考えることになり、戦略的にゲームプレイを行うことができる。
【0033】
(10)また、本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、端末装置、プログラム、情報記憶媒体及びゲーム提供方法では、
イベントは、プレーヤのゲームを有利に進行させるイベントであってもよい。
【0034】
本発明によれば、イベントは、プレーヤのゲームを有利に進行させるイベントであるので、プレーヤに対し、ゲームを有利に進行させるという期待感を与え、戦略的にゲームプレイを行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本実施形態のゲームシステムの構成の一例を示す図。
【
図2】本実施形態のサーバ装置の機能ブロックを示す図。
【
図3】本実施形態の端末装置の機能ブロックを示す図。
【
図7】本実施形態の時間経過とパラメータの変動速度との関係を示す図。
【
図10】本実施形態のパラメータの表示体の説明図。
【
図15A】本実施形態の処理の流れの一例を示すフローチャート。
【
図15B】本実施形態の処理の流れの一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の
範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0037】
[1]ゲームシステム
まず、
図1を用いて本実施形態のゲームシステムの概要及び概要構成について説明する。なお、
図1は、本実施形態のゲームシステムの構成を示すシステム構成の一例を示す図である。
【0038】
サーバ装置10は、インターネット(ネットワークの一例)を介して通信接続された端末装置(ゲーム装置)20を用いて、所与のサービスを提供することが可能な情報処理装置である。
【0039】
端末装置20は、端末装置、スマートフォン、携帯電話、PHS、コンピュータ、端末装置、PDA、携帯型ゲーム機等、画像生成装置などの情報処理装置であり、インターネット(WAN)、LANなどのネットワークを介してサーバ装置10に接続可能な装置である。
【0040】
[1.1]クライアントサーバモデルで構成されるゲームシステム
本実施形態のゲームシステムは、
図1に示すように、サーバ装置10と、端末装置20(例えば、端末装置20A、20B、20C)とが、インターネット(ネットワークの一例)に接続可能に構成されるものであってもよい。
【0041】
プレーヤは、端末装置20からサーバ装置10にアクセスすることにより、インターネットを介してサーバ装置10から送信される情報に基づき、ゲームをプレイすることができる。
【0042】
本実施形態は、一つのサーバ装置10によって各ゲームを端末装置20に提供してもよいし、複数のサーバ装置10を連動させてサーバシステムを構築し、各ゲームを端末装置20に提供してもよい。
【0043】
なお、サーバ装置10だけで本発明に関する各種の処理を行うようにしてもよいし、端末装置20だけで本発明に関する各種の処理を行うようにしてもよい。
【0044】
[1.2]端末装置
本実施形態のゲームシステムは、サーバ装置10の機能を備えた単一の端末装置、すなわち、サーバ装置などの他の機器に依存せず単独で動作する装置(スタンドアローン)によって実現してもよい。
【0045】
また、本実施形態では、サーバ装置10と接続せずに、端末装置20だけで本発明を実現するものであってもよい。例えば、P2P(ピア・ツー・ピア方式)による通信によって複数の端末装置20で実現するゲームシステムであってもよい。
【0046】
そして、このような端末装置を有線又は無線によって複数連結させ、一の端末装置がホスト(サーバ装置10)として機能して、複数の端末装置によって実現してもよい。
【0047】
なお、端末装置は、端末装置だけでなく、タブレット型情報端末装置やパーソナルコンピュータ、又は、アミューズメントパークに設置される端末装置(筐体)でもよい。
【0048】
[1.3]クラウド型のゲームシステム
また、本実施形態のゲームシステムはクラウド型のゲームシステムでもよい。例えば、
クラウド型のゲームシステムでは、サーバ装置10(クラウド装置)だけで基本的な処理(ゲーム処理、描画処理などを含む)を行い、端末装置20側ではサーバ装置10(クラウド装置)の処理結果の表示制御のみを行う。また、端末装置20は、サーバ装置10に対してコントローラの入力情報などの情報を送信するだけにとどまる。なお、かかる場合、端末装置20は、入力情報以外の情報を送信してもよい。
【0049】
さらに、本実施形態では、入力を除き、上記の端末装置20の処理部200の各機能及びゲームプログラムの実行をサーバ装置10で実行し、当該端末装置20は、入力とストリーミングによる画像表示を実行することによって、上記のゲームを実現してもよい。
【0050】
また、ゲームシステムは、インターネット上の所与の記憶領域に、サーバ装置10に記憶される情報、端末装置20に記憶される情報を記憶するようにしてもよい。
【0051】
[1.4]複数のコントローラを備えた端末装置
また、本実施形態では、1台の端末装置20が複数のコントローラ(入力部260)を備えたものでもよい。なお、複数のプレーヤが1台の端末装置20の各プレーヤのコントローラを用いてゲームをプレイする場合、複数のプレーヤが現実的に近くにいることが想定される。
【0052】
[1.5]ソーシャルゲームの例
また、本実施形態では、コミュニケーション型のサービスを提供するSNSサーバとして機能してもよい。ここで、SNSサーバとは、複数のプレーヤ間でコミュニケーションを提供することが可能なサービスを提供する情報処理装置であってもよい。
【0053】
また、本実施形態では、例えば、SNSサーバとして機能する場合には、提供するSNSの動作環境(API(アプリケーションプログラミングインタフェース)、プラットフォーム等)を利用して実行されるソーシャルゲーム(Social Game)と呼ばれるゲームを提供することができるようになっている。
【0054】
なお、ソーシャルゲームとは、既存のオンラインゲームとは違い、専用のクライアントソフトウェアを必要とせず、WebブラウザとSNSのアカウントのみで利用可能なゲームが含まれる。また、本実施形態では、ネットワークを介して他のプレーヤの端末装置20と接続し、オンラインで同時に同じゲーム進行を共有することができるオンラインゲームを提供することが可能な構成を有している。
【0055】
[1.6]ブラウザゲームの例
特に、本実施形態では、端末装置20のWebブラウザ上で提供されるゲーム、例えばHTML、FLASH(登録商標)、CGI、PHP、shockwave、Java(登録商標)アプレット、JavaScript(登録商標)など様々な言語で作られたブラウザゲーム(Webブラウザで設置サイトを開くだけで起動するゲーム)を提供してもよい。
【0056】
また、端末装置20は、Webページ(HTML形式のデータ)を閲覧可能なWebブラウザを備えている。すなわち、端末装置20は、サーバ装置10との通信を行うための通信制御機能、及びサーバ装置10から受信したデータ(Webデータ、HTML形式で作成されたデータなど)を用いて表示制御を行うとともに、プレーヤ操作のデータをサーバ装置10に送信するWebブラウザ機能などを備え、ゲーム画面をプレーヤに提供する各種の処理を実行し、プレーヤによってゲームを実行させるようになっている。ただし、端末装置20は、サーバ装置10から提供されたゲーム制御情報を取得して所定のゲーム処理を実行し、ゲーム処理に基づくゲームを実行してもよい。
【0057】
具体的には、端末装置20は、所定ゲームを行う旨の要求をサーバ装置10に対して行うと、サーバ装置10のゲームサイトに接続され、ゲームが開始される。特に、端末装置20は、必要に応じてAPIを用いることにより、SNSサーバとして機能するサーバ装置10に所定の処理を行わせ、又は、SNSサーバとして機能するサーバ装置10が管理するプレーヤの情報等を取得させてゲームを実行する構成を有してもよい。
【0058】
[1.7]その他
本実施形態では、1つの(装置、プロセッサ)で構成されていてもよいし、複数の(装置、プロセッサ)で構成されていてもよい。サーバ装置10の記憶領域(後述する記憶部170)に記憶される情報(例えば、プレーヤの情報、ゲーム情報等)を、ネットワーク(イントラネット又はインターネット)を介して接続されたデータベース(広義には記憶装置、メモリ)に記憶するようにしてもよい。なお、端末装置20とサーバ装置10との通信回線は、有線でもよいし無線でもよい。
【0059】
[2]サーバ装置
次に、
図2を用いて本実施形態のサーバ装置10について説明する。なお、
図2は、本実施形態のサーバ装置10の機能ブロックを示す図である。また、本実施形態の本実施形態では
図2の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0060】
本実施形態では、管理者やその他の入力に用いるための入力部160、所定の情報が記憶された情報記憶媒体180、端末装置20やその他と通信を行う通信部196、主に提供するゲームに関する処理を実行する処理部100、及び、主にゲームに用いる各種のデータを記憶する記憶部170を含む。
【0061】
入力部160は、システム管理者等がゲームに関する設定やその他の必要な設定、データの入力に用いるものである。例えば、本実施形態の入力部160は、マウスやキーボード等によって構成される。
【0062】
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などによって構成される。
【0063】
通信部196は、外部(例えば、端末、他のサーバや他のネットワークシステム)との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどによって構成される。
【0064】
記憶部170は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能は、RAM(VRAM)などによって構成される。なお、記憶部170に記憶される情報は、データベースで管理してもよい。
【0065】
また、本実施形態の記憶部170は、主記憶部171の他に、画像バッファ172、ゲームに関する情報を示すゲーム情報が記憶されるゲームデータ記憶部174、及び、プレーヤ情報記憶部(ユーザ情報記憶部)176を有している。
【0066】
特に、ゲームデータ記憶部174には、ゲームが実施されるゲーム空間(ゲームフィールド)の情報、仮想カメラの情報、ゲームで用いられる設定値等が記憶される。
【0067】
また、プレーヤ情報記憶部176には、プレーヤ毎(ユーザ毎)に、プレーヤID(ユ
ーザID)に対応付けてプレーヤ情報(ユーザの情報)が記憶される。プレーヤIDは、プレーヤを識別するための識別情報である。
【0068】
なお、プレーヤ情報は、プレーヤの入力情報を含む。また、プレーヤ情報は、プレーヤに対応付けられたプレーヤの情報だけでなく、プレーヤのゲーム媒体(例えば、プレーヤが所有するキャラクタ、カード、アイテムなどのゲーム媒体)の情報等を含む概念であってもよい。
【0069】
処理部100は、記憶部170内の主記憶部171をワーク領域として各種処理を行う。処理部100の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0070】
処理部100は、情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。即ち情報記憶媒体180には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)が記憶される。
【0071】
例えば、処理部100(プロセッサ)は、情報記憶媒体180に記憶されているプログラムに基づいて、サーバ装置10全体の制御を行うとともに、各部間におけるデータ等の受け渡しの制御などの各種の処理を行う。さらに、端末装置20からの要求に応じた各種サービスを提供する処理を行う。
【0072】
なお、本実施形態では、サーバ装置10が処理部100の一部又は全部の処理を行ってもよいし、端末装置20が処理部100の一部の処理を行ってもよい。
【0073】
処理部100は、選出部110、パラメータ制御部112、表示制御部113、ゲーム処理部115、受け付け部119、通信制御部120、Web処理部121、管理部122、通知部123、画像生成部130、音処理部140を含む。
【0074】
選出部110は、ゲーム進行に応じて変動するパラメータに基づいて、イベントを選出する。イベントは、プレーヤのゲームを有利に進行させるイベント、カットイン、動画、ゲームストーリー(ストーリーライン)を分岐するイベント等である。また、選出部110は、第1の選出部110A、第2の選出部110Bを含む。
【0075】
第1の選出部110Aは、プレーヤの入力情報に基づいて変動するパラメータの情報が、第1の所定条件を満たした場合に、パラメータの情報に基づいて複数のイベント候補を選出する。
【0076】
第1の選出部110Aは、第2の選出部110Bにおいて、プレーヤの入力情報に基づいて、複数のイベント候補の中から、実行すべきイベントを選出しないように制御した場合に、複数のイベント候補を再選出するようにしてもよい。
【0077】
第2の選出部110Bは、プレーヤ情報及びパラメータの情報の少なくとも一方に基づいて、複数のイベント候補の中から、実行すべきイベントを選出する。
【0078】
また、第2の選出部110Bは、パラメータの情報が第2の所定条件を満たした場合に、コンピュータ制御に基づいて、複数のイベント候補の中から、実行すべきイベントを選出するようにしてもよい。
【0079】
また、第2の選出部110Bは、プレーヤの入力情報に基づいて、複数のイベント候補
の中から、実行すべきイベントを選出するようにしてもよい。
【0080】
また、第2の選出部110Bは、プレーヤの入力情報に基づいて、再選出された複数のイベント候補の中から、イベントを選出するようにしてもよい。
【0081】
パラメータ制御部112は、パラメータの情報を制御する。パラメータの情報は、パラメータの変動情報を含むようにしてもよい。
【0082】
パラメータの情報は、当該パラメータの変動時又は当該パラメータの変動期間におけるゲーム状況を含むようにしてもよい。
【0083】
パラメータの情報は、当該パラメータの変動時又は当該パラメータの変動期間におけるプレーヤのゲーム行動情報を含むようにしてもよい。
【0084】
例えば、パラメータ制御部112は、ゲーム進行に応じてパラメータを変動させる。また、パラメータ制御部112は、プレーヤの入力情報に基づいて、パラメータを変動させてもよい。
【0085】
表示制御部113は、プレーヤ毎に、プレーヤの端末装置20に表示するゲーム画面(ゲーム画像)を表示するための制御を行う。例えば、表示制御部113は、パラメータの情報に応じて、ゲーム画面上に表示するパラメータの表示体(表示体の色、表示体の形状、マークの数、等)を変更する。
【0086】
ゲーム処理部115は、プレーヤの入力情報(操作情報)に基づいて、ゲーム処理を実行する。例えば、ゲーム処理部115は、プレーヤの端末装置20から当該プレーヤの入力情報(操作情報)を受信して、ゲーム処理を行うようにしてもよい。
【0087】
受け付け部119は、プレーヤの入力を受け付ける。また、受け付け部119は、タッチパネルに対するタッチ入力を、プレーヤの入力として受け付けるようにしてもよい。なお、受け付け部119は、端末装置20から入力の内容(タッチ位置、タイミング等)を受信して受け付ける。
【0088】
また、受け付け部119は、通信制御部120によるデータ送受信によって、プレーヤの入力や指示などを受け付けるようにしてもよい。
【0089】
通信制御部120は、端末装置20との接続(セッションやコネクション)を確立し、ネットワークを介してデータを通信(送受信)する処理を行う。
【0090】
Web処理部121は、Webサーバとして機能する。例えば、Web処理部121は、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)等の通信プロトコルを通じて、端末装置20にインストールされているWebブラウザの要求に応じてデータを送信する処理、及び、端末装置20のWebブラウザによって送信されるデータを受信する処理を行う。
【0091】
管理部122は、ゲーム情報や、プレーヤ毎に、プレーヤの識別情報に対応付けられたプレーヤの情報を管理する。また、管理部122は、ゲーム内通貨やアイテムなどの情報を管理してもよい。
【0092】
また、通知部123は、プレーヤに所与の情報を通知する。なお、「通知」するとは、プレーヤ(プレーヤの端末装置20)に対して情報を通知することである。なお、「通知
」を、提供、提示、表示、送信という文言に言い換えて解釈してもよい。
【0093】
通知部123は、ゲーム画面を端末装置20において通知するように送信制御をしてもよい。つまり、通知部123は、ゲーム画面(ゲーム画像)の表示制御情報を生成し、生成した表示制御情報を、プレーヤの端末装置20(例えば、端末装置20の表示部290)に表示するように制御する。
【0094】
なお、「通知」とは、サーバ装置10がプレーヤの端末装置20に対して、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)による送受信される電子メール(メールマガジン等でもよい)で送信すること、SMTPに限らず、所与のプロトコルにより送信すること、プッシュ通知をすること、所定のアプリケーションの所定画面(バナー表示画面、お知らせ画面、ポップアップ画面等)を通知すること、サーバ装置10のWeb処理部121が、Webページによって通知すること、等でもよい。つまり、サーバ装置10が能動的にプレーヤの端末装置20に通知することを示す。なお、本実施形態では、プレーヤの端末装置20からの要求に応じて、要求のあった当該端末装置20に情報を送信することも「通知」の一態様としてもよい。なお、プッシュ通知とは、端末(スマートフォン)の画面の一部領域(上端など)にメッセージウィンドウを表示させることである。なお、「通知」は、表示されるメッセージなどを音声化した音声通知を含む。また、「通知」は、振動による通知も含む。
【0095】
画像生成部130は、例えば、GPU、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)などのプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデックなどのプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現される。画像生成部130は、ゲーム進行に応じて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚のゲーム画面の画像を生成する。生成された画像は端末装置20に送信する。
【0096】
画像生成部130は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて描画処理を行い、これによりゲーム画像を生成し、画像バッファ172に出力する、或いは、端末装置20に送信する。画像生成部130は、オブジェクト空間(ゲーム空間)内において仮想カメラ(所与の視点)から見える画像(いわゆる3次元画像)を生成してもよい。
【0097】
例えば、画像生成部130は、3次元ゲーム画像を生成する場合には、まず、座標変換(ワールド座標変換、カメラ座標変換)、クリッピング処理、或いは透視変換等のジオメトリ処理が行われ、その処理結果に基づいて、描画データ(プリミティブ面の頂点の位置座標、テクスチャ座標、色データ、法線ベクトル或いはα値等)が作成される。そして、この描画データ(プリミティブ面データ)に基づいて、透視変換後(ジオメトリ処理後)のオブジェクト(1又は複数プリミティブ面)を画像バッファ172(フレームバッファ、ワークバッファなどのピクセル単位で画像情報を記憶できるバッファ。VRAM)に描画する。これにより、オブジェクト空間内において仮想カメラ(所与の視点)から見える画像が生成される。
【0098】
音処理部140は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、端末装置20に送信する。
【0099】
なお、処理部100は、端末装置20と連動し、当該端末装置20を介して入力されたプレーヤの入力に基づいて、各プレーヤにおいて本実施形態で提供するゲームのゲーム処理を実行する。
【0100】
また、処理部100は、タイマ機能を有し、ゲームの進行状況を管理するため、各端末装置20と同期を取るために用いるようにしてもよい。特に、現在時刻や予め設定された
時刻を各部に出力するようにしてもよい。
【0101】
[3]端末装置
次に、
図3を用いて本実施形態の端末装置20について説明する。なお、
図3は、本実施形態における端末装置20の構成を示す機能ブロック図の一例である。また、本実施形態の端末装置20は
図3の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0102】
入力部260は、プレーヤが操作データを入力するためのものであり、その機能は、タッチパネル又はタッチパネル型ディスプレイなどにより実現できる。すなわち、入力部260は、画像が表示される画面上における2次元の指示位置座標(x,y)を検出可能な検出部262を備えている。例えば、入力部260は、接触検出領域(タッチパネル)における、2次元の接触位置座標(x,y)を検出可能な検出部262を備えている。
【0103】
なお、表示画面(以下、特別な場合を除き「タッチパネル」という。)への接触操作は、指先を用いて行うようにしてもよいし、タッチペンなどの入力機器を用いて行うようにしてもよい。
【0104】
また、入力部260は、指示位置以外の入力情報(操作信号)を入力可能なボタンやレバー、キーボード、ステアリング、マイク、加速度センサなどを備えていてもよい。
【0105】
記憶部270は、処理部200や通信部296などのワーク領域となるもので、その機能はRAM(VRAM)などにより実現できる。そして、本実施形態の記憶部270は、ワーク領域として使用される主記憶部271と、最終的な表示画像等が記憶される画像バッファ272と、ゲームデータ記憶部274、プレーヤ情報記憶部276を含む。なお、これらの一部を省略する構成としてもよいし、サーバ装置10の記憶部170がその一部を構成してもよい。
【0106】
画像バッファ272には、画像生成部230によって生成された画像データ、又は、サーバ装置10から受信した画像データが記憶されるようにしてもよい。
【0107】
ゲームデータ記憶部274には、ゲームが実施されるゲーム空間(ゲームフィールド)の情報、各キャラクタに関する情報、仮想カメラの情報、その他ゲームで用いられる設定値等が記憶される。なお、端末装置20は、ゲームデータ記憶部274に、サーバ装置10から受信した情報を記憶してもよい。
【0108】
プレーヤ情報記憶部276は、プレーヤの情報が記憶される。なお、端末装置20は、サーバ装置10から、プレーヤIDに対応するプレーヤの情報を受信して、プレーヤ情報記憶部276に記憶するようにしてもよい。
【0109】
情報記憶媒体280(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などにより実現できる。
【0110】
また、情報記憶媒体280には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)を記憶することができる。なお、処理部200は、後述するように、情報記憶媒体280に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。
【0111】
表示部290は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は
、CRT、LCD、タッチパネル型ディスプレイ、或いはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などにより実現できる。
【0112】
特に、本実施形態では表示部290は、タッチパネルディスプレイを用いることによりプレーヤがゲーム操作を行う入力部260としても機能する。ここでタッチパネルとして、例えば抵抗膜方式(4線式、5線式)、静電容量方式、電磁誘導方式、超音波表面弾性波方式、赤外線走査方式などのタッチパネルを用いることができる。
【0113】
音出力部292は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
【0114】
通信部296は、外部(例えばサーバ装置10や他の端末装置20)との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0115】
なお、端末装置20は、サーバ装置10が有する情報記憶媒体180や記憶部170に記憶されている本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムやデータを、ネットワークを介して受信し、受信したプログラムやデータを情報記憶媒体280や記憶部270に記憶してもよい。このようにプログラムやデータを受信して端末装置20を機能させる場合も本発明の範囲内に含めることができる。
【0116】
処理部200(プロセッサ)は、入力部260からの入力データやプログラムなどに基づいて、サーバ装置10と連動して、ゲーム処理、画像生成処理、或いは音生成処理などの処理を行う。
【0117】
特に、本実施形態においては、ゲーム処理として、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、ゲームを進行させる処理、キャラクタ、敵キャラクタなどのオブジェクトを配置する処理、オブジェクトを表示する処理、ゲーム結果を演算する処理、或いはゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理などが含まれる。
【0118】
また、処理部200は、入力部260によって入力されたプレーヤの入力情報に基づき、ゲーム処理(例えば、対戦ゲーム等の処理)、等を行う。また、処理部200は、サーバ装置10と連動して実行してもよいし、その一部又は全部がサーバ装置10に形成されていてもよい。
【0119】
また、処理部200は、記憶部270をワーク領域として各種処理を行う。処理部200の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0120】
処理部200は、表示制御部211、受け付け部212、通知部213、通信制御部220、Webブラウザ221、画像生成部230、音処理部240を含む。なお、これらの一部を省略する構成としてもよい。
【0121】
表示制御部211は、ゲーム画面を表示部290に表示する処理を行う。例えば、表示制御部211は、Webブラウザ221を用いて表示してもよい。また、表示制御部211は、サーバ装置10から送信された情報に基づいて、ゲーム中に必要な情報を表示部290に表示させる。例えば、端末装置20は、サーバ装置10から受信したゲーム画面の表示情報を表示する。
【0122】
また、表示制御部211は、サーバ装置10の表示制御部113と全部又は一部の処理
と同様の処理を行ってもよい。
【0123】
受け付け部212は、プレーヤからの入力を受け付ける処理を行う。例えば、受け付け部212は、端末装置20が受け付けた入力情報を、サーバ装置10に送信し、当該サーバ装置10が入力情報を受信するようにしてもよい。また、サーバ装置10の受け付け部119と全部又は一部の処理と同様の処理を行ってもよい。
【0124】
通知部213は、プレーヤに所与の情報を通知する。例えば、通知部213は、情報をゲーム画面に表示する。また、通知部213は、サーバ装置10の通知部123と全部又は一部の処理と同様の処理を行ってもよい。
【0125】
通信制御部220は、サーバ装置10、それぞれとデータを送受信する処理を行う。また、通信制御部220は、サーバ装置10から受信したデータを記憶部270に格納する処理、受信したデータを解析する処理、その他のデータの送受信に関する制御処理等を行う。
【0126】
なお、通信制御部220は、他の端末装置20やサーバ装置10の宛先情報(IPアドレス、ポート番号などのネットワーク情報)を記憶部270や情報記憶媒体280に記憶し、管理する処理を行うようにしてもよい。そして、通信制御部220は、プレーヤからの通信開始の入力情報を受け付けた場合に、サーバ装置10との通信を行うようにしてもよい。
【0127】
特に、通信制御部220は、サーバ装置10にプレーヤの識別情報や入力情報を送信して、データ(プレーヤのWebページ、ゲーム画面等)をサーバ装置10から受信する処理を行う。
【0128】
なお、通信制御部220は、所定周期でサーバ装置10とデータ送受信を行ってもよいし、入力部260からの入力情報を受け付けた場合に、サーバ装置10とデータ送受信を行ってもよい。特に、本実施形態の通信制御部220は、所与の画面情報(例えば、ゲーム画面の情報等)を、サーバ装置10から受信する処理を行う。
【0129】
Webブラウザ221は、Webページ(ゲーム画面)を閲覧するためのアプリケーションプログラムであって、Webサーバ(サーバ装置10)から、HTMLファイルや画像ファイル等をダウンロードし、レイアウトを解析して表示制御する。また、Webブラウザ221は、入力フォーム(リンクやボタンやテキストボックス等)を用いてデータをWebサーバ(サーバ装置10)に送信する。
【0130】
本実施形態のWebブラウザ221は、ブラウザゲームを実現することができる。例えば、Webブラウザ221は、Webサーバ(サーバ装置10)から受信したJavaScript(登録商標)、FLASH(登録商標)、Java(登録商標)等で記述されたプログラムを実行するものであってもよい。
【0131】
端末装置20は、Webブラウザ221によって、インターネットを介してURL(Uniform Resource Locatorの略)によって指定されたWebサーバからの情報を表示させることができる。例えば、端末装置20は、サーバ装置10から受信したゲーム画面(HTML等のデータ)をWebブラウザ221によって表示させることができる。
【0132】
画像生成部230は、処理部200で行われる種々の処理(例えば、ゲーム処理)に基づいて描画処理を行い、これにより画像を生成し、表示制御部211によって表示部29
0に出力する。画像生成部230が生成する画像は、いわゆる2次元画像であってもよいし、いわゆる3次元画像であってもよい。なお、画像生成部230は、サーバ装置10の画像生成部130と全部又は一部の処理と同様の処理を行ってもよい。
【0133】
音処理部240は、処理部200で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部292に出力する。なお、音処理部240は、サーバ装置10の音処理部140と全部又は一部の処理と同様の処理を行ってもよい。
【0134】
本実施形態の端末装置20が、P2Pなどによって複数の端末装置20でゲームを行う場合は、一の端末装置20がホストとしての役割を担い、処理を実行してもよい。かかる場合、ホストとしての端末装置20は、サーバ装置10の各処理部(各処理部の一部又は全部)の処理を行うようにしてもよい。
【0135】
[4]概要
本実施形態のゲームシステムについて説明する。本実施形態のゲームシステムは、プレーヤの入力情報に基づいて変動するパラメータに基づいて、イベントを選出する手法を採用する。例えば、第1段階として、複数のイベント候補を選出し、第2段階として、複数のイベント候補の中から1つのイベントを選出する第2の選出を行う。
【0136】
特に、本実施形態のゲームシステムは、パラメータの情報に基づいて複数のイベント候補を選出する。更に、本実施形態では、例えば、パラメータがどうやってどのように溜まったかに応じてイベント候補の選出方法を変える。したがって、プレーヤは、ただパラメータを溜めるだけでなく選出されるイベントを見越してパラメータを溜めることになり、本実施形態のゲームシステムは、新たな戦略性が生まれるゲームを提供することができる。
【0137】
以下、本実施形態の手法の詳細に説明する。説明の便宜上、プレーヤP1がゲームプレイを行う対戦ゲームのゲームシステムの例について説明する。なお、上述したように、サーバ装置10がゲームシステムの全部又は一部を実行してもよいし、端末装置20がゲームシステムの全部又は一部を実行してもよい。
【0138】
また、敵(敵キャラクタ)は、コンピュータ制御に基づくキャラクタでもよいし、プレーヤP1以外のプレーヤ(例えばプレーヤP2)の操作対象のキャラクタCH2でもよい。
【0139】
[5]第1の選出処理の説明
本実施形態のゲームシステムは、パラメータの情報が、第1の所定条件を満たした場合(例えば、パラメータが第1の所定値に到達した場合)に、パラメータの情報に基づいて複数のイベント候補を選出する第1の選出処理を行う。
【0140】
例えば、ゲームシステムは、プレーヤP1の入力情報に基づいて変動するパラメータXが、第1の所定値に到達した場合に、イベントEv1(例えば、必殺技A)、イベントEv2(例えば、必殺技B)、イベントEv3(例えば、必殺技C)を、イベントの候補に選出する。なお、第1の所定値とは、例えば、パラメータXの上限値の50%とすることができる。具体的に説明すると、パラメータXの上限値が「200」である場合、パラメータXが100に到達した場合に、第1の所定条件を満たすと判断する。なお、本実施形態では、パラメータXが第1の所定値以上(例えば、100以上)、かつ、第2の所定値未満(例えば、200未満)である場合に、第1の所定条件を満たすと判断してもよい。
【0141】
なお、第1の所定条件は、パラメータXが第1の所定値に到達するという条件の他に種々考えられる。例えば、パラメータXのゲーム変動時のゲーム状況が有利な状況である場合に第1の条件を満たすと判定してもよい。また、パラメータXの変動速度が所定の値以上(例えば、第1の変動速度値以上)である場合に第1の条件を満たすと判定してもよい。
【0142】
パラメータXは、プレーヤP1の操作対象のキャラクタCH1に関するパラメータである。例えば、ゲームシステムは、まず、パラメータXに初期値(0)を設定し、0から200の値域でパラメータXを変動させる。例えば、ゲーム中、プレーヤP1の入力情報に基づいて、キャラクタCH1に攻撃の行動(動作)を行わせ、敵キャラクタCH2に対して攻撃を行う。そして、敵キャラクタCH2に対する攻撃が成功した場合、キャラクタCH1のパラメータXに、所定の値(例えば、10)を加算する。このように、本実施形態では、プレーヤP1の操作入力に起因して、パラメータXを変動させることができる。
【0143】
図4は、対戦ゲームにおいて、複数のイベントEv1、Ev2、Ev3を候補としてプレーヤP1の表示部に表示されるゲーム画面W4の一例を示す。本実施形態では、
図4に示すように、プレーヤP1のゲーム画面W4に、選出した複数のイベント候補を表示制御する。
【0144】
[6]第2の選出処理の説明
また、本実施形態のゲームシステムは、プレーヤ情報及びパラメータの情報の少なくとも一方に基づいて、複数のイベント候補の中から、実行すべきイベントを選出する第2の選出処理を行う。
【0145】
[6.1]コンピュータ制御に基づくイベントの選出
例えば、ゲームシステムは、パラメータXの情報が第2の所定条件を満たした場合(例えば、パラメータXが、第2の所定値に到達した場合)に、コンピュータ制御に基づいて、イベントを選出してもよい。
【0146】
具体的に説明すると、ゲームシステムは、パラメータXが、第2の所定値に到達した場合に、
図5に示すように、複数のイベント候補(例えば、イベントEv1、Ev2、Ev3)の中から、いずれか1つのイベント候補(例えば、イベントEv1)を、コンピュータ制御に基づいて、実行すべきイベントとして選出する。
【0147】
例えば、ゲームシステムは、複数のイベント候補の中から、ランダムに或いは所定の抽選アルゴリズムに基づいて、1つのイベント候補を選出(抽出)し、選出されたイベント候補を実行すべきイベントとして決定する。
【0148】
図5は、イベントをプレーヤP1の表示部に表示されるゲーム画面W5の一例を示す。本実施形態では、
図5に示すように、プレーヤP1のゲーム画面W5に、選出されたイベント(例えば、イベントEv1)の情報を表示する。例えば、ゲーム画面W5に「イベントEv1が選ばれました!」というメッセージA5を表示する。
【0149】
なお、第2の所定値は、パラメータXの上限値としてもよい。つまり、第2の所定値は、パラメータXの100%とすることができる。具体的に説明すると、パラメータXの上限値が「200」である場合、パラメータXが200に到達した場合に、第2の所定条件を満たすと判断する。なお、本実施形態では、パラメータXが、第1の所定値以上(例えば、100以上)よりも大きな値である第2の所定値以上(例えば、200以上)である場合に、第2の所定条件を満たすと判断する。
【0150】
なお、第2の所定条件は、パラメータXが第2の所定値に到達するという条件の他に種々考えられる。例えば、パラメータXのゲーム変動時のゲーム状況が有利な状況である場合に第2の条件を満たすと判定してもよい。また、パラメータXの変動速度が所定の値以上(例えば、第2の変動速度値以上)である場合に第2の条件を満たすと判定してもよい。なお、第2の変動速度値は、第1の変動速度値よりも大きな値とする。
【0151】
また、ゲームシステムは、コンピュータ制御に基づいて複数のイベント候補(イベントEv1、Ev2、Ev3)の中から、実行すべき複数のイベント(例えば、イベントEv1、Ev2)を選出してもよい。
【0152】
[6.2]プレーヤの入力情報に基づくイベントの選出
また、ゲームシステムは、プレーヤの入力情報に基づいて、実行すべきイベントを選出してもよい。
【0153】
例えば、ゲームシステムは、
図6に示すように、プレーヤP1の入力情報に基づいて、複数のイベント候補(例えば、イベントEv1、Ev2、Ev3)の中から1つのイベント候補(例えば、イベントEv2)を実行すべきイベントとして選出してもよい。このようにすれば、プレーヤの意思で実行すべきイベントを選出できるので、プレーヤにとって満足度の高いイベントの実行を実現できる。
【0154】
なお、ゲームシステムは、複数のイベント候補を選出後、無条件に、プレーヤP1の入力情報に基づいて、複数のイベント候補の中からイベントを選出してもよいし、パラメータの情報が第2の所定条件を満たした場合に、プレーヤP1の入力情報に基づいて、複数のイベント候補の中からイベントを選出してもよい。
【0155】
また、ゲームシステムは、プレーヤP1の入力情報に基づいて、複数のイベント候補(イベントEv1、Ev2、Ev3)の中から、実行すべき複数のイベント(例えば、イベントEv1、Ev2)を選出してもよい。
【0156】
また、ゲームシステムは、プレーヤP1の入力情報に基づいて、イベント選出後、例えば、
図5に示すように、選出されたイベントの情報を、プレーヤP1のゲーム画面に表示してもよい。
【0157】
[6.3]イベント選出後の処理
ゲームシステムは、複数のイベント候補の中から、実行すべきイベントEv1を選出後、選出されなかったイベント候補(例えば、イベントEv2、Ev3)を削除し、改めてイベント候補の選出処理を実行する。また、実行すべきイベントEv1を選出後、パラメータXを初期値(例えば、0)に更新する。
【0158】
なお、ゲームシステムは、実行すべきイベントEv1の選出タイミングと同時に、イベントEv1を実行してもよい。また、イベントEv1の選出タイミングと異なるタイミングでイベントEv1を実行してもよい。例えば、イベントEv1の選出後、プレーヤP1から当該イベントEv1の実行入力を受け付けた場合に、イベントEv1を実行してもよい。
【0159】
このように、本実施形態では、第1の選出で戦略的にイベント候補を絞ることができ、第2の選出で実行するイベントを選出するので、偶発性がありつつもプレーヤに戦略性があるゲームを提供できる。
【0160】
[6.4]イベントの再選出
また、ゲームシステムは、プレーヤの入力情報に基づいて、複数のイベント候補の中からイベントを選出しないように制御し、ゲームシステムは、改めて、複数のイベント候補を再選出してもよい。そして、プレーヤの入力情報に基づいて、再選出された複数のイベント候補の中から、イベントを選出するようにしてもよい。
【0161】
例えば、
図6に示すように、複数のイベント候補(イベントEv1、Ev2、Ev3)と共に、再選出のリンクB4を表示し、当該再選出の指示入力を受け付け可能とする。そして、ゲームシステムは、プレーヤP1によってリンクB4がクリックされることによって、再選出の指示入力を受け付ける。そして、再選出の指示入力を受け付けた場合に、複数のイベント候補(イベントEv1、Ev2、Ev3)とは別の複数のイベント候補(イベントEv4、Ev5、Ev6)を選出する。なお、ゲームシステムは、1回目に選出された複数のイベント候補と、2回目に選出された複数のイベント候補とにおいて、少なくとも1つのイベント候補が異なるように選出処理を行う。
【0162】
[7]パラメータの情報に基づくイベントの選出
本実施形態のパラメータの情報は、パラメータそのものでもよいし、パラメータに関する情報でもよい。
【0163】
[7.1]パラメータの説明
本実施形態のパラメータは、ゲーム進行に応じて変動するパラメータ(値)である。なお、変動とは、増加、減少、上昇、下降、蓄積の少なくとも1つを意味する。
【0164】
また、パラメータは、プレーヤの入力情報に基づいて変動するものである。つまり、パラメータは、プレーヤの意思や行動によって変動するパラメータである。
【0165】
例えば、パラメータは、プレーヤP1のキャラクタCH1、又は、プレーヤP1に紐づくゲーム進行に基づいたパラメータとすることができる。具体例を挙げると、パラメータは、プレーヤP1の入力操作対象となるキャラクタCH1のパラメータXとすることができる。
【0166】
また、ゲーム進行に応じて変動するパラメータは、プレーヤの入力情報に基づいて、間接的に変動するパラメータ(例えば、プレーヤ又はプレーヤのキャラクタの能力、レベル、経験値、体力値等)も含む。
【0167】
パラメータは1つに限らず複数種類存在していてもよい。また、パラメータは、上限値や下限値があってもよい。なお、パラメータは、上限値や下限値が存在しない値であってもよい。
【0168】
[7.2]パラメータの変動情報に基づくイベントの選出
本実施形態のパラメータの情報は、パラメータの変動情報を含む。そして、ゲームシステムは、10秒で急速にパラメータXが所定の値にまで上昇したのか、或いは、5分でゆっくりパラメータXが所定の値まで上昇したのかによって、イベント候補の選出(第1の選出)や、イベントの選出(第2の選出)を異ならせるように制御する。
【0169】
ここで、パラメータの変動情報とは、パラメータの変動期間、パラメータの変動速度等である。
【0170】
例えば、パラメータXの変動期間とは、パラメータXが初期値(例えば、0)に設定された時点D0(例えば、ゲーム開始時点やパラメータ更新時点)から、パラメータXが第1の所定値に到達する時点D1までの期間Eとする。
【0171】
そして、例えば、期間Eが30秒未満である場合には、イベント候補を、攻撃力100以上の必殺技とする。一方、当該期間Eが30秒以上である場合には、イベント候補を、攻撃力50以上100未満の必殺技とする。
【0172】
つまり、パラメータXが第1の所定値に到達するまでの期間Eが短いほど、プレーヤP1にとって有利にゲーム進行させることが可能なイベント候補が選出される。したがって、本実施形態によれば、プレーヤP1に対してパラメータXを直ぐに上昇させることが可能なようにキャラクタCH1を予め強化するように促すことができる。
【0173】
また、パラメータXが第1の所定値に到達するまでの期間Eが長い程、プレーヤP1が苦戦している状況であることが多い。したがって、期間Eが長い程、プレーヤP1にとって有利にゲーム進行させることが可能なイベント候補を選出してもよい。
【0174】
また、パラメータの変動情報は、パラメータの変動速度を含む。ここで、パラメータの変動速度は、単位時間あたりのパラメータの変動量を示す。
【0175】
例えば、
図7に示すように、パラメータXの変動速度Yが、所定の値Y1以上に到達した場合に、攻撃力50以上100未満の必殺技のイベントEv1、Ev2、Ev3を、イベント候補として選出する。
【0176】
そして、パラメータXの変動速度Yが、所定の値Y2以上に到達した場合に、攻撃力100以上の必殺技のイベントEv4、Ev5、Ev6を、イベント候補として選出する。
【0177】
つまり、本実施形態では、パラメータの変動速度に応じて、イベント候補を変更する。例えば、
図7に示すように、タイミングT1に変動速度Yが所定の値Y1に到達した場合(Y1≦Y<Y2)、イベントEv1、Ev2、Ev3を選出し、
図4に示すように、プレーヤP1の表示部に表示されるゲーム画面W4に複数のイベントEv1、Ev2、Ev3をイベント候補として表示する。
【0178】
また、
図7に示すように、タイミングT2に、変動速度Yが所定の値Y2に到達した場合(Y2≦Y)、イベント候補の選出対象をイベントEv1、Ev2、Ev3から、イベントEv1、Ev2、Ev3とは異なるイベントEv4、Ev5、Ev6(攻撃力100以上の必殺技)に変更する。そして、
図8に示すように、タイミングT2において、プレーヤP1の表示部に表示されるゲーム画面G8に、選出した複数のイベントEv4、Ev5、Ev6をイベント候補として表示する。
【0179】
その後、
図7に示すように、タイミングT3に、変動速度YがY1以上値Y2未満(Y1≦Y<Y2)に変化した場合に、イベント候補の選出対象をイベントEv4、Ev5、Ev6から、再び、イベントEv1、Ev2、Ev3に変更する。
【0180】
その後、
図7に示すように、タイミングT4において、変動速度Yが所定の値Y1未満(Y<Y1)に変化した場合、イベント候補を選出しないように制御する。つまり、プレーヤP1のゲーム画面にイベント候補を表示しないように制御する。
【0181】
このように、変動速度Yに応じて、イベント候補を選出することにより、プレーヤP1は、パラメータXがどのように変動しているのかを考慮することになり、戦略的にゲームプレイすることができる。
【0182】
なお、本実施形態では、パラメータの変動期間及び/又は変動速度に応じて、複数のイ
ベント候補の中からイベントを選出する第2の選出処理を行ってもよい。
【0183】
例えば、パラメータの変動期間及び/又は変動速度に応じて、複数のイベント候補の中からイベントを選出する期間を決定してもよい。つまり、イベント候補Ev1、Ev2、Ev3から、実行すべきイベントを選択する期間は、
図7のT1~T2の期間と、T3~T4の期間とする。また、イベント候補Ev4、Ev5、Ev6から、実行すべきイベントを選択する期間は、
図7のT2~T3の期間とする。
【0184】
[7.3]ゲーム状況に基づくイベントの選出処理
また、本実施形態のパラメータの情報は、パラメータの変動時又はパラメータ変動期間におけるゲーム状況を含んでもよい。
【0185】
パラメータの変動時とは、パラメータが変動したタイミングである。パラメータ変動期間は、パラメータの初期値になったタイミングから現時点までの期間である。
【0186】
例えば、ゲームシステムは、パラメータの変動時又はパラメータ変動期間のゲーム状況に基づいて、イベント候補の選出(第1の選出)や、イベントの選出(第2の選出)を行う。つまり、有利なゲーム状況でパラメータが変動したのか、或いは、不利なゲーム状況でパラメータが変動したのかによってイベント候補の選出(第1の選出)や、イベントの選出(第2の選出)を行う。
【0187】
「ゲーム状況」は、プレーヤの入力情報に基づいて変化するゲーム状況を含む。例えば、ゲーム状況とは、プレーヤP1の有利(優勢)又は不利(劣勢)を示す情報を含む。なお、ゲームシステムは、プレーヤP1の有利(優勢)又は不利(劣勢)について、例えば、プレーヤP1の操作対象のキャラクタCH1のHP値(体力値)、強さ(攻撃力)、防御力、敵のHP値(体力値)、強さ(攻撃力)、防御力等に基づいて判断する。
【0188】
また、ゲーム状況とは、複数の段階(フェーズ)で進行するゲームにおいて、現在のプレーヤP1の現在の段階、ゲームの進行度合い、プレーヤP1のレベル、プレーヤP1の操作対象のキャラクタのレベルを含む概念でもよい。また、ゲーム状況は、上述したパラメータの変動情報も含む概念としてもよい。
【0189】
また、本実施形態において、ゲーム状況はリアルタイムに変化するので、ゲーム状況に応じて、複数のイベント候補を変更する。
【0190】
例えば、パラメータの変動時又はパラメータの変動期間に、プレーヤが有利な状況である場合は、キャラクタCH1の攻撃力を上昇させるイベントEv1、Ev2、Ev3、Ev4、Ev5、Ev6の中から複数のイベントを候補として選出する。そして、例えば、コンピュータ制御又はプレーヤの入力情報に基づき、選出された複数のイベント候補の中から、1つのイベント候補を実行すべきイベントとして選出する。
【0191】
一方、パラメータの変動時又はパラメータの変動期間に、プレーヤが不利な状況である場合は、キャラクタCH1の防御力を上昇させるイベントEv7、Ev8、Ev9、Ev10、Ev11、Ev12の中から、複数のイベントを候補として選出する。そして、例えば、コンピュータ制御又はプレーヤの入力情報に基づき、選出された複数のイベント候補の中から、1つのイベント候補を実行すべきイベントとして選出する。
【0192】
[7.4]プレーヤのゲーム行動情報
また、パラメータの情報は、パラメータの変動時又はパラメータの変動期間におけるプレーヤP1のゲーム行動情報を含んでもよい。
【0193】
また、「プレーヤのゲーム行動情報」は、当該プレーヤのキャラクタ情報、アイテム情報などのゲーム情報を含む。
【0194】
また、「プレーヤのゲーム行動情報」は、当該プレーヤが入力した結果に起因して、変化する情報を含む。
【0195】
例えば、「プレーヤのゲーム行動情報」とは、プレーヤP1のキャラクタCH1に対する指示入力、倒した敵の種類、等を示す情報である。
【0196】
例えば、ゲームシステムは、パラメータ変動期間において、プレーヤP1のキャラクタCH1が、攻撃力の弱い敵を倒した数と、攻撃力の強い敵を倒した数とに基づいて、複数のイベント候補の選出(第1の選出)や、イベントの選出(第2の選出)を行う。例えば、弱い敵とは、攻撃力が100未満の敵であり、強い敵とは攻撃力が100以上の敵である。
【0197】
また、例えば、パラメータ変動期間において、プレーヤP1のキャラクタCH1が、火の属性の敵を倒した数と、水の属性の敵を倒した数と、木の属性の敵を倒した数とに基づいて、イベント候補の選出(第1の選出)や、イベントの選出(第2の選出)を行う。
【0198】
例えば、倒した敵の属性の中で最も多い属性が「木」である場合、「木」に応じた複数のイベント候補を選出する。そして、コンピュータ制御又はプレーヤの入力情報に基づき、選出された複数のイベント候補の中から、1つのイベント候補を実行すべきイベントとして選出する。
【0199】
また、例えば、パラメータの変動時又はパラメータの変動期間において、プレーヤP1のキャラクタCH1が、敵に対して使用した技(攻撃技、防御技、必殺技)の種類や数に基づいて、イベント候補の選出(第1の選出)や、イベントの選出(第2の選出)を行ってもよい。
【0200】
なお、パラメータ変動はリアルタイムに変化し、プレーヤP1のゲーム行動情報もリアルタイムに変化する。したがって、パラメータの変動時又はパラメータの変動期間のプレーヤP1のゲーム行動情報に応じて、選出対象のイベント候補を変更してもよい。
【0201】
[8]プレーヤ情報の説明
「プレーヤ情報」は、プレーヤの入力情報を含む。また、プレーヤの入力情報によって決められる情報も含む。例えば、プレーヤのキャラクタ(プレーヤが所有するキャラクタやプレーヤの操作対象のキャラクタ)について、プレーヤの入力情報に基づいて決められる情報を含む。
【0202】
[9]表示制御
ゲームシステムは、パラメータの情報に応じて、ゲーム画面上に表示するパラメータの表示体を変更してもよい。
【0203】
例えば、パラメータの表示体を変更するとは、パラメータの表示体の色、形状、数の少なくとも1つを変更することを意味する。
【0204】
[9.1]敵の種類に応じて、パラメータの表示体の色、形状、数を変化させる処理
ゲームシステムは、例えば、
図4に示すパラメータXの表示体A2を変化させてもよい。
図4の例では、パラメータXの表示体A2を横長のグラフ(ゲージともいう)で表示し
ている。
【0205】
[9.1.1]表示体の色を変化させる例
ゲームシステムは、プレーヤP1のキャラクタCH1が、弱い敵を倒すことによってパラメータXが変動した場合には、パラメータXの表示体の色を「緑」にする。
【0206】
一方、プレーヤP1のキャラクタCH1が、強い敵を倒すことによってパラメータXが変動した場合には、パラメータXの表示体の色を「赤」にする。
【0207】
なお、本実施形態において、パラメータXの表示体の色を変化させるとは、パラメータXの表示体そのものを変化させることを意味してもよいし、パラメータXの表示体の周囲の色を変化させることを意味してもよい。
【0208】
また、ゲームシステムは、敵の種類毎に、敵を倒すことによって変動するパラメータXを表示してもよい。
【0209】
例えば、
図9に示すように、プレーヤP1のキャラクタCH1が、弱い敵を倒した場合に、弱敵用のパラメータXwを変動させ、表示体A2wを表示させる。そして、表示体A2wの色を「緑」にする。
【0210】
一方、プレーヤP1のキャラクタCH1が、強い敵を倒した場合に、強敵用のパラメータXsを変動させ、表示体A2sを表示させる。そして、表示体A2sの色を「赤」にする。
【0211】
そして、ゲームシステムは、プレーヤP1のキャラクタCH1が、攻撃力の弱い敵を倒すことによってパラメータXwが第1の所定値に到達した場合には、攻撃力50以上100未満の必殺技のイベントEv1、Ev2、Ev3をイベント候補として選出する。一方、攻撃力の強い敵を倒すことによってパラメータXsが第1の所定値に到達した場合には、攻撃力100以上の必殺技のイベントEv4、Ev5、Ev6をイベント候補として選出する。
【0212】
[9.1.2]具体例2
また、ゲームシステムは、敵の種類に応じて、表示体A2のグラフの幅を変化させてもよい。
【0213】
例えば、
図10に示すように、プレーヤP1のキャラクタCH1が、弱い敵を倒した場合には、パラメータXの表示体A2-1に示すように、グラフの幅を固定長L1の長さに設定にする。例えば、パラメータXの上限値が「200」であり、現在のパラメータXの値が「100」である場合、固定長L1の範囲内で、パラメータXの値(100)を表示する。
【0214】
一方、プレーヤP1のキャラクタCH1が、強い敵を倒した場合には、パラメータXの表示体A2-2に示すように、グラフの幅を固定長L2(L1<L2)の長さに設定にする。例えば、パラメータXの上限値が「200」であり、現在のパラメータXの値が「100」である場合、固定長L2の範囲内で、パラメータXの値(100)を表示する。
【0215】
このようにすれば、表示体A2の見た目が変化するので、プレーヤは瞬時に、どのようなゲーム状況でパラメータが変動しているのかを認識することができる。
【0216】
また、プレーヤは、パラメータの表示体を見ることで、どの敵を倒したら、どのような
イベントが選出されるのかを、プレーヤは予想することができる。
【0217】
また、ゲームシステムは、グラフの表示体を採用する場合においても、敵の種類毎に、敵を倒すことによって変動するパラメータXの表示体を表示してもよい。
【0218】
例えば、プレーヤP1のキャラクタCH1が、弱敵を倒した場合には、弱敵用のパラメータXwに対応するグラフの表示体A2wを表示させ、当該グラフの幅を固定長L1の長さに設定にする。
【0219】
一方、プレーヤP1のキャラクタCH1が、強敵を倒した場合には、強敵用のパラメータXsに対応するグラフの表示体A2sを表示させ、当該グラフの幅を固定長L2(L1<L2)の長さに設定にする。
【0220】
[9.2]攻撃の種類に応じて、パラメータの表示体を変化させる処理
ゲームシステムは、攻撃の種類に応じて、パラメータXの表示体A2の色、形状、数の少なくとも1つを変化させてもよい。
【0221】
例えば、ゲームシステムは、プレーヤP1のキャラクタCH1の攻撃の種類に応じて、パラメータXの表示体の形状、色、数の少なくとも1つを表示してもよい。
【0222】
具体例を説明すると、例えば、
図11に示すように、ゲームシステムは、プレーヤP1のキャラクタCH1が刀で敵を倒した数を、刀のマークの個数で表現する。例えば、表示体A2-3に示すように、刀で敵を倒す度に、刀のマークを1つ増加させる。
【0223】
また、ゲームシステムは、キャラクタCH1がパンチで敵を倒した数を、パンチ(握りこぶし)のマークの個数で表現する。例えば、表示体A2-4に示すように、パンチで敵を倒す度に、パンチのマークを1つ増加させる。
【0224】
そして、ゲームシステムは、攻撃の種類に応じて、イベントを選出してもよい。例えば、
図11に示すように、キャラクタCH1が刀で敵した数が第1の所定値(例えば、10)に到達した場合に、刀に応じたイベント候補を選出する第1の選出処理を行う。例えば、刀の必殺技Ev41、Ev42、Ev43をイベント候補として選出する。
【0225】
なお、キャラクタCH1が、パンチで敵を倒した数が第1の所定値(例えば、10)に到達した場合に、パンチに応じたイベント候補を選出する第1の選出処理を行う。例えば、パンチの必殺技Ev51、Ev52、Ev53をイベント候補として選出する。
【0226】
このようにすれば、プレーヤP1に対し、どの攻撃の種類によってパラメータがたまってきているのかを示すことができ、プレーヤP1は戦略的にパラメータを増加させることができる。
【0227】
つまり、本実施形態によれば、プレーヤP1が、戦略的に攻撃の種類を特定して、敵を倒すことによって、プレーヤP1が狙うイベント候補を選出させることができる。そして、プレーヤの入力情報或いはコンピュータ制御によって、イベント候補の中から、実行すべきイベントを選出することによって、プレーヤP1が所望するイベントを実行することが可能となる。
【0228】
[10]イベントの説明
本実施形態のイベントは、プレーヤP1のゲームを有利に進行させるイベントであるが、動画やシナリオ分岐イベント等でもよい。
【0229】
プレーヤP1のゲームを有利に進行させるイベントとは、(A)プレーヤP1のキャラクタCH1の攻撃力を上昇させるイベント、(B)プレーヤP1のキャラクタCH1の防御力を上昇させるイベント、(C)プレーヤP1のキャラクタCH1の体力値(HP値)を上昇させるイベント、(D)プレーヤP1又はキャラクタCH1に付与する報酬を上昇させるイベント、(E)新しいキャラクタやアイテムなどを、プレーヤP1又はキャラクタCH1に付与する特典付与イベント、(F)ボスキャラクタなど敵キャラクタの攻撃力を減少させる弱体化イベント、(G)プレーヤP1の味方キャラクタを増やす味方増援イベント、等である。
【0230】
なお、攻撃力を上昇させるイベントとは、プレーヤP1のキャラクタCH1の攻撃力を上昇させる必殺技やアイテムを付与する処理等でもよい。
【0231】
また、防御力を上昇させるイベントとは、プレーヤP1のキャラクタCH1の防御力を上昇させる必殺技やアイテムを付与する処理等でもよい。
【0232】
また、体力値(HP値)を上昇させるイベントとは、プレーヤP1のキャラクタCH1の体力値(HP値)を上昇させる必殺技やアイテムを付与する処理等でもよい。
【0233】
なお、イベントはプレーヤP1のゲームを不利に進行させるイベントであってもよい。
【0234】
[11]イベントの選出例
(具体例1)
本実施形態のイベントは、
図12に示すように、ゲームストーリーの分岐となる動画(映像)をイベントとしてもよい。
【0235】
例えば、プレーヤP1の入力情報に基づき、ゲームストーリー1の動画Mv1を実行する。そして、プレーヤP1のキャラクタCH1が敵を倒した数をパラメータとすると、当該パラメータが第1の所定値以上(例えば、10以上)という条件を満たすと、イベント候補(動画候補)として、動画Mv2、Mv3、Mv4を選出する。そして、コンピュータ制御又はプレーヤの入力情報に基づいて、イベント候補である動画Mv2、Mv3、Mv4の中から実行すべき動画を選出し、選出された動画を実行(再生実行)する。
【0236】
また、ゲームシステムは、所定タイミング(例えば、ゲーム開始時点)から所定数(例えば、10)の敵を倒すまでの時間(期間)をパラメータとすると、パラメータが第1の所定値以上(例えば、15分以上)という条件を満たした場合に、イベント候補(動画候補)として、動画Mv5、Mv6、Mv7を選出してもよい。そして、コンピュータ制御又はプレーヤの入力情報に基づいて、イベント候補の動画Mv5、Mv6、Mv7の中から実行すべき動画を選出し、選出された動画を実行(再生実行)する。
【0237】
(具体例2)
また、本実施形態のイベントは、
図13に示すように、ゲームの分岐ステージをイベントとしてもよい。なお、ゲームのステージとは、ゲームの構成単位であり、クエスト、ミッション等である。
【0238】
具体的に説明すると、例えば、プレーヤP1の入力情報に基づき、ステージSt1のゲームを実行する。そして、プレーヤP1のキャラクタCH1が敵を倒した数をパラメータとすると、パラメータが第1の所定値以上(例えば、20以上)という条件を満たした場合に、イベント候補(ステージ候補)として、ステージSt2、St3、St4を選出する。そして、コンピュータ制御又はプレーヤの入力情報に基づいて、イベント候補である
ステージSt2、St3、St4の中から実行すべきステージを選出し、選出されたステージのゲームを実行する。
【0239】
(具体例3)
また、
図14を用いて、属性に関する具体例を説明する。例えば、ステージやアイテムに、火、水、雷などの属性が予め割り振られているとする。
【0240】
そして、ゲームステージSt1で、プレーヤが火の属性のアイテムを使用して、パラメータXを第1の所定値まで到達させた場合に、イベント候補(ステージ候補)として、火のステージSt11、St12、St13を選出する。そして、コンピュータ制御又はプレーヤの入力情報に基づいて、イベント候補であるステージSt11、St12、St13の中から実行すべきステージを選出し、選出されたステージのゲームを実行する。
【0241】
また、ゲームステージSt1で、プレーヤが水の属性のアイテムを使用して、パラメータXを第1の所定値まで到達させた場合に、イベント候補(ステージ候補)として、水のステージSt21、St22、St23を選出する。そして、コンピュータ制御又はプレーヤの入力情報に基づいて、イベント候補であるステージSt21、St22、St23の中から実行すべきステージを選出し、選出されたステージのゲームを実行する。
【0242】
また、ゲームステージSt1で、プレーヤが雷の属性のアイテムを使用して、パラメータXを第1の所定値まで到達させた場合に、イベント候補(ステージ候補)として、雷のステージSt31、St32、St33を選出する。そして、コンピュータ制御又はプレーヤの入力情報に基づいて、イベント候補であるステージSt31、St32、St33の中から実行すべきステージ(イベント)を選出し、選出されたステージのゲームを実行する。なお、コンピュータ制御に基づくイベント選出において具体的に説明すると、ゲームシステムは、例えば、プレーヤが雷の属性のアイテムを使用して、パラメータXを第2の所定値まで到達された場合に、イベント候補であるステージSt31、St32、St33の中から実行すべきステージ(イベント)を選出するようにしてもよい。
【0243】
(具体例4)
また、本実施形態のイベントは、キャラクタを成長させる育成シミュレーションゲームにおいて、キャラクタがセリフを発言する動画において、セリフ内容が異なる複数の動画を、イベント候補として選出してもよい。
【0244】
例えば、プレーヤの入力情報に基づいて、メインキャラクタ(例えば、主人公キャラクタ)の行動情報を決定し、メインキャラクタと他キャラクタ(例えば、アイドルキャラクタなどのサブキャラクタ)とのコミュニケーションを行わせて、ゲームを進行させる育成シミュレーションゲームがある。このような育成シミュレーションゲームにおいて、ゲームシステムは、メインキャラクタが他キャラクタと会話を行わせる行動回数(パラメータの一例)に基づいて、イベント候補を選出する処理や、イベントを選出する処理を行うようにしてもよい。
【0245】
例えば、メインキャラクタが、所定の他キャラクタとの会話を行わせる行動回数が第1の所定回数に達すると、当該他キャラクタが登場する動画の中から、特別な動画を複数選出し、イベント候補とする。そして、コンピュータ制御又はプレーヤの入力情報に基づいて、複数のイベント候補(複数の特別な動画)の中から、一つの動画を選出する。そして、選出された動画を実行(再生実行)する。なお、コンピュータ制御に基づくイベント選出において具体的に説明すると、ゲームシステムは、例えば、当該行動回数が第2の所定回数に達した場合に、複数のイベント候補(複数の特別な動画)の中から、一つの動画を選出するようにしてもよい。
【0246】
(具体例6)
本実施形態では、プレーヤP1のキャラクタCH1のHP値(体力値)をパラメータとして用いてもよい。
【0247】
例えば、ゲームシステムは、HP値の変動情報に応じて、イベント候補やイベントを選出してもよい。このようにすれば、プレーヤP1が、特定のイベント候補を狙って戦略的にHP値を減少させることができる。
【0248】
例えば、所定期間(例えば、10分間)にHP値の減少度合いが30%未満の場合、攻撃力を増加させるイベントEv21、Ev22、Ev23を、イベント候補として選出する。
【0249】
一方、所定期間(例えば、10分間)にHP値の減少度合いが30%以上の場合、防御力を増加させるイベントEv31、Ev32、Ev33を、イベント候補として選出する。
【0250】
なお、所定期間(例えば、10分間)にHP値の減少度合いが0%、つまりノーダメージの場合は、シナリオを分岐させるイベントを発生させ、通常ステージとは異なる特別な複数のステージをイベント候補として選出してもよい。
【0251】
そして、コンピュータ制御又はプレーヤの入力情報に基づいて、複数のイベント候補(複数の特別なステージ)の中から、一つのステージを選出する。そして、選出されたステージで、ゲームを進行可能に制御する。
【0252】
[12]フローチャート
図15A、
図15Bを用いて、本実施形態のイベントの選出の処理の流れについて説明する。
【0253】
まず、
図15Aに示すように、パラメータを初期値に設定する(ステップS1)。そして、プレーヤの入力情報に基づいて、パラメータを変動させる(ステップS2)。パラメータの情報が第1の所定条件を満たすか否かを判断する(ステップS3)。
【0254】
パラメータの情報が第1の所定条件を満たす場合、(ステップS3のY)、複数のイベント候補を選出する(ステップS4)。そして、複数のイベント候補を、ゲーム画面に表示する(ステップS5)。一方、パラメータの情報が第1の所定条件を満たさない場合(ステップS3のN)、ステップS2に戻る。
【0255】
そして、
図15Bに示すように、自動でイベントを選出するか否かを判断する(ステップS11)。
【0256】
自動でイベントを選出する場合、(ステップS11のY)、パラメータの情報が、第2の所定条件を満たすか否かを判断する(ステップS12)。
【0257】
そして、パラメータの情報が、第2の所定条件を満たす場合(ステップS12のY)、複数のイベント候補の中から、実行すべきイベントを選出する(ステップS14)。一方、パラメータの情報が、第2の所定条件を満たさない場合(ステップS12のN)、プレーヤの入力情報に基づいて、パラメータを変動させる(ステップS13)。そして、ステップS12に戻る。
【0258】
また、自動でイベントを選出しない場合、(ステップS11のN)、プレーヤの入力情報に基づいて、複数のイベント候補の中から、実行すべきイベントを選出する(ステップS15)。
【0259】
そして、ステップS14又はステップS15の後、選出されたイベントを、ゲーム画面に表示する(ステップS16)。そして、選出されたイベントを、実行する(ステップS17)。以上で処理を終了する。
【0260】
[13]スキルマップの応用例
本実施形態では、スキルマップを用いて進行するゲームにも適用可能である。
【0261】
[13.1]スキルマップの概要
スキルマップは、マップ、スキルツリー、スキルパネルとも呼ばれ、複数のスキルをツリー構造に構成されたものである。例えば、スキルマップは、プレーヤP1又はプレーヤP1のキャラクタCH1に対応付けて設定される。
【0262】
スキルマップは、複数のマスで構成されており、スタートのマスに基づいて、ツリー構造にマスが繋がれている。
【0263】
そして、スキルマップには、各マスにスキルが対応付けて設定され、予め各マスを未開放に設定される。つまり、初期状態において、各マスは未開放に設定される。なお、スキルマップには、スキルが対応付けられていないマスがあってもよい。
【0264】
そして、スタートのマスから順に、プレーヤの入力情報に基づきゲームを実行することによって、マスに対応付けられた開放条件を満たしたか否かを判断する。
【0265】
そして、未開放のマスに対応付けられた開放条件を満たした場合、当該マスについて開放させ、当該マスに対応するスキルを当該プレーヤ又は当該プレーヤのキャラクタに獲得させる処理を行う。「スキルを獲得させる」とは、スキルそのものを獲得させること、スキルの成長パラメータ(スキルレベル、スキルパラメータ)を上昇させること等である。
【0266】
このように、スキルマップは、プレーヤに対し、マスを開放する楽しみや、スキルを獲得する楽しみを与えることができる。なお、「開放」は、「解放」、「アンロック」ともいう。
【0267】
なお、開放条件とは別にスキル獲得条件を設定し、マスの開放条件を満たした場合であって、かつ、当該マスに対応するスキル獲得条件を満たした場合に、スキルを獲得するようにしてもよい。
【0268】
本実施形態では、プレーヤP1又はプレーヤキャラクタCH1に対応付けて設定されたスキルマップの画像を含むゲーム画面をプレーヤP1の端末装置20に表示するようにしてもよい。
【0269】
図16は、スキルマップMaの一例を示す。例えば、本実施形態のゲームシステムは、仮想のゲーム空間に、複数のマスで構成されたマップMaを配置させ、各マスに対応付けてスキルを設定する。
【0270】
そして、ゲームシステムは、スタートマスMSに隣接するマスM1から順に、未開放のマスについて所定条件(開放条件)を満たした場合、当該マスに対応するスキルをプレーヤP1又はキャラクタCH1に獲得させる。プレーヤは、次々とマスを開放させてスキル
を多く獲得し、キャラクタCH1を強化する。
【0271】
[13.2]スキルマップのイベント選出例
ゲームシステムは、
図16に示すように、スキルマップMaのスタートのマスMSから開放されたマス数(パラメータの一例)に応じて、複数のイベント候補を選出してもよい。
【0272】
具体的には、開放されたマス数が第1の所定数(例えば、3)に到達した場合、それぞれ異なるカットイン動画Mv51、Mv52、Mv53を、イベント候補として選出する。そして、コンピュータ制御、或いは、プレーヤの入力情報に基づいて、動画Mv51、Mv52、Mv53の中から1つの動画を選出する。そして、選出された当該動画を再生し、プレーヤP1のゲーム画面に動画を表示する。このようにすれば、プレーヤは戦略的にスキルマップの解放を楽しむことができる。なお、コンピュータ制御に基づくイベント選出において具体的に説明すると、ゲームシステムは、例えば、開放されたマス数が第2の所定数(例えば、6)に到達した場合に、複数のイベント候補(複数の動画)の中から、一つの動画を選出するようにしてもよい。
【0273】
例えば、ゲームシステムは、
図16に示すように、スキルマップMaにおいて、開放したマス目において、パラメータXが第1の所定値に達した場合、イベント候補を選出してもよい。例えば、ゲームシステムは、マスM4が開放され、パラメータXが第1の所定値(例えば、100)に達した場合に、マスM5の方向へのコースC1、マスM6の方向へのコースC2、マスM7の方向へのコースC3を、イベント候補として選出する。
【0274】
そして、コンピュータ制御、或いは、プレーヤの入力情報に基づいて、コースC1、C2、C3の中から1つのコースを選出する。そして、選出されたコースについてマスの開放可能に制御する。なお、コンピュータ制御に基づくイベント選出において具体的に説明すると、ゲームシステムは、パラメータXが第2の所定値(例えば、200)に達した場合に、複数のイベント候補(複数のコース)の中から、一つのコースを選出する。
【0275】
例えば、コースC1が選択された場合、コースC1上のマスを開放可能に制御する。そして、プレーヤP1は、コースC1においてマス開放を進めるようにゲームプレイすることになる。また、選出されなかったコースC2、C3上のマスについて開放不可となるように制御する。このようにすれば、プレーヤP1は戦略的にスキルマップの開放やキャラクタ強化を楽しみながらゲームプレイすることができる。
【0276】
[14]他のプレーヤのイベントの選出について
本実施形態は、主にプレーヤP1のイベント選出例について説明したが、他のプレーヤP2のイベントの選出を行ってもよい。例えば、プレーヤP1のゲーム画面に、プレーヤP2において選出された複数のイベント候補、パラメータの情報、選出されたイベント、実行されたイベント等を表示してもよい。
【0277】
[15]ゲームの応用例
本実施形態では、対戦ゲームや育成シミュレーションゲーム等に限らず、種々のゲーム、例えば、対戦格闘ゲーム、レースゲーム、シューティングゲーム、音楽ゲーム、RPG(ロールプレイングゲーム)、アクションゲーム、スポーツゲームなどに応用可能である。
【0278】
[16]その他
本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書
又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【0279】
本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【0280】
上記のように、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0281】
10 サーバ装置、20、20A、20B、20C 端末装置、
100 処理部、110 選出部、110A 第1選出部、110B 第2選出部、
112 パラメータ制御部、113 表示制御部、
115 ゲーム処理部、119 受け付け部、
120 通信制御部、121 Web処理部、122 管理部、123 通知部、
130 画像生成部、140 音処理部、160 入力部、170 記憶部、
171 主記憶部、172 画像バッファ、174 ゲームデータ記憶部、
176 プレーヤ情報記憶部、
180 情報記憶媒体、196 通信部、
200 処理部、211 表示制御部、
212 受け付け部、213 通知部、220 通信制御部、
221 Webブラウザ、230 画像生成部、240 音処理部、
260 入力部、262 検出部、270 記憶部、
271 主記憶部、272 画像バッファ、274 ゲームデータ記憶部、
276 プレーヤ情報記憶部、
280 情報記憶媒体、290 表示部、292 音出力部、296 通信部