(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182379
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】吸収性物品及び吸収性物品群
(51)【国際特許分類】
A61F 13/514 20060101AFI20231219BHJP
A61F 13/15 20060101ALI20231219BHJP
A61F 13/475 20060101ALI20231219BHJP
A61F 13/532 20060101ALI20231219BHJP
A61F 13/56 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
A61F13/514 400
A61F13/15 210
A61F13/475 112
A61F13/532 200
A61F13/56 211
A61F13/56 213
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022095949
(22)【出願日】2022-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003247
【氏名又は名称】弁理士法人小澤知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】デリ リダ ライナ
(72)【発明者】
【氏名】市川 誠
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200BA01
3B200BA15
3B200BB03
3B200BB05
3B200BB11
3B200BB17
3B200CA02
3B200CB01
3B200CB02
3B200DA04
3B200DA17
3B200DA25
3B200DB11
3B200DD09
3B200DE03
3B200DE18
3B200DF08
(57)【要約】
【課題】装着補助者が着用者に吸収性物品を適切に装着でき、かつ装着後に適切な位置に装着できたかを確認可能な吸収性物品を提供する。
【解決手段】吸収性物品(1)は、装着時に位置決めを行うための目印部(20)を有する。目印部は、吸収性物品の幅方向の中心を跨いで前後方向に延び、かつ吸収性物品の肌側から視認可能な肌側目印部(21)と、吸収性物品の幅方向の中心を跨いで前後方向に延び、かつ吸収性物品の非肌側から視認可能な非肌側目印部(25)と、を有する。肌側目印部は、吸収コア(51)よりも前後方向の外側に配置されている。非肌側目印部の面積は、肌側目印部の面積よりも大きい。非肌側目印部の色は、肌側目印部の色よりも薄い。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向及び前記前後方向に直交する幅方向と、
装着時に位置決めを行うための目印部と、を有する吸収性物品であって、
前記目印部は、前記吸収性物品の前記幅方向の中心を跨いで前後方向に延び、かつ前記吸収性物品の肌側から視認可能な肌側目印部と、前記吸収性物品の前記幅方向の中心を跨いで前後方向に延び、かつ前記吸収性物品の非肌側から視認可能な非肌側目印部と、を有し、
前記肌側目印部は、吸収コアよりも前記前後方向の外側に配置されており、
前記非肌側目印部の面積は、前記肌側目印部の面積よりも大きく、
前記非肌側目印部の色は、前記肌側目印部の色よりも薄い、吸収性物品。
【請求項2】
前記目印部は、前記肌側目印部に対する前記幅方向の両側にそれぞれ配置され、かつ前記吸収性物品の肌側から視認可能な側目印部を有し、
前記側目印部の色は、前記肌側目印部の色と異なる、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記吸収コアの非肌側に配置された液不透過性のバックシートを有し、
前記肌側目印部及び前記非肌側目印部は、前記バックシートの肌側の面に付された同一の着色部によって構成されている、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記吸収コアは、周囲よりも吸収材料の坪量が低い低坪量部を有し、
前記着色部は、前記低坪量部に重なっている、請求項3に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記着色部の前記幅方向の長さは、前記着色部と重なる前記低坪量部の前記幅方向の長さよりも長い、請求項4に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記低坪量部は、前記吸収コアに形成されたスリットであり、
前記吸収コアの肌側を覆うコアラップと前記吸収コアの非肌側を覆うコアラップは、前記スリットにおいて接合されている、請求項4に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記肌側目印部の可視光線の波長及び前記非肌側目印部の可視光線の波長は、565Nm以上740Nm以下である、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記吸収性物品の前記前後方向の中央に配置され、着用者の股下に配置される股下域と、
前記股下域よりも後側に配置された後胴回り域と、
前記股下域よりも前側に配置された前胴回り域と、
前記後胴回り域において前記幅方向の外側に延出し、前記前胴回り域の非肌面に設けられたターゲット域に止着するファスニングテープと、を有し、
前記肌側目印部及び前記非肌側目印部は、前記前胴回り域及び前記後胴回り域にそれぞれ設けられている、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記ターゲット域は、前記吸収性物品の前記幅方向の中心を跨ぎ、周囲よりも色が濃いターゲット中央部を有し、
前記非肌側目印部の前記幅方向の長さは、前記ターゲット中央部の前記幅方向の長さよりも短い、請求項8に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記吸収性物品の前記幅方向の外側部は、使用前に前記幅方向の内側に折り畳まれており、
前記肌側目印部は、前記幅方向の内側に折り畳まれた状態で、前記吸収性物品の前記幅方向の両側部のうち少なくとも一方によって覆われている、請求項8に記載の吸収性物品。
【請求項11】
前記肌側目印部は、前記幅方向の内側に折り畳まれた状態で、前記吸収性物品の前記幅方向の両方の外側部によって覆われている、請求項10に記載の吸収性物品。
【請求項12】
前記吸収性物品は、前記幅方向の内側に折り畳まれた状態で、前記吸収コアよりも前記幅方向の外側に位置する第1折り目を基点に前記幅方向の内側に折り畳まれた第1折り畳み部と、前記第1折り畳み部の前記幅方向の内側縁に位置する第2折り目を基点に前記幅方向の外側かつ肌側に折り畳まれた第2折り畳み部と、を有し、
前記肌側目印部の全体面積の50%以上の領域は、前記第1折り目及び第2折り目を基点に折り畳まれた状態で覆われている、請求項10に記載の吸収性物品。
【請求項13】
前記前胴回り域の前記肌側目印部及び前記後胴回り域の前記肌側目印部は、前記吸収性物品の前記幅方向の外側部によってそれぞれ覆われており、
前記後胴回り域において前記肌側目印部を覆う領域のシートの枚数は、前記前胴回り域において前記肌側目印部を覆う領域のシートの枚数よりも多い、請求項10に記載の吸収性物品。
【請求項14】
請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の吸収性物品を複数備える吸収性物品群であって、
前記吸収性物品群は、第1吸収性物品と、前記第1吸収性物品と性能が異なる第2吸収性物品と、を備えており、
前記第1吸収性物品の前記非肌側目印部の色と、前記第2吸収性物品の前記非肌側目印部の色と、の色差ΔEは、3.0以下であり、
前記第1吸収性物品の前記肌側目印部の色と、前記第2吸収性物品の前記肌側目印部の色と、の色差ΔEは、3.0以下である、吸収性物品群。
【請求項15】
前記第1吸収性物品及び前記第2吸収性物品は、
前記吸収性物品の前記前後方向の中央に配置され、着用者の股下に配置される股下域と、
前記股下域よりも後側に配置された後胴回り域と、
前記股下域よりも前側に配置された前胴回り域と、
前記後胴回り域において前記幅方向の外側に延出し、前記前胴回り域の非肌面に設けられたターゲット域に止着するファスニングテープと、を有し、
前記第1吸収性物品の前記ターゲット域の色と、前記第2吸収性物品の前記ターゲット域の色と、は異なる、請求項14に記載の吸収性物品群。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装着時に位置決めを行うための目印部を有する吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び2には、装着時に位置決めを行うための目印部を有する吸収性物品が開示されている。例えば、特許文献1には、着色者の身体に対する位置決めを行うための目印部を有する吸収性物品が開示されている。装着補助者は、身体の任意の箇所(例えば、着用者の背骨)に目印部を合わせつつ装着することで、着用者に吸収性物品を適切に装着することができる。また、特許文献2には、吸収性物品に装着するパッドの位置決めを行うための吸収性物品が開示されている。装着補助者は、目印部によってパッドの装着位置を把握でき、吸収性物品にパッドを適切に装着することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-216172号公報
【特許文献2】特開2007-229199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の吸収性物品には、以下の問題があった。
吸収性物品の後胴回り域及び前胴回り域を身体に当てた状態では、装着補助者は、吸収性物品の非肌側から吸収性物品を視認する。このとき、特許文献1及び2に記載の吸収性物品においては、装着補助者は、目印部を視認できず、目印部に基づいて適切な位置に装着できたかを確認することができなかった。適切な位置に吸収性物品を装着できないと、体液の漏れや違和感の発生に繋がるおそれがあった。また、パッドを適切な位置に装着できないと、パッドによって適切に体液を吸収できず、吸収性物品自体を交換することとなり、吸収性物品を節約できないことがあった。
【0005】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、装着補助者が着用者に吸収性物品を適切に装着でき、かつ装着後に適切な位置に装着できたかを確認可能な吸収性物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様に係る吸収性物品は、前後方向及び前記前後方向に直交する幅方向と、装着時に位置決めを行うための目印部と、を有する。前記目印部は、前記吸収性物品の前記幅方向の中心を跨いで前後方向に延び、かつ前記吸収性物品の肌側から視認可能な肌側目印部と、前記吸収性物品の前記幅方向の中心を跨いで前後方向に延び、かつ前記吸収性物品の非肌側から視認可能な非肌側目印部と、を有する。前記肌側目印部は、吸収コアよりも前記前後方向の外側に配置されている。前記非肌側目印部の面積は、前記肌側目印部の面積よりも大きい。前記非肌側目印部の色は、前記肌側目印部の色よりも薄い。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1吸収性物品の肌側から見た平面図である。
【
図2】実施形態に係る第1吸収性物品の非肌側から見た平面図である。
【
図5】第2吸収性物品の肌側から見た平面図である。
【
図6】第2吸収性物品の非肌側から見た平面図である。
【
図7】第1吸収性物品に第2吸収性物品を装着した状態の肌側から見た平面図である。
【
図8】第1吸収性物品の装着工程を説明するための図である。
【
図9】第1吸収性物品及び第2吸収性物品の装着工程を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(1)実施形態の概要
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
態様1に係る吸収性物品は、前後方向及び前記前後方向に直交する幅方向と、装着時に位置決めを行うための目印部と、を有する。前記目印部は、前記吸収性物品の前記幅方向の中心を跨いで前後方向に延び、かつ前記吸収性物品の肌側から視認可能な肌側目印部と、前記吸収性物品の前記幅方向の中心を跨いで前後方向に延び、かつ前記吸収性物品の非肌側から視認可能な非肌側目印部と、を有する。前記肌側目印部は、吸収コアよりも前記前後方向の外側に配置されている。前記非肌側目印部の面積は、前記肌側目印部の面積よりも大きい。前記非肌側目印部の色は、前記肌側目印部の色よりも薄い。吸収性物品は、一般的に使用前に吸収性物品の肌側を内側にして折り畳まれ、吸収性物品の非肌側が外側に向いている。このとき、装着補助者は、面積が大きい非肌側目印部の存在に気づき、位置合わせを行うための目印部の存在を認識できる。また、装着時に身体を吸収性物品に載せる際に、装着補助者は、色が濃い肌側目印部の存在に気づき、肌側目印部に基づいて、吸収性物品の幅方向の中心に身体の中心を合わせることができる。このとき、肌側目印部が吸収コアよりも前後方向の外側に配置されているため、背骨やお臍等、腰回り近傍に対する位置決めを行うことができる。また、吸収性物品の後胴回り域及び前胴回り域を身体に当てた状態では、装着補助者は、吸収性物品の非肌側から吸収性物品を視認する。このとき、装着補助者は、非肌側目印部に基づいて、適切な位置に装着できたかを確認することができる。
【0009】
好ましい態様によれば、態様2に係る発明は、態様1に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記目印部は、前記肌側目印部に対する前記幅方向の両側にそれぞれ配置され、かつ前記吸収性物品の肌側から視認可能な側目印部を有する。前記側目印部の色は、前記肌側目印部の色と異なる。吸収性物品の幅方向の中心を跨ぐ肌側目印部は、吸収性物品上に着用者を乗せた状態及び吸収性物品上にパッドを載せた状態では、覆われてしまい視認し難くなることがある。このとき、側目印部によって位置合わせを行うことができる。側目印部と肌側目印部の色が異なるため、装着補助者は、それぞれを別の目印部として認識できる。
【0010】
好ましい態様によれば、態様3に係る発明は、態様1又は態様2に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記吸収コアの非肌側に配置された液不透過性のバックシートを有する。前記肌側目印部及び前記非肌側目印部は、前記バックシートの肌側の面に付された同一の着色部によって構成されている。本態様によれば、装着補助者は、肌側目印部を視認する際に、バックシートを介さずに着色部を視認でき、肌側目印部を濃く認識できる。一方、装着補助者は、非肌側目印部を視認する際に、バックシートを介して着色部を視認し、非肌側目印部を薄く認識できる。また、肌側目印部及び非肌側目印部が同一の着色部によって構成されているため、これらが別々の着色部によって構成された形態と比較して、肌側目印部と非肌側目印部の位置ずれが生じず、肌側目印部及び非肌側目印部のいずれによって位置決めした場合であっても適切な位置に装着できる。
【0011】
好ましい態様によれば、態様4に係る発明は、態様3に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記吸収コアは、周囲よりも吸収材料の坪量が低い低坪量部を有する。前記着色部は、前記低坪量部に重なっている。本態様によれば、着色部は、低坪量部に重なっている領域において、吸収性物品の肌側から視認することが可能となる。装着補助者が低坪量部を介して着色部を視認することで、吸収コアが配置された領域においても製品中央の位置を把握でき、より適切な位置に装着できる。
【0012】
好ましい態様によれば、態様5に係る発明は、態様4に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記着色部の前記幅方向の長さは、前記着色部と重なる前記低坪量部の前記幅方向の長さよりも長い。本態様によれば、非肌側から吸収性物品を視認した際に、着色部からなる非肌側目印部の面積が大きくなり、肌側から吸収性物品を視認した際に、着色部からなる肌側目印部の面積が小さくなる。着色部の幅方向の長さが比較的長いため、低坪量部が設けられた吸収コアと着色部が設けられたバックシートの位置ずれが生じた場合であっても、着色部と低坪量部を重ねて配置し易い。
【0013】
好ましい態様によれば、態様6に係る発明は、態様4又は態様5に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記低坪量部は、前記吸収コアに形成されたスリットである。前記吸収コアの肌側を覆うコアラップと前記吸収コアの非肌側を覆うコアラップは、前記スリットにおいて接合されている。本態様によれば、コアラップ同士が接合されていることにより、着色部からなる肌側目印部の視認性をより向上できる。
【0014】
好ましい態様によれば、態様7に係る発明は、態様1から態様6のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記肌側目印部の可視光線の波長及び前記非肌側目印部の可視光線の波長は、565Nm以上740Nm以下である。可視光線の波長が565Nm以上740Nm以下である色は、オストワルト色相環によって分類された24色票のうち、1番から9番までに含まれる色であり、黄色、オレンジ色及び赤色に属する色である。吸収性物品を交換したり装着したりする際は、明るい場所のみならず、暗所においても行われることがある。当該色によれば、比較的暗い場所においても、装着補助者が、肌側目印部及び非肌側目印部を認識し易い。
【0015】
好ましい態様によれば、態様8に係る発明は、態様1から態様7に係る発明において、以下の特徴を有してよい。吸収性物品は、前記吸収性物品の前記前後方向の中央に配置され、着用者の股下に配置される股下域と、前記股下域よりも後側に配置された後胴回り域と、前記股下域よりも前側に配置された前胴回り域と、前記後胴回り域において前記幅方向の外側に延出し、前記前胴回り域の非肌面に設けられたターゲット域に止着するファスニングテープと、を有する。前記肌側目印部及び前記非肌側目印部は、前記前胴回り域及び前記後胴回り域にそれぞれ設けられている。本態様によれば、ファスニングテープを広げて吸収性物品上に着用者又はパッドを載せる際に、後胴回り域の肌側目印部によって位置合わせできる。また、前胴回り域を着用者の腹側に当てた際に、非肌側目印部によって位置合わせできる、また、装着後に適切な位置に装着できたか否かを確認できる。
【0016】
好ましい態様によれば、態様9に係る発明は、態様1から態様8のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記ターゲット域は、前記吸収性物品の前記幅方向の中心を跨ぎ、周囲よりも色が濃いターゲット中央部を有する。前記非肌側目印部の前記幅方向の長さは、前記ターゲット中央部の前記幅方向の長さよりも短い。本態様によれば、装着補助者は、ターゲット中央部の幅方向の長さと非肌側目印部の幅方向の長さの違いによって、ターゲット中央部と非肌側目印部を区別して認識でき、両方に基づいて吸収性物品の幅方向の中心の位置合わせを行うことができる。
【0017】
好ましい態様によれば、態様10に係る発明は、態様1から態様9に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記吸収性物品の前記幅方向の外側部は、使用前に前記幅方向の内側に折り畳まれている。前記肌側目印部は、前記幅方向の内側に折り畳まれた状態で、前記吸収性物品の前記幅方向の両側部のうち少なくとも一方によって覆われている。本態様によれば、装着操作時に吸収性物品を展開する過程で、視認できなかった肌側目印部が視認できるようになり、装着補助者は、その変化によって肌側目印部の存在に気づき易い。
【0018】
好ましい態様によれば、態様11に係る発明は、態様10に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記肌側目印部は、前記幅方向の内側に折り畳まれた状態で、前記吸収性物品の前記幅方向の両方の外側部によって覆われている。本態様によれば、装着操作時に吸収性物品の外側部を展開する過程で、両方の外側部によって覆われた状態、一方の外側部によって覆われた状態、及びいずれの外側部によっても覆われていない状態に徐々に変化し、装着補助者は、その変化によって肌側目印部の存在に気づき易い。
【0019】
好ましい態様によれば、態様12に係る発明は、態様10又は態様11に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記吸収性物品は、前記幅方向の内側に折り畳まれた状態で、前記吸収コアよりも前記幅方向の外側に位置する第1折り目を基点に前記幅方向の内側に折り畳まれた第1折り畳み部と、前記第1折り畳み部の前記幅方向の内側縁に位置する第2折り目を基点に前記幅方向の外側かつ肌側に折り畳まれた第2折り畳み部と、を有する。前記肌側目印部の全体面積の50%以上の領域は、前記第1折り目及び第2折り目を基点に折り畳まれた状態で覆われている。第1折り目及び第2折り目を基点に折り畳まれた構造は、いわゆるZ折り構造であり、前記吸収性物品の前記幅方向の外側部は、複数層で積層されている。そのため、吸収性物品が展開される前の状態では、肌側目印部の視認性が低下し、展開することで肌側目印部の視認性が向上する。また、肌側目印部の50%以上の面積が覆われているため、その変化する面積率が高い。装着補助者は、その変化によって肌側目印部の存在に気づき易い。
【0020】
好ましい態様によれば、態様13に係る発明は、態様10から態様12のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記前胴回り域の前記肌側目印部及び前記後胴回り域の前記肌側目印部は、前記吸収性物品の前記幅方向の外側部によってそれぞれ覆われている。前記後胴回り域において前記肌側目印部を覆う領域のシートの枚数は、前記前胴回り域において前記肌側目印部を覆う領域のシートの枚数よりも多い。本態様によれば、装着操作時に吸収性物品を展開する過程における肌側目印部の変化が、前胴回り域と後胴回り域で異なる。肌側目印部の視認性の変化に基づいて、前胴回り域と後胴回り域を区別して認識し易い。装着補助者は、吸収性物品の前後をより認識し易くなる。
【0021】
好ましい態様によれば、態様14に係る発明は、態様1から態様13のいずれかに記載の吸収性物品を複数備える吸収性物品群である。吸収性物品群は、第1吸収性物品と、前記第1吸収性物品と性能が異なる第2吸収性物品と、を備えている。前記第1吸収性物品の前記非肌側目印部の色と、前記第2吸収性物品の前記非肌側目印部の色と、の色差ΔEは、3.0以下である。前記第1吸収性物品の前記肌側目印部の色と、前記第2吸収性物品の前記肌側目印部の色と、の色差ΔEは、3.0以下である。本態様によれば、性能が異なる吸収性物品(例えば、吸収容量が異なる吸収性物品、サイズが異なる吸収性物品)等においても、実質的に同色の肌側目印部及び非肌側目印部を有する。装着補助者は、性能が異なる吸収性物品を装着操作する際においても、同様の役割を有する目印部であると認識でき、肌側目印部及び非肌側目印部を用いて同一の感覚で位置合わせを行うことができる。
【0022】
好ましい態様によれば、態様15に係る発明は、態様14に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記第1吸収性物品及び前記第2吸収性物品は、前記吸収性物品の前記前後方向の中央に配置され、着用者の股下に配置される股下域と、前記股下域よりも後側に配置された後胴回り域と、前記股下域よりも前側に配置された前胴回り域と、前記後胴回り域において前記幅方向の外側に延出し、前記前胴回り域の非肌面に設けられたターゲット域に止着するファスニングテープと、を有する。前記第1吸収性物品の前記ターゲット域の色と、前記第2吸収性物品の前記ターゲット域の色と、は異なる。本態様によれば、装着補助者は、第1吸収性物品と第2吸収性物品との性能の違いをターゲット域の色の違いによって把握しつつ、実質的に同色の目印部によって同一の感覚で位置合わせを行うことができる。
【0023】
(2)吸収性物品の全体概略構成
以下、図面を参照して、実施形態に係る吸収性物品について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。本実施形態に係る吸収性物品は、例えば介護者のような装着補助者が要介護者のような着用者に装着させるタイプのものであることが好ましい。特に、本実施形態に係る吸収性物品は、大人用の使い捨ておむつであることが好ましい。実施形態においては、第1実施形態としてテープ型の使い捨ておむつを説明し、第2実施形態として吸収パッドについて説明するが、本発明に係る吸収性物品は、パンツ型の吸収性物品であってもよい。第1吸収性物品11は、テープ型の使い捨ておむつである。第1吸収性物品11は、単体で使用されていてもよいし、第2吸収性物品(吸収パッド)12と共に使用されてもよいし、他の吸収パッドと共に使用されてもよい。第2吸収性物品12は、使い捨ておむつ等の着用物品の内側に装着されて使用される吸収パッドである。第2吸収性物品12は、第1吸収性物品11と共に使用されてもよいし、他の着用物品と共に使用されていてもよい。なお、以下の説明において、吸収性物品10についての説明は、第1吸収性物品11及び第2吸収性物品12の両方の説明である。
【0024】
図1は、第1吸収性物品11の肌側T1から見た平面図であり、
図2は、第1吸収性物品11の非肌側T2から見た平面図である。
図3は、
図1に示すA-A線の断面図である。
図4は、
図1に示すB-B線の断面図である。
図5は、第2吸収性物品12の肌側T1から見た平面図であり、
図6は、第2吸収性物品12の非肌側T2から見た平面図である。
図6は、第1吸収性物品11の肌面上に第2吸収性物品12を装着した状態の肌側T1から見た平面図である。
図1、
図2、
図5から
図7は、吸収性物品10を構成するシートの皺がなくなる状態まで吸収性物品10を伸長させた状態の図である。
【0025】
吸収性物品10は、着用者の身体前側と身体後側とに延びる前後方向Lと、前後方向Lに直交する幅方向Wと、前後方向L及び幅方向Wに直交する厚み方向Tと、を有する。厚み方向Tは、肌側T1と非肌側T2に延びる。肌側T1は、使用中に着用者の肌に面する側に相当する。非肌側T2は、使用中に着用者の肌とは反対に向けられる側に相当する。吸収性物品10のうち少なくとも第1吸収性物品11は、前胴回り域S1と、後胴回り域S2と、股下域S3と、を有する。第2吸収性物品12は、少なくとも股下域S3を有する。前胴回り域S1は、使用時に着用者の身体前側に面する。後胴回り域S2は、使用時に着用者の身体後側に面する。股下域S3は、前胴回り域S1と後胴回り域S2との間に位置し、使用時に着用者の股下に配置される。第1吸収性物品11における股下域S3は、脚回り開口部65が設けられた領域であり、前胴回り域S1と股下域S3との境界は、脚回り開口部65の前端縁によって規定され、後胴回り域S2と股下域S3との境界は、脚回り開口部65の後端縁によって規定されてよい。
【0026】
吸収性物品10は、少なくとも股下域S3に配置された吸収体50を有する。吸収体50は、股下域S3から前胴回り域S1及び後胴回り域S2へ延びていてよい。吸収体50は、吸収コア51を有する。吸収コア51は、例えば粉砕パルプもしくは高吸収性ポリマー(SAP)、又はこれらの混合物を含む吸収性材料の積層体であってよい。吸収コア51は、コアラップに52によって覆われてよい。コアラップ52は、吸収コア51を覆うように配置され、例えば、ティッシュや不織布シートであってよい。吸収コア51は、周囲よりも吸収材料の坪量が低い低坪量部55を有してよい。低坪量部55は、周囲よりも少ない坪量の吸収材料が配置されていてもよいし、吸収材料が配置されていないスリットであってもよい。本実施の形態の低坪量部55は、スリットによって構成されている。低坪量部55は、吸収コアの幅方向の中央に配置された中央低坪量部551と、中央低坪量部551と幅方向に離間し、吸収コア51の側部に配置された側低坪量部552と、を有してよい。
【0027】
吸収性物品10は、吸収コア51よりも肌側T1に位置し、着用者の肌に当接するトップシート41を有する。トップシート41は、吸収性物品10の肌面(内面)を構成し、センターシート41a及びサイドシート41bを有してよい。センターシート41aは、液透過性を有し、吸収コア51の少なくとも幅方向Wの中心を覆うように配置されてよい。サイドシート41bは、疎水性を有する不織布からなり、吸収コア51の幅方向Wの中心よりも幅方向Wの外側において、幅方向Wにおけるセンターシート41aの両側部を覆うように配置されてよい。サイドシート41bは、後述する防漏伸縮性部材61と共に、起立性の防漏ギャザーを構成してよい。吸収性物品10は、吸収体50よりも非肌側T2に位置し、液不透過性を有するバックシート42を有する。バックシート42は、吸収コア51の全面を覆うように配置されてよい。吸収性物品10は、バックシート42よりも非肌側T2に位置する外装シート43を有してよい。外装シート43は、吸収性物品10の非肌面(外面)を構成してよい。バックシート42は、フィルムによって構成されてよく、トップシート41及び外装シート43は、不織布によって構成されてよい。
【0028】
第1吸収性物品11は、防漏ギャザー60を構成する防漏伸縮性部材61と、脚回り開口部65に配置される脚回り伸縮性部材68と、を有してよい。防漏伸縮性部材61及び脚回り伸縮性部材68は、糸ゴムのような伸縮性部材によって構成されている。防漏伸縮性部材61は、サイドシート41bの内側部に配置されており、サイドシート41bの内側縁部着用者側に起立させる。脚回り伸縮性部材68は、脚回り開口部65に沿って配置されており、脚回り開口部65を着用者の脚回りにフィットさせる。第1吸収性物品11は、後胴回り域S2において幅方向の外側に延出し、前胴回り域S1の非肌面に設けられたターゲット域95に止着するファスニングテープ94を有してよい。ファスニングテープ94は、後胴回り域S2の幅方向Wの両側部に設けられたフラップ部90に配置されてよい。ファスニングテープ94は、ターゲット域95に係合する係合部96を有してよい。
【0029】
図5及び
図6に示すように、第2吸収性物品12は、平面視にて略矩形であってよい。第2吸収性物品12は、吸収体50と、センターシート41a及びバックシート42によって構成されてよく、サイドシート41b、外装シート43、脚回り開口部、防漏ギャザー及びファスニングテープを有していなくてもよい。第2吸収性物品12は、第1吸収性物品11等の着用物品の肌側T1に配置された状態で使用される。第2吸収性物品12のみを交換することで、着用物品を使用し続けることができ、着用物品の交換頻度を低減できる。
【0030】
吸収性物品10は、装着時に位置決めを行うための目印部20を有する。目印部20は、吸収性物品10の肌側T1から視認可能な肌側目印部21と、吸収性物品10の非肌側T2から視認可能な非肌側目印部25と、を有する。本実施の形態において視認可能な目印部20とは、目視にて認識な目印部である。具体的には、例えば、目印部20に隣接する周囲に対する色差ΔEが8以上の目印部は、視認可能な目印部である。または、例えば、昼白色(色温度目安 4600~5400K(ケルビン))で明るく照明された室内(目安:500~750 lx(ルクス))で約30~50cmの距離で、良好な視力(1.0以上)を両眼に有する被験者が見たときに視認可能な目印部は、視認可能な目印部である。また、色差ΔEは、測定対象となる2点(2つの領域)について市販の測色器を用いて測色を行い、JIS Z 8729に規定されるCIE1976(L*a*b*)色空間に基づいて数値化した値を比較することによって求めることができる。具体的に、測定対象である2点間のL*値の差がΔL*、a*の差がΔa*、b*値の差がΔb*であるときに、色差ΔE=[(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2]1/2によって求められる。
【0031】
吸収性物品10は、肌側目印部21と非肌側目印部25の両方によって、装着補助者に対して適切なタイミングでの操作を促すことができる。例えば、吸収性物品の肌側T1又は非肌側T2の一方のみに目印部が設けられた構成にあっては、目印部が設けられていない面を視認する装着補助者に対して、操作を促すことができない。また、装着補助者は、操作を確認するために、吸収性物品10を繰り返しめくって目印部を確認する必要がある。しかし、肌側目印部21と非肌側目印部25との両方を設けることにより、操作性を向上させることができる。目印部20は、吸収性物品10の印刷に適用可能な油性のインクを用い、通常用いられる染料や顔料等有機溶剤や油系の溶剤等、界面活性剤等が含有されたものを用いることができる。印刷方法としては、各種公知の印刷方法を特に制限無く用いることができる。また、目印部20は、着色されたホットメルト型接着剤であってもよいし、着色された部材(例えば、糸ゴム、シート)であってもよい。
【0032】
肌側目印部21は、第1吸収性物品11に配置された第1肌側目印部211と、第2吸収性物品12に配置された第2肌側目印部212と、を有してよい。非肌側目印部25は、第1吸収性物品11に配置された第1非肌側目印部251と、第2吸収性物品12に配置された第2非肌側目印部252と、を有してよい。肌側目印部21及び非肌側目印部25は、吸収性物品10の幅方向の中心(以下、物品幅中心とする)10CWを跨いで前後方向Lに延びてよい。肌側目印部21及び非肌側目印部25は、その少なくとも一部が物品幅中心10CWを跨いでいればよく、物品幅中心10CWを跨いでいない部分を有してもよい。また、肌側目印部21及び非肌側目印部25は、前後方向Lに延びる部分を有していればよく、前後方向Lに延びない部分を有してよい。ここで、前後方向Lに延びる構成は、前後方向Lに平行な構成のみならず、前後方向Lに対して30度以下で傾斜する構成も含む。同様に、幅方向Wに延びる構成は、幅方向Wに平行な構成のみならず、幅方向Wに対して30以下で傾斜する構成も含む。本実施の形態の肌側目印部21及び非肌側目印部25は、前後方向Lに対して平行に延びる直線状である。
【0033】
肌側目印部21は、吸収コア51よりも前後方向Lの外側に配置されている。同様に、非肌側目印部25は、吸収コア51よりも前後方向Lの外側に配置されてよい。肌側目印部21及び非肌側目印部25は、吸収コア51と重なる領域から吸収コア51よりも前後方向Lの外側の領域に連続して延びていてもよいし、吸収コア51と重なる領域と吸収コア51よりも前後方向Lの外側の領域のそれぞれに連続せずに配置されていてもよいし、吸収コア51よりも前後方向Lの外側の領域のみに配置されていてもよい。肌側目印部21及び非肌側目印部25は、前胴回り域S1及び後胴回り域S2にそれぞれ設けられてよく、前胴回り域S1における吸収コア51よりも前側の領域と、後胴回り域S2における吸収コア51よりも後側の領域と、にそれぞれ設けられてよい。本構成によれば、ファスニングテープ94を広げて吸収性物品10上に着用者又は吸収パッドを載せる際に、後胴回り域S2の肌側目印部21によって位置合わせできる。また、前胴回り域S1を着用者の腹側に当てた際に、前胴回り域S1の非肌側目印部25によって位置合わせできる。
【0034】
非肌側目印部25の色は、肌側目印部21の色よりも薄い。ここで色の濃さの比較は、目視にて比較してもよいし、明度によって比較(明度が低い程、色が濃い)してもよい。また、色の濃さが変化する形態にあっては、非肌側目印部25の最も濃い色が、肌側目印部21の最も濃い色よりも薄くてよい。好適には、非肌側目印部25の最も濃い色は、肌側目印部21の最も薄い色よりも薄くてよい。また、装着時には、前胴回り域S1及び後胴回り域S2、特に、ウエスト開口66近傍を身体に対して位置決めする。そのため、好適には、前胴回り域S1及び後胴回り域S2における吸収コア51よりも前後方向Lの外側の領域において、非肌側目印部25の色は、肌側目印部21の色よりも薄くてよい。非肌側目印部25の面積は、肌側目印部21の面積よりも大きい。当該面積は、吸収性物品10の外側から視認できる目印部の面積で比較し、吸収性物品10の非肌側T2から視認できる非肌側目印部25の面積は、吸収性物品10の肌側T1から視認できる肌側目印部21の面積よりも大きい。
【0035】
次いで、装着工程における目印部20を用いた位置合わせについて説明する。
図8は、第1吸収性物品11のみを装着する工程を説明するための図である。
図8(a)は、装着操作を行う前の第1吸収性物品11を示しており、パッケージから取り出した状態の第1吸収性物品11である。第1吸収性物品11は、第1吸収性物品11の肌側T1を内側にして折り畳まれ、第1吸収性物品11の非肌側T2が外側に向いている。より詳細には、第1吸収性物品の外側部(幅方向Wの外側端部)が前後方向Lに延びる前後折り目FLを基点に折り畳まれた後に、股下域S3に配置された幅方向Wに延びる幅折り目FWを基点に折り畳まれている。この状態で、比較的面積が大きい第1非肌側目印部251が目立ち、装着補助者は、第1非肌側目印部251の存在に気づき、位置合わせを行う目印部20の存在を把握できる。
図8(b)は、
図8(a)に示す状態から、幅折り目FWを基点に展開した状態であり、第1吸収性物品11は、前後折り目FLを基点に折り畳まれている。第1肌側目印部211は、前後折り目FLを基点に幅方向Wの内側に折り畳まれた状態で、第1吸収性物品11の幅方向Wの両方の外側部によって覆われてよい。当該構成によれば、装着操作時に第1吸収性物品11の外側部を展開する過程で、両方の外側部によって覆われた状態、一方の外側部によって覆われた状態、及びいずれの外側部によっても覆われていない状態に徐々に変化し、装着補助者は、その変化によって第1肌側目印部211の存在に気づき易い。また、第1肌側目印部211は、前後折り目FLを基点に幅方向Wの内側に折り畳まれた状態で、第1吸収性物品11の幅方向Wの両側部のうち少なくとも一方によって覆われていればよく、両方の外側部によって覆われていなくてもよい。当該構成によっても、装着操作時に第1吸収性物品11を展開する過程で、視認できなかった第1肌側目印部211が段階的に視認できるようになり、装着補助者は、その変化によって第1肌側目印部211の存在に気づき易い。なお、吸収性物品の外側部によって肌側目印部が覆われた形態では、肌側目印部21の全体が覆われていることが好ましいが、肌側目印部21の一部が覆われていればよい。または、他の変形例において、第1肌側目印部211は、前後折り目FLを基点に折り畳まれた状態で覆われていなくてもよい。
【0036】
図8(c)は、を展開した状態であり、
図8(b)に示す状態から、前後折り目FLを基点に展開した状態であり、着用者の背中を後胴回り域に載せる前の状態である。仮に、
図8(b)に示す状態において第1肌側目印部211が覆われている等によって装着補助者が第1肌側目印部211の存在に気づかない場合であっても、装着補助者は、第1吸収性物品11に身体を載せる際に、第1肌側目印部211の存在に気づきやすい。よって、装着補助者は、第1肌側目印部211に基づいて、第1吸収性物品11の物品幅中心10CWに身体の中心を合わせることができる。このとき、第1肌側目印部211が吸収コア51よりも前後方向Lの外側に配置されているため、背骨やお臍等、腰回り近傍に対する位置決めを行うことができる。仮に、第1吸収性物品11の前後方向の一方の端部(例えば、後胴回り域の腰回り近傍)における位置や角度がずれていると、第1吸収性物品11の前後方向Lの他方の端部(例えば、前胴回り域)においては、その角度がよりずれ、また吸収性物品の前後方向の全域に亘ってその幅方向の位置がずれることとなる。最初に位置決めを行う腰回り近傍に対する位置を、第1肌側目印部211によって行うことにより、第1吸収性物品11の前後方向Lの全域に亘って第1吸収性物品11を適切に装着できる。
【0037】
図8(d)は、後胴回り域S2に着用者の背中を乗せた後に、着用者の腹部に対して前胴回り域S1を当てた状態を示している。第1吸収性物品11の後胴回り域S2及び前胴回り域S1を身体に当てた状態では、装着補助者は、第1吸収性物品11の非肌側T2から第1吸収性物品11を視認する。このとき、装着補助者は、第1非肌側目印部251に基づいて適切な位置に第1吸収性物品11を装着できたかを確認することができる。また、テープ型の吸収性物品にあっては、後胴回り域S2のファスニングテープ94を前胴回り域S1のターゲット域95に止着する。このとき、前胴回り域S1に第1非肌側目印部251が配置されている形態にあっては、第1非肌側目印部251の色が薄く目立ちすぎないため、装着補助者がターゲット域95にファスニングテープ94を止着する際に第1非肌側目印部251に気を取られすぎず、ターゲット域95に着目しつつ止着操作を行うことができる。
【0038】
第1吸収性物品11の前後折り目FLは、第1折り目FL1と第2折り目FL2を有してよい。第1折り目FL1は、吸収コア51よりも幅方向Wの外側に位置し、かつ幅方向Wの内側に折り畳むための折り目である。第2折り目FL2は、第1折り目FL1よりも幅方向Wの内側に位置し、幅方向Wの外側に折り畳むための折り目である。第2折り目FL2は、第1折り目FL1を基点に折り畳まれた状態で、吸収コア51の外側縁よりも幅方向の内側に位置してよい。第1吸収性物品11の外側部は、第1折り目FL1によって折り畳まれ、かつ第1折り目FL1と第2折り目FL2の間に位置する第1折り畳み部FLR1と、第2折り目FL2によって折り畳まれた第2折り畳み部FLR2と、を有する。第2折り目FL2は、第1折り目FL1及び第2折り目FL2を基点に折り畳まれた状態で、第1折り畳み部FLR1の内側縁に位置する。第2折り畳み部FLR2は、第1折り畳み部FLR1よりも肌側T1に位置してよい。第1肌側目印部211の全体面積の50%以上の領域は、第1折り目FL1及び第2折り目FL2を基点に折り畳まれた状態で、第1折り畳み部FLR1及び第2折り畳み部FLR2の少なくともいずれかによって覆われてよい。第1折り目FL1及び第2折り目FL2を基点に折り畳まれた構造は、いわゆるZ折り構造であり、複数層で積層されている。そのため、第1吸収性物品11が展開される前の状態では、第1肌側目印部211の視認性が低下し、展開することで第1肌側目印部211の視認性が向上する。また、第1肌側目印部211の50%以上の面積が覆われているため、その変化する面積率が高い。装着補助者は、その変化によって第1肌側目印部の存在に気づき易い。なお、吸収性物品10の外側部は、第1折り目FL1及び第2折り目FL2の両方によって折り畳まれず、第1折り目FL1のみを基点に折り畳まれてよい。第1折り目FL1のみによって折り畳まれた状態で、第1肌側目印部211の少なくとも一部が覆われてよい。
【0039】
前胴回り域S1の第1肌側目印部211及び後胴回り域S2の第1肌側目印部211は、前後折り目FLを基点に折り畳まれた状態で、第1吸収性物品11の幅方向Wの外側部によってそれぞれ覆われてよい。後胴回り域S2において第1肌側目印部211を覆う領域のシートの枚数は、前胴回り域S1において第1肌側目印部211を覆う領域のシートの枚数よりも多くてよい。本構成によれば、装着操作時に第1吸収性物品11を展開する過程における第1肌側目印部211の視認性の変化が、前胴回り域S1と後胴回り域S2で異なる。装着補助者は、第1肌側目印部211の視認性の変化に基づいて、前胴回り域S1と後胴回り域S2を区別して認識し、吸収性物品の前後を間違えることなく装着できる。より詳細には、後胴回り域S2の第1肌側目印部211は、トップシート、バックシートのみならず、フラップ部90によって覆われ、前胴回り域S1の第1肌側目印部211は、トップシート及びバックシートによって覆われてよい。また、変形例において、前胴回り域S1の第1肌側目印部211と後胴回り域S2の第1肌側目印部211の一方は、吸収性物品11の幅方向Wの外側部によって覆われ、前胴回り域S1の第1肌側目印部211と後胴回り域S2の第1肌側目印部211の他方は、吸収性物品11の幅方向Wの外側部によって覆われてなくてもよい。または、前胴回り域S1の第1肌側目印部211が吸収性物品11の幅方向Wの外側部によって覆われていない面積(露出している面積)と、後胴回り域S2の第1肌側目印部211が吸収性物品11の幅方向Wの外側部によって覆われていない面積と、が異なっていてもよい。これらの変形例の構成によっても、第1肌側目印部211の視認性が、前胴回り域S1と後胴回り域S2で異なる。装着補助者は、第1肌側目印部211の視認性に基づいて、前胴回り域S1と後胴回り域S2を区別して認識し、吸収性物品の前後を間違えることなく装着できる。
【0040】
図2に示すように、ターゲット域95は、物品幅中心10CWを跨ぎ、周囲よりも色が濃いターゲット中央部951を有してよい。装着補助者は、ターゲット中央部951によっても前胴回り域S1の幅方向Wの中央を身体に対して位置合わせできる。第1非肌側目印部251の幅方向Wの長さは、ターゲット中央部951の幅方向Wの長さよりも短くてよい。本構成によれば、装着補助者は、ターゲット中央部951の幅方向Wの長さと第1非肌側目印部251の幅方向Wの長さの違いによって、ターゲット中央部951と第1非肌側目印部251を区別して認識でき、ターゲット中央部951と第1非肌側目印部251の両方によって、前胴回り域S1の幅方向Wの中心の位置合わせを行うことができる。ターゲット中央部951は、前後方向Lに延びる帯状であってよく、ターゲット域95の中央のみに配置され、ターゲット域95の外側部に配置されてなくてよい。また、ターゲット中央部951は、ターゲット域95の前後方向Lの全域に亘って連続して設けられてよい。好適には、第1非肌側目印部251とターゲット中央部951は、区別し易く構成されてよい。具体的には、第1非肌側目印部251の色とターゲット中央部951の色が異なってよく、第1非肌側目印部251の幅方向Wの長さがターゲット中央部951の幅方向Wの長さに対する1/2以下であってよい。
【0041】
次いで、使い捨ておむつ及び吸収パッドを併用した際の装着工程について説明する。
図9は、第1吸収性物品11に第2吸収性物品12を乗せた状態で、第1吸収性物品11及び第2吸収性物品12を着用者に装着する工程を説明するための図である。
図9(a)は、装着操作を行う前の第2吸収性物品12を示しており、パッケージから取り出した状態の第2吸収性物品12である。第2吸収性物品12は、第2吸収性物品12の肌側T1を内側にして折り畳まれ、第2吸収性物品12の非肌側T2が外側に向いている。より詳細には、第2吸収性物品12は、股下域S3に位置する幅方向Wに延びる幅折り目FWを基点に折り畳まれている。この状態で、比較的面積が大きい第2非肌側目印部252が目立ち、装着補助者は、第2非肌側目印部252の存在に気づき、位置合わせを行う目印部20の存在を把握できる。
図9(b)は、第1吸収性物品11上に第2吸収性物品12を配置する状態を示した図である。第1肌側目印部211を有し、第2肌側目印部212を有しない(第1吸収性物品11に第2吸収性物品12以外の吸収パッド等を載せる)形態にあっては、装着補助者は、第1肌側目印部211に基づいて吸収パッドの位置合わせを行うことができる。また、第2肌側目印部212を有し、第1肌側目印部211を有しない(第2吸収性物品12を、第1吸収性物品11以外の着用物品等に載せる)形態にあっては、装着補助者は、第2肌側目印部212に基づいて着用物品に対する吸収パッドの位置合わせを行うことができるまた、第1肌側目印部211及び第2肌側目印部212の両方を有する(第1吸収性物品11に第2吸収性物品12を載せる)形態にあっては、装着補助者は、第1肌側目印部211と第2肌側目印部212の両方によって、両者の位置合わせも行うことができる。
【0042】
図9(c)は、第1吸収性物品11及び第2吸収性物品12に着用者の背中を乗せた後に、着用者の腹部に対して第2吸収性物品12のみを当てた状態を示している。装着補助者は、第2吸収性物品12の非肌側T2から第2吸収性物品12を視認する。このとき、装着補助者は、第2非肌側目印部252に基づいて、第2吸収性物品12が適切な位置に装着できたかを確認することができる。
図9(c)に示すように、第2吸収性物品12のみを腹部に当てて第2吸収性物品12の位置合わせをした後に、第1吸収性物品11を腹部に当ててもよいが、例えば、第1吸収性物品11及び第2吸収性物品12に着用者の背中を乗せた後に、着用者の腹部に対して第2吸収性物品12のみを当てずに、第1吸収性物品11及び第2吸収性物品を共に着用者の腹部に対して当ててもよい。
図9(d)は、第1吸収性物品11及び第2吸収性物品12を腹部に当てた状態を示している。装着補助者は、第1吸収性物品11の非肌側T2から第1吸収性物品11を視認する。このとき、装着補助者は、第1吸収性物品11の第1非肌側目印部251に基づいて、第2吸収性物品12を載せた第1吸収性物品11が適切な位置に装着できたかを確認することができる。
【0043】
図1に示すように、第1吸収性物品11の目印部20は、第1肌側目印部211に対する幅方向Wの両側にそれぞれ配置され、かつ第1吸収性物品11の肌側T1から視認可能な側目印部27を有してよい。側目印部27の色は、肌側目印部21の色と異なってよい。ここで、色が異なるとは、2色の色差ΔEが3.0よりも大きくてよい。または、色が異なるとは、オストワルト色相環によって分類された24色の色票において異なる色票であってよい。両者の色が異なるため、装着補助者は、両者を異なる目印部として認識し易い。本実施の形態の側目印部27は、防漏伸縮性部材61によって構成されており、防漏伸縮性部材61自体が肌側目印部21と異なる色に着色されている。なお、変形例において、側目印部27は、吸収性物品を構成するシート等に印刷等によって着色された着色部によって構成されてもよい。物品幅中心10CWを跨ぐ第1肌側目印部211は、吸収性物品10上に着用者を乗せた状態及び吸収性物品10上に吸収パッドを載せた状態では、覆われてしまって視認され難くなることがある。このとき、側目印部27によって吸収性物品10の位置合わせを行うことができる。側目印部27と肌側目印部21の色が異なるため、装着補助者は、それぞれを別の目印部20として認識できる。なお、側目印部27は、背中に対する位置合わせを行うために、後胴回り域S2に設けられていることが好ましい。また、側目印部27は、吸収性物品10の前後方向Lの向きを適切に配置するために、前後方向Lに延びてよい。また、側目印部27は、吸収コア51の位置合わせを行うために、吸収コア51と重なって配置されてよい。側目印部27と肌側目印部21は、区別して認識されることが好ましく、幅方向Wに離間して、互いに接していないことが好ましい。側目印部27と肌側目印部21との距離は、各目印部の最大幅よりも長いことが好ましい。
【0044】
肌側目印部21及び非肌側目印部25は、別々の着色部によって構成されていてもよいし、同一の着色部によって構成されていてもよい。本実施の形態の肌側目印部21及び非肌側目印部25は、同一の着色部29によって構成されている。着色部29は、バックシート42の肌側T1の面に付されている。また、肌側目印部21及び非肌側目印部25が同一の着色部29によって構成されているため、これらが別々の着色部によって構成された形態と比較して、肌側目印部21と非肌側目印部25の位置ずれが生じず、肌側目印部21及び非肌側目印部25のいずれによって位置決めした場合であっても適切な位置に装着できる。当該着色部29よりも非肌側T2には、バックシート42及び外装シート43が配置されている。吸収体50が配置されていない領域では、当該着色部29より肌側T1には、トップシート41及びバックシート42が配置されている。吸収体50が配置された領域では、当該着色部29より肌側T1には、吸収体50及びトップシート41が配置されている。吸収体50が配置されていない領域では、バックシート42の光線透過率が、トップシート41の光線透過率及び外装シート43の光線透過率と比較して低いため、非肌側目印部25の色が薄く認識され、肌側目印部21の色が濃く認識される。吸収体50が配置された領域では、吸収コア51の光線透過率が、吸収性物品を構成する他の構成部材よりも低いため、吸収性物品の肌側T1から吸収コアを介して着色部29を視認できず、肌側目印部21の面積が小さくなる。
【0045】
肌側目印部21の可視光線の波長及び非肌側目印部25の可視光線の波長は、565Nm以上740Nm以下であってよい。可視光線の波長が565Nm以上740Nm以下である色は、オストワルト色相環によって分類された24色票のうち、1番から9番までに含まれる色であり、黄色、オレンジ色及び赤色に属する色である。吸収性物品10を交換したり装着したりする際は、明るい場所のみならず、暗所においても行われることがある。当該色によれば、比較的暗い場所においても、装着補助者が、肌側目印部21及び非肌側目印部25を認識し易い。ここで、暗所とは、豆電球による明るさの環境とし、具体的には10ルクス以下の明るさの環境とする。
【0046】
肌側目印部21の色と、非肌側目印部25の色は、同じであってよい。ここで、色が同じとは、2色の色差ΔEが3.0以下であってよい。または、色が同じとは、オストワルト色相環によって分類された24色の色票において同じ色票であってよい。当該構成によれば、装着補助者は、肌側目印部21と非肌側目印部25を共に装着工程において用いられる目印部として認識でき、装着工程において目印部20を用いた位置合わせを継続的に行い易い。変形例において、肌側目印部21の色と、非肌側目印部25の色は、異なってもよい。当該構成によれば、装着補助者は、肌側目印部21と非肌側目印部25を区別して認識でき、それぞれを混同することなく、位置合わせを行い易い。また、本実施の形態では、第1肌側目印部211と第2肌側目印部212は、同じ色及び同じ形状(いずれも直線状)であるが、変形例において、同じ色及び同じ形状の少なくとも一方が異なっていてもよい。また、本実施の形態では、第1肌側目印部211の幅は、第2肌側目印部212の幅と異なっているが、第2肌側目印部212の幅と同じであってもよい。同様に、第1非肌側目印部251と第2非肌側目印部252は、同じ色及び同じ形状(いずれも直線状)であるが、変形例において、同じ色及び同じ形状の少なくとも一方が異なっていてもよい。また、本実施の形態では、第1非肌側目印部251の幅は、第2非肌側目印部252の幅と異なっているが、第2肌側目印部212の幅と同じであってもよい。
【0047】
第1肌側目印部211を構成する着色部29は、吸収コア51の低坪量部55に重なってよい。着色部29は、低坪量部55に重なっている領域において、第1吸収性物品11の肌側T1から視認可能であってよい。低坪量部55を介して視認可能な着色部29は、第1肌側目印部211を構成する。当該構成によれば、装着補助者が低坪量部55を介して着色部29を視認することで、吸収コア51が配置された領域においても製品中央の位置を把握でき、より適切な位置に装着できる。本実施の形態では、着色部29は、中央低坪量部551に重なって配置されており、側低坪量部552に重なっていない。当該構成によれば、装着補助者が吸収コア51を視認した際に、第1肌側目印部211の有無によって、中央低坪量部551と側低坪量部552のそれぞれの位置をより把握し易く、吸収コア51の位置合わせを適切に行うことができる。また、第1肌側目印部211は、前後方向Lに連続して配置され、中央低坪量部551は、前後方向Lに間隔を空けて配置されている。よって、中央低坪量部551を介して視認可能な第1肌側目印部211が前後方向Lに間隔を空けて配置される。よって、各中央低坪量部551の位置や存在がより目立ち、装着補助者は、中央低坪量部551と側低坪量部552のそれぞれの位置をより把握し易く、吸収コア51の位置合わせを適切に行うことができる。
【0048】
着色部29の幅方向Wの長さは、着色部29と重なる低坪量部55の幅方向Wの長さよりも長くてよい。本構成によれば、第1吸収性物品11を非肌側T2から視認した際に、着色部29からなる第1非肌側目印部251の面積が大きくなり、第1吸収性物品11を肌側T1から視認した際に、着色部29からなる第1肌側目印部211の面積が小さくなる。また、着色部29の幅方向Wの長さが比較的長いため、低坪量部55が設けられた吸収コア51と着色部29が設けられたバックシート42の位置ずれが生じた場合であっても、着色部29と低坪量部55を重ねて配置し易い。好適には、着色部29の幅方向Wの外側縁は、中央低坪量部551の外側縁よりも両側に配置されてよい。また、着色部29の前後方向Lの長さは、中央低坪量部551の前後方向Lの長さよりも長くてよい。好適には、低坪量部55は、吸収コア51に形成されたスリットであって、吸収コア51の肌側T1を覆うコアラップ52と吸収コア51の非肌側T2を覆うコアラップ52は、スリットにおいて接合されてよい。本構成によれば、コアラップ同士が接合されていることにより、着色部29からなる第1肌側目印部211の視認性をより向上できる。
【0049】
次いで、吸収性物品群100について、
図10に基づいて詳細に説明する。吸収性物品群100は、複数の吸収性物品を備え、第1吸収性物品15と第2吸収性物品16を少なくとも有する。上述の第1吸収性物品11と第2吸収性物品12は、異なる用途(大人用の使い捨ておむつと吸収パッド)である。しかし、吸収性物品群100を構成する第1吸収性物品15及び第2吸収性物品16は、同じ用途の吸収性物品(例えば、いずれも大人用の使い捨ておむつ)であってよい。第1吸収性物品15と第2吸収性物品16は、同じ用途であるが、性能が異なる。性能が異なるとは、具体的には、サイズ違い及び吸収容量の違いを例示できる。第1吸収性物品15と第2吸収性物品16は、上述の第1吸収性物品11の特徴又は第2吸収性物品12の特徴を備えてよく、少なくとも肌側目印部21と非肌側目印部25を有する。第1吸収性物品15の非肌側目印部255の色と、第2吸収性物品16の非肌側目印部256の色と、の色差ΔEは、3.0以下である。また、第1吸収性物品15の第1肌側目印部215の色と、第2吸収性物品の第2肌側目印部216の色と、の色差ΔEは、3.0以下である。性能が異なる吸収性物品(例えば、吸収容量が異なる吸収性物品、サイズが異なる吸収性物品)等においても、実質的に同色の肌側目印部及び非肌側目印部を有する。装着補助者は、性能が異なる吸収性物品を装着操作する際においても、同様の役割を有する目印部であると認識でき、肌側目印部及び非肌側目印部を用いて同一の感覚で位置合わせを行うことができる。
【0050】
第1吸収性物品15のターゲット域95の色と、第2吸収性物品16のターゲット域95の色と、は異なってよい。第1吸収性物品15のターゲット域95の色と第2吸収性物品16のターゲット域95の色は、一部異なっていればよく、一部重複していてもよい。本構成によれば、装着補助者は、第1吸収性物品15の性能と第2吸収性物品16の性能との違いを、ターゲット域95の色の違いによって把握しつつ、実質的に同色の目印部によって同一の感覚で位置合わせを行うことができる。より好適には、第1吸収性物品15のターゲット中央部951の色と、第2吸収性物品16のターゲット中央部951の色とが異なっていてよい。
【0051】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0052】
10、11、12、15、16 :吸収性物品
20 :目印部
21、211、212、215、216 :肌側目印部
25、251、252、255、256 :非肌側目印部
27 :側目印部
29 :着色部
42 :バックシート
51 :吸収コア
52 :コアラップ
55 :低坪量部
94 :ファスニングテープ
95 :ターゲット域
951 :ターゲット中央部
FL :折り目
FL1 :第1折り目
FL2 :第2折り目
FW :幅折り目
L :前後方向
S1 :前胴回り域
S2 :後胴回り域
S3 :股下域
T :厚み方向
T1 :肌側
T2 :非肌側
W :幅方向