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  • 特開-洗浄剤および水溶性汚れの除去方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182530
(43)【公開日】2023-12-26
(54)【発明の名称】洗浄剤および水溶性汚れの除去方法
(51)【国際特許分類】
   C11D 17/08 20060101AFI20231219BHJP
   C11D 1/72 20060101ALI20231219BHJP
   C11D 1/722 20060101ALI20231219BHJP
   C11D 3/18 20060101ALI20231219BHJP
   C11D 1/04 20060101ALI20231219BHJP
   C11D 3/30 20060101ALI20231219BHJP
   B08B 3/12 20060101ALI20231219BHJP
   B08B 3/04 20060101ALI20231219BHJP
   C11D 1/74 20060101ALI20231219BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
C11D17/08
C11D1/72
C11D1/722
C11D3/18
C11D1/04
C11D3/30
B08B3/12 A
B08B3/04 Z
C11D1/74
C11D3/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079202
(22)【出願日】2023-05-12
(31)【優先権主張番号】P 2022096124
(32)【優先日】2022-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000003300
【氏名又は名称】東ソー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】飯田 尚志
(72)【発明者】
【氏名】氏田 浩二
(72)【発明者】
【氏名】岩部 一宏
(72)【発明者】
【氏名】大川 朋裕
【テーマコード(参考)】
3B201
4H003
【Fターム(参考)】
3B201AA47
3B201AA48
3B201AB13
3B201BB02
3B201BB83
3B201BB92
3B201BB94
3B201BB95
3B201CB15
3B201CC01
3B201CC15
3B201CD11
3B201CD22
4H003AB03
4H003AC08
4H003AC23
4H003DA05
4H003DA11
4H003DA14
4H003DB01
4H003DC02
4H003EB04
4H003EB13
4H003ED03
4H003FA04
(57)【要約】
【課題】 本発明は、現行の規制対象物質を含まない、且つ発泡が少ないW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤、及びその用途を提供することを目的とする。
【解決手段】
炭素数6~16のモノカルボン酸、炭素数6~16のモノアルキルアミン、炭素数10~14の炭化水素、及びノニオン性界面活性剤を含んでなる炭化水素系洗浄液、および水からなるW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤であって、前記のノニオン性界面活性剤が、少なくとも、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルからなる界面活性剤(1)、並びにポリオキシアルキレンフェニルアルキルエーテル、ポリオキシアルキレングリコール、及びポリオキシアルキレンエステル化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の界面活性剤(2)を含むことを特徴とする、W/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤を用いる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素数6~16のモノカルボン酸、炭素数6~16のモノアルキルアミン、炭素数10~14の炭化水素、及びノニオン性界面活性剤を含んでなる炭化水素系洗浄液、および水からなるW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤であって、前記のノニオン性界面活性剤が、少なくとも、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルからなる界面活性剤(1)、並びにポリオキシアルキレンフェニルアルキルエーテル、ポリオキシアルキレングリコール、及びポリオキシアルキレンエステル化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の界面活性剤(2)を含むことを特徴とする、W/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤。
【請求項2】
前記の炭化水素系洗浄液の組成が、炭素数6~16のモノカルボン酸 0.05~2重量%、炭素数6~16のモノアルキルアミン 0.05~2重量%、炭素数10~14の炭化水素 99.9~94重量%、ノニオン性界面活性剤の合計 0重量%より多く3重量%以下である、請求項1に記載のW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤。
【請求項3】
前記の炭化水素系洗浄液と水の組成比が、炭化水素系洗浄液 90容量部に対して、水 3~90容量部である、請求項1に記載のW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤。
【請求項4】
前記の炭化水素系洗浄液と水の組成比が、炭化水素系洗浄液 90容量部に対して、水 4~25容量部である、請求項1に記載のW/Оエマルジョン型炭化水素系洗浄剤。
【請求項5】
前記の界面活性剤(1)と界面活性剤(2)との組成比が、界面活性剤(1) 1重量部に対して、界面活性剤(2)が1~15重量部である、請求項1に記載のW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤。
【請求項6】
前記の界面活性剤(2)が、ポリオキシアルキレンベンジルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、及びポリオキシエチレンモノオレエートからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載のW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤。
【請求項7】
洗浄装置の洗浄槽に、請求項1乃至6のいずれかに記載のW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤、及び被洗浄物を投入し、前記のW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤をW/Oエマルジョン化する物理力を作用させることによって、常圧下又は減圧下で、被洗浄物を洗浄することを特徴とする洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、W/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤、及びその用途に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車、機械、精密機器、電気産業、又は電子産業等の各分野において製品組み立てに使用される部品(例えば、金属部品、非金属部品、電子部品、ガラス、又はレンズ等)は、切削、研削、又は研磨などの機械加工によって製造されるものが多く、その加工の際に様々な加工油(例えば、水溶性加工油)が使用される。前記の機械加工された部品は、洗浄剤を用いて洗浄され、前記加工油が洗い流された後、出荷され使用される。
【0003】
前記の加工油に対する洗浄剤として、W/Oエマルジョン型非ハロゲン系の工業用脱脂洗浄剤が報告されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、小径の止まり穴のようなW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤が侵入しにくい小さな空隙を有する部品を洗浄する場合、前記部品を単純に洗浄剤中に浸し込むだけでは、前記空隙内の洗浄が不完全になりやすい。このため、前記のような部品を洗浄する場合、部品と洗浄剤を投入した洗浄槽を減圧し、再び常圧に戻し、また減圧する、という減圧・減圧解除操作を繰り返す真空洗浄が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7-268394号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記の真空洗浄では、減圧に伴って洗浄剤が発泡するが、多量の発泡は洗浄装置を破損させる場合がある為、減圧時の発泡が少ない洗浄剤が求められている。
【0007】
加えて、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、又はポリオキシエチレンアルキルエーテル等のような規制対象物質を含まない洗浄剤の開発が求められている。
【0008】
本発明は、現行の規制対象物質を必須成分として含まない、且つ発泡が少ないW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤、及びその用途を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる事情をふまえ、本発明者らは前述の課題を解決すべく種々の検討を重ねた結果、下記に示す発明を見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、
[1] 炭素数6~16のモノカルボン酸、炭素数6~16のモノアルキルアミン、炭素数10~14の炭化水素、及びノニオン性界面活性剤を含んでなる炭化水素系洗浄液、および水からなるW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤であって、前記のノニオン性界面活性剤が、少なくとも、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルからなる界面活性剤(1)、並びにポリオキシアルキレンフェニルアルキルエーテル、ポリオキシアルキレングリコール、及びポリオキシアルキレンエステル化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の界面活性剤(2)を含むことを特徴とする、W/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤。
【0011】
[2] 前記の炭化水素系洗浄液の組成が、炭素数6~16のモノカルボン酸 0.05~2重量%、炭素数6~16のモノアルキルアミン 0.05~2重量%、炭素数10~14の炭化水素 99.9~94重量%、ノニオン性界面活性剤の合計 0重量%より多く3重量%以下である、前記[1]に記載のW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤。
【0012】
[3] 前記の炭化水素系洗浄液と水の組成比が、炭化水素系洗浄液 90容量部に対して、水 3~90容量部である、前記[1]または[2]に記載のW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤。
【0013】
[4] 前記の炭化水素系洗浄液と水の組成比が、炭化水素系洗浄液 90容量部に対して、水 4~25容量部である、前記[1]または[2]に記載のW/Оエマルジョン型炭化水素系洗浄剤。
【0014】
[5] 前記の界面活性剤(1)と界面活性剤(2)との組成比が、界面活性剤(1) 1重量部に対して、界面活性剤(2)が1~15重量部である、前記[1]乃至[4]のいずれかに記載のW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤。
【0015】
[6] 前記の界面活性剤(2)が、ポリオキシアルキレンベンジルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、及びポリオキシエチレンモノオレエートからなる群より選ばれる少なくとも1種である、前記[1]乃至[5]のいずれかに記載のW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤。
【0016】
[7] 洗浄装置の洗浄槽に、前記[1]乃至[6]のいずれかに記載のW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤、及び被洗浄物を投入し、前記のW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤をW/Oエマルジョン化する物理力を作用させることによって、常圧下又は減圧下で、被洗浄物を洗浄することを特徴とする洗浄方法。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、現行の規制対象物質を必須成分として含まない、且つ発泡が少ないW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤、及びその用途を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0019】
本発明は、炭素数6~16のモノカルボン酸、炭素数6~16のモノアルキルアミン、炭素数10~14の炭化水素、及びノニオン性界面活性剤を含んでなる炭化水素系洗浄液、および水からなるW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤であって、前記のノニオン性界面活性剤が、少なくとも、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルからなる界面活性剤(1)、並びにポリオキシアルキレンフェニルアルキルエーテル、ポリオキシアルキレングリコール、及びポリオキシアルキレンエステル化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の界面活性剤(2)を含むことを特徴とする、W/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤に係る。
【0020】
本発明において、W/Oエマルジョン(油中水滴型エマルジョン)とは、水滴が炭化水素液体中に分散した系を意味しており、不透明の白濁した液体を意味する。
【0021】
本発明のW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤は、洗浄剤として用いられている時は、エマルジョン化の物理力を受けて不透明の白濁状態となっているが、一定時間静置すると、炭化水素液中に分散していた水滴が合一してエマルジョン状態が解消され、水相と油相に分離するという性質を有する。前記の水相と油相に分離した状態のW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤についても、本発明のW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤に含まれる。
【0022】
また、W/Oエマルジョンの相分離とは、水滴同士の合一と水滴が炭化水素との比重差による沈降とによって、W/Oエマルジョン相が縮小するとともに水相および油相が増大し、上相(油相)と下相(水)の2相に分離することを意味する。
【0023】
なお、W/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤の成分や組成によっては、分離した2相の中間にわずかにエマルジョン相が残存したり、油相に水滴が残り完全に透明にならなかったりする場合があるが、本発明の趣旨を逸脱するものではない。
【0024】
本発明で用いる炭素数6~16のモノカルボン酸としては、特に限定するものではないが、例えば、n-カプロン酸、イソカプロン酸、2-エチル-1-ブタン酸、2-メチル-1-ペンタン酸、3-メチル-1-ペンタン酸、4-メチル-1-ペンタン酸、n-ヘプタン酸、n-カプリル酸(n-オクタン酸)、2-エチルヘキサン酸、2-n-プロピル-1-ペンタン酸、n-ノナン酸、n-カプリン酸、n-ウンデカン酸、n-ドデシル酸、n-テトラデカン酸、又はn-ヘキサデカン酸等が挙げられる。
【0025】
当該炭素数6~16のモノカルボン酸については、単品を用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
【0026】
前記の炭素数6~16のモノカルボン酸については、発泡を少なく抑えられる点で、炭素数6~10のモノカルボン酸が好ましく、n-カプロン酸、n-カプリル酸(n-オクタン酸)、及び2-エチルヘキサン酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上の混合物であることがより好ましく、n-カプリル酸(n-オクタン酸)であることがより好ましい。
【0027】
また、炭素数6~16のモノアルキルアミンとしては、特に限定するものではないが、例えば、n-ヘキシルアミン、n-ヘプチルアミン、n-オクチルアミン、2-アミノオクタン、2-エチルヘキシルアミン、1,5-ジメチルヘキシルアミン、n-ノニルアミン、n-デシルアミン、n-ウンデシルアミン、n-ドデシルアミン、n-テトラデシルアミン、又はn-ヘキサデシルアミン等が挙げられる。
【0028】
当該炭素数6~16のモノアルキルアミンについては、単品を用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
【0029】
前記の炭素数6~16のモノアルキルアミンについては、発泡を少なく抑えられる点で、炭素数6~10のモノアルキルアミンが好ましく、n-ヘキシルアミン、n-オクチルアミン、及び2-エチルヘキシルアミンからなる群より選ばれる1種又は2種以上の混合物であることがより好ましく、n-オクチルアミンであることがより好ましい。
【0030】
本発明で用いる炭素数10~14の炭化水素としては、特に限定するものではないが、例えば、n-デカン、3,4-ジエチルヘキサン、2,6-ジメチルオクタン、3,3-ジメチルオクタン、3,5-ジメチルオクタン、4,4-ジメチルオクタン、3-エチル-3-メチルヘプタン、2-メチルノナン、3-メチルノナン、4-メチルノナン、5-メチルノナン、n-ウンデカン、n-ドデカン、2-メチルウンデカン、3-メチルウンデカン、2,2,4,6,6-ペンタメチルヘプタン、若しくはn-トリデカン等の飽和脂肪族炭化水素、4-メチル-1-イソプロピルシクロヘキサン、若しくはデカリン等の脂環式炭化水素、又はジエチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン、若しくは1-ペンチルベンゼン等の芳香族炭化水素が挙げられる。
【0031】
当該炭素数10~14の炭化水素については、単品を用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
【0032】
前記の炭素数10~14の炭化水素については、発泡を少なく抑えられる点で、炭素数10~12の炭化水素が好ましく、デカン、ウンデカン、及びドデカンからなる群より選ばれる1種又は2種以上の混合物であることがより好ましい。
【0033】
ノニオン性界面活性剤としては、少なくとも、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルからなる界面活性剤(1)、並びにポリオキシアルキレンフェニルアルキルエーテル、ポリオキシアルキレングリコール、及びポリオキシアルキレンエステル化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の界面活性剤(2)が含まれるものが用いられる。
【0034】
前記の界面活性剤(2)については、発泡を少なく抑えられる点で、ポリオキシプロピレンフェニルアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンフェニルアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンモノオレエート、ポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、及びポリオキシアルキレンベンジルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の界面活性剤(2)であることが好ましく、ポリオキシエチレンベンジルエーテル、ポリオキシエチレンモノオレイルエステル、及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種の界面活性剤(2)であることがより好ましい。
【0035】
これらの界面活性剤(2)は、2種以上を混合して使用することができるが、HLB値(親水性親油性バランス値)が10以下、好ましくは3~10であって、本発明で使用する炭化水素に溶解させることができ、水を加え、物理力を与えたときにゲル化しないものが好ましい。
【0036】
前記の水としては、特に限定するものではないが、イオン交換水、蒸留水、水道水などを使用することができる。
【0037】
前記の炭化水素系洗浄液については、本発明の特徴を逸脱しない範囲で、その他の添加物を含んでいてもよい。
【0038】
前記の添加物としては、特に限定するものではないが、例えば、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、若しくはドデカノール等のアルコール類、ジエチレングリコールアルキルエーテル類、プロピレングリコールアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールアルキルエーテル類、若しくは3-メチル-3-メトキシブタノール類等のグリコールエーテル類、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、チモール、メトキシフェノール、没食子酸n-プロピル、若しくはヒドロキノン等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、イミダゾール類、又は無機塩類が挙げられる。
【0039】
前記の炭化水素系洗浄液における、前記の炭素数6~16のモノカルボン酸、及び前記の炭素数6~16のモノアルキルアミンの含有量は、発泡を少なく抑えられる点で、各々独立して、0.05~2重量%であることが好ましく、各々独立して、0.1~1重量%であることがより好ましい。
【0040】
また、発泡を少なく抑えられる点で、前記の炭素数6~16のモノカルボン酸に対する前記の炭素数6~16のモノアルキルアミンの配合量は、モル比で、前記の炭素数6~16のモノカルボン酸 1モルに対して、前記の炭素数6~16のモノアルキルアミンが0.5~1.5の範囲であることが好ましい。
【0041】
前記の炭化水素系洗浄液における、前記の炭素数10~14の炭化水素の含有量は、発泡を少なく抑えられる点で、前記の炭化水素系洗浄液を100重量%として、94~99.9重量%であることが好ましく、95~99重量%であることがより好ましい。
【0042】
前記の炭化水素系洗浄液における、前記のノニオン性界面活性剤の含有量は、発泡を少なく抑えられる点で、前記の炭化水素系洗浄液を100重量%として、0重量%より多く3重量%以下であることが好ましく、相分離の速度を適度に制御できる点で、0.1~3重量%であることがより好ましく、1~3重量%であることがより好ましい。
【0043】
また、前記の界面活性剤(1)と前記の界面活性剤(2)の組成比は、発泡を少なく抑えられる点で、界面活性剤(1) 1重量部に対して、界面活性剤(2)が1~15重量部の範囲であることが好ましく、相分離の速度を適度に制御できる点で、界面活性剤(1) 1重量部に対して、界面活性剤(2)が1~10重量部の範囲であることがより好ましい。
【0044】
前記の炭化水素系洗浄液が前記の添加剤を含有する場合、その含有量は、発泡を少なく抑えられる点で、前記の炭化水素系洗浄液を100重量%として、0.01~3重量%であることがより好ましく、0.1~2重量%であることがより好ましい。
【0045】
当該W/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤における前記の炭化水素系洗浄液と水の配合割合は、発泡を少なく抑えられる点で、炭化水素系洗浄液 90容量部に対して、水 3~90容量部の範囲であることが好ましく、W/Oエマルジョンを形成させやすい点で、炭化水素系洗浄液 90容量部に対して、水 4~50容量部の範囲であることがより好ましく、炭化水素系洗浄液 90容量部に対して、水 5~20容量部の範囲であることがより好ましい。
【0046】
本発明のW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤については、被洗浄物と共に洗浄装置の洗浄槽に投入され、前記のW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤をW/Oエマルジョン化する物理力を作用させることによって、常圧下又は減圧下で、前記の被洗浄物を洗浄することができる。
【0047】
以下、一例として、図1で概略的に示した「洗浄システム」を用いた場合の前記のW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤による被洗浄物の洗浄方法について説明する。
【0048】
水溶性加工油が付着した被洗浄物は、前記のW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤と一緒に洗浄装置の1:洗浄槽に投入され、減圧・減圧解除を繰り返しつつ被洗浄物を超音波洗浄する工程によって水溶性加工油等の汚れが除去される。
【0049】
次に、前記の1:洗浄槽から取り出された被洗浄物は、前記の炭化水素系洗浄液と共に2:濯ぎ槽1に投入されて、前記の炭化水素系洗浄液による濯ぎ(濯ぎ工程1)が行われる。
【0050】
さらに、前記の2:濯ぎ槽1から取り出された被洗浄物は、前記の炭素数10~14の炭化水素と共に2:濯ぎ槽2に投入されて、前記の炭素数10~14の炭化水素による濯ぎ(濯ぎ工程2)が行われる。
【0051】
最後に、前記の3:濯ぎ槽2から取り出された被洗浄物は、6:乾燥機において乾燥され、洗浄が完了する。
【0052】
このような工程を経ることによって、完全に洗浄された被洗浄物を取得することができる。
【0053】
なお、前記の1:洗浄槽で洗浄に用いた本発明のW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤については、静置することによって、水相と油相に相分離させることができる。なお、洗い落とされた水溶性加工油等の汚れについては、その大半が水相中に溶解している。このため前記で分相した水相を、純水に置換することによってW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤を再生し、再利用することができる。
【0054】
前記の被洗浄物については、特に限定するものではないが、例えば、自動車、機械、精密機器、電気産業、又は電子産業等の各分野において製品組み立てに使用される部品(例えば、金属部品、非金属部品、電子部品、ガラス、又はレンズ等)が挙げられる。
【0055】
前記の被洗浄物については、少なくとも、切削、研削、又は研磨等の加工時に付着した汚れを有するものであるが、当該汚れについては、加工油を含むものであることが好ましく、水溶性加工油を含むものであることがより好ましい。
【0056】
減圧・減圧解除を繰り返して洗浄を行う際の減圧時の真空度については特に限定しないが、常温においてW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤中の水の蒸発を防ぐため、2~100kPa(絶対圧)が好ましい。
【0057】
なお、本発明のW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤については、鉄系の被洗浄物を洗浄しても錆びるなどの問題が生じにくい。この理由は理論的に明らかではないが、前記の炭素数6~16のモノカルボン酸、及び/又は前記の炭素数6~16のモノアルキルアミンが被洗浄物に吸着し、その結果、水と被洗浄物が直接接触しなくなるため、又は水と被洗浄物の接触時間が極めて短くなるためと考えられる。
【0058】
前記のW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤をW/Oエマルジョン化する物理力としては、特に限定するものではないが、例えば、超音波発振器による超音波照射、撹拌機やホモジェナイザーによる撹拌、又はポンプによる液循環等が挙げられる。これらの手段については、洗浄槽のサイズなどに応じて単独で使用してもよいし、併用して使用してもよい。
【0059】
前記のW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤を用いて前記の被洗浄物を洗浄した場合、前記の被洗浄物の表面には前記のW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤が付着して残存することになる。
【0060】
前記の被洗浄物については、さらに、前記の炭化水素系洗浄液を用いた濯ぎ(濯ぎ工程1)を行い、次いで、前記の炭素数10~14の炭化水素を用いた濯ぎ(濯ぎ工程2)を行うことによって、付着した前記のW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤を除去することができる。
【0061】
前記の炭化水素系洗浄液、又は前記の炭素数10~14の炭化水素による濯ぎについては、特に限定されるものではなく、例えば、超音波洗浄、噴流洗浄、浸漬洗浄、揺動洗浄、回転洗浄、シャワー洗浄、又は減圧超音波洗浄等によって行うことができ、要求される清浄度や所要時間等を考慮して、単独もしくは数種類の方式を組み合わせて使用することができる。
【0062】
本発明のW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤は、物理力を与えなければW/Oエマルジョンを形成しないため、濯ぎ工程1において洗浄後の被洗浄物を前記の炭化水素系洗浄液に浸漬し、揺動するなどにより効果的にW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤を除去することが可能である。
【0063】
さらに、濯ぎ工程2において被洗浄物を前記の炭化水素系洗浄液の成分である、前記の炭素数10~14の炭化水素で濯ぐことによって、前記の炭化水素系洗浄液に含まれる炭素数6~16のモノアルキルアミンや炭素数6~16のモノカルボン酸等を除去することができ、被洗浄物を極めて清浄に洗浄することが可能である。各々の濯ぎ工程では、前工程の洗浄液が被洗浄物に付着して持ち込まれるが、各工程の洗浄液組成や性能の変化が少ないため、洗浄液を入れ替えることなく、繰り返し洗浄を実施することが可能である。
【0064】
洗浄および濯ぎ後の被洗浄物については、温風乾燥、吸引乾燥、回転乾燥、真空乾燥、ベーパー洗浄と真空乾燥の組み合わせ、又は不燃性低沸点溶剤による置換乾燥などの従来のW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤を利用する洗浄システムに一般的に使用される乾燥方法を実施することができる。
【0065】
本発明のW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤は、減圧下および常圧下の洗浄において、乾燥して固着した、水溶性加工油や無機塩類、異物などを含む汚れに対して高い除去性を有するとともに、シミや錆などの発生もなく洗浄することができ、法規制による制限の少ないノニオン性界面活性剤を含む洗浄剤であり、洗浄剤から汚れを容易に分離でき、繰り返し洗浄が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
図1】本発明のW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤を用いた洗浄システムの一例を示した概略図である。
【実施例0067】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0068】
実施例1~5、比較例1
表1に記載の各成分を記載の組成比率で混合し、実施例1~5および比較例1に該当するW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤を調整した。当該W/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤を用いて、以下の減圧発泡試験を行った。
【0069】
<減圧発泡試験>
W/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤を70mlとり、100mlガラス瓶(内径35mm)に入れ、よく攪拌し、水を張った超音波洗浄機(26kHz 600W)を用いて振動を与えた状態で減圧し、10kPa(絶対圧)に到達後、さらに約10秒経つまでの間、目視にて泡立ちの様子を確認した。
【0070】
試験条件
超音波洗浄機:26kHz 600W((株)カイジョー製 PHOENIX-III)
圧力 :10kPa(絶対圧)
温度 :室温
評価
良好:発泡による液面上昇3mm未満
中間:発泡による液面上昇3mm以上5mm未満
不良:発泡による液面上昇5mm以上
【0071】
【表1】
【0072】
表1において、ウンデカン/ドデカン混合物は、ウンデカン/ドデカンの組成が80重量%/20重量%の混合物を用いた。
【0073】
<洗浄性試験>
実施例7
実施例3のW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤を用いて、以下の洗浄試験を実施した。
【0074】
被洗浄物は、分銅状の金属部品(φ11×17mm×300個)に一般的な水溶性加工油であるUC1230DF(日本工作油(株)製 ソルブルA2種)(以下、水溶性加工油1と称す。)を10ml(平均33μl/個)付着させたものである。
【0075】
図1に示す1:洗浄槽に、前記の被洗浄物及び実施例3のW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤 130Lを仕込み、5分間真空超音波洗浄を実施した。このとき、圧力については、絶対圧力で10kPaと85kPaの間で減圧度を繰返し変動させた(40秒/サイクル)。また、超音波は、25kHz 1000Wの出力で照射した。
【0076】
次に、図1に示す2:濯ぎ槽1に、前記の真空超音波洗浄を行った被洗浄物及び前記の実施例3に記載の炭化水素系洗浄液 130Lを仕込み、3分間浸漬させることによって、被洗浄物の濯ぎ工程1を行った。
【0077】
次に図1に示す3:濯ぎ槽2に、前記の濯ぎ工程1を行った被洗浄物及びウンデカン/ドデカン混合液を各槽 100L仕込み、各槽5分間超音波洗浄(25kHz 1000W)を実施することによって、被洗浄物の濯ぎ工程2を行った。
【0078】
次に、図1に示す6:乾燥機にて、前記の濯ぎ工程2を行った被洗浄物と仕込み、ベーパー洗浄2分(到達温度120℃)、真空乾燥2分(到達真空度0.0kPa)で乾燥させた。
【0079】
乾燥させて取り出した被洗浄物の残存油(実施例7においては前記の水溶性加工油1)分量を測定し、下記評価基準で洗浄性の評価を行い、試験結果を表2に示した。
【0080】
良好:被洗浄物 1g当たりの残存水溶性加工油分量が、0.005mg未満
中間:被洗浄物 1g当たりの残存水溶性加工油分量が、0.005mg以上、0.010mg未満
不良:被洗浄物 1g当たりの残存水溶性加工油分量が、0.010mg以上
実施例8
実施例7に記載した条件のうち、5分間真空超音波洗浄を3分間真空超音波洗浄に変更した以外は同様の条件で洗浄性試験を行った。試験結果を表2に示した。
【0081】
実施例9
実施例7に記載した条件のうち、5分間真空超音波洗浄を1分間真空超音波洗浄に変更した以外は同様の条件で洗浄性試験を行った。試験結果を表2に示した。
【0082】
実施例10
実施例7に記載した条件のうち、被洗浄物を、アルミ製部品(5×7×19mm×480個)に水溶性加工油であるユシローケンS50N(ユシロ化学工業(株)製 ケミカルソリューションA3種)(以下、水溶性加工油2と称す。)を10ml(平均21μl/個)付着させたものに変更した以外は同様の条件で洗浄性試験を行った。試験結果を表2に示した。
【0083】
実施例11
実施例10に記載した条件のうち、5分間真空超音波洗浄を3分間真空超音波洗浄に変更した以外は同様の条件で洗浄性試験を行った。試験結果を表2に示した。
【0084】
実施例12
実施例10に記載した条件のうち、5分間真空超音波洗浄を1分間真空超音波洗浄に変更した以外は同様の条件で洗浄性試験を行った。試験結果を表2に示した。
【0085】
実施例13
実施例7に記載した条件のうち、被洗浄物を、アルミ製部品(5×7×19mm×480個)に水溶性加工油であるユシローケンFGS700(ユシロ化学工業製 ソルブルA2種)(以下、水溶性加工油3と称す。)を10ml(平均21μl/個)付着させたものに変更した以外は同様の条件で洗浄性試験を行った。試験結果を表2に示した。
【0086】
実施例14
実施例13に記載した条件のうち、5分間真空超音波洗浄を1分間真空超音波洗浄に変更した以外は同様の条件で洗浄性試験を行った。試験結果を表2に示した。
【0087】
実施例15
実施例7に記載した条件のうち、被洗浄物を、アルミ製部品(5×7×19mm×480個)に水溶性加工油であるユシローケンAP-EX-S1(ユシロ化学工業製)(以下、水溶性加工油4と称す。)を10ml(平均21μl/個)付着させたものに変更した以外は同様の条件で洗浄性試験を行った。試験結果を表2に示した。
【0088】
実施例16
実施例15に記載した条件のうち、5分間真空超音波洗浄を1分間真空超音波洗浄に変更した以外は同様の条件で洗浄性試験を行った。試験結果を表2に示した。
【0089】
実施例17
実施例7に記載した条件のうち、被洗浄物を、アルミ製部品(5×7×19mm×480個)に水溶性加工油であるセブンカットS-45N(ヤナセ製油(株)製 ソルブルA2種)(以下、水溶性加工油5と称す。)を10ml(平均21μl/個)付着させたものに変更した以外は同様の条件で洗浄性試験を行った。試験結果を表2に示した。
【0090】
実施例18
実施例7に記載した条件のうち、被洗浄物を、アルミ製部品(5×7×19mm×480個)に水溶性加工油であるハイソルX(BPジャパン カストロール製 エマルジョンA1種)(以下、水溶性加工油6と称す。)を10ml(平均21μl/個)付着させたものに変更した以外は同様の条件で洗浄性試験を行った。試験結果を表2に示した。
【0091】
【表2】
【0092】
水溶性加工油1:UC1230DF(日本工作油(株)製 ソルブルA2種)
水溶性加工油2:ユシローケンS50N(ユシロ化学工業(株)製 ケミカルソリューションA3種)
水溶性加工油3:ユシローケンFGS700(ユシロ化学工業製 ソルブルA2種)
水溶性加工油4:ユシローケンAP-EX-S1(ユシロ化学工業製)
水溶性加工油5:セブンカットS-45N(ヤナセ製油(株)製 ソルブルA2種)
水溶性加工油6:ハイソルX(BPジャパン カストロール製 エマルジョンA1種)
実施例19
実施例3のW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤を用いて、以下の洗浄試験を実施した。
【0093】
被洗浄物は、SUS製の板(70×70×0.9mm×2枚)を固形研磨剤(青棒、ガレージドットコム販売 品番WHSYH0158)でバフ研磨したものであって、前記固形研磨剤の研磨粉が付着したものである。
【0094】
図1に示す1:洗浄槽に、前記の被洗浄物及び実施例3のW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤 130Lを仕込み、10分間真空超音波洗浄を実施した。このとき、圧力については、絶対圧力で10kPaと85kPaの間で減圧度を繰返し変動させた(40秒/サイクル)。また、超音波は、25kHz 1000Wの出力で照射した。
【0095】
次に、図1に示す2:濯ぎ槽1に、前記の真空超音波洗浄を行った被洗浄物及び前記の実施例3に記載の炭化水素系洗浄液 130Lを仕込み、3分間浸漬させることによって、被洗浄物の濯ぎ工程1を行った。
【0096】
次に図1に示す3:濯ぎ槽2に、前記の濯ぎ工程1を行った被洗浄物及びウンデカン/ドデカン混合液 を各槽100Lを仕込み、5分間超音波洗浄(25kHz 1000W)を実施することによって、被洗浄物の濯ぎ工程2を行った。
【0097】
次に、図1に示す6:乾燥機にて、前記の濯ぎ工程2を行った被洗浄物と仕込み、ベーパー洗浄2分(到達温度120℃)、真空乾燥2分(到達真空度0.0kPa)で乾燥させた。
【0098】
乾燥させて取り出した被洗浄物を下記評価基準で評価した。試験結果を表3に示した。
【0099】
良好:目視にて研磨粉の残存なし
不良:目視にて研磨粉の残存あり
実施例20
実施例19に記載した条件のうち、10分間真空超音波洗浄を5分間真空超音波洗浄に変更した以外は同様の条件で洗浄性試験を行った。試験結果を表3に示した。
【0100】
【表3】
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明のW/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤は、自動車、機械、精密機器、電気産業、又は電子産業等の各分野において製品組み立てに使用される部品(例えば、金属部品、非金属部品、電子部品、ガラス、又はレンズ等)であって、その製造加工の際に付着する加工油を洗浄除去する洗浄剤として利用することができる。
【符号の説明】
【0102】
1:洗浄槽(W/Oエマルジョン型炭化水素系洗浄剤)
2:濯ぎ槽1(炭化水素系洗浄液)
3:濯ぎ槽2(炭素数10~14の炭化水素)
4:真空蒸留器
5:超音波発振器
6:乾燥機
図1