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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023182937
(43)【公開日】2023-12-27
(54)【発明の名称】反応管理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/258 20110101AFI20231220BHJP
   H04N 21/6377 20110101ALI20231220BHJP
【FI】
H04N21/258
H04N21/6377
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096213
(22)【出願日】2022-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】西出 彩花
(72)【発明者】
【氏名】西村 敏
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA11
5C164SC11P
5C164TB35P
5C164UB41S
5C164YA12
5C164YA21
(57)【要約】
【課題】視聴者の反応を撮影スタジオに反映する。
【解決手段】反応管理装置は、映像を視聴する視聴者が用いる操作端末及び映像を収録する撮影スタジオに設置された提示装置と通信可能な反応管理装置であって、操作端末から視聴者による反応を表す反応情報を受信する反応受信部と、反応情報に基づいて提示装置に対して反応を提示するための制御信号を送信する提示制御部と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を視聴する視聴者が用いる操作端末及び前記映像を収録する撮影スタジオに設置された提示装置と通信可能な反応管理装置であって、
前記操作端末から前記視聴者による反応を表す反応情報を受信する反応受信部と、
前記反応情報に基づいて前記提示装置に対して前記反応を提示するための制御信号を送信する提示制御部と、
を備える反応管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の反応管理装置であって、
前記映像における基準時刻からの経過時間を前記反応情報と関連付けて記憶部に記憶する記憶制御部をさらに備える、
反応管理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の反応管理装置であって、
前記提示制御部は、
前記記憶部に前記反応情報が記憶されているとき、前記記憶部に記憶された前記反応情報に基づいて前記制御信号を送信し、
前記記憶部に前記反応情報が記憶されていないとき、前記反応受信部が受信した前記反応情報に基づいて前記制御信号を送信する、
反応管理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の反応管理装置であって、
前記映像は、前記提示装置を撮影した映像を含む、
反応管理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の反応管理装置であって、
前記提示装置は、前記撮影スタジオに存在する人物が視覚、聴覚又は触覚を通じて知覚可能に前記反応を提示する、
反応管理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の反応管理装置であって、
前記提示装置は、複数の色で発光可能な照明器具であり、
前記提示制御部は、前記反応に応じた色、明るさ又は点滅パターンで前記照明器具を発光させる、
反応管理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の反応管理装置であって、
前記提示装置は、前記視聴者と一対一に対応付けられた複数の前記照明器具を含む、
反応管理装置。
【請求項8】
コンピュータを請求項1から7のいずれかに記載の反応管理装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反応管理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、撮影スタジオに観覧者を入れて映像番組を収録する公開番組収録が行われている。近年では、オンライン会議ツールを用いて観覧者が遠隔地から番組を観覧する番組制作手法も利用されている。
【0003】
一方、インターネットに接続されたテレビを用いた双方向放送技術により視聴者が番組に参加する番組制作手法がある。例えば、特許文献1には、視聴者端末で視聴者が入力した投票情報をインターネット経由で集計し、集計結果を放送映像に反映させることで、臨場感に富む視聴者参加型番組を実現する双方向型放送視聴システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4340398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、観覧者が遠隔地から番組を観覧する場合、撮影スタジオでは視聴者の反応をリアルタイムに把握することができない。その結果、出演者のパフォーマンスを十分に引き出すことができず、盛り上がりに欠ける映像番組となる場合がある。
【0006】
本発明の一態様は、上記のような技術的課題に鑑みて、視聴者の反応を撮影スタジオに反映することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様の反応管理装置は、映像を視聴する視聴者が用いる操作端末及び映像を収録する撮影スタジオに設置された提示装置と通信可能な反応管理装置であって、操作端末から視聴者による反応を表す反応情報を受信する反応受信部と、反応情報に基づいて提示装置に対して反応を提示するための制御信号を送信する提示制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、視聴者の反応を撮影スタジオに反映することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】番組演出システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
図2】コンピュータのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3】番組演出システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図4】番組演出方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図5】操作画面の一例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の各実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する。
【0011】
[概要]
従来、テレビ電波を介して放送されるテレビ番組又は通信ネットワークを介して配信される動画コンテンツ(以下、「映像番組」と総称する)の制作現場において、撮影スタジオに大人数の観覧者を入れて映像番組を収録する公開番組収録が行われていた。公開番組収録では、観覧者の反応は視聴者の反応を事前に知るためのバロメーターになる。また、観覧者の反応が出演者の気分を高揚させることで、より良いパフォーマンスを引き出したり、撮影スタジオ全体の雰囲気を盛り上げたりすることに繋がる効果もある。
【0012】
しかしながら、例えば感染症の流行等による社会情勢の変化に起因して、公開番組収録が困難となる場合がある。撮影スタジオに観覧者を入れずに制作された番組では、視聴者の存在を肌で感じることができず、従来よりも盛り上がりに欠ける印象となることが少なくない。このため、オンライン会議ツール等を用いて遠隔地から疑似的に番組を観覧する番組制作手法が利用されている。なお、公知のオンライン会議ツールとして、例えば、参考文献1に開示された技術がある。
【0013】
〔参考文献1〕Zoom Video Communications Inc,"ビデオ カンファレンス、クラウド電話、ウェビナー、チャット、仮想イベント | Zoom",[online],[令和4年5月11日検索],インターネット<URL: https://zoom.us/>
【0014】
遠隔地から番組を観覧する番組制作手法は、種々の事情により撮影スタジオで番組を観覧することが困難である視聴者であっても、番組観覧に参加することが可能になるという利点もある。種々の事情とは、例えば、重度の病気や怪我、又は遠方に居住している等が挙げられる。
【0015】
なお、テレビ受像機のリモートコントローラに設けられた所定のボタン(例えば、「dボタン」等)やハイブリッドキャスト等を利用したアンケート形式の番組参加方法が、視聴者参加型番組として多く使われている(例えば、参考文献2参照)。また、リモートコントローラのボタンやハイブリッドキャスト等は、映像番組の品質を向上するためのアンケートにも活用されている(例えば、参考文献3参照)。これらの手法は、番組制作者にとって、視聴者の意見を巨視的に把握するための有効な手段となっている。
【0016】
〔参考文献2〕特開2003-009127号公報
〔参考文献3〕特開2014-217024号公報
【0017】
オンライン会議ツールを利用した観覧手法では、観覧者は収録中や放送中の長時間、常に端末のカメラから顔を映している必要がある。例えば、観覧者が自宅等から参加する場合、自宅内で発生する種々の出来事に対処しながら観覧することになる。そのため、観覧者は番組観覧に集中することが難しく、ストレスとなることがある。このような事情から、オンライン会議ツールを利用した観覧手法には消極的な視聴者は少なくない。
【0018】
一方、アンケート形式の番組参加方法は、自分の意見が多数の中の1つに過ぎないことを実感させられるため、参加感が低いと感じる視聴者も多い。また。視聴者のボタン操作等による入力情報を、例えばインターネットを経由してスタジオ設備にアップロードする際には、伝送遅延が避けられない。そのため、視聴者の反応を番組進行のタイミングに合わせてスタジオ設備に反映させることは困難である。
【0019】
本発明の一実施形態は、映像を視聴する視聴者が用いる操作端末から視聴者による反応を受信し、撮影スタジオに設置された提示装置から視聴者による反応を提示する。したがって、本発明の一実施形態によれば、視聴者の反応を撮影スタジオに反映することができる。これにより、映像番組の制作者や出演者は、遠隔にいる視聴者の反応を把握し、番組制作に活用することが可能となる。
【0020】
[実施形態]
本発明の一実施形態は、映像番組を収録する撮影スタジオにおいて、当該映像番組を視聴する視聴者による反応を提示する番組演出システムである。本実施形態における番組演出システムは、撮影スタジオが設置された番組制作施設から視聴者が存在する視聴施設に、インターネット等を介して映像番組を送信する。視聴施設では、視聴者が映像番組を視聴し、視聴者による反応を取得する。番組制作施設では、視聴施設で取得された反応情報に基づいて、撮影スタジオに設置された提示装置を用いて視聴者の反応を提示する。
【0021】
本実施形態における番組演出システムは、インターネット等の通信ネットワークを介して反応情報を伝送するため、遅延が発生することがある。そのため、本実施形態における番組演出システムは、遅延によるずれが許容されない演出の場合には、リハーサル等により事前に反応情報を収集し、リハーサルの進行状況と対応付けて記憶しておく。その後、本番放送では、事前に収集した反応情報に基づいて、番組進行と同期しながら提示装置を用いて視聴者の反応を提示する。
【0022】
<番組演出システムの全体構成>
まず、本実施形態における番組演出システムの全体構成を、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態における番組演出システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
【0023】
図1に示されているように、本実施形態における番組演出システム1は、反応管理装置10、提示装置11、番組制作装置12、映像送信装置13、操作端末21及び受像機22を含む。反応管理装置10、提示装置11、番組制作装置12、映像送信装置13、操作端末21及び受像機22は、LAN(Local Area Network)又はインターネット等の通信ネットワークN1を介してデータ通信可能に接続されている。
【0024】
反応管理装置10、提示装置11、番組制作装置12及び映像送信装置13は、番組制作施設E1に設置される。番組制作施設E1は、通信ネットワークN1又は放送電波N2を介して配信又は放送される映像番組を制作するための設備を有する施設である。番組制作施設E1は、例えば、テレビ局等である。
【0025】
番組制作施設E1には、撮影スタジオE2が設置される。撮影スタジオE2には、少なくともフロアが設けられる。フロアには、映像番組の内容に応じた大道具又は小道具等のセットが設けられる。映像番組の出演者は、フロアにおいて種々のパフォーマンスを行う。
【0026】
撮影スタジオE2には、観覧席が設けられてもよい。観覧席は、フロア全体を視認可能な位置に設けられる。例えば公開番組収録では、観覧者が観覧席からフロアで収録される映像番組を観覧する。
【0027】
番組制作施設E1には、2台のカメラC1,C2が存在する。カメラC1は、番組制作に用いる映像素材を撮影するためのカメラである。なお、カメラC1は、番組制作施設E1内の各装置と有線又は無線の通信回線を介して通信可能であれば、番組制作施設E1の外に存在してもよい。
【0028】
カメラC2は、撮影スタジオE2内を撮影するためのカメラである。カメラC2は、少なくとも提示装置11が画角に入るように撮影スタジオE2内の所定の位置に設置される。
【0029】
以下、カメラC1により撮影された映像を「スタジオ映像」と呼ぶ。また、カメラC2により撮影された映像を「俯瞰映像」と呼ぶ。
【0030】
カメラC1が、画角に提示装置11が入るように固定して設置されている場合、カメラC2は存在しなくてもよい。この場合、カメラC1により撮影された映像は、スタジオ映像及び俯瞰映像の両方として用いられる。
【0031】
操作端末21及び受像機22は、視聴施設E3に設置される。視聴施設E3は、映像番組を視聴するための設備を有する施設である。視聴施設E3は、例えば、視聴者の住居等である。
【0032】
反応管理装置10は、視聴者による反応を表す反応情報を管理するパーソナルコンピュータ、ワークステーション、サーバ等の情報処理装置である。反応管理装置10は、操作端末21から反応情報を受信し、視聴者による反応を提示するための制御信号を提示装置11に送信する。
【0033】
提示装置11は、視聴者による反応を提示する電子機器である。提示装置11は、反応管理装置10から制御信号を受信し、制御信号に従って視聴者による反応に対応する動作を行う。
【0034】
反応に対応する動作は、提示装置11の構成によって異なる。当該動作は、撮影スタジオE2内に存在する人物が視覚、聴覚又は触覚等を通じて知覚可能な態様で行われる。撮影スタジオE2内に存在する人物とは、例えば、フロアにおいてパフォーマンスを行う出演者、又は番組制作における種々の業務に従事する製作者等である。
【0035】
提示装置11の一例は、有線又は無線の通信回線を介して操作可能な照明器具である。当該照明器具は、例えば、発光ダイオード(LED; Light-Emitting Diode)等により複数の色で発光可能な光源を有する。通信ネットワークを介して操作可能な照明器具は、例えば、下記参考文献4に開示されている。
【0036】
〔参考文献4〕シグニファイジャパン合同会社,"スマートライトで暮らしが変わる | Philips Hue",[online],[令和4年5月11日検索],インターネット<URL: https://www.philips-hue.com/ja-jp>
【0037】
提示装置11は、各視聴者と一対一で対応する複数の照明器具から構成される。提示装置11は、操作端末21から受信した反応情報に基づく制御信号に従って、当該操作端末21を利用する視聴者に対応する照明器具を、当該視聴者の反応に応じた色、明るさ又は点滅パターン等で発光させる。
【0038】
提示装置11の他の例は、大型ディスプレイ、スピーカアレイ、駆動可能なスタジオセット、出演者又は製作者に装着されるウェアラブルデバイス等である。大型ディスプレイによる提示装置11は、例えば、各視聴者に対応する複数の領域を有する画面を表示し、視聴者の反応に応じた表示態様で各領域を表示する。
【0039】
スピーカアレイによる提示装置11は、例えば、各視聴者に対応する複数のスピーカから構成され、視聴者の反応に応じた音声及び音量等で音響信号を出力する。スタジオセットによる提示装置11は、例えば、各視聴者に対応する複数のセットから構成され、視聴者の反応に応じた形態に変化する(例えば、キャラクターが挙手する、拍手をする等)。ウェアラブルデバイスによる提示装置11は、例えば、視聴者の反応に応じたパターン及び大きさで振動する。
【0040】
提示装置11は、撮影スタジオE2内のフロア又は観覧席等に設置される。ただし、提示装置11の設置位置はフロア又は観覧席に限定されず、フロアに存在する出演者から知覚可能、かつ、カメラC2から撮影可能な位置であれば、任意の位置に設置することができる。
【0041】
番組制作装置12は、スタジオ映像を用いて映像番組を制作する設備機器である。番組制作装置12は、カメラC1と有線又は無線の通信経路により電気的に接続され、スタジオ映像を取得可能に構成されている。番組制作装置12は、番組制作に用いられる種々の機能を備えた複数の装置により構成されてもよい。番組制作装置12は、制作された映像番組を、放送電波N2を介して視聴施設E3に放送するための設備を含んでもよい。
【0042】
映像送信装置13は、映像番組及び俯瞰映像を送信するパーソナルコンピュータ、ワークステーション、サーバ等の情報処理装置である。映像送信装置13は、カメラC2と有線又は無線の通信経路により電気的に接続され、俯瞰映像を取得可能に構成されている。映像送信装置13は、番組制作装置12から取得した映像番組、及びカメラC2から取得した俯瞰映像を、通信ネットワークN1を介して視聴施設E3に送信する。
【0043】
操作端末21は、視聴者が操作するパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等の情報処理端末である。操作端末21は、映像送信装置13から映像番組及び俯瞰映像を受信し、視聴者に対して表示する。
【0044】
受像機22は、視聴者が映像番組を視聴するテレビ受像機、セットトップボックス、パーソナルコンピュータ等の電子機器である。受像機22は、番組制作装置12から放送電波N2を介して映像番組を受信し、視聴者に対して表示する。
【0045】
なお、図1に示した番組演出システム1の全体構成は一例であって、用途や目的に応じて様々なシステム構成例があり得る。例えば、反応管理装置10は、複数台のコンピュータにより実現してもよいし、クラウドコンピューティングのサービスとして実現してもよい。また、例えば、番組演出システム1は、反応管理装置10、番組制作装置12及び映像送信装置13がそれぞれ備えるべき機能を兼ね備えたスタンドアローンの情報処理装置により実現してもよい。
【0046】
<番組演出システムのハードウェア構成>
次に、本実施形態における番組演出システム1のハードウェア構成を、図2を参照しながら説明する。
【0047】
≪コンピュータのハードウェア構成≫
本実施形態における反応管理装置10、番組制作装置12、映像送信装置13及び操作端末21は、例えばコンピュータにより実現される。図2は、本実施形態におけるコンピュータのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0048】
図2に示されているように、本実施形態におけるコンピュータ500は、CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503、HDD(Hard Disk Drive)504、入力装置505、表示装置506、通信I/F(Interface)507及び外部I/F508を有する。CPU501、ROM502及びRAM503は、いわゆるコンピュータを形成する。コンピュータ500の各ハードウェアは、バスライン509を介して相互に接続されている。なお、入力装置505及び表示装置506は外部I/F508に接続して利用する形態であってもよい。
【0049】
CPU501は、ROM502又はHDD504等の記憶装置からプログラムやデータをRAM503上に読み出し、処理を実行することで、コンピュータ500全体の制御や機能を実現する演算装置である。
【0050】
ROM502は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。ROM502は、HDD504にインストールされている各種プログラムをCPU501が実行するために必要な各種プログラム、データ等を格納する主記憶装置として機能する。具体的には、ROM502には、コンピュータ500の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、EFI(Extensible Firmware Interface)等のブートプログラムや、OS(Operating System)設定、ネットワーク設定等のデータが格納されている。
【0051】
RAM503は、電源を切るとプログラムやデータが消去される揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。RAM503は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)等である。RAM503は、HDD504にインストールされている各種プログラムがCPU501によって実行される際に展開される作業領域を提供する。
【0052】
HDD504は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置の一例である。HDD504に格納されるプログラムやデータには、コンピュータ500全体を制御する基本ソフトウェアであるOS、及びOS上において各種機能を提供するアプリケーション等がある。なお、コンピュータ500はHDD504に替えて、記憶媒体としてフラッシュメモリを用いる記憶装置(例えばSSD:Solid State Drive等)を利用するものであってもよい。
【0053】
入力装置505は、ユーザが各種信号を入力するために用いるタッチパネル、操作キーやボタン、キーボードやマウス、音声等の音データを入力するマイクロホン等である。
【0054】
表示装置506は、画面を表示する液晶や有機EL(Electro-Luminescence)等のディスプレイ、音声等の音データを出力するスピーカ等で構成されている。
【0055】
通信I/F507は、通信ネットワークに接続し、コンピュータ500がデータ通信を行うためのインタフェースである。
【0056】
外部I/F508は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、ドライブ装置510等がある。
【0057】
ドライブ装置510は、記録媒体511をセットするためのデバイスである。ここでいう記録媒体511には、CD-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等のように情報を光学的、電気的あるいは磁気的に記録する媒体が含まれる。また、記録媒体511には、ROM、フラッシュメモリ等のように情報を電気的に記録する半導体メモリ等が含まれていてもよい。これにより、コンピュータ500は外部I/F508を介して記録媒体511の読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。
【0058】
なお、HDD504にインストールされる各種プログラムは、例えば、配布された記録媒体511が外部I/F508に接続されたドライブ装置510にセットされ、記録媒体511に記録された各種プログラムがドライブ装置510により読み出されることでインストールされる。あるいは、HDD504にインストールされる各種プログラムは、通信I/F507を介して、通信ネットワークとは異なる他のネットワークよりダウンロードされることでインストールされてもよい。
【0059】
<番組演出システムの機能構成>
続いて、本実施形態における番組演出システムの機能構成を、図3を参照しながら説明する。図3は、本実施形態における番組演出システム1の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0060】
≪番組制作装置の機能構成≫
図3に示されているように、本実施形態における番組制作装置12は、映像取得部121、番組編集部122及び番組送信部123を備える。
【0061】
映像取得部121、番組編集部122及び番組送信部123は、例えば、図2に示されているHDD504からRAM503上に展開されたプログラムがCPU501に実行させる処理によって実現される。
【0062】
映像取得部121は、カメラC1からスタジオ映像を取得する。
【0063】
番組編集部122は、製作者等の操作に応じて、映像取得部121が取得したスタジオ映像に基づいて、映像番組を生成する。番組編集部122は、スタジオ映像に対して、他の映像素材を組み合わせたり、字幕を挿入したり、効果音や背景音楽を挿入したりすることにより編集を行い、映像番組を生成する。
【0064】
番組送信部123は、番組編集部122が生成した映像番組を映像送信装置13に送信する。また、番組送信部123は、番組編集部122が生成した映像番組を、放送電波N2を介して放送する。
【0065】
≪映像送信装置の機能構成≫
図3に示されているように、本実施形態における映像送信装置13は、映像取得部131及び映像送信部132を備える。
【0066】
映像取得部131及び映像送信部132は、例えば、図2に示されているHDD504からRAM503上に展開されたプログラムがCPU501に実行させる処理によって実現される。
【0067】
映像取得部131は、番組制作装置12から映像番組を受信する。また、映像取得部131は、カメラC2から俯瞰映像を取得する。
【0068】
映像送信部132は、映像取得部131が取得した映像番組及び俯瞰映像と、映像番組の収録モードを表すモード情報とを、通信ネットワークN1を介して操作端末21に送信する。映像番組の収録モードは、生放送モード、リハーサルモード及び再生モードのいずれかである。モード情報は、製作者等により予め設定される。
【0069】
モード情報は、例えば、映像番組を表す映像信号のMTE(Media Timed Event)に含めることができる。MTEとは、MPEG-DASH(Dynamic Adaptive Streaming over HTTP)動画に含めることができるトリガ信号である。
【0070】
≪操作端末の機能構成≫
図3に示されているように、本実施形態における操作端末21は、映像受信部211、映像表示部212、反応入力部213、モード判定部214及び反応送信部215を備える。
【0071】
映像受信部211、モード判定部214及び反応送信部215は、例えば、図2に示されているHDD504からRAM503上に展開されたプログラムがCPU501に実行させる処理によって実現される。映像表示部212は、例えば、図2に示されている表示装置506によって実現される。反応入力部213は、例えば、図2に示されている入力装置505によって実現される。
【0072】
映像受信部211は、映像送信装置13から映像番組、俯瞰映像及びモード情報を受信する。映像受信部211は、受信した映像番組に基づいて、基準時刻を記憶する。基準時刻は、映像番組の進行状況を示す時刻である。基準時刻の一例は、映像番組の開始時刻である。基準時刻の他の例は、映像番組を構成するコーナー又は企画の開始時刻である。基準時刻の他の例は、音楽番組又は演芸番組における演目の開始時刻である。
【0073】
映像表示部212は、映像受信部211が受信した映像番組及び俯瞰映像を、表示装置506等に表示された操作画面に表示する。
【0074】
反応入力部213は、操作画面における視聴者による操作を受け付ける。反応入力部213は、受け付けた操作に基づいて、視聴者による反応を表す反応情報を生成する。反応情報には、視聴者を識別する識別情報(以下、「視聴者ID」とも呼ぶ)、及び視聴者による反応の内容を示す反応内容情報が含まれる。
【0075】
反応入力部213は、視聴者による操作に基づかずに反応情報を生成してもよい。例えば、反応入力部213は、視聴者に装着したウェアラブルデバイス等を用いて取得される生体情報に基づいて、反応情報を生成してもよい。生体情報は、例えば、脳波、脈拍、呼吸数又は視線等である。また、例えば、反応入力部213は、視聴者の顔画像を用いた感情認識結果又は視聴者の発話を用いた音声認識結果に基づいて、反応情報を生成してもよい。
【0076】
モード判定部214は、映像受信部211が受信したモード情報に基づいて、映像番組の収録モードを判定する。モード判定部214は、収録モードがリハーサルモードである場合、反応時刻を計算する。反応時刻は、映像受信部211が記憶した基準時刻から反応入力部213が反応情報を生成した時刻までの経過時間である。
【0077】
反応送信部215は、反応入力部213により生成された反応情報を反応管理装置10に送信する。反応送信部215は、収録モードがリハーサルモードである場合、反応時刻を表す情報を反応情報に含めて反応管理装置10に送信する。
【0078】
≪受像機の機能構成≫
図3に示されているように、本実施形態における受像機22は、番組受信部221及び番組表示部222を備える。
【0079】
番組受信部221は、放送電波N2を介して映像番組を受信する。
【0080】
番組表示部222は、番組受信部221が受信した映像番組を、液晶ディスプレイ等の表示装置に表示する。
【0081】
≪反応管理装置の機能構成≫
図3に示されているように、本実施形態における反応管理装置10は、反応受信部101、記憶制御部102、反応記憶部103及び提示制御部104を備える。
【0082】
反応受信部101、記憶制御部102及び提示制御部104は、例えば、図2に示されているHDD504からRAM503上に展開されたプログラムがCPU501に実行させる処理によって実現される。反応記憶部103は、例えば、図2に示されているHDD504を用いて実現される。
【0083】
反応受信部101は、操作端末21から視聴者による反応を表す反応情報を受信する。
【0084】
記憶制御部102は、反応受信部101が受信した反応情報に反応時刻を表す情報が含まれるとき、反応情報を反応記憶部103に記憶する。
【0085】
反応記憶部103には、反応情報が時系列に並べられた反応リストが記憶される。
【0086】
提示制御部104は、反応情報に基づいて反応を提示するための制御信号を、提示装置11に対して送信する。制御信号は、視聴者ID及び制御内容情報を含む。視聴者IDは、反応情報に含まれる視聴者IDである。制御内容情報は、反応情報に含まれる反応内容情報に基づいて生成される。
【0087】
制御内容情報は、視聴者による反応に応じて提示装置11に行わせる動作の内容を表す情報である。動作の内容は、例えば、照明器具を発光させる色、明るさ又は点滅パターン等を指定する情報である。
【0088】
提示制御部104は、反応記憶部103に反応リストが記憶されているときは、反応リストに含まれる反応情報に基づいて、番組進行と反応時刻とが同期するように、制御信号を提示装置11に送信する。一方、反応記憶部103に反応リストが記憶されていないときは、提示制御部104は、反応受信部101が受信した反応情報に基づいて、即時に制御信号を提示装置11に送信する。
【0089】
なお、上記のとおり、反応リストは映像番組の収録モードがリハーサルであるときに記憶される。したがって、反応記憶部103に反応リストが記憶されているときとは、リハーサルが行われた後に本番放送が行われているときに相当する。
【0090】
≪提示装置の機能構成≫
図3に示されているように、本実施形態における提示装置11は、信号受信部111及び1以上の反応提示部112を備える。反応提示部112の数は、少なくとも視聴者の数と同数となるように構成される。各反応提示部112は、視聴者IDが割り当てられており、各視聴者と一対一に対応付けられている。
【0091】
信号受信部111は、反応管理装置10から制御信号を受信する。信号受信部111は、制御信号に含まれる視聴者IDが割り当てられた反応提示部112に、制御信号に含まれる制御内容情報を送る。
【0092】
反応提示部112は、信号受信部111から受け取った制御内容情報に従って、視聴者の反応を提示するための動作を行う。反応を提示するための動作は、例えば、制御内容情報で指定された色、明るさ又は点滅パターン等で照明器具を発光させる動作である。
【0093】
<番組演出システムの処理手順>
次に、本実施形態における番組演出システム1が実行する番組演出方法の処理手順を、図4を参照しながら説明する。図4は、本実施形態における番組演出方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0094】
ステップS1において、番組制作装置12が備える映像取得部121は、カメラC1からスタジオ映像を取得する。次に、映像取得部121は、取得したスタジオ映像を番組編集部122に送る。
【0095】
番組編集部122は、映像取得部121からスタジオ映像を受け取る。次に、番組編集部122は、製作者等の操作に応じて、スタジオ映像を編集し、映像番組を生成する。続いて、番組編集部122は、生成した映像番組を番組送信部123に送る。
【0096】
番組送信部123は、番組編集部122から映像番組を受け取る。続いて、番組送信部123は、受け取った映像番組を映像送信装置13に送信する。
【0097】
映像送信装置13では、映像取得部131が、番組制作装置12から映像番組を受信する。次に、映像取得部131は、カメラC2から俯瞰映像を取得する。続いて、映像取得部131は、取得した映像番組及び俯瞰映像を映像送信部132に送る。
【0098】
映像送信部132は、映像番組及び俯瞰映像を映像取得部131から受け取る。次に、映像送信部132は、映像番組、俯瞰映像及び予め設定されたモード情報を、通信ネットワークN1を介して操作端末21に送信する。
【0099】
ステップS2において、操作端末21が備える映像受信部211は、映像番組、俯瞰映像及びモード情報を映像送信装置13から受信する。次に、映像受信部211は、受信した映像番組に基づいて、基準時刻を記憶する。続いて、映像受信部211は、映像番組及び俯瞰映像を映像表示部212に送る。また、映像受信部211は、モード情報をモード判定部214に送る。
【0100】
映像表示部212は、映像受信部211から映像番組及び俯瞰映像を受け取る。次に、映像表示部212は、受け取った映像番組及び俯瞰映像を表示装置506等に表示された操作画面に表示する。
【0101】
ステップS3において、操作端末21が備える反応入力部213は、操作画面における視聴者による操作を受け付ける。次に、反応入力部213は、受け付けた操作に基づいて、反応情報を生成する。続いて、反応入力部213は、反応情報を反応送信部215に送る。
【0102】
≪操作画面≫
ここで、本実施形態における操作画面について、図5を参照しながら説明する。図5は、本実施形態における操作画面の一例を示す概念図である。
【0103】
図5に示されているように、本実施形態における操作画面1000は、映像番組表示領域1010、俯瞰映像表示領域1020及び操作領域1030を有する。
【0104】
映像番組表示領域1010には、映像番組が表示される。俯瞰映像表示領域1020には、俯瞰映像が表示される。操作領域1030には視聴者による反応を入力するための入力項目が表示される。
【0105】
操作領域1030には、点灯状態選択欄1031、色表示欄1032及び色選択欄1033が含まれる。点灯状態選択欄1031には、視聴者に対応付けられた照明器具の現在の点灯状態(オン又はオフ)が表示される。色表示欄1032には、視聴者に対応付けられた照明器具の現在の発光色が表示される。色選択欄1033には、照明器具で発光可能な色が表示される。
【0106】
点灯状態選択欄1031を操作することで、照明器具の点灯状態を切り替えるための操作が受け付けられる。色選択欄1033において所望の色を選択することで、照明器具の発光色を変更するための操作が受け付けられる。
【0107】
図5に示されている操作画面1000は一例であって、映像番組及び俯瞰映像は任意の態様で表示することができる。例えば、映像番組と俯瞰映像とを異なるウィンドウで表示し、視聴者の操作により表示する映像を切り替えてもよい。また、操作領域1030に表示される入力項目は、提示装置11の構成によって異なる。操作領域1030は、提示装置11が動作可能な項目であれば、どのような入力項目を有していてもよい。
【0108】
図4に戻って説明する。ステップS4において、操作端末21が備えるモード判定部214は、モード情報を映像受信部211から受け取る。次に、モード判定部214は、受け取ったモード情報に基づいて、映像番組の収録モードを判定する。収録モードが生放送モードである場合、モード判定部214は、ステップS5に処理を進める。収録モードがリハーサルモードである場合、モード判定部214は、ステップS8に処理を進める。収録モードが再生モードである場合、モード判定部214は、ステップS13に処理を進める。
【0109】
≪収録モードが生放送モードである場合≫
ステップS5において、操作端末21が備える反応送信部215は、反応情報を反応入力部213から受け取る。次に、反応送信部215は、受け取った反応情報を反応管理装置10に送信する。
【0110】
反応管理装置10では、反応受信部101が、反応情報を操作端末21から受信する。次に、反応受信部101は、受信した反応情報を提示制御部104に送る。
【0111】
ステップS6において、反応管理装置10が備える提示制御部104は、反応受信部101から反応情報を受け取る。次に、提示制御部104は、受け取った反応情報に基づいて、制御信号を生成する。続いて、提示制御部104は、生成した制御信号を提示装置11に送信する。
【0112】
提示装置11では、信号受信部111が、反応管理装置10から制御信号を受信する。次に、信号受信部111は、制御信号に含まれる視聴者IDに対応する反応提示部112に、制御信号に含まれる制御内容情報を送る。
【0113】
反応提示部112は、信号受信部111から制御内容情報を受け取る。次に、反応提示部112は、受け取った制御内容情報に基づいて、視聴者の反応を提示するための動作を行う。
【0114】
ステップS7において、反応管理装置10が備える提示制御部104は、生放送による映像番組が終了しているか否か、及び操作端末21が終了しているか否かを判定する。映像番組が終了しているとき、又は操作端末21が終了しているとき、提示制御部104は、処理を終了する。映像番組が終了していないとき、かつ操作端末21が終了していないとき、提示制御部104は、ステップS3に処理を戻す。
【0115】
≪収録モードがリハーサルモードである場合≫
ステップS8において、操作端末21が備えるモード判定部214は、映像受信部211が記憶した基準時刻からの経過時間を、反応時刻として計算する。次に、モード判定部214は、計算した反応時刻を反応送信部215に送る。
【0116】
ステップS9において、操作端末21が備える反応送信部215は、反応入力部213から反応情報を受け取る。次に、反応送信部215は、モード判定部214から反応時刻を受け取る。続いて、反応送信部215は、反応時刻を表す情報を反応情報に含めて反応管理装置10に送信する。
【0117】
反応管理装置10では、反応受信部101が、反応情報を操作端末21から受信する。次に、反応受信部101は、反応情報を記憶制御部102に送る。
【0118】
ステップS10において、反応管理装置10が備える記憶制御部102は、反応受信部101から反応情報を受け取る。次に、記憶制御部102は、受け取った反応情報を反応記憶部103に記憶されている反応リストの末尾に記憶する。続いて、記憶制御部102は、反応情報を提示制御部104に送る。
【0119】
ステップS11において、反応管理装置10が備える提示制御部104は、記憶制御部102から反応情報を受け取る。次に、提示制御部104は、受け取った反応情報に基づいて、制御信号を生成する。続いて、提示制御部104は、生成した制御信号を提示装置11に送信する。
【0120】
提示装置11では、信号受信部111が、反応管理装置10から制御信号を受信する。次に、信号受信部111は、制御信号に含まれる視聴者IDに対応する反応提示部112に、制御信号に含まれる制御内容情報を送る。
【0121】
反応提示部112は、信号受信部111から制御内容情報を受け取る。次に、反応提示部112は、受け取った制御内容情報に基づいて、視聴者の反応を提示するための動作を行う。
【0122】
ステップS12において、反応管理装置10が備える提示制御部104は、リハーサルによる映像番組が終了しているか否か、及び操作端末21が終了しているか否かを判定する。映像番組が終了しているとき、又は操作端末21が終了しているとき、提示制御部104は、ステップS13に処理を進める。映像番組が終了していないとき、かつ操作端末21が終了していないとき、提示制御部104は、ステップS3に処理を戻す。
【0123】
≪収録モードが再生モードである場合≫
ステップS13において、番組制作装置12が備える番組送信部123は、製作者等の操作に応じて、本番放送を開始する。具体的には、番組送信部123は、番組編集部122が生成した映像番組を、放送電波N2を介して放送する。
【0124】
視聴施設E3では、受像機22が備える番組受信部221が、放送電波N2を介して映像番組を受信する。次に、番組受信部221は、映像番組を番組表示部222に送る。
【0125】
番組表示部222は、番組受信部221から映像番組を受け取る。次に、番組表示部222は、受け取った映像番組を液晶ディスプレイ等の表示装置に表示する。
【0126】
ステップS14において、反応管理装置10が備える提示制御部104は、反応記憶部103から反応リストを読み出す。次に、提示制御部104は、反応リストに含まれる反応情報に基づいて、制御信号を生成する。続いて、提示制御部104は、番組進行と反応時刻とが同期するように、制御信号を提示装置11に送信する。
【0127】
提示装置11では、信号受信部111が、反応管理装置10から制御信号を受信する。次に、信号受信部111は、制御信号に含まれる視聴者IDに対応する反応提示部112に、制御信号に含まれる制御内容情報を送る。
【0128】
反応提示部112は、信号受信部111から制御内容情報を受け取る。次に、反応提示部112は、受け取った制御内容情報に基づいて、視聴者の反応を提示するための動作を行う。
【0129】
<実施形態の効果>
本実施形態における番組演出システムは、映像番組を視聴する視聴者が用いる操作端末から視聴者による反応を表す反応情報を受信し、撮影スタジオに設置された提示装置から視聴者による反応を提示する。したがって、本実施形態における番組演出システムによれば、視聴者の反応を撮影スタジオに反映することができる。
【0130】
特に、本実施形態における番組演出システムは、リハーサルを視聴する視聴者による反応を表す反応情報を、反応時刻と関連付けて反応リストに記録し、その後に行われる本番放送では反応リストに記録された反応情報に基づいて、提示装置から視聴者による反応を提示する。したがって、本実施形態における番組演出システムによれば、視聴者の反応を受信する際の伝送遅延に影響されず、番組進行と同期して視聴者の反応を提示することができる。
【0131】
さらに、本実施形態における番組演出システムは、各視聴者と一対一に対応する提示装置から、各視聴者による反応を提示する。また、本実施形態における番組演出システムは、提示装置を撮影した撮影スタジオの俯瞰映像を視聴者に対して表示する。したがって、本実施形態における番組演出システムによれば、視聴者に自身の反応が番組演出に反映されていることを認識させることができ、視聴者の参加感を向上することができる。
【0132】
例えば、本実施形態における番組演出システムは、複数の色で発光可能な照明器具を用いて、視聴者の反応に応じた色、明るさ又は点滅パターン等で照明器具を発光させる。したがって、本実施形態における番組演出システムによれば、視覚を通じて直感的に視聴者の反応を把握することができる。
【0133】
[変形例]
上記の実施形態では、収録モードが生放送モード、リハーサルモード及び再生モードのいずれかであり、収録モードに応じて反応情報を提示するための処理を切り替える例を説明した。ここで、同一の番組内であっても演出に合わせて処理を切り替えてもよい。
【0134】
例えば、遅延が許容されないシーンでは収録モードをリハーサルモードに設定し、事前に収集した反応情報を用いて番組進行と同期しながら視聴者の反応を提示するように構成してもよい。一方、遅延が許容されるシーンでは収録モードを生放送モードに設定し、操作端末から受信した反応情報を用いて即時に視聴者の反応を提示するように構成してもよい。
【0135】
遅延が許容されないシーンとは、例えば、音楽番組における楽曲演奏や、演芸番組における演目披露等が挙げられる。遅延が許容されるシーンとは、スポーツ中継やトーク番組等が挙げられる。
【0136】
このように、事前に収集した反応情報と操作端末から受信した反応情報とを、演出の性質に応じて適切に使い分けることで、撮影スタジオの盛り上がりと視聴者の参加感とをバランスよく向上することが可能となる。
【0137】
[補足]
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等の機器を含むものとする。
【0138】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
【符号の説明】
【0139】
1 番組演出システム
10 反応管理装置
101 反応受信部
102 記憶制御部
103 反応記憶部
104 提示制御部
11 提示装置
111 信号受信部
112 反応提示部
12 番組制作装置
121 映像取得部
122 番組編集部
123 番組送信部
13 映像送信装置
131 映像取得部
132 映像送信部
21 操作端末
211 映像受信部
212 映像表示部
213 反応入力部
214 モード判定部
215 反応送信部
22 受像機
221 番組受信部
222 番組表示部
図1
図2
図3
図4
図5