(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183038
(43)【公開日】2023-12-27
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20230101AFI20231220BHJP
【FI】
G06Q10/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096407
(22)【出願日】2022-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】岩佐 圭祐
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA12
(57)【要約】
【課題】オンライン会議に参加するための作業負担を軽減すること。
【解決手段】オンライン会議に利用される情報処理装置を含む情報処理システムは、前記情報処理装置の設置場所を特定可能な情報を取得する場所特定情報取得部と、前記設置場所を特定可能な情報と現在時刻とに基づいて、開催場所と開催期間とが指定されている1以上のオンライン会議の予定情報の中から、いずれか一つの予定情報を選択する選択部と、選択した前記予定情報に係るオンライン会議へ前記情報処理装置が参加するための処理を実行する参加部と、を有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オンライン会議に利用される情報処理装置を含む情報処理システムであって、
前記情報処理装置の設置場所を特定可能な情報を取得する場所特定情報取得部と、
前記設置場所を特定可能な情報と現在時刻とに基づいて、開催場所と開催期間とが指定されている1以上のオンライン会議の予定情報の中から、いずれか一つの予定情報を選択する選択部と、
選択した前記予定情報に係るオンライン会議へ前記情報処理装置が参加するための処理を実行する参加部と、
を有することを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記場所特定情報取得部は、前記情報処理装置が受信する電波を利用して前記設置場所を特定可能な情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記電波は、オンライン会議に使用される場所に設置されている機器又はビーコンが発する電波である、
ことを特徴とする請求項2記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記場所特定情報取得部は、前記情報処理装置が複数の電波を受信する場合は、最も電波強度が強い電波を利用して前記設置場所を特定可能な情報を取得する、
ことを特徴とする請求項2又は3記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記場所特定情報取得部は、会議室に予め設置されている機器又はビーコンが送信する電波から前記設置場所を特定可能な情報を取得する、
ことを特徴とする請求項2又は3記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記場所特定情報取得部は、前記設置場所の位置情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理システム。
【請求項7】
オンライン会議に利用される情報処理装置が、
前記情報処理装置の設置場所を特定可能な情報を取得する場所特定情報取得手順と、
前記設置場所を特定可能な情報と現在時刻とに基づいて、開催場所と開催期間とが指定されている1以上のオンライン会議の予定情報の中から、いずれか一つの予定情報を選択する選択手順と、
選択した前記予定情報に係るオンライン会議へ前記情報処理装置が参加するための処理を実行する参加手順と、
を実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
オンライン会議に利用される情報処理装置に、
前記情報処理装置の設置場所を特定可能な情報を取得する場所特定情報取得手順と、
前記設置場所を特定可能な情報と現在時刻とに基づいて、開催場所と開催期間とが指定されている1以上のオンライン会議の予定情報の中から、いずれか一つの予定情報を選択する選択手順と、
選択した前記予定情報に係るオンライン会議へ前記情報処理装置が参加するための処理を実行する参加手順と、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、在宅勤務の普及にともない、オンライン会議の利用頻度が高まっている。オンライン会議の情報は予めサーバ等に登録されており、各参加者は、オンライン会議への参加時に、参加対象のオンライン会議を特定するための情報を入力する必要が有る。
【0003】
特許文献1には、自動的で議事録を作成する目的で、場所の特定の際に予め設定した「所定の地理的範囲」を検知する自動報告書作成システムが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の自動報告書作成システムは、対面で実施する会議の議事録を作成するだけで、オンライン会議に簡単に参加する機能は有さない。例えば、当該自動報告書作成システムでは、オンライン会議への参加時に、参加対象のオンライン会議を特定するための情報を入力するといった作業負担を軽減することは困難である。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、オンライン会議に参加するための作業負担を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで上記課題を解決するため、オンライン会議に利用される情報処理装置を含む情報処理システムは、前記情報処理装置の設置場所を特定可能な情報を取得する場所特定情報取得部と、前記設置場所を特定可能な情報と現在時刻とに基づいて、開催場所と開催期間とが指定されている1以上のオンライン会議の予定情報の中から、いずれか一つの予定情報を選択する選択部と、選択した前記予定情報に係るオンライン会議へ前記情報処理装置が参加するための処理を実行する参加部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
オンライン会議に参加するための作業負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施の形態における情報処理システム1の構成例を示す図である。
【
図2】第1の実施の形態におけるオンライン会議デバイス10のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】第1の実施の形態における会議サーバ30のハードウェア構成例を示す図である。
【
図4】第1の実施の形態における情報処理システム1の機能構成例を示す図である。
【
図5】第1の実施の形態における情報処理システム1が実行する処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図6】機器情報記憶部23の構成例を示す図である。
【
図9】第3の実施の形態における情報処理システム1が実行する処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図10】第4の実施の形態における情報処理システム1が実行する処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図11】デバイス記憶部37の構成例を示す図である。
【
図12】第5の実施の形態における情報処理システム1の機能構成例を示す図である。
【
図13】第5の実施の形態における情報処理システム1が実行する処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、第1の実施の形態における情報処理システム1の構成例を示す図である。
【0010】
図1において、オンライン会議デバイス10と、据え置きデバイス20A及び据え置きデバイス20B等(以下、それぞれを区別しない場合「据え置きデバイス20」という。)の1以上の据え置きデバイス20とは、LAN(Local Area Network)又はインターネット等のネットワークを介して会議サーバ30に接続する。
【0011】
オンライン会議デバイス10は、マイク及びスピーカ等を備え、持ち運び(携帯)可能な可動型のオンライン会議用の機器である。オンライン会議デバイス10は、例えば、ユーザがオンライン会議に利用する場所(例えば、会議室A又は会議室B)等に携帯されて、当該オンライン会議に利用される。なお、オンライン会議デバイス10は、専用の機器であってもよいし、PC(Personal Computer)等の汎用的な機器に対してオンライン会議用のソフトウェアがインストールされることで実現されてもよい。
【0012】
据え置きデバイス20は、会議に利用される場所に予め(会議の開催の有無に関わらず)設置(固定)されている機器である。例えば、電子ホワイトボード、複合機又はプロジェクタ等、設置場所の移動が低頻度である機器が据え置きデバイス20として好適である。また、据え置きデバイス20は、近距離無線通信を介してオンライン会議デバイス10と通信可能である。なお、本実施の形態において、据え置きデバイス20Aは、会議室Aに設置されており、据え置きデバイス20Bは、会議室Bに設置されている。
【0013】
会議サーバ30は、会議に関する情報や会議室に関する情報を管理すると共に、オンライン会議を実施するための処理を実行する1以上のコンピュータである。会議サーバ30の配置場所は、例えば、会議室A及び会議室Bを含む事業所内でもよいし、当該事業所とインターネットを介して接続されるクラウド環境でもよい。
【0014】
図2は、第1の実施の形態におけるオンライン会議デバイス10のハードウェア構成例を示す図である。
図2のオンライン会議デバイス10は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置100、補助記憶装置102、メモリ装置103、CPU104、インタフェース装置105、映像I/F106、入力装置107、カメラ108、マイク109及びスピーカ110等を有する。
【0015】
オンライン会議デバイス10での処理を実現するプログラムは、CD-ROM等の記録媒体101によって提供される。プログラムを記憶した記録媒体101がドライブ装置100にセットされると、プログラムが記録媒体101からドライブ装置100を介して補助記憶装置102にインストールされる。但し、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体101より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置102は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
【0016】
メモリ装置103は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置102からプログラムを読み出して格納する。CPU104は、メモリ装置103に格納されたプログラムに従ってオンライン会議デバイス10に係る機能を実現する。インタフェース装置105は、ネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。
【0017】
映像I/F106は、オンライン会議の相手側の映像を表示するための表示装置に接続するためのHDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)等のインタフェースである。入力装置107は、ボタン又はタッチパネル等で構成され、様々な操作指示を入力させるために用いられる。
【0018】
カメラ108は、オンライン会議においてオンライン会議デバイス10側のユーザ(参加者)の映像を入力する。マイク109は、オンライン会議デバイス10側のユーザ(参加者)が発話する音声を入力する。スピーカ110は、オンライン会議の相手側の音声を出力する。
【0019】
図3は、第1の実施の形態における会議サーバ30のハードウェア構成例を示す図である。
図3の会議サーバ30は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置300、補助記憶装置302、メモリ装置303、CPU304、及びインタフェース装置305等を有する。
【0020】
会議サーバ30での処理を実現するプログラムは、CD-ROM等の記録媒体301によって提供される。プログラムを記憶した記録媒体301がドライブ装置300にセットされると、プログラムが記録媒体301からドライブ装置300を介して補助記憶装置302にインストールされる。但し、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体301より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置302は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
【0021】
メモリ装置303は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置302からプログラムを読み出して格納する。CPU304は、メモリ装置303に格納されたプログラムに従って会議サーバ30に係る機能を実行する。インタフェース装置305は、ネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。
【0022】
図4は、第1の実施の形態における情報処理システム1の機能構成例を示す図である。
図4において、オンライン会議デバイス10は、操作受付部11、場所特定情報取得部12、時間取得部13及び会議参加部14を有する。これら各部は、オンライン会議デバイス10にインストールされた1以上のプログラムが、CPU104に実行させる処理により実現される。
【0023】
操作受付部11は、例えば、入力装置107を介して行われるユーザによる操作を受け付ける。
【0024】
場所特定情報取得部12は、オンライン会議デバイス10がオンライン会議のために設置された場所を特定可能な情報(以下、「場所特定情報」という。)を取得する。
【0025】
時間取得部13は、現在時刻を取得する。
【0026】
会議参加部14は、場所特定情報取得部12によって取得される場所特定情報及び現在時刻と、会議サーバ30に登録されているオンライン会議の予定情報とに基づいて、会議サーバ30に予め会議ごとに登録されている予定情報の中からいずれか一つの予定情報を選択し、選択したオンライン会議に参加するための処理を制御(実行)する。オンライン会議に参加するための処理とは、例えば、オンライン会議デバイス10のユーザをオンライン会議に参加可能にする処理、オンライン会議デバイス10をオンライン会議に紐付ける処理、オンライン会議デバイス10と会議サーバ30とオンライン会議のために通信可能にするための処理である。
【0027】
据え置きデバイス20は、検索応答部21及び機器情報応答部22を有する。これら各部は、据え置きデバイス20にインストールされた1以上のプログラムが、据え置きデバイス20のCPUに実行させる処理により実現される。据え置きデバイス20は、また、機器情報記憶部23を利用する。機器情報記憶部23は、例えば、据え置きデバイス20が有する補助記憶装置等を用いて実現可能である。
【0028】
検索応答部21は、オンライン会議デバイス10が送信するデバイスの検索要求を示す電波の受信に応じて応答を示す電波を送信する。
【0029】
機器情報応答部22は、オンライン会議デバイス10が送信する機器情報の取得要求を示す電波の受信に応じて機器情報記憶部23に記憶されている情報を含む応答を示す電波を送信する。当該情報が、場所特定情報として利用される。
【0030】
機器情報記憶部23は、据え置きデバイス20に関する情報(機器情報)を記憶する。
【0031】
会議サーバ30は、会議一覧応答部31、会議管理部32、参加要求受信部33及びオンライン会議管理部34を有する。これら各部は、会議サーバ30にインストールされた1以上のプログラムが、CPU304に実行させる処理により実現される。会議サーバ30は、また、会議記憶部35、会議室記憶部36及びデバイス記憶部37を利用する。これら各記憶部は、例えば、補助記憶装置302等を用いて実現可能である。
【0032】
会議一覧応答部31は、オンライン会議デバイス10からの要求において指定される場所特定情報に基づいて特定される場所を利用して開催される会議の予定情報の一覧の取得を会議管理部32に要求し、当該一覧をオンライン会議デバイス10に応答する。
【0033】
会議管理部32は、会議一覧応答部31からの要求において指定される場所特定情報に基づいて特定される場所を利用して開催される会議の予定情報の一覧を会議記憶部35及び会議室記憶部36から検索し、当該一覧を応答する。
【0034】
会議記憶部35には、開催が予定されている会議ごとに予定情報が記憶されている。予定情報においては、開催場所(例えば、会議室等のように参加者が参加する場所)の識別情報や開催期間等が指定されている。
【0035】
会議室記憶部36には、会議室ごとに、その識別情報に関連付けて名称、位置情報及び設置されている据え置きデバイス20の識別情報等が記憶されている。
【0036】
参加要求受信部33は、オンライン会議デバイス10から送信される、オンライン会議への参加要求を受信する。
【0037】
オンライン会議管理部34は、参加要求受信部33が受信した参加要求に応じ、当該参加要求において指定されているオンライン会議へ参加させるための処理(例えば、映像や音声の中継処理等)を実行する。
【0038】
デバイス記憶部37には、据え置きデバイス20ごとに、その識別情報に関連付けて名称が記憶されている。
なお、
図4においてオンライン会議デバイス10を構成する各部、据え置きデバイス20を構成する各部、会議サーバ30を構成する各部のうちのいずれか一部又は全部は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0039】
以下、情報処理システム1が実行する処理手順について説明する。
図5は、第1の実施の形態における情報処理システム1が実行する処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。なお、
図5において、オンライン会議デバイス10と据え置きデバイス20との間の通信は、近距離無線通信用の電波を利用した通信である。
【0040】
オンライン会議デバイス10のユーザが、オンライン会議に使用する場所にオンライン会議デバイス10を設置した後で、オンライン会議デバイス10に対して所定の操作を行うと(S101)、オンライン会議デバイス10の操作受付部11は、オンライン会議デバイス10の設置場所に関する場所特定情報の取得を場所特定情報取得部12に要求する(S102)。ここでは、オンライン会議デバイス10が会議室Aに設置されたとする。
【0041】
操作受付部11からの要求に応じ、場所特定情報取得部12は、デバイスの検索要求を示す電波を送信する(S103)。ここで、オンライン会議デバイス10は、会議室Aに設置されたため、会議室Aに予め設置されている据え置きデバイス20Aの検索応答部21が当該電波を受信する。そこで、据え置きデバイス20Aの検索応答部21は、応答(据え置きデバイス20Aの存在)を示す電波を送信する(S104)。
【0042】
オンライン会議デバイス10の場所特定情報取得部12は、当該応答の送信元である据え置きデバイス20Aに対して、据え置きデバイス20Aの設置場所情報の取得要求を示す電波を送信する(S105)。据え置きデバイス20Aの設置場所情報とは、据え置きデバイス20Aが設置されている場所の識別情報(名称)をいう。据え置きデバイス20Aの機器情報応答部22は、当該取得要求を受信すると、据え置きデバイス20Aの機器情報記憶部23から据え置きデバイス20Aの設置場所情報を取得する(S106、S107)。
【0043】
図6は、機器情報記憶部23の構成例を示す図である。
図6が示すように、機器情報記憶部23には、keyごとにvalueが記憶されている。keyとしては、デバイス名及び設置場所情報等が有る。デバイス名は、据え置きデバイス20Aの名称である。設置場所情報は、据え置きデバイス20Aの設置場所の識別情報である。ステップS106では設置場所情報の取得が要求されているため、ステップS107では、設置場所のvalue(「会議室A」)が取得される。
【0044】
続いて、機器情報応答部22は、取得した設置場所情報(「会議室A」)を含む応答を示す電波をオンライン会議デバイス10へ送信する(S108)。オンライン会議デバイス10の場所特定情報取得部12は、当該応答を受信すると、当該応答が含む設置場所情報(「会議室A」)をオンライン会議デバイス10の場所特定情報として指定して、会議への参加を会議参加部14へ要求する(S109)。
【0045】
会議参加部14は、場所特定情報取得部12からの要求に応じ、当該要求に指定されている場所特定情報(「会議室A」)に係る場所(例えば、会議室等)を利用して開催が予定されている会議の予定情報の一覧(以下、「会議一覧」という。)の取得要求を会議サーバ30へ送信する(S110)。会議サーバ30の会議一覧応答部31は、当該取得要求を受信すると、当該会議一覧の取得を会議管理部32へ要求する(S111)。会議管理部32は、会議記憶部35及び会議室記憶部36を参照して、該当する会議一覧を取得する(S112)。
【0046】
図7は、会議記憶部35の構成例を示す図である。
図7が示すように、会議記憶部35は、開催が予定されている会議ごとに、タイトル、日時、オンライン会議URL及び会議室id等を含む予定情報を記憶する。タイトルは、会議のタイトルである。日時は、会議の開催期間(開始日時及び終了日時)を示す情報である。オンライン会議URLは、オンライン会議に対して有効な項目であり、オンライン会議に対して割り当てられたURLである。オンライン会議ではない会議(対面での会議)のオンライン会議URLの値は「なし」である。会議室idは、会議に利用される部屋(会議室)の識別情報である。
【0047】
図8は、会議室記憶部36の構成例を示す図である。
図8が示すように、会議室記憶部36は、会議室ごとに、会議室id、会議室名、位置情報及びデバイスid等を記憶する。会議室idは、会議室の識別情報であり、同じ会議室に対して会議記憶部35が記憶する会議室idと同じ値である。会議室名は、会議室の名称である。位置情報は、会議室の所在地の緯度及び経度である。デバイスidは、当該会議室の設置されている据え置きデバイス20の識別情報である。
【0048】
ステップS112において、会議管理部32は、会議記憶部35が記憶する予定情報の中で、会議一覧の取得要求に指定されている場所特定情報に一致する会議室名に対応する会議室idを含む予定情報の一覧を、該当する会議一覧として取得する。ここで、会議一覧の取得要求に指定されている場所情報に一致する会議室名に対応する会議室idであるか否かは、会議室記憶部36を参照して判定可能である。例えば、当該場所特定情報が「会議室A」であれば、
図8より、「会議室A」に一致する会議室名に対応する会議室idは、「ROOM1」である。したがって、この場合、
図7が示す予定情報の中で、「ROOM1」を会議室idとして含む予定情報(
図8の1行目から3行目までの予定情報)が、該当する会議一覧として取得される。
【0049】
続いて、会議管理部32は、取得した会議一覧を含む応答を会議一覧応答部31へ送信する(S113)。会議一覧応答部31は、当該応答をオンライン会議デバイス10の会議参加部14へ送信する(S114)。
【0050】
オンライン会議デバイス10の会議参加部14は、当該応答を受信すると、現在時刻の取得を時間取得部13に要求する(S115)。時間取得部13は、オンライン会議デバイス10が備える時計から又はネットワークを介して現在時刻を取得し、現在時刻を会議参加部14へ応答する(S116)。続いて、会議参加部14は、会議一覧の中から、オンライン会議に係る予定情報であって、かつ、「日時」によって示されている開始時刻が現在時刻より後である予定情報の中で当該開始時刻と現在時刻との差分が最小である予定情報を、参加対象のオンライン会議として選択する(S117)。なお、オンライン会議に係る予定情報であるか否かは、「オンライン会議URL」の値が有効であるか否かに基づいて判定可能である。
【0051】
続いて、会議参加部14は、特定した予定情報に係るオンライン会議へ参加するための処理を実行する。例えば、会議参加部14は、当該予定情報が含むオンライン会議URLを指定して、オンライン会議への参加要求を会議サーバ30へ送信する(S118)。会議サーバ30の参加要求受信部33は、当該参加要求を受信すると、当該参加要求をオンライン会議管理部34へ送信する(S119)。オンライン会議管理部34は、当該参加要求を受信すると、当該参加要求に指定されたオンライン会議URLに係るオンライン会議へ当該参加要求の送信元を参加させるための処理を実行する。
【0052】
上述したように、第1の実施の形態によれば、自動的に参加対象のオンライン会議が選択されるため、オンライン会議への参加者は、当該オンライン会議を特定するための情報を入力する必要が無い。したがって、オンライン会議に参加するための作業負担を軽減することができる。
【0053】
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では第1の実施の形態と異なる点について説明する。したがって、特に言及されない点については、第1の実施の形態と同様でもよい。
【0054】
第2の実施の形態において、オンライン会議デバイス10の場所特定情報取得部12は、据え置きデバイス20からの電波ではなく、会議室に設置されたビーコンからの電波から場所特定情報を取得する。ビーコンとは、Bluetooth(登録商標)によって付近の端末と通信が可能なデバイスである。例えば、ビーコンタグ搭載のデバイス(発信機)が各会議室に設置されており、それぞれが発信する電波に、それぞれの設置場所を示す設置場所情報(会議室名)が含まれていれば、いずれかの会議室にオンライン会議デバイス10を設置することで、オンライン会議デバイス10は、場所特定情報を取得できる。その後、
図5のステップS109以降が実行されることで、自動的にオンライン会議へ参加することができる。
【0055】
上述したように、第2の実施の形態では、据え置きデバイス20を設置するスペースの確保が困難な小さな会議室であっても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0056】
次に、第3の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では第1の実施の形態と異なる点について説明する。したがって、特に言及されない点については、第1の実施の形態と同様でもよい。
【0057】
図9は、第3の実施の形態における情報処理システム1が実行する処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
図9中、
図5と同一ステップには同一ステップ番号を付し、その説明は適宜省略する。
【0058】
図9では、デバイスの検索要求が据え置きデバイス20A及び据え置きデバイス20Bの2つの据え置きデバイス20の検索応答部21によって受信される状況が想定される(S103-1、S103-2)。例えば、オンライン会議デバイス10からの電波が、据え置きデバイス20A及び据え置きデバイス20Bの双方によって受信可能な位置にオンライン会議デバイス10が設置された場合に、このような状況が発生しうる。
【0059】
この場合、各据え置きデバイス20の検索応答部21は、当該検索要求に対する応答を示す電波を送信する(S104-1、S104-2)。その結果、場所特定情報取得部12は、複数の応答を受信する。
【0060】
検索要求に対して複数の応答(複数の電波)を受信した場合、複数の応答のうち電波強度が最も強い応答を選択し(S131)、当該応答の送信元の据え置きデバイス20に対して設置場所情報の取得要求を示す電波を送信する(S105)。
図9では、オンライン会議デバイス10が会議室Aに設置された状況が想定されているため、オンライン会議デバイス10が受信する応答の中で、据え置きデバイス20Aからの応答の電波が最も強くなる。したがって、据え置きデバイス20Aに対して設置場所情報の取得要求が送信される。
【0061】
以降に実行される処理手順は、
図5において説明した通りである。
【0062】
上述したように、第3の実施の形態によれば、複数の据え置きデバイス20の存在が検知された場合であても、オンライン会議デバイス10の設置場所を特定することができ、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0063】
なお、第2の実施の形態に対して第3の実施の形態が適用されてもよい。具体的には、オンライン会議デバイス10の場所特定情報取得部12は、複数のビーコンから電波を受信した場合、最も電波強度が強い電波を選択すればよい。
【0064】
次に、第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態では第1の実施の形態と異なる点について説明する。したがって、特に言及されない点については、第1の実施の形態と同様でもよい。
【0065】
図10は、第4の実施の形態における情報処理システム1が実行する処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
図10中、
図5と同一ステップには同一ステップ番号を付し、その説明は適宜省略する。
図10では、
図5のステップS105~S112が、ステップS105a~S112aに置き換わっている。
【0066】
ステップS105aにおいて、オンライン会議デバイス10の場所特定情報取得部12は、ステップS104の応答の送信元である据え置きデバイス20Aに対して、据え置きデバイス20Aのデバイス名の取得要求を示す電波を送信する。据え置きデバイス20Aの機器情報応答部22は、当該取得要求を受信すると、据え置きデバイス20Aの機器情報記憶部23から据え置きデバイス20Aのデバイス名を取得する(S106a、S107a)。なお、機器情報記憶部23の構成例は
図6に示した通りであるが、第4の実施の形態では、設置場所情報は機器情報記憶部23に記憶されていなくてもよい。
【0067】
続いて、機器情報応答部22は、取得したデバイス名(「据え置きデバイスA」)を含む応答を示す電波をオンライン会議デバイス10へ送信する(S108a)。オンライン会議デバイス10の場所特定情報取得部12は、当該応答を受信すると、当該応答が含むデバイス名(「据え置きデバイスA」)を場所特定情報として指定して、会議への参加を会議参加部14へ要求する(S109a)。
【0068】
会議参加部14は、場所特定情報取得部12からの要求に応じ、当該要求に指定されているデバイス名(「据え置きデバイスA」)に係る据え置きデバイス20が設置されている場所(例えば、会議室等)を利用して開催が予定されている会議の予定情報の一覧(以下、「会議一覧」という。)の取得要求を会議サーバ30へ送信する(S110a)。会議サーバ30の会議一覧応答部31は、当該取得要求を受信すると、当該会議一覧の取得を会議管理部32へ要求する(S111a)。会議管理部32は、会議記憶部35、会議室記憶部36及びデバイス記憶部37を参照して、該当する会議一覧を取得する(S112a)。会議記憶部35は、
図7に示した通りである。会議室記憶部36は、
図8に示した通りである。
【0069】
図11は、デバイス記憶部37の構成例を示す図である。
図11が示すように、デバイス記憶部37は、据え置きデバイス20ごとに、デバイスid及びデバイス名を対応付けて記憶する。
【0070】
ステップS112aにおいて、会議管理部32は、会議記憶部35が記憶する予定情報の中で、会議一覧の取得要求に指定されているデバイス名に係る据え置きデバイス20が設置されている会議室の会議室idを含む予定情報の一覧を、該当する会議一覧として取得する。具体的には、会議管理部32は、会議一覧の取得要求に指定されているデバイス名に対応するデバイスidをデバイス記憶部37を参照して特定する。会議管理部32は、特定したデバイスidに対応する会議室id(すなわち、当該デバイスidに係る据え置きデバイス20が設置されている会議室の会議室id)を会議室記憶部36(
図8)を参照して特定する。会議管理部32は、特定した会議室idを含む予定情報の一覧を該当する会議一覧として会議記憶部35(
図7)から取得する。
【0071】
【0072】
上述したように、第3の実施の形態によれば、オンライン会議デバイス10は、据え置きデバイス20のデバイス名(据え置きデバイス20の識別情報)に基づいて、オンライン会議デバイス10の設置場所を特定することができる。したがって、各据え置きデバイス20に対して設置場所情報を設定する必要がなく、据え置きデバイス20の設置場所を会議サーバ30で一元的に管理することができる。その結果、据え置きデバイス20の設置場所の変更等に対する柔軟性を確保することができる。
【0073】
なお、第2又は第3の実施の形態に対して第4の実施の形態が適用されてもよい。第2の実施の形態に対して第4の実施の形態が適用される場合、各ビーコンは、当該ビーコンのデバイス名を含む電波を送信すればよい。
【0074】
次に、第5の実施の形態について説明する。第5の実施の形態では第1の実施の形態と異なる点について説明する。したがって、特に言及されない点については、第1の実施の形態と同様でもよい。
【0075】
図12は、第5の実施の形態における情報処理システム1の機能構成例を示す図である。
図12中、
図4と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
図12において、オンライン会議デバイス10は、更に、位置取得部15を有する。位置取得部15は、GPS(Global Positioning System)(の電波)等を利用してオンライン会議デバイス10の位置情報(緯度及び経度)を取得する。
【0076】
一方、第5の実施の形態において、据え置きデバイス20は使用されない。
【0077】
図13は、第5の実施の形態における情報処理システム1が実行する処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
図13中、
図5と同一ステップには同一ステップ番号を付し、その説明は適宜省略する。
【0078】
図13では、ステップS102に続いて、ステップS103~S108の代わりに、ステップS141及びS142が実行される。
【0079】
ステップS141において、場所特定情報取得部12は、現在地の位置情報の取得を位置取得部15に要求する。位置取得部15は、GPS等を利用して現在地の緯度及び経度を取得し、取得した緯度及び経度を含む応答を場所特定情報取得部12へ送信する(S141)。
【0080】
続いて、ステップS109~S112に代えてステップS109b~S112bが実行される。
【0081】
ステップS109bにおいて、場所特定情報取得部12は、ステップS141の応答が含む位置情報(緯度及び経度)を場所特定情報として指定して、会議への参加を会議参加部14へ要求する。
【0082】
会議参加部14は、場所特定情報取得部12からの要求に応じ、当該要求に指定されている位置情報(緯度及び経度)に係る場所(例えば、会議室等)を利用して開催が予定されている会議の予定情報の一覧(以下、「会議一覧」という。)の取得要求を会議サーバ30へ送信する(S110b)。会議サーバ30の会議一覧応答部31は、当該取得要求を受信すると、当該会議一覧の取得を会議管理部32へ要求する(S111b)。会議管理部32は、会議記憶部35及び会議室記憶部36を参照して、該当する会議一覧を取得する(S112b)。会議記憶部35は、
図7に示した通りである。会議室記憶部36は、
図8に示した通りである。
【0083】
ステップS112bにおいて、会議管理部32は、まず、会議記憶部35を参照して、会議一覧の取得要求に指定されている位置情報(緯度及び経度)に対応する会議室idを特定する。会議管理部32は、特定した会議室idを含む予定情報の一覧を該当する会議一覧として会議記憶部35(
図7)から取得する。
【0084】
【0085】
上述したように、第5の実施の形態によれば、据え置きデバイス20やビーコンを設置しなくても第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0086】
なお、GPSの代わりに、空間に設置されたビーコンを利用して、現在地の位置情報が取得されてよい。この場合、ビーコンが発信する電波には、位置情報を示すIDが含まれていればよい。
【0087】
なお、上記各実施の形態において、オンライン会議デバイス10は、情報処理装置の一例である。会議参加部14は、選択部及び参加部の一例である。
【0088】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
本発明の態様は、例えば、以下の通りである。
<1>
オンライン会議に利用される情報処理装置を含む情報処理システムであって、
前記情報処理装置の設置場所を特定可能な情報を取得する場所特定情報取得部と、
前記設置場所を特定可能な情報と現在時刻とに基づいて、開催場所と開催期間とが指定されている1以上のオンライン会議の予定情報の中から、いずれか一つの予定情報を選択する選択部と、
選択した前記予定情報に係るオンライン会議へ前記情報処理装置が参加するための処理を実行する参加部と、
を有することを特徴とする情報処理システム。
<2>
前記場所特定情報取得部は、前記情報処理装置が受信する電波を利用して前記設置場所を特定可能な情報を取得する、
ことを特徴とする<1>記載の情報処理システム。
<3>
前記電波は、オンライン会議に使用される場所に設置されている機器又はビーコンが発する電波である、
ことを特徴とする<2>記載の情報処理システム。
<4>
前記場所特定情報取得部は、前記情報処理装置が複数の電波を受信する場合は、最も電波強度が強い電波を利用して前記設置場所を特定可能な情報を取得する、
ことを特徴とする<2>又は<3>記載の情報処理システム。
<5>
前記場所特定情報取得部は、会議室に予め設置されている機器又はビーコンが送信する電波から前記設置場所を特定可能な情報を取得する、
ことを特徴とする<2>又は<3>記載の情報処理システム。
<6>
前記場所特定情報取得部は、前記設置場所の位置情報を取得する、
ことを特徴とする<1>記載の情報処理システム。
<7>
オンライン会議に利用される情報処理装置が、
前記情報処理装置の設置場所を特定可能な情報を取得する場所特定情報取得手順と、
前記設置場所を特定可能な情報と現在時刻とに基づいて、開催場所と開催期間とが指定されている1以上のオンライン会議の予定情報の中から、いずれか一つの予定情報を選択する選択手順と、
選択した前記予定情報に係るオンライン会議へ前記情報処理装置が参加するための処理を実行する参加手順と、
を実行することを特徴とする情報処理方法。
<8>
オンライン会議に利用される情報処理装置に、
前記情報処理装置の設置場所を特定可能な情報を取得する場所特定情報取得手順と、
前記設置場所を特定可能な情報と現在時刻とに基づいて、開催場所と開催期間とが指定されている1以上のオンライン会議の予定情報の中から、いずれか一つの予定情報を選択する選択手順と、
選択した前記予定情報に係るオンライン会議へ前記情報処理装置が参加するための処理を実行する参加手順と、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0089】
1 情報処理システム
10 オンライン会議デバイス
11 操作受付部
12 場所特定情報取得部
13 時間取得部
14 会議参加部
15 位置取得部
20A 据え置きデバイス
20B 据え置きデバイス
21 検索応答部
22 機器情報応答部
23 機器情報記憶部
30 会議サーバ
31 会議一覧応答部
32 会議管理部
33 参加要求受信部
34 オンライン会議管理部
35 会議記憶部
36 会議室記憶部
37 デバイス記憶部
100 ドライブ装置
101 記録媒体
102 補助記憶装置
103 メモリ装置
104 CPU
105 インタフェース装置
106 映像I/F
107 入力装置
108 カメラ
109 マイク
110 スピーカ
300 ドライブ装置
301 記録媒体
302 補助記憶装置
303 メモリ装置
304 CPU
305 インタフェース装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0090】