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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183062
(43)【公開日】2023-12-27
(54)【発明の名称】フラットケーブル
(51)【国際特許分類】
   H01B 7/08 20060101AFI20231220BHJP
【FI】
H01B7/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096464
(22)【出願日】2022-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000005083
【氏名又は名称】株式会社プロテリアル
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小室 隆徳
(72)【発明者】
【氏名】渡部 孝信
(72)【発明者】
【氏名】杉山 剛博
(72)【発明者】
【氏名】南畝 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】深作 泉
(72)【発明者】
【氏名】西村 慶
【テーマコード(参考)】
5G311
【Fターム(参考)】
5G311CA01
5G311CB02
5G311CC01
5G311CD04
5G311CE03
(57)【要約】
【課題】フラットケーブルの更なる薄型化を実現する。
【解決手段】一実施形態のフラットケーブル1Aは、所定のピッチで並列に並べられた複数の同軸ケーブル10と、隣り合う同軸ケーブル10の間に配置され、それら同軸ケーブル10の長手方向に沿って延びる複数の接続部材20と、複数の同軸ケーブル10および接続部材20を覆う外部被覆30と、を有する。外部被覆30は、同軸ケーブル10および接続部材20を挟んで対向する第1被覆部材31と第2被覆部材32とから構成される。それぞれの接続部材20は、第1被覆部材31および第2被覆部材32に固定されている一方、それぞれの同軸ケーブル10は、第1被覆部材31および第2被覆部材32に固定されていない。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体の周囲に絶縁体を少なくとも有し、所定のピッチで並列に並べられた複数のコアと、
隣り合う前記コアの間に配置され、それらコアの長手方向に沿って延びる複数の接続部材と、
複数の前記コアおよび前記接続部材を覆う外部被覆と、を有し、
前記外部被覆は、前記コアおよび前記接続部材を挟んで対向する第1被覆部材と第2被覆部材とから構成され、
それぞれの前記接続部材は、前記第1被覆部材および前記第2被覆部材に固定されている一方、それぞれの前記コアは、前記第1被覆部材および前記第2被覆部材に固定されていない、フラットケーブル。
【請求項2】
前記接続部材は、前記第1被覆部材の内面に接着された第1接合面と、前記第2被覆部材の内面に接着された第2接合面とを備える、請求項1に記載のフラットケーブル。
【請求項3】
前記接続部材の高さと前記コアの外径とが同一である、請求項1に記載のフラットケーブル。
【請求項4】
前記接続部材の高さが前記コアの外径よりも低い、請求項1に記載のフラットケーブル。
【請求項5】
前記接続部材は、基部と、前記基部の一面に設けられ、前記第1接合面を形成する第1接着部と、前記基部の他の一面に設けられ、前記第2接合面を形成する第2接着部とを含む、請求項2に記載のフラットケーブル。
【請求項6】
前記接続部材の前記基部の素材と、前記コアを構成する前記絶縁体の素材とが同一である、請求項5に記載のフラットケーブル。
【請求項7】
前記接続部材と、当該接続部材の両隣の前記コアとが互いに接している、請求項1に記載のフラットケーブル。
【請求項8】
前記接続部材と、当該接続部材の両隣の前記コアとの間に空隙が設けられている、請求項1に記載のフラットケーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラットケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
並列に並べられた複数のコアを備えるフラットケーブルが知られている。フラットケーブルが備えるコアの一例としては、同軸ケーブルや絶縁電線などが挙げられる。フラットケーブルは、例えば、携帯電話やノート型パーソナルコンピュータなどの電子機器の配線材として用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3603665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フラットケーブルが用いられる機器の小型化や薄型化に伴って、フラットケーブルの更なる薄型化が求められている。
【0005】
本発明の目的は、フラットケーブルの更なる薄型化を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係るフラットケーブルは、導体の周囲に絶縁体を少なくとも有し、所定のピッチで並列に並べられた複数のコアと、隣り合う前記コアの間に配置され、それらコアの長手方向に沿って延びる複数の接続部材と、複数の前記コアおよび前記接続部材を覆う外部被覆と、を有する。前記外部被覆は、前記コアおよび前記接続部材を挟んで対向する第1被覆部材と第2被覆部材とから構成される。それぞれの前記接続部材は、前記第1被覆部材および第2被覆部材に固定されている一方、それぞれの前記コアは、前記第1被覆部材および第2被覆部材に固定されていない。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、従来よりも薄いフラットケーブルが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係るフラットケーブルの一部を示す平面図である。
図2図1に示されるフラットケーブルの模式的断面図である。
図3A図2に示される同軸ケーブルの拡大断面図である。
図3B図2に示される接続部材の拡大断面図である。
図4図1に示されるフラットケーブルの製造工程を示す模式図である。
図5】他の一実施形態に係るフラットケーブルの模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本発明のフラットケーブルの一実施形態について説明する。なお、実施形態を説明するために参照する全ての図面において、同一または実質的に同一の構成や要素には同一の符号を用いる。また、一度説明した構成や要素については、原則として繰り返しの説明は行わない。
【0010】
(第1実施形態)
<フラットケーブルの概要>
図1は、本実施形態に係るフラットケーブル1Aの一部を示す平面図である。より特定的には、図1は、端末処理が施されたフラットケーブル1Aの一端側を示す平面図である。また、図2は、フラットケーブル1Aの模式的断面図である。なお、図2に示されている断面は、図1中のA-Aに沿う断面である。
【0011】
フラットケーブル1Aは、複数のコアとしての同軸ケーブル10と、隣接する同軸ケーブル10の間に配置された複数の接続部材20と、複数の同軸ケーブル10および接続部材20を覆う外部被覆30と、を有する。
【0012】
より特定的には、フラットケーブル1Aは、36本の同軸ケーブル10と、35本の接続部材20と、を有する。また、外部被覆30は、全ての同軸ケーブル10および接続部材20を挟んで対向する第1被覆部材31と第2被覆部材32とから構成されている。なお、36本の同軸ケーブル10は、全て信号用同軸ケーブルである。よって、それぞれの同軸ケーブル10は、フラットケーブル1Aが用いられる機器において信号線として利用される。
【0013】
それぞれの接続部材20は、同軸ケーブル10の長手方向に沿って延びる棒状または柱状の部材である。一方、第1被覆部材31および第2被覆部材32は、同軸ケーブル10や接続部材20の長手方向に沿って延びる帯状またはテープ状の部材である。
【0014】
以下の説明では、第1被覆部材31を“下側被覆部材31”と呼び、第2被覆部材32を“上側被覆部材32”と呼ぶ場合がある。また、同軸ケーブル10の配列方向を“幅方向”と定義し、下側被覆部材31と上側被覆部材32との対向方向を“高さ方向”と定義する。もっとも、かかる呼称や定義は、説明の便宜上の呼称や定義に過ぎない。
【0015】
上記定義に従うと、図2に示されているフラットケーブル1Aの幅(W)は、例えば0.65mm以上192mm以下である。また、フラットケーブル1Aの高さ(H)は、例えば0.15mm以上1.60mm以下である。
【0016】
もっとも、フラットケーブル1Aの幅(W)は、同軸ケーブル10の本数や接続部材20の幅などに応じて変化する。また、フラットケーブル1Aの高さ(H)は、同軸ケーブル10の外径や下側被覆部材31または上側被覆部材32の厚さに応じて変化する。
【0017】
図2に示されている各接続部材20は、下側被覆部材31および上側被覆部材32に固定されている。一方、それぞれの同軸ケーブル10は、下側被覆部材31および上側被覆部材32に固定されていない。さらに、接続部材20と当該接続部材20の両隣の同軸ケーブル10とは互いに接しているが、固定されてはいない。
【0018】
<同軸ケーブル>
図3Aは、同軸ケーブル10の拡大断面図である。それぞれの同軸ケーブル10は、導体の周囲に設けられた絶縁体を少なくとも有する。より特定的には、それぞれの同軸ケーブル10は、内部導体11,内側絶縁体12,外部導体13および外側絶縁体(シース)14を有する。
【0019】
内部導体11は、撚り合わされた複数本(本実施形態では7本)の金属素線11aによって形成されている。金属素線11aには、錫めっき軟銅線,錫めっき銅合金線,銀めっき軟銅線,銀めっき銅合金線などのめっき線が用いられる。それぞれの金属素線11aの外径は、例えば0.01mm以上0.5mm以下であり、内部導体11の外径は、例えば0.03mm以上0.15mm以下である。
【0020】
内側絶縁体12は、フッ素樹脂,発泡フッ素樹脂,ポリエチレン,発泡ポリエチレン,ポリプロピレン,発泡ポリプロピレンなどによって形成されている。内側絶縁体12の厚さは、例えば0.02mm以上0.12mm以下であり、その外径は、例えば0.07mm以上0.38mm以下である。なお、内側絶縁体12は、単層でもよく、2層以上の多層でもよい。
【0021】
外部導体13は、内側絶縁体12の周囲に横巻きされた複数本の金属線13aによって形成されている。金属線13aには、例えば錫めっき軟銅線,錫めっき銅合金線,銀めっき軟銅線,銀めっき銅合金線などが用いられる。それぞれの金属線13aの外径は、例えば0.017mm以上0.032mm以下である。
【0022】
外側絶縁体14は、ポリ塩化ビニル(PVC),フッ素樹脂などによって形成されている。外側絶縁体14の厚さは、例えば0.022mm以上0.045mm以下であり、その外径は、例えば0.15mm以上0.54mm以下である。つまり、同軸ケーブル10の外径(d)は、例えば0.15mm以上0.54mm以下である。なお、外側絶縁体14はテープ部材によって構成されていてもよい。また、外側絶縁体14は、フラットケーブル1Aの用途によっては省略してもよい。
【0023】
それぞれが上記構成を有する複数本の同軸ケーブル10は、図2に示されるように、所定のピッチ(P)で並列に並べられている。なお、図2に示されているピッチ(P)は、例えば0.15mm以上5.54mm以下である。
【0024】
<接続部材>
図3Bは、接続部材20の拡大断面図である。それぞれの接続部材20は、基部21,第1接着部22および第2接着部23を含んでいる。接続部材20は、後述する第1被覆部材31と第2被覆部材32とを接続するための部材である。
【0025】
基部21は、矩形の断面形状を有する。より特定的には、基部21は、上面21a,下面21b,右側面21cおよび左側面21dを備えており、例えば四辺形(本実施形態では長方形)の断面形状を有する。基部21の幅は、例えば0.10mm以上2.00mm以下であり、基部21の厚さは、例えば0.05mm以上0.54mm以下である。
【0026】
第1接着部22は、基部21の下面21bに設けられており、粘性または接着性を備えている。第2接着部23は、基部21の上面21aに設けられており、粘性または接着性を備えている。第1接着部22は、例えば、基部21の下面21bに貼られた両面テープや、下面21bに塗布された接着剤によって形成される。第2接着部23も、例えば、基部21の上面21aに貼られた両面テープや、上面21aに塗布された接着剤によって形成される。第1接着部22や第2接着部23を形成する接着剤には、例えばアクリル系粘着剤,ウレタン系粘着剤,シリコーン系粘着剤などが用いられる。第1接着部22および第2接着部23の幅は、基部21の幅と同じか、またはそれよりも小さい(狭い)。第1接着部22および第2接着部23の厚さは、例えば0.005mm以上である。
【0027】
接続部材20は、同軸ケーブル10と同等或いはそれ以上の柔軟性を備えている。具体的には、接続部材20の基部21は、同軸ケーブル10を構成する絶縁体(例えば、外側絶縁体14)と同一の素材によって形成されている。つまり、基部21は、ポリ塩化ビニル(PVC)やフッ素樹脂などによって形成されている。
【0028】
図3Bから理解できるように、基部21は、接続部材20の主要部である。よって、接続部材20の柔軟性は、専ら基部21の柔軟性に依存する。したがって、基部21の素材と同軸ケーブル10を構成する絶縁体(例えば、外側絶縁体14)の素材とが同一である本実施形態の接続部材20は、同軸ケーブル10と同等或いはそれ以上の柔軟性を有している。
【0029】
もっとも、基部21の素材と同軸ケーブル10を構成する絶縁体の素材とが同一であっても、同軸ケーブル10の構造やサイズなどによっては、同軸ケーブル10の柔軟性が基部21の柔軟性を上回ることもあり得る。
【0030】
しかし、本実施形態では、基部21および同軸ケーブル10の断面積は略同一である。このような条件の下では、同軸ケーブル10の最外層の素材と同一の素材によって形成されている基部21の柔軟性が、内部導体11や外部導体13を内包している同軸ケーブル10の柔軟性を上回るのが通常である。
【0031】
<外部被覆>
既述のとおり、外部被覆30は、対向する第1被覆部材31と第2被覆部材32とから構成されている。図2に示されるように、対向する第1被覆部材31と第2被覆部材32との間に接続部材20が介在している。さらに、それぞれの接続部材20の第1接着部22の一面22aは、下側被覆部材31の内面31aに固定(接着)されている。また、それぞれの接続部材20の第2接着部23の一面23aは、上側被覆部材32の内面32aに固定(接着)されている。つまり、第1接着部22の一面22aは、下側被覆部材31の内面31aに固定(接着)される第1接合面であり、第2接着部23の一面23aは、上側被覆部材32の内面32aに固定(接着)される第2接合面である。
【0032】
そこで、以下の説明では、第1接着部22の一面22aを“第1接合面22a”と呼び、第2接着部23の一面23aを“第2接合面23a”と呼ぶ場合がある。
【0033】
第1被覆部材31と第2被覆部材32とは、これらの間に介在する複数の接続部材20によって互いに連結されて外部被覆30を構成している。
【0034】
ここで、図3Bに示されている接続部材20の高さ(h)は、図3Aに示されている同軸ケーブル10の外径(d)と同一である。つまり、接続部材20の高さ(h)は、例えば0.15mm以上0.54mm以下である。この結果、図2に示されるように、接続部材20の第1接合面22aが接着されている下側被覆部材31の内面31aは、同軸ケーブル10の外周面に、接着されていない状態で接している。同様に、接続部材20の第2接合面23aが接着されている上側被覆部材32の内面32aは、同軸ケーブル10の外周面に、接着されていない状態で接している。
【0035】
もっとも、同軸ケーブル10が下側被覆部材31や上側被覆部材32に固定されていないことは既述のとおりである。よって、フラットケーブル1Aの端末処理を行う際、外部被覆30を容易に除去することができる。また、同軸ケーブル10が下側被覆部材31や上側被覆部材32に固定されている場合に比べて、フラットケーブル1Aの可撓性が向上する。
【0036】
上記のとおり、下側被覆部材31および上側被覆部材32は、これらの間に介在する接続部材20によって互いに連結されている。よって、接続部材20の第1接合面22aが接着されている下側被覆部材31の内面31aと、接続部材20の第2接合面23aが接着されている上側被覆部材32の内面32aとの対向間隔は、接続部材20の高さ(h)と同一または実質的に同一である。そして、接続部材20の高さ(h)は、同軸ケーブル10の外径(d)と同一なので、下側被覆部材31の内面31aと上側被覆部材32の内面32aとの対向間隔は、同軸ケーブル10の外径(d)とも同一または実質的に同一である。
【0037】
つまり、フラットケーブル1Aの高さ(H)は、接続部材20の高さ(=同軸ケーブル10の外径)+下側被覆部材31の厚さ+上側被覆部材32の厚さである。
【0038】
別の見方をすると、フラットケーブル1Aの高さ(H)は、同軸ケーブル10と下側被覆部材31や上側被覆部材32との間に接着層や粘着テープが存在している場合よりも低くなっている。言い換えれば、フラットケーブル1Aは、同軸ケーブル10と下側被覆部材31や上側被覆部材32との間に接着層や粘着テープが存在している場合よりも薄くなっている。
【0039】
<製造方法>
次に、フラットケーブル1Aの製造方法の一例について説明する。図4(A)に示されるように、接続部材20を下側被覆部材31の上に所定の間隔で配置し、下側被覆部材31に固定する。より特定的には、それぞれの接続部材20の第1接合面22aを下側被覆部材31の内面31aに接着させる。
【0040】
その後、図4(B)に示されるように、幅方向両端の接続部材20の外側および隣り合う接続部材20の間に同軸ケーブル10を配置する。ここで、隣り合う接続部材20の間隔(S)は、同軸ケーブル10のピッチ(P)に基づいて予め設定されている。具体的には、間隔(S)は0.15mm以上0.60mm以下に設定されている。この結果、隣り合う接続部材20の間に同軸ケーブル10を配置すると、同軸ケーブル10が所定のピッチ(P)で並ぶ。
【0041】
別の見方をすると、接続部材20は、同軸ケーブル10が配置される下側被覆部材31の内面31aを区画する仕切り部材として機能する。さらに別の見方をすると、接続部材20は、同軸ケーブル10を所定のピッチ(P)で並べる作業を容易にするガイド部材として機能する。
【0042】
次に、図4(C)に示されるように、上側被覆部材32を同軸ケーブル10および接続部材20に被せ、これらを覆う。同時に、それぞれの接続部材20の第2接合面23aを上側被覆部材32の内面32aに接着させる。また、下側被覆部材31および上側被覆部材32の幅方向両端同士を接着させる。
【0043】
(第2実施形態)
本発明のフラットケーブルの他の一実施形態について説明する。図5は、本実施形態に係るフラットケーブル1Bの模式的断面図である。もっとも、本実施形態に係るフラットケーブル1Bは、第1実施形態に係るフラットケーブル1Aと同一の基本構造を有する。そこで、フラットケーブル1Aと同一または実質的に同一の構成などについての説明は省略し、フラットケーブル1Aとの相違点についてのみ説明する。
【0044】
図5に示されるように、フラットケーブル1Bでは、接続部材20の高さが同軸ケーブル10の外径よりも低い。この結果、外部被覆30に凹凸が生じている。
【0045】
より特定的には、下側被覆部材31および上側被覆部材32に、同軸ケーブル10に沿って延びる複数の凹部40が形成されている。凹部40は、それぞれの接続部材20の上下に形成されている。
【0046】
上記のような凹部40が設けられているフラットケーブル1Bは、フラットケーブル1Aに比べて、幅方向内側に向けて撓ませたり、丸めたりすることが容易である。また、接続部材20の体積が減少するので、製造コストの低減や柔軟性の向上が期待される。
【0047】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、複数本の同軸ケーブル10の全部または一部は、電源用同軸ケーブルに置換することができる。
【0048】
また、接続部材20と、当該接続部材20の両隣の同軸ケーブル10との間に空隙が設けられる実施形態もある。かかる実施形態では、接続部材20の仕切り部材やガイド部材としての機能は低下するが、フラットケーブルの可撓性がより向上する。
【0049】
さらに、本発明のフラットケーブルのコアは同軸ケーブルに限られない。例えば、上記実施形態における同軸ケーブル10の全部または一部は、外部導体13や外側絶縁体14を備えていない絶縁電線に置換することができる。
【0050】
なお、本明細書に記載されている数値や素材は一例であり、適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0051】
1A,1B…フラットケーブル、10…同軸ケーブル(コア)、11…内部導体、11a…金属素線、12…内側絶縁体、13…外部導体、13a…金属線、14…外側絶縁体、20…接続部材、21…基部、21a…上面
21b…下面、21c…右側面、21d…左側面、22…第1接着部、22a…第1接合面、23…第2接着部、23a…第2接合面、30…外部被覆、31…第1被覆部材(下側被覆部材)、31a…内面、32…第2被覆部材(上側被覆部材)、32a…内面、40…凹部、d…外径、P…ピッチ、S…間隔、W…幅
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5