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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183319
(43)【公開日】2023-12-27
(54)【発明の名称】積層基板及び積層基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20231220BHJP
【FI】
H05K3/46 G
H05K3/46 L
H05K3/46 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096863
(22)【出願日】2022-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000190688
【氏名又は名称】新光電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】三木 翔太
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA12
5E316AA15
5E316AA22
5E316AA26
5E316AA43
5E316CC04
5E316CC05
5E316CC09
5E316CC10
5E316CC32
5E316DD02
5E316DD03
5E316EE43
5E316GG28
5E316HH33
(57)【要約】
【課題】歩留まりの低下を抑制することができる積層基板及び積層基板の製造方法を提供する。
【解決手段】積層基板は、互いに積層された複数の第1配線基板と、前記複数の第1配線基板の間に位置する第1絶縁樹脂層と、前記複数の第1配線基板の側面を被覆する第2絶縁樹脂層と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに積層された複数の第1配線基板と、
前記複数の第1配線基板の間に位置する第1絶縁樹脂層と、
前記複数の第1配線基板の側面を被覆する第2絶縁樹脂層と、
を有することを特徴とする積層基板。
【請求項2】
前記第1絶縁樹脂層と前記第2絶縁樹脂層とが一体化されていることを特徴とする請求項1に記載の積層基板。
【請求項3】
前記第1配線基板同士を接合する第1導電性接合材を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の積層基板。
【請求項4】
第2配線基板を有し、
前記複数の第1配線基板は前記第2配線基板の上に積層されており、
前記複数の第1配線基板のうちで最も前記第2配線基板に近い第1配線基板と前記第2配線基板との間に位置する第3絶縁樹脂層を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の積層基板。
【請求項5】
前記第2絶縁樹脂層と前記第3絶縁樹脂層とが一体化されていることを特徴とする請求項4に記載の積層基板。
【請求項6】
前記複数の第1配線基板のうちで最も前記第2配線基板に近い第1配線基板と前記第2配線基板とを接合する第2導電性接合材を有することを特徴とする請求項4に記載の積層基板。
【請求項7】
前記第2配線基板の上に設けられ、平面視で前記第2絶縁樹脂層を囲む樹脂流出制限部材を有することを特徴とする請求項4に記載の積層基板。
【請求項8】
複数の第1配線基板を作製する工程と、
前記複数の第1配線基板を、間に第1流動性絶縁樹脂層を設けながら互いに積層して積層体を形成する工程と、
前記積層体の圧着を行う工程と、
を有し、
前記積層体の圧着を行う工程は、
前記第1流動性絶縁樹脂層から前記複数の第1配線基板の間に位置する第1絶縁樹脂層を形成する工程と、
前記第1流動性絶縁樹脂層から前記複数の第1配線基板の側面を被覆する第2絶縁樹脂層を形成すると、
を有することを特徴とする積層基板の製造方法。
【請求項9】
第2配線基板を作製する工程を有し、
前記積層体を形成する工程は、前記第2配線基板の上に前記複数の第1配線基板を、前記複数の第1配線基板のうちで最も前記第2配線基板に近い第1配線基板と前記第2配線基板との間に第2流動性絶縁樹脂層を設けながら積層する工程を有し、
前記積層体の圧着を行う工程は、前記第2流動性絶縁樹脂層から前記第2配線基板と前記第1配線基板の間に位置する第3絶縁樹脂層を形成する工程を有することを特徴とする請求項8に記載の積層基板の製造方法。
【請求項10】
前記積層体の圧着を行う工程の前に、前記第2配線基板の上に、前記複数の第1配線基板が積層される領域を、平面視で当該領域から離れて囲む樹脂流出制限部材を形成する工程を有することを特徴とする請求項9に記載の積層基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、積層基板及び積層基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コア層の一方の面及び他方の面に複数層の配線層が形成された配線基板が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-200689号公報
【特許文献2】国際公開第2014/181766号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
配線基板の大型化及び配線基板に含まれる配線層の層数の増加等が進むと、配線基板の歩留まりが低下するおそれがある。
【0005】
本開示は、歩留まりの低下を抑制することができる積層基板及び積層基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一形態によれば、互いに積層された複数の第1配線基板と、前記複数の第1配線基板の間に位置する第1絶縁樹脂層と、前記複数の第1配線基板の側面を被覆する第2絶縁樹脂層と、を有する積層基板が提供される。
【発明の効果】
【0007】
開示に技術によれば、歩留まりの低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る積層基板を例示する上面図である。
図2】第1実施形態に係る積層基板を例示する断面図である。
図3】配線基板を例示する断面図(その1)である。
図4】配線基板を例示する断面図(その2)である。
図5】配線基板を例示する断面図(その3)である。
図6】第1実施形態に係る積層基板の製造方法を例示する図(その1)である。
図7】第1実施形態に係る積層基板の製造方法を例示する図(その2)である。
図8】第1実施形態に係る積層基板の製造方法を例示する図(その3)である。
図9】第1実施形態に係る積層基板の製造方法を例示する図(その4)である。
図10】第1実施形態に係る積層基板の製造方法を例示する図(その5)である。
図11】第1実施形態に係る積層基板の製造方法を例示する図(その6)である。
図12】第1実施形態に係る積層基板の製造方法を例示する図(その7)である。
図13】第1実施形態に係る積層基板の製造方法を例示する図(その8)である。
図14】第1実施形態に係る積層基板の製造方法を例示する図(その9)である。
図15】第1実施形態に係る積層基板の製造方法を例示する図(その10)である。
図16】第2実施形態に係る積層基板を例示する上面図である。
図17】第2実施形態に係る積層基板を例示する断面図である。
図18】第3実施形態に係る積層基板を例示する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について添付の図面を参照しながら具体的に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省くことがある。
【0010】
(第1実施形態)
[積層基板の構造]
まず、第1実施形態に係る積層基板の構造について説明する。図1は、第1実施形態に係る積層基板を例示する上面図である。図2は、第1実施形態に係る積層基板を例示する断面図である。図2は、図1中のII-II線に沿った断面図に相当する。
【0011】
図1及び図2に示すように、第1実施形態に係る積層基板1は、配線基板100と、配線基板200と、配線基板300と、配線基板400と、配線基板500と、絶縁樹脂層700とを有する。配線基板200、300、400及び500はこの順で配線基板100に積層されている。
【0012】
なお、本実施形態では、便宜上、配線基板100から視て配線基板500が位置する側を上側又は一方の側、配線基板500から視て配線基板100が位置する側を下側又は他方の側とする。また、各部位の配線基板500側の面を上面又は一方の面、配線基板100側の面を下面又は他方の面とする。但し、積層基板1は天地逆の状態で用いることができ、又は任意の角度で配置することができる。また、平面視とは対象物を配線基板500の上面の法線方向から視ることを指し、平面形状とは対象物を配線基板500の上面の法線方向から視た形状を指すものとする。
【0013】
配線基板100、200、300、400及び500の平面形状は、例えば矩形状である。平面視で、配線基板200、300、400及び500の各辺の長さは略等しい。一方、配線基板100の各辺の長さは、配線基板200、300、400及び500の各辺の長さよりも大きい。
【0014】
配線基板200は配線基板100の上に設けられている。積層基板1は複数の導電性接合材226を有しており、配線基板100及び200は導電性接合材226により互いに機械的に接合されている。また、配線基板100及び200は導電性接合材226を通じて互いに電気的に接続されている。導電性接合材226は、例えば、はんだを含む。はんだの材料としては、錫銀(SnAg)系合金、錫亜鉛(SnZn)系合金及び錫銅(SnCu)系合金等の無鉛はんだ、並びに鉛錫(PbSn)系合金の有鉛はんだが例示される。
【0015】
配線基板300は配線基板200の上に設けられている。積層基板1は複数の導電性接合材326を有しており、配線基板200及び300は導電性接合材326により互いに機械的に接合されている。また、配線基板200及び300は導電性接合材326を通じて互いに電気的に接続されている。導電性接合材326の材料は、例えば、導電性接合材226の材料と同様である。
【0016】
配線基板400は配線基板300の上に設けられている。積層基板1は複数の導電性接合材426を有しており、配線基板300及び400は導電性接合材426により互いに機械的に接合されている。また、配線基板300及び400は導電性接合材426を通じて互いに電気的に接続されている。導電性接合材426の材料は、例えば、導電性接合材226の材料と同様である。
【0017】
配線基板500は配線基板400の上に設けられている。積層基板1は複数の導電性接合材526を有しており、配線基板400及び500は導電性接合材526により互いに機械的に接合されている。また、配線基板400及び500は導電性接合材526を通じて互いに電気的に接続されている。導電性接合材526の材料は、例えば、導電性接合材226の材料と同様である。
【0018】
平面視で、配線基板200、300、400及び500の外縁が互いに重なり合っている。また、平面視で、配線基板200、300、400及び500の外縁は、配線基板100の外縁の内側に位置する。平面視では、配線基板100の上面の一部が配線基板200、300、400及び500から環状に露出している。配線基板200、300、400及び500は第1配線基板の一例であり、配線基板100は第2配線基板の一例である。
【0019】
ここで、配線基板100、200、300、400及び500について詳細に説明する。図3は、配線基板100及び200を例示する断面図である。図4は、配線基板300及び400を例示する断面図である。図5は、配線基板500を例示する断面図である。
【0020】
図3(a)に示すように、配線基板100は、コア層101の一方の面101aに順次積層された、配線層110、絶縁層111、配線層112、絶縁層113及び配線層114を有している。また、配線基板100は、コア層101の他方の面101bに順次積層された、配線層120、絶縁層121、配線層122、絶縁層123、配線層124及びソルダーレジスト層125を有している。
【0021】
コア層101としては、例えば、ガラスクロスにエポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂等の絶縁性樹脂を含浸させた所謂ガラスエポキシ基板等を用いることができる。コア層101として、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維等の織布や不織布にエポキシ系樹脂等を含浸させた基板等を用いてもよい。コア層101がガラスクロス等を含まなくてもよい。
【0022】
配線層110は、コア層101の一方の面101aに形成されている。配線層110は、コア層101を貫通する貫通配線102を介して、配線層120と電気的に接続されている。配線層110の材料は、例えば、銅等である。
【0023】
絶縁層111は、コア層101の一方の面101aに配線層110を覆うように形成されている。絶縁層111の材料としては、例えば、エポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂を主成分とする絶縁性樹脂等を用いることができる。絶縁層111の厚さは、例えば10μm~50μm程度とすることができる。絶縁層111は、シリカ(SiO)等のフィラーを含有することができる。
【0024】
配線層112は、絶縁層111の一方の側に形成されている。配線層112は、絶縁層111を貫通し配線層110の上面を露出するビアホール111x内に充填されたビア配線と、絶縁層111の上面に形成された配線パターンとを含んでいる。配線層112の配線パターンは、ビア配線を介して、配線層110と電気的に接続されている。ビアホール111xは、例えば、上側に開口されている開口部の径が配線層110の上面によって形成された開口部の底面の径よりも大きい逆円錐台状の凹部である。配線層112の材料は、例えば、配線層110と同様である。
【0025】
絶縁層113は、絶縁層111の上面に配線層112を覆うように形成されている。絶縁層113の材料や厚さは、例えば、絶縁層111と同様である。絶縁層113は、シリカ(SiO)等のフィラーを含有することができる。
【0026】
配線層114は、絶縁層113の一方の側に形成されている。配線層114は、絶縁層113を貫通し配線層112の上面を露出するビアホール113x内に充填されたビア配線と、絶縁層113の上面に形成された配線パターンとを含んでいる。配線層114の配線パターンは、ビア配線を介して、配線層112と電気的に接続されている。ビアホール113xは、例えば、上側に開口されている開口部の径が配線層112の上面によって形成された開口部の底面の径よりも大きい逆円錐台状の凹部である。配線層114の材料は、例えば、配線層110と同様である。
【0027】
配線層120は、コア層101の他方の面101bに形成されている。配線層120の材料は、例えば、配線層110と同様である。
【0028】
絶縁層121は、コア層101の他方の面101bに配線層120を覆うように形成されている。絶縁層121の材料や厚さは、例えば、絶縁層111と同様である。絶縁層121は、シリカ(SiO)等のフィラーを含有することができる。
【0029】
配線層122は、絶縁層121の他方の側に形成されている。配線層122は、絶縁層121を貫通し配線層120の下面を露出するビアホール121x内に充填されたビア配線と、絶縁層121の下面に形成された配線パターンとを含んでいる。配線層122の配線パターンは、ビア配線を介して、配線層120と電気的に接続されている。ビアホール121xは、例えば、下側に開口されている開口部の径が配線層120の下面によって形成された開口部の底面の径よりも大きい円錐台状の凹部である。配線層122の材料は、例えば、配線層110と同様である。
【0030】
絶縁層123は、絶縁層121の下面に配線層122を覆うように形成されている。絶縁層123の材料や厚さは、例えば、絶縁層111と同様である。絶縁層123は、シリカ(SiO)等のフィラーを含有することができる。
【0031】
配線層124は、絶縁層123の他方の側に形成されている。配線層124は、絶縁層123を貫通し配線層122の下面を露出するビアホール123x内に充填されたビア配線と、絶縁層123の下面に形成された配線パターンとを含んでいる。配線層124の配線パターンは、ビア配線を介して、配線層122と電気的に接続されている。ビアホール123xは、例えば、下側に開口されている開口部の径が配線層122の下面によって形成された開口部の底面の径よりも大きい円錐台状の凹部である。配線層124の材料は、例えば、配線層110と同様である。
【0032】
ソルダーレジスト層125は、配線基板100の他方の側の最外層であり、絶縁層123の下面に、配線層124を覆うように設けられた絶縁層である。ソルダーレジスト層125は、例えば、エポキシ系樹脂やアクリル系樹脂等の感光性樹脂等から形成することができる。ソルダーレジスト層125の厚さは、例えば5μm~40μm程度とすることができる。
【0033】
ソルダーレジスト層125は、開口部125xを有し、開口部125xの底部には配線層124の下面の一部が露出している。開口部125xの平面形状は、例えば、円形である。開口部125x内に露出する配線層124は、マザーボード等の実装基板と電気的に接続するためのパッドとして用いることができる。必要に応じ、開口部125x内に露出する配線層124の下面に金属層を形成したり、水溶性フラックス(organic solderability preservative:OSP)処理等の酸化防止処理を施したりしてもよい。
【0034】
図3(b)に示すように、配線基板200は、コア層201の一方の面201aに順次積層された、配線層210、絶縁層211、配線層212、絶縁層213及び配線層214を有している。また、配線基板200は、コア層201の他方の面201bに順次積層された、配線層220、絶縁層221、配線層222、絶縁層223及び配線層224を有している。
【0035】
コア層201の材料は、例えば、コア層101の材料と同様である。コア層201がガラスクロス等を含まなくてもよい。
【0036】
配線層210は、コア層201の一方の面201aに形成されている。配線層210は、コア層201を貫通する貫通配線202を介して、配線層220と電気的に接続されている。配線層210の材料は、例えば、配線層110の材料と同様である。
【0037】
絶縁層211は、コア層201の一方の面201aに配線層210を覆うように形成されている。絶縁層211の材料や厚さは、例えば、絶縁層111と同様である。絶縁層211は、シリカ(SiO)等のフィラーを含有することができる。
【0038】
配線層212は、絶縁層211の一方の側に形成されている。配線層212は、絶縁層211を貫通し配線層210の上面を露出するビアホール211x内に充填されたビア配線と、絶縁層211の上面に形成された配線パターンとを含んでいる。配線層212の配線パターンは、ビア配線を介して、配線層210と電気的に接続されている。ビアホール211xは、例えば、上側に開口されている開口部の径が配線層210の上面によって形成された開口部の底面の径よりも大きい逆円錐台状の凹部である。配線層212の材料は、例えば、配線層110と同様である。
【0039】
絶縁層213は、絶縁層211の上面に配線層212を覆うように形成されている。絶縁層213の材料や厚さは、例えば、絶縁層111と同様である。絶縁層213は、シリカ(SiO)等のフィラーを含有することができる。
【0040】
配線層214は、絶縁層213の一方の側に形成されている。配線層214は、絶縁層213を貫通し配線層212の上面を露出するビアホール213x内に充填されたビア配線と、絶縁層213の上面に形成された配線パターンとを含んでいる。配線層214の配線パターンは、ビア配線を介して、配線層212と電気的に接続されている。ビアホール213xは、例えば、上側に開口されている開口部の径が配線層212の上面によって形成された開口部の底面の径よりも大きい逆円錐台状の凹部である。配線層214の材料は、例えば、配線層110と同様である。
【0041】
配線層220は、コア層201の他方の面201bに形成されている。配線層220の材料は、例えば、配線層110と同様である。
【0042】
絶縁層221は、コア層201の他方の面201bに配線層220を覆うように形成されている。絶縁層221の材料や厚さは、例えば、絶縁層111と同様である。絶縁層221は、シリカ(SiO)等のフィラーを含有することができる。
【0043】
配線層222は、絶縁層221の他方の側に形成されている。配線層222は、絶縁層221を貫通し配線層220の下面を露出するビアホール221x内に充填されたビア配線と、絶縁層221の下面に形成された配線パターンとを含んでいる。配線層222の配線パターンは、ビア配線を介して、配線層220と電気的に接続されている。ビアホール221xは、例えば、下側に開口されている開口部の径が配線層220の下面によって形成された開口部の底面の径よりも大きい円錐台状の凹部である。配線層222の材料は、例えば、配線層110と同様である。
【0044】
絶縁層223は、絶縁層221の下面に配線層222を覆うように形成されている。絶縁層223の材料や厚さは、例えば、絶縁層111と同様である。絶縁層223は、シリカ(SiO)等のフィラーを含有することができる。
【0045】
配線層224は、絶縁層223の他方の側に形成されている。配線層224は、絶縁層223を貫通し配線層222の下面を露出するビアホール223x内に充填されたビア配線と、絶縁層223の下面に形成された配線パターンとを含んでいる。配線層224の配線パターンは、ビア配線を介して、配線層222と電気的に接続されている。ビアホール223xは、例えば、下側に開口されている開口部の径が配線層222の下面によって形成された開口部の底面の径よりも大きい円錐台状の凹部である。配線層224の材料は、例えば、配線層110と同様である。
【0046】
図4(a)に示すように、配線基板300は、コア層301の一方の面301aに順次積層された、配線層310、絶縁層311及び配線層312を有している。また、配線基板300は、コア層301の他方の面301bに順次積層された、配線層320、絶縁層321及び配線層322を有している。
【0047】
コア層301の材料は、例えば、コア層101の材料と同様である。
【0048】
配線層310は、コア層301の一方の面301aに形成されている。配線層310は、コア層301を貫通する貫通配線302を介して、配線層320と電気的に接続されている。配線層310の材料は、例えば、配線層110の材料と同様である。貫通配線302がコア層301を貫通する貫通孔の内壁面を覆うように形成され、貫通配線302の内側に絶縁層303が設けられていてもよい。
【0049】
絶縁層311は、コア層301の一方の面301aに配線層310を覆うように形成されている。絶縁層311の材料や厚さは、例えば、絶縁層111と同様である。絶縁層311は、シリカ(SiO)等のフィラーを含有することができる。
【0050】
配線層312は、絶縁層311の一方の側に形成されている。配線層312は、絶縁層311を貫通し配線層310の上面を露出するビアホール311x内に充填されたビア配線と、絶縁層311の上面に形成された配線パターンとを含んでいる。配線層312の配線パターンは、ビア配線を介して、配線層310と電気的に接続されている。ビアホール311xは、例えば、上側に開口されている開口部の径が配線層310の上面によって形成された開口部の底面の径よりも大きい逆円錐台状の凹部である。配線層312の材料は、例えば、配線層110と同様である。
【0051】
配線層320は、コア層301の他方の面301bに形成されている。配線層320の材料は、例えば、配線層110と同様である。
【0052】
絶縁層321は、コア層301の他方の面301bに配線層320を覆うように形成されている。絶縁層321の材料や厚さは、例えば、絶縁層111と同様である。絶縁層321は、シリカ(SiO)等のフィラーを含有することができる。
【0053】
配線層322は、絶縁層321の他方の側に形成されている。配線層322は、絶縁層321を貫通し配線層320の下面を露出するビアホール321x内に充填されたビア配線と、絶縁層321の下面に形成された配線パターンとを含んでいる。配線層322の配線パターンは、ビア配線を介して、配線層320と電気的に接続されている。ビアホール321xは、例えば、下側に開口されている開口部の径が配線層320の下面によって形成された開口部の底面の径よりも大きい円錐台状の凹部である。配線層322の材料は、例えば、配線層110と同様である。
【0054】
図4(b)に示すように、配線基板400は、コア層401の一方の面401aに順次積層された、配線層410、絶縁層411、配線層412、絶縁層413及び配線層414を有している。また、配線基板400は、コア層401の他方の面401bに順次積層された、配線層420、絶縁層421、配線層422、絶縁層423及び配線層424を有している。
【0055】
コア層401の材料は、例えば、コア層101の材料と同様である。コア層401がガラスクロス等を含まなくてもよい。
【0056】
配線層410は、コア層401の一方の面401aに形成されている。配線層410は、コア層401を貫通する貫通配線402を介して、配線層420と電気的に接続されている。配線層410の材料は、例えば、配線層110の材料と同様である。
【0057】
絶縁層411は、コア層401の一方の面401aに配線層410を覆うように形成されている。絶縁層411の材料や厚さは、例えば、絶縁層111と同様である。絶縁層411は、シリカ(SiO)等のフィラーを含有することができる。
【0058】
配線層412は、絶縁層411の一方の側に形成されている。配線層412は、絶縁層411を貫通し配線層410の上面を露出するビアホール411x内に充填されたビア配線と、絶縁層411の上面に形成された配線パターンとを含んでいる。配線層412の配線パターンは、ビア配線を介して、配線層410と電気的に接続されている。ビアホール411xは、例えば、上側に開口されている開口部の径が配線層410の上面によって形成された開口部の底面の径よりも大きい逆円錐台状の凹部である。配線層412の材料は、例えば、配線層110と同様である。
【0059】
絶縁層413は、絶縁層411の上面に配線層412を覆うように形成されている。絶縁層413の材料や厚さは、例えば、絶縁層111と同様である。絶縁層413は、シリカ(SiO)等のフィラーを含有することができる。
【0060】
配線層414は、絶縁層413の一方の側に形成されている。配線層414は、絶縁層413を貫通し配線層412の上面を露出するビアホール413x内に充填されたビア配線と、絶縁層413の上面に形成された配線パターンとを含んでいる。配線層414の配線パターンは、ビア配線を介して、配線層412と電気的に接続されている。ビアホール413xは、例えば、上側に開口されている開口部の径が配線層412の上面によって形成された開口部の底面の径よりも大きい逆円錐台状の凹部である。配線層414の材料は、例えば、配線層110と同様である。
【0061】
配線層420は、コア層401の他方の面401bに形成されている。配線層420の材料は、例えば、配線層110と同様である。
【0062】
絶縁層421は、コア層401の他方の面401bに配線層420を覆うように形成されている。絶縁層421の材料や厚さは、例えば、絶縁層111と同様である。絶縁層421は、シリカ(SiO)等のフィラーを含有することができる。
【0063】
配線層422は、絶縁層421の他方の側に形成されている。配線層422は、絶縁層421を貫通し配線層420の下面を露出するビアホール421x内に充填されたビア配線と、絶縁層421の下面に形成された配線パターンとを含んでいる。配線層422の配線パターンは、ビア配線を介して、配線層420と電気的に接続されている。ビアホール421xは、例えば、下側に開口されている開口部の径が配線層420の下面によって形成された開口部の底面の径よりも大きい円錐台状の凹部である。配線層422の材料は、例えば、配線層110と同様である。
【0064】
絶縁層423は、絶縁層421の下面に配線層422を覆うように形成されている。絶縁層423の材料や厚さは、例えば、絶縁層111と同様である。絶縁層423は、シリカ(SiO)等のフィラーを含有することができる。
【0065】
配線層424は、絶縁層423の他方の側に形成されている。配線層424は、絶縁層423を貫通し配線層422の下面を露出するビアホール423x内に充填されたビア配線と、絶縁層423の下面に形成された配線パターンとを含んでいる。配線層424の配線パターンは、ビア配線を介して、配線層422と電気的に接続されている。ビアホール423xは、例えば、下側に開口されている開口部の径が配線層422の下面によって形成された開口部の底面の径よりも大きい円錐台状の凹部である。配線層424の材料は、例えば、配線層110と同様である。
【0066】
図5に示すように、配線基板500は、コア層501の一方の面501aに順次積層された、配線層510、絶縁層511、配線層512、絶縁層513、配線層514及びソルダーレジスト層515を有している。また、配線基板500は、コア層501の他方の面501bに順次積層された、配線層520、絶縁層521、配線層522、絶縁層523及び配線層524を有している。
【0067】
コア層501の材料は、例えば、コア層101の材料と同様である。コア層501がガラスクロス等を含まなくてもよい。
【0068】
配線層510は、コア層501の一方の面501aに形成されている。配線層510は、コア層501を貫通する貫通配線502を介して、配線層520と電気的に接続されている。配線層510の材料は、例えば、配線層110の材料と同様である。
【0069】
絶縁層511は、コア層501の一方の面501aに配線層510を覆うように形成されている。絶縁層511の材料や厚さは、例えば、絶縁層111と同様である。絶縁層511は、シリカ(SiO)等のフィラーを含有することができる。
【0070】
配線層512は、絶縁層511の一方の側に形成されている。配線層512は、絶縁層511を貫通し配線層510の上面を露出するビアホール511x内に充填されたビア配線と、絶縁層511の上面に形成された配線パターンとを含んでいる。配線層512の配線パターンは、ビア配線を介して、配線層510と電気的に接続されている。ビアホール511xは、例えば、上側に開口されている開口部の径が配線層510の上面によって形成された開口部の底面の径よりも大きい逆円錐台状の凹部である。配線層512の材料は、例えば、配線層110と同様である。
【0071】
絶縁層513は、絶縁層511の上面に配線層512を覆うように形成されている。絶縁層513の材料や厚さは、例えば、絶縁層111と同様である。絶縁層513は、シリカ(SiO)等のフィラーを含有することができる。
【0072】
配線層514は、絶縁層513の一方の側に形成されている。配線層514は、絶縁層513を貫通し配線層512の上面を露出するビアホール513x内に充填されたビア配線と、絶縁層513の上面に形成された配線パターンとを含んでいる。配線層514の配線パターンは、ビア配線を介して、配線層512と電気的に接続されている。ビアホール513xは、例えば、上側に開口されている開口部の径が配線層512の上面によって形成された開口部の底面の径よりも大きい逆円錐台状の凹部である。配線層514の材料は、例えば、配線層110と同様である。
【0073】
ソルダーレジスト層515は、配線基板500の一方の側の最外層であり、絶縁層513の上面に、配線層514を覆うように形成された絶縁層である。ソルダーレジスト層515の材料や厚さは、例えば、ソルダーレジスト層125と同様である。
【0074】
ソルダーレジスト層515は、開口部515xを有し、開口部515xの底部には配線層514の上面の一部が露出している。開口部515xの平面形状は、例えば、円形である。必要に応じ、開口部515x内に露出する配線層514の上面に金属層を形成したり、OSP処理等の酸化防止処理を施したりしてもよい。
【0075】
開口部515xの底部に露出する配線層514の上面には、外部接続端子516が形成されている。外部接続端子516は、例えば、はんだバンプである。はんだバンプの材料としては、例えばPbを含む合金、SnとCuの合金、SnとAgの合金、SnとAgとCuの合金等を用いることができる。外部接続端子516は、半導体チップと電気的に接続するための端子となる。
【0076】
配線層520は、コア層501の他方の面501bに形成されている。配線層520の材料は、例えば、配線層110と同様である。
【0077】
絶縁層521は、コア層501の他方の面501bに配線層520を覆うように形成されている。絶縁層521の材料や厚さは、例えば、絶縁層111と同様である。絶縁層521は、シリカ(SiO)等のフィラーを含有することができる。
【0078】
配線層522は、絶縁層521の他方の側に形成されている。配線層522は、絶縁層521を貫通し配線層520の下面を露出するビアホール521x内に充填されたビア配線と、絶縁層521の下面に形成された配線パターンとを含んでいる。配線層522の配線パターンは、ビア配線を介して、配線層520と電気的に接続されている。ビアホール521xは、例えば、下側に開口されている開口部の径が配線層520の下面によって形成された開口部の底面の径よりも大きい円錐台状の凹部である。配線層522の材料は、例えば、配線層110と同様である。
【0079】
絶縁層523は、絶縁層521の下面に配線層522を覆うように形成されている。絶縁層523の材料や厚さは、例えば、絶縁層111と同様である。絶縁層523は、シリカ(SiO)等のフィラーを含有することができる。
【0080】
配線層524は、絶縁層523の他方の側に形成されている。配線層524は、絶縁層523を貫通し配線層522の下面を露出するビアホール523x内に充填されたビア配線と、絶縁層523の下面に形成された配線パターンとを含んでいる。配線層524の配線パターンは、ビア配線を介して、配線層522と電気的に接続されている。ビアホール523xは、例えば、下側に開口されている開口部の径が配線層522の下面によって形成された開口部の底面の径よりも大きい円錐台状の凹部である。配線層524の材料は、例えば、配線層110と同様である。
【0081】
導電性接合材226は、配線基板100の配線層114の配線パターンと、配線基板200の配線層224の配線パターンとを、互いに機械的に接合すると共に、互いに電気的に接続している。導電性接合材326は、配線基板200の配線層214の配線パターンと、配線基板300の配線層322の配線パターンとを、互いに機械的に接合すると共に、互いに電気的に接続している。導電性接合材426は、配線基板300の配線層312の配線パターンと、配線基板400の配線層424の配線パターンとを、互いに機械的に接合すると共に、互いに電気的に接続している。導電性接合材526は、配線基板400の配線層414の配線パターンと、配線基板500の配線層524の配線パターンとを、互いに機械的に接合すると共に、互いに電気的に接続している。導電性接合材326、426及び526は第1導電性接合材の一例であり、導電性接合材226は第2導電性接合材の一例である。
【0082】
絶縁樹脂層700は、接着部711と、接着部712と、接着部713と、接着部714と、側面被覆部720とを有する。接着部711は、配線基板100の上面と配線基板200の下面との間に設けられている。接着部711は、配線基板100及び200を互いに接着している。接着部712は、配線基板200の上面と配線基板300の下面との間に設けられている。接着部712は、配線基板200及び300を互いに接着している。接着部713は、配線基板300の上面と配線基板400の下面との間に設けられている。接着部713は、配線基板300及び400を互いに接着している。接着部714は、配線基板400の上面と配線基板500の下面との間に設けられている。接着部714は、配線基板400及び500を互いに接着している。側面被覆部720は、配線基板200の側面と、配線基板300の側面と、配線基板400の側面と、配線基板500の側面とを被覆する。側面被覆部720は、更に配線基板100の上面を環状に被覆している。例えば、接着部711、712、713及び714と側面被覆部720とは一体化されている。絶縁樹脂層700の材料は、例えば、エポキシ系樹脂である。接着部712、713及び714は第1絶縁樹脂層の一例であり、側面被覆部720は第2絶縁樹脂層の一例であり、接着部711は第3絶縁樹脂層の一例である。
【0083】
[積層基板の製造方法]
次に、第1実施形態に係る積層基板の製造方法について説明する。図6図15は、第1実施形態に係る積層基板の製造方法を例示する図である。図6(a)、図7(a)、図8(a)、図9(a)及び図10(a)は斜視図である。図6(b)、図7(b)、図8(b)、図9(b)、図10(b)及び図11図15は断面図である。
【0084】
まず、図6図10に示すように、大判配線基板100t、200t、300t、400t及び500tを作製する。
【0085】
図6(a)は大判配線基板100tを斜視図であり、図6(b)は大判配線基板100tを示す断面図である。大判配線基板100tは、個片化により配線基板100となる複数の配線基板領域100sを含む。図6(b)には、2個の配線基板領域100sを示す。以下の説明では、大判配線基板100t内の部位に、最終的に配線基板100に形成される部位と同じ名称及び符号を用いることとする。
【0086】
大判配線基板100tの作製に際しては、まず、コア層101に貫通配線102、配線層110及び配線層120を形成する。具体的には、例えば、COレーザ等を用いたレーザ加工法等により、コア層101に貫通孔を形成し、貫通孔内に貫通配線102を形成する。また、サブトラクティブ法等により、コア層101の一方の面101aに配線層110を形成し、他方の面101bに配線層120を形成する。
【0087】
次いで、コア層101の一方の面101aに配線層110を覆うように半硬化状態のフィルム状のエポキシ系樹脂等をラミネートし、硬化させて絶縁層111を形成する。また、コア層101の他方の面101bに配線層120を覆うように半硬化状態のフィルム状のエポキシ系樹脂等をラミネートし、硬化させて絶縁層121を形成する。或いは、フィルム状のエポキシ系樹脂等のラミネートに代えて、液状又はペースト状のエポキシ系樹脂等を塗布後、硬化させて絶縁層111及び121を形成してもよい。
【0088】
次いで、絶縁層111に、絶縁層111を貫通し配線層110の上面を露出させるビアホール111xを形成する。また、絶縁層121に、絶縁層121を貫通し配線層120の下面を露出させるビアホール121xを形成する。ビアホール111x及び121xは、例えば、COレーザ等を用いたレーザ加工法により形成できる。ビアホール111x及び121xの形成後、デスミア処理を行い、ビアホール111x及び121xの底部に各々露出する配線層110及び120の表面に付着した樹脂残渣を除去することが好ましい。
【0089】
次いで、絶縁層111の一方の側に配線層112を形成する。配線層112は、ビアホール111x内に充填されたビア配線と、絶縁層111の上面に形成された配線パターンとを含んで構成される。また、絶縁層121の他方の側に配線層122を形成する。配線層122は、ビアホール121x内に充填されたビア配線と、絶縁層121の下面に形成された配線パターンとを含んで構成される。配線層112及び122は、セミアディティブ法やサブトラクティブ法等の各種の配線形成方法を用いて形成できる。
【0090】
例えば、配線層112をセミアディティブ法で形成する場合、ビアホール111xの内壁を含む絶縁層111の表面及びビアホール111x内に露出する配線層110の表面に銅の無電解めっきによるシード層を形成する。次いで、シード層上に配線層112の配線パターンの形状に合わせた開口部を有するめっきレジストパターンを形成する。次いで、シード層から給電する銅の電解めっきにより、めっきレジストパターンの開口部に露出するシード層上に電解めっき層を析出する。次いで、めっきレジストパターンを除去する。次いで、電解めっき層をマスクとしたエッチングを行い、電解めっき層から露出するシード層を除去する。このようにして、配線層112を形成することができる。配線層122も、配線層110と同様のセミアディティブ法で形成できる。
【0091】
配線層112及び122の形成後、絶縁層111と同様の形成方法により、絶縁層111の上面に配線層112を覆うように絶縁層113を形成する。次いで、ビアホール111xと同様の形成方法により、ビアホール113xを形成する。次いで、配線層112と同様の形成方法により、絶縁層113の一方の側に配線層114を形成する。また、絶縁層111と同様の形成方法により、絶縁層121の下面に配線層122を覆うように絶縁層123を形成する。次いで、ビアホール111xと同様の形成方法により、ビアホール123xを形成する。次いで、配線層112と同様の形成方法により、絶縁層123の他方の側に配線層124を形成する。
【0092】
次いで、絶縁層123の下面に、配線層124を覆うようにソルダーレジスト層125を形成する。ソルダーレジスト層125は、例えば、液状又はペースト状の感光性のエポキシ系樹脂やアクリル系樹脂を、配線層124を被覆するように絶縁層123の下面にスクリーン印刷法、ロールコート法、又は、スピンコート法等で塗布することにより形成できる。或いは、例えば、フィルム状の感光性のエポキシ系樹脂やアクリル系樹脂を、配線層124を被覆するように絶縁層123の下面にラミネートすることにより形成してもよい。
【0093】
次に、ソルダーレジスト層125を露光及び現像することで、ソルダーレジスト層125に配線層124の下面の一部を露出する開口部125xを形成する(フォトリソグラフィ法)。なお、開口部125xは、レーザ加工法やブラスト処理により形成してもよい。その場合には、ソルダーレジスト層125に感光性の材料を用いなくてもよい。
【0094】
このようにして、大判配線基板100tを作製することができる。
【0095】
図7(a)は大判配線基板200tを斜視図であり、図7(b)は大判配線基板200tを示す断面図である。大判配線基板200tは、個片化により配線基板200となる複数の配線基板領域200sを含む。図7(b)には、2個の配線基板領域200sを示す。以下の説明では、大判配線基板200t内の部位に、最終的に配線基板200に形成される部位と同じ名称及び符号を用いることとする。
【0096】
大判配線基板200tの作製に際しては、まず、コア層201に貫通配線202、配線層210及び配線層220を形成する。貫通配線202は、例えば、貫通配線102と同様の形成方法により形成できる。配線層210及び220は、例えば、配線層110と同様の形成方法により形成できる。
【0097】
次いで、コア層201の一方の面201aに配線層210を覆うように絶縁層211を形成し、コア層201の他方の面201bに配線層220を覆うように絶縁層221を形成する。絶縁層211及び221は、例えば、絶縁層111と同様の形成方法により形成できる。また、絶縁層211にビアホール211xを形成し、絶縁層221にビアホール221xを形成する。ビアホール211x及び221xは、例えば、ビアホール111xと同様の形成方法により形成できる。
【0098】
次いで、絶縁層211の一方の側に配線層212を形成し、絶縁層221の他方の側に配線層222を形成する。配線層212及び222は、例えば、配線層112と同様の形成方法により形成できる。
【0099】
次いで、絶縁層211の上面に配線層212を覆うように絶縁層213を形成し、絶縁層221の下面に配線層222を覆うように絶縁層223を形成する。絶縁層213及び223は、例えば、絶縁層111と同様の形成方法により形成できる。また、絶縁層213にビアホール213xを形成し、絶縁層223にビアホール223xを形成する。ビアホール213x及び223xは、例えば、ビアホール111xと同様の形成方法により形成できる。
【0100】
次いで、絶縁層213の一方の側に配線層214を形成し、絶縁層223の他方の側に配線層224を形成する。配線層214及び224は、例えば、配線層112と同様の形成方法により形成できる。
【0101】
このようにして、大判配線基板200tを作製することができる。
【0102】
図8(a)は大判配線基板300tを斜視図であり、図8(b)は大判配線基板300tを示す断面図である。大判配線基板300tは、個片化により配線基板300となる複数の配線基板領域300sを含む。図8(b)には、2個の配線基板領域300sを示す。以下の説明では、大判配線基板300t内の部位に、最終的に配線基板300に形成される部位と同じ名称及び符号を用いることとする。
【0103】
大判配線基板300tの作製に際しては、まず、コア層301に貫通配線302、絶縁層303、配線層310及び配線層320を形成する。貫通配線302は、例えば、貫通配線102と同様の形成方法により形成できる。配線層310及び320は、例えば、配線層110と同様の形成方法により形成できる。絶縁層303は、例えば、貫通配線302の形成後に、貫通孔の貫通配線302よりも内側を充填するように形成する。
【0104】
次いで、コア層301の一方の面301aに配線層310を覆うように絶縁層311を形成し、コア層301の他方の面301bに配線層320を覆うように絶縁層321を形成する。絶縁層311及び321は、例えば、絶縁層111と同様の形成方法により形成できる。また、絶縁層311にビアホール311xを形成し、絶縁層321にビアホール321xを形成する。ビアホール311x及び321xは、例えば、ビアホール111xと同様の形成方法により形成できる。
【0105】
次いで、絶縁層311の一方の側に配線層312を形成し、絶縁層321の他方の側に配線層322を形成する。配線層312及び322は、例えば、配線層112と同様の形成方法により形成できる。
【0106】
このようにして、大判配線基板300tを作製することができる。
【0107】
図9(a)は大判配線基板400tを斜視図であり、図9(b)は大判配線基板400tを示す断面図である。大判配線基板400tは、個片化により配線基板400となる複数の配線基板領域400sを含む。図9(b)には、2個の配線基板領域400sを示す。以下の説明では、大判配線基板400t内の部位に、最終的に配線基板400に形成される部位と同じ名称及び符号を用いることとする。
【0108】
大判配線基板400tの作製に際しては、まず、コア層401に貫通配線402、配線層410及び配線層420を形成する。貫通配線402は、例えば、貫通配線102と同様の形成方法により形成できる。配線層410及び420は、例えば、配線層110と同様の形成方法により形成できる。
【0109】
次いで、コア層401の一方の面401aに配線層410を覆うように絶縁層411を形成し、コア層401の他方の面401bに配線層420を覆うように絶縁層421を形成する。絶縁層411及び421は、例えば、絶縁層111と同様の形成方法により形成できる。また、絶縁層411にビアホール411xを形成し、絶縁層421にビアホール421xを形成する。ビアホール411x及び421xは、例えば、ビアホール111xと同様の形成方法により形成できる。
【0110】
次いで、絶縁層411の一方の側に配線層412を形成し、絶縁層421の他方の側に配線層422を形成する。配線層412及び422は、例えば、配線層112と同様の形成方法により形成できる。
【0111】
次いで、絶縁層411の上面に配線層412を覆うように絶縁層413を形成し、絶縁層421の下面に配線層422を覆うように絶縁層423を形成する。絶縁層413及び423は、例えば、絶縁層111と同様の形成方法により形成できる。また、絶縁層413にビアホール413xを形成し、絶縁層423にビアホール423xを形成する。ビアホール413x及び423xは、例えば、ビアホール111xと同様の形成方法により形成できる。
【0112】
次いで、絶縁層413の一方の側に配線層414を形成し、絶縁層423の他方の側に配線層424を形成する。配線層414及び424は、例えば、配線層112と同様の形成方法により形成できる。
【0113】
このようにして、大判配線基板400tを作製することができる。
【0114】
図10(a)は大判配線基板500tを斜視図であり、図10(b)は大判配線基板500tを示す断面図である。大判配線基板500tは、個片化により配線基板500となる複数の配線基板領域500sを含む。図10(b)には、2個の配線基板領域500sを示す。以下の説明では、大判配線基板500t内の部位に、最終的に配線基板500に形成される部位と同じ名称及び符号を用いることとする。
【0115】
大判配線基板500tの作製に際しては、まず、コア層501に貫通配線502、配線層510及び配線層520を形成する。貫通配線502は、例えば、貫通配線102と同様の形成方法により形成できる。配線層510及び520は、例えば、配線層110と同様の形成方法により形成できる。
【0116】
次いで、コア層501の一方の面501aに配線層510を覆うように絶縁層511を形成し、コア層501の他方の面501bに配線層520を覆うように絶縁層521を形成する。絶縁層511及び521は、例えば、絶縁層111と同様の形成方法により形成できる。また、絶縁層511にビアホール511xを形成し、絶縁層521にビアホール521xを形成する。ビアホール511x及び521xは、例えば、ビアホール111xと同様の形成方法により形成できる。
【0117】
次いで、絶縁層511の一方の側に配線層512を形成し、絶縁層521の他方の側に配線層522を形成する。配線層512及び522は、例えば、配線層112と同様の形成方法により形成できる。
【0118】
次いで、絶縁層511の上面に配線層512を覆うように絶縁層513を形成し、絶縁層521の下面に配線層522を覆うように絶縁層523を形成する。絶縁層513及び523は、例えば、絶縁層111と同様の形成方法により形成できる。また、絶縁層513にビアホール513xを形成し、絶縁層523にビアホール523xを形成する。ビアホール513x及び523xは、例えば、ビアホール111xと同様の形成方法により形成できる。
【0119】
次いで、絶縁層513の一方の側に配線層514を形成し、絶縁層523の他方の側に配線層524を形成する。配線層514及び524は、例えば、配線層112と同様の形成方法により形成できる。
【0120】
次いで、絶縁層513の上面に、配線層514を覆うようにソルダーレジスト層515を形成する。ソルダーレジスト層515は、例えば、ソルダーレジスト層125と同様の形成方法により形成できる。
【0121】
次に、ソルダーレジスト層515を露光及び現像することで、ソルダーレジスト層515に配線層514の上面の一部を露出する開口部515xを形成する(フォトリソグラフィ法)。なお、開口部515xは、レーザ加工法やブラスト処理により形成してもよい。その場合には、ソルダーレジスト層515に感光性の材料を用いなくてもよい。
【0122】
次いで、開口部515xの底部に露出する配線層514の上面に、はんだバンプ等の外部接続端子516を形成する。外部接続端子516は、半導体チップと電気的に接続するための端子となる。
【0123】
このようにして、大判配線基板500tを作製することができる。
【0124】
大判配線基板200tの作製後、図11(a)に示すように、配線層224の下面に導電性接合材226を形成する。また、絶縁層223の下面に、配線層224及び導電性接合材226を覆うように流動性を備えたアンダーフィル層225を形成する。アンダーフィル層225の形成では、例えば、エポキシ系樹脂フィルムを、配線層224及び導電性接合材226を被覆するように絶縁層223の下面にラミネートする。液状又はペースト状のエポキシ系樹脂を、配線層224及び導電性接合材226を被覆するように絶縁層223の下面にスクリーン印刷法、ロールコート法、又は、スピンコート法等で塗布することにより、アンダーフィル層225を形成してもよい。アンダーフィル層225は第2流動性絶縁樹脂層の一例である。
【0125】
大判配線基板300tの作製後、図11(b)に示すように、配線層322の下面に導電性接合材326を形成する。また、絶縁層321の下面に、配線層322及び導電性接合材326を覆うように流動性を備えたアンダーフィル層325を形成する。アンダーフィル層325は、例えば、アンダーフィル層225と同様の形成方法により形成できる。アンダーフィル層325は第1流動性絶縁樹脂層の一例である。
【0126】
大判配線基板400tの作製後、図12(a)に示すように、配線層424の下面に導電性接合材426を形成する。また、絶縁層423の下面に、配線層424及び導電性接合材426を覆うように流動性を備えたアンダーフィル層425を形成する。アンダーフィル層425は、例えば、アンダーフィル層225と同様の形成方法により形成できる。アンダーフィル層425は第1流動性絶縁樹脂層の一例である。
【0127】
大判配線基板500tの作製後、図12(b)に示すように、配線層524の下面に導電性接合材526を形成する。また、絶縁層523の下面に、配線層524及び導電性接合材526を覆うように流動性を備えたアンダーフィル層525を形成する。アンダーフィル層525は、例えば、アンダーフィル層225と同様の形成方法により形成できる。アンダーフィル層525は第1流動性絶縁樹脂層の一例である。
【0128】
その後、図13に示すように、大判配線基板100tを配線基板領域100s毎に個片化することで、複数の配線基板100を得る。導電性接合材226及びアンダーフィル層225が形成された大判配線基板200tを配線基板領域200s毎に個片化することで、導電性接合材226及びアンダーフィル層225が形成された複数の配線基板200を得る。導電性接合材326及びアンダーフィル層325が形成された大判配線基板300tを配線基板領域300s毎に個片化することで、導電性接合材326及びアンダーフィル層325が形成された複数の配線基板300を得る。導電性接合材426及びアンダーフィル層425が形成された大判配線基板400tを配線基板領域400s毎に個片化することで、導電性接合材426及びアンダーフィル層425が形成された複数の配線基板400を得る。導電性接合材526及びアンダーフィル層525が形成された大判配線基板500tを配線基板領域500s毎に個片化することで、導電性接合材526及びアンダーフィル層525が形成された複数の配線基板500を得る。
【0129】
次いで、複数の配線基板100から所定の特性を備えた配線基板100を抽出し、複数の配線基板200から所定の特性を備えた配線基板200を抽出し、複数の配線基板300から所定の特性を備えた配線基板300を抽出する。また、複数の配線基板400から所定の特性を備えた配線基板400を抽出し、複数の配線基板500から所定の特性を備えた配線基板500を抽出する。そして、所定の特性を備えた配線基板100の上に、所定の特性を備えた配線基板200、300、400及び500を順に積層することにより、積層体10を得る。配線基板が所定の特性を備えているか否かの判定は、個片化前に行っても、個片化後に行ってもよい。ただし、積層体10の形成にあたっては、良品(所定の特性を備えた配線基板)を選別し、良品同士を組み合わせることとする。
【0130】
次いで、積層体10の仮圧着を行う。仮圧着では、上側及び下側から積層体10に圧力を印加しながら、積層体10を加熱する。この結果、図14に示すように、アンダーフィル層225、325、425及び525が圧縮され、配線基板200、300、400及び500の積層体の側面からはみ出す。また、導電性接合材226、326、426及び526も圧縮される。
【0131】
次いで、積層体10の本圧着を行う。本圧着では、ダイアフラムラバーにより上側から積層体10を覆った状態で、上側及び下側から積層体10に圧力を印加しながら、積層体10を加熱する。この結果、図15に示すように、アンダーフィル層225、325、425及び525が更に圧縮され、配線基板200、300、400及び500の積層体の側面からはみ出た部分がダイアフラムラバーの内側で一体化される。この結果、接着部711、712、713及び714と、側面被覆部720とを有する絶縁樹脂層700が形成される。
【0132】
また、本圧着では、導電性接合材226、326、426及び526の溶融及び凝固が生じる。この結果、配線基板100と配線基板200とが導電性接合材226により互いに機械的に接合され、配線基板200と配線基板300とが導電性接合材326により互いに機械的に接合され、配線基板300と配線基板400とが導電性接合材426により互いに機械的に接合され、配線基板400と配線基板500とが導電性接合材526により互いに機械的に接合される。
【0133】
このようにして、第1実施形態に係る積層基板1を製造することができる。
【0134】
積層基板1は複数層の配線層を含む。配線層の形成の際には、所定の特性を満たさない箇所が生じ得る。従って、複数の配線基板領域を含む大判配線基板に形成される配線層の層数が多いほど、当該大判配線基板から形成される複数の配線基板のうちで所定の特性を備えた配線基板は少なくなる。
【0135】
本実施形態では、積層基板1に含まれる配線層の層数が28であるが、大判配線基板100t、200t、400t及び500tに含まれる配線層の層数は6であり、大判配線基板300tに含まれる配線層の層数は4である。このため、28層の配線層を含む大判配線基板をビルドアップ工法により作製する場合と比較して、歩留まりを著しく向上することができる。
【0136】
また、28層の配線層を含む大判配線基板を用いる場合と比較して、各大判配線基板から発生する不良の割合が低いため、単位時間、例えば1か月間に製造できる、所定の特性を備えた積層基板1を増やすことができる。つまり、スループットを向上することができる。
【0137】
更に、大判配線基板100t、200t、300t、400t及び500tの作製の少なくとも一部を並行して行うことで、リードタイムを短縮することができる。
【0138】
また、本実施形態では、側面被覆部720が配線基板200、300、400及び500の側面を被覆している。このため、配線基板同士の剥離を抑制することができるとともに、各配線基板内での絶縁層及び配線層の剥離を抑制することができる。例えば、積層基板1への半導体チップの実装の際、及び積層基板1の使用中に積層基板1の温度が上昇することがある。また、信頼性試験の際には積層基板1が加熱されることがある。積層基板1の温度が上昇すると、積層基板1内に熱応力が生じ得る。本実施形態では、熱応力が生じたとしても、熱応力に起因する剥離を抑制することができる。
【0139】
なお、導電性接合材226、326、426及び526の融点は、外部接続端子516の融点よりも低いことが好ましい。これは、本圧着の際に外部接続端子516を溶融させずに、導電性接合材226、326、426及び526を溶融させるためである。外部接続端子516の融点が導電性接合材226、326、426及び526の融点以下の場合は、例えば、本圧着後に外部接続端子516を形成してもよい。
【0140】
平面視で、配線基板200、300、400及び500の外縁が互いに重なり合っている必要はなく、配線基板200、300、400及び500の外縁がずれていてもよい。この場合も、平面視で、配線基板200、300、400及び500の外縁は、配線基板100の外縁の内側に位置することが好ましい。側面被覆部720を安定して形成しやすいためである。
【0141】
(第2実施形態)
[積層基板の構造]
次に、第2実施形態について説明する。図16は、第2実施形態に係る積層基板を例示する上面図である。図17は、第2実施形態に係る積層基板を例示する断面図である。図17は、図16中のXVI-XVI線に沿った断面図に相当する。
【0142】
図16及び図17に示すように、第2実施形態に係る積層基板2は、配線基板100の上に設けられ、平面視で側面被覆部720を囲む樹脂流出制限部材800を有する。側面被覆部720は、第1実施形態と同様に、配線基板200の側面と、配線基板300の側面と、配線基板400の側面と、配線基板500の側面とを被覆する。平面視で、側面被覆部720の外縁は樹脂流出制限部材800に接している。樹脂流出制限部材800の材料は、例えばエポキシ系樹脂又はソルダーレジストである。
【0143】
他の構造は第1実施形態と同様である。
【0144】
[積層基板の製造方法]
第2実施形態に係る積層基板2の製造に際しては、積層体10の形成前に、例えば仮圧着の前に、配線基板100の上に、配線基板200、300、400及び500が積層される領域を、平面視で当該領域から離れて囲むように樹脂流出制限部材800を形成しておく。樹脂流出制限部材800は、例えばフォトレジストを硬化させることで形成することができる。
【0145】
他の処理は第1実施形態と同様である。
【0146】
第2実施形態では、積層体10の圧着の前に樹脂流出制限部材800を形成している。このため、圧着の際にアンダーフィル層225、325、425及び525が流れ出る範囲が制限され、側面被覆部720に安定した形状を得やすくできる。
【0147】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。図18は、第3実施形態に係る積層基板を例示する断面図である。
【0148】
図18に示すように、第3実施形態に係る積層基板3は配線基板100を含まず、配線基板200がソルダーレジスト層227を有している。ソルダーレジスト層227は、配線基板200の他方の側の最外層であり、絶縁層223の下面に、配線層224を覆うように設けられた絶縁層である。ソルダーレジスト層227の材料や厚さは、例えば、ソルダーレジスト層125と同様である。
【0149】
ソルダーレジスト層227は、開口部227xを有し、開口部227xの底部には配線層224の下面の一部が露出している。開口部227xの平面形状は、例えば、円形である。開口部227x内に露出する配線層224は、マザーボード等の実装基板と電気的に接続するためのパッドとして用いることができる。必要に応じ、開口部227x内に露出する配線層224の下面に金属層を形成したり、OSP処理等の酸化防止処理を施したりしてもよい。
【0150】
絶縁樹脂層700が接着部711を含まず、側面被覆部720がソルダーレジスト層227の側面を覆ってもよい。
【0151】
第3実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0152】
本開示において、積層基板に含まれる配線基板の数は2以上であれば特に限定されない。また、各配線基板に含まれる配線層の層数も特に限定されない。
【0153】
以上、好ましい実施形態等について詳説したが、上述した実施形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0154】
1、2 積層基板
10 積層体
100、200、300、400、500 配線基板
100s、200s、300s、400s、500s 配線基板領域
100t、200t、300t、400t、500t 大判配線基板
225、325、425、525 アンダーフィル層
226、326、426、526 導電性接合材
700 絶縁樹脂層
711、712、713、714 接着部
720 側面被覆部
800 樹脂流出制限部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18