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特開2023-183569規制部材、画像形成装置及び定着装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183569
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】規制部材、画像形成装置及び定着装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/20 20060101AFI20231221BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20231221BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20231221BHJP
   G03G 21/18 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
G03G15/20 515
G03G15/00 550
G03G21/16 185
G03G21/18 142
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097149
(22)【出願日】2022-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100090527
【弁理士】
【氏名又は名称】舘野 千惠子
(72)【発明者】
【氏名】川田 哲平
【テーマコード(参考)】
2H033
2H171
【Fターム(参考)】
2H033AA31
2H033BA03
2H033BB03
2H033BB06
2H033BB12
2H033BB17
2H033BB30
2H033BB32
2H033BE00
2H033BE03
2H171FA03
2H171FA07
2H171FA19
2H171FA30
2H171GA12
2H171JA12
2H171KA11
2H171KA22
2H171KA23
2H171KA26
2H171KA27
2H171PA15
2H171QA04
2H171QC36
2H171XA16
(57)【要約】
【課題】取り付けやすさと、使用時における外れにくさを両立した規制部材を提供する。
【解決手段】周方向に沿った溝部が形成された軸部材を有する回転体を備えた画像形成装置に用いられる規制部材であって、前記溝部に着脱可能な止め輪80と、前記止め輪に着脱可能な開口部規制部材90と、を有し、前記止め輪は、周の一部に開口部80bを有し、該開口部が広がるように変形することで前記溝部に装着させることが可能であり、前記溝部に装着された状態において前記回転体が回転軸方向に移動することを規制し、前記開口部規制部材は、前記止め輪が前記溝部に装着された状態における前記開口部が広がらないように前記開口部を規制することを特徴とする。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周方向に沿った溝部が形成された軸部材を有する回転体を備えた画像形成装置に用いられる規制部材であって、
前記溝部に着脱可能な止め輪と、前記止め輪に着脱可能な開口部規制部材と、を有し、
前記止め輪は、周の一部に開口部を有し、該開口部が広がるように変形することで前記溝部に装着させることが可能であり、前記溝部に装着された状態において前記回転体が回転軸方向に移動することを規制し、
前記開口部規制部材は、前記止め輪が前記溝部に装着された状態における前記開口部が広がらないように前記開口部を規制することを特徴とする規制部材。
【請求項2】
前記止め輪は、金属製の線状部材を環状に成型してなり、前記開口部が前記溝部に対して前記溝部の外側から前記軸部材の軸中心の方向に向けて押し込まれることで前記開口部が広がる方向に変形し、前記溝部に勘合するとともに、前記溝部に付勢して保持されることを特徴とする請求項1に記載の規制部材。
【請求項3】
前記止め輪は、周の一端側と周の他端側であって前記開口部にくびれ部を有し、
前記開口部規制部材は、一端と他端がそれぞれ前記くびれ部にはまるようにして前記開口部を規制することを特徴とする請求項1に記載の規制部材。
【請求項4】
前記開口部規制部材は、前記止め輪に着脱可能であるとともに前記止め輪に対する1つの挿入口を有し、該挿入口を前記止め輪に対して相対移動させることで前記止め輪に装着されることを特徴とする請求項1に記載の規制部材。
【請求項5】
前記止め輪は、周の2つの端部がともに折り返し形状を有することを特徴とする請求項4に記載の規制部材。
【請求項6】
前記開口部規制部材は、前記止め輪に着脱可能であるとともに伸びる変形が可能であり、伸びる変形をすることにより前記止め輪に装着されることを特徴とする請求項1に記載の規制部材。
【請求項7】
前記止め輪は、前記開口部規制部材と連結するための第1の連結部を有し、
前記開口部規制部材は、前記止め輪と連結するための第2の連結部を有し、
前記止め輪と前記開口部規制部材は、互いに連結して1つの部品となっていることを特徴とする請求項1に記載の規制部材。
【請求項8】
前記開口部規制部材は、一端と他端にそれぞれ環状部を有しており、一の前記環状部が前記止め輪の周の一端に挿通可能であり、他の前記環状部が前記止め輪の周の他端に挿通可能であることを特徴とする請求項1に記載の規制部材。
【請求項9】
請求項1~8のいずれかに記載の規制部材と、前記回転体とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項1~8のいずれかに記載の規制部材と、前記回転体とを備えたことを特徴とする定着装置。
【請求項11】
周方向に沿った溝部が形成された軸部材を有する回転体と、前記回転体と一体に回転する駆動部材とを備えた画像形成装置であって、
前記止め輪は、周の一部に開口部を有し、該開口部が広がるように変形することで前記溝部に装着させることが可能であり、前記溝部に装着された状態において前記駆動部材が回転軸方向に移動することを規制し、
前記駆動部材は、前記軸部材の先端側に取り付けられるとともに、前記止め輪が前記溝部に装着された状態における前記開口部が広がらないように前記開口部を規制する開口部規制部を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
前記開口部規制部は、2つの凸部であり、
前記止め輪は、周の一端側が一の前記凸部と勘合し、周の他端側が他の前記凸部と勘合することを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記止め輪は、金属製の線状部材を環状に成型してなり、前記開口部が前記溝部に対して前記溝部の外側から前記軸部材の軸中心の方向に向けて押し込まれることで前記開口部が広がる方向に変形し、前記溝部に勘合するとともに、前記溝部に付勢して保持されることを特徴とする請求項11又は12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記駆動部材は、前記軸部材が挿入される孔を有し、
前記孔は、前記回転体の回転軸方向から見たときに、対向する2つの円弧と、対向する2つの直線とで囲まれた形状であり、
前記軸部材の先端側は、前記孔と勘合するように、2つの側面が削られて対向する2つの面が形成されており、前記回転体の回転軸方向から見たときに、対向する2つの円弧と、対向する2つの直線とで囲まれた形状であり、
前記溝部は、前記軸部材の2つの円弧に沿って形成されていることを特徴とする請求項11~13のいずれかに記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、規制部材、画像形成装置及び定着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置には、ローラなどの回転体を軸方向に固定する固定部品に関する技術が知られている。今までの固定部品は、金属の止め輪(いわゆるCリング)を用いていたが、この着脱には専用工具を用いて着脱する必要が生じ、ローラの交換作業性を低下させる一因となっていた。
【0003】
これに対し、特許文献1では、回転体の軸部材の軸方向に対して直交する方向から該軸部材の被装着部を挿入するために止め輪本体の周方向の一部である挿入部が弾性変形により開口拡張可能な止め輪が提案されている。特許文献1の止め輪は、挿入部から挿入された被装着部を止め輪本体の弾性変形復元力により止め輪本体の対向する2つの内周部で挟持する。また、前記2つの内周部は、非使用時において、被装着部の曲率半径と略一致する曲率半径をもち、かつ、お互いの曲率中心がそれぞれ相手側の内周部に近い位置をとっている。
特許文献1によれば、軸部材の被装着部に対する止め輪の装着作業が改善できるとしている。また特許文献1によれば、作業者が指で止め輪を交換可能である例も開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の固定部材は、小さい力でも挿入できるといった取り付けやすい設計にした場合、使用時に外れやすくなってしまい、使用時に外れないような設計にした場合、挿入するには大きな力が必要になり取り付けにくくなってしまう。そのため、取り付けやすさと使用時の外れにくさに関するトレードオフの問題を解決できていなかった。
【0005】
そこで本発明は、取り付けやすさと、使用時における外れにくさを両立した規制部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の規制部材は、周方向に沿った溝部が形成された軸部材を有する回転体を備えた画像形成装置に用いられる規制部材であって、前記溝部に着脱可能な止め輪と、前記止め輪に着脱可能な開口部規制部材と、を有し、前記止め輪は、周の一部に開口部を有し、該開口部が広がるように変形することで前記溝部に装着させることが可能であり、前記溝部に装着された状態において前記回転体が回転軸方向に移動することを規制し、前記開口部規制部材は、前記止め輪が前記溝部に装着された状態における前記開口部が広がらないように前記開口部を規制することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、取り付けやすさと、使用時における外れにくさを両立した規制部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
図2】同画像形成装置のタンデム型画像形成部の構成例を示す説明図である。
図3】同画像形成装置における定着装置の構成を示す説明図である。
図4】止め輪の一例が装着された定着ローラを定着ローラ軸の径方向から見たときの正面図である。
図5】止め輪の一例が装着される定着ローラ軸を径方向から見たときの部分拡大図である。
図6】非装着時における止め輪の一例を示す図(A)、止め輪の開口部を広げた状態の一例を示す図(B)及び装着時における止め輪の一例を示す図(C)である。
図7】装着時の止め輪の一例において溝の高さを説明する図である。
図8】装着時の止め輪の一例において止め輪が外れる方向に力が生じることを説明する図である。
図9】装着時の止め輪の一例において止め輪が外れる方向に力が生じることを説明する図である。
図10】本発明の規制部材の一例を示す図(A)及び(B)である。(A)は非装着時の図であり、(B)は装着時の図である。
図11】実施例1に係る規制部材を示す図(A)及び(B)である。(A)は非装着時の図であり、(B)は装着時の図である。
図12】実施例2に係る規制部材を示す図(A)及び(B)である。(A)は非装着時の図であり、(B)は装着時の図である。
図13】実施例3に係る規制部材を示す図(A)~(C)である。(A)及び(B)は非装着時の図であり、(C)は装着時の図である。
図14】規制部材の取り外し方の一例を説明する図である。
図15】実施例4における要部を示す概略構成図(A)~(D)である。(A)は止め輪、(B)及び(C)は駆動部材、(D)は装着時の止め輪及び駆動部材を示す図である。
図16】軸部材の他の例を示す斜視概略図(A)、回転軸方向から見た場合の概略図(B)及び回転軸方向から見た場合の要部概略図(C)である。
図17】実施例4における側面概略図(A)及び(B)である。(A)は止め輪を装着していない図であり、(B)は止め輪を装着した図である。
図18図17を補足説明するための外観概略図(A)及び断面概略図(B)である。
図19】本発明に係る画像形成装置における回転体及び止め輪の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る規制部材、画像形成装置及び定着装置について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【0010】
電子写真方式の定着ユニットを構成する定着ローラなどは経時の劣化などに対応して定期的に交換する必要がある。特に芯金にゴムを成型したゴムローラではゴムの経時劣化等により定期交換することが一般的である。このようなローラの交換に際しては機器のダウンタイム低減の観点で、より交換性の良い部品構成が好ましい。一方、定着ユニットを構成するローラの交換作業においては、ローラ軸方向の移動を規制する規制部材の着脱の課題がある。一般的に定着部では定着部材やその周辺部において定着装置の熱の影響を受けるため、耐熱の観点で、着脱がより容易な樹脂性のスナップリング等を使用しにくい。そのため、着脱の際に比較的大きな力を要する金属性の止め輪を選定することが一般的であった。その場合、着脱には専用工具を用いて着脱する必要が生じローラの交換作業性を低下させる一因となっていた。また、比較的高荷重を要する定着装置の定着ローラ等に適用する止め輪としては高い保持性が要求される。
【0011】
本実施形態の規制部材は、周方向に沿った溝部が形成された軸部材を有する回転体を備えた画像形成装置に用いられる規制部材であって、前記溝部に着脱可能な止め輪と、前記止め輪に着脱可能な開口部規制部材と、を有し、前記止め輪は、周の一部に開口部を有し、該開口部が広がるように変形することで前記溝部に装着させることが可能であり、前記溝部に装着された状態において前記回転体が回転軸方向に移動することを規制し、前記開口部規制部材は、前記止め輪が前記溝部に装着された状態における前記開口部が広がらないように前記開口部を規制することを特徴とする。
【0012】
本実施形態によれば、取り付けやすさと、使用時における外れにくさを両立した規制部材を提供することができる。工具無しまたは、ラジオペンチなどのように一般的に仕様される工具を使い、特殊工具を必要とすることなく小さい力で挿入することができ、取り付けやすさと、使用時の外れにくさを両立できる。なお、使用時とあるのは、例えば回転体の回転時や画像形成装置や定着装置の稼働時であるともいえる。
【0013】
また本実施形態の定着装置は、本実施形態の規制部材を備えたことを特徴とする。本実施形態の定着装置は、例えば電子写真方式の画像形成装置に備えられる。
また本実施形態の画像形成装置は、本実施形態の規制部材又は本実施形態の定着装置を備えたことを特徴とする。
本実施形態の定着装置は、例えば加熱加圧方式の定着装置であり、本実施形態の画像形成装置は、例えば加熱加圧方式の画像形成装置である。
【0014】
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の一例の概略構成図である。
本実施形態の画像形成装置1は、装置本体(プリンタ部)100と、その装置本体が載せられた記録材供給部である給紙テーブル200と、装置本体100上に取り付けられた画像読取装置としてのスキャナ300とを備える。更に、本実施形態の画像形成装置1は、スキャナ300の上に取り付けられた原稿自動搬送装置(ADF)400を備える。
【0015】
装置本体100は、その中央に、像担持体である無端状ベルトからなる中間転写体としての中間転写ベルト10が設けられている。中間転写ベルト10は、3つの支持回転体としての支持ローラ14,15,16に掛け渡されており、図中時計回り方向に回転移動する。これら3つの支持ローラのうち、第二支持ローラ15の図中左側には、画像転写後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去する中間転写ベルトクリーニング装置17が設けられている。また、3つの支持ローラのうち、第一支持ローラ14と第二支持ローラ15との間に張り渡したベルト部分には、画像形成手段であるタンデム画像形成部20が対向配置されている。
【0016】
タンデム画像形成部20は、図1に示すように、前記ベルト部分のベルト移動方向に沿ってイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成部18Y,18M,18C,18Kを並べて配置した構成になっている。本実施形態においては、第三支持ローラ16を駆動ローラとしている。また、タンデム画像形成部20の上方には、露光手段としての露光装置21が設けられている。
【0017】
中間転写ベルト10を間にしてタンデム画像形成部20の反対側には、第二の転写手段としての二次転写装置22が設けられている。二次転写装置22においては、2つのローラ231,232間に転写シート搬送部材としての無端状ベルトである二次転写ベルト24が掛け渡されている。二次転写ベルト24は、中間転写ベルト10を介して第三支持ローラ16に押し当てられるように設けられている。この二次転写装置22により、中間転写ベルト10上のトナー像が記録材としての転写シートSに転写される。なお、図1に示すように、二次転写ベルト24の外周面をクリーニングするクリーニング装置170を設けてもよい。
【0018】
二次転写装置22の図中左方には、転写シートS上に転写されたトナー像を定着する定着装置25が設けられている。定着装置25は、加熱される無端状ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27が押し当てられた構成となっている。
【0019】
また、二次転写装置22には、トナー像を中間転写ベルト10から転写シートSに転写した後の転写シートSを定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備わっている。また、二次転写装置22及び定着装置25の下には、タンデム画像形成部20と平行に、転写シートSの両面に画像を記録すべく転写シートSを反転するシート反転装置28が設けられている。
【0020】
前記構成の画像形成装置1を用いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。その後、操作パネルのスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動する。
【0021】
一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300が駆動され、第一走行体33及び第二走行体34を走行させる。そして、第一走行体33で光源から光を発射するとともに、原稿面からの反射光をさらに反射して第二走行体34に向け、第二走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して画像読取センサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
【0022】
前記原稿読み取りと並行して、駆動源である駆動モータで駆動ローラ16を回転駆動させる。これにより、中間転写ベルト10が図中時計回り方向に移動するとともに、この移動に伴って残り2つの支持ローラ(従動ローラ)14,15が連れ回り回転する。
【0023】
また、前記原稿読み取り及び中間転写ベルト10の移動と同時に、個々の画像形成部18において像担持体としてのドラム状の感光体40Y,40M,40C,40Kを回転させる。そして、各感光体40Y,40M,40C,40K上に、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の色別情報を用いてそれぞれ露光現像し、単色のトナー像(顕像)を形成する。
【0024】
前記中間転写ベルト10の支持ローラ14,15間のベルト部分を挟んで各感光体40Y,40M,40C,40Kに対向する位置には、一次転写手段としての一次転写ローラからなる一次転写装置62Y,62M,62C,62Kが設けられている。この一次転写装置62Y,62M,62C,62Kにより、各感光体40Y,40M,40C,40K上のトナー画像を中間転写ベルト10上に互いに重なり合うように順次転写して、中間転写ベルト10上に合成カラートナー像を形成する。
【0025】
前記画像形成動作に並行して、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つから転写シートSを繰り出す。そして、繰り出した転写シートSを、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して装置本体100内の給紙路に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。または、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上の転写シートSを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
【0026】
次に、中間転写ベルト10上の合成カラートナー像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写ベルト10と二次転写装置22との間に転写シートSを送り込み、二次転写装置22で転写して転写シートS上にカラートナー像を転写する。
【0027】
トナー像転写後の転写シートSは、二次転写ベルト24で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装置25で定着ベルト26と加圧ローラ27とによって熱と圧力とを加えて転写トナー像を定着する。この定着の後、切換爪55で切り替えて排紙ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。または、切換爪55で切り替えてシート反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排紙ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。
【0028】
なお、トナー像転写後の中間転写ベルト10は、中間転写ベルトクリーニング装置17で、トナー像転写後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成部20による再度の画像形成に備える。ここで、レジストローラ49は一般的には接地されて使用されることが多いが、シートの紙粉除去のためにバイアスを印加することも可能である。
【0029】
また、装置本体100は、中間転写ベルト10の外周面に形成されたトナー像の濃度を検知する画像濃度検知手段として、光学センサなどで構成された光学センサユニットであるトナー付着量センサ310を備えている。トナー付着量センサ310は、中間転写ベルト10上のトナー付着量を検知して画像の濃度ムラを検出するために中間転写ベルト10上のトナー像の濃度を検出する画像濃度検出手段として機能し、トナー像検知センサやトナー付着量検知センサとも呼ばれる。トナー付着量センサ310により、画像濃度ムラの補正制御に用いるために中間転写ベルト10の表面に形成される後述の補正制御用のテストパターンのトナー像の濃度を検知する。なお、中間転写ベルト10を間にしてトナー付着量センサ310に対向する位置には、図1に示すように対向ローラ311を設けてもよい。
【0030】
図2は、本実施形態に係る画像形成装置1のタンデム型画像形成部の構成例を示す説明図である。
なお、ここでは、K(黒)の画像形成部18Kについて説明するが、Y(イエロー)、M(マゼンタ)及びC(シアン)の各画像形成部18Y,18M,18Cも同様の構成をしている。
【0031】
画像形成部18Kは、例えば、図2に示すように、ドラム状の感光体40Kの周りに、帯電手段としての帯電装置60K、電位センサ70K、現像手段としての現像装置61K、感光体クリーニング装置63K、除電装置などを備えている。
【0032】
画像形成動作時には、感光体40Kは、像担持体回転駆動手段としての駆動モータによって矢印A方向に回転駆動される。そして、感光体40Kは、その表面が帯電装置60Kによって一様帯電された後、前述のスキャナ300からの原稿等の画像信号に基づいて制御された露光装置21からの書込露光Lによって露光され、静電潜像が形成される。スキャナ300からの画像データに基づくカラー画像信号は、画像処理部で色変換処理などの画像処理が施され、K、Y、M、Cの各色の画像信号として露光装置21へ出力される。露光装置21は、画像処理部からのKの画像信号を光信号に変換し、この光信号に基づいて一様に帯電された感光体40Kの表面を走査して露光することで静電潜像を形成する。
【0033】
現像装置61Kの現像剤担持体としての現像ローラ61Kaには現像バイアスが印加されており、感光体40K上の静電潜像と、現像ローラ61Kaとの間に電位差である現像ポテンシャルが形成されている。この現像ポテンシャルにより現像ローラ61Ka上のトナーが現像ローラ61Kaから感光体40Kの静電潜像に転移することで、静電潜像が現像されてトナー像が形成される。また、現像装置61K内の現像剤搬送スクリュー61Kbが配設されている現像剤搬送部の底面部には、現像剤中のトナー濃度を検知することができるトナー濃度センサ312Kが設けられている。
【0034】
感光体40K上に形成されたKトナー像は、一次転写装置62Kによって中間転写ベルト10上に一次転写される。感光体40Kは、トナー像転写後に感光体クリーニング装置63Kによって残留トナーがクリーニングされ、除電装置により除電されて次の画像形成に備えられる。同様にして、画像形成部18Y,18M,18Cは、ドラム状の感光体40Y,40M,40Cの周りに、帯電装置、電位センサ、現像装置、感光体クリーニング装置、除電装置などを備えている。そして、感光体40Y,40M,40CにY、M、Cのトナー像を形成し、これらは中間転写ベルト10上に重ね合わせて一次転写される。
【0035】
前記構成の画像形成装置1において、露光装置21及び帯電装置60Y,60M,60C,60Kは、感光体40Y,40M,40C,40Kの表面に静電潜像を形成する潜像形成手段として機能する。また、露光装置21、帯電装置60Y,60M,60C,60K及び現像装置61Y,61M,61C,61Kは、感光体40Y,40M,40C,40Kの表面にトナー像を形成するトナー像形成手段として機能する。
【0036】
また、本実施形態の画像形成装置1は、感光体40Kの回転位置を検知できる回転位置検知手段としてのフォトインタラプタ71Kと、現像ローラ61Kaの回転位置を検出できる回転位置検出手段としてのフォトインタラプタ72Kとを備えている。フォトインタラプタ71K及びフォトインタラプタ72Kはそれぞれ、回転体である感光体40K及び現像ローラ61Kaの回転位置を光学的に検出するものである。このフォトインタラプタは、例えば、発光素子と受光素子とが互いに対向して配置されており、その間を、回転体の回転移動部に設けられた回転位置検出フィラーなどの被検出部が通過し光をさえぎることにより、回転体の回転位置を検出するものである。例えば、感光体40Kと一体で回転する回転位置検出フィラーの周囲に1か所の切れ込みを形成しておけば、感光体40Kが回転すると1周に1回ずつ光が受光部に届くため、感光体40Kの回転位置を検出することができる。なお、回転体である感光体40K及び現像ローラ61Kaの回転位置を検出する回転位置検出手段は、フォトインタラプタ以外のものを用いてもよい。
【0037】
図3は、本実施形態に係る画像形成装置1における定着装置の構成を示す説明図である。
本実施形態の定着装置25は、駆動回転体である定着ローラ26Aと従動回転体である加熱ローラ26Bとに掛け渡された定着ベルト26に、加圧回転体である加圧ローラ27が押し当てられた構成となっている。定着ベルト26は、定着フレームに固定された加熱ローラ引張りばねによって一定のテンションで架け渡されている。定着ベルトを挟んで定着ローラ26Aに加圧ローラ27が圧接されて定着ニップ部が形成される。定着ニップ部の転写シートSの排出側には、定着分離部材、加圧分離部材を備えていてもよい。
【0038】
定着ベルト26は、断面構造としては、例えば、ポリイミドなどの基材にシリコンゴム層などの弾性層を形成した2層構造のものを好適に使用できる。また、定着ローラ26Aには、例えば、金属の芯金にシリコンゴムを有したものを用いることができる。このシリコンゴムとしては、ウォームアップ時間の短縮を図るため、定着ベルト26の熱を吸収しにくいように、発泡のシリコンゴムを用いてもよい。加熱ローラ26Bには、例えば、ハロゲンヒータを用いた加熱手段により加熱されるものを用いることができる。
【0039】
加圧ローラ27には、例えば、アルミニウム又は鉄等の芯金の上にシリコンゴム等の弾性層が設けられた円筒形状のローラを用いることができる。加圧ローラ27は、加圧脱圧手段によって定着ベルト26側へ移動させて定着ニップを形成する状態と、定着ベルト26から離す方向に移動させて脱圧する状態とに切り替えることができる。
【0040】
定着装置25を稼働させる場合、例えば、定着ローラ26Aを図3中時計回り方向に回転駆動させることにより定着ベルト26を回転させ、定着ベルト26に圧接している加圧ローラを連れ回り回転させる。駆動されるローラは、定着ローラ26Aに限らず、加熱ローラ26Bや加圧ローラ27であってもよい。
【0041】
定着装置25では、定着ベルト26及び加圧ローラ27が回転されている状態で、定着ベルト26の表面が加熱ローラ26Bにより所定の温度まで加熱される。そして、未定着トナーを担持した転写シートSが定着ニップ部を通過する際に、定着ニップ部における加圧及び加熱の作用により未定着トナーが転写シートS上に熱融着されて定着がなされる。その後、トナーが定着された転写シートSは定着ニップ部を通過するが、このときに転写シートSが定着ベルト26に巻き付いたまま出てくる場合には、分離爪などの定着分離部材により分離される。また、加圧ローラ27側に巻き付いて転写シートSが出てくる場合には、加圧分離爪などの加圧分離部材により分離される。
【0042】
次に、止め輪の実施形態について説明する。
本実施形態における止め輪は、周の一部に開口部を有し、該開口部が広がるように変形することで回転体が有する軸部材の溝部に装着させることが可能であり、前記溝部に装着された状態において回転体が回転軸方向に移動することを規制する。止め輪は、溝部が形成された軸部材を備えた画像形成装置に用いられてもよいし、溝部が形成された軸部材を備えた定着装置に用いられてもよい。
【0043】
本実施形態においては、定着装置25の定着ローラ26Aの軸部材に装着される止め輪を例に挙げて説明するが、定着装置25における他のローラ26B,27の軸部材に装着される止め輪にも同様に適用することができる。また、画像形成装置1の定着装置以外の軸部材、例えば、感光体、中間転写ベルト10の支持ローラ14,15,16、二次転写ベルト24を支持するローラ231,232、給紙ローラ42,50、分離ローラ45,52、搬送ローラ47、レジストローラ49、排紙ローラ56、現像ローラなどの軸部材に装着される止め輪にも、また、給紙テーブル200、スキャナ300、ADF400における軸部材に装着される止め輪にも、適用することができる。また、画像形成装置以外の装置における軸部材に装着される止め輪にも、適用することができる。
【0044】
図4は、本実施形態における止め輪が装着された定着ローラ26Aを定着ローラ軸81の軸方向に対して直交する径方向から見たときの正面図である。なお、図中、止め輪80は断面で示している。
本実施形態における定着ローラ26Aの軸部材である定着ローラ軸81の両端は、それぞれ、定着装置25の定着フレーム25aに取り付けられている軸受82によって支持されている。各軸受82は、定着フレーム25aの軸方向外側面に接触するフランジ部82aをそれぞれ有し、このフランジ部82aが接触するように定着フレーム25aに取り付けられることで、各軸受82が定着ローラ軸81の軸方向内側へ変位することが規制される。
【0045】
また、この軸受82に支持される定着ローラ軸81には、各軸受82の軸方向外側面に接触するように各止め輪80が定着ローラ軸81に装着される。これにより、定着ローラ軸81は、止め輪80及び軸受82のフランジ部82aを介して定着フレーム25aに対して軸方向への変位が規制された状態になる。すなわち、止め輪80は、軸部材の溝部に装着された状態において、使用時に軸受82等の被接触体と接触し、軸部材が軸方向に移動することを規制する。これにより、軸部材を有する回転体が軸方向に移動することを規制する。
【0046】
図5は、止め輪80が装着される定着ローラ軸81を径方向から見たときの部分拡大図である。なお、図中、止め輪80と軸受82は断面で示している。
止め輪80が装着される定着ローラ軸81は、図5に示すように、円柱状又は円筒状の部材であり、止め輪80が装着される被装着部が溝形状となっている。すなわち、止め輪80は、定着ローラ軸81の周面に形成された溝部81aに入り込むように装着される。図示されるように、溝部81aは軸部材の周方向に沿って形成されている。本実施形態において、溝部81aは、定着ローラ軸81の周方向の全周360°に形成されるものであってもよいし、周方向の一部に形成形成されるものであってもよい。装着のしやすさ等から、溝部は、軸部材の周方向の全周に形成されていることが好ましい。
【0047】
図6は、止め輪80が軸部材に装着される場合の例を説明する図である。
図6(A)は、非装着時の止め輪80を示しており、止め輪80は、周の一部に開口部80bを有している。図6(B)は、止め輪80を軸部材に装着させるために開口部80bを広げた状態を示す図である。図6(C)は、止め輪80を軸部材(定着ローラ軸81)に装着した状態を示す図である。ただし、ここでは開口部規制部材を図示していない。図6(B)及び図6(C)に示すように、開口部80bが広がるように変形することで軸部材の溝部に止め輪80b装着させることが可能である。
なお、図6(B)に示す両矢印は、開口部80bが広がる方向及び閉じる方向を模式的に示しており、片矢印は軸部材に押し込まれる方向を模式的に示している。
【0048】
本実施形態における止め輪は、開口部80bが溝部81aに対して溝部81aの外側から軸部材の軸中心の方向に向けて押し込まれることで開口部80bが広がる方向に変形し、溝部81aに勘合するとともに、溝部81aに付勢して保持される。このため、本実施形態における止め輪は、軸部材に対して取り付けやすく、使用時には軸部材から外れにくく、交換時には軸部材から外しやすいという利点がある。
【0049】
また、止め輪80は、開口部80bから定着ローラ軸81の溝部81aが抜き出るように定着ローラ軸81の径方向へ引き抜くことで、定着ローラ軸81の溝部81aから取り外すことができる。止め輪80には突出部80dが設けられている。突出部80dは、取扱部として機能し、作業者が指で突出部80dを把持して、止め輪80を定着ローラ軸81の径方向へ簡単に引き抜くことができる。なお、ラジオペンチなどの一般的な工具を使って、突出部80dを把持したり引っ掛けたりして、止め輪80を定着ローラ軸81の径方向へ引き抜いてもよい。
【0050】
止め輪は、例えば、金属製の線状部材を環状に成型することで作製できる。金属製の線状部材としては、例えば金属ワイヤが挙げられる。止め輪80は、例えば、ステンレス鋼線を加工して作製することができる。止め輪80の止め輪本体(線材)の材質としては、これに限らず、SW-C、SWP-Bなどの鋼線などの他の材料のものも使用することができ、メッキ鋼線であっても良い。
【0051】
ここで、図7図9を用いて従来の問題点について説明する。図7図9は、図5の要部を示した図である。
一般的に、図4に示すように、定着ローラ軸81への駆動伝達機構として、静音性を高めるためにハス歯ギヤ83が用いられる。この場合、駆動トルクとハス歯の向きとの関係で、定着ローラ軸81には比較的大きなスラスト荷重が作用する。そのため、止め輪80には比較的大きな軸方向の力が加わるため、止め輪80は溝部81aから外れやすい。このような問題は従来から指摘がなされていた。
【0052】
図7では、定着ローラ軸81の溝部81aに止め輪80が装着された場合を示す図である。図7において、矢印aは、定着ローラ軸81が止め輪80を押す力を示しており、矢印bは、定着ローラ軸81のトラスト荷重を示している。止め輪80が軸受82等の被接触体と接触することで、止め輪80は、定着ローラ軸81及び定着ローラ26Aが回転軸方向に移動することを規制する。
【0053】
図7に示すように、従来技術では、止め輪80本体の半径Rを溝部81aの高さH(溝部81aの底面から縁までの高さ)以下にして、止め輪80が溝部81aから外れにくくする試みがなされている。しかし、図8に示すように、経時により定着ローラ軸81の溝部が摩耗すると(摩耗81d)、定着ローラ軸81が止め輪80を押す力(矢印a)の方向が変化する。図示するように、矢印aの方向は、止め輪80が溝部81aから外れる方向に向くようになり、矢印cのように止め輪80が外側に拡がる力が生じる、もしくは大きくなる。そのため、R≦Hであっても、経時により止め輪80が溝部81aから外れやすくなることがある。
【0054】
また、止め輪80の曲線形状を完全に円形にすることができない場合など、止め輪80が溝部81aに適切に装着できない場合がある。図9は、止め輪80が溝部81aに適切に装着できない場合を示す図である。図示するように、定着ローラ軸81が止め輪80を押す力(矢印a)の方向が、止め輪80が溝部81aから外れる方向に向いてしまう。そのため、矢印cのように止め輪80が外側に拡がる力が生じる、もしくは経時により大きくなる。
【0055】
図8図9に示すように、止め輪80が溝部81aから外れる方向に力が働くと、開口部80bが開くことになり、止め輪80が溝部81aから外れてしまう。これに対して開口部80bが開きにくくするため、金属線の剛性(ヤング率)を高めることも考えられる。しかしこの場合、止め輪80を溝部81aに装着させにくくなり、作業性が低下してしまう。また、止め輪80を溝部81aから外しにくくなり、作業性が低下してしまう。
【0056】
そこで本実施形態では、溝部に着脱可能な止め輪と、前記止め輪に着脱可能な開口部規制部材を有する規制部材としている。開口部規制部材は、止め輪が溝部に装着された状態における開口部が広がらないように開口部を規制する。これにより、取り付けやすさと、使用時における外れにくさを両立した規制部材が得られる。また、本実施形態では、止め輪を外れにくくするという目的のために止め輪の剛性を高めるという必要がなく、設計の自由度、加工の容易性なども向上する。
【0057】
本実施形態では、止め輪80を定着ローラ軸81等の軸部材に対して取り付けやすく、また止め輪80に対して開口部規制部材を取り付けやすい。このため、本実施形態の規制部材は画像形成装置が有する部材、例えば軸部材に対して取り付けやすい。回転体が軸部材を有する場合には、回転体に対して取り付けやすいと称してもよい。また、本実施形態において使用時における外れにくさとあるのは、本実施形態の規制部材が例えば軸部材からの外れにくいことの他、止め輪80が軸部材等から外れにくいことであってもよい。
【0058】
図10は、本実施形態の規制部材を説明するための図である。図10(A)は、軸部材に規制部材を取り付けていない場合の一例を示す図であり、図10(B)は、軸部材(例えば定着ローラ軸81)に規制部材を取り付けた場合の一例を示す図である。図示するように、開口部規制部材90は、止め輪80が溝部81aに装着された状態における開口部80bが広がらないように開口部80bを規制する。
【0059】
本実施形態の規制部材は、適宜構成を変更することができ、例えば図10(A)に示す例ように、開口部規制部材90が止め輪80に対して着脱可能な構成にすることができる。本実施形態における開口部規制部材90の材質としては、特に制限されるものではないが、例えば金属を用いることができる。その他にも樹脂等を用いてもよい。
【0060】
本例において、止め輪80は、周の一端側(符号80a1側)と周の他端側(符号80a2側)であって開口部80bにくびれ部80cを有し、開口部規制部材90は、一端と他端がそれぞれくびれ部80cにはまるようにして開口部80bを規制する。この場合、くびれ部80cが開口部規制部材90を止め輪80に装着させる際の目印にもなり、取り付けやすさ(装着させやすさ)が向上する。また、くびれ部80cは、使用時における止め輪80の外れにくさにも寄与する。
【0061】
また本実施形態の規制部材によれば、図8図9に示した従来の問題を解決することができる。図8に示す問題は、経時により軸部材に摩耗81dが生じ、止め輪80が外れる方向に力が生じる、もしくは止め輪80が外れる方向の力が大きくなるということである。これに対し、本実施形態によれば、軸部材に摩耗81dが生じ、止め輪80が外れる方向に力が生じたとしても、開口部規制部材90により止め輪80が外れることを防止できる。また、図9に示す問題は、止め輪80を軸部材に適切に勘合する形状にできない場合に、止め輪80が外れる方向に力が生じるということである。これに対し、本実施形態によれば、止め輪80を軸部材に適切に勘合する形状にできない場合であっても、開口部規制部材90により止め輪80が外れることを防止できる。
【0062】
図11は、本実施形態の一例(実施例1)を示す図であり、図10に示す例の下位概念である。図11(A)は、軸部材に規制部材を取り付けていない場合を示す図であり、図11(B)は、軸部材(例えば定着ローラ軸81)に規制部材を取り付けた場合を示す図である。
【0063】
実施例1の開口部規制部材90は、止め輪80に着脱可能であるとともに止め輪80に対する1つの挿入口90aを有し、該挿入口90aを止め輪80に対して相対移動させることで止め輪80に装着される。実施例1では例えば、止め輪80を軸部材に取り付けた後に、開口部規制部材90を開口部90bに装着させる(取り付ける)。開口部規制部材90を取り付ける際は、例えば、開口部80bを閉じる方向に変形させ、開口部規制部材90の挿入口90aに止め輪80を相対移動させ挿入することで開口部80bに開口部規制部材90を取り付ける。
【0064】
実施例1では、開口部規制部材90を取り付ける際は、止め輪80を変形させており、開口部規制部材90は変形させる必要がない。また実施例1では、止め輪80を変形させる際に、指で変形させても痛くならないように、止め輪80における周の2つの端部(符号80a1、80a2)がともに折り返し形状80eを有していることが好ましい。折り返し形状80eにより、周の2つの端部が丸みを帯びた形状になり、手で作業を行っても痛みが生じにくく、手で作業できることで作業性が向上する。ただし、これらは必須の構成ではなく、適宜選択すればよく、工具を用いて作業してもよい。実施例1のように、開口部規制部材90が1つの挿入口90aを有している場合、止め輪80における周の2つの端部(符号80a1、80a2)がともに折り返し形状80eを有していることが好ましい。
【0065】
図11(B)に示すように、規制部材が取り付けられた状態において、開口部80bが広がろうとした場合、くびれ部80cが開口部規制部材90の両端のU字部分によって規制される。このように、本実施例では止め輪80が軸部材から外れにくくすることができる。
【0066】
図12は、本実施形態の他の例(実施例2)を示す図であり、図10に示す例の下位概念である。図12(A)は、軸部材に規制部材を取り付けていない場合を示す図であり、図12(B)は、軸部材(例えば定着ローラ軸81)に規制部材を取り付けた場合を示す図である。上記実施例1と同様の事項については説明を省略する。
【0067】
実施例2における開口部規制部材90は、止め輪80に着脱可能であるとともに伸びる変形が可能であり、伸びる変形をすることにより止め輪80に装着される。図中の両矢印は、開口部規制部材90が伸びる変形が可能であることを模式的に示している。伸びる変形が可能とあるのは、伸縮変形や弾性変形が可能を意味するものであり、開口部規制部材90が伸びた場合、縮む力が働く。実施例2における開口部規制部材90としては、例えば、引張スプリング等のばね部材を用いることができる。
【0068】
また、実施例2における開口部規制部材90は、一端と他端にそれぞれ環状部90b1、90b2を有しており、一の環状部90b1が止め輪80の周の一端80a1に挿通可能であり、他の環状部90b2が止め輪80の周の他端80a2に挿通可能である。これにより、開口部規制部材90を止め輪80に装着させやすくなる。また、止め輪80がくびれ部80cを有することで、止め輪80への取り付けやすさ、止め輪80からの外れにくさが向上する。
【0069】
実施例2では例えば、止め輪80を軸部材に取り付けた後、開口部規制部材90の環状部90b1、90b2を止め輪80の周の端部80a1、80a2に挿通(挿入と称してもよい)させる。この他にも例えば、止め輪80を軸部材に取り付ける前に、開口部規制部材90の環状部の1つを止め輪80の周の端部の1つに挿通させ、その後、止め輪80を軸部材に取り付けてもよい。本実施例においても、手作業で取り付け可能であるし、工具を用いてもよい。
【0070】
図12(B)に示すように、規制部材が取り付けられた状態において、開口部80bが広がろうとした場合、開口部規制部材90が伸びることで縮もうとする力が生じ、くびれ部80cが規制される。このように本実施例でも、使用時に止め輪80が軸部材から外れにくくすることができる。開口部規制部材90の伸縮力については、止め輪80の形状、剛性、軸部材の形状等を考慮して適宜選択することができる。
【0071】
図13は、本実施形態の他の例(実施例3)を示す図である。図13(A)は、軸部材に規制部材を取り付けていない場合を示す図であり、図13(B)は、軸部材(例えば定着ローラ軸81)に規制部材を取り付けた場合を示す図である。上記実施例と同様の事項については説明を省略する。
【0072】
実施例3において、止め輪80は、開口部規制部材90と連結するための第1の連結部80fを有し、開口部規制部材90は、止め輪80と連結するための第2の連結部90cを有し、止め輪80と開口部規制部材90は、互いに連結して1つの部品となっている。このように規制部材を一部品にすることで、取り回しを良くすることができる。例えば、規制部材を一部品にすることで取り扱いやすくなり、また止め輪80を軸部材に取り付けた後に、開口部規制部材90の一端のみを止め輪80に装着さればよいため、取り付けやすさが向上する。
【0073】
図13(A)は、規制部材を一部品にする前の状態を示した図であり、図13(B)は、規制部材を一部品にした後の状態を示した図である。開口部規制部材90の第2の連結部90cは、例えば図示するような環状形状にする。止め輪80の第1の連結部80fに開口部規制部材90の第2の連結部90cを連結させることで、止め輪80と開口部規制部材90を一体の部品にすることができ、規制部材を一部品にすることができる。
【0074】
また実施例3において、止め輪80は、周の一端80a1側に環状の第1の連結部80fと、周の他端80a2側にくびれ部80cを有する。そして、開口部規制部材90は、伸びる変形が可能であり、開口部規制部材90の一端(第2の連結部90c)を第1の連結部80fに取り付けた状態で伸びる変形をすることにより他端90b1がくびれ部80cにはまる。このようにして装着させた状態が図13(c)に示されている。
【0075】
また実施例3において、開口部規制部材90は他端に環状部90b1を有しており、環状部90b1が止め輪80の周の一端80a1に挿通可能としている。このように挿通させることで、開口部規制部材90が開口部90bを規制する。
【0076】
実施例3における開口部規制部材90としては、例えば、実施例2と同様に引張スプリング等を用いることができる。
【0077】
本実施形態の規制部材は、実施例1、2のように、止め輪80と開口部規制部材90が別体となった別部品としてもよいし、実施例3のように止め輪80と開口部規制部材90が一体となった(連結された)一部品としてもよい。また例えば実施例3のように、本実施形態の規制部材は、周の一端と他端とが非対称の形状であってもよい。
【0078】
図14に、本実施形態の規制部材を軸部材から取り外す方法の一例を示す。特に制限されるものではないが、例えば、開口部規制部材90の一端を止め輪80から外し、止め輪80を指で持って図中の矢印方向に引っ張る。これにより、止め輪80を軸部材から簡易に取り外すことができる。規制部材は手作業で取り外されてもよいし、工具を用いて取り外されてもよい。なお、各部材の大きさは図示されるものに限られない。
【0079】
次に、本発明における他の実施形態について説明する。上記実施形態と同様の事項については説明を省略する。
本実施形態の画像形成装置は、周方向に沿った溝部が形成された軸部材を有する回転体と、前記回転体と一体に回転する駆動部材とを備えた画像形成装置であって、前記止め輪は、周の一部に開口部を有し、該開口部が広がるように変形することで前記溝部に装着させることが可能であり、前記溝部に装着された状態において前記駆動部材が回転軸方向に移動することを規制し、前記駆動部材は、前記軸部材の先端側に取り付けられるとともに、前記止め輪が前記溝部に装着された状態における前記開口部が広がらないように前記開口部を規制する開口部規制部を有することを特徴とする。
【0080】
図15は、本実施形態の一例(実施例4)を示す図である。図15(A)は、止め輪80が回転体に取り付けていない状態を示す図である。図15(B)は、回転体の例を示す平面概略図であり、ここでは回転体の例として、ハス歯ギヤ83(以下、ギヤ83と称する)を用いた例を示す。図15(C)は、ギヤ83の側面概略図である。図15(D)は、止め輪80をギヤ83に装着させた状態を示す図である。
【0081】
図16は、本実施例4における定着ローラ軸81の先端側を示す図である。図16(A)は、定着ローラ軸81の先端側を示す斜視概略図であり、図16(B)は、定着ローラ軸81の回転軸方向から見た場合の定着ローラ軸81を示す図であり、図16(C)は、定着ローラ軸81の先端形状の一例を示す要部概略図である。
【0082】
図17は、本実施例4において止め輪80を定着ローラ軸81に装着させた状態を示す図である。図17(A)は、定着ローラ軸81にギヤ83を装着させた状態を示す図であり、止め輪80が定着ローラ軸81に装着されていない状態を示す図である。図17(B)は、定着ローラ軸81にギヤ83と止め輪80を装着させた状態を示す図である。
【0083】
なお、図15(D)に示す矢印dの方向は、図16(B)の矢印dの方向と同じであり、図15(D)を矢印d方向から見た場合の図は、図17(B)に相当する。ただし、図17では、軸受82を模式的に断面として図示している。
【0084】
図15(B)、(C)に示すように、ギヤ83は、止め輪80が溝部81aに装着された状態における開口部80bが広がらないように開口部80bを規制する開口部規制部を有する。本実施例4における開口部規制部は2つの凸部91a、91bである。このような凸部は、ボスなどと称してもよい。
【0085】
また図15(A)、(D)に示すように、実施例4における止め輪80は、周の一端側が一の凸部91aと勘合する勘合部80g1となっており、周の他端側が他の凸部91bと勘合する勘合部80g2となっている。このような勘合部80g1,80g2は、例えば金属製の線状部材を曲げることで形成することができる。
【0086】
ギヤ83は、定着ローラ26Aや定着ローラ軸81を駆動させる部品である。ギヤ83は、定着ローラ軸81の先端側に取り付けられ、定着ローラ26Aや定着ローラ軸81と一体に回転する。また図15(B)に示すように、ギヤ83は、軸部材が挿入される孔84を有している。孔84に定着ローラ軸81を通し、ギヤ83がモータから駆動を受けることで定着ローラ26Aを回転させる。
【0087】
孔84の形状は、適宜選択することができ、例えば、ギヤ83の回転軸方向から見たときに、円形としてもよい。本実施例4では、図15(B)に示すように、孔84は、ギヤ83の回転軸方向から見たときに、円形ではなく、対向する2つの円弧84eと対向する2つの直線84fとで囲まれた形状にしている。孔84の形状と勘合するように軸部材の形状を加工することで、ギヤ83が軸部材と一体となって回転しやすくなる。
【0088】
図16(A)、(C)に示すように、本実施例において、定着ローラ軸81の先端側は、ギヤ83の孔84と勘合するように、2つの側面が削られて対向する2つの面81gが形成されている。また、定着ローラ軸81の先端側は、ギヤ83の回転軸方向(定着ローラ軸81の回転軸方向でもよい)から見たときに、円形ではなく、対向する2つの円弧81eと、対向する2つの直線81fとで囲まれた形状になっている。定着ローラ軸81の先端側がこのような形状になっていることで、定着ローラ軸81と上記の孔84を有するギヤ83とが一体となって回転しやすくなる。
【0089】
また、図16(A)に示すように、本実施例では、定着ローラ軸81の2つの円弧81eに沿って溝部81aが形成されている。本実施形態においても、止め輪80はこの溝部81aに装着される。止め輪80を定着ローラ軸81の溝部81aに装着した状態が図15(D)に示されている。図15(D)は定着ローラ軸81やギヤ83の回転軸方向から見た場合の図である。
【0090】
組み立て方法は、特に制限されるものではないが、例えば、定着ローラの定着ローラ軸81に軸受82やギヤ83を順に差し込む。これにより図17(A)に示すような状態になる。そして、止め輪80を定着ローラ軸81に装着させることで、図15(D)や図17(B)に示すような状態になる。
【0091】
止め輪80を定着ローラ軸81に装着することで、ギヤ83が定着ローラ軸81から抜けないように、ギヤ83の動きを規制することができる。そのため、本実施形態における止め輪は、溝部に装着された状態において駆動部材が回転軸方向に移動することを規制することができる。
【0092】
本実施例4では、止め輪80を定着ローラ軸81の溝部81aに装着させ、さらに止め輪80の勘合部80g1,80g2をそれぞれギヤ83の凸部91a、91bに勘合させる(取り付けるなどと称してもよい)。本実施例4では、回転体を回転させたときに、止め輪80の開口部80bが広がろうとした場合、凸部91a、91b(開口部規制部)により開口が規制される。このため、本実施形態においても、取り付けやすさと、使用時における外れにくさを両立できる。
【0093】
本実施形態において取り付けやすさとあるのは、例えば、止め輪80を定着ローラ軸81等の軸部材やギヤ83等の駆動部材に対して取り付けやすいことが挙げられる。また、本実施形態において使用時における外れにくさとあるのは、例えば、使用時において止め輪80が軸部材から外れにくくなることが挙げられる。本実施形態では、止め輪80を軸部材と駆動部材の開口部規制部とに取り付けるだけでよく、作業が容易である。また交換時には回転体から外しやすいという利点がある。
【0094】
ここで図18を用いて図17について補足説明する。図18(A)は、図17を補足説明するための外観概略図(A)であり、図18(B)は、図17を補足説明するための断面概略図(B)である。図17では、説明のために軸受82を断面で示し、軸受82以外は外観で示しているため、断面と外観が混在した図としている。一方、図18では、よりわかりやすくするために、外観と断面を分けて図示している。
【0095】
図18をみると、本実施例4において、止め輪80が定着ローラ軸81の溝部81aに装着されること、ギヤ83が止め輪80により軸方向への移動が規制されること、ギヤ83の孔84に定着ローラ軸81の先端側が挿通されること等がわかる。また、ギヤ83が軸受82によっても軸方向への移動が規制されることがわかる。
【0096】
また図4に示すように、本実施形態と上記実施形態とを同時に適用した構成にすることもできる。例えば図4に示すように、止め輪80が、軸受82(フランジ部82a)側2箇所とギヤ83側1箇所に設けられている。この場合、定着ローラ26Aの回転軸方向への移動を規制できるとともに、ギヤ83の回転軸方向への移動を規制でき、ギヤ83が定着ローラ軸81から抜けることを防ぐことができる。図4に示すように、止め輪80は複数備えられてもよい。
【0097】
なお、本実施形態では、図17図18に示す例のように、ギヤ83と軸受82との間に止め輪80を設けなくてもよいし、図4の左側に示すように、ギヤ83と軸受82との間に止め輪80を設けてもよい。
【0098】
凸部91a、91bの配置は、図示されるものに限られるものではなく、適宜変更が可能である。例えば、回転軸に対して非対称の位置に配置させてもよい。また、上記実施形態と同様に、止め輪80の一端部と他端部は非対称な形状であってもよい。例えば図19に示すように、凸部91aと凸部91bの配置を図15に示す例と異ならせて、例えば回転軸からの距離が互いに異なる位置に配置させてもよい。また、このような開口部規制部にあわせて止め輪80の勘合部80g1と勘合部80g2を非対称にしてもよい。
【0099】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1>周方向に沿った溝部が形成された軸部材を有する回転体を備えた画像形成装置に用いられる規制部材であって、
前記溝部に着脱可能な止め輪と、前記止め輪に着脱可能な開口部規制部材と、を有し、
前記止め輪は、周の一部に開口部を有し、該開口部が広がるように変形することで前記溝部に装着させることが可能であり、前記溝部に装着された状態において前記回転体が回転軸方向に移動することを規制し、
前記開口部規制部材は、前記止め輪が前記溝部に装着された状態における前記開口部が広がらないように前記開口部を規制することを特徴とする規制部材。
<2>前記止め輪は、金属製の線状部材を環状に成型してなり、前記開口部が前記溝部に対して前記溝部の外側から前記軸部材の軸中心の方向に向けて押し込まれることで前記開口部が広がる方向に変形し、前記溝部に勘合するとともに、前記溝部に付勢して保持されることを特徴とする<1>に記載の規制部材。
<3>前記止め輪は、周の一端側と周の他端側であって前記開口部にくびれ部を有し、
前記開口部規制部材は、一端と他端がそれぞれ前記くびれ部にはまるようにして前記開口部を規制することを特徴とする<1>又は<2>に記載の規制部材。
<4>前記開口部規制部材は、前記止め輪に着脱可能であるとともに前記止め輪に対する1つの挿入口を有し、該挿入口を前記止め輪に対して相対移動させることで前記止め輪に装着されることを特徴とする<1>から<3>のいずれかに記載の規制部材。
<5>前記止め輪は、周の2つの端部がともに折り返し形状を有することを特徴とする<4>に記載の規制部材。
<6>前記開口部規制部材は、前記止め輪に着脱可能であるとともに伸びる変形が可能であり、伸びる変形をすることにより前記止め輪に装着されることを特徴とする<1>から<3>のいずれかに記載の規制部材。
<7>前記止め輪は、前記開口部規制部材と連結するための第1の連結部を有し、
前記開口部規制部材は、前記止め輪と連結するための第2の連結部を有し、
前記止め輪と前記開口部規制部材は、互いに連結して1つの部品となっていることを特徴とする<1>又は<2>に記載の規制部材。
<8>前記開口部規制部材は、一端と他端にそれぞれ環状部を有しており、一の前記環状部が前記止め輪の周の一端に挿通可能であり、他の前記環状部が前記止め輪の周の他端に挿通可能であることを特徴とする<1>又は<2>に記載の規制部材。
<9><1>から<8>のいずれかに記載の規制部材と、前記回転体とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
<10><1>から<8>のいずれかに記載の規制部材と、前記回転体とを備えたことを特徴とする定着装置。
<11>周方向に沿った溝部が形成された軸部材を有する回転体と、前記回転体と一体に回転する駆動部材とを備えた画像形成装置であって、
前記止め輪は、周の一部に開口部を有し、該開口部が広がるように変形することで前記溝部に装着させることが可能であり、前記溝部に装着された状態において前記駆動部材が回転軸方向に移動することを規制し、
前記駆動部材は、前記軸部材の先端側に取り付けられるとともに、前記止め輪が前記溝部に装着された状態における前記開口部が広がらないように前記開口部を規制する開口部規制部を有することを特徴とする画像形成装置。
<12>前記開口部規制部は、2つの凸部であり、
前記止め輪は、周の一端側が一の前記凸部と勘合し、周の他端側が他の前記凸部と勘合することを特徴とする<11>に記載の画像形成装置。
<13>前記止め輪は、金属製の線状部材を環状に成型してなり、前記開口部が前記溝部に対して前記溝部の外側から前記軸部材の軸中心の方向に向けて押し込まれることで前記開口部が広がる方向に変形し、前記溝部に勘合するとともに、前記溝部に付勢して保持されることを特徴とする<11>又は<12>に記載の画像形成装置。
<14>前記駆動部材は、前記軸部材が挿入される孔を有し、
前記孔は、前記回転体の回転軸方向から見たときに、対向する2つの円弧と、対向する2つの直線とで囲まれた形状であり、
前記軸部材の先端側は、前記孔と勘合するように、2つの側面が削られて対向する2つの面が形成されており、前記回転体の回転軸方向から見たときに、対向する2つの円弧と、対向する2つの直線とで囲まれた形状であり、
前記溝部は、前記軸部材の2つの円弧に沿って形成されていることを特徴とする<11>から<13>のいずれかに記載の画像形成装置。
【符号の説明】
【0100】
26 定着ベルト
26A 定着ローラ
26B 加熱ローラ
27 加圧ローラ
80 止め輪
80a 周の端部
80b 開口部
80c くびれ部
80d 突出部
80e 折り返し形状
80f 第1の連結部
80g 勘合部
81 定着ローラ軸
81a 溝部
82 軸受
82a フランジ
83 ハス歯ギヤ
84 孔
90 開口部規制部材
90a 挿入口
90b 環状部
90c 第2の連結部
91a、91b 凸部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0101】
【特許文献1】特開2021-103259号公報
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