(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183781
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20231221BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20231221BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
G06F3/12 331
G06F3/12 322
G06F3/12 338
G06F3/12 332
G06F3/12 389
B41J29/38 401
H04N1/00 127B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097481
(22)【出願日】2022-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】木村 学
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061HJ08
2C061HK05
2C061HN05
2C061HN27
2C061HQ17
5C062AA05
5C062AA12
5C062AA13
5C062AA35
5C062AB17
5C062AB22
5C062AB38
5C062AB42
5C062AC22
5C062AC24
5C062AC34
5C062AE16
(57)【要約】
【課題】機器に設定した設定情報に含まれる重要な情報のセキュリティを向上させることができる情報処理システム、情報処理装置、および情報処理方法を提供する。
【解決手段】本発明は、機器と、情報処理装置と、サーバ装置と、を有する情報処理システムであって、前記情報処理装置は、前記機器と通信接続する通信制御部と、前記機器から固有の機器情報を取得する機器情報取得部と、前記機器情報により特定される前記機器に供給する所定の情報をサーバ装置から取得する情報取得部と、前記サーバ装置から取得した前記所定の情報を前記機器に提供する情報提供部と、前記サーバ装置に対して、前記機器に対する前記所定の情報の設定結果を送信する設定結果送信部と、前記サーバ装置に対して前記所定の情報の設定対象となる前記機器の前記設定結果を問い合わせる問い合わせ部と、を備え、前記情報取得部は、前記設定結果が設定済みである場合、当該設定対象となる機器から前記所定の情報を取得しない。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器と、情報処理装置と、サーバ装置と、を有する情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記機器と通信接続する通信制御部と、
前記機器から固有の機器情報を取得する機器情報取得部と、
前記機器情報により特定される前記機器に供給する所定の情報をサーバ装置から取得する情報取得部と、
前記サーバ装置から取得した前記所定の情報を前記機器に提供する情報提供部と、
前記サーバ装置に対して、前記機器に対する前記所定の情報の設定結果を送信する設定結果送信部と、
前記サーバ装置に対して前記所定の情報の設定対象となる前記機器の前記設定結果を問い合わせる問い合わせ部と、を備え、
前記情報取得部は、前記設定結果が設定済みである場合、当該設定対象となる機器から前記所定の情報を取得しない、情報処理システム。
【請求項2】
前記情報取得部は、前記機器からの前記所定の情報の取得に際して、前記サーバ装置に対して前記情報処理装置の固有情報を送信して、前記機器からの前記所定の情報の取得が許可されているか否かを確認し、前記機器からの前記所定の情報の取得が許可されている場合、前記設定結果に関わらず、前記機器から前記所定の情報を取得する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記情報取得部は、前記設定結果が失敗である場合、前記機器から前記所定の情報を取得する、請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
機器と通信接続する通信制御部と、
前記機器から固有の機器情報を取得する機器情報取得部と、
前記機器情報により特定される前記機器に供給する所定の情報をサーバ装置から取得する情報取得部と、
前記サーバ装置から取得した前記所定の情報を前記機器に提供する情報提供部と、
前記サーバ装置に対して、前記機器に対する前記所定の情報の設定結果を送信する設定結果送信部と、
前記サーバ装置に対して前記所定の情報の設定対象となる前記機器の前記設定結果を問い合わせる問い合わせ部と、を備え、
前記情報取得部は、前記設定結果が設定済みである場合、当該設定対象となる機器から前記所定の情報を取得しない、情報処理装置。
【請求項5】
前記情報取得部は、前記設定結果が失敗である場合、前記機器から前記所定の情報を取得する、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置で実行される情報処理方法であって、
機器と通信接続するステップと、
前記機器から固有の機器情報を取得するステップと、
前記機器情報により特定される前記機器に供給する所定の情報をサーバ装置から取得するステップと、
前記サーバ装置から取得した前記所定の情報を前記機器に提供するステップと、
前記サーバ装置に対して、前記機器に対する前記所定の情報の設定結果を送信するステップと、
前記サーバ装置に対して前記所定の情報の設定対象となる前記機器の前記設定結果を問い合わせるステップと、を含み、
前記設定結果が成功である場合、当該設定対象となる機器から前記所定の情報を取得しない、情報処理方法。
【請求項7】
前記設定結果が失敗である場合、前記機器から前記所定の情報を取得するステップをさらに含む請求項6に記載の情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末(情報処理装置の一例)が外部サーバから設定情報(所定の情報の一例)を取得して、携帯端末から画像形成装置(機器の一例)に設定情報を設定する技術が開発されている。特許文献1には、設定情報を配信するサーバ装置が接続されている外部ネットワークに画像形成装置が接続困難な環境下であっても、携帯端末が設定情報を取得して画像形成装置に提供可能とする技術が開示されている。具体的には、特許文献1には、情報処理端末が、画像形成装置から、当該画像形成装置の固有の機器情報を取得し、機器情報を基にサーバから画像形成装置に供給する設定情報を取得し、サーバから取得した設定情報を画像形成装置に提供することが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、画像形成装置に設定情報を設定する携帯端末上での情報処理プログラムでは、画像形成装置に、一度、設定情報を設定した後に、同じ画像形成装置から設定情報を取得できてしまうという課題がある。例えば、設定情報の中には、メールアドレスといった個人情報が含まれる場合がある。このような場合は、画像形成装置に対して設定済みの設定情報が何度も取得可能となる。
【0004】
特許文献1記載の技術では、情報処理端末から画像形成装置に設定情報を提供した後であっても、情報処理端末がサーバから当該画像形成装置の設定情報を取得できてしまう。ここで、取得する設定情報には、アドレス帳等の個人情報が含まれる場合があるので、このような情報が何度も取得可能であると、重要な情報の漏洩の問題がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、機器に設定した設定情報に含まれる重要な情報のセキュリティを向上させることができる情報処理システム、情報処理装置、および情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、機器と、情報処理装置と、サーバ装置と、を有する情報処理システムであって、前記情報処理装置は、前記機器と通信接続する通信制御部と、前記機器から固有の機器情報を取得する機器情報取得部と、前記機器情報により特定される前記機器に供給する所定の情報をサーバ装置から取得する情報取得部と、前記サーバ装置から取得した前記所定の情報を前記機器に提供する情報提供部と、前記サーバ装置に対して、前記機器に対する前記所定の情報の設定結果を送信する設定結果送信部と、前記サーバ装置に対して前記所定の情報の設定対象となる前記機器の前記設定結果を問い合わせる問い合わせ部と、を備え、前記情報取得部は、前記設定結果が設定済みである場合、当該設定対象となる機器から前記所定の情報を取得しない。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、機器に設定した設定情報に含まれる重要な情報のセキュリティを向上させることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本実施の形態にかかる情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、本実施の形態にかかるサーバが記憶する設定結果のデータ構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、本実施の形態にかかる情報処理システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本実施の形態にかかる情報処理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図5-1】
図5-1は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおけるMFPに対する設定情報の設定処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図5-2】
図5-2は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおけるMFPに対する設定情報の設定処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図6】
図6は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおけるメッセージの表示画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおける設定情報の取得処理の他の例を説明するための図である。
【
図8】
図8は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおけるMFPに対する設定情報の設定処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図9】
図9は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおける携帯端末による設定結果の送信処理の一例を説明するための図である。
【
図10】
図10は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおける携帯端末による設定結果の送信処理の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、情報処理システム、情報処理装置、および情報処理方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
図1は、本実施の形態にかかる情報処理システムの構成の一例を示す図である。本実施の形態にかかる情報処理システムは、
図1に示すように、MFP1(機器の一例)、携帯端末2(情報処理装置の一例)、およびサーバ3(サーバ装置の一例)を有する。本実施の形態では、携帯端末2とサーバ3とは、インターネット等のネットワークを介して通信可能に接続されている。サーバ3は、MFP1に設定する設定情報(所定の情報の一例)を記憶する。ここで、設定情報は、例えば、ネットワーク等の設定、MFP1のアドレス帳を含んでも良い。
【0011】
図2は、本実施の形態にかかるサーバが記憶する設定結果のデータ構成の一例を示す図である。本実施の形態では、サーバ3は、MFP1に対する設定情報の設定結果を記憶する。サーバ3は、
図2に示すように、MFP1の識別情報の一例である機番(機器情報)と、設定結果と、設定時刻と、を対応付けて記憶する。
【0012】
図3は、本実施の形態にかかる情報処理システムのハードウェア構成の一例を示す図である。本実施の形態では、MFP1は、
図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、通信I/F13、RAM(Random Access Memory)14、およびHDD(Hard Disk Drive)15を有する。
【0013】
CPU11は、MFP1全体を制御する。ROM12は、CPU11に実行されるプログラムを記憶する。RAM14は、CPU11によってプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。通信I/F13は、MFP1と外部装置(例えば、携帯端末2、サーバ3)との通信を司る。HDD15は、各種データを記憶する。
【0014】
本実施の形態では、携帯端末2は、
図3に示すように、CPU21、ROM22、通信I/F23、入力装置24、RAM25、ストレージ26、およびディスプレイ27を有する。
【0015】
CPU21は、携帯端末2全体を制御する。ROM22は、CPU21によって実行されるプログラムを記憶する。通信I/F23は、携帯端末2と外部装置(例えば、MFP1、サーバ3)との通信を司る。入力装置24は、携帯端末2のユーザが各種操作を入力可能な装置である。RAM25は、CPU21によってプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。ストレージ26は、各種データを記憶する。ディスプレイ27は、各種情報を表示する表示部である。
【0016】
本実施の形態では、サーバ3は、
図3に示すように、CPU31、ROM32、通信I/F33、RAM34、およびHDD35を有する。
【0017】
CPU31は、サーバ3全体を制御する。ROM32は、CPU31により実行されるプログラムを記憶する。通信I/F33は、サーバ3と外部装置(例えば、MFP1、携帯端末2)との通信を司る。RAM34は、CPU31がROM32に記憶されるプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。HDD35は、各種データを記憶する。
【0018】
図4は、本実施の形態にかかる情報処理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。本実施の形態では、携帯端末2は、
図4に示すように、通信制御部201、情報提供部202、情報取得部203、および表示制御部204を有する。本実施の形態では、携帯端末2は、CPU21が、RAM25を作業領域として用いて、ROM22に記憶されるプログラムを実行することにより、通信制御部201、情報提供部202、情報取得部203、および表示制御部204を実現する。
【0019】
通信制御部201は、MFP1およびサーバ3と通信接続する通信制御部の一例である。
【0020】
情報提供部202は、通信制御部201を介して、MFP1に対して設定情報(設定値)を提供する。また、情報提供部202は、通信制御部201を介して、サーバ3に対して、MFP1に対する設定情報の設定結果を送信する設定結果送信部の一例である。
【0021】
情報取得部203は、通信制御部201を介して、MFP1から、当該MFP1固有の機器情報(例えば、機番)を取得する機器情報取得部の一例である。また、情報取得部203は、通信制御部201を介して、サーバ3から、機器情報により特定されるMFP1に供給する設定情報(所定の情報の一例)を取得する情報取得部の一例である。
【0022】
さらに、情報取得部203は、サーバ3に対して、設定情報の設定対象となるMFP1の設定結果を問い合わせる問い合わせ部の一例である。そして、情報取得部203は、設定対象となるMFP1の設定結果が設定済みである場合、当該設定対象となるMFP1に供給する設定情報を取得しない。これにより、MFP1に対する設定情報の設定完了後は、携帯端末2がMFP1から設定情報を取得させないようにすることができるので、MFP1に設定した設定情報に含まれる重要な情報(例えば、設定情報に含まれるアドレス帳等の個人情報)のセキュリティを向上させることができる。
【0023】
表示制御部204は、ディスプレイ27に対する各種情報の表示を制御する。
【0024】
MFP1は、
図4に示すように、通信制御部101、設定部102、および記憶制御部103を有する。本実施の形態では、MFP1は、CPU11が、RAM14を作業領域として用いて、ROM12に記憶されるプログラムを実行することにより、通信制御部101、設定部102、および記憶制御部103を実現する。
【0025】
通信制御部101は、携帯端末2と通信接続する。
【0026】
設定部102は、通信制御部101を介して、携帯端末2から提供される設定情報を取得する。また、設定部102は、通信制御部101を介して、設定情報の設定結果を携帯端末2に送信する。
【0027】
記憶制御部103は、MFP1内に記憶される機器情報を取得し、当該取得した機器情報を、通信制御部101を介して携帯端末2に送信する。また、記憶制御部103は、設定部102により取得された設定情報をMFP1(例えば、HDD15)内に記憶することにより、当該設定情報をMFP1に設定する。そして、記憶制御部103は、設定情報の設定結果を設定部102に送信する。
【0028】
サーバ3は、
図4に示すように、通信制御部301、情報提供部302、および記憶制御部303を有する。本実施の形態では、サーバ3は、CPU31が、RAM34を作業領域として用いて、ROM32に記憶されるプログラムを実行することにより、通信制御部301、情報提供部302、および記憶制御部303を実現する。
【0029】
通信制御部301は、携帯端末2と通信接続する。
【0030】
情報提供部302は、通信制御部301を介して、MFP1に供給する設定情報を携帯端末2に提供する。
【0031】
記憶制御部303は、通信制御部301を介して、携帯端末2から、MFP1に対する設定情報の設定結果を取得し、当該取得した設定結果を、サーバ3(例えば、HDD35)内に書き込む。また、記憶制御部303は、設定情報の設定対象となるMFP1に対する設定情報の設定結果を確認(取得)し、当該確認した設定結果を、通信制御部301を介して携帯端末2に送信する。
【0032】
図5-1および
図5-2は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおけるMFPに対する設定情報の設定処理の流れの一例を示すシーケンス図である。まず、携帯端末2の情報取得部203は、MFP1に対して当該MFP1固有の情報である機器情報(例えば、機番)の取得を要求する(ステップS501)。MFP1の記憶制御部103は、MFP1内に記憶される機器情報を取得し、当該取得した機器情報を携帯端末2に送信する(ステップS502)。
【0033】
次に、携帯端末2の情報取得部203は、サーバ3から、機器情報により特定されるMFP1に供給する設定情報を取得する(ステップS503)。サーバ3の情報提供部302は、MFP1に供給する設定情報を取得し、当該取得した設定情報を携帯端末2に送信する(ステップS504)。
【0034】
次いで、携帯端末2の情報提供部202は、MFP1に対して設定情報を提供する(ステップS505)。MFP1の設定部102は、記憶制御部103を介して、携帯端末2から提供される設定情報をMFP1(例えば、HDD15)内に書き込むことにより、当該設定情報をMFP1に設定する(ステップS506)。そして、設定部102は、MFP1に対する設定情報の設定結果を携帯端末2に送信する(ステップS507)。
【0035】
携帯端末2の情報提供部202は、サーバ3に対して、MFP1に対する設定情報の設定結果を送信する(ステップS508)。サーバ3の通信制御部301は、記憶制御部303を介して、携帯端末2から受信した設定結果をサーバ3(例えば、HDD35)内に書き込む(ステップS509)。
【0036】
その後、ユーザから携帯端末2に対してMFP1の設定情報の取得が指示されると、携帯端末2の情報取得部203は、MFP1に対して機器情報の取得を要求する(ステップS510)。MFP1の記憶制御部103は、MFP1(例えば、HDD15)内に記憶される機器情報を取得し、当該取得した機器情報を携帯端末2に送信する(ステップS511)。
【0037】
次に、携帯端末2の情報取得部203は、サーバ3に対して、機器情報が示すMFP1(すなわち、設定情報の設定対象となるMFP1)の設定結果を問い合わせる(ステップS512)。サーバ3の通信制御部301は、
図5-1に示すように、記憶制御部303を介して、設定対象となるMFP1の設定情報の設定結果を確認し(ステップS513)、当該確認した設定結果(例えば、成功)を携帯端末2に送信する(ステップS514)。
【0038】
携帯端末2の表示制御部204は、サーバ3から受信した設定結果に基づいて、MFP1に対する設定情報の設定の可否を判断して、その判断結果をディスプレイ27に表示する(ステップS515)。具体的には、表示制御部204は、
図5-1に示すように、MFP1に対する設定情報の設定結果が成功の場合、MFP1に対して設定した設定情報が取得不可であることを示すメッセージをディスプレイ27に表示する。また、情報取得部203は、MFP1から設定情報を取得しない。
【0039】
図6は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおけるメッセージの表示画面の一例を示す図である。例えば、MFP1に対する設定情報の設定結果が成功の場合、携帯端末2の表示制御部204は、
図6に示すように、MFP1の設定情報が取得不可であることを示すメッセージを含む画面をディスプレイ27に表示する。
【0040】
図5-1,5-2に戻り、一方、携帯端末2の情報取得部203は、
図5-2に示すように、確認した設定結果が失敗である場合、MFP1に対して設定情報の取得を要求する(ステップS516)。MFP1の設定部102は、記憶制御部103を介して、MFP1に設定された設定情報を取得し、当該取得した設定情報を携帯端末2に送信する(ステップS517)。携帯端末2の情報取得部203は、MFP1から設定情報を取得する。
【0041】
すなわち、情報取得部203は、MFP1に対する設定情報の設定結果が失敗である場合、MFP1から設定情報を取得する。これにより、MFP1に対する設定情報の設定が失敗であった場合、MFP1から取得した設定情報に基づいて、どの設定項目の設定が失敗したのかを確認することができる。
【0042】
図7は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおける設定情報の取得処理の他の例を説明するための図である。本実施の形態では、サーバ3の記憶制御部303は、
図7に示すように、携帯端末2のうち、設定情報の取得を許可する携帯端末2の固有情報の一例であるID(以下、端末IDという。例えば、001,002,003)をHDD35等の記憶部に記憶していても良い。
【0043】
この場合、携帯端末2の情報取得部203は、MFP1からの設定情報の取得に際して、サーバ3に対して自装置の端末IDを送信して、設定情報を取得が許可されているか否かを確認する。そして、情報取得部203は、端末IDがサーバ3内に記憶されていない場合、すなわち、MFP1からの設定情報の取得が許可されていない場合、設定結果に関わらず、MFP1から設定情報を取得しない。これにより、MFP1に対する設定情報の設定完了後は、予め設定された携帯端末2以外の端末がMFP1から設定情報を取得することを防止できるので、MFP1に設定した設定情報に含まれる重要な情報のセキュリティを向上させることができる。
【0044】
図8は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおけるMFPに対する設定情報の設定処理の流れの一例を示すシーケンス図である。MFP1に対して設定情報が設定された後、携帯端末2の情報取得部203は、通信制御部201を介して、サーバ3に対して、設定情報を取得する携帯端末2の端末IDを送信して、設定情報の取得が許可されているか否かを問い合わせる(ステップS801)。
【0045】
携帯端末2から端末IDを受信した場合、サーバ3の記憶制御部303は、受信した端末IDが、設定情報の取得を許可する携帯端末2の端末IDに含まれるか否かを判断する。受信した端末IDが、設定情報の取得を許可する携帯端末2の端末IDに含まれる場合、記憶制御部303は、通信制御部301を介して、設定情報の取得が許可されていることを携帯端末2に通知する(ステップS802)。
【0046】
設定情報の取得が許可されていることが通知された場合、携帯端末2の情報取得部203は、MFP1に対して設定情報の取得を要求する(ステップS803)。MFP1の設定部102は、記憶制御部103を介して、MFP1に設定された設定情報を取得し、さらに、通信制御部101を介して、当該取得した設定情報を携帯端末2に送信する(ステップS804)。
【0047】
図9および
図10は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおける携帯端末による設定結果の送信処理の一例を説明するための図である。本実施の形態では、携帯端末2の情報提供部202は、
図9および
図10に示すように、JSON形式で、設定結果をサーバ3に送信しても良い。設定結果には、serialNumber:MFP1の機番、configurationDateTime:MFP1に設定情報を設定した日時、configurationResult:MFP1に対する設定情報の設定結果が含まれていても良い。
【0048】
そして、
図9に示すように、configurationResult:Successは、設定情報の設定が成功したこと、すなわち、設定情報の設定が正常完了したことを表す。一方、
図10に示すように、configurationResult:Failureは、設定情報の設定が失敗したこと、すなわち、設定情報の設定が正常完了しなかったことを表す。サーバ3の記憶制御部303は、携帯端末2から受信した設定結果を、自身のHDD35に保存する。本実施の形態においては、サーバ3の通信制御部301が携帯端末2に送信する設定結果も同様のデータ構造である。
【0049】
このように、本実施の形態にかかる情報処理システムによれば、MFP1に対する設定情報の設定完了後は、携帯端末2がMFP1から設定情報を取得させないようにすることができるので、MFP1に設定した設定情報に含まれる重要な情報のセキュリティを向上させることができる。
【符号の説明】
【0050】
1 MFP
2 携帯端末
3 サーバ
101,201,301 通信制御部
102 設定部
103,303 記憶制御部
202,302 情報提供部
203 情報取得部
204 表示制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0051】