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特開2023-183795画像処理装置および画像処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023183795
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】画像処理装置および画像処理システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20231221BHJP
   G06F 21/45 20130101ALI20231221BHJP
【FI】
H04N1/00 838
H04N1/00 E
H04N1/00 127A
G06F21/45
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097523
(22)【出願日】2022-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】早野 秀昭
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AA35
5C062AB02
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB41
5C062AB43
5C062AB44
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC38
5C062AC42
5C062AE15
5C062AF01
5C062AF02
5C062AF12
5C062AF14
5C062BD09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ワークフロー選択時に、認証情報の入力回数を減らす画像処理装置及び画像処理システムを提供する。
【解決手段】認証サーバ又は認証アカウントを使用した配信先サービスに対して、データを配信する画像処理装置であって、ワークフロー実行指示プログラムは、1以上の処理を実行するワークフロー選択時に、ワークフローに配置された配信コネクタ設定の認証方式及び認証サーバの特定を行い、認証方式及び認証サーバから有効な認証アカウントを算出するワークフロー解析部9021と、ワークフロー解析部9021によるワークフロー解析結果に基づき、認証サーバが同じ認証方式を同一グループにまとめる共通部分算出部9022と、共通部分算出部9022によりまとめた有効な認証アカウントが同一の配信コネクタについてのグループ毎に、ユーザ名及びパスワードを入力する箇所を持つ認証画面を生成する認証画面生成部9023と、を備える。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
認証サーバまたは認証アカウントを使用した配信先サービスに対して、データを配信する画像処理装置であって、
1以上の処理を実行するワークフロー選択時に、ワークフローに配置された配信コネクタ設定の認証方式および認証サーバの特定を行い、前記認証方式および前記認証サーバから有効な認証アカウントを算出するワークフロー解析部と、
前記ワークフロー解析部によるワークフロー解析結果に基づき、認証サーバが同じ認証方式を同一グループにまとめる共通部分算出部と、
前記共通部分算出部によりまとめた有効な認証アカウントが同一の配信コネクタについてのグループごとに、ユーザ名およびパスワードを入力する箇所を持つ認証画面を生成する認証画面生成部と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記認証画面生成部により生成した認証画面を、表示部に表示する認証画面表示部を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記ワークフロー解析部は、ワークフローデータからコネクタIDおよび認証サーバを抽出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
認証サーバまたは認証アカウントを使用した配信先サービスと、
前記配信先サービスに対して、データを配信する画像処理装置と、
を備え、
1以上の処理を実行するワークフロー選択時に、ワークフローに配置された配信コネクタ設定の認証方式および認証サーバの特定を行い、前記認証方式および前記認証サーバから有効な認証アカウントを算出するワークフロー解析部と、
前記ワークフロー解析部によるワークフロー解析結果に基づき、認証サーバが同じ認証方式を同一グループにまとめる共通部分算出部と、
前記共通部分算出部によりまとめた有効な認証アカウントが同一の配信コネクタについてのグループごとに、ユーザ名およびパスワードを入力する箇所を持つ認証画面を生成する認証画面生成部と、
を備えることを特徴とする画像処理システム。
【請求項5】
前記認証画面生成部により生成した認証画面を、表示部に表示する認証画面表示部を備える、
ことを特徴とする請求項4に記載の画像処理システム。
【請求項6】
前記ワークフロー解析部は、ワークフローデータからコネクタIDおよび認証サーバを抽出する、
ことを特徴とする請求項4に記載の画像処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置および画像処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な認証サーバまたは認証アカウントを使用した配信先サービスに対して、文書データを配信するためのワークフローシステムが構築されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来技術においては、ワークフロー選択後、配信先サービスを選択するタイミングで、配信先にアクセスするための認証方式および認証サーバの特定を行うため、配信先サービスごとに認証情報の入力が必要になる。
【0004】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ワークフロー選択時に、認証情報の入力回数を減らすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、認証サーバまたは認証アカウントを使用した配信先サービスに対して、データを配信する画像処理装置であって、1以上の処理を実行するワークフロー選択時に、ワークフローに配置された配信コネクタ設定の認証方式および認証サーバの特定を行い、前記認証方式および前記認証サーバから有効な認証アカウントを算出するワークフロー解析部と、前記ワークフロー解析部によるワークフロー解析結果に基づき、認証サーバが同じ認証方式を同一グループにまとめる共通部分算出部と、前記共通部分算出部によりまとめた有効な認証アカウントが同一の配信コネクタについてのグループごとに、ユーザ名およびパスワードを入力する箇所を持つ認証画面を生成する認証画面生成部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ワークフロー選択時に、認証情報の入力回数を減らすことができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施の形態にかかる配信システムの全体構成を示す図である。
図2図2は、配信サーバのハードウェア構成を示す図である。
図3図3は、MFPのハードウェア構成を示す図である。
図4図4は、ワークフローDBに格納されるワークフローファイルの一例を示す図である。
図5図5は、スキャン画像の配信にかかるワークフローの例を示す図である。
図6図6は、ワークフロー設定情報の一例を示す図である。
図7図7は、認証情報DBに格納される認証情報の一例を示す図である。
図8図8は、ワークフロー実行指示プログラムを実行することにより実現される機能を説明するための図である。
図9図9は、ワークフロー設定部の機能構成を示す機能ブロック図である。
図10図10は、ワークフロー実行指示処理の流れを示すフローチャートである。
図11図11は、認証画面の表示処理の流れを示すフローチャートである。
図12図12は、ワークフローデータの一例を示す図である。
図13図13は、認証画面の一例を示す図である。
図14図14は、設定画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、画像処理装置および画像処理システムの実施の形態を詳細に説明する。
【0009】
<1.配信システムの全体構成>
はじめに、本実施形態に係る画像処理システムの一例である配信システムの全体構成について説明する。図1は、実施の形態にかかる配信システム100の全体構成を示す図である。
【0010】
図1に示すように、配信システム100は、本実施形態に係る画像処理装置の一例であるMFP(MultiFunction Peripheral/Product/Printer)110~130と、配信サーバ140と、配信先サーバ160とを備える。MFP110~130と、配信サーバ140と、配信先サーバ160とは、互いにネットワーク150を介して接続されている。なお、図1の例では、MFPがネットワーク150に3台接続されているが、MFPの数は3台に限定されるものではない。
【0011】
MFP110~130は、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機である。例えば、MFP110~130は、原稿をスキャンすることでスキャン画像を生成する装置である。MFP110~130は、ワークフロー実行指示プログラム111と、認証情報データベース(以下、「DB」と略す)112と、を有する。
【0012】
ワークフロー実行指示プログラム111は、例えばスキャン画像に対して1以上の処理を実行するためのワークフローを規定するワークフローファイルを選択する。また、配信サーバ140に対して、選択したワークフローファイルを用いたワークフロー処理の実行を指示する。
【0013】
認証情報DB112は、ワークフロー実行指示プログラム111の起動時にログインするユーザに関する認証情報を格納する。
【0014】
配信サーバ140は、MFP110~130よりスキャン画像を受信し、MFP110~130においてユーザにより選択されたワークフローファイルを用いて、スキャン画像に対してワークフロー処理を実行する装置である。
【0015】
配信サーバ140は、ワークフロー実行プログラム141とワークフローDB142とを有する。
【0016】
ワークフロー実行プログラム141は、ワークフローDB142に格納されたワークフローファイルのうち、MFP110~130においてユーザにより選択されたワークフローファイルを実行する。ワークフローDB142は、ワークフローファイルを格納する。
【0017】
配信先サービスの一例である配信先サーバ160は、配信サーバ140においてワークフロー処理が実行されることで、スキャン画像が送信された場合、当該送信されたスキャン画像をネットワーク150を介して受信する装置である。配信先サーバ160には、ファイルサーバ、EDMS(Enterprise Document Management System)、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)サーバ等が含まれる。
【0018】
<2.配信サーバのハードウェア構成>
次に、配信サーバ140のハードウェア構成について説明する。図2は、配信サーバ140のハードウェア構成を示す図である。
【0019】
図2に示すように、配信サーバ140は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、記憶部204を備える。更に、入出力部205、通信部206を備える。なお、配信サーバ140の各部は、バス207を介して相互に接続されているものとする。
【0020】
CPU201は、記憶部204に格納された各種プログラム(ワークフロー実行プログラム141)を実行するコンピュータである。
【0021】
ROM202は不揮発性メモリである。ROM202は、記憶部204に格納された各種プログラムを、CPU301が実行するために必要な各種プログラム、データ等を格納する。具体的には、BIOS(Basic Input/Output System)やEFI(Extensible Firmware Interface)等のブートプログラムなどを格納する。
【0022】
RAM203は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)等の主記憶装置である。RAM203は、各種プログラムがCPU201によって実行される際に展開される、作業領域として機能する。
【0023】
記憶部204は、CPU201により実行される各種プログラム(ワークフロー実行プログラム141)、ワークフローDB142を格納する。
【0024】
入出力部205は、配信サーバ140に対して各種指示を入力するための入力部と、配信サーバ140の内部状態を表示する表示部とを有する。通信部206は、ネットワーク150を介してMFP110~130よりスキャン画像を受信する。また、通信部206は、MFP110~130から受信したスキャン画像を配信先サーバ160に送信する。
【0025】
<3.MFPのハードウェア構成>
次に、MFP110~130のハードウェア構成について説明する。なお、MFP110~130は、同様の構成を有しているため、以下では、MFP110の構成について説明する。図3は、MFP110のハードウェア構成を示す図である。
【0026】
図3に示すように、MFP110は、CPU(Central Processing Unit)301、ROM(Read Only Memory)302、RAM(Random Access Memory)303、記憶部304を備える。更に、エンジン部305、入出力部306、通信部307を備える。なお、MFP110の各部は、バス308を介して相互に接続されているものとする。
【0027】
CPU301は、記憶部304に格納された各種プログラム(ワークフロー実行指示プログラム111)を実行するコンピュータである。
【0028】
ROM302は不揮発性メモリである。ROM302は、記憶部304に格納された各種プログラムを、CPU301が実行するために必要な各種プログラム、データ等を格納する。具体的には、BIOS(Basic Input/Output System)やEFI(Extensible Firmware Interface)等のブートプログラムなどを格納する。
【0029】
RAM303は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)等の主記憶装置である。RAM303は、各種プログラムがCPU301によって実行される際に展開される、作業領域として機能する。
【0030】
記憶部304は、CPU301により実行される各種プログラム(ワークフロー実行指示プログラム111)、認証情報DB112を格納する。
【0031】
エンジン部305はスキャナ310aを有し、原稿をスキャンすることでスキャン画像を生成する。また、エンジン部305はプリンタ310bを有し、例えばスキャン画像を印刷する。スキャナ310a又はプリンタ310bには、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれている。
【0032】
入出力部306は、MFP110に対して各種指示を入力するための入力部と、MFP110の内部状態を表示する表示部とを有する。MFP110の入力部には、ワークフロー実行指示プログラム111を起動させるための操作ボタンや、ワークフロー実行指示プログラム111の実行中に各種設定を入力するための操作ボタン等が含まれる。更に、MFP110の入力部には、配信サーバ140に対してワークフローファイルの実行を指示するためのスタートボタンS(図14参照)が含まれる。なお、以降の説明においてワークフローファイルの実行指示操作には、入出力部306の入力部のスタートボタンSを押圧する操作が含まれるものとする。
【0033】
なお、MFP110は、入出力部306のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
【0034】
MFP110の入出力部306の出力部には、ワークフロー実行指示プログラム111の実行に伴って生成される各種表示画面が表示される。
【0035】
通信部307は、ネットワーク150を介して配信サーバ140にスキャン画像等を含むワークフローファイルの実行指示を送信する。
【0036】
<4.配信サーバに格納される情報の説明>
次に配信サーバ140に格納される情報について説明する。図4は、配信サーバ140が有するワークフローDB142に格納されるワークフローファイル400の一例を示す図である。図4に示すように、ワークフローファイル400は、ワークフローファイルを識別する識別子(ワークフローID)410と、ワークフロー内の配信コネクタ420と、各配信コネクタ420に設定されるワークフロー設定情報430とを含む。図4の例では、ワークフローファイル400は、"ワークフローID"が"XXX"のワークフローファイルである。
【0037】
ワークフローは、例えば、入出力のデータ型とデータに対して実行する処理とを規定する。ここで、図5はスキャン画像の配信にかかるワークフローの例を示す図である。図5に示すように、例えば、スキャン画像の配信にかかるワークフローは、配信コネクタ1~配信コネクタ4をそれぞれ含む。配信コネクタ1~配信コネクタ4は、MFP110~130より送信されたスキャン画像を、ワークフロー設定情報430に含まれる配信コネクタ設定情報に基づく配信処理を実行する。
【0038】
配信コネクタ1は、例えば、MFP110~130より送信されたスキャン画像を、電子メールを送受信するためのサーバのクラウドサービスへ配信する。
【0039】
配信コネクタ2,3は、例えば、MFP110~130より送信されたスキャン画像を、SharePoint Portal Serverへ配信する。
【0040】
配信コネクタ4は、例えば、MFP110~130より送信されたスキャン画像を、ローカルのフォルダへ配信する。
【0041】
ここで、図6はワークフロー設定情報の一例を示す図である。図6に示す例は、ワークフロー設定情報としての配信コネクタ設定情報を示すものである。図6に示すように、配信コネクタ設定情報は、ワークフローに配置された配信コネクタ毎に設定された、認証方式と、認証サーバと、を含む。認証方式としては、OAuth、ADFS、Kerberosなどのプロトコルが挙げられる。認証サーバとしては、オンプレミスのアカウントや社内リソースを認証するオンプレミスのActive Directory、クラウドサービスのアカウントに対する認証を行うAzure Active Directoryなどが挙げられる。
【0042】
<5.MFPに格納される情報の説明>
次にMFP110に格納される情報について説明する。図7は、MFP110が有する認証情報DB112に格納される認証情報600の一例を示す図である。図7に示すように、認証情報600には、情報の項目として、"ユーザID"、"パスワード"、"属性情報"が含まれる。
【0043】
"ユーザID"には、ユーザがワークフロー実行指示プログラム111の起動時にログイン情 報として入力するユーザの識別子が格納される。"パスワード"には、ユーザがワークフロー実行指示プログラム111の起動時にログイン情報として入力するパスワードが格納される。"属性情報"には、ユーザの属性を示す情報が格納される。なお、ユーザの属性を示す情報は、"ユーザ名"、"所属"等に分類して格納される。
【0044】
<6.ワークフロー実行指示プログラムを実行することにより実現される機能の説明>
次に、ワークフロー実行指示プログラム111を実行することにより実現される機能について説明する。図8は、ワークフロー実行指示プログラム111を実行することにより実現される機能を説明するための図である。
【0045】
図8に示すように、ワークフロー実行指示プログラム111を実行することにより実現される機能には、認証部901、ワークフロー設定部902、スキャナ部903、ワークフロー実行指示部904が含まれる。
【0046】
認証部901は、ワークフロー実行指示プログラム111を起動する際に、ユーザにログイン情報の入力を促し、ユーザにより入力されたログイン情報の正否を、認証情報600に基づいて判断する。
【0047】
ワークフロー設定部902は、ユーザによるワークフローファイル400の選択を受け付け、選択されたワークフローファイル400を配信サーバ140より取得する。また、ワークフロー設定部902は、取得したワークフローファイル400に含まれるプラグインについて、ユーザによるワークフロー設定情報430の設定を受け付ける。
【0048】
ここで、図9はワークフロー設定部902の機能構成を示す機能ブロック図である。図9に示すように、ワークフロー設定部902は、ワークフロー解析部9021と、共通部分算出部9022と、認証画面生成部9023と、認証画面表示部9024と、を備える。
【0049】
ワークフロー解析部9021は、ワークフローに配置されている、配信サービスまたは配信先サーバ160にアクセスするための配信コネクタ設定の認証方式および認証サーバの特定を行い、認証方式および認証サーバから有効な認証アカウントを算出するワークフロー解析処理を実行する。ワークフロー解析部9021は、具体的には、ログインしたワークフロー内の各配信コネクタのワークフロー設定情報430を走査し、コネクタIDおよび認証サーバを抽出する。なお、前提として、管理ツール(PC上のWEBブラウザ)上で作成したワークフローデータは、MFP110~130に同期される。
【0050】
なお、認証サーバの認証方式としては、配信コネクタの設定で静的に指定されるものと、配信コネクタの設定から動的に算出するものと、がある。
【0051】
例えば、静的に算出する認証方式としては、Kerberos認証がある。この場合、使用する配信コネクタ(Folder,Webdav,オンプレミスSPS,オンプレミスExchange配信)で認証サーバのFQDN(Fully Qualified Domain Name)が指定されている。
【0052】
また、動的に算出する認証方式としては、ADFS認証+クラウドSPS配信がある。この場合、配信先ドメインごとに信頼される認証サーバが事前設定されているので、配信先URLからAPI経由で認証サーバのFQDNを取得する。
【0053】
共通部分算出部9022は、ワークフロー解析部9021によるワークフロー解析結果に基づき、共通UIとして扱える部分の括りだしを行う共通部分算出処理を実行する。すなわち、共通部分算出部9022は、認証サーバが同じ認証方式については共通の認証情報でアクセスできるので、同一グループにまとめる。
【0054】
認証画面生成部9023は、認証画面の生成を行う認証画面生成処理を実行する。より詳細には、認証画面生成部9023は、共通部分算出部9022によりまとめたグループごとに、ユーザ名およびパスワードを入力する箇所を持つ認証画面を生成する。
【0055】
認証画面表示部9024は、認証画面生成部9023により生成した認証画面を、MFP110~130の入出力部306の表示部に表示する認証画面表示処理を実行する。
【0056】
スキャナ部903は、スキャナ310を制御し、スキャナ310が原稿をスキャンすることで得たスキャン画像を、スキャナ310より取得する。
【0057】
ワークフロー実行指示部904は、配信サーバ140に対して、ワークフローファイルの実行指示を送信する。ワークフローファイルの実行指示には、ワークフロー設定部902において設定された内容(選択したワークフローファイルのID、ワークフロー設定情報430)及びスキャナ部903において取得されたスキャン画像が含まれる。
【0058】
<7.ワークフロー実行指示プログラムによるワークフロー実行指示処理の流れ>
次に、ワークフロー実行指示プログラム111によるワークフロー実行指示処理の流れについて説明する。
【0059】
図10は、ワークフロー実行指示プログラム111によるワークフロー実行指示処理の流れを示すフローチャートである。
【0060】
ワークフロー実行指示プログラム111の起動指示が入力されると、図10に示すワークフロー実行指示処理が開始される。ステップS1001において、認証部901は、入出力部306にログイン画面を表示し、ユーザによるログイン情報の入力を受け付ける。
【0061】
ステップS1002において、認証部901は、ステップS1001において入力されたログイン情報の正否を、認証情報600に基づいて判定する。認証部901による判定の結果、ログイン情報が正しいと判定されなかった場合には、ログインに成功しなかったと判断し、ワークフロー実行指示処理を終了する。
【0062】
一方、ステップS1002において、ログイン情報が正しいと判定された場合には、ログインに成功したと判断し、ステップS1003に進む。
【0063】
ステップS1003において、ワークフロー設定部902は、ワークフロー選択を受け付けると、認証画面を表示し、ユーザによる設定を受け付ける。
【0064】
ここで、認証画面の表示処理の流れについて説明する。
【0065】
図11は、認証画面の表示処理の流れを示すフローチャートである。図11に示すように、ワークフロー解析部9021は、ログインしたワークフロー内の各コネクタの設定情報を走査し、コネクタIDおよび認証サーバを抽出するワークフロー解析処理を実行する(ステップS1)。
【0066】
ここで、図12はワークフローデータの一例を示す図である。図12に示すように、ワークフロー解析部9021は、ワークフローデータからコネクタIDおよび認証サーバを抽出する。なお、ワークフロー解析部9021は、#authServerが空のものについては動的に算出する必要があるので、動的に解決する。
【0067】
次いで、共通部分算出部9022は、ワークフロー解析結果に基づき、認証サーバが同じものは共通の認証情報でアクセスできるので、同一グループにまとめる(ステップS2)。
【0068】
次いで、認証画面生成部9023は、ステップS2でまとめたグループごとに、ユーザ名およびパスワードを入力する箇所を持つ認証画面を生成する(ステップS3)。
【0069】
次いで、認証画面表示部9024は、ステップS3で生成した認証画面を、MFPに表示する認証画面表示処理を実行する(ステップS4)。
【0070】
ここで、図13は認証画面の一例を示す図である。図13に示すように、認証画面は、認証グループ(認証サーバ)ごとに認証情報の入力が可能なコネクタ配信先選択画面である。例えば、ワークフロー選択時に表示される認証画面は、カードログインなどのように、ログイン画面でのログインの際にパスワードがわたってこないログインをした場合に表示される。図13に示す認証画面の例では、配信コネクタ設定情報の“1”および“2”と、“3”および“4”が、それぞれ共通の認証情報でアクセスできるので、認証画面においてそれぞれ設定1、設定2としてまとめられている。
【0071】
図13に示す認証画面において所望のグループに対するユーザ名およびパスワードが入力されて認証されると、ステップS1003において、ワークフロー設定部902は、設定画面を表示し、ユーザによる設定を受け付ける。
【0072】
図14は、設定画面の一例を示す図である。図14に示すように、設定画面は、認証された所望の設定にかかるワークフロー内に存在する配信コネクタを表示する。このようにすることで、有効な認証アカウントが同一の配信コネクタにおいては1回の認証情報入力で済む。従来、配信コネクタ選択のたびに入力された認証情報で配信先に接続を試み、失敗すれば認証情報入力画面が表示されるといった、配信コネクタの数だけ認証情報入力が必要であった。図13に示す例では、従来4回の認証情報の入力が必要だが、本実施形態では2回に減っている。認証情報の入力のタイミングも1回に集約されている。
【0073】
ステップS1003において、設定画面での設定が完了すると、ユーザはMFP110のスタートボタンS(図14参照)を押圧する。これにより、スキャナ部903は、ステップS1004において当該ワークフローファイルの実行指示操作が行われたと判断する。
【0074】
ステップS1005において、スキャナ部903は、ワークフローファイルの実行指示操作に応じて原稿をスキャンすることでスキャナ310が生成したスキャン画像を取得する。
【0075】
ステップS1007において、ワークフロー実行指示部904は、配信サーバ140に対して、ワークフローファイルの実行指示を送信する。具体的には、ステップS1003において選択されたワークフローファイルのワークフローIDと、設定された詳細情報とを、ステップS1005において取得されたスキャン画像とを含む実行指示を配信サーバ140に送信する。
【0076】
このように本実施形態によれば、ワークフロー選択時に、認証情報の入力回数を減らすことができる。
【0077】
本実施形態のMFP110~130で実行されるワークフロー実行指示プログラム111は、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0078】
また、本実施形態のMFP110~130で実行されるワークフロー実行指示プログラム111を、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のMFP110~130で実行されるワークフロー実行指示プログラム111をインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0079】
また、本実施形態のMFP110で実行されるワークフロー実行指示プログラム111を、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0080】
本実施の形態のMFP110~130で実行されるワークフロー実行指示プログラム111は、上述した各部(認証部901、ワークフロー設定部902、スキャナ部903、ワークフロー実行指示部904)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体からワークフロー実行指示プログラム111を読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、認証部901、ワークフロー設定部902、スキャナ部903、ワークフロー実行指示部904が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0081】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0082】
なお、上記実施の形態では、本発明の画像形成装置を、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機に適用した例を挙げて説明するが、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置であればいずれにも適用することができる。
【符号の説明】
【0083】
100 画像処理システム
110~130 画像処理装置
160 配信先サービス
9021 ワークフロー解析部
9022 共通部分算出部
9023 認証画面生成部
9024 認証画面表示部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0084】
【特許文献1】特開2007-129590号公報
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