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特開2023-184023ラミネート処理装置、画像形成装置及び画像形成システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184023
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】ラミネート処理装置、画像形成装置及び画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   B29C 63/02 20060101AFI20231221BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20231221BHJP
   G03G 21/20 20060101ALI20231221BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
B29C63/02
G03G21/00 386
G03G21/20
G03G21/16 133
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097913
(22)【出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】落合恭也
(72)【発明者】
【氏名】杉山恵介
(72)【発明者】
【氏名】加藤裕一郎
(72)【発明者】
【氏名】下舘一輝
(72)【発明者】
【氏名】吉田翔太
(72)【発明者】
【氏名】高井直樹
(72)【発明者】
【氏名】西東洋輔
【テーマコード(参考)】
2H171
2H270
4F211
【Fターム(参考)】
2H171FA06
2H171FA20
2H171GA06
2H171GA23
2H171GA31
2H171HA23
2H171HA24
2H171HA31
2H171QA04
2H171QA08
2H171QA24
2H171QB01
2H171QB11
2H171QB31
2H171QB51
2H171QC03
2H171QC05
2H171QC36
2H171RA01
2H171RA04
2H171RA05
2H171SA02
2H171SA03
2H171SA08
2H171SA11
2H171SA14
2H171SA19
2H171SA20
2H171SA22
2H171SA26
2H171SA31
2H171SA34
2H171WA02
2H171WA03
2H171WA04
2H171WA11
2H171WA16
2H270KA04
2H270KA09
2H270KA28
2H270KA32
2H270KA54
2H270KA55
2H270KA57
2H270LA25
2H270LA54
2H270LC06
2H270LC17
2H270LC23
2H270LD03
2H270LD05
2H270MA35
2H270MC56
2H270MC57
2H270MC61
2H270MC67
2H270MF01
2H270MF08
2H270MG13
2H270QA28
2H270QA33
2H270QA34
2H270QA35
2H270QA36
2H270QB02
2H270QB07
2H270QB09
2H270SA09
2H270SB20
2H270SC21
2H270ZC03
2H270ZC04
4F211AA24
4F211AC03
4F211AD06
4F211AG01
4F211AP05
4F211AR06
4F211SA08
4F211SC07
4F211SD01
4F211SJ11
4F211SP05
4F211SW15
(57)【要約】
【課題】熱定着ローラを停止する際、熱定着ローラの温度が所定の温度以上であれば、熱定着ローラを回転駆動して温度を下げる冷却処理を実施するとともに、開閉扉の開放が不可である旨を報知する。
【解決手段】本発明のラミネート処理装置は、2枚重ねシートを搬送する熱定着ローラと、熱定着ローラを回転駆動する駆動手段と、熱定着ローラを加熱する加熱手段と、熱定着ローラの温度を検出する温度検出手段と、装置本体の外壁を構成し、開放時に熱定着ローラを露出する開閉扉と、ユーザに知覚信号を発する報知手段と、を備える。
熱定着ローラを停止する際、その温度が所定の温度以上であれば、熱定着ローラの冷却処理として、加熱手段を停止した状態で熱定着ローラを回転駆動し、その温度が所定の温度未満になった時点で停止する。
冷却処理で、熱定着ローラを回転駆動してから停止するまでの間、報知手段にて開閉扉の開放が不可である旨を報知する。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状媒体を挟持する2枚重ねシートに熱と圧力を加えて熱定着するラミネート処理を行うラミネート処理装置であって、
前記2枚重ねシートを搬送する熱定着ローラと、
前記熱定着ローラを回転駆動する駆動手段と、
前記熱定着ローラを加熱する加熱手段と、
前記熱定着ローラの温度を検出する温度検出手段と、
装置本体の外壁を構成し、開放時に前記熱定着ローラを露出する開閉扉と、
ユーザに知覚信号を発する報知手段と、を備えるラミネート処理装置において、
前記熱定着ローラを停止する際、前記熱定着ローラの温度が所定の温度以上であれば、前記熱定着ローラの冷却処理として、前記加熱手段を停止した状態で、前記熱定着ローラを回転駆動し、前記熱定着ローラの温度が所定の温度未満になった時点で、前記熱定着ローラを停止すること、及び、
前記冷却処理で、前記熱定着ローラを回転駆動してから停止するまでの間、前記報知手段にて前記開閉扉の開放が不可である旨を報知することを特徴とする、ラミネート処理装置。
【請求項2】
前記開閉扉の開閉状態を検知する開閉検知部を備え、
前記ラミネート処理中、又は前記開閉扉の開放が不可である旨を報知中に、前記開閉扉が開放された場合、前記報知手段にて危険である旨を報知することを特徴とする、請求項1に記載のラミネート処理装置。
【請求項3】
前記ラミネート処理中、又は前記開閉扉の開放が不可である旨を報知中に、前記開閉扉が開放された場合、警報音又は音声を発することを特徴とする、請求項2に記載のラミネート処理装置。
【請求項4】
異常発生時に、前記冷却処理を完了した後、前記報知手段にてユーザに残紙除去を促す旨を報知することを特徴とする、請求項1に記載のラミネート処理装置。
【請求項5】
前記開閉扉を閉じた状態にロックするロック手段を備え、
前記冷却処理を完了するまでの間、前記開閉扉を閉じた状態にロックすることを特徴とする、請求項1に記載のラミネート処理装置。
【請求項6】
前記冷却処理が完了するまでの残り時間を報知することを特徴とする、請求項1に記載のラミネート処理装置。
【請求項7】
前記開閉扉の開閉状態を検知する開閉検知部を備え、
前記開閉扉の開閉状態を報知することを特徴とする、請求項1に記載のラミネート処理装置。
【請求項8】
前記温度検出手段の検出温度を報知することを特徴とする、請求項1に記載のラミネート処理装置。
【請求項9】
画像形成を行う画像形成部と、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載のラミネート処理装置と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
画像形成装置と、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載のラミネート処理装置と、
を備えることを特徴とする画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラミネート処理装置、画像形成装置及び画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
2枚のシートが重ねられ、一辺が接合(接続)された2枚重ねシート(ラミネートシート又はラミネートフィルム)内に、中紙類(用紙、写真など)を挿入し、熱と圧力を加えて2枚重ねシートを接着するラミネート処理という技術が知られている。
【0003】
ラミネート処理を行うラミネート処理装置は、2枚重ねシートに熱と圧力を加える熱定着部を備える。熱定着部は、加熱され、回転駆動される熱定着ローラ対を有し、2枚重ねシートが通過するニップ部を形成する。このニップ部にシート状媒体を挟持する2枚重ねシートを通すことで、2枚重ねシートを熱定着(接着)できる。
【0004】
熱定着ローラは、その表面温度が熱定着に最適な温度となるように加熱制御されているが、使用状況などにより、予定された温度以上(異常高温)になる場合がある。そのため、熱定着ローラに熱変形(熱破損)といった不具合を防止する技術が検討され、実施されている。
【0005】
例えば、特許文献1には、画像形成装置の定着装置において、加熱ローラの所定時刻の温度が許容温度範囲外になった時、異常と判断してヒータを停止し、異常発生を通知するとともに加熱ローラ(定着ローラ)を回転させるという制御(構成)が開示されている。この定着装置は、異常時に加熱ローラが加熱されずに回転するので、表面温度が下がり、熱破損などの不具合を回避できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、加熱ローラの温度が所定の温度まで下がるには時間が掛かり、また、異常発生の通知を受けたユーザは、いつ画像形成装置の扉(カバー)を開いて定着装置を調査できるのか分からないという問題があった。そのため、加熱ローラの温度が下がりきる前に、ユーザが画像形成装置の扉(カバー)を開いてしまい、加熱ローラにダメージを与えるおそれがあった。このことは、熱定着部を有するラミネート処理装置についてもあてはまる。
【0007】
そこで本発明は、熱定着ローラを停止する際、熱定着ローラの温度が所定の温度以上であれば、熱定着ローラを回転駆動して温度を下げる冷却処理を実施するとともに、開閉扉の開放が不可である旨を報知するラミネート処理装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、シート状媒体を挟持する2枚重ねシートに熱と圧力を加えて熱定着するラミネート処理を行うラミネート処理装置であって、前記2枚重ねシートを搬送する熱定着ローラと、前記熱定着ローラを回転駆動する駆動手段と、前記熱定着ローラを加熱する加熱手段と、前記熱定着ローラの温度を検出する温度検出手段と、装置本体の外壁を構成し、開放時に前記熱定着ローラを露出する開閉扉と、ユーザに知覚信号を発する報知手段と、を備えるラミネート処理装置において、前記熱定着ローラを停止する際、前記熱定着ローラの温度が所定の温度以上であれば、前記熱定着ローラの冷却処理として、前記加熱手段を停止した状態で、前記熱定着ローラを回転駆動し、前記熱定着ローラの温度が所定の温度未満になった時点で、前記熱定着ローラを停止すること、及び、前記冷却処理で、前記熱定着ローラを回転駆動してから停止するまでの間、前記報知手段にて前記開閉扉の開放が不可である旨を報知することを特徴とする、ラミネート処理装置によって解決される。
【発明の効果】
【0009】
本発明のラミネート処理装置は、冷却処理で、熱定着ローラを回転駆動してから停止するまでの間、報知手段にて開閉扉の開放が不可である旨を報知する。したがって、冷却処理中に開閉扉が開かれることを抑制し、ユーザへのリスクや、熱定着ローラの熱破損のおそれを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係るシート処理装置の全体構成図である。
図2図1に示したシート処理装置の主要部分を示す構成図(その1)である。
図3】シート処理装置の主要部分を示す構成図(その2)である。
図4】シート処理装置の主要部分を示す構成図(その3)である。
図5】シート処理装置の主要部分を示す構成図(その4)である。
図6】シート処理装置の主要部分を示す構成図(その5)である。
図7】シート処理装置の主要部分を示す構成図(その6)である。
図8】シート処理装置の主要部分を示す構成図(その7)である。
図9】シート処理装置の主要部分を示す構成図(その8)である。
図10】シート処理装置の単数挿入モードを示す構成図(その1)である。
図11】シート処理装置の単数挿入モードを示す構成図(その2)である。
図12】シート処理装置の単数挿入モードを示す構成図(その3)である。
図13】シート処理装置の複数挿入モードを示す構成図(その1)である。
図14】シート処理装置の複数挿入モードを示す構成図(その2)である。
図15】シート処理装置の複数挿入モードを示す構成図(その3)である。
図16】シート処理装置の複数挿入モードを示す構成図(その4)である。
図17】シート処理装置の主要部分を示す構成図(その9)である。
図18】シート処理装置が備える剥離爪の模式図である。
図19】剥離爪の駆動構成の例を示す模式図である。
図20】剥離爪をシートSに挿入した状態を示す斜視図である。
図21図8における、剥離爪とシートSの状態を示す斜視図である。
図22図8における、剥離爪とシートSの状態を示す斜視図(その2)である。
図23】剥離した2枚のシートの案内経路についての変形例である。
図24】本発明に係るシート処理装置を備えるラミネート処理装置の一例を示す全体構成図である。
図25】本発明に係るラミネート処理装置を備える画像形成装置の一例を示す全体構成図である。
図26】本発明に係るラミネート処理装置を備える画像形成装置の変形例を示す全体構成図である。
図27】本発明に係るラミネート処理装置を外部に備える画像形成装置を示す全体構成図(その1)である。
図28】本発明に係るラミネート処理装置を外部に備える画像形成装置を示す全体構成図(その2)である。
図29】シート給紙から中紙を挟みこみ、ラミネート処理完了までの一連の動作を説明するフローチャートである。
図30】本発明に係るラミネート処理装置の一実施形態を示す構成図である。
図31】異常発生時の停止処理の流れを示すフローチャートである。
図32】操作パネルの表示画面の一例であり、(a)は異常発生の表示、(b)は開放可の表示、(c)は開放不可の表示、(d)は残紙除去を促す表示である。
図33】警報報知処理の流れを示すフローチャートである。
図34】操作パネルの表示画面の一例(警告表示)である。
図35】ロック機構の施錠の流れを示すフローチャートである。
図36】ロック機構の解錠の流れを示すフローチャートである。
図37】操作パネルの表示画面の一例(開閉扉の状態表示)である。
図38】操作パネルの表示画面の一例であり、(a)は待ち時間表示、(b)は温度表示である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係るシート処理装置の全体構成図である。本実施形態のシート処理装置100は、2枚重ねシート(以下、シートSという)を互いに剥離し、その剥離したシートS内にシート状媒体(以下、中紙Pという)を挿入して挟持させるものである。
【0012】
ここで、シートSとは、2枚のシートが重ねられ、その一部(又は一辺)が接合された2枚重ねシートである。2枚重ねシートとしては、例えば、片側を透明ポリエステルシートなどの透過性シートとし、反対側を透明又は不透明シートとして、それらの一辺で接合したものがある。また、2枚重ねシートには、ラミネートフィルムも含まれる。
【0013】
中紙Pは、それら2枚重ねシートに挿入されるシート状媒体の一例である。シート状媒体には、普通紙以外に、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙など)、トレーシングペーパ、OHPシートなどが含まれる。
【0014】
図1に示すように、シート処理装置100は、シートSを積載する第1積載手段であるシートトレイ102と、シートトレイ102からシートSを給送するピックアップローラ105と、搬送ローラ対107とを備える。またシート処理装置100は、中紙Pを積載する第2積載手段である給紙トレイ103と、給紙トレイ103から中紙Pを給送するピックアップローラ106とを備える。
【0015】
シートトレイ102には、シートSのサイズ(搬送方向長さ)を検出するシートサイズ検出手段であるサイズセンサC6が設けられ、給紙トレイ103には、中紙Pのサイズ(搬送方向長さ)を検出する媒体サイズ検出手段であるサイズセンサC7が設けられている。
【0016】
これらサイズセンサC6及びサイズセンサC7はそれぞれ、搬送方向に並んで配置された複数のセンサを備える。積載されるシートS(又は中紙P)のサイズによってセンサの検出結果が変わるため、シートS(又は中紙P)の搬送方向長さを検出できる。
【0017】
搬送ローラ対107の搬送方向下流には、シートSの搬送位置を検出する搬送センサC1が設けられ、ピックアップローラ106の搬送方向下流には、中紙Pの搬送位置を検出する搬送センサC2が設けられている。
【0018】
なお、これら搬送センサC1、C2を用いて、シートS(又は中紙P)の搬送方向長さを検出してもよい。
【0019】
またシート処理装置100は、搬送ローラ対107及びピックアップローラ106の下流に、第1搬送手段である入口ローラ対108と、回転部材としての巻付けローラ109と、第2搬送手段である出口ローラ対113と、排紙トレイ104などを備える。巻付けローラ109と出口ローラ対113の間に、シートSの幅方向に移動可能に設けられた剥離部材である剥離爪116を備える。
【0020】
入口ローラ対108の搬送方向下流には、シートS及び中紙Pの搬送位置を検出する搬送センサC3が設けられ、巻付けローラ109の搬送方向下流には、シートSの状態を検出する異常状態検出センサC4が設けられている。そして、出口ローラ対113の搬送方向下流には、シートSの搬送位置を検出する搬送センサC5が設けられている。
【0021】
なお、ピックアップローラ105、搬送ローラ対107、入口ローラ対108、及び巻付けローラ109は、第1給送手段の一例であり、ピックアップローラ106、入口ローラ対108、及び巻付けローラ109は第2給送手段の一例である。
【0022】
シート処理装置100の外装部には、シート処理装置100における情報表示や、操作入力の受付を行う表示操作手段である操作パネル10が設置されている。また、この操作パネル10は、ユーザに知覚信号を発する報知手段としての役割を兼ねる。なお、代替として、操作パネル10以外の報知手段を、シート処理装置100に別途設ける構成としてもよい。
【0023】
本実施形態のシート処理装置100は、シートSと中紙Pを別々のトレイに積載し、シートSを搬送しながら、2枚のシートに剥離・開口し、その開口内に中紙Pを挿入する。そして、中紙Pが挿入されたシートSを、排紙トレイ104に排出・積載する。
【0024】
図2は、図1に示したシート処理装置の主要部分を示す構成図(その1)である。図2に示すように、入口ローラ対108及び出口ローラ対113は、それぞれ、例えば対となった2つのローラであり、駆動手段(モータなど)により回転駆動される。入口ローラ対108は一方向に回転駆動され、出口ローラ対113は正逆方向に回転駆動されることで、シートS及び中紙Pを挟持して搬送する。
【0025】
入口ローラ対108は、シートS及び中紙Pを出口ローラ対113に向けて搬送する。この搬送方向を正搬送方向(矢印A方向)と呼ぶ。
【0026】
一方、出口ローラ対113は、その回転を正逆の両方向に切り替え可能である。挟持したシートSを正搬送方向である排紙トレイ104(図1参照)に向けて搬送できるとともに、その逆方向(引き戻す方向)となる巻付けローラ109に向けてシートSを搬送することもできる。この巻付けローラ109に向けて搬送する方向(正搬送方向に対し、逆方向)を、逆搬送方向(矢印B方向)と呼ぶ。
【0027】
また、シート処理装置100は、これら入口ローラ対108と出口ローラ対113との間に、回転部材である巻付けローラ109と、剥離爪116とを備える。巻付けローラ109は、駆動手段(モータなど)により正逆方向に回転駆動され、その回転を両方向(時計回り/反時計回り)に切り替え可能である。
【0028】
巻付けローラ109は、ローラ部材111と、ローラ部材111に設けられ、シートSを把持する可動の把持手段110とを有する。可動の把持手段110は、ローラ部材111とともにシートSの先端を把持することを特徴とする。この把持手段110は、ローラ部材111の外周に一体に成形してもよいし、別部品として構成してもよい。
【0029】
続いて、図1図17を用いて、シート処理装置100の一連の動作、すなわちシートSの剥離から中紙Pの挿入までの動作を説明する。なお、図3図17において、図1、2と同一物には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0030】
図1において、シートトレイ102上のシートSは、2枚のシートの接合された一部が、ピックアップローラ105の給送方向(搬送方向)の下流側に位置するように積載される。そして、シート処理装置100は、シートトレイ102上のシートSをピックアップローラ105にてピックし、搬送ローラ対107により入口ローラ対108に向けて搬送する。
【0031】
次いで、図2に示すように、入口ローラ対108により、シートSを巻付けローラ109に向けて搬送する。ここでシート処理装置100は、シートSの4辺中の一辺である端部が接合された側を正搬送方向(矢印A方向)の下流側として搬送する。
【0032】
続いて図3に示すように、シート処理装置100は、正搬送方向におけるシートSの後端部が巻付けローラ109を通過した時点で、その搬送を一時停止する。なお、これら動作は、搬送センサC3によるシートSの先端検出をトリガとし、搬送センサC3から指定量搬送することで実施される。
【0033】
次に、図4に示すように、シート処理装置100は、把持手段110を開口するとともに、出口ローラ対113の回転方向を反転し、把持手段110の開口部に向けて、シートSを逆搬送方向(矢印B方向)に搬送する。
【0034】
続いて、図5に示すように、シート処理装置100は、シートSの端部を開口した把持手段110に挿入した時点で搬送を停止し、把持手段110を閉じてシートSの端部を把持する。なお、これら動作は、シートSを指定量搬送することで実施される。
【0035】
次いで、図6に示すように、シート処理装置100は巻付けローラ109を反時計回りに回転し、シートSを巻付けローラ109に巻き付ける。ここでシートSは、2枚のシートの接合されていない側から巻付けローラ109に巻き付けられる。
【0036】
図7に示すように、シートSを巻付けローラ109に巻き付けると、2枚重ねシートの巻き付け周長差(巻き付け量の差)によって内周側のシートが余り、シートSの接合した端に向けて弛みが生じる。その結果、2枚のシート間に空間(たるみ空間)が生じる。この生じた空間に剥離爪116をシートSの両側から挿入することで、2枚のシート間の空間を確実に維持することができる。なお、これら動作は、搬送センサC5によるシートSの先端検出をトリガとし、搬送センサC5から指定量搬送することで実施される。
【0037】
ここで、剥離爪116について補足説明する。
【0038】
図18はシート処理装置が備える剥離爪の模式図であり、図19は剥離爪の駆動構成の例を示す模式図である。また、図25は剥離爪をシートSに挿入した状態を示す斜視図である。
【0039】
図18に示すように、剥離爪116は、搬送方向上流側から見て、高さ方向の寸法が幅方向中央から後端に向けて徐々に大きくなっている。また、高さ方向から見て、搬送方向の寸法は、先端から中央に向けて徐々に大きくなっている。そして、幅方向から見て、剥離爪116は、十時型の形状となっている。
【0040】
また、図19に示すように、本実施形態では、2つの剥離爪116を互いに対向させて配置し、それぞれを(a)ベルト駆動、又は(b)ラック&ピニオンなどにより接近/離間する構成としている。
【0041】
具体的に、(a)ベルト駆動では、駆動プーリ30aと従動プーリ30bの間にベルト32が張架され、そのベルト32に2つの剥離爪116a、bが互いに対向して取り付けられている。ここで、一方の剥離爪116aは下側のベルト32に、他方の剥離爪116bは上側のベルト32にそれぞれ接続されている。
【0042】
また、駆動プーリ30aには駆動伝達ギヤ34が設けられており、この駆動伝達ギヤ34に、駆動モータ36の回転出力がモータ出力ギヤ35を介して伝達される。すなわち、駆動モータ36の回転出力は、ベルト32に伝達される。
【0043】
したがって、駆動モータ36を(図正面から見て)時計回りに回転すれば、剥離爪116a、bを互いに接近でき、駆動モータ36を反時計回りに回転すれば、剥離爪116a、bを互いに離間できる。
【0044】
また、(b)ラック&ピニオンでは、1つのピニオン40に噛み合う2つのラック42a、bが互いに反対方向に伸びて設けられ、それぞれのラック42a、bに2つの剥離爪116a、bが互いに対向して取り付けられている。ピニオン40には駆動伝達ギヤ44が設けられており、この駆動伝達ギヤ44に、駆動モータ46の回転出力がモータ出力ギヤ45を介して伝達される。すなわち、駆動モータ46の回転出力は、ラック42a、bにそれぞれ伝達される。
【0045】
したがって、駆動モータ46を(図正面から見て)時計回りに回転すれば、剥離爪116a、bを互いに接近でき、駆動モータ46を反時計回りに回転すれば、剥離爪116a、bを互いに離間できる。
【0046】
このように本実施形態の剥離爪116は、上記形状を有し、シートSの幅方向に移動可能な構成であるため、図25に示すようにシートSに生じた空間にスムーズに挿入できる。
【0047】
シート処理装置100の一連の動作説明に戻る。シート処理装置100は、シートSに生じた空間に剥離爪116を挿入した状態で(図7参照)、巻付けローラ109を時計回りに回転し、図8に示すように、シートSの剥離した空間をシートSの正搬送方向(矢印A方向)における後端部まで移動させる。そして、指定量移動した時点で把持手段110を開放し、シートSの後端を上下に分離した状態とする。
【0048】
この状態で、シート処理装置100はシートSの搬送を一時停止し、今度は剥離爪116をシート幅方向へ更に移動することで、シートSの後端の全域を剥離する。なお、これら動作は、搬送センサC5によるシートSの先端検出をトリガとし、搬送センサC5から指定量搬送することで実施される。
【0049】
図21は、図8における、剥離爪116とシートSの状態を示す斜視図である。剥離爪116は、剥離したシートSをそれぞれ異なる方向へと案内する分岐爪の形状(機能)も有するため(図18参照)、シートSの2枚のシートは、それぞれ別の経路に搬送可能な姿勢となる。
【0050】
また、剥離爪116は幅方向に移動可能な構成(図19参照)であるため、図22に示すように、シートSの姿勢を支えるのに適した位置に配置できる。したがって、シートSのサイズや腰の強さが変わっても、シートSを所望の分岐方向へ案内できる。これは、搬送路幅全域に亘るシート分岐用部材、及び分岐爪の駆動装置が不要になるため、従来と比較して低コストにできる。
【0051】
続いて図9に示すように、シート処理装置100は、シートSの後端の全域を剥離した状態から、今度は出口ローラ対113を反時計回りに回転し、シートSを逆搬送方向(矢印B方向)に搬送する。すなわち、シートSの剥離された2枚のシートは、剥離爪116によりそれぞれ上下方向に案内され、2枚のシート全体が互いに剥離される。
【0052】
そして、シート処理装置100はシートSの搬送を一時停止し、シートSの接合部を出口ローラ対113にて把持(ニップ)した状態とする。したがって、シートSは接合された一辺を端として、大きく開口することになる。
【0053】
なお、これら動作は、搬送センサC5によるシートSの先端検出をトリガとし、搬送センサC5から指定量搬送することで実施される。
【0054】
次いで、剥離したシートSに中紙を挿入する動作について説明する。
【0055】
本実施形態のシート処理装置100は、シートSのサイズ(搬送方向長さ)と、中紙Pのサイズ(搬送方向長さ)によって、シートS内に中紙Pを1枚から複数枚挿入できる。まず、シートSに中紙Pを1枚挿入する単数挿入モードを説明し、その次に、シートSに中紙Pを搬送方向に沿って複数枚挿入する複数挿入モードを説明する。
【0056】
(単数挿入モード)
図10に示すように、シート処理装置100は、入口ローラ対108を回転し、給紙トレイ103(図1参照)から搬送された中紙Pを出口ローラ対113に向けて正搬送方向(矢印A方向)に搬送する。
【0057】
続いて、図11に示すように、シート処理装置100は、出口ローラ対113を回転してシートSと中紙Pを合流させ、開口したシートS内に中紙Pを挿入する。
【0058】
次いで、図12に示すように、シート処理装置100は、出口ローラ対113により、中紙Pが挿入されたシートSを正搬送方向(矢印A方向)に搬送することで、シートSの2枚のシートを再度重ね、開口を閉じる。そして、中紙Pが挟み込まれたシートSを、出口ローラ対113、又はそれ以降に配置されたローラなど(不図示)により、排紙トレイ104に排出・積載する(図1参照)。
【0059】
続いて、複数挿入モードを説明する。複数挿入モードとは、シート搬送方向において、複数枚の中紙P(以下の実施形態では2枚)を挿入可能なモードである。
【0060】
(複数挿入モード)
図18に示すように、シート処理装置100は、入口ローラ対108を回転し、給紙トレイ103(図1参照)から搬送された1枚目の中紙(以下、第1中紙P1と呼ぶ)を出口ローラ対113に向けて正搬送方向(矢印A方向)に搬送する。
【0061】
次いで、図14に示すように、シート処理装置100は、出口ローラ対113を回転してシートSと第1中紙P1を合流させ、開口したシートS内に第1中紙P1を挿入する。このとき、給紙トレイ103(図1参照)から搬送された2枚目の中紙(以下、第2中紙P2と呼ぶ)を出口ローラ対113に向けて正搬送方向(矢印A方向)に搬送する。
【0062】
次いで、図15に示すように、シート処理装置100は、入口ローラ対108を回転してシートSと第2中紙P2を合流させ、開口したシートS内に第2中紙P2を更に挿入する。
【0063】
そして、図16に示すように、シート処理装置100は、出口ローラ対113により、第1中紙P1及び第2中紙P2が挿入されたシートSを正搬送方向(矢印A方向)に搬送することで、シートSの2枚のシートを再度重ね、開口を閉じる。
【0064】
なお、中紙が3枚以上であっても、ほぼ同様の動作で挟み込むことができる。
【0065】
代替例として、シート処理装置がシートSを加熱及び加圧可能な熱加圧装置を備える場合、図17に示すように、分岐爪118にて経路を切り替えて、熱加圧装置へ搬送してもよい。これは複数挿入モードだけでなく、単数挿入モードも同様である。
【0066】
このように、本実施形態のシート処理装置100は、シートSへの中紙Pの挿入処理を制御することができる。
【0067】
続いて、シート処理装置100が、シートS及び中紙Pのサイズ(搬送方向長さ)と、挟み込む中紙Pの枚数を取得する構成について説明する。
【0068】
先の図1に示したように、本実施形態のシート処理装置100は、シートサイズ検出手段であるサイズセンサC6、及び媒体サイズ検出手段であるサイズセンサC7を備える。これらセンサの検出結果からシート処理装置100は、中紙Pの搬送方向長さが閾値以下である場合、複数挿入モードに自動で切り替えて挿入処理を行う。一方、中紙Pの搬送方向長さが閾値以上である場合、単数挿入モードに自動で切り替えて挿入処理を行う。
【0069】
特に、中紙Pの搬送方向長さが、シートSの搬送方向長さの半分以下である場合、複数挿入モードに自動で切り替えて、挿入処理を行うとしてもよい。また、複数挿入モードの場合、シートSに挟み込む中紙Pの枚数は、シートSのサイズと中紙Pのサイズの商から算出される。
【0070】
なお、上記サイズセンサC6及びサイズセンサC7に替えて、又は加えて、搬送センサC1、C2を用いてもよい。
【0071】
このように、本実施形態のシート処理装置100は、シートS及び中紙Pのサイズに応じて、自動的に挿入処理を制御できる。
【0072】
さらに、本実施形態のシート処理装置100は、図1で示したように、シートSと中紙Pを別々のトレイに積載し、それぞれ別々に搬送できる。このため、シートSと中紙Pを予め決められた順番に積載する必要がなく、利便性を向上できる。なお、本実施形態では、トレイ102にシートSを積載し、トレイ103に中紙Pを積載するようにしたが、これに限定されない。トレイ102に中紙Pを積載し、トレイ103にシートSを積載してもよい。
【0073】
(変形例)
図23は、剥離した2枚のシートの案内経路についての変形例である。先の図9では、(a)シートSの接合部から上下シートとも同方向に案内する経路を示した。これ以外にも、(b)逆S字を描いて案内する経路や、(c)S字を描いて案内する経路など、上下シートをそれぞれ反対方向に案内してもよい。
【0074】
続いて、本発明に係るシート処理装置を備えるラミネート処理装置、画像形成装置及び画像形成システムについて説明する。
【0075】
図24は、本発明に係るシート処理装置を備えるラミネート処理装置の一例を示す全体構成図である。ラミネート処理装置200は、先に説明したシート処理装置100と、シートSの搬送経路を切り替える分岐爪118と、シートSを加熱及び加圧可能な熱加圧部材である熱定着ローラ120と、熱定着ローラ120の下流に設けられた排出ローラ121とを備える。
【0076】
このラミネート処理装置200は、シートSの給紙、剥離、中紙Pの挿入、及び熱加圧によるラミネート処理までの一連の動作を1台で実施できる構成である。この一連の動作を、人手を要さずに自動で実施でき、従来技術よりも利便性を向上できる。
【0077】
図25は、本発明に係るラミネート処理装置を備える画像形成装置の一例を示す全体構成図である。この画像形成装置300は、ラミネート処理装置部として、内部にラミネート処理装置200aを備える。
【0078】
ここで、ラミネート処理装置200aは、シートS又は中紙Pを積載するシートトレイ102を備えるとともに、シートS及び/又は中紙Pを画像形成装置300から給紙可能な構成である。したがって、画像形成装置300(例えば、プリンタ、コピー機など)により、シートS又は中紙Pに画像をインラインで挿入できる。
【0079】
画像形成装置本体300の構成を具体的に説明する。図25に示すように、画像形成装置本体300内には、中間転写装置150が設けられている。中間転写装置150は、複数のローラに掛けまわしてエンドレスの中間転写ベルト152をほぼ水平に張り渡し、反時計まわりに走行する。
【0080】
中間転写装置150の下には、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの作像装置154c、154m、154y、154kが、中間転写ベルト152の張り渡し方向に沿って四連タンデム式に並べて設けられている。各作像装置154は、図中時計まわりに回転するドラム状の像担持体のまわりに帯電装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置などを設置して構成される。各作像装置154の下には、露光装置156が設けられている。
【0081】
露光装置156の下には、給紙装置158が設けられている。給紙装置158は、シートSを収納する第1給紙カセット160と、中紙Pを収納する第2給紙カセット162とを備える。なお、第1給紙カセット160は、2枚重ねシートを積載する第3積載手段の一例であり、第2給紙カセット162は、シート状媒体を積載する第4積載手段の一例である。
【0082】
第1給紙カセット160の右上には、第1給紙カセット160内のシートSを一枚ずつ繰り出して用紙搬送路164に入れる第1給紙コロ166が設けられている。また、第2給紙カセット162の右上には、給紙カセット内の中紙Pを一枚ずつ繰り出して用紙搬送路164に入れる第2給紙コロ168が設けられている。
【0083】
用紙搬送路164は、画像形成装置本体300内の右側に下方から上方に向けて形成され、画像形成装置本体300内のラミネート処理装置200aへと通ずる。用紙搬送路164には、搬送ローラ170、中間転写ベルト152と対向して二次転写装置174、定着装置176、一対の排紙ローラよりなる排紙装置178などが順に設けられている。
【0084】
なお、第1給紙コロ166、搬送ローラ170及び用紙搬送路164は、第1給紙カセット160(第3積載手段)から2枚重ねシートを給送する第3給送手段の一例である。また、第2給紙コロ168、搬送ローラ170及び用紙搬送路164は、第2給紙カセット162(第4積載手段)からシート状媒体を給送する第4給送手段の一例である。さらに、中間転写装置150、及び定着装置176などは、2枚重ねシート又はシート状媒体に画像を形成する画像形成部の一例である。
【0085】
続いて、本実施形態の画像形成装置300において、シートSに画像形成をした後、ラミネート処理を行う動作について説明する。
【0086】
シートSに画像を形成する際、はじめに、画像読取装置188で原稿画像を読み取り、露光装置156で書き込みを行う。次いで、各作像装置154c、154m、154y、154kのそれぞれの像担持体上に各色トナー画像を形成し、そのトナー像を一次転写装置180c、180m、180y、180kで順次転写して中間転写ベルト152上にカラー画像を形成する。
【0087】
一方、画像形成装置300は、第1給紙コロ166を回転してシートSを繰り出して用紙搬送路164に入れる。そして、用紙搬送路164を通して搬送ローラ170で搬送してタイミングを取って二次転写位置へと送り込み、上記したように中間転写ベルト152上に形成したカラー画像が二次転写装置174でシートSに転写される。
【0088】
画像転写後のシートSは、定着装置176で画像定着後、排紙装置178でラミネート処理装置200aに送られる。
【0089】
また、画像形成装置300は、第2給紙コロ168を回転して中紙Pを繰り出して用紙搬送路164に入れ、排紙装置178でラミネート処理装置200aに送る。
【0090】
このようにして、画像形成されたシートSと、中紙Pをラミネート処理装置200aに送ることで、ラミネート処理が行われる。ラミネート処理の詳細は、上記したので省略する。
【0091】
本実施形態の画像形成装置300は、上記した構成であるので、中紙Pに画像形成をした後に、ラミネート処理装置200aにより、ラミネート処理を行うこともできる。また、中紙PとシートSに画像形成した後に、ラミネート処理を行うこともできる。
【0092】
次に、本発明に係るシート処理装置を備える画像形成装置の変形例、及び画像形成システムについて説明する。
【0093】
図26は、本発明に係るラミネート処理装置を備える画像形成装置の変形例を示す全体構成図である。この画像形成装置400は、画像形成装置本体側に本体排出ローラ122と、本体排紙トレイ123とを備える点で、図25の画像形成装置300と異なる。
【0094】
画像形成装置400は、ラミネート処理を実施しない場合、本体排出ローラ122を用いて画像形成した記録媒体を本体排紙トレイ123に排出できる。したがって、画像形成装置400は、ラミネート処理をしない場合、画像形成の出力速度を下げない。
【0095】
なお、画像形成装置400は、ラミネート処理装置200aを内部に脱着可能に備える構成としてもよい。すなわち、ラミネート処理が不要な際は、ラミネート処理装置200aを画像形成装置400から外してもよい。
【0096】
また、その外したラミネート処理装置200aに、中紙Pを積載する給紙トレイ103と、給紙トレイ103から中紙Pを給送するピックアップローラ106とを装着し、図24に示すものと同様なラミネート処理機単体として利用できるとしてもよい。
【0097】
図25に示した画像形成装置300、及び図26に示した画像形成装置400は、ラミネート処理機に代えて、シート処理装置を備える構成としてもよい。また、図26に示した画像形成装置400では、シート処理装置を着脱可能な構成としてもよい。
【0098】
また、画像形成システムとして、画像形成装置と、前記画像形成装置に着脱可能に接続されたシート処理装置100、又はラミネート処理装置200を備えるシステムを構成してもよい。さらにまた、給紙装置(スタッカ)、及び/又はくるみ製本装置などを備えるシステムを構成してもよい。なお、シートSを定着装置176の間を通す場合、そのシートSは、定着温度では接着されず、それよりも高温の熱を与えることにより接着されるものである。
【0099】
さらに、画像形成装置300、400は、シートSと中紙に画像を形成する方式として、電子写真方式を用いているがこれに限定されるものでなく、インクジェット方式や孔版印刷方式などの公知の画像形成方式を用いてもよい。
【0100】
図27、28は、本発明に係るラミネート処理装置を外部に備える画像形成装置を示す全体構成図である。なお、図27、28において、図25、26と同一物には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0101】
図27の画像形成装置500は、画像形成装置本体の外側にラミネート処理装置200bを備える点で、図25の画像形成装置300、図26の画像形成装置400と異なる。
【0102】
ラミネート処理装置200bは、シートSを積載するシートトレイ102を備え、中紙Pが画像形成装置500から中継器Rを介して給紙可能な構成である。したがって、コピーやプリンタ(画像形成装置500)を用いて、中紙Pに任意の画像をインラインで挿入できる。
【0103】
図28の画像形成装置500は、ラミネート処理装置200bの更に下流に別の後処理装置250(例えば、給紙装置(スタッカ)、及び/又はくるみ製本装置など)が設けられた構成となっている。ユーザの要望に応じて、ラミネート処理を行うジョブと、ラミネート処理をしないジョブを並行して実施でき、作業効率を上げることができる。
【0104】
図29は、シート給紙から中紙を挟みこみ、ラミネート処理完了までの一連の動作を説明するフローチャートである。図29のフローチャートを用いて、対応する図面の番号を示しながら説明する。
【0105】
まず、ステップS01において、シート処理装置100は、ユーザが複数挿入モードを選択したか否かを判定する。複数挿入モードが選択された場合、ステップS02において中紙枚数を選択させる。これは、例えば、操作パネル10などを用いて設定することができる。
【0106】
一方、複数挿入モードが選択されなかった場合、ステップS03に移行し、シート処理装置100は、単数挿入モードが選択されたと判定する。
【0107】
次いで、ステップS11において、シート処理装置100は、シートSの給紙を開始する(図1参照)。次いで、ステップS12において、搬送センサC3にシートSの先端が到着したか判定する(図2参照)。ステップS13にて、シート処理装置100は、シートSを搬送センサC3から指定量搬送したことを判定すると、その搬送を一時停止する(図3参照)。続いて、ステップS14にて、把持手段110を開口するとともに、ステップS15においてシートSを逆搬送方向に搬送する(図4参照)。
【0108】
ステップS16において、シート処理装置100は、シートSを指定量搬送したことを判定すると、ステップS17にてシートSの搬送を一時停止する。そして、ステップS18において、把持手段110を閉じ、シートSの端部を把持する(図5参照)。
【0109】
続いてステップS19において、シート処理装置100は巻付けローラ109を反時計回りに回転し、シートSを巻付けローラ109に巻き付ける(図6参照)。次いで、ステップS20において、搬送センサC5にシートSの先端が到着したか判定する。ステップS21にて、シート処理装置100は、シートSを搬送センサC5から指定量搬送したことを判定すると、ステップS22において、異常状態検出センサC4を用いてシートSの状態を検出する。
【0110】
この異常状態検出センサC4は、シートSの2枚のシート間に生じた空間の寸法が、所定の閾値を超えているかを検出する異常検出手段である。ステップS23において、シート処理装置100は、異常状態検出センサC4の検出結果から、シートSの状態が正常(空間の寸法が、所定の閾値以上)であると判定した場合、ステップS24aに移行する。
【0111】
一方、ステップS23において、シートSの状態が異常(空間の寸法が、所定の閾値より下)であると判定した場合、ステップS24bに移行し、シート処理装置100は異常を通知し、シート処理を停止する。
【0112】
ステップS24aに移行した場合、シート処理装置100は、シートSを巻き付け方向と逆方向(矢印A方向)に搬送し、貼り付き領域rを出口ローラ対113よりも下流に搬送する。これにより、剥離爪116の差し込み位置に合う位置にたるみ空間gを形成できる。
【0113】
次いで、ステップS24cに移行し、シート処理装置100は、生じた空間に剥離爪116をシートSの両側から挿入する(図7参照)。次に、ステップS25において、シート処理装置100は、剥離爪116をシートSの両側から挿入した状態で、巻付けローラ109を今度は時計回りに回転し、シートSを正搬送方向に搬送する。
【0114】
次いで、ステップS26において、搬送センサC5にシートSの先端が到着したか判定する。ステップS27にて、シート処理装置100は、シートSを搬送センサC5から指定量搬送したことを判定すると、ステップS28において、把持手段110を開口する。
【0115】
次いで、ステップS29において、シート処理装置100はシートSの搬送を一時停止し、ステップS30にて、剥離爪116をシート幅方向へ更に移動する(図8参照)。これにより、シートSの後端を上下に分離した状態とする。
【0116】
ステップS31において、シート処理装置100はシートSを逆搬送方向に搬送する。次いで、ステップS32において、搬送センサC5にシートSの先端が到着したか判定する。ステップS33にて、シート処理装置100は、シートSを搬送センサC5から指定量搬送したことを判定すると、ステップS34にて、その搬送を一時停止する(図9参照)。これにより、シートSの剥離が完了する。
【0117】
続いて、ステップS35において、シート処理装置100は、シートSに挿入する中紙Pに画像形成を行う(インライン)か、否か判定する。インラインの場合、ステップS36に移行し、シート処理装置100は、画像形成装置に印刷ジョブを開始させ、中紙Pに画像を形成する。次いで、ステップS37に移行する。
【0118】
一方、ステップS35において、インラインでない場合はステップS37に移行する。
【0119】
ステップS37において、シート処理装置100は、中紙Pを正搬送方向に搬送し、開口したシートS内に中紙Pを挿入する。ここで、単数挿入モードの場合は、先の図10~12に示した動作となり、複数挿入モードの場合は、先の図13~16に示した動作となる。
【0120】
次いで、ステップS38において、シート処理装置100は、選択された枚数の中紙PがシートSに挿入されたか判定する。挿入された場合、ステップS39に移行する。
【0121】
次いで、ステップS39において、分岐爪118にて経路を切り替える。ステップS39において、中紙Pを挟持したシートSを熱加圧装置(定着Md)へ搬送し、熱と圧力を加えることで、ラミネート処理が完了する(図17参照)。
【0122】
なお、インラインの場合(ステップS35でYESの場合)は、シート剥離完了後に画像形成装置へ印刷JOBスタートの通知をして、中紙Pの印刷及び搬送を実施する。この場合、印刷された中紙Pが搬送され、搬送センサC1に到達するまでシート処理装置は待ち状態になる。そのため、印刷された中紙Pの搬送時間を考慮し、例えば、図7に示す剥離爪116の動作完了後に画像形成装置へ印刷JOBスタートを通知してもよい。これにより、生産性を向上できる。
【0123】
(第1実施形態)
図30は、本発明に係るラミネート処理装置の一実施形態を示す構成図である。ラミネート処理装置200bは、中紙Pを挟持するシートSを搬送しながら、加熱及び加圧を行う熱定着部50と、装置本体の外壁を構成し、開放時に熱定着部50を露出する開閉扉60と、情報表示や、操作入力の受付を行う操作パネル10と、を備える。
【0124】
熱定着部50は、シートSを搬送する、互いに対向する熱定着ローラ120と、熱定着ローラ120をそれぞれ加熱する加熱手段である加熱ヒータ54とを有する。また、熱定着ローラ120の温度をそれぞれ検出する温度検出手段である接触式温度センサ56と、熱定着ローラ120をそれぞれ駆動する駆動手段とを有する。
【0125】
また、開閉扉60は、開閉状態を検知する開閉検知部である開閉センサ62と、開閉扉60を開放できないようにロックするロック機構64と、を有する。開閉センサ62は、磁気センサ、又は光学センサなどを用いることができる。ロック機構64は、モータやソレノイドといったアクチュエータを用いることができる。また、ロック機構64は、開閉扉60を自動で又はユーザの指示でロックできる。
【0126】
操作パネル10は、操作入力の受付を行う表示操作手段であるとともに、ユーザに知覚信号を発するスピーカなどの報知手段としての役割を兼ねる。なお、スピーカなどの報知手段を、ラミネート処理装置200bに別途設ける構成としてもよい。
【0127】
本実施形態のラミネート処理装置200bは、ラミネート処理終了時、又は異常発生時に、加熱ヒータ54、熱定着ローラ120などの動作を停止するが、熱定着ローラ120の温度が所定の温度以上である場合、その温度が下がるまで熱定着ローラ120を回転駆動する。
【0128】
具体的には、加熱ヒータ54、熱定着ローラ120などの動作を停止したのち、熱定着ローラ120の温度が所定の温度以上である場合、加熱ヒータ54を停止した状態で、熱定着ローラ120を回転駆動する。そして、熱定着ローラ120の温度が所定の温度未満になった時点で、熱定着ローラ120を停止する。この一連の処理を熱定着ローラの冷却処理と呼ぶ。
【0129】
この冷却処理により、高温となった熱定着ローラ120を冷却でき(空冷効果)、熱破損といった不具合を防止できる。
【0130】
しかし、熱定着ローラ120の温度が所定の温度まで下がるには時間が掛かり、また、異常発生を知ったユーザは、いつ開閉扉60を開いてよいのか、分からないか、及び/又は、知る手段がないという問題があった。
【0131】
そこで、本実施形態のラミネート処理装置200bは、冷却処理で、熱定着ローラ120を回転駆動してから停止するまでの間、報知手段である操作パネル10にて、開閉扉60の開放が不可である旨を報知し、ユーザに注意を促すことを特徴とする。
【0132】
図31は異常発生時の停止処理の流れを示すフローチャートであり、図32は操作パネルの表示画面の一例である。これら図を参照しながら説明する。
【0133】
まず、ステップS101において、ラミネート処理装置(の制御部)は、加熱ヒータ54の出力を停止(OFF)する。次いで、ステップS102において、熱定着ローラ120の回転を停止する。続いて、ステップS103において、操作パネル10に「異常が発生した」旨の表示をする(図32(a)参照)。
【0134】
次に、ステップS104において、熱定着ローラ120の表面温度を接触式温度センサ56にて検出し、その温度が、熱定着ローラ120の熱破損やユーザへのリスクが生じる温度T1よりも低いか否かを判定する。
【0135】
熱定着ローラ120の検出温度が、温度T1よりも低い場合(YESの場合)、開閉扉60を開放しても問題ない。したがって、ステップS105に移行し、操作パネル10に「開閉扉は開放可能」である旨を表示する(図32(b)参照)。
【0136】
一方、熱定着ローラ120の検出温度が、温度T1以上である場合(NOの場合)、ステップS106に移行し、熱定着ローラ120の回転を開始する(冷却処理開始)。次に、ステップS107において、操作パネル10に「開閉扉は開放不可」である旨を表示する(図32(c)参照)。
【0137】
続くステップS108では、熱定着ローラ120の検出温度が、温度T1よりも低くなるまで、熱定着ローラ120の回転を継続する(空転による冷却)。
【0138】
そして、熱定着ローラ120の検出温度が、温度T1よりも低くなった時点で、ステップS109に移行し、熱定着ローラ120の回転を停止する(冷却処理の完了)。次いで、ステップS105において、操作パネル10に「開閉扉は開放可能」である旨を表示する(図32(b)参照)。
【0139】
そして、ステップS110において、操作パネル10に「残紙除去」を促す旨を表示する(図32(d)参照)。これは、ユーザに異常停止した原因の処置を促すことを意味している。
【0140】
以上で、異常発生時の停止処理が完了する。
【0141】
このように、本実施形態のラミネート処理装置は、異常発生時に、熱定着ローラ120の冷却処理を行うとともに、冷却処理で、熱定着ローラ120を回転駆動してから停止するまでの間、操作パネル10にて開閉扉60の開放が不可である旨を表示する。これにより、冷却処理中に開閉扉60が開かれることを抑制し、ユーザの怪我(火傷)、熱定着ローラ120の熱破損などのおそれを低減できる。
【0142】
また、上記構成に加えて、ラミネート処理中、熱定着ローラ120の温度が所定の温度以上である場合、熱定着ローラの冷却処理を実施し、操作パネル10に「開閉扉は開放不可」である旨を表示すること(図32(b)参照)を実施してもよい。
【0143】
(第2実施形態)
ところで、ラミネート処理中、又は冷却処理で、操作パネル10に「開閉扉は開放不可である」旨の表示がされている場合であっても、ユーザが誤って開閉扉60を開放することがあり得る(想定される)。
【0144】
そこで、本実施形態のラミネート処理装置200bは、ラミネート処理中、又は操作パネル10に「開閉扉は開放不可である」旨の表示中に、開閉扉60が開放された場合、操作パネル10に危険である旨を報知する。
【0145】
図33は警報報知処理の流れを示すフローチャートであり、図34は操作パネルの表示画面(警告表示の一例)である。これら図を参照しながら説明する。
【0146】
まず、ステップS201において、ラミネート処理装置(の制御部)は、開閉センサ62により開閉扉60の開放状態を検知すると、ステップS202に移行し、ラミネート処理中であるか否かを判定する。
【0147】
ラミネート処理中である場合(YESの場合)、ステップS203に移行し、操作パネル10に「危険」である旨を表示する。ここでは、一例として図34に示すように、ドア(開閉扉60)が開いており、ユーザが高温部に触れて火傷をするおそれがある旨や、機械が故障するおそれがある旨を表示する。
【0148】
次いで、ステップS204において、操作パネル10のスピーカ(又は、別途設けられたスピーカ)にて、警報音又は音声を発信する。本実施形態では、注意を喚起するビープ音や、メッセージを音声で発信し、ユーザに注意を喚起する。一連の注意喚起をした後、処理は終了する。
【0149】
一方、ステップS202で、ラミネート処理中でない場合(NOの場合)、ステップS205に移行し、冷却処理中であるか判定する。
【0150】
冷却処理中である場合(YESの場合)、ステップS203に移行し、上記したように、操作パネル10に「危険」である旨を表示する(図34参照)。
【0151】
ステップS205で、冷却処理中でない場合(NOの場合)、熱定着ローラ120は既に冷却され、停止している状態である。したがって、警報(注意喚起)を行わずに処理を終了する。
【0152】
このように、本実施形態のラミネート処理装置は、ラミネート処理中、又は開閉扉60の開放が不可である旨を報知中に、開閉扉60が開放された場合、警報音又は音声を発する。したがって、ユーザに一層の注意を喚起できる。
【0153】
(第3実施形態)
本実施形態では、ユーザ及び装置の安全性をさらに高めるため、ラミネート処理中、又は熱定着ローラ120の冷却処理を完了するまでの間、ロック機構64により、開閉扉60を閉じた状態にロックすることを特徴とする。
【0154】
図35はロック機構の施錠の流れを示すフローチャートであり、図36はロック機構の解錠の流れを示すフローチャートである。
【0155】
はじめに、ロック機構の施錠の流れから説明する。まず、ステップS301において、ラミネート処理装置(の制御部)は、ラミネート処理の開始指示を受けると、ステップS302において、開閉扉60が閉じられているか否かを判定する。
【0156】
開閉扉60が閉じられていない場合(NOの場合)、ステップS303に移行し、操作パネル10に「扉が開いている」旨を表示する(図37参照)。これにより、ユーザに開閉扉60を閉じることを促す。
【0157】
次いで、ステップS304において、ラミネート処理装置(の制御部)は、ロック機構を駆動し、開閉扉60を開放できないようにロック(施錠)する。
【0158】
続いて、ロックの解錠の流れを説明する。まず、ステップS305において、ラミネート処理装置(の制御部)は、ラミネート処理が完了したか否かを判定する。
【0159】
完了した場合(YESの場合)、ステップS306に移行し、熱定着ローラ120の表面温度を接触式温度センサ56にて検出し、その温度が、熱定着ローラ120の熱破損やユーザへのリスクが生じる温度T1よりも低いか否かを判定する。
【0160】
熱定着ローラ120の検出温度が、温度T1よりも低い場合(YESの場合)、開閉扉60を開放しても問題ない。したがって、ステップS307に移行し、ラミネート処理装置(の制御部)は、ロック機構を駆動し、開閉扉60を開放できるように解錠する。
【0161】
一方、熱定着ローラ120の検出温度が、温度T1よりも高い場合(NOの場合)、熱定着ローラの冷却処理を行う。これは、熱定着ローラ120の検出温度が、温度T1よりも低くなるまで継続される。
【0162】
このように、本実施形態では、ラミネート処理中、又は熱定着ローラ120の冷却処理を完了するまでの間、ロック機構64により、開閉扉60を閉じた状態にロックするので、ユーザの安全性を高めることができる。
【0163】
続いて、本発明の有利な構成について説明する。
【0164】
(冷却処理の残り時間表示)
冷却処理は、熱定着ローラ120の表面温度、及び/又は周囲環境によって変動する。そのため、ユーザは、どのくらい待機すればよいのか不安に感じやすい。
【0165】
そこで、図38(a)に示すように、操作パネル10に、冷却処理が完了するまでの残り時間を表示する。冷却処理が完了するまでの時間は、主に熱定着ローラ120の温度によって決まる。そのため、検出した温度に対応する完了時間を予めデータとして保持しておき、操作パネル10に、残り時間として表示する。
【0166】
これにより、ユーザは、いつ開閉扉60を開放してもよいか(すなわち、いつ冷却処理が終了するか)を把握でき、安心して待機できる。
【0167】
(熱定着部の温度表示)
また、図38(b)に示すように、操作パネル10に、熱定着ローラ120(熱定着部50)の温度を表示してもよい。なお、上記したように、熱定着ローラ120の表面温度は、接触式温度センサ56にて検出できる。
【0168】
(開閉扉の開閉状態の表示)
先の図37で示したように、操作パネル10に、開閉扉60の開閉状態を表示してもよい。なお、上記したように、開閉扉60の開閉状態は、開閉センサ62にて検知できる。
【0169】
このように、ラミネート処理装置の内部温度を表示することでも、ユーザは安心して待機できる。
【0170】
以上、実施形態を用いて本発明を詳細に説明した。この実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して使用できる。
【0171】
また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されない。
【0172】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
(態様1)
シート状媒体を挟持する2枚重ねシートに熱と圧力を加えて熱定着するラミネート処理を行うラミネート処理装置であって、
前記2枚重ねシートを搬送する熱定着ローラと、
前記熱定着ローラを回転駆動する駆動手段と、
前記熱定着ローラを加熱する加熱手段と、
前記熱定着ローラの温度を検出する温度検出手段と、
装置本体の外壁を構成し、開放時に前記熱定着ローラを露出する開閉扉と、
ユーザに知覚信号を発する報知手段と、を備えるラミネート処理装置において、
前記熱定着ローラを停止する際、前記熱定着ローラの温度が所定の温度以上であれば、前記熱定着ローラの冷却処理として、前記加熱手段を停止した状態で、前記熱定着ローラを回転駆動し、前記熱定着ローラの温度が所定の温度未満になった時点で、前記熱定着ローラを停止すること、及び、
前記冷却処理で、前記熱定着ローラを回転駆動してから停止するまでの間、前記報知手段にて前記開閉扉の開放が不可である旨を報知することを特徴とする、ラミネート処理装置。
(態様2)
前記開閉扉の開閉状態を検知する開閉検知部を備え、
前記ラミネート処理中、又は前記開閉扉の開放が不可である旨を報知中に、前記開閉扉が開放された場合、前記報知手段にて危険である旨を報知することを特徴とする、態様1に記載のラミネート処理装置。
(態様3)
前記ラミネート処理中、又は前記開閉扉の開放が不可である旨を報知中に、前記開閉扉が開放された場合、警報音又は音声を発することを特徴とする、態様2に記載のラミネート処理装置。
(態様4)
異常発生時に、前記冷却処理を完了した後、前記報知手段にてユーザに処置を促す旨を報知することを特徴とする、態様1乃至3のいずれか一項に記載のラミネート処理装置。
(態様5)
前記開閉扉を閉じた状態にロックするロック手段を備え、
前記冷却処理を完了するまでの間、前記開閉扉を閉じた状態にロックすることを特徴とする、態様1乃至4のいずれか一項に記載のラミネート処理装置。
(態様6)
前記冷却処理が完了するまでの残り時間を報知することを特徴とする、態様1乃至5のいずれか一項に記載のラミネート処理装置。
(態様7)
前記開閉扉の開閉状態を検知する開閉検知部を備え、
前記開閉扉の開閉状態を報知することを特徴とする、態様1乃至6のいずれか一項に記載のラミネート処理装置。
(態様8)
前記温度検出手段の検出温度を報知することを特徴とする、態様1乃至7のいずれか一項に記載のラミネート処理装置。
(態様9)
画像形成を行う画像形成部と、
態様1乃至8のいずれか一項に記載のラミネート処理装置と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
(態様10)
画像形成装置と、
態様1乃至8のいずれか一項に記載のラミネート処理装置と、
を備えることを特徴とする画像形成システム。
【符号の説明】
【0173】
10 操作パネル
50 熱定着部
54 加熱ヒータ
56 接触式温度センサ
60 開閉扉
62 開閉センサ
64 ロック機構
100 シート処理装置
102 シートトレイ
103 給紙トレイ
104 排紙トレイ
105、106 ピックアップローラ
107 搬送ローラ対
108 入口ローラ対
109 巻付けローラ
110 把持手段
111 ローラ部材
113 出口ローラ対
116 剥離爪
118 分岐爪
120 熱定着ローラ
121 排出ローラ
122 本体排出ローラ
123 本体排紙トレイ
150 中間転写装置
152 中間転写ベルト
154c、154k、154m、154y 作像装置
156 露光装置
158 給紙装置
160 第1給紙カセット
162 第2給紙カセット
164 用紙搬送路
166 第1給紙コロ
168 第2給紙コロ
170 搬送ローラ
174 二次転写装置
176 定着装置
178 排紙装置
180c、180k、180m、180y 一次転写装置
188 画像読取装置
200、200a、200b ラミネート処理装置
250 後処理装置
300、400、500 画像形成装置
C1、C2、C3、C5 搬送センサ
C4 異常状態検出センサ
C6、C7 サイズセンサ
S シート(2枚重ねシート)
P 中紙(シート状媒体)
P1 第1中紙
P2 第2中紙
g たわみ空間
r 貼り付き領域
【先行技術文献】
【特許文献】
【0174】
【特許文献1】特開2011-221261号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
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図19
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図26
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図32
図33
図34
図35
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