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特開2023-184258データ転送装置、データ転送方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184258
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】データ転送装置、データ転送方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 45/125 20220101AFI20231221BHJP
   H04L 43/0894 20220101ALI20231221BHJP
【FI】
H04L45/125
H04L43/0894
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098310
(22)【出願日】2022-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】千田 進
【テーマコード(参考)】
5K030
【Fターム(参考)】
5K030GA03
5K030JT02
5K030LB05
5K030MB06
(57)【要約】
【課題】ネットワークを介したデータの転送において複数の転送方式のうち最適な転送方式で転送することにより転送時間を低減することができるデータ転送装置、データ転送方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】転送対象のファイルを転送先装置へ転送するための複数の転送方式で利用する情報処理装置への接続確認を行う確認部と、確認部により接続確認がとれた情報処理装置を利用する転送方式である利用可能転送方式それぞれについて、転送対象のファイルの転送速度を計測する計測部と、計測部により計測された転送速度に基づいて、利用可能転送方式それぞれの転送時間を算出し、転送時間が最小の利用可能転送方式を転送先装置へファイルを転送するための方式として決定し、決定した利用可能転送方式によって転送先装置へファイルを転送する転送制御部と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
転送対象のファイルを転送先装置へ転送するための複数の転送方式で利用する情報処理装置への接続確認を行う確認部と、
前記確認部により接続確認がとれた前記情報処理装置を利用する前記転送方式である利用可能転送方式それぞれについて、転送対象の前記ファイルの転送速度を計測する計測部と、
前記計測部により計測された前記転送速度に基づいて、前記利用可能転送方式それぞれの転送時間を算出し、前記転送時間が最小の前記利用可能転送方式を前記転送先装置へ前記ファイルを転送するための方式として決定し、決定した該利用可能転送方式によって前記転送先装置へ前記ファイルを転送する転送制御部と、
を備えたデータ転送装置。
【請求項2】
前記複数の転送方式には、
前記ファイルをインターネットを介して前記転送先装置へ転送する転送方式と、
前記ファイルをキャッシュサーバに一時保存させ、前記キャッシュサーバにより所定のタイミングで該ファイルが前記転送先装置へ転送される転送方式と、
前記ファイルをFTP(File Transfer Protocol)に基づいて前記転送先装置へ転送する転送方式と、
が含まれる請求項1に記載のデータ転送装置。
【請求項3】
前記転送制御部により決定された前記利用可能転送方式を表示させる表示制御部を、さらに備えた請求項1に記載のデータ転送装置。
【請求項4】
前記ファイルを可逆圧縮する圧縮部を、さらに備え、
前記圧縮部は、前記ファイルのファイルサイズから圧縮時間および解凍時間を予測し、
前記転送制御部は、前記計測部により計測された前記転送速度、ならびに、前記圧縮部により予測された前記圧縮時間および前記解凍時間に基づいて、前記利用可能転送方式と前記ファイルに対する圧縮の有無との各組み合わせの前記転送速度を算出し、前記転送時間が最小の前記利用可能転送方式および前記圧縮の有無を前記転送先装置へ前記ファイルを転送するための方式として決定し、
前記表示制御部は、前記転送制御部により決定された前記利用可能転送方式および前記圧縮の有無を表示させ、
前記圧縮部は、前記転送制御部により決定された前記圧縮の有無が圧縮有りを示す場合、前記ファイルを可逆圧縮し、
前記転送制御部は、決定した前記圧縮の有無が圧縮有りを示す場合、前記圧縮部により可逆圧縮された前記ファイルを、決定した前記利用可能転送方式によって前記転送先装置へ転送する請求項3に記載のデータ転送装置。
【請求項5】
前記転送制御部は、前記表示制御部により表示された前記利用可能転送方式および前記圧縮の有無の内容が、入力部を介した操作に応じて変更された場合、変更後の前記利用可能転送方式および前記圧縮の有無に応じて、前記ファイルを前記転送先装置へ転送する請求項4に記載のデータ転送装置。
【請求項6】
前記転送制御部は、
前記ファイルのファイルサイズに応じて前記複数の転送方式それぞれに優先度を設定し、
前記各利用可能転送方式の前記転送時間に対して、該各利用可能転送方式の前記優先度に基づいて重み付けをした上で比較し、前記転送時間が最小の前記利用可能転送方式を前記転送先装置へ前記ファイルを転送するための方式として決定する請求項1に記載のデータ転送装置。
【請求項7】
前記複数の転送方式で利用する前記情報処理装置について、入力部により操作入力された設定値を設定する設定部を、さらに備えた請求項1に記載のデータ転送装置。
【請求項8】
利用者の情報に基づいて認証サーバに認証処理を要求し、該認証処理により第1アクセストークンを取得し、前記転送制御部により前記ファイルが転送される際に、前記利用者についての前記第1アクセストークンが取得されている場合に、該第1アクセストークンよりも有効期限が長いファイル転送用の第2アクセストークンを生成する認証要求部を、さらに備え、
前記転送制御部は、決定した該利用可能転送方式によって、前記ファイルを前記第2アクセストークンと共に前記転送先装置へ転送する請求項1に記載のデータ転送装置。
【請求項9】
転送対象のファイルを転送先装置へ転送するための複数の転送方式で利用する情報処理装置への接続確認を行う確認ステップと、
接続確認がとれた前記情報処理装置を利用する前記転送方式である利用可能転送方式それぞれについて、転送対象の前記ファイルの転送速度を計測する計測ステップと、
計測した前記転送速度に基づいて、前記利用可能転送方式それぞれの転送時間を算出し、前記転送時間が最小の前記利用可能転送方式を前記転送先装置へ前記ファイルを転送するための方式として決定し、決定した該利用可能転送方式によって前記転送先装置へ前記ファイルを転送する転送制御ステップと、
を有するデータ転送方法。
【請求項10】
コンピュータに、
転送対象のファイルを転送先装置へ転送するための複数の転送方式で利用する情報処理装置への接続確認を行う確認ステップと、
接続確認がとれた前記情報処理装置を利用する前記転送方式である利用可能転送方式それぞれについて、転送対象の前記ファイルの転送速度を計測する計測ステップと、
計測した前記転送速度に基づいて、前記利用可能転送方式それぞれの転送時間を算出し、前記転送時間が最小の前記利用可能転送方式を前記転送先装置へ前記ファイルを転送するための方式として決定し、決定した該利用可能転送方式によって前記転送先装置へ前記ファイルを転送する転送制御ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ転送装置、データ転送方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ファイル等のデータを対象となる転送先に転送する際には、LAN(Local Area Network)内の転送先に送信したり、インターネットを介した別のネットワーク内の転送先に送信したりする場合等がある。その際には、ネットワークのトラフィックまたはネットワーク機器の故障等によって、転送時間が一定しない場合があり、その状況に応じた転送方式が切り替えることが望ましい。
【0003】
このようなデータの転送方式を切り替える技術として、制御装置の内部で第1記憶部から第2記憶部にデータを転送する際に、転送する主体を切り替えることによって転送方式を切り替える制御装置が開示されている(例えば特許文献1)。また、サーバから得られるスキャンコマンドが示す複数の送信先にスキャンデータを送信する技術が開示されている(例えば特許文献2)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、制御装置内で各記憶部間でのデータの転送方式を切り替えるのみであり、制御装置の外部の装置へネットワークを介してデータを転送する技術ではないため、ある装置がネットワークを介して別の装置にデータを転送する場合に、ネットワーク状態等に応じて転送方式を切り替える処理は実現できないという問題がある。また、特許文献2に記載された技術では、スキャナからスキャンデータを複数の通信プロトコルによりそれぞれ異なる送信先に送信するのみであり、ネットワーク状態等に応じて転送方式を切り替える処理には対応していないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ネットワークを介したデータの転送において複数の転送方式のうち最適な転送方式で転送することにより転送時間を低減することができるデータ転送装置、データ転送方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、転送対象のファイルを転送先装置へ転送するための複数の転送方式で利用する情報処理装置への接続確認を行う確認部と、前記確認部により接続確認がとれた前記情報処理装置を利用する前記転送方式である利用可能転送方式それぞれについて、転送対象の前記ファイルの転送速度を計測する計測部と、前記計測部により計測された前記転送速度に基づいて、前記利用可能転送方式それぞれの転送時間を算出し、前記転送時間が最小の前記利用可能転送方式を前記転送先装置へ前記ファイルを転送するための方式として決定し、決定した該利用可能転送方式によって前記転送先装置へ前記ファイルを転送する転送制御部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ネットワークを介したデータの転送において複数の転送方式のうち最適な転送方式で転送することにより転送時間を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係るファイル転送システムの全体構成の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係るファイル転送システムの全体構成の別の例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係るクライアントPC等のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係るクライアントPCの機能ブロックの構成の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係るクライアントPCにおけるサーバ登録処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図6図6は、サーバ設定画面の一例を示す図である。
図7図7は、サーバ新規追加ダイアログボックスの一例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係るクライアントPCにおけるサーバ編集処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図9図9は、サーバ新規追加ダイアログボックスの一例を示す図である。
図10図10は、実施形態に係るクライアントPCにおけるサーバ削除処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図11図11は、実施形態に係るファイル転送システムのデータ転送処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図12図12は、ファイル転送画面の一例を示す図である。
図13図13は、ファイル転送ダイアログボックスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、図面を参照しながら、本発明に係るデータ転送装置、データ転送方法およびプログラムの実施形態を詳細に説明する。また、以下の実施形態によって本発明が限定されるものではなく、以下の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想到できるもの、実質的に同一のもの、およびいわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、以下の実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換、変更および組み合わせを行うことができる。
【0010】
なお、コンピュータソフトウェアとは、コンピュータの動作に関するプログラム、その他コンピュータによる処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものをいう(以下、コンピュータソフトウェアは、ソフトウェアという)。アプリケーションソフトとは、ソフトウェアの分類のうち、特定の作業を行うために使用されるソフトウェアの総称である。一方、オペレーティングシステム(OS)とは、コンピュータを制御し、アプリケーションソフト等がコンピュータ資源を利用可能にするためのソフトウェアのことである。オペレーティングシステムは、入出力の制御、メモリやハードディスク等のハードウェアの管理、プロセスの管理といった、コンピュータの基本的な管理・制御を行っている。アプリケーションソフトウェアは、オペレーティングシステムが提供する機能を利用して動作する。プログラムとは、コンピュータに対する指令であって、一の結果を得ることができるように組み合わせたものをいう。また、プログラムに準ずるものとは、コンピュータに対する直接の指令ではないためプログラムとは呼べないが、コンピュータの処理を規定するという点でプログラムに類似する性質を有するものをいう。例えば、データ構造(データ要素間の相互関係で表される、データの有する論理的構造)がプログラムに準ずるものに該当する。
【0011】
(ファイル転送システムの全体構成)
図1は、実施形態に係るファイル転送システムの全体構成の一例を示す図である。図2は、実施形態に係るファイル転送システムの全体構成の別の例を示す図である。図1および図2を参照しながら、本実施形態に係るファイル転送システム1の全体構成について説明する。
【0012】
図1に示すように、ファイル転送システム1は、クライアントPC(Personal Computer)10と、ファイルサーバ20と、認証サーバ30と、リレーサーバ40と、キャッシュサーバ50と、ファイアウォールFW1と、ファイアウォールFW2と、を含む。
【0013】
図1に示す構成では、クライアントPC10およびキャッシュサーバ50は、LAN(Local Area Network)であるネットワークN1により互いに通信可能となっている。また、ファイルサーバ20は、ネットワークN1とは異なる別のLANであるネットワークN2に属している。また、ネットワークN1は、ファイアウォールFW1を介してインターネットINに接続され、ネットワークN2は、ファイアウォールFW2を介してインターネットINに接続されている。
【0014】
クライアントPC10は、ユーザにより指定されたファイルを、転送先であるファイルサーバ20(転送先装置の一例)へ送信する、転送元となる情報処理装置である。クライアントPC10は、ファイルサーバ20にファイルを転送するために、複数の転送方式の中から、ネットワークN1、N2およびインターネットINの状態に応じて、転送時間が最短となる転送方式を決定する。また、クライアントPC10は、当該ファイルを、FTP(File Transfer Protocol)に基づいて転送する機能を有するものとする。また、クライアントPC10は、当該ファイルをFTPに基づいて転送しない場合は、例えばHTTP(HyperText Transfer Protocol)またはHTTPS(HyperText Transfer Protocol Secure)等のプロトコルにより転送する。
【0015】
ファイルサーバ20は、クライアントPC10から転送されたファイルを受信する、転送先となるサーバ装置である。ファイルサーバ20は、外部装置からFTPに基づいてデータを受信する機能を有するものとする。
【0016】
認証サーバ30は、クライアントPC10がファイル転送システム1を使用するための認証処理を実行するサーバ装置であり、インターネットIN上に配置される。認証サーバ30は、認証処理が正常に完了したクライアントPC10に対してアクセストークンを付与する。
【0017】
リレーサーバ40は、クライアントPC10からインターネットINを介してファイルサーバ20へファイルを転送する場合、当該ファイルを中継する装置であり、インターネットIN上に配置される。
【0018】
キャッシュサーバ50は、クライアントPC10からファイルを一時的に受信して記憶し、夜間またはネットワークのトラフィックが混んでいないとき等にファイルサーバ20へ当該ファイルを転送するサーバ装置である。図1に示す例では、キャッシュサーバ50は、クライアントPC10と同一のネットワークN1内に配置されている。
【0019】
ファイアウォールFW1は、ネットワークN1に対してインターネットINを介して外部から侵入してくる不正アクセスから防御し、およびネットワークN1から外部への許可されていない通信を防ぐセキュリティ装置である。
【0020】
ファイアウォールFW2は、ネットワークN2に対してインターネットINを介して外部から侵入してくる不正アクセスから防御し、およびネットワークN2から外部への許可されていない通信を防ぐセキュリティ装置である。
【0021】
なお、図1では、クライアントPC10とファイルサーバ20とが互いに異なるネットワークに存在する場合の構成を示したが、図2に示すように、同一のネットワークNに存在する場合もあり得る。この場合、図2に示すファイル転送システム1では、ネットワークNに対応するファイアウォールFWは配置されている。以下に説明するファイル転送システム1の処理においては、図1および図2に示したファイル転送システム1のいずれの構成も想定されることを前提とする。
【0022】
(クライアントPC等のハードウェア構成)
図3は、実施形態に係るクライアントPC等のハードウェア構成の一例を示す図である。図3を参照しながら、クライアントPC10、ファイルサーバ20、認証サーバ30、リレーサーバ40およびキャッシュサーバ50のハードウェア構成について説明する。ここでは、クライアントPC10のハードウェア構成を一例として説明する。
【0023】
図3に示すように、クライアントPC10は、CPU(Central Processing Unit)501と、ROM(Read Only Memory)502と、RAM(Random Access Memory)503と、HD(Hard Disk)504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505と、ディスプレイ506と、外部機器接続I/F508と、ネットワークI/F509と、キーボード511と、ポインティングデバイス512と、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514と、メディアI/F516と、を備えている。これらの各装置は、データ通信が可能となるようにアドレスバスおよびデータバス等のバスライン510で接続されている。
【0024】
CPU501は、クライアントPC10全体の動作を制御する演算装置である。ROM502は、IPL(Initial Program Loader)等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する不揮発性記憶装置である。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される揮発性記憶装置である。
【0025】
HD504は、プログラム等の各種データを記憶する不揮発性の補助記憶装置である。HDDコントローラ505は、CPU501の制御に従って、HD504に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御するコントローラである。なお、HD504およびHDDコントローラ505は、SSD(Solid State Drive)であってもよい。
【0026】
ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字または画像等の各種情報を表示する表示装置である。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器としては、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリまたはプリンタ等が挙げられる。ネットワークI/F509は、ネットワークを介してデータ通信をするためのインターフェースであり、例えば、イーサネット(登録商標)、およびTCP(Transmission Control Protocol)/IP(Internet Protocol)等に準拠した通信が可能なインターフェースである。
【0027】
キーボード511は、文字、数値、各種指示等の入力のための複数のキーを備えた入力装置である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択、実行、処理対象の選択、カーソルの移動等を行うマウス等の入力装置である。
【0028】
DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-R(Digital Versatile Disk Recordable)またはDVD-RW等のDVD513に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御する装置である。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等のメディア515に対するデータの読み出しまたは書き込み(記憶)を制御するインターフェースである。
【0029】
なお、図3に示したクライアントPC10、ファイルサーバ20、認証サーバ30、リレーサーバ40およびキャッシュサーバ50のハードウェア構成は一例を示すものであり、図3に示した構成要素をすべて含む必要はなく、または、その他の構成要素を含むものとしてもよい。また、クライアントPC10、ファイルサーバ20、認証サーバ30、リレーサーバ40およびキャッシュサーバ50が、同一のハードウェア構成を有する必要もないのは言うまでもない。
【0030】
(クライアントPCの機能ブロックの構成)
図4は、実施形態に係るクライアントPCの機能ブロックの構成の一例を示す図である。図4を参照しながら、本実施形態に係るクライアントPC10の機能ブロックの構成および動作について説明する。
【0031】
図4に示すように、クライアントPC10は、通信部101と、設定部102と、認証要求部103と、接続確認部104(確認部)と、計測部105と、圧縮部106と、転送制御部107と、表示制御部108と、入力部109と、記憶部110と、を有する。
【0032】
通信部101は、ネットワークN1(またはネットワークN)を介して、ファイルサーバ20、認証サーバ30、リレーサーバ40およびキャッシュサーバ50等の外部装置とデータ通信を行う機能部である。通信部101は、図3に示すネットワークI/F509、およびCPU501によりプログラムが実行されることによって実現される。
【0033】
設定部102は、入力部109への操作入力に従って、クライアントPC10と通信する各種サーバ(情報処理装置)の登録、編集および削除の設定を行う機能部である。
【0034】
認証要求部103は、入力部109で操作入力されたユーザ情報により、認証サーバ30に対してログイン認可のための認証処理を要求する機能部である。認証要求部103は、認証サーバ30による認証処理によりアクセストークン(以下、ログイン認可アクセストークンと称する場合がある)を取得し、ユーザIDおよび有効期限と関連付けて記憶部110に記憶させて保管する。
【0035】
ログイン認可アクセストークン(第1アクセストークン)は、下記の(表1)で示すように、ログインするために付与されるアクセストークンであり、ファイル一覧を閲覧したり、管理差設定の閲覧をしたりする権限を与えるものである。ただし、ログイン認可アクセストークンのようにログイン時に与えられるアクセストークンは、一般に、下記の(表1)に示すように有効期限が1時間単位で設定された短い期間となる。したがって、クライアントPC10がログイン認可アクセストークンを利用してファイルと転送する場合、転送中に通信が遮断される等の障害が発生して、当該障害が復帰してファイルの転送を再開するときには、当該ログイン認可アクセストークンの有効期限が既に切れている事態等も想定される。
【0036】
【表1】
【0037】
そこで、本実施形態では、ログイン認可アクセストークンとは別個に、ファイル転送の権限を付与するためのアクセストークンであるファイル転送アクセストークン(第2アクセストークン)がクライアントPC10に与えられるものとする。すなわち、認証要求部103は、転送制御部107によりファイルが転送される際に、記憶部110を参照し、クライアントPC10を利用しているユーザに対応するログイン認可アクセストークンが存在する場合、ファイル転送アクセストークンを生成し、ユーザID、有効期限および、転送対象のファイル名の一覧と関連付けて記憶部110に記憶させて管理する。なお、認証要求部103は、クライアントPC10を利用しているユーザに対応するログイン認可アクセストークンが存在する場合、認証サーバ30に対してファイル転送アクセストークンの発行を依頼して取得するものとしてもよい。ファイル転送アクセストークンは、上記の(表1)に示すように、有効期限が1日単位で設定された長い期間を有し、ファイル転送の権限を与えるアクセストークンである。したがって、クライアントPC10は、ファイルを転送する場合に、転送中に通信が遮断される等の障害が発生したり、ファイル転送中にクライアントPC10がシャットダウンされ再起動したりした後、ファイルの転送を再開するときには、再度、記憶部110に記憶されたファイル転送アクセストークンを用いて、ファイルの転送を再開する。
【0038】
なお、アクセストークンとしては、ログイン認可アクセストークンおよびファイル転送アクセストークンだけではなく、上記の(表1)に示すように、ファイル閲覧の権限を与えるファイル閲覧アクセストークン等のようなアクセストークンがあってもよい。
【0039】
接続確認部104は、ファイルの転送操作がなされた際に、設定部102により設定された各種サーバとの接続確認(通信確認)を行う機能部である。具体的には、接続確認部104は、リレーサーバ40、キャッシュサーバ50およびファイルサーバ20との接続確認を行う。接続確認部104は、ファイルサーバ20との接続確認においては、例えばpingコマンドを利用してFTPにより通信可能か否かを確認する。
【0040】
計測部105は、複数のファイルの転送方式のうち、接続確認部104による接続確認がとれたサーバを利用する転送方式(利用可能転送方式)それぞれにおける転送速度を予測して計測する機能部である。この場合、計測部105は、転送対象のファイルの数および容量、およびネットワークにトラフィック等に基づいて、転送方式ごとに転送速度(MB/s)を予測して計測する。本実施形態においては、複数の転送方式として、以下の3つの転送方式を例として説明する。
【0041】
1つ目の転送方式は、インターネットINを介した転送方式であり、具体的には、インターネットINに配置されたリレーサーバ40を介してファイルをファイルサーバ20へ転送する方式である。当該転送方式は、上述の図1に示したファイル転送システム1のように、転送先となるファイルサーバ20が、クライアントPC10のネットワークN1とは異なるネットワークN2に存在する場合に適用可能となる転送方式である。
【0042】
2つ目の転送方式は、キャッシュサーバ50を介した転送方式であり、具体的には、クライアントPC10と同一のネットワークに配置されたキャッシュサーバ50に対してキャッシュし、夜間等のネットワークのトラフィックが混雑していない時間帯にキャッシュサーバ50により一括して、同一のネットワークまたは異なるネットワークに存在するファイルサーバ20へ転送される方式である。なお、当該転送方式は、上述の図1および図2に示したファイル転送システム1のように、クライアントPC10と同一のネットワークにファイルサーバ20が配置された場合に限らず、例えば、インターネットINにファイルサーバ20が配置された構成であっても適用可能である。
【0043】
3つ目の転送方式は、ファイルサーバ20に対してFTPにより直接転送する転送方式である。当該転送方式は、上述の図2に示したファイル転送システム1のように、転送先となるファイルサーバ20が、クライアントPC10と同一のネットワークN1に存在するに適応可能となる転送方式である。
【0044】
なお、複数の転送方式としては上述の3つの転送方式に限定されるものではなく、その他の転送経路および送信態様を有する転送方式が含まれていてもよい。
【0045】
圧縮部106は、転送対象となるファイルを圧縮する機能部である。圧縮部106による圧縮方式については可逆圧縮であれば圧縮方式に特に制限はないが、例えば、ZIP、CAB、RAR、gzip、bzip2、GIF、PNG等が挙げられる。このように、圧縮部106により圧縮されたファイルは、ファイル容量が小さくなるためファイルサーバ20への転送の転送速度を向上させることができる。また、圧縮部106は、転送対象となるファイルのファイルサイズから圧縮時間および解凍時間を予測する。
【0046】
転送制御部107は、転送対象となるファイルについて、計測部105により予測計測された転送速度、ならびに、圧縮部106により予測されたファイルの圧縮時間および解凍時間から、転送方式ごとの転送時間を算出する。ここで、転送時間は、圧縮部106による圧縮を伴う転送の場合には、圧縮時間と、計測部105により予測計測された転送速度による送信時間と、解凍時間との和で算出され、圧縮部106による圧縮と伴わない転送の場合には、計測部105により予測計測された転送速度による送信時間と一致する時間となる。
【0047】
また、キャッシュサーバ50を介した転送方式については、クライアントPC10がファイルをキャッシュサーバ50に送信することができれば、キャッシュサーバ50により適切な時間帯における送信処理により確実にファイルサーバ20へ転送されることを鑑みて、クライアントPC10からキャッシュサーバ50までの転送時間を考えればよい。
【0048】
上述のように、3つの転送方式は、転送の経路および処理内容が異なるため、経由するネットワークのトラフィック、プロトコル、転送距離、およびファイル等によって転送時間がそれぞれ異なる。そこで、転送制御部107は、3つの転送方式のうち転送時間が最小の転送方式を、ファイルを転送するための転送方式として決定する。そして、転送制御部107は、決定した転送方式により、ファイル転送アクセストークンと共に転送操作がなされたファイルを、通信部101を介して転送する。なお、後述するように、決定した転送方式がユーザの操作により変更される場合もあるため、その場合には、変更された転送方式により転送される。
【0049】
表示制御部108は、転送制御部107により決定された転送方式を、クライアントPC10のディスプレイ506に、推奨する転送方式として表示させる機能部である。
【0050】
入力部109は、ユーザによる操作入力を受け付ける機能部である。入力部109は、例えば、図3に示すキーボード511およびポインティングデバイス512によって実現される。
【0051】
記憶部110は、各種アクセストークン等を記憶する機能部である。記憶部110は、図3に示すRAM503またはHD504によって実現される。
【0052】
上述の設定部102、認証要求部103、接続確認部104、計測部105、圧縮部106、転送制御部107および表示制御部108は、図3に示すCPU501によりプログラムが実行されることによって実現される。なお、これらの機能部は、図3のCPU501によりプログラムが実行されることによって実現されることに限られず、例えば、集積回路等のハードウェアにより実現してもよく、または、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。また、この場合のCPU501により実行されるプログラムは、ネイティブアプリケーションであってもよく、Webアプリケーションであってもよい。Webアプリケーションの場合、適宜JavaScript(登録商標)等が用いられるものとしてもよい。
【0053】
なお、転送制御部107により算出される各転送方式の転送時間については、ファイルサイズに基づく各転送方式の優先度に応じた重み付けをした上で比較するものとしてもよい。例えば、ファイルサイズが大容量である場合、より確実にファイルサーバ20へ転送することに重きを置くものとし、転送制御部107は、FTPにより直接転送する転送方式を優先度「大」、キャッシュサーバ50を介した転送方式を優先度「中」、インターネットINを介した転送方式を優先度「小」に設定する。また、ファイルサイズが小容量である場合、より高速にファイルサーバ20へ転送することに重きを置くものとし、転送制御部107は、FTPにより直接転送する転送方式を優先度「大」、インターネットINを介した転送方式を優先度「中」、キャッシュサーバ50を介した転送方式を優先度「小」に設定する。そして、転送制御部107は、各転送方式について算出した転送時間に、対応する転送方式の優先度に基づいて重み付けをした上で比較し、最小の転送時間(重み付け後の転送時間)の転送方式を決定するものとしてもよい。ここで、ファイルサイズが大容量であるか小容量であるかは、所定の閾値による閾値判定を行えばよい。
【0054】
また、図4に示したクライアントPC10の各機能部は、機能を概念的に示したものであって、このような構成に限定されるものではない。例えば、図4で独立した機能部として図示した複数の機能部を、1つの機能部として構成してもよい。一方、図4の1つの機能部が有する機能を複数に分割し、複数の機能部として構成するものとしてもよい。
【0055】
(サーバ登録処理の流れ)
図5は、実施形態に係るクライアントPCにおけるサーバ登録処理の流れの一例を示すシーケンス図である。図6は、サーバ設定画面の一例を示す図である。図7は、サーバ新規追加ダイアログボックスの一例を示す図である。図5図7を参照しながら、本実施形態に係るクライアントPC10におけるサーバ登録処理の流れについて説明する。
【0056】
<ステップS11>
管理者(ユーザ)は、クライアントPC10の表示制御部108によりディスプレイ506に表示された図6に示すサーバ設定画面1000において、サーバの登録開始操作を行う。具体的には、管理者は、サーバ設定画面1000において新規追加ボタン1011を押下操作する。
【0057】
ここで、図6に示すサーバ設定画面1000は、サーバの登録、編集および削除を行うための画面である。サーバ設定画面1000は、図6に示すように、ファイル転送画面切替タブ1001と、サーバ設定切替タブ1002と、新規追加ボタン1011と、サーバ一覧表示領域1020と、を含む。
【0058】
ファイル転送画面切替タブ1001は、後述する図12に示すファイル転送画面1100に表示を切り替えるための操作領域である。サーバ設定切替タブ1002は、サーバ設定画面1000に表示を切り替えるための操作領域である。
【0059】
新規追加ボタン1011は、新規にサーバを登録するためのボタンであり、図7に示すサーバ新規追加ダイアログボックス1050を表示させるためのボタンである。
【0060】
サーバ一覧表示領域1020は、登録済みの各種サーバの一覧を表示する領域である。また、サーバ一覧表示領域1020は、各サーバに対して編集ボタンおよび削除ボタンが配置されている。
【0061】
図6に示すサーバ設定画面1000の例では、サーバ名「リレーサーバ」について編集ボタン1021aおよび削除ボタン1022aが配置され、サーバ名「ファイルサーバ」について編集ボタン1021bおよび削除ボタン1022bが配置され、サーバ名「キャッシュサーバ」について編集ボタン1021cおよび削除ボタン1022cが配置されている。編集ボタン1021a~1021cは、対応するサーバについて編集操作を行うためのボタンである。削除ボタン1022a~1022cは、対応するサーバの情報を削除するためのボタンである。
【0062】
<ステップS12>
管理者により新規追加ボタン1011が押下されると、クライアントPC10の表示制御部108は、図7に示す、サーバ登録用画面としてのサーバ新規追加ダイアログボックス1050を表示させる。
【0063】
ここで、図7に示すサーバ新規追加ダイアログボックス1050は、新規に登録するサーバの詳細情報を設定するための画面である。サーバ新規追加ダイアログボックス1050は、図7に示すように、サーバ名入力領域1051と、URL入力領域1052と、FTP選択ラジオボタン1053aと、インターネット選択ラジオボタン1053bと、リレーサーバ選択ラジオボンタン1054aと、キャッシュサーバ選択ラジオボタン1054bと、ファイルサーバ選択ラジオボタン1054cと、OKボタン1055と、キャンセルボタン1056と、を含む。
【0064】
サーバ名入力領域1051は、登録するサーバのサーバ名を入力する入力領域である。URL入力領域1052は、登録するサーバのURL(Uniform Resource Locator)を入力する入力領域である。
【0065】
FTP選択ラジオボタン1053aは、登録するサーバがクライアントPC10との間でFTPにより通信を行うことを選択するためのラジオボタンである。インターネット選択ラジオボタン1053bは、登録するサーバがクライアントPC10との間でインターネットを介して通信を行うことを選択するためのラジオボタンである。
【0066】
リレーサーバ選択ラジオボンタン1054aは、登録するサーバの種別としてリレーサーバであることを選択するためのラジオボタンである。キャッシュサーバ選択ラジオボタン1054bは、登録するサーバの種別としてキャッシュサーバであることを選択するためのラジオボタンである。ファイルサーバ選択ラジオボタン1054cは、登録するサーバの種別として、ファイルの転送先となるファイルサーバであることを選択するためのラジオボタンである。
【0067】
OKボタン1055は、設定された内容でサーバを登録するためのボタンである。キャンセルボタン1056は、設定された内容をキャンセルし、サーバ新規追加ダイアログボックス1050を閉じるためのボタンである。
【0068】
<ステップS13>
管理者は、表示されたサーバ新規追加ダイアログボックス1050において、新規に登録するサーバの詳細情報(設定値)の入力操作を行う。そして、管理者は、サーバ新規追加ダイアログボックス1050のOKボタン1055を押下操作する。
【0069】
<ステップS14>
管理者によりOKボタン1055が押下されると、表示制御部108は、サーバ新規追加ダイアログボックス1050で設定された情報(設定値)を伴う登録要求を、設定部102へ送る。
【0070】
<ステップS15>
設定部102は、サーバ新規追加ダイアログボックス1050で設定されたサーバの設定値を、記憶部110に記憶(登録)する。なお、設定値は、記憶部110に記憶されることに限定されるものではなく、例えば、外部のクラウドストレージに記憶させてもよく、またはクライアントPC10と同じネットワークに配置されたサーバに記憶させてもよい。
【0071】
<ステップS16>
設定部102は、記憶部110へのサーバの設定値の登録が完了すると、登録完了の旨を表示制御部108へ送る。
【0072】
<ステップS17>
表示制御部108は、登録完了の旨をディスプレイ506に表示させる。
【0073】
以上のステップS11~S17の流れによって、クライアントPC10によるサーバ登録処理が実行される。
【0074】
(サーバ編集処理の流れ)
図8は、実施形態に係るクライアントPCにおけるサーバ編集処理の流れの一例を示すシーケンス図である。図9は、サーバ新規追加ダイアログボックスの一例を示す図である。図8および図9を参照しながら、本実施形態に係るクライアントPC10におけるサーバ編集処理の流れについて説明する。
【0075】
<ステップS21>
管理者(ユーザ)は、クライアントPC10の表示制御部108によりディスプレイ506に表示された図6に示すサーバ設定画面1000において、サーバの編集開始操作を行う。具体的には、管理者は、サーバ設定画面1000のサーバ一覧表示領域1020に示された登録済みのサーバのうち、編集対象となるサーバに対応する編集ボタン(図6の例では、編集ボタン1021a~1021c)を押下操作する。
【0076】
<ステップS22>
管理者により編集ボタンが押下されると、クライアントPC10の表示制御部108は、図9に示す、サーバ編集用画面としてのサーバ編集ダイアログボックス1060を表示させる。
【0077】
ここで、図9に示すサーバ編集ダイアログボックス1060は、登録済みのサーバのうち押下操作された編集ボタンに対応するサーバの設定値を表示および編集するための画面である。サーバ編集ダイアログボックス1060は、図9に示すように、サーバ名編集領域1061と、URL編集領域1062と、FTP選択ラジオボタン1063aと、インターネット選択ラジオボタン1063bと、リレーサーバ選択ラジオボンタン1064aと、キャッシュサーバ選択ラジオボタン1064bと、ファイルサーバ選択ラジオボタン1064cと、OKボタン1065と、キャンセルボタン1066と、を含む。
【0078】
サーバ名編集領域1061は、登録済みのサーバのサーバ名を表示および編集するための編集領域である。URL編集領域1062は、登録済みのサーバのURLを表示および編集するための編集領域である。
【0079】
FTP選択ラジオボタン1063aは、登録済みのサーバがクライアントPC10との間でFTPにより通信を行うことの現在の選択状態の表示および編集選択するためのラジオボタンである。インターネット選択ラジオボタン1063bは、登録済みのサーバがクライアントPC10との間でインターネットを介して通信を行うことの現在の選択状態の表示および編集選択するためのラジオボタンである。
【0080】
リレーサーバ選択ラジオボンタン1064aは、登録済みのサーバの種別としてリレーサーバであることの現在の選択状態および編集選択するためのラジオボタンである。キャッシュサーバ選択ラジオボタン1064bは、登録済みのサーバの種別としてキャッシュサーバであることの現在の選択状態および編集選択するためのラジオボタンである。ファイルサーバ選択ラジオボタン1064cは、登録済みのサーバの種別として、ファイルの転送先となるファイルサーバであることの現在の選択状態および編集選択するためのラジオボタンである。
【0081】
OKボタン1065は、編集された内容でサーバ値を更新するためのボタンである。キャンセルボタン1066は、編集された内容をキャンセルし、サーバ編集ダイアログボックス1060を閉じるためのボタンである。
【0082】
<ステップS23>
管理者は、表示されたサーバ編集ダイアログボックス1060において、登録済みサーバの詳細情報(設定値)の編集操作を行う。そして、管理者は、サーバ編集ダイアログボックス1060のOKボタン1065を押下操作する。
【0083】
<ステップS24>
管理者によりOKボタン1065が押下されると、表示制御部108は、サーバ編集ダイアログボックス1060で編集された情報(設定値)を伴う登録要求を、設定部102へ送る。
【0084】
<ステップS25>
設定部102は、サーバ編集ダイアログボックス1060で編集されたサーバの設定値を、記憶部110に記憶(更新登録)する。なお、設定値は、記憶部110に記憶されることに限定されるものではなく、例えば、外部のクラウドストレージに記憶させてもよく、またはクライアントPC10と同じネットワークに配置されたサーバに記憶させてもよい。
【0085】
<ステップS26>
設定部102は、記憶部110へのサーバの設定値の更新登録が完了すると、登録完了の旨を表示制御部108へ送る。
【0086】
<ステップS27>
表示制御部108は、登録完了の旨をディスプレイ506に表示させる。
【0087】
以上のステップS21~S27の流れによって、クライアントPC10によるサーバ編集処理が実行される。
【0088】
(サーバ削除処理の流れ)
図10は、実施形態に係るクライアントPCにおけるサーバ削除処理の流れの一例を示すシーケンス図である。図10を参照しながら、本実施形態に係るクライアントPC10におけるサーバ削除処理の流れについて説明する。
【0089】
<ステップS31>
管理者(ユーザ)は、クライアントPC10の表示制御部108によりディスプレイ506に表示されたサーバ設定画面1000において、サーバの削除開始操作を行う。具体的には、管理者は、サーバ設定画面1000のサーバ一覧表示領域1020に示された登録済みのサーバのうち、削除対象となるサーバに対応する削除ボタン(図6の例では、削除ボタン1022a~1022c)を押下操作する。
【0090】
<ステップS32>
管理者により削除ボタンが押下されると、クライアントPC10の表示制御部108は、サーバ削除用画面として、例えば削除確認ダイアログボックス(不図示)を表示させる。
【0091】
<ステップS33>
管理者は、表示された削除確認ダイアログボックスにおいて、登録済みサーバの削除実行操作を行う。
【0092】
<ステップS34>
管理者により削除実行操作がされると、表示制御部108は、削除対象のサーバについての設定値の削除要求を、設定部102へ送る。
【0093】
<ステップS35>
設定部102は、削除対象のサーバの設定値を、記憶部110から削除する。
【0094】
<ステップS36>
設定部102は、記憶部110から削除対象のサーバの設定値の削除が完了すると、削除完了の旨を表示制御部108へ送る。
【0095】
<ステップS37>
表示制御部108は、削除完了の旨をディスプレイ506に表示させる。
【0096】
以上のステップS31~S37の流れによって、クライアントPC10によるサーバ削除処理が実行される。
【0097】
(データ転送処理)
図11は、実施形態に係るファイル転送システムのデータ転送処理の流れの一例を示すシーケンス図である。図12は、ファイル転送画面の一例を示す図である。図13は、ファイル転送ダイアログボックスの一例を示す図である。図11図13を参照しながら、本実施形態に係るファイル転送システム1のデータ転送処理の流れについて説明する。
【0098】
<ステップS51>
管理者(ユーザ)は、入力部109に対する操作入力により、図12に示すファイル転送画面1100を表示させる。例えば、管理者は、図6に示すサーバ設定画面1000のサーバ設定切替タブ1002を押下操作することにより、ファイル転送画面1100を表示させる。
【0099】
ここで、図12に示すファイル転送画面1100は、ファイルサーバ20に転送するためのファイルを選択し、ファイルサーバ20へ転送するための画面である。ファイル転送画面1100は、図12に示すように、ファイル転送画面切替タブ1101と、サーバ設定切替タブ1102と、ファイル一覧表示領域1111と、アップロードボタン1112と、を含む。
【0100】
ファイル転送画面切替タブ1101は、ファイル転送画面1100に表示を切り替えるための操作領域である。サーバ設定切替タブ1102は、サーバ設定画面1000に表示を切り替えるための操作領域である。
【0101】
ファイル一覧表示領域1111は、指定したドライブに記憶されているファイルの一覧を表示する表示領域である。ファイル一覧表示領域1111において、転送対象とするファイルを選択状態にすることができる。
【0102】
アップロードボタン1112は、ファイル一覧表示領域1111で選択されたファイルを転送するための図13に示すファイル転送ダイアログボックス1150を表示させるためのボタンである。
【0103】
管理者は、ファイル転送画面1100において、ファイル一覧表示領域1111に表示されたファイルの中から、転送対象とするファイルを選択状態にし、アップロードボタン1112を押下する。
【0104】
<ステップS52>
すると、クライアントPC10は、以下の転送方式決定処理を実行する。
【0105】
転送方式決定処理として、まず、認証要求部103は、記憶部110を参照し、クライアントPC10を利用しているユーザに対応するログイン認可アクセストークンが存在する場合、ファイル転送アクセストークンを生成する。そして、認証要求部103は、ユーザID、有効期限および、転送対象のファイル名の一覧と関連付けて記憶部110に記憶させる。
【0106】
次に、接続確認部104は、設定部102により設定された各種サーバとの接続確認(通信確認)を行う。具体的には、接続確認部104は、リレーサーバ40、キャッシュサーバ50およびファイルサーバ20との接続確認を行う。接続確認部104は、ファイルサーバ20との接続確認においては、例えばpingコマンドを利用してFTPにより通信可能か否かを確認する。
【0107】
次に、計測部105は、接続確認部104により各種サーバとの接続確認が行われた後、上述の3つの転送方式それぞれにおける転送速度を予測して計測する。この場合、計測部105は、転送対象のファイルの数および容量、およびネットワークにトラフィック等に基づいて、転送方式ごとに転送速度(MB/s)を予測して計測する。また、圧縮部106は、転送対象となるファイルのファイルサイズから圧縮時間および解凍時間を予測する。
【0108】
次に、転送制御部107は、転送対象となるファイルについて、計測部105により予測計測された転送速度、ならびに、圧縮部106により予測されたファイルの圧縮時間および解凍時間から、転送方式ごとの転送時間を算出する。すなわち、転送制御部107により、3つの転送方式それぞれの場合において、圧縮する場合と圧縮しない場合とにおける転送時間が算出されるので、3つの転送方式と圧縮の有無との6つの組み合わせに対応する転送時間が算出される。そして、転送制御部107は、6つの組み合わせのうち転送時間が最小の組み合わせを、ファイルを転送するための組み合わせ(転送方式、圧縮の有無)として決定する。以上のように、クライアントPC10での転送方式決定処理が実行される。
【0109】
なお、上述では6つの組み合わせそれぞれに対応する転送時間が算出されるものとしているが、これに限定されるものではない。例えば、圧縮部106により必ず圧縮されるものとして3つの転送方式それぞれの転送時間が算出されるものとしてもよく、圧縮は行われないものとして3つの転送方式それぞれの転送時間が算出されるものとしてもよい。
【0110】
<ステップS53>
次に、表示制御部108は、上述の転送方式決定処理により決定された組み合わせ(転送方式、圧縮の有無)を表示する図13に示すファイル転送ダイアログボックス1150を表示させる。
【0111】
図13に示すファイル転送ダイアログボックス1150は、ファイル転送画面1100で選択されたファイルを転送する際に、転送制御部107により決定された転送時間が最小となる転送方式および圧縮の有無を表示する画面である。ファイル転送ダイアログボックス1150は、図13に示すように、転送対象ファイル一覧表示領域1151と、インターネットラジオボタン1152と、キャッシュサーバラジオボタン1153と、FTPラジオボタン1154と、圧縮・非圧縮切替ボタン1155と、アップロードボタン1156と、を含む。
【0112】
転送対象ファイル一覧表示領域1151は、ファイル転送画面1100において転送対象として選択されたファイルの一覧を表示する表示領域である。
【0113】
インターネットラジオボタン1152、キャッシュサーバラジオボタン1153およびFTPラジオボタン1154は、転送制御部107により決定された転送方式を表示するラジオボタンである。図13に示す例では、インターネットラジオボタン1152が選択された状態、すなわち、転送方式としてインターネットINを介した転送方式が選択された状態が示されている。なお、管理者により任意に他の転送方式を再選択することが可能である。
【0114】
圧縮・非圧縮切替ボタン1155は、転送制御部107により決定された転送対象のファイルに対する圧縮の有無を表示する切替ボタンである。図13に示す例では、転送対象のファイルに対して圧縮されることが選択されている状態が示されている。なお、管理者により任意に圧縮の有無を切り替えることが可能である。
【0115】
アップロードボタン1156は、転送対象ファイル一覧表示領域1151に表示された1以上のファイルを、圧縮・非圧縮切替ボタン1155で圧縮有りと選択されている場合には圧縮したうえで、インターネットラジオボタン1152、キャッシュサーバラジオボタン1153およびFTPラジオボタン1154で選択された転送方式により転送することを実行するボタンである。
【0116】
なお、ファイル転送ダイアログボックス1150において、転送制御部107により算出された、上述の各転送方式および圧縮の組み合わせに対応する転送時間を表示させるものとしてもよい。これによって、管理者は、具体的な転送時間を確認することができ、転送方式の変更、および圧縮の有無の切り替えについて参考にすることができる。
【0117】
<ステップS54>
管理者は、ファイル転送ダイアログボックス1150において、転送制御部107により決定された転送方式および圧縮の有無を確認し、必要がある場合、入力部109を介して、上述のように転送方式を変更したり、圧縮の有無を切り替えたりする。そして、管理者は、アップロードボタン1156を押下することにより、ファイルの転送を実行させる。ここで、認証要求部103は、転送制御部107によりファイルが転送される際に、記憶部110を参照し、クライアントPC10を利用しているユーザに対応するログイン認可アクセストークンが存在する場合、ファイル転送アクセストークンを生成し、ユーザID、有効期限および、転送対象のファイル名の一覧と関連付けて記憶部110に記憶させる。また、圧縮部106は、圧縮・非圧縮切替ボタン1155で圧縮有りが選択されている場合、転送対象のファイルを所定の圧縮方式で可逆圧縮する。
【0118】
そして、インターネットラジオボタン1152が選択された状態、すなわち、インターネットINを介した転送方式が選択された状態の場合、ステップS55から処理が実行される。また、キャッシュサーバラジオボタン1153が選択された状態、すなわち、キャッシュサーバ50を介した転送方式が選択された状態の場合、ステップS60から処理が実行される。また、FTPラジオボタン1154が選択された状態、すなわち、ファイルサーバ20に対してFTPにより直接転送する転送方式が選択された状態の場合、ステップS66から処理が実行される。
【0119】
<ステップS55>
転送制御部107は、決定した、または再選択されたインターネットINを介した転送方式により、ファイル転送アクセストークンと共に転送対象のファイルを、通信部101を介して転送する。具体的には、転送制御部107は、インターネットINのリレーサーバ40へファイル転送アクセストークンと共に転送対象のファイルを、通信部101を介して転送する。そして、リレーサーバ40は、ファイル転送アクセストークンと共に転送対象のファイルを受信する。
【0120】
<ステップS56>
リレーサーバ40は、受信したファイル転送アクセストークンおよびファイルを、ファイルサーバ20へ転送する。そして、ファイルサーバ20は、ファイル転送アクセストークンおよびファイルを受信する。
【0121】
<ステップS57>
ファイルサーバ20は、受信したファイル転送アクセストークンにより管理者が適正なユーザであることを確認し、受信したファイルを保存する。この際、ファイルサーバ20は、当該ファイルが圧縮されている場合には、解凍した上で保存する。
【0122】
<ステップS58、S59>
ファイルサーバ20は、ファイルの保存後、転送完了の旨をリレーサーバ40へ送信する。そして、リレーサーバ40は、当該転送完了の旨を受信すると、転送完了の旨をクライアントPC10へ送信する。
【0123】
<ステップS60~S62>
転送制御部107は、決定した、または再選択されたキャッシュサーバ50を介した転送方式により、ファイル転送アクセストークンと共に転送対象のファイルを、通信部101を介して転送する。具体的には、転送制御部107は、キャッシュサーバ50へファイル転送アクセストークンと共に転送対象のファイルを、通信部101を介して転送する。そして、キャッシュサーバ50は、ファイル転送アクセストークンと共に転送対象のファイルを受信して一時保存し、キャッシュ保存完了の旨をクライアントPC10へ送信する。
【0124】
<ステップS63>
キャッシュサーバ50は、一時保存したファイル転送アクセストークンおよびファイルを、定期的(例えばネットワークのトラフィックが混んでいない夜間等)に、ファイルサーバ20へ転送する。そして、ファイルサーバ20は、ファイル転送アクセストークンおよびファイルを受信する。
【0125】
<ステップS64>
ファイルサーバ20は、受信したファイル転送アクセストークンにより管理者が適正なユーザであることを確認し、受信したファイルを保存する。この際、ファイルサーバ20は、当該ファイルが圧縮されている場合には、解凍した上で保存する。
【0126】
<ステップS65>
ファイルサーバ20は、ファイルの保存後、転送完了の旨をキャッシュサーバ50へ送信する。
【0127】
<ステップS66>
転送制御部107は、決定した、または再選択されたファイルサーバ20に対してFTPにより直接転送する転送方式により、ファイル転送アクセストークンと共に転送対象のファイルを、通信部101を介して転送する。具体的には、転送制御部107は、ファイルサーバ20へファイル転送アクセストークンと共に転送対象のファイルを、FTPに基づいて通信部101を介して転送する。そして、ファイルサーバ20は、ファイル転送アクセストークンと共に転送対象のファイルをFTPにより受信する。
【0128】
<ステップS67>
ファイルサーバ20は、受信したファイル転送アクセストークンにより管理者が適正なユーザであることを確認し、受信したファイルを保存する。この際、ファイルサーバ20は、当該ファイルが圧縮されている場合には、解凍した上で保存する。
【0129】
<ステップS68>
ファイルサーバ20は、ファイルの保存後、転送完了の旨をクライアントPC10へ送信する。
【0130】
<ステップS69>
クライアントPC10は、ファイルの転送が終了すると、転送が完了した旨を、ディスプレイ506に表示させる。例えば、表示制御部108は、ファイル転送ダイアログボックス1150上に転送完了の旨を示すダイアログボックスを表示させる。
【0131】
以上のステップS51~S69の流れで、ファイル転送システム1によるデータ転送処理が実行される。
【0132】
以上のように、本実施形態に係るファイル転送システム1では、接続確認部104は、転送対象のファイルをファイルサーバ20へ転送するための複数の転送方式で利用するサーバへの接続確認を行い、計測部105は、接続確認部104により接続確認がとれたサーバを利用する転送方式である利用可能転送方式それぞれについて、転送対象のファイルの転送速度を計測し、転送制御部107は、計測部105により計測された転送速度に基づいて、利用可能転送方式それぞれの転送時間を算出し、転送時間が最小の利用可能転送方式をファイルサーバ20へファイルを転送するための方式として決定し、決定した利用可能転送方式によってファイルサーバ20へファイルを転送するものとしている。転送方式には、ファイルをインターネットINを介してファイルサーバ20へ転送する転送方式と、ファイルをキャッシュサーバ50に一時保存させ、キャッシュサーバ50により所定のタイミングでファイルがファイルサーバ20へ転送される転送方式と、ファイルをFTPに基づいてファイルサーバ20へ転送する転送方式と、が含まれる。これによって、ネットワークを介したデータの転送において複数の転送方式のうち最適な転送方式で転送することにより転送時間を低減することができる。
【0133】
なお、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0134】
また、上述の実施形態のクライアントPC10で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供するように構成してもよい。
【0135】
また、上述の実施形態のクライアントPC10で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、フレキシブルディスク(FD)、CD-R(Compact Disk-Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録してコンピュータ・プログラム・プロダクトとして提供するように構成してもよい。
【0136】
また、上述の実施形態のクライアントPC10で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上述の実施形態のクライアントPC10で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0137】
また、上述の実施形態のクライアントPC10で実行されるプログラムは、上述した各機能部を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)がROMからプログラムを読み出して実行することにより上述の各機能部が主記憶装置上にロードされ、各機能部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0138】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1>転送対象のファイルを転送先装置へ転送するための複数の転送方式で利用する情報処理装置への接続確認を行う確認部と、
前記確認部により接続確認がとれた前記情報処理装置を利用する前記転送方式である利用可能転送方式それぞれについて、転送対象の前記ファイルの転送速度を計測する計測部と、
前記計測部により計測された前記転送速度に基づいて、前記利用可能転送方式それぞれの転送時間を算出し、前記転送時間が最小の前記利用可能転送方式を前記転送先装置へ前記ファイルを転送するための方式として決定し、決定した該利用可能転送方式によって前記転送先装置へ前記ファイルを転送する転送制御部と、
を備えたデータ転送装置である。
<2>前記複数の転送方式には、
前記ファイルをインターネットを介して前記転送先装置へ転送する転送方式と、
前記ファイルをキャッシュサーバに一時保存させ、前記キャッシュサーバにより所定のタイミングで該ファイルが前記転送先装置へ転送される転送方式と、
前記ファイルをFTP(File Transfer Protocol)に基づいて前記転送先装置へ転送する転送方式と、
が含まれる前記<1>に記載のデータ転送装置である。
<3>前記転送制御部により決定された前記利用可能転送方式を表示させる表示制御部を、さらに備えた前記<1>または<2>に記載のデータ転送装置である。
<4>前記ファイルを可逆圧縮する圧縮部を、さらに備え、
前記圧縮部は、前記ファイルのファイルサイズから圧縮時間および解凍時間を予測し、
前記転送制御部は、前記計測部により計測された前記転送速度、ならびに、前記圧縮部により予測された前記圧縮時間および前記解凍時間に基づいて、前記利用可能転送方式と前記ファイルに対する圧縮の有無との各組み合わせの前記転送速度を算出し、前記転送時間が最小の前記利用可能転送方式および前記圧縮の有無を前記転送先装置へ前記ファイルを転送するための方式として決定し、
前記表示制御部は、前記転送制御部により決定された前記利用可能転送方式および前記圧縮の有無を表示させ、
前記圧縮部は、前記転送制御部により決定された前記圧縮の有無が圧縮有りを示す場合、前記ファイルを可逆圧縮し、
前記転送制御部は、決定した前記圧縮の有無が圧縮有りを示す場合、前記圧縮部により可逆圧縮された前記ファイルを、決定した前記利用可能転送方式によって前記転送先装置へ転送する前記<3>に記載のデータ転送装置である。
<5>前記転送制御部は、前記表示制御部により表示された前記利用可能転送方式および前記圧縮の有無の内容が、入力部を介した操作に応じて変更された場合、変更後の前記利用可能転送方式および前記圧縮の有無に応じて、前記ファイルを前記転送先装置へ転送する前記<4>に記載のデータ転送装置である。
<6>前記転送制御部は、
前記ファイルのファイルサイズに応じて前記複数の転送方式それぞれに優先度を設定し、
前記各利用可能転送方式の前記転送時間に対して、該各利用可能転送方式の前記優先度に基づいて重み付けをした上で比較し、前記転送時間が最小の前記利用可能転送方式を前記転送先装置へ前記ファイルを転送するための方式として決定する前記<1>~<5>のいずれか一項に記載のデータ転送装置である。
<7>前記複数の転送方式で利用する前記情報処理装置について、入力部により操作入力された設定値を設定する設定部を、さらに備えた前記<1>~<6>のいずれか一項に記載のデータ転送装置である。
<8>利用者の情報に基づいて認証サーバに認証処理を要求し、該認証処理により第1アクセストークンを取得し、前記転送制御部により前記ファイルが転送される際に、前記利用者についての前記第1アクセストークンが取得されている場合に、該第1アクセストークンよりも有効期限が長いファイル転送用の第2アクセストークンを生成する認証要求部を、さらに備え、
前記転送制御部は、決定した該利用可能転送方式によって、前記ファイルを前記第2アクセストークンと共に前記転送先装置へ転送する前記<1>~<7>のいずれか一項に記載のデータ転送装置である。
<9>転送対象のファイルを転送先装置へ転送するための複数の転送方式で利用する情報処理装置への接続確認を行う確認ステップと、
接続確認がとれた前記情報処理装置を利用する前記転送方式である利用可能転送方式それぞれについて、転送対象の前記ファイルの転送速度を計測する計測ステップと、
計測した前記転送速度に基づいて、前記利用可能転送方式それぞれの転送時間を算出し、前記転送時間が最小の前記利用可能転送方式を前記転送先装置へ前記ファイルを転送するための方式として決定し、決定した該利用可能転送方式によって前記転送先装置へ前記ファイルを転送する転送制御ステップと、
を有するデータ転送方法である。
<10>コンピュータに、
転送対象のファイルを転送先装置へ転送するための複数の転送方式で利用する情報処理装置への接続確認を行う確認ステップと、
接続確認がとれた前記情報処理装置を利用する前記転送方式である利用可能転送方式それぞれについて、転送対象の前記ファイルの転送速度を計測する計測ステップと、
計測した前記転送速度に基づいて、前記利用可能転送方式それぞれの転送時間を算出し、前記転送時間が最小の前記利用可能転送方式を前記転送先装置へ前記ファイルを転送するための方式として決定し、決定した該利用可能転送方式によって前記転送先装置へ前記ファイルを転送する転送制御ステップと、
を実行させるためのプログラムである。
【符号の説明】
【0139】
1 ファイル転送システム
10 クライアントPC
20 ファイルサーバ
30 認証サーバ
40 リレーサーバ
50 キャッシュサーバ
101 通信部
102 設定部
103 認証要求部
104 接続確認部
105 計測部
106 圧縮部
107 転送制御部
108 表示制御部
109 入力部
110 記憶部
501 CPU
502 ROM
503 RAM
504 HD
505 HDDコントローラ
506 ディスプレイ
508 外部機器接続I/F
509 ネットワークI/F
510 バスライン
511 キーボード
512 ポインティングデバイス
513 DVD
514 DVD-RWドライブ
515 メディア
516 メディアI/F
1000 サーバ設定画面
1001 ファイル転送画面切替タブ
1002 サーバ設定切替タブ
1011 新規追加ボタン
1020 サーバ一覧表示領域
1021a~1021c 編集ボタン
1022a~1022c 削除ボタン
1050 サーバ新規追加ダイアログボックス
1051 サーバ名入力領域
1052 URL入力領域
1053a FTP選択ラジオボタン
1053b インターネット選択ラジオボタン
1054a リレーサーバ選択ラジオボタン
1054b キャッシュサーバ選択ラジオボタン
1054c ファイルサーバ選択ラジオボタン
1055 OKボタン
1056 キャンセルボタン
1060 サーバ編集ダイアログボックス
1061 サーバ名編集領域
1062 URL編集領域
1063a FTP選択ラジオボタン
1063b インターネット選択ラジオボタン
1064a リレーサーバ選択ラジオボタン
1064b キャッシュサーバ選択ラジオボタン
1064c ファイルサーバ選択ラジオボタン
1065 OKボタン
1066 キャンセルボタン
1100 ファイル転送画面
1101 ファイル転送画面切替タブ
1102 サーバ設定切替タブ
1111 ファイル一覧表示領域
1112 アップロードボタン
1150 ファイル転送ダイアログボックス
1151 転送対象ファイル一覧表示領域
1152 インターネットラジオボタン
1153 キャッシュサーバラジオボタン
1154 FTPラジオボタン
1155 圧縮・非圧縮切替ボタン
1156 アップロードボタン
FW、FW1、FW2 ファイアウォール
IN インターネット
N、N1、N2 ネットワーク
【先行技術文献】
【特許文献】
【0140】
【特許文献1】特開2020-088479号公報
【特許文献2】特開2018-074290号公報
図1
図2
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