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特開2023-184461回転ユニット、表示装置及び電子黒板
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184461
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】回転ユニット、表示装置及び電子黒板
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20231221BHJP
【FI】
G09F9/00 351
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088906
(22)【出願日】2023-05-30
(31)【優先権主張番号】P 2022098257
(32)【優先日】2022-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100090527
【弁理士】
【氏名又は名称】舘野 千惠子
(72)【発明者】
【氏名】石川 直行
【テーマコード(参考)】
5G435
【Fターム(参考)】
5G435EE13
5G435EE16
(57)【要約】
【課題】表示装置の向きを変更する際、レバー部材の操作ミスや不十分な操作に起因した不具合の発生を防止することができる回転ユニットを提供する。
【解決手段】スタンド60に取付けられた表示装置51を縦長方向と横長方向に切替可能に支持する回転ユニットであって、スタンド60に固定される固定部61と、表示装置51の背面に固定され表示装置51とともに回転する回転台52と、回転台52と接離可能に設けられたレバー部材62と、レバー部材62を回転台の外周面と当接する方向に付勢する付勢部材65とを備え、回転台は52、表示装置51が横長方向で固定される位置及び縦長方向で固定される位置でレバー部材62と嵌合する切欠部53,54を有し、レバー部材62を切欠部53,54から退避させたとき回転台52が回転可能となり、レバー部材62が付勢部材65の付勢力により対向する切欠部53,54に嵌合したとき回転台52が固定される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置とスタンドとの間に配設され、前記スタンドに取付けられた前記表示装置を縦長方向と横長方向に切替可能に支持する回転ユニットであって、
前記回転ユニットは、
前記スタンドに固定される固定部と、
前記表示装置の背面に固定され、前記表示装置とともに回転する回転台と、
前記回転台と接離可能に設けられたレバー部材と、
前記レバー部材を前記回転台の外周面と当接する方向に付勢する付勢部材と、を備え、
前記回転台は、前記表示装置が横長方向で固定される位置及び縦長方向で固定される位置で前記レバー部材と嵌合する切欠部を有し、
前記レバー部材を前記切欠部から退避させたとき前記回転台が回転可能となり、前記レバー部材が前記付勢部材の付勢力により対向する前記切欠部に嵌合したとき前記回転台が固定されることを特徴とする回転ユニット。
【請求項2】
前記回転台の前記切欠部から退避させた前記レバー部材を嵌合固定するストッパー部材と、
前記レバー部材と前記ストッパー部材との嵌合を解除する解除部材と、をさらに備え、
前記解除部材は前記回転台に設けられ、前記回転台とともに回転することを特徴とする請求項1に記載の回転ユニット。
【請求項3】
前記ストッパー部材は、前記レバー部材に向かって突出する凸部と、前記レバー部材に向かって付勢する付勢部材を有し、
前記レバー部材は、前記ストッパー部材の前記凸部と嵌合する凹部を有することを特徴とする請求項2に記載の回転ユニット。
【請求項4】
前記解除部材は、回転方向の前方から後方へ向かって厚みが増加する傾斜部を有することを特徴とする請求項2に記載の回転ユニット。
【請求項5】
前記回転台は、2つの前記切欠部の間に、前記切欠部から退避させた前記レバー部材と摺接する突出部を有することを特徴とする請求項1に記載の回転ユニット。
【請求項6】
前記固定部に回動可能に支持されたガイド部材を備え、
前記ガイド部材は前記レバー部材に向かって突出するピン状部材を有し、
前記レバー部材は、前記ピン状部材が摺動可能に嵌合するガイド溝を有することを特徴とする請求項1に記載の回転ユニット。
【請求項7】
前記ピン状部材は前記レバー部材の移動に応じて前記ガイド溝内を移動し、
前記ガイド溝は、前記ピン状部材が位置することにより、前記回転台の前記切欠部から退避させた前記レバー部材を固定する部位が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の回転ユニット。
【請求項8】
前記ガイド溝は、前記ピン状部材が直進する領域と前記ピン状部材の進行方向を変更する複数の屈曲部とが連通したループ状の経路を有し、移動する前記ピン状部材の周回方向を規制する規制部材を備えることを特徴とする請求項6または7に記載の回転ユニット。
【請求項9】
請求項1、2、5及び6のいずれかに記載の回転ユニットを備えることを特徴とする表示装置。
【請求項10】
請求項9に記載の表示装置と、スタンドとを備えることを特徴とする電子黒板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転ユニット、表示装置及び電子黒板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、会議室や教室等に大型の表示装置(ディスプレイ)を備えた電子黒板等の装置が設置されるようになった。また、大型の表示装置をスタンド等に懸架して移動可能としたものが知られている。
【0003】
大型の表示装置の使用方法は多様化しており、例えば、表示装置を横長状態(横向き)や縦長状態(縦向き)に変更したいという要望がある。このような要望に対し、表示装置の回転を可能とする機構を備えた回転ユニットが提供されることがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1には、表示装置を回転可能に懸架しながら、表示装置に対して筆記する際のガタツキの発生を抑制するとともに、想定外の表示装置の回転も抑制できる構成として、回転ユニット可動部の一部と係合する回転ロックレバーを備え、表示装置を横長状態又は縦長状態のいずれかで固定する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
回転ロックレバー(以下、「レバー部材」ともいう)を備えた回転ユニットでは、一般に、レバー部材を回転部材に押し込むと回転が固定され、レバー部材を引き出すと回転固定が解除される。
【0006】
レバー部材は、ユーザーの操作に従って可動範囲の任意の位置で停止させることができるため、レバー部材の押し込み忘れや押し込み不足等により完全に固定されず、回転可能な状態で放置されてしまうおそれがあった。また、固定解除が不十分な位置にある状態で、レバー部材の位置を確認せずに表示装置を回転させる動作を行うと、回転ユニットを破損してしまうおそれがあった。
【0007】
そこで本発明は、表示装置の向きを変更する際、レバー部材の操作ミスや不十分な操作に起因した不具合の発生を防止することができる回転ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の回転ユニットは、表示装置とスタンドとの間に配設され、前記スタンドに取付けられた前記表示装置を縦長方向と横長方向に切替可能に支持する回転ユニットであって、前記回転ユニットは、前記スタンドに固定される固定部と、前記表示装置の背面に固定され、前記表示装置とともに回転する回転台と、前記回転台と接離可能に設けられたレバー部材と、前記レバー部材を前記回転台の外周面と当接する方向に付勢する付勢部材と、を備え、前記回転台は、前記表示装置が横長方向で固定される位置及び縦長方向で固定される位置で前記レバー部材と嵌合する切欠部を有し、前記レバー部材を前記切欠部から退避させたとき前記回転台が回転可能となり、前記レバー部材が前記付勢部材の付勢力により対向する前記切欠部に嵌合したとき前記回転台が固定されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、表示装置の向きを変更する際、レバー部材の操作ミスや不十分な操作に起因した不具合の発生を防止することができる回転ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係る電子黒板の一例を示す外観模式図である。
図2】(A)は本実施形態の回転ユニットが配設された状態の表示装置を背面側から見た斜視図であり、(B)は電子黒板の背面側の外観図であり、(C)は表示装置の背面に固定される回転ユニットの要部の斜視図である。
図3】(A)は表示装置の横長方向の背面側模式図であり、(B)は縦長方向の背面側模式図である。
図4】(A)は表示装置の背面側模式図であり、(B)は(A)のX-X断面図である。
図5】(A)は表示装置の背面側模式図であり、(B)は(A)のX-X断面図である。
図6】表示装置の背面の斜視図である。
図7】(A)は表示装置の背面側模式図であり、(B)は(A)のX-X断面図である。
図8】従来の回転ユニットの動作を説明した図である。
図9】(A)及び(B)は本実施形態の回転ユニットが配設された状態の表示装置を背面側から見た図であり、(C)は電子黒板の背面側の外観図である。
図10】本実施形態の回転ユニットの要部の斜視図である。
図11】付勢部材の配設位置を示す説明図である。
図12】(A)はガイド部材の斜視図であり、(B)はピン状部材とレバー部材のガイド溝を示す説明図である。
図13】本実施形態の回転ユニットのレバー部材の説明図である。
図14】ガイド溝におけるピン状部材の移動経路の説明図である。
図15】規制部材の説明図である。
図16】(A)は表示装置の背面側模式図であり、(B)は回転ユニットの要部説明図である。
図17】(A)は表示装置の背面側模式図であり、(B)は回転ユニットの要部説明図である。
図18】(A)は表示装置の背面側模式図であり、(B)は回転ユニットの要部説明図である。
図19】(A)は表示装置の背面側模式図であり、(B)は回転ユニットの要部説明図である。
図20】(A)は表示装置の背面側模式図であり、(B)は回転ユニットの要部説明図である。
図21】(A)は表示装置の背面側模式図であり、(B)は回転ユニットの要部説明図である。
図22】規制部材の動きを示す説明図である。
図23】(A)は表示装置の背面側模式図であり、(B)は回転ユニットの要部説明図である。
図24】(A)は表示装置の背面側模式図であり、(B)は回転ユニットの要部説明図である。
図25】(A)は表示装置の背面側模式図であり、(B)は回転ユニットの要部説明図である。
図26】(A)は表示装置の背面側模式図であり、(B)は回転ユニットの要部説明図である。
図27】(A)は表示装置の背面側模式図であり、(B)は回転ユニットの要部説明図である。
図28】(A)は表示装置の背面側模式図であり、(B)は回転ユニットの要部説明図である。
図29】(A)は表示装置の背面側模式図であり、(B)は回転ユニットの要部説明図である。
図30】(A)は表示装置の背面側模式図であり、(B)は回転ユニットの要部説明図である。
図31】(A)は表示装置の背面側模式図であり、(B)は回転ユニットの要部説明図である。
図32】本実施形態に係る電子黒板のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る回転ユニット、表示装置及び電子黒板について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【0012】
図1は、本実施形態に係る電子黒板の一例を示す模式図である。
本実施形態の電子黒板200は、表示装置(ディスプレイ)51、後述する本発明に係る回転ユニット、及びスタンド60を備え、さらに近距離通信回路219、電源スイッチ222、カメラ260を備えている。
電子黒板200は、電源スイッチ222が押下されると、例えば、表示装置51に電子ペンやユーザーの指によって描画が可能な描画画面を表示させることができる。
【0013】
<第1の実施形態>
図2は、本実施形態に係る回転ユニット及び電子黒板200を説明する図である。
図2(A)は、本実施形態の回転ユニットが配設された状態の表示装置51を背面側から見た斜視図であり、図2(B)は電子黒板200の背面側の外観模式図であり、図2(C)は表示装置51の背面に固定される回転ユニットの要部の斜視図である。
【0014】
図2(B)に示すように、電子黒板200は表示装置51と、スタンド60と、回転ユニットを備えている。
回転ユニットは、表示装置51とスタンド60との間に配設され、スタンド60に取付けられた表示装置51を、着脱することなく縦長方向と横長方向に切替可能に支持する部材である。
【0015】
図2(A)及び図2(C)に示すように、回転ユニットは、スタンド60に固定される固定部(スタンド固定部)61と、表示装置51の背面に固定され、表示装置51とともに回転する回転台52と、回転台52と接離可能に設けられたレバー部材62と、を備えている。表示装置51と回転台52とは、ブラケット55を介して固定されている。
なお、表示装置51が回転するとき、スタンド固定部61とレバー部材62は回転しない。
【0016】
図3は表示装置51の背面側の模式図であり、図3(A)は横長方向の図、図3(B)は縦長方向の図である。
回転台52は、表示装置51が横長方向で固定される位置及び縦長方向で固定される位置でレバー部材62と嵌合する切欠部53,54を有している。
本実施形態において、表示装置(ディスプレイ)51は矩形形状であって、表示装置51の長手方向が水平方向と平行になる状態を「横長方向で固定」という。また、表示装置51の短方向が水平方向と平行になる状態を「縦長方向で固定」という。
本実施形態では、表示装置51が横長方向で固定される場合に、レバー部材62が切欠部53と嵌合する。また、表示装置51が縦長方向で固定される場合に、レバー部材62が切欠部54と嵌合する。
【0017】
図8は、従来の一般的な回転ユニットと表示装置51の動作を示した説明図である。
図8(A)は表示装置51が横長方向の状態、図8(B)は回転途中の状態、図8(C)は表示装置51が縦長方向の状態を模式的に示している。
図8(A)に示すように、表示装置51を回転させるために、レバー部材62を矢印の方向に退避させて切欠部53から完全に引き出した状態とする。そして、図8(B)に示すように矢印の方向に回転台52とともに表示装置51を回転させ、図8(C)に示すようにレバー部材62を矢印の方向に移動して切欠部54と嵌合させ、回転台52及び表示装置51を固定する。
【0018】
回転台52とレバー部材62を備えた回転ユニットにおいては、例えば、ユーザーがレバー部材62を移動させることにより、表示装置51の回転可能状態とロック状態とを切り替えることができる。ところが、図8に示す従来の構成では、ユーザーが回転動作後のレバー部材62押し込みを忘れて表示装置51の回転がロックされないまま放置されたり、レバー部材62の引き出しが不十分でロックが解除されないまま回転動作を行って回転ユニットが破損したりする問題があった。
【0019】
本実施形態の回転ユニットの構成及び動作を図4図7に基づき説明する。
図4図5及び図7の各図において(A)は表示装置の背面側模式図を示し、各図(B)は(A)のX-X断面の模式図を示している。図6は、図5の状態の回転ユニットの外観斜視図である。
なお、図4は表示装置51が横長方向(表示装置51の長手方向が水平方向と平行になる方向)の例であり、図7は表示装置51が縦長方向(表示装置51の短手方向が水平方向と平行になる方向)の例である。
【0020】
本実施形態の回転ユニットは、レバー部材62を回転台52の外周面と当接する方向に付勢する付勢部材65(引張ばね)を備えている。
図4に示すように、レバー部材62を切欠部53から退避させたとき、回転台52が回転可能となる。また、図7に示すように、レバー部材62が付勢部材の付勢力により対向する切欠部54に嵌合したとき、回転台52が固定される。
【0021】
また、本実施形態の回転ユニットは、回転台52の切欠部53,54から退避させたレバー部材62を嵌合固定するストッパー部材64と、レバー部材62とストッパー部材64との嵌合を解除する解除部材67と、をさらに備えている。
解除部材67は回転台52に設けられ、回転台52とともに回転(回転台52の回転にともなって変位)する。
【0022】
ストッパー部材64は、レバー部材62に向かって突出する凸部と、レバー部材62に向かって付勢する付勢部材69(圧縮ばね)を有している。レバー部材62は、ストッパー部材64の凸部と嵌合する凹部63を有している。
【0023】
図4は、ストッパー部材64がレバー部材62の凹部63と嵌合した状態を示している。レバー部材62は、ストッパー部材64により固定され、付勢部材65の付勢力に抗して図示した位置に停止している。
【0024】
図5は、回転台52とともに回転してレバー部材62の位置まで移動してきた解除部材67によって、レバー部材62とストッパー部材64との嵌合が解除された状態を示している。
レバー部材62は、ストッパー部材64による固定が解除されたことにより、付勢部材65の付勢力によって回転台52の方向へ移動し、回転台52の外周面52aと当接する。
【0025】
図6は、図5の状態の斜視図である。図6に示すように、解除部材67は、回転方向の前方から後方へ向かって厚みが増加する傾斜部68を有している。解除部材67は先端部が薄くなっていることにより、レバー部材62とストッパー部材64との隙間に挿入されやすくなっている。回転台52の回転によりレバー部材62とストッパー部材64との間に解除部材67が挿入され、ストッパー部材64が付勢部材69の付勢力に抗してレバー部材62から離間する。
【0026】
レバー部材62は、ストッパー部材64との嵌合が解除されているため、付勢部材65によって回転台52の外周面と当接する方向に付勢され、回転してきた回転台52の切欠部54に嵌合する。レバー部材62は、切欠部54の外周面54aと突き当って停止する。
なお、ストッパー部材64は付勢部材69によりレバー部材62の方向に付勢されているが、レバー部材62の凹部63はストッパー部材64と嵌合しない位置に移動しているため、レバー部材62の動きは制限されない。
【0027】
図7は、図4に示す表示装置51が横長の状態から、図5及び図6に示す状態を経て、表示装置が縦長で固定された状態を示している。
表示装置51を再び横長方向とするためには、レバー部材62を切欠部54から退避させて回転台52を回転可能とし、図4から図5に示した回転の方向とは逆方向に表示装置51及び回転台52を回転させる。解除部材67は両端に傾斜部68を有しているため、逆方向に回転させたときにも、レバー部材62とストッパー部材64との嵌合を解除することができる。
【0028】
以上のように、本実施形態の回転ユニットにおいて、レバー部材62は、回転台52の外周面と当接する方向に付勢されているが、回転台52の切欠部53,54から退避させて回転台52の外周面から離間する位置に移動させたときは、ストッパー部材64により嵌合固定される。そして、ストッパー部材64との嵌合固定は、回転台52とともに回転移動する解除部材67により解除される。ストッパー部材64との嵌合固定が解除されたレバー部材62は、ユーザーが力を加えることなく、付勢力により回転台52に向かって移動し、回転台52の切欠部53,54と嵌合する。
【0029】
<第2の実施形態>
図9は、本実施形態に係る回転ユニット及び電子黒板200を説明する図である。
図9(A)及び図9(B)は、本実施形態の回転ユニットが配設された状態の表示装置51を背面側から見た平面模式図であり、図9(A)は横長方向の図、図9(B)は縦長方向の図である。図9(C)は電子黒板200の背面側の外観模式図である。
【0030】
図9(C)に示すように、電子黒板200は表示装置51と、スタンド60と、回転ユニットを備えている。
回転ユニットは、表示装置51とスタンド60との間に配設され、スタンド60に取付けられた表示装置51を、着脱することなく縦長方向と横長方向に切替可能に支持する部材である。
【0031】
図9(A)及び図9(B)に示すように、本実施形態の回転ユニットは、スタンド60に固定される固定部(スタンド固定部)61と、表示装置51の背面に固定され、表示装置51とともに回転する回転台52と、回転台52と接離可能に設けられたレバー部材62と、を備えている。表示装置51と回転台52とは、ブラケット55を介して固定されている。
なお、表示装置51が回転するとき、固定部61とレバー部材62は回転しない。
【0032】
回転台52は、表示装置51が横長方向で固定される位置及び縦長方向で固定される位置でレバー部材62と嵌合する切欠部53,54を有している。
表示装置(ディスプレイ)51は矩形形状であって、表示装置51の長手方向が水平方向と平行になる状態を「横長方向で固定」という。また、表示装置51の短方向が水平方向と平行になる状態を「縦長方向で固定」という。
表示装置51が横長方向で固定される場合に、レバー部材62が切欠部53と嵌合する。また、表示装置51が縦長方向で固定される場合に、レバー部材62が切欠部54と嵌合する。
【0033】
図10は本実施形態の回転ユニットの要部の斜視図である。
回転台52は、2つの切欠部53,54の間に、切欠部から退避させたレバー部材62と摺接する突出部56を有している。
【0034】
固定部61には、レバー部材62の移動方向を規制するフレーム101が設けられている。
レバー部材62を回転台52の外周面と当接する方向に付勢する付勢部材65(引張ばね)は、図11に示すように、フレーム101に設けられた突起102と、レバー部材62に設けられた突起62aとの間に設けられている。
【0035】
図11(A)は、レバー部材62が回転台52の切欠部に嵌合し、回転台52が固定された状態における付勢部材65を模式的に示している。
図11(B)は、レバー部材62を回転台52の切欠部から退避させ、回転台52が回転可能となった状態における付勢部材65を模式的に示している。
【0036】
本実施形態の回転ユニットは、固定部61に回動可能に支持されたガイド部材120を備えている。
ガイド部材120はレバー部材62に向かって突出するピン状部材121を有し、レバー部材62は、ピン状部材121が摺動可能に嵌合するガイド溝80を有している。
【0037】
図12(A)は固定部61に支持されたガイド部材120の斜視図であり、図12(B)はピン状部材121とレバー部材62のガイド溝80との嵌合を模式的に示す説明図である。
図12(A)に示すように、ガイド部材120は、一方端側に回動軸122を有し、他端側にピン状部材121を有しており、回動軸122を中心として矢印の方向に回動可能となっている。なお、ガイド部材120は回転台52の回転に干渉しない位置に設けられている。
図12(B)に示すように、レバー部材62は、図中矢印で示す方向(フレーム110により規制された方向)に移動し、ピン状部材121はレバー部材62の移動に応じてガイド溝80内を移動する。
【0038】
図13(A)はレバー部材62の上面図であり、図13(B)はレバー部材62の水平方向の断面図である。図14はガイド溝80におけるピン状部材121の移動経路の説明図である。
ガイド溝80は、レバー部材62の固定部61と対向する面に形成されている。
【0039】
図13(B)に示すように、ガイド溝80は、ピン状部材121が直進する領域とピン状部材121の進行方向を変更する複数の屈曲部とが連通したループ状の経路を有している。また、ガイド溝80は、移動するピン状部材121の周回方向を規制する規制部材90を備えている。
【0040】
レバー部材62が回転台52の切欠部と嵌合しているとき、ピン状部材121はガイド溝80のレバー固定位置82にある。
一方、レバー部材62が回転台52の切欠部から引き出され、最も遠い位置に退避したとき、ピン状部材121はガイド溝80のレバー退避位置81にある。
【0041】
図14(A)は、ピン状部材121がレバー固定位置82からレバー退避位置81へ移動する経路L1を示している。
図14(B)は、ピン状部材121がレバー退避位置81からレバー固定位置82から移動する経路L2を示している。
ガイド溝80はループ状の経路であり、ピン状部材121はレバー部材62の移動に応じて経路L1及び経路L2を図中矢印で示す方向に移動する。
【0042】
レバー部材62は、回転台52の切欠部から退避した状態において、回転台52から離れる(引き出される)方向の力が加えられていない限り、付勢部材65の付勢力により回転台52に接近する方向へ移動し、固定されることがない。
これに対し、ガイド溝80には、ピン状部材121が位置することにより、回転台52の切欠部から退避させたレバー部材62を固定する部位が設けられている。すなわち、付勢部材65の付勢力に対抗してレバー部材62を一時的に固定する部位(図13(B)に示すレバー一時固定位置84)が設けられている。
【0043】
レバー部材62が回転台52の切欠部から引き出されるときのピン状部材121の経路L1において、ピン状部材121はガイド溝80のレバー係止位置83へ移動する。レバー係止位置83においてピン状部材121がガイド溝80の壁面に係止されることにより、レバー部材62の引き出し方向への移動が規制される。
この状態から、レバー部材62の引き出し方向への力を解除すると、付勢部材65の付勢力によりレバー部材62が図中左側へ若干移動し、ピン状部材121とガイド溝80との係合が解除されるとともに、ピン状部材121が自重により図中下方向へ移動する。これによりピン状部材121はレバー一時固定位置84へ移動し、レバー部材62が回転台52の切欠部から退避した状態で固定される。
【0044】
再びレバー部材62に対し引き出し方向への力を加えると、ピン状部材121はレバー一時固定位置84から傾斜部85に沿ってレバー退避位置81まで移動する。
ガイド部材120は回動可能であり、ピン状部材121は自重により図の下方へ移動する力が働くが、ガイド溝80は規制部材90を備えているため、ピン状部材121がレバー退避位置81から経路L1を逆行することはない。
【0045】
図15は規制部材90の説明図である。図15(B)は図15(A)中の破線部分の拡大図である。
規制部材90は、回転軸90cを中心として回動する回動部材90aと、回動部材90aの回動範囲を制限する回転止90bで構成されている。
図22は規制部材90の動作の一例を示す説明図である。
回動部材90aはピン状部材121の移動により押し上げられる方向に回動し(図22(A)、図22(B))、ピン状部材121が通過した後、自重により回転止90bと当接する方向へ回動する(図22(C))。回転止90bに当接した回動部材90aが障害となり、レバー退避位置81に到達したピン状部材121の下方向への移動が規制される。
【0046】
以下、本実施形態の表示装置及び回転ユニットの動作例を図に基づき説明する。図16~21及び図23図31の各図において、(A)は表示装置の背面側模式図であり、(B)は回転ユニットの要部説明図である。なお、各図(A)においてフレーム101及び付勢部材65の図示を省略している。また、各図(B)においてレバー部材62は断面を示している。
【0047】
<動作例1:横長方向で固定された表示装置における固定解除>
横長方向で固定された表示装置51を回転可能とするために、回転台52の切欠部53とレバー部材62との嵌合を解除する動作を図16図19に基づき説明する。
【0048】
図16は、表示装置51が横長方向で固定された状態を示している。
レバー部材62は切欠部53と嵌合しており、回転台52は固定されている。
レバー部材62は付勢部材65により図中左方向へ付勢されているが、ガイド部材120のピン状部材121がガイド溝80のレバー固定位置82にあるため、レバー部材62の図中左方向への移動は制限されている。
【0049】
表示装置51を回転可能とするために、レバー部材62を切欠部53から退避させる動作を行う。
まず、図17に示すように、レバー部材62をD1方向に移動させる。これに伴い、ピン状部材121はガイド溝80を移動する。移動経路及び移動方向は、図14(A)に示した経路L1である。
【0050】
図18に示すように、さらにレバー部材62をD1方向に移動させると、ピン状部材121は、ガイド部材120の回動により自重で下方に移動し、ガイド溝80のレバー係止位置83に移動する。ピン状部材121はレバー規係止置83においてガイド溝80の壁面に係止され、レバー部材62のD1方向の移動は規制される。
【0051】
ここでレバー部材62に対するD1方向への力を解除すると、図19に示すように、レバー部材62は、付勢部材65の付勢力によりD2方向へ移動する。これに伴い、ピン状部材121は、ガイド部材120の回動で自重により図中下方へ移動し、ガイド溝80のレバー一時固定位置84に移動する。これによりレバー部材62は一時固定され、付勢部材65の付勢力に抗して図示した位置に停止する。
【0052】
以上の流れにより、レバー部材62は切欠部53から退避した位置に維持され、回転台52の固定が解除され、表示装置51の回転が可能となる。
【0053】
<動作例2:横長方向における固定>
横長方向で回転可能とした表示装置51を回転させることなく再度固定する動作を図20図25に基づき説明する。
具体的には、図19に示す状態から図16に示す状態とする動作である。
【0054】
表示装置51を固定するために、レバー部材62を切欠部53へ嵌合させる動作を行う。
まず、図20に示すように、レバー部材62をD1方向に移動させる。これに伴い、ピン状部材121はガイド溝80のレバー一時固定位置84から図中左側へ移動する。移動経路及び移動方向は、図14(A)に示した経路L1である。
さらにレバー部材62をD1方向に移動させると、ピン状部材121は、図22に示すように傾斜部85に沿って移動した後、図23に示すようにレバー退避位置81まで移動する。
【0055】
ピン状部材121が図22に示す位置から図22に示すレバー退避位置81へ移動するときの規制部材90の動作を図22に示す。
回動部材90aは図22(A)及び図22(B)に示すようにピン状部材121の移動により押し上げられる方向に回動する。そして、図22(C)に示すように、ピン状部材121がレバー退避位置へ移動した後、回動部材90aは自重により回転止90bと当接する方向へ回動し、ピン状部材121の下方向への移動を規制する。これによりピン状部材121がレバー退避位置81から経路L1を逆行することはない。
【0056】
図23の状態においてレバー部材62をD1方向に移動させる力を加えても、ピン状部材121がレバー退避位置81においてガイド溝80に係止されるため、レバー部材62は移動しない。
【0057】
ここでレバー部材62に対するD1方向への力を解除すると、図24に示すように、レバー部材62は、付勢部材65の付勢力によりD2方向へ移動する。これに伴い、ピン状部材121は、図14(B)に示す経路L2に沿って移動する。
【0058】
レバー部材62はD2方向へ移動を続けた後、図25に示すように切欠部53へ嵌合する。また、図25に示すようにピン状部材121がレバー固定位置82まで移動する。
レバー部材62は付勢部材65によりD2方向へ付勢されているが、ピン状部材121がレバー固定位置82にあってガイド溝80に係止されるため、レバー部材62のD2方向への移動は制限される。
【0059】
以上の流れにより、レバー部材62が切欠部53に嵌合した位置に維持され、回転台52が固定され、表示装置51も固定される。
【0060】
<動作例3:横長方向から縦長方向への回転>
横長方向で回転可能とした表示装置51を縦長方向に回転させる動作を図26図29に基づき説明する。
【0061】
まず、動作例1の動作を行い、図19に示す状態、すなわちレバー部材62を切欠部53から退避した位置に一時固定した状態とする。これにより回転台52の固定が解除され、表示装置51の回転が可能となる。
次に、図26に示すように表示装置51をR方向に回転させる。
表示装置51とともに回転台52が回転し、突出部56の外周面がレバー部材62に当接する。
【0062】
さらに表示装置51をR方向に回転させることにより、レバー部材62は摺接する突出部56の傾斜部56aに沿って図中右方向へ押圧されて移動する。これに伴い、ピン状部材121はガイド溝80のレバー固定位置82から図14(A)の経路L1に沿って移動する。
【0063】
図27に示すように、表示装置51を45度傾斜させると、レバー部材62は突出部56の突出端部56bと当接し、ピン状部材121はガイド溝のレバー退避位置81まで移動する。
【0064】
図26に示すように、さらに表示装置51をR方向に回転させると、レバー部材62は付勢部材65によりD2方向へ付勢されているため、摺接する突出部56の傾斜部56cに沿ってD2方向に移動する。これに伴い、ピン状部材121はガイド溝80のレバー退避位置81から図14(B)の経路L2に沿って移動する。
【0065】
レバー部材62は突出部56の外周面と摺接しながらD2方向へ移動を続けた後、図29に示すように切欠部54へ嵌合する。また、図29に示すようにピン状部材121がレバー固定位置82まで移動する。
【0066】
以上の流れにより、レバー部材62が切欠部54に嵌合した位置に維持され、回転台52が固定され、表示装置51が縦長方向で固定される。
【0067】
<動作例4:縦長方向から横長方向への回転>
縦長方向で回転可能とした表示装置51を横長方向に回転させる動作を図30及び図31に基づき説明する。
【0068】
まず、縦長方向の表示装置51のレバー部材62に対し、動作例1と同様の動作を行い、レバー部材62を切欠部54から退避した位置に一時固定した状態とする。これにより回転台52の固定が解除され、表示装置51の回転が可能となる。
【0069】
次に、図30に示すように表示装置51をR方向に回転させる。
表示装置51とともに回転台52が回転し、突出部56がレバー部材62に当接する。
さらに表示装置51をR方向に回転させることにより、レバー部材62は摺接する突出部56の傾斜部56cに沿ってD1方向へ押圧されて移動する。これに伴い、ピン状部材121はガイド溝80のレバー固定位置82から図14(A)の経路L1に沿って移動する。
【0070】
表示装置51をさらにR方向に回転させると、レバー部材62は突出部56の傾斜部56c、突出端部56b、傾斜部56aの順に摺接しながら移動する。
ピン状部材121はガイド溝のレバー退避位置81まで移動した後、図14(B)の経路L2に沿って移動する。
【0071】
図31に示すように、さらに表示装置51をR方向に回転させると、レバー部材62は付勢部材65によりD2方向へ付勢されているため、摺接する突出部56の傾斜部56aに沿ってD2方向に移動する。
【0072】
レバー部材62は突出部56の傾斜部56aと摺動しながらD2方向へ移動を続けた後、切欠部53と嵌合し、図16に示す状態となる。ピン状部材121はレバー固定位置82まで移動する。
【0073】
以上の流れにより、レバー部材62が切欠部53に嵌合した位置に維持され、回転台52が固定され、表示装置51が横長方向で固定される。
【0074】
以上のように、本実施形態の回転ユニットにおいて、レバー部材62は、回転台52の外周面と当接する方向に付勢されているが、回転台52の切欠部53,54から退避させて回転台52の外周面から離間する位置に移動させたときは、ガイド溝80内の一時固定位置84に移動したピン状部材121により一時的に固定される。そして、再度レバー部材62を退避させる方向に移動するとピン状部材121が移動することにより一時固定が解除され、レバー部材62は、ユーザーが力を加えることなく、付勢力により回転台52に向かって移動し、回転台52の切欠部53,54と嵌合する。
【0075】
本実施形態の回転ユニットによれば、表示装置51の向きを変更する際、レバー部材62の操作ミスや不十分な操作に起因した不具合の発生を防止することができる。具体的には、ユーザーのレバー部材62の押し込み忘れや押し込み不足等に起因して、不用意に表示装置51が回転してしまうという不具合を防止することができる。また、レバー部材62の固定解除が不十分な位置にある状態で表示装置51を回転させ、回転ユニットを破損してしまうのを防止することができる。
【0076】
以下に、図32を参照して、本実施形態の回転ユニットを備えた電子黒板200のハードウェア構成の一例について説明する。
【0077】
本実施形態の電子黒板200は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、SSD(Solid State Drive)204、ネットワークI/F205、及び、外部機器接続I/F(Interface)206を備えている。
【0078】
これらのうち、CPU201は、電子黒板200全体の動作を制御する。ROM202は、CPU201やIPL(Initial Program Loader)等のCPU201の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。SSD204は、電子黒板用のプログラム等の各種データを記憶する。
【0079】
ネットワークI/F(ネットワークコントローラ)205は、通信ネットワークとの通信を制御する。外部機器接続I/F206は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ230、外付け機器(マイク240、スピーカ250、カメラ260)である。
【0080】
また、電子黒板200は、キャプチャデバイス211、GPU212、ディスプレイコントローラ213、接触センサ214、センサコントローラ215、電子ペンコントローラ216、近距離通信回路219、及び近距離通信回路219のアンテナ219a、電源スイッチ222及び選択スイッチ類223を備えている。
【0081】
これらのうち、キャプチャデバイス211は、外付けのPC(Personal Computer)270のディスプレイに対して映像情報を静止画または動画として表示させる。GPU(Graphics Processing Unit)212は、グラフィクスを専門に扱う半導体チップである。
GPU212は、CPU201に内蔵されてよいし、CPU201と統合されていてもよい。
【0082】
ディスプレイコントローラ213は、GPU212からの出力画像を表示装置(ディスプレイ)51等へ出力するために画面表示の制御及び管理を行う。接触センサ214は、表示装置51上に電子ペン290やユーザーの手H等が接触したことを検知する。センサコントローラ215は、接触センサ214の処理を制御する。
【0083】
接触センサ214は、赤外線遮断方式による座標の入力及び座標の検出を行う。この座標の入力及び座標の検出する方法は、表示装置51の上側両端部に設置された2つ受発光装置が、表示装置51に平行して複数の赤外線を放射し、表示装置51の周囲に設けられた反射部材によって反射されて、受光素子が放射した光の光路と同一の光路上を戻って来る光を受光する方法である。接触センサ214は、物体によって遮断された2つの受発光装置が放射した赤外線のIDをセンサコントローラ215に出力し、センサコントローラ215が、物体の接触位置である座標位置を特定する。
【0084】
電子ペンコントローラ216は、電子ペン290と通信することで、表示装置51へのペン先のタッチやペン尻のタッチの有無を判断する。近距離通信回路219は、NF(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の通信回路である。電源スイッチ222は、電子黒板200の電源のON/OFFを切り換えるためのスイッチである。選択スイッチ類223は、例えば、表示装置51の表示の明暗や色合い等を調整するためのスイッチ群である。
【0085】
更に、電子黒板200は、バスライン210を備えている。バスライン210は、CPU201等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0086】
尚、接触センサ214は、赤外線遮断方式に限らず、静電容量の変化を検知することにより接触位置を特定する静電容量方式のタッチパネル、対向する2つの抵抗膜の電圧変化によって接触位置を特定する抵抗膜方式のタッチパネル、接触物体が表示部に接触することによって生じる電磁誘導を検知して接触位置を特定する電磁誘導方式のタッチパネルなどの種々の検出手段を用いてもよい。また、電子ペンコントローラ216が、電子ペン290のペン先及びペン尻だけでなく、電子ペン290のユーザーが握る部分や、その他の電子ペンの部分のタッチの有無を判断するようにしてもよい。
【0087】
また、本実施形態では、カメラ260は、表示装置51に電子ペン290や手Hが接近したことを検出する近接センサの一例としたが、電子黒板200は、近接センサとして、投影型静電容量方式タッチパネルや赤外線センサ等を有していても良い。
【0088】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 表示装置とスタンドとの間に配設され、前記スタンドに取付けられた前記表示装置を縦長方向と横長方向に切替可能に支持する回転ユニットであって、
前記回転ユニットは、
前記スタンドに固定される固定部と、
前記表示装置の背面に固定され、前記表示装置とともに回転する回転台と、
前記回転台と接離可能に設けられたレバー部材と、
前記レバー部材を前記回転台の外周面と当接する方向に付勢する付勢部材と、を備え、
前記回転台は、前記表示装置が横長方向で固定される位置及び縦長方向で固定される位置で前記レバー部材と嵌合する切欠部を有し、
前記レバー部材を前記切欠部から退避させたとき前記回転台が回転可能となり、前記レバー部材が前記付勢部材の付勢力により対向する前記切欠部に嵌合したとき前記回転台が固定されることを特徴とする回転ユニットである。
<2> 前記回転台の前記切欠部から退避させた前記レバー部材を嵌合固定するストッパー部材と、
前記レバー部材と前記ストッパー部材との嵌合を解除する解除部材と、をさらに備え、
前記解除部材は前記回転台に設けられ、前記回転台とともに回転することを特徴とする前記<1>に記載の回転ユニットである。
<3> 前記ストッパー部材は、前記レバー部材に向かって突出する凸部と、前記レバー部材に向かって付勢する付勢部材を有し、
前記レバー部材は、前記ストッパー部材の前記凸部と嵌合する凹部を有することを特徴とする前記<1>または<2>に記載の回転ユニットである。
<4> 前記解除部材は、回転方向の前方から後方へ向かって厚みが増加する傾斜部を有することを特徴とする前記<1>から<3>のいずれかに記載の回転ユニットである。
<5> 前記回転台は、2つの前記切欠部の間に、前記切欠部から退避させた前記レバー部材と摺接する突出部を有することを特徴とする前記<1>に記載の回転ユニットである。
<6> 前記固定部に回動可能に支持されたガイド部材を備え、
前記ガイド部材は前記レバー部材に向かって突出するピン状部材を有し、
前記レバー部材は、前記ピン状部材が摺動可能に嵌合するガイド溝を有することを特徴とする前記<1>または<5>に記載の回転ユニットである。
<7> 前記ピン状部材は前記レバー部材の移動に応じて前記ガイド溝内を移動し、
前記ガイド溝は、前記ピン状部材が位置することにより、前記回転台の前記切欠部から退避させた前記レバー部材を固定する部位が設けられていることを特徴とする前記<6>に記載の回転ユニットである。
<8> 前記ガイド溝は、前記ピン状部材が直進する領域と前記ピン状部材の進行方向を変更する複数の屈曲部とが連通したループ状の経路を有し、移動する前記ピン状部材の周回方向を規制する規制部材を備えることを特徴とする前記<6>または<7>に記載の回転ユニットである。
<9> 前記<1>から<8>のいずれかに記載の回転ユニットを備えることを特徴とする表示装置である。
<10> 前記<9>に記載の表示装置と、スタンドとを備えることを特徴とする電子黒板である。
【符号の説明】
【0089】
51 表示装置(ディスプレイ)
52 回転台
52a 外周面
53 切欠部
54 切欠部
55 ブラケット
56 突出部
56a 傾斜部
56c 傾斜部
60 スタンド
61 固定部
62 レバー部材
63 凹部
64 ストッパー部材
65 付勢部材(引張ばね)
66 付勢部材(圧縮ばね)
67 解除部材
68 傾斜部
80 ガイド溝
81 レバー退避位置
82 レバー固定位置
83 レバー係止位置
84 レバー一時固定位置
90 規制部材
101 フレーム
120 ガイド棒部材
121 ピン状部材
122 回動軸
200 電子黒板
【先行技術文献】
【特許文献】
【0090】
【特許文献1】特開2021-124721号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
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図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32