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特開2023-184486改良された排気構造を含む基板処理装置
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  • 特開-改良された排気構造を含む基板処理装置 図1
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  • 特開-改良された排気構造を含む基板処理装置 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184486
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】改良された排気構造を含む基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/44 20060101AFI20231221BHJP
   C23C 16/455 20060101ALI20231221BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20231221BHJP
   H01L 21/316 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
C23C16/44 B
C23C16/455
H01L21/31 C
H01L21/316 X
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023098014
(22)【出願日】2023-06-14
(31)【優先権主張番号】63/353,118
(32)【優先日】2022-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】廖 偉辰
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
5F058
【Fターム(参考)】
4K030AA06
4K030AA11
4K030AA14
4K030AA16
4K030AA18
4K030BA44
4K030CA12
4K030EA03
4K030EA04
4K030EA11
4K030FA01
4K030GA02
4K030GA12
4K030HA01
4K030JA03
4K030JA05
5F045AA08
5F045AA15
5F045AB32
5F045AC00
5F045AC07
5F045AC11
5F045AC15
5F045AC16
5F045AC17
5F045AD01
5F045AE01
5F045BB02
5F045DP03
5F045DQ10
5F045DQ17
5F045EE17
5F045EF05
5F045EF14
5F045EF20
5F045EG06
5F045EH05
5F045EK07
5F058BA06
5F058BC02
5F058BD04
5F058BF07
5F058BF27
5F058BF29
5F058BG02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】基板処理装置ユニットの提供。
【解決手段】反応チャンバ10と、基板15を支持しプロセス位置と搬送位置との間で垂直に移動可能なサセプタ16と、サセプタの上方に設けられ反応空間11にガスを提供するように構成されたシャワープレート12と、反応チャンバからガスを排気するように構成されたガス排気ユニット70であって、シャワープレートを取り囲みメインダクト78が設けられた排気ダクト77と、サセプタがプロセス位置にある時にサセプタを空間を有して取り囲む第1の流量制御リング71と、第1の流量制御リングを取り囲む第2の流量制御リング73とを備えるガス排気ユニットとを含み、第1の排気チャネル74は排気ダクトと第1の流量制御リングとの間に形成され、第2の排気チャネル75は第1の流量制御リングと第2の流量制御リングとの間に形成され、第2の排気チャネルはメインダクトおよびサセプタの下方の領域に流体接続される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理装置であって、
反応空間が設けられた反応チャンバと、
前記反応チャンバ内に配置され、かつ基板を支持するように構成されたサセプタであって、プロセス位置と搬送位置との間で垂直に移動可能であるように構成された、サセプタと、
前記サセプタの上方に設けられ、かつ前記反応空間にガスを提供するように構成されたシャワープレートと、
前記反応チャンバから前記ガスを排気するように構成されたガス排気ユニットであって、
前記シャワープレートを取り囲み、かつメインダクトが設けられた排気ダクトと、
前記サセプタが前記プロセス位置にある時に前記サセプタを空間を有して取り囲む第1の流量制御リングと、
前記第1の流量制御リングを取り囲む第2の流量制御リングと、を備えるガス排気ユニットと、を備え、
第1の排気チャネルが、前記排気ダクトと前記第1の流量制御リングとの間に形成され、
第2の排気チャネルが、前記第1の流量制御リングと前記第2の流量制御リングとの間に形成され、かつ前記第2の排気チャネルが、前記メインダクトおよび前記サセプタの下方の領域に流体接続された、基板処理装置。
【請求項2】
前記第1の流量制御リングが、前記第2の流量制御リングの内周と係合するように構成された複数の突出部をさらに備える、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記空間が0.5~2.5mmである、請求項1または2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記第1の排気チャネルのサイズが0.5~2.5mmである、請求項1または2に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記第2の排気チャネルのサイズが0.5~2.5mmである、請求項1または2に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記ガスが、前駆体ガス、反応物質ガス、および第1の不活性ガスを含む、請求項1または2に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記前駆体ガスが、ビス(ジエチルアミノ)シラン(BDEAS)、テトラキス(ジメチルアミノ)シラン(4DMAS)、トリス(ジメチルアミノ)シラン(3DMAS)、ビス(ジメチルアミノ)シラン(2DMAS)、テトラキス(エチルメチルアミノ)シラン(4EMAS)、トリス(エチルメチルアミノ)シラン(3EMAS)、ビス(三級ブチルアミノ)シラン(BTBAS)、およびビス(エチルメチルアミノ)シラン(BEMAS)、ジイソプロピルアミノシラン(DIPAS)、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記反応物質ガスが、O、NO、CO、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記第1の不活性ガスが、He、Ar、N、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項10】
第2の不活性ガスが、前記空間および前記第2の排気チャネルを通して、前記サセプタの下方の領域から前記サセプタの上方および前記メインダクトへ提供されるように構成されている、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記基板処理装置が、プラズマ強化原子層堆積装置を備える、請求項1または2に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、改良された排気構造を含む基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1aは、堆積工程を示す、従来の基板処理装置の概略断面図である。基板処理装置では、反応ガスは、シャワープレート12を通して反応チャンバ10の反応空間11内に導入される。反応ガスは、排気ダクト77を通して外部へ排出される。しかしながら、反応ガスの一部は、堆積工程中にサセプタ16の下方の領域に導入される。
【0003】
図1bは、処理工程を示す、従来の基板処理装置の概略断面図である。反応ガスは、処理工程中に反応空間11に拡散して戻り、その結果基板15の縁部膜厚を増加させる場合がある。
【0004】
このセクションに記載の、問題および解決策の考察を含むいずれの考察も、本開示の背景を提供する目的でのみこの開示に含まれており、考察のいずれかもしくはすべてが、本発明がなされた時点において既知であったこと、またはそれらが別様に先行技術を構成することを認めるものと考えられるべきではない。
【発明の概要】
【0005】
この「発明の概要」は、選択された概念を、単純化した形態で紹介するために提供される。これらの概念は、下記の開示の例示の実施形態の「発明を実施するための形態」において、さらに詳細に記述される。この「発明の概要」は、特許請求される主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図せず、特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることも意図しない。
【0006】
本開示の例示的な実施形態によると、基板処理装置が提供される。基板処理装置は、反応空間が設けられた反応チャンバと、反応チャンバ内に配置され、かつ基板を支持するように構成されたサセプタであって、プロセス位置と搬送位置との間で垂直に移動可能であるように構成された、サセプタと、サセプタの上方に設けられ、かつ反応空間にガスを提供するように構成されたシャワープレートと、反応チャンバからガスを排気するように構成されたガス排気ユニットであって、シャワープレートを取り囲み、かつメインダクトが設けられた排気ダクトと、サセプタがプロセス位置にある時にサセプタを空間を有して取り囲む第1の流量制御リングと、第1の流量制御リングを取り囲む第2の流量制御リングとを備えるガス排気ユニットとを備え、第1の排気チャネルは、排気ダクトと第1の流量制御リングとの間に形成され、第2の排気チャネルは、第1の流量制御リングと第2の制御リングとの間に形成され、また第2の排気チャネルは、メインダクトおよびサセプタの下方の領域に流体接続されている。
【0007】
様々な実施形態では、第1の流量制御リングは、第2の流量制御リングの内周と係合するように構成された複数の突出部をさらに備えてもよい。
【0008】
様々な実施形態では、空間は0.5~2.5mmであってもよい。
【0009】
様々な実施形態では、第1の排気チャネルのサイズは、0.5~2.5mmであってもよい。
【0010】
様々な実施形態では、第2の排気チャネルのサイズは、0.5~2.5mmであってもよい。
【0011】
様々な実施形態では、ガスは、前駆体ガス、反応物質ガス、および第1の不活性ガスを含んでもよい。
【0012】
様々な実施形態では、前駆体ガスは、ビス(ジエチルアミノ)シラン(BDEAS)、テトラキス(ジメチルアミノ)シラン(4DMAS)、トリス(ジメチルアミノ)シラン(3DMAS)、ビス(ジメチルアミノ)シラン(2DMAS)、テトラキス(エチルメチルアミノ)シラン(4EMAS)、トリス(エチルメチルアミノ)シラン(3EMAS)、ビス(三級ブチルアミノ)シラン(BTBAS)、およびビス(エチルメチルアミノ)シラン(BEMAS)、ジイソプロピルアミノシラン(DIPAS)、およびそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0013】
様々な実施形態では、反応物質ガスは、O、NO、CO、およびそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0014】
様々な実施形態では、第1の不活性は、He、Ar、N、およびそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0015】
様々な実施形態では、第2の不活性ガスは、空間および第2の排気チャネルを通して、サセプタの下方の領域からサセプタの上方およびメインダクトへ提供するように構成されてもよい。
【0016】
様々な実施形態では、基板処理装置は、プラズマ強化原子層堆積装置を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本開示の例示的な実施形態のより完全な理解は、以下の例示的な図に関連して考慮される場合、「発明を実施するための形態」および「特許請求の範囲」を参照することによって得ることができる。
【0018】
図1図1aは、堆積工程を示す、従来の基板処理装置の概略断面図であり、図1bは、処理工程を示す、従来の基板処理装置の概略断面図である。
図2】本発明の実施形態における基板処理装置の概略図である。
図3】本発明の実施形態における方法のタイミングシーケンスである。
図4】本発明の実施形態における基板処理装置の概略断面図である。
図5】本発明の実施形態における第1の流量制御リングの概略斜視図である。
【0019】
当然のことながら、図内の要素は、単純化および明瞭化のために例示されており、必ずしも実寸に比例して描かれているわけではない。例えば、図内の要素のうちのいくつかの寸法は、本開示の例示された実施形態の理解を助けるために他の要素に対して相対的に誇張されている場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ある特定の実施形態および実施例を以下に開示するが、本開示の具体的に開示された実施形態および/または使用、ならびにその明白な修正および均等なものを超えて本開示が拡張することは、当業者によって理解されるであろう。それゆえに、本開示の範囲は、本明細書に記述される特定の実施形態によって限定されるべきではないことが意図される。
【0021】
本明細書に提示された例示は、任意の特定の材料、装置、構造、またはデバイスの実際の様相であることを意味せず、本開示の実施形態を説明するために使用される単なる表現にすぎない。
【0022】
この開示では、「ガス」は、常温および常圧において気体、気化した固体、および/または気化した液体である材料を含んでもよく、また状況に応じて単一の気体または気体の混合物で構成されてもよい。プロセスガス以外のガス、すなわちシャワープレートまたはこれに類するものなどのガス供給ユニットを通過することなく導入されるガスは、例えば、反応空間をシールするために使用されてもよく、また希ガスまたは他の不活性ガスなどのシールガスを含んでもよい。不活性ガスという用語は、かなりの程度まで化学反応に関与しないガス、および/またはプラズマ電力が加えられたときに前駆体を励起することができるガスを指す。
【0023】
本明細書で使用される場合、「基板」という用語は、使用されてもよい、またはその上にデバイス、回路、もしくは膜が形成されてもよい、任意の下地材料(複数可)を指す場合がある。
【0024】
本明細書で使用される場合、「膜」および「薄膜」という用語は、本明細書に開示された方法によって堆積された、任意の連続的または非連続的な構造および材料を指す場合がある。例えば、「膜」および「薄膜」としては、2D材料、ナノロッド、ナノチューブ、もしくはナノ粒子、またはさらには部分的もしくは完全な分子層、または部分的もしくは完全な原子層、または原子および/もしくは分子のクラスタを挙げることができる。「膜」および「薄膜」は、ピンホールを有する材料または層を含み得るが、それでも少なくとも部分的に連続している。
【0025】
図2は、本発明の実施形態における基板処理装置の概略平面図である。基板処理装置は、(i)それぞれが4つの反応チャンバRC1、RC2、RC3、RC4を有する、4つのプロセスモジュール20、22、24、26と、(ii)2つのバックエンドロボット32(基板ハンドリングロボット)を含む基板ハンドリングチャンバ30と、(iii)2つの基板を同時に装填または取り出すためのロードロックチャンバ40とを備えてもよく、ロードロックチャンバ40は基板ハンドリングチャンバ30の1つの追加的な側面に取り付けられており、それぞれのバックエンドロボット32はロードロックチャンバ40にアクセス可能である。それぞれのバックエンドロボット32は、各ユニットの2つの反応チャンバに同時にアクセス可能な少なくとも2つのエンドエフェクタを有し、前記の基板ハンドリングチャンバ30は、それぞれが4つのプロセスモジュール20、22、24、26に対応し、かつそれらに取り付けられた4つの側面と、ロードロックチャンバ40のための1つの追加的な側面とを有する多角形形状を有し、すべての側面は同一面上に配設されている。それぞれのプロセスモジュール20、22、24、26の内部およびロードロックチャンバ40の内部は、ゲート弁によって基板ハンドリングチャンバ30の内部から隔離されてもよい。
【0026】
一部の実施形態では、コントローラ(図示せず)は、例えば、基板搬送のシーケンスを実行するようにプログラムされたソフトウェアを格納してもよい。コントローラはまた、各プロセスチャンバのステータスをチェックしてもよく、感知システムを使用して各プロセスチャンバ内で基板を位置付けてもよく、各モジュールに対してガスボックスおよび電気ボックスを制御してもよく、FOUP52およびロードロックチャンバ40内に保管された基板の分配ステータスに基づいて機器フロントエンドモジュール内のフロントエンドロボット56を制御してもよく、バックエンドロボット32を制御してもよく、またゲート弁および他の弁を制御してもよい。
【0027】
当業者は、本装置が、本明細書の他の箇所に記載された堆積処理および反応器クリーニング処理を実行させるようにプログラムされたかまたは他の方法で構成された1つ以上のコントローラを含むことを理解し得る。当業者に理解されるように、コントローラ(複数可)は、様々な電源、加熱システム、ポンプ、ロボット、ガス流コントローラ、または弁と通信してもよい。
【0028】
一部の実施形態では、装置は、1個よりも大きい(例えば、2、3、4、5、6、または7個の)、任意の数の反応チャンバおよびプロセスモジュールを有してもよい。図2では、装置は、16個の反応チャンバを有するが、その装置は8個以上を有してもよい。典型的には、反応チャンバは、ウエハ上に薄膜または層を堆積させるための、プラズマ反応器を備えてもよい。一部の実施形態では、すべてのモジュールは、取り出し/装填を順次的かつ定期的に時間調節することによって生産性またはスループットを向上させることができるように、ウエハを処置する同一能力を有してもよい。一部の実施形態では、モジュールは、異なる能力(例えば、異なる処置)を有してもよいが、それらの取り扱い時間は、実質的に同一である。
【0029】
図3は、本発明の実施形態における方法のタイミングシーケンスである。図示したように、不活性ガスは、1つ以上の前駆体ガスパルス110、1つ以上の反応物質ガスパルス140、および/または1つ以上のプラズマ電力パルス120、130を通じて、連続的に反応チャンバに提供されてもよい。堆積工程および処理工程の間、反応物質ガスおよび/または不活性ガスは、例えば、PEALD(プラズマ強化原子層堆積)プロセスで使用する励起種を形成するために、(例えば、直接)プラズマに曝露されてもよい。堆積サイクルおよび処理サイクルは繰り返すことができる。処理工程中のプラズマを形成するための出力は、堆積工程中のそれよりも高くてもよい。
【0030】
前駆体ガスは、ビス(ジエチルアミノ)シラン(BDEAS)、テトラキス(ジメチルアミノ)シラン(4DMAS)、トリス(ジメチルアミノ)シラン(3DMAS)、ビス(ジメチルアミノ)シラン(2DMAS)、テトラキス(エチルメチルアミノ)シラン(4EMAS)、トリス(エチルメチルアミノ)シラン(3EMAS)、ビス(三級ブチルアミノ)シラン(BTBAS)、およびビス(エチルメチルアミノ)シラン(BEMAS)、ジイソプロピルアミノシラン(DIPAS)、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0031】
反応物質ガスは、O、NO、CO、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0032】
第1の不活性ガスは、He、Ar、N、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含んでもよい。第1の不活性ガスは、反応チャンバ内のプラズマを点火する、またはプラズマの点火を容易にするために、反応チャンバから反応物質および/もしくは副産物をパージするために、使用されてもよく、かつ/または反応チャンバへの前駆体の送達を支援するためのキャリアガスとして使用されてもよい。
【0033】
図4は、本発明の実施形態における基板処理装置の概略断面図である。基板処理装置は、反応空間11が設けられている反応チャンバ10と、反応チャンバ10内に配置され、かつ基板15を支持するように構成されたサセプタ16とを含む。サセプタ16は、プロセス位置と搬送位置との間で垂直に移動可能であるように構成される。サセプタ16がプロセス位置にある時、基板処理装置は基板15上で処理を行ってもよい。サセプタ16が搬送位置にある時、基板処理装置は、反応チャンバ10の内外に基板15を搬送してもよい。
【0034】
基板処理装置は、サセプタ16の上方に設けられ、かつ反応空間11に前駆体ガス、反応物質ガス、および第1の不活性ガスを提供するように構成されている、シャワープレート12をさらに備える。シャワープレート12は、ガス孔を有してもよい。シャワープレート12は、PEALD装置用の電極であってもよい。
【0035】
基板処理装置は、反応チャンバからガスを排気するように構成されたガス排気ユニット70をさらに備える。ガス排気ユニット70は、シャワープレート12を取り囲み、かつメインダクト78が設けられた排気ダクト77と、サセプタ16がプロセス位置にあるときにサセプタ16を空間79を有して取り囲む第1の流量制御リング71と、第1の流量制御リング71を取り囲む第2の流量制御リング73とを備える。第1の排気チャネル74は、排気ダクト77と第1の流量制御リング71との間に形成される。ガスは、第1の排気チャネル74およびメインダクト78を通して外部へ排気される。ガスの一部は、堆積工程中にサセプタ16の下方の領域に導入されてもよい。
【0036】
第2の排気チャネル75は、第1の流量制御リング71と第2の制御リング73との間に形成され、また第2の排気チャネル75は、メインダクト78およびサセプタ16の下方の領域に流体接続されている。サセプタ16の下方のガスは、処理工程の間に、第2の排気チャネル75を通してメインダクト78に排気されてもよい。
【0037】
第1の流量制御リング71は、第2の流量制御リング73の内周と係合し、それによって第2の排気チャネル75を有するように構成された複数の突出部72をさらに備えてもよい。
【0038】
第1の流量制御リング71とサセプタ16との間の空間79は、0.5~2.5mmであってもよい。第1の排気チャネル74のサイズは、0.5~2.5mmであってもよい。第2の排気チャネル75のサイズは、0.5~2.5mmであってもよい。
【0039】
第2の不活性ガスは、空間75および第2の排気チャネル75を通して、サセプタ16の下方の領域からサセプタ16の上方およびメインダクト78へ提供されるように構成されてもよい。第2の不活性ガスは、シールガスであってもよく、またHe、Ar、N、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0040】
これらの実施形態は単に本発明の実施形態の実施例にすぎないため、上述の本開示の例示的な実施形態は、本発明の範囲を限定しない。任意の均等な実施形態は、本発明の範囲内にあることが意図される。実際に、記述される要素の代替的な有用な組み合わせなどの、本明細書に示されかつ記述されるものに加えて、本開示の様々な修正は、当業者には記述から明らかになる場合がある。こうした修正および実施形態も、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】