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特開2023-184487液体金属イオンソースの仮想ソースの場所を判定するための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184487
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】液体金属イオンソースの仮想ソースの場所を判定するための方法
(51)【国際特許分類】
   H01J 37/04 20060101AFI20231221BHJP
   H01J 37/244 20060101ALI20231221BHJP
   H01J 37/30 20060101ALI20231221BHJP
   H01J 37/317 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
H01J37/04 B
H01J37/244
H01J37/30 A
H01J37/317 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023098036
(22)【出願日】2023-06-14
(31)【優先権主張番号】17/807,362
(32)【優先日】2022-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】501233536
【氏名又は名称】エフ イー アイ カンパニ
【氏名又は名称原語表記】FEI COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ショーン エム.ケロッグ
(72)【発明者】
【氏名】モスタファ マーゾウズ
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ ビー.マクジン
【テーマコード(参考)】
5C101
【Fターム(参考)】
5C101AA32
5C101CC15
5C101DD02
5C101GG15
5C101GG33
5C101GG34
5C101GG42
5C101GG44
5C101HH03
5C101HH21
5C101HH23
(57)【要約】      (修正有)
【課題】荷電粒子ビーム位置合わせ装置を提供する。
【解決手段】荷電粒子ビーム(CPB)ソースの場所の変動は、CPB内のビーム画定開口部に対して固定された位置合わせ開口部を、特にデフォーカスされたCPB照明ディスクの縁部において走査することによって判定される。位置合わせ開口部は、シンチレータ要素に方向付けられた二次放出を生成する二次放出表面にCPB部分を透過させるように動作可能である。これに応答して生成されたシンチレーション光は、CPBと関連付けられた真空筐体から、光ガイドを介して、外部光検出システムに方向付けられる。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷電粒子ビーム位置合わせ装置であって、
位置合わせ開口部を画定する位置合わせ開口部プレートと、
前記位置合わせ開口部によって透過されたCPBの一部分を受容するように配置され、それに応じて二次放出を生成するように動作可能な二次放出要素と、
前記二次放出の少なくとも一部分を受容し、それに応答して、シンチレーション光を生成するように配置されたシンチレータ要素と、
前記シンチレータ要素において生成された前記シンチレーション光を受容するように配置された光検出器と、を備える、荷電粒子ビーム位置合わせ装置。
【請求項2】
支持部材に固定され、少なくとも1つのビーム画定開口部を画定する開口部プレートを更に備える、請求項1に記載の荷電粒子ビーム位置合わせ装置。
【請求項3】
内側端部及び外側端部を有する支持部材を更に備え、前記位置合わせ開口部プレートが、前記支持部材に取り付けられ、前記支持部材の前記内側端部において配置されている、請求項1に記載の荷電粒子ビーム位置合わせ装置。
【請求項4】
前記シンチレータ要素において生成された前記シンチレーション光を受容し、前記シンチレーション光を前記光検出器に方向付けるように配置された光ガイドを更に備える、請求項1に記載の荷電粒子ビーム位置合わせ装置。
【請求項5】
前記光ガイドが、支持部材内に画定された細長い空洞であり、前記シンチレータ要素が、前記光ガイドの入口端部において配置されている、請求項4に記載の荷電粒子ビーム位置合わせ装置。
【請求項6】
前記光ガイドが、前記シンチレータ要素に面する入口端部を有する誘電性光ガイドである、請求項5に記載の荷電粒子ビーム位置合わせ装置。
【請求項7】
前記二次放出要素が、前記位置合わせ開口部プレートに対して垂直な軸上に配置されており、前記シンチレータ要素から離れる方向に10度~80度の角度で傾斜する、請求項1に記載の荷電粒子ビーム位置合わせ装置。
【請求項8】
支持部材が、ロッド形状であり、軸に沿って延在し、内部端部において配置された第1の導電性セクションと、前記第1の導電性セクションに結合された絶縁体セクションと、を備え、前記第1の導電性セクションが、位置合わせ開口部及び前記二次放出要素を含み、前記絶縁体セクションが、前記軸に沿って延在する絶縁体空洞を画定し、光ガイドが、前記絶縁体空洞内に配置されていることを更に含む、請求項1に記載の荷電粒子ビーム位置合わせ装置。
【請求項9】
前記支持部材が、前記絶縁体セクションに結合され、前記軸に沿って延在する導電性空洞を画定する第2の導電性セクションを含み、前記光ガイドが、前記導電性空洞内に配置されている、請求項8に記載の荷電粒子ビーム位置合わせ装置。
【請求項10】
前記第2の導電性セクションが、前記絶縁体空洞を通って延在し、前記シンチレータ要素に電気的に結合されている、請求項9に記載の荷電粒子ビーム位置合わせ装置。
【請求項11】
前記第2の導電性セクションに結合され、CPB軸に対して前記位置合わせ開口部の位置を変化させるように動作可能な並進フィードスルーを更に備える、請求項10に記載の荷電粒子ビーム位置合わせ装置。
【請求項12】
前記シンチレータ要素が、導電性コーティングを含む、請求項1に記載の荷電粒子ビーム位置合わせ装置。
【請求項13】
コントローラと、
アクチュエータであって、前記コントローラが、前記アクチュエータに結合されて、CPB軸に対して前記位置合わせ開口部を移動させ、前記光検出器によって受容された前記シンチレーション光に基づいて、前記CPB軸に対する前記位置合わせ開口部のオフセットを判定する、アクチュエータと、を更に備える、請求項1に記載の荷電粒子ビーム位置合わせ装置。
【請求項14】
前記コントローラが、前記位置合わせ開口部の前記判定されたオフセットに基づいて、CPB軸及びビーム画定開口部のうちの少なくとも1つを調節するためにCPB光学カラムに結合されている、請求項13に記載の荷電粒子ビーム位置合わせ装置。
【請求項15】
方法であって、CPBに対して位置合わせ開口部を走査することと、
前記CPBの透過部分に応答して、シンチレータ部材においてシンチレーション光を生成することと、
前記シンチレーション光に基づいて、CPB軸を判定することと、を含む、方法。
【請求項16】
前記シンチレーション光の少なくとも一部分を光ガイド内で捕捉することを更に含み、前記CPB軸を前記判定することが、前記シンチレーション光に基づいている、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記CPBの前記透過部分が、二次放出を生成するために二次放出部材に入射し、その結果、前記シンチレーション光が、前記二次放出に応答して、生成され、CPB軸及び前記判定されたCPB軸に基づくビーム画定開口部のうちの少なくとも1つを調節することを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記位置合わせ開口部及びビーム画定開口部が、前記位置合わせ開口部を並進させるアクチュエータに結合されているロッド形状部材に取り付けられる、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
CPB装置であって、
真空筐体と
前記真空筐体内に配置され、CPBを生成するように動作可能なCPBソースと、
前記CPBをCPB軸に沿って方向付けるように配置されたCPB光学システムと、
前記真空筐体の中へ延在するCPB位置合わせ装置であって、前記CPB位置合わせ装置が、
ビーム制限開口部を画定するビーム制限開口部プレートと、
前記ビーム制限開口部プレートに対して固定された位置合わせ開口部を画定する位置合わせ開口部プレートと、
前記位置合わせ開口部によって透過された前記CPBの部分を受容するように配置された二次放出部材と、
前記二次放出部材からの二次放出を受容し、シンチレーション光を生成するように配置されたシンチレータ部材と、
前記CPB位置合わせ装置に結合され、少なくとも前記位置合わせ開口部をCPB軸に対して移動させるように動作可能な機械的真空フィードスルーと、
前記機械的真空フィードスルー及び光検出器システムに結合され、前記位置合わせ開口部を前記CPB軸に対して移動させるように、前記機械的真空フィードスルーを方向付け、前記シンチレーション光の一部分に基づいて、CPB位置を判定するように動作可能なコントローラと、を備える、CPB装置。
【請求項20】
前記CPB位置合わせ装置が、
前記ビーム制限開口部プレート、前記位置合わせ開口部プレート、前記二次放出部材、及び前記シンチレータ部材を含む、内側セクション導電性セクションと、
光ガイドが前記シンチレータ部材に向かって延在するように配置される、空洞を画定する中間絶縁体セクションと、
前記機械的真空フィードスルーに結合された外側セクションであって、前記光ガイドが、前記真空筐体を通って前記シンチレータ部材に延在する、外側セクションと、を備える、ロッド形状支持部材を含む、請求項19に記載のCPB装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、集束イオンビームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
集束イオンビーム(Focused ion beam、FIB)は、ワークピースの評価、修理、及び製作のためのワークピースを対象とすることができる。多くの用途に関して、高いビーム強度が、処理時間を低減させ、スループットを増加させるために好ましい。液体金属イオンソース(Liquid metal ion source、LMIS)は、生成され得る高いビーム電流に起因して、FIBを発生させるために特に魅力的である。残念ながら、LMISからのイオンビーム放出は、これらの位置が時間とともに変化する放出領域において生成される傾向がある。それゆえ、適切に位置合わせされたイオンビームソースは、概して、位置合わせ不良になる。FIB光学カラムは、再位置合わせのために分解することができるが、かかる分解は、時間がかかる可能性があり、LMIS及びFIB光学カラムを収容する真空チャンバの通気を必要とする。再位置合わせ及び再組み立ての後、真空チャンバは、使用前に排気されなければならない。この時間中、FIB装置は、使用のためには利用可能ではない。更に、通気はまた、使用前に除去されなければならない汚染を可能にし得る。荷電粒子ビームシステムにおいてビームソースを位置合わせするための代替的な手法が必要とされる。
【発明の概要】
【0003】
荷電粒子ビーム位置合わせ装置は、位置合わせ開口部を画定する位置合わせ開口部プレートと、位置合わせ開口部によって透過された荷電粒子ビーム(charged particle beam、CPB)の一部分を受容するように配置され、それに応答して二次放出を生成するように動作可能な二次放出要素と、を含む。シンチレータ要素は、二次放出の少なくとも一部分を受容し、それに応答してシンチレーション光を生成するように配置される。光検出器は、シンチレータ要素で生成されたシンチレーション光を受容する。位置合わせ開口部を移動させ、シンチレーション光を光検出器で検出することによって、CPB軸が位置付けられ得、そのためソースの移動が補償され得る。いくつかの例では、シンチレーション光は、光検出器が、真空筐体内に入らないように光ガイドを用いて真空筐体の外に結合される。
【0004】
本開示の前述及び他の特徴、及び利点は、添付図面を参照して進められる、以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1A】代表的な位置合わせ装置を例解する。
図1B】代表的な位置合わせ装置を例解する。
図2】別の代表的な位置合わせ装置の一部分を例解する。
図3】位置合わせ装置を含む、代表的な集束イオンビーム(FIB)システムを例解する。
図4A】代表的な位置合わせ方法を例解する。
図4B】別の代表的な位置合わせ方法を例解する。
図4C図4Bの方法において使用される位置合わせ開口部の走査を例解する。
図4D図4Dにおいて例解されるような走査エリアに関連する走査位置の関数としてのビーム強度のグラフを例解する。
図5A】照明ディスクの縁部を検出することに基づく、位置合わせ方法を例解する。
図5B】ピクセル化検出器を使用する位置合わせ方法を例解する。
図6】光検出器を含む代表的な位置合わせ装置を例解する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
開示された方法及び装置は、液体金属イオンソース(LMIS)又は他のイオンソースの場所(実又は仮想のいずれか)を測定することを対象とし、そのためイオンビームカラム内に提供されたイオンビーム光学又はイオンソース位置は、位置合わせを維持するために調節され得る。いくつかの例では、かかる測定は、周期的に又は要求に応じて行われる。いくつかの場合では、イオンソースは、以前に確立された場所に再度位置決めされ、一方で他の場合において、荷電粒子ビーム(CPB)光学カラムに印加される電圧などの駆動レベルは、測定されたイオンソース位置を補償するために調節される。イオンソースを以前に確立された場所に再度位置決めすることにより、単純かつ簡単な手順でイオンビームの位置合わせが可能になる。
【0007】
一般的な用語
本明細書において使用される際、イオンビームカラム、電子ビームカラム、又は他の荷電粒子ビーム(CPB)カラムは、静電若しくは磁気レンズ、ビーム偏向器、ビーム画定開口部、スティグメータ、開口部、又は他のビーム成形及びビーム方向要素などの1つ以上のCPB光学要素として定義される。実施例では、荷電粒子ビーム(CPB)カラムは、2つ以上の部分に分割されることがある。CPBカラムを、ソースからの荷電粒子が、1つ以上の集光レンズ、スティグメータ、ビーム偏向器、及び開口部を含むことができる1つ以上の光学要素を使用してCPBに成形される、上部カラムを含むものとして説明することが好都合である。下部カラムは、1つ以上のレンズ、スティグメータ、ビーム偏向器、及び開口部を含むことができ、概して、上部カラムから受容したCPBを成形し、ワークピースに方向付けるように構成される。いくつかの例では、下部カラムは、ワークピース上の選択された場所において、選択されたサイズのスポットにCPBを集束させる。CPBカラムは、上部カラム及び下部カラムが、それぞれ配置される上部チャンバ及び下部チャンバを画定することができる真空筐体を有して配置される。上部チャンバ及び下部チャンバは、例えば、上部カラムが、下部チャンバにおけるワークピース交換中に動作し続けることができるように、隔離弁で分離することができる。これは、上部チャンバ汚染、ポンプダウン時間を低減することができ、ワークピース交換中の上部カラムの測定及び調節を可能にする。
【0008】
本明細書において使用される際、Everhart-Thornley(ET)検出器は、光ガイドに結合されているシンチレータ材料を含む電子検出器であり、そのため、シンチレータ材料において荷電粒子によって生成されたシンチレーション(本明細書において、概して、シンチレーション光と称される)は、光検出器への伝搬のために少なくとも部分的に光ガイドに方向付けられる。開示された例では、ET検出器は、プラスチック又はガラス光ガイド、中空光ガイド、プラスチック若しくはガラスの光ファイバ、又は他の光ガイドを含むことができる。典型的な光ガイドは、円形断面を有するものとして描写されるが、断面は、楕円形、卵形、正方形、多角形、又は他の形状であり得る。円形断面は、製造に関して好都合であり、かかる光ガイドは、広く利用可能である。セラミックシンチレータ又はプラスチックシンチレータなどの誘電性シンチレータなどのシンチレータ材料、NaI(Tl)として表示されるタリウムドープヨウ化ナトリウム、CsI(Tl)と表示されるタリウムドープヨウ化セシウム、CsI(Na)として表示されるナトリウムドープヨウ化セシウム、LiI(Eu)として表示されるユーロピウムドープヨウ化リチウムなどのハロゲン化アルカリ、概して、BGOとして既知の酸化ビスマスゲルマニウム(BiGe12)、CdWO4として表示されるタングステン酸カドミウム、ZnS(Ag)として表示される銀添加硫化亜鉛などの他の無機材料、ドープされたガドリニウムオキシオルトシリケート(GSO)、イットリウムアルミニウムペロブスカイト(YAP)、イットリウムアルミニウムガーネット(YAG)、ルテチウムオキシオルトシリケート(LSO)、ルテチウムアルミニウムペロブスカイト(LuAP)、臭化ランタン(LaBr)などのセリウムで活性化された無機物、アントラセンなどの有機結晶が、使用され得る。必要に応じて、他のタイプを使用することもできる。シンチレータ要素は、円筒形、立方体、シート、ディスク、プレート、粉末、結晶片、粒子、他の規則的若しくは不規則的な形状、又は好都合な形状の組み合わせとして提供することができ、シンチレーション光を光検出器に結合するために光ガイドに対して取り付けられるか、又は固定させることができる。いくつかの例では、シンチレータ要素は、光ガイドの延長部として成形され、光ガイドに取り付けられ得る。フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード、光電子増倍管、又は他のものなどの光検出器が、使用され得る。シンチレータ要素は、概して、ファラデー箱内に配置され、二次放出がシンチレータ要素に方向付けられるように、バイアスが適用され得る。
【0009】
開口部プレートは、CPBに透過する開口部を画定するために使用される部材である。開口部プレートは、好適なCPB透過開口部を有する、好都合に金属性である。CPBシステムでは、導電性開口部プレートが好ましく、非導電性材料が使用される場合、かかる開口部プレートは、導電性コーティングを備えることができる。開口部プレートは、関連する開口部によって透過された入射荷電粒子の収集のためのファラデーカップ(又はファラデーカップの一部分)を形成する金属性容器などの容器の表面上に提供され得る。円形開口部が、一般的に使用されるが、他の形状も同様に使用することができる。開口部プレートは、概して、関連する開口部の有効径又は他の断面寸法未満の厚さを有する。ワークピースへの送達のために(典型的には、下部カラムにおいて)ビームを成形する開口部は、便宜上、本明細書において、ビーム画定開口部(beam defining aperture、BDA)と称され、ビームソースからの放出に基づいて、(典型的には、上部カラムにおいて)ビーム形成のために配置された開口部は、便宜上、本明細書において、ビーム形成開口部(beam forming aperture、BFA)と称される。典型的なCPBシステムでは、BFAは、1つ以上のCPBレンズと連動して使用されて、CPBが形成され、このCPBが、BDAに方向付けられ、次いで走査されるか、集束されるか、又は別様にワークピース若しくは他のターゲットに送達される。
【0010】
本明細書において使用される際、二次放出要素は、CPBを受容し、それに応答して二次放出を生成するために配置された表面を有する物体である。二次放出表面は、概して、二次放出要素における特定のビームタイプ及びエネルギーに応答して、二次放出を強化するように選択された層又はコーティングによって提供され得る。いくつかの場合では、CPBが、好適なビームエネルギーで二次放出表面に入射して、二次放出を強化するようにバイアスが適用され得る。二次放出要素は、プレート若しくは他の形状の導体であり得、又はファラデー箱を形成する導電性容器などの容器の表面として提供され得る。
【0011】
ET検出器又はその部分は、CPB光学カラムのための1つ以上のBDAと、二次放出表面及びシンチレータ要素とともに1つ以上のBDAに対して固定オフセットを有する位置合わせ開口部と、を提供するか又は支持するように構成された支持部材内に画定される。位置合わせ開口部は、集束されたCPB、集束されていないCPB、又は部分的に集束されたCPBの中心又は他の特徴を位置付けるために使用することができる。判定された場所及び固定オフセットに基づいて、CPB光学カラム(典型的には上部カラム)のビーム形成部分に対する好適な調節が、なされ得る。支持部材は、概して、長さL及び有効幅wを、w=sqrt(A)として画定する有効断面積Aを有する、細長い部材であり、そのため比L/wは、少なくとも2、5、7.5、又は10である。支持部材は、略円筒形状若しくは他の形状、又は形状の組み合わせを有することができる。典型的な例では、支持部材は、1つ以上のセクションを含む。内側セクションは、CPBを受容するように動作可能であり、いくつかの例では、セクションは、使用のために配置されたとき、1つ以上のBDAを含むか又は支持し、かかるセクションは、本明細書において、内側端部に配置されていると称される。真空筐体壁に又は真空筐体壁に最も近接して配置されるセクションは、外側セクション又は外側端部と称される。外側端部は、概して、シンチレーション光を真空筐体の外部の検出器に透過する光ガイド部分を保持し、CPB軸に対してより内部のセクションによって、又はその上に提供された開口部を移動させるように動作可能な機械的真空フィードスルーに結合される。
【0012】
本明細書において使用される際、画像は、複数の場所におけるCPB強度の測定値を含むデータアレイを称する。典型的には、かかるアレイは二次元であるが、他の種類のアレイを使用することもできる。かかるアレイは、典型的には、メモリデバイス又はディスクドライブなどの1つ以上のコンピュータ可読記憶デバイス内に記憶される。本明細書で使用される制御システムは、マイクロコントローラ回路又はゲートアレイなどの他の論理デバイスに基づくことができる。
【0013】
本出願及び特許請求の範囲において使用される場合、「a」、「an」、及び「the」という単数形は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数形を含む。更に、「含む」という用語は、「備える」を意味する。更に、「結合された」という用語は、結合されたアイテム間の中間要素の存在を除外しない。
【0014】
本明細書で説明されるシステム、装置、及び方法は、決して限定するものとして解釈されるべきではない。代わりに、本開示は、様々な開示された実施形態の全ての新規かつ非自明な特徴並びに態様を、単独で、並びに互いとの様々な組み合わせ及び部分的組み合わせで対象とする。開示されるシステム、方法、及び装置は、任意の特定の態様若しくは特徴又はそれらの組み合わせに限定されず、開示されるシステム、方法、及び装置は、任意の1つ以上の特定の利点が存在すること、又は問題が解決されることを必要としない。動作の任意の理論は、説明を容易にするためのものであるが、開示されるシステム、方法、及び装置は、かかる動作の理論に限定されない。
【0015】
開示される方法のうちのいくつかの動作は、便宜的な提示のために特定の連続的な順序で説明されるが、この説明の様式は、特定の順序付けが以下に記載される特定の文言によって必要とされない限り、並べ替えを包含することを理解されたい。例えば、連続して説明される動作は、場合によっては、並べ替えられ得るか、又は同時に行われ得る。更に、簡単にするために、添付の図面は、開示されるシステム、方法、及び装置が、他のシステム、方法、及び装置とともに使用され得る様々な方法を示していない場合がある。更に、説明は、開示される方法を説明するために「生成する」及び「提供する」のような用語を使用することがある。これらの用語は、行われる実際の動作の高レベルの抽象化である。これらの用語に対応する実際の動作は、特定の実装態様に応じて変化し、当業者によって容易に認識可能である。
【0016】
いくつかの例では、値、手順、又は装置は、「最低」、「最良」、「最小」などと称される。かかる説明は、多くの使用される機能的代替物の中から選択を行うことができることを示すことを意図しており、かかる選択は、他の選択よりも良い、小さい、又はそうでなければ好ましい必要はないことが理解されるであろう。
【0017】
例は、「上に」、「下に」、「上の」、「下の」などとして示される方向を参照して説明される。これらの用語は、便宜的な説明のために使用されているが、特定の空間的配向を示唆するものではない。例えば、上部カラム及び下部カラムという用語は、CPB光学の特定の空間的配向を示唆するものではない。
【0018】
光ガイドを有する位置合わせアセンブリ
図1A図1Bを参照すると、CPBシステム用の位置合わせ装置100は、内側端部において配置されたビーム画定開口部(BDA)延長部110を有する支持部材と、検出器部分120と、外側端部において配置される位置決めアーム140と、真空フィードスルー150と、を含む。位置決めアーム140は、荷電粒子ビーム(CPB)125、典型的には、集束イオンビーム(FIB)に対して、位置決めアーム140、検出器部分120、及びBDA延長部110の運動を可能にする二軸ステージとして示されるアクチュエータ152に結合される。動作中、真空フィードスルー150は、真空チャンバ101内に配置されながら、CPB125に対して、位置合わせ装置100の二軸運動を可能にするように動作可能である。
【0019】
この例では、BDA延長部110は、バイアス電圧を確立するために真空チャンバ101内で電気接触するように構成された遠位部分114を含む。BDA延長部110は、1つ以上のBDAが画定される部分112を有する。BDA開口部は、概して、使用時に入射CPBを透過するように配置され、真空を維持しながら劣化したBDAを別のBDAと交換することができるように、複数の開口部を含むBDA開口部プレート上に画定することができる。
【0020】
検出器部分120は、ファラデーカップを形成する位置合わせ開口部124及び検出器体積126を画定する検出器ハウジング122を含む。示されるように、位置合わせ開口部124は、入射CPB125の一部分を検出器体積126の中へ透過させるように配置される。検出器ハウジング122及び位置合わせ開口部124は、アクチュエータ152によってCPBビーム125に対して並進可能である。位置合わせ開口部124によって透過されたCPB125の部分は、透過ビーム部分に応答して二次電子130が生成される二次放出表面128として形成された二次放出要素に入射する。位置合わせ開口部124は、概して、円形の開口部であるが、他の形状を使用することもできる。シンチレータ要素131は、二次電子130の少なくとも一部を受容し、光ガイド132によって光電子増倍管(photomultiplier、PMT)154又はアバランシェフォトダイオード若しくは他の検出器などの他の光検出器に方向付けられるシンチレーション光142を生成するように配置される。光ガイド132は、ガラス若しくはプラスチック光ファイバ、プラスチック、ガラス、若しくは他の透過性材料の透明ロッド、又はシンチレータ要素131と真空フィードスルー150との間に延在する導電性内側スリーブ138内に画定された空洞であり得る。絶縁スリーブ136は、検出器ハウジング122及び位置決めアーム140が異なる電圧に設定され得るように、検出器ハウジング122を位置決めアーム140に結合する。
【0021】
この例では、BDA延長部110は、典型的には、シンチレータ要素131の電位を数kV下回ってバイアスされ(例えば、-1kV~-5kV)、そのため二次電子130は、シンチレータ材料131に方向付けられる。加えて、位置決めアーム140及び導電性内側スリーブ138は、真空フィードスルー150の構造を簡略化するために接地電位又はその付近に維持される。荷電を低減させるために、シンチレータ要素131は、セラミックシンチレータ材料などの導電性材料、又は電子透過性導電性コーティングが提供されているプラスチックシンチレータなどの誘電性シンチレータ材料であり得る。二次放出表面128は、アルミニウム若しくは他の金属表面などの検出器体積の内部表面であり得るか、又は二次放出を強化するためにコーティングが適用され得る。シンチレータ要素131に蓄積するデブリを低減させるために、位置合わせ開口部124を通るCPBの入射方向は、シンチレータ材料131へのCPBの反射の角度に対応しないことが、概して、好ましい。
【0022】
図1A図1Bに示されるように、BDA及び位置合わせ開口部は、共通の平面内に配置される必要はなく、1つ以上のBDAが画定される部分112は、座標系170のX軸及びY軸に沿って測定されるCPBオフセットを有するZ軸に対して略平行であるCPBカラムの軸に沿って、位置合わせ開口部124からオフセットされる。
【0023】
電子増倍管を有する位置合わせアセンブリ
図2は、支持部材の内部206内に画定された位置合わせ開口部204を含む、代表的な位置合わせ装置200の概略図である。位置合わせ開口部204は、CPB202の一部分を、ベース210上に提供された二次放出表面208に透過させるように配置される。連続ダイノード電子増倍管として示される電子増倍管212は、二次放出表面208において生成された二次電子を受容するように配置される。この例では、連続ダイノード電子増倍管212は、入口開口部214を有するホーン形状として示される。離散ダイノード電子増倍管又はマイクロチャネルプレート増倍管などの他の電子増倍管を使用することができる。図2では、位置合わせ装置200は、位置合わせ開口部204がCPB202を受容するように移動するように示され、通常動作では、位置合わせ装置は、CPB202が、BDA240に方向付けられるように移動される。
【0024】
電子増倍管212は、シンチレーション光を光検出器220に結合するように配置されたシンチレータ要素218に結合される。この例では、CPB202の透過部分は、軸224に沿って二次放出表面208に伝搬する。二次放出表面208は、入射CPBビーム部分の鏡面反射が、軸226に沿って伝搬して、電子増倍管212の入口開口部214への結合を回避するように配向される。フィードスルー230~233(概略的に例解される)などの1つ以上の真空電気フィードスルーは、電子増倍管212をバイアスし、シンチレータ要素218上の電荷蓄積を抑制し、二次放出表面電圧を確立し、光検出器220と通信するための動作電位V1、V2、V3を真空チャンバに結合し、検出された光信号を真空チャンバから結合するために提供される。フィードスルー230~233は、概して、CPB202に対して、BDA240及び位置合わせ開口部204の機械的位置決めを可能にするように構成される。この例では、光検出器は、シンチレータ要素218において提供されるが、典型的には、シンチレーション光を外部光検出器に送達する光ガイドに、シンチレーション光を結合する方がより好都合である。
【0025】
集束イオンビーム(FIB)システム
図3を参照すると、代表的なFIBシステム300は、コントローラ307に応答して、アクチュエータ326とともに動作可能なバルブ306によって分離することができる、上部チャンバ304及び下部チャンバ305を備える真空チャンバを画定する真空筐体302を含む。液体金属イオンソースなどのイオンソース308は、CPBレンズ310、314と、開口部プレート312内に画定されたビーム形成開口部(BFA)354と、を含む上部光学カラムにイオンビームを方向付けるように配置される。下部光学カラムは、FIBをワークピース320に方向付けるレンズ316、318を含む。いくつかの例では、電子ビームカラムなどの追加のCBPカラムが、ワークピース320のeビーム撮像のために提供されるが、図3には示されていない。レンズ310、312、316、318は、コントローラ307に応答して、レンズ動作のための電流又は電圧を供給するそれぞれの電源330、334、336、338に結合される。電源328は、イオンビームソース308の動作条件を確立することができる。使用時、CPBレンズ314は、概して、ビーム画定開口部(BDA)364を通してCPBを集束させるように動作し、位置合わせ中、CPBは、照明ディスクを提供するために集束されないか、又はあまり集束されない場合がある。
【0026】
位置合わせ装置370は、通常動作で使用されるビーム制限開口部364と、ビーム制限開口部364に対して固定され、CPBの一部分を二次放出表面365に透過させる位置合わせ開口部366と、を画定する支持部材372を含む。シンチレータ要素368によって受容された二次放出は、光ガイド374及び光検出器システム375に結合されるシンチレーション光を生成する。
【0027】
イオンソース308は、イオンビーム350を軸352に沿って方向付けるように配置されたイオン放出領域340を有する。動作中、イオン放出領域340は、イオン放出領域341として示されるように移動し、このイオン放出領域は、元のイオン放出領域340から、軸352を横切る方向に、又は軸352に沿って変位することができる。イオン放出領域340、341は、光学カラムのCPB特性に依存し得る仮想ソースの場所370、371から、それぞれ軸360(この場合、これは元のビーム軸352と同じである)、361に沿って方向付けられるそれぞれのビームを生成する。いくつかの例では、仮想ソースの場所は、元の放出領域及び変位した放出領域340、341の実際の場所に対応するが、概して、上部光学カラムの部分によって撮像される放出領域に対応する。動作中、イオンビームは、ビーム形成開口部354を通して方向付けられ、示されるように、軸362は、軸360に対して傾斜しており、BDA364を含む平面において軸360から変位する。示されるように、レンズ314は、BDA364の平面又はその付近において形成されたビームが集束されず、集束ビームの代わりに照明ディスクを提供するように動作させることができる。代替的に、CPBは、BDA364を含む平面として又はその近くに集束させることができる。位置合わせ装置370を使用して、軸361及び関連するCPBの位置は、CPB照明ディスク又は集束されたCPBのいずれかを用いて、見出すことができる。いくつかの場合では、ピクセル化CPB検出器が使用され得、位置合わせ開口部366の走査は必要ない。アクチュエータ390は、支持部材372を並進させるように動作し、検出されたシンチレーション光に基づいて、イオン放出領域341に関連するCPBの形状、サイズ、及び位置が、マイクロプロセッサ又は他の論理デバイスなどのコントローラ307によって実行される命令を使用して判定することができ、光学カラムは、好適に調節することができる。いくつかの場合では、軸361が、軸360と実質的に同じになるように調節が行われる。
【0028】
代表的な位置合わせ方法
図4Aを参照すると、代表的な方法400は、所望される場合、402において、隔離弁を用いてCPBシステムの上部チャンバを隔離することを含み、そのためワークピースが変更されている間に位置合わせを行うことができ、下部チャンバ内で真空を維持する必要がない。404において、CPBは、CPB照明ディスクを形成するために、BDA平面又はその付近においてデフォーカスされ得る。406において、位置合わせ開口部は、デフォーカスされたCPBにおいて並進され、408において、CPBの透過部分から生じる二次放出に応答して生成されるシンチレーション光が測定される。測定されたシンチレーション光は、ビーム画像として記憶することができ、記憶されたビーム画像は、410において、1つ以上の方向、典型的には、ビーム伝搬軸を横断する方向において、ビーム中心を位置付けるように処理される。ビーム中心が位置付けられた状態で、412において、CPBオフセットが判定され得、414において、ソースの場所又は上部カラムが調節され得る。例えば、1つ以上のビーム偏向器を使用して、上部カラムと位置合わせされた伝搬軸を確立することができ、BDAがこの軸上で中心となり、又はビームソースを並進させることができる。調節後、位置合わせプロセスは、検証のために繰り返すことができる。402において、上部チャンバが隔離される場合、416において、隔離弁が開放され得、418において、ワークピースが処理され得る。ワークピース交換中に、マイクロプロセッサなどの論理プロセッサに提供されるコンピュータ実行可能命令を使用して位置合わせ方法を実施することが好都合であり得る。この手法で、自動ソース位置合わせが、真空チャンバを通気することなく対処され得、位置合わせ手順に費やされる処理時間が低減される。
【0029】
概して、照明ディスクの縁部において、ビーム電流の測定を強調することが好ましい。図4Bを参照すると、452において、位置合わせ開口部が走査され(粗い/高速走査が、概して十分である)、照明ディスクの縁部を位置付ける。454において、縁部の場所が選択され、456において、位置合わせ開口部が、選択された縁部の場所において走査される。458において、縁部場所走査は、例えば、非線形最小二乗フィッティング手順などのフィッティング手順を使用することによって、円に対するビーム中心を見出すために使用される。いくつかの場合では、楕円又は他の形状を使用して、照明ディスクを表し、フィッティングにおいて使用することができる。
【0030】
図4Cは、かかる縁部走査を例解する。照明ディスク470が位置付けられると、縁部領域471~474が選択され、メカニカルステージを使用して確立することができる位置合わせ開口部位置の関数としてビーム電流を得るために、位置合わせ開口部は、各々において走査される。図4Dは、光検出器で検出されたシンチレーション光に基づく代表的な走査に対する位置の関数としての透過ビーム電流を例解する。座標系480において、縁部領域471、473は、X走査において使用され、縁部領域472、474は、Y走査において使用される。他の縁部領域が選択され得、いくつかの場合では、縁部領域は、X方向又はY方向以外の方向において走査される。
【0031】
別の手法では、ベイズ測定法が使用される。かかる手法では、事前確率分布(「事前」)が、典型的なビーム特性又は任意の選択に基づいて、選択される。ビームは、上で考察したようにサンプリングされ、サンプル測定値を使用して、事前分布を更新する。サンプリング/更新プロセスは、目標精度が得られるまで継続される。
【0032】
図5Aを参照すると、方法500は、502において、BDAが配置される平面などの平面にCPB照明ディスクを方向付けることを含む。504において、上で説明した位置合わせ開口部が、CPB照明ディスクに対して走査されて、典型的には、少なくとも2つの非平行軸に沿って縁部を位置付ける。この走査は、固定された間隔、不規則的な間隔、周期的な間隔、又は他の間隔によって分離された、選択された数の測定場所と関連付けられる。CPB照明ディスクの中央部分では、照明レベルは、典型的には、実質的に変化せず、ビーム縁部におけるCPB照明ディスクの測定が、CPB照明ディスクの場所を確立するために好ましい。位置合わせ開口部を用いたCPB照明ディスクの走査に基づいて、照明ディスク縁部を位置付けるために、506において、位置合わせ開口部は、次いで照明ディスク縁部の周りで走査され、508において、イオンビームソースの場所が判定される。イオンビームソースの場所は、CPB光学カラムの1つ以上の要素によって確立される、実イオンビームソースの場所、又は仮想の場所であり得る。例えば、意図されたCPBカラム軸又は以前の場所からのCPB照明ディスクの中心のオフセットが、判定され得る。照明ディスクの横方向オフセットは、図3に示されるように、イオンビームソースのオフセットに対応し得る。このオフセットに基づいて、CPBカラムの1つ以上の部分が、510において、調節され得る。加えて、照明ディスクの測定はまた、512において、BFAの評価を可能にする。例えば、非円形のCPB照明ディスクは、BFAの劣化と関連付けることができ、劣化が検出された場合、BFAは、交換することができる。
【0033】
図5Bに示される別の例では、方法550は、552において、BDA平面又はその付近においてCPBを集束させることと、554において、ピクセル化CPB検出器を集束されたビームに露出することと、を含む。556において、CPBソースの場所は、ピクセル化CPB検出器によって提供されるビーム画像に基づいて、判定することができる。CPBカラムは、560において、意図されたビーム位置を確立するように調節することができ、画像データは、562において、BFAを評価するために使用される。ピクセル化検出器を使用して、位置合わせは、照明ディスクに基づいて、同様に実施することができ、ピクセル化検出器では、開口部走査は、必要とされない場合がある。加えて、位置合わせはまた、照明ディスクだけでなく、集束されたCPBに対して位置合わせ開口を走査して位置合わせを行うこともできる。
【0034】
内部光検出器を有する位置合わせアセンブリ
図6を参照すると、CPBシステム用の位置合わせ装置600は、外側部分602A及び内側部分602Bを含むロッドとして示される支持部材を含む。部分602Aは、光学的に結合されたシンチレータ材料604及び光検出器606を保持する。光検出器は、部分602A内の空洞610内に配置された導体608を介して電気的に接続され、この導体は、光信号を、典型的には、位置合わせ装置600が延在する真空の外部にある好適な増幅器に伝達する。この例では、シンチレータ材料604は、細長いものとして示され、そのため一部分が、シンチレーション光を光検出器606に送達するための光ガイドとして働くことができる。部分602Bは、空洞614への開口部612を画定し、そのためCPB616の部分は、二次放出要素620上に画定された二次放出表面618に透過することができる。好都合な場合、部分602Bは、ビーム画定開口部プレートが取り付けられ得る、取付け部分630を含むことができる。位置合わせ装置600は、位置合わせ開口部がCPB616に対して移動可能であるように、位置決めステージに結合することができる。部分602A、60Bは、接着剤、又はねじ若しくはリベットなどの締結具でともに取り付けることができる。
【0035】
代表的な実施例
実施例1は、荷電粒子ビーム位置合わせ装置であり、位置合わせ開口部を画定する位置合わせ開口部プレートと、位置合わせ開口部によって透過されたCPBの一部分を受容するように配置され、それに応じて二次放出を生成するように動作可能な二次放出要素と、二次放出の少なくとも一部分を受容し、それに応じてシンチレーション光を生成するように配置されたシンチレータ要素と、シンチレータ要素で生成されたシンチレーション光を受容するように配置された光検出器と、を含む。
【0036】
実施例2は、実施例1の主題を含み、支持部材に固定され、少なくとも1つのビーム画定開口部を画定する開口部プレートを更に含む。
【0037】
実施例3は、実施例1~2のいずれかに記載の主題を含み、内側端部及び外側端部を有する支持部材を更に含み、位置合わせ開口部プレートは、支持部材に取り付けられ、支持部材の内側端部において配置される。
【0038】
実施例4は、実施例1~3のいずれかに記載の主題を含み、シンチレータ要素において生成されたシンチレーション光を受容し、シンチレーション光を光検出器に方向付けるように配置された光ガイドを更に含む。
【0039】
実施例5は、実施例1~4のいずれかに記載の主題を含み、光ガイドは、支持部材内に画定された細長い空洞であり、シンチレータ要素は、光ガイドの入口端部において配置される。
【0040】
実施例6は、実施例1~5のいずれかに記載の主題を含み、光ガイドが、シンチレータ要素に面する入口端部を有する誘電性光ガイドであることを更に規定する。
【0041】
実施例7は、実施例1~6のいずれかに記載の主題を含み、更に、二次放出要素が、位置合わせ開口部プレートに対して垂直な軸上に配置され、シンチレータ要素から離れる方向に10度~80度の角度で傾斜していることを更に規定する。
【0042】
実施例8は、実施例1~7のいずれかに記載の主題を含み、支持部材が、ロッド形状であり、軸に沿って延在し、内部端部に配置された第1の導電性セクションと、第1の導電性セクションに結合された絶縁体セクションと、を備え、第1の導電性セクションが、位置合わせ開口部及び二次放出要素を含み、絶縁体セクションが、軸に沿って延在する絶縁体空洞を画定し、光ガイドが、絶縁体空洞内に配置されることを更に含む。
【0043】
実施例9は、実施例1~8のいずれかに記載の主題を含み、支持部材が、絶縁体セクションに結合され、軸に沿って延在する導電性空洞を画定する第2の導電性セクションを含み、光ガイドが、導電性空洞内に配置されることを更に規定する。
【0044】
実施例10は、実施例1~9のいずれかに記載の主題を含み、第2の導電性セクションが、絶縁体空洞を通って延在し、シンチレータ要素に電気的に結合されることを更に規定する。
【0045】
実施例11は、実施例1~10のいずれかに記載の主題を含み、第2の導電性セクションに結合され、CPB軸に対して位置合わせ開口部の位置を変化させるように動作可能な並進フィードスルーを更に含む。
【0046】
実施例12は、実施例1~11のいずれかに記載の主題を含み、シンチレータ要素が、導電性コーティングを含むことを更に規定する。
【0047】
実施例13は、実施例1~12のいずれかに記載の主題を含み、コントローラと、アクチュエータと、を更に含み、コントローラは、アクチュエータに結合されて、CPB軸に対して位置合わせ開口部を移動させ、光検出器によって受容されたシンチレーション光に基づいて、CPB軸に対する位置合わせ開口部のオフセットを判定する。
【0048】
実施例14は、実施例1~13のいずれかに記載の主題を含み、コントローラが、位置合わせ開口部の判定されたオフセットに基づいて、CPB軸及びビーム画定開口部のうちの少なくとも1つを調節するためにCPB光学カラムに結合されることを更に規定する。
【0049】
実施例15は、CPBに対して位置合わせ開口部を走査することと、CPBの透過部分に応答して、シンチレータ部材においてシンチレーション光を生成することと、シンチレーション光に基づいて、CPB軸を判定することと、を含む。
【0050】
実施例16は、実施例15に記載の主題を含み、シンチレーション光の少なくとも一部分を光ガイド内で捕捉することを更に含み、CPB軸を判定することは、シンチレーション光に基づく。
【0051】
実施例17は、実施例15~16のいずれかに記載の主題を含み、CPBの透過部分が、二次放出を生成するために二次放出部材に入射し、その結果、シンチレーション光が、二次放出に応答して、生成されることを更に規定し、CPB軸及び判定されたCPB軸に基づくビーム画定開口部のうちの少なくとも1つを調節することを更に含む。
【0052】
実施例18は、実施例15~17のいずれかに記載の主題を含み、位置合わせ開口部及びビーム画定開口部が、位置合わせ開口部を並進させるアクチュエータに結合されているロッド形状部材に取り付けられることを更に規定する。
【0053】
実施例19は、CPB装置であり、真空筐体と、真空筐体内に配置され、CPBを生成するように動作可能なCPBソースと、CPBをCPB軸に沿って方向付けるように配置されたCPB光学システムと、真空筐体の中へ延在するCPB位置合わせ装置であって、CPB位置合わせ装置が、ビーム制限開口部を画定するビーム制限開口部プレートと、ビーム制限開口部プレートに対して固定された位置合わせ開口部を画定する位置合わせ開口部プレートと、位置合わせ開口部によって透過されたCPBの部分を受容するように配置された二次放出部材と、二次放出部材からの二次放出を受容し、シンチレーション光を生成するように配置されたシンチレータ部材と、CPB位置合わせ装置に結合され、CPB軸に対して少なくとも位置合わせ開口部を移動させるように動作可能な機械的真空フィードスルーと、機械的真空フィードスルー及び光検出器システムに結合され、位置合わせ開口部をCPB軸に対して移動させるように、機械的真空フィードスルーを方向付け、シンチレーション光の一部分に基づいて、CPB位置を判定するように動作可能なコントローラと、を含む。
【0054】
実施例20は、実施例19に記載の主題を含み、CPB位置合わせ装置が、ビーム制限開口部プレート、位置合わせ開口部プレート、二次放出部材、及びシンチレータ部材を含む、内側セクション導電性セクションと、光ガイドがシンチレータ部材に向かって延在するように配置された空洞を画定する中間絶縁体セクションと、機械的真空フィードスルーに結合された外側セクションであって、光ガイドが、真空筐体を通ってシンチレータ部材まで延在する、外側セクションと、を備える、ロッド形状支持部材を含むことを更に規定する。
【0055】
本開示の原理が適用され得る多数の可能な実施形態の観点では、例解された実施形態は好ましい実施例のみであり、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないと認識すべきである。
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図6
【外国語明細書】