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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184553
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】電気接続箱
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/16 20060101AFI20231221BHJP
   H02G 3/14 20060101ALI20231221BHJP
   F16J 15/10 20060101ALI20231221BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
H02G3/16
H02G3/14
F16J15/10 C
F16J15/10 T
H05K5/02 L
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023176082
(22)【出願日】2023-10-11
(62)【分割の表示】P 2020047360の分割
【原出願日】2020-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】李 江
(72)【発明者】
【氏名】河中 裕文
(72)【発明者】
【氏名】池田 慎
(72)【発明者】
【氏名】富松 修二
(72)【発明者】
【氏名】佐川 正彦
(57)【要約】
【課題】嵌込溝への粉体状異物の侵入を抑制できる電気接続箱を提供することを目的とする。
【解決手段】開口部O及びロア縁部13を有するロアケース10と、該ロアケース10の開口部Oを塞ぐとともに、ロア縁部13と合わさるアッパー縁部23を有するアッパーケース20と、ロア縁部13に形成された嵌込溝50に嵌め込まれるゴム製のリング部材30とが備えられ、ロア縁部13とアッパー縁部23とが合わさって封止する封止縁部2が構成されるとともに、アッパー縁部23を貫通し、封止縁部2の円筒穴部15を締結するボルト40が備えられ、ロア縁部13及びアッパー縁部23とリング部材30との当接箇所への粉体状異物の侵入を抑制する内側侵入抑制部60が、円筒穴部15と嵌込溝50との間に設けられた電気接続箱1
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部及び開口縁部を有するケース本体と、
該ケース本体の開口部を塞ぐとともに、前記開口縁部と合わさるカバー縁部を有するカバー体と、
前記開口縁部に形成された嵌込溝に嵌め込まれるゴム製のリング部材とが備えられ、
前記開口縁部と前記カバー縁部とが合わさって封止する封止縁部が構成されるとともに、
前記カバー縁部を貫通し、前記封止縁部の締結箇所を締結する締結材が備えられ、
前記開口縁部及び前記カバー縁部と前記リング部材との当接箇所への粉体状異物の侵入を抑制する異物侵入抑制部が、前記締結箇所と前記嵌込溝との間に設けられ、
前記開口縁部における前記締結箇所と前記嵌込溝との箱内外方向の間隔が、
前記開口縁部における前記締結箇所と前記開口縁部の外側面までの箱内外方向の間隔より広い
電気接続箱。
【請求項2】
前記開口縁部における前記締結箇所と前記嵌込溝との箱内外方向の間隔が、
前記ケース本体の壁厚より広い
請求項1に記載の電気接続箱。
【請求項3】
前記異物侵入抑制部は、
前記締結箇所と前記嵌込溝との間に設けられた、溝底が前記締結箇所より低い内溝部で構成された
請求項1又は2に記載の電気接続箱。
【請求項4】
前記内溝部は、前記封止縁部の外部まで貫通する
請求項に記載の電気接続箱。
【請求項5】
前記カバー縁部に、前記内溝部に嵌合する内溝嵌合凸部が設けられた
請求項3又は4に記載の電気接続箱。
【請求項6】
前記締結箇所より箱外側に、溝底が前記締結箇所より低い外溝部が形成された
請求項1乃至請求項のうちいずれかに記載の電気接続箱。
【請求項7】
前記カバー縁部に、前記外溝部に嵌合する外溝嵌合凸部が設けられた
請求項に記載の電気接続箱。
【請求項8】
前記異物侵入抑制部は、
前記封止縁部を構成する前記開口縁部及び前記カバー縁部の対向する対向面のうち少なくとも一方に設けられた、表面粗さが他の部分の表面より粗い粗面部で構成された
請求項1乃至請求項のうちいずれかに記載の電気接続箱。
【請求項9】
前記異物侵入抑制部は、
前記封止縁部を構成する前記開口縁部及び前記カバー縁部の対向する対向面のうち少なくとも一方に設けられた、粘着性を有する粘着部で構成された
請求項1乃至請求項のうちいずれかに記載の電気接続箱。
【請求項10】
前記異物侵入抑制部は、
前記開口縁部における締結箇所に形成された前記締結材が締結する締結穴に設けられた
請求項1乃至請求項のうちいずれかに記載の電気接続箱。
【請求項11】
前記異物侵入抑制部は、
前記締結穴の上端開口部の周縁部に形成された上端凹部で構成された
請求項1に記載の電気接続箱。
【請求項12】
前記異物侵入抑制部は、
前記締結穴の上端開口部の周縁部に形成された、上方に向かって拡径方向に徐々に傾斜するテーパ部で構成された
請求項1に記載の電気接続箱。
【請求項13】
前記異物侵入抑制部は、
前記締結穴の底部と締結された前記締結材の先端部との間に形成された、前記粉体状異物が侵入できる底部空間で構成された
請求項1乃至請求項1のうちいずれかに記載の電気接続箱。
【請求項14】
前記異物侵入抑制部は、
前記締結箇所より前記嵌込溝側が高くなる内段差部で構成された
請求項1乃至請求項1のうちいずれかに記載の電気接続箱。
【請求項15】
前記異物侵入抑制部は、
前記封止縁部の内部に形成された、前記内段差部に沿う内部空間で構成された
請求項1に記載の電気接続箱。
【請求項16】
前記締結箇所より箱外側に、該箱外側が低くなる外段差部が形成された
請求項1乃至請求項1のうちいずれかに記載の電気接続箱。
【請求項17】
前記異物侵入抑制部は、
前記嵌込溝の溝底面における前記リング部材の外側に設けられた溝内凹部で構成された
請求項1乃至請求項1のうちいずれかに記載の電気接続箱。
【請求項18】
前記異物侵入抑制部は、
前記嵌込溝における溝底面が、箱外側が低くなる傾斜底面で構成された
請求項1乃至請求項1のうちいずれかに記載の電気接続箱。
【請求項19】
前記ケース本体及び前記カバー体は、金属材料で構成された
請求項1乃至請求項18のうちいずれかに記載の電気接続箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、内部に水が侵入することを防止するためのリング部材を備えた電気接続箱に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両に搭載される電気接続箱の内部には、ヒューズなどの電子部品や電子制御回路を実装した回路基板などが収納されている。このため電気接続箱には、内部に水が侵入することを防止するための防水構造が備えられている。
【0003】
このような電気接続箱の一例として、ガスケットとして機能するゴム製のリング部材を嵌め込む嵌込溝が備えられたケース縁部を有するケース本体で構成された電気接続箱が特許文献1に開示されている。この電気接続箱は、嵌込溝に嵌め込んだリング部材をカバー体のカバー縁部とケース縁部とで挟み込むように、カバー体をケース本体に組み付けて構成されている。
【0004】
このように構成された電気接続箱では、ケース本体とカバー体との隙間から水が侵入したとしても、リング部材によって水が内部に侵入することを防止でき、内部の収納された回路基板などを浸水から保護できるとされている。
【0005】
しかしながら、砂や塵などの粉塵や、ケース本体及びカバー体とボルトとの間での摩擦や化学変化により生じる粉体状異物が、カバー縁部とケース縁部との隙間から嵌込溝に侵入することが考えられる。そして、嵌込溝に侵入したこれらの粉体状異物は、例えばリング部材を損傷させたり劣化させたりして、リング部材の止水性を低下させるおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000-161496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は、上述した問題を鑑み、嵌込溝への粉体状異物の侵入を抑制できる電気接続箱を提供することを目的とする。
【0008】
この発明は、開口部及び開口縁部を有するケース本体と、該ケース本体の開口部を塞ぐとともに、前記開口縁部と合わさるカバー縁部を有するカバー体と、前記開口縁部に形成された嵌込溝に嵌め込まれるゴム製のリング部材とが備えられ、前記開口縁部と前記カバー縁部とが合わさって封止する封止縁部が構成されるとともに、前記カバー縁部を貫通し、前記封止縁部の締結箇所を締結する締結材が備えられ、前記開口縁部及び前記カバー縁部と前記リング部材との当接箇所への粉体状異物の侵入を抑制する異物侵入抑制部が、前記締結箇所と前記嵌込溝との間に設けられ、前記開口縁部における前記締結箇所と前記嵌込溝との箱内外方向の間隔が、前記開口縁部における前記締結箇所と前記開口縁部の外側面までの箱内外方向の間隔より広い電気接続箱である。
【0009】
前記ケース本体及び前記カバー体は、金属製や樹脂製で構成されたものを含む。また、前記ケース本体及び前記カバー体が金属製である場合には、締結材と同種金属又は異種金属を含む。
粉体状異物は、封止縁部から侵入可能な粉状の物質や粉粒体をさす。例えば、締結材とケース本体及びカバー体との摩擦で生じる摩耗粉や、締結材とケース本体及びカバー体との材質の違いにより生じる粉粒体、電気接続箱の外部から侵入する砂や埃などの粉塵などを含む。
【0010】
前記異物侵入抑制部は、前記開口縁部及び前記カバー縁部と前記リング部材との当接箇所への粉体状異物の侵入を抑制できればどのようなものであってもよい。例えば、締結箇所と嵌込溝との間に設けられた溝や段差構造、あるいは、嵌込溝に設けられた溝、ケース本体とカバー体との間に設けられた粗面部や粘着部などの別部材や別構成なども含む。
【0011】
この発明により、締結箇所と嵌込溝との間に設けられた異物侵入抑制部が粉体状異物の嵌込溝側への侵入を抑制できる。このため、粉体状異物がリング部材と干渉してリング部材を劣化させることを抑制でき、止水性を維持することができる。
【0012】
またこの発明の態様として、前記開口縁部における前記締結箇所と前記嵌込溝との箱内外方向の間隔が、前記開口縁部における前記締結箇所と前記開口縁部の外側面までの箱内外方向の間隔より広いため、開口縁部における締結箇所と嵌込溝との箱内外方向の間隔を長くすることができるため、外部から侵入した粉状体異物が締結箇所まで侵入することをより抑制できる。
【0013】
この発明の態様として、前記開口縁部における前記締結箇所と前記嵌込溝との箱内外方向の間隔が、前記ケース本体の壁厚より広くてもよい。
上述の前記ケース本体の壁厚とは、ケース本体における通常の壁厚であり、具体的な例として、ケース本体の壁厚の平均値や、ケース本体の一部分を極端に分厚く構成された場合におけるその箇所を除いた部分の壁厚などをさす。
【0014】
この発明によると、締結箇所と嵌込溝との箱内外方向の間隔が壁厚よりも広いため、締結箇所から開口縁部及びカバー縁部と前記リング部材との当接箇所までの距離を長くすることができる。このため、締結箇所と嵌込溝との間に粉体状異物が侵入した場合であっても、開口縁部及びカバー縁部とリング部材との当接箇所に粉状体異物が侵入することを抑制できる。
【0015】
また、開口縁部における締結箇所と嵌込溝との箱内外方向の間隔がケース本体の壁厚よりも広いため、箱内外方向に沿って確実に異物侵入抑制部を設けやすく、また複数の異物侵入抑制部を設けることもできる。したがって、開口縁部及びカバー縁部とリング部材との当接箇所に粉状体異物が侵入することをより抑制できる。
【0016】
またこの発明の態様として、前記異物侵入抑制部は、前記締結箇所と前記嵌込溝との間に設けられた、溝底が前記締結箇所より低い内溝部で構成されてもよい。
上述の前記締結箇所より低いとは、封止縁部の締結箇所に対応する箇所における、開口縁部とカバー縁部との当接面よりも低いことをさす。
【0017】
また、前記内溝部は、嵌込溝に沿って連続して又は所定の間隔を隔てて設けられてもよい。
【0018】
この発明により、締結材側から嵌込溝側に侵入してきた粉状体異物を内溝部に落下させることができるため、開口縁部及びカバー縁部とリング部材との当接箇所への粉体状異物の侵入をより抑制できる。
【0019】
またこの発明の態様として、前記内溝部は、前記封止縁部の外部まで貫通してもよい。
上述の外部まで貫通してとは、前記内溝部の底部の一部又は全部が前記封止縁部の外部まで貫通している場合を含む。
【0020】
この発明により、粉状体異物を封止縁部の外部に排出することができるため、内溝部に粉状体異物が溜まることがなく、粉状体異物が開口縁部及びカバー縁部とリング部材との当接箇所へ侵入することをより抑制できる。
【0021】
またこの発明の態様として、前記カバー縁部に、前記内溝部に嵌合する内溝嵌合凸部が設けられてもよい。
この発明により、内溝部に蓄積された粉状体異物が内溝部の溝底よりも上方に移動することをより抑制できる。このため、内溝部に蓄積された粉状体異物が、嵌込溝側に移動することを抑制できる。
【0022】
またこの発明の態様として、前記締結箇所より箱外側に、溝底が前記締結箇所より低い外溝部が形成されてもよい。
上述の前記締結箇所より低いとは、封止縁部の締結箇所に対応する箇所における、開口縁部とカバー縁部との当接面よりも低いことをさす。
【0023】
前記外溝部は、電気接続箱を車両に搭載した状態で、溝底が傾斜していてもよいし、水平となっていてもよい。
この発明により、外溝部の溝底よりも高い位置に締結箇所があるため、封止縁部の隙間から侵入した粉状体異物は、締結箇所を超えられずに外溝部に蓄積されることとなる。したがって、締結箇所を超えて箱内側に粉状体異物が移動することをより抑制できる。
【0024】
またこの発明の態様として、前記カバー縁部に、前記外溝部に嵌合する外溝嵌合凸部が設けられてもよい。
この発明により、外溝部に蓄積された粉状体異物が外溝部の溝底よりも上方に移動することを外溝嵌合凸部が抑制できるため、外溝部に蓄積された粉状体異物が、嵌込溝側に移動することをより抑制できる。
【0025】
またこの発明の態様として、前記異物侵入抑制部は、前記封止縁部を構成する前記開口縁部及び前記カバー縁部の対向する対向面のうち少なくとも一方に設けられた、表面粗さが他の部分の表面より粗い粗面部で構成されてもよい。
【0026】
前記粗面部は、粉体状異物と略同じ大きさ、あるいは粉体状異物の大きさに比べて大きな凹凸形状が構成された状態をさす。なお、前記粗面部は、規則的又は不規則に配置された凹凸形状であってもよい。また、前記粗面部は、上述の対向面のうち少なくとも一方の全部又は一部に設けられた場合を含む。
【0027】
なお、前記表面粗さは、一般的に定義される値を基準として算出してもよい。すなわち、算出方法については特に限定はなく、例えば、算術平均粗さRaや十点平均粗さRz、あるいは凹凸形状の平均間隔などで求められてもよい。
【0028】
この発明によると、粗面部は他の部分と比べて摩擦係数が大きいため、封止縁部に侵入した粉体状異物を粗面部に接着させることができる。これにより、粉体状異物が粗面部よりも嵌込溝側に移動することを抑制でき、粗面部よりも嵌込溝側に配置された嵌込溝に粉状体異物が侵入することをより確実に抑制できる。
【0029】
またこの発明の態様として、前記異物侵入抑制部は、前記封止縁部を構成する前記開口縁部及び前記カバー縁部の対向する対向面のうち少なくとも一方に設けられた、粘着性を有する粘着部で構成されてもよい。
【0030】
この発明により、封止縁部に侵入した粉体状異物を粘着部に粘着させることができるため、粉体状異物が粘着部よりも嵌込溝側に移動することをより抑制できる。したがって、粉体状異物が嵌込溝に侵入してリング部材と干渉し、リング部材が劣化することを防止できる。
【0031】
またこの発明の態様として、前記異物侵入抑制部は、前記開口縁部における締結箇所に形成された前記締結材が締結する締結穴に設けられてもよい。
上述の締結穴に設けるとは、締結穴の底部に設ける場合や、締結穴の開口部分に設ける場合、締結穴の側面に設ける場合を含む。
【0032】
この発明により、締結穴よりも嵌込溝側に粉体状異物を移動させることを抑制できる。
具体的には、外部より侵入してきた粉体状異物が締結穴に落下させて、締結穴の内部から嵌込溝側へ移動することを抑制できる。また、締結材が締結穴との摩擦などにより生じる粉体状異物や、締結材の腐食などにより生じる粉体状異物を締結穴から嵌込溝側へ移動することを抑制できる。
【0033】
さらにまた、ケース本体とカバー体とを締結固定することにより、締結穴が締結材で塞がれることとなるため、締結穴に蓄積された粉体状異物が外部に排出されることを抑制でき、嵌込溝側へ移動することをさらに抑制できる。
【0034】
またこの発明の態様として、前記異物侵入抑制部は、前記締結穴の上端開口部の周縁部に形成された上端凹部で構成されてもよい。
前記上端凹部は、円錐台や四角錐台などの錐台状に構成されたものや、円柱や多角柱などの柱状に構成されたものを含む。
【0035】
この発明により、粉体状異物を上端凹部に蓄積させることができるため、粉体状異物が嵌込溝側に移動することを抑制できる。特に、締結材を締結することにより生じる粉体状異物や、締結材とカバー体との間の腐食などにより生じる粉体状異物を上端凹部に蓄積することができる。
【0036】
またこの発明の態様として、前記異物侵入抑制部は、前記締結穴の上端開口部の周縁部に形成された、上方に向かって拡径方向に徐々に傾斜するテーパ部で構成されてもよい。
この発明により、粉体状異物を上端凹部に蓄積することができるとともに、粉体状異物をテーパ部に沿って締結穴に案内することができる。これにより、確実に粉体状異物を締結穴に蓄積することができる。
【0037】
また、ケース本体とカバー体とを締結固定する際に、テーパ部は締結材を締結穴に案内できるため、容易に締結することができるとともに、締結材が例えば締結穴における被締結部以外の箇所と不要に接触することを防止できる。これにより、確実にケース本体とカバー体とを締結固定できるとともに、不要な接触による粉体状異物の発生を抑制できる。
【0038】
またこの発明の態様として、前記異物侵入抑制部は、前記締結穴の底部と締結された前記締結材の先端部との間に形成された、前記粉体状異物が侵入できる底部空間で構成されてもよい。
この発明により、例えば封止縁部の隙間から侵入した粉体状異物や締結材と締結穴との間で生じた粉体状異物を底部空間に蓄積することができる。また、締結材で底部空間を塞ぐことができるため、底部空間に蓄積された粉体状異物が嵌込溝側に移動することをより確実に抑制できる。
【0039】
またこの発明の態様として、前記異物侵入抑制部は、前記締結箇所より前記嵌込溝側が高くなる内段差部で構成されてもよい。
この発明により、嵌込溝の箱外側が締結箇所よりも高くなるため、締結箇所から嵌込溝へ粉体状異物が移動することを妨げることができる。これにより、粉体状異物が嵌込溝側に移動することをより抑制できる。
【0040】
またこの発明の態様として、前記異物侵入抑制部は、前記封止縁部の内部に形成された、前記内段差部に沿う内部空間で構成されてもよい。
この発明により、内部空間に粉体状異物を蓄積することができるため、粉体状異物が嵌込溝側に移動することをより確実に抑制できる。
【0041】
またこの発明の態様として、前記締結箇所より箱外側に、該箱外側が低くなる外段差部が形成されてもよい。
この発明により、封止縁部における締結箇所が箱外側よりも高くなるため、箱外から封止縁部の隙間を通って締結箇所へ移動する粉体状異物の締結箇所への移動を妨げることができる。これにより、粉体状異物が嵌込溝側に移動することをより確実に抑制できる。
【0042】
またこの発明の態様として、前記異物侵入抑制部は、前記嵌込溝の溝底面における前記リング部材の外側に設けられた溝内凹部で構成されてもよい。
この発明により、嵌込溝に侵入してきた粉体状異物を溝内凹部に蓄積することができる。これにより、リング部材に粉体状異物が干渉することを抑制することができる。
【0043】
またこの発明の態様として、前記異物侵入抑制部は、前記嵌込溝における溝底面が、箱外側が低くなる傾斜底面で構成されてもよい。
この発明により、嵌込溝に侵入した粉体状異物を、嵌込溝の内部における箱外側に案内することができる。これにより、リング部材に粉体状異物が干渉することを抑止することができる。
【0044】
またこの発明の態様として、前記ケース本体及び前記カバー体は、金属材料で構成されてもよい。
この発明により、電気接続箱の強度を向上させることができるとともに、ケース本体及びカバー体と締結材との間で生じる金属製の粉状体異物が生じる場合であっても、嵌込溝の内部に粉状体異物が侵入することを防止できる。
【発明の効果】
【0045】
本発明は、粉体状異物の侵入を抑制できる電気接続箱を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】電気接続箱の概略斜視図。
図2】電気接続箱の概略分解斜視図。
図3】電気接続箱の平面図。
図4】封止縁部の拡大断面図。
図5】他の実施形態における封止縁部の拡大断面図。
図6】他の実施形態における封止縁部の拡大断面図。
図7】他の実施形態における封止縁部の拡大断面図。
図8】他の実施形態における封止縁部の拡大断面図。
図9】他の実施形態における封止縁部の拡大断面図。
図10】他の実施形態における封止縁部の拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
本実施形態の電気接続箱1は、例えば車両のエンジンルームに配置されている。このような電気接続箱1について、図1から図4に基づいて説明する。
【0048】
図1は電気接続箱1の概略斜視図を示し、図2は電気接続箱1の概略分解斜視図を示す。図3は電気接続箱1を構成するロアケース10の平面図を示し、図4図3中におけるA-A矢視断面図を示す。
なお、図5乃至図10は、電気接続箱1の別実施形態におけるA-A矢視断面図を示す。
【0049】
ここで、図1中の上下方向を上下方向Zとし、電気接続箱1の幅方向(図1において左上と右下とを結ぶ方向)を幅方向Wとし、電気接続箱1の奥行方向(図1において左下と右上とを結ぶ方向)を奥行方向Hとしている。そして、上下方向Zにおいて上側を上方向Zuとするとともに、下側を下方向Zdとする。
また、箱の内外方向を箱内外方向Xとし、箱の内側方向を箱内側方向INとし、箱の箱外側方向OUTとする。なお、これらの方向は、便宜上、図2乃至図10において同様とする。
【0050】
電気接続箱1は、内部にヒューズやバスバーなどの電子部品が収納されているアルミ製のダイキャスト製品の筐体であり、電子部品は車両に搭載されたバッテリや他の電子機器、あるいは、車室内に配置された電子機類と電気的に接続されている。
【0051】
この電気接続箱1は、図1及び図2に示すように、ロアケース10と、アッパーケース20と、ロアケース10とアッパーケース20とで挟まれるリング部材30とで構成されている。そして、ロアケース10とアッパーケース20をボルト40で締結固定することで電気接続箱1を組み付けている。
【0052】
まず、ロアケース10とアッパーケース20を締結固定するボルト40について説明する。ボルト40は鉄製の締結材であり、図2に示すように、円柱状のボルト頭部41と、ボルト頭部41から下方向Zdに延出するボルト先端部42とで一体に構成されている。このボルト先端部42には、螺合できるようにネジ山が設けられている。
【0053】
電気接続箱1を構成するロアケース10は、上方向Zuが開口した開口部Oを有する内部中空状の筐体であり、内部には電子部品を収容する空間が構成されている。このロアケース10は、図1乃至図4に示すように、ロア底面部11と、ロア側面部12と、ロア縁部13と、ロア側締結部14とで構成されている。
【0054】
ロア底面部11は、図1乃至図3に示すように、平面視略長方形状の平板であり、電気接続箱1の底面を構成している。そして、このロア底面部11の外縁からはロア側面部12が立設している。なお、このロア底面部11及びロア側面部12は同じ板厚を有し、その長さを第1長L1とする。
【0055】
ロア縁部13は、ロア側面部12の外縁から電気接続箱1の箱外側方向OUTにむけて突出する突出片であり、所定の板厚を有している。このロア縁部13がロアケース10の箱外側方向OUTに向けて突出する突出長は、第2長L2である。この第2長L2はロア側面部12の板厚の長さである第1長L1よりも長くなるように構成されている。
【0056】
このように構成されたロア縁部13の箱内側方向INには、下方向Zdに向けて窪ませた嵌込溝50がロア側面部12の外縁に沿って環状に形成されている。
嵌込溝50は、図4に示すように、嵌込溝本体51と、嵌込溝本体51の箱外側の底部に設けられた溝内凹部52とで構成されている。
【0057】
嵌込溝本体51は、ロア縁部13の箱内側方向INの端部に設けられた溝であり、箱内外方向Xに沿った面から視た断面における断面形状が断面凹状に形成されている。なお、この嵌込溝本体51の箱内外方向Xに沿った溝幅は、上下方向Zに沿った溝深さのおよそ2倍となっている。
【0058】
溝内凹部52は、嵌込溝本体51の底面(本体底面51a)の箱外側方向OUTの端部において、下方向Zdに窪ませた溝であり、溝内凹部52の底面(凹部底面52a)は、箱外側方向OUTに向かうに伴い下方向Zdに傾斜している。
【0059】
また、図1及び図2に示すように、ロア縁部13における各角部分及び幅方向Wに沿った辺の中央部分には、ロア側締結部14が設けられている。このロア側締結部14は、ロアケース10とアッパーケース20とを締結固定するボルト40を螺合するための締結箇所であり、ロア側締結部14の中央部分には、ボルト先端部42と螺合する有底円筒状の円筒穴部15が設けられている。
【0060】
円筒穴部15は、図2及び図4に示すように、円筒内面15aと、円筒底面15bと、傾斜縁部15cとで構成されている。
円筒内面15aは、ボルト先端部42の外径と同じ内径を有する円筒状の内周面であり、表面にはボルト先端部42のネジ山と螺合可能に構成されたネジ溝(図示省略)が設けられている。
【0061】
円筒底面15bは、円筒内面15aにおける下方向Zdの端部に設けられた底面である。この円筒底面15bは、図4に示すように、ロアケース10とアッパーケース20とをボルト40で締結固定した状態において、ボルト先端部42の下方向Zdの端部よりも下方向Zdに配置されている。すなわち、ロアケース10とアッパーケース20とをボルト40で締結固定した状態において、ボルト先端部42の底面と円筒底面15bとの間には、底部空間S1が構成される。
【0062】
傾斜縁部15cは、図4に示すように、上方向Zuに向かうに伴い円筒内面15aの上方向Zuの端部から径方向外側に向けて傾斜しており、円筒内面15aの上端部とロア縁部13の上面とを連結している。
【0063】
なお、図4に示すように、円筒穴部15の箱外側方向OUTからロア側締結部14の箱外側方向OUTの端部までの長さを第3長L3とし、円筒穴部15の箱内側方向INから嵌込溝50の箱外側方向OUTの端部までの長さを第4長L4する。そして、上述のように構成された円筒穴部15と嵌込溝50は、第4長L4が第1長L1及び第3長L3よりも長くなるように配置されている。
【0064】
また、嵌込溝50と円筒穴部15との間の中間部分には、図4に示すように、ロア縁部13の上面から下方向Zdに窪ませた有底の内溝部61が嵌込溝50に沿って設けられている。この内溝部61の溝の深さは、嵌込溝50と略同じであり、溝底がボルト40を円筒穴部15に締結する箇所におけるロア縁部13の上面よりも低い位置にある。
【0065】
アッパーケース20は、ロアケース10の開口部Oを塞ぐ蓋であり、図1乃至図4に示すように、アッパー上面部21と、アッパー側面部22と、アッパー縁部23と、アッパー側締結部24とで構成されている。
【0066】
アッパー上面部21は、ロア底面部11と同様に、平面視略長方形状の平板であり、電気接続箱1の上面を構成している。そして、アッパー上面部21の外縁からはアッパー側面部22が下方向Zdに向けて立設している。
【0067】
アッパー縁部23は、図1乃至図4に示すように、アッパー側面部22の外縁から電気接続箱1の外側に向けて突出する突出片であり、その突出量は、ロア側面部12に対するロア縁部13の突出量(第2長L2)と等しい。また、このアッパー縁部23の幅方向Wに沿った辺の中央部分及び各角部分にはアッパー側締結部24が設けられている。
【0068】
このアッパー側締結部24は、ロア側締結部14と同様に、締結材であるボルト40を挿通させて固定するための締結部位であり、中央部分には上下方向Zに沿って貫通するアッパー側挿通孔25が設けられている。なお、アッパー側挿通孔25の内径は、ボルト先端部42の外径と等しく構成され、アッパー側挿通孔25の内周面(挿入口内周面25a)には、ボルト先端部42のネジ山と螺合するネジ溝(図示省略)が設けてある。
【0069】
そして、アッパー側挿通孔25の箱内側方向INには、ロアケース10とアッパーケース20とを組み付けた組み付け状態において、下方向Zdに向けて突出する内溝嵌合突部62が、アッパー側面部22の外周に沿って立設されている。より具体的には、内溝嵌合突部62は、ロアケース10とアッパーケース20とを組み付けた状態で、内溝部61と対向する位置に配置されている。なお、この内溝嵌合突部62は、内溝部61の深さと同じ高さを有する。
【0070】
リング部材30は、円環状に構成された、弾性を有するゴム製のOリングである。このリング部材30は、図2に示すように、環状に設けられたリング本体31と、リング本体31から外側に向けて突出するリング凸部32とで構成されている。
【0071】
リング本体31は、断面が略真円状に構成された環状体であり、全長が嵌込溝本体51の全長よりもわずかに短くなるように構成されている。また、リング本体31の断面の直径は、嵌込溝本体51の深さよりもわずかに長く、嵌込溝本体51の幅のおよそ半分となるように構成されている。
【0072】
リング凸部32は、図2に示すように、リング本体31の軸方向と直交する方向のうちの一方向に沿って両側に突出している。このリング凸部32の突出量は、リング本体31の外径のおよそ4分の1である。このように構成されたリング凸部32は、リング本体31に沿って所定の間隔を隔てて複数(本実施形態では6つ)設けられている。
【0073】
このように構成されたリング部材30をロア縁部13に設けられた嵌込溝50に嵌め込み、ロアケース10とアッパーケース20とをボルト40で締結固定することで電気接続箱1を組み付けることができる。また、このようにロアケース10とアッパーケース20とを組み付けた電気接続箱1には、互いに対向するロア縁部13とアッパー縁部23とで構成された封止縁部2が構成される。
【0074】
なお、嵌込溝50に嵌め込まれたリング部材30は、リング本体31の全長が嵌込溝本体51の全長よりもわずかに短く構成されているため、図4に示すように、リング部材30は嵌込溝本体51の箱内側側面と当接するように嵌込溝本体51に配置される。また、嵌込溝本体51に嵌め込まれたリング部材30は、図4に示すように、アッパー縁部23によって面圧され、断面が楕円状となる。
【0075】
また、封止縁部2における円筒穴部15と嵌込溝50の中央部分では、内溝部61に対して内溝嵌合突部62が嵌合することとなる。このよう嵌合された内溝部61と内溝嵌合突部62とで、嵌込溝50の外縁に沿った内側侵入抑制部60を構成する。
【0076】
この封止縁部2には、箱外側方向OUTから箱内側方向INに向けて、円筒穴部15、内側侵入抑制部60、溝内凹部52がこの順で配置されている。この内側侵入抑制部60によって、例えば外部から侵入する砂や埃などの粉塵や、ボルト40と円筒穴部15との摩耗により生じる摩耗粉、ロアケース10とアッパーケース20とボルト40との金属種の違いにより生じる粉粒体などの粉状体異物が嵌込溝50への侵入が抑制される。
【0077】
このように電気接続箱1は、開口部O及びロア縁部13を有するロアケース10と、ロアケース10の開口部Oを塞ぐとともに、ロア縁部13と合わさるアッパー縁部23を有するアッパーケース20とが備えられている。また、ロア縁部13に形成された嵌込溝50に嵌め込まれるゴム製のリング部材30とが備えられている。そして、ロア縁部13とアッパー縁部23とが合わさって封止する封止縁部2が構成されるとともに、アッパー縁部23を貫通し、封止縁部2の円筒穴部15を締結するボルト40が備えられている。さらに、ロア縁部13及びアッパー縁部23とリング部材30との当接箇所への粉体状異物の侵入を抑制する内側侵入抑制部60が、円筒穴部15と嵌込溝50との間に設けられている。
【0078】
これにより、円筒穴部15と嵌込溝50との間に設けられた内側侵入抑制部60が粉体状異物の箱内側方向INへの侵入を抑制できる。これにより、粉体状異物がリング部材30を劣化させることを抑制でき、止水性を維持することができる。
【0079】
より具体的には、ロアケース10及びアッパーケース20は金属材料であるアルミ製であり、ロアケース10とアッパーケース20とを締結固定するボルト40は鉄製の締結材である。このロアケース10及びアッパーケース20とボルト40との間に水が入り込むとで、イオン化傾向の違いにより粉体状異物が生じるおそれがある。
【0080】
また、ロア縁部13とアッパー縁部23との間から外部の砂や埃などの粉体状異物が入りこみことがある。さらには、円筒穴部15及びアッパー側挿通孔25とボルト40との締結固定による摩擦により、摩耗粉(粉体状異物)が生じることもある。
【0081】
これらの粉体状異物がゴム製のリング部材30と干渉することで、リング部材30を損傷させたり、劣化させたりするおそれがある。しかしながら、円筒穴部15と嵌込溝50との間に内側侵入抑制部60を設けることで、粉体状異物が箱内側方向INに侵入することを抑制することができる。
【0082】
また、ロア縁部13における円筒穴部15と嵌込溝50との箱内外方向Xの間隔(第4長L4)が、ロアケース10の壁厚(第1長L1)より広いため、ロア縁部13及びアッパー縁部23とリング部材30との当接箇所までの距離を長くすることができる。これにより、円筒穴部15と嵌込溝50との間に粉体状異物が侵入した場合であっても、ロア縁部13及びアッパー縁部23とリング部材30との当接箇所に粉状体異物が侵入することを抑制できる。
【0083】
さらにまた、ロア縁部13における円筒穴部15と嵌込溝50との箱内外方向Xの間隔がロアケース10の壁厚よりも広いため、箱内外方向Xに沿って内側侵入抑制部60を設けやすく、また複数の内側侵入抑制部60を設けることもできる。したがって、ロア縁部13及びアッパー縁部23とリング部材30との当接箇所に粉状体異物が侵入することをより抑制できる。
【0084】
さらにまた、ロア縁部13における円筒穴部15と嵌込溝50との箱内外方向Xの間隔(第4長L4)が、ロア縁部13における円筒穴部15とロア縁部13の外側面までの箱内外方向Xの間隔(第3長L3)より広い。これにより、ロア縁部13における円筒穴部15と嵌込溝50との箱内外方向Xの間隔を長くできる。したがって、外部から侵入した粉状体異物が円筒穴部15まで侵入することをより抑制できる。
【0085】
また、円筒穴部15と嵌込溝50との間に設けられた、溝底が円筒穴部15の設けられたロア縁部13の上面より低い内溝部61が設けられることにより、箱外側方向OUTから箱内側方向INに侵入してきた粉状体異物が内溝部61に落下させることができる。このため、ロア縁部13及びアッパー縁部23とリング部材30との当接箇所への粉体状異物の侵入をより抑制できる。
【0086】
さらにまた、アッパー縁部23に、内溝部61に嵌合する内溝嵌合突部62が設けられていることにより、内溝部61に落とされた粉状体異物が内溝部61の溝底よりも上方に移動することをより抑制できる。このため、内溝部61に蓄積された粉状体異物が、箱内側方向INに移動することを抑制できる。
【0087】
また、ロア縁部13におけるロア側締結部14に形成されたボルト40が締結する円筒穴部15により、円筒穴部15よりも箱内側方向INに粉体状異物を移動させることを抑制できる。
具体的には、外部より侵入してきた粉体状異物が円筒穴部15に落下した場合には、円筒穴部15の内部から箱内側方向INへ粉体状異物が移動することを抑制できる。また、ボルト40が円筒穴部15との摩擦などにより生じる粉体状異物や、ボルト40の腐食などにより生じる粉体状異物を円筒穴部15から箱内側方向INへ移動することを抑制できる。
【0088】
さらにまた、ロアケース10とアッパーケース20とを締結固定することにより、円筒穴部15がボルト40で塞がれるため、円筒穴部15に蓄積された粉体状異物が外部に排出されることを抑制でき、箱内側方向INへ移動することをさらに抑制できる。
【0089】
また、円筒穴部15の上端開口部の周縁部に傾斜縁部15cが設けられていることにより、粉体状異物を傾斜縁部15cに蓄積することができ、粉体状異物が箱内側方向INに移動することを抑制できる。特に、ボルト40をアッパー側挿通孔25と締結することにより生じる粉体状異物や、ボルト40とアッパー側挿通孔25との間の腐食などにより生じる粉体状異物を傾斜縁部15cに蓄積することができる。
【0090】
さらにまた、円筒穴部15の上端開口部の周縁部に形成された傾斜縁部15cは、Zuに向かって拡径方向に徐々に傾斜するように構成されている。これにより、粉体状異物を傾斜縁部15cに蓄積することができるとともに、粉体状異物を傾斜縁部15cに沿って円筒穴部15に案内することができる。したがって、確実に粉体状異物を円筒穴部15に蓄積することができる。
【0091】
また、ロアケース10とアッパーケース20とを締結固定する際に、傾斜縁部15cはボルト40を円筒穴部15に案内できるため、容易に締結することができるとともに、ボルト40が例えば円筒穴部15における被締結部以外の箇所と不要に接触することを防止できる。これにより、確実にロアケース10とアッパーケース20とを締結固定できるとともに、不要な接触による粉体状異物の発生を抑制できる。
【0092】
また、円筒穴部15の底部と締結されたボルト40の先端部との間に形成された、粉体状異物が侵入できる底部空間S1が構成されている。このことにより、例えばロア縁部13とアッパー縁部23との隙間から侵入した粉体状異物やボルト40と円筒穴部15との間で生じた粉体状異物を底部空間S1に蓄積することができる。また、ボルト40で底部空間S1を塞ぐことができるため、底部空間S1に蓄積された粉体状異物が箱内側方向INに移動することをより確実に抑制できる。
【0093】
また、嵌込溝50の本体底面51aにおけるリング部材30の外側に設けられた溝内凹部52で構成されていることにより、嵌込溝50に侵入してきた粉体状異物を溝内凹部52に蓄積することができる。これにより、リング部材30に粉体状異物が干渉することを抑制することができる。
【0094】
また、嵌込溝50における溝底面が、箱外側が低くなる凹部底面52aで構成されていることにより、嵌込溝50に侵入した粉体状異物を、嵌込溝50の内部における箱外側に案内することができる。これにより、リング部材30に粉体状異物が干渉することを抑止することができる。
【0095】
さらにまた、ロアケース10及びアッパーケース20は、金属材料で構成されていることにより、電気接続箱1の強度を向上させることができる。また、ロアケース10及びアッパーケース20とボルト40との間で生じる金属製の粉状体異物が生じる場合であっても、嵌込溝50の内部に粉状体異物が侵入することを防止できる。
【0096】
次に、図5に示す第2実施形態の電気接続箱1wについて説明する。
電気接続箱1wは、上述の電気接続箱1と同様の構成を備え、同様の効果を奏するが、さらなる効果を奏する特徴的な構成を備えている。以下では、電気接続箱1wにおいて電気接続箱1と同様の構成については同じ符号を付してその説明は省略し、特徴的な構成について詳細に説明する。後述する他の実施形態の説明においても同様に、それぞれの実施形態における特徴的な構成について説明するものとする。
【0097】
電気接続箱1は、ロアケース10とアッパーケース20とを組み付けた組付状態において、箱外側方向OUTから箱内側方向INに向かって、円筒穴部15と、内側侵入抑制部60と、嵌込溝50とがこの順で封止縁部2に配置されている。
【0098】
電気接続箱1wは、電気接続箱1と同様に、箱外側方向OUTから箱内側方向INに向かって、円筒穴部15と、内側侵入抑制部60に対応する内側侵入抑制部60wと、嵌込溝50とがこの順で封止縁部2に配置されている。
【0099】
この内側侵入抑制部60wは、内溝部61の底面(内溝底面61a)の箱内側方向INの端部に、下方向Zdに向けて貫通する貫通孔63が嵌込溝50に沿って所定の間隔を隔てて設けられている。
【0100】
このように電気接続箱1wは、封止縁部2の外部まで貫通する貫通孔63を内溝底面61aに設けることにより、粉状体異物を封止縁部2の外部に排出することができる。これにより、内溝部61に粉状体異物が溜まることがなく、粉状体異物がロア縁部13及びアッパー縁部23とリング部材30との当接箇所へ侵入することをより抑制できる。
【0101】
なお、電気接続箱1wにおいて、貫通孔63は内溝部61の底面から下方向Zdに向けて貫通している。しかしながら、例えば、内側侵入抑制部60wが嵌込溝50に沿って所定の間隔を隔てて配置している場合には、内側侵入抑制部60wの底面の一部のみならず、内側侵入抑制部60wがロア縁部13の下方向Zdまで貫通していてもよい。
【0102】
次に、図6に示す第2実施形態の電気接続箱1xについて説明する。
電気接続箱1xは、上述の電気接続箱1と同様の構成を備え、同様の効果を奏するが、さらなる効果を奏する特徴的な構成を備えている。以下では、電気接続箱1xにおいて電気接続箱1と同様の構成については同じ符号を付してその説明は省略し、特徴的な構成について詳細に説明する。後述する他の実施形態の説明においても同様に、それぞれの実施形態における特徴的な構成について説明するものとする。
【0103】
電気接続箱1は、ロアケース10とアッパーケース20とを組み付けた組付状態において、箱外側方向OUTから箱内側方向INに向かって、円筒穴部15と内側侵入抑制部60と嵌込溝50とがこの順で封止縁部2に配置されている。
【0104】
これに対して、電気接続箱1xは、電気接続箱1と同様に、箱外側方向OUTから箱内側方向INに向かって、円筒穴部15と粗面部70と嵌込溝50とがこの順で封止縁部2に配置されている。すなわち、電気接続箱1xでは、内側侵入抑制部60の代わりに粗面部70が円筒穴部15と嵌込溝50との間に設けられている。
【0105】
この粗面部70は、封止縁部2の箱内外方向Xの中央部分において、互いに対向するロア縁部13の上面及びアッパー縁部23の底面に設けられた凹凸状の面であり、嵌込溝50の箱外側方向OUTに設けられている。
【0106】
この粗面部70は、ロア縁部13の上面に設けられた下方側粗面部71と、アッパー縁部23の底面に設けられた上方側粗面部72とで構成されている。この下方側粗面部71及び上方側粗面部72は、凹部と凸部が不規則に配置された凹凸形状で構成されている。この凹部の底と凸部の頂点部分との高さの差の平均値は、粉体状異物の大きさに比べて大きくなるように構成されている。したがって、粗面部70の摩擦係数は、ロア縁部13及びアッパー縁部23の他の部分と比べて摩擦係数が大きくなっている。
なお、本実施形態では、ロアケース10とアッパーケース20とを組み付けた状態において、下方側粗面部71と上方側粗面部72とが互いに噛み合うように設けられている。
【0107】
このように電気接続箱1xは、封止縁部2を構成するロア縁部13及びアッパー縁部23の対向する対向面に、表面粗さが他の部分の表面より粗い粗面部70が設けられている。そして、この粗面部70は他の部分と比べて摩擦係数が大きいため、封止縁部2に侵入した粉体状異物は、粗面部70に接着される。
【0108】
なお、粗面部70における表面粗さは、一般的に定義される値を基準として算出してもよい。すなわち、算出方法については特に限定はなく、例えば、算術平均粗さRaや十点平均粗さRz、あるいは凹凸形状の平均間隔などで求められる。
【0109】
これにより、電気接続箱1xでは、粉体状異物が粗面部70よりも箱内側方向INに移動することを抑制でき、粗面部70よりも箱内側方向INに配置された嵌込溝50に粉状体異物が侵入することをより確実に抑制できる。
【0110】
なお、電気接続箱1xでは、ロア縁部13の上面とアッパー縁部23の底面とに粗面部70がそれぞれ設けられているが、ロア縁部13の上面とアッパー縁部23の底面の一方にのみ粗面部70を設けてもよい。また、ロアケース10とアッパーケース20とを組み付けた状態において、下方側粗面部71と上方側粗面部72とが互いに噛み合う必要はない。
【0111】
また、粗面部70は凹凸形状が規則的に配置されていてもよく、さらには、粗面部70の凹凸形状は、凹部の底と凸部の頂点部分との高さの差の平均値は、粉体状異物の大きさと略同じ大きさであってもよい。
【0112】
また、電気接続箱1xでは、円筒穴部15と嵌込溝50との間に粗面部70を設けているが、粗面部70の代わりに、粘着性を有する粘着部70xを設けてもよい(図7参照)。なお、図7に図示する電気接続箱1xでは、粘着部70xが、ロア縁部13の上面にのみ設けられている。
【0113】
これにより、封止縁部2に侵入した粉体状異物を粘着部70xに粘着させることができるため、粉体状異物が粘着部70xよりも箱内側方向INに移動することをより抑制できる。したがって、粉体状異物が嵌込溝50に侵入してリング部材30と干渉し、リング部材30が劣化することを防止できる。
【0114】
次に、図8に示す第4実施形態の電気接続箱1yについて説明する。
電気接続箱1yは、上述の電気接続箱1と同様の構成を備え、同様の効果を奏するが、さらなる効果を奏する特徴的な構成を備えている。以下では、電気接続箱1yにおいて電気接続箱1と同様の構成については同じ符号を付してその説明は省略し、特徴的な構成について詳細に説明する。後述する他の実施形態の説明においても同様に、それぞれの実施形態における特徴的な構成について説明するものとする。
【0115】
電気接続箱1は、図4に示すように、ロアケース10とアッパーケース20とを組み付けた組付状態において、箱外側方向OUTから箱内側方向INに向かって、円筒穴部15と内側侵入抑制部60と嵌込溝50とがこの順で封止縁部2に配置されている。
【0116】
これに対して、電気接続箱1yは、電気接続箱1と同様に、箱外側方向OUTから箱内側方向INに向かって、円筒穴部15と内側侵入抑制部60と嵌込溝50とがこの順で封止縁部2に配置されているとともに、円筒穴部15の箱外側方向OUTに外側抑制部80が設けられている。
【0117】
外側抑制部80は、図8に示すように、封止縁部2における円筒穴部15の箱外側方向OUTに設けられている。この外側抑制部80は、アッパー縁部23と当接するロア縁部13の上面の一部を上方向Zuに窪んで構成された外溝部81と、外溝部81に対して嵌合する外溝嵌合凸部82とで構成されている。
【0118】
外溝部81は、図8に示すように、ロア縁部13の箱外側方向OUTに設けられた溝であり、箱内外方向Xに沿った面から視た断面における断面形状が断面凹状に形成されている。
外溝嵌合凸部82は、アッパー縁部23の箱外側方向OUTに設けられた突出部であり、ロアケース10とアッパーケース20とを組み付けた組み付け状態において、外溝部81と嵌合するように構成されている。
【0119】
このように構成された電気接続箱1yは、円筒穴部15より箱外側(箱外側方向OUT)に、溝底が円筒穴部15の設けられたロア縁部13の上面より低い外溝部81が形成されている。これにより、外溝部81の溝底よりも高い位置に円筒穴部15があるため、箱外側方向OUTから封止縁部2の隙間に侵入した粉状体異物は、外溝部81に落下して蓄積されることとなる。したがって、円筒穴部15を超えて箱内側(箱内側方向IN)に粉状体異物が移動することをより抑制できる。
【0120】
また、アッパー縁部23に、外溝部81に嵌合する外溝嵌合凸部82が設けられていることにより、外溝部81に蓄積された粉状体異物が外溝部81の溝底よりも上方に移動することを外溝嵌合凸部82により抑制できる。このため、外溝部81に蓄積された粉状体異物が、箱内側方向INに移動することをより抑制できる。
【0121】
なお、電気接続箱1yにおいて、外溝部81の溝底は、電気接続箱1を車両に搭載した状態で、水平となっている。しかしながら、この外溝部81の溝底は傾斜していてもよい。また、外溝部81に対して外溝嵌合凸部82が嵌合した状態において、外溝嵌合凸部82の底面と外溝部81の溝底面との間に空間が設けられてもよい。
【0122】
さらにまた、電気接続箱1yにおいて、外溝部81は箱内外方向Xに沿った面から視た断面における断面形状が断面凹状に形成された溝で構成されている。しかしながら、円筒穴部15の箱外側方向OUTに必ずしも溝を形成する必要はなく、外溝部81の代わりに、外段差部81yを設けてもよい(図9参照)。
【0123】
この外段差部81yは、図9に示すように、ロア縁部13の箱外側方向OUTの端部を下方向Zdに切り欠いて設けられた段差である。すなわち、外段差部81yは、13の上端面よりも下方側に段差の底面が設けられる。
【0124】
なお、アッパー縁部23の箱外側方向OUTの端部には、外段差部81yと嵌合するように構成された外側段差嵌合部82yが設けられている。また、外段差部81yと外側段差嵌合部82yとで、外側抑制部80yを構成する。
このように、円筒穴部15より箱外側に、箱外側が低くなる外段差部81yが形成されていることにより、粉体状異物が箱内側方向INに移動することをより確実に抑制できる。
【0125】
次に、図10に示す第5実施形態の電気接続箱1zについて説明する。
電気接続箱1zは、上述の電気接続箱1と同様の構成を備え、同様の効果を奏するが、さらなる効果を奏する特徴的な構成を備えている。以下では、電気接続箱1zにおいて電気接続箱1と同様の構成については同じ符号を付してその説明は省略し、特徴的な構成について詳細に説明する。後述する他の実施形態の説明においても同様に、それぞれの実施形態における特徴的な構成について説明するものとする。
【0126】
電気接続箱1は、図4に示すように、ロアケース10とアッパーケース20とを組み付けた組付状態において、箱外側方向OUTから箱内側方向INに向かって、円筒穴部15と内側侵入抑制部60と嵌込溝50とがこの順で封止縁部2に配置されている。
【0127】
これに対して、電気接続箱1zは、電気接続箱1と同様に、箱外側方向OUTから箱内側方向INに向かって、円筒穴部15と内側侵入抑制部60と嵌込溝50とがこの順で封止縁部2に配置され、内側侵入抑制部60と嵌込溝50との間に内側段差抑制部90が設けられている。
【0128】
内側段差抑制部90は、図8に示すように、封止縁部2における嵌込溝50の箱外側方向OUTに設けられている。この内側段差抑制部90は、ロア縁部13に設けられた内段差部91と、アッパー縁部23を切り欠いた内段差当接部92とで構成されている。
【0129】
内段差部91は、図10に示すように、ロア縁部13における嵌込溝50の箱外側方向OUTから上方向Zuに突出するように設けられている。すなわち、内段差部91はロア縁部13の上面よりも上方向Zuに設けられている。
【0130】
内段差当接部92は、アッパー縁部23の箱内側方向INを切り欠いて構成されている。このアッパー縁部23の底面に対する内段差当接部92の切り欠きの深さは、内段差部91の高さと等しくなるように構成されている。また、内段差当接部92の箱外側方向OUTの外側端面92aは、内段差部91の箱外側方向OUTの突出外面91aよりも箱外側方向OUTに配置されており、外側端面92aと突出外面91aとの間に、内側空間S2を構成している。
【0131】
このように構成された電気接続箱1zは、円筒穴部15より箱内側方向INが高くなる内段差部91が設けられていることにより、円筒穴部15から嵌込溝50へ粉体状異物が移動することを妨げることができる。これにより、粉体状異物が箱内側方向INに移動することをより抑制できる。
【0132】
また、内側段差抑制部90には、封止縁部2の内部に形成された、内段差部91に沿う内側空間S2で構成されていることにより、内側空間S2に粉体状異物を蓄積することができるため、粉体状異物が箱内側方向INに移動することをより確実に抑制できる。
【0133】
なお、電気接続箱1zにおいて、内段差部91及び内段差当接部92とで内側空間S2を構成しているが、必ずしも内側空間S2を構成する必要はなく、例えば突出外面91aと外側端面92aとが当接するように構成されていてもよい。
【0134】
また、電気接続箱1zにおいて、内段差当接部92はアッパー縁部23の箱内側方向INの端部までを切り欠いて構成されているが、アッパー縁部23に外溝部81が嵌合できるような凹部であってもよい。
【0135】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、開口部は、開口部Oに対応し、
以下同様に、
開口縁部は、ロア縁部13に対応し、
ケース本体は、ロアケース10に対応し、
カバー縁部は、アッパー縁部23に対応し、
カバー体は、アッパーケース20に対応し、
嵌込溝は、嵌込溝50に対応し、
リング部材は、リング部材30に対応し、
封止縁部は、封止縁部2に対応し、
締結材は、ボルト40に対応し、
異物侵入抑制部は、円筒穴部15、溝内凹部52、内側侵入抑制部60、粗面部70、外側抑制部80、内側段差抑制部90に対応し、
電気接続箱は、電気接続箱1、電気接続箱1w、電気接続箱1x、電気接続箱1y、電気接続箱1zに対応し、
内溝部は、内溝部61に対応し、
内溝嵌合凸部は、内溝嵌合突部62に対応し、
締結穴は、円筒穴部15に対応し、
上端凹部は、傾斜縁部15cに対応し、
テーパ部は、傾斜縁部15cに対応し、
底部空間は、底部空間S1に対応し、
溝内凹部は、溝内凹部52に対応し、
傾斜底面は、凹部底面52aに対応し、
粗面部は、粗面部70に対応し、
粘着部は、粘着部70xに対応し、
外溝部は、外溝部81に対応し、
外溝嵌合凸部は、外溝嵌合凸部82に対応し、
内段差部は、外溝部81に対応し、
内部空間は、内側空間S2に対応し、
外段差部は、外段差部81yに対応するも、この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施形態を得ることができる。
【0136】
なお、本実施形態では、ロアケース10及びアッパーケース20は、アルミ製であるが、アルミ製に限られず、他の金属製や樹脂製で構成されたものを含む。
また、上述の電気接続箱1,1w,1x,1y,1zの構成は、その構成に限定するものでなく、それぞれの構成を適宜組み合わせても構わない。例えば、粗面部70や粘着部70xを電気接続箱1における円筒穴部15と内側侵入抑制部60との間に設けてもよいし、円筒穴部15の箱外側方向OUTに設けてもよい。また、内溝底面61aに粗面部70や粘着部70xを設けてもよい。
【0137】
また、本実施形態において、ロア側面部12の板厚(すなわち壁厚)の長さは第1長L1で、一定としている。しかしながら、ロア側面部12の板厚が部分的の異なるような電気接続箱も考えられる。このようにロア側面部12の板厚が部分的の異なるような場合におけるロア側面部12の板厚は、例えばロア側面部12の板厚の平均値として算出してもよいし、部分的に板厚が異なる箇所を除いたロア側面部12の板厚として算出してもよい。
【符号の説明】
【0138】
1,1x~1z 電気接続箱
2 封止縁部
10 ロアケース
13 ロア縁部
15 円筒穴部
15c 傾斜縁部
15c 傾斜縁部
20 アッパーケース
23 アッパー縁部
30 リング部材
40 ボルト
50 嵌込溝
52 溝内凹部
52a 凹部底面
60 内側侵入抑制部
61 内溝部
62 内溝嵌合突部
70 粗面部
70x 粘着部
80 外側抑制部
81 外溝部
82 外溝嵌合凸部
90 内側段差抑制部
91 内段差部
81y 外段差部
S1 底部空間
S2 内側空間
O 開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10