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特開2023-184719現像剤収容容器、現像装置及び画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184719
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】現像剤収容容器、現像装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20231221BHJP
   G03G 21/18 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
G03G15/08 390Z
G03G21/18 110
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023191631
(22)【出願日】2023-11-09
(62)【分割の表示】P 2022208415の分割
【原出願日】2018-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(72)【発明者】
【氏名】川島 直大
(72)【発明者】
【氏名】藤原 香弘
(72)【発明者】
【氏名】押川 雄樹
(72)【発明者】
【氏名】土屋 右騎
(72)【発明者】
【氏名】間瀬 隆介
(72)【発明者】
【氏名】岩田 格
(57)【要約】
【課題】封止材のはみ出しを抑制することができる現像剤収容容器、現像装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】複数の部材58a,58b,58cを組み合わせて内部に現像剤を収容する空間を形成し、かつ、封止材200,201により部材間を接着して封止する現像剤収容容器において、封止材200,201により接着される2つの部材のうち一方の部材である第一部材の接着部と、他方の部材である第二部材の接着部との間に所定の隙間が形成されるように、第一部材と第二部材との間の位置を規制する位置規制部を有する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一ケーシング部材と第二ケーシング部材との間が封止材により封止される封止部を有する収納容器において、
前記封止部は、
前記第一ケーシング部材に形成された凹形状に対して前記第二ケーシング部材の一部が前記凹形状に入り込むように形成された第一封止部と、
前記第一ケーシング部材の交差する2面で構成される段差形状に対して前記第二ケーシング部材の2面が前記交差する2面とそれぞれ対向するように形成された第二封止部、又は、前記第一ケーシング部材の平面形状と前記第二ケーシング部材の平面形状が隙間を開けて対向するように形成された第三封止部と、
を有すること、を特徴とする収納容器。
【請求項2】
請求項1に記載の収納容器において、
前記第一ケーシング部材は、前記第二ケーシング部材よりも下方に配置されること、を特徴とする収納容器。
【請求項3】
請求項1又は2のいずれか一項に記載の収納容器において、
前記第一ケーシング部材と前記第二ケーシング部材は位置決め部を有し、前記位置決め部は前記収納容器の長手方向において前記封止部よりも一端側に設けられたこと、を特徴とする収納容器。
【請求項4】
請求項3に記載の収納容器において、
前記長手方向の前記一端側と反対側である他端側に第二の位置決め部を有すること、を特徴とする収納容器。
【請求項5】
請求項4に記載の収納容器において、
前記第二の位置決め部は前記封止部よりも他端側に設けられたこと、を特徴とする収納容器。
【請求項6】
請求項1に記載の収納容器において、
前記第一ケーシング部材は、前記第二ケーシング部材よりも下方に配置され、
前記第一ケーシング部材と前記第二ケーシング部材は位置決め部を有し、前記位置決め部は前記現像装置の長手方向において前記封止部よりも一端側に設けられ、
前記位置決め部は、前記第一ケーシング部材に設けられた突起形状と、前記突起形状に対して前記第二ケーシング部材に設けられた嵌合形状が嵌合する構成であること、を特徴とする収納容器。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の収納容器において、
前記封止材は、封止作業時は流動性をもち、後に硬化する性質を有すること、を特徴とする収納容器。
【請求項8】
請求項7に記載の収納容器において、
前記封止材は、前記第一封止部から前記第二封止部又は前記第三封止部にかけて一続きで塗布されていることを特徴とする収納容器。
【請求項9】
請求項8に記載の収納容器において、
前記封止材は、全体が一続きで塗布されていることを特徴とする収納容器。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の収納容器において、
前記凹形状の塗布部と前記段差形状又は前記平面形状の塗布部とが連なっていることを特徴とする収納容器。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の収納容器において、
前記凹形状は、内側面の上側にテーパ面を有することを特徴とする収納容器。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか一項に記載の収納容器において、
前記第二ケーシング部材の一部と前記凹形状の底面は突き当たらないように規制されることを特徴とする収納容器。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか一項に記載の収納容器において、
前記第一ケーシング部材の段差形状の一面に対して前記第二ケーシング部材の対向する面が突き当たらないように規制される、もしくは前記第一ケーシング部材の平面形状の一面に対して前記第二ケーシング部材の対向する面が突き当たらないように規制されること、
を特徴とする収納容器。
【請求項14】
前記収納容器は、粉体を収容すること、
を特徴とする請求項1乃至13いずれか一項に記載の収納容器。
【請求項15】
前記粉体は、少なくともトナーを有し、
前記収納容器は現像装置であること、
を特徴とする請求項14に記載の収納容器。
【請求項16】
前記粉体は、トナーとキャリアからなる二成分現像剤であり、
前記収納容器は現像装置であること、
を特徴とする請求項14に記載の収納容器。
【請求項17】
潜像担持体上の潜像を現像する現像剤担持体と、
前記現像剤を搬送する搬送部材と、を有する請求項15又は16のいずれか一項に記載の収納容器。
【請求項18】
前記収納容器は、弾性変形可能なシール部材を備え、
前記シール部材は前記現像剤担持体と接触すること、
を特徴とする請求項17に記載の収納容器。
【請求項19】
前記シール部材はスポンジ部材と両面テープ部材を有すること、
を特徴とする請求項18に記載の収納容器。
【請求項20】
前記シール部材は前記封止材と接触すること、
を特徴とする請求項18又は19のいずれか一項に記載の収納容器。
【請求項21】
請求項1乃至20のいずれか一項に記載の収納容器と、潜像担持体を備えた画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤収容容器、現像装置及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の部材を組み合わせて内部に現像剤を収容する空間を形成し、かつ、封止材
により部材間を接着して封止する現像剤収容容器が知られている。
【0003】
特許文献1には、上記現像剤収容容器として、容器本体と容器蓋体との間を封止材とし
てのホットメルトで接着して封止するものが記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、封止材が過度に押しつぶされてしまい接着箇所からはみ出すおそれがあ
った。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明は、収納容器において、前記封止部は、前記第一ケーシング部材に形成された凹形状に対して前記第二ケーシング部材の一部が前記凹形状に入り込むように形成された第一封止部と、前記第一ケーシング部材の交差する2面で構成される段差形状に対して前記第二ケーシング部材の2面が前記交差する2面とそれぞれ対向するように形成された第二封止部、又は、前記第一ケーシング部材の平面形状と前記第二ケーシング部材の平面形状が隙間を開けて対向するように形成された第三封止部と、を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、封止材のはみ出しを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】複写機の概略構成図。
図2】四つの作像ユニットのうちの一つの拡大説明図。
図3】現像装置の断面説明図。
図4】現像装置の斜視説明図。
図5】現像装置内における現像剤の長手方向の動きを示す模式図。
図6】現像装置のケーシングの分解斜視図。
図7】現像下ケースの要部拡大斜視図。
図8】現像上ケースの要部拡大斜視図。
図9】現像下ケースの長手方向一端側を上から見た要部拡大斜視図。
図10図9の破線で囲んだ箇所の拡大図。
図11図10のC-C断面図。
図12】現像上ケースを現像下ケースに位置決め固定する様子を示す斜視図。
図13】現像上ケースが現像下ケースに位置決めされたときの図9のA-A概略断面図。
図14】現像上ケースが現像下ケースに位置決めされたときの図8の破線Bの箇所の概略断面図。
図15】現像カバーを現像上ケースに位置決め固定する様子を示す斜視図。
図16】現像カバーが現像上ケースに位置決めされたときの図8の一点鎖線γの位置の概略断面図。
図17】現像カバーが現像上ケースに位置決めされたときの図8の一点鎖線βの位置の概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を適用可能な画像形成装置としてのタンデム型カラー複写機(以下、複写
機500という)の実施形態について説明する。
【0009】
図1は、複写機500の概略構成図である。複写機500は、画像形成装置の本体部と
してのプリンタ部100の上方に、原稿読込部4及び原稿搬送部3を備え、プリンタ部1
00の下方に給紙部7を備える。原稿搬送部3は、原稿読込部4に原稿を搬送し、原稿読
込部4は搬送されてきた原稿の画像情報を読み込む。給紙部7は、記録媒体である転写紙
Pが収容される給紙カセット26、給紙カセット26内の転写紙Pをプリンタ部100に
向けて送り出す給紙ローラ27を備える。図1中の一点鎖線は、複写機500内での転写
紙Pの搬送経路を示す。
【0010】
プリンタ部100の上部は、出力画像が形成された転写紙Pが積載される排紙トレイ3
0となっている。プリンタ部100は、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)
のトナー像を形成する作像部としての四つの作像ユニット6(Y,M,C,K)と、中間
転写ユニット10とを備える。各作像ユニット6(Y,M,C,K)は、各色トナー像が
形成される像担持体としてのドラム状の感光体1(Y,M,C,K)、及び、各感光体1
(Y,M,C,K)の表面上に形成された静電潜像を現像する現像装置5(Y,M,C,
K)を備える。
【0011】
中間転写ユニット10は、中間転写ベルト8や一次転写バイアスローラ9(Y,M,C
,K)を備える。中間転写ベルト8は、各感光体1(Y,M,C,K)の表面上に形成さ
れた各色トナー像が重ねて転写され、表面上でカラートナー像が形成される中間転写体で
ある。また、一次転写バイアスローラ9(Y,M,C,K)は、各感光体1(Y,M,C
,K)の表面上に形成されたトナー像を中間転写ベルト8に転写する一次転写手段である
【0012】
プリンタ部100は、中間転写ベルト8上のカラートナー像を転写紙P上に転写するた
めの二次転写バイアスローラ19を備える。また、給紙ローラ27によって送り出された
転写紙Pを中間転写ベルト8と二次転写バイアスローラ19とが対向する二次転写ニップ
に搬送するタイミングを調整するレジストローラ対28を備える。さらに、プリンタ部1
00は、二次転写ニップの上方に転写紙P上の未定着トナー像を定着する定着装置20を
備える。
【0013】
プリンタ部100内の排紙トレイ30の下方、且つ、中間転写ユニット10の上方には
、各色のトナー容器11(Y,M,C,K)が配置されている。各色のトナー容器11(
Y,M,C,K)は、各現像装置5(Y,M,C,K)に供給する各色(イエロー、マゼ
ンタ、シアン、ブラック)のトナーを収容する。
【0014】
図2は、本発明を適用可能な四つの作像ユニット6(Y,M,C,K)のうちの一つの
拡大説明図である。四つの作像ユニット6(Y,M,C,K)は、作像プロセスに用いら
れるトナーの色が異なる以外は、その構成・動作がほぼ同様であるので、以下の説明では
、対応する色を示す符号Y、M、C、Kを適宜省略して説明する。
【0015】
図2に示すように、作像ユニット6は、感光体1及び現像装置5を一体的に支持するプ
ロセスカートリッジとなっており、このプロセスカートリッジは複写機500本体に対し
て着脱可能となっている。また、作像ユニット6は、感光体1の周囲に現像装置5の他、
感光体クリーニング装置2、潤滑剤塗布装置41、及び、帯電装置40等を備える。本実
施形態の作像ユニット6では、感光体クリーニング装置2は、クリーニングブレード2a
によってクリーニングする構成であり、帯電装置40は帯電ローラ40aによって帯電す
る構成である。
【0016】
以下、本実施形態の複写機500における通常のカラー画像形成時の動作について説明
する。
【0017】
まず、原稿搬送部3の原稿台に原稿がセットされた状態で、スタートボタンが押される
と、原稿は、原稿搬送部3の搬送ローラによって原稿台から搬送されて、原稿読込部4の
コンタクトガラス上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス上に載置
された原稿の画像情報が光学的に読み取られる。
【0018】
詳しくは、原稿読込部4は、コンタクトガラス上の原稿の画像に対して、照明ランプか
ら発した光を照射しながら走査させる。そして、原稿にて反射した光を、ミラー群及びレ
ンズを介して、カラーセンサに結像する。原稿のカラー画像情報は、カラーセンサにてR
GB(レッド、グリーン、ブルー)の色分解光ごとに読み取られた後に、電気的な画像信
号に変換される。さらに、RGBの色分解画像信号をもとにして画像処理部で色変換処理
、色補正処理、空間周波数補正処理等の処理をおこない、イエロー、マゼンタ、シアン、
ブラックのカラー画像情報を得る。
【0019】
そして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、書込み部に送信
される。そして、書込み部からは、各色の画像情報に基づいたレーザ光Lが、それぞれ、
対応する感光体1(Y,M,C,K)上に向けて発せられる。
【0020】
一方、四つの感光体1(Y,M,C,K)は、それぞれ、図1及び図2中の時計回り方
向に回転している。そして、まず、感光体1(Y,M,C,K)の表面は、帯電装置40
の帯電ローラ40aとの対向部で、一様に帯電される(帯電工程)。こうして、感光体1
(Y,M,C,K)の表面上は、帯電電位となる。その後、帯電された感光体1(Y,M
,C,K)表面は、レーザ光Lの照射位置に達する。
【0021】
書込み部において、四つの光源から画像信号に対応したレーザ光Lが各色に対応してそ
れぞれ射出される。各レーザ光Lは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ご
とに別の光路を通過して、各感光体1(Y,M,C,K)の表面に照射される(露光工程
)。
【0022】
イエロー成分に対応したレーザ光Lは、図1中の紙面左側から一番目のイエロー用感光
体1Y表面に照射される。このとき、イエロー成分のレーザ光Lは、高速回転するポリゴ
ンミラーにより、イエロー用感光体1Yの回転軸方向(主走査方向)に走査される。こう
して、帯電装置40によって帯電された後のイエロー用感光体1Yの表面上には、イエロ
ー成分に対応した静電潜像が形成される。
【0023】
同様に、マゼンタ成分に対応したレーザ光Lは、図1中の紙面左から二番目のマゼンタ
用感光体1M表面に照射されて、マゼンタ成分に対応した静電潜像が形成される。シアン
成分のレーザ光Lは、図1中の紙面左から三番目のシアン用感光体1C表面に照射されて
、シアン成分の静電潜像が形成される。ブラック成分のレーザ光Lは、図1中の紙面左か
ら四番目のブラック用感光体1K表面に照射されて、ブラック成分の静電潜像が形成され
る。
【0024】
その後、各色の静電潜像が形成された感光体1(Y,M,C,K)表面は、それぞれ、
現像装置5との対向位置に達する。そして、各色トナーとキャリアとからなる現像剤を収
容する現像装置5(Y,M,C,K)から感光体1(Y,M,C,K)の表面上に各色ト
ナーが供給されて、感光体1(Y,M,C,K)上の潜像が現像される(現像工程)。
【0025】
現像装置5との対向部を通過した後の感光体1(Y,M,C,K)表面は、それぞれ、
中間転写ベルト8との対向部に達する。ここで、それぞれの対向部には、中間転写ベルト
8の内周面に当接するように一次転写バイアスローラ9(Y,M,C,K)が設置されて
いる。この中間転写ベルト8を挟んで感光体1(Y,M,C,K)と一次転写バイアスロ
ーラ9(Y,M,C,K)とが対向することで、一次転写ニップを形成する。そして、こ
の一次転写ニップで、各感光体1(Y,M,C,K)上に形成された各色のトナー像が、
中間転写ベルト8上に、順次重ねて転写される(一次転写工程)。
【0026】
一次転写ニップを通過した後の感光体1表面は、それぞれ、感光体クリーニング装置2
との対向位置に達する。そして、感光体クリーニング装置2との対向位置で、感光体1上
に残存する未転写トナーがクリーニングブレード2aによって掻き取られ、回収される(
感光体クリーニング工程)。
【0027】
感光体クリーニング装置2との対向部を通過した感光体1の表面は、除電部を通過して
残留電荷が除電され、感光体1における一連の作像プロセスが終了し、次の作像動作に備
える。
【0028】
一方、四つの感光体1(Y,M,C,K)上の各色トナー像が重ねて転写され、カラー
トナー像を担持する中間転写ベルト8は、図1中の反時計方向に表面移動して、二次転写
バイアスローラ19との対向位置である二次転写ニップに達する。
【0029】
また、転写紙Pを収納する給紙カセット26から、給紙ローラ27により給送された転
写紙Pが、搬送ガイドを通過してレジストローラ対28に導かれ、レジストローラ対28
に突き当たり、一度停止する。レジストローラ対28に突き当たった転写紙Pは、中間転
写ベルト8上に形成されたカラートナー像が二次転写ニップに向かうタイミングに合わせ
て二次転写ニップに向けて搬送される。
【0030】
そして、二次転写ニップで中間転写ベルト8上に担持されたカラートナー像が転写紙P
上に転写される(二次転写工程)。
【0031】
二次転写ニップを通過した中間転写ベルト8表面は、中間転写ベルトクリーニング装置
との対向部に達する。この対向部で、中間転写ベルト8上に付着した転写残トナーが中間
転写ベルトクリーニング装置に回収されて、中間転写ベルト8における一連の転写プロセ
スが終了する。
【0032】
感光体1の表面上からクリーニングブレード2aによって掻き落とされた廃トナーは回
収トナー搬送経路を通って廃トナー収容容器に収容される。また、中間転写ベルトクリー
ニング装置によって中間転写ベルト8の表面上から掻き落とされた廃トナーやプロセスコ
ントロール用のパターン像の廃トナーも回収トナー搬送経路を通って廃トナー収容容器に
収容される。
【0033】
二次転写ニップでカラートナー像が転写された転写紙Pは、定着装置20に導かれる。
定着装置20では、定着ローラと加圧ローラとによって形成される定着ニップにて、熱と
圧力とによってカラー画像が転写紙P上に定着される。
【0034】
定着装置20を通過した転写紙Pは、排紙ローラ対25によってプリンタ部100の外
に出力画像として排出されて、排紙トレイ30上にスタックされて、一連の画像形成プロ
セスが完了する。
【0035】
図3は、本発明を適用可能な現像装置5の断面説明図であり、図4は、本発明を適用し
た現像装置5の斜視説明図である。
【0036】
現像装置5は、現像下ケース58aと、現像上ケース58bと、現像カバー58cとか
ら構成される現像剤収容容器としてのケーシング58を備え、その内部空間に現像剤を収
容している。また、ケーシング58内には、感光体1に対向する現像剤担持体としての現
像ローラ50、供給搬送部材である供給スクリュ53、回収搬送部材である回収スクリュ
54、現像剤規制部材であるドクタブレード52、及び、仕切り板57を備える。供給ス
クリュ53及び回収スクリュ54は、回転軸に螺旋状の羽部を設けたスクリュ部材であり
、回転することにより、その回転軸に平行な軸方向に現像剤を搬送する。また、ドクタブ
レード52が現像ローラ50と対向するドクタ部と現像領域との間に、トナー飛散を防止
するための現像領域入口シールを配置してもよい。
【0037】
現像装置5のケーシング内の空間のうち、供給スクリュ53が配置された供給搬送路5
3aと、回収スクリュ54が配置された回収搬送路54aとは仕切り板57によって空間
的に仕切られている。また、仕切り板57は、軸方向に直交する断面(図3で説明図を示
す断面)における端部が現像ローラ50の表面に対向し、近接して配置されることにより
、現像ローラ50の表面上から現像剤Gの離脱を促す分離板としても機能する。仕切り板
57の分離板としての機能により、現像ローラ50に担持され、現像領域を通過した現像
剤Gが、供給搬送路53aに到達することを防止し、回収搬送路54a内へ向けて現像剤
Gを滞りなく移動させることができる。
【0038】
現像ローラ50は、内部に固設された複数の磁石からなるマグネットローラ55と、マグ
ネットローラ55の周囲を回転する現像スリーブ51とから構成される。現像スリーブ5
1はマグネットローラ55を内包し、回転自在な非磁性材料からなる円筒形状の部材であ
る。本実施形態のマグネットローラ55は、複数の磁極として、第一磁極P1(N極)、
第二磁極P2(S極)、第三磁極P3(N極)、第四磁極P4(N極)、及び、第五磁極
P5(S極)の5つの磁極が設けられている。なお、図3中のP1~P5は、各磁極によ
って形成される磁場の現像スリーブ51の表面上における法線方向磁束密度(絶対値)の
分布を示している。
【0039】
現像装置5では、トナーとキャリアとからなる二成分の現像剤G(添加剤等を添加する
場合も含む)を収容する。そして、現像剤Gを長手方向(現像スリーブ51の回転軸の軸
方向)に搬送して循環経路を形成する現像剤搬送部材として、供給スクリュ53及び回収
スクリュ54を備える。また、現像装置5では、供給スクリュ53と回収スクリュ54と
を上下方向に配置し、供給スクリュ53と回収スクリュ54との間に配置された仕切り板
57によって供給搬送路53aと回収搬送路54aとが形成されている。
【0040】
また、感光体1と現像スリーブ51との対向部である現像領域に対して、現像スリーブ
51の表面移動方向上流側で、現像スリーブ51の表面上に担持され、現像領域に向かう
現像剤量を規制するドクタブレード52が現像ローラ50の下方に配置されている。
【0041】
現像装置5では、二成分の現像剤Gを用いているため、現像装置5内におけるトナー消
費に応じて、現像装置の一部に設けられたトナー補給口59から現像装置5内に適宜にト
ナーが補給される。
【0042】
ここで、現像装置5への新品のトナーの補給について説明する。トナー容器11内に充
填された新品のトナーはトナー補給装置により複写機500本体の図1中の後側に配置さ
れたトナーホッパへ補給され、トナーホッパ内に蓄えられる。トナーホッパに貯められた
トナーは現像装置5内に配置されたトナー濃度検知手段により現像装置5内のトナー濃度
が低いと判断された場合、トナーホッパ内のトナー補給スクリュを回転させる。このとき
、所定の換算式により換算された時間だけトナー補給スクリュを回転させ、適切な量のト
ナーをトナーホッパ内から現像装置5のトナー補給口59に供給する。
【0043】
トナーホッパ内にはトナー検知センサを配置しており、このトナー検知センサがその検
知位置にトナーが無いことを検知した場合、制御部がトナー補給装置にトナーの供給を要
求する。
【0044】
この要求によりトナー補給装置によってトナーホッパ内にトナーが供給され、トナー検
知センサがその検知位置にトナーがあることを検知すると、トナー補給装置によるトナー
の供給が停止する。一方、制御部がトナー補給装置にトナーの供給を所定時間要求しても
トナーホッパ内のトナー検知センサが検知位置にトナーがあることを検知しなかった場合
は、制御部はトナー容器11内のトナー無しと判断する。これにより、トナー容器11内
のトナー残量がなくなったことを検知することができる。
【0045】
トナー補給口59から補給されたトナーは、現像装置5内の現像剤Gとともに、現像剤
搬送部材である回収スクリュ54及び供給スクリュ53によって搬送されつつ、撹拌・混
合される。このように、現像剤搬送部材によって撹拌・混合された現像剤Gは、その一部
が現像剤担持体である現像スリーブ51の表面に供給され、その表面に担持される。現像
スリーブ51の表面に担持された現像剤Gは、現像スリーブ51の下方に設置されたドク
タブレード52によって適量に規制された後に、現像領域に到達する。現像領域では、現
像スリーブ51の表面上の現像剤G中のトナーが感光体1の表面上の潜像に付着し、現像
を行う。現像ローラ50を構成する現像スリーブ51の内部には複数の磁石が固設された
マグネットローラ55があり、このマグネットローラ55は、現像スリーブ51の周囲に
磁場を形成する複数の磁極(P1~P5)を備えている。
【0046】
本実施形態の現像装置5内には、ポリエステル樹脂を主成分とするトナー(平均粒径5
.8[μm])と磁性微粒子であるキャリア(平均粒径35[μm])とを、トナー濃度
が7[wt%]となるように均一混合した現像剤Gが300[g]充填されている。そし
て、並列に配置された供給スクリュ53と回収スクリュ54とを600[rpm]で回転
させることによって、現像剤Gの搬送とトナー補給口59から補給される新品のトナーの
撹拌とを同時に行い、トナーとキャリアとの均一混合と帯電付与を行っている。
【0047】
均一混合された現像剤Gは現像スリーブ51に近接して平行に設けられた供給スクリュ
53によって長手方向に搬送されながら、現像スリーブ51に内包されたマグネットロー
ラ55の第五磁極P5の磁力によって現像スリーブ51の外周表面に受け渡される。現像
スリーブ51の表面に受け渡された現像剤Gは、現像スリーブ51が図3中矢印に示すよ
うに、反時計回り方向に回転することによって現像領域に到達する。高圧電源から現像ス
リーブ51に電圧が印加されることにより、現像領域では現像スリーブ51と感光体1と
の間に現像電界が形成されている。この現像電界により、感光体1の表面上の潜像に現像
スリーブ51の表面上の現像剤G中のトナーが供給され、感光体1上の潜像が現像される
【0048】
現像領域を通過した後の現像スリーブ51の表面上の現像剤Gは、現像スリーブ51の
回転に伴って現像装置5内の回収搬送路54aに回収されるようになっている。詳しくは
、現像スリーブ51の表面から離脱した現像剤Gは、仕切り板57の上面に落下して滑り
落ち、回収スクリュ54で回収されるようになっている。
【0049】
図5は、現像装置5内における現像剤Gの長手方向の動きを示す模式図である。図5
の白抜き矢印が現像装置5内での現像剤Gの流れを示している。
【0050】
仕切り板57(図4参照)は、現像装置5の長手方向の両端に供給搬送路53aと回収
搬送路54aとを連通する開口部(71、72)がそれぞれ設けられている。そして、供
給搬送路53aにおける供給スクリュ53の搬送方向下流側端部に到達した現像剤Gは仕
切り板57に設けられた開口部のうちの剤持上げ口72を通って回収搬送路54aにおけ
る搬送方向上流側端部に受け渡される。一方、回収搬送路54aにおける回収スクリュ5
4の搬送方向下流側端部に到達した現像剤Gは仕切り板57に設けられた開口部のうちの
剤落下口71を通って供給搬送路53aにおける搬送方向上流側端部に受け渡される。
【0051】
図5では、現像スリーブ51への現像剤Gの供給及び回収を模式的に示す都合上、供給
搬送路53aと回収搬送路54aとの間にある程度の距離があるように描かれている。し
かしながら、供給搬送路53aと回収搬送路54aとは図3で示すように板状の仕切り板
57によって仕切られており、その開口部である剤持上げ口72及び剤落下口71は板状
の仕切り板57を表から裏に貫通する貫通口である。
【0052】
図5に示すように、回収搬送路54aに対して下方にある供給搬送路53a内の現像剤
Gは供給スクリュ53によって供給スクリュ53の軸方向(長手方向)に沿って、図5
の左側に向けて搬送される。さらに、供給搬送路53a内の現像剤Gは供給スクリュ53
に搬送されつつ、供給スクリュ53の回転と、汲み上げ磁極としての第五磁極P5の磁力
とによって現像スリーブ51の表面に一定量が汲み上げられる。現像スリーブ51の表面
に汲み上げられた後、現像領域を通過した現像スリーブ51の表面上の現像剤Gは、隣り
合う同極性(N極)の磁極である第三磁極P3と第四磁極P4とによって構成される剤離
れ磁極の位置に到達する。そして、剤離れ磁極の磁力による作用と、仕切り板57の分離
板としての作用とによって、現像スリーブ51の表面上から離脱され、回収搬送路54a
内に送られる。
【0053】
供給搬送路53aに対して上方にある回収搬送路54a内の回収スクリュ54は、剤離
れ磁極の位置で現像スリーブ51から離脱した現像剤Gを回収スクリュ54の軸方向(供
給スクリュ53による搬送方向とは逆方向)に沿って長手方向に搬送する。
【0054】
供給スクリュ53による搬送経路である供給搬送路53aの搬送方向下流側端部と、回
収スクリュ54による搬送経路である回収搬送路54aの搬送方向上流側端部とは剤持上
げ口72を介して連通している。そして、供給搬送路53aから現像ローラ50に汲み上
げられず、供給搬送路53aの搬送方向下流側端部に達した現像剤Gはその位置に留まり
、後から搬送されてくる現像剤Gによって押し上げられ、回収搬送路54aの搬送方向上
流側端部に到達する。
【0055】
また、回収搬送路54aの搬送方向上流側端部には、トナー補給口59が設けられてお
り、新品のトナーがトナー容器11からトナー補給装置及びトナーホッパを介してトナー
補給口59から適宜補給される。また、供給搬送路53aの搬送方向上流側端部と回収搬
送路54aの搬送方向下流側端部とは剤落下口71を介して連通している。そして、回収
搬送路54aの搬送方向下流側端部に達した現像剤Gは、剤落下口71を自重落下して供
給搬送路53aの搬送方向上流側端部に受け渡される。
【0056】
現像剤Gが、供給搬送路53aの搬送方向下流側端部から回収搬送路54aに受け渡さ
れ、さらに、回収搬送路54aの搬送方向下流側端部から供給搬送路53aに受け渡され
ることで、現像剤Gが現像装置5内を循環する。
【0057】
供給搬送路53aでは現像剤Gが供給スクリュ53に搬送されつつ、現像ローラ50に
汲み上げられるため、搬送方向下流側に行くに従い現像剤Gの量が少なくなる。
【0058】
回収搬送路54aでは、回収スクリュ54によって、トナー補給口59から供給された
新品のトナーと現像剤Gとが攪拌されつつ、搬送される。回収搬送路54aでは、現像領
域を通過した後に現像スリーブ51の表面上から離脱した現像剤Gを回収しつつ、回収ス
クリュ54によって搬送するため、回収搬送路54a内の現像剤Gは搬送方向下流側に行
くに従い増加する。
【0059】
また、供給搬送路53a内の供給スクリュ53の下方、または、回収搬送路54a内の
回収スクリュ54の下方には、トナー濃度検知手段であるトナー濃度センサが配置されて
いる。このトナー濃度センサによって現像装置5内のトナー濃度を随時計測し、この測定
結果に基づいてトナー濃度が適正値に収まるように制御部がトナーホッパを制御している
【0060】
現像装置5は、上述したように、供給スクリュ53と回収スクリュ54とが図3中の矢
印で示す方向で回転し、同時に現像スリーブ51に内包したマグネットローラ55の磁気
吸引力で現像スリーブ51に引き寄せる。さらに、現像スリーブ51を感光体1に対する
所定の速度比で回転させることで、現像領域に対して連続的に現像剤Gの汲み上げ供給を
行っている。現像スリーブ51からの現像剤Gの離脱は、第三磁極P3と第四磁極P4と
で構成される剤離れ磁極にて反発磁気力が形成されることで行われる。そして、この反発
磁気力が形成された区間に運ばれた現像剤Gは、剤離れ磁極で法線方向と回転接線方向と
の合成方向にリリースされ、仕切り板57上に自重落下して回収される。
【0061】
図6は、現像装置5のケーシング58の分解斜視図である。
【0062】
ケーシング58は、現像下ケース58aと、現像上ケース58bと、現像カバー58c
とから主に構成されている。現像上ケース58bは、現像下ケース58aに位置決めされ
、封止材たる接着剤200により現像下ケース58aに固定される。現像カバー58cは
、現像上ケース58bに位置決めされ、封止材たる接着剤201により現像上ケース58
bに固定される。
【0063】
現像下ケース58aは、供給搬送路53aを有し長手方向(軸方向)に延びてケーシン
グ58の底部をなすベース部250aと、ベース部250aの長手方向両端に設けられ、
ケーシング58の側壁をなす軸方向に直交する側壁部250bとを有している。側壁部2
50bの一方(図中左側)には、トナー補給口59を有している。また、両側壁部250
bの上部正面側(図中奥側:現像ローラ配置側)端部には、現像上ケース58bのケース
主位置決め突起171が嵌るケース位置決め溝161が設けられており、上部中央付近に
は、現像上ケース58bのケース従位置決め突起172が挿入されるケース位置決め穴1
62が設けられている。
【0064】
また、両側壁部250bの内壁面には、後述する封止部材たるスポンジシール140(
図9参照)が取り付けられる平坦なシール取り付け面110が設けられている。また、封
止材としての接着剤200が塗布される塗布部としての凹形状の下ケース塗布溝101a
がこのシール取り付け面110に連なるように設けられている。
【0065】
ベース部250aの背面側(図中手前側:現像ローラ配置側と反対側)の長手方向両端
には、接着剤200が塗布される塗布部としての下ケース塗布面101cが下ケース塗布
溝101aに連なるように設けられている。また、この下ケース塗布面101cに連なる
ように、ベース部250aの背面には、接着剤200が塗布される塗布部としての段差形
状の下ケース段差塗布部101bが設けられている。ここで、段差形状とは、直交関係に
ある隣接する2面で構成され、一方の面の端に他方の面が位置する形状である。
【0066】
このように、本実施形態では、下ケース塗布溝101a、下ケース塗布面101cおよ
び下ケース段差塗布部101bが連なるように形成されている。よって、図6に示すよう
に接着剤200は、ひと続きで、下ケース塗布溝101a、下ケース塗布面101cおよ
び下ケース段差塗布部101bに塗布することができる。これにより、現像上ケース58
bと下現像ケースとの間を接着剤200で良好に封止することができる。また、このよう
に、下ケース塗布溝101a、下ケース塗布面101cおよび下ケース段差塗布部101
bが連なるように形成されていることで、一回の塗布動作で下ケース塗布溝101a、下
ケース塗布面101cおよび下ケース段差塗布部101bに接着剤200を塗布すること
が可能となり、機械による自動塗布を容易に行なうことができる。
【0067】
現像上ケース58bは、長手方向に延びる背面壁部251aと、背面壁部251aの両
端に設けられた長手方向に直交する内側側壁部251bとを有している。背面壁部251
aには、供給搬送路53aと回収搬送路54aとを仕切る仕切り板57が設けられている
【0068】
現像上ケース58bの両内側側壁部251bには、現像下ケース58aの下ケース塗布
溝101aに入り込んで接着剤200により接着される接着部としての上ケース接着凸部
120a、スポンジシール140に当接して封止する封止突起部111とが設けられてい
る。
【0069】
また、両内側側壁部251bの正面側端部には、外側に延びるケース主位置決め突起1
71が設けられており、上部中央付近には、外側に延びるケース従位置決め突起172が
設けられている。また、両内側側壁部251bの正面側端部には、現像カバー58cのカ
バー主位置決め突起181が嵌るカバー位置決め溝173が設けられている。また、両内
側側壁部251bの背面側端面には、現像カバー58cの位置決め従基準であるカバー位
置決めフック部182を引っ掛けるためのカバー位置決め突起174が設けられている。
【0070】
また、両内側側壁部251bの内壁面には、封止材としての接着剤201が塗布される
塗布部としての凹形状の上ケース塗布溝131aが設けられている。また、現像上ケース
58bの背面壁部251aには、接着剤201が塗布される塗布部としての上ケース塗布
面131bが、上ケース塗布溝131aに連なるように設けられている。
【0071】
現像上ケース58bにおいても、現像カバー58cを接着する上ケース塗布溝131a
と上ケース塗布面131bとが連なるように形成されているので、接着剤201をひと続
きで、上ケース塗布溝131aと上ケース塗布面131bに塗布することができる。これ
により、現像上ケース58bと現像カバー58cとの間を接着剤201で良好に封止する
ことができる。また、一回の塗布動作で上ケース塗布溝131aと上ケース塗布面131
bとに接着剤201を塗布することが可能となり、機械による自動塗布を容易に行なうこ
とができる。
【0072】
また、背面壁部251aの長手方向両端には、現像下ケース58aの下ケース塗布面1
01cに対向して接着剤200により接着される接着部としての上ケース接着面部120
cが設けられている。
【0073】
また、背面壁部251aには、現像下ケース58aの下ケース段差塗布部101bに対
向して接着剤200により接着される接着部としての段差形状の上ケース段差接着部12
0b(図12,図14参照)を内壁面に備えるケース接着面部251cを有している。
【0074】
現像カバー58cには、ケーシング58の上壁部をなすカバーベース部252を備えて
いる。このカバーベース部252の長手方向両端面には、下側に突き出し、現像上ケース
58bの上ケース塗布溝131aに入り込んで接着剤201により接着される接着部とし
てのカバー接着凸部151aが設けられている。また、カバーベース部252の長手方向
両端面の正面側端部には、カバー主位置決め突起181が設けられており、背面側端部に
は、カバー位置決めフック部182が設けられている。
【0075】
また、カバーベース部252の背面側端部には、下側に延び、現像上ケース58bの上
ケース塗布面131bに対向して接着剤201により接着される接着部としてのカバー接
着面部151bが設けられている。
【0076】
現像下ケース58aや現像上ケース58bに塗布される封止材としての接着剤200,
201は、接着作業時は流動性をもち、後に硬化(固化)する性質もっているものであれ
ばよい。また、接着作業時は、ある程度の粘性を有するものが好ましい。粘性を有するも
のを用いることで、接着作業時に塗布部から流れ落ちるのを抑制することができる。接着
剤としては、例えば、接着作業時は、高温にして溶融状態で塗布し、その後冷えることで
固化して接着が行なわれる熱溶融型接着剤、紫外線を照射することで硬化する紫外線硬化
型接着剤、加熱することで硬化する熱硬化型接着剤、溶剤成分が揮発することで硬化する
溶剤揮散型接着剤、空気中の水分と反応して硬化する湿気硬化型接着剤などを用いること
ができる。
【0077】
図7は、現像下ケース58aの要部拡大斜視図である。
【0078】
図7に示すように、下ケース塗布面101cの近傍には、現像上ケース58bの上ケー
ス接着面部120cに突き当たって、上ケース接着面部120cの位置を規制する位置規
制部としての第一ケース突き当て凸部102aが設けられている。また、下ケース塗布面
101cの外側の縁部には、下ケース塗布面101cの塗布された接着剤200を堰き止
めて、外側へ漏れ出すのを防ぐ堰き止め壁部102cが設けられている。
【0079】
また、下ケース段差塗布部101bの下側近傍には、現像上ケース58bの背面壁部2
51aに突き当たって、上ケース段差接着部120b(図12図14参照)の位置を規
制する位置規制部としても第二ケース突き当て凸部102bが設けられている。また、下
ケース段差塗布部101bの上側には、内部に向かって傾斜する傾斜面103aが形成さ
れている。
【0080】
図8は、現像上ケース58bの要部拡大斜視図である。
【0081】
図に示すように上ケース塗布面131bの上端には、現像カバー58cのカバー接着面
部151bに突き当たって、カバー接着面部151bの位置を規制する位置規制部として
もカバー突き当て凸部132bが設けられている。また、上ケース塗布面131bの下端
にも、上ケース塗布面131bに対して一段上がった位置にあり、カバー接着面部151
bに突き当たってカバー接着面部151bの位置を規制する位置規制部としてのカバー突
き当て面132cが設けられている。
【0082】
図9は、現像下ケース58aの長手方向一端側を上から見た要部拡大斜視図であり、図
10は、図9の破線で囲んだ箇所の拡大図であり、図11は、図10のC-C断面図であ
る。
【0083】
封止部材としてのスポンジシール140が、両面テープなどによりシール取り付け面1
10に取り付けられている。スポンジシール140の現像ローラ50側と反対側には、長
手方向外側が切り欠かれた切り欠き形状部140aを有している。スポンジシール140
の現像ローラ側は、現像ローラ50の表面に接触して、現像ローラ50の軸が貫通する穴
を封止している。
【0084】
接着剤200は、スポンジシール140の切り欠き形状部140aの切り欠いた箇所に
まで塗布されており、スポンジシール140と接触するように塗布される。本実施形態で
は、スポンジシール140の切り欠き形状部140aが、下ケース塗布溝101aの内側
側壁の一部となっていて、この切り欠き形状部140aが、スポンジシール140の切り
欠いた箇所に塗布された接着剤200が内部へ流れ出すのを堰き止める機能をになってい
る。このように、スポンジシール140の切り欠き形状部140aの切り欠いた箇所にま
で接着剤200を塗布することにより、スポンジシール140と接着剤200とで切れ目
なく、現像上ケース58bを封止することができ、現像剤の漏れ出しを良好に抑制するこ
とができる。
【0085】
また、切り欠き形状部140aの先端部分Tが、下ケース塗布溝101aの内側側壁の
端面に食い込むようにスポンジシール140は配設されており、図11に示すように、切
り欠き形状部140aの先端部分Tが、下ケース塗布溝101aの内側側壁の端面Hに沿
うように湾曲した状態で、内側側壁の端面Hに貼り付けられている。これにより、確実に
スポンジシール140を下ケース塗布溝101aの内側側壁の端面Hに接触させることが
でき、スポンジシール140の切り欠いた箇所に塗布された接着剤200が切り欠き形状
部140aの先端と、下ケース塗布溝101aの内側側壁の端面Hとの隙間から内部へ流
れ出すのを防止することができる。
【0086】
図12は、現像上ケース58bを現像下ケース58aに位置決め固定する様子を示す斜
視図である。
【0087】
まず、現像上ケース58bのケース主位置決め突起171を、現像下ケース58aのケ
ース位置決め溝161に嵌め込む。次に、このケース主位置決め突起171を支点にして
現像上ケース58bを図中時計回りに回動させて、ケース従位置決め突起172を現像下
ケース58aのケース位置決め穴162に嵌め込む。これにより、現像上ケース58bが
現像下ケース58aに対して位置決めされる。
【0088】
図13は、現像上ケース58bが現像下ケース58aに位置決めされたときの図9のA
-A概略断面図である。
【0089】
現像上ケース58bが現像下ケース58aに位置決めされたとき、現像上ケース58b
の上ケース接着凸部120aが現像下ケース58aの下ケース塗布溝101aに入り込ん
で、上ケース接着凸部120aの先端が、下ケース塗布溝101aに塗布された接着剤2
00に接触する。これにより、上ケース接着凸部120aが、下ケース塗布溝101aに
接着され封止される。
【0090】
また、上ケース接着凸部120aが下ケース塗布溝101aに入り込むことで、下ケー
ス塗布溝101aに塗布された接着剤200が上ケース接着凸部120aにより押し潰さ
れる。しかしながら、本実施形態では、現像上ケース58bが現像下ケース58aに位置
決めされて、現像上ケース58bの現像下ケース58aに対する位置が規制される。その
結果、上ケース接着凸部120aの先端が、下ケース塗布溝101aの底面に対して距離
Z1離れた箇所で位置が規制され、それ以上、底面側へは移動しない。このように、上ケ
ース接着凸部120aと下ケース塗布溝101aとの間に所定の隙間が形成されるように
、現像上ケース58bと現像下ケース58aとの間の位置が位置決めによって規制される
ことで、接着剤200が、上ケース接着凸部120aにより必要以上に押し潰されるのを
防止することができ、接着剤200が、下ケース塗布溝101aから漏れ出すのを防止す
ることができる。
【0091】
このように、本実施形態では、現像上ケース58bを現像下ケース58aに位置決めす
る構成(現像上ケース58bのケース主位置決め突起171とケース従位置決め突起17
2、現像下ケース58aのケース位置決め溝161とケース位置決め穴162とで構成)
が、位置規制部として機能する。
【0092】
また、本実施形態では、現像上ケース58bと現像下ケース58aとの間の位置を規制
する位置決めの構成が、上ケース接着凸部120aと下ケース塗布溝101aとの接着箇
所の近傍に設けられている。これにより、上ケース接着凸部120aと下ケース塗布溝1
01aと位置関係を精度よく決めることができ、接着剤200が、下ケース塗布溝101
aから漏れ出すのを防止することができる。
【0093】
また、本実施形態では、上ケース接着凸部120aと下ケース塗布溝101aとの接着
箇所よりも長手方向外側で位置決めするので、良好に上ケース接着凸部120aと下ケー
ス塗布溝101aと位置関係を度よく決めることができ、接着剤200が、下ケース塗布
溝101aから漏れ出すのを防止することができる。
【0094】
また、本実施形態では、位置決めの従基準が、短手方向(長手方向と、上下方向のいず
れにも直交する方向)の中央付近に設けているが、位置決めの従基準は、なるべく背面側
の端部に設けた方が好ましい。かかる構成とすることで、短手方向において、上ケース接
着凸部120aと下ケース塗布溝101aとの接着箇所よりも短手方向外側で位置決めす
ることができ、上ケース接着凸部120aと下ケース塗布溝101aと位置関係、および
、下ケース段差塗布部101bと上ケース段差接着部120bとの位置関係を精度よく決
めることができる。これにより、上ケース接着凸部120aと下ケース塗布溝101aと
の間および下ケース段差塗布部101bと上ケース段差接着部120bとの間に所定の隙
間(図13のZ1や図14のα)を確実に確保することができ好ましい。
【0095】
また、本実施形態においては、図13に示すように、下ケース塗布溝101aの内側面
の上側がテーパ面106となっている。このように、テーパ面106とすることで、テー
パ面を有していない場合に比べて、下ケース塗布溝101aの容積を増やすことができる
。これにより、下ケース塗布溝101aに塗布された接着剤200が規定量よりも多少増
えても、接着剤200が下ケース塗布溝101aから漏れ出すのを防止することができる
【0096】
図14は、現像上ケース58bが現像下ケース58aに位置決めされたときの図7の破
線αの箇所の概略断面図である。
【0097】
現像上ケース58bが現像下ケース58aに位置決めされると、上ケース段差接着部1
20bが、下ケース段差塗布部101bに塗布された接着剤200を押し潰して上ケース
段差接着部120bが、下ケース段差塗布部101bに接着され、接着剤200により封
止される。また、上ケース段差接着部120bと下ケース段差塗布部101bとの間には
隙間αが形成された状態となっている。また、このとき、第二ケース突き当て凸部102
bと、現像上ケース58bの内側に上ケース段差接着部120bを有するケース接着面部
251cの内壁面との間には、隙間βが形成されている。隙間βは、隙間αよりも狭くな
っている。
【0098】
現像上ケース58bのケース接着面部251cは、現像下ケース58aに対する位置決
め箇所から離れている。また、ケース接着面部251cは、長手方向に延びた板状形状で
あり、ケース接着面部251cの面と直交する方向の剛性が低い。その結果、作業者が、
ケース接着面部251cを押すと、ケース接着面部251cが下ケース段差塗布部101
b側に変形して、ケース接着面部251cに設けられた上ケース段差接着部120bが、
接着剤200を過剰に押しつぶして、接着剤200が下ケース段差塗布部101bから漏
れ出すおそれがある。
【0099】
しかし、本実施形態においては、ケース接着面部251cに当接して、上ケース段差接
着部120bの位置を規制する位置規制部としての第二ケース突き当て凸部102bを有
している。上述したように、第二ケース突き当て凸部102bとケース接着面部251c
の内壁面との隙間βは、下ケース段差塗布部101bと上ケース段差接着部120bの間
の隙間αよりも狭くなっている。従って、作業者が、ケース接着面部251cを押してケ
ース接着面部251cが下ケース段差塗布部101b側に変形したときは、上ケース段差
接着部120bが下ケース段差塗布部101bに接触する前に、ケース接着面部251c
が第二ケース突き当て凸部102bに突き当たり、位置を規制する。これにより、下ケー
ス段差塗布部101bと上ケース段差接着部120bとには、所定の隙間(β-α)が保
たれ、下ケース段差塗布部101bに塗布された接着剤200が過剰に押し潰されるのを
、防止することができる。
【0100】
このように、下ケース段差塗布部101bと上ケース段差接着部120bとの間に所定
の隙間(β-α)が形成される(保たれる)ように、現像下ケース58aと現像上ケース
58bとの間の位置を、第二ケース突き当て凸部102bにより規制することで、下ケー
ス段差塗布部101bに塗布された接着剤200が、下ケース段差塗布部101bから漏
れ出すのを抑制することができる。
【0101】
本実施形態では、現像上ケース58bが現像下ケース58aに位置決めされたとき、第
二ケース突き当て凸部102bは、ケース接着面部251cの内壁面と非接触であるが、
現像上ケース58bが現像下ケース58aに位置決めされた状態で第二ケース突き当て凸
部102bがケース接着面部251cの内壁面に接触する構成としてもよい。
【0102】
しかし、現像上ケース58bが現像下ケース58aに位置決めされたとき、第二ケース
突き当て凸部102bは、ケース接着面部251cの内壁面と非接触とする方が好ましい
。これは、現像上ケース58bが現像下ケース58aに位置決めされたとき、第二ケース
突き当て凸部102bがケース接着面部251cの内壁面と接触する構成とした場合は、
製造誤差などにより第二ケース突き当て凸部102bが狙いの高さよりも高くなったとき
に、上ケース段差接着部120bで、下ケース段差塗布部101bに塗布された接着剤2
00を所望量押し潰すことができなかったり、下ケース段差塗布部101bに塗布された
接着剤200に接触しなかったりして、封止不良が生じるおそれがあるからである。
【0103】
また、本実施形態では、下ケース段差塗布部101bに内側に傾斜した傾斜面103a
を設けている。このように傾斜面103aを有することで、下ケース段差塗布部101b
上側の現像上ケース58bと現像下ケース58aとの空間の容積を増やすことができる。
これにより、上ケース段差接着部120bにより押し潰された接着剤200が、ケーシン
グ内部へ漏れ出るのを抑制することができる。
【0104】
また、本実施形態では、第二ケース突き当て凸部102bが、接着剤200を堰き止め
て、接着剤200が外部へ漏れ出すのを防止する機能も有している。
【0105】
また、現像上ケース58bが現像下ケース58aに位置決めされることで、下ケース塗
布面101cに塗布された接着剤200が、上ケース接着面部120cに押し潰され、上
ケース接着面部120cが下ケース塗布面101cに接着される。この上ケース接着面部
120cも、ケース接着面部251cと同様に現像下ケース58aに対する位置決め箇所
から離れているため、押されると、下ケース塗布面101c側へ上ケース接着面部120
cが移動してしまう。その結果、下ケース塗布面101cに塗布された接着剤200が過
剰に押し潰されるおそれがある。
【0106】
しかし、本実施形態においては、図7に示したように、下ケース塗布面101cの近傍
に、第一ケース突き当て凸部102aを設けている。現像上ケース58bが現像下ケース
58aに位置決めされたときの第一ケース突き当て凸部102aは、上ケース接着面部1
20cと隙間有して対向する。この隙間は、下ケース塗布面101cと上ケース接着面部
120cとの距離よりも狭くなっている。従って、上ケース接着面部120cが作業者に
押されて場合、上ケース接着面部120cが下ケース塗布面101cに接触する前に、第
一ケース突き当て凸部102aが上ケース接着面部120cに突き当たって位置を規制す
る。これにより、下ケース塗布面101cと上ケース接着面部120cとの間に所定の隙
間が保たれ、下ケース段差塗布部101bに塗布された接着剤200が過剰に押し潰され
るのを、防止することができる。
【0107】
このように、下ケース塗布面101cと上ケース接着面部120cとの間に所定の隙間
が形成される(保たれる)ように現像下ケース58aと現像上ケース58bとの間の位置
を、第一ケース突き当て凸部102aにより規制することで、下ケース塗布面101cに
塗布された接着剤200が、過剰に押し潰されて下ケース塗布面101cから漏れ出すの
を防止することができる。
【0108】
また、第一ケース突き当て凸部102aも、第二ケース突き当て凸部102bと同様、
現像上ケース58bが現像下ケース58aに位置決めされたとき、上ケース接着面部12
0cと非接触となるように構成している。これにより、製造誤差などにより第二ケース突
き当て凸部102bが狙いの高さよりも多少高くなっても、ケース接着面部251cを規
定の位置に位置させることができ、下ケース塗布面101cに塗布された接着剤200を
適度に押し潰すことができる。
【0109】
また、本実施形態では、第一ケース突き当て凸部102aが接着剤200を堰き止めて
、接着剤200が内部へ漏れ出すのを抑制することができる。
【0110】
本実施形態では、現像下ケース58aのケース塗布部(下ケース塗布溝101a,下ケ
ース段差塗布部101b,下ケース塗布面101c)と、現像上ケース58bのケース接
着部(上ケース接着凸部120a、上ケース段差接着部120b、上ケース接着面部12
0c)との間に所定の隙間が形成されるように、現像下ケース58aと現像上ケース58
bとの間の位置を規制する位置規制部(ケース位置決め溝161とケース位置決め穴16
2、第一ケース突き当て凸部102a, 第二ケース突き当て凸部102b)を設けたこと
で、ケース塗布部に塗られた接着剤200が過剰に押し潰されるのを防止することができ
、接着剤200の漏れ出しを抑制することができる。
【0111】
また、本実施形態では、現像下ケース58aと現像上ケース58bとの間の位置を規制
する位置規制部(ケース位置決め溝161とケース位置決め穴162、第一ケース突き当
て凸部102a, 第二ケース突き当て凸部102b)をケース塗布部(下ケース塗布溝1
01a,下ケース段差塗布部101b,下ケース塗布面101c)の近傍に設けている。こ
れにより、ケース塗布部と、ケース接着部(上ケース接着凸部120a、上ケース段差接
着部120b、上ケース接着面部120c)との間の隙間を、精度よく所定の隙間にする
ことができる。
【0112】
また、本実施形態では、現像上ケース58bを現像下ケース58aに位置決めすること
で、現像上ケース58bの各ケース接着部(上ケース接着凸部120a、上ケース段差接
着部120b、上ケース接着面部120c)を、確実に所定の位置に位置させることがで
きる。これにより、確実に、現像上ケース58bの接着部(上ケース接着凸部120a、
上ケース段差接着部120b、上ケース接着面部120c)を接着剤200に接触させる
ことができ、良好に現像上ケース58bと現像下ケース58aとの間を接着剤200で封
止することができる。
【0113】
さらに、本実施形態では、現像上ケース58bが現像下ケース58aに位置決めされる
ことで、現像上ケース58bが、簡単に、現像下ケース58aに対して外れる方向に相対
移動するのが防止される。よって、接着剤200が固化して現像上ケース58bと現像下
ケース58aとの接着が完了するまでの間で、現像上ケース58bが、現像下ケース58
aに対して、外れる方向に相対移動するのを抑制することができる。これより、現像上ケ
ース58bと現像下ケース58aとを確実に接着することができ、封止不良が生じるのを
抑制することができる。
【0114】
上記では、現像下ケース58aに、位置規制部(第一ケース突き当て凸部102aや第
二ケース突き当て凸部102b)を設けているが、現像上ケース58bに、位置規制部を
設けてもよい。また、現像上ケース58bに、接着剤200が塗布される塗布部を設け、
現像下ケース58aに接着剤200により接着される接着部をもうけてもよい。
【0115】
図15は、現像カバー58cを現像上ケース58bに位置決め固定する様子を示す斜視
図である。
【0116】
現像カバー58cのカバー主位置決め突起181(図6参照)を、現像上ケース58b
のカバー位置決め溝173(図6参照)に嵌め込んで、カバー主位置決め突起181を支
点にして図中時計回りに回転させる。そして、カバー位置決めフック部182をカバー位
置決め突起174に引っ掛ける。これにより、現像カバー58cが現像上ケース58bに
位置決めされる。
【0117】
図16は、現像カバー58cが現像上ケース58bに位置決めされたときの図8の一点
鎖線γの位置の概略断面図である。
【0118】
現像カバー58cが現像上ケース58bに位置決めされると、現像カバー58cのカバ
ー接着凸部151aが現像上ケース58bの上ケース塗布溝131aに入り込んで、カバ
ー接着凸部151aの先端が、上ケース塗布溝131aに塗布された接着剤201を適度
に押し潰して、カバー接着凸部151aが、上ケース塗布溝131aに接着され封止され
る。
【0119】
本実施形態では、現像カバー58cが現像上ケース58bに位置決めされて、現像カバ
ー58cの現像上ケース58bに対する位置が規制される。その結果、カバー接着凸部1
51aの先端が、上ケース塗布溝131aの底面に対して距離Z2離れた箇所で位置が規
制され、それ以上、底面側へは移動しない。このように、カバー接着凸部151aと上ケ
ース塗布溝131aとの間に所定の隙間が形成されるように、現像カバー58cと現像上
ケース58bとの間の位置が規制されることで、接着剤201が、カバー接着凸部151
aにより必要以上に押し潰されるのを防止することができ、接着剤201が、上ケース塗
布溝131aから漏れ出すのを防止することができる。
【0120】
また、本実施形態では、カバー接着凸部151aと上ケース塗布溝131aとの接着箇
所よりも長手方向外側、かつ、短手方向(長手方向と、上下方向のいずれにも直交する方
向、背面に直交する方向)の外側で、現像カバー58cと現像上ケース58bとが位置決
めされる。さらに、カバー接着凸部151aと上ケース塗布溝131aとの接着箇所の近
傍で、現像カバー58cと現像上ケース58bとが位置決めされる。従って、良好にカバ
ー接着凸部151aと上ケース塗布溝131aと位置関係を精度よく決めることができ、
接着剤201が、上ケース塗布溝131aから漏れ出すのを防止することができる。また
、カバー位置決め突起174とカバー位置決めフック部182とによる位置決めが、背面
の長手方向端部で行なわれることで、上ケース塗布面131bとカバー接着面部151b
との位置関係を精度よく決めることができる。これにより、上ケース塗布面131bとカ
バー接着面部151bとの間に所定の隙間(図17のX2)を確実に確保することができ
、接着剤201が、上ケース塗布面131aから漏れ出し難くすることができる。
【0121】
また、上ケース塗布溝131aにも、下ケース塗布溝101aと同様に、上側がテーパ
面133となっており、接着剤201が、上ケース塗布溝131aから漏れ出し難くなっ
ている。
【0122】
図17は、現像カバー58cが現像上ケース58bに位置決めされたときの図8の一点
鎖線βの位置の概略断面図である。
【0123】
現像カバー58cが現像上ケース58bに位置決めされることで、上ケース塗布面13
1bに塗布された接着剤201が、カバー接着面部151bに適度に押し潰されて、カバ
ー接着面部151bが上ケース塗布面131bに接着される。
【0124】
カバー接着面部151bは、現像上ケース58bに対する位置決め箇所から離れており
図6に示すように長手方向に長いため、変形しやすい。そのため、カバー接着面部15
1bが、上ケース塗布面131b側へ押されると、カバー接着面部151bが上ケース塗
布面131b側へ移動してしまう。
【0125】
しかし、本実施形態においては、上ケース塗布面131bの上下に、カバー突き当て凸
部132bとカバー突き当て面132cとが設けられている。カバー突き当て凸部132
bとカバー突き当て面132cは、上ケース塗布面131bからカバー接着面部151b
に突き出ている。従って、カバー接着面部151bが押されて上ケース塗布面131b側
へ移動すると、カバー接着面部151bが、カバー突き当て凸部132bとカバー突き当
て面132cとに突き当たって、位置が規制される。これにより、上ケース塗布面131
bと、カバー接着面部151bとの間には、所定の隙間が確保(形成)され、上ケース塗
布面131bに塗布された接着剤201が過剰に押し潰されて上ケース塗布面131bか
ら漏れ出すのを防止することができる。
【0126】
また、上ケース塗布面131bの上下に設けられたカバー突き当て凸部132bとカバ
ー突き当て面132cの上ケース塗布面131bに対する段差で、接着剤201が上ケー
ス塗布面131bから漏れ出すのを堰き止めることができる。これにより、上ケース塗布
面131bに塗布された接着剤201が上ケース塗布面131bから漏れ出すのをより一
層防止することができる。
【0127】
本実施形態では、上ケース塗布面131bとカバー接着面部151bとの間に所定の隙
間が形成されるように、現像カバー58cと現像上ケース58bとの位置を規制する位置
規制部を、現像上ケースに設けているが、現像カバー58cに設けてもよい
【0128】
また、本実施形態では、現像カバー58cを、現像上ケース58bに位置決めすること
で、現像カバー58cの各接着部(カバー接着凸部151a、カバー接着面部151b)
を、現像上ケース58bの各塗布部(上ケース塗布溝131a,上ケース塗布面131b
)に塗布された接着剤201に確実に当接させて、適度に押し潰すことができる。これに
より、良好に現像カバー58cと現像上ケース58bとの間を接着剤201で封止するこ
とができる。
【0129】
さらに、現像カバー58cが、現像上ケース58bに位置決めされることで、現像カバ
ー58cが、簡単に、現像上ケース58bに対して外れる方向に相対移動するのが防止さ
れる。よって、接着剤201が固化して現像上ケース58bと現像カバー58cとの接着
が完了するまでの間で、現像カバー58cが、現像上ケース58bに対して、外れる方向
に相対移動するのを抑制することができる。これより、現像上ケース58bと現像カバー
58cとを確実に接着することができ、封止不良が生じるのを抑制することができる。
【0130】
また、現像カバー58cが、現像上ケース58bに位置決めされることで、現像カバー
58cと現像ローラ50とを適切な隙間にすることができる。これにより、現像ローラ5
0の回転により、現像ローラ50と現像カバー58cとの間に適切な吸い込み気流を発生
させることができ、トナー飛散を防止することができる。
【0131】
また、現像上ケース58bの塗布部(上ケース塗布溝131a,上ケース塗布面131
b)の近傍に、現像カバー58cの位置を規制する位置規制部(カバー位置決め溝173
とカバー位置決め突起174、カバー突き当て凸部132bとカバー突き当て面132c
)を設けているので、現像上ケース58bに塗られた接着剤201が過剰に押し潰される
のを防止することができ、接着剤201の漏れ出しを抑制することができる。
【0132】
なお、現像カバー58cに接着剤201が塗布される塗布部を設け、現像上ケース58
bに現像カバー58cに接着される接着部を設けてもよい。
【0133】
また、上記では、本発明を、現像装置のケーシング58に適用した形態について説明し
たが、現像剤としてのトナーを収容するトナー容器11、現像剤としての廃トナーを収容
する廃トナー収容容器などにも本発明を適用することができる。
【0134】
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
複数の部材を組み合わせて内部に現像剤を収容する空間を形成し、かつ、接着剤などの
封止材により部材間を接着して封止するケーシング58などの現像剤収容容器において、
封止材により接着される2つの部材(本実施形態では、現像下ケース58aと現像上ケー
ス58b、現像上ケース58bと現像カバー58c)のうち一方の部材である第一部材の
接着部と、他方の部材である第二部材の接着部との間に所定の隙間が形成されるように、
第一部材と第二部材との間の位置を規制する位置規制部を有する。
【0135】
これによれば、位置規制部により第一部材と第二部材との間の位置を規制することで、
第一部材の接着部と第二部材の接着部との間が所定の隙間よりも狭まることを防止するこ
とができる。これにより、封止材を過度に押しつぶして封止材がはみ出すのを抑制するこ
とができる。
【0136】
(態様2)
態様1において、位置規制部は、第一部材に対して第二部材を位置決めする位置決め部
(本実施形態では、ケース位置決め溝161とケース主位置決め突起171、ケース位置
決め穴162とケース従位置決め突起172、カバー位置決め溝173とカバー主位置決
め突起181およびカバー位置決め突起174とカバー位置決めフック部182)である
【0137】
これによれば、実施形態で説明したように、第一部材の接着部に対する第二部材の接着
部の位置をほぼ狙いの位置に位置させることができ、確実に、第一部材の接着部と第二部
材のいずれか一方の接着部に塗布された封止材に他方の接着部を接触させることができる
。また、封止材が固化するまでの間に、第一部材が第二部材に対して外れる方向に相対的
に移動するのを防止することができる。これにより、第一部材の接着部と第二部材の接着
部とを封止材により良好に接着することができ、第一部材と第二部材とを良好に封止する
ことができる。
【0138】
(態様3)
態様2において、位置決め部は、接着部よりも外側に設けられている。
【0139】
これによれば、実施形態で説明したように、第一部材の接着部と第二部材の接着部との
位置関係を、精度よく狙いの位置関係にすることができる。これにより、第一部材の接着
部と第二部材の接着部とを封止材により良好に接着することができ、第一部材と第二部材
とを良好に封止することができる。
【0140】
(態様4)
態様1乃至3いずいれかにおいて、第一部材の接着部および第二部材の接着部のいずれ
か一方が、封止材が塗布される塗布部であり、塗布部は、凹形状(本実施形態では、下ケ
ース塗布溝101aや上ケース塗布溝131a)、段差形状(本実施形態では、下ケース
段差塗布部101b)である。
【0141】
これによれば、接着作業時は流動性をもつ封止材を良好に保持することができる。
【0142】
(態様5)
態様4において、凹形状の塗布部に接着される接着部の形状が、凸形状(本実施形態で
は、上ケース接着凸部120aやカバー接着凸部151a)である。
【0143】
これによれば、凹形状の塗布部の凹んだ部分に塗布された封止材に確実に接着部を接触
させることができ、塗布部に接着部を接着することができる。
【0144】
(態様6)
態様4または5において、凹形状の塗布部と段差形状の塗布部とが連なっている。
【0145】
これによれば、実施形態で説明したように、第一部材と第二部材との間を、切れ目なく
封止材により接着して封止することができる。
【0146】
(態様7)
態様1乃至6いずれかにおいて、弾性変形することで現像下ケース58aなどの第一部
材と現像上ケース58bなどの第二部材との間を封止するスポンジシール140などの封
止部材を有し、封止部材に接着剤200などの封止材が接触している。
【0147】
これによれば、スポンジシール140などの封止部材と接着剤200などの封止材とで
、現像下ケース58aなどの第一部材と現像上ケース58bなどの第二部材との間を切れ
目無く封止することができる。
【0148】
(態様8)
態様7において、スポンジシール140などの封止部材は、切り欠き形状部140aを
有し、切り欠き形状部140aの切り欠いた箇所に接着剤などの封止材が入り込んでいる
【0149】
これによれば、スポンジシール140などの封止部材と接着剤200などの封止材との
間の切れ目を確実に無くすことができる。
【0150】
(態様9)
態様8において、スポンジシール140などの封止部材が取り付けられるシール取り付
け面110などの取り付け部に、接着剤200などの封止材が塗布される下ケース塗布溝
101aなど凹形状の塗布部が連なっている。
【0151】
これによれば、接着剤200などの封止材を、切り欠き形状部140aの切り欠いた箇
所まで切れ目なく塗布することができる。
【0152】
(態様10)
態様9において、切り欠き形状部140aの先端部分が、下ケース塗布溝101aなど
の凹形状の塗布部の側壁の先端面Hに貼り付けられている。
【0153】
これによれば、実施形態で説明したように、切り欠き形状部140aの切り欠いた箇所
に塗布された接着剤200などの封止材が、下ケース塗布溝101a凹形状の塗布部の側
壁の先端面と切り欠き形状部140aの先端とのの隙間から流れ出すのを防止することが
できる。
【0154】
(態様11)
態様7乃至10いずれかにおいて、現像ローラ50などの回転部材を備え、スポンジシ
ール140などの封止部材は、回転部材に接触する。
【0155】
これによれば、現像ローラ50の回転部材の回転を阻害せずに、回転部材周囲の封止部
材で封止することができる。
【0156】
(態様12)
態様1乃至11いずれかにおいて、位置規制部は、接着部の近傍に設けられている。
【0157】
これによれば、実施形態で説明したように、位置規制部により第一部材と第二部材との
間の位置を規制した際に、第一部材の接着部と、第二部材の接着部との間の隙間を狙いの
隙間にすることができ、封止材が過剰に押し潰されてしまうのを確実に抑制することがで
きる。
【0158】
(態様13)
態様1乃至12いずれかにおいて、位置規制部は、封止材が塗布される塗布面から突出
する凸形状(第一ケース突き当て凸部102aや第二ケース突き当て凸部102bなど)
である。
【0159】
これによれば、塗布面が形成された部材の他方の部材が位置規制部に突き当たることに
より、位置を規制することができ、封止材が過剰に押し潰されてしまうのを確実に抑制す
ることができる。
【0160】
(態様14)
現像剤を担持して回転し、感光体な1どの潜像担持体上の潜像を現像する現像ローラ5
0などの現像剤担持体と、現像剤を収容する現像剤収容部とを備えた現像装置において、
現像剤収容部として、態様1乃至13いずれかの現像剤収容容器を用いた。
【0161】
これによれば、漏れ出した接着剤による不具合の発生を抑制することができる。
【0162】
(態様15)
感光体1などの潜像担持体と、潜像担持体の潜像を、現像剤を用いて現像する現像装置
5などの現像手段と、現像剤を収容する現像剤収容部とを備えた画像形成装置において、
現像剤収容部として、態様1乃至13いずれかの現像剤収容容器を用いた。
【0163】
これによれば、漏れ出した接着剤による不具合の発生を抑制することができる。
【符号の説明】
【0164】
1 :感光体
5 :現像装置
50 :現像ローラ
51 :現像スリーブ
52 :ドクタブレード
53 :供給スクリュ
53a :供給搬送路
54 :回収スクリュ
54a :回収搬送路
55 :マグネットローラ
57 :仕切り板
58 :ケーシング
58a :現像下ケース
58b :現像上ケース
58c :現像カバー
59 :トナー補給口
101a :下ケース塗布溝
101b :下ケース段差塗布部
101c :下ケース塗布面
102a :第一ケース突き当て凸部
102b :第二ケース突き当て凸部
102c :堰き止め壁部
103a :傾斜面
106 :テーパ面
110 :シール取り付け面
111 :封止突起部
120a :上ケース接着凸部
120b :上ケース段差接着部
120c :上ケース接着面部
131a :上ケース塗布溝
131b :上ケース塗布面
132b :カバー突き当て凸部
132c :カバー突き当て面
133 :テーパ面
140 :スポンジシール
140a :切り欠き形状部
151a :カバー接着凸部
151b :カバー接着面部
161 :ケース位置決め溝
162 :ケース位置決め穴
171 :ケース主位置決め突起
172 :ケース従位置決め突起
173 :カバー位置決め溝
174 :カバー位置決め突起
181 :カバー主位置決め突起
182 :カバー位置決めフック部
200 :接着剤
201 :接着剤
250a :ベース部
250b :側壁部
251a :背面壁部
251b :内側側壁部
251c :ケース接着面部
252 :カバーベース部
500 :複写機
【先行技術文献】
【特許文献】
【0165】
【特許文献1】特許第5366471号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
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図17