特開2023-19310IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

アセト乳酸合成酵素およびそれを用いたイソブタノールの製造方法

要約特許出願時に添付された[要約書]

【課題】 イソブタノール生合成に重要な反応であるピルビン酸をアセト乳酸に変換する反応が変化した変異型を提供し、さらに変異型酵素を導入した大腸菌を培養することでイソブタノールの生産量を向上させる製造技術を提供する。
【解決手段】 アセト乳酸合成酵素の変異体および当該変異体を導入した微生物を提供する。
【選択図】なし

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

バイオエコノミー社会の構築やSDGsといった環境問題への取り組みの中で、バイオプロセスによる化学品の原料転換が改めて注目を集めている。例えば、イソブタノールは、ラッカーや塗料の原料、プラスチック、ゴムの可塑剤など使用範囲が広く、様々な化学品の原料となる基幹化合物であり、バイオプロセスによる原料転換が期待されている。一般的にバイオプロセスの鍵を握るのは化学品を生産する微生物の性能であり、多くの研究が実施されている。微生物の一次代謝化合物であるピルビン酸をアセト乳酸に変換する酵素の活性を高め、微生物内に導入することで、イソブタノール生産性を向上できれば、化学品の原料転換に貢献するとともに、バイオ製品にシフトしつつある化学産業分野への展開が期待できる。 本願発明は、イソブタノール生合成に重要なアセト乳酸合成酵素の変異体を作製し、ピルビン酸をアセト乳酸に変換する反応を変化させることを課題とし、さらに変異体を導入した大腸菌を作製して培養することでイソブタノールの生産量を向上させることを課題とする。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

発明者は、ピルビン酸からアセト乳酸を生成する反応を触媒する酵素、アセト乳酸合成酵素に着目し、コンピューテーショナルデザインの技術を導入することで、酵素活性が変化した変異体酵素の作製に成功した。さらに、この変異体酵素を微生物に導入することで、イソブタノール生産量を向上させることに成功し、本発明を生み出すに至った。

発明の効果[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明のアセト乳酸合成酵素は、変異導入前に比べてアセト乳酸合成活性が変化している。この酵素を導入した大腸菌形質転換体は、変異導入前の酵素を導入した大腸菌形質転換体に比べて、培養温度37℃という条件下で、イソブタノール生産量が1.02-1.64倍向上した。すなわち、この変異体を用いることで、微生物によるイソブタノール生産効率を向上させることができる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】 図1は下記実施例1で作製したプラスミドのプラスミドマップを示す。図1AはpCDFDuet-1/alsS-ilvCDのプラスミドマップを示し、図1BはpCOLADuet-1/kivd-ADH2のプラスミドマップを示す。
【図2A】 図2Aは下記実施例3において行った、野生型のalsS遺伝子を配した酵素発現用プラスミドをもつ大腸菌由来の粗抽出液をニッケルカラムに供し、さらにSDS―PAGEに供した際の画像を示す。
【図2B】 図2Bは下記実施例3において行った、変異型1-5のalsS遺伝子を配した酵素発現用プラスミドをもつ大腸菌由来の粗抽出液をニッケルカラムに供し、さらにSDS―PAGEに供した際の画像を示す。
【図3】 図3は下記実施例5において行った、好気的条件下で組換え大腸菌を培養してイソブタノールを生産させたときの培養24時間、30時間、48時間後におけるイソブタノール生産量(g/L)またはイソブタノール生産量/菌体量を示すグラフである。
【図4】 図4は下記実施例6において行った、嫌気的条件下で組換え大腸菌を培養してイソブタノールを生産させたときの培養24時間、30時間、48時間後におけるイソブタノール生産量(g/L)またはイソブタノール生産量/菌体量を示すグラフである。

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