(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023019558
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】検査システムの検査方法、および検査システム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20230202BHJP
【FI】
H01L21/66 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021124355
(22)【出願日】2021-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】成川 健一
【テーマコード(参考)】
4M106
【Fターム(参考)】
4M106BA01
4M106CA04
4M106DD10
4M106DD23
4M106DJ14
4M106DJ18
4M106DJ27
(57)【要約】
【課題】複数の検査ユニットを有する検査システムの消費電力を抑制することができる技術を提供する。
【解決手段】検査システムは、被検査体の電気的検査を行う検査ユニットを複数備える。検査方法では、検出した総電流に基づき、以下の(a)~(c)の判定処理のうち少なくとも1つを行う。(a)未動作ユニットが検査を開始するタイミングで総電流と開始電流閾値とを比較し、総電流が開始電流閾値以上の場合には未動作ユニットの検査の開始を待機する。(b)動作中ユニットの検査中に総電流と動作中電流閾値とを比較し、総電流が動作中電流閾値以上の場合には動作中ユニットを待機する。(c)未動作ユニットが検査を開始するタイミングで、総電流と処理速度電流閾値とを比較し、総電流が処理速度電流閾値以上の場合には低電力かつ低速の処理内容に設定して未動作ユニットの検査を開始する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査体の電気的検査を行う検査ユニットを複数備える検査システムの検査方法であって、
前記複数の検査ユニットの各々に供給する電流の総和である総電流または電力の総和である総電力を検出し、
検出した前記総電流または前記総電力に基づき、以下の(a)~(c)の判定処理のうち少なくとも1つを行う、
(a)の判定処理:前記複数の検査ユニットのうち検査を行っていない未動作ユニットが検査を開始するタイミングで、前記総電流と開始電流閾値とを比較または前記総電力と開始電力閾値とを比較し、比較の結果、前記総電流が前記開始電流閾値以上または前記総電力が前記開始電力閾値以上の場合には前記未動作ユニットの検査の開始を待機し、前記総電流が前記開始電流閾値未満または前記総電力が前記開始電力閾値未満の場合には前記未動作ユニットの検査を開始する
(b)の判定処理:前記複数の検査ユニットのうち検査を行っている動作中ユニットの検査中に、前記総電流と動作中電流閾値とを比較または前記総電力と動作中電力閾値とを比較し、比較の結果、前記総電流が前記動作中電流閾値以上または前記総電力が前記動作中電力閾値以上となった場合には前記動作中ユニットのうち少なくとも1つを待機し、前記総電流が前記動作中電流閾値未満または前記総電力が前記動作中電力閾値未満の場合には前記動作中ユニットの検査を継続する
(c)の判定処理:前記未動作ユニットが検査を開始するタイミングで、前記総電流と処理速度電流閾値とを比較または前記総電力と処理速度電力閾値とを比較し、比較の結果、前記総電流が前記処理速度電流閾値以上または前記総電力が前記処理速度電力閾値以上の場合には低電力かつ低速の処理内容に設定して前記未動作ユニットの検査を開始し、前記総電流が前記処理速度電流閾値未満また前記総電力が前記処理速度電力閾値未満の場合には高電力かつ高速の処理内容に設定して前記未動作ユニットの検査を開始する
検査システムの検査方法。
【請求項2】
前記(a)の判定処理、前記(b)の判定処理および前記(c)の判定処理を全て行う、
請求項1に記載の検査システムの検査方法。
【請求項3】
前記総電流と比較する電流閾値は、以下の(1)の関係に設定され、または前記総電力と比較する電力閾値は、以下の(2)の関係に設定される
前記処理速度電流閾値≦前記開始電流閾値<前記動作中電流閾値 …(1)
前記処理速度電力閾値≦前記開始電力閾値<前記動作中電力閾値 …(2)
請求項2記載の検査システムの検査方法。
【請求項4】
前記総電流と比較する電流閾値、または前記総電力と比較する電力閾値は、ユーザの操作に応じて設定可能である
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の検査システムの検査方法。
【請求項5】
前記(a)の判定処理による前記未動作ユニットの検査の待機において、
前記総電流が解除電流閾値以上または前記総電力が解除電力閾値以上の場合に、前記未動作ユニットの待機を継続し、前記総電流が前記解除電流閾値未満または前記総電力が前記解除電力閾値未満に達した場合に、前記未動作ユニットの検査を開始し、
前記解除電流閾値が前記開始電流閾値以下、または前記解除電力閾値が前記開始電力閾値以下に設定されている
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の検査システムの検査方法。
【請求項6】
前記(b)の判定処理による前記動作中ユニットの検査の待機において、
前記総電流が再開電流閾値以上または前記総電力が再開電力閾値以上の場合に、前記動作中ユニットの待機を継続し、前記総電流が前記再開電流閾値未満または前記総電力が前記再開電力閾値未満に達した場合に、前記動作中ユニットの検査を再開し、
前記再開電流閾値が前記動作中電流閾値以下、または前記再開電力閾値が前記動作中電力閾値以下に設定されている
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の検査システムの検査方法。
【請求項7】
前記(b)の判定処理による前記動作中ユニットの検査の待機において、当該動作中ユニットにて既に実施している検査項目を終了するまで検査を継続し、次の検査項目の実施を待機する
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の検査システムの検査方法。
【請求項8】
前記複数の検査ユニットは、前記低電力かつ低速の処理内容で検査する低スループット用プログラムと、前記高電力かつ高速の処理内容で検査する高スループット用プログラムと、を保有しており、
前記(c)の判定処理により、前記未動作ユニットは、前記低スループット用プログラムおよび前記高スループット用プログラムのうちいずれか一方を実行する
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の検査システムの検査方法。
【請求項9】
前記検査ユニットは、テスタと、前記テスタに装着されて前記被検査体である基板に接触するプローブカードと、を有し、前記基板に形成された半導体デバイスの電気的特性を検査する
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の検査システムの検査方法。
【請求項10】
被検査体の電気的検査を行う検査ユニットを複数備える検査システムであって、
前記複数の検査ユニットの各々に供給する電流の総和である総電流を検出する電流計、および電力の総和である総電力を検出する電力計のうち少なくとも1つと、
検出した前記総電流または前記総電力に基づき、以下の(a)~(c)の判定処理のうち少なくとも1つを行う制御部と、を備える、
(a)の判定処理:前記複数の検査ユニットのうち検査を行っていない未動作ユニットが検査を開始するタイミングで、前記総電流と開始電流閾値とを比較または前記総電力と開始電力閾値とを比較し、比較の結果、前記総電流が前記開始電流閾値以上または前記総電力が前記開始電力閾値以上の場合には前記未動作ユニットの検査の開始を待機し、前記総電流が前記開始電流閾値未満または前記総電力が前記開始電力閾値未満の場合には前記未動作ユニットの検査を開始する
(b)の判定処理:前記複数の検査ユニットのうち検査を行っている動作中ユニットの検査中に、前記総電流と動作中電流閾値とを比較または前記総電力と動作中電力閾値とを比較し、比較の結果、前記総電流が前記動作中電流閾値以上または前記総電力が前記動作中電力閾値以上となった場合には前記動作中ユニットのうち少なくとも1つを待機し、前記総電流が前記動作中電流閾値未満または前記総電力が前記動作中電力閾値未満の場合には前記動作中ユニットの検査を継続する
(c)の判定処理:前記未動作ユニットが検査を開始するタイミングで、前記総電流と処理速度電流閾値とを比較または前記総電力と処理速度電力閾値とを比較し、比較の結果、前記総電流が前記処理速度電流閾値以上または前記総電力が前記処理速度電力閾値以上の場合には低電力かつ低速の処理内容に設定して前記未動作ユニットの検査を開始し、前記総電流が前記処理速度電流閾値未満また前記総電力が前記処理速度電力閾値未満の場合には高電力かつ高速の処理内容に設定して前記未動作ユニットの検査を開始する
検査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、検査システムの検査方法、および検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、被検査体の電気的検査を行う複数のテスタ(検査ユニット)を備えた検査システムが開示されている。この種の検査システムを有する工場は、各検査ユニットの消費電力が同時に最大となることを想定した電源容量を確保している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、複数の検査ユニットを有する検査システムの消費電力を抑制することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様によれば、被検査体の電気的検査を行う検査ユニットを複数備える検査システムの検査方法であって、前記複数の検査ユニットの各々に供給する電流の総和である総電流または電力の総和である総電力を検出し、検出した前記総電流または前記総電力に基づき、以下の(a)~(c)の判定処理のうち少なくとも1つを行う、検査システムの検査方法が提供される。
(a)の判定処理:前記複数の検査ユニットのうち検査を行っていない未動作ユニットが検査を開始するタイミングで、前記総電流と開始電流閾値とを比較または前記総電力と開始電力閾値とを比較し、比較の結果、前記総電流が前記開始電流閾値以上または前記総電力が前記開始電力閾値以上の場合には前記未動作ユニットの検査の開始を待機し、前記総電流が前記開始電流閾値未満または前記総電力が前記開始電力閾値未満の場合には前記未動作ユニットの検査を開始する
(b)の判定処理:前記複数の検査ユニットのうち検査を行っている動作中ユニットの検査中に、前記総電流と動作中電流閾値とを比較または前記総電力と動作中電力閾値とを比較し、比較の結果、前記総電流が前記動作中電流閾値以上または前記総電力が前記動作中電力閾値以上となった場合には前記動作中ユニットのうち少なくとも1つを待機し、前記総電流が前記動作中電流閾値未満または前記総電力が前記動作中電力閾値未満の場合には前記動作中ユニットの検査を継続する
(c)の判定処理:前記未動作ユニットが検査を開始するタイミングで、前記総電流と処理速度電流閾値とを比較または前記総電力と処理速度電力閾値とを比較し、比較の結果、前記総電流が前記処理速度電流閾値以上または前記総電力が前記処理速度電力閾値以上の場合には低電力かつ低速の処理内容に設定して前記未動作ユニットの検査を開始し、前記総電流が前記処理速度電流閾値未満また前記総電力が前記処理速度電力閾値未満の場合には高電力かつ高速の処理内容に設定して前記未動作ユニットの検査を開始する
【発明の効果】
【0006】
一態様によれば、複数の検査ユニットを有する検査システムの消費電力を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態に係る検査システムの全体構成を示す図である。
【
図2】検査装置の水平方向に沿った概略断面図である。
【
図3】搬送領域および検査領域の鉛直方向に沿った概略断面図である。
【
図4】テスタおよびプローブカードを有する検査ユニットを示す概略縦断面図である。
【
図5】検査装置のハードウェアの電気接続および通信接続を示すブロック図である。
【
図6】コントローラの機能部を示すブロック図である。
【
図7】総電流に対する第1判定処理部の判定処理を説明する図である。
【
図8】総電流に対する第2判定処理部の判定処理を説明する図である。
【
図9】総電流に対する第3判定処理部の判定処理を説明する図である。
【
図10】開始電流閾値、解除電流閾値、動作中電流閾値、再開電流閾値、処理速度電流閾値を例示した説明図である。
【
図11】未動作ユニットの検査の開始時における検査方法を示すフローチャートである。
【
図12】動作中ユニットの動作中における検査方法を示すフローチャートである。
【
図13】変形例に係る検査装置のハードウェアの電気接続および通信接続を示すブロック図である。
【
図14】別の変形例に係る検査システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本開示を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0009】
図1は、本開示の一実施形態に係る検査システム1の全体構成を示す図であり、(a)は、搬入出領域12から見た斜視図、(b)は、検査領域14から見た斜視図である。
図1に示すように、一実施形態に係る検査システム1は、基板の一例であるウエハW(被検査体)を検査する検査装置10を1以上(図示例では1つ)備える。検査装置10は、例えば、ウエハWを製造する工場のクリーンルーム等に設置される。
【0010】
検査装置10は、直方形状の筐体11を有し、この筐体11内にウエハWの電気的検査を行う複数のテスタ20を有する。また、検査装置10は、検査装置10の動作を制御するコントローラ30(制御部)と、検査装置10のユーザが操作するための操作用端末40と、を筐体11に備える。
【0011】
図2は、検査装置10の水平方向に沿った概略断面図である。
図2に示すように、筐体11は、当該筐体11の外部と内部(検査室11a)との間でウエハWを搬入出する搬入出領域12と、搬入出領域12のウエハWを搬送する搬送領域13と、搬送領域13から搬送されたウエハWを検査する検査領域14と、を含む。
【0012】
搬入出領域12には、筐体11の水平方向に沿って複数の搬入出区画12aが設けられている(
図1も参照)。各搬入出区画12aは、ロードポート15、アライナ16等を備える。ロードポート15は、複数のウエハWを収容する容器であるFOUPを受け入れる。アライナ16は、ウエハWの位置合わせを行う。また、搬入出領域12は、複数のテスタ20の各々で使用するプローブカードPR(
図4参照)を搬入出するためのローダ17を有する。
【0013】
搬送領域13は、搬入出領域12および検査領域14に移動可能な搬送ステージ18を複数有する。各搬送ステージ18は、後記の検査領域14の各テスタライン14Lに1つずつ設けられる。搬送ステージ18は、搬入出領域12のロードポート15からウエハWを受け取って検査領域14へ搬送するとともに、検査が終了したウエハWを検査領域14からロードポート15へ搬送する。また、搬送ステージ18は、テスタ20のプローブカードPRを交換する場合に、検査領域14からプローブカードPRを受け取ってローダ17へ搬送するとともに、新規のプローブカードPRをローダ17から検査領域14へ搬送する。
【0014】
搬送ステージ18は、ウエハWを上面に真空吸着して、位置決め固定するチャック装置18aを有する。なお、チャック装置18aの保持方法は真空吸着に限らず、例えば、電磁吸着やクランプによる保持であってもよい。
【0015】
図3は、搬送領域13および検査領域14の鉛直方向に沿った概略断面図である。
図3に示すように、検査領域14は、ウエハWを検査する複数のテスタ20を有する。具体的には、複数のテスタ20は、水平方向かつ鉛直方向(高さ方向)にマトリクス状に配置されている(
図1(b)も参照)。以下、水平方向に配置された複数のテスタ20のまとまりをテスタライン14Lという。テスタライン14Lは、水平方向に4つのテスタ20を有し、検査装置10は、このテスタライン14Lを鉛直方向に3段(多段)有する。つまり、検査装置10は12個のテスタ20を備える。なお、検査装置10は、テスタライン14Lを構成するテスタ20の数およびテスタライン14Lの段数について特に限定されないことは勿論である。
【0016】
また、検査領域14は、複数のテスタライン14L毎に1つのカメラ19を有する。各カメラ19は、対応するテスタライン14Lに沿って水平に移動し、テスタライン14Lを構成する各テスタ20の前において搬送ステージ18が搬送するウエハWの位置等を撮像する。
【0017】
図4は、テスタ20およびプローブカードPRを有する検査ユニット21を示す概略縦断面図である。
図4に示すように、検査領域14の各テスタ20は、プローブカードPRを装着するポゴフレーム22(テストヘッド)を有し、プローブカードPRの装着状態でウエハWの電気的検査を行う。すなわち、検査装置10は、ウエハWの検査において、テスタ20とプローブカードPRとを組み立てることで、検査ユニット21を形成する。
【0018】
各テスタ20のメイン部は、筐体11内のフレームに連結されたポゴフレーム22の上部に、ベース20aを介して設置される。また、ポゴフレーム22の下部には、プローブカードPRが装着される。
【0019】
プローブカードPRは、円板形状の本体23と、本体23の上面に配置される多数の電極24と、各電極24に接続され本体23の下面から下方へ向かって突出する多数のコンタクトプローブ25(接触端子)と、を有する。各コンタクトプローブ25は、ウエハWとの当接により、ウエハWに形成された各半導体デバイスの電極パッドや半田バンプと電気的に接触する。各コンタクトプローブ25は、例えば、ウエハWの全面に一括して接触することで、多数の半導体デバイスの電気的特性を同時検査可能とする。
【0020】
ポゴフレーム22は、略平板状に形成され、中央部近辺に複数の貫通穴26を有する。各貫通穴26には、多数のポゴピンからなるポゴブロック27が挿入されている。ポゴブロック27は、テスタ20のメイン部の検査回路に接続されるとともに、プローブカードPRの多数の電極24に接触することが可能である。
【0021】
また、ポゴフレーム22は、このポゴフレーム22と搬送ステージ18との間で、真空を形成する真空機構28を有する。真空機構28は、上下に移動可能にポゴフレーム22と係合するフランジ28a、ポゴフレーム22とフランジ28aの間を囲うベローズ28b、およびポゴフレーム22と、ベース20aと、プローブカードPRの間を囲うシール部材28c、28dを含む。また、フランジ28aの下端面には、チャック装置18aに気密に接触可能な接触部材28eが設けられている。真空機構28は、図示しない真空ポンプによりシール部材28cで囲った空間を真空引きすることで、ベース20aとポゴフレーム22とを装着し、かつチャック装置18aおよびプローブカードPRとポゴフレーム22とを装着する。
【0022】
各テスタ20は、各構成を動作させる制御基板29をテスタ20の内部に有する。制御基板29は、1以上のプロセッサ29a、メモリ29b、図示しない入出力インタフェースおよび電子回路等を有するテスタ用コンピュータ内臓ボードである。1以上のプロセッサ29aは、CPU、ASIC、FPGA、複数のディスクリート半導体からなる回路等のうち1つまたは複数を組み合わせたものであり、メモリ29bに記憶されたプログラムおよびレシピを実行処理する。メモリ29bは、不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含み、制御基板29の記憶部を形成している。
【0023】
制御基板29のプロセッサ29aは、コントローラ30から送信される制御指令に応じて、適切なプログラムまたはレシピを実行して各構成を動作させることで、ウエハWに対する電気的検査を行う。また、プロセッサ29aは、ウエハWの検査結果をコントローラ30に送信する。
【0024】
一方、検査装置10のコントローラ30は、1以上のプロセッサ31、メモリ32、入出力インタフェース33および電子回路34を有する検査装置10全体の制御用コンピュータである。1以上のプロセッサ31は、CPU、ASIC、FPGA、複数のディスクリート半導体からなる回路等のうち1つまたは複数を組み合わせたものであり、メモリ32に記憶されたプログラムを実行処理する。メモリ32は、不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含み、コントローラ30の記憶部を形成している。
【0025】
コントローラ30は、入出力インタフェース33を介して、ロードポート15、アライナ16、ローダ17、搬送ステージ18、カメラ19およびテスタ20(共に
図2を参照)等に通信可能に接続されている。
【0026】
また、コントローラ30は、入出力インタフェース33を介して、検査装置10の筐体11に設けられた操作用端末40に接続されている(
図1参照)。操作用端末40は、検査装置10の入出力装置を構成するタッチパネル41等を有する。なお、操作用端末40は、特に限定されず、モニタ、スピーカ、キーボード、マウス等を適用してもよい。コントローラ30は、操作用端末40を介してユーザが入力した検査装置10の検査内容を受信し、この検査内容に基づき検査装置10の各構成に制御指令を出力し、ウエハWの電気的検査を行う。また、コントローラ30は、各テスタ20から検査結果を受信すると、当該検査結果をメモリ32に記憶し、ユーザの操作下に操作用端末40に介して検査結果を表示する。
【0027】
図1~
図4に示すように、検査装置10は、コントローラ30の制御に基づき、搬入出領域12のウエハWを搬送ステージ18により保持して、搬送ステージ18を移動させる。これにより、検査装置10は、テスタ20のプローブカードPRの下方にウエハWを搬送して、さらにプローブカードPRにウエハW近接させる。搬送ステージ18がフランジ28aに当接した際に、プローブカードPRの下には、プローブカードPR、搬送ステージ18、ポゴフレーム22およびフランジ28aによって囲まれる空間が形成される。
【0028】
テスタ20の制御基板29は、検査装置10の制御指令を受信すると、真空機構28を動作し、ベローズ28bによって封止された空間を真空引きすることで、ポゴフレーム22に対してチャック装置18aを保持させる。このとき、ウエハWの各半導体デバイスにおける各電極パッドや各半田バンプと、プローブカードPRの各コンタクトプローブ25とが当接する。
【0029】
これにより、各検査ユニット21(テスタ20、プローブカードPR)は、制御基板29の制御に基づき、ポゴピンおよびプローブカードPRの各コンタクトプローブ25を介して、ウエハWの各半導体デバイスの電子回路に電流を流す。そして、制御基板29は、ウエハWから各コンタクトプローブ25およびポゴピンを介して戻る電流を、検査回路において電気的に検査する。
【0030】
図5は、検査装置10のハードウェアの電気接続および通信接続を示すブロック図である。
図5に示すように、検査装置10は、当該検査装置10の各構成間を接続する電気配線50を有する。また、検査装置10は、電気配線50を介して接続される電気系統の構成として、電源接続部51と、電源接続部51に直列接続されるブレーカ52と、ブレーカ52に直列接続される電流計53と、電流計53に直列接続される配電部54と、を含む。複数のテスタ20(検査ユニット21)およびコントローラ30は、配電部54に対して並列接続されており、配電部54にて配電された電力が供給される。
【0031】
また、検査装置10は、通信系統として、各テスタ20とコントローラ30との間、および電流計53とコントローラ30との間を、情報通信可能に接続する適宜の通信手段(
図5の点線参照)を有する。通信手段は、特に限定されず、有線または無線のいずれを適用してもよい。
【0032】
検査装置10の電源接続部51は、工場に給電されているAC電源に接続される。AC電源は、例えば、200Vの交流電圧を検査装置10に供給する。電源接続部51は、交流電力を直流電力に変換するアダプタを備えていてもよい。
【0033】
ブレーカ52は、検査装置10に供給される電流が、所定の遮断電流値(定格電流)以上となった場合に電気配線50を遮断することで、検査装置10内への過電流の供給を規制する。ブレーカ52の遮断電流値は、特に限定されないが、例えば工場に供給可能な電流(工場のブレーカ)の70%以下に設定されるとよい。
【0034】
電流計53は、各テスタ20に供給される電流の総和である総電流を検出し、その検出信号(総電流の情報)をコントローラ30に出力する。なお、電流計53の設置位置は、配電部54よりも電源接続部51側であれば特に限定されず、電源接続部51とブレーカ52の間であってもよい。
【0035】
配電部54は、コントローラ30の動作に必要な電力を供給するとともに、各検査ユニット21の動作状態に応じて各テスタ20に電力を供給する。また、配電部54は、検査装置10の他の構成(ロードポート15、アライナ16、ローダ17、搬送ステージ18、カメラ19等:
図2参照)にも適宜の電力を供給している。なお、本実施形態に係る検査装置10は、電流計53よりも下流側の配電部54にコントローラ30を接続しているが、
図5中の点線で示すように電流計53よりも上流側に配電部55を備え、この配電部55にコントローラ30を接続した構成でもよい。
【0036】
コントローラ30は、検査装置10の電源系統からの供給電力に基づき起動状態となり、上記したウエハWの電気的検査を実施する。この際、コントローラ30は、電流計53から取得した各テスタ20(検査ユニット21)に供給される総電流に基づき、各検査ユニット21の検査の進行を調整して、検査装置10全体としての消費電力(消費電流)を抑制する。
【0037】
図6は、コントローラ30の機能部を示すブロック図である。メモリ32に記憶されたプログラムをプロセッサ31が実行処理することで、
図6に示すように、消費電力を抑制する機能ブロックを形成する。詳細には、コントローラ30の内部には、電流取得部60、動作取得部61、検査計画部62、検査進行調整部63、テスタ指令部64が形成される。
【0038】
電流取得部60は、電流計53が検出した総電流の情報を取得してメモリ32に一時的に記憶するとともに、検査進行調整部63に出力する。
【0039】
動作取得部61は、検査装置10の各構成(ロードポート15、搬送ステージ18および複数のテスタ20等)から動作状態に関する情報を継続的に取得する。例えば、検査ユニット21の動作状態としては、検査ユニット21の識別情報、電気的検査の動作中または電気的検査の未動作、電気的検査の動作中の場合における検査項目、電気的検査で使用しているプログラム等があげられる。
【0040】
検査計画部62は、動作取得部61からの情報に基づき、複数の検査ユニット21(テスタ20)のうち検査を現在行っている動作中ユニット21Aと、複数の検査ユニット21のうち検査を行っていない未動作ユニット21Bと、を認識する。この際、検査計画部62は、動作中ユニット21Aが現在行っている検査項目を参照し、検査の進捗具合を認識することが好ましい。そして、検査計画部62は、使用可能な搬送ステージ18や検査予定のウエハWの枚数等に基づき、未動作ユニット21Bの検査を計画する。例えば、検査計画部62は、検査予定のウエハWがロードポート15にあり、かつ使用していない搬送ステージ18がある場合に、その搬送ステージ18があるテスタライン14Lの検査ユニット21のうち未動作ユニット21Bの動作を決定する。そして、検査計画部62は、未動作ユニット21Bの検査を開始する計画情報を検査進行調整部63に出力する。
【0041】
検査進行調整部63は、電流取得部60の総電流の情報、動作取得部61の各構成の動作状態に関する情報、検査計画部62の計画情報に基づき、各検査ユニット21の検査を調整する判定処理を行う。具体的には、検査進行調整部63は、以下の(a)~(c)の判定と、当該判定に応じた処理内容を設定する。
(a)総電流が小さい場合には、未動作ユニット21Bの検査の開始を許容し、総電流が大きい場合には、総電流が小さくなるまで未動作ユニット21Bの検査の開始を待機する。
(b)総電流が小さい場合には、動作中ユニット21Aの検査を継続し、総電流が大きい場合には、総電流が小さくなるまで動作中ユニット21Aの検査を一旦待機する。
(c)総電流が小さい場合には、高スループットで検査するように未動作ユニット21Bの検査を開始し、総電流が大きい場合には、低スループットで検査するように未動作ユニット21Bの検査を開始する。
【0042】
以上の(a)~(c)の処理を実施するために、検査進行調整部63内には、第1判定処理部65、第2判定処理部66および第3判定処理部67が形成される。さらに、検査進行調整部63内には、総電流と比較するための各電流閾値をユーザにより設定可能とする閾値設定部68が形成されることが好ましい。
【0043】
第1判定処理部65は、検査計画部62の計画情報における未動作ユニット21Bの検査開始の指示に基づき、(a)の判定および処理内容の設定を行う。このため、第1判定処理部65は、総電流と比較するための開始電流閾値Taを有する。開始電流閾値Taは、特に限定されるものではないが、ブレーカ52の遮断電流値に対して50%~70%程度の範囲に設定されるとよい。第1判定処理部65は、総電流が開始電流閾値Ta以上の場合に、未動作ユニット21Bの検査の開始を待機することを判定し、総電流が開始電流閾値Ta未満の場合に、未動作ユニット21Bの検査を開始することを判定する。
【0044】
さらに、第1判定処理部65は、未動作ユニット21Bの検査の開始を待機した場合に、待機状態から検査へ移行するタイミングを計る。このため、第1判定処理部65は、総電流と比較するための解除電流閾値Tbを有する。解除電流閾値Tbは、開始電流閾値Ta以下の電流値であり、例えば、ブレーカ52の遮断電流値に対して40%~60%程度の範囲に設定されるとよい。第1判定処理部65は、総電流が解除電流閾値Tb以上の場合に、未動作ユニット21Bの待機の継続を判定し、総電流が解除電流閾値Tb未満に達すると、未動作ユニット21Bの検査を開始することを判定する。
【0045】
図7は、総電流に対する第1判定処理部65の判定処理を説明する図である。具体的には、第1判定処理部65は、
図7に示す第1例のタイミング(時点t1)で検査開始の指示を受けることに基づき、電流計53が検出した総電流と開始電流閾値Taとを比較する。時点t1では、総電流が開始電流閾値Ta未満となっているため、第1判定処理部65は、時点t1において未動作ユニット21Bの検査を直ちに開始する。
【0046】
一方、
図7に示す第2例のタイミング(時点t2)では、総電流が開始電流閾値Ta以上となっている。このタイミングで検査開始の指示を受けると、第1判定処理部65は、未動作ユニット21Bの検査の開始を待機する。検査の開始を待機する場合に、検査装置10は、待機対象の未動作ユニット21Bへの搬送ステージ18の動作を行ってもよく、あるいは搬送ステージ18の動作自体を停止してもよい。搬送ステージ18の動作を行っておくことで、検査装置10は、待機後の未動作ユニット21Bの検査を円滑に開始できる。一方、搬送ステージ18の動作を停止すれば、検査装置10は総電流をより低下し易くすることができる。
【0047】
検査の開始を待機した場合、第1判定処理部65は、さらに総電流が解除電流閾値Tb未満になるタイミング(時点t3)を監視し、時点t3において未動作ユニット21Bの検査の開始を判定する。
【0048】
なお、第1判定処理部65は、先に検査の開始を待機することを判定した未動作ユニット21Bがある場合、次に未動作ユニット21Bの検査を開始する計画情報を受信したとしても、次の未動作ユニット21Bについては判定を待機しておくことが好ましい。これにより、検査装置10は、検査を行う未動作ユニット21Bの順番が入れ替わることを回避できる。
【0049】
図6に戻り、第2判定処理部66は、動作取得部61の検査ユニット21の動作状態に基づき、動作中ユニット21Aの検査中に、(b)の判定および処理内容の設定を行う。このため、第2判定処理部66は、総電流と比較するための動作中電流閾値Tcを有する。動作中電流閾値Tcも、特に限定されず、例えば、ブレーカ52の遮断電流値に対して70%~90%程度の範囲に設定されることがあげられる。第2判定処理部66は、総電流が動作中電流閾値Tc以上となった場合に、動作中ユニット21Aのうち少なくとも1つを待機し、総電流が動作中電流閾値Tc未満の場合に、動作中ユニット21Aの検査を継続する。
【0050】
待機を行う動作中ユニット21Aについては、検査で実施予定の複数の検査項目に関して、既に実施中の検査項目の検査は継続して、この検査項目が終了したタイミングで、次の検査項目を実施せずに待機することが好ましい。これにより、検査装置10は、既に実施中の検査項目を再び行うことを回避することができる。
【0051】
さらに、第2判定処理部66は、動作中ユニット21Aの検査を待機した場合に、待機状態から検査を再開するタイミングを計る。このため、第2判定処理部66は、総電流と比較するための再開電流閾値Tdを有する。再開電流閾値Tdは、動作中電流閾値Tc以下の電流値であり、例えば、ブレーカ52の遮断電流値に対して60%~80%程度の範囲に設定されるとよい。第2判定処理部66は、総電流が再開電流閾値Td以上の場合に、動作中ユニット21Aの待機の継続を判定し、総電流が再開電流閾値Td未満に達すると、動作中ユニット21Aの検査を再開することを判定する。
【0052】
図8は、総電流に対する第2判定処理部66の判定処理を説明する図である。具体的には、
図8に示すように、第2判定処理部66は、動作中ユニット21Aの検査中に、動作中電流閾値Tcと総電流との比較を継続的に繰り返す。そして、総電流が動作中電流閾値Tc以上となったタイミング(時点t4)で、第2判定処理部66は、動作中ユニット21Aの待機を判定する。なおこの際、動作中ユニット21Aは、既に実施中の検査項目を継続し、その後に待機するため、時点t4以降でも総電流が上昇する場合がある。
【0053】
動作中ユニット21Aが待機状態になると、検査装置10の総電流が低下していく。この際も、第2判定処理部66は、総電流の監視を継続し、再開電流閾値Tdと総電流との比較を継続的に繰り返す。第2判定処理部66は、総電流が再開電流閾値Td未満になるまで監視を継続し、時点t5において総電流が再開電流閾値Td未満になると、待機している動作中ユニット21Aの検査を再開する。
【0054】
なお、第2判定処理部66は、複数の動作中ユニット21Aの検査中に動作中ユニット21Aの待機を判定した場合、複数の動作中ユニット21Aについて1つずつ期間をあけて待機することが好ましい。例えば、最初に待機した動作中ユニット21Aに対して所定の期間後に、第2判定処理部66が動作中電流閾値Tcと総電流とを比較して、総電流が低下したか否かを判定することで、次に別の動作中ユニット21Aを待機させるか否かを判定する。これにより、複数の動作中ユニット21Aが連続的または同時に待機することにより、ウエハWの検査が遅れることを抑制できる。
【0055】
また、動作中ユニット21Aの待機では、複数の動作中ユニット21Aのうち既に実施している検査項目が少ない(後から動作させた)動作中ユニット21Aを待機させることを優先するとよい。これにより、既に実施している検査項目が多い(先に動作させた)動作中ユニット21Aの検査を早期に終了することができ、待機した動作中ユニット21Aの動作を再開できる。例えば、同じテスタライン14Lの各検査ユニット21で検査を行っている場合、先に動作させた動作中ユニット21Aの検査を進めることで、ウエハWの搬送を含めた効率化を図ることができる。
【0056】
逆に、動作中ユニット21Aの待機では、複数の動作中ユニット21Aのうち既に実施している検査項目が多い動作中ユニット21Aの動作を待機してもよい。これにより、後から動作させた動作中ユニット21Aの検査を進めて、先に動作させた動作中ユニット21Aとのタイムラグを小さくすることができる。例えば、異なるテスタライン14Lの各検査ユニット21で検査を行っている場合にタイムラグを小さくすることで、検査の効率化を促進することが可能となる。
【0057】
図6に戻り、第3判定処理部67は、検査計画部62の計画情報に基づき未動作ユニット21Bが検査を開始するタイミングで、(c)の判定および処理内容の設定を行う。このため、第3判定処理部67は、総電流と比較するための処理速度電流閾値Teを有する。第3判定処理部67は、総電流が処理速度電流閾値Te以上の場合に、低電力(低電流)かつ低速(低スループット)の処理内容に設定して未動作ユニット21Bの検査を行うことを判定する。また、第3判定処理部67は、総電流が処理速度電流閾値Te未満の場合に、高電力(高電流)かつ高速(高スループット)の処理内容に設定して未動作ユニット21Bの検査を行うことを判定する。
【0058】
処理速度電流閾値Teは、開始電流閾値Ta以下の電流値に設定されるとよい。仮に、処理速度電流閾値Teが開始電流閾値Taを超えている場合、未動作ユニット21Bの開始時に総電流が開始電流閾値Taを超えて待機状態となったにもかかわらず、待機後の検査の開始時に高スループット用プログラムで動作することになる。つまり低スループット用プログラムを選択する機会がなくなる。一例として、処理速度電流閾値Teは、ブレーカ52の遮断電流値に対して30%~50%程度の範囲に設定されることがあげられる。
【0059】
例えば、複数のテスタ20の制御基板29は、低電力かつ低速で検査する低スループット用プログラムと、高電力かつ高速で検査する高スループット用プログラムと、を予め保有している。低スループット用プログラムは、複数のコンタクトプローブ25のうち電流を流すコンタクトプローブ25を制限することで、ウエハWに流す電流を抑制するプログラムである。これにより検査ユニット21の検査は遅くなるが、消費電力を抑えた検査を行うことができる。一方、高スループット用プログラムは、複数のコンタクトプローブ25のうち電流を流すコンタクトプローブ25を多くすることで、ウエハWに流す電流量を増やすプログラムである。これにより検査ユニット21の消費電力が多くなるが、検査が早くなるので検査時間の短縮化が図られる。制御基板29は、コントローラ30から動作開始指令ととともに、プログラムの選択指令を受けることで、低スループット用プログラムと高スループット用プログラムのうちいずれかを実行して検査を行う。
【0060】
図9は、総電流に対する第3判定処理部67の判定処理を説明する図である。具体的には、
図9に示す第1例のタイミング(時点t6)で検査開始の指示を受けることに基づき、第3判定処理部67は、電流計53が検出した総電流と処理速度電流閾値Teとを比較する。時点t6では、総電流が処理速度電流閾値Te未満となっているため、第3判定処理部67は、未動作ユニット21Bについて高スループット用プログラムの実施を判定する。
【0061】
一方、
図9に示す第2例のタイミング(時点t7)では、総電流が処理速度電流閾値Te以上となっている。このタイミングで検査開始の指示を受けると、第3判定処理部67は、未動作ユニット21Bについて低スループット用プログラムの実施を判定する。これにより、未動作ユニット21Bの検査を開始しても、総電流に加わる未動作ユニット21Bの電流量はわずかとなる。
【0062】
なお、検査進行調整部63は、未動作ユニット21Bの検査の開始時に、第1判定処理部65による判定と、第3判定処理部67による判定とを行う場合、未動作ユニット21Bの検査を開始するまでは、両方の判定結果を保持することが好ましい。例えば、第1判定処理部65が未動作ユニット21Bの検査開始の待機を判定した場合、第3判定処理部67は低スループット用プログラムの使用を判定する。この第3判定処理部67の判定結果を保持しておくことで、第1判定処理部65により総電流が解除電流閾値Tb未満となったことを判定した際に、未動作ユニット21Bを低スループット用プログラムで検査させることができる。
【0063】
図10は、開始電流閾値Ta、解除電流閾値Tb、動作中電流閾値Tc、再開電流閾値Td、処理速度電流閾値Teを例示した説明図であり、(a)は第1態様、(b)は第2態様である。
図10(a)に示すように、コントローラ30は、総電流に対応する各電流閾値を段階的に設定している。具体的には、処理速度電流閾値Te<開始電流閾値Ta<動作中電流閾値Tcとしている。これにより、検査装置10は、検査を行う検査ユニット21の数を抑えて、検査中のウエハWの検査を優先的に行うことが可能となる。なお、
図10(a)中では、処理速度電流閾値Teと開始電流閾値Taの間に解除電流閾値Tbが設定されているが、解除電流閾値Tbは、開始電流閾値Ta以下であればよく、処理速度電流閾値Teより低くてもよい。また
図10(a)中では、開始電流閾値Taと動作中電流閾値Tcの間に再開電流閾値Tdが設定されているが、再開電流閾値Tdは、動作中電流閾値Tc以下であればよく、開始電流閾値Taより低くてもよい。
【0064】
あるいは、各電流閾値は、ウエハWの検査内容やユーザの要望等に応じて、適切な関係をとり得る。例えば、
図10(b)に示すように、コントローラ30は、各電流閾値について、処理速度電流閾値Te<動作中電流閾値Tc<開始電流閾値Taに設定してもよい。これにより、検査装置10は、検査を行う検査ユニット21の数をより増やして、複数のウエハWを同時に検査することが可能となる。多数の検査ユニット21の検査を行っても、処理速度電流閾値Teや動作中電流閾値Tcに基づき検査速度を適切に調整しながら、検査装置10の消費電力を抑制することができる。なお、動作中電流閾値Tcは、処理速度電流閾値Te以下に設定されてもよい。
【0065】
以上の各電流閾値の大きさの要件をまとめると、以下の[1]~[3]のとおりとなる。
[1]開始電流閾値Taおよび動作中電流閾値Tcは、任意に設定可能
[2]解除電流閾値Tb≦開始電流閾値Ta、再開電流閾値Td≦動作中電流閾値Tc
[3]処理速度電流閾値Te≦開始電流閾値Ta
【0066】
図6に戻り、閾値設定部68は、上記の総電流と比較するための各電流閾値(開始電流閾値Ta、解除電流閾値Tb、動作中電流閾値Tc、再開電流閾値Td、処理速度電流閾値Te)をユーザにより設定可能とする機能部である。例えば、閾値設定部68は、操作用端末40(
図1(a)参照)に各電流閾値を設定するための画像情報を表示し、ユーザの操作により各電流閾値を変動させる。なお、閾値設定部68は、ユーザにより開始電流閾値Taが設定された場合に解除電流閾値Tbを自動的に設定してもよい。同様に、閾値設定部68は、ユーザにより動作中電流閾値Tcが設定された場合に再開電流閾値Tdを自動的に設定してもよい。
【0067】
テスタ指令部64は、検査進行調整部63において設定された処理内容に基づき、各テスタ20(検査ユニット21)に対して指令を出力する。例えば、テスタ指令部64は、未動作ユニット21Bの動作を開始する場合に、動作開始指令とともにプログラムの選択指令を未動作ユニット21Bに送信する。この指令を受けた未動作ユニット21Bは、低スループット用プログラムと高スループット用プログラムの何れかを実行して、検査を開始する。なお、未動作ユニット21Bの動作を待機する場合、コントローラ30は、動作開始指令を送信しないことで、未動作ユニット21Bの待機を継続する。
【0068】
また例えば、テスタ指令部64は、動作中ユニット21Aの動作を待機させる場合に、動作中待機指令を動作中ユニット21Aに出力する。この指令を受けた動作中ユニット21Aは、既に実施している検査項目が終了した後に、次の検査項目を保留して待機する。その後、テスタ指令部64は、待機中の動作中ユニット21Aに動作再開指令を出力することで、待機中の動作中ユニット21Aは、次の検査項目から検査を再開する。
【0069】
本実施形態に係る検査システム1(検査装置10)は、基本的には、以上のように構成され、以下その動作および効果について説明する。
図11は、未動作ユニット21Bの検査の開始時における検査方法を示すフローチャートである。
図12は、動作中ユニット21Aの動作中における検査方法を示すフローチャートである。
【0070】
図11に示すように、検査装置10のコントローラ30は、動作中ユニット21AによるウエハWの検査中に、電流計53の検出信号(総電流の情報)を、電流取得部60により継続的に取得する(ステップS11)。さらに、コントローラ30は、テスタ20を含む各構成の動作状態に関する情報を、動作取得部61により継続的に取得する(ステップS12)。
【0071】
検査計画部62は、検査ユニット21の動作状態に応じて、未動作ユニット21Bの検査を開始する計画情報を生成する(ステップS13)。
【0072】
検査進行調整部63は、計画情報に基づき未動作ユニット21Bの検査開始を認識した場合に、第1判定処理部65および第3判定処理部67による判定処理を行う。具体的には、第3判定処理部67は、総電流が処理速度電流閾値Te以上か否かを判定する(ステップS14)。そして、総電流が処理速度電流閾値Te以上の場合(ステップS14:Yes)、テスタ指令部64は、低スループット用プログラムの選択を指示する(ステップS15)。一方、総電流が処理速度電流閾値Te未満の場合(ステップS14:No)、テスタ指令部64は、高スループット用プログラムの選択を指示する(ステップS16)。
【0073】
また、第1判定処理部65は、総電流が開始電流閾値Ta以上か否かを判定する(ステップS17)。そして、総電流が開始電流閾値Ta未満の場合(ステップS17:No)、テスタ指令部64は、未動作ユニット21Bの検査を開始する(ステップS18)。一方、総電流が開始電流閾値Ta以上の場合(ステップS17:Yes)、テスタ指令部64は、未動作ユニット21Bの検査の開始を待機する(ステップS19)。
【0074】
未動作ユニット21Bの待機状態で、第1判定処理部65は、総電流が解除電流閾値Tb未満に達したか否かを判定する(ステップS20)。総電流が解除電流閾値Tb以上の場合(ステップS20:No)、ステップS19に戻り待機状態を継続する。一方、総電流が解除電流閾値Tb未満に達した場合(ステップS20:Yes)、テスタ指令部64は、未動作ユニット21Bの検査の開始を指令する(ステップS21)。これにより、検査装置10は、未動作ユニット21Bの検査の開始時に、検査装置10全体としての電力が大きくなることを回避することが可能となる。
【0075】
また、検査進行調整部63は、動作中ユニット21Aの検査中に、第2判定処理部66による判定処理を行うため、
図12に示す処理フローを行う。
図12の処理フローにおいて、ステップS31、S32は、ステップS11、S12と同様の処理フローを行う。
【0076】
そして、第2判定処理部66は、動作中ユニット21Aの検査中に、総電流が動作中電流閾値Tc以上か否かを継続的に判定する(ステップS33)。総電流が動作中電流閾値Tc未満の場合(ステップS33:No)、動作中ユニット21Aの検査をそのまま継続する(ステップS34)。
【0077】
一方、総電流が動作中電流閾値Tc以上の場合(ステップS33:Yes)、テスタ指令部64は、動作中ユニット21Aの検査の待機を指令する(ステップS35)。検査待機の指令を受信した検査ユニット21は、現在実施している検査項目を終了した後に、ウエハWの検査を保留する。これにより、各検査ユニット21に供給されていた総電流が低下していく。
【0078】
動作中ユニット21Aの待機状態で、第2判定処理部66は、総電流が再開電流閾値Td未満に達したか否かを判定する(ステップS36)。総電流が再開電流閾値Td以上の場合(ステップS36:No)、ステップS35に戻り待機状態を継続する。一方、総電流が再開電流閾値Td未満に達した場合(ステップS36:Yes)、テスタ指令部64は、待機していた動作検査ユニットの検査の再開を指令する(ステップS37)。これにより、動作中ユニット21Aは、待機前に実施していた検査項目の後の検査項目から検査を再開する。
【0079】
以上のように、検査装置10は、動作中ユニット21Aについても、総電流に基づき動作中ユニット21Aの検査の継続または待機の判定、待機中の再開の判定を行う。その結果、検査装置10は、各検査ユニット21の検査中の使用電力を効果的に抑制することができる。
【0080】
なお、検査システム1(検査装置10)は、上記の(a)~(c)の判定処理を全て実施しなくてよく、(a)~(c)のうち少なくとも1つまたは2つを実施するものでもよい。したがって、検査進行調整部63は、実施する判定処理に応じて、第1判定処理部65、第2判定処理部66、第3判定処理部67のうち1つまたは2つを備えた構成でもよい。例えば、検査システム1は、(a)の判定処理のみを実施することでも、総電流が大きければ未動作ユニット21Bの検査を開始しなくなるので、検査装置10全体として消費電力を抑制することができる。また例えば、検査システム1は、(b)の判定処理のみを実施することでも、総電流が大きければ動作中ユニット21Aの検査を待機することになるので、検査装置10全体として消費電力を抑制することができる。あるいは、検査システム1は、(c)の判定処理のみを実施することでも、総電流が大きければ検査ユニット21を低い電流で動作させることになるので、検査装置10全体として消費電力を抑制することができる。
【0081】
そして、(a)および(b)の判定処理を組み合わせた検査システム1の場合は、未動作ユニット21Bが電力を消費するタイミングと、動作中ユニット21Aの検査中の電力消費量の調整とを適切に調整できる。(a)および(c)の判定処理を組み合わせた検査システム1の場合は、未動作ユニット21Bの開始時に、未動作ユニット21Bが電力を消費するタイミングとその電力消費量を適切に調整できる。(b)および(c)の判定処理を組み合わせた検査システム1の場合は、未動作ユニット21Bの開始時に電力消費量を適切に調整しつつ、動作中ユニット21Aの検査中の電力消費量をさらに抑制できる。
【0082】
図13は、変形例に係る検査装置10のハードウェアの電気接続および通信接続を示すブロック図である。
図13に示すように、検査装置10は、電流計53に代えて電力計56を適用し、各テスタ20(検査ユニット21)に供給される電力の総和である総電力を検出し、総電力に基づき(a)~(c)の判定処理を行ってもよい。この場合、総電流と比較するために使用した各電流閾値は、総電力を比較するための電力閾値に読み替えるものとする。つまり、コントローラ30は、開始電力閾値Tpa、解除電力閾値Tpb、動作中電力閾値Tpc、再開電力閾値Tpdおよび処理速度電力閾値Tpeを持ち、各テスタ20に供給される総電力との比較を行う。
【0083】
図14は、別の変形例に係る検査システム1Aを示すブロック図である。
図14に示すように、検査システム1Aは、複数(
図14では2つ)の検査装置10の各々に供給される総電流を取得し、各検査装置10全体の総電流、換言すれば工場の各検査装置10の合計電流に基づき、上記の(a)~(c)の判定処理を行ってもよい。この場合、検査ユニット21の進行を管理する制御部は、所定の検査装置10のコントローラ30(
図5参照)を適用してもよく、各検査装置10と別に提供されて各検査装置10に接続される外部コンピュータ70を適用してもよい。
【0084】
以上のように、本開示に係る検査システム1の検査方法は、複数の検査ユニット21に供給される総電流または総電力をモニタリングして、検査ユニット21の検査を適宜調整する。これにより、検査方法は、複数の検査ユニット21を有する構成でも、余剰な消費電力の発生を抑えて、検査システム1の消費電力を抑制することができる。したがって、検査システム1は、工場の電源容量が当該検査システム1に多く配電されることを低減して、工場の電源容量を他の設備に安定的に回すことができる。
【0085】
また、検査方法は、(a)の判定処理、(b)の判定処理および(c)の判定処理を全て行う。これにより、検査方法は、複数の検査ユニット21の検査の進行を、一層詳細に管理することができ、検査速度を確保しつつ、検査システム1の消費電力を抑制できる。
【0086】
また、総電流と比較する電流閾値は、以下の(1)の関係に設定され、または総電力と比較する電力閾値は、以下の(2)の関係に設定される。
前記処理速度電流閾値≦前記開始電流閾値<前記動作中電流閾値 …(1)
前記処理速度電力閾値≦前記開始電力閾値<前記動作中電力閾値 …(2)
【0087】
これにより、検査方法は、総電流または総電力に基づき、未動作ユニット21Bの検査の開始を良好に待機することができ、検査システム1の消費電力が大きくなることを効果的に抑制できる。
【0088】
また、総電流と比較する電流閾値、または総電力と比較する電力閾値は、ユーザの操作に応じて設定可能である。これにより、検査方法は、各検査ユニット21の検査を、ユーザの要望に応じた電力で進行させることができる。
【0089】
また、検査方法は、(a)の判定処理による未動作ユニット21Bの検査の待機において、総電流が解除電流閾値Tb以上または総電力が解除電力閾値Tpb以上の場合に、未動作ユニット21Bの待機を継続し、総電流が解除電流閾値Tb未満または総電力が解除電力閾値Tpb未満に達した場合に、未動作ユニット21Bの検査を開始し、解除電流閾値Tbが開始電流閾値Ta以下、または解除電力閾値Tpbが開始電力閾値Tpa以下に設定されている。これにより、検査方法は、未動作ユニット21Bの検査を待機した場合に、総電流または総電力が低下したタイミングで、当該未動作ユニット21Bの検査を開始できる。
【0090】
また、検査方法は、(b)の判定処理による動作中ユニット21Aの検査の待機において、総電流が再開電流閾値Td以上または総電力が再開電力閾値Tpd以上の場合に、動作中ユニット21Aの待機を継続し、総電流が再開電流閾値Td未満または総電力が再開電力閾値Tpd未満に達した場合に、動作中ユニット21Aの検査を再開し、再開電流閾値Tdが動作中電流閾値Tc以下、または再開電力閾値Tpdが動作中電力閾値Tpc以下に設定されている。これにより、検査方法は、動作中ユニット21Aの検査を待機した場合に、総電流または総電力が低下したタイミングで、当該動作中ユニット21Aの検査を開始できる。
【0091】
また、検査方法は、(b)の判定処理による動作中ユニット21Aの検査の待機において、当該動作中ユニット21Aにて既に実施している検査項目を終了するまで検査を継続し、次の検査項目の実施を待機する。これより、検査システム1は、動作中ユニット21Aの検査の再開後に、先に実施している検査項目を再び実施せずに済み、動作中ユニット21Aの検査速度の低下を抑止することができる。
【0092】
また、複数の検査ユニット21は、低電力かつ低速の処理内容で検査する低スループット用プログラムと、高電力かつ高速の処理内容で検査する高スループット用プログラムと、を保有しており、(c)の判定処理により、未動作ユニット21Bは、低スループット用プログラムおよび高スループット用プログラムのうちいずれか一方を実行する。これにより、検査システム1は、総電流または総電力に応じて検査ユニット21の検査速度を適切に調整することができる。
【0093】
また、検査ユニット21は、テスタ20と、テスタ20に装着されて被検査体である基板(ウエハW)に接触するプローブカードPRと、を有し、基板に形成された半導体デバイスの電気的特性を検査する。これにより、検査システム1は、消費電力を抑えて、基板の電気的検査を行うことができる。
【0094】
また、本開示の一態様は、被検査体(ウエハW)の電気的検査を行う検査ユニット21を複数備える検査システム1であって、複数の検査ユニット21の各々に供給する電流の総和である総電流を検出する電流計53、および電力の総和である総電力を検出する電力計56のうち少なくとも1つと、検出した総電流または総電力に基づき、以下の(a)~(c)の判定処理のうち少なくとも1つを行う制御部(コントローラ30、外部コンピュータ70)と、を備える。
(a)複数の検査ユニット21のうち検査を行っていない未動作ユニット21Bが検査を開始するタイミングで、総電流と開始電流閾値Taとを比較または総電力と開始電力閾値Tpaとを比較し、比較の結果、総電流が開始電流閾値Ta以上または総電力が開始電力閾値Tpa以上の場合には未動作ユニット21Bの検査の開始を待機し、総電流が開始電流閾値Ta未満または総電力が開始電力閾値Tpa未満の場合には未動作ユニット21Bの検査を開始する
(b)複数の検査ユニット21のうち検査を行っている動作中ユニット21Aの検査中に、総電流と動作中電流閾値Tcとを比較または総電力と動作中電力閾値Tpcとを比較し、比較の結果、総電流が動作中電流閾値Tc以上または総電力が動作中電力閾値Tpc以上となった場合には動作中ユニット21Aのうち少なくとも1つを待機し、総電流が動作中電流閾値Tc未満または総電力が動作中電力閾値Tpc未満の場合には動作中ユニット21Aの検査を継続する
(c)未動作ユニット21Bが検査を開始するタイミングで、総電流と処理速度電流閾値Teとを比較または総電力と処理速度電力閾値Tpeとを比較し、比較の結果、総電流が処理速度電流閾値Te以上または総電力が処理速度電力閾値Tpe以上の場合には低電力かつ低速の処理内容に設定して未動作ユニット21Bの検査を開始し、総電流が処理速度電流閾値Te未満また総電力が処理速度電力閾値Tpe未満の場合には高電力かつ高速の処理内容に設定して未動作ユニット21Bの検査を開始する
【0095】
これにより、検査システム1は、複数の検査ユニット21を有する構成でも検査システム1の消費電力を抑制することができる。
【0096】
今回開示された実施形態に係る検査システム1、1Aの検査方法および検査システム1、1Aは、すべての点において例示であって制限的なものではない。実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で変形及び改良が可能である。上記複数の実施形態に記載された事項は、矛盾しない範囲で他の構成も取り得ることができ、また、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。例えば、検査システム1が検査する被検査体は、基板(ウエハW)に限定されず、電気的検査が必要な種々の電気電子デバイスであってよい。
【符号の説明】
【0097】
1、1A 検査システム
10 検査装置
20 テスタ
21A 動作中ユニット
21B 未動作ユニット
30 コントローラ
53 電流計
56 電力計
70 外部コンピュータ
Ta 開始電流閾値
Tb 解除電流閾値
Tc 動作中電流閾値
Td 再開電流閾値
Te 処理速度電流閾値
Tpa 開始電力閾値
Tpb 解除電力閾値
Tpc 動作中電力閾値
Tpd 再開電力閾値
Tpe 処理速度電力閾値