(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023002003
(43)【公開日】2023-01-10
(54)【発明の名称】載置台及び基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20221227BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20221227BHJP
H01L 21/205 20060101ALI20221227BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H01L21/302 101G
H01L21/205
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021102971
(22)【出願日】2021-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石田 寿文
(72)【発明者】
【氏名】真壁 正嗣
(72)【発明者】
【氏名】柏崎 真克
(72)【発明者】
【氏名】俵 和真
【テーマコード(参考)】
5F004
5F045
5F131
【Fターム(参考)】
5F004BA09
5F004BB22
5F004BB23
5F004BB25
5F004BB28
5F004BB29
5F045AA08
5F045EF05
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5F045EJ03
5F045EJ09
5F045EM05
5F045EN04
5F131AA02
5F131BA19
5F131CA04
5F131EA03
5F131EB11
5F131EB72
5F131EB78
5F131EB79
5F131EB81
5F131EB82
(57)【要約】
【課題】貫通穴のリフタピンとの隙間での異常放電の発生を抑制しつつ、リフタピンの取り付けを容易にする。
【解決手段】載置部は、支持する対象物が載置される第1面及び当該第1面の裏面となる第2面が設けられ、第1面と第2面に貫通する貫通穴が形成されている。第1ピン部材は、貫通穴に配置され、貫通穴の軸方向に移動可能とされている。第2ピン部材は、貫通穴の第1ピン部材に対して第2面側に配置され、軸方向に移動可能とされている。駆動部は、第2ピン部材を軸方向に駆動する。また、第1ピン部材は、第1面側の先端の幅を広げた蓋部が形成されている。貫通穴は、第1面側の開口部に、第1ピン部材が貫通穴に格納された際に、蓋部と嵌合する凹部を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持する対象物が載置される第1面及び当該第1面の裏面となる第2面が設けられ、前記第1面と前記第2面に貫通する貫通穴が形成された載置部と、
前記貫通穴に配置され、前記貫通穴の軸方向に移動可能とされた第1ピン部材と、
前記貫通穴の前記第1ピン部材に対して前記第2面側に配置され、前記軸方向に移動可能とされた第2ピン部材と、
前記第2ピン部材を前記軸方向に駆動する駆動部と、
を有し、
前記第1ピン部材は、前記第1面側の先端の幅を広げた蓋部が形成され、
前記貫通穴は、前記第1面側の開口部に、前記第1ピン部材が前記貫通穴に格納された際に、前記蓋部と嵌合する凹部を有する、
載置台。
【請求項2】
前記第1ピン部材は、前記第2ピン部材側に引き付けられる構成とした、
請求項1に記載の載置台。
【請求項3】
前記第1ピン部材は、前記第2ピン部材側に第1の磁石が設けられ、
前記第2ピン部材は、前記第1ピン部材側に前記第1の磁石と引き合う第2の磁石が設けられた、
請求項1又は2に記載の載置台。
【請求項4】
前記第1ピン部材の前記第2ピン部材側の端部と、前記第2ピン部の前記第1ピン部材側の端部は、弾性部材により接続された
請求項1又は2に記載の載置台。
【請求項5】
前記第1ピン部材は、密度の高い高密度材料を含んで構成された
請求項1~4の何れか1つに記載の載置台。
【請求項6】
前記第1ピン部材は、前記貫通穴の径以下の径で形成されたピン本体部の前記第1面側の先端に前記貫通穴の径よりも大きい径で前記蓋部が形成された
請求項1~5の何れか1つに記載の載置台。
【請求項7】
前記蓋部は、先端から径が徐々に小さく形成され、
前記凹部は、前記蓋部と面が合うように、前記第1面側から径が徐々に小さく形成された
請求項1~6の何れか1つに記載の載置台。
【請求項8】
前記第1ピン部材及び前記第2ピン部材の一方は、他方を同一直線状で移動可能に保持するガイドを有する
請求項1~7の何れか1つに記載の載置台。
【請求項9】
前記駆動部は、前記第1ピン部材を前記貫通穴に格納する場合、前記第2ピン部材を前記軸方向に前記第2面側に駆動して、前記第1ピン部材の前記第2面側の端部から前記第2ピン部材を離間させ、前記第1ピン部材を前記貫通穴から突出させる際に、前記第2ピン部材を前記軸方向に前記第1面側に駆動して、前記第1ピン部材の前記第2面側の端部に前記第2ピン部材を接触させる
請求項1~8の何れか1つに記載の載置台。
【請求項10】
プラズマ処理が実施される処理容器と、
請求項1~9の何れか1つに記載の載置台であって、前記処理容器内に配置され
処理対象の基板が載置される載置台と、
を有する基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、載置台及び基板処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、基板が載置される載置台に、リフタピンを配設した貫通穴を形成し、基板を支持するリフタピンの頂部に幅を広げた蓋部を設けて、リフタピンを下降させた状態では蓋部により貫通穴を閉塞した状態となるように構成する技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、貫通穴のリフタピンとの隙間での異常放電の発生を抑制しつつ、リフタピンの取り付けを容易にする技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様による載置台は、載置部と、第1ピン部材と、第2ピン部材と、駆動部とを有する。載置部は、支持する対象物が載置される第1面及び当該第1面の裏面となる第2面が設けられ、第1面と第2面に貫通する貫通穴が形成されている。第1ピン部材は、貫通穴に配置され、貫通穴の軸方向に移動可能とされている。第2ピン部材は、貫通穴の第1ピン部材に対して第2面側に配置され、軸方向に移動可能とされている。駆動部は、第2ピン部材を軸方向に駆動する。また、第1ピン部材は、第1面側の先端の幅を広げた蓋部が形成されている。貫通穴は、第1面側の開口部に、第1ピン部材が貫通穴に格納された際に、蓋部と嵌合する凹部を有する。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、貫通穴のリフタピンとの隙間での異常放電の発生を抑制しつつ、リフタピンの取り付けを容易にすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る基板処理装置の構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る載置台の構成の一例を簡略化して示した図である。
【
図3A】
図3Aは、実施形態に係る第1ピン部材の構成の一例を簡略化して示した図である。
【
図3B】
図3Bは、実施形態に係る第1ピン部材の構成の一例を簡略化して示した図である。
【
図3C】
図3Cは、実施形態に係る第1ピン部材の構成の一例を簡略化して示した図である。
【
図3D】
図3Dは、実施形態に係る第1ピン部材の構成の一例を簡略化して示した図である。
【
図3E】
図3Eは、実施形態に係る第1ピン部材の構成の一例を簡略化して示した図である。
【
図3F】
図3Fは、実施形態に係る第1ピン部材の構成の一例を簡略化して示した図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る第1ピン部材及び第2ピン部材の構成の一例を簡略化して示した図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る第1ピン部材及び第2ピン部材の構成の一例を簡略化して示した図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る第1ピン部材及び第2ピン部材の構成の一例を簡略化して示した図である。
【
図7A】
図7Aは、実施形態に係る第1ピン部材の形状の一例を説明する図である。
【
図7B】
図7Bは、実施形態に係る第1ピン部材の形状の一例を説明する図である。
【
図7C】
図7Cは、実施形態に係る第1ピン部材の形状の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、開示する載置台及び基板処理装置の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により、開示する載置台及び基板処理装置が限定されるものではない。
【0009】
処理容器の内部に設けられた載置台に基板を載置し、処理容器の内部を真空状態として基板にエッチングなどのプラズマ処理などの基板処理を行う基板処理装置が知られている。このような基板処理装置は、載置台に貫通穴を形成してリフタピンを格納し、リフタピンを上昇させて基板や基板の周囲に配置されたリング部材を載置台から上昇させて搬入出する。
【0010】
載置台は、貫通穴のリフタピンとの隙間で不具合が発生する場合がある。例えば、プラズマプロセスを実行した際、隙間で異常放電を起こしてしまう虞がある。そこで、特許文献1では、リフタピンの頂部に幅を広げた蓋部を設けて、リフタピンを下降させた状態では蓋部により貫通穴を閉塞した状態となるように構成する。
【0011】
リフタピンの頂部に蓋部を設けた場合、リフタピンは、貫通穴に対して載置台の基板を載置する載置面側からしか挿入できなくなる。これにより、載置台を組み立てる場合、リフタピンを載置台の貫通穴に載置面側から挿入してから、リフタピンを昇降する駆動部に取り付けることになり、リフタピンの取り付けが困難となる。
【0012】
そこで、貫通穴のリフタピンとの隙間での異常放電の発生を抑制しつつ、リフタピンの取り付けを容易にする技術が期待されている。
【0013】
[実施形態]
[基板処理装置の構成]
実施形態について説明する。以下では、本開示の基板処理装置を、プラズマ処理を実施するプラズマ処理装置とした場合を例に説明する。
図1は、実施形態に係る基板処理装置100の構成の一例を示す図である。
図1に示す基板処理装置100は、例えば平行平板の電極を備える容量結合プラズマ(CCP:Capacitively Coupled Plasma)タイプのプラズマエッチング装置である。
【0014】
基板処理装置100は、例えば、表面が陽極酸化処理(アルマイト処理)されたアルミニウムから成る円筒形状に成形された処理容器102を備える。処理容器102は、接地されている。処理容器102内の底部には、半導体ウエハなどの基板Wを載置するための略円柱状の載置台110が設けられている。載置台110は、セラミックなどで構成された環状の絶縁体112により支持されている。
【0015】
載置台110は、所定の温度に調整可能な温度調整機構117を備える。温度調整機構117は、例えば、載置台110内に設けられた流路118に冷媒、伝熱ガスのような温調流体を循環するように構成されている。
【0016】
載置台110は、上側中央部に基板Wを載置するための凸状の基板載置部115が形成されている。また、載置台110は、基板載置部115の外周側に基板載置部115よりも上面が低い外周部116が形成されている。基板載置部115の上面は、基板Wを載置する第1載置面115aとなる。外周部116の上面は、フォーカスリングやカバーリングなどのエッジリング119を載置する第2載置面116aとなる。基板載置部115の上部に静電チャック120を設ける場合は、静電チャック120の上面が第1載置面115aとなる。以下では、基板載置部115と静電チャック120とを併せて適宜「基板載置部115」と表記する。静電チャック120は、絶縁材の間に電極122が介在された構成となっている。静電チャック120は、電極122に接続された図示しない直流電源から、例えば、1.5kVの直流電圧が印加される。これによって、基板Wが静電チャック120に静電吸着される。基板載置部115は、基板Wの径よりも小径に形成されている。基板Wを基板載置部115に載置したときに、基板Wの周縁部は、基板載置部115から張り出している。
【0017】
載置台110の上端周縁部には、静電チャック120の第1載置面115aに載置された基板Wを囲むようにエッジリング119が配置されている。エッジリング119は、当該エッジリング119の内周面が基板載置部115の外周面を囲むように外周部116の第2載置面116aに載置されている。
【0018】
絶縁体112、載置台110及び静電チャック120は、第1載置面115aに載置された基板Wの裏面に伝熱媒体(例えば、Heガスなどのバックサイドガス)を供給するためのガス通路が形成されている。この伝熱媒体を介して載置台110と基板Wとの間の熱伝達がなされ、基板Wが所定の温度に維持される。
【0019】
載置台110には、第1リフタピン172が第1載置面115aから昇降自在に設けられている。また、載置台110には、第2リフタピン182が第2載置面116aから昇降自在に設けられている。第1リフタピン172は、不図示の駆動部によって駆動され、基板Wを第1載置面115aからリフトアップすることができる。第2リフタピン182は、不図示の駆動部によって駆動され、エッジリング119を第2載置面116aからリフトアップすることができる。
【0020】
載置台110の上方には、載置台110に対向するように上部電極130が設けられている。この上部電極130と載置台110の間に形成される空間がプラズマ生成空間となる。上部電極130は、絶縁性遮蔽部材131を介して、処理容器102の上部に支持されている。
【0021】
上部電極130は、主として、電極板132と、電極支持体134とによって構成される。電極支持体134は、電極板132を着脱自在に支持する。電極板132は、例えば、石英から成る。電極支持体134は、例えば、表面がアルマイト処理されたアルミニウムなどの導電性材料から成る。
【0022】
電極支持体134は、処理ガス供給源142からの処理ガスを処理容器102内に導入するための処理ガス供給部140が設けられている。処理ガス供給源142は、電極支持体134のガス導入口143にガス供給管144を介して接続されている。
【0023】
ガス供給管144には、上流側から順にマスフローコントローラ(MFC)146、及び開閉バルブ148が設けられている。なお、MFCの代わりにFCS(Flow Control System)を設けてもよい。
【0024】
処理ガス供給源142は、基板処理に用いる各種のガスを供給する。例えば、処理ガス供給源142は、プラズマエッチングのためのエッチングガスを供給する。なお、
図1にはガス供給管144、開閉バルブ148、マスフローコントローラ146、処理ガス供給源142等から成る処理ガス供給系を1つのみ示しているが、基板処理装置100は、複数の処理ガス供給系を備えてもよい。
【0025】
電極支持体134には、例えば、略円筒状のガス拡散室135が設けられている。ガス供給管144から導入された処理ガスは、ガス導入口143からガス拡散室135へ流れる。ガス拡散室135は、処理ガスを均等に拡散する。電極支持体134の底部と電極板132には、処理容器102内部と連通する多数のガス吐出孔136が形成されている。ガス拡散室135で拡散された処理ガスは、多数のガス吐出孔136から均等にプラズマ生成空間に向けて吐出される。このように、上部電極130は、処理ガスを供給するためのシャワーヘッドとして機能する。
【0026】
上部電極130は、電極支持体134を所定の温度に調整可能な電極支持体温調部137を備える。電極支持体温調部137は、例えば、電極支持体134内に設けられた流路138に温調流体を循環するように構成されている。
【0027】
処理容器102の底部には、排気管104が接続されている。排気管104には、排気部105が接続されている。排気部105は、ターボ分子ポンプなどの真空ポンプを備えている。排気部105は、処理容器102内を所定の減圧雰囲気に調整する。排気部105が処理容器102内を所定の減圧雰囲気に調整することにより、処理容器102は、真空引きされる。
【0028】
処理容器102の側壁には、搬出入口106が設けられている。基板Wやエッジリング119は、搬出入口106を介して処理容器102に搬出入される。搬出入口106には、ゲートバルブ108が設けられている。例えば、基板Wの搬入を行う場合、ゲートバルブ108が開く。そして、図示しない搬送アームが、搬出入口106を介して基板Wを搬入し、載置台110から上昇させた第1リフタピン172との間で基板Wの受け渡しを行う。また、エッジリング119の搬入を行う場合も、同様に、ゲートバルブ108が開く。そして、図示しない搬送アームが、搬出入口106を介してエッジリング119を搬入し、載置台110から上昇させた第2リフタピン182との間でエッジリング119の受け渡しを行う。基板Wやエッジリング119の搬出は、搬入の際の順序と逆の順序で実施する。
【0029】
上部電極130は、給電線により第1高周波電源150が接続されており、その給電線には、第1整合器152が介挿されている。第1高周波電源150は、50~150MHzの範囲の周波数を有するプラズマ生成用の高周波電力を出力することが可能である。このように高い周波数の電力を上部電極130に印加することにより、処理容器102内には、好ましい解離状態でかつ高密度のプラズマを形成することができる。これにより、より低圧条件下のプラズマ処理が可能となる。第1高周波電源150の出力電力の周波数は、50~80MHzが好ましく、典型的には図示した60MHzまたはその近傍の周波数に調整される。
【0030】
載置台110は、導電性の材料を含んで形成され、下部電極としての機能を有する。載置台110は、給電線により第2高周波電源160が接続されており、その給電線には第2整合器162が介挿されている。第2高周波電源160は、数百kHz~十数MHzの範囲の周波数を有するバイアス用の高周波電力を出力することが可能である。第2高周波電源160の出力電力の周波数は、典型的には2MHzまたは13.56MHz等に調整される。
【0031】
載置台110には、第1高周波電源150から流入する高周波電流を濾過するハイパスフィルタ(HPF)164が接続されている。上部電極130には、第2高周波電源160から上部電極130に流入する高周波電流を濾過するローパスフィルタ(LPF)154が接続されている。
【0032】
[リフタピンと駆動部の一例]
上述したように、載置台110には、第1リフタピン172が第1載置面115aから昇降自在に設けられるとともに、第2リフタピン182が第2載置面116aから昇降自在に設けられている。第1リフタピン172と第2リフタピン182を昇降する構成は、略同様である。以下では、第1リフタピン172を昇降する構成について説明する。
図2は、実施形態に係る載置台110の構成の一例を簡略化して示した図である。
図2には、第1リフタピン172を昇降する構成が示されている。
【0033】
載置台110は、載置部200と、第1リフタピン172と、駆動部202とを有する。載置部200には、基台200aと、支持部200bが積層されて構成されている。なお、載置部200は、その他の層を含んでもよい。また、載置部200は、基台200aのみで構成されてもよい。
【0034】
載置部200は、支持する対象物が載置される第1面211及び当該第1面211の裏面となる第2面212が設けられている。第1面211は、基板載置部115においては基板Wを載置する第1載置面115aとなり、外周部116においてはエッジリング119を載置する第2載置面116aとなる。なお、基板載置部115において静電チャック120を設ける場合、第1面211上に静電チャック120が配置される。
【0035】
載置部200は、第1リフタピン172の配置位置に対応して、第1面211と第2面212に貫通する貫通穴221が形成されている。
図2では、貫通穴221は、上下方向に形成されている。貫通穴221は、基台200aを貫通する貫通穴221aと、支持部200bを貫通する貫通穴221bに分かれている。貫通穴221aと貫通穴221bは、同様に位置に形成されており、連通する。本実施形態では、貫通穴221aは、貫通穴221bよりも径が若干大きく形成されている。
【0036】
載置台110が温度調整機構117を備える場合、基台200a及び支持部200bの何れかに温度調整機構117が設けられる。例えば、基台200aは、上述した流路118が形成される。基台200aは、流路118に温調流体を循環させることで、所定の温度に調整される。
【0037】
第1リフタピン172は、貫通穴221に格納され、貫通穴221の軸方向に移動可能とされている。
図2では、第1リフタピン172は、上下方向に移動可能とされている。
【0038】
第1リフタピン172は、第1ピン部材231と、第2ピン部材232に分割されている。第1ピン部材231及び第2ピン部材232は、それぞれ所定の半径の棒状に形成されている。本実施形態では、第1ピン部材231は、第2ピン部材232よりも径が若干大きく形成されている。
【0039】
第1ピン部材231は、貫通穴221aの長さよりも短く形成されている。第1ピン部材231は、貫通穴221aに格納され、軸方向に移動可能とされている。基台200aは、第1ピン部材231の径よりも若干大きい径で貫通穴221aが形成されている。
【0040】
第2ピン部材232は、貫通穴221bの長さよりも十分に長く形成されている。第2ピン部材232は、貫通穴221bを貫くように貫通穴221aに格納され、貫通穴221aの軸方向に移動可能とされている。第2ピン部材232は、上端が貫通穴221aに侵入して第1ピン部材231と接触しており、下端が貫通穴221bの下方まで到達する。支持部200b、第2ピン部材232の径と同程度又は若干大きい径で貫通穴221bが形成されている。支持部200bは、第2ピン部材232と対向する貫通穴221bの周面にシールなどの封止部材200cが設けられ、第2ピン部材232との隙間が封止されている。
【0041】
貫通穴221は、第1ピン部材231及び第2ピン部材232との接触面の摩擦や電気的な特性等を調整するため、内側面に沿ってスリーブが設けられていてもよい。例えば、貫通穴221bは、内側面に沿ってスリーブが設けられていてもよい。
【0042】
駆動部202は、第2ピン部材232を軸方向に駆動する。駆動部202は、第1リフタピン172を保持する保持部202aを有する。第2ピン部材232は、ネジが設けられた取付部232aが下端に設けられている。第2ピン部材232は、取付部232aのネジを保持部202aにもうけられたネジ溝に結合させることにより、保持部202aに固定される。駆動部202は、DCモータ、ステッピングモータ、リニアモータ等のモータ、ピエゾアクチュエータ、エア駆動機構等の駆動力により保持部202aが上下方向に駆動する。保持部202aの上下方向の駆動に伴い、第2ピン部材232は、上下方向に駆動する。駆動部202は、各々、基板Wの搬送、及びエッジリング119の搬送に適合した駆動精度で第2ピン部材232を上下方向に駆動する。例えば、駆動部202は、基板Wをリフトアップする場合、第2ピン部材232を上方向に移動する。第2ピン部材232の上方向への移動により、第1ピン部材231は、第2ピン部材232に押されて上方向へ移動する。これにより、第1ピン部材231が第1面211から突出し、基板Wがリフトアップされる。また、駆動部202は、第1ピン部材231を貫通穴221に格納する場合、第2ピン部材232を貫通穴221の軸方向に第2面212側に駆動して、第1ピン部材231の第2面212側の端部から第2ピン部材232を離間させる。これにより、第1ピン部材231が貫通穴221内に下降して貫通穴221に格納される。
【0043】
第1ピン部材231は、第1面211側の先端の幅を広げた蓋部231bが形成されている。第1ピン部材231は、ピン本体部231aと、第1面211側の端部にピン本体部231aの外径より大きい外径の蓋部231bを有する。ピン本体部231aは、貫通穴221aの径以下の径で形成されている。例えば、ピン本体部231aは、貫通穴221aの径以下の一定の径で形成されている。蓋部231bは、貫通穴221aの径よりも大きい径で形成されている。第1ピン部材231は、蓋部231bが貫通穴221aの径よりも大きい径であるため、蓋部231bの下端の位置までしか貫通穴221aに格納できない。
【0044】
貫通穴221aは、第1面211側の開口部に、第1ピン部材231が貫通穴221aに格納された際に、蓋部231bと嵌合する凹部221cを有する。
【0045】
凹部221cは、第1ピン部材231が貫通穴221aに格納されたとき、蓋部231bの上端が第1面211から突出しないように蓋部231bの厚さ以上の深さで形成されている。例えば、本実施形態では、蓋部231bは、先端から径が徐々に小さく形成されている。凹部221cは、蓋部231bと面が合うように、第1面211側から径が徐々に小さく形成されている。すなわち、蓋部231bは、先端から下側に徐々に径が細くなる円錐状に形成されている。凹部221cも、蓋部231bと同程度又は若干大きいサイズで、下側に徐々に径が細くなる円錐状に形成されている。これにより、第1ピン部材231を貫通穴221aに格納した場合に、蓋部231bと凹部221cとが嵌合し、第1面211と蓋部231bの上面がほぼ平らな面を構成する。
【0046】
第1ピン部材231が貫通穴221に格納されたとき、蓋部231bは、貫通穴221の第1面211側を覆って蓋をした状態となる。このように貫通穴221の第1面211側を蓋部231bで覆うことで、第1ピン部材231と貫通穴221と間の空間へのガスの侵入を抑制できるため、放電リスクを低減できる。
【0047】
ここで、従来、第1リフタピン172や第2リフタピン182は、分割されておらず、1つの部材として構成されている。しかし、従来のように第1リフタピン172や第2リフタピン182を1つの部材として構成した場合、第1リフタピン172や第2リフタピン182は、載置台110への取り付けが困難となる。第1リフタピン172や第2リフタピン182は、先端の幅を広げた蓋部231bを形成したことにより、貫通穴221に対して第1面211側からしか挿入できなくなる。第1リフタピン172や第2リフタピン182は、1つの部材として構成した場合、載置台110の貫通穴221に第1面211側から挿入してから、駆動部202に取り付けることになる。このような取り付けを実現するには、例えば、第1リフタピン172や第2リフタピン182の端部を自動でクランプする機構が駆動部202に必要となる。
【0048】
一方、本実施形態に係る載置台110は、第1リフタピン172や第2リフタピン182を第1ピン部材231と第2ピン部材232に分割した構成としている。第1ピン部材231と第2ピン部材232は、接触するのみであるため、別々に載置台110に取り付けることができる。例えば、第1ピン部材231は、先端の幅を広げた蓋部231bを形成したことにより、貫通穴221に対して第1面211側からしか挿入できなくなる。しかし、本実施形態に係る載置台110は、第1ピン部材231と第2ピン部材232を別々に取り付けることで、容易に取り付けることができる。例えば、第2ピン部材232の一端を駆動部202に取り付けた後、第2ピン部材232の他端を載置台110の貫通穴221に第2面212側から挿入する。その後、第1ピン部材231を載置台110の貫通穴221に第1面211側から挿入する。本実施形態に係る載置台110では、第1ピン部材231は、駆動部202に固定する必要がない。このため、本実施形態に係る載置台110は、第1リフタピン172や第2リフタピン182を容易に取り付けることができる。
【0049】
ところで、実施形態に係る載置台110は、基板Wやエッジリング119を上昇させる場合、駆動部202により第2ピン部材232の上方向へ移動させて、第2ピン部材232を介して第1ピン部材231を上方向へ移動する。また、載置台110は、基板Wやエッジリング119を下降させる場合、駆動部202により第2ピン部材232の下方向へ移動させ、第1ピン部材231を自重で下方向へ移動させる。第1ピン部材231と第2ピン部材232は、接触するのみで、接続していない。このため、第1ピン部材231は、貫通穴221との摩擦が強い場合や引っかかった場合、下降しなくなる。
【0050】
そこで、第1ピン部材231を下降しやすくするため、第1ピン部材231は、密度が高い高密度材料を含んで構成としてもよい。
【0051】
図3A~
図3Fは、実施形態に係る第1ピン部材231の構成の一例を簡略化して示した図である。
図3A~
図3Cに示すように、第1ピン部材231は、ピン本体部231a及び蓋部231bを主に材料231cで形成し、主とする材料231cに高密度材料231dを内包するように構成してもよい。例えば、主とする材料231cとしては、例えば、Al(アルミニウム)、Ti(チタン)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の樹脂が挙げられる。高密度材料231dとしては、例えば、Fe(鉄)、W(タングステン)、Alが挙げられる。例えば、主とする材料231cをAlとし、高密度材料231dをFeとする。また、主とする材料231cをTiとし、高密度材料231dをWとする。また、主とする材料231cをPEEKとし、高密度材料231dをAlとする。
【0052】
第1ピン部材231は、材料231cと高密度材料231dを接着や接合して構成してもよい。
図3Dでは、第1ピン部材231として、材料231cの下部に高密度材料231dを接着や接合している。
図3Eでは、第1ピン部材231として、棒状の高密度材料231dの周囲に材料231cを接着や接合している。
【0053】
また、第1ピン部材231は、ピン本体部231aを高密度材料231dで構成してもよい。
図3Fでは、ピン本体部231a全体が高密度材料231dで構成されている。
【0054】
このように、第1ピン部材231は、高密度材料231dを含んで構成することにより、自重が増加する。これにより、載置台110は、第1ピン部材231を下降しやすくすることができる。
【0055】
また、第1ピン部材231を下降しやすくするため、第1ピン部材231を第2ピン部材232側に引き付けられる構成としてもよい。また、第1ピン部材231及び第2ピン部材232の一方は、他方を同一直線状で移動可能に保持するガイドを有する構成としてもよい。
【0056】
図4~
図6は、実施形態に係る第1ピン部材231及び第2ピン部材232の構成の一例を簡略化して示した図である。
図4~
図6には、実施形態に係る載置台110の構成が簡略化して示されている。
図4~
図6には、載置台110を構成する載置部200と、第1リフタピン172が示されている。
図4~
図6では、載置部200が1つの部材として示されている。載置部200は、支持する対象物として基板Wを載置する第1面211が示されている。第1面211には、ドットのパターンが形成されており、ドットにより基板Wを支持する。第1面211と基板Wの間の空間には、伝熱ガス等のガスが供給される。載置部200は、第1面211と第2面212に貫通する貫通穴221が形成されている。
【0057】
図4では、第1ピン部材231と第2ピン部材232に磁石233a、233bを設けて磁力により第1ピン部材231と第2ピン部材232が引きつられるように構成している。例えば、第1ピン部材231は、第2ピン部材232側にN極の磁石233aが設けられている。第2ピン部材232は、第1ピン部材231側にS極の磁石233bが設けられている。
【0058】
図5では、第1ピン部材231と第2ピン部材232をバネなどの弾性部材234により接続して第1ピン部材231と第2ピン部材232が引きつられるように構成している。例えば、第1ピン部材231の第2ピン部材232側の端部と、第2ピン部材232の第1ピン部材231側の端部は、弾性部材234により接続されている。弾性部材234は、バネに代わりにゴム等であってもよい。また、第1ピン部材231及び第2ピン部材232の一方には、他方を同一直線状で移動可能に保持するガイド235が設けられている。
図5では、第2ピン部材232の上端部分に側面に沿って、ガイド235を設けられ、第1ピン部材231の下端部分をガイド235で囲んで同一直線状で移動可能に保持する。なお、第1ピン部材231の下端部分に側面に沿って、ガイド235を設けて、第2ピン部材232の上部部分をガイド235で囲んで同一直線状で移動可能に保持してもよい。
図4及び
図6の構成においても、ガイド235を設けてもよい。
【0059】
図6では、第1ピン部材231と第2ピン部材232を連結部240により連結して第1ピン部材231と第2ピン部材232が引きつられるように構成している。例えば、第1ピン部材231は、第2ピン部材232側の端部に連結用の凹部241が形成されている。凹部241は、開口側が狭く形成されている。第2ピン部材232は、第1ピン部材231側の端部に連結用の係合部242が形成されている。凹部241に係合部242を係合させることで、第1ピン部材231と第2ピン部材232が連結される。連結部240は、凹部241と係合部242が係合する部分にバネなどの弾性部材243を設けて、反力で下方向に応力を加えてもよい。
【0060】
第1ピン部材231及び第2ピン部材232を
図4~
図6のような構成とすることにより、載置台110は、駆動部202により第2ピン部材232の下降させることで、第1ピン部材231を下方向へ引くことができる。このように、載置台110は、第1ピン部材231を第2ピン部材232側に引く構成とすることで、第1ピン部材231を下降しやすくすることができる。なお、磁石233a、233bのうちいずれか一方が磁石であり、他方が鉄(Fe)やニッケル(Ni)などの磁性体であってもよい。また、磁石233a、233bのうち少なくとも一方が電磁石であってもよい。電磁石の場合は、磁力や極性を切り替えることが可能であるため、引力または斥力によって降下速度を調整することが可能である。また、電磁石からの漏れ磁場によるプラズマ生成の均一性への影響する虞があるため、駆動部202を稼働させず、プラズマ生成を行うときは、電磁石の電源をオフにして、磁力を発生させないことが望ましい。
【0061】
なお、第1ピン部材231を下方向へ引く力を有する構造であれば、実施形態に示す自重、磁力、バネおよびひもに限定されない。例えば、第1ピン部材231および第2ピン部材232の内部に電極を埋め込み、その電極に電荷を帯電させることよって生じるクーロン力やジョンソンラーベック力などの静電力によって、第1ピン部材231を第2ピン部材232側に引く構成としてもよい。
【0062】
また、第1ピン部材231は、第1面211側の先端に位置決め用の突起を設けてもよい。
図7A~
図7Cは、実施形態に係る第1ピン部材231の形状の一例を説明する図である。
図7Aでは、第1ピン部材231は、第1面211側の先端の幅を広げた蓋部231bの上面の中央に位置決め用の半球状の突起231eを設けている。
図7Aでは、第1ピン部材231は、蓋部231bの上面の中央に位置決め用の矩形状の突起231eを設けている。
図7cは、貫通穴221の第1面211側を第1ピン部材231で覆って蓋をした状態を示している。貫通穴221は、第1ピン部材231の上面が第1面211から突出しないように第1面211側に凹部221cを設けている。第1ピン部材231は、突起231eを設けているため、基板Wやエッジリング119を精度よく配置できる。基板Wやエッジリング119には、第1ピン部材231の位置に対応して位置決め用の凹部を設けてもよい。これにより、基板Wやエッジリング119を精度よく配置できる。
【0063】
[効果]
このように、実施形態に係る載置台110は、載置部200と、第1ピン部材231と、第2ピン部材232と、駆動部202とを有する。載置部200は、支持する対象物(基板W、エッジリング119)が載置される第1面211及び当該第1面211の裏面となる第2面212が設けられ、第1面211と第2面212に貫通する貫通穴221が形成されている。第1ピン部材231は、貫通穴221に配置され、貫通穴221の軸方向に移動可能とされている。第2ピン部材232は、貫通穴221の第1ピン部材231に対して第2面212側に配置され、軸方向に移動可能とされている。駆動部202は、第2ピン部材232を軸方向に駆動する。そして、第1ピン部材231は、第1面211側の先端の幅を広げた蓋部231bが形成されている。貫通穴221は、第1面211側の開口部に、第1ピン部材231が貫通穴221に格納された際に、蓋部231bと嵌合する凹部221cを有する。これにより、載置台110は、貫通穴221のリフタピン(第1リフタピン172、第2リフタピン182)との隙間での異常放電の発生を抑制しつつ、リフタピンの取り付けを容易にすることができる。
【0064】
また、第1ピン部材231は、第2ピン部材232側に引き付けられる構成とされている。これにより、載置台110は、駆動部202により第2ピン部材232を第2面212側に移動させることで、第1ピン部材231を貫通穴221内で第2面212側へ安定して移動させることができる。また、載置台110は、第1ピン部材231を貫通穴221内に格納した際に、蓋部231bと凹部221cを密着させることができ、第1ピン部材231と貫通穴221と間の空間へのガスの侵入を抑制できる。
【0065】
また、第1ピン部材231は、第2ピン部材232側に第1の磁石(磁石233a)が設けられている。第2ピン部材232は、第1ピン部材231側に第1の磁石と引き合う第2の磁石(磁石233b)が設けられている。これにより、載置台110は、第2ピン部材232と第1ピン部材231を物理的に接続することなく、第2ピン部材232が第1ピン部材231を引き付けることができる。
【0066】
また、第1ピン部材231の第2ピン部材232側の端部と、第2ピン部の第1ピン部材231側の端部は、弾性部材234により接続されている。これにより、載置台110は、第2ピン部材232が第1ピン部材231を引き付けることができる。
【0067】
また、第1ピン部材231は、密度の高い高密度材料231dを含んで構成される。これにより、載置台110は、第1ピン部材231を下降しやすくすることができる。
【0068】
また、第1ピン部材231は、貫通穴221の径以下の径で形成されたピン本体部231aの第1面211側の先端に貫通穴221の径よりも大きい径で蓋部231bが形成されている。これにより、載置台110は、第1ピン部材231を貫通穴221に格納した際に、蓋部231bで貫通穴221の第1面211側を覆って貫通穴221を閉塞することができ、第1ピン部材231と貫通穴221と間の空間へのガスの侵入を抑制できる。
【0069】
また、蓋部231bは、先端から径が徐々に小さく形成されている。凹部221cは、蓋部231bと面が合うように、第1面211側から径が徐々に小さく形成されている。これにより、載置台110は、蓋部231bと凹部221cを密接させることができ、第1ピン部材231と貫通穴221と間の空間へのガスの侵入を抑制できる。
【0070】
また、第1ピン部材231及び第2ピン部材232の一方は、他方を同一直線状で移動可能に保持するガイド235を有する。これにより、載置台110は、第1ピン部材231と第2ピン部材232を同一直線状に移動しやすい状態で保持できる。
【0071】
また、駆動部202は、第1ピン部材231を貫通穴221に格納する場合、第2ピン部材232を軸方向に第2面212側に駆動して、第1ピン部材231の第2面212側の端部から第2ピン部材232を離間させる。駆動部202は、第1ピン部材231を貫通穴221から突出させる際に、第2ピン部材232を軸方向に第1面211側に駆動して、第1ピン部材231の第2面212側の端部に第2ピン部材232を接触させる。これにより、載置台110は、第1ピン部材231を第1面211から昇降させることができ、第1面211に載置された対象物を安定して昇降することができる。
【0072】
以上、実施形態について説明してきたが、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。実に、上述した実施形態は、多様な形態で具現され得る。また、上述した実施形態は、請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
【0073】
例えば、上記の実施形態では、基板処理をプラズマエッチングとした場合を例に説明した。しかし、これに限定されるものではない。基板処理は、載置台に対象物を載置して実施する基板処理であれば、どのような基板処理であってもよい。
【0074】
また、上記の実施形態では、基板処理装置100を、容量結合プラズマ(CCP:Capacitively Coupled Plasma)タイプのプラズマ処理装置とした場合を説明した。しかし、これに限定されるものではない。基板処理装置100は、基板処理を実施する装置であれば、どのような装置であってもよい。例えば、基板処理装置100は、誘導結合型プラズマ(ICP:Inductively-coupled plasma)、容量結合型プラズマ(CCP)、ECRプラズマ(electron-cyclotron-resonance plasma)、ヘリコン波励起プラズマ(HWP)、または、表面波プラズマ(SWP)等を利用する装置であってもよい。
【0075】
また、上記の実施形態では、基板Wを半導体ウエハとした場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。基板Wは、何れの基板でもよい。
【0076】
なお、今回開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。実に、上記した実施形態は多様な形態で具現され得る。また、上記の実施形態は、添付の特許請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
【符号の説明】
【0077】
W 基板
100 基板処理装置
110 載置台
119 エッジリング
115a 第1載置面
116a 第2載置面
172 第1リフタピン
182 第2リフタピン
200 載置部
200a 基台
200b 支持部
202 駆動部
202a 保持部
231 第1ピン部材
232 第2ピン部材
211 第1面
212 第2面
221 貫通穴
221a、221b 貫通穴
231b 蓋部
221c 凹部
233a、233b 磁石
231d 高密度材料
234 弾性部材
235 ガイド