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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023020135
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】アルデヒド捕捉方法
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/01 20060101AFI20230202BHJP
   B01J 20/22 20060101ALI20230202BHJP
   C09K 3/00 20060101ALI20230202BHJP
【FI】
A61L9/01 K
B01J20/22 A
C09K3/00 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021125331
(22)【出願日】2021-07-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003300
【氏名又は名称】東ソー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】吉田 圭介
(72)【発明者】
【氏名】増田 隆洋
【テーマコード(参考)】
4C180
4G066
【Fターム(参考)】
4C180AA02
4C180BB08
4C180CC01
4C180EB15X
4C180EB17X
4C180FF07
4G066AB05B
4G066AB06B
4G066AB07B
4G066AB09B
4G066AB13B
4G066AB15B
4G066AB21B
4G066BA03
4G066BA36
4G066CA52
4G066DA01
(57)【要約】
【課題】 アルデヒド類を速やかに且つ持続的に捕捉するアルデヒド捕捉方法を提供する。
【解決手段】 1種以上のO-置換モノヒドロキシルアミン又はその化学的に許容される塩を用いるアルデヒド捕捉方法であって、
1)生地に上記一般式(1)で表される1種以上のO-置換モノヒドロキシルアミン又はその化学的に許容される塩を添着し、得られた生地をアルデヒドが存在する空間に曝してアルデヒドを捕捉する工程、及び
2)上記1)の工程でアルデヒドを捕捉した生地を洗浄し、再度、上記の1種以上のO-置換モノヒドロキシルアミン又はその化学的に許容される塩を添着し、得られた生地をアルデヒドが存在する空間に曝してアルデヒドを捕捉する工程、
を行うアルデヒド捕捉方法であって、上記2)の工程を1回行う、又は2回以上繰り返し行うことを特徴とする、アルデヒド捕捉方法。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)
【化1】
[上記一般式(1)において、Rは、化学的に許容おされる任意の位置に、
ハロゲン原子;
炭素数1~6のアルキルオキシ基;炭素数1~6のハロアルキル基;
炭素数1~6のハロアルキルオキシ基;
カルボキシル基;
ヒドロキシル基;
メルカプト基;
シアノ基;
ニトロ基;
ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルキルオキシ基、炭素数1~6のハロアルキル基、炭素数1~6のハロアルキルオキシ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シアノ基若しくはニトロ基で置換されていてもよい炭素数4~14のヘテロアリール基;
下記一般式(2)で表されるアルコキシカルボニル基;
及び
下記一般式(3)で表されるカルバモイル基;
からなる群より選ばれる1つ以上の置換基で置換されていても良い炭素数1~18の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基を表す。]
【化2】
[上記一般式(2)において、Rは、化学的に許容される任意の位置に、
カルボキシ基;
ヒドロキシ基;
メルカプト基;
ハロゲン原子;
炭素数1~6のアルキルオキシ基;
炭素数1~6のハロアルキルオキシ基;
炭素数6~14のアリール基;
及び
炭素数4~14のヘテロアリール基;
からなる群より選ばれる1つ以上の置換基で置換されていてもよい炭素数1~18の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基を表す。]
【化3】
[上記一般式(3)において、Rは、同一又は相異なっていてもよく、各々独立して、化学的に許容される任意の位置に、
カルボキシ基;
ヒドロキシ基;
メルカプト基;
ハロゲン原子;
炭素数1~6のアルキルオキシ基;
炭素数1~6のハロアルキリオキシ基;
炭素数6~14のアリール基;
及び
炭素数4~14のヘテロアリール基
からなる群より選ばれる1つ以上の置換基で置換されていてもよい炭素数1~18の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、炭素数6~14のアリール基、炭素数4~14のヘテロアリール基、
又は
水素原子を表す。]
で表される1種以上のO-置換モノヒドロキシルアミン又はその化学的に許容される塩を用いるアルデヒド捕捉方法であって、
1)生地に上記一般式(1)で表される1種以上のO-置換モノヒドロキシルアミン又はその化学的に許容される塩を添着し、得られた生地をアルデヒドが存在する空間に曝してアルデヒドを捕捉する工程、及び
2)上記1)の工程でアルデヒドを捕捉した生地を洗浄し、再度上記一般式(1)で表される1種以上のO-置換モノヒドロキシルアミン又はその化学的に許容される塩を添着し、得られた生地をアルデヒドが存在する空間に曝してアルデヒドを捕捉する工程、
を行うアルデヒド捕捉方法であって、上記2)の工程を1回行う、又は2回以上繰り返し行うことを特徴とする、アルデヒド捕捉方法。
【請求項2】
前記の一般式(1)で表される1種以上のO-置換モノヒドロキシルアミン又はその化学的に許容される塩が、アミノオキシ酢酸又はその化学的に許容される塩である、請求項1に記載のアルデヒド捕捉方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルデヒド捕捉方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ホルムアルデヒドやアセトアルデヒド等のアルデヒド類は、生活環境における代表的な臭気物質である。臭い閾値が極めて低い為、低濃度でも不快なにおいの原因となる。これらアルデヒド類は屋内や自動車ないにおいて合成樹脂、合板、タバコの煙、殺菌の為に行われるホリマリン燻蒸等から発生し、シックハウス症候群やシックカー症候群の原因となることが知られている。
【0003】
医療現場等、衛生環境の維持が重要とされる病院、調剤薬局、医療薬品製造工場、実験動物等を用いる研究所等の建造物にでは殺菌の為にホルマリン(ホルムアルデヒド)燻蒸等が行われている(特許文献1)。ホルマリンガスは、一般細菌のみならず、ウイルス、微生物等をも死滅させる殺菌力を持ち、しかも細かな隙間から侵入して施設内の隅々まで殺菌できる利点を有している。しかし、ホルマリンガスには毒性(皮膚に対する刺激性等)がある。そこで、燻蒸後の残留物等に対する対策が必要である。
【0004】
これらのアルデヒド類は発がん性も疑われており、人が日常的にこれらにさらされると、健康を害するリスクがある。そのため、厚生労働省により室内濃度指針値として、アセトアルデヒドは0.03ppm、ホルアルデヒドは0.08ppmと規定されている。医療現場等、衛生環境の維持が重要とされる病院、調剤薬局、医療薬品製造工場、実験動物等を用いる研究所等の建造物に例示されるアルデヒド類が定常的に存在する環境では、アルデヒド類を済みやかに且つ持続的に除去しつづける方法が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005-323809号公報
【特許文献2】特開2004-163055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の背景技術に鑑みてなされたものであって、アルデヒド類を速やかに且つ持続的に捕捉するアルデヒド捕捉方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、アルデヒド類が定常的に存在する環境においてアルデヒド類を速やかにかつ持続的に捕捉する方法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、以下の要旨を有するものである。
[1]
下記一般式(1)
【0009】
【化1】
【0010】
[上記一般式(1)において、Rえは、化学的に許容おされる任意の位置に、
ハロゲン原子;
炭素数1~6のアルキルオキシ基;炭素数1~6のハロアルキル基;
炭素数1~6のハロアルキルオキシ基;
カルボキシル基;
ヒドロキシル基;
メルカプト基;
シアノ基;
ニトロ基;
ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルキルオキシ基、炭素数1~6のハロアルキル基、炭素数1~6のハロアルキルオキシ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シアノ基若しくはニトロ基で置換されていてもよい炭素数4~14のヘテロアリール基;
下記一般式(2)で表されるアルコキシカルボニル基;
及び
下記一般式(3)で表されるカルバモイル基;
からなる群より選ばれる1つ以上の置換基で置換されていても良い炭素数1~18の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基を表す。]
【0011】
【化2】
【0012】
[上記一般式(2)において、Rは、化学的に許容される任意の位置に、
カルボキシ基;
ヒドロキシ基;
メルカプト基;
ハロゲン原子;
炭素数1~6のアルキルオキシ基;
炭素数1~6のハロアルキルオキシ基;
炭素数6~14のアリール基;
及び
炭素数4~14のヘテロアリール基;
からなる群より選ばれる1つ以上の置換基で置換されていてもよい炭素数1~18の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基を表す。]
【0013】
【化3】
【0014】
[上記一般式(3)において、Rは、同一又は相異なっていてもよく、各々独立して、化学的に許容される任意の位置に、
カルボキシ基;
ヒドロキシ基;
メルカプト基;
ハロゲン原子;
炭素数1~6のアルキルオキシ基;
炭素数1~6のハロアルキリオキシ基;
炭素数6~14のアリール基;
及び
炭素数4~14のヘテロアリール基
からなる群より選ばれる1つ以上の置換基で置換されていてもよい炭素数1~18の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、炭素数6~14のアリール基、炭素数4~14のヘテロアリール基、
又は
水素原子を表す。]
で表される1種以上のO-置換モノヒドロキシルアミン又はその化学的に許容される塩を用いるアルデヒド捕捉方法であって、
1)生地に上記一般式(1)で表される1種以上のO-置換モノヒドロキシルアミン又はその化学的に許容される塩を添着し、得られた生地をアルデヒドが存在する空間に曝してアルデヒドを捕捉する工程、及び
2)上記1)の工程でアルデヒドを捕捉した生地を洗浄し、再度上記一般式(1)で表される1種以上のO-置換モノヒドロキシルアミン又はその化学的に許容される塩を添着し、得られた生地をアルデヒドが存在する空間に曝してアルデヒドを捕捉する工程、
を行うアルデヒド捕捉方法であって、上記2)の工程を1回行う、又は2回以上繰り返し行うことを特徴とする、アルデヒド捕捉方法。
[2]
前記の一般式(1)で表される1種以上のO-置換モノヒドロキシルアミン又はその化学的に許容される塩が、アミノオキシ酢酸又はその化学的に許容される塩である、[1]に記載のアルデヒド捕捉方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明のアルデヒド捕捉方法は、アルデヒド類が定常的に供給される環境においてアルデヒド類を速やかにかつ持続的に捕捉する。その結果、人体に有害なアルデヒド類を低減し、生活環境を改善することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
上記の一般式(1)で表される1種以上のO-置換モノヒドロキシルアミン又はその化学的に許容される塩について説明する。
【0017】
上記一般式(1)において、Rは、化学的に許容される任意の位置に、ハロゲン原子;
炭素数1~6のアルキルオキシ基;炭素数1~6のハロアルキル基;
炭素数1~6のハロアルキルオキシ基;
カルボキシル基;
ヒドロキシル基;
メルカプト基;
シアノ基;
ニトロ基;
ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルキルオキシ基、炭素数1~6のハロアルキル基、炭素数1~6のハロアルキルオキシ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シアノ基若しくはニトロ基で置換されていてもよい炭素数4~14のヘテロアリール基;
下記一般式(2)で表されるアルコキシカルボニル基;
及び
下記一般式(3)で表されるカルバモイル基;
からなる群より選ばれる1つ以上の置換基で置換されていても良い炭素数1~18の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基を表す。]
【0018】
【化4】
【0019】
[上記一般式(2)において、R2は、化学的に許容される任意の位置に、
カルボキシ基;
ヒドロキシ基;
メルカプト基;
ハロゲン原子;
炭素数1~6のアルキルオキシ基;
炭素数1~6のハロアルキルオキシ基;
炭素数6~14のアリール基;
及び
炭素数4~14のヘテロアリール基;
からなる群より選ばれる1つ以上の置換基で置換されていてもよい炭素数1~18の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基を表す。]
【0020】
【化5】
【0021】
[上記一般式(3)において、R3は、同一又は相異なっていてもよく、各々独立して、化学的に許容される任意の位置に、
カルボキシ基;
ヒドロキシ基;
メルカプト基;
ハロゲン原子;
炭素数1~6のアルキルオキシ基;
炭素数1~6のハロアルキリオキシ基;
炭素数6~14のアリール基;
及び
炭素数4~14のヘテロアリール基
からなる群より選ばれる1つ以上の置換基で置換されていてもよい炭素数1~18の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、炭素数6~14のアリール基、炭素数4~14のヘテロアリール基、
又は
水素原子を表す。]
炭素数1~18の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基としては、特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基(セチル基)、ヘプタデシル基、オクタデシル基(ステアリル基)、オレイル基、エライジル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、3-メチルブチル基、2,2-ジメチルプロピル基、1,1-ジメチルプロピル基、2-エチルヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基等が挙げられる。
【0022】
該アルキル基は、ハロゲン原子、カルボキシ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1~6のアルキルオキシ基、炭素数1~6のハロアルキル基、炭素数1~6のハロアルキルオキシ基、炭素数6~14のアリール基、炭素数4~14のヘテロアリール基、一般式(2)で表されるアルコキシカルボニル基、及び/又は一般式(3)で表されるカルバモイル基で置換されていてもよく、これらの置換基としては、以下に例示する置換基を挙げることができる。
【0023】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等を例示することができる。
【0024】
炭素数1~6のアルキルオキシ基としては、直鎖状、分岐状又は環状のいずれであってもよく、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、イソブチルオキシ基、sec-ブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、3-メチルブチルオキシ基、2,2-ジメチルプロピルオキシ基、1,1-ジメチルプロピルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等を例示することができる。
【0025】
炭素数1~6のハロアルキル基としては、直鎖状、分岐状又は環状のいずれであってもよく、ジフロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2-ジフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、3-フルオロプロピル基、1-(トリフルオロメチル)-2,2,2-トリフルオロエチル基等を例示することができる。
【0026】
炭素数1~6のハロアルキルオキシ基としては、直鎖状、分岐状又は環状のいずれであってもよく、ジフルオロメチルオキシ基、トリフルオロメチルオキシ基、2,2-ジフルオロエチルオキシ基、2,2,2-トリフルオロエチルオキシ基、2-フルオロプロピルオキシ基、1-(トリフルオロメチル)-2,2,2-トリフルオロエチルオキシ基等を例示することができる。
【0027】
炭素数6~14のアリール基及び炭素数4~14のヘテロアリール基としては、特に限定するものではないが、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、ビニルフェニル基、ビフェニル基、フェナントリル基、ピロリル基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、インドリル基、キノリル基、イソキノリル基等が挙げられる。
【0028】
該アリール基及びヘテロアリール基は、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルキルオキシ基、炭素数1~6のハロアルキル基及び/又は炭素数1~6のハロアルキルオキシ基で置換されていてもよく、これらの置換基としては、以下に例示する置換基を挙げることができる。
【0029】
上記一般式(2)で表されるアルコキシカルボニル基としては、特に限定されないが、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、イソブチルオキシカルボニル基、sec-ブチルオキシカルボニル基、tert-ブチルオキシカルボニル基、ジフルオロメチルオキシカルボニル基、トリフルオロメチルオキシカルボニル基、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基、ピリジルオキシカルボニル基等が挙げられる。
【0030】
上記一般式(3)で表されるカルバモイル基としては、特に限定されないが、例えば、カルバモイル基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N-プロピルカルバモイル基、N-イソプロピルカルバモイル基、N-ブチルカルバモイル基、N-イソブチルカルバモイル基、N-(sec-ブチル)カルバモイル基、N-(tert-ブチル)カルバモイル基、N-ジフルオロメチルカルバモイル基、N-トリフルオロメチルカルバモイル基、N-フェニルカルバモイル基、N-ナフチルカルバモイル基、N-ピリジルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N,N-ジプロピルカルバモイル基、N,N-ジイソプロピルカルバモイル基、N,N-ジブチルカルバモイル基、N,N-ジイソブチルカルバモイル基、N,N-ジ(sec-ブチル)カルバモイル基、N,N-ジ(tert-ブチル)カルバモイル基、N,N-ビス(ジフルオロメチル)カルバモイル基、N,N-ビス(トリフルオロメチル)カルバモイル基、N,N-ジフェニルカルバモイル基、N,N-ジナフチルカルバモイル基、N,N-ジピリジルカルバモイル基等が挙げられる。
【0031】
炭素数1~6のアルキル基としては、直鎖状、分岐状又は環状のいずれであってもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、3-メチルブチル基、2,2-ジメチルプロピル基、1,1-ジメチルプロピル基、2-エチルヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を例示することができる。
【0032】
炭素数1~6のアルキルオキシ基としては、直鎖状、分岐状又は環状のいずれであってもよく、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、イソブチルオキシ基、sec-ブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、3-メチルブチルオキシ基、2,2-ジメチルプロピルオキシ基、1,1-ジメチルプロピルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等を例示することができる。
【0033】
炭素数1~6のハロアルキル基としては、直鎖状、分岐状又は環状のいずれであってもよく、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2-ジフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、3-フルオロプロピル基、1-(トリフルオロメチル)-2,2,2-トリフルオロエチル基等を例示することができる。
【0034】
炭素数1~6のハロアルキルオキシ基としては、直鎖状、分岐状又は環状のいずれであってもよく、ジフルオエオメチルオキシ基、トリフルオロメチルオキシ基、2,2-ジフツオロエチルオキシ基、2,2,2-トリフルオロエチルオキシ基、3-フルオロプロピルオキシ基、1-(トリフルオロメチル)-2,2,2-トリフルオロエチルオキシ基等を例示することができる。
【0035】
これらのうち、一般式(1)において、Rが、カルボキシ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、炭素数6~14のアリール基又は炭素数4~14のヘテロアリール基で置換されていてもよい炭素数1~8の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基であるO-置換モノヒドロキシルアミンが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ベンジル基、2-ピリジルメチル基、3-ピリジルメチル基、4-ピリジルメチル基、カルボキシメチル基、1-カルボキシエチル基、1-カルボキシプロピル基、3-カルボキシプロピル基、α-カルボキシベンジル基、α-カルボキシフェネチル基、β-カルボキシフェネチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-ヒドロキシプロピル基、3-ヒドロキシプロピル基、1-カルボキシ-2-ヒドロキシエチル基、α-(メトキシカルボニル)ベンジル基、α-(メトキシアルボニル)フェネチル基、カルバモイルメチル基、β-(メトキシカルボニル)フェネチル基、カルバモイルメチル基、N-フェニルカルバモイルメチル基、N-(2-カルボキフェニル)カルバモイルメチル基、N-(3-カルボキシフェニル)カルバモイルメチル基、N-(4-カルボキシフェニル)カルバモイルメチル基又はN-(2,6-ジメチルフェニル)カルバモイルメチル基のいずれかであるO-置換モノヒドロキシルアミンが特に好ましい。
【0036】
上記の一般式(1)で表される1種以上のO-置換モノヒドロキシルアミンは、その一部又はすべてが無機酸又は有機酸との化学的に許容される塩となっていてもよい。塩の種類としては、特に限定されないが、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、過塩素酸塩、ケイ酸塩、テトラフルオロホウ酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、安息香酸塩、トシル酸塩等の有機酸塩が挙げられ、安価である点で無機酸塩が好ましく、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩がさらに好ましい。
【0037】
また、一般式(1)で表される1種以上のO-置換モノヒドロキシルアミンがRの一部としてアミノ基を含む場合も、当該アミノ基の一部又は全てが上記の無機酸又は有機酸との化学的に許容される塩となっていてもよい。
【0038】
一方、一般式(1)で表される1種以上のO-置換モノヒドロキシルアミンがRの一部としてカルボキシ基を含む場合は、当該カルボキシ基が分子内のヒドロキシルアミノ基やアミノ基と分子内塩を形成してもよい。また、当該カルボキシ基の一部又は全てがカルボン酸塩となっていてもよい。カルボン酸塩の種類としては、特に限定されないが、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
【0039】
なお、前記の一般式(1)で表される1種以上のO-置換モノヒドロキシルアミン又はその化学的に許容される塩については、アルデヒド捕捉性能に優れる点で、アミノオキシ酢酸又はその化学的に許容される塩であることが好ましい。
【0040】
本発明のアルデヒド捕捉方法について、説明する。
【0041】
本発明のアルデヒド捕捉方法は、上記の一般式(1)で表される1種以上のO-置換モノヒドロキシルアミン又はその化学的に許容される塩を用いるアルデヒド捕捉方法であって、
1)生地に上記一般式(1)で表される1種以上のO-置換モノヒドロキシルアミン又はその化学的に許容される塩を添着し、得られた生地をアルデヒドが存在する空間に曝してアルデヒドを捕捉する工程、及び
2)上記1)の工程でアルデヒドを捕捉した生地を洗浄し、再度上記一般式(1)で表される1種以上のO-置換モノヒドロキシルアミン又はその化学的に許容される塩を添着し、得られた生地をアルデヒドが存在する空間に曝してアルデヒドを捕捉する工程、
を行うアルデヒド捕捉方法であって、上記2)の工程を1回行う、又は2回以上繰り返し行うことを特徴とする。
【0042】
前記のアルデヒドについては、特に限定するものではないが、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド等を挙げることができる。
【0043】
前記の生地について、皮革や、洋服などに用いられる布地や、繊維を束ねたり編んだりして成形されたシート状のものや、塗布成形、押出成形等して成形されたシート状のものを代表例として示すことができ、特に限定するものではないが、例えば、皮革、綿、絹、麻、葛、藤、楮、モヘヤ、ウール、カシミヤ、アセテート、キュプラ、レーヨン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンサルファイド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルスルフォン、ポリメタクリル酸メチル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、アラミド、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリウレタン、セルロース、ナイロン、ポリアセタール、ガラス繊維、又は炭素繊維等からなる生地が挙げられる。
【0044】
上記の一般式(1)で表される1種以上のO-置換モノヒドロキシルアミン又はその化学的に許容される塩(以下、「O-置換モノヒドロキシルアミン類」という。)は前記の生地に添着されるが、当該添着の方法については、特に限定するものではないが、例えば、前記のO-置換モノヒドロキシルアミン類の固体を前記の生地に擦り付けるなどして直接接触させる方法、前記のO-置換モノヒドロキシルアミン類を溶融したうえで前記の生地を前記溶融物に浸す方法、又は前記のO-置換モノヒドロキシルアミン類を任意の溶媒に溶解して得られた溶液を準備し、前記溶液を生地に吹き付けて乾燥する方法、前記溶液を生地に塗布して乾燥する方法、若しくは前記溶液に生地を含浸させて次いで乾燥する方法等が挙げられる。
【0045】
O-置換モノヒドロキシルアミン類を任意の溶媒に溶解して溶液を作成する場合、当該溶媒については、特に限定するものではないが、例えば、水、メタノール、エタノール等を挙げることができる。前記溶液中のO-置換モノヒドロキシルアミン類の濃度については、特に限定するものではないが、1~50重量%の範囲が好ましく、3~30重量%の範囲がより好ましい。
【0046】
生地へのO-置換モノヒドロキシルアミン類の添着量は、目的に応じて任意に調節可能であり、特に限定するものではないが、生地面積当たりの添着量として、0.1~50g/mの範囲が好ましく、0.5~5g/mの範囲がより好ましい。
【0047】
上記の添着方法を行った得られた生地はアルデヒド捕捉作用を有する。この為、前記生地をアルデヒドが存在する空間に曝すことによって、空間に存在するアルデヒドが前記の生地上のO-置換モノヒドロキシルアミン類に捕捉され、結果として空間中のアルデヒド濃度を低下させることができる。
【0048】
例えば、前記の生地を用いて縫製した縫製品(例えば、カーテン、白衣、衣類、患者衣、帽子、マスク、作業服、手術の覆布、タオル、さらし、毛布、布団、シーツ、枕、枕カバー、カーペット、絨毯、テーブルクロス、ソファーカバー、雑巾、モップ、床タイル、壁紙、ガラス窓、ソファー等)について、上記の添着操作を行い、一般環境よりも高い濃度のアルデヒドが存在する傾向がある医療現場で当該縫製品をその縫製品の目的に応じて使用することによって、前記医療現場の空間で前記縫製品が曝され、結果として前記のアルデヒドが捕捉され、前記空間中のアルデヒド濃度を低下させることができる。
【0049】
すなわち、前記の生地については、前記の生地を用いて縫製された縫製品であることが好ましく、前記の生地を用いて縫製されたカーテン、衣類、又はシーツ・カバー類であることがより好ましい。
【0050】
本発明のアルデヒド捕捉方法については、上記1)の工程でアルデヒドを捕捉した生地を洗浄し、再度上記一般式(1)で表される1種以上のO-置換モノヒドロキシルアミン又はその化学的に許容される塩を添着し、得られた生地をアルデヒドが存在する空間に曝してアルデヒドを捕捉する工程を必須とし、当該2)の工程を1回行うか、又は2回以上繰り返し行うことを特徴とする。
【0051】
前記の洗浄については、手洗い、拭き洗い、磨き洗い、洗濯、家庭用洗濯、又は業務用洗濯のような一般的な洗浄のことを意味する。任意に、水、洗剤、溶剤などを用いることができるし、用途に応じて洗濯機を用いて行ってもよい。本発明の洗浄については、上記のとおり拭き洗いを含むものであり、当該拭き洗いとしては、特に限定するものではないが、例えば、水等の溶媒で濡らした雑巾を用いる拭き洗いや、水等の溶媒で濡らしたモップ等を用いる拭き洗い等を挙げることができる。
【0052】
2)の工程については、前記の洗浄を行った前記生地に対して、1)の工程と同様にして、O-置換モノヒドロキシルアミン類を添着する操作が行われる。添着の操作方法については1)の工程における添着方法と同じである。
【0053】
このようにして2)の工程で得られた生地については、1)の工程のときと同様に、アルデヒドが存在する空間に曝すことによって、空間中のアルデヒドを捕捉し、結果として空間中のアルデヒド濃度を低下させることができる。
【0054】
本発明のアルデヒド捕捉方法は、上記1)の工程を行い、次いで上記2)の工程を1回行うか、又は2回以上繰り返し行うことによって、アルデヒドを断続的に、長期定期に、捕捉し続ける事が可能である。このようなアルデヒド捕捉方法は、大気中に常時アルデヒドが存在しやすい環境で実施するには好適である。
【実施例0055】
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0056】
生地として、市販のカーテン(ポリエステル製、185cm×100cm(実測値)×2枚、サンゲツ製)、及び白衣(ポリエステル・綿製、白衣:1.1m(実測値)×2着、ナガイレーベン製)を用いた。一般式(1)で表される1種以上のO-置換モノヒドロキシルアミン又はその化学的に許容される塩として、アミノオキシ酢酸(シグマアルドリッチ社製)を使用した。前記生地への添着は、アミノオキシ酢酸を3重量%含有する水溶液を調製し、次いで当該水溶液を20g/mの割合で基材にスプレー塗布し、次いで室温で18時間乾燥させて実施した。アミノオキシ酢酸の添着量は、生地単位面積当たりで、0.6g/mであった。
【0057】
上記添着操作を行ったカーテンを「カーテンA」と称する。上記添着操作を行った白衣を「白衣A」と称する。
【0058】
容積3.7mの部屋にホルムアルデヒド水溶液を散布することによって、アルデヒドが存在する空間(以下、「評価室」ともいう)を準備した。当該空間のホルムアルデヒド濃度は以下の手順で測定した。
【0059】
前記評価室内のホルムアルデヒド含有雰囲気ガスを2,4-ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)を担持したカートリッジ(製品名:プレセップ-C DNPH、和光純薬工業製)に通気し、ガス中のホルムアルデヒドをカートリッジに吸着させた。このカートリッジからDNPH-アルデヒド縮合体を溶出(溶離液=アセトニトリル)し、溶出液中のDNPH-アルデヒド縮合体を液体クロマトグラフ(装置名:LC-2030C、島津製作所製)で定量し、当該定量値から前記のカートリッジに保持されたホルムアルデヒド量を算出した。算出されたホルムアルデヒド量を前記のカートリッジに通気させたガス量で割った。
【0060】
参考例1
カーテンAを0.51ppmのホルムアルデヒドが存在する評価室内に24時間吊るして曝した。評価室内ホルムアルデヒド濃度の経時変化の測定結果を表1に示す。結果より、評価室内のホルムアルデヒド濃度が低下した。前記のカーテンAに捕捉されたホルムアルデヒドの量は2.33mgであった。
【0061】
【表1】
【0062】
実施例1
カーテンAをホルムアルデヒドが0.51mmp存在する評価室内に24時間吊るして曝した(捕捉1回目)。次いで、当該カーテンAについて、家庭用全自動洗濯機と家庭用洗濯洗剤を用いて水洗濯し、天日干し乾燥させた。当該カーテンAについて、再び、上記のアミノオキシ酢酸添着操作を行い、0.6g/mのアミノオキシ酢酸が添着したカーテンA’を調製した。当該カーテンA’をホルムアルデヒドが0.51mmp存在する評価室内に24時間吊るして曝した(捕捉2回目)。
【0063】
評価室内ホルムアルデヒド濃度の経時変化の測定結果を表2に示す。結果より、捕捉1回目及び捕捉2回目ともに速やかに評価室内のホルムアルデヒド濃度が低下した。捕捉1回目及び捕捉2回目で捕捉したホルムアルデヒドの合計量は4.65mgであった。
【0064】
【表2】
【0065】
実施例2
カーテンAをホルムアルデヒドが0.51ppm存在する評価室内に24時間吊るして曝した(捕捉1回目)。次いで、当該カーテンAについて、家庭用全自動洗濯機と家庭用洗濯洗剤を用いて水洗濯し、天日干し乾燥させた。当該カーテンAについて、再び、上記のアミノオキシ酢酸添着操作を行い、0.6g/mのアミノオキシ酢酸が添着したカーテンA’を調製した。当該カーテンA’をホルムアルデヒドが0.51mmp存在する評価室内に24時間吊るして曝した(捕捉2回目)。次いで、当該カーテンA’について、家庭用全自動洗濯機と家庭用洗濯洗剤を用いて水洗濯し、天日干し乾燥させた。当該カーテンA’について、再び、上記のアミノオキシ酢酸添着操作を行い、0.6g/mのアミノオキシ酢酸が添着したカーテンA’’を調製した。当該カーテンA’’をホルムアルデヒドが0.51mmp存在する評価室内に24時間吊るして曝した(捕捉3回目)。
【0066】
評価室内ホルムアルデヒド濃度の経時変化の測定結果を表3に示す。結果より、捕捉1回目、捕捉2回目、及び捕捉3回目ともに速やかに評価室内のホルムアルデヒド濃度が低下した。捕捉1回目、捕捉2回目、及び捕捉3回目で捕捉したホルムアルデヒドの合計量は6.98mgであった。
【0067】
【表3】
【0068】
比較例1
カーテンAを吊るして曝すことなく、ホルムアルデヒドが0.51ppm存在する評価室内におけるアルデヒド濃度の経時変化を測定した。24時間経過後の評価室内のホルムアルデヒド濃度は0.51ppmで変化なかった。
【0069】
【表4】
【0070】
比較例2
市販のカーテン(ポリエステル製、185cm×100cm(実測値)×2枚、サンゲツ製)そのもの(アミノオキシ酢酸未添着)を、ホルムアルデヒドが0.51ppm存在する評価室に24時間吊るして曝した。
【0071】
評価室内ホルムアルデヒド濃度の経時変化の測定結果表5に示す。結果より、評価室内のホルムアルデヒド濃度低下は微小であった。捕捉1回目で捕捉したホルムアルデヒドの量は0.28mgであった。
【0072】
【表5】
【0073】
比較例3
カーテンAをホルムアルデヒドが0.51mmp存在する評価室内に24時間吊るして曝した(捕捉1回目)、次いで、当該カーテンAについて、家庭用全自動洗濯機と家庭用洗濯洗剤を用いて水洗濯し、天日干し乾燥させた。当該カーテンAについて、アミノオキシ酢酸を添着させることなく、ホルムアルデヒドが0.51mmp存在する評価室内に24時間吊るして曝した(捕捉2回目)。
【0074】
評価室内ホルムアルデヒド濃度の経時変化の測定結果を表6に示す。結果より、捕捉1回目では、速やかに評価室内のホルムアルデヒド濃度が低下したが、捕捉2回目では、評価室内のホルムアルデヒド濃度の低下が微小であった。捕捉1回目で捕捉したホルムアルデヒドの量は2.33mgであった。捕捉2回目で捕捉したホルムアルデヒドの量は0.37mgであった。
【0075】
【表6】
【0076】
参考例2
白衣Aを0.51ppmのホルムアルデヒドが存在する評価室内に24時間吊るして曝した。評価室内ホルムアルデヒド濃度の経時変化の測定結果を表7に示す。結果より、評価室内のホルムアルデヒド濃度が低下した。前記の白衣Aに捕捉されたホルムアルデヒドの量は2.33mgであった。
【0077】
【表7】
【0078】
実施例3
白衣Aをホルムアルデヒドが0.51mmp存在する評価室内に24時間吊るして曝した(捕捉1回目)、次いで、当該白衣Aについて、家庭用全自動洗濯機と家庭用洗濯洗剤を用いて水洗濯し、天日干し乾燥させた。当該白衣Aについて、再び、上記のアミノオキシ酢酸添着操作を行い、0.6g/mのアミノオキシ酢酸が添着した白衣A’を調製した。当該白衣A’をホルムアルデヒドが0.51mmp存在する評価室内に24時間吊るして曝した(捕捉2回目)。
【0079】
評価室内ホルムアルデヒド濃度の経時変化の測定結果を表8に示す。結果より、捕捉1回目及び捕捉2回目ともに速やかに評価室内のホルムアルデヒド濃度が低下した。捕捉1回目及び捕捉2回目で捕捉したホルムアルデヒドの合計量は4.65mgであった。
【0080】
【表8】
【0081】
実施例4
白衣Aをホルムアルデヒドが0.51ppm存在する評価室内に24時間吊るして曝した(捕捉1回目)。次いで、当該白衣Aについて、家庭用全自動洗濯機と家庭用洗濯洗剤を用いて水洗濯し、天日干し乾燥させた。当該白衣Aについて、再び、上記のアミノオキシ酢酸添着操作を行い、0.6g/mのアミノオキシ酢酸が添着した白衣A’を調製した。当該白衣A’をホルムアルデヒドが0.51mmp存在する評価室内に24時間吊るして曝した(捕捉2回目)。次いで、当該白衣A’について、家庭用全自動洗濯機と家庭用洗濯洗剤を用いて水洗濯し、天日干し乾燥させた。当該白衣A’について、再び、上記のアミノオキシ酢酸添着操作を行い、0.6g/mのアミノオキシ酢酸が添着した白衣A’’を調製した。当該白衣A’’をホルムアルデヒドが0.51mmp存在する評価室内に24時間吊るして曝した(捕捉3回目)。
【0082】
評価室内ホルムアルデヒド濃度の経時変化の測定結果を表9に示す。結果より、捕捉1回目、捕捉2回目、及び捕捉3回目ともに速やかに評価室内のホルムアルデヒド濃度が低下した。捕捉1回目、捕捉2回目、及び捕捉3回目で捕捉したホルムアルデヒドの合計量は6.98mgであった。
【0083】
【表9】
【0084】
比較例4
白衣(ポリエステル・綿製、白衣:1.1m(実測値)×2着、ナガイレーベン製)そのもの(アミノオキシ酢酸未添着)を、ホルムアルデヒドが0.51ppm存在する評価室に24時間吊るして曝した。
【0085】
評価室内ホルムアルデヒド濃度の経時変化の測定結果表10に示す。結果より、評価室内のホルムアルデヒド濃度低下は微小であった。捕捉1回目で捕捉したホルムアルデヒドの量は0.28mgであった。
【0086】
【表10】
【0087】
比較例5
白衣Aをホルムアルデヒドが0.51mmp存在する評価室内に24時間吊るして曝した(捕捉1回目)、次いで、当該白衣Aについて、家庭用全自動洗濯機と家庭用洗濯洗剤を用いて水洗濯し、天日干し乾燥させた。当該白衣Aについて、アミノオキシ酢酸を添着させることなく、ホルムアルデヒドが0.51mmp存在する評価室内に24時間吊るして曝した(捕捉2回目)。
【0088】
評価室内ホルムアルデヒド濃度の経時変化の測定結果を表11に示す。結果より、捕捉1回目では、速やかに評価室内のホルムアルデヒド濃度が低下したが、捕捉2回目では、評価室内のホルムアルデヒド濃度の低下が微小であった。捕捉1回目で捕捉したホルムアルデヒドの量は2.33mgであった。捕捉2回目で捕捉したホルムアルデヒドの量は0.23mgであった。
【0089】
【表11】
【0090】
本発明のアルデヒド捕捉方法は、アルデヒド類を速やかに且つ持続的に捕捉することができる。その結果、生活環境を改善できる。