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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023021065
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】治療システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 80/00 20180101AFI20230202BHJP
【FI】
G16H80/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120951
(22)【出願日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】P 2021125927
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】522345711
【氏名又は名称】Raxi株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504137912
【氏名又は名称】国立大学法人 東京大学
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大村 彰宏
(72)【発明者】
【氏名】吉田 彩
(72)【発明者】
【氏名】脇 嘉代
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】医師と薬剤師等とが連携して患者の行動管理を行うことができる治療システムを提供する。
【解決手段】患者の治療に用いられる治療システムは、前記患者の患者端末と、前記患者の行動に関する行動情報を管理するアプリケーションの処方箋を医師が発行する際に用いられる医師端末と、前記処方箋に基づき薬剤師が前記患者端末で実行される前記アプリケーションを設定する際に用いられる薬剤師端末と、前記患者端末から定期的に前記行動情報を受信し、受信した前記行動情報を記憶する管理サーバと、を備え、前記医師端末および前記薬剤師端末は、前記管理サーバに記憶された前記行動情報を取得する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の治療に用いられる治療システムであって、
前記患者の患者端末と、
前記患者の行動に関する行動情報を管理するアプリケーションの処方箋を医師が発行する際に用いられる医師端末と、
前記処方箋に基づき薬剤師が前記患者端末で実行される前記アプリケーションを設定する際に用いられる薬剤師端末と、
前記患者端末から定期的に前記行動情報を受信し、受信した前記行動情報を記憶する管理サーバと、
を備え、
前記医師端末および前記薬剤師端末は、前記管理サーバに記憶された前記行動情報を取得する、
治療システム。
【請求項2】
前記処方箋は、前記患者の行動の行動許容範囲を示す情報を含む、請求項1に記載の治療システム。
【請求項3】
前記行動許容範囲は、1日の前記患者の歩数値の上限値と下限値との間の範囲である、請求項2に記載の治療システム。
【請求項4】
前記患者端末で実行される前記アプリケーションが、前記患者の行動が前記上限値を超えたこと、または前記下限値を下回ったことを検出したときに、警告を表示する、請求項3に記載の治療システム。
【請求項5】
前記患者端末で実行される前記アプリケーションは、前記警告を示す情報を前記管理サーバに送信する、請求項4に記載の治療システム。
【請求項6】
前記患者を識別する識別情報と前記医師を識別する識別情報と薬局を識別する識別情報との紐づけを行うことにより、前記アプリケーションが前記患者端末に処方される、請求項1に記載の治療システム。
【請求項7】
前記薬剤師端末が、前記患者を識別する識別情報と前記医師を識別する識別情報とが記載された前記処方箋の情報を取得して、前記紐づけが行われる、請求項6に記載の治療システム。
【請求項8】
前記薬剤師端末は、所定のタイミングで、前記患者端末で実行される前記アプリケーションに対して、前記患者の行動に関する介入を行う、請求項1に記載の治療システム。
【請求項9】
前記介入は、前記患者端末と前記薬剤師端末との間のオンライン面談である、請求項8に記載の治療システム。
【請求項10】
前記介入が行われる間隔よりも短い間隔で、前記患者の行動の目標を設定する画面が前記患者端末に表示され、
前記画面で設定された目標を示す情報が前記管理サーバに送信される、請求項9に記載の治療システム。
【請求項11】
前記管理サーバは、前記患者について1日ごとに設定された目標歩数を記憶しているとともに、1日ごとの歩数値の情報を含む前記行動情報を前記患者端末から取得し、

前記管理サーバは、所定日数の間における前記1日ごとの歩数値が前記目標歩数以上である日数に応じて、前記目標歩数を前記上限値と前記下限値との間の範囲内で増加または減少させた新たな目標歩数を前記患者端末に提示する、請求項3に記載の治療システム。
【請求項12】
前記管理サーバは、前記所定日数の間における前記1日ごとの歩数値が前記目標歩数以上である日が第1の日数以上である場合、前記目標歩数を増加させた新たな目標歩数を前記患者端末に提示する、請求項11に記載の治療システム。
【請求項13】
前記管理サーバは、前記設定された目標歩数よりも多い歩数を過去に設定したことがない場合に提示する新たな目標歩数を、前記設定された目標歩数よりも多い歩数を過去に設定したことがある場合に提示する新たな目標歩数よりも多くする、請求項12に記載の治療システム。
【請求項14】
前記管理サーバは、前記所定日数の間における前記1日ごとの歩数値が前記目標歩数以上である日が前記第1の日数よりも少ない第2の日数以下である場合、前記目標歩数を減少させた新たな目標歩数を前記患者端末に提示する、請求項12に記載の治療システム。
【請求項15】
前記管理サーバは、前記設定された目標歩数から所定歩数を減じた歩数と過去に達成したことがある歩数の最大値とのうち大きい方の値を前記新たな目標歩数として前記患者端末に提示する、請求項14に記載の治療システム。
【請求項16】
前記患者端末は、前記アプリケーションの起動状況を示す情報を前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、前記アプリケーションの起動状況を示す情報を前記医師端末と前記薬剤師端末とのうち何れか一方または両方に送信する、請求項1乃至15のうち何れか1項に記載の治療システム。
【請求項17】
患者の治療に用いられる治療システムであって、
前記患者の患者端末と、
前記患者の行動に関する行動情報を管理するアプリケーションの処方箋を医師が発行する際に用いられる医師端末と、
前記処方箋に基づき医療に関する関係者が前記患者端末で実行される前記アプリケーションを設定する際に用いられる関係者端末と、
前記患者端末から定期的に前記行動情報を受信し、受信した前記行動情報を記憶する管理サーバと、
を備え、
前記医師端末および前記関係者端末は、前記管理サーバに記憶された前記行動情報を取得する、
治療システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療システムに関する。
【背景技術】
【0002】
患者の禁煙治療に関して、患者が使用するスマートフォンにインストールされたアプリケーションから得られた喫煙に関する情報に基づき、医師が禁煙治療を行うシステムが非特許文献1に開示されている。また、患者の肥満症治療に関して、患者が所持する電子装置を用いて、長期間にわたって肥満治療を受けることができる技術が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-101367号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】“国内初!医師が処方する「禁煙治療用アプリ」”、[online]、インターネット、[2021年7月22日検索]、<URL:https://kenko.sawai.co.jp/theme/202012.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
医師が患者の行動を管理して治療を行う場合、患者の行動を管理する機能を持つアプリケーションを患者の端末(スマートフォン等)に提供して治療を行うことができる。この場合、医師の処方に基づき患者の端末にアプリケーションが提供され、医師はアプリケーションから得られる患者の行動に関する情報に基づき、治療を行うことができる。ただし、医師が単独で患者の行動管理を行うと、医師の負担が大きくなる。
【0006】
ここで、医師だけでなく、薬剤師等(管理栄養士、医療従事者も含む)も、医師が発行した処方箋に基づき患者の端末にアプリケーションを提供することができる。このため、医師と薬剤師等とが連携して患者の行動管理を行うことが望ましい。特許文献1および非特許文献1で開示される技術は、かかる連携を行うものではない。
【0007】
1つの側面として、本開示の目的は、医師と薬剤師等とが連携して患者の行動管理を行うことができる治療システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る治療システムは、患者の治療に用いられる治療システムであって、前記患者の患者端末と、前記患者の行動に関する行動情報を管理するアプリケーションの処方箋を医師が発行する際に用いられる医師端末と、前記処方箋に基づき薬剤師が前記患者端末で実行される前記アプリケーションを設定する際に用いられる薬剤師端末と、前記患者端末から定期的に前記行動情報を受信し、受信した前記行動情報を記憶する管理サーバと、を備え、前記医師端末および前記薬剤師端末は、前記管理サーバに記憶された前記行動情報を取得する。
【発明の効果】
【0009】
医師と薬剤師等とが連携して患者の行動管理を行うことができる治療システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】治療システムの一例を示す図である。
図2】医師端末の構成の一例を示すブロック図である。
図3】薬剤師端末の構成の一例を示すブロック図である。
図4】患者端末の構成の一例を示すブロック図である。
図5】管理サーバの構成の一例を示すブロック図である。
図6】患者端末へのアプリケーションの処方の流れの一例を示すシーケンス図である。
図7】バリア一覧および複数のチャレンジ一覧の一例を示す図である。
図8】患者端末で実行されるアプリケーションの画面例を示す図である
図9】1日ごとの振り返り画面の遷移の一例を示す図である。
図10】振り返り処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図11】目標歩数の決定画面の遷移の一例を示す図である。
図12】チャレンジ設定画面の遷移の一例を示す図である。
図13】チャレンジ設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図14】患者端末がオンライン面談に際して実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図15】オンライン面談の一例を示す図である。
図16】付帯機能の画面例を示す図である。
図17】薬剤師端末がオンライン面談に際して実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図18】医師端末が診察に際して実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図19】他の実施形態の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、各実施形態について説明する。以下の各実施形態は、適宜変形可能である。また、各実施形態の構成は、実質的に類似の構成、類似の作用効果を奏する構成または類似の目的を達成できる構成で置き換えることができる。さらに、各実施形態で説明するフローチャートの処理の順序は、可能な限り入れ替えることができる。
【0012】
以下、本実施形態について説明する。以下、院外薬局(以降、単に薬局と称する)に所属する薬剤師や管理栄養士が患者の自己管理支援や特定保健指導等を行うものとして説明する。ただし、薬剤師以外の医療従事者等にも代替可能である。また、糖尿病療養指導士の資格を持つ薬剤師が、その資格に従って、療養指導等の対応を行うことも可能である。図1は、治療システム10の一例を示す図である。治療システム10は、医師端末11、薬剤師端末12、患者端末13、管理サーバ14、処方箋発行装置11Aおよび歩数計13Aを含む。図1の治療システム10のうち医師端末11、薬剤師端末12、患者端末13および管理サーバ14以外の要素は、治療システム10に含まれなくてもよい。
【0013】
医師端末11と薬剤師端末12と患者端末13と管理サーバ14とは、相互にネットワークNWを介して、通信可能に接続される。医師端末11と薬剤師端末12と患者端末13と管理サーバ14とは、同じネットワークNWに接続されていてもよいし、一部または全部がネットワークNWとは別個のネットワークを介して接続されていてもよい。
【0014】
医師端末11は、医師により操作される端末である。医師端末11は、患者の診察を行う際に、医師による操作を受け受けて、処方箋を発行する機能を有する。医師端末11は、患者の行動を管理するアプリケーションを処方箋として発行する機能を有する。アプリケーションの詳細は、後述する。また、医師端末11は、患者に処方する薬についての処方箋を発行する機能も有する。
【0015】
医師端末11は、病院内のネットワークを介して、処方箋発行装置11Aに接続される。処方箋発行装置11Aは、例えば、病院の会計窓口に設置される装置である。処方箋発行装置11Aは、医師端末11が発行した処方箋に関する処方箋情報を医師端末11から受信し、処方箋情報に基づき、紙の処方箋を印刷する。印刷された処方箋は、患者に渡される。
【0016】
処方箋にはアプリケーションを薬剤師が設定するための情報が記載される。また、処方箋には、薬剤師が薬を調剤するための情報も記載され得る。アプリケーションの処方箋と薬の処方箋とは、相互に関連付けられた別個の処方箋として印刷されてもよいし、1枚の処方箋として印刷されてもよい。処方箋には、アプリケーションを薬剤師が設定するための情報のみが記載されていてもよい。
【0017】
薬剤師がアプリケーションを設定するための情報は紙の処方箋に記載される例について説明するが、薬剤師がアプリケーションを処方するための情報は電子データであってもよい。この点については、後述する。
【0018】
薬剤師端末12は、薬剤師や管理栄養士、医療従事者により操作される端末である。薬剤師端末12は、処方箋に記載された情報に基づき、アプリケーションを設定する機能を有する。医師端末11が設置された病院で発行された処方箋は、薬剤師により取得される。薬剤師は、薬剤師端末12が設置される薬局内で、処方箋に基づきアプリケーションを設定する権限を有する。処方箋に基づくアプリケーションの設定は、薬の調剤と同様、薬剤師にのみ許容される。
【0019】
患者端末13は、患者が所持する端末である。本実施形態では、患者端末13は、スマートフォンであるものとして説明するが、患者端末13は他のデバイスであってもよい。歩数計13Aは、患者の身体(腕等)に装着されるウェアラブルデバイスである。歩数計13Aと患者端末13とは近距離無線通信を行う機能を有する。これにより、患者端末13は、歩数計13Aがカウントする歩数値を取得する。歩数計13Aは、患者の運動療法をモニタリングする運動療法モニタリング機器やウェアラブル歩行測定器等とも称される。
【0020】
管理サーバ14は、治療システム10の全体を管理するサーバである。本実施形態では、管理サーバ14は、医師端末11と薬剤師端末12と患者端末13との各端末の画面に表示される情報を保持する。例えば、各端末に表示される画面はWebブラウザである。各端末は、Webブラウザに表示する情報を取得する要求を管理サーバ14に送信し、Webブラウザに表示する情報を管理サーバ14から取得し、Webブラウザに取得した情報を表示する。
【0021】
図1の例では、医師端末11、薬剤師端末12および患者端末13がそれぞれ1つである例を示しているが、各端末は複数であってもよい。また、管理サーバ14も複数であってもよい。1以上の医師端末11が属する病院のネットワークおよび1以上の薬剤師端末12が属する薬局のネットワークが、ネットワークNWに接続されていてもよい。これにより、複数の病院および複数の薬局が治療システム10に参画できる。
【0022】
以下、処方箋を処方した処方医を識別するIDを処方医ID、患者を識別するIDを患者ID、薬局を識別するIDを薬局IDとして説明する。1つの薬局に複数の薬剤師端末12が設置される場合、各薬剤師端末12には同じ薬局IDが割り当てられるものとする。また、異なる薬局に設置される薬剤師端末12には、異なる薬局IDが割り当てられるものとする。
【0023】
図2は、医師端末11の構成の一例を示すブロック図である。医師端末11は、例えば、パーソナルコンピュータ等のコンピュータである。医師端末11は、医師端末制御部21、医師端末記憶部22、医師端末通信部23、医師端末表示部24および医師端末操作部25を含む。
【0024】
医師端末制御部21は、医師端末11の全体の制御を行う。医師端末制御部21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の1以上のプロセッサを含む。当該プロセッサが医師端末記憶部22に記憶されたプログラムを実行することで、本実施形態における医師端末11の制御が実現される。
【0025】
医師端末記憶部22は、例えば、メモリやハードディスクドライブ等である。医師端末記憶部22は、上述したプログラムの他、各種の情報を記憶する。医師端末通信部23は、ネットワークNWを介して、他の端末やサーバと通信を行う。
【0026】
医師端末表示部24は、ディスプレイであり、各種の情報を表示する。例えば、医師端末表示部24に表示される情報は、医師が患者の診察を行う際に、医師が参照または閲覧する情報である。当該情報には、患者の行動に関する情報(行動情報)が含まれる。
【0027】
医師端末操作部25は、例えば、マウスやキーボード等のデバイスを用いた操作部である。医師端末11の構成は、図2の例には限定されず、他の構成を含んでいてもよいし、一部の構成は省略されてもよい。
【0028】
図3は、薬剤師端末12の構成の一例を示すブロック図である。薬剤師端末12は、例えば、パーソナルコンピュータ等のコンピュータである。薬剤師端末12は、薬剤師端末制御部31、薬剤師端末記憶部32、薬剤師端末通信部33、薬剤師端末表示部34、薬剤師端末操作部35および読み取り装置36を含む。
【0029】
薬剤師端末制御部31は、薬剤師端末12の全体の制御を行う。薬剤師端末制御部31は、例えば、CPU等の1以上のプロセッサを含む。当該プロセッサが薬剤師端末記憶部32に記憶されたプログラムを実行することで、本実施形態における薬剤師端末12の制御が実現される。
【0030】
薬剤師端末記憶部32は、例えば、メモリやハードディスクドライブ等である。薬剤師端末記憶部32は、上述したプログラムの他、各種の情報を記憶する。薬剤師端末通信部33は、ネットワークNWを介して、他の端末やサーバと通信を行う。
【0031】
薬剤師端末表示部34は、ディスプレイであり、各種の情報を表示する。例えば、薬剤師端末表示部34に表示される情報は、医師の処方箋に基づき、患者端末13のアプリケーションを設定するための情報を含む。また、薬剤師端末表示部34には、患者端末13で実行されるアプリケーションを用いたオンライン面談の画面が表示される。
【0032】
オンライン面談は、患者の治療に関して、患者と薬剤師との間で行われるビデオ通話である。オンライン面談は、映像および音声を用いたビデオ通話であるものとして説明するが、映像と音声とのうち何れか一方を用いた面談であってもよい。オンライン面談は、薬剤師端末12と患者端末13との間で行われる。
【0033】
薬剤師端末操作部35は、例えば、マウスやキーボード等のデバイスを用いた操作部である。読み取り装置36は、例えば、バーコードリーダやスキャナ等である。読み取り装置36は、処方箋に記載された情報を読み取る。処方箋が電子データである場合、読み取り装置36は、薬剤師端末12に設けられなくてもよい。薬剤師端末12の構成は、図3の例には限定されず、他の構成を含んでいてもよいし、一部の構成は省略されてもよい。
【0034】
図4は、患者端末13の構成の一例を示すブロック図である。患者端末13は、上述したように、スマートフォンである。ただし、患者端末13は、タブレット端末や携帯電話等のデバイスであってもよい。患者端末13は、コンピュータに対応する。患者端末13は、患者端末制御部41、患者端末記憶部42、患者端末通信部43およびタッチパネルディスプレイ44を含む。
【0035】
患者端末制御部41は、患者端末13の全体の制御を行う。患者端末制御部41は、例えば、CPU等の1以上のプロセッサを含む。当該プロセッサが患者端末記憶部42に記憶されたプログラムを実行することで、本実施形態における患者端末13の制御が実現される。また、患者端末制御部41は、本実施形態のアプリケーションを実行する。当該アプリケーションは、処理内容が記述されたプログラムにより実現される。
【0036】
患者端末記憶部42は、例えば、メモリや可搬型記録媒体等である。患者端末記憶部42は、上述したプログラムの他、各種の情報を記憶する。患者端末通信部43は、ネットワークNWを介して、他の端末やサーバと通信を行う。また、患者端末記憶部42は、上述したアプリケーションを記憶する。
【0037】
タッチパネルディスプレイ44は、情報の表示を行うとともに、患者からの操作を受け付ける。例えば、タッチパネルディスプレイ44にアプリケーションを実行するためのアイコンが表示されているとする。この場合、タッチパネルディスプレイ44は、当該アイコンを起動する指示を受け付けると、患者端末制御部41に、アイコンの起動指示を出力する。これにより、患者端末制御部41は、アプリケーションの実行を開始する。患者端末13の構成は、図3の例には限定されず、他の構成を含んでいてもよいし、一部の構成は省略されてもよい。
【0038】
図5は、管理サーバ14の構成の一例を示すブロック図である。管理サーバ14は、管理サーバ制御部51、管理サーバ記憶部52、管理サーバ通信部53、管理サーバ表示部54および管理サーバ操作部55を含む。
【0039】
管理サーバ制御部51は、管理サーバ14の全体の制御を行うコンピュータである。管理サーバ制御部51は、例えば、CPU等の1以上のプロセッサを含む。当該プロセッサが管理サーバ記憶部52に記憶されたプログラムを実行することで、本実施形態における管理サーバ14の制御が実現される。
【0040】
管理サーバ記憶部52は、例えば、メモリやハードディスクドライブ等である。管理サーバ記憶部52は、上述したプログラムの他、各種の情報を記憶する。上述したように管理サーバ14は、治療システム10の全体を管理する。管理サーバ記憶部52は、各端末から受信した情報を記憶する。管理サーバ通信部53は、ネットワークNWを介して、各装置とネットワークNWを介して、通信を行う。
【0041】
管理サーバ表示部54は、ディスプレイであり、各種の情報を表示する。例えば、管理サーバ表示部54には、各端末に提供する情報が表示されてもよい。管理サーバ操作部55は、例えば、マウスやキーボード等のデバイスを用いた操作部である。管理サーバ14の構成は、図5の例には限定されず、他の構成を含んでいてもよいし、一部の構成は省略されてもよい。
【0042】
次に、患者端末13へのアプリケーションの設定について説明する。本実施形態のアプリケーションについて説明する。患者端末13で実行されるアプリケーションは、患者の治療に用いられるアプリケーションである。本実施形態では、患者の日常の行動管理が、患者の治療の一環である。
【0043】
例えば、2型糖尿病患者の治療には、適切な運動の継続が必要である。本実施形態のアプリケーションは、例えば、2型糖尿病患者が、日常的に、適切な運動を継続しているかを管理する。上述したように、患者端末13は、歩数計13Aと連携して動作しており、近距離無線通信により、歩数計13Aがカウントする歩数値を取得できる。
【0044】
患者端末13で実行されるアプリケーションは、歩数計13Aを装着した患者の1日の歩数値を取得する。これにより、患者端末13で実行されるアプリケーションは、患者の行動情報として、患者の1日の歩数を認識できる。
【0045】
患者端末13で実行されるアプリケーションは、患者の行動情報を管理サーバ14に送信する。管理サーバ14は、受信した患者の行動情報に対して、所定の処理を施して、管理サーバ記憶部52に記憶する。医師端末11および薬剤師端末12は、管理サーバ14の管理サーバ記憶部52に記憶された患者の行動情報を取得できる。これにより、医師端末11を操作する医師は、患者の行動情報を確認しながら、患者の診察を行うことができる。
【0046】
本実施形態では、医師端末11を操作する医師だけでなく、薬剤師端末12を操作する薬剤師も患者の行動情報を取得できる。薬剤師端末12は、処方箋に基づき患者端末13にアプリケーションを設定する際に用いられた薬剤師端末、または同じ薬局内に配置された別の薬剤師端末である。
【0047】
薬剤師端末12は、患者端末13で実行されるアプリケーションと、オンライン面談を行うことができる。当該オンライン面談において、薬剤師は薬剤師端末12の薬剤師端末表示部34に表示される患者の行動情報を参照しながら、患者の自己管理支援や特定保健指導等を行うことができる。これにより、医師と薬剤師や管理栄養士とが連携して患者の行動管理を行うことができる。
【0048】
本実施形態の対象となる患者は、2型糖尿病患者でなくてもよく、例えば、肥満患者等であってもよい。また、患者の行動管理を行うための上述した行動情報は、歩数値の情報ではなく、例えば、患者が運動を行う際の脈拍等の任意の情報であってもよい。
【0049】
本実施形態の治療システム10は、患者端末13で実行されるアプリケーションを用いて、患者の治療について、行動に関する目標を設定できる。当該目標は、患者の合意に基づいて設定される。患者端末13で実行されるアプリケーションは、患者の行動に関する行動情報を、定期的に、管理サーバ14に送信し、管理サーバ14から行動情報に基づくフィードバックの情報を受信する。フィードバックの情報としては、目標を達成できているか否か、或いは後述するバリアやチャレンジ等に関する情報を含む。これにより、ユーザと治療システム10との間でのやり取りが実現される。
【0050】
また、上述したフィードバックの情報には、目標の達成に向けた情報(例えば、目標を達成させるために患者を励ますメッセージや行動に関する結果の情報等)が含まれる。患者端末13で実行されるアプリケーションがフィードバックの情報をタッチパネルディスプレイ44に表示する。このようなアプリケーションの動作は、患者の行動に対する介入或いは治療の一環となる。
【0051】
患者端末13で実行されるアプリケーションは、日常的に、設定された目標歩数に対する達成状況を自律的に管理し、達成状況に応じた処理(例えば、メッセージの表示)等を行う。また、薬剤師端末12を操作する薬剤師および医師端末11を操作する医師による患者の行動管理のサポートが行われる。以下、各端末で実行される処理について説明する。
【0052】
図6は、患者端末13へのアプリケーションの設定の流れの一例を示すシーケンス図である。医師が患者の診察を行う際、医師端末11が用いられる。医師は、医師端末操作部25を用いて操作を行い、医師端末11は医師の操作を受け付ける。
【0053】
医師端末11は、処方箋を発行する機能を有する。処方箋には、患者に処方する薬の情報が記載されるとともに、アプリケーションを設定するための情報が記載される。例えば、医師端末11を操作する医師が、行動変容ステージモデルの各ステージのうち、対象となる患者が何れのステージに属するかに応じて、処方を決定してもよい。
【0054】
また、患者によっては、患者端末13にアプリケーションを設定することについて禁忌に該当することがある。例えば、患者によっては、運動制限が必要な場合がある。このような場合、患者の行動を促すアプリケーションが患者端末13に設定されないようにする必要がある。この場合、医師端末11は、禁忌に該当することを理由としてアプリケーションを設定しない旨を記載した処方箋を発行する。医師端末11は、禁忌に該当することを理由としてアプリケーションを処方しない旨を記載した指示書を処方箋とは別に発行してもよい。
【0055】
以下、本実施形態の対象となる患者の患者端末13にアプリケーションが設定されるものとして説明する。医師端末11は、医師からの操作を受け付けて、アプリケーションの処方内容を入力する(ステップS11)。処方箋の内容を規定する処方内容は、少なくとも患者の行動について許容される行動許容範囲に関する情報を含む。当該行動許容範囲は、例えば、患者の行動の種類と量とのうち少なくとも1つについて許容される範囲であることを示す。行動の種類は、例えば、患者が行うことを許容される運動の種目である。行動の量は、例えば、患者が行うことを許容される運動量である。本実施形態では、医師端末11は、患者の1日当たりの目標として提示する歩数の上限および下限が処方内容として設定されるものとする。
【0056】
医師端末11は、医師により処方箋を発行する操作を受け付けると、処方箋を発行する(ステップS12)。医師端末11は、ステップS12の処理を実行した後、ネットワークNWを介して、発行した処方箋の内容を示す情報(処方箋情報)を管理サーバ14に送信する(ステップS13)。本実施形態では、処方箋情報は、上述したアプリケーションを設定するための情報を含む。本実施形態の処方箋情報には、少なくとも患者の1日当たりの目標として提示する歩数の上限値および下限値を示す情報が含まれる。
【0057】
ここで、処方箋情報は、患者データと対応付けられていてもよい。この場合、医師端末11から、ネットワークNWを介して、処方箋情報と患者データとが管理サーバ14に送信される。
【0058】
処方箋発行装置11Aは、ステップS12で発行された処方箋を紙面に印刷する。医師端末11が上記の患者データを発行した場合、処方箋発行装置11Aは、処方箋とともに患者データを暗号化したコードが印刷される。当該コードは、患者IDを一意に識別可能なコードであり、薬剤師端末12の読み取り装置36により読み取り可能である。また、上記のコードは、1回利用された後に、再利用が不可能なワンタイムコードであってもよい。
【0059】
印刷された処方箋は、患者に渡される。また、患者データのコードが記載された紙面(以下、患者データ紙面とする)が印刷された場合には、患者データ紙面も患者に渡される。処方箋および患者データは紙面ではなく、電子データであってもよい。この場合、紙面の処方箋の印刷は不要であるため、ステップS12の処理は省略され得る。
【0060】
次に、薬局において、薬剤師端末12の読み取り装置36は、処方箋に記載された処方箋情報を取得する(ステップS14)。例えば、薬局内で、薬剤師は、患者から処方箋を受け取り、薬剤師端末12を操作して、読み取り装置36による処方箋情報の読み取りを開始させる。これにより、読み取り装置36は、処方箋情報を読み取り、薬剤師端末12は、処方箋情報の内容を認識する。患者データ紙面が発行された場合も、同様である。
【0061】
処方箋に記載される処方箋情報は、二次元コード等であってもよいし、処方箋の内容が記載された文字であってもよい。処方箋に記載される処方箋情報が二次元コード等である場合、処方箋に記載された処方箋情報を読み取り装置36が読み取ると、薬剤師端末12が、処方箋情報の内容を認識する。処方箋の内容が記載された文字である場合、薬剤師端末12は、薬剤師端末操作部35を用いた薬剤師による処方箋の内容の入力操作を、受け付ける。これにより、薬剤師端末12は、処方箋情報の内容を認識する。上記の二次元コードは、患者データ紙面に印刷されるコードのように、1回利用された後に、再利用が不可能なコードではない。
【0062】
薬剤師端末12は、処方箋情報の内容を認識するとともに、処方箋情報が示す患者IDに対応する患者データを、ネットワークNWを介して、管理サーバ14から取得してもよい。これにより、薬剤師端末12は、処方箋情報の内容とともに、患者データを認識する。この場合、患者データ紙面は不要になる。
【0063】
次に、患者の操作に基づき、患者端末13で実行されるアプリケーションが起動する(ステップS15)。患者端末13で実行されるアプリケーションは、予め患者端末13にインストールされていてもよい。
【0064】
次に、患者端末13で実行されるアプリケーションは、有効化処理を行う(ステップS16)。患者端末13で実行されるアプリケーションが有効化されることで、当該アプリケーションの利用が可能になる。アプリケーションの有効化処理は、患者端末13と薬剤師端末12とは連携して行われる。
【0065】
処方箋情報には、処方医IDが含まれる。また、薬剤師端末12は、薬局を識別する薬局IDを保持している。さらに、薬剤師端末12は、処方箋に対応する患者の患者IDを生成する。患者端末13と薬剤師端末12とが連携してアプリケーションの有効化処理を行う際には、患者IDと処方医IDと薬局IDとが紐づけられる。つまり、患者IDと処方医IDと薬局IDとが紐づけられることにより、患者端末13にアプリケーションが設定される。これにより、患者と医師と薬剤師とが連動するため、医師と薬剤師との両者が患者の行動管理を行うことができる。
【0066】
薬剤師端末12は、薬剤師による操作に基づき、バリアの設定を行う(ステップS18)。また、薬剤師端末12は、薬剤師による操作に基づき、初回の目標歩数やチャレンジの設定を行う(ステップS19)。2回目以降の目標歩数やチャレンジは、患者端末13で実行されるアプリケーション上での操作に基づき、設定される。詳細は、後述する。
【0067】
上述したように、患者の治療の一環として、患者の日常の行動が管理される。本実施形態での患者の日常の行動管理は、1日ごとの患者の目標歩数の設定および実績歩数の確認、目標と実績との比較である。患者が歩行を実施するに際して、肉体的や環境的、心理的に、何らかの障壁要因がある。例えば、日常的に変化する患者の状態や天候等が患者の歩行に対する障壁要因となる。当該障壁要因を示す情報(障壁情報)がバリアである。
【0068】
チャレンジは、患者が1日に行う行動の目標を示す情報(目標情報)であり、患者の状態に応じて設定される歩行の仕方等を示す。また、患者が歩行できない場合、自宅で実施可能な行動(例えば、軽い運動や家事等)を示す情報は、目標情報に含まれる。チャレンジは、例えば、患者の歩行環境(歩行できる場所や歩行しながらできること、歩行により到達できる場所等)に応じて、設定可能である。
【0069】
以上のバリアおよびチャレンジの内容は、薬剤師端末12を操作する薬剤師が、患者端末13を操作する患者から聞き取りを行い、薬剤師端末12に入力する。
【0070】
上述した患者データは、医師端末11が発行するが、例えば、薬剤師端末12が生成してもよい。この場合、薬剤師端末12は、設定されたバリアおよびチャレンジとともに、管理サーバ14から取得した検査結果データを患者データとして生成する。この際、薬剤師端末12は、患者データに処方医IDを対応付けて、管理サーバ14に送信してもよい。また、薬剤師端末12が検査結果データを取得した場合、薬剤師は、検査結果データを参照することができる。検査結果データは、患者端末13で実行されるアプリケーションで参照可能であってもよい。
【0071】
本実施形態では、バリアごとにチャレンジが定められる例について説明するが、バリアとチャレンジとは分離して設定されてもよい。以下、ステップS19で初回のチャレンジが設定される際に、最初の目標歩数が設定されるものとして説明する。
【0072】
ステップS17の処理が実行された後、薬剤師が患者から聞き取った内容に基づき、薬剤師端末12にバリアおよび初回の目標歩数やチャレンジが設定される。薬剤師端末12は、受け付けたバリアおよび初回の目標歩数やチャレンジの設定を認識する。薬剤師端末12は、認識したバリアおよび初回の目標歩数やチャレンジの設定に関する情報(設定情報)を患者IDと対応付けて管理サーバ14に送信する(ステップS20)。
【0073】
管理サーバ14は、ステップS17で受信した有効化情報およびステップS20で受信した設定情報に基づき、患者IDと処方医IDと薬局IDとを紐づけて、各種の情報を登録する(ステップS21)。このとき、上記の各種の情報は、管理サーバ記憶部52に記憶される。
【0074】
薬剤師は、薬剤師端末操作部35を操作して、薬剤師端末12にバリアおよび初回の目標歩数やチャレンジを設定する際に、後述するオンライン面談のタイミングを設定してもよい。薬剤師端末12は、オンライン面談のタイミングの設定を受け付けた場合、オンライン面談のタイミングを示す情報を管理サーバ14に送信してもよい。
【0075】
バリアおよび初回の目標歩数やチャレンジは、患者端末13に対して行われる操作に基づき、設定されてもよい。例えば、薬剤師端末12を操作する薬剤師とともに、患者により患者端末13にバリアおよび初回の目標歩数やチャレンジが設定されてもよい。また、バリアおよび初回の目標歩数やチャレンジは、医師端末11に対して行われる操作に基づき、設定されてもよい。
【0076】
図7は、バリア一覧および複数のチャレンジ一覧の一例を示す図である。バリア一覧は複数の項目を含んでおり、1以上の項目を選択可能である。また、バリア一覧の各項目のそれぞれにチャレンジ一覧が対応している。チャレンジ一覧は複数の項目を含んでおり、1以上の項目を選択可能である。
【0077】
バリア一覧および各チャレンジ一覧の情報は、管理サーバ14が保持している。薬剤師端末12は、管理サーバ14からバリア一覧および各チャレンジ一覧の情報を取得して、薬剤師端末表示部34に表示する。そして、薬剤師端末12が薬剤師によるバリアおよびチャレンジの選択を受け付けると、薬剤師端末12は、選択されたバリアおよびチャレンジ(初回のチャレンジ)を認識する。これにより、上述したステップS18およびステップS19の処理が行われる。
【0078】
例えば、薬剤師が患者から聞き取りを行った結果に基づき、薬剤師端末操作部35を用いて、バリア「疲れそうなので、歩きたくない」を設定し、初回のチャレンジ「気分がよいときに歩く」を設定したとする。この場合、薬剤師端末12は、薬剤師端末操作部35を用いて受け付けた上記の各設定を認識する。バリアおよび初回のチャレンジは、1つだけではなく、複数を選択することができる。
【0079】
図8は、患者端末13で実行されるアプリケーションの画面例を示す図である。図8の画面例は、アプリケーションの有効化処理が行われた後に、患者の1日ごとの行動の状況を示す。患者端末13で実行されるアプリケーションの画面例は、図8の例には限定されない。
【0080】
患者端末13は、画面60を含む。画面60は、タッチパネルディスプレイ44に表示される画面である。タッチパネルディスプレイ44に表示される各画面に対しては、所定の操作を行うことが可能である。画面60は、歩数項目61、測定結果項目62およびチャレンジ項目63を含む。
【0081】
歩数項目61は、1日ごとの歩数目標と歩数実績との情報を含む。図8の例では、歩数目標に対する歩数実績は、数値として表示されるだけでなく、達成度(=歩数実績/歩数目標)を示すインジケータの形式でも表示される。
【0082】
ここで、歩数目標について説明する。歩数目標は、患者端末13で実行されるアプリケーションが設定する。ただし、上述したように、医師端末11により処方箋が発行される際、処方箋情報として、患者の1日当たりの目標として提示する歩数の上限値および下限値が設定される。患者端末13で実行されるアプリケーションは、処方箋情報が示す歩数の上限値以下、且つ下限値以上の範囲で、目標歩数を設定する。換言すれば、患者端末13で実行されるアプリケーションが設定する歩数目標は、処方箋情報が示す歩数の上限値および下限値を超えることは許容されない。
【0083】
測定結果項目62は、体重の測定結果および血圧の測定結果を含む。体重の測定結果は、患者が計測した体重の値がタッチパネルディスプレイ44から入力されてもよいし、通信により連携可能な体重計から体重の値が取得されてもよい。血圧の測定結果は、患者が計測した血圧の値がタッチパネルディスプレイ44から入力されてもよいし、通信により連携可能な血圧計から血圧の値が取得されてもよい。測定結果が取得された項目については、チェックボックスにチェックが入る。
【0084】
チャレンジ項目63は、今日のチャレンジの内容を示す項目である。チャレンジ項目663は複数の項目63A、63Bを含む。チャレンジ項目63には3つ以上の項目が含まれていてもよい。各項目63A、63Bは、それぞれ1つチャレンジの内容を表す。各チャレンジの内容は、初回のチャレンジについてはステップS19で設定された内容に基づき設定される。また、2回目以降のチャレンジの内容は、患者端末13に対して設定された内容に基づき設定される。
【0085】
各項目63A、63Bは、それぞれ、チャレンジの内容を示すチャレンジ情報およびチャレンジに対応するバリアの内容を示すバリア情報を含む。チェックボックスは、患者がタッチパネルディスプレイ44を用いてチェックすることにより、対応するチャレンジを実施したことが、患者端末13に入力される。図8の例では、項目63Aのチャレンジは実施されたことを示すが、項目63Bのチャレンジは実施されていないことを示す。
【0086】
管理サーバ14は、患者端末13を用いて設定された情報を取得する。例えば、患者端末13は、歩数計13Aがカウントした歩数値に基づき得られる1日ごとの歩数実績を管理サーバ14に送信する。また、患者端末13は、各チャレンジ項目63に対応するチェックボックスにチェックされているかの情報を管理サーバ14に送信する。患者端末13は、1日ごとの歩数実績を示す情報および各チャレンジ項目63にチェックされているかを示す情報を、患者IDと対応付けて管理サーバ14に送信してもよい。管理サーバ14は、上記の各情報を、患者IDごとに記憶する。
【0087】
図9は、1日ごとの振り返り画面の遷移の一例を示す図である。図9の振り返り画面の表示は、患者端末13で実行されるアプリケーションによる介入でもある。1日ごとの振り返り画面は、例えば、患者端末13で実行されるアプリケーションが、1日のうち所定時刻(例えば、夜の所定時刻)に自動的にタッチパネルディスプレイ44に表示してもよい。または、患者端末13で実行されるアプリケーションが起動している状態で、所定の機能が選択されたことに応じて、タッチパネルディスプレイ44に表示されてもよい。
【0088】
画面60A~60Dは、患者端末13のタッチパネルディスプレイ44に表示される画面である。画面60Aは、設定されたチャレンジの実施状況を選択するための画面例である。画面60A~60Dの各情報は、患者端末13で実行されるアプリケーションが、管理サーバ14から取得することにより、表示される。
【0089】
画面60Aは、実施、未実施および非該当のボタンを含む。実施のボタンは、チャレンジを実施したことを選択するためのボタンである。未実施は、チャレンジを実施していないことを選択するためのボタンである。非該当は特定の日にそのチャレンジが該当しなかったことを示すボタンである。患者は、タッチパネルディスプレイ44に表示される3つのボタンのうち何れかを選択して押下する。
【0090】
非該当のボタンは、チャレンジを実施する状況に該当しない場合に選択されるボタンである。例えば、チャレンジが「仕事中に歩くことを意識」であり、今日が出勤日でない場合を想定する。この場合、チャレンジを実施する状況には該当しない。このような場合に、非該当のボタンを選択することができる。
【0091】
画面60Bは、チャレンジに対する実施状況の評価を示す。患者端末13で実行されるアプリケーションは、行動情報として、1日ごとの歩数値の情報を管理サーバ14に送信する。
【0092】
例えば、管理サーバ14が、目標歩数に対する1日ごとの歩数値の情報の比の値ごとに、評価を示す情報を管理サーバ記憶部52に記憶しているとする。管理サーバ記憶部52に記憶される評価を示す情報は、上記の比の値が高いほど、高い評価であることを示し、上記の比の値が低いほど、行動を促すことを示すものであってもよい。
【0093】
管理サーバ14は、上述した比の値に応じた評価を示す情報を患者端末13に送信する。患者端末13で実行されるアプリケーションは、画面60Bのような受信した評価を示す情報をタッチパネルディスプレイ44に表示させる。
【0094】
画面60Cは、目標に対する実施状況の評価を示す。画面60Cは、図8の歩数項目61と同じ情報を含む。また、画面60Cは、目標歩数を達成したか否かを示す情報、および達成している場合と未達成である場合とのそれぞれのアドバイスを示す情報を含む。当該アドバイスを示す情報は、管理サーバ14から取得される。
【0095】
画面60Dは、理由情報を入力するための画面例である。理由情報としては、歩数目標を達成できた理由と実施できなかった理由とがある。図9の例は、歩数目標を達成できた理由を入力するための画面例である。歩数目標を達成できなかった理由を入力するための画面例は、図9の画面60Dとは異なる画面として表示される。歩数目標を達成できた理由を入力するための画面は、実績歩数が著しく多い場合に表示されてもよい。歩数目標を達成できなかった理由を入力するための画面は、目標歩数に対して、実績歩数が著しく少ない場合に表示されてもよい。
【0096】
画面60Dは、選択項目と自由記入欄とを含む。選択項目は、歩数目標を達成できた理由の項目を選択できる。歩数目標を達成できた理由の項目の情報は、管理サーバ14から取得される。また、自由記入欄は、患者がタッチパネルディスプレイ44に対して、任意の情報を入力するための欄である。画面60Dに対する入力により、患者端末13で実行されるアプリケーションは、歩数目標を達成できた理由を認識できる。
【0097】
患者端末13で実行されるアプリケーションは、歩数目標を達成できた理由を示す情報を、患者IDと対応付けて、管理サーバ14に送信する。管理サーバ14は、歩数目標を達成できた理由を示す情報を、患者IDごとに記憶する。当該歩数目標を達成できた理由を示す情報は、医師端末11および薬剤師端末12が参照可能である。これにより、医師端末11を操作する医師は、患者の診察に際して、歩数目標を達成できた理由または歩数目標を達成できなかった理由を参照できる。また、薬剤師端末12を操作する薬剤師は、後述するオンライン面談に際して、歩数目標を達成できた理由または歩数目標を達成できなかった理由を参照できる。
【0098】
次に、患者端末13で実行されるアプリケーションが実行する1日ごとの振り返り処理について説明する。図10は、振り返り処理の流れの一例を示すフローチャートである。図10のフローチャートは、例えば、1日のうち夜の所定時刻に実行される。また、図10のフローチャートは、1日の振り返りを行うタイミングに限らず、アプリケーションが起動されるごとに実行される。
【0099】
患者端末13で実行されるアプリケーションは、バリア情報およびチャレンジ情報を含む設定情報を、ネットワークNWを介して、管理サーバ14から取得する(ステップS31)。そして、患者端末13で実行されるアプリケーションは、計測情報を取得する(ステップS32)。計測情報は、歩数計13Aがカウントする歩数値の情報や体重の測定結果、血圧の測定結果の情報を含む。
【0100】
患者端末13で実行されるアプリケーションは、図9に示されるような各画面を遷移させながら表示する。各画面において、タッチパネルディスプレイ44に対して患者による入力がされる。患者端末13は、入力操作を受け付ける(ステップS33)。患者端末13が受け付けた入力操作の情報は、画面60Aに基づき選択されたチャレンジの実施状況の情報および画面60Dの理由情報を含む。
【0101】
患者端末13で実行されるアプリケーションは、ステップS32で取得された計測情報およびステップS33で受け付けた入力操作の情報を行動情報として、管理サーバ14に送信する(ステップS34)。
【0102】
以上の処理は、患者端末13で実行されるアプリケーションが介入する機能の1つであり、患者が1日の行動を振り返る際に利用される。患者端末13を操作する患者は、図9の各画面例を、翌日以降の行動を実施する際の参考として利用できる。
【0103】
次に、目標歩数の設定処理およびチャレンジ設定処理について説明する。以下の目標歩数の設定処理およびチャレンジ設定処理も、患者端末13で実行されるアプリケーションが介入する機能の1つである。上述したように、2回目以降の歩数設定およびチャレンジは、患者端末13に対する操作に基づき、設定される。患者端末13で実行されるアプリケーションによる歩数設定およびチャレンジ設定(2回目以降の歩数設定およびチャレンジ設定)は、1週間ごとに行われる。
【0104】
例えば、歩数設定およびチャレンジ設定処理を行うための機能は、患者端末13で実行されるアプリケーションが、所定の曜日になったことを検出したときに、自動的に起動されてもよい。また、歩数設定およびチャレンジ設定処理を行うための機能は、患者端末13に対する操作に基づき、起動されてもよい。
【0105】
図11は、2回目以降の目標歩数の決定画面の遷移の一例を示す図である。画面60Eは、目標を達成できる自信度を設定する画面である。画面60Eにおいて、1日から7日の間で、日数を選択することができる。画面60Eでは、管理サーバ14から取得された患者IDに応じた目標歩数として5900歩が示されている。
【0106】
例えば、患者端末13で実行されるアプリケーションは、入力された日数が所定日数(例えば、5日)以上であるかに応じて、目標歩数を設定してもよい。例えば、患者端末13で実行されるアプリケーションは、入力された日数が5日である場合、画面60Eで示される5900歩を目標歩数として設定する。
【0107】
一方、患者端末13で実行されるアプリケーションは、入力された日数が5日未満である場合、目標歩数の再設定を行う。例えば、患者端末13で実行されるアプリケーションは、5900歩より所定歩数(例えば、100歩)少ない5800歩を目標歩数として、画面60Eを再表示する。患者端末13で実行されるアプリケーションは、入力される日数が5日以上となるまで、目標歩数を減じながら、画面60Eを再表示する。
【0108】
そして、患者端末13で実行されるアプリケーションは、入力される日数が5日以上となった段階で、画面60Fのような目標歩数の決定画面を表示する。これにより、目標歩数が設定される。設定された目標歩数は、患者が合意した歩数であるため、患者との双方向のやり取りに基づく目標歩数が設定される。なお、目標歩数は、処方箋情報で示される下限値を下回ることはなく、且つ1週間前の目標歩数から所定歩数を減じた値より下回ることはない。
【0109】
図12は、チャレンジ設定画面の遷移の一例を示す図である。画面60G~60Jは、タッチパネルディスプレイ44に表示される画面である。画面60Gは、1週間の歩数についての達成状況を示す画面である。画面60Gの情報は、管理サーバ14から取得される。管理サーバ14は、上述したように、患者IDに対応する1日ごとの歩数値の情報を取得している。また、管理サーバ14は、患者IDに対応する目標歩数の情報も取得している。
【0110】
管理サーバ14は、患者IDに対応付けられた、1週間のうち1日の歩数値が1日の目標歩数に達しているか否かの情報を記憶している。管理サーバ14は、目標歩数を達成した日数の情報を患者端末13に送信する。これにより、患者端末13で実行されるアプリケーションは、画面60Gを表示させることができる。
【0111】
管理サーバ14は、達成日数に応じたアドバイスの情報を記憶している。管理サーバ14は、達成日数に応じたアドバイスの情報を患者端末13に送信する。これにより、患者端末13で実行されるアプリケーションは、画面60Hのようなアドバイスを表示できる。
【0112】
画面60Iは、チャレンジ選択画面である。画面60Iでは、選択可能なチャレンジ情報が表示される。選択可能なチャレンジ情報は、管理サーバ14から取得される。図12の画面60Iの例では、複数のチャレンジを選択できる。また、歩けていない理由ごとに複数のチャレンジが選択可能であってもよい。この場合、繰り返し、画面60Iが表示される。
【0113】
図13は、週ごとの設定情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。患者端末13で実行されるアプリケーションは、図11の画面60Eおよび60Fに基づき入力された目標歩数を設定する(ステップS41)。患者が入力した日数が少ない場合、患者端末13で実行されるアプリケーションは、目標歩数を減じて、再設定する。
【0114】
また、図12の画面60Iで、チャレンジが選択されると、患者端末13で実行されるアプリケーションは、選択されたチャレンジを受け付ける(ステップS42)。そして、患者端末13で実行されるアプリケーションは、ステップS41で設定された目標歩数およびステップS42で受け付けたチャレンジを含む週ごとの設定情報を管理サーバ14に送信する(ステップS43)。
【0115】
以上のように、患者端末13で実行されるアプリケーションは、1日ごとに振り返り処理を行い、1週間ごとに目標歩数およびチャレンジの再設定を行う。また、患者端末13で実行されるアプリケーションは、1週間ごとの振り返り処理も行う。以上のように、1週間ごとに、患者の合意に基づく目標歩数およびチャレンジの再設定がされる。また、図12の画面60Hのようなアドバイスがフィードバックの情報として、表示される。以上は、アプリケーションによる介入である。そして、アプリケーションによる介入より長い間隔ごと(例えば、1か月ごと)に、薬剤師による介入が行われる。以下、薬剤師の介入は、オンライン面談であるものとして説明するが、薬剤師による介入は、オンライン面談以外の手法で行われてもよい。
【0116】
図14は、患者端末13がオンライン面談に際して実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。例えば、患者端末13で実行されるアプリケーションが、オンライン面談を予約する機能を有しているとする。この場合、患者端末13で実行されるアプリケーションは、予約日時または予約日時よりも前に、オンライン面談機能を起動する(ステップS51)。オンライン面談機能は、上記のアプリケーションの一部の機能であってもよいし、患者端末13が有するビデオ通話機能であってもよい。
【0117】
患者端末13は、ネットワークNWを介して、薬剤師端末12との間で通信を開始する(ステップS52)。薬剤師により操作される薬剤師端末12のオンライン面談の準備が完了すると、オンライン面談が実行される(ステップS53)。
【0118】
オンライン面談では、患者端末13を操作する患者と薬剤師端末12を操作する薬剤師との間で、映像および音声でのやり取りを行うことができる。これにより、患者は、薬剤師からの具体的なアドバイスに基づき、今後の行動の目標を策定できるとともに、日時的な行動の改善点等を認識できる。
【0119】
患者により患者端末13がオンライン面談機能を終了する操作が行われると、患者端末13は当該操作を受け付ける。これにより、患者端末13で実行されるアプリケーションは、オンライン面談機能を終了させる(ステップS54)。当該オンライン面談機能は、薬剤師端末12に対して行われた操作に基づき、終了してもよい。
【0120】
図15は、オンライン面談の一例を示す図である。画面60Jは、患者端末13のタッチパネルディスプレイ44に表示される画面である。画面60Jは、薬剤師画面および患者画面を含む。薬剤師画面は、薬剤師端末12を操作する薬剤師を撮影して得られる動画である。患者画面は、患者端末13を操作する患者を撮影して得られる動画である。患者端末13のスピーカから、薬剤師端末12を操作する薬剤師が発話した音声が出力される。
【0121】
図16は、患者端末13で実行されるアプリケーションの付帯機能の画面例を示す図である。当該付帯機能では、患者端末13に紐づけられた患者IDの患者について、過去のデータを参照できる。画面60Kは、患者端末13で実行されるアプリケーションの付帯機能によりタッチパネルディスプレイ44に表示される画面である。画面60Kは、1週間のうち、現在までの1日ごとの歩数情報を含む。画面60Kで表示される各歩数情報は、管理サーバ14から取得される。
【0122】
画面60Lは、歩数と体重との相関の推移を示すグラフを含む。棒グラフは1日ごとの歩数の推移を表し、折れ線グラフは所定期間ごと(例えば、1日ごと、1週間ごと、3か月ごと)の体重の推移を表す。歩数の推移の情報および体重の推移の情報は、管理サーバ14の管理サーバ記憶部52に記憶されている。患者端末13で実行されるアプリケーションは、管理サーバ14から歩数の推移の情報および体重の推移の情報を取得して、画面60Lを表示する。
【0123】
画面60Mは、歩数と血圧との相関の推移を示すグラフを含む。棒グラフは1日ごとの歩数の推移を表し、折れ線グラフは上記の所定期間ごとの血圧の推移を表す。歩数の推移の情報および血圧の推移の情報は、管理サーバ14の管理サーバ記憶部52に記憶されている。患者端末13で実行されるアプリケーションは、管理サーバ14から歩数の推移の情報および血圧の推移の情報を取得して、画面60Lを表示する。
【0124】
次に、薬剤師端末12がオンライン面談に際して実行する処理について説明する。図17は、薬剤師端末12がオンライン面談に際して実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0125】
薬剤師が薬剤師端末操作部35を用いてオンライン面談を起動する操作を行うと、薬剤師端末12は、当該操作を受け付けて、オンライン面談機能を起動する(ステップS61)。薬剤師端末12のオンライン面談機能は、患者端末13で実行されるアプリケーションのオンライン面談機能とは異なる。
【0126】
上述したように、管理サーバ14の管理サーバ記憶部52は、患者IDごとに行動情報を記憶している。薬剤師端末12は、管理サーバ14から、オンライン面談を行う対象となる患者の患者IDに対応する行動情報を取得する。上述したように、オンライン面談は、所定間隔(例えば、1か月ごと)に行われる。管理サーバ14は、所定間隔における行動情報を要約した情報(サマリ情報)を含む行動情報を、薬剤師端末12に提供する。
【0127】
また、管理サーバ14は、患者IDごとに、チャレンジの達成状況を示す情報やバリア情報、体重の推移の情報、血圧の推移の情報等の各種の情報を記憶している。管理サーバ14は、オンライン面談を行う対象となる患者の患者IDに対応する各種の情報を、行動情報とともに薬剤師端末12に提供する。
【0128】
薬剤師端末12は、管理サーバ14から提供される各種の情報を取得する(ステップS62)。薬剤師端末12は、取得した各種の情報を含む薬剤師画面を薬剤師端末表示部34に表示させる(ステップS63)。これにより、薬剤師端末12を操作する薬剤師は、前回のオンライン面談から今回のオンライン面談までの間について、オンライン面談の対象となる患者の行動の情報を把握できる。
【0129】
薬剤師端末12は、ネットワークNWを介して、患者端末13との間で通信を開始する(ステップS64)。患者により操作される患者端末13のオンライン面談の準備が完了すると、オンライン面談が実行される(ステップS65)。ステップS63において、薬剤師端末表示部34には、オンライン面談を行う対象となる患者について、前回のオンライン面談から今回のオンライン面談までの行動情報を含む各種の情報が表示される。これにより、薬剤師端末12を用いたオンライン面談の際に、各種の情報を参照しながら、患者の自己管理支援や特定保健指導等を行うことができる。また、薬剤師端末12を操作する薬剤師は、上記のオンライン面談の際に、患者端末13で実行されるアプリケーションを使用することによる副作用(例えば、膝の痛み等)が出現していないかを患者から聞き取ることができる。
【0130】
薬剤師によりオンライン面談機能を終了する操作が薬剤師端末12に対して行われると、薬剤師端末12は当該操作を受け付ける。これにより、薬剤師端末12は、オンライン面談機能を終了させる(ステップS66)。当該オンライン面談機能は、患者端末13に対して行われた操作に基づき、終了してもよい。
【0131】
薬剤師は、オンライン面談が終了した後に、オンライン面談の結果に関する情報(オンライン面談情報)を、薬剤師端末操作部35を用いて行ってもよい。薬剤師端末12は、オンライン面談情報を、患者IDと対応付けて、管理サーバ14に送信してもよい。管理サーバ14は、患者IDとオンライン面談情報とを対応付けて管理サーバ記憶部52に記憶してもよい。これにより、例えば、医師端末11を操作する医師が、オンライン面談情報を参照しながら、診察を行うことができる。
【0132】
次に、医師が診察を行う際の医師端末11の処理の流れの一例について説明する。図18は、医師端末11が診察に際して実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。医師端末11を医師が操作して行われる患者の診察の間隔は、薬剤師端末12を用いて薬剤師が介入する間隔よりも長い。例えば、患者の診察の間隔は、3か月である。
【0133】
医師端末11は、管理サーバ14から提供される各種の情報を取得する(ステップS71)。ステップS71で医師端末11が取得する各種の情報は、ステップS62で薬剤師端末12が取得する情報と同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、医師端末11は、患者の行動情報を含む各種の情報の他に、上述したオンライン面談情報を管理サーバ14から取得してもよい。
【0134】
医師端末11は、上述した各種の情報を含む診察画面を、医師端末表示部24に表示させる(ステップS72)。医師端末11を操作する医師は、医師端末表示部24に表示された情報に基づき、前回の診察から今回の診察までの間の患者の行動情報を含む各種の情報を参照できる。医師端末11を操作する医師は、患者端末13で実行されるアプリケーションを使用したことに起因した何らかの障害が生じていないかの安全性を確認できる。例えば、上述したオンライン面談情報が診察画面に表示される場合、医師端末11を操作する医師は、薬剤師による介入の情報も参照できる。これにより、医師端末11は、患者の診察に資する情報を提示できる。医師は、医師端末11を操作して、病院内で行った血液検査の結果を登録してもよい。これにより、医師端末11を操作する医師は、前回の血液検査の結果に対する今回の血液検査の結果の変化を参照できる。
【0135】
以上に説明したように、本実施形態では、医師端末11により発行された処方箋に基づき、薬局に設置される薬剤師端末12が患者端末13に患者の行動を管理するアプリケーションを設定する。アプリケーションが設定された患者端末13は、定期的に、管理サーバ14に行動情報を送信する。そして、医師端末11と薬剤師端末12との両者が、行動情報を取得する。これにより、医師端末11を操作する医師と薬剤師端末12を操作する薬剤師とが連携して、患者の行動管理を行うことができる。また、患者端末13で実行されるアプリケーションでは、患者の合意に基づく各種の設定(目標歩数の設定等)を行える。これにより、患者と治療システム10との双方向のやり取りが実現される。
【0136】
<他の実施形態>
次に、他の実施形態について説明する。図11の例を用いて説明したように、2回目以降の目標歩数の設定は、患者端末13で実行されるアプリケーションにより、例えば、1週間ごとに行われる。管理サーバ14は、以下のように、患者端末13で実行されるアプリケーションを制御して、患者IDに対応付けられる患者の過去の歩行実績に基づき、2回目以降の目標歩数(新たな目標歩数)を設定してもよい。
【0137】
上述したように、行動情報には、歩数計13Aがカウントした歩数値の情報が含まれる。管理サーバ14は、1日ごとの歩数値の情報を含む行動情報を取得する。管理サーバ14は、患者IDごとに1日ごとの歩数値の情報を歩数実績として管理サーバ記憶部52に記憶して、管理する。
【0138】
管理サーバ14は、例えば、管理サーバ記憶部52に記憶されている過去の所定日数の目標達成日数を参照して、目標達成日数が多ければ、より多い歩数を2回目以降の目標歩数として提示するよう制御してもよい。管理サーバ14は、患者端末13で実行されるアプリケーションを制御して、以下の各処理を行う。
【0139】
図19は、他の実施形態の処理の流れの一例を示すフローチャートである。管理サーバ14は、過去の所定日数の間の目標達成日数が第1の日数以上であるかを判定する(ステップS81)。所定日数は、例えば、過去1週間である。目標達成日数は、設定された目標歩数を達成した日数である。第1の日数は、例えば、1週間のうちの6日である。
【0140】
例えば、患者IDに対応する現在の設定された目標歩数が6000歩であり、且つ直近の過去1週間の歩数実績が6000歩を超えている日が6日以上であったとする。この場合、管理サーバ14は、ステップS81でYesと判定し、処理をステップS82に進める。ステップS81でYesと判定された場合、患者IDに対応する患者の目標達成日数は多いため、患者に対して、より歩行を促すために、現在の目標歩数よりも多い目標歩数を新たな目標歩数として提示する。
【0141】
管理サーバ14は、過去の所定日数の間の目標達成日数が第1の日数以上でないと判定した場合、ステップS81でNoと判定し、処理をステップS82に進める。管理サーバ14は、目標達成日数が多い週が連続しているかを判定する(ステップS82)。
【0142】
例えば、直近の1週間では1日の歩数実績が目標達成日数を超えている日が6日未満であるが、直近の2週間では1週間あたりの目標達成日数が所定の閾値(第1の日数よりも少ない日数:例えば、5日)以上である週が連続している場合、ステップS82でYesと判定される。この場合、目標達成日数が多い週が連続していることになる。
【0143】
管理サーバ14は、ステップS81でYesと判定した場合、およびステップS82でYesと判定した場合、処理をステップS83に進める。この場合、患者の歩数実績は多いため、現在の目標歩数よりも多い目標歩数が新たな目標歩数として提示される。
【0144】
管理サーバ14は、患者IDに対応する患者について、過去に、現在の目標歩数よりも高い目標歩数を設定したことがあるかを判定する(ステップS83)。管理サーバ14の管理サーバ記憶部52には、患者IDに対応する目標歩数の設定に関する情報が記憶されている。管理サーバ14は、当該情報を参照して、過去に現在の目標歩数よりも高い目標歩数を設定したことがあるかを判定する。
【0145】
過去に、現在の目標歩数よりも高い目標歩数を設定したことがない場合、管理サーバ14は、ステップS83でNoと判定し、処理をステップS84に進める。管理サーバ14は、現在の目標歩数に第1の歩数を追加して目標歩数を新たな目標歩数として提示する(ステップS84)。
【0146】
一方、過去に、現在の目標歩数よりも高い目標歩数を設定したことがある場合、管理サーバ14は、ステップS83でYesと判定し、処理をステップS85に進める。管理サーバ14は、現在の目標歩数に第2の歩数(第2の歩数<第1の歩数)を追加して目標歩数を新たな目標歩数として提示する(ステップS85)。
【0147】
例えば、現在の目標歩数が6000歩であるとする。ステップS83でNoと判定された場合、例えば、現在の目標歩数(6000歩)に第1の歩数として500歩が追加された6500歩が提示される。一方、ステップS83でYesと判定された場合、例えば、現在の目標歩数(6000歩)に第2の歩数として300歩が追加された6300歩が提示される。
【0148】
以上のように、管理サーバ14は、2回目以降の目標歩数を設定する際に、現在の目標歩数よりも多い歩数を過去に設定したことがない場合に提示する新たな目標歩数を、過去に設定したことがある場合に提示する新たな目標歩数よりも多くする。このように、現在の目標歩数よりも多い歩数を過去に設定した実績がない場合、より多い目標歩数を新たに提示することで、患者の歩行をより促すことができる。
【0149】
管理サーバ14は、目標達成日数が多い週が連続していないと判定した場合、ステップS82でNoと判定し、処理をステップS86に進める。ステップS82でNoと判定される場合、ステップS81でもNoと判定されているため、この場合の目標達成日数は多くない。
【0150】
管理サーバ14は、過去の所定日数(1週間)の間の目標達成日数が第2の日数以下であるかを判定する(ステップS86)。第2の日数は、例えば、1週間のうちの1日である。
【0151】
管理サーバ14は、過去1週間の目標達成日数が第2の日数以下でないと判定した場合、ステップS86でNoと判定し、処理をステップS87に進める。管理サーバ14は、目標達成日数が少ない週が連続しているかを判定する(ステップS87)。
【0152】
例えば、直近の1週間では1日の歩数実績が目標達成日数(1日)以上である日が1日はあるが、直近の2週間では1週間あたりの目標達成日数が所定日数(第2の日数よりも多い日数:例えば、2日)以下である週が連続している場合、ステップS87でYesと判定される。この場合、目標達成日数が少ない週が連続していることになる。
【0153】
管理サーバ14は、ステップS86でYesと判定した場合、およびステップS87でYesと判定した場合、処理をステップS88に進める。この場合、患者の歩数実績は少ないため、管理サーバ14は、現在の目標歩数を減じた新たな目標歩数として提示する。
【0154】
管理サーバ14は、現在の目標歩数から所定歩数を減じた歩数値と、管理サーバ記憶部52に記憶されている患者IDに対応する患者が過去に達成した目標歩数(現在の目標歩数未満)のうち最大値とを比較する(ステップS88)。管理サーバ14は、比較結果のうち大きい方の値を新たな目標歩数として提示する(ステップS89)。
【0155】
例えば、現在の目標歩数が6000歩であるとする。また、上記の所定歩数が300であり、上記の患者が過去に達成した目標歩数の最大値が5800歩であるとする。この場合、現在の目標歩数から所定歩数を減じた歩数値は5700歩であり、患者の過去に達成した目標歩数の最大値は5800歩であるため、5800歩が提示される。
【0156】
ステップS86でYesと判定された場合、およびステップS87でYesと判定された場合、患者IDに対応する患者の歩数実績は少ないため、歩行が困難な事情が患者に生じた可能性がある。従って、管理サーバ14は、ステップS86でYesと判定した場合、およびステップS87でYesと判定した場合、現在の目標歩数を減じた歩数を新たな目標歩数として提示する。ただし、管理サーバ14は、その中でも、できる限り多い目標歩数を提示するようにする。これにより、患者の事情も考慮して、より歩行を促すことができる。
【0157】
管理サーバ14がステップS87でNoと判定した場合、目標達成日数は多くもなく、少なくもない。この場合、現在の目標歩数が維持される。
【0158】
以上のようにして提示された新たな目標歩数について、患者が患者端末13を操作して、提示された2回目以降の目標歩数を決定する操作がされた場合、管理サーバ14は、当該目標歩数を、新たな目標歩数として設定する。このように、設定された2回目以降の目標歩数は、患者が合意した歩数であるため、患者との双方向のやり取りに基づく目標歩数が設定される。
【0159】
管理サーバ14は、上述したように、患者IDごとに、処方箋情報に示される患者の1日当たりの歩数の上限値および下限値を管理サーバ記憶部52に記憶している。管理サーバ14は、上述したように、目標歩数を増加または減少させる制御を、患者端末13で実行されるアプリケーションを介して行う。このとき、管理サーバ14は、処方箋情報に示される患者の1日当たりの歩数の上限値と下限値との間の範囲内で、2回目以降の目標歩数を提示および設定する。これにより、処方箋情報の内容は遵守される。
【0160】
管理サーバ14は、上記の新たな目標歩数を提示する処理を繰り返し行ってもよい。例えば、管理サーバ14により患者端末13で実行されるアプリケーションが提示した新たな目標歩数に対して、患者が、患者端末13を用いて、提示された新たな目標歩数を許容しない操作を行ったとする。
【0161】
この場合、管理サーバ14は、患者端末13で実行されるアプリケーションを制御して、提示した新たな目標歩数から所定歩数(例えば、200歩)を減じた歩数を新たな目標歩数として再提示してもよい。これに対して、再提示された新たな目標歩数を許容する操作が患者端末13に対してされた場合、管理サーバ14は、再提示した新たな目標歩数を設定する。当該新たな目標歩数も、患者との双方向のやり取りに基づく目標歩数である。
【0162】
管理サーバ14は、上記の新たな目標歩数を再提示する処理を繰り返す回数に所定の制限を設けてもよい。例えば、管理サーバ14は、再提示する処理を最大2回まで許容してもよい。これにより、新たな目標歩数が過剰に減じられることが抑制される。
【0163】
<変形例>
以上の実施形態において、患者端末13で実行されるアプリケーションは、歩数計13Aから取得される歩数値が、処方箋情報に示される患者の1日当たりの歩数の上限値を超えたことを検出した場合、または下限値を下回ったことを検出した場合、タッチパネルディスプレイ44に、警告を表示させてもよい。当該警告が表示されることで、処方箋情報が示す許容範囲が遵守されていないことを、患者端末13を操作する患者に提示できる。また、患者端末13で実行されるアプリケーションは、歩数計13Aから取得される歩数値が、1日あたりに設定された目標歩数を超えた場合に、警告を表示してもよい。
【0164】
例えば、患者端末13で実行されるアプリケーションが、処方箋情報に示される患者の1日当たりの歩数の上限値を超えた歩数目標を提示する可能性がある。このような場合、上記の警告が患者端末13のタッチパネルディスプレイ44に表示されることにより、処方箋情報が示す目標歩数の許容範囲の限界に達していることを患者に提示できる。
【0165】
また、患者端末13は、患者IDと対応付けて上記の警告を示す情報を、管理サーバ14に送信してもよい。
【0166】
患者端末13は、アプリケーションの起動状況を示す情報(起動状況情報)を一日ごとに、患者IDに対応付けて管理サーバ14に送信してもよい。起動状況情報は、例えば、1日あたりに、患者端末13でアプリケーションが起動された回数または実行されている時間を含む。
【0167】
薬剤師端末12は、管理サーバ14から患者IDに対応する起動状況情報を取得する。これにより、薬剤師端末12を操作する薬剤師は、患者の行動を管理する上記のアプリケーションを毎日利用しているかを認識できる。例えば、薬剤師端末12は、オンライン面談機能を実行する際に、管理サーバ14から起動状況情報を自動で取得するように設定されていてもよい。これにより、オンライン面談における薬剤師の介入の際に、薬剤師端末12を操作する薬剤師は、患者端末13を操作する患者に対して起動状況情報に応じた自己管理支援や特定保健指導等を行うことができる。
【0168】
また、上述したように、薬剤師端末12が処方箋に基づき、患者端末13に対してアプリケーションを設定し、バリア、初回のチャレンジおよび初回の目標歩数が患者端末13のアプリケーションに設定される。当該初回の目標歩数は、一定の試用期間(例えば、2週間)が経過した後に設定されてもよい。
【0169】
例えば、図6のステップS16で、患者端末13のアプリケーションの有効化処理が行われる。これにより、患者端末13にアプリケーションが設定される。アプリケーションが設定された患者端末13は、一定の試用期間、患者により使用される。一定の試用期間の間、患者は日常生活を送る。そして、患者端末13で実行されるアプリケーションは、歩数計13Aから日常生活における歩数値を取得する。当該歩数値の情報は、患者IDと対応付けられて患者端末13から管理サーバ14に送信される。
【0170】
薬剤師端末12は、一定の試用期間が経過した後、管理サーバ14から日常生活における各日の歩数値の情報を取得し、各日(例えば、14日)の歩数値の平均を初回の目標歩数の基準となるベースライン歩数として設定してもよい。これにより、患者端末13で実行されるアプリケーションを使用する患者に即した初回の目標歩数を設定できる。そして、上述したように、患者端末13で実行されるアプリケーションは、患者からの入力に基づき、目標歩数を1週間ごとに変更することができる。
【0171】
患者端末13で実行されるアプリケーションは、設定された目標歩数と1日ごとの歩数実績とに応じた通知メッセージをタッチパネルディスプレイ44に表示させてもよい。例えば、1日の歩数実績が設定された目標歩数を基準とした所定歩数範囲を下回っている場合、歩行を促す通知メッセージがタッチパネルディスプレイ44に表示されてもよい。また、1日の歩数実績が設定された目標歩数を基準とした所定歩数範囲を超えている場合、患者端末13を使用する患者に過度な負荷をかけないため、歩行を抑制する通知メッセージがタッチパネルディスプレイ44に表示されてもよい。
【0172】
上述したように、管理サーバ14は、患者IDに対応する歩けた理由を示す理由情報および歩けなかった理由を示す理由情報を記憶している。患者端末13で実行されるアプリケーションは、1日当たりの歩数値が目標歩数に達した日が連続していることを検出した場合、患者IDに対応する歩けた理由を示す理由情報を管理サーバ14から取得してもよい。患者端末13で実行されるアプリケーションは、歩けた理由を示す理由情報をタッチパネルディスプレイ44に表示する。これにより、患者端末13を使用する患者に対して、より歩行を促す契機を与えることができる。
【0173】
一方、患者端末13で実行されるアプリケーションは、1日当たりの歩数値が目標歩数に達した日が連続していないことを検出した場合、その旨を示す情報を患者IDと対応付けて、管理サーバ14に送信してもよい。この場合、管理サーバ14は、医師端末11および薬剤師端末12に、患者IDで識別される患者の1日当たりの歩数値が目標歩数に達した日が連続していないことを示す情報を送信してもよい。これにより、医師端末11を操作する医師が診察を行う場合、および薬剤師端末12を操作する薬剤師が介入を行う場合に、参考となる情報を提示できる。
【0174】
また、患者端末13で実行されるアプリケーションは、1日のうちの1以上の所定時刻に、歩数目標の達成状況に応じたサポートメッセージを、タッチパネルディスプレイ44に表示してもよい。例えば、患者端末13で実行されるアプリケーションは、11時、13時および16時といった毎日の所定時刻に、歩数目標の達成状況に応じたサポートメッセージを、タッチパネルディスプレイ44に表示させてもよい。
【0175】
また、図6のステップS12で発行される処方箋の処方箋情報には、患者が服薬する薬に関する情報も含まれ得る。当該薬に関する情報は、お薬手帳等の情報として管理される。管理サーバ14は、患者端末13で実行されるアプリケーションとお薬手帳のデータとを関連付けて管理してもよい。これにより、患者端末13で実行されるアプリケーションとお薬手帳のデータとが連携される。お薬手帳のデータは、管理サーバ14により、医師端末11と薬剤師端末12と患者端末13との各端末で連携しており、各端末からお薬手帳のデータを参照等することが可能である。
【0176】
以上において、薬剤師や管理栄養士が患者に自己管理支援や特定保健指導等を行う例について説明した。これにより、医師と院外薬局とがシームレスに連携され得る。一方、薬剤師ではなく、病院やクリニックに所属する医療従事者や管理栄養士が、患者に上述したアプリケーションを用いた自己管理支援や生活習慣指導等を行うものであってもよい。これにより、医師と病院・クリニックと患者とがシームレスに連携され得る。以上のような場合、薬剤師端末は、医療従事者が操作する医療従事者端末や管理栄養士が操作する管理栄養士端末と読み替えられる。また、薬剤師は、医療従事者や管理栄養士と読み替えられる。また、関係者端末は、医療に関する関係者(薬剤師や医療従事者、管理栄養士等)により操作される端末であり、上記の薬剤師端末や医療従事者端末、管理栄養士端末等に対応する端末である。
【0177】
以上の実施形態で説明したフローチャートの処理の順序は、可能な限り入れ替えることができる。また、本発明にかかわる実施形態は、上述した形態に限定されず、適宜変形可能である。さらに、実施形態の構成は、実質的に類似の構成、類似の作用効果を奏する構成または類似の目的を達成できる構成で置き換えることができる。
【符号の説明】
【0178】
10 治療システム
11 医師端末
11A 処方箋発行装置
12 薬剤師端末
13 患者端末
13A 歩数計
14 管理サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
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図19