(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023021828
(43)【公開日】2023-02-14
(54)【発明の名称】熱処理システム、材料供給方法及び熱処理装置
(51)【国際特許分類】
C23C 16/448 20060101AFI20230207BHJP
【FI】
C23C16/448
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021126937
(22)【出願日】2021-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】広田 信之
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 輝実
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 啓介
【テーマコード(参考)】
4K030
【Fターム(参考)】
4K030CA04
4K030CA12
4K030EA01
4K030EA04
4K030EA11
4K030FA10
4K030GA02
4K030GA12
4K030HA15
4K030JA05
4K030JA10
4K030JA11
4K030KA25
4K030KA39
4K030KA41
4K030LA15
(57)【要約】
【課題】熱処理装置に原料ガスを供給する複数の材料容器を自動的に切り替える技術を提供する。
【解決手段】熱処理装置と、熱処理装置に原料ガスを供給する材料供給装置と、を有する熱処理システムであって、材料を貯留し、貯留した材料を気化させて原料ガスを生成するように構成された複数の材料容器と、複数の材料容器の温度を制御する温度制御部と、複数の材料容器から熱処理装置に原料ガスを供給する供給路に設けられたバルブを、選択中の一つの材料容器から熱処理装置に原料ガスを供給するように制御するバルブ制御部と、選択中の一つの材料容器から熱処理装置に原料ガスを供給するためにバルブが開けられていた時間を積算する積算部と、積算した時間に基づいた状態信号を出力する状態信号出力部と、状態信号に従って、選択中の一つの材料容器を切り替える切替制御部と、を有することで上記課題を解決する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱処理装置と、前記熱処理装置に原料ガスを供給する材料供給装置と、を有する熱処理システムであって、
材料を貯留し、貯留した前記材料を気化させて前記原料ガスを生成するように構成された複数の材料容器と、
前記複数の材料容器の温度を制御する温度制御部と、
前記複数の材料容器から前記熱処理装置に前記原料ガスを供給する供給路に設けられたバルブを、選択中の一つの材料容器から前記熱処理装置に前記原料ガスを供給するように制御するバルブ制御部と、
選択中の前記一つの材料容器から前記熱処理装置に前記原料ガスを供給するために前記バルブが開けられていた時間を積算する積算部と、
積算した前記時間に基づいた状態信号を出力する状態信号出力部と、
前記状態信号に従って、選択中の前記一つの材料容器を切り替える切替制御部と、
を有する熱処理システム。
【請求項2】
前記状態信号出力部は、積算した前記時間が第一の閾値に達した場合に第一の状態信号を出力し、積算した前記時間が前記第一の閾値よりも大きい第二の閾値に達すると共に、前記熱処理装置が熱処理を実行中でない場合に第二の状態信号を出力し、
前記温度制御部は、前記第一の状態信号に従って、次に選択する一つの材料容器の加温を開始し、
前記切替制御部は、選択中の前記一つの材料容器を、前記第二の状態信号に従って、次に選択する前記一つの材料容器に切り替える、
請求項1記載の熱処理システム。
【請求項3】
前記複数の材料容器のうち、選択中の前記一つの材料容器を表す選択状態信号を出力する選択状態信号出力部、を更に有し、
前記積算部は、前記選択状態信号に従って、選択中の前記一つの材料容器から次に選択する前記一つの材料容器への切り替え完了を判定して、積算した前記時間を初期化する、
請求項1又は2記載の熱処理システム。
【請求項4】
熱処理装置と、前記熱処理装置に原料ガスを供給する材料供給装置と、を有する熱処理システムであって、
材料を貯留し、貯留した前記材料を気化させて前記原料ガスを生成するように構成された材料容器と、
前記材料容器から前記熱処理装置に前記原料ガスを供給する供給路に設けられたバルブの開閉を制御するバルブ制御部と、
前記材料容器から前記熱処理装置に前記原料ガスを供給するために前記バルブが開けられていた時間を積算する積算部と、
積算した前記時間と前記材料容器の設定温度とを対応付けた温度制御情報に従い、積算した前記時間に対応する温度設定信号を出力する温度設定信号出力部と、
前記温度設定信号に従って、前記材料容器の温度を制御する温度制御部と、
を有する熱処理システム。
【請求項5】
前記温度設定信号出力部は、積算した前記時間が長くなるほど、前記材料容器の設定温度が高くなるように、積算した前記時間と前記材料容器の設定温度とを対応付けた温度制御情報に従い、積算した前記時間に対応する温度設定信号を出力する、
請求項4記載の熱処理システム。
【請求項6】
前記温度設定信号出力部は、積算した前記時間と前記材料容器の設定温度とを対応付けた温度制御情報を線形補間し、積算した前記時間に対応する温度設定信号を出力する、
請求項4又は5記載の熱処理システム。
【請求項7】
熱処理装置と、前記熱処理装置に原料ガスを供給する材料供給装置と、を有する熱処理システムが実行する材料供給方法であって、
材料を貯留し、貯留した前記材料を気化させて前記原料ガスを生成するように構成された複数の材料容器から前記熱処理装置に前記原料ガスを供給する供給路に設けられたバルブを、選択中の一つの材料容器から前記熱処理装置に前記原料ガスを供給するように制御する工程と、
選択中の前記一つの材料容器から前記熱処理装置に前記原料ガスを供給するために前記バルブが開けられていた時間を積算する工程と、
積算した前記時間に基づいた状態信号を出力する工程と、
前記状態信号に従って、選択中の前記一つの材料容器を切り替える工程と、
を有する材料供給方法。
【請求項8】
熱処理装置と、前記熱処理装置に原料ガスを供給する材料供給装置と、を有する熱処理システムが実行する材料供給方法であって、
材料を貯留し、貯留した前記材料を気化させて前記原料ガスを生成するように構成された材料容器から前記熱処理装置に前記原料ガスを供給する供給路に設けられたバルブの開閉を制御する工程と、
前記材料容器から前記熱処理装置に前記原料ガスを供給するために前記バルブが開けられていた時間を積算する工程と、
積算した前記時間と前記材料容器の設定温度とを対応付けた温度制御情報に従い、積算した前記時間に対応する温度設定信号を出力する工程と、
前記温度設定信号に従って、前記材料容器の温度を制御する工程と、
を有する材料供給方法。
【請求項9】
材料を貯留し、貯留した前記材料を気化させて原料ガスを生成するように構成された複数の材料容器と、
前記複数の材料容器の温度を制御する温度制御部と、
前記複数の材料容器から処理容器に前記原料ガスを供給する供給路に設けられたバルブを、選択中の一つの材料容器から前記処理容器に前記原料ガスを供給するように制御するバルブ制御部と、
選択中の前記一つの材料容器から前記処理容器に前記原料ガスを供給するために前記バルブが開けられていた時間を積算する積算部と、
積算した前記時間に基づいた状態信号を出力する状態信号出力部と、
前記状態信号に従って、選択中の前記一つの材料容器を切り替える切替制御部と、
を有する熱処理装置。
【請求項10】
材料を貯留し、貯留した前記材料を気化させて原料ガスを生成するように構成された材料容器と、
前記材料容器から処理容器に前記原料ガスを供給する供給路に設けられたバルブの開閉を制御するバルブ制御部と、
前記材料容器から前記処理容器に前記原料ガスを供給するために前記バルブが開けられていた時間を積算する積算部と、
積算した前記時間と前記材料容器の設定温度とを対応付けた温度制御情報に従い、積算した前記時間に対応する温度設定信号を出力する温度設定信号出力部と、
前記温度設定信号に従って、前記材料容器の温度を制御する温度制御部と、
を有する熱処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、熱処理システム、材料供給方法及び熱処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば固体の原料を貯留する原料タンク内を加熱して固体の原料を昇華させて原料ガスを形成し、この原料ガスを原料タンクから延びる配管を介して成膜装置の処理容器内へ導入する原料ガス供給システムが知られている。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
従来の熱処理装置は、原料タンク内の原料がなくなると、原料が充填されている原料タンクに交換する作業が必要であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、熱処理装置に原料ガスを供給する複数の材料容器を自動的に切り替える技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、熱処理装置と、前記熱処理装置に原料ガスを供給する材料供給装置と、を有する熱処理システムであって、材料を貯留し、貯留した前記材料を気化させて前記原料ガスを生成するように構成された複数の材料容器と、前記複数の材料容器の温度を制御する温度制御部と、前記複数の材料容器から前記熱処理装置に前記原料ガスを供給する供給路に設けられたバルブを、選択中の一つの材料容器から前記熱処理装置に前記原料ガスを供給するように制御するバルブ制御部と、選択中の前記一つの材料容器から前記熱処理装置に前記原料ガスを供給するために前記バルブが開けられていた時間を積算する積算部と、積算した前記時間に基づいた状態信号を出力する状態信号出力部と、前記状態信号に従って、選択中の前記一つの材料容器を切り替える切替制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、熱処理装置に原料ガスを供給する複数の材料容器を自動的に切り替える技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に掛かる熱処理システムの構成例を示す概略図である。
【
図2】コンピュータの一例のハードウェア構成図である。
【
図3】本実施形態に掛かるメイン制御部及び材料供給制御部の機能構成の一例を示す図である。
【
図4】材料容器の切り替えの流れの一例の説明図である。
【
図5】パラメータ設定画面の一例のイメージ図である。
【
図6】バルブOPEN時間積算値表示画面の一例のイメージ図である。
【
図7】本実施形態に掛かるメイン制御部及び材料供給制御部の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【
図8】本実施形態に掛かるメイン制御部及び材料供給制御部の機能構成の一例を示す図である。
【
図9】温度制御テーブル記憶部に記憶された温度制御テーブルの一例の構成図である。
【
図10】材料容器に適用される設定温度の一例の説明図である。
【
図11】本実施形態に掛かる材料容器の設定温度をバルブOPEN時間積算値に応じて自動的に切り替える処理手順の一例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の説明を行う。なお、本明細書及び図面では、本実施形態の説明に不要な部分についての図示及び説明を適宜省略する。
【0010】
[第1の実施形態]
本実施形態では、熱処理装置10と、材料供給装置12と、を備える熱処理システム1の一例について説明する。
図1は、本実施形態に掛かる熱処理システムの構成例を示す概略図である。
【0011】
図1の熱処理装置10は、例えば成膜装置などの半導体製造装置である。熱処理装置10は処理容器20、及びメイン制御部22を有する。処理容器20は、被処理体としての半導体ウエハ(以下、ウエハと呼ぶ)を収容し、ウエハに対して熱処理を施す。例えば成膜装置の場合、処理容器20は収容したウエハに対して成膜処理を施す。
【0012】
処理容器20は、例えばアルミニウム合金等により例えば円筒形状に形成される。処理容器20内には、ウエハを保持する保持部が設けられている。例えば保持部はウエハが載置される載置台を有する。載置台の内部には、ウエハを加熱するヒータ(加熱部)が設けられている。処理容器20の側壁には、ウエハを搬出入する開口が形成されている。
【0013】
処理容器20は排気口が設けられている。排気口には、排気路16が接続されている。また、処理容器20は原料ガスを供給する供給路14の一端が接続されている。供給路14を介して原料ガスは処理容器20内に供給される。
【0014】
また、供給路14の他端には材料供給装置12が接続されている。熱処理装置10の処理容器20と材料供給装置12とは供給路14を介して連通している。
図1の材料供給装置12は、材料容器30A、材料容器30B、加熱部32A、加熱部32B、キャリアガス供給機構34、材料供給制御部36、及びバルブ38A1~38A3、38B1~38B3を有する。
【0015】
材料供給装置12は、材料を貯留し、貯留した材料を気化させて原料ガスを生成するように構成されたタンクなどの複数の材料容器30A及び30Bを有する。なお、材料容器30A及び30Bは、両方を指す場合、又は、何れでもよい場合に、材料容器30と呼ぶことがある。材料容器30A及び30Bには、材料を加熱する加熱部32A及び32Bが設けられている。加熱部32A及び32Bで、材料容器30A及び30Bの材料を加熱して気化することにより、原料ガスは生成される。なお、
図1では材料容器30が材料容器30A及び30Bの二つの例を示したが、三つ以上であってもよい。
【0016】
バルブ38A1~38A3、38B1~38B3は、複数の材料容器30から熱処理装置10に原料ガスを供給する供給路14に設けられており、選択中の一つの材料容器30から熱処理装置10に原料ガスを供給するように、管路を開放または閉止する。バルブ38A1~38A3、38B1~38B3の開放または閉止は、後述の材料供給制御部36により制御される。キャリアガス供給機構34は、キャリアガスを供給する。なお、材料容器30は、温度制御などのため、熱電対などの温度センサが設けられている。
【0017】
熱処理装置10のメイン制御部22は、熱処理装置10の全体の動作を制御する。材料供給装置12の材料供給制御部36は、材料供給装置12の全体の動作を制御する。メイン制御部22及び材料供給制御部36は、例えば後述のコンピュータ500により実現される。メイン制御部22及び材料供給制御部36は通信路18を介して各種信号の送受信が可能である。
【0018】
通信路18は有線通信方式であっても無線通信方式であってもよく、コンピュータの内外において各種信号を交換するための信号路であればよい。通信路18はローカルエリアネットワーク(LAN)などのネットワークを利用するものであってもよい。メイン制御部22及び材料供給制御部36は、記憶装置に記録されたプログラムを読み取り、そのプログラムに従って、熱処理システム1を構成する各部との間で各種信号を送受信することにより、熱処理を実行する。
【0019】
メイン制御部22及び材料供給制御部36は、例えば
図2に示すようなハードウェア構成のコンピュータにより実現される。
図2はコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
【0020】
図2のコンピュータ500は、入力装置501、出力装置502、外部I/F(インタフェース)503、RAM(Random Access Memory)504、ROM(Read Only Memory)505、CPU(Central Processing Unit)506、通信I/F507及びHDD(Hard Disk Drive)508などを備え、それぞれがバスBで相互に接続されている。なお、入力装置501及び出力装置502は必要なときに接続して利用する形態であってもよい。
【0021】
入力装置501はキーボードやマウス、タッチパネルなどであり、作業者等が各操作信号を入力するのに用いられる。出力装置502はディスプレイ等であり、コンピュータ500による処理結果を表示する。通信I/F507はコンピュータ500をネットワーク等に接続するインタフェースである。HDD508は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置の一例である。
【0022】
外部I/F503は、外部装置とのインタフェースである。コンピュータ500は外部I/F503を介してSD(Secure Digital)メモリカードなどの記録媒体503aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。ROM505は、プログラムやデータが格納された不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。RAM504はプログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。
【0023】
CPU506は、ROM505やHDD508などの記憶装置からプログラムやデータをRAM504上に読み出し、処理を実行することで、コンピュータ500全体の制御や機能を実現する演算装置である。
【0024】
図1に示したメイン制御部22及び材料供給制御部36は、
図2のハードウェア構成のコンピュータ500がプログラムに従い処理を実行することで、
図3の各種機能を実現できる。メイン制御部22及び材料供給制御部36の機能構成例について、
図3を参照して説明する。
【0025】
図3は本実施形態に掛かるメイン制御部及び材料供給制御部の機能構成の一例を示す図である。メイン制御部22は、バルブ開閉指示信号出力部100、積算部102、状態信号出力部104、及び温度設定信号出力部106を有する。材料供給制御部36は、温度制御部120、バルブ制御部122、切替制御部124、選択状態信号出力部126、及び温度状態信号出力部128を有する。なお、
図3の機能構成は本実施形態の説明に不要な機能構成について適宜省略している。
【0026】
バルブ開閉指示信号出力部100は、バルブ開閉指示信号を材料供給制御部36に送信することで、材料供給装置12から熱処理装置10への原料ガスの供給を制御する。バルブ開閉指示信号出力部100は、例えばレシピに示された種々の処理条件下で熱処理が行われるように、材料供給装置12から熱処理装置10への原料ガスの供給を制御する。
【0027】
積算部102は、バルブ開閉指示信号により、材料供給装置12から熱処理装置10へ原料ガスが供給されていた時間を、バルブOPEN時間積算値として積算する。状態信号出力部104はバルブOPEN時間積算値に基づいたL-Flag状態信号及びLL-Flag状態信号を材料供給制御部36に出力する。
【0028】
例えば状態信号出力部104はバルブOPEN時間積算値がL-Flag ON時間閾値に達すると、L-Flag状態信号をONする。L-Flag状態信号がONされることにより、材料供給装置12は次に選択する材料容器30(選択中の材料容器30ではなく待機中の材料容器30)の加温を開始する。
【0029】
例えば状態信号出力部104はバルブOPEN時間積算値がLL-Flag ON時間閾値に達すると共に、レシピによる熱処理を実行中(以下、レシピ実行中という)でない場合に、L-Flag状態信号をOFFし、LL-Flag状態信号をONする。材料供給装置12はLL-Flag状態信号がONされることにより、次に選択する材料容器30への切り替えを行う。
【0030】
温度設定信号出力部106は、材料供給装置12の材料容器30ごとの温度設定信号を材料供給制御部36に送信することで、材料供給装置12の材料容器30ごとに温度を設定する。例えば温度設定信号出力部106は、材料容器30Aの温度設定信号及び材料容器30Bの温度設定信号を材料供給制御部36に送信することで、材料容器30A及び30Bごとに設定温度を指定できる。
【0031】
温度制御部120は、メイン制御部22から受信した材料容器30ごとの温度設定信号に従って、材料容器30ごとに設定温度を指定する。例えば温度制御部120はメイン制御部22から受信した材料容器30Aの温度設定信号に従って、材料容器30Aの設定温度を指定する。また、温度制御部120はメイン制御部22から受信した材料容器30Bの温度設定信号に従って、材料容器30Bの設定温度を指定する。
【0032】
例えば温度制御部120は材料容器30ごとに指定された設定温度に従って、選択中の材料容器30の温度を制御する。また、温度制御部120はメイン制御部22から受信しているL-Flag状態信号がONされることにより、次に選択する材料容器30の加温を開始し、次に選択する材料容器30の温度を制御する。
【0033】
バルブ制御部122は、複数の材料容器30から熱処理装置10に原料ガスを供給する供給路14に設けられたバルブ38A1~38A3、38B1~38B3の開放または閉止を、選択中の一つの材料容器30から熱処理装置10に原料ガスを供給するように制御する。
【0034】
例えばバルブ制御部122は、材料容器30Aが選択中の材料容器30であれば、材料容器30Aから熱処理装置10に原料ガスを供給するように、供給路14に設けられたバルブ38A1~38A3、38B1~38B3の開放または閉止を、制御する。また、バルブ制御部122は、材料容器30Bが選択中の材料容器30であれば、材料容器30Bから熱処理装置10に原料ガスを供給するように、供給路14に設けられたバルブ38A1~38A3、38B1~38B3の開放または閉止を、制御する。
【0035】
切替制御部124は、メイン制御部22から受信しているLL-Flag状態信号がONされることにより、選択中の材料容器30から次に選択する材料容器30への切り替えを開始する。
【0036】
選択状態信号出力部126は、選択中の材料容器30を表す選択状態信号をメイン制御部22に出力する。例えば選択状態信号出力部126は材料容器30Aの選択状態信号及び材料容器30Bの選択状態信号を出力する。材料容器30Aの選択状態信号は、材料容器30Aが選択されていることを表す信号であって、材料容器30Bから材料容器30Aへの切り替え時、ONされることで材料容器30Aへの切り替え完了を表す。材料容器30Bの選択状態信号は、材料容器30Bが選択されていることを表す信号であって、材料容器30Aから材料容器30Bへの切り替え時、ONされることで材料容器30Bへの切り替え完了を表す。
【0037】
メイン制御部22は、選択中の材料容器30から次に選択する材料容器30への切り替え時、次に選択する材料容器30の選択状態信号がONされると、次に選択する材料容器30への切り替えが完了したとみなす。次に選択する材料容器30への切り替えが完了したとみなすと、メイン制御部22の状態信号出力部104は、LL-Flag状態信号をOFFする。また、積算部102はバルブOPEN時間積算値をクリア(初期化)する。
【0038】
温度状態信号出力部128は、複数の材料容器30の温度を表す温度状態信号をメイン制御部22に出力する。例えば温度状態信号出力部128は、温度センサで測定した材料容器30Aの温度を表す材料容器30Aの温度状態信号を出力する。また、温度状態信号出力部128は、温度センサで測定した材料容器30Bの温度を表す材料容器30Bの温度状態信号を出力する。
【0039】
図4は材料容器の切り替えの流れの一例の説明図である。
図4(a)はレシピ実行によるバルブOPEN時間積算値の増加例を表したグラフ図である。
図4(b)はレシピ実行によるL-Flag状態信号、LL-Flag状態信号、材料容器Aの選択状態信号、及び材料容器Bの選択状態信号の変化例を表したタイミング図である。
【0040】
図4(a)では2回目のレシピ実行中に、積算部102が積算しているバルブOPEN時間積算値がL-Flag ON時間閾値に達している。したがって、
図4(b)に示すように、状態信号出力部104が材料供給制御部36に出力しているL-Flag状態信号はバルブOPEN時間積算値がL-Flag ON時間閾値に達したタイミングでONされている。
【0041】
図4(a)では3回目のレシピ実行中に、積算部102が積算しているバルブOPEN時間積算値がLL-Flag ON時間閾値に達している。したがって、
図4(b)に示すように、状態信号出力部104が材料供給制御部36に出力しているLL-Flag状態信号はバルブOPEN時間積算値がLL-Flag ON時間閾値に達した後、レシピ実行が終了したタイミングでONされている。なお、
図4(b)に示すように、状態信号出力部104が材料供給制御部36に出力しているL-Flag状態信号はバルブOPEN時間積算値がLL-Flag ON時間閾値に達した後、レシピ実行が終了したタイミングでOFFされている。
【0042】
材料供給制御部36の切替制御部124は、メイン制御部22から受信中のLL-Flag状態信号がONされることにより、選択中の材料容器30から次に選択する材料容器30への切り替えを開始する。例えば
図4(b)は選択中の材料容器30Aから次に選択する材料容器30Bへの切り替えを開始する例を示している。
【0043】
選択状態信号出力部126は、選択中の材料容器30から次に選択する材料容器30への切り替えを開始する場合、選択中の材料容器30の選択状態信号をOFFし、次に選択する材料容器30への切り替えが完了すると、次に選択する材料容器30の選択状態信号をONする。
【0044】
例えば
図4(b)では、選択中の材料容器30Aから次に選択する材料容器30Bへの切り替えを開始する場合に、選択中の材料容器30Aの選択状態信号をOFFし、次に選択する材料容器30Bへの切り替えが完了すると、材料容器30Bの選択状態信号をONしている。メイン制御部22の積算部102は、次に選択する材料容器30の選択状態信号がONされると、バルブOPEN時間積算値をクリアする。
【0045】
図5は、パラメータ設定画面の一例のイメージ図である。
図5に示したパラメータ設定画面は、L-Flag ON時間閾値及びLL-Flag ON時間閾値の設定画面の一例である。作業者等は、
図5のパラメータ設定画面からL-Flag ON時間閾値及びLL-Flag ON時間閾値を設定できる。
【0046】
図6は、バルブOPEN時間積算値表示画面の一例のイメージ図である。
図6に示したバルブOPEN時間積算値表示画面は、バルブOPEN時間積算値であるバルブOPEN積算時間現在値を表示する画面の一例であって、バルブOPEN積算時間現在値を変更する操作を作業者等から受け付ける。
【0047】
図5のパラメータ設定画面及び
図6のバルブOPEN時間積算値表示画面は、例えば熱処理装置10の操作パネル、熱処理装置10の制御装置など、画面表示が可能な表示部に表示される。画面表示が可能な表示部には、材料容器30の選択状態信号、L-Flag状態信号、及びLL-Flag状態信号などの各信号の状態を作業者等に確認させる信号表示画面を表示してもよい。
【0048】
図7は本実施形態に掛かるメイン制御部及び材料供給制御部の処理手順の一例を示したフローチャートである。ステップS10において、状態信号出力部104は積算部102が積算したバルブOPEN時間(バルブOPEN時間積算値)とL-Flag ON時間閾値とを比較する。
【0049】
ステップS12において、状態信号出力部104はバルブOPEN時間積算値がL-Flag ON時間閾値を超えたか否かを判定する。バルブOPEN時間積算値がL-Flag ON時間閾値を超えていなければ、状態信号出力部104はステップS10の処理に戻る。
【0050】
バルブOPEN時間積算値がL-Flag ON時間閾値を超えていれば、状態信号出力部104はステップS14の処理に進み、L-Flag状態信号をONする。ステップS14においてL-Flag状態信号がONされることにより、材料供給装置12は次に選択する材料容器30の加温を開始する。
【0051】
また、ステップS16において、状態信号出力部104はバルブOPEN時間積算値とLL-Flag ON時間閾値とを比較すると共に、レシピ実行中であるか否かの確認を行う。
【0052】
ステップS18において、状態信号出力部104はバルブOPEN時間積算値がL-Flag ON時間閾値を超え、かつレシピ実行中でない、という条件を満たしているか否かを判定する。条件を満たしていないと判定すると、状態信号出力部104はステップS16の処理に戻る。
【0053】
条件を満たしていると判定すると、状態信号出力部104はステップS20の処理に進み、L-Flag状態信号をOFF、LL-Flag状態信号をONする。材料供給装置12はLL-Flag状態信号がONされることにより、次に選択する材料容器30への切り替えを開始する。
【0054】
ステップS22において、積算部102及び状態信号出力部104は、切り替えて新たに選択する材料容器30の選択状態信号がONに変化するまで待機する。材料供給制御部36の選択状態信号出力部126は、選択中の材料容器30から切り替えて新たに選択する材料容器30への切り替えを開始する場合、選択中の材料容器30の選択状態信号をOFFする。また、選択状態信号出力部126は新たに選択する材料容器30への切り替えが完了すると、新たに選択する材料容器30の選択状態信号をONする。
【0055】
切り替えて新たに選択する材料容器30の選択状態信号がONに変化すると、状態信号出力部104はステップS24において、LL-Flag状態信号をOFFする。積算部102はステップS24において、バルブOPEN時間積算値をクリアする。
【0056】
以上、本実施形態によれば、バルブOPEN時間積算値とL-Flag ON時間閾値及びLL-Flag ON時間閾値とを用いた制御により、熱処理装置10に原料ガスを供給する複数の材料容器30を自動的に切り替える技術を提供できる。
【0057】
なお、本実施形態に掛かる熱処理システム1は、材料容器30が原料ガスを供給可能状態となるとONするディスペンスレディ信号などを、材料供給制御部36からメイン制御部22に出力するようにしてもよい。この場合、レシピにはディスペンスレディ信号のONを待つステップアップ条件を設定するようにしてもよい。
【0058】
また、本実施形態に掛かる熱処理システム1は、LL-Flag状態信号がONしてから材料容器30の切り替えタイムアウト時間以内に、切り替え先の材料容器30の選択状態信号がONしなければ、アラームを発報するようにしてもよい。また、本実施形態に掛かる熱処理システム1は、LL-Flag状態信号がONしたときの材料容器30の選択状態信号により選択中の材料容器30を確認し、選択中の材料容器30が無いか、又は複数の材料容器30が選択中の場合に、アラームを発報するようにしてもよい。
【0059】
[第2の実施形態]
第2の実施形態に掛かる熱処理システム1は、バルブOPEN時間積算値と材料容器30の温度設定信号とを用いた制御により、熱処理装置10に原料ガスを供給する材料容器30の設定温度を自動的に調整する技術を提供する。なお、第2の実施形態は一部を除いて第1の実施形態と同様であるため、適宜説明を省略する。
【0060】
熱処理システム1の構成例は
図1と同様である。
図1に示したメイン制御部22及び材料供給制御部36は、
図2のハードウェア構成のコンピュータ500がプログラムに従い処理を実行することで、
図8の各種機能を実現できる。メイン制御部22及び材料供給制御部36の機能構成例について、
図8を参照して説明する。
【0061】
図8は、本実施形態に掛かるメイン制御部及び材料供給制御部の機能構成の一例を示す図である。メイン制御部22は、バルブ開閉指示信号出力部100、積算部102、状態信号出力部104、温度設定信号出力部106、及び温度制御テーブル記憶部108を有する。材料供給制御部36は、温度制御部120、バルブ制御部122、切替制御部124、選択状態信号出力部126、及び温度状態信号出力部128を有する。なお、
図8の機能構成は本実施形態の説明に不要な機能構成について適宜省略している。
【0062】
図8のメイン制御部22は、
図3のメイン制御部22に温度制御テーブル記憶部108が追加された構成である。温度制御テーブル記憶部108は、バルブオープン時間積算値と材料容器30の設定温度とを対応付けた温度制御テーブルを記憶する。温度制御テーブルは温度制御情報の一例である。
【0063】
温度設定信号出力部106は、積算部102が積算したバルブOPEN時間積算値に対応する設定温度を温度制御テーブル記憶部108から読み出す。温度設定信号出力部106は読み出した設定温度を、選択中の材料容器30の設定温度として温度設定信号を出力することで、材料供給装置12の選択中の材料容器30の設定温度を、バルブOPEN時間積算値に応じて変化させる。また、温度設定信号出力部106は、材料供給装置12の選択中以外の材料容器30の設定温度が、選択中の材料容器30と異なるように、温度設定信号を出力する。
【0064】
材料供給制御部36は、メイン制御部22から受信した材料容器30ごとの温度設定信号に従って、材料容器30ごとに設定温度を指定する。例えば温度制御部120はメイン制御部22から受信した選択中の材料容器30の温度設定信号に従って、選択中の材料容器30の設定温度をバルブOPEN時間積算値に応じて変化させる。また、例えば温度制御部120は、メイン制御部22から受信した選択中以外の材料容器30の温度設定信号に従って、選択中以外の材料容器30の設定温度を変化させる。
【0065】
また、温度制御部120は材料容器30ごとに指定された設定温度に従って、選択中の材料容器30及び選択中以外の材料容器30の温度を制御する。例えば、温度制御部120は選択中の材料容器30に対して指定された設定温度に従って、選択中の材料容器30の温度がバルブOPEN時間積算値に応じて変化するように、選択中の材料容器30の加温を制御する。
【0066】
温度制御テーブル記憶部108は、例えば
図9に示すような構成の温度制御テーブルを記憶する。
図9は温度制御テーブル記憶部に記憶された温度制御テーブルの一例の構成図である。
【0067】
図9の温度制御テーブルは、バルブOPEN時間積算値と材料容器30の設定温度とを対応付けた温度制御テーブルを記憶する。
図9は、100行分のデータ例である。
図9の温度制御テーブルは、例えば温度制御テーブル用の編集画面を設け、作業者が編集できるようにしてもよい。また、
図9の温度制御テーブルは、指定フォーマットの外部ファイルからデータ取込を行えるようにしてもよい。
【0068】
図9の温度制御テーブルは、材料容器30内の材料の減少と関連のあるバルブOPEN時間積算値を材料容器30の設定温度と対応付けることで、材料容器30内の材料の減少による供給圧の低下を相殺するように、材料容器30の設定温度を制御できる。例えば
図9の温度制御テーブルは、バルブOPEN時間積算値が大きくなるほど、選択中の材料容器30の設定温度が高くなるように、バルブOPEN時間積算値と、選択中の材料容器30の設定温度と、が対応付けられている。
【0069】
また、
図9の温度制御テーブルの一部は、選択中以外の材料容器30の設定温度として利用してもよい。例えば最小のバルブOPEN時間積算値(
図9の温度制御テーブルの例では0)と対応付けられた設定温度は選択中以外の材料容器30の設定温度、後述の「READY HOT」状態の設定温度として利用してもよい。
【0070】
また、温度制御テーブルを利用する温度設定信号出力部106は、現在のバルブOPEN時間積算値が、温度制御テーブルに設定されているバルブOPEN時間積算値の行間にある場合に、前後の設定温度を線形補間して算出した設定温度を使用してもよい。
【0071】
図10は材料容器に適用される設定温度の一例の説明図である。
図10(a)は材料容器A及び材料容器Bの選択状態の一例を表したタイミング図である。
図10(b)は材料容器A及び材料容器Bの設定温度の一例を表したタイミング図である。
図10(c)は材料容器A及び材料容器Bの最終的な設定温度の一例を表したタイミング図である。
【0072】
図10において「READY HOT」は、次に選択する材料容器30として加温が開始された状態である。
図10において「READY COLD」は、材料供給装置12側の温度(ベース温度)で制御されている状態である。
図10において「選択中」は、原料ガスを熱処理装置10に供給する材料容器30として選択中であり、バルブOPEN時間積算値(積算時間)に対応する設定温度で制御されている状態である。
【0073】
図10(a)に示すように、次に選択する材料容器30の状態は、L-Flag状態信号がONされることにより「READY COLD」から「READY HOT」に遷移する。また、次に選択する材料容器30の状態は、LL-Flag状態信号がONされることにより「READY HOT」から「選択中」に遷移する。材料が空になった材料容器30は、例えば作業者が材料を充填する作業や、材料が充填されている材料容器30に交換する作業などを行い、次に選択する材料容器30として準備する。次に選択する材料容器30として準備された材料容器30は「READY COLD」状態となる。
【0074】
図10では、「READY COLD」状態の設定温度と「READY HOT」状態の設定温度とが同じ温度であり、温度制御テーブルの積算時間「0」の設定温度である例を示している。このように、本実施形態では材料容器30が貯留している材料の減少により供給圧が低下しないように、選択中の材料容器30の設定温度を、バルブOPEN時間積算値(積算時間)に応じて自動的に切り替えることができる。
【0075】
図11は本実施形態に掛かる材料容器の設定温度をバルブOPEN時間積算値に応じて自動的に切り替える処理手順の一例を示したフローチャートである。ステップS50において、メイン制御部22の温度設定信号出力部106は、材料供給制御部36から出力されている材料容器30の選択状態信号に基づき、選択中の材料容器30を判断する。
【0076】
ステップS52において、温度設定信号出力部106は積算部102からバルブOPEN時間積算値を取得する。ステップS54において、温度設定信号出力部106は温度制御テーブル記憶部108に記憶されている例えば
図9の温度制御テーブルから、ステップS52で取得したバルブOPEN時間積算値に対応する設定温度を読み出す。
【0077】
ステップS56において、温度設定信号出力部106はステップS54で読み出した設定温度を、選択中の材料容器30の設定温度として、材料供給制御部36に温度設定信号を出力する。これにより、材料供給制御部36の温度制御部120はメイン制御部22から受信した選択中の材料容器30の温度設定信号に従って、選択中の材料容器30が設定温度となるように制御できる。
【0078】
また、ステップS58において、温度設定信号出力部106は選択中以外の材料容器30の設定温度に応じた温度設定信号を材料供給制御部36に出力する。これにより、材料供給制御部36の温度制御部120はメイン制御部22から受信した選択中以外の材料容器30の温度設定信号に従って、選択中以外の材料容器30が設定温度となるように制御できる。
【0079】
ステップS60において、温度設定信号出力部106は材料供給制御部36から出力されている材料容器30の選択状態信号に基づき、選択中の材料容器30の切り替えの有無を判定する。選択中の材料容器30の切り替えがなければ、温度設定信号出力部106はステップS52の処理に戻り、ステップS52~S60の処理を繰り返す。また、選択中の材料容器30の切り替えがあれば、温度設定信号出力部106はステップS50の処理に戻り、ステップS50~S60の処理を繰り返す。なお、
図11のフローチャートの処理手順は一例であって、例えばステップS60の選択中の材料容器30の切り替えの有無の判定を省略し、ステップS58の処理からステップS50の処理に戻るような処理手順であってもよい。
【0080】
以上、本実施形態によれば、バルブOPEN時間積算値と材料容器30の温度設定信号とを用いた制御により、熱処理装置10に原料ガスを供給する材料容器30の設定温度を自動的に調整する技術を提供できる。
【0081】
また、本実施形態に掛かる熱処理システム1によれば、複数の材料容器30を有する材料供給装置12側に、材料の残量を確認する仕組みが無くても、バルブOPEN時間積算値から選択中の材料容器30の材料の残量を推定し、熱処理装置10に原料ガスを供給する材料容器30を自動的に切り替える技術を提供できる。
【0082】
さらに、本実施形態に掛かる熱処理システム1によれば、複数の材料容器30を有する材料供給装置12側に、材料の残量を確認する仕組みが無くても、バルブOPEN時間積算値から選択中の材料容器30の材料の残量を推定し、材料容器30の供給圧を維持するように設定温度を自動的に調整する技術を提供できる。
【0083】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0084】
例えば処理容器20が2つある熱処理システム1の場合は、材料供給装置12の材料容器30を3つ設け、それぞれの処理容器20に原料ガスを供給するために2つの材料容器30を選択し、残りの1つの材料容器30を次に選択する材料容器30とする。このような運用により、処理容器20が2つある熱処理システム1は、選択中の2つの材料容器30のうち、材料が無くなった材料容器30を次に選択する材料容器30に切り替え、材料が無くなった材料容器30に材料を充填できるため、生産性を落とすことがない。
【符号の説明】
【0085】
1 熱処理システム
10 熱処理装置
12 材料供給装置
14 供給路
20 処理容器
22 メイン制御部
30、30A、30B 材料容器
32A、32B 加熱部
36 材料供給制御部
38A1~38A3、38B1~38B3 バルブ
100 バルブ開閉指示信号出力部
102 積算部
104 状態信号出力部
106 温度設定信号出力部
108 温度制御テーブル記憶部
120 温度制御部
122 バルブ制御部
124 切替制御部
126 選択状態信号出力部
128 温度状態信号出力部