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特開2023-21906偏光板用の保護フィルムの端部の回収装置および回収方法、偏光板用の保護フィルムの製造装置および製造方法、偏光板の製造装置および製造方法
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  • 特開-偏光板用の保護フィルムの端部の回収装置および回収方法、偏光板用の保護フィルムの製造装置および製造方法、偏光板の製造装置および製造方法 図1
  • 特開-偏光板用の保護フィルムの端部の回収装置および回収方法、偏光板用の保護フィルムの製造装置および製造方法、偏光板の製造装置および製造方法 図2
  • 特開-偏光板用の保護フィルムの端部の回収装置および回収方法、偏光板用の保護フィルムの製造装置および製造方法、偏光板の製造装置および製造方法 図3
  • 特開-偏光板用の保護フィルムの端部の回収装置および回収方法、偏光板用の保護フィルムの製造装置および製造方法、偏光板の製造装置および製造方法 図4
  • 特開-偏光板用の保護フィルムの端部の回収装置および回収方法、偏光板用の保護フィルムの製造装置および製造方法、偏光板の製造装置および製造方法 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023021906
(43)【公開日】2023-02-14
(54)【発明の名称】偏光板用の保護フィルムの端部の回収装置および回収方法、偏光板用の保護フィルムの製造装置および製造方法、偏光板の製造装置および製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29B 17/04 20060101AFI20230207BHJP
   B26D 7/18 20060101ALI20230207BHJP
   B26D 1/24 20060101ALI20230207BHJP
   B02C 18/00 20060101ALI20230207BHJP
   B29C 48/08 20190101ALI20230207BHJP
【FI】
B29B17/04
B26D7/18 E
B26D1/24 C
B02C18/00 106Z
B29C48/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2022056712
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390013745
【氏名又は名称】株式会社ホーライ
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132252
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 環
(74)【代理人】
【識別番号】100221512
【弁理士】
【氏名又は名称】山中 誠司
(72)【発明者】
【氏名】西本 侑真
(72)【発明者】
【氏名】吉田 雄一
(72)【発明者】
【氏名】山脇 利宏
【テーマコード(参考)】
3C021
4D065
4F207
4F401
【Fターム(参考)】
3C021FC01
4D065DD30
4D065EB14
4D065EB20
4D065ED04
4D065ED06
4D065ED14
4D065EE04
4F207AA01
4F207AA03
4F207AA12
4F207AA21
4F207AA24
4F207AA28
4F207AG01
4F207KA01
4F207KA17
4F207KK64
4F207KL84
4F207KW21
4F207KW23
4F207KW45
4F401AA02
4F401AA08
4F401AA17
4F401AA22
4F401AA23
4F401AC20
4F401AD07
4F401CA13
4F401CA14
4F401CA80
4F401CA82
4F401CB18
4F401CB24
4F401CB33
(57)【要約】
【課題】人手を要さずに保護フィルムの端部を回収でき、また、保護フィルムの製造ラインにも組み込むことができる保護フィルムの端部の回収装置を提供する。
【解決手段】偏光板用の保護フィルムの端部の回収装置は、偏光板用の保護フィルムを搬送する搬送ローラと、前記保護フィルムの搬送方向に沿って前記保護フィルムの幅方向の端部を切断する切断部と、前記切断部により切断された前記保護フィルムの端部である切断端部を吸い込む吸込管と、前記吸込管の下流側に接続され、前記吸込管に吸込空気を発生させる吸引機と、前記吸込管の下流側に接続され、前記吸込管から吸い込まれた前記切断端部を粉砕する粉砕機と、前記吸込管と前記粉砕機を連結する連結管とを備え、
前記連結管は、横倒しのS字状である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
偏光板用の保護フィルムを搬送する搬送ローラと、
前記保護フィルムの搬送方向に沿って前記保護フィルムの幅方向の端部を切断する切断部と、
前記切断部により切断された前記保護フィルムの端部である切断端部を吸い込む吸込管と、
前記吸込管の下流側に接続され、前記吸込管に吸込空気を発生させる吸引機と、
前記吸込管の下流側に接続され、前記吸込管から吸い込まれた前記切断端部を粉砕する粉砕機と、
前記吸込管と前記粉砕機を連結する連結管と
を備え、
前記連結管は、横倒しのS字状である、偏光板用の保護フィルムの端部の回収装置。
【請求項2】
前記連結管の内面は、凹凸形状を有する、請求項1に記載の偏光板用の保護フィルムの端部の回収装置。
【請求項3】
原料からシート状の偏光板用の保護フィルムを作製する作製装置と、
前記作製装置により作製された前記保護フィルムから端部を切断して回収する、請求項1または2に記載の偏光板用の保護フィルムの端部の回収装置と、
前記回収装置により端部が回収された前記保護フィルムを製品として巻き取る巻取装置と
を備える、偏光板用の保護フィルムの製造装置。
【請求項4】
偏光板用の保護フィルムを搬送する搬送工程と、
前記保護フィルムの搬送方向に沿って前記保護フィルムの幅方向の端部を切断する切断工程と、
前記切断工程で切断された前記保護フィルムの端部である切断端部を吸込管から吸い込む吸込工程と、
前記吸込工程で前記吸込管から吸い込まれた前記切断端部を、連結管を介して粉砕機に送り込み、前記粉砕機により粉砕する粉砕工程と
を備え、
前記連結管は、横倒しのS字状である、偏光板用の保護フィルムの端部の回収方法。
【請求項5】
原料からシート状の偏光板用の保護フィルムを作製する作製工程と、
請求項4に記載の回収方法により前記保護フィルムの端部を回収する回収工程と、
前記回収工程で端部が回収された前記保護フィルムを製品として巻き取る巻取工程と
を備える、偏光板用の保護フィルムの製造方法。
【請求項6】
保護フィルムと偏光フィルムを有する偏光板の製造装置であって、
原料からシート状の前記保護フィルムを作製する作製装置と、
前記保護フィルムの端部を回収する回収装置と、
前記回収装置で端部が回収された前記保護フィルムを巻き取る巻取装置と、
前記巻取装置で巻き取られた前記保護フィルムを送り出す送出装置と、
前記偏光フィルムを供給する供給装置と、
前記送出装置で送り出された前記保護フィルムと前記供給装置で供給された前記偏光フィルムとを粘接着剤層を介して貼合する貼合装置と
を備え、
前記回収装置は、
前記保護フィルムを搬送する搬送ローラと、
前記保護フィルムの搬送方向に沿って前記保護フィルムの幅方向の端部を切断する切断部と、
前記切断部により切断された前記保護フィルムの端部である切断端部を吸い込む吸込管と、
前記吸込管の下流側に接続され、前記吸込管に吸込空気を発生させる吸引機と、
前記吸込管の下流側に接続され、前記吸込管から吸い込まれた前記切断端部を粉砕する粉砕機と、
前記吸込管と前記粉砕機を連結する連結管と
を備え、
前記連結管は、横倒しのS字状である、偏光板の製造装置。
【請求項7】
保護フィルムと偏光フィルムを有する偏光板の製造方法であって、
原料からシート状の前記保護フィルムを作製する作製工程と、
前記保護フィルムの端部を回収する回収工程と、
前記回収工程で端部が回収された前記保護フィルムを巻き取る巻取工程と、
前記巻取工程で巻き取られた前記保護フィルムを送り出す送出工程と、
前記偏光フィルムを供給する供給工程と、
前記送出工程で送り出された前記保護フィルムと前記供給工程で供給された前記偏光フィルムとを粘接着剤層を介して貼合する貼合工程と
を備え、
前記回収工程は、
前記保護フィルムを搬送する搬送工程と、
前記保護フィルムの搬送方向に沿って前記保護フィルムの幅方向の端部を切断する切断工程と、
前記切断工程で切断された前記保護フィルムの端部である切断端部を吸込管から吸い込む吸込工程と、
前記吸込工程で前記吸込管から吸い込まれた前記切断端部を、連結管を介して粉砕機に送り込み、前記粉砕機により粉砕する粉砕工程と
を備え、
前記連結管は、横倒しのS字状である、偏光板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光板用の保護フィルムの端部の回収装置および回収方法、偏光板用の保護フィルムの製造装置および製造方法、偏光板の製造装置および製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特開2012-131208号公報(特許文献1)に示されるように、偏光板用保護フィルムなどの光学フィルムの製造において、光学フィルムの製品幅に合わせて光学フィルムの端部が切断されていた。そして、この切断された光学フィルムの端部(以下、切断端部という。)を巻取ローラにより巻き取る方法が多く用いられていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-131208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記従来のような方法では、切断端部は、巻取ローラにより所定量だけ巻き取られた後に、作業者により回収されることが多い。この場合、作業者は、切断端部を所定量ごとに回収する必要があり、手間を要していた。また、切断端部を巻取ローラにより巻き取っている際に、切断端部が巻取ローラの張力により破断するおそれがあり、作業者は、再度、切断端部を巻取ローラに巻き付ける必要があり、手間を要していた。
【0005】
さらに、巻取ローラに巻き取られた切断端部の回収の都度、巻取ローラによる切断端部の巻取作業を一時的に停止しなければならず、切断端部の回収を保護フィルムの製造ラインに組み込むことは、保護フィルムの製造ライン全体を停止する必要があり、困難であった。
【0006】
そこで、本開示は、人手を要さずに保護フィルムの端部を回収でき、また、保護フィルムの製造ラインにも組み込むことができる保護フィルムの端部の回収装置および回収方法と、製品としての保護フィルムを容易かつ短時間で製造することができる保護フィルムの製造装置および製造方法とを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本開示の一態様である偏光板用の保護フィルムの端部の回収装置は、
偏光板用の保護フィルムを搬送する搬送ローラと、
前記保護フィルムの搬送方向に沿って前記保護フィルムの幅方向の端部を切断する切断部と、
前記切断部により切断された前記保護フィルムの端部である切断端部を吸い込む吸込管と、
前記吸込管の下流側に接続され、前記吸込管に吸込空気を発生させる吸引機と、
前記吸込管の下流側に接続され、前記吸込管から吸い込まれた前記切断端部を粉砕する粉砕機と、
前記吸込管と前記粉砕機を連結する連結管と
を備え、
前記連結管は、横倒しのS字状である。
【0008】
前記態様によれば、連結管は、横倒しのS字状であるので、下方に凸となるように湾曲した谷部を有する。このように、連結管は、谷部を有するので、吸込管から吸い込まれた切断端部は、粉砕機に送り込まれる前に、谷部の内面に接触する。これにより、切断端部は、谷部の内面に接触した状態で粉砕機に送り込まれる。したがって、切断端部が、粉砕機により粉砕されている際、粉砕機の振動が、切断端部に伝播されても、粉砕機の振動は、谷部の内面に阻止されて、切断端部の上流側の保護フィルムに伝播し難くなる。この結果、保護フィルムを安定して搬送しながら、切断端部を粉砕機に送り込むことができる。
【0009】
また、連結管は、横倒しのS字状であるので、谷部の下流側に、さらに上方に凸となるように湾曲した山部を有する。このように、連結管は、さらに山部を有するので、吸込管から吸い込まれた切断端部は、粉砕機に送り込まれる前に、谷部および山部の内面に接触する。これにより、切断端部は、谷部および山部の内面に接触した状態で粉砕機に送り込まれる。したがって、粉砕機の振動が、切断端部に伝播されても、粉砕機の振動は、谷部および山部の内面に阻止されて、切断端部の上流側の保護フィルムに対してより伝播し難くなる。この結果、保護フィルムをより安定して搬送しながら、切断端部を粉砕機に送り込むことができる。
【0010】
したがって、保護フィルムの端部を連続的に回収することができるので、人手を要さずに保護フィルムの端部を回収できる。また、保護フィルムの端部を連続的に回収することができるので、保護フィルムの端部の回収作業を停止する必要がなく、保護フィルムの端部の回収を保護フィルムの製造ラインにも組み込むことができる。
【0011】
好ましくは、偏光板用の保護フィルムの端部の回収装置では、前記連結管の内面は、凹凸形状を有する。
【0012】
前記実施形態によれば、連結管の内面は、凹凸形状を有するので、切断端部が連結管の内面に貼り付くことを防止でき、切断端部を粉砕機内に円滑に送り込むことができる。
【0013】
また、本開示の一態様である偏光板用の保護フィルムの製造装置は、
原料からシート状の偏光板用の保護フィルムを作製する作製装置と、
前記作製装置により作製された前記保護フィルムから端部を切断して回収する、前記偏光板用の保護フィルムの端部の回収装置と、
前記回収装置により端部が回収された前記保護フィルムを製品として巻き取る巻取装置と
を備える。
【0014】
前記態様によれば、製品としての保護フィルムを容易かつ短時間で製造することができる。
【0015】
また、本開示の一態様である偏光板用の保護フィルムの端部の回収方法は、
偏光板用の保護フィルムを搬送する搬送工程と、
前記保護フィルムの搬送方向に沿って前記保護フィルムの幅方向の端部を切断する切断工程と、
前記切断工程で切断された前記保護フィルムの端部である切断端部を吸込管から吸い込む吸込工程と、
前記吸込工程で前記吸込管から吸い込まれた前記切断端部を、連結管を介して粉砕機に送り込み、前記粉砕機により粉砕する粉砕工程と
を備え、
前記連結管は、横倒しのS字状である。
【0016】
前記態様によれば、連結管は、横倒しのS字状であるので、下方に凸となるように湾曲した谷部を有する。このように、連結管は、谷部を有するので、吸込管から吸い込まれた切断端部は、粉砕機に送り込まれる前に、谷部の内面に接触する。これにより、切断端部は、谷部の内面に接触した状態で粉砕機に送り込まれる。したがって、切断端部が、粉砕機により粉砕されている際、粉砕機の振動が、切断端部に伝播されても、粉砕機の振動は、谷部の内面に阻止されて、切断端部の上流側の保護フィルムに伝播し難くなる。この結果、保護フィルムを安定して搬送しながら、切断端部を粉砕機に送り込むことができる。
【0017】
また、連結管は、横倒しのS字状であるので、谷部の下流側に、さらに上方に凸となるように湾曲した山部を有する。このように、連結管は、さらに山部を有するので、吸込管から吸い込まれた切断端部は、粉砕機に送り込まれる前に、谷部および山部の内面に接触する。これにより、切断端部は、谷部および山部の内面に接触した状態で粉砕機に送り込まれる。したがって、粉砕機の振動が、切断端部に伝播されても、粉砕機の振動は、谷部および山部の内面に阻止されて、切断端部の上流側の保護フィルムに対してより伝播し難くなる。この結果、保護フィルムをより安定して搬送しながら、切断端部を粉砕機に送り込むことができる。
【0018】
したがって、保護フィルムの端部を連続的に回収することができるので、人手を要さずに保護フィルムの端部を回収できる。また、保護フィルムの端部を連続的に回収することができるので、保護フィルムの端部の回収作業を停止する必要がなく、保護フィルムの端部の回収を保護フィルムの製造ラインにも組み込むことができる。
【0019】
また、本開示の一態様である偏光板用の保護フィルムの製造方法は、
原料からシート状の偏光板用の保護フィルムを作製する作製工程と、
前記回収方法により前記保護フィルムの端部を回収する回収工程と、
前記回収工程で端部が回収された前記保護フィルムを製品として巻き取る巻取工程と
を備える。
【0020】
前記態様によれば、製品としての保護フィルムを容易かつ短時間で製造することができる。
【0021】
また、本開示の一態様である偏光板の製造装置は、
保護フィルムと偏光フィルムを有する偏光板の製造装置であって、
原料からシート状の前記保護フィルムを作製する作製装置と、
前記保護フィルムの端部を回収する回収装置と、
前記回収装置で端部が回収された前記保護フィルムを巻き取る巻取装置と、
前記巻取装置で巻き取られた前記保護フィルムを送り出す送出装置と、
前記偏光フィルムを供給する供給装置と、
前記送出装置で送り出された前記保護フィルムと前記供給装置で供給された前記偏光フィルムとを粘接着剤層を介して貼合する貼合装置と
を備え、
前記回収装置は、
前記保護フィルムを搬送する搬送ローラと、
前記保護フィルムの搬送方向に沿って前記保護フィルムの幅方向の端部を切断する切断部と、
前記切断部により切断された前記保護フィルムの端部である切断端部を吸い込む吸込管と、
前記吸込管の下流側に接続され、前記吸込管に吸込空気を発生させる吸引機と、
前記吸込管の下流側に接続され、前記吸込管から吸い込まれた前記切断端部を粉砕する粉砕機と、
前記吸込管と前記粉砕機を連結する連結管と
を備え、
前記連結管は、横倒しのS字状である。
【0022】
前記態様によれば、偏光板を容易かつ短時間で製造することができる。
【0023】
また、本開示の一態様である偏光板の製造装置は、
保護フィルムと偏光フィルムを有する偏光板の製造方法であって、
原料からシート状の前記保護フィルムを作製する作製工程と、
前記保護フィルムの端部を回収する回収工程と、
前記回収工程で端部が回収された前記保護フィルムを巻き取る巻取工程と、
前記巻取工程で巻き取られた前記保護フィルムを送り出す送出工程と、
前記偏光フィルムを供給する供給工程と、
前記送出工程で送り出された前記保護フィルムと前記供給工程で供給された前記偏光フィルムとを粘接着剤層を介して貼合する貼合工程と
を備え、
前記回収工程は、
前記保護フィルムを搬送する搬送工程と、
前記保護フィルムの搬送方向に沿って前記保護フィルムの幅方向の端部を切断する切断工程と、
前記切断工程で切断された前記保護フィルムの端部である切断端部を吸込管から吸い込む吸込工程と、
前記吸込工程で前記吸込管から吸い込まれた前記切断端部を、連結管を介して粉砕機に送り込み、前記粉砕機により粉砕する粉砕工程と
を備え、
前記連結管は、横倒しのS字状である。
【0024】
前記態様によれば、偏光板を容易かつ短時間で製造することができる。
【発明の効果】
【0025】
本開示の一態様である偏光板用の保護フィルムの端部の回収装置および回収方法によれば、人手を要さずに保護フィルムの端部を回収でき、また、保護フィルムの製造ラインにも組み込むことができる。
【0026】
本開示の一態様である偏光板用の保護フィルムの製造装置および製造方法によれば、製品としての保護フィルムを容易かつ短時間で製造することができる。
【0027】
本開示の一態様である偏光板の製造装置および製造方法によれば、偏光板を容易かつ短時間で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】偏光板用の保護フィルムの製造装置および偏光板用の保護フィルムの端部の回収装置の実施形態を示す概略図である。
図2】偏光板用の保護フィルムの端部の回収装置の実施形態を示す概略平面図である。
図3】連結管の一部断面の拡大図である。
図4】連結管の内面の拡大図である。
図5】偏光板の製造装置の実施形態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本開示の一態様である偏光板用の保護フィルムの端部の回収装置および回収方法、偏光板用の保護フィルムの製造装置および製造方法、偏光板の製造装置および製造方法を図示の実施の形態により詳細に説明する。なお、図面は一部模式的なものを含み、実際の寸法や比率を反映していない場合がある。
【0030】
<実施形態>
[概要構成]
図1は、偏光板用の保護フィルムの製造装置および偏光板用の保護フィルムの端部の回収装置の実施形態を示す概略図である。図2は、偏光板用の保護フィルムの端部の回収装置の実施形態を示す概略平面図である。この明細書において、下方とは、鉛直方向(重力方向)の下方向をいい、上方とは、鉛直方向(重力方向)の上方向をいう。
【0031】
図1図2に示すように、偏光板用の保護フィルムの製造装置1は、作製装置2と、偏光板用の保護フィルムの端部の回収装置(以下、回収装置3という。)と、巻取装置4とを備える。
【0032】
作製装置2は、原料からシート状の保護フィルム(以下、シート状保護フィルム10という。)を作製する。回収装置3は、作製装置2により作製されたシート状保護フィルム10から端部を切断して回収する。巻取装置4は、回収装置3により端部を回収された保護フィルム(以下、保護フィルム本体12という。)を製品として巻き取る。
【0033】
ここで、シート状保護フィルム10は、端部切断加工前の保護フィルムである。保護フィルム本体12は、端部切断後の保護フィルムであって、以降、製品として扱われる。
【0034】
回収装置3は、搬送ローラ21,22と、切断部31と、吸込管50と、吸引機61と、粉砕機62と、連結管70とを備える。
【0035】
搬送ローラ21,22は、シート状保護フィルム10を搬送方向Aに沿って搬送する。
切断部31は、シート状保護フィルム10の搬送方向Aに沿ってシート状保護フィルム10の幅方向Bの端部10aを切断する。幅方向Bとは、シート状保護フィルム10の長手方向(搬送方向A)に直交する方向である。
【0036】
吸込管50は、切断部31により切断されたシート状保護フィルム10の端部10aである切断端部11を吸い込む。切断端部11は、耳材とも呼ばれ、保護フィルムの製品幅に合わせて切断された不要材である。
【0037】
吸引機61は、吸込管50の下流側に接続され、吸込管50に吸込空気を発生させる。下流側とは、吸込方向(吸込空気の流れる方向)の下流側をいう。
【0038】
粉砕機62は、吸込管50の下流側に接続され、吸込管50から吸い込まれた切断端部11を粉砕する。切断端部11は、粉砕後に回収される。
【0039】
連結管70は、吸込管50と粉砕機62を連結する。連結管70は、下方に凸となるように湾曲した谷部75を有する。
【0040】
前記回収装置3によれば、連結管70は、谷部75を有するので、吸込管50から吸い込まれた切断端部11は、粉砕機62に送り込まれる前に、谷部75の内面に接触する。これにより、切断端部11は、谷部75の内面に接触した状態で粉砕機62に送り込まれる。したがって、切断端部11が、粉砕機62により粉砕されている際、粉砕機62の振動が、切断端部11に伝播されても、粉砕機62の振動は、谷部75の内面に阻止されて、切断端部11の上流側の保護フィルム(シート状保護フィルム10または保護フィルム本体12)に伝播し難くなる。この結果、保護フィルムを安定して搬送しながら、切断端部11を粉砕機62に送り込むことができる。
【0041】
したがって、保護フィルムの端部を連続的に回収することができるので、人手を要さずに保護フィルムの端部を回収できる。また、保護フィルムの端部を連続的に回収することができるので、保護フィルムの端部の回収作業を停止する必要がなく、保護フィルムの端部の回収を保護フィルムの製造ラインにも組み込むことができる。
【0042】
前記保護フィルムの製造装置1によれば、上記回収装置3を保護フィルムの製造装置1に組み込まれているので、製品としての保護フィルムを容易かつ短時間で製造することができる。
【0043】
(保護フィルム)
保護フィルムは、偏光板に用いられる保護フィルムである。保護フィルムと偏光フィルムとを粘接着剤層を介して貼合して偏光板を形成する。保護フィルムとしては、たとえば、シクロオレフィン系樹脂、酢酸セルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートのようなポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)のようなアクリル系樹脂、ポリプロピレンのようなオレフィン系樹脂などの単層樹脂フィルムを挙げることができる。さらに、前記単層樹脂フィルムに、位相差樹脂フィルムとしての機能、輝度向上樹脂フィルムとしての機能、反射樹脂フィルムとしての機能、半透過反射樹脂フィルムとしての機能、拡散樹脂フィルムとしての機能、光学補償樹脂フィルムとしての機能など、光学的機能を持たせることができる。また前記単層樹脂フィルムの表面に位相差樹脂フィルム、輝度向上樹脂フィルム、反射樹脂フィルム、半透過反射樹脂フィルム、拡散樹脂フィルム、光学補償樹脂フィルムなどの光学機能性樹脂フィルムを積層させた積層樹脂フィルムあってもよい。本発明で用いられる樹脂フィルムの厚みは、たとえば、5~500μmであって、好ましくは10~300μmである。
【0044】
(作製装置2)
作製装置2は、単層もしくは積層の保護フィルムを作製する装置であれば特に限定されない。たとえば、溶融押出法や溶剤キャスト法等で保護フィルムを作製する装置、複数枚の保護フィルムを一対の貼合ロールで貼合し積層保護フィルムを作製する装置、保護フィルムを延伸して延伸保護フィルムを作製する装置、リワインダー装置等であってもよい。
【0045】
(巻取装置4)
巻取装置4は、巻取ローラ40を有する。巻取ローラ40は、保護フィルム本体12を巻き付けてロール状に巻き取る。ロール状に巻き取られた保護フィルム本体12は、以降、製品として回収される。
【0046】
(搬送ローラ21,22)
第1搬送ローラ21は、第2搬送ローラ22よりも、搬送方向Aの上流側に配置されている。第1搬送ローラ21は、上ローラ21aと下ローラ21bとを有する。上ローラ21aと下ローラ21bは、互いに接触してシート状保護フィルム10を挟持しつつ、図示しないモータにより回転してシート状保護フィルム10を搬送方向Aに搬送する。
【0047】
第2搬送ローラ22は、第1搬送ローラ21と同様に、上ローラ22aと下ローラ22bとを有する。上ローラ22aと下ローラ22bは、保護フィルム本体12を挟持しつつ搬送方向Aに搬送する。
【0048】
なお、シート状保護フィルム10を搬送方向Aに搬送できれば、第1搬送ローラ21または第2搬送ローラ22の何れか一方を有していてもよい。
【0049】
(切断部31)
切断部31は、シート状保護フィルム10の搬送方向Aにおいて、第1搬送ローラ21と第2搬送ローラ22の間に配置されている。切断部31は、平面方向からみて、シート状保護フィルム10の幅方向Bの端縁よりも内側に配置されている。つまり、切断部31は、シート状保護フィルム10の端部10aに対向する位置に配置されている。
【0050】
切断部31は、上刃ローラ31aと下刃ローラ31bとを有する。上刃ローラ31aと下刃ローラ31bは、互いに接触してシート状保護フィルム10の端部10aを挟持しつつ、図示しないモータにより回転してシート状保護フィルム10の端部10aを搬送方向Aに沿って切断する。切断部31は、保護フィルムを切断する設備であれば特に限定されず、たとえば、レザー刃、超音波カッター、レーザーカッター等であってもよい。
【0051】
切断部31は、シート状保護フィルム10の両方の端部10aのそれぞれに対向して配置され両方の端部10aのそれぞれを切断しているが、何れか一方の端部10aにのみ配置され一方の端部10aのみを切断するようにしてもよい。また、切断部31は、シート状保護フィルム10の幅方向Bに沿って移動可能に設置され、保護フィルムの製品幅に合わせて位置を調整できるようにしてもよい。
【0052】
(吸込管50)
吸込管50は、切断部31により切断された切断端部11が搬送される方向の下流側に配置されている。具体的に述べると、切断部31により切断された切断端部11は、支持ローラ25に支持され、支持ローラ25の下方に搬送される。吸込管50は、支持ローラ25の下方に配置され、吸込管50の吸込口51は、支持ローラ25から垂れ下がる切断端部11を受ける。吸込管50の吸込口51は、上方に開口し、吸込管50の吐出口52は、下方に開口する。吸込管50の吐出口52は、連結管70に接続される。
【0053】
なお、図2では、便宜上、切断端部11を保護フィルム本体12から離間して描いているが、実際、切断端部11と保護フィルム本体12は、平面方向からみて、重なっていてもよい。
【0054】
(粉砕機62)
粉砕機62は、連結管70を介して、吸込管50に接続されている。吸込管50から吸い込まれた切断端部11は、連結管70を介して、粉砕機62に到達し、粉砕機62により粉砕される。粉砕された切断端部11は、粉砕品として、粉砕機62の下流側に接続された図示しない回収容器に回収される。
【0055】
粉砕機62は、1つであるが、複数の粉砕機を直列に接続してもよく、切断端部11をより細かく粉砕することができる。
【0056】
(吸引機61)
吸引機61は、粉砕機61に接続され、吸込管50から連結管70を介して粉砕機62に向かって吸込空気を発生させる。吸引機61は、例えば、ファンとファンを回転するモータとから構成される。吸引機61は、粉砕機62に接続されるが、吸込管50に吸込空気を発生させることができれば、如何なる場所に接続してもよい。
【0057】
(連結管70)
図3は、連結管70の一部断面の拡大図を示す。図3に示すように、連結管70は、上流側の第1端71と下流側の第2端72とを含む。第1端71は、上方に開口し、第2端72は、下方に開口している。連結管70の第1端71は、吸込管50の吐出口52に接続している。連結管70の第2端72は、粉砕機62に接続している。
【0058】
連結管70は、第1端71と第2端72の間に、谷部75と山部76とを有する。谷部75は、第1端71側に配置されている。山部76は、谷部75の下流側で第2端72側に配置されている。谷部75は、下方に凸となるように湾曲している。山部76は、上方に凸となるように湾曲している。
【0059】
具体的に述べると、連結管70は、下方に凸となる半円の円弧形状の下半円部分70aと、上方に凸となる半円の円弧形状の上半円部分70bとから構成されている。下半円部分70aと上半円部分70bは、第1端71から第2端72に向かって順に、直列に接続されている。つまり、連結管70は、横倒しのS字状であり、これにより、連結管70の構造を簡単にできる。そして、下半円部分70aの最下点を含む近傍部分が、谷部75を構成する。上半円部分70bの最上点を含む近傍部分が、山部76を構成する。
【0060】
このように、連結管70は、谷部75および山部76を有するので、吸込管50から吸い込まれた切断端部11は、粉砕機62に送り込まれる前に、谷部75および山部76の内面73に接触する。つまり、切断端部11は、図3の2点鎖線に示されるように、連結管70の内部を最短距離にて通過することとなり、このため、切断端部11は、特に、谷部75および山部76の内面73に接触し易くなる。
【0061】
これにより、切断端部11は、谷部75および山部76の内面73に接触した状態で粉砕機62に送り込まれる。したがって、粉砕機62の振動が、切断端部11に伝播されても、粉砕機62の振動は、谷部75および山部76の内面73に阻止されて、切断端部11の上流側の保護フィルム(シート状保護フィルム10または保護フィルム本体12)に伝播し難くなる。この結果、保護フィルムを安定して搬送しながら、切断端部11を粉砕機62に送り込むことができる。
【0062】
これに対して、連結管70が、直管(ストレート管)である場合、粉砕機62は、吸込管50の直下に配置されることになる。このとき、吸込管50から吸い込まれた切断端部11は、連結管70の内面73に接触しないで、粉砕機62に送り込まれる。したがって、粉砕機62の振動が、切断端部11に伝播されると、切断端部11の上流側の保護フィルムにも伝播するおそれがある。この結果、保護フィルムを安定して搬送しながら、切断端部11を粉砕機62に送り込むことができない。
【0063】
また、図3に示すように、連結管70は、谷部75を有するので、吸込管70から吸い込まれた切断端部11は、吸込空気により、谷部75の内面73に叩きつけられる。これにより、切断端部11は、破断されて粉砕機62に送り込まれる。したがって、粉砕機62の振動は、切断端部11の上流側の保護フィルムに対してより伝播し難くなる。
【0064】
また、連結管70は、谷部75を有するので、重量のある部品(例えば、ハサミなどの工具)が吸込管50から連結管70内に誤って投入されても、谷部75で留まる。したがって、吸込管50から誤投入された部品の粉砕機62内への進入を阻止でき、粉砕機62の損傷を防止できる。
【0065】
図4は、連結管70の内面73の拡大図を示す。図4に示すように、連結管70の内面73は、好ましくは、凹凸形状を有する。これによれば、切断端部11が連結管70の内面73に貼り付くことを防止でき、切断端部11を粉砕機62内に円滑に送り込むことができる。
【0066】
具体的に述べると、連結管70の内面73は、複数の凸部74を含み、複数の凸部74により凹凸形状を構成する。この場合、切断端部11は、凸部74の頂点に接触することとなり、内面73に対する切断端部11の接触面積を小さくできる。この結果、内面73に対する切断端部11の摩擦抵抗が小さくなり、内面73に対する切断端部11の滑りが滑らかとなり、また、内面73に対する切断端部11の静電気が発生し難くなって、切断端部11の内面73への貼り付きを防止できる。このような観点から、連結管70は、ステンレスから構成されことが好ましい。
【0067】
なお、連結管70の内面73の凹凸形状は、複数の凸部74でなく、複数の凹部により構成してもよく、または、複数の凸部および凹部により構成してもよい。
【0068】
なお、本開示の製造装置は上述の実施形態に限定されず、本開示の要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。例えば、連結管は、下半円部分と上半円部分から構成されるが、円弧形状でなく角部を有していてもよい。また、連結管は、1つの谷部と1つの山部を有しているが、谷部と山部の少なくとも一方の数量を増加してもよく、または、連結管は、山部を設けないで、谷部のみを設けてもよい。
【0069】
[回収方法]
次に、図1図2を用いて保護フィルムの端部の回収方法の一実施形態について説明する。
【0070】
まず、シート状保護フィルム10を搬送する(搬送工程という)。そして、搬送工程により搬送されたシート状保護フィルム10の搬送方向Aに沿ってシート状保護フィルム10の幅方向Bの端部10aを切断する(切断工程という)。その後、切断工程で切断されたシート状保護フィルム10の端部10aである切断端部11を吸込管50から吸い込む(吸込工程という)。そして、吸込工程で吸込管50から吸い込まれた切断端部11を、連結管70を介して粉砕機62に送り込み、粉砕機62により粉砕する(粉砕工程という)。連結管70は、下方に凸となるように湾曲した谷部75を有する。
【0071】
前記回収方法によれば、連結管70は、谷部75を有するので、吸込管50から吸い込まれた切断端部11は、粉砕機62に送り込まれる前に、谷部75の内面に接触する。これにより、切断端部11は、谷部75の内面に接触した状態で粉砕機62に送り込まれる。したがって、切断端部11が、粉砕機62により粉砕されている際、粉砕機62の振動が、切断端部11に伝播されても、粉砕機62の振動は、谷部75の内面に阻止されて、切断端部11の上流側の保護フィルム(シート状保護フィルム10または保護フィルム本体12)に伝播し難くなる。この結果、保護フィルムを安定して搬送しながら、切断端部11を粉砕機62に送り込むことができる。
【0072】
したがって、保護フィルムの端部を連続的に回収することができるので、人手を要さずに保護フィルムの端部を回収できる。また、保護フィルムの端部を連続的に回収することができるので、保護フィルムの端部の回収作業を停止する必要がなく、保護フィルムの端部の回収を保護フィルムの製造ラインにも組み込むことができる。
【0073】
なお、本開示の回収方法は上述の実施形態に限定されず、本開示の要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。例えば、本開示の回収方法は、図1図2の回収装置3により実現されることに限らず、他の異なる装置により実現されてもよい。
【0074】
[保護フィルムの製造方法]
次に、図1図2を用いて保護フィルムの端部の製造方法の一実施形態について説明する。
【0075】
まず、溶融押出法により原料からシート状保護フィルム10を作製する(作製工程という)。そして、上述の回収方法により、作製工程で作製されたシート状保護フィルム10の端部10aを切断して回収する(回収工程という)。その後、回収工程で端部が回収された保護フィルム本体12を製品として巻き取る(巻取工程という)。
【0076】
前記製造方法によれば、上述の回収方法を保護フィルムの製造方法に組み込むことができ、製品としての保護フィルムを容易かつ短時間で製造することができる。
【0077】
なお、本開示の製造方法は上述の実施形態に限定されず、本開示の要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。例えば、本開示の製造方法は、図1図2の製造装置1により実現されることに限らず、他の異なる装置により実現されてもよい。
【0078】
[偏光板の製造装置]
図5は、偏光板の製造装置の実施形態を示す概略図である。図5に示すように、偏光板の製造装置9は、保護フィルム15と偏光フィルム16を含む偏光板17を製造する。具体的に述べると、偏光板の製造装置9は、作製装置2と回収装置3と巻取装置4と送出装置5と供給装置6と貼合装置7とを備える。作製装置2、回収装置3および巻取装置4は、上述の偏光板用の保護フィルムの製造装置1において説明しているため、説明を省略する。
【0079】
送出装置5は、巻取装置4で巻き取られた保護フィルム15を送り出す。送出装置5は、例えば、ローラから構成される。供給装置6は、偏光フィルム16を供給する。供給装置6は、例えば、ローラから構成される。
【0080】
貼合装置7は、送出装置5で送り出された保護フィルム15と供給装置6で供給された偏光フィルム16とを粘接着剤層を介して貼合する。貼合装置7は、例えば、対向する2つのローラから構成される。保護フィルム15と偏光フィルム16は貼合されて、偏光板17が製造される。偏光板17は、巻取装置8で巻き取られる。
【0081】
上記偏光板の製造装置9によれば、上記回収装置3を備えるので、回収装置3を保護フィルムの製造装置1に組み込むことができ、保護フィルムを容易かつ短時間で製造することができ、この結果、偏光板17を容易かつ短時間で製造することができる。
【0082】
[偏光板の製造方法]
次に、図5を用いて偏光板の製造方法の実施形態について説明する。
【0083】
偏光板の製造方法は、作製工程と回収工程と巻取工程と送出工程と供給工程と貼合工程とを備える。作製工程、回収工程および巻取工程は、上述の偏光板用の保護フィルムの製造方法において説明しているため、説明を省略する。
【0084】
送出工程は、巻取工程で巻き取られた保護フィルム15を送り出す。供給工程は、偏光フィルム16を供給する。貼合工程は、送出工程で送り出された保護フィルム15と供給工程で供給された偏光フィルム16とを粘接着剤層を介して貼合する。これにより、偏光板17を製造する。
【0085】
上記偏光板の製造方法によれば、上記回収工程を備えるので、回収工程を保護フィルムの製造方法に組み込むことができ、保護フィルムを容易かつ短時間で製造することができ、この結果、偏光板17を容易かつ短時間で製造することができる。
【0086】
なお、本開示の製造方法は上述の実施形態に限定されず、本開示の要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。例えば、本開示の製造方法は、図5の製造装置9により実現されることに限らず、他の異なる装置により実現されてもよい。
【符号の説明】
【0087】
1 保護フィルムの製造装置
2 作製装置
3 保護フィルムの端部の回収装置
4 巻取装置
5 送出装置
6 供給装置
7 貼合装置
8 巻取装置
9 偏光板の製造装置
10 シート状保護フィルム
10a 端部
11 切断端部
12 保護フィルム本体
15 保護フィルム
16 偏光フィルム
17 偏光板
21,22 第1、第2搬送ローラ
31 切断部
50 吸込管
51 吸込口
52 吐出口
61 吸引機
62 粉砕機
70 連結管
73 内面
74 凸部
75 谷部
76 山部
A 搬送方向
B 幅方向
図1
図2
図3
図4
図5