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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023023997
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】舗装構造及び、舗装方法
(51)【国際特許分類】
   E01C 9/00 20060101AFI20230209BHJP
   B60L 53/12 20190101ALI20230209BHJP
   B60M 7/00 20060101ALI20230209BHJP
   B60L 53/34 20190101ALI20230209BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20230209BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20230209BHJP
   E01C 1/00 20060101ALI20230209BHJP
   E01C 5/06 20060101ALI20230209BHJP
   E01C 5/20 20060101ALI20230209BHJP
【FI】
E01C9/00
B60L53/12
B60M7/00 X
B60L53/34
H02J50/10
H02J7/00 P
H02J7/00 301D
E01C1/00 Z
E01C5/06
E01C5/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021130015
(22)【出願日】2021-08-06
(71)【出願人】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000213
【氏名又は名称】弁理士法人プロスペック特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100171619
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 顕雄
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 剛
(72)【発明者】
【氏名】久保田 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】前野 耕一
(72)【発明者】
【氏名】貝塚 啓
(72)【発明者】
【氏名】眞鍋 博紀
【テーマコード(参考)】
2D051
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
2D051AD05
2D051AF02
2D051AG11
2D051AH01
2D051DA02
2D051DA12
2D051DC01
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503DA08
5G503FA03
5G503FA06
5G503GB01
5G503GB06
5G503GB08
5H125AA01
5H125AC12
5H125FF15
(57)【要約】
【課題】非接触給電システムの道路への設置に関し、舗装面としての強度を担保しつつ、送電効率の低下を効果的に抑制する。
【解決手段】走行中又は停止中の移動体200に非接触で給電を行うための送電コイル110を備える非接触給電システム100を道路Rに設置する舗装構造であって、上方に開放する容器形状に形成されて送電コイル110を収容するとともに、道路Rの舗装層に埋設されるケース10と、ケース10の上部開口を閉塞するとともに、その上面が道路Rの舗装面の一部をなす蓋部材20とを備えており、蓋部材20が繊維強化樹脂又は繊維補強セメント複合材料で形成される。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路を走行可能な移動体に対して、該移動体の走行中又は停止中に非接触で給電を行うための送電コイルを備える非接触給電システムを道路に設置する舗装構造であって、
上方に開放する容器形状に形成されて前記送電コイルを収容するとともに、前記道路の舗装層に埋設されるケースと、
前記ケースの上部開口を閉塞するとともに、その上面が前記道路の舗装面の一部をなす蓋部材と、を備えており、
前記蓋部材が繊維強化樹脂又は、繊維補強セメント複合材料で形成される
ことを特徴とする舗装構造。
【請求項2】
前記送電コイルを前記蓋部材の下面に隣接又は近接させて保持する保持部材をさらに備える
請求項1に記載の舗装構造。
【請求項3】
前記ケースの底部から上方に向かって延びる柱状に形成されるとともに、前記蓋部材の下面を支持する支持部材をさらに備える
請求項1又は2に記載の舗装構造。
【請求項4】
前記蓋部材が前記ケースよりも外側に拡張して形成される
請求項1から3の何れか一項に記載の舗装構造。
【請求項5】
前記ケースの上端から外側に突出するフランジ部をさらに備えており、
前記ケース及び前記蓋部材が、前記フランジ部の下面側から挿入されて前記蓋部材の上面には露出しないボルトによって共締めされることにより固定される
請求項4に記載の舗装構造。
【請求項6】
前記ケース内に延焼防止材が設けられる
請求項1から5の何れか一項に記載の舗装構造。
【請求項7】
前記蓋部材の上面に、該蓋部材の中心側から周縁に向かって下方に傾斜する傾斜面が設けられている
請求項1から6の何れか一項に記載の舗装構造。
【請求項8】
前記傾斜面には、傾斜方向に沿って延びる複数本の凹溝が設けられている
請求項7に記載の舗装構造。
【請求項9】
前記蓋部材の上面には複数本の凹溝が設けられており、該凹溝の溝底面は、前記蓋部材の中心側から周縁に向かって下方に傾斜して形成されている
請求項1から6の何れか一項に記載の舗装構造。
【請求項10】
請求項7又は8に記載の蓋部材を備える舗装構造を用いて前記送電コイルを前記道路に設置する舗装方法であって、
前記ケースを前記道路の舗装層に埋設するステップと、
前記ケースの上部に設置すると前記道路の舗装面と同一高さとなる平坦状の上面を有する仮蓋部材を、前記ケースの上部に設置するステップと、
前記道路の舗装層を転圧機によって転圧するステップと、
前記転圧機による転圧後、前記仮蓋部材を撤去するステップと、
前記仮蓋部材が撤去された前記ケースの上部に前記蓋部材を設置するステップと、を有する
ことを特徴とする舗装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、舗装構造及び、舗装方法に関し、走行中(停止中を含む)の移動体に非接触で給電を行うための非接触給電システムを道路に設置するのに好適な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、蓄電池に充電した電力を電動機に供給し、該電動機の駆動力を用いて走行する電気自動車やハイブリッド車両、水素燃料電池車(以下、これらを電動車両と呼ぶ)が広く普及している。このような電動車両への給電は、電動車両を充電スタンドに駐車させ、電動車両と充電スタンドとをケーブルで接続することにより行うのが一般的である。
【0003】
しかしながら、電動車両を駐車して行う有線の駐車充電は、充電期間中に電動車両を運転することができず、さらには、充電に時間を要するといった課題がある。このため、近年では、電磁誘導や磁気共鳴を利用して、走行中の電動車両に対して非接触で給電を行う技術が種々提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、送電コイルと、格子状に配置した補強用鉄筋とを、コンクリートを用いて一体化した敷設ユニットとし、該敷設ユニットを予め工場で製造することにより、現場でのコンクリートの打設作業を省略できるようにした非接触給電システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-150754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記特許文献1記載の構造において、補強用鉄筋は、送電コイルよりも下側のコンクリートにのみ埋設されており、送電コイルよりも上側のコンクリートには設けられていない。このため、車両等から直接荷重を受ける上側のコンクリートの強度が不足し、耐久性に問題を生じるといった課題がある。また、上記特許文献1記載の構造では、送電コイルがコンクリートに埋設されて一体化したユニットとして形成されるため、メンテナンス性に問題が生じるといった課題もある。
【0007】
一方、送電コイルよりも上側のコンクリートの強度を確保すべく、当該上側コンクリート部分に補強用鉄筋を埋設すると、そのかぶり厚のために上側コンクリート部分が厚く深くなり、送電コイルと受電コイルとのコイル間距離による損失が増大することとなる。また、送電コイルと電動車両側の受電コイルとの間に補強用鉄筋が介在することから、補強用鉄筋によって送電効率が低下するだけでなく、送電コイルから発生する磁界により鉄筋に渦電流が発生することで、鉄筋自体が発熱するともに送電効率を低下させるといった課題もある。
【0008】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、非接触給電システムの道路への設置に関し、舗装面としての強度を担保しつつ、送電効率を効果的に向上することができる舗装構造及び、舗装方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の舗装構造は、
道路を走行可能な移動体に対して、該移動体の走行中又は停止中に非接触で給電を行うための送電コイルを備える非接触給電システムを道路に設置する舗装構造であって、
上方に開放する容器形状に形成されて前記送電コイルを収容するとともに、前記道路の舗装層に埋設されるケースと、
前記ケースの上部開口を閉塞するとともに、その上面が前記道路の舗装面の一部をなす蓋部材と、を備えており、
前記蓋部材が繊維強化樹脂又は、繊維補強セメント複合材料で形成されることを特徴とする。
【0010】
本開示の舗装構造の他の態様は、
前記送電コイルを前記蓋部材の下面に隣接又は近接させて保持する保持部材をさらに備えることが好ましい。
【0011】
本開示の舗装構造の他の態様は、
前記ケースの底部から上方に向かって延びる柱状に形成されるとともに、前記蓋部材の下面を支持する支持部材をさらに備えることが好ましい。
【0012】
本開示の舗装構造の他の態様は、
前記蓋部材が前記ケースよりも外側に拡張して形成されることが好ましい。
【0013】
本開示の舗装構造の他の態様は、
前記ケースの上端から外側に突出するフランジ部をさらに備えており、
前記ケース及び前記蓋部材が、前記フランジ部の下面側から挿入されて前記蓋部材の上面には露出しないボルトによって共締めされることにより固定されることが好ましい。
【0014】
本開示の舗装構造の他の態様は、
前記ケース内に延焼防止材が設けられることが好ましい。
【0015】
本開示の舗装構造の他の態様は、
前記蓋部材の上面に、該蓋部材の中心側から周縁に向かって下方に傾斜する傾斜面が設けられていることが好ましい。
【0016】
本開示の舗装構造の他の態様において、
前記傾斜面には、傾斜方向に沿って延びる複数本の凹溝が設けられていることが好ましい。また、本開示の舗装構造の他の態様において、
前記蓋部材の上面には複数本の凹溝が設けられており、該凹溝の溝底面は、前記蓋部材の中心側から周縁に向かって下方に傾斜して形成されていることが好ましい。
【0017】
本開示の舗装方法は、
前記傾斜面が設けられた前記蓋部材を備える舗装構造を用いて前記送電コイルを前記道路に設置する舗装方法であって、
前記ケースを前記道路の舗装層に埋設するステップと、
前記ケースの上部に設置すると前記道路の舗装面と同一高さとなる平坦状の上面を有する仮蓋部材を、前記ケースの上部に設置するステップと、
前記道路の舗装層を転圧機によって転圧するステップと、
前記転圧機による転圧後、前記仮蓋部材を撤去するステップと、
前記仮蓋部材が撤去された前記ケースの上部に前記蓋部材を設置するステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本開示の舗装構造及び、舗装方法によれば、非接触給電システムの道路への設置に関し、舗装面としての強度を担保しつつ、送電効率を効果的に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施形態に係る舗装構造及び、舗装方法を用いて道路に設置される非接触給電システムを示す模式的な全体構成図である。
図2】第一実施形態に係る舗装構造を示す模式的な縦断面図である。
図3】第一実施形態に係る蓋部材の保持構造の他の態様を示す模式的な縦断面図である。
図4】第一実施形態に係る蓋部材の保持構造の他の態様を示す模式的な縦断面図である。
図5】第二実施形態に係る舗装構造を示す模式的な縦断面図である。
図6】第二実施形態に係る舗装構造の蓋部材を示す模式的な斜視図である。
図7】第二実施形態に係る舗装構造の蓋部材の他の態様を示す模式的な斜視図である。
図8】第三実施形態に係る舗装構造を示す模式的な縦断面図である。
図9】第三実施形態に係る舗装構造の蓋部材の他の態様を示す模式的な縦断面図である。
図10】第四実施形態に係る舗装構造を示す模式的な縦断面図である。
図11】第五実施形態に係る舗装構造を示す模式的な縦断面図である。
図12】本実施形態に係る舗装方法を説明するフロー図である。
図13】本実施形態に係る舗装方法を説明する模式的な縦断面図である。
図14】他の実施形態に係る舗装構造の蓋部材を示す模式的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面に基づいて、本実施形態に係る舗装構造及び、舗装方法について説明する。同一の部品には同一の符号を付してあり、それらの名称及び機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0021】
[非接触給電システム]
図1は、本実施形態に係る舗装構造及び、舗装方法を用いて道路に設置される非接触給電システム100を示す模式的な全体構成図である。なお、図1中において、符号200は、非接触給電システム100から給電を受ける電動車両の一例を模式的に示したものである。
【0022】
まず、電動車両200の概要から説明する。電動車両200の車体底部には、受電コイル210が設けられている。後述する非接触給電システム100の送電コイル110に交流電流を流すと磁界が発生し、その磁界を受電コイル210が受けることにより、受電コイル200に交流電流が流れるようになっている。
【0023】
整流器220は、受電コイル210からの交流電流を直流電流に変換する。整流器220によって変換された直流電流は、蓄電池230に供給されて蓄電されたり、或いは、不図示の電装部品等に供給されたりする。インバータ240は、蓄電池230から供給される直流電流を交流電流に変換して電動発電機250に供給する。インバータ240は、電動車両200に搭載された不図示の制御装置(ECU)からの指令に応じて電動発電機250に供給する電圧を適宜に調整することにより駆動力を調整する。
【0024】
非接触給電システム100は、電動車両200が走行する道路Rに設置される。非接触給電システム100は、複数の送電コイル110と、送電コイル110のそれぞれに交流電流を供給する複数の送電回路120と、送電回路120のそれぞれに直流電流を供給するための電源装置130とを備えている。
【0025】
複数の送電コイル110は、道路Rの長手方向に沿って所定間隔おきに配置される。送電回路120は、電源装置130から供給される直流電流を交流電流に変換して送電コイル110に供給する。電源装置130は、直流電流を送電回路120に供給する回路であって、交流電流を整流して直流電圧を出力するAC/DCコンバータ等を含んで構成されている。
【0026】
上述したように、非接触給電システム100は、送電コイル110から発生する磁界により受電コイル210に交流電流を発生させる。このため、送電効率を向上するには、これらの距離をできるだけ短くすることが望ましい。送電コイル110と受電コイル210との距離を短くするには、送電コイル110を道路面から突出させることが考えられるが、車両走行時の障害となり得るため、送電コイル110は道路Rの舗装面よりも下方(例えば、舗装層)に設置する必要がある。しかしながら、送電コイル110をケース等に収容することなく、舗装層に直接的に埋設してしまうと、設置後のメンテナンス性が悪化するといった課題がある。
【0027】
このため、送電コイル110をケース等に収容するとともに、該ケースを蓋部材等で閉塞し、これらケース及び蓋部材を舗装層に埋設することが考えられる。この場合、蓋部材は舗装面の一部をなすことから、荷重等に耐えうる強度を備えている必要がある。蓋部材の強度を確保するべく、蓋部材を鉄筋コンクリートにすると、鉄筋により送電効率の低下を招くだけではなく、磁界によって鉄筋自体が発熱することで、送電効率の低下を招くといった課題がある。また、コンクリートの中性化によるひび割れの影響で鉄筋が腐食することを防止するには、コンクリートによる一定のかぶり厚さを確保する必要があり、各コイル110,210間の距離が長くなってしまう課題もある。
【0028】
本実施形態の舗装構造及び、舗装方法は、蓋部材やケースの構造、形状、材料に工夫を施すことにより、これらの課題を総合的に解決するようにしたものである。以下、本実施形態の舗装構造の詳細について説明する。
【0029】
[第一実施形態]
図2は、第一実施形態に係る舗装構造を示す模式的な縦断面図である。図2に示すように、第一実施形態の舗装構造は、送電コイル110を収容するケース10と、ケース10を閉塞する蓋部材20とを備えている。
【0030】
ケース10は、底壁部11と側壁部12とを備えており、上方に開放する容器形状をなしている。ケース10の大きさは、少なくとも1個の送電コイル110を収容可能な大きさであればよく、送電コイル110及び、送電回路120(図1参照)の両方を収容できる大きさであってもよい。ケース10を形成する材料は特に限定されず、例えば樹脂材などで形成することができる。
【0031】
ケース10は、その上端が道路Rの舗装面から蓋部材20の厚み分だけ下方にオフセットするように道路Rの舗装層(例えば、アスファルト層)に埋設される。すなわち、舗装層に埋設したケース10の上部開口を蓋部材20によって閉塞すると、蓋部材20の上面が道路Rの舗装面の一部となるように構成されている。このため、舗装面をなす蓋部材20が車両の左右輪と干渉しないよう、ケース10及び蓋部材20の道路幅方向の寸法は、車両の左右車輪間距離よりも短い長さ(例えば、約1m程度)で形成することが好ましい。また、ケース10は、道路断面構造で基礎にあたる部分に埋設されることから、所定の深さを確保して形成することが好ましい。
【0032】
蓋部材20は、上面視で略矩形状に形成されており、ケース10の上部開口を閉塞する。蓋部材20とケース10との固定方法は特に限定されず、例えばボルトで固定することができる。ボルトを用いる場合は、蓋部材20の複数個所に上下方向に貫通する貫通孔を形成するとともに、ケース10の上端部に雌ねじ穴を穿設し、ボルトを貫通孔に挿入して雌ねじ穴と螺合することにより固定すればよい。蓋部材20とケース10との間には、これらの隙間の止水性を確保するための樹脂製のシールパッキン(図示せず)が介装されてもよい。
【0033】
本実施形態において、送電コイル110は、蓋部材20の下面に隣接又は近接して配置される。送電コイル110を蓋部材20の下面に隣接又は近接させる構造としては、図2に示すように、蓋部材20の下面から下方に延びる保持部材30を設け、該保持部材30に送電コイル110を取り付ければよい。或いは、図3に示すように、ケース10の底壁部11から上方に延びる保持部材31を設け、該保持部材31の上面で送電コイル110を支持するようにしてもよい。或いは、図4に示すように、ケース10の側壁部12から内側に突出する保持部材32を設け、該保持部材32の上面で送電コイル110を支持するようにしてもよい。これら何れの場合も、送電コイル110を蓋部材20の下面に接触させるか、或いは、蓋部材20の下面と微小クリアランスを隔てるように支持することが好ましい。
【0034】
このように、送電コイル110を蓋部材20の下面に隣接又は近接して配置することで、送電コイル110をケース10の底壁部11上に載置する場合に比べ、送電コイル110と受電コイル210との距離を大幅に短くすることができる。送電コイル110が受電コイル210に近づくことで、送電効率を確実に向上することが可能となる。
【0035】
ここで、蓋部材20は、道路Rの舗装層の一部をなすことから、車両走行時の荷重等に耐えられる強度を確保する必要がある。一方、蓋部材20を鉄筋コンクリートとすると、鉄筋による送電効率の低下や、磁界による鉄筋の発熱を生じるため好ましくない。また、上述したように、鉄筋の腐食を防止するには、コンクリートによる一定のかぶり厚を確保しなければならない。このような観点から、本実施形態の蓋部材20は、鉄筋などを用いることなく強度を確保することができ、且つ、鉄筋コンクリートのようなかぶり厚を必要としない繊維強化樹脂で形成される。繊維強化樹脂としては、ガラス繊維強化樹脂が好ましく、複合させる樹脂としては、熱可塑性のポリプロピレン樹脂、熱硬化性のビニルエステル樹脂などが挙げられる。
【0036】
このように、蓋部材20を繊維強化樹脂で形成することで、舗装層として必要な強度(耐荷重性)を確保できるようになる。また、蓋部材20を繊維強化樹脂とすることで、蓋部材20を薄く形成することが可能となり、蓋部材20の下面に隣接して配置される送電コイル110と車両側の受電コイル210との距離を効果的に短縮することも可能となる。また、繊維強化樹脂で形成した蓋部材20は、補強用の鉄筋などを含まないため、鉄筋による送電効率の低下や、磁界による鉄筋の発熱などを伴うことなく、送電コイル110を道路Rに効果的に設置することができる。
【0037】
[第二実施形態]
図5は、第二実施形態に係る舗装構造を示す模式的な縦断面図である。第二実施形態の舗装構造は、第一実施形態の蓋部材20の形状を工夫することにより、蓋部材20の上面の水捌け性を向上したものである。なお、ケース10内に収容する送電コイル110の保持構造は、第一実施形態の保持構造(図2~4参照)と同一構造を適用することができるため、以下では説明を省略する。
【0038】
図5に示すように、第二実施形態の蓋部材20は、縦断面視で上方に凸となる三角形状に形成されており、幅方向の中心部Cから周縁部Eに向かって傾斜する傾斜面21を有する。中心部Cの高さ(傾斜面21の勾配)は、特に制限されないが、車両が車線変更時に蓋部材20を跨いでも、車両の走行に影響を与えない範囲で設定することが望ましい。
【0039】
傾斜面21を有する形状としては、例えば、図6に示すように、蓋部材20の上面を4つの傾斜面21で構成した四角錐状としてもよく、或いは、図7に示すように、中心部を通って延びる稜線Lを境界に周縁部Eに向かってそれぞれ傾斜する一対の傾斜面21を有する三角条としてもよい。
【0040】
各傾斜面21には、傾斜方向に沿って互いに並行に延びる複数本の凹溝22がそれぞれ設けられている。これら複数本の凹溝22は、雨水等を傾斜面21に沿って中心部C側から周縁部Eに向けて積極的に流すドレン溝として機能する。
【0041】
このように、道路Rの舗装面をなす蓋部材20の上面に傾斜面21を設けるとともに、該傾斜面21にドレン溝としての凹溝22を設けることで、雨水などが蓋部材21の上面に溜まることを効果的に防止できるようになる。雨水の滞留が防止されることで、雨天時においても、送電コイル110から受電コイル210への送電効率の低下を確実に抑制することができる。また、傾斜面21に凹溝22を設けることで、車両が蓋部材20を跨いだ際のスリップも効果的に防止することが可能になる。なお、蓋部材20の上面形状は、図6,7に示す形状に限定されず、雨水を周縁部Eに向けて流すことができる傾斜面21を備える形状であれば、他の形状であってもよい。
【0042】
[第三実施形態]
図8は、第三実施形態に係る舗装構造を示す模式的な縦断面図である。第三実施形態の舗装構造は、第一実施形態よりも蓋部材20を幅方向に拡張するとともに、蓋部材20及び、ケース10をボルトBによって裏面側から固定することにより、ボルトBが舗装面に露出しないようにしたものである。以下、第三実施形態の詳細について説明する。
【0043】
図8に示すように、第三実施形態の舗装構造は、ケース10、蓋部材20及び、裏当て部材40を備えている。なお、ケース10内に収容する送電コイル110の保持構造は、第一実施形態の保持構造(図2~4参照)と同一構造を適用することができるため、以下では説明を省略する。
【0044】
ケース10は、底壁部11と側壁部12とを有する容器形状のケース本体13を備えている。また、ケース本体13には、側壁部12の上端から外側に向けて突出する矩形枠状のフランジ部14が設けられている。フランジ部14には、ボルトBを挿通するための複数のボルト挿通孔15が形成されている。ケース10の材料は、特に限定されないが、第一実施形態と同様、樹脂材などで形成することができる。
【0045】
フランジ部14の上面には、蓋部材20が着座する。蓋部材20には、フランジ部14のボルト挿通孔15と対応する位置に雌ねじ穴20A(又は、埋め込みナット)が設けられている。蓋部材20は、第一実施形態と同様、舗装層として強度を確保できる繊維強化樹脂、好ましくはガラス繊維強化樹脂を用いて形成される。
【0046】
第三実施形態において、蓋部材20はフランジ部14よりも外側に拡張する大きさで形成されている。すなわち、蓋部材20をフランジ部14に着座させて固定すると、蓋部材20の下面の外周側の部分がフランジ部14よりも外側に突出するようになっている。蓋部材20の下面の突出量Xは特に制限されないが、フランジ部14の幅Wの倍以上とすることが望ましい。蓋部材20のフランジ部14よりも外側に突出する下面には、裏当て部材40の上面が圧接される。
【0047】
裏当て部材40は、ケース本体13に嵌め込み可能な矩形環状をなしている。裏当て部材40の外周寸法は、蓋部材20の外周寸法と略等しい寸法となるように形成されている。裏当て部材40の外周面には、上端から下端に向かって内側に傾斜するテーパ面41が設けられている。裏当て部材40の内周42は、ケース本体13の外周面及び、フランジ部14の外周面のそれぞれと接触する段付き穴状に形成されている。裏当て部材40の高さ寸法(肉厚)は、特に制限されないが、フランジ部14よりも厚く、且つ、ケース本体13よりも低い寸法となるように形成されている。裏当て部材40の材料も、特に限定されないが、例えば繊維強化樹脂で形成することができる。
【0048】
裏当て部材40には、フランジ部14のボルト挿通孔15と対応する位置にボルト挿入穴43が設けられている。ボルトBをボルト挿入穴43に裏面側から挿入して、裏当て部材40をフランジ部14及び、蓋部材20と共締めすることにより、これらケース10、蓋部材20及び、裏当て部材40をユニットとして一体化できるようになっている。
【0049】
裏当て部材40をケース10及び、蓋部材20と一体化すると、裏当て部材40の上面が蓋部材20のフランジ部14よりも外側に突出する下面に圧接するようになる。このように、蓋部材20の下面と、裏当て部材40の上面とを、ケース10よりも外側の広い領域で略矩形状に面接触させることで、蓋部材20をフランジ部14のみと接触させる構造に比べ、水の浸入経路を長く確保することができる。また、ボルトBを裏当て部材40の裏面側から挿入して固定する構造としたことで、ボルトBが舗装面に露出しなくなり、例えば、防水シールパッキン等が破れたとしても、ケース10内への水の浸入を効果的に防止しすることが可能になる。
【0050】
なお、図8に示す第三実施形態において、蓋部材20の上面は平坦状に形成されているが、図9に示すように、第二実施形態と同様、蓋部材20を縦断面視で上方に凸となる三角形状に形成することもできる。この場合も、図示を省略するが、第二実施形態と同様の凹溝22を傾斜面21に設けることが望ましい。
【0051】
[第四実施形態]
図10(A)~(C)は、第四実施形態に係る舗装構造を示す模式的な縦断面図である。第四実施形態は、少なくとも蓋部材20を、複数微細ひび割れ型の繊維補強セメント複合材料(以下、単にHPFRCCと呼ぶ)で形成したものである。このHPFRCCは、セメントマトリクス中に短繊維をランダムに配合することにより強度を向上させたものである。なお、ケース10内に収容する送電コイル110の保持構造は、第一実施形態の保持構造(図2~4参照)と同一構造を適用することができるため、以下では説明を省略する。
【0052】
図10(A)は、ケース10を樹脂材で形成するとともに、蓋部材20をHPFRCCで形成したものである。これら樹脂製のケース10及び、HPFRCC製の蓋部材20は、予め工場で製造したものを現場に搬入して組み立ててもよく、或いは、蓋部材20を現場打ちにより施工してもよい。現場打ちする場合は、ケース10の上部に蓋用の型枠27を設置し、該型枠27にHPFRCCを打設することにより蓋部材20を形成すればよい。型枠27は残置又は撤去の何れであってもよい。残置の場合、型枠27は非導電性の材料で形成すればよい。蓋部材20には、好ましくは、メンテナンス時に蓋部材20を開ける際に、工具などを引っ掛けるための引っ掛け金具(図示せず)が設けられている。
【0053】
図10(B)は、ケース10を樹脂材で形成するとともに、蓋部材20をHPFRCCで形成し、且つ、蓋部材20をケース10よりも外側に拡張する大きさで形成したものである。これら樹脂製のケース10及び、HPFRCC製の蓋部材20は、予め工場で製造したものを現場に搬入して組み立ててもよく、或いは、蓋部材20を現場打ちにより施工してもよい。現場打ちする場合は、ケース10の上部に該ケース10よりも拡張された蓋用の型枠27を設置し、該型枠27にHPFRCCを打設することにより蓋部材20を形成すればよい。型枠27は残置又は撤去の何れであってもよい。残置の場合、型枠27は非導電性の材料で形成すればよい。このように、蓋部材20を拡張して形成すれば、第三実施形態と同様、水の浸入経路を長く確保することができ、ケース10内への水の浸入を効果的に防止することが可能となる。
【0054】
図10(C)は、ケース10及び、蓋部材20の両方をHPFRCCで形成したものである。これらHPFRCC製のケース10及び、蓋部材20は、予め工場で製造したものを現場に搬入してもよく、或いは、これらの両方を現場打ちにより施工してもよい。現場打ちする場合は、送電コイル110を樹脂製の簡易ケース10A内に収容するとともに、蓋用の型枠27及び、ケース用の型枠28を設置し、これら型枠27,28にHPFRCCを打設することによりケース10及び、蓋部材20を形成すればよい。これら型枠27,28は残置又は撤去の何れであってもよい。残置の場合、型枠27,28は非導電性の材料で形成すればよい。
【0055】
以上詳述した第四実施形態の舗装構造によれば、ケース10及び蓋部材20のうち、少なくとも蓋部材20をHPFRCCで形成することにより、補強鉄筋などを用いることなく、蓋部材20の舗装層としての強度を確実に確保することができる。これにより、鉄筋による送電効率の低下や、磁界による鉄筋の発熱などを伴うことなく、送電コイル110を道路Rに効果的に設置することが可能となる。
【0056】
なお、詳細な図示は省略するが、図10(A)~(C)に示す第四実施形態においても、型枠27の形状を工夫することにより、第二実施形態と同様、蓋部材20を縦断面視で上方に凸となる三角形状に形成し、且つ、各傾斜面にドレン用の凹溝を設けることもできる。
【0057】
[第五実施形態]
図11は、第五実施形態に係る舗装構造を示す模式的な縦断面図である。第五実施形態の舗装構造は、蓋部材20をガラス繊維強化樹脂で形成するとともに、ケース10内に蓋部材20を下方から支持する支持部材50を設けたものである。
【0058】
第五実施形態の蓋部材20は、ガラス繊維強化樹脂で形成されている。複合させる樹脂としては、例えば、熱可塑性のポリプロピレン樹脂や、熱硬化性のビニルエステル樹脂が挙げられる。このように、蓋部材20を高強度なガラス繊維強化樹脂で形成することで、蓋部材20の耐荷重性を確保しつつ、肉厚を薄くすることができ、送電効率の向上を図ることが可能となる。
【0059】
本実施形態において、ケース10内には、底壁部11から上方に向けて立設されて、蓋部材20の下面を支持する柱状の支持部材50が設けられている。支持部材50は、送電コイル110の略中心を通って、蓋部材20の最も撓みやすい中心部付近の下面を支持する。
【0060】
支持部材50の材料は、特に制限されないが、送電コイル110の磁界に影響を与えないよう、非磁性体の樹脂材で形成することが好ましい。非磁性体の樹脂材としては、例えば、ガラス繊維強化樹脂を用いることができる。支持部材50の底壁部11への固定は、ボルト固定でもよく、或いは、接着剤などで固定してもよい。支持部材50の上端は、蓋部材20の下面に固定する必要はなく、蓋部材20の下面に当接していればよい。
【0061】
このように、蓋部材20の下面を支持部材50によって支持することにより、蓋部材20を支持しない構造に比べ、蓋部材20の肉厚を極力薄くすることができ、送電効率をより確実に向上することが可能になる。
【0062】
ケース10の内部には、送電コイル110を囲うように延焼防止材60が設置されている。延焼防止材60は、例えば、非導電性の炭酸カルシウムなどを含んで形成される。このように、ケース10の内部に延焼防止材60を設けることで、ケース10内に入り込んだ金属等の異物が磁界におより発熱しても、燃焼による蓋部材20やケース10の溶解を効果的に防止することが可能となる。また、送電コイル110を延焼防止材60で囲うようにしてケース10内に収容する第五実施形態においては、送電コイル110を延焼防止材60によって蓋部材20に隣接又は近接して保持することができる。このため、第一実施形態で例示したような送電コイル110の保持構造(図2~4参照)を省略することができ、保持構造の簡素化を図ることも可能となる。
【0063】
[舗装方法]
次に、図12及び、図13に基づいて、本実施形態に係る舗装方法を説明する。なお、本実施形態の舗装方法は、蓋部材20が上方に凸となる三角形状をなす舗装構造(図5,9参照)の設置施工に適用することができる。
【0064】
ステップS100では、ケース10を道路Rの舗装層に埋設し、ステップS110では、ケース10の上部開口を仮蓋部材300で閉塞する(図12(A)参照)。ここで、仮蓋部材300は、矩形板状をなしており、その上面は平坦状に形成されている。仮蓋部材300を設置すると、仮蓋部材300の上面は道路Rの舗装面と同一の高さとなる。仮蓋300は転圧機による転圧に耐えうる強度があればよく、樹脂製又は鋼鉄製の何れであってもよい。
【0065】
仮蓋部材300を設置したならば、ステップS120では、ロードローラなどの転圧機を用いて舗装面の転圧施工を行う。この際、仮蓋部材300の上面は道路Rの舗装面と同一高さとなっているので、道路Rの舗装面及び、仮蓋部材300の上面に対して転圧力を均一に掛けることが可能になる。
【0066】
転圧施工が終了したならば、ステップS130では、ケース10から仮蓋300を撤去する(図12(B)参照)。ここで、仮蓋部材300には、アスファルトとの離型性をよくするための工夫を施しておくことが望ましい。離型性をよくする工夫としては、例えば、仮蓋部材300の隅角部に斜めの切欠きを設けるか、或いは、仮蓋部材300の端面にアスファルトとの密着性を低下させる処理を施すことが挙げられる。撤去した仮蓋部材300は、破損等が生じるまでは、次の施工に再利用することができる。
【0067】
仮蓋部材300を撤去したならば、ステップS140では、正規の蓋部材20を嵌め込んで、ケース10の上部開口を閉塞することにより、送電コイル110の設置施工を終了する(図12(C)参照)。
【0068】
このように、三角形状の正規の蓋部材20を設置するよりも前に、平板状の仮蓋300を設置して転圧施工を行うことで、転圧機による転圧力を道路Rに対して均一に掛けることができるようになる。転圧力の均一化が図られることで、道路Rの舗装品質の向上を図ることが可能となる。
【0069】
なお、送電コイル110をケース10内に収容するタイミングは、ステップS110の仮蓋部材300を設置する前、或いは、ステップS140で正規の蓋部材20を嵌め込む直前の何れであってもよい。また、当面は送電コイル110の設置が不要な場合は、ステップS140までの工程を一旦終わらせた後、送電コイル110の設置が不要となった際に、正規の蓋部材20を取り外すことにより収容すればよい。
【0070】
[その他]
なお、本開示は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。
【0071】
例えば、第五実施形態の支持部材50や延焼防止材60は、第一実施形態、第二実施形態、第三実施形態、第四実施形態にもそれぞれ適用することが可能である。また、上記実施形態において、非接触給電システム100の送電コイル110は電動車両200の車体底部に配された受電コイル210に送電する例を説明したが、電動車両200のタイヤ等を介して送電を行う給電システムにも適用することができる。この場合、ケース10及び、蓋部材20は、電動車両200のタイヤが通る道路Rの両側部にそれぞれ設置すればよい。
【0072】
また、第一実施形態、第二実施形態、第三実施形態、第五実施形態においては、少なくとも蓋部材20をHPFRCCで形成してもよく、第四実施形態においては、少なくとも蓋部材20を繊維補強樹脂材料で形成してもよい。
【0073】
また、図14に示すように、上面が平坦状の蓋部材20に対して、複数本の凹溝22を道路幅方向又は道路長手方向に並列に設けるとともに、各凹溝22の溝底面を蓋部材20の中心側から周縁に向けて下方に傾斜するように形成してもよい。この場合も、蓋部材20の上面の雨水等が凹溝22の溝底面の傾斜に沿って流れることで、水捌け性を効果的に確保することが可能になる。また、図14に示す構成の場合、上面が平坦状なので、車輪が上面を通過しても、タイヤに与える影響(例えば、車両の走行挙動に与える影響など)を小さくできるメリットがある
【符号の説明】
【0074】
10…ケース,11…底壁部,12…側壁部,13…ケース本体,14…フランジ部,20…蓋部材,21…傾斜面,22…凹溝,30,31,32…保持部材,40…裏当て部材,50…支持部材,60…延焼防止材,100…非接触給電システム,110…送電コイル,200…電動車両,210…受電コイル,300…仮蓋部材,B…ボルト

図1
図2
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