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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023002426
(43)【公開日】2023-01-10
(54)【発明の名称】容器及び吐出製品
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/00 20060101AFI20221227BHJP
   B65D 47/06 20060101ALI20221227BHJP
【FI】
B65D83/00 J
B65D47/06 400
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021103689
(22)【出願日】2021-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】000186588
【氏名又は名称】小林製薬株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000104674
【氏名又は名称】キョーラク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(72)【発明者】
【氏名】笠川 郁
(72)【発明者】
【氏名】米丘 祐二
(72)【発明者】
【氏名】森岡 舜
【テーマコード(参考)】
3E014
3E084
【Fターム(参考)】
3E014PA03
3E014PC03
3E014PD30
3E014PE17
3E014PE25
3E014PF10
3E084AA02
3E084AA12
3E084AA24
3E084AB06
3E084BA03
3E084CA01
3E084CB02
3E084CC03
3E084DA01
3E084DC03
3E084EA02
3E084EB02
3E084EC03
3E084FA09
3E084FB02
3E084FC04
3E084GA01
3E084GA08
3E084GB01
3E084GB12
3E084HA03
3E084HB01
3E084HC03
3E084HD01
3E084KB02
3E084LA17
3E084LB02
3E084LC01
3E084LD01
(57)【要約】
【課題】キャップの取付時に容器本体が変形するのを抑制することができる、容器及び吐出製品を提供する。
【解決手段】本発明に係る第1の容器は、内容物を収容し、排出部が形成された容器本体と、前記容器本体に着脱自在に取り付けられるキャップと、を備え、前記容器本体は、上部に開口を有し、内容物を収容可能な本体部と、前記開口から延びる円筒状の外周壁と、前記外周壁の前記開口とは反対側の端部を閉じるように形成された、天壁とを有し、前記外周壁に雄ネジが形成された取付部と、前記取付部の天壁に形成された前記排出部と、を有し、前記本体部、前記取付部、及び前記排出部は、内部が連通するように、樹脂材料によって一体的に形成され、前記キャップの内壁面には、前記雄ネジと螺合する雌ネジが形成され、前記雄ネジは、前記本体部側にいくにしたがって外径が大きくなるように形成されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を収容し、排出部が形成された容器本体と、
前記容器本体に着脱自在に取り付けられるキャップと、
を備え、
前記容器本体は、
上部に開口を有し、内容物を収容可能な本体部と、
前記開口から延びる円筒状の外周壁と、前記外周壁の前記開口とは反対側の端部を閉じるように形成された、天壁とを有し、前記外周壁に雄ネジが形成された取付部と、
前記取付部の天壁に形成された前記排出部と、
を有し、
前記本体部、前記取付部、及び前記排出部は、内部が連通するように、樹脂材料によって一体的に形成され、
前記キャップの内壁面には、前記雄ネジと螺合する雌ネジが形成され、
前記雄ネジは、前記本体部側にいくにしたがって外径が大きくなるように形成されている、容器。
【請求項2】
内容物を収容し、排出部が形成された容器本体と、
前記容器本体の排出部に取り付けられる筒状の規制部材と、
前記規制部材を覆うように、前記容器本体に着脱自在に取り付けられるキャップと、
を備え、
前記容器本体は、
上部に開口を有し、内容物を収容可能な本体部と、
前記開口から延びる円筒状の外周壁と、前記外周壁の前記開口とは反対側の端部を閉じるように形成された、天壁とを有し、前記外周壁に雄ネジが形成された取付部と、
前記取付部の天壁に形成された前記排出部と、
を有し、
前記本体部、前記取付部、及び前記排出部は、内部が連通するように、樹脂材料によって一体的に形成され、
前記規制部材は、
前記排出部に固定される固定部と、
前記固定部の径方向外方に配置され、前記取付部の天壁と対向する筒部と、
前記排出部から排出された内容物を前記排出部の径方向外方に排出可能に構成された規制部と、
を備え、
前記キャップの内壁面には、前記雄ネジと螺合する雌ネジが形成され、
前記天壁は、径方向外方にいくにしたがって前記本体部側へ傾斜するようなテーパ状に形成されている、容器。
【請求項3】
前記取付部の軸方向に延びる面に沿う断面において、前記雄ネジの先端を結んだ線が、前記取付部の軸線に対し2度以上10度以下の角度で傾斜している、請求項1に記載の容器。
【請求項4】
前記取付部の前記天壁は、水平方向に対して2度以上15度以下の角度で傾斜している、請求項2に記載の容器。
【請求項5】
前記取付部は、前記外周壁と前記天壁との間に形成される接続部を備え、
前記接続部は、径方向外方にいくにしたがって下方に傾斜しており、
前記接続部と水平方向とのなす角度は、前記天壁と水平方向とのなす角度よりも大きい、
請求項2または4に記載の容器。
【請求項6】
前記本体部は、前記開口とは反対側の端部である底部を備え、
前記底部の肉厚は、500μm以上600μm以下である
請求項1から5のいずれかに記載の容器。
【請求項7】
前記排出部は、前記天壁と繋がる基部を備え、
前記基部の外周面は、内側に向かって凸である湾曲面である
請求項1から6のいずれかに記載の容器。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の容器と、
前記本体部に収容された前記内容物と、を備える吐出製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器及び吐出製品に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、流動性を有する洗浄剤を収容する容器本体と、この容器本体に取り付けられるキャップとを有している。容器本体から排出された洗浄剤は、トイレの便器などに塗布される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-67321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記の容器本体は樹脂材料を成形することで製造される。その後、成形された容器本体に対してキャップを螺合することで、容器が完成する。しかしながら、容器本体の製造方法によっては、肉厚が薄くなり、剛性が低くなる可能性がある。この場合、容器本体にキャップを取り付けると、キャップの螺合によるねじりの力が容器本体に作用し、容器本体が変形するおそれがある。
【0005】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、キャップの取付時に容器本体が変形するのを抑制することができる、容器及び吐出製品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る第1の容器は、内容物を収容し、排出部が形成された容器本体と、前記容器本体に着脱自在に取り付けられるキャップと、を備え、前記容器本体は、上部に開口を有し、内容物を収容可能な本体部と、前記開口から延びる円筒状の外周壁と、前記外周壁の前記開口とは反対側の端部を閉じるように形成された、天壁とを有し、前記外周壁に雄ネジが形成された取付部と、前記取付部の天壁に形成された前記排出部と、を有し、前記本体部、前記取付部、及び前記排出部は、内部が連通するように、樹脂材料によって一体的に形成され、前記キャップの内壁面には、前記雄ネジと螺合する雌ネジが形成され、前記雄ネジは、前記本体部側にいくにしたがって外径が大きくなるように形成されている。
【0007】
本発明に係る第2の容器は、内容物を収容し、排出部が形成された容器本体と、前記容器本体の排出部に取り付けられる筒状の規制部材と、前記規制部材を覆うように、前記容器本体に着脱自在に取り付けられるキャップと、を備え、前記容器本体は、上部に開口を有し、内容物を収容可能な本体部と、前記開口から延びる円筒状の外周壁と、前記外周壁の前記開口とは反対側の端部を閉じるように形成された、天壁とを有し、前記外周壁に雄ネジが形成された取付部と、前記取付部の天壁に形成された前記排出部と、を有し、前記本体部、前記取付部、及び前記排出部は、内部が連通するように、樹脂材料によって一体的に形成され、前記規制部材は、前記排出部に係合する固定部と、前記固定部の径方向外方に配置され、前記取付部の天壁と対向する筒部と、前記排出部から排出された内容物を前記排出部の径方向外方に排出可能に構成された規制部と、を備え、前記キャップの内壁面には、前記雄ネジと螺合する雌ネジが形成され、前記天壁は、径方向外方にいくにしたがって前記本体部側へ傾斜するようなテーパ状に形成されている。
【0008】
上記第1の容器において、前記取付部の軸方向に延びる面に沿う断面において、前記雄ネジの先端を結んだ線が、前記取付部の軸線に対し2度以上10度以下の角度で傾斜するように構成することができる。
【0009】
上記第2の容器において、前記取付部の前記天壁は、水平方向に対して2度以上15度以下の角度で傾斜させることができる。
【0010】
上記第2の容器において、前記取付部は、前記外周壁と前記天壁との間に形成される接続部を備えることができ、前記接続部は、径方向外方にいくにしたがって下方に傾斜しており、前記接続部と水平方向とのなす角度は、前記天壁と水平方向とのなす角度よりも大きく形成することができる。
【0011】
上記第1及び第2の容器において、前記本体部は、前記開口とは反対側の端部である底部を備えることができ、前記底部の肉厚は、500μm以上600μm以下とすることができる。
【0012】
上記第1及び第2の容器において、前記排出部は、前記天壁と繋がる基部を備えることができ、前記基部の外周面は、内側に向かって凸である湾曲面とすることができる。
【0013】
本発明に係る吐出製品は、上述したいずれかの容器と、前記本体部に収容された前記内容物と、を備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、キャップの取付時に容器本体が変形するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る容器の正面図である。
図2図1の容器からキャップを取り外した状態を示す正面図である。
図3図1の容器の分解図である。
図4】取付部及び排出部の拡大正面図(a)及び平面図(b)である。
図5】規制部材の正面図(a)、平面図(b)、及び断面図(c)である。
図6】キャップの断面図である。
図7図1の容器の一部断面図である。
図8】容器の使用方法を示す正面図(a)及び対象面側から見た図(b)である。
図9図1の容器の効果を説明する一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る容器の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係る容器の正面図、図2図1の容器からキャップを取り外した状態を示す正面図、図3図1の容器の分解図である。実施形態に係る吐出製品90は、容器80と、内容物と、を備える。容器80は内容物を収容するものであり、この内容物を収容する容器本体1と、この容器本体1に取り付けられ、内容物の排出方向を規定する規制部材2と、容器本体1に取り付けられるキャップ3と、を備えている。そして、後述するように使用時には、図2に示すように、容器本体1からキャップ3を取り外して内容物を排出する。内容物は、例えば、トイレの便器を洗浄するためのゲル状の洗浄剤である。本実施形態に係る吐出製品90は、洗浄製品である。以下、各部材について説明する。なお、以下の説明では、説明の便宜のため、図1に示す方向にしたがって説明を行うが、本発明はこの方向に限定されるものではない。
【0017】
<1.容器本体>
図3に示すように、容器本体1は、洗浄剤が収容される本体部11と、この本体部11の上部に取り付けられ、キャップ3が取り付けられる取付部12と、この取付部12の上端から上方に突出する排出部13と、を備え、これらが可撓性のある樹脂材料によって一体的に形成されている。そのような樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等を挙げることができる。
【0018】
本体部11は、複数の曲面を組み合わせた外面を有し、洗浄剤を収容する内部空間が形成されている。本体部11の肉厚は、例えば、100μm以上1000μm以下とすることができる。そして、この本体部11の上部には開口(図示省略)が形成されており、この開口から上方に延びるように取付部12が形成されている。より具体的には、本体部11は、底部111と、胴部112と、頭部113と、を備え、これらが下方から上方へこの順で一体的に連結されている。胴部112及び頭部113の外面は、動物の胴体と頭部を表すように曲面で形成されている。また、胴部112の上部には左右方向に並ぶ2つの第1突起115が設けられ、胴部113の下部には左右方向に並ぶ2つの第2突起116が設けられている。これらの突起115,116は動物の脚を模したものである。底部111は、本体部11の開口とは反対側の端部である。底部111は、2つの第2突起よりも下部にある部分である。底部111は、ピンチオフ部又は食い切り部とも呼ばれる。頭部113の上端には、取付部12が連結されている。胴部112の最大外周長は、頭部113の最大外周長よりも大きい。底部111の肉厚は、例えば、500μm以上600μm以下であることが好ましい。胴部112の肉厚は、例えば、250μm以上300μm以下であることが好ましい。頭部113の肉厚は、例えば、300μm以上400μm以下であることが好ましい。このため、ブロー成型時での胴部112のブロー比がその他の部分と比較して大きくなる。その結果、胴部112が押しつぶしやすくなる。
【0019】
取付部12は円筒状に形成された外周壁121と、この外周壁121の上部を塞ぐように設けられた円板状の天壁122とを備えている。外周壁121の外面には、雄ネジ123が形成されている。取付部12の肉厚は、例えば、300μm以上1000μm以下とすることができる。天壁122の肉厚は、例えば、500μm以上700μm以下であることが好ましい。なお、取付部12の内壁面は、雄ネジ123が形成されている箇所においては、雄ネジ123に沿うように窪んでいる。雄ネジ123が形成されている箇所における取付部12及び雄ネジ123の肉厚は、400μm以上500μm以下であることが好ましい。雄ネジ123が形成されている箇所における取付部12及び雄ネジ123の肉厚は、天壁122の肉厚よりも小さい方が好ましい。
【0020】
天壁122の中央には貫通孔(図示省略)が形成されており、この貫通孔から上方に延びるように筒状の排出部13が形成されている。したがって、本体部11、取付部12、及び排出部13の内部空間は連通しており、本体部11に収容された洗浄剤は、取付部12を介して排出部13から排出されるようになっている。排出部13の外周面には、環状の係合部131が形成されており、この係合部131は、上述した規制部材2に係合するように径方向外方に突出している。また、排出部13は、係合部131から下方に延び、天壁122と繋がる付け根(基部)132を備える。付け根132の外周面は、内側に向かって凸である湾曲面である。上下方向に延びる面に沿う断面において、付け根132の外周面は、円弧を描く。これにより、規制部材2によって排出部13が押された時に、付け根132が屈曲しにくいので、取付部12及び排出部13の変形が抑制される。排出部13の肉厚は、例えば、400μm以上1000μm以下とすることができる。排出部13の肉厚は、例えば、500μm以上700μm以下であることが好ましい。
【0021】
図4は、取付部及び排出部の拡大正面図(a)、及びその平面図(b)である。図4に示すように、取付部12の天壁122は排出部13から径方向外方にいくにしたがって下方に傾斜している。具体的には、天壁122と水平方向とのなす角度αが2度以上15度以下であることが好ましい。例えば、本実施形態における角度αは、4度である。図7に示すように、天壁122の一部は、規制部材2の中間筒212よりも径方向外側にある。また、外周壁121と天壁122とは接続部125によって接続されている。接続部125は、外周壁121と天壁122との間の角を面取りした形状を有する。接続部125は天壁122から径方向外方にいくにしたがって下方に傾斜している。接続部125と水平方向とのなす角度γは、角度αよりも大きい。これにより、天壁122と外周壁121が直接交差している場合と比較して、ブロー成型時に接続部125の周辺部分の肉厚が薄くなることを抑制できる。その結果、取付部12の強度が向上する。また、外周壁121は下方にいくにしたがって径方向外方に広がるように傾斜している。これに伴い、上下方向に延びる面に沿う雄ネジ123の断面において、雄ネジ123の先端を上下方向に結んだ線Tが、外周壁121とほぼ平行になっている。具体的には、外周壁121の上下方向に沿う方向と取付部12の軸線Xとのなす角度β、及び軸線Xと線Tとのなす角度βが2度以上10度以下であることが好ましい。角度βは、3.2度以上6.4度以下であることがより好ましい。例えば、本実施形態における角度βは、4.8度である。
【0022】
<2.規制部材>
図5は規制部材の正面図(a)、平面図(b)、及び断面図(c)である。図5に示すように、規制部材2は、円筒状の本体部21と、この本体部21の上端から上方に突出する複数の突出部(規制部)22とを備えている。図5(c)に示すように、本体部21は、同心円状に並ぶ円柱状の外筒(筒部)211、中間筒(筒部)212、及び内筒(固定部)213を有しており、外筒211の内部に中間筒212が収容され、中間筒212の内部に内筒213が収容されている。また、これら外筒211、中間筒212、及び内筒213の上端を結ぶ環状の連結部214が設けられている。連結部214は、内筒213の上端から径方向外方に外筒211の上端まで延びている。内筒213は、後述するように、排出部13に挿入されるようになっている。また、中間筒212の下端部には、径方向内方に突出する突部215が形成されており、この突部215が、排出部13の係合部131に係合するようになっている。したがって、排出部13は、内筒213と中間筒212との間に配置されるようになっている。なお、外筒211と中間筒212の下端の上下方向の位置は概ね同じになっているが、内筒213の下端は、外筒211と中間筒212よりもやや下方まで延びている。
【0023】
突出部22の個数は特には限定されないが、本実施形態では5個としている。そして、これら複数の突出部22は、本体部21の外筒211の上端に沿って周方向に等間隔で配置されている。なお、規制部材2は、容器本体1と同様の材料で形成することができるが、異なる材料であってもよい。
【0024】
<3.キャップ>
図6はキャップの断面図である。図6に示すように、キャップ3は、上部が閉じ、下部が開口する円筒状の本体部31と、この本体部31の下端から径方向に突出するフランジ32と、備えている。本体部31の上部は半球状に形成されており、本体部31の内壁面には取付部12の雄ネジ123と螺合する雌ネジ311が形成されている。この雌ネジ311は、取付部12の雄ネジ123と異なり、先端部を結ぶ線は上下方向に延び、傾斜していない。また、本体部31の内面の上部には、軸線が上下方向に延びる円筒状の押圧部33が形成されており、後述するように、この押圧部33は、キャップ3が取付部12に取り付けられたときに、規制部材2の連結部214を上方から押圧するようになっている。なお、キャップ3は、容器本体1と同様の材料で形成することができるが、異なる材料であってもよい。
【0025】
<4.容器の製造方法>
容器本体1を製造する方法は特には限定されないが、例えば、ブロー成形により形成することができる。すなわち、パリソンを成形型内に供給した後、成形型内に空気を注入し、容器本体1を形成する。但し、この方法に限定されず、他の方法でよい。規制部材2及びキャップ3は射出成形などで形成することができる。そして、成形後の容器本体1に対し、規制部材2を取り付けた後、キャップ3を螺合させれば、図1及び図7に示すように、容器が完成する。洗浄剤は、キャップ3を取り付ける前であれば、いつでも容器本体1内に収容することができる。そして、図7に示すように、キャップ3を取り付けると、キャップ3の押圧部33が規制部材2の連結部214を押圧するため、規制部材2の内筒213と押圧部33とで閉空間が形成される。したがって、洗浄剤がキャップ3の内部に漏れるのを防止することができる。また、ブロー成形の手法は特には限定されず、例えば、シャトル型のほか、ロータリー型など種々の手法を採用することができる。例えばロータリー型を採用することによって、底部111の肉厚を、500μm以上600μm以下にすることが容易である。これにより、シャトル型を採用した場合と比較して、底部111の肉厚が薄くなるので、内容物を最後まで吐出しやすくなる。その結果、内容物が本体部11に残存しにくくなる。
【0026】
<5.容器の使用方法>
次に上記のように構成された容器の使用方法について、図8を参照しつつ説明する。まず、図8(a)に示すように、容器本体1からキャップ3を取り外した状態で、洗浄剤を塗布する対象面Sに対し、規制部材2の全ての突出部22を接触させる。この状態で、容器本体1の本体部11を押圧すると、本体部11が押しつぶされ、内部の洗浄剤Aが排出部13から排出する。このとき、排出部13から排出された洗浄剤Aは規制部材2の本体部21を通過して対象面Sに当たった後、隣接する突出部22の間から径方向外方へ、対象面Sに沿って排出される。その結果、排出された洗浄剤Aは、図8(b)に示すように、花弁型の形状をなすように塗布される。
【0027】
<6.特徴>
(1)本実施形態によれば、図9に示すように、取付部12の雄ネジ123が下方にいくにしたがってテーパ状に広がるように形成されているため、キャップ3を取り付けるときには、ネジが締まるほどキャップ3が下方に移動しづらくなる。したがって、容器本体1の厚みが薄い場合でも、キャップ3の締め付けによって取付部12が変形するのを抑制することができる。
【0028】
(2)取付部12の天壁122は、径方向外方に行くにしたがって下方に傾斜するように形成されている。そのため、図9に示すように、キャップ3を締め付けて押圧部33が規制部材2を押圧したときに、規制部材2の外筒211が、取付部12の天壁122を押圧するのを抑制することができる。したがって、容器本体1の厚みが薄い場合でも、キャップ3の締め付けによって取付部12が変形するのを抑制することができる。
【0029】
<7.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、以下の変更が可能である。また、以下の変形例の要旨は、適宜組み合わせることができる。
【0030】
<7-1>
上記実施形態では、取付部12の天壁122及び雄ネジ123をテーパ状に形成しているが、いずれか一方のみを採用することもできる。
【0031】
上記実施形態において、取付部12の外周壁121と雄ネジ123の先端を結ぶ線Tとは平行に形成しているが、少なくとも線Tが取付部12の軸線Xに対して傾斜していればよく、外周壁121は軸線Xと平行であってもよい。
【0032】
<7-2>
規制部材2の形態は上述したものでなくてもよく、容器本体1の排出部13に取り付けられ、少なくとも内容物を径方向外方に排出できるように構成されていればよい。また、排出部13の構成も特には限定されず、容器本体1から内容物を排出可能であり、且つ規制部材2が取り付けられるように構成されていればよい。
【0033】
<7-3>
本体部11、取付部12、排出部13、規制部材2、キャップ3の形状は特には限定されず、適宜変更が可能である。例えば、本体部11は内容物が収容できればよく、必ずしも押込みによって内容物を排出できなくてもよい。取付部12は、雄ネジ123が形成されていればよい。
【0034】
<7-4>
上記のようにトイレの便器に内容物を塗布するという用途以外であれば、例えば、本発明の第1の容器においては、規制部材2を設けなくてもよい。また、本発明の第1及び第2の容器は、内容物が収容されているもの、あるいは予め内容物が収容されているもののいずれも含む。
【0035】
<7-5>
上記実施形態は、本発明に係る容器をトイレの便器を洗浄するための洗浄剤用の容器に適用したが、これに限定されるものではない。すなわち、容器本体1に収容される内容物の種類は、特には限定されず、例えば、薬剤、食品を挙げることができる。また、内容物の形態についても、特には限定されず、例えば、ゲル状、液状、粒状等の内容物とすることができる。
【符号の説明】
【0036】
1 容器本体
11 本体部
12 取付部
121 外周壁
122 天壁
123 雄ネジ
13 排出部
2 規制部材
211 外筒(筒部)
212 中間筒(筒部)
213 内筒(固定部)
3 キャップ
311 雌ネジ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9