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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023024287
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】収容容器及び基板状センサの充電方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/673 20060101AFI20230209BHJP
【FI】
H01L21/68 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101916
(22)【出願日】2022-06-24
(31)【優先権主張番号】P 2021128408
(32)【優先日】2021-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】秋月 侑治
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BA01
5F131BA15
5F131BA17
5F131BA37
5F131BB04
5F131CA45
5F131DA07
5F131DA32
5F131DA33
5F131DA36
5F131DA42
5F131DB52
5F131DB57
5F131DB72
5F131DB76
5F131DB99
5F131DC06
5F131DC09
5F131GA14
5F131GA53
5F131GA62
5F131GA63
5F131GA69
5F131GA72
5F131HA07
5F131HA29
5F131JA15
5F131JA40
5F131KA14
5F131KA23
5F131KA24
5F131KA27
5F131KA34
(57)【要約】
【課題】基板状センサを収容する収容容器及び基板状センサの充電方法を提供する。
【解決手段】基板状センサを収容する収容容器であって、開口を有する容器本体と、前記容器本体内に配置され、前記基板状センサを支持する支持部と、前記容器本体内に配置され、前記基板状センサの端子部と接触可能なコンタクトピンと、前記容器本体内に配置され、前記コンタクトピンを駆動する駆動機構と、前記容器本体外から前記駆動機構を駆動させる回転軸部材と、前記容器本体外に配置され、前記コンタクトピンと電気的に接続されるジャックと、前記容器本体との前記開口を閉塞可能な蓋体と、を備える、収容容器。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板状センサを収容する収容容器であって、
開口を有する容器本体と、
前記容器本体内に配置され、前記基板状センサを支持する支持部と、
前記容器本体内に配置され、前記基板状センサの端子部と接触可能なコンタクトピンと、
前記容器本体内に配置され、前記コンタクトピンを駆動する駆動機構と、
前記容器本体外から前記駆動機構を駆動させる回転軸部材と、
前記容器本体外に配置され、前記コンタクトピンと電気的に接続されるジャックと、
前記容器本体との前記開口を閉塞可能な蓋体と、
を備える、収容容器。
【請求項2】
前記容器本体内に配置され、前記駆動機構を支持する、駆動機構支持部を更に備える、
請求項1に記載の収容容器。
【請求項3】
前記駆動機構支持部は、前記駆動機構を吊り下げて支持する、
請求項2に記載の収容容器。
【請求項4】
前記駆動機構支持部は、前記駆動機構を載置して支持する、
請求項2に記載の収容容器。
【請求項5】
前記容器本体外に配置され、前記コンタクトピンと電気的に接続されるスイッチを更に備える、
請求項3または請求項4に記載の収容容器。
【請求項6】
前記基板状センサの端子部は、該基板状センサの上面に設けられ、
前記支持部は、前記基板状センサの前記端子部が設けられた位置に対応する裏面を支持する支持部材を含む、
請求項5に記載の収容容器。
【請求項7】
前記収容容器は、
基板を収容するキャリアが取り付け可能に構成されるロードポートに、取り付け可能に構成される、
請求項6に記載の収容容器。
【請求項8】
前記回転軸部材は、前記蓋体と反対側に設けられる前記容器本体の背面側壁を貫通し、
前記ジャックは、前記背面側壁の外側に設けられる、
請求項4に記載の収容容器。
【請求項9】
前記回転軸部材は、前記容器本体の側面側壁を貫通し、
前記ジャックは、前記側面側壁の外側に設けられる、
請求項4に記載の収容容器。
【請求項10】
前記回転軸部材は、前記蓋体と反対側に設けられる前記容器本体の背面側壁を貫通し、
前記ジャック及び前記スイッチは、前記背面側壁の外側に設けられる、
請求項5に記載の収容容器。
【請求項11】
前記回転軸部材は、前記容器本体の側面側壁を貫通し、
前記ジャック及び前記スイッチは、前記側面側壁の外側に設けられる、
請求項5に記載の収容容器。
【請求項12】
開口を有する容器本体と、前記容器本体内に配置され、基板状センサを支持する支持部と、前記容器本体内に配置され、前記基板状センサの端子部と接触可能なコンタクトピンと、前記容器本体内に配置され、前記コンタクトピンを駆動する駆動機構と、前記容器本体外から前記駆動機構を駆動させる回転軸部材と、前記容器本体外に配置され、前記コンタクトピンと電気的に接続されるジャックと、前記容器本体との前記開口を閉塞可能な蓋体と、を備える、収容容器に収容された基板状センサの充電方法であって、
前記駆動機構により、前記コンタクトピンを前記基板状センサの端子部に接触させる工程と、
前記ジャックに直流電源を接続する工程と、
を含む、基板状センサの充電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、収容容器及び基板状センサの充電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェハ等の基板を搬送する搬送装置を用いて、基板状センサを搬送する半導体処理システムが開示されている。
【0003】
特許文献1及び特許文献2には、ロボットにより収容部から取り出され、基準目標物まで移動させられるワイヤレス基板状センサが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2005-521926号公報
【特許文献2】特開2005-202933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、基板状センサを収容容器に収容した状態で、基板状センサを充電することが求められている。また、基板状センサを収容した収容容器は、OHT(Overhead Hoist Transport)やPGV(Person Guided Vehicle)等の搬送装置によって搬送可能に構成されることが求められている。
【0006】
一の側面では、本開示は、基板状センサを収容する収容容器及び基板状センサの充電方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、一の態様によれば、基板状センサを収容する収容容器であって、開口を有する容器本体と、前記容器本体内に配置され、前記基板状センサを支持する支持部と、前記容器本体内に配置され、前記基板状センサの端子部と接触可能なコンタクトピンと、前記容器本体内に配置され、前記コンタクトピンを駆動する駆動機構と、前記容器本体外から前記駆動機構を駆動させる回転軸部材と、前記容器本体外に配置され、前記コンタクトピンと電気的に接続されるジャックと、前記容器本体との前記開口を閉塞可能な蓋体と、を備える、収容容器が提供される。
【発明の効果】
【0008】
一の側面によれば、基板状センサを収容する収容容器及び基板状センサの充電方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係る半導体製造装置の全体構成の一例を示す図。
図2】収容容器を側方から見た部分断面図の一例。
図3】蓋体を取り外した収容容器の正面図の一例。
図4】収容容器を上方から見た部分断面図の一例。
図5】収容容器の背面図の一例。
図6】収容容器に収容された基板状センサを充電等する状態の模式図の一例。
図7】収容容器に収容された基板状センサを取り出す状態の模式図の一例。
図8】収容容器に収容される基板状センサの構成ブロック図。
図9】収容容器を側方から見た部分断面図の他の一例。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本開示を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0011】
[半導体製造装置の全体構成]
まず、本発明の一実施形態に係る半導体製造装置100の縦断面の構成の一例について、図1を参照しながら説明する。図1に示す半導体製造装置100はクラスタ構造(マルチチャンバタイプ)の装置であり、搬送室VTMや基板処理室PMは真空装置の一例である。
【0012】
図1の半導体製造装置100は、基板処理室PM(Process Module)1~PM6、搬送室VTM(Vacuum Transfer Module)、ロードロック室LLM(Load Lock Module)1、LLM2、ローダーモジュールLM(Loader Module)及びロードポートLP(Load Port)1~LP3を有する。
【0013】
半導体製造装置100は、制御部110により制御され、基板の一例である半導体ウェハW(以下、「ウェハW」ともいう。)に所定の処理を施す。
【0014】
基板処理室PM1~PM6は、搬送室VTMに隣接して配置される。基板処理室PM1~PM6を、総称して、基板処理室PMともいう。基板処理室PM1~PM6と搬送室VTMとは、ゲートバルブGVの開閉により連通する。基板処理室PM1~PM6は、所定の真空雰囲気に減圧され、その内部にてウェハWにエッチング処理、成膜処理、クリーニング処理、アッシング処理等の処理が施される。
【0015】
搬送室VTMの内部には、ウェハWを搬送する搬送装置VAが配置されている。搬送装置VAは、屈伸及び回転自在な2つのロボットアームAC、ADを有する。各ロボットアームAC、ADの先端部には、それぞれピックC、Dが取り付けられている。搬送装置VAは、ピックC、DのそれぞれにウェハWを保持可能であり、ゲートバルブGVの開閉に応じて基板処理室PM1~PM6と搬送室VTMとの間でウェハWの搬入及び搬出を行う。また、搬送装置VAは、ゲートバルブGVの開閉に応じて搬送室VTMとロードロック室LLM1、LLM2との間でウェハWの搬入及び搬出を行う。
【0016】
ロードロック室LLM1、LLM2は、搬送室VTMとローダーモジュールLMとの間に設けられている。ロードロック室LLM1、LLM2は、大気雰囲気と真空雰囲気とを切り替えて、ウェハWを大気側のローダーモジュールLMから真空側の搬送室VTMへ搬送したり、真空側の搬送室VTMから大気側のローダーモジュールLMへ搬送したりする。
【0017】
ローダーモジュールLMには、ロードポートLP1~LP3が設けられている。ロードポートLP1~LP3には、例えば25枚のウェハWが収納されたFOUP(Front Opening Unified Pod)または空のFOUPが載置される。ローダーモジュールLMは、ロードポートLP1~LP3内のFOUPから搬出されたウェハWをロードロック室LLM1、LLM2のいずれかに搬入し、ロードロック室LLM1、LLM2のいずれかから搬出されたウェハWをFOUPに搬入する。
【0018】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)111、ROM(Read Only Memory)112、RAM(Random Access Memory)113及びHDD(Hard Disk Drive)114を有する。制御部110は、HDD114に限らずSSD(Solid State Drive)等の他の記憶領域を有してもよい。HDD114、RAM113等の記憶領域には、プロセスの手順、プロセスの条件、搬送条件等が設定されたレシピが格納されている。
【0019】
CPU111は、レシピに従って基板処理室PMにおけるウェハWの処理を制御し、ウェハWの搬送を制御する。また、CPU111は、本実施形態に係るガス導入、排気制御等のプロセス処理及びパーティクルの測定等を制御する。HDD114やRAM113には、例えば基板搬送処理やクリーニング処理や排気制御処理等を実行するためのプログラムが記憶されてもよい。これらのプログラムは、記憶媒体に格納して提供されてもよいし、ネットワークを通じて外部装置から提供されてもよい。
【0020】
なお、基板処理室PM、ロードロック室LLM及びロードポートLPの数は、本実施形態で示す個数に限らず、1以上設けられていればよい。
【0021】
この様な構成により、半導体製造装置100は、ウェハWが収容されたFOUPや空のFOUPをロードポートLP1~LP3に取り付けることができる。また、半導体製造装置100は、FOUPに収容された処理前のウェハWを、FOUPから取り出し、ローダーモジュールLM、ロードロック室LLM1、LLM2、搬送室VTMを介して、各基板処理室PM1~PM6に搬送することができる。また、半導体製造装置100は、各基板処理室PM1~PM6でウェハWに所望の処理を施すことができる。また、半導体製造装置100は、処理済のウェハWを、各基板処理室PM1~PM6から取り出し、搬送室VTM、ロードロック室LLM1、LLM2、ローダーモジュールLMを介して、FOUPに収容することができる。
【0022】
<収容容器>
次に、本実施形態に係る収容容器1について、図2から図7を用いて更に説明する。図2は、収容容器1を側方から見た部分断面図の一例である。図3は、蓋体20を取り外した収容容器1の正面図の一例である。図4は、収容容器1を上方から見た部分断面図の一例である。図5は、収容容器1の背面図の一例である。図6は、収容容器1に収容された基板状センサ200を充電等する状態の模式図の一例である。図7は、収容容器1に収容された基板状センサ200を取り出す状態の模式図の一例である。なお、以下の説明において、収容容器1の開口側(ロードポートLP1~LP3と接続される側)を収容容器1の正面とし、収容容器1を開口側からみて奥側を収容容器1の背面として説明する。なお、図6において、DCジャック50及びスイッチ60は、回路構成を模式的に示すものであり、位置を限定するものではない。また、図3,4,5,7において、配線49a~49cの図示を適宜省略している。また、図7は、収容容器1がロードポートLP(図7において図示せず)に取り付けられ、ロードポートLPによって蓋体20(図7において図示せず)が取り外され、ローダーモジュールLMの搬送装置(図示せず)のエンドエフェクタ120によって収容容器1から基板状センサ200を取り出す状態の一例を示す。
【0023】
収容容器1は、基板状センサ200を収容可能な容器本体10と、この容器本体10の開口した正面を着脱自在に開閉する蓋体20と、を備える。
【0024】
ここで、基板状センサ200を収容する収容容器1は、FOUPと同様の取り付け形状を有している。これにより、収容容器1は、ロードポートLP1~LP3に取り付け可能に構成されている。また、ロードポートLP1~LP3は、収容容器1の蓋体20(図2参照)を開閉することができる。
【0025】
また、図6及び図7に示すように、基板状センサ200は、例えばウェハWと同径の円板を有している。また、基板状センサ200は、円板の上に設けられた各種のセンサ220(後述する図8参照。例えば、温度センサ、静電容量センサ、湿度センサ、加速度センサ、イメージセンサ等)等を有している。これにより、搬送室VTMの搬送装置VA及びローダーモジュールLMの搬送装置(図示せず)は、ウェハWと同様に基板状センサ200を搬送することができる。また、基板処理室PM1~PM6の載置台(図示せず)及びロードロック室LLM1、LLM2の載置台(図示せず)は、ウェハWと同様に基板状センサ200を載置することができる。
【0026】
この様な構成により、半導体製造装置100は、基板状センサ200が収容された収容容器1をロードポートLP1~LP3に取り付けることができる。また、半導体製造装置100は、収容容器1に収容された基板状センサ200を、収容容器1から取り出し、ローダーモジュールLM、ロードロック室LLM1、LLM2、搬送室VTMを介して、所望の計測位置(例えば、各基板処理室PM1~PM6)に搬送することができる。また、半導体製造装置100は、基板状センサ200を、所望の計測位置から、搬送室VTM、ロードロック室LLM1、LLM2、ローダーモジュールLMに介して、収容容器1に収容することができる。また、基板状センサ200は、搬送中及び所望の検出位置において、センサ220(後述する図8参照)を用いて各種の情報(温度、静電容量、湿度、加速度、画像等)を検出することができる。
【0027】
容器本体10は、底壁、天壁、一対の側面側壁10s及び背面側壁10bを有し、正面が開口したフロントオープンボックスに成形される。底壁、天壁及び一対の側面側壁10sによって蓋体20が取り付けられる正面の開口が形成される。背面側壁10bは、蓋体20が取り付けられる正面の開口と反対側に設けられる。容器本体10の正面の開口形状は、ウェハWを収容する規格化されたFOUPの正面の開口形状と同様の形状を有している。容器本体10の成形材料としては、例えば、PC(ポリカーボネート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等のエンジニアリングプラスチックを用いることができる。また、容器本体10は、低吸湿性材料を用いることがより好ましい。
【0028】
容器本体10の側面側壁10sの内側には、水平に形成された棚状の突起である左右一対のティース11が設けられている。基板状センサ200は、左右一対のティース11に載置される。即ち、左右一対のティース11は、基板状センサ200の下面の左右周縁を水平に支持する。
【0029】
また、ティース11は、高さ方向に多段に設けられていてもよい。高さ方向に多段に形成されるティース11は、ウェハWを収容する規格化されたFOUPと同じピッチで形成されている。これにより、ローダーモジュールLMの搬送装置(図示せず)は、FOUPからウェハWを取り出す際の動作と同じ動作で、収容容器1から基板状センサ200を取り出すことができる。また、収容容器1の容器本体10としてFOUPの容器本体を用いることができる。なお、図3に示す例において、下から8段目の一対のティース11に基板状センサ200を載置するものとして説明する。
【0030】
また、多段に形成されるティース11のうち、基板状センサ200を支持する段(図3に示す例において、下から8段目)のティース11においては、他の段の2倍のピッチで次の段のティース11が形成されていてもよい。換言すれば、等ピッチで多段に形成されるティース11のうち、基板状センサ200を支持する段の次の段(下から9段目)に相当するティースが除かれている。これにより、基板状センサ200がウェハWよりも板厚に形成されていたとしても、容器本体10に収容することができる。また、収容容器1から基板状センサ200を取り出す際、ローダーモジュールLMの搬送装置(図示せず)のエンドエフェクタ120で基板状センサ200を持ち上げても、基板状センサ200の上面が次の段のティース11の下面に触れることを防止することができる。
【0031】
なお、容器本体10の背面側壁の内側には、基板状センサ200の下面の後部周縁を略水平に支持するリヤリテーナ(図示せず)が設けられていてもよい。また、蓋体20の裏面には、基板状センサ200の下面の前部周縁を略水平に支持するフロントリテーナ(図示せず)が設けられていてもよい。
【0032】
また、容器本体10の側面側壁10sの外側には、FOUPと同様に、作業者が収容容器1を搬送する際に把持するハンドル(図示せず)が設けられていてもよい。また、容器本体10の側面側壁10sの外側には、FOUPと同様に、収容容器1を搬送する際のガイドとなるレール(図示せず)が設けられていてもよい。また、容器本体10の底壁の外側には、FOUPと同様に、収容容器1をロードポートLP1~LP3に取り付ける際に、収容容器1の位置決めをするための溝(図示せず)が設けられていてもよい。また、容器本体10の上面には、収容容器1を吊り上げて搬送するためのフランジ(図示せず)が設けられていてもよい。
【0033】
蓋体20は、ウェハWを収容する規格化されたFOUPの蓋体(図示せず)と同様の構成を有している。これにより、蓋体20は、容器本体10に基板状センサ200を収容した状態で、容器本体10の正面開口を密閉することができる。また、ロードポートLP1~LP3は、FOUPの蓋体(図示せず)と同様に、収容容器1の蓋体20を開閉することができる。
【0034】
また、収容容器1は、容器本体10の底壁の内側から立設する支持体30を有している。支持体30は、支持ブロック31と、支持柱32と、支持板33と、支持柱34と、を有する。支持板33は、支持柱34を介して、容器本体10の底壁に固定される。支持ブロック31は、支持柱32を介して、支持板33に固定される。支持柱32は、例えば3本設けられ、それぞれに高さ調整機構32aを有する。これにより、支持ブロック31の上面の高さ及び水平度を調整することができるように構成されている。
【0035】
このような構成により、基板状センサ200が収容容器1に収容され、基板状センサ200の下面の左右周縁がティース11によって支持された際、支持ブロック31の上面は、基板状センサ200の下面中央を支持する。
【0036】
ここで、基板状センサ200の上面中央には、後述するコンタクトピン41~43が接触する端子部210が設けられている。換言すれば、基板状センサ200を収容容器1に収容した際、支持ブロック31は、端子部210の下方で基板状センサ200を支持する。これにより、コンタクトピン41~43によって端子部210が押圧されても、基板状センサ200の撓み等を防止することができる。
【0037】
また、支持ブロック31は円板形状に形成される。ここで、円板形状の支持ブロック31の直径は、二又に分岐した形状を有するエンドエフェクタ120の開口幅よりも小さく形成されている。これにより、収容容器1から基板状センサ200を取り出す際、ローダーモジュールLMの搬送装置(図示せず)のエンドエフェクタ120を基板状センサ200の下に挿入しても、エンドエフェクタ120と支持ブロック31は干渉しないように構成されている。
【0038】
また、収容容器1内に配置される支持体30は、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)で形成されることが好ましい。また、基板状センサ200の裏面と接触する支持ブロック31は、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)で形成されることが好ましい。これにより、基板状センサ200の裏面と支持ブロック31の上面との摩擦による支持ブロック31の摩耗粉の発生を抑制することができる。また、摩耗粉が基板処理室PM1~PM6におけるウェハWのプロセスに影響を与えることを抑制することができる。
【0039】
また、収容容器1は、基板状センサ200の端子部210に給電するための給電機構40を備えている。給電機構40は、基板状センサ200の端子部210と電気的に接触するためのコンタクトピン41~43を有している。コンタクトピン41~43は、容器本体10内に配置される軸部材44の下端に支持されている。
【0040】
容器本体10の内部には、支持プレート45が設けられている。支持プレート45は、図4に示すように、ウェハWと同径の円板から正面側及び中央部が切り欠きされた略Cの字形状を有している。
【0041】
ところで、ローダーモジュールLMの搬送装置(図示せず)は、FOUPに収容されたウェハW(収容容器1に収容された基板状センサ200)の高さ位置を検出するマッピング処理を行う。マッピング処理では、先端部に光センサが設けられたエンドエフェクタ120の先端をFOUPに挿入し、その後にエンドエフェクタ120を高さ方向に移動させることで、ウェハW(基板状センサ200)を検出する。支持プレート45の正面側が切り欠きされていることにより、マッピング処理の際に、支持プレート45がエンドエフェクタ120と干渉することを防止する。また、支持プレート45の中央部が切り欠きされていることにより、軸部材44を昇降させる際、軸部材44と支持プレート45が干渉することを防止する。
【0042】
また、多段に形成されるティース11のうち、支持プレート45を支持する段(図3に示す例において、下から25段目)に支持プレート45が収容される。また、支持プレート45の下面の左右周縁には、円弧状の固定部材45aが図示しないボルト等で固定される。ここで、ティース11は、支持プレート45及び固定部材45aによって挟持される。これにより、支持プレート45は、容器本体10に固定される。
【0043】
支持プレート45の裏面側には、下方に向かって延出するブラケット45bが設けられている。ブラケット45bには、軸部材44を昇降するための昇降機構46が設けられている。昇降機構46は、固定部46aと、可動部46bと、回転部46cと、を有する。昇降機構46の固定部46aは、ブラケット45bに固定される。昇降機構46の可動部46bには、ブラケット44dを介して軸部材44が固定される。昇降機構46は、例えばラックアンドピニオン機構を有している。昇降機構46の固定部46aに設けられた回転部46cを回転させることで、ピニオンが回転し、可動部46bに固定されるラックの直線運動に変換され、可動部46bに固定された軸部材44を昇降する。
【0044】
また、昇降機構46の回転部46cには、回転軸部材47が接続される。回転軸部材47の一端は昇降機構46の回転部46cに固定され、回転軸部材47の他端は容器本体10の背面側壁10bを貫通して容器本体10外に設けられている。また、回転軸部材47の他端には、作業者が把持するグリップが設けられている。なお、回転軸部材47と容器本体10の背面側壁10bとの間には、回転軸部材47を回転可能としつつ、容器本体10内を密閉するためのシール(図示せず)が設けられている。
【0045】
これにより、容器本体10の外から回転軸部材47を回転させることで昇降機構46の回転部46cを回転させ、昇降機構46は、コンタクトピン41~43を昇降させることができる。換言すれば、昇降機構46は、コンタクトピン41~43が基板状センサ200の端子部210に接触した状態(図6参照)と、コンタクトピン41~43が基板状センサ200の端子部210から離間した状態(図7参照)と、を切り替えることができる。
【0046】
ブラケット45bの下端には、カバープレート48が設けられている。カバープレート48は、昇降機構46と基板状センサ200との間に配置される。これにより、仮に昇降機構46から落下物が生じたとしても、落下物が基板状センサ200に落下することを防止する。また、カバープレート48には、軸部材44と略同径(軸部材44よりも僅かに大きい)の貫通孔が設けられている。軸部材44は、カバープレート48の貫通孔を貫通し、貫通方向に移動することが可能に構成されている。
【0047】
なお、収容容器1内に配置される軸部材44、ブラケット44d、支持プレート45、固定部材45a、ブラケット45b、昇降機構46、回転軸部材47及びカバープレート48は、樹脂組成物で形成されることが好ましい。例えば、軸部材44、ブラケット44d、支持プレート45、固定部材45a、ブラケット45bは、POM(ポリアセタール)で形成されることが好ましい。また、昇降機構46は、アクリル、ポリカーボネート、ポリアセタール等で形成されることが好ましい。回転軸部材47は、ナイロン6で形成されることが好ましい。カバープレート48は、PVC(ポリ塩化ビニル)で形成されることが好ましい。これにより、ウェハWのプロセスに影響を与えるおそれのある材料を収容容器1内から排除することができる。
【0048】
図6に示すように、軸部材44の内部には、配線49a~49cが設けられている。また、収容容器1は、DCジャック50及びスイッチ60を備えている。配線49a~49cは、容器本体10内のコンタクトピン41~43から、容器本体10の背面側壁10bを貫通し、容器本体10外に設けられたDCジャック50及びスイッチ60に接続される。なお、容器本体10の背面側壁10bには、配線49a~49cを挿通しつつ、容器本体10内を密閉するためのシール部材49が設けられている。配線49aは、例えば給電ラインであって、一端がコンタクトピン41と接続され、他端がDCジャック50の一方の端子と接続される。配線49bは、例えばグラウンド(GND)ラインであって、一端がコンタクトピン42と接続され、他端は分岐しており、DCジャック50の他方の端子及びスイッチ60の他方の端子と接続される。配線49cは、例えば信号ラインであって、一端がコンタクトピン43と接続され、他端がスイッチ60の一方の端子と接続される。
【0049】
図4及び図5に示すように、DCジャック50は、容器本体10の外側であって、背面側壁10bに固定されている。DCジャック50は、ACアダプタ70(直流電源)のDCプラグが着脱可能な挿入部(図示せず)と、2つの端子を有する。また、ACアダプタ70は、ACプラグとDCプラグを有する。ACアダプタ70のACプラグは、交流電源(例えば、商用電源)と接続される。ACアダプタ70のDCプラグは、DCジャック50の挿入部に接続される。ACアダプタ70のACプラグを交流電源(例えば、商用電源)と接続し、DCプラグをDCジャック50の挿入部に接続することにより、コンタクトピン41とコンタクトピン42との間に、直流電圧が印加される。
【0050】
図4及び図5に示すように、スイッチ60は、容器本体10の外側であって、背面側壁10bに固定されている。スイッチ60は、例えば常開型のモーメンタリスイッチであり、例えばスイッチ60を押している間だけ通電可能となっている。即ち、スイッチ60をONにすると、コンタクトピン43とコンタクトピン42との間が通電可能となり、スイッチ60をOFFにすると、コンタクトピン43とコンタクトピン42との間の通電が遮断される。
【0051】
なお、回転軸部材47のグリップ、DCジャック50、スイッチ60は、容器本体10の背面側壁10bの外側に設けられている。これにより、例えば、容器本体10の天壁の上面にフランジ(図示せず)を設けることができる。また、容器本体10の側面側壁10sの外側に、ハンドル(図示せず)やレール(図示せず)を設けることができる。また、容器本体10の底壁の外側に位置決めをするための溝(図示せず)を設けることができる。したがって、基板状センサ200を収容した収容容器1は、ウェハWを収容したFOUPと同様に、OHT(Overhead Hoist Transport)やPGV(Person Guided Vehicle)等の搬送装置(図示せず)によって搬送することができる。
【0052】
ここで、OHT等の搬送装置は、収容容器1のフランジと係合することで収容容器1を保持し、収容容器1を搬送する。また、OHTによって保持される収容容器1は、搬送中にフランジを中心として回転する。このため、OHTやPGV等の搬送装置によって搬送される収容容器1は、図4に示すように平面視して円状の範囲300(二点鎖線で示す)の範囲内に収容容器1の構成部材を収めることが求められる。回転軸部材47のグリップ、DCジャック50、スイッチ60は、容器本体10の背面側壁10bの外側であって、範囲300内に設けられる。これにより、OHTによって搬送される収容容器1がフランジを中心として回転された場合でも、容器本体10の外側に設けられた回転軸部材47のグリップ、DCジャック50、スイッチ60が他と接触することを防止することができる。
【0053】
なお、回転軸部材47は容器本体10の側面側壁10sを貫通し、配線49a~49cを挿通しつつ容器本体10内を密閉するためのシール部材49が容器本体10の側面側壁10sに設けられていてもよい。また、回転軸部材47のグリップ、DCジャック50、スイッチ60は、容器本体10の側面側壁10sの外側に設けられていてもよい。即ち、回転軸部材47のグリップ、DCジャック50、スイッチ60は、容器本体10の側面側壁10sの外側であって、範囲300内に設けられていてもよい。これにより、OHTによって搬送される収容容器1がフランジを中心として回転された場合でも、容器本体10の外側に設けられた回転軸部材47のグリップ、DCジャック50、スイッチ60が他と接触することを防止することができる。また、回転軸部材47のグリップ、DCジャック50、スイッチ60は、一方の容器本体10の側面側壁10sの外側に設けられていてもよく、一方の側面側壁10sの外側及び他方の側面側壁10sの外側に分かれて設けられていてもよい。
【0054】
また、OHTやPGV等の搬送装置で収容容器(FOUP)を搬送する際に定められた規格として、収容容器(FOUP)はφ480mm(図4の二点鎖線参照)の領域内で設計されている。本実施形態に係る収容容器1は、この領域(図4の二点鎖線参照)内に回転軸部材47のグリップ、DCジャック50、スイッチ60を収めるように設計される。
【0055】
なお、DCジャック50は、上方からDCプラグを挿入可能な向きに設けられている。また、スイッチ60は、上方から操作可能な向きに設けられている。これにより、作業者は、DCジャック50へのDCプラグの挿入、スイッチ60の操作を上方から行うことができ、作業性が向上する。
【0056】
<基板状センサ200>
次に、収容容器1に収容される基板状センサ200について、図8を用いて説明する。図8は、本実施形態に係る収容容器1に収容される基板状センサ200の構成ブロック図の一例である。
【0057】
基板状センサ200は、端子部210と、センサ220と、センサ制御部230と、記憶部240と、通信部250と、電源制御部260と、バッテリ270と、を有する。
【0058】
端子部210は、基板状センサ200の上面中央に設けられている。端子部210は、コンタクトピン41~43の配置と対応する端子アレイを有する。
【0059】
センサ220は、半導体製造装置100を検査するためのセンサであり、例えば、温度センサ、静電容量センサ、湿度センサ、加速度センサ、イメージセンサ等であってもよい。
【0060】
センサ制御部230は、センサ220を制御して、検出値を取得する。また、センサ制御部230は、記憶部240を制御して、取得したセンサ220の検出値を記憶部240に記憶させる。また、センサ制御部230は、通信部250を制御して、センサ220の検出値および/または記憶部240に記憶されたセンサ220の検出値を外部に送信する。また、センサ制御部230は、通信部250を介して、外部端末(図示せず)と通信可能に接続することができる。これにより、外部端末からセンサ制御部230に制御信号を送信することにより、センサ制御部230の動作を制御することができる。
【0061】
電源制御部260は、DC給電されている状態か否かを判定する機能を有している。DC給電されている状態において、電源制御部260は、センサ220、センサ制御部230、記憶部240、通信部250をDC給電で駆動させる。また、電源制御部260は、DC給電でバッテリ270を充電させる。一方、DC給電されていない状態において、電源制御部260は、センサ220、センサ制御部230、記憶部240、通信部250をバッテリ270からの給電で駆動させる。
【0062】
次に、本実施形態に係る収容容器1の使用例について説明する。ここでは、収容容器1による基板状センサ200の充電機能を動作させる場合について説明する。
【0063】
図6に示すように、収容容器1に基板状センサ200が収容されている。この際、容器本体10の正面開口は、蓋体20で閉塞された状態となっている。具体的には、8段目のティース11で基板状センサ200の下面の左右縁部が支持され、支持体30(支持ブロック31)で基板状センサ200の下面中央が支持されている。
【0064】
作業者は、ACアダプタ70のDCプラグをDCジャック50に挿入し、ACプラグを交流電源(商用電源)に接続する。
【0065】
次に、作業者は、昇降機構46を操作して、軸部材44を下降させコンタクトピン41~43を基板状センサ200の端子部210に接触させる。この際、コンタクトピン41~43が基板状センサ200の上面中央を押す。一方、基板状センサ200の下面中央は、支持体30(支持ブロック31)で支持されている。このため、基板状センサ200の撓みや破損を防止することができる。また、コンタクトピン41~43と端子部210との接触圧を高くすることができる。
【0066】
これにより、ACアダプタ70から、DCジャック50、配線49a,49b、コンタクトピン41,42を介して、基板状センサ200の端子部210に充電電圧が印加される。電源制御部260は、端子部210に充電電圧が印加されると、バッテリ270の充電を開始させる。
【0067】
なお、基板状センサ200には、バッテリ270の充電状態を表示するLED(図示せず)が設けられていてもよい。例えば、LEDは、点灯パターンや色でバッテリ270の充電状態を表示する。これにより、充電機能が正常に動作しているか否を収容容器1の外部から把握することができる。また、バッテリ270の充電状態を収容容器1の外部から把握することができる。
【0068】
以上のように、本実施形態に係る収容容器1によれば、基板状センサ200を収容容器1から取り出すことなく、基板状センサ200のバッテリ270を充電することができる。また、基板状センサ200を収容容器1から取り出すことにより、基板状センサ200に湿気等が吸着されることを防止することができる。また、作業者による充電作業を簡素化することができる。
【0069】
また、基板状センサ200の円板上には、センサ220等が載置される。このため、基板状センサ200の円板の板厚は、ウェハWの板厚よりも薄く形成されることがある。本実施形態に係る収容容器1によれば、コンタクトピン41~43を端子部210と接触させる際、基板状センサ200の下面を支持体30(支持ブロック31)で支持されている。これにより、基板状センサ200の撓みや破損を防止することができる。
【0070】
また、本実施形態に係る収容容器1によれば、基板状センサ200の端子部210にコンタクトピン41~43を接触させて給電する。ところで、収容容器に収容された基板状センサ200を無線給電する場合、送電用のアンテナ(コイル)等を収容容器内に配置する必要がある。送電用のアンテナ等の材質から生じた粒子が、基板処理室PM1~PM6におけるウェハWのプロセスに影響を与えるおそれがある。これに対し、本実施形態に係る収容容器1によれば、収容容器1内に配置される部材(支持体30、コンタクトピン41~43、軸部材44)の材質を、基板処理室PM1~PM6におけるウェハWのプロセスに与える影響の少ない材質を選択することができる。
【0071】
次に、本実施形態に係る収容容器1の他の使用例について説明する。ここでは、収容容器1に収容された基板状センサ200を外部電源で動作させる場合について説明する。
【0072】
図6に示すように、収容容器1に基板状センサ200が収容されている。この際、容器本体10の正面開口は、蓋体20で閉塞された状態となっている。具体的には、8段目のティース11で基板状センサ200の下面の左右縁部が支持され、支持体30(支持ブロック31)で基板状センサ200の下面中央が支持されている。
【0073】
作業者は、ACアダプタ70のDCプラグをDCジャック50に挿入し、ACプラグを交流電源(商用電源)に接続する。
【0074】
次に、作業者は、昇降機構46を操作して、軸部材44を下降させコンタクトピン41~43を基板状センサ200の端子部210に接触させる。これにより、ACアダプタ70から、DCジャック50、配線49a,49b、コンタクトピン41,42を介して、基板状センサ200の端子部210に電圧が印加される。
【0075】
作業者は、スイッチ60を操作する。これにより、電源制御部260が起動する。この際、センサ220、センサ制御部230、記憶部240、通信部250は、端子部210に印加される外部電源で駆動する。
【0076】
以上のように、本実施形態に係る収容容器1によれば、基板状センサ200を収容容器1から取り出すことなく、基板状センサ200のセンサ制御部230を起動することができる。また、外部電源でセンサ制御部230等を駆動することにより、バッテリ270の充電量の消耗を抑制することができる。
【0077】
センサ制御部230を起動することにより、例えば、記憶部240に蓄積された情報を通信部250を介して外部端末(図示せず)に送信することができる。これにより、外部端末で基板状センサ200で検出した半導体製造装置100内の情報を取得することができる。
【0078】
次に、本実施形態に係る収容容器1の更に他の使用例について、説明する。ここでは、収容容器1に収容された基板状センサ200を用いて半導体製造装置100を検査する際の準備について説明する。
【0079】
図6に示すように、収容容器1に基板状センサ200が収容されている。この際、容器本体10の正面開口は、蓋体20で閉塞された状態となっている。具体的には、8段目のティース11で基板状センサ200の下面の左右縁部が支持され、支持体30(支持ブロック31)で基板状センサ200の下面中央が支持されている。
【0080】
次に、作業者は、昇降機構46を操作して、軸部材44を下降させコンタクトピン41~43を基板状センサ200の端子部210に接触させる。
【0081】
次に、作業者は、スイッチ60を操作する。これにより、電源制御部260が起動する。これにより、センサ220、センサ制御部230、記憶部240、通信部250は、バッテリ270から供給される電力で駆動する。これにより、センサ制御部230は、通信部250を介して、外部端末(図示せず)と通信可能に接続される。なお、センサ制御部230は、通信部250を介して記録開始指示の信号を受信すると、センサ220による検出値の記録を開始する。また、センサ制御部230は、通信部250を介して記録終了指示の信号を受信すると、センサ220による検出値の記録を終了する。
【0082】
次に、作業者は、昇降機構46を操作して、軸部材44を上昇させコンタクトピン41~43を基板状センサ200の端子部210から離間させる。
【0083】
次に、作業者は、基板状センサ200が収容された収容容器1をロードポートLP1に取り付ける。
【0084】
制御部110は、半導体製造装置100の各部を制御する。まず、制御部110は、ロードポートLP1を制御して収容容器1の蓋体20を開き、ローダーモジュールLMの搬送装置(図示せず)を制御してエンドエフェクタ120を容器本体10内に挿入して基板状センサ200を取り出す(図7参照)。その後、基板状センサ200は、搬送室VTMの搬送装置VA及びローダーモジュールLMの搬送装置(図示せず)によって設定された位置まで搬送される。そして、基板状センサ200を容器本体10に収容し、収容容器1の蓋体20を閉じる。
【0085】
以上のように、本実施形態に係る収容容器1によれば、基板状センサ200を収容容器1から出すことなく、基板状センサ200のセンサ制御部230を起動することができる。また、基板状センサ200を用いて半導体製造装置100を検査する直前に基板状センサ200のセンサ制御部230を起動することができるので、バッテリ270の充電量の消耗を抑制することができる。
【0086】
また、収容容器1は、FOUPと同様に、Nガスを供給することができるように構成されていてもよい。これにより、収容容器1内にNガスを充填した状態で、収容容器1内に基板状センサ200を収容して保存することができる。これにより、例えば、基板状センサ200の各種センサ220等が大気中の酸素や水分によって劣化することを防止することができる。また、収容容器1は、ドライエアーを供給することができるように構成されていてもよい。これにより、収容容器1内にドライエアーを充填した状態で、収容容器1内に基板状センサ200を収容して保存することができる。これにより、例えば、基板状センサ200の各種センサ220等が水分によって劣化することを防止することができる。
【0087】
<他の処理容器>
なお、収容容器1の構成は、図2から図7に示す収容容器1の構成に限られるものではない。収容容器1の他の構成例について、図9を用いて説明する。図9は、収容容器1Aを側方から見た部分断面図の他の一例である。
【0088】
図2から図7に示す収容容器1において、昇降機構46は支持プレート45の下方に配置される、換言すれば、昇降機構46は支持プレート45に吊り下げて支持されている。これに対し、図9に示す収容容器1Aにおいて、昇降機構46は支持プレート45の上方に配置される、換言すれば、昇降機構46は支持プレート45の上に載置されて支持されている。
【0089】
収容容器1Aにおいて、支持プレート45には、軸部材44と略同径の貫通孔が設けられている。軸部材44は、支持プレート45の貫通孔を貫通し、貫通方向に移動することが可能に構成されている。また、収容容器1Aにおいて、支持プレート45は、昇降機構46からの落下物が基板状センサ200に落下することを防止するカバープレート48の機能を兼ねることができる。
【0090】
その他の構成は、図2から図7に示す収容容器1と同様であり、重複する説明は省略する。
【0091】
また、収容容器1,1Aの内部には、吸湿剤を収容する吸湿剤収容部(図示せず)が設けられていてもよい。これにより、基板状センサ200を介して半導体製造装置100内に水が進入することを抑制することができる。
【0092】
以上に開示された実施形態は、例えば、以下の態様を含む。
(付記1)
基板状センサを収容する収容容器であって、
開口を有する容器本体と、
前記容器本体内に配置され、前記基板状センサを支持する支持部と、
前記容器本体内に配置され、前記基板状センサの端子部と接触可能なコンタクトピンと、
前記容器本体内に配置され、前記コンタクトピンを駆動する駆動機構と、
前記容器本体外から前記駆動機構を駆動させる回転軸部材と、
前記容器本体外に配置され、前記コンタクトピンと電気的に接続されるジャックと、
前記容器本体との前記開口を閉塞可能な蓋体と、
を備える、収容容器。
(付記2)
前記容器本体内に配置され、前記駆動機構を支持する、駆動機構支持部を更に備える、
付記1に記載の収容容器。
(付記3)
前記駆動機構支持部は、前記駆動機構を吊り下げて支持する、
付記2に記載の収容容器。
(付記4)
前記駆動機構支持部は、前記駆動機構を載置して支持する、
付記2に記載の収容容器。
(付記5)
前記容器本体外に配置され、前記コンタクトピンと電気的に接続されるスイッチを更に備える、
付記1乃至付記4のいずれか1項に記載の収容容器。
(付記6)
前記基板状センサの端子部は、該基板状センサの上面に設けられ、
前記支持部は、前記基板状センサの前記端子部が設けられた位置に対応する裏面を支持する支持部材を含む、
付記1乃至付記5のいずれか1項に記載の収容容器。
(付記7)
前記収容容器は、
基板を収容するキャリアが取り付け可能に構成されるロードポートに、取り付け可能に構成される、
付記1乃至付記5のいずれか1項に記載の収容容器。
(付記8)
前記回転軸部材は、前記蓋体と反対側に設けられる前記容器本体の背面側壁を貫通し、
前記ジャックは、前記背面側壁の外側に設けられる、
付記1乃至付記7のいずれか1項に記載の収容容器。
(付記9)
前記回転軸部材は、前記容器本体の側面側壁を貫通し、
前記ジャックは、前記側面側壁の外側に設けられる、
付記1乃至付記7のいずれか1項に記載の収容容器。
(付記10)
前記回転軸部材は、前記蓋体と反対側に設けられる前記容器本体の背面側壁を貫通し、
前記ジャック及び前記スイッチは、前記背面側壁の外側に設けられる、
付記5に記載の収容容器。
(付記11)
前記回転軸部材は、前記容器本体の側面側壁を貫通し、
前記ジャック及び前記スイッチは、前記側面側壁の外側に設けられる、
付記5に記載の収容容器。
(付記12)
開口を有する容器本体と、前記容器本体内に配置され、基板状センサを支持する支持部と、前記容器本体内に配置され、前記基板状センサの端子部と接触可能なコンタクトピンと、前記容器本体内に配置され、前記コンタクトピンを駆動する駆動機構と、前記容器本体外から前記駆動機構を駆動させる回転軸部材と、前記容器本体外に配置され、前記コンタクトピンと電気的に接続されるジャックと、前記容器本体との前記開口を閉塞可能な蓋体と、を備える、収容容器に収容された基板状センサの充電方法であって、
前記駆動機構により、前記コンタクトピンを前記基板状センサの端子部に接触させる工程と、
前記ジャックに直流電源を接続する工程と、
を含む、基板状センサの充電方法。
【0093】
なお、上記実施形態に挙げた構成等に、その他の要素との組み合わせ等、ここで示した構成に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0094】
1 収容容器
10 容器本体
10b 背面側壁
10s 側面側壁
11 ティース(支持部)
20 蓋体
30 支持体(支持部)
31 支持ブロック
40 給電機構
41~43 コンタクトピン
44 軸部材(駆動機構)
45 支持プレート(駆動機構支持部)
46 昇降機構(駆動機構)
47 回転軸部材
48 カバープレート
49 シール部材
49a~49c 配線
50 DCジャック(ジャック)
60 スイッチ
70 ACアダプタ(直流電源)
200 基板状センサ
210 端子部
220 センサ
230 センサ制御部
240 記憶部
250 通信部
260 電源制御部
270 バッテリ
300 範囲
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9