(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023026114
(43)【公開日】2023-02-24
(54)【発明の名称】リフレクタユニットおよび成膜装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/205 20060101AFI20230216BHJP
C23C 16/44 20060101ALI20230216BHJP
【FI】
H01L21/205
C23C16/44 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021131789
(22)【出願日】2021-08-12
(71)【出願人】
【識別番号】504162958
【氏名又は名称】株式会社ニューフレアテクノロジー
(71)【出願人】
【識別番号】000002004
【氏名又は名称】昭和電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(72)【発明者】
【氏名】梅津 拓人
(72)【発明者】
【氏名】矢島 雅美
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 邦彦
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4K030BA37
4K030KA05
4K030KA08
4K030KA12
4K030KA45
5F045AA03
5F045AB06
5F045DP28
5F045EF05
5F045EJ04
5F045EJ06
5F045EK01
5F045EK07
5F045EK22
5F045EM10
(57)【要約】
【課題】チャンバへの熱伝導を充分に抑制し、応力の発生を抑えることができる、リフレクタユニットおよび成膜装置を提供する。
【解決手段】リフレクタユニットは、成膜チャンバに支持されるための第1係合部が外周側に設けられ、第1搭載部が内周側に設けられた、円筒状の第1リフレクタ部品と、第1リフレクタ部品の内側に配置され、第1搭載部上で係合して第1リフレクタ部品に支持されるための第2係合部が外周側に設けられる円筒状の第2リフレクタ部品と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成膜チャンバに支持されるための第1係合部が外周側に設けられ、第1搭載部が内周側に設けられた、円筒状の第1リフレクタ部品と、
前記第1リフレクタ部品の内側に配置され、前記第1搭載部上で係合して前記第1リフレクタ部品に支持されるための第2係合部が外周側に設けられる円筒状の第2リフレクタ部品と、を備えるリフレクタユニット。
【請求項2】
前記第1係合部は、鉛直方向の位置および水平方向の位相の少なくともいずれかが前記第2係合部と異なる、請求項1に記載のリフレクタユニット。
【請求項3】
前記第1係合部、前記第1搭載部、および前記第2係合部の少なくともいずれかは、周方向において少なくとも3カ所に部分的に略均等配置される、請求項1または請求項2に記載のリフレクタユニット。
【請求項4】
前記第2リフレクタ部品には、さらに第2搭載部が内周側に設けられ、
前記第2リフレクタ部品の内側に配置され、前記第2搭載部上で係合して前記第2リフレクタ部品に支持されるための第3係合部が外周側に設けられた、円筒状の第3リフレクタ部品と、を備える請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のリフレクタユニット。
【請求項5】
上部に開口を有するトッププレートを有し、基板を収容して成膜処理を行うチャンバと、
前記チャンバの上方に設けられ、前記トッププレートの前記開口を介して前記基板上に原料ガスを供給するガス供給部と、
前記基板を加熱するヒータと、
前記トッププレートの前記開口に設置される請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のリフレクタユニットと、を備えた成膜装置。
【請求項6】
前記リフレクタユニットは、前記トッププレートに係合して固定される請求項5に記載の成膜装置。
【請求項7】
前記リフレクタユニットは、前記ガス供給部に取り付けられた取り付け部に固定される請求項5に記載の成膜装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、リフレクタユニットおよび成膜装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、パワーデバイス等の半導体素子の製造工程では、基板に単結晶薄膜(例えば、SiC)を気相成長させて成膜するエピタキシャル成長技術が用いられる。エピタキシャル成長技術に用いられる成膜装置では、常圧または減圧に保持されたチャンバの内部に基板を載置し、その基板を回転させかつ加熱しながらチャンバ内に原料ガスおよびドーピングガスを供給する。これにより、基板の表面で原料ガスの熱分解反応および水素還元反応が起こり、基板上にエピタキシャル膜が成膜される。
【0003】
原料ガスの導入部が接続されチャンバ上部を構成する環状のトッププレートが輻射熱または伝導熱で加熱されると、チャンバに大きな応力が発生する。このようなチャンバへの応力印加を抑制するために、トッププレートの内周には、リフレクタユニットが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-116606号公報
【特許文献2】特開2013-211521号公報
【特許文献3】特開2018-082064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ガス導入部付近の構造は輻射や伝熱などを抑えつつ、その構造の維持のためにチャンバを開放したメンテナンスなどが容易なことも重要である。しかしながら、リフレクタ、チャンバの形状やこれらを固定する方法によっては、部材からの熱伝導やそれ自身の温度分布の影響を受け、チャンバに大きな応力が発生してしまう。
本実施形態は、チャンバへの熱伝導を充分に抑制し、応力の発生を抑えることができる、リフレクタユニットおよび成膜装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態によるリフレクタユニットは、成膜チャンバに支持されるための第1係合部が外周側に設けられ、第1搭載部が内周側に設けられた、円筒状の第1リフレクタ部品と、第1リフレクタ部品の内側に配置され、第1搭載部上で係合して第1リフレクタ部品に支持されるための第2係合部が外周側に設けられる円筒状の第2リフレクタ部品と、を備える。
【0007】
本実施形態による成膜装置は、上部に開口を有するトッププレートを有し、基板を収容して成膜処理を行うチャンバと、チャンバの上方に設けられ、トッププレートの開口を介して基板上に原料ガスを供給するガス供給部と、基板を加熱するヒータと、トッププレートの開口に設置される上記リフレクタユニットと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態による成膜装置の構成例を示す断面図。
【
図2】リフレクタユニットおよびその周辺の構成例を示す断面図。
【
図3】第1リフレクタユニットの構成例を示す断面図。
【
図5A】他のリフレクタ部品の構成例を示す平面図。
【
図5C】他のリフレクタ部品の構成例を示す側面図。
【
図6】第2実施形態による第1リフレクタユニットの構成例を示す断面図。
【
図7】第1実施形態の変形例による第1リフレクタユニットの構成例を示す断面図。
【
図8A】第3実施形態による第1リフレクタユニットの構成例を示す断面図。
【
図8B】第1リフレクタユニットのより詳細な構成例を示す断面図。
【
図11】結合された第1および第2支持部材の構成例を示す斜視図。
【
図12A】結合された第1および第2支持部材の他の構成例を示す断面図。
【
図12B】結合された第1および第2支持部材の他の構成例を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。図面は模式的または概念的なものであり、各部分の比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。明細書と図面において、既出の図面に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0010】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態による成膜装置10の構成例を示す断面図である。成膜装置10は、チャンバ13と、ライナ20と、冷却部31、32、35と、ガス供給部12と、排気部50と、サセプタ60と、支持部70と、回転機構80と、下部ヒータ90と、上部ヒータ95と、リフレクタユニット100とを備えている。
【0011】
チャンバ13は、略円筒形の金属で構成されており、例えば、ステンレス製である。チャンバ13の内部は、排気部50に接続された図示しない真空ポンプによって圧力調整可能である。
【0012】
チャンバ13の上方のガス供給部12には、ガスを供給するためのノズルNおよび第1冷却部31、第2冷却部32が設けられている。ノズルNから供給される原料ガス、キャリアガス、ドーピングガスを含むプロセスガスは、第1冷却部31、第2冷却部32によって温度上昇が抑制される。
【0013】
チャンバ13は、基板Wを収容可能であり、成膜処理が行われる。チャンバ13には、サセプタ60、回転機構80、下部ヒータ90および上部ヒータ95等が設けられている。ノズルNから供給されたガスは、加熱された基板Wの表面において反応し、基板W上にエピタキシャル膜が形成される。このエピタキシャル膜は、例えば、SiC膜等である。
【0014】
ライナ20は、チャンバ13の内壁を被覆して保護する中空筒状の部材であり、例えば、SiCコートされたカーボン製である。ライナ20は、チャンバ13の内壁に副生成物が堆積することを抑制する。
【0015】
冷却部31、32は、ガス供給部12に設けられており、例えば、冷媒(例えば、水)の流路となっている。流路を冷媒が流れることによって、冷却部31、32は、ガス供給部12内およびガス供給部12のノズルNの周囲において上部ヒータ95や下部ヒータ90からの熱によるガスの温度上昇を抑制する。
【0016】
冷却部35は、チャンバ13に設けられており、冷却部31、32と同様に、例えば、冷媒(例えば、水)の流路となっている。冷却部35は、上部ヒータ95や下部ヒータ90からの熱がチャンバ13を加熱しないように設けられている。
【0017】
ガス供給部12は、基板Wの表面に対向するようにチャンバ13の上方に設けられており、複数のノズルNを有する。ガス供給部12は、ノズルNを介して、原料ガス、ドーピングガスおよびキャリアガスをチャンバ13内部へ供給する。
【0018】
排気部50は、チャンバ13の底部に設けられており、成膜処理に用いられた余剰のガスや反応副生成物をチャンバ13の外部へ排気する。
【0019】
サセプタ60は、基板Wを載置可能な円環状の部材であり、例えば、SiC(炭化珪素)や、カーボンなどの材料で形成される。支持部70は、サセプタ60を支持可能な円筒形の部材であり、例えば、サセプタ60と同様にカーボン製である。支持部70は、回転機構80に接続されており、回転機構80によって回転可能に構成されている。支持部70は、サセプタ60とともに基板Wを回転させることができる。サセプタ60および支持部70は、カーボンの他、例えば、SiC(炭化珪素)、TaC(炭化タンタル)、TaCコートされたカーボンなどの1700℃以上の耐熱性がある材料で形成される。
【0020】
下部ヒータ90は、サセプタ60の下方、かつ、支持部70の内部に設けられている。下部ヒータ90は、基板Wをその下方から加熱する。上部ヒータ95は、チャンバ13の側面に沿って設けられており、基板Wの温度が低下しないようにチャンバ13の内部を加熱する。上部ヒータ95は、リフレクタユニット100の下方に設けられている。回転機構80が基板Wを、例えば、900rpm以上の高速で回転させながら、下部ヒータ90および上部ヒータ95が、その基板Wを1500℃以上の高温に加熱する。これにより、基板Wが均一に加熱され得る。
【0021】
リフレクタユニット100は、チャンバ13の上部に設けられる環状のトッププレート110の内側に設けられており、例えば、カーボン製である。リフレクタユニット100は、下部ヒータ90、上部ヒータ95からの熱を下方へ反射するとともに、チャンバ13への熱伝導を抑える。これにより、ガス供給部12およびチャンバ13上部の温度が過剰に上昇しないようにする。例えば、リフレクタユニット100は、カーボンの他、SiC(炭化珪素)、TaC(炭化タンタル)、W(タングステン)、Mo(モリブデン)などの1700℃以上の耐熱性がある材料で形成されることが好ましい。リフレクタユニット100は、熱を効率良く反射するために複数の薄板を所定の間隔で離間させた構造を有する。リフレクタユニット100のより詳細な構成は、後述する。
【0022】
図2は、リフレクタユニット100およびその周辺の構成例を示す断面図である。尚、ガス供給部12の図示は省略している。
【0023】
リフレクタユニット100は、チャンバ13の上部(即ち、ガス供給部12の直下)に設けられ、第1リフレクタユニット100aと、第2リフレクタユニット100bとを含む。
【0024】
第1リフレクタユニット100aは、チャンバ13の上部に設けられたトッププレート110に取り付けられている。トッププレート110は、チャンバ13の上部を構成している。トッププレート110は、チャンバ13と略同心円状に設けられた環状部材であり、例えば、ステンレス等の金属で構成されている。トッププレート110は、その内周部分Cの下部が略鉛直方向から略水平方向へ所定の曲率となるように構成する。これにより、成膜処理における熱による応力がトッププレート110の内周部分Cの下部に集中することを抑制する。
【0025】
そして、成膜処理による熱を抑えチャンバ13を保護するために、トッププレート110の内周側にリフレクタユニット100を設ける。
【0026】
トッププレート110は、内壁面に複数の突起部110aを有する。第1リフレクタユニット100aは、後述するトッププレートのカバー(以下、単にカバーと記す)103を介して、トッププレート110の突起部110aに自重で引っ掛かるように支持されており、ボルト等を用いて締結はされていない。第1リフレクタユニット100aは、複数のリフレクタ部品で構成されている。複数のリフレクタ部品のいずれも、略円筒形を有し、互いに係合または支持されることによってトッププレート110の内周部分Cに入れ子状に配置されている。
【0027】
一方、第2リフレクタユニット100bは、チャンバ13の略水平方向に延びる内壁面に取り付けられている。第2リフレクタユニット100bは、複数のリフレクタ部品を重ねるように構成され、ボルト等を用いて保持部材を介してチャンバ13に締結固定されている。
【0028】
図3は、第1リフレクタユニット100aの構成例を示す断面図である。第1リフレクタユニット100aの円筒形の周方向をD3とし、径方向をD2とし、D3およびD2に対して直交方向をD1としている。D1は、鉛直方向(鉛直上方向または鉛直下方向)である。
図3は、径方向(D2)の第1リフレクタユニット100aの設置部分の断面を示している。尚、これら方向は、厳密に鉛直または水平である必要はなく、ある程度の誤差は許容される。
【0029】
カバー103は、ガス供給部12とチャンバ13との間にあるトッププレート110の内周部分Cにおいてチャンバ13の内壁を被覆する。カバー103は、トッププレート110の内周部分Cの曲面部分に沿って設けられる。カバー103は、例えばトッププレートへの反応副生成物の付着を防止するために設けられる
【0030】
カバー103は、チャンバ13の内壁に沿って略環状に構成される。カバー103は、複数の係合部103aを有する。係合部103aは、例えばカバー103の外周側上部に形成されたフランジに複数の切り欠きが設けられて構成されており、トッププレート110の内周側に設けられた突起部110aに係合する。これにより、カバー103は、自重により係合部103aを介して突起部110aで支持され、トッププレートの内周面を被覆する。カバー103には、例えば、石英等の耐熱性材料が用いられている。
【0031】
カバー103は、トッププレート110の内周面を被覆することができるように、トッププレート110の内径より若干小さい径を有する。一方、係合部103aが突起部110aに引っ掛かるように、係合部103aの外径は、突起部110aの内接円の内径よりも大きい。このように構成することにより、カバー103は、トッププレート110の内周面を被覆した状態で固定され得る。
【0032】
カバー103は、トッププレート110の内周部分Cに設けられた複数の突起部110aにカバー103を介して係合しており、突起部110aによって支持されている。突起部110aは、トッププレート110内壁から径方向に突出するように設けられている。突起部110aは、トッププレート110と一体形成されており、トッププレート110と同様にステンレス等の金属で構成されている。尚、突起部110aは、トッププレート110と別体であってもよい。この場合、突起部110aは、トッププレート110の側壁に、例えば、接着または溶接されていればよい。
【0033】
第1リフレクタユニット100aは、リフレクタ部品101_1、101_2、102_1、102_2、104を備えている。
【0034】
第1リフレクタ部品としてのリフレクタ部品101_1は、トッププレート110の内周部分Cを被覆するように略円筒形を有する。即ち、リフレクタ部品101_1は、その側壁がトッププレート110の内周部分Cを鉛直方向(D1)および周方向(D3)に被覆するように配置される。尚、リフレクタ部品101_1、102_1、101_2、102_2、104には、例えば、カーボン、SiCコートされたカーボン、TaCコートされたカーボン等の耐熱性材料が用いられる。リフレクタ部品101_1、102_1、101_2、102_2、104は、例えば、カーボンにSiC膜またはTaC膜を成膜した材料であってもよい。
【0035】
リフレクタ部品101_1は、径方向(D2)の断面において、上端に、外側へ突出する第1係合部としての係合部101a_1を有し、下端に、内側へ突出する第1搭載部としての搭載部101b_1を有する。係合部101a_1は、トッププレート110の内周部分Cに設けられた突起部110aの上方にカバー103の係合部103aを介して係合しており、突起部110aによって支持されている。搭載部101b_1は、第2リフレクタ部品としてのリフレクタ部品102_1を搭載するために、内側へ突出している。このように、リフレクタ部品101_1は、上端に係合部101a_1を有し、下端に搭載部101b_1を有する。これにより、リフレクタ部品101_1は、自重でトッププレート110の突起部110aに係合して支持され、かつ、搭載部101b_1でリフレクタ部品102_1を搭載して支持することができる。
【0036】
リフレクタ部品101_1の鉛直方向(D1)に伸延する部分101_1aは、カバー103の内側に入れることができるように、カバー103の内径よりも若干小さな外径を有する。一方、係合部101a_1がカバー103または突起部110aに引っ掛かるように、係合部101a_1の外接円の径は、カバー103の内径または突起部110aの内接円の径よりも若干大きい。このように構成することにより、リフレクタ部品101_1は、トッププレート110の内周部分Cおよびカバー103の内周面を被覆した状態で載置され得る。
【0037】
係合部101a_1は、上方からの熱輻射がリフレクタ部品101_1とカバー103との間に進入することを抑制し、リフレクタ部品101_1およびカバー103が熱輻射によって直接加熱されることを抑制する。搭載部101b_1は、下方からの熱輻射がリフレクタ部品101_1とリフレクタ部品102_1との間に進入することを抑制し、リフレクタ部品101_1、102_1が熱輻射によって直接加熱されることを抑制する。さらに、係合部101a_1は、上方からのプロセスガスがリフレクタ部品101_1とカバー103との間に進入することを抑制し、リフレクタ部品101_1およびカバー103に堆積物が付着することを抑制する。これにより、リフレクタ部品101_1およびカバー103の熱輻射の反射率を維持することができる。搭載部101b_1は、下方からのプロセスガスがリフレクタ部品101_1とリフレクタ部品102_1との間に進入することを抑制し、リフレクタ部品101_1、102_1に堆積物が付着することを抑制する。これにより、リフレクタ部品101_1、102_1の熱輻射の反射率を維持することができる。
【0038】
第2リフレクタ部品としてのリフレクタ部品102_1は、トッププレート110の内周部分Cを被覆するように略円筒形を有する。即ち、リフレクタ部品102_1は、その側壁がリフレクタ部品101_1の内面を鉛直方向(D1)および周方向(D3)に被覆するように配置される。
【0039】
リフレクタ部品102_1は、径方向(D2)の断面において、上方に、内側へ突出する第2搭載部としての搭載部102b_1を有し、下方に、外側へ突出する第2係合部としての係合部102a_1を有する。係合部102a_1は、リフレクタ部品101の搭載部101b_1に係合しており、搭載部101b_1によって支持されている。搭載部102b_1は、リフレクタ部品101_2を搭載するために、内側へ突出している。このように、リフレクタ部品102_1は、上端に搭載部102b_1を有し、下方に係合部102a_1を有する。これにより、リフレクタ部品102_1は、自重でリフレクタ部品101_1の搭載部101b_1に係合して支持され、かつ、リフレクタ部品101_2を搭載して支持することができる。
【0040】
リフレクタ部品102_1の鉛直方向(D1)に伸延する部分102_1aは、リフレクタ部品101_1の内側に入れることができるように、リフレクタ部品101_1の内径よりも若干小さな外径を有する。一方、係合部102a_1がリフレクタ部品101_1の搭載部101b_1に引っ掛かるように、係合部102a_1の外接円の径は、リフレクタ部品101_1の搭載部101b_1の内接円の径よりも若干大きい。このように構成することにより、リフレクタ部品102_1は、リフレクタ部品101_1の内周面を被覆した状態で載置される。
【0041】
リフレクタ部品102_1は、上端に、径方向(D2)の外側へ突出する突出部102c_1をさらに有し、下端に、径方向(D2)の内側へ突出する突出部102d_1をさらに有する。突出部102c_1は、上方からの熱輻射がリフレクタ部品101_1とリフレクタ部品102_1との間に進入することを抑制し、リフレクタ部品101_1、102_1が熱輻射によって直接加熱されることを抑制する。突出部102d_1は、下方からの熱輻射がリフレクタ部品102_1とリフレクタ部品101_2との間に進入することを抑制し、リフレクタ部品102_1、101_2が熱輻射によって直接加熱されることを抑制する。さらに、突出部102c_1は、上方からのプロセスガスがリフレクタ部品101_1とリフレクタ部品102_1との間に進入することを抑制し、リフレクタ部品101_1、102_1に堆積物が付着することを抑制する。これにより、リフレクタ部品101_1、102_1の熱輻射の反射率を維持することができる。突出部102d_1は、下方からのプロセスガスがリフレクタ部品102_1とリフレクタ部品101_2との間に進入することを抑制し、リフレクタ部品102_1、101_2に堆積物が付着することを抑制する。これにより、リフレクタ部品102_1、101_2の熱輻射の反射率を維持することができる。
【0042】
尚、係合部102a_1および搭載部102b_1も、突出部102c_1、102d_1と同様の機能を有する。即ち、係合部102a_1は、下方からの熱輻射がリフレクタ部品101_1とリフレクタ部品102_1との間に進入することを抑制する。搭載部102b_1は、上方からの熱輻射がリフレクタ部品102_1とリフレクタ部品101_2との間に進入することを抑制する。さらに、係合部102a_1は、下方からのプロセスガスがリフレクタ部品101_1とリフレクタ部品102_1との間に進入することを抑制する。搭載部102b_1は、上方からのプロセスガスがリフレクタ部品102_1とリフレクタ部品101_2との間に進入することを抑制する。
【0043】
第3リフレクタ部品としてのリフレクタ部品101_2は、基本的に、リフレクタ部品101_1と同様の断面構造を有する。リフレクタ部品101_2は、内周部分Cにおいて、チャンバ13の内壁を被覆するように略円筒形を有する。リフレクタ部品101_2は、その側壁がトッププレート110の内周部分Cを略鉛直方向(D1)および周方向(D3)に被覆するように配置される。
【0044】
リフレクタ部品101_2は、径方向(D2)の断面において、上方に、外周側へ突出する係合部101a_2を有し、下端に、内周側へ突出する搭載部101b_2を有する。係合部101a_2は、その外側に隣接するリフレクタ部品102_1の搭載部102b_1に係合しており、搭載部102b_1によって支持されている。リフレクタ部品101_2の搭載部101b_2は、リフレクタ部品102_2を搭載するために、内周側へ突出している。このように、リフレクタ部品101_2は、上端に係合部101a_2を有し、下端に搭載部101b_2を有する。これにより、リフレクタ部品101_2は、自重でリフレクタ部品102_1の搭載部102b_1に係合して支持され、かつ、リフレクタ部品102_2を搭載して支持することができる。
【0045】
リフレクタ部品101_2の鉛直方向(D1)に伸延する部分101_2aは、リフレクタ部品102_1の内側に入れることができるように、リフレクタ部品102_1の内径よりも若干小さな外径を有する。一方、係合部101a_2がリフレクタ部品102_1の搭載部102b_1に引っ掛かるように、リフレクタ部品101_2の係合部101a_2の外接円の径は、リフレクタ部品102_1の搭載部102b_1の内接円の径よりも若干大きい。このように構成することにより、リフレクタ部品101_2は、リフレクタ部品102_1を被覆した状態で載置され得る。
【0046】
係合部101a_2は、係合部101a_1と同様の機能を有し、上方からの熱輻射がリフレクタ部品102_1とリフレクタ部品101_2との間に進入することを抑制する。搭載部101b_2は、搭載部101b_1と同様の機能を有し、下方からの熱輻射がリフレクタ部品101_2とリフレクタ部品102_2との間に進入することを抑制する。さらに、係合部101a_2は、上方からのプロセスガスがリフレクタ部品102_1とリフレクタ部品101_2との間に進入することを抑制する。搭載部101b_2は、下方からのプロセスガスがリフレクタ部品101_2とリフレクタ部品102_2との間に進入することを抑制する。これにより、係合部101a_2および搭載部101b_2は、係合部101a_1および搭載部101b_1と同様の効果を得ることができる。
【0047】
リフレクタ部品102_2は、基本的に、リフレクタ部品102_1と同様の断面構造を有する。リフレクタ部品102_2は、トッププレート110の内周部分Cにおいて、チャンバ13の内壁を被覆するように略円筒形を有する。リフレクタ部品102_2は、その側壁がリフレクタ部品102_1の内面を鉛直方向(D1)および周方向(D3)に被覆するように配置される。
【0048】
リフレクタ部品102_2は、径方向(D2)の断面において、上端に、径方向の内側へ突出する搭載部102b_2を有し、下端に、径方向の外側へ延びる係合部102a_2を有する。リフレクタ部品102_2の係合部102a_2は、リフレクタ部品101_2の搭載部101b_2に係合しており、リフレクタ部品101_2の搭載部101b_2によって支持されている。リフレクタ部品102_2の搭載部102b_2は、リフレクタ部品104を搭載するために、径方向の内側へ突出している。このように、リフレクタ部品102_2は、鉛直方向(D1)に延伸する本体の上端に搭載部102b_2を有し、下端に係合部102a_2を有する。これにより、リフレクタ部品102_2は、自重でリフレクタ部品101_2の搭載部101b_2に係合して支持され、かつ、リフレクタ部品104を搭載して支持することができる。
【0049】
リフレクタ部品102_2の鉛直方向(D1)に伸延する部分102_2aは、リフレクタ部品101_2の内側に入れることができるように、リフレクタ部品101_2の内径よりも若干小さな外径を有する。一方、係合部102a_2がリフレクタ部品101_2の搭載部101b_2に引っ掛かるように、リフレクタ部品102_2の係合部102a_2の外接円の径は、リフレクタ部品101_2の搭載部101b_2の内接円の径よりも若干大きい。このように構成することにより、リフレクタ部品102_2は、リフレクタ部品101_2の内周面を被覆した状態で載置され得る。
【0050】
リフレクタ部品102_2は、上端に、径方向(D2)の外側へ突出する突出部102c_2をさらに有し、下端に、径方向(D2)の内側へ突出する突出部102d_2をさらに有する。突出部102c_2は、上方からの熱輻射がリフレクタ部品101_2とリフレクタ部品102_2との間に進入することを抑制し、リフレクタ部品101_2、102_2が熱輻射によって直接加熱されることを抑制する。突出部102d_2は、下方からの熱輻射がリフレクタ部品102_2とリフレクタ部品104との間に進入することを抑制し、リフレクタ部品102_2が熱輻射によって直接加熱されることを抑制する。さらに、突出部102c_2は、上方からのプロセスガスがリフレクタ部品101_2とリフレクタ部品102_2との間に進入することを抑制し、リフレクタ部品101_2、102_2に堆積物が付着することを抑制する。これにより、リフレクタ部品101_2、102_2の熱輻射の反射率を維持することができる。突出部102d_2は、下方からのプロセスガスがリフレクタ部品102_2とリフレクタ部品104との間に進入することを抑制し、リフレクタ部品102_2、104に堆積物が付着することを抑制する。これにより、リフレクタ部品102_2、104の熱輻射の反射率を維持することができる。
【0051】
尚、係合部102a_2および搭載部102b_2も、突出部102c_2、102d_2と同様の機能を有する。即ち、係合部102a_2は、下方からの熱輻射がリフレクタ部品101_2とリフレクタ部品102_2との間に進入することを抑制する。搭載部102b_2は、上方からの熱輻射がリフレクタ部品102_2とリフレクタ部品104との間に進入することを抑制する。さらに、係合部102a_2は、下方からのプロセスガスがリフレクタ部品101_2とリフレクタ部品102_2との間に進入することを抑制する。搭載部102b_2は、上方からのプロセスガスがリフレクタ部品102_2とリフレクタ部品104との間に進入することを抑制する。
【0052】
リフレクタ部品104は、トッププレート110の内周部分Cにおいて、リフレクタ部品102_2の内壁を被覆するように略円筒形を有する。リフレクタ部品104は、例えば、カーボン材料にSiC膜またはTaC膜を成膜した材料でよい。しかし、リフレクタ部品104は、第1リフレクタユニット100aの最も内側のリフレクタ部品であるので、カーボン材料にSiC膜を被覆した材料で構成されることが好ましい。
【0053】
リフレクタ部品104は、上端に、径方向(D2)の外側へ突出する係合部104aをする。リフレクタ部品104の係合部104aは、その外側に隣接するリフレクタ部品102_2の搭載部102b_2に係合しており、搭載部102b_2によって支持されている。このように、リフレクタ部品104は、鉛直方向(D1)に延伸する本体の上端に係合部104aを有する。これにより、リフレクタ部品104は、自重でリフレクタ部品102_2の搭載部102b_2に係合して支持され得る。
【0054】
リフレクタ部品104の鉛直方向(D1)に伸延する部分104a_aは、リフレクタ部品102_2の内側に入れることができるように、リフレクタ部品102_2の内径よりも若干小さな外径を有する。一方、係合部104aがリフレクタ部品102_2の搭載部102b_2に引っ掛かるように、係合部104aの外接円の径は、リフレクタ部品102_2の搭載部102b_2の内接円の径よりも若干大きい。このように構成することにより、リフレクタ部品104は、リフレクタ部品102_2の内周面を被覆した状態で載置され得る。
【0055】
係合部104aは、係合部101a_2と同様の機能を有し、上方からの熱輻射がリフレクタ部品102_2とリフレクタ部品104との間に進入することを抑制する。さらに、係合部104aは、上方からのプロセスガスがリフレクタ部品102_2とリフレクタ部品104との間に進入することを抑制する。これにより、係合部104aは、係合部101a_2と同様の効果を得ることができる。
【0056】
このように、本実施形態による第1リフレクタユニット100aは、リフレクタ部品101_1、101_2、102_1、102_2、104で構成されている。リフレクタ部品101_1、101_2、102_1、102_2、104は、トッププレート110の突起部110aを起点に連続して引っ掛かるように配置される。これにより、リフレクタ部品101_1、101_2、102_1、102_2、104において、径方向の外側にあるリフレクタ部品が径方向の内側にあるリフレクタ部品を支持している。これにより、本実施形態では、ボルト等の締結器具を用いて固定する必要が無い。ボルト等の締結器具を用いていないので、締結器具を介した熱伝導が抑制される。また、ボルト等の締結器具を用いていないので、第1リフレクタユニット100aの取り外し、取り付けが簡単であり、メンテナンスが容易になる。さらに、第1リフレクタユニット100aを構成する部品点数が少なくなる。
【0057】
また、締結器具で締結するためには、リフレクタ部品101_1、101_2、102_1、102_2、104およびトッププレート110に締結穴を形成し、これらを締結器具で締め付ける必要がある。この場合、第1リフレクタユニット100aおよびトッププレート110に機械的な応力が印加される。このような機械的な応力が熱応力の他にトッププレート110に印加されると、チャンバ13が破損し易くなる。これに対し、本実施形態による第1リフレクタユニット100aは、締結器具を用いていないので、機械的な応力がトッププレート110、即ち、チャンバ13に印加されることを抑制することができる。
【0058】
また、リフレクタ部品101_1、101_2、102_1、102_2、104は、それぞれ鉛直方向(D1)に延伸しており、径方向(D2)に入れ子状に配列されている。これにより、第1リフレクタユニット100aは、略水平方向から来る熱輻射を効果的に反射することができる。また、第2リフレクタユニット100bが鉛直方向(D1)に重ねて配置されたリフレクタ部品で構成されている。従って、上部ヒータ95や下部ヒータ90の下方からの熱輻射は、第2リフレクタユニット100bによって効果的に反射される。よって、リフレクタユニット100a、100bは、トッププレート110への熱伝導を抑制し、熱輻射による過剰な加熱を抑制することができる。これにより、熱応力によるチャンバ13の破損を抑制することができる。
【0059】
リフレクタ部品101_1、101_2は、径の大きさが異なるものの、
図3に示す断面において、互いにほぼ等しい形状を有する。また、リフレクタ部品102_1、102_2も、径の大きさが異なるものの、
図3に示す断面において、互いにほぼ等しい形状を有する。よって、第1リフレクタユニット100aでは、複数の第1リフレクタ部品101_1、101_2と複数の第2リフレクタ部品102_1、102_2とが交互に径方向に層状に重ねて配列される。カバー103とリフレクタ部品104との間にある第1および第2リフレクタ部品の数は、特に限定せず、それぞれ2個より少なくても、多くてもよい。
【0060】
本実施形態では、リフレクタ部品101_1の係合部101a_1とカバー103の係合部103aとが接触し、リフレクタ部品102_1の係合部102a_1とリフレクタ部品101_1の搭載部101b_1とが接触し、リフレクタ部品102_1の搭載部102b_1とリフレクタ部品101_2の係合部101a_2とが接触し、リフレクタ部品101_2の搭載部101b_2とリフレクタ部品102_2の係合部102a_2とが接触し、リフレクタ部品102_2の搭載部102b_2とリフレクタ部品104の係合部104aとが接触している。しかし、それ以外の部分において、カバー103、リフレクタ部品101_1、102_1、101_2、102_2、104は、接触していない。従って、隣接するリフレクタ部品の接触面は、各リフレクタ部品の端部に設けられ、鉛直方向(D1)に離間(鉛直方向における高さ位置が異なる)しており、互い違いにジグザグ状に配置される。これにより、第1リフレクタユニット100aの最も内側に配置されたリフレクタ部品104からトッププレート110までの熱伝導路は、
図3の破線矢印A1で示すように、長くなる。このように熱伝導路を長くすることによって、リフレクタ部品104の熱は、トッププレート110まで伝導され難くなる。その結果、第1リフレクタユニット100aは、水平方向からの熱輻射を効果的に遮断し、トッププレート110を熱から保護することができる。
【0061】
図4Aは、リフレクタ部品101_1の構成例を示す平面図である。
図4Bは、
図4AのB-B線に沿った断面図である。
図4Cは、リフレクタ部品101_1の構成例を示す側面図である。
図4A~
図4Cを参照して、リフレクタ部品101_1の構成を説明する。他のリフレクタ部品101_2の構成は、径が異なるものの、リフレクタ部品101_1の構成と基本的に同じであるので、その説明を省略する。リフレクタ部品101_1は、例えば、カーボン材料にSiC膜またはTaC膜を成膜した材料からなる。
【0062】
図4Aに示すように、リフレクタ部品101_1は、その内側に径方向(D2)に突出し、周方向(D3)の全体に設けられたフランジ101b_11と、フランジ101b_11上に鉛直方向(D1)に突出する複数の搭載部101b_1とを備える。即ち、搭載部101b_1は、リフレクタ部品101_1のフランジ101b_11上に設けられている。複数の搭載部101b_1は、
図4Aに示すように、リフレクタ部品101_1の内周全体に設けられているのではなく、その内周の4カ所に部分的に略均等配置されている。搭載部101b_1は、リフレクタ部品101_1を安定して支持することができればよく、少なくとも3カ所に略均等配置されていればよい。
【0063】
もし、複数の搭載部101b_1がリフレクタ部品101_1の内周全体に設けられている場合、リフレクタ部品102_1の係合部102a_1は、フランジ101b_11と接触し、互いの接触面積が大きくなる。この場合、リフレクタ部品101_1とリフレクタ部品102_1との間の熱伝導性が比較的高くなってしまう。このため、第1リフレクタユニット100aの熱遮断効果が低減してしまう。
【0064】
従って、複数の搭載部101b_1をフランジ101b_11から部分的に突出させ、複数の搭載部101b_1上に係合部102a_1を係合させる。これにより、リフレクタ部品101_1とリフレクタ部品102_1との接触面積が小さくなる。一方、リフレクタ部品102_1を安定して支持するために、複数の搭載部101b_1は、リフレクタ部品101_1の内周に略均等に配置され、かつ、充分な強度で搭載部101b_1に接続されていることが好ましい。
【0065】
一方、リフレクタ部品101_1は、
図4Bおよび
図4Cに示すように、搭載部101b_1とは反対側の端部の外側に、径方向(D2)に突出する係合部101a_1を備える。即ち、係合部101a_1も、リフレクタ部品101_1のフランジとして設けられている。係合部101a_1は、リフレクタ部品101_1の外周全体に設けられていてよい。この場合、
図3のカバー103の係合部103aが、搭載部101b_1と同様に部分的に略均等配置されていればよい。これにより、係合部101a_1は、リフレクタ部品101_1の外周全体に設けられていても、係合部103aとの接触面積を小さくすることができる。
【0066】
図5Aは、他のリフレクタ部品102_1の構成例を示す平面図である。
図5Bは、
図5AのB-B線に沿った断面図である。
図5Cは、他のリフレクタ部品102_1の構成例を示す側面図である。
図5A~
図5Cを参照して、リフレクタ部品102_1の構成を説明する。リフレクタ部品102_2の構成は、径が異なるものの、リフレクタ部品102_1の構成と基本的に同じであるので、その説明を省略する。リフレクタ部品102_1は、例えば、カーボン材料にSiC膜またはTaC膜を成膜した材料からなる。
【0067】
図5Aに示すように、リフレクタ部品102_1は、その内側に径方向(D2)に突出する複数の搭載部102b_1を備える。複数の搭載部102b_1は、
図5Aに示すように、リフレクタ部品101_2の内周全体に設けられているのではなく、その内周の例えば4カ所に部分的に略均等配置されている。搭載部102b_1は、リフレクタ部品101_2を安定して支持することができればよく、少なくとも3カ所に略均等配置されていればよい。
【0068】
もし、複数の搭載部102b_1がリフレクタ部品101_2の内周全体に設けられている場合、リフレクタ部品101_2の係合部101a_2との接触面積が大きくなる可能性がある。この場合、リフレクタ部品101_2とリフレクタ部品102_1との間の熱伝導性が比較的高くなってしまう。このため、第1リフレクタユニット100aの熱遮断効果が低減してしまう。
【0069】
従って、複数の搭載部102b_1は、係合部101a_2との接触面積を小さくするために、部分的にかつ小面積にすることが好ましい。一方、リフレクタ部品101_2を安定して支持するために、複数の搭載部102b_1は、リフレクタ部品101_2の内周に略均等に配置され、かつ、充分な強度で搭載部102b_1に接続されていることが好ましい。
【0070】
一方、リフレクタ部品102_1は、
図5Bに示すように、搭載部102b_1とは反対側の端部の内側に、径方向(D2)に突出する突出部102d_1を備える。突出部102d_1は、
図5Aに示すように、リフレクタ部品102_1の内周全体に設けられていることが好ましい。突出部102d_1は、他のリフレクタ部品と接触しないが、リフレクタ部品102_1とリフレクタ部品101_2との間の熱輻射の進入を抑制するために設けられている。従って、突出部102d_1がリフレクタ部品102_1の内周全体に設けられていることによって、熱輻射の進入を効果的に抑制することができる。その結果、第1リフレクタユニット100aの熱遮断効果が向上する。
【0071】
図5Bおよび
図5Cに示すように、リフレクタ部品102_1は、その外側に径方向(D2)に突出する係合部102a_1を備える。係合部102a_1は、リフレクタ部品101_2の外周全体に設けられていてよい。この場合、
図3のリフレクタ部品101_1の搭載部101b_1が、搭載部102b_1と同様に部分的に略均等配置されていればよい。これにより、係合部102a_1は、リフレクタ部品101_2の外周全体に設けられていても、搭載部101b_1との接触面積を小さくすることができる。
【0072】
図5Bおよび
図5Cに示すように、リフレクタ部品102_1は、係合部102a_1とは反対側の端部の外側に、径方向(D2)に突出する突出部102c_1を備える。突出部102c_1は、
図5Aに示すように、リフレクタ部品102_1の外周全体に設けられていることが好ましい。突出部102c_1は、他のリフレクタ部品と接触しないが、リフレクタ部品102_1とリフレクタ部品101_1との間の熱輻射の進入を抑制するために設けられている。従って、突出部102c_1がリフレクタ部品102_1の外周全体に設けられていることによって、熱輻射の進入を効果的に抑制することができる。その結果、第1リフレクタユニット100aの熱遮断効果が向上する。
【0073】
また、本実施形態において、リフレクタ部品101_1、102_1および101-2、102-2、104は、連続した円筒であってもよい。しかし、
図4A、
図5Aに示すように、一部にスリット(切り込み)SLを有していてもよい。スリットSLは、リフレクタ部品の熱による膨張または収縮を吸収し、リフレクタ部品自体にかかる熱応力を抑制することができる。
【0074】
尚、上記実施形態では、リフレクタ部品101_1の搭載部101b_1が周方向に部分的に配置されており、搭載部101b_1と接触するリフレクタ部品102_1の係合部102a_1は全周に亘って設けられている。しかし、逆に、搭載部101b_1が全周に亘って設けられ、係合部102a_1が周方向に部分的に設けられてもよい。
【0075】
さらに、搭載部101b_1および係合部102a_1の両方が周方向に部分的に設けられてもよい。この場合、搭載部101b_1および係合部102a_1が周方向に略均等に接触するように配置する必要がある。
【0076】
即ち、係合部101a_1、101a_2または搭載部101b_1、101b_2は、リフレクタ部品101_1、101_2の周方向において少なくとも3カ所に部分的に略均等配置されていればよい。係合部102a_1、102a_2または搭載部102b_1、102b_2は、リフレクタ部品102_1、102_2の周方向において少なくとも3カ所に部分的に略均等配置されていればよい。これにより、隣接するリフレクタ部品間の接触面積が抑制され、搭載部101b_1との接触面積を小さくすることができる。
【0077】
カバー103、リフレクタ部品104の係合部103a、104aも、それぞれ周方向において少なくとも3カ所に部分的に略均等配置されていてもよい。これにより、カバー103とトッププレート110との間の接触面積およびリフレクタ部品104とリフレクタ部品102_2との接触面積を小さくすることができる。これにより、第1リフレクタユニット100aの熱遮断効果をさらに向上させることができる。係合部103aが略均等配置されることによって、カバー103は、他のリフレクタ部品101_1、102_1、101_2、102_2、104を安定して支持することができる。このとき、各係合部101a_1、101a_2、103a、104a、搭載部101b_1、101b_2の位相は、それぞれ内周側のリフレクタが支持できれば、それぞれ異なっていてもよい。このような構成によりトッププレート110に熱伝導路を長くすることができ、トッププレート110を熱から保護することができる。
【0078】
また、
図3に示すように、第1リフレクタユニット100aは、隣接するリフレクタ部品間の接触部に設けられた断熱材101e_1、102e_1、101e_2、102e_2をさらに備えてもよい。例えば、断熱材101e_1は、搭載部101b_1と係合部102a_1との間に設けられている。断熱材102e_1は、搭載部102b_1と係合部101a_2との間に設けられている。断熱材101e_2は、搭載部101b_2と係合部102a_2との間に設けられている。断熱材102e_2は、搭載部102b_2と係合部104aとの間に設けられている。
【0079】
このように、断熱材101e_1、102e_1、101e_2、102e_2は、隣接するリフレクタ部品間の接触部における熱伝導をさらに抑制することができる。これにより、第1リフレクタユニット100aの熱遮断効果をさらに向上させることができる。
【0080】
(第2実施形態)
図6は、第2実施形態による第1リフレクタユニット100aの構成例を示す断面図である。第2実施形態では、リフレクタ部品201_1~201_4は、互いにほぼ同一の断面形状を有する。リフレクタ部品201_1~201_4の係合部201a_1~201a_4、104aがほぼ同一の高さにあり、搭載部201b_1~201b_4もほぼ同一の高さにある。第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態の対応する構成と同様でよい。
【0081】
第1リフレクタユニット100aは、リフレクタ部品201_1~201_4、104、カバー103を備えている。
【0082】
リフレクタ部品201_1~201_4は、それぞれ第1実施形態のリフレクタ部品102_1から係合部102a_1を省略した構造を有する。例えば、リフレクタ部品201_1~201_4は、径方向(D2)の断面において、上端に、径方向(D2)の内側へ延びる搭載部201b_1~201b_4をそれぞれ有し、径方向(D2)の外側へ延びる係合部201a_1~201a_4をそれぞれ有する。係合部201a_1~201a_4は、それぞれカバー103、搭載部201b_1~201b_3に係合している。搭載部201b_1~201b_4は、径方向(D2)の内側へ延伸し、それぞれ係合部201a_2~201a_4、104aを搭載し、リフレクタ部品201_2~201_3、104を支持する。係合部201a_1~201a_4、104および搭載部201b_1~201b_4は、第1実施形態の係合部101a_2および搭載部102b_1と同様の機能および効果を有する。
【0083】
リフレクタ部品201_1~201_4は、下端に、径方向(D2)の内側へ延びる突出部201c_1~201c_4をそれぞれ有する。突出部201c_1~201c_4は、下方からの熱輻射がリフレクタ部品201_1~201_4、104間に進入することを抑制し、リフレクタ部品201_1~201_4、104が熱輻射によって直接加熱されることを抑制する。突出部201c_1~201c_4は、下方からのプロセスガスがリフレクタ部品201_1~201_4、104間に進入することを抑制し、リフレクタ部品201_1~201_4、104に堆積物が付着することを抑制する。
【0084】
リフレクタ部品201_1~201_4は、径の大きさが異なるものの、
図6に示す断面において、互いにほぼ等しい形状を有する。よって、第2実施形態の第1リフレクタユニット100aでは、複数のリフレクタ部品201_1~201_4が径方向に層状に配列される。カバー103とリフレクタ部品104との間に配列されるリフレクタ部品201_1~201_4の数は、特に限定せず、それぞれ4個より少なくても、多くてもよい。
【0085】
本実施形態では、リフレクタ部品201_1の係合部201a_1とカバー103とが接触し、リフレクタ部品201_2の係合部201a_2とリフレクタ部品201_1の搭載部201b_1とが接触し、リフレクタ部品201_2の搭載部201b_2とリフレクタ部品201_3の係合部201a_3とが接触し、リフレクタ部品201_3の搭載部201b_3とリフレクタ部品201_4の係合部201a_4とが接触し、リフレクタ部品201_4の搭載部201b_4とリフレクタ部品104の係合部104aとが接触している。係合部201a_1~201a_4、104aと搭載部201b_1~201b_4との接触位置は、それぞれほぼ同一の高さにある。しかし、それ以外の部分において、カバー103、リフレクタ部品201_1~201_4、104は、接触していない。従って、隣接するリフレクタ部品の接触面は、第1実施形態程には離間していないが、その接触面の面積は限定的である。第1リフレクタユニット100aの熱伝導路は、
図6の破線矢印A2で示されているように、比較的短い。しかし、隣接するリフレクタ部品間の接触面積が小さいので、リフレクタ部品104の熱は、トッププレート110まで伝導し難くい。その結果、第1リフレクタユニット100aは、略水平方向からの熱輻射を効果的に遮断し、トッププレート110を熱から保護することができる。
【0086】
尚、各リフレクタ部品201_1~201_4の構成は、
図5A~
図5Cのリフレクタ部品102_1から係合部102a_1を省略してものである。従って、
図5A~
図5Cを参照することによって、各リフレクタ部品201_1~201_4の構成は、容易に理解できるので、その図示を省略する。
【0087】
また、
図6に示すように、第1リフレクタユニット100aは、隣接するリフレクタ部品間の接触部に設けられた断熱材201e_1~201e_4をさらに備えてもよい。例えば、断熱材201e_1~201e_4は、それぞれ、搭載部201b_1~201b_4と係合部201a_1~201a_4との間に設けられている。このように、断熱材201e_1~201e_4は、隣接するリフレクタ部品間の接触部における熱伝導をさらに抑制することができる。これにより、第1リフレクタユニット100aの熱遮断効果をさらに向上させることができる。
【0088】
(変形例)
図7は、第1実施形態の変形例による第1リフレクタユニット100aの構成例を示す断面図である。変形例では、隣接するリフレクタ部品間の空間に配置された断熱材300_1~300_4をさらに備えている。断熱材300_1~300_4は、それぞれ略円筒形をする。尚、これら断熱材300_1~300_4は、スリットを有していてもよく、複数に分割されていてもよい。
【0089】
例えば、断熱材300_1は、リフレクタ部品101_1とリフレクタ部品102_1との間の空間に配置されている。断熱材300_2は、リフレクタ部品102_1とリフレクタ部品101_2との間の空間に配置されている。断熱材300_3は、リフレクタ部品102_1とリフレクタ部品101_2との間の空間に配置されている。断熱材300_4は、リフレクタ部品101_2とリフレクタ部品102_2との間の空間に配置されている。
【0090】
断熱材300_1~300_4には、例えば、炭素繊維の成形断熱材を黒鉛コートしたものなどの熱伝導率の低い材料が用いられる。これにより、第1リフレクタユニット100aは、水平方向からの熱輻射を効果的に遮断し、トッププレート110を熱からさらに効果的に保護することができる。
【0091】
本変形例のその他の構成は、第1実施形態の対応する構成と同様でよい。よって、本変形例は、さらに第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0092】
本変形例の断熱材300_1~300_4は、第2実施形態にも同様に適用することができる。
【0093】
(第3実施形態)
図8Aは、第3実施形態による第1リフレクタユニット100aの構成例を示す断面図である。第3実施形態では、第1リフレクタユニット100aの支持手法が上記実施形態と異なる。第1リフレクタユニット100aは、ガス供給部12に取り付けられた取り付け部108を介して、結合部材501で固定された第1および第2支持部材400,410によって支持されている。取り付け部108は、トッププレート110の内縁に沿った略円環形状の部材である。取り付け部108には、例えば、カーボン、ハステロイ、または、石英の他、SiC(炭化珪素)、TaC(炭化タンタル)、W(タングステン)、Mo(モリブデン)、カーボンにSiC膜、またはTaC膜を成膜した材料などの700℃以上の耐熱性がある材料で形成されることが好ましい。
【0094】
第1リフレクタユニット100aは、取り付け部108の下方に設けられている。これにより、取り付け部108は、第1リフレクタユニット100aから放射される熱からガス供給部12を保護している。また、チャンバ13の内壁に堆積物が付着することを防止し、内壁の反射率を維持することができる。尚、取り付け部108を省略して、支持部材400,410、ガス供給部12に直接固定してもよい。
【0095】
図8Bは、第1リフレクタユニット100aのより詳細な構成例を示す断面図である。第1リフレクタユニット100aは、リフレクタ部品101_1~107と、第1支持部材400と、第2支持部材410とを備えている。
【0096】
第1および第2支持部材400、410は、結合部材500によって互いに結合されている。また、第1支持部材400は、結合部材510、520によって、取り付け部108を介してガス供給部12の上部に結合されている。結合部材500、510、520は、例えば、ボルト等の留め具である。
【0097】
第1支持部材400は、チャンバ13の上部に固定されている。第2支持部材410は、第1支持部材400に固定されており、第1支持部材400によって支持されている。さらに、第2支持部材410は、その上面上にカバー105、リフレクタ部品106を搭載し、支持する。カバー105、リフレクタ部品106は、他のリフレクタ部品101_1、102_1、101_2、107を支持する。これにより、第1および第2支持部材400、410は、第1リフレクタユニット100a全体を支持し、チャンバ13およびトッププレート110に対して載置することができる。また、第3実施形態では、突起部110aにリフレクタユニットを載置しないので、突起部110aを省略してもよい。
【0098】
第1リフレクタユニット100a、第1および第2支持部材400、410および結合部材510、520は、例えば、カーボン、ハステロイ、石英の他、SiC(炭化珪素)、TaC(炭化タンタル)、W(タングステン)、Mo(モリブデン)、カーボンにSiC膜またはTaC膜を成膜した材料などの700℃以上の耐熱性がある材料で形成されることが好ましい。
【0099】
図9A~
図9Cは、第1支持部材400の構成例を示す図である。
図9Aは、第1支持部材400の側面から見た断面図を示す。
図9Bは、第1支持部材400の正面から見た断面図を示す。
図9Cは、第1支持部材400の平面図を示す。尚、
図9Aは、
図9Bおよび
図9CのA-A線に沿った断面を示す。
【0100】
第1支持部材400は、本体部401と、突起部402、403とを備える。本体部401は、D1方向に延伸する板状部材である。突起部402は、本体部(板状部材)401の一端に略直交方向(+D2方向)に突出するように設けられている。突起部403は、本体部(板状部材)401の他端に突起部402と反対側の略直交方向(-D2方向)に突出するように設けられている。本体部401および突起部402、403は、一体形成されていることが好ましい。
【0101】
突起部402には、結合部材500を貫通させる開口404が設けられている。突起部403には、結合部材510を貫通させる開口405が設けられている。開口404、405は、例えば、結合部材500、510のボルトに対応し、それらをねじ止めするナットでよい。突起部403には、さらに、切欠き部406が設けられている。切欠き部406に結合部材520の一部を嵌めることによって、結合部材510および520が第1支持部材400の向きをトッププレート110に対して固定する。
【0102】
【0103】
第2支持部材410は、略方形の板状部材である。第2支持部材410には、結合部材500を貫通させる開口412が設けられている。開口412は、例えば、長円形状または略楕円形を有し、結合部材500のネジ部分を貫通させることができるように短径が該ネジ部分よりも幾分大きく形成されている。
【0104】
図11は、結合された第1および第2支持部材400、410の構成例を示す斜視図である。第2支持部材410の開口412は、第1支持部材400の開口404と連通し、結合部材500が貫通する。結合部材500が第1支持部材400の開口404に対してねじ止めされることによって、第2支持部材410が結合部材500と第1支持部材400との間で締め付けられて固定される。第2支持部材410の開口412が長円形状または略楕円形を有することによって、第1支持部材400に対する第2支持部材410の相対位置をD2方向に変更することができる。
【0105】
このような構成を有する第1および第2支持部材400、410が
図8に示すように、チャンバ13の内壁の上面に取り付けられる。第1および第2支持部材400、410の取り付け個数は、第1リフレクタユニット100aを十分に支持するために多い方が好ましいが、一方、第1リフレクタユニット100aからトッププレート110への熱伝達を抑制するためには少ない方が好ましい。従って、第1および第2支持部材400、410の取り付け個数は、第1リフレクタユニット100aを十分に支持し、かつ、第1リフレクタユニット100aからトッププレート110への熱伝達を可及的に抑制することができる個数とする。例えば、第1および第2支持部材400、410の取り付け個数は、少なくとも3つである。勿論、第1および第2支持部材400、410の取り付け個数は、4つ以上であってもよい。
【0106】
また、第1および第2支持部材400、410の取り付け位置は、第1リフレクタユニット100aを略均等に支持し、かつ、第1リフレクタユニット100aからトッププレート110への熱伝達を略均等に分散させるために、トッププレート110の内周に略均等配置されることが好ましい。
【0107】
また、第3実施形態では、カバー105を設けることによって、トッププレート110のカバー103を省略することができる。第1支持部材400は、突起部110aおよびトッププレート110には接触していない。よって、第1支持部材400は、第1リフレクタユニット100aからトッププレート110への熱伝達をさらに抑制することができる。
【0108】
図8を再度参照して、第1リフレクタユニット100aの構成をより詳細に説明する。第1リフレクタユニット100aは、リフレクタ部品101_1~107を含む。リフレクタ部品101_1、102_1、101_2の構成は、第1実施形態のそれらの構成と同じでよい。従って、リフレクタ部品101_1、102_1、101_2の説明は省略する。
【0109】
カバー105は、トッププレート110の内周部分Cを被覆するように略円筒形を有する。即ち、カバー105は、その側壁がトッププレート110の内周部分Cを鉛直方向(D1)および周方向(D3)に被覆するように配置される。
【0110】
カバー105は、径方向(D2)の断面において、D1方向に略直線上に延伸しており、第2支持部材410によって底面から支持されている。第1および第2支持部材400、410がトッププレート110の内周の3か所に取り付けられている場合、カバー105は、3つの第1および第2支持部材400、410によって3か所で支持される。
【0111】
カバー105は、リフレクタ部品106、101_1、102_1、101_2、107からの熱輻射によって、支持部材400、410およびトッププレート110が直接加熱されることを抑制することができる。また、カバー105は、プロセスガスが支持部材400、410およびトッププレート110に接触し、堆積物が付着することを抑制することができる。
【0112】
リフレクタ部品106は、トッププレート110の内周部分Cを被覆するように略円筒形を有する。リフレクタ部品106は、その側壁がカバー105の内面を鉛直方向(D1)および周方向(D3)に被覆するように配置される。
【0113】
リフレクタ部品106は、径方向(D2)の断面において、上方に、内側へ突出する搭載部106bを有し、下方に、外側へ突出する係合部106aを有する。係合部106aは、第2支持部材410に係合しており、第2支持部材410によって支持されている。搭載部106bは、リフレクタ部品101_1を搭載するために、内側へ突出している。このように、リフレクタ部品106は、上端に搭載部106bを有し、下方に係合部106aを有する。これにより、リフレクタ部品106は、自重で第2支持部材410に係合して支持され、かつ、リフレクタ部品101_1を搭載して支持することができる。
【0114】
リフレクタ部品106の鉛直方向(D1)に伸延する部分は、カバー105の内側に入れることができるように、カバー105の内径よりも若干小さな外径を有する。一方、係合部106aが第2支持部材410に引っ掛かるように、係合部106aの外接円は、第2支持部材410の内端よりも外側になるように形成される。このように構成することにより、リフレクタ部品106は、カバー105の内周面を被覆した状態で載置される。
【0115】
リフレクタ部品106は、下端に、径方向(D2)の内側へ突出する突出部106cをさらに有する。突出部106cは、下方からの熱輻射がリフレクタ部品106とリフレクタ部品101_1との間に進入することを抑制し、リフレクタ部品106、101_1が熱輻射によって直接加熱されることを抑制する。さらに、突出部106cは、下方からのプロセスガスがリフレクタ部品106とリフレクタ部品101_1との間に進入することを抑制し、リフレクタ部品106、101_1に堆積物が付着することを抑制する。これにより、リフレクタ部品106、101_1の熱輻射の反射率を維持することができる。
【0116】
尚、係合部106aおよび搭載部106bも、突出部106cと同様の機能を有する。即ち、係合部106aは、下方からの熱輻射がカバー105とリフレクタ部品106との間に進入することを抑制する。搭載部106bは、上方からの熱輻射がリフレクタ部品106とリフレクタ部品101_1との間に進入することを抑制する。さらに、係合部106aは、下方からのプロセスガスがカバー105とリフレクタ部品106との間に進入することを抑制する。搭載部106bは、上方からのプロセスガスがリフレクタ部品106とリフレクタ部品101_1との間に進入することを抑制する。
リフレクタ部品101_1、102_1、101_2の構成および機能は、第1実施形態のそれらと同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0117】
リフレクタ部品107は、トッププレート110の内周部分Cにおいて、リフレクタ部品101_2の内壁を被覆するように略円筒形を有する。リフレクタ部品107は、例えば、カーボン材料にSiC膜またはTaC膜を成膜した材料でよい。しかし、リフレクタ部品107は、第1リフレクタユニット100aの最も内側のリフレクタ部品であるので、カーボン材料にSiC膜を被覆した材料で構成されることが好ましい。
【0118】
リフレクタ部品107は、下端に、径方向(D2)の外側へ突出する係合部107aをする。リフレクタ部品107の係合部107aは、その外側に隣接するリフレクタ部品101_2の搭載部101b_2に係合しており、搭載部101b_2によって支持されている。このように、リフレクタ部品107は、鉛直方向(D1)に延伸する本体の下端に係合部107aを有する。これにより、リフレクタ部品107は、自重でリフレクタ部品101_2の搭載部101b_2に係合して支持され得る。
【0119】
リフレクタ部品107の鉛直方向(D1)に伸延する部分は、リフレクタ部品101_2の内側に入れることができるように、リフレクタ部品101_2の内径よりも若干小さな外径を有する。一方、係合部107aがリフレクタ部品101_2の搭載部101b_2に引っ掛かるように、係合部107aの外接円の径は、リフレクタ部品101_2の搭載部101b_2の内接円の径よりも若干大きい。このように構成することにより、リフレクタ部品107は、リフレクタ部品101_2の内周面を被覆した状態で載置され得る。
【0120】
リフレクタ部品107は、上端に、径方向(D2)の外側へ突出する突出部107bをさらに有する。突出部107bは、上方からの熱輻射がリフレクタ部品107とリフレクタ部品101_2との間に進入することを抑制し、リフレクタ部品107、101_2が熱輻射によって直接加熱されることを抑制する。さらに、突出部107bは、上方からのプロセスガスがリフレクタ部品107とリフレクタ部品101_2との間に進入することを抑制し、リフレクタ部品107、101_2に堆積物が付着することを抑制する。これにより、リフレクタ部品107、101_2の熱輻射の反射率を維持することができる。
【0121】
係合部107aは、突出部107bと同様の機能を有し、下方からの熱輻射がリフレクタ部品101_2とリフレクタ部品107との間に進入することを抑制する。さらに、係合部107aは、下方からのプロセスガスがリフレクタ部品101_2とリフレクタ部品107との間に進入することを抑制する。これにより、係合部107aは、突出部107bと同様の効果を得ることができる。
【0122】
尚、リフレクタ部品106とリフレクタ部品107との間に設けられるリフレクタ部品101_1、102_1、101_2の組数は、特に限定されず、2つ以上であってもよい。
【0123】
第3実施形態のその他の構成は、第1実施形態の対応する構成と同様でよい。よって、第3実施形態は、さらに第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第3実施形態の支持手法は、従来型のZ方向に積層された積層型リフレクタにも適用可能である。
【0124】
(変形例)
図12Aは、結合された第1支持部材400の他の構成例を示す側面から見た断面図である。
図12Bは、結合された第1支持部材400の他の構成例を示す平面図である。尚、支持部材410は、
図10に示すものと同様でよい。
【0125】
本変形例では、突起部403に、複数の開口405a、405b、407が設けられている。開口405a、405bは、例えば、結合部材510a、510bのボルトに対応し、それらをねじ止めするナットでよい。支持部材400、410は、複数の開口405a、405bを介して結合部材510a、510bでチャンバ13の内壁の上面に取り付けられる。これにより、支持部材400、410は、チャンバ13に対してより頑丈に固定され得る。
【0126】
開口407に結合部材520を嵌めることによって、結合部材510a、510b、520が支持部材400の向きをトッププレート110に対して固定する。
【0127】
本変形例による第1支持部材400のその他の構成は、第3実施形態の第1支持部材400の対応する構成と同様でよい。これにより、本変形例は、第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0128】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0129】
10 成膜装置、12 ガス供給部、13 チャンバ、C 接続領域、12 ガス供給部、N ノズル、90 下部ヒータ、95 上部ヒータ、100リフレクタユニット、100a 第1リフレクタユニット、100b 第2リフレクタユニット、110 トッププレート、110a 突起部、101_1,101_2、102_1,102_2,104,106,107,210_1~201_4 リフレクタ部品、105 カバー、101a_1,101a_2,102a_1,102a_2 係合部、101b_1,101b_2,102b_1,102b_2 搭載部、103,105 カバー、400,410 支持部材、401 本体部、402,403 突起部、404,405,412 開口、406 切欠き部、500,510,520 結合部材