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特開2023-26219ドローン及びそれを用いた壁面点検システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023026219
(43)【公開日】2023-02-24
(54)【発明の名称】ドローン及びそれを用いた壁面点検システム
(51)【国際特許分類】
   B64C 27/08 20230101AFI20230216BHJP
   B64C 37/02 20060101ALI20230216BHJP
   B64F 1/08 20060101ALI20230216BHJP
【FI】
B64C27/08
B64C37/02
B64F1/08
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021132002
(22)【出願日】2021-08-13
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】592158969
【氏名又は名称】西武建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000125370
【氏名又は名称】学校法人東京理科大学
(71)【出願人】
【識別番号】501267357
【氏名又は名称】国立研究開発法人建築研究所
(71)【出願人】
【識別番号】521359302
【氏名又は名称】株式会社ケイ・パックス
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】二村 憲太郎
(72)【発明者】
【氏名】兼松 学
(72)【発明者】
【氏名】宮内 博之
(72)【発明者】
【氏名】河内 義彦
(57)【要約】
【課題】簡易な構成でもって、点検装置を壁面に対して容易に、且つ安定的に位置決めすることが可能なドローン及びそれを用いた壁面点検システムを提供する。
【解決手段】ドローン本体1と、所定の壁面Wに当接する当接面Tが形成された当接部2と、ドローン本体1と当接部2とを連結する連結部3と、を備え、ドローン本体1は、飛行手段11と、飛行手段11を制御する制御手段12と、飛行手段11及び制御手段12が設けられるドローン構成体13と、を有し、当接部2は、ドローン本体1よりも前方に配置されるように、連結部3から突設され、連結部3には、壁面Wに対して所定の点検動作を行う点検装置Vが設けられ、当接面Tの全面が壁面Wに当接した状態において、ドローン本体1の姿勢が、斜め下方に向かう傾斜姿勢となるように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドローン本体と、所定の壁面に当接する当接面が形成された当接部と、前記ドローン本体と前記当接部とを連結する連結部と、を備え、
前記ドローン本体は、飛行手段と、前記飛行手段を制御する制御手段と、前記飛行手段及び前記制御手段が設けられるドローン構成体と、を有し、
前記当接部は、前記ドローン本体よりも前方に配置されるように、前記連結部から突設され、
前記連結部には、前記壁面に対して所定の点検動作を行う点検装置が設けられ、
前記当接面の全面が前記壁面に当接した状態において、前記ドローン本体の姿勢が、斜め下方に向かう傾斜姿勢となるように構成されている、ドローン。
【請求項2】
前記当接面は、弾性素材により形成されている、請求項1に記載のドローン。
【請求項3】
前記当接面は、上下方向に間隔を空けて複数設けられ、
前記複数の当接面は、同一平面上に設けられている、請求項1又は2に記載のドローン。
【請求項4】
前記ドローン構成体は、細長棒状体により、骨組状に構成されている、請求項1~3の何れかに記載のドローン。
【請求項5】
前記連結部は、細長棒状体により、骨組状に構成されている、請求項1~4の何れかに記載のドローン。
【請求項6】
前記細長棒状体は、中空状である、請求項4又は5に記載のドローン。
【請求項7】
前記飛行手段と前記制御手段とを電気的に接続する導線は、前記細長棒状体の内部に収容されている、請求項6に記載のドローン。
【請求項8】
前記連結部には、前記点検装置を、前記壁面の面方向と略垂直方向に往復摺動させる摺動手段が設けられている、請求項1~7の何れかに記載のドローン。
【請求項9】
前記点検装置は、前記壁面を削孔するドリル装置である、請求項1~8の何れかに記載のドローン。
【請求項10】
請求項1~9の何れかに記載のドローンと、前記壁面の面方向に沿って設けられたガイドワイヤーと、前記ガイドワイヤーを支持するワイヤー支持手段と、を備え、
前記ドローンは、前記ガイドワイヤーに取付けられ、
前記ワイヤー支持手段は、前記ガイドワイヤーの巻出し及び巻取りを行うウィンチ装置を有し、
前記ガイドワイヤーは、前記ウィンチ装置により張設され、
前記ドローンは、前記ウィンチ装置により張設された前記ガイドワイヤーの張力で、前記壁面に向かって押圧されることで、前記ガイドワイヤーと前記壁面との間に挟持される、壁面点検システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドローン及びそれを用いた壁面点検システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンやインターネットといったテクノロジーの発展を背景に、ドローンが世界的に普及している。ドローンとは、遠隔操作や自動制御によって無人で飛行できる航空機であり、マルチコプターとも呼ばれる。
【0003】
ドローンの利用用途としては、予め装着されたカメラや点検器具を用いて、特に高層ビルの外壁等、人力のみで実施困難な範囲の空撮や点検等を行うことが挙げられる。
【0004】
ところで、ドローンをこのような用途で用いる場合、天候の影響や操縦ミス等により対象とする外壁からドローンが離れていかないよう、安定した飛行位置を維持する工夫が必要となる。
【0005】
これに対し、本発明者等は、特許文献1及び特許文献2に示される外壁点検システムを提案した。
【0006】
これらの外壁点検システムは、ドローンに連結された点検装置を、建設物の屋上や建設物の立設面から延びるガイドワイヤーに連結し、ウィンチ装置によるワイヤーの張設・弛緩動作でもって、点検装置を外壁に対して位置決めする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許6877013号公報
【特許文献2】特許6877723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述した本発明者等による先の提案によって、外壁点検において、所定の点検装置を外壁に容易に位置決めすることが可能となる。
【0009】
しかしながら、先の提案によっても、なお、以下のような改善すべき問題点が残されている。
【0010】
即ち、ウィンチ装置の配設、ドローンとフレームとの連結等、システム全体を構築する労力が大きく、また、ドローンのみで点検装置を一時的に位置決めすることが困難である、という問題点である。
これにより、先の提案を所定の壁面に適用する場合、ある程度の人数や技術力が必要となり、汎用性に欠ける。
【0011】
本発明は上記のような実状に鑑みてなされたものであり、簡易な構成でもって、点検装置を壁面に対して容易に、且つ安定的に位置決めすることが可能なドローン及びそれを用いた壁面点検システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明は、ドローン本体と、所定の壁面に当接する当接面が形成された当接部と、前記ドローン本体と前記当接部とを連結する連結部と、を備え、
前記ドローン本体は、飛行手段と、前記飛行手段を制御する制御手段と、前記飛行手段及び前記制御手段が設けられるドローン構成体と、を有し、
前記当接部は、前記ドローン本体よりも前方に配置されるように、前記連結部から突設され、
前記連結部には、前記壁面に対して所定の点検動作を行う点検装置が設けられ、
前記当接面の全面が前記壁面に当接した状態において、前記ドローン本体の姿勢が、斜め下方に向かう傾斜姿勢となるように構成されている。
【0013】
本発明のドローンによれば、作業者は、点検装置を壁面に対して容易に、且つ安定的に位置決めすることが可能となる。
【0014】
即ち、ドローンは通常、前方に向かって飛行させることで、プロペラの揚力の差でもって、自然と斜め下方に向かう傾斜姿勢となる。
このため、上記構成によれば、作業者は、ドローン本体を前方に向かって飛行させる簡便な操作のみで、当接面の全面をスムーズに壁面に当接させることができる。
これにより、作業者は、ドローン本体の前方への推進力に基づく圧力を、当接面を介して確実に壁面に付与することができ、ドローン本体ひいては点検装置の、壁面に対する位置のブレを抑制することが可能となる。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記当接面は、弾性素材で形成されている。
【0016】
このような構成とすることで、ドローン本体の前方への推進力が増大するにつれて、当接面と壁面との間に強い摩擦力が生じることとなるため、点検装置の位置のブレを、さらに効果的に抑制することができる。
【0017】
本発明の好ましい形態では、前記当接面は、上下方向に間隔を空けて複数設けられ、前記複数の当接面は、同一平面上に設けられている。
【0018】
このような構成とすることで、当接面と壁面との間に生じる摩擦力を確保しつつ、当接面を小型に設計することができ、本ドローンの構成を簡素且つ軽量なものとすることが可能となる。
【0019】
本発明の好ましい形態では、前記ドローン構成体は、細長棒状体により、骨組状に構成されている。
【0020】
このような構成とすることで、ドローン構成体を簡素且つ軽量なものとすることが可能となる。
【0021】
本発明の好ましい形態では、前記連結部は、細長棒状体により、骨組状に構成されている。
【0022】
このような構成とすることで、連結部を簡素且つ軽量なものとすることが可能となる。
【0023】
本発明の好ましい形態では、前記細長棒状体は、中空状である。
【0024】
このような構成とすることで、ドローン構成体或いは連結部を、さらに軽量化することが可能となる。
【0025】
本発明の好ましい形態では、前記飛行手段と前記制御手段とを電気的に接続する導線は、前記細長棒状体の内部に収容されている。
【0026】
このような構成とすることで、導線の破損等を防ぐと共に、本ドローン全体の良好な美観を維持することが可能となる。
【0027】
本発明の好ましい形態では、前記点検装置保持部には、前記点検装置が設けられ、前記点検装置保持部には、前記点検装置を、前記壁面の面方向と略垂直方向に往復摺動させる摺動手段が設けられている。
【0028】
このような構成とすることで、作業者は、点検装置を、本ドローンと共に壁面に位置決めした後、点検装置と壁面との間の距離を自在に調整することが可能となる。
【0029】
本発明の好ましい形態では、前記点検装置保持部には、前記点検装置が設けられ、前記点検装置は、前記壁面を削孔するドリル装置である。
【0030】
このような構成とすることで、本ドローンで、ドリル法による中性化深さ試験を行うことが可能となる。
【0031】
また、本発明は、壁面点検システムであって、
上記したドローンと、前記壁面の面方向に沿って設けられたガイドワイヤーと、前記ガイドワイヤーを支持するワイヤー支持手段と、を備え、
前記ドローンは、前記ガイドワイヤーに取付けられ、
前記ワイヤー支持手段は、前記ガイドワイヤーの巻出し及び巻取りを行うウィンチ装置を有し、
前記ガイドワイヤーは、前記ウィンチ装置により張設され、
前記ドローンは、前記ウィンチ装置により張設された前記ガイドワイヤーの張力で、前記壁面に向かって押圧されることで、前記ガイドワイヤーと前記壁面との間に挟持される。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、簡易な構成でもって、点検装置を壁面に対して容易に、且つ安定的に位置決めすることが可能なドローン及びそれを用いた壁面点検システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の実施形態に係るドローンの概略斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係るドローンの平面図である。
図3】本発明の実施形態に係るドローンの(a)側面図、(b)背面図である。
図4】本発明の実施形態に係るドローンの(a)拡大側面図、(b)拡大正面図である。
図5】本発明の実施形態に係るドローンの使用方法の説明図である。
図6】本発明の実施形態に係るドローンの使用方法の説明図である。
図7】本発明の実施形態に係る壁面点検システムの使用方法の説明図である。
図8】本発明の実施形態に係る壁面点検システムの使用方法の説明図である。
図9】本発明の実施形態に係る壁面点検システムの使用方法の説明図である。
図10】本発明の実施形態に係る壁面点検システムの使用方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態に係るドローンについて説明する。
なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではない。
また、これらの図において、符号Xは、本実施形態に係るドローンを示す。
また、以下説明の便宜上、図1及び図2に示すx軸方向を前後方向、y軸方向を左右方向、z軸方向を上下方向とする。
【0035】
以下、図1及び図2を用いて、ドローンXの構成について説明する。
なお、図1及び図2では、点検装置Vを省略している。
また、図2では、後述するドローン構成体13を構成する細長棒状体を点線で、後述する連結部3を構成する細長棒状体を実線で示している。
【0036】
図1及び図2に示すように、ドローンXは、ドローン本体1と、所定の壁面W(図4等参照)に当接する当接面Tが形成された当接部2と、ドローン本体1と当接部2とを連結する連結部3と、を備えている。
【0037】
ドローン本体1は、飛行手段11と、飛行手段11を制御する制御手段12と、飛行手段11及び制御手段12が設けられるドローン構成体13と、を有している。
【0038】
飛行手段11は、本実施形態においては、一般的なドローンと同様に複数のプロペラ装置であり、二枚羽のプロペラ本体11aと、プロペラ本体11aを回転駆動させるモータ部11bと、モータ部11bとドローン構成体13とを連結するブラケット11cと、を含む。
【0039】
制御手段12は、平面視で、ドローン構成体13の略中央に設けられており、各モータ部11bの駆動状態を個別に制御可能することで、ドローンXの空中での姿勢や、移動方向、移動速度等を制御する、所謂フライトコントローラである。
これにより、作業者は、制御手段12と無線で接続されたリモコンを用いて、ドローンX全体を、三次元的に自在に飛行させることができる。
【0040】
ドローン構成体13は、全体として、略円柱状の細長棒状体により、骨組状に構成されており、プロペラ本体11aの回転軸と略垂直な平面に沿って形成された構成体本体13aと、構成体本体13aから下方に突設された複数の脚部13bと、を含む。
なお、ドローン構成体13を構成する細長棒状体は、中空状である。
また、細長棒状体は、例えばカーボン等の軽量素材を用いて形成されている。
【0041】
構成体本体13aは、飛行手段11や制御手段12が設けられ、平面視で略田字状に形成された第一構成体p1と、第一構成体p1から前方に突設された、平面視で略コ字状の第二構成体p2と、第一構成体p1から後方に突設された、平面視で略コ字状の第三構成体p3と、第一構成体p1から左方に突設された、平面視で略E字状の第四構成体p4と、第一構成体p1から右方に突設された、平面視で略E字状の第五構成体p5と、により構成されている。
【0042】
また、これらの各構成体p1~p5は、直線状或いは湾曲させた略同一径の複数の細長棒状体を、継手jによって連結することで、骨組状に構成されている。
継手jは、連結本数や連結方向に応じて、三方~五方の継手jが適宜用いられる。
【0043】
また、第一構成体p1の左右側方に用いられる、前後方向に延びる細長棒状体には、その外部と内部を連通する連通孔hが、各飛行手段11の近傍に、1箇所ずつ設けられている。さらに、制御手段12に覆われている細長棒状体にも、1箇所ないしは複数の連通孔(図示せず)が設けられている。
そして、各モータ部11bと制御手段12とを電気的に接続する各導線kは、各連通孔hを介して細長棒状体の内部を通り、制御手段12下方の連通孔を介して外部に出ることで、制御手段12に接続されている。
【0044】
脚部13bは、平面視で第一構成体p1の四隅に配置されるように4つ設けられ、各脚部13bの下端には、略円柱状のゴム脚rが設けられている。
また、各脚部13bは、三本の細長棒状体を継手jで連結することにより構成されており、鉛直に延びる細長棒状体は、構成体本体13aに設けられた継手jと連結している。
なお、他の細長棒状体も、例えば、外方から嵌めこみ可能な可撓性を有する継手(図示せず)を用いて、構成体本体13aに連結される。
【0045】
当接部2は、全体として弾性素材により形成された略円柱状体であり、その先端面が当接面Tである。
また、各当接面Tは、同一平面上に設けられている。
【0046】
連結部3は、ドローン構成体13と同様に、全体として、略円柱状の細長棒状体により、骨組状に構成されており、ドローン本体1から上方に立設されている。
なお、連結部3に用いられる細長棒状体は、中空状であり、ドローン構成体13に用いられる細長棒状体と略同一径である。
【0047】
また、連結部3は、壁面Wに対して所定の点検動作を行う点検装置V(図3等参照)が設けられる、点検装置保持部31と、略直線状に形成された一対の前方支持部32と、略L字状に形成された一対の側方支持部33と、略直線状に形成され、前方支持部32と当接部2とを連結する突設部34と、を含む。
なお、連結部3を構成する上記構成要素は、単一の連続した細長棒状体として示しているが、ドローン構成体13と同様に、複数の細長棒状体を継手jで連結することにより、連結部3全体を構成しても良い。
【0048】
点検装置保持部31は、第一構成体p1から上方に立設された一対の側部q1と、各側部q1に懸架された複数の懸架部q2と、により構成されている。
各側部q1と各懸架部q2とにより、点検装置保持部31には、細長棒状体で囲われた、略直方体状の空間が形成されている。
【0049】
各側部q1は、側面視で斜め上方に延びる略F字状に形成されている。
また、各側部q1は、特に図2に示すように、平面視で左右対称となるように設けられている。
【0050】
各懸架部q2は、各側部q1の上方を懸架する第一懸架部q21、第二懸架部q22及び第三懸架部q23、各側部q1の下方を懸架する第四懸架部q24(図3(b)参照)及び第五懸架部q25により構成されている。
【0051】
各前方支持部32は、第二構成体p2の前方両端から斜め後方に立設され、各側部q1の前端に連結されている。
【0052】
各側方支持部33は、それぞれ、第四構成体p4の右端及び第五構成体p5の左端から上方に立設され、各側部q1に連結している。
【0053】
突設部34は、各前方支持部32に対して、上下方向に間隔を空けて2つ設けられている。
また、各突設部34は、特に図2に示すように、平面視で左右対称となるように設けられ、側面視で、略同一の角度で斜め上方に延びて設けられている。
なお、各突設部34の延びる角度は、各側部q1の延びる角度と略同一となされていることで、上方の突設部34は、各側部q1の上方の細長棒状体から延設された態様となされている。
【0054】
ここで、当接部2が各突設部34の先端にそれぞれ設けられることで、ドローンXは計4つの当接部2を備えている。
また、各当接部2は、各突設部34により、ドローン本体1よりも前方に配置されるように、連結部3から突設されている。
【0055】
以下、図3及び図4を用いて、上記した点検装置保持部31に点検装置Vを設けた態様について説明する。
なお、図4(b)は、図4(a)に示す点検装置Vを、図4(a)の矢印方向から見た正面図である。
【0056】

図3に示すように、点検装置Vを設ける場合、点検装置保持部31に摺動手段m及び支持手段nを設ける。
【0057】
摺動手段mは、第一懸架部q21及び第二懸架部q22に設けられたブラケットf1を介して、点検装置保持部31が形成する空間に設けられている。
また、摺動手段mの後述するレール部m1の上面は、ブラケットf1の端部と、小ねじや接着剤等所定の連結手段により連結されている。
【0058】
ブラケットf1は、第一懸架部q21及び第二懸架部q22それぞれに間隔を空けて一対設けられた、上下方向に延びる部材であり、その各上端部が、第一懸架部q21や第二懸架部q22に連結されている。
【0059】
支持手段nは、第五懸架部q25に設けられたブラケットf2を介して、点検装置保持部31が形成する空間に設けられている。
【0060】
ブラケットf2は、第五懸架部q25に一つ設けられた、上下方向に延びる部材であり、その下端部が、第五懸架部q25に連結されている。
【0061】
図4を用いて摺動手段m及び支持手段nについて詳述すれば、摺動手段mは、レール部m1と、レール部m1に沿って往復摺動するブラケットm2と、ブラケットm2に連結された薄板状体m3と、ブラケットm2の往復摺動動作を制御する制御手段m4と、により構成されている。
支持手段nは、ブラケットf2から上方に突設され、その上端部が、後述するシャフトV3を安定的に載置可能となるように、半円状に湾曲している。
なお、図4(b)では、ブラケットf1及びブラケットf2に設けられている貫通孔を、点線で示している。
【0062】
点検装置Vは、本実施形態においては、壁面Wを削孔するドリル装置であり、壁面Wに貫入するドリル部V1と、ドリル部V1を回転駆動させる駆動部V2と、ドリル部V1と駆動部V2との間に設けられるシャフトV3と、駆動部V2に電力を供給するバッテリーV4と、により構成されている。
【0063】
なお、駆動部V2によるドリル部V1の回転駆動や、摺動手段mによる点検装置Vの摺動動作については、ドローンXを飛行させるリモコンとは異なるリモコンにより、無線で制御される。
【0064】
以下、図5図10を用いて、本実施形態に係るドローンXの使用方法について説明する。
なお、本実施形態におけるドローンX或いは壁面点検システムSは、ドリル法と呼ばれる、中性化深さ試験に用いた壁面点検に用いられる。
ドリル法とは、ドリル装置を用いて対象の建設物の壁面(コンクリート)を削孔し、この際に生じた削孔粉にフェノールフタレイン等の試薬をかけ、削孔粉の色を観察することで、対象の建設物の耐久性を評価する方法である。
【0065】
以下、図5図7を用いて、ドローンXのみを用いて壁面点検を行う例について説明する。
【0066】
まず、作業者は、図5(a)に示すように、建設物の外壁や内壁等、点検対象となる所定の壁面Wの近傍までドローンXを飛行させ、点検装置Vを、壁面Wにおける所望の位置に対向させる。
なお、このとき、作業者は、ドローンXをホバリング飛行させることで、その姿勢を中空で保持する。
【0067】
ここで、ドローン本体1が、図5(a)に示すように、壁面Wが立設されている立設面(地面)に対して水平な状態、即ち、ピッチ角が0度の状態におけるドローン本体1の姿勢を、水平姿勢とする。
【0068】
次に、作業者は、図5(b)に示すように、ドローンXを壁面Wに向かって前方に飛行させる。
これにより、前方の2つのプロペラ本体11aの揚力が、後方の2つのプロペラ本体11aの揚力よりも弱くなるため、ドローン本体1の姿勢は、水平姿勢からピッチ角が増大し、斜め下方に向かう傾斜姿勢となる。
このとき、作業者は、ドローン本体1に付与する前方への推進力を調整し、当接面Tの面方向と壁面Wの面方向とを略平行としておくことが好ましい。
【0069】
次に、作業者は、図6(a)に示すように、ドローンXの前方へ飛行により、当接面Tの全面を壁面Wに当接させる。
このとき、作業者が、ドローン本体1の前方へ推進力を増大させていくことで、ピッチ角が増大する方向への動きに基づく摩擦力が、当接面Tと壁面Wとの間に発生し、ドローンXは、壁面Wに対して安定的に位置決めされる。
【0070】
なお、作業者は、図5(b)や図6(a)に示すより状態もピッチ角が小さい状態で、当接面Tを壁面Wに当接させても良い。
この場合、まず下方の当接面Tの下端が壁面Wに当接することとなるが、作業者は、この状態からドローン本体1の前方へ推進力を増大させていくことで、ドローン本体のピッチ角が、下方の当接面Tの下端を軸にドローンXが回動する態様で、増大する。
これにより、作業者は、ドローンXを、図6(a)に示す状態と同様の状態とすることができる。
【0071】
次に、作業者は、図6(b)に示すように、ドリル部V1を動作させつつ、摺動手段mにより点検装置Vを前方に摺動させることで、壁面Wにドリル部V1を貫入させる。
【0072】
これにより、壁面Wの削孔が行われ、地面に削孔粉が落下することで、作業者は、この削孔粉を回収し、中性化深さ試験を行うことができる。
【0073】
また、作業者は、摺動手段mによりドリル部V1の端部を壁面Wから引き抜くことで、再度、ドローンXを飛行させることができる。
これにより、作業者は、上記と同様の手順で、ドローンXにより、壁面Wにおける、上記とは異なる箇所の削孔を行うことができる。
【0074】
以下、図7図10を用いて、ドローンXやガイドワイヤーAによる壁面点検システムSを用いて壁面点検を行う例について説明する。
【0075】
図7及び図8に示すように、壁面点検システムSは、所定の立設面Gに立設された建設物Zの外壁(壁面W)に適用されるものであり、ドローンXと、点検装置Vと、壁面Wの面方向に沿って設けられたガイドワイヤーAと、ガイドワイヤーAを支持するワイヤー支持手段Bと、ドローンXを壁面Wから離間させる離間手段Cと、を備えている。
【0076】
点検装置Vは、特に図8に示されるように、ガイドワイヤーAと壁面Wとの間に配置されている。
【0077】
ガイドワイヤーAは、例えばピアノ線等の高強度な金属線であり、本実施形態においては、4本のガイドワイヤーAの各先端部が、各側方支持部33に取付けられている。
【0078】
ワイヤー支持手段Bは、建設物Zの屋上に設けられた一対の上部ワイヤー支持手段B1と、各上部ワイヤー支持手段B1の直下の立設面Gに設けられた一対の下部ワイヤー支持手段B2と、により構成されている。
なお、以下では、各上部ワイヤー支持手段B1により支持されているガイドワイヤーAを、上部ガイドワイヤーA1、各下部ワイヤー支持手段B2により支持されているガイドワイヤーAを、下部ガイドワイヤーA2と称する。
【0079】
上部ワイヤー支持手段B1は、特に図8に示すように、ガイドワイヤーAが巻き回されたウィンチ装置Uと、建設物ZのパラペットZ1に取付けられる基台Hと、基台Hの上部に設けられた第一ガイドローラーR1と、基台Hの側部に設けられた一対の第二ガイドローラーR2と、を有している。
下部ワイヤー支持手段B2は、ウィンチ装置Uを有している。
【0080】
ウィンチ装置Uは、遠隔操作により、電動で各ガイドワイヤーAの巻取り及び巻出し動作を行うことができる。
このため、各ウィンチ装置Uは、個別に巻取り及び巻出しを行うこともできるし、連動させて同時に巻取り及び巻出し動作を行うこともできる。
なお、上部ワイヤー支持手段B1のウィンチ装置Uは、基台Hの上部に設けられている。
【0081】
第一ガイドローラーR1は、ブラケットb1に支持され、略水平方向を軸に回転可能に構成されている。
【0082】
一対の第二ガイドローラーR2は、それぞれブラケットb2に支持され、壁面Wに対して略垂直方向を軸に回転可能に構成されている。
また、各第二ガイドローラーR2は、対峙して設けられることで、各上部ガイドワイヤーA1を挟み込んでいる。
【0083】
第一ガイドローラーR1及び第二ガイドローラーR2をこのように構成することで、各ウィンチ装置Uによる各上部ガイドワイヤーA1の巻取り及び巻出し動作が円滑に行われる。
【0084】
離間手段Cは、立設面GからドローンXに向かって延びる離間ワイヤーC1と、立設面Gに設けられ、離間ワイヤーC1が巻き回された巻取り手段C2と、を有している。
【0085】
巻取り手段C2は、遠隔操作により、電動で離間ワイヤーC1の巻取り及び巻出し動作を行うことができる。
【0086】
離間手段Cをこのように構成することで、作業者は、巻取り手段C2により離間ワイヤーC1を巻取り、ドローンXを、壁面Wから離間させる方向に引張ることができる。
これにより、ドローンXの不意の故障等で飛行制御が困難となった場合等に、ドローンXが壁面Wに衝突する事態を防止することができる。
【0087】
上記した壁面点検システムSを用いる場合、まず、作業者は、各ワイヤー支持手段Bを、所定の位置(本実施形態であれば建設物Zの屋上及び立設面Gにそれぞれ2箇所)に配置する。
【0088】
次に、作業者は、各ワイヤー支持手段B(ウィンチ装置U)に巻き回されている各ガイドワイヤーAを巻出し、各ガイドワイヤーAの端部を各側方支持部33に締結する。
また、作業者は、巻取り手段C2に巻き回されている離間ワイヤーC1を巻出し、離間ワイヤーC1の端部を、第一構成体p1の後方に締結する。
【0089】
次に、作業者は、図7及び図8に示すように、点検対象となる壁面Wの近傍までドローンXを飛行させ、点検装置Vを、壁面Wにおける所望の位置に対向させる。
なお、このとき、作業者は、ドローンXをホバリング飛行させることで、その姿勢を中空で保持する。
【0090】
次に、作業者は、図5(b)に示した状態と同様に、ドローンXを壁面Wに向かって前方に飛行させることで、図6(a)に示した状態と同様に、当接面Tの全面を、壁面Wに当接させる。
また、作業者は、図6(b)に示した状態と同様に、ドリル部V1を動作させつつ、摺動手段mにより点検装置Vを前方に摺動させることで、壁面Wにドリル部V1を貫入させる。
【0091】
これにより、壁面Wの削孔が行われ、立設面Gに削孔粉が落下することで、作業者は、この削孔粉を回収し、中性化深さ試験を行うことができる。
【0092】
このとき、作業者は、各ウィンチ装置Uにより、各ガイドワイヤーAを巻取り、各ガイドワイヤーAを張設することができる。
これにより、壁面点検システムSは、図9に示す状態から、図10に示す状態となる。
【0093】
即ち、各ガイドワイヤーAが張設されることにより、各ガイドワイヤーAの弛緩部分が、壁面Wに向かって移動し、各ガイドワイヤーAが連結されているドローンXが、各ガイドワイヤーAの張力でもって、壁面Wに向かって押圧される。
そして、壁面Wと各ガイドワイヤーAとで、ドローンXを挟持する態様となり、ドローンXが壁面Wに、さらに安定的に位置決めされる。
【0094】
また、作業者は、摺動手段mによりドリル部V1の端部を壁面Wから引き抜き、ワイヤー支持手段Bにより各ガイドワイヤーAを弛緩させることで、再度、ドローンXを飛行させることができる。
これにより、作業者は、上記と同様の手順で、ドローンXにより、壁面Wにおける、上記とは異なる箇所の削孔を行うことができる。
【0095】
なお、壁面点検を終了する場合、作業者は、上記の通り、ドリル部V1を壁面Wから引き抜き、各ガイドワイヤーAを弛緩させた後、ドローンXを建設物Zの屋上或いは立設面Gに着陸させる。
【0096】
また、作業者は、ドローンXと各ガイドワイヤーAの締結を解消することで、ドローンXを回収する。
そして、作業者は、各ウィンチ装置Uにより、各ガイドワイヤーAを巻取った後、各ワイヤー支持手段Bを回収する。
【0097】
本実施形態によれば、作業者は、ドローン本体1の前方への推進力に基づく圧力を、当接面Tを介して確実に壁面Wに付与することができ、ドローン本体1ひいては点検装置Vの、壁面Wに対する位置のブレを抑制することが可能となる。
【0098】
また、当接面Tが弾性素材で形成されていることで、ドローン本体1の前方への推進力が増大するにつれて、当接面Tと壁面Wとの間に強い摩擦力が生じることとなるため、点検装置Vの位置のブレを、さらに効果的に抑制することができる。
【0099】
また、当接面Tが上下方向に間隔を空けて、同一平面上に複数設けられていることで、当接面Tと壁面Wとの間に生じる摩擦力を確保しつつ、当接面Tを小型に設計することができ、ドローンXの構成を簡素且つ軽量なものとすることが可能となる。
【0100】
また、ドローン構成体13が、細長棒状体により骨組状に構成されていることで、ドローン構成体13を簡素且つ軽量なものとすることが可能となる。
【0101】
また、連結部3が、細長棒状体により骨組状に構成されていることで、連結部3を簡素且つ軽量なものとすることが可能となる。
【0102】
また、細長棒状体が中空状であることで、ドローン構成体13及び連結部3を、さらに軽量化することが可能となる。
【0103】
また、飛行手段11(モータ部11b)と制御手段12とを電気的に接続する導線kが細長棒状体の内部に収容されていることで、導線kの破損等を防ぐと共に、ドローンX全体の良好な美観を維持することが可能となる。
【0104】
また、摺動手段mにより、作業者は、点検装置Vを、ドローンXと共に壁面Wに位置決めした後、点検装置Vと壁面Wとの間の距離を自在に調整することが可能となる。
【0105】
また、点検装置Vが壁面Wを削孔するドリル装置であることで、ドローンXで、ドリル法による中性化深さ試験を行うことが可能となる。
【0106】
なお、上述の実施形態において示した各構成部材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0107】
例えば、上記の実施形態では、ドローンX或いは壁面点検システムSを、ドリル法と呼ばれる、中性化深さ試験(破壊式調査)に用いた例を示したが、点検装置Vを、ドリル装置の代わりにカメラやシュミットハンマーとしても良い。
この場合、カメラであれば、赤外線サーモグラフィー法による非接触式調査を、シュミットハンマーであれば、シュミットハンマー法による接触式調査を、それぞれ行うことができる。
【符号の説明】
【0108】
X ドローン
1 ドローン本体
11 飛行手段
12 制御手段
13 ドローン構成体
2 当接部
T 当接面
3 連結部
V 点検装置
W 壁面
A ガイドワイヤー
B ワイヤー支持手段
C 離間手段
Z 建設物
G 立設面
S 壁面点検システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2021-12-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドローン本体と、所定の壁面に当接する当接面が形成され、前記壁面上で回転しない当接部と、前記ドローン本体と前記当接部とを連結する連結部と、を備え、
前記ドローン本体は、飛行手段と、前記飛行手段を制御する制御手段と、前記飛行手段及び前記制御手段が設けられるドローン構成体と、を有し、
前記当接部は、前記ドローン本体よりも前方に配置されるように、前記連結部から突設され、
前記連結部には、前記壁面に対して所定の点検動作を行う点検装置が設けられ、
前記当接面の全面が前記壁面に当接した状態において、前記ドローン本体の姿勢が、斜め下方に向かう傾斜姿勢となるように構成され
前記当接面は、弾性素材により形成され、上下方向に間隔を空けて複数設けられ、
前記複数の当接面は、同一平面上に設けられ、前記壁面に対して同時に面接触可能に構成されている、ドローン。
【請求項2】
前記ドローン構成体は、細長棒状体により、骨組状に構成されている、請求項1に記載のドローン。
【請求項3】
前記連結部は、細長棒状体により、骨組状に構成されている、請求項1又は2に記載のドローン。
【請求項4】
前記連結部は、前記ドローン本体の左右に設けられた一対の側部と、略直線状に形成され、前記ドローン本体の前方から立設された一対の前方支持部と、略直線状に形成され、前記前方支持部と前記各当接部とを連結する突設部と、を含み、
前記各側部には、前記ドローン本体に連結され上方に延びる前記細長棒状体と、この上方に延びる前記細長棒状体から延設され、前方に延びる前記細長棒状体と、が設けられ、
上方の前記当接部に連結された突設部は、前記各側部に設けられた、前方に延びる前記細長棒状体から延設されている、請求項3に記載のドローン。
【請求項5】
前記制御手段は、平面視で、前記ドローン構成体の略中央に設けられ、
前記飛行手段は、平面視で、前記制御手段の四方にそれぞれ設けられ、
前記連結部は、点検装置保持部を含み、
前記点検装置保持部には、前記細長棒状体で囲われた、前記点検装置が設けられる空間が形成され、
前記空間は、前記制御手段の略直上に形成されている、請求項4に記載のドローン。
【請求項6】
前記細長棒状体は、中空状である、請求項2~5の何れかに記載のドローン。
【請求項7】
前記飛行手段と前記制御手段とを電気的に接続する導線は、前記細長棒状体の内部に収容されている、請求項6に記載のドローン。
【請求項8】
前記連結部には、前記点検装置を、前記壁面の面方向と略垂直方向に往復摺動させる摺動手段が設けられている、請求項1~7の何れかに記載のドローン。
【請求項9】
前記点検装置は、前記壁面を削孔するドリル装置である、請求項1~8の何れかに記載のドローン。
【請求項10】
請求項1~9の何れかに記載のドローンと、前記壁面の面方向に沿って設けられたガイドワイヤーと、前記ガイドワイヤーを支持するワイヤー支持手段と、を備え、
前記ドローンは、前記ガイドワイヤーに取付けられ、
前記ワイヤー支持手段は、前記ガイドワイヤーの巻出し及び巻取りを行うウィンチ装置を有し、
前記ガイドワイヤーは、前記ウィンチ装置により張設され、
前記ドローンは、前記ウィンチ装置により張設された前記ガイドワイヤーの張力で、前記壁面に向かって押圧されることで、前記ガイドワイヤーと前記壁面との間に挟持される、壁面点検システム。