(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023026373
(43)【公開日】2023-02-24
(54)【発明の名称】ヒドラジド系前駆体を使用する窒化ホウ素膜の堆積
(51)【国際特許分類】
H01L 21/318 20060101AFI20230216BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20230216BHJP
【FI】
H01L21/318 B
H01L21/31 B
H01L21/31 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022126996
(22)【出願日】2022-08-09
(31)【優先権主張番号】63/233,080
(32)【優先日】2021-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ・デゼラー
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー・ブランカート
【テーマコード(参考)】
5F045
5F058
【Fターム(参考)】
5F045AA03
5F045AA08
5F045AA15
5F045AB15
5F045AC01
5F045AC02
5F045AC03
5F045AC08
5F045AC12
5F045AC15
5F045AC16
5F045AC18
5F045AD04
5F045AD05
5F045AD06
5F045AD07
5F045AD08
5F045AE17
5F045AE19
5F045AE21
5F045AE23
5F045AE25
5F045AF10
5F045CB05
5F045DC63
5F045DP03
5F045EE19
5F045EF05
5F045EK07
5F058BB05
5F058BC08
5F058BF02
5F058BF07
5F058BF22
5F058BF30
5F058BF37
(57)【要約】
【課題】エッチング停止層または低k誘電体としての使用のための窒化ホウ素を含む層を形成することを含む方法に関する。
【解決手段】高品質のa-BN層を形成する方法。本方法は、化学蒸着(CVD)、原子層堆積(ALD)、およびこれに類するものの周期的堆積プロセスでの使用に特に適した前駆体化学物質の使用を含む。簡潔に述べると、CVD、ALD、またはこれに類するものによって非晶質BN(a-BN)膜を成長させる能力を有する前駆体から窒化ホウ素(BN)層を形成する新しい方法が記述される。一部の事例では、前駆体は、ヒドラジンのボラン付加体、もしくはヒドラジン誘導体であるか、またはそれを含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非晶質窒化ホウ素を含む層を形成する方法であって、
基材を反応チャンバ内に提供するステップと、
ヒドラジドボランまたはヒドラジンもしくはヒドラジン誘導体のボラン付加体を含む前駆体を前記反応チャンバに提供するステップと、
前記前駆体を使用して、窒化ホウ素を含む非晶質層を形成するステップと、を含む、方法。
【請求項2】
前記前駆体が、次式で表され、
【化1】
式中、R1~R4のうちの少なくとも1つが、BR’R’’を含み、R’およびR’’は独立して、H、アルキル基、およびアリール基からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
R1~R4のうちの少なくとも1つが、H、ヒドロカルビル、またはヒドラジド基を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
R1~R4のうち1~3個が、独立して選択される炭化水素官能基を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記炭化水素官能基のうちの少なくとも1~3個が、C1~C10アルキルである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記炭化水素官能基のうちの少なくとも1つが、C6~C10アリールである、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
R1~R4のうちの少なくとも1つが、アルキル基、アリール基、ヒドラジン、ヒドラジン誘導基、ハロゲン、水素、双性イオンバリアント、BH2、およびBH3からなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
誘電体層の形成が、複数のサイクルを含む周期的堆積プロセスを含み、前記サイクルの各々が、前駆体パルスおよび反応物質パルスを含み、前記前駆体パルスが、前記基材またはその上に堆積した前記層を前記前駆体に曝露することを含み、前記反応物質パルスが、前記基材またはその上に堆積した前記層を反応物に曝露することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記基材上の誘電体層の形成が、化学蒸着(CVD)または原子層堆積(ALD)を使用して、前記非晶質窒化ホウ素の薄膜を堆積することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記非晶質窒化ホウ素が、2未満の誘電率を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法に従って形成された構造。
【請求項12】
構造を製作する方法であって、
基材上に第一の層を形成するステップと、
前記第一の層の堆積後、複数のサイクルを含む堆積プロセスを実施することによって、前記第一の層の上にエッチング停止層または誘電体層を形成するステップであって、前記サイクルの各々が、前駆体パルスおよび反応物質パルスを含み、前記前駆体パルスが、導電性材料の前記第一の層を前駆体に曝露することを含み、前記反応物質パルスが、前記基材を反応物質に曝露することを含む、ステップとを含み、
前記前駆体が、ヒドラジドボラン、またはヒドラジンもしくはヒドラジン誘導体のボラン付加体を含む、方法。
【請求項13】
前記前駆体が、次式で表され、
【化2】
式中、R
1~R
4のうちの少なくとも1つが、BR’R’’を含み、R’およびR’’は独立して、H、アルキル基、およびアリール基からなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ヒドラジン誘導体が、1~3個の独立して選択される炭化水素官能基を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記炭化水素官能基のうちの少なくとも1つが、C1~C10アルキルである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記炭化水素官能基のうちの少なくとも1つが、C6~C10アリールである、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
R1~R4のうちの少なくとも1つが、アルキル基、アリール基、ヒドラジン、ヒドラジン誘導基、ハロゲン、水素、BH2、およびBH3からなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記堆積プロセスが、周期的化学蒸着(CVD)または原子層堆積(ALD)を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
構造を製作する方法であって、
基材を提供するステップと、
前記基材上に第一の層を堆積させるステップと、
前記第一の層の堆積後、前記第一の層の上に窒化ホウ素を含む超低k誘電体層を形成するステップと、
前記超低k誘電体層の形成後、前記誘電体層の上に第二の層を堆積させるステップであって、それにより前記超低k誘電体層が前記第一の層と第二の層との間に挟まれるステップとを含む、方法。
【請求項20】
前記超低k誘電体層を形成するステップが、前記第一の層の表面を、ヒドラジドボラン、またはヒドラジンもしくはヒドラジン誘導体のボラン付加体を含む前駆体に曝露することを含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して電子デバイスを形成するために好適な方法に関する。より具体的には、本開示は、例えば、エッチング停止層または低k誘電体としての使用のための窒化ホウ素を含む層を形成することを含む方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造では、低kは、二酸化ケイ素に対して相対的に低い誘電率(k(またはより正式にはカッパ))を有する材料を指すことができる。低k誘電体材料の実装は、マイクロ電子デバイスのサイズの継続的なスケールダウンを可能にするために使用されるいくつかの方策のうちの1つである。例えば、CMOSデバイスなどのデジタル回路では、絶縁誘電体は導電性部品(ワイヤ相互接続およびトランジスタ)を互いから分離する。構成要素はサイズをスケールダウンされ、そしてトランジスタが互いにより近くなったため、絶縁誘電体は、電荷の蓄積およびクロストークがデバイスの性能に悪影響を与える点まで薄くなった。
【0003】
二酸化ケイ素を低k誘電体と交換することは、寄生容量を低減することができ、より速い切り換え速度およびより低い熱放散を可能にする。比誘電率がより低い数多くの材料があるが、そのうちのごくわずかしか製造プロセスへと好適に組み込むことができない。開発の取り組みは、主に、フッ素ドープ二酸化ケイ素、有機ケイ酸塩ガラス、多孔質二酸化ケイ素、およびスピンオン有機およびケイ素系高分子誘電体などの材料クラスに焦点を当ててきた。
【0004】
二酸化ケイ素の使用に優る利点を提供する一方で、これらの低k誘電体材料は、半導体業界のすべてのニーズを満たしていない。より最近では、業界は、電子デバイスのサイズの継続的なスケールダウンに対する要求を満たす努力のために、超低誘電率(すなわち、k<2の超低k)を有する材料の使用に向けた作業を開始した。
【発明の概要】
【0005】
この「発明の概要」は、選択された概念を単純化した形態で紹介するために提供される。これらの概念は、以下の本開示の例示的な実施形態の「発明を実施するための形態」において、さらに詳細に記述される。この発明の概要は、特許請求される主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図せず、特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることも意図しない。
【0006】
本発明者らは、非晶質窒化ホウ素(a-BN)が、超低誘電率(超低k、ここではk<2)を提供する可能性を有する材料として特定されていることを認識した。こうした超低k材料は、寄生容量およびクロストークを低減するのを助ける一方で、良好な電気的、熱的、および機械的安定性も提供する能力に起因して、将来の論理、メモリ、および他の集積回路のためのエッチング停止層または中間層誘電体または金属間誘電体として(例えば、低k誘電体として)の用途を見出すことが期待される。しかし、本記述以前には、BN膜を送達するための気相方法は、材料の非晶質相を提供せず、また典型的には最適な低k値(例えば、超低誘電率値)をもたらさないため、部分的に限定されていた。
【0007】
これらおよび他の課題に応答して、より高品質なa-BN層を提供するための新しい前駆体化学物質が本明細書に記述され、また前駆体化学物質は、特に、化学蒸着(CVD)、原子層堆積(ALD)、およびこれに類するものなどの周期的堆積プロセスにおいて、エッチング停止層、低k誘電体、または他の所望の層を提供するための使用に好適である。簡潔に述べると、本発明者らは、CVD、ALD、またはこれに類するものによって非晶質BN(a-BN)膜を成長させる能力を有する前駆体から窒化ホウ素層を形成する新しい方法を作り出した。一部の事例では、前駆体は、ヒドラジンのボラン付加体、もしくはヒドラジン誘導体を含んでもよく、またはヒドラジドボランを含んでもよい。
【0008】
様々な実施形態による、非晶質窒化ホウ素を含む層を形成する方法が本明細書に開示される。方法は、基材を反応チャンバ内に提供することを含んでもよい。さらに、本方法は、ヒドラジンまたはヒドラジン誘導体のボラン付加体を含む前駆体を反応チャンバに提供すること、そしてその後前駆体を使用して、窒化ホウ素を含む非晶質層を形成することを含んでもよい。
【0009】
本方法の一部の実施形態によれば、前駆体は以下のように表される:
【化1】
【0010】
式中、R1~R4のうちの少なくとも1つはBR’R’’を含み、R’およびR’’は独立して、H、アルキル基、およびアリール基からなる群から選択される。こうした事例では、1~3個のR1~のR4は、独立して選択される炭化水素官能基であってもよく、また炭化水素官能基のうちの少なくとも1つは、C1~C10アルキルを含んでもよい。本方法の様々な実施形態では、炭化水素官能基のうちの少なくとも1つは、C6~C10アリールを含んでもよい。
【0011】
方法のこれらの実施形態または他の実施形態では、R1~R4のうちの少なくとも1つは、アルキル基、アリール基、ヒドラジン、ヒドラジン誘導基、ハロゲン、水素(例えば、ヒドラジンに付着したBH2、BHR、またはこれに類するもの)、および双性イオンバリアント(例えば、R2NNR2BR3、式中、NおよびBの両方は、それぞれ、4つの結合を有し、また+および-の形式電荷を有する)からなる群から選択される。誘電体層の形成は、複数のサイクルを含む周期的堆積プロセスを含んでもよく、サイクルの各々は、前駆体パルスおよび反応物質パルスを含み、前駆体パルスは、基材またはその上に堆積された層を前駆体に曝露することを含み、また反応物質パルスは、基材またはその上に堆積された層を反応物質に曝露することを含む。これらの方法および他の方法の実施では、非晶質窒化ホウ素は、好ましくは、2未満の誘電率を有する場合がある。
【0012】
他の様々な他の実施形態によれば、構造を製作するための方法が記述されており、そしてこの方法は、基材上に第一の層を形成することを含む。次いで、第一の層の堆積が完了した後、方法は、複数のサイクルを含む堆積プロセスを実施することによって、エッチング停止層または誘電体層を第一の層の上に形成することを含む。サイクルの各々は、前駆体パルスおよび反応物質パルスを含んでもよく、前駆体パルスは、導電性材料の第一の層を前駆体へと曝露することを含み、また反応物質パルスは、導電性材料の第一の層を反応物質に曝露することを含む。方法のこれらの実施形態では、前駆体は、ヒドラジンまたはヒドラジン誘導体のボラン付加体を含んでもよく、またはヒドラジドボランを含んでもよい。ボラン付加体では、R2NNR2の1つのN原子とBR3のB原子との間の配位共有結合がある。ヒドラジドボランでは、N上のR基のうちの1つはBR2である。
【0013】
他の実施形態では、構造を製作する方法が記述され、また方法は、基材を提供することと、次いで基材上に第一の層を堆積することとを含む。方法は、第一の層の堆積後、窒化ホウ素を含む超低k誘電体層を第一の層上に形成することをさらに含む。加えて、方法は、超低k誘電体層の形成後に、誘電体層の外側に第二の層を堆積させることを含んでもよく、それによって、誘電体層は、第一の層と第二の層との間に挟まれる。一部の好ましい実施形態では、超低k誘電体層を形成する工程は、ヒドラジンもしくはヒドラジン誘導体のボラン付加体を含む、またはヒドラジドボランを含む前駆体に第一の層の表面を曝露することを含む。
【0014】
先行技術を超えて達成される本開示および利点を要約する目的のために、本開示のある特定の目的および利点を、本明細書で上記に記述してきた。当然のことながら、必ずしもこうした目的または利点のすべてが本開示の任意の特定の実施形態によって達成される場合があるとは限らないことが理解されるべきである。それ故に、例えば、本明細書で教示または示唆される場合があるような他の目的または利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示または示唆されるような1つの利点または利点の群を達成または最適化する様態で、本明細書で開示された実施形態が実行されてもよいことを当業者は認識するであろう。加えて、基材上に誘電体層を形成する工程は、化学蒸着(CVD)、原子層堆積(ALD)、またはこれに類するものを使用して、非晶質窒化ホウ素の薄膜を堆積することを含んでもよい。
【0015】
これらの実施形態のすべてが、本開示の範囲内であることが意図される。これらの実施形態および他の実施形態は、以下の添付の図面を参照するある特定の実施形態の以下の「発明を実施するための形態」から当業者に容易に明らかとなることになり、本開示は考察されるいかなる特定の実施形態にも限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本明細書は、本開示の実施形態と見なされるものを具体的に指摘し、かつ明確に特許請求する特許請求の範囲で結論付ける一方で、本開示の実施形態の利点は、添付の図面と併せて読むと、本開示の実施形態のある特定の実施例の記述から、より容易に確かめられる場合がある。図面全体を通して同様の要素番号が付けられている要素は、同じであることが意図されている。
【
図1】
図1は、本記述の様々な例示的な実施形態による例示的な半導体処理装置またはシステムを例示する。
【
図2】
図2は、例えば
図3の方法を用いて窒化ホウ素誘電体層を有するなど、本記述の一部の実施形態による製作された例示的な半導体デバイスまたはスタックの単純化された断面図を例示する。
【
図3】
図3は、本記述の窒化ホウ素誘電体層を用いて半導体デバイスを製造または製作する方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
ある特定の実施形態および実施例を以下に開示するが、本開示の具体的に開示された実施形態および/または使用、ならびにその明白な修正および均等物を超えて本開示が延長することは、当業者によって理解されるであろう。それ故に、本開示の範囲は、本明細書の特定の実施形態によって限定されるべきではないことが意図される。
【0018】
本明細書に提示された例示は、任意の特定の材料、装置、構造、またはデバイスの実際の姿であることを意味せず、本開示の実施形態を記述するために使用される、単なる表現にすぎない。
【0019】
本明細書で使用される場合、「基材」という用語は、形成するために使用されてもよい、またはデバイス、回路、もしくはフィルムがその上に形成されてもよい、任意の下地材料または材料を指す場合がある。
【0020】
本明細書で使用される場合、「原子層堆積」(ALD)という用語は、堆積サイクル、好ましくは複数の連続的な堆積サイクルがプロセスチャンバ内で行われる蒸着プロセスを指す場合がある。典型的に、各サイクル中に前駆体は、堆積表面(例えば、基材表面または以前に堆積された下地表面(以前のALDサイクルからの材料など))に化学吸着され、追加的な前駆体と容易に反応しない(すなわち自己限定的な反応)単分子層又は準単分子層を形成する。その後、必要な場合、化学吸着された前駆体を堆積表面上で所望の材料へと変換するのに使用するために、反応物質(例えば、別の前駆体または反応ガス)がその後プロセスチャンバの中へと導入されてもよい。典型的に、この反応物質は前駆体とさらに反応する能力を有する。さらに、化学吸着された前駆体の変換後に、過剰な前駆体をプロセスチャンバから除去し、かつ/または過剰な反応物質および/もしくは反応副産物をプロセスチャンバから除去するために、各サイクル中にパージ工程も利用されてもよい。さらに、本明細書で使用される場合、「原子層堆積」という用語は、前駆体組成物(複数可)、反応性ガス、およびパージ(例えば、不活性キャリア)ガスの交互パルスを用いて実施される時、「化学蒸着原子層堆積およびこれに類するものなどの、関連する用語によって指定されるプロセスを含むことも意味する。
【0021】
本明細書で使用される場合、「化学蒸着」(CVD)という用語は、基材を1つ以上の揮発性前駆体に曝露し、この前駆体が基材表面上で反応および/または分解して所望の堆積を生成する、任意のプロセスを指す場合がある。
【0022】
本明細書で使用される場合、「膜」および「薄膜」という用語は、本明細書に開示された方法によって堆積された、任意の連続的または非連続的な構造および材料を指す場合がある。例えば、「膜」および「薄膜」としては、2D材料、ナノロッド、ナノチューブ、もしくはナノ粒子、またはさらには部分的もしくは完全な分子層、または部分的もしくは完全な原子層、または原子および/もしくは分子のクラスタを挙げることができる。「膜」および「薄膜」は、ピンホールを有するが、それでも少なくとも部分的に連続的な材料または層を含む場合がある。
【0023】
以下により詳細に記述するように、本開示の様々な詳細および実施形態は、ALD、CVD、プラズマ強化化学蒸着(PECVD)、およびこれに類するものが挙げられるがこれらに限定されない、数多くの堆積プロセスのために構成された反応チャンバと併せて利用されてもよい。本開示の実施形態はまた、層または薄膜を堆積する(提供する、または形成する)ために構成された半導体処理システムにも利用されてもよい。
【0024】
本発明者らは、非晶質窒化ホウ素(a-BN)をCMOSおよび他の半導体デバイスにおける超低誘電率(k<2)を有する層または膜として提供するための、この材料の堆積プロセスに対する継続的なニーズがあることを認識した。新しい堆積方法は、スタックまたは半導体デバイス内にBN膜または層を提供するように具体的に選択される1つ以上の前駆体を利用する、複数のサイクル(例えば、ALD、周期的CVD、またはこれに類するものなどの)を含む周期的堆積プロセスの形態を取ってもよい。
【0025】
本明細書で教示される前駆体は、CVD、ALD、およびCVDまたはALD様の周期的堆積プロセスによって非晶質BN膜を成長させる能力を有する前駆体のクラスである。一般的に、前駆体は、ヒドラジンまたはヒドラジン誘導体のボラン付加体を含む。新しい堆積方法で有用である場合があるヒドラジン誘導体としては、1~4個の炭化水素置換基を含有するものが挙げられる。堆積方法の一部の実施では、置換基は独立して、少なくとも1つのボラン誘導体および1つ以上のC1~C10アルキル、および/または1つ以上のC6~C10アリール基、および/または水素を含む。ボラン誘導体上の置換基は、水素、アルキル、アリール基、ヒドラジン、ヒドラジン誘導基、およびハロゲンから独立して選択されてもよい。好適なCVD、ALD、または他の堆積プロセス下で、このクラスの前駆体は、共反応物質またはプラズマ生成共反応物質種を使用して、または使用しないでのいずれかで、低k、より好ましくは、超低k窒化ホウ素膜を堆積するために使用される。
【0026】
図1は、本開示の実施例によるa-BNの薄膜/層の堆積での使用のために好適な半導体処理装置またはシステム100を例示する。装置100は、反応チャンバ103、基材ホルダー104、およびガス分配システム106をさらに含んでもよい反応器102を含んでもよい。装置100はまた、第一の前駆体供給源107、第二の前駆体または反応物質供給源108(これはシステム100の一部の実施形態では任意選択であってもよい)、およびキャリアガスまたはパージガス供給源110を含む、前駆体送達システムを含んでもよい。装置100は、供給源107、108、110、および116と、反応器102との間に介在する、システムコントローラ101によって選択的に動作可能な弁111、112、114、および118(システム106を介して反応チャンバ103に前駆体、パージガス、および任意選択的に反応物質を提供することによって、本明細書に記述される堆積プロセスを実施するためにプロセッサ(複数可)で制御ソフトウェアを実行すると当業者によって理解される)をさらに含んでもよい。
【0027】
反応チャンバ103は、スタンドアローンの反応チャンバまたはクラスタツールの一部であってもよい。反応チャンバ103は、CVD、ALD、またはこれに類するもののために典型的に使用される反応チャンバを含んでもよく、また直流プラズマおよび/または遠隔プラズマ装置を含んでもよい。反応チャンバは、真空下または大気圧に近い圧力下で動作してもよい。一例として、反応チャンバ103は、エッチング停止層または誘電体層として機能してもよいa-BN膜を形成するために、供給源107からの第一の前駆体、および任意選択的に供給源108からの第二の前駆体/反応物質を、少なくとも1つの基材116の上へと逐次的にパルスすることによる、膜のALD堆積のために好適な反応チャンバを含んでもよい。
【0028】
基材ホルダー104は、1つ以上の層または膜がその上に配置されてもよい基材116などの、少なくとも1つの基材を、処理中に定位置に保持するように構成されてもよい。様々な例示的な実施形態によると、基材ホルダーまたはサセプタ104は直流プラズマ回路の一部を形成してもよい。追加的または代替的に、基材ホルダー104は、処理中に、加熱(例えば、加熱要素105によって)、冷却、または周囲のプロセス温度にされてもよい。一部の実施形態では、加熱要素105は少なくとも1つの基材116上でアニーリング工程を実施するように構成されてもよい。さらなる実施形態では、加熱要素105は、コントローラ101に動作可能に連結されてもよい。
【0029】
ガス分配システム106はブロックの形態で例示されているが、ガス分配システム106は比較的複雑であり、ガス混合物を反応チャンバ103の残りの部分に分配する前に、第一の前駆体供給源107、第二の前駆体供給源108、ガス供給源110からのキャリア/パージガス、および/またはエッチャントガス供給源116からの蒸気(ガス)を混合するように設計されていてもよい。さらに、ガス分配システム106は、基材116の表面へのガスの垂直(例示するように)または水平の流れを提供するように構成されてもよい。
【0030】
第一の前駆体供給源107は、超低k BN膜、およびより好ましくは非晶質BN(またはa-BN)膜を基板上または以前に堆積された膜(例えば、CMOSまたは他の半導体デバイスにおいて有用である場合がある導電性材料の膜または層)上に堆積または成長させるための膜堆積プロセスに好適な材料の液体、固体、またはガス供給源であってもよい。第一の前駆体供給源107が液体または固体である場合、原料がガス分配システム106およびチャンバ103に入る前に気化させてもよい。本記述の一部の実施形態では、前駆体は、ヒドラジンまたはヒドラジン誘導体のボラン付加体を含む。
【0031】
この記述を拡張すると、供給源107によって提供される前駆体は、ヒドラジドボランまたはヒドラジンを有するボラン付加体であってもよく、これはBH3・N2H4として、またはヒドラジン誘導体で表される場合がある。一部の実施形態では、ヒドラジン誘導体は、独立して選択される場合がある1~4個の置換基を有する化合物を含み、これはN2R4として表される場合がある。前駆体の例示的実施では、各Rは、ボラン誘導体、水素、または炭化水素置換基であり、炭化水素置換基は、C1~C10のアルキル基、およびC6~C10のアリール基からなる群から選択されることができる。前駆体のこれらの、または他の実施では、置換基は、ボランで提供されてもよく、その誘導体は、BR2として表されてもよく、また各Rは独立して、水素、アルキル基、アリール基、ヒドラジン基、ヒドラジン誘導基、ハロゲン、水素(例えば、ヒドラジンに付着したBH2、BHR、またはこれに類するもの)、および双性イオンバリアント(例えば、R2NNR2BR3、式中、NおよびBはそれぞれ両方とも4つの結合を有し、また+および-の形式電荷を有する)、ヒドラジンのN原子に付着したBH2、ならびにヒドラジンのN原子に付着したBH3、からなる群から選択されてもよい。
【0032】
前駆体は、以下のような一般式の形態で述べられてもよい。
【化2】
【0033】
式中、R1~R4のうちの少なくとも1つはBR’R’’であり、R’およびR’’は独立して、H、アルキル基、およびアリール基からなる群から選択される。例示的なアルキル基は(C1~C10)であり、また例示的なアリール基は(C6~C10)である。残りのR1~R4基は、独立して、上述のようなH、BR’R’からなる群、および10以下の炭素原子を含むアリール基および/またはアルキル基から選択することができる。
【0034】
以下の式は、前駆体として使用されてもよいヒドラジンボラン付加体および誘導体の5つの具体的な、しかし非限定的な実施例を提供する:
【化3】
【0035】
以下の式は、前駆体として使用されうるヒドラジドボラン(標識された、または「ボリルヒドラジン」または「ヒドラジンボラン」としても標識され、または知られる)の9つの具体的な、しかし非限定的な実施例を提供する:
【化4】
【0036】
第二の前駆体供給源108は、第一の前駆体供給源107と同様に、または異なるように構成されてもよく、またこれらの供給源107および108は、一緒に利用されて、BN膜を堆積させる(例えば、第一の前駆体に対して所望の共反応物質を提供することによって)、またはBN膜を、もしくはBN膜および半導体スタックもしくはデバイスの他の層を別々に堆積させてもよい。前駆体は、ヒドラジン様構成成分およびボラン様構成成分の両方を含有するので、共反応物質は、これらの要素、例えば、NH3、N2H4、Me2NNH2、tBuNHNH2、B2H6、BCl3、BBr3、BEt3、B(NMe2)3、BH3(NHMe2)、またはこれに類するもの、のいずれかを含有することが可能である。加えて、H2を共反応物質として使用することが可能である。別の方法として、H2プラズマ、H2/N2プラズマ、NH3プラズマ、H2/Arプラズマ、またはArプラズマなどのプラズマベースの共反応物質が有用である可能性がある。キャリアガス供給源またはパージガス供給源110は、第一の前駆体供給源107および/または第二の前駆体供給源108からのガスとの混合のために好適な任意のガスを含んでもよい。キャリアガス供給源またはパージガス供給源110はまた、BN膜堆積プロセスの前、後、またはその間に反応チャンバ103をパージするために好適な任意のガスも含んでもよい。本記述の例示的な実施形態によると、パージガスまたはキャリアガスは、窒素、アルゴン、ヘリウム、またはそれらの組合せであってもよい。
【0037】
図2は、
図3の方法300を用いるなど、本記述の一部の実施形態によって製作された集積回路に含まれるスタック300の単純化された断面図を例示する。示されるように、導電性材料の第一の層220は、基材210の上方に形成される。
図3の方法300を使用して、導電性材料膜または層220が、層220の下側または下面221が基材の上面211に当接するか、または接触するように、基材210の上面211の上方に堆積される。一部の実施形態では、第一の層220は、例えば、複数の金属線を形成するようにパターン化される。例えば、スタック200は、論理、メモリ、または他のタイプの集積回路内の金属相互接続の状況で使用されてもよい。別の方法として、基材には、その上に形成された導電層210を提供することができる。
【0038】
次の製作工程では、層もしくは膜、a-BNもしくは低k、またはより好ましくは、超低k材料が堆積されて、第一の導電性材料または電極層220の外側に誘電体層(または単に「誘電体」)230を形成する(一方で、a-BN層の他の用途はエッチング停止層である)。
図1を参照しながら上記で考察したように、誘電体層または膜230は、一部の好ましい実施形態では、2未満の誘電率kを有する非晶質窒化ホウ素(a-BN)の所望の厚さを提供するように成長または堆積されてもよい。
【0039】
スタックまたはデバイス200は、金属、例えば、Cu、Co、Al、Mo、W、またはその合金などの導電性材料の薄膜または層から形成される第二の導電性材料または電極層240をさらに含む。一部の実施形態では、電極240は、例えば、複数の金属線を形成するようにパターン化することができる。一部の実施形態では、誘電体層230は、複数の貫通穴を形成するようにパターン化することができる。貫通穴は、前述の金属のうちの1つなどの導電性材料で充填することができる。それ故に、例示的な実施形態では、導電層220で形成された金属線と導電層240で形成された金属線との間に電気的接続を形成するために、誘電体層230を通して、導電性ビア(図示せず)を形成することができる。電極層360は、第一の電極層220のものと同じ金属または材料で形成されてもよく、または特定の相互接続スキームに適合するように異なる金属で形成されてもよい。層240は、その下面または下側241を、誘電体層230の上面または上側233に当接または嵌合して堆積され、それによって、誘電体層230は、導電性材料層220と240との間に挟まれて、デバイス200内の寄生容量およびクロストークを低減する中間層誘電体、金属間誘電体、またはこれに類するものを提供する。
【0040】
多くの事例では、a-BN層(または材料)は、低k材料および/またはエッチング停止層として使用されることになり、これにより使用される基材は多くの場合、シリコンウエハである。a-BNが上に堆積される表面としては、ケイ素、ゲルマニウム、金属、および誘電体が挙げられ、これらは、酸化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、およびそれらの混合物などの、SiOCN材料系内であってもよい。本明細書に記述される技法が使用される可能性が高い、ミッドエンドオブライン用途で使用される典型的な金属としては、モリブデン、タングステン、窒化チタン、アルミニウム、銅、およびコバルトが挙げられるが、これらに限定されない。導電性金属層がBN層を「挟む」と記述される場合、当然のことながら、典型的に、a-BN層は導電性材料の平面の間に挟まれるのではなく、むしろa-BNは隣接する金属ワイヤ/線の間の誘電体として使用される。特に、BNは、隣接する金属線間のRC遅延およびクロストークを低減する低k値のため、この状況では有用である。しかし、他の事例では、BNは、様々なエッチング剤に曝露された場合、SiOCN材料とは異なるエッチング速度を有し、これによりエッチング停止層としても非常に有用である。有利なことに、本明細書に開示される方法によって形成されるエッチング停止層は、必ずしも除去される必要はない。
【0041】
図3は、例えば、集積回路の一部を製作するために好適な非晶質窒化ホウ素を含む層を形成するための方法300を例示する。多くの可能性の高い用途では、a-BN層は、フロントエンドの材料としては使用されず、その代わりにミドルエンドの材料として使用される。特に、a-BN層は、多くの場合、エッチング停止層または低k誘電体として使用される。エッチング停止層は、金属線が通過することを可能にするために穴が形成されるブランケット層である。低k誘電体は、異なる半導体構成要素を接続する金属ラインの間で使用される電気的な絶縁材料である。したがって、本明細書で提供される製作および構造の実施例は、エッチング停止層または低k誘電体としてのa-BN層の使用を記述し、かつそれを網羅することが明確に意図されている。
【0042】
当業者であれば、本明細書で考察され、かつ半導体デバイスまたはスタックで使用される層の各々が、本明細書に記述される材料の薄膜または層の形成に有用な、ALD(またはALD様プロセスもしくは他の周期的堆積プロセス)、CVD、またはこれに類するものなどの任意の一般的な形成技法を使用して形成されてもよいことを理解するであろう。よって、方法300は、本明細書に記載の、および
図2に示すように、半導体スタックの層または薄膜を堆積させるための任意の有用なプロセスを含むことが意図される。
【0043】
最初の工程310は、基材を提供することを伴い、これは、CMOSデバイスまたは他の電子デバイスの製造に有用ないくつかの処理工程をすでに受けていてもよく、またシリコンウエハまたは他の有用な基材材料の形態を取っていてもよい。次いで、方法300は、工程320において、工程310からの基材の上面の上方または上に、第一のまたは底部の導電性材料または電極層を形成することを含む。半導体デバイスの底部または第一の電極を提供する場合がある導電層または膜は、金属、導電性金属酸化物、導電性金属ケイ化物、導電性金属窒化物、およびそれらの組み合わせから形成されてもよい。別の方法として、基材には、その上に形成された第一の層または導電性材料層を提供することができる。
【0044】
方法300の次の工程330は、誘電体層または膜を形成することを含む。これには、CVD、ALD、または別の有用な堆積技術を用いて、窒化ホウ素、またはより好ましくは非晶質窒化ホウ素の層または膜を、工程320からの導電性材料層または電極の上面もしくは露出面の外側に堆積させることが伴ってもよい。方法300の一部の実施態様では、誘電体層を形成する工程330(および/または工程320および340)は、複数のサイクル(例えば、CVD、ALD、ALD様プロセス、またはこれに類するものなど)を含む周期的堆積プロセスを使用して完了する。各サイクルは、前駆体パルスおよび反応物質パルスを含んでもよく、前駆体パルスでは、基材(例えば、工程320からの層)を前駆体に曝露することを含み、一方で、反応物質パルスは、同じ基材を反応物質に曝露することを含む。典型的に、後続のパルスおよび後続のサイクルは、パージによって分離され、パージは一般的であり、また任意である。この点については、工程330は、スーパーサイクルプロセスを使用して実施されてもよく、ここでスーパーサイクルは、第一のサイクルおよび第二のサイクルを含み、また第一のサイクルおよび第二のサイクルは、異なる前駆体および/または反応物質を採用する。
【0045】
前駆体(例えば、周期的堆積プロセスにおいて前駆体パルスによって使用または提供される前駆体)は、超低k BN膜、より好ましくは非晶質BN(すなわちa-BN)フィルムを基材上または以前に堆積された膜上に堆積または成長させるための膜堆積プロセスに好適な、材料の液体、固体、またはガス供給源であってもよい。方法300の一部の実施形態では、工程330で使用される前駆体は、上述の形態のうちの1つにおける前駆体を含む。工程330は、様々な温度(例えば、50~400℃の範囲内の温度)および圧力(例えば、0.05~100Torrの範囲内の圧力)で実行されてもよい。
【0046】
方法300は、工程330からの誘電体の上面の上方または上に第二のまたは上部の導電性材料または電極層を形成する工程340に続く。工程340で堆積された材料(例えば、半導体デバイスの上部の電極または第二の電極を提供する薄膜を形成する)は、工程320に堆積された材料(例えば、半導体デバイスの第一の電極または底部の電極を形成する)と同じであってもよく、または異なっていてもよい。方法300は、追加的な工程(図示せず)を含んでもよい。例えば、層のうちの1つ以上をエッチングする事例では、層の材料は、通常通り、または半導体デバイス製作の一部として当技術分野で周知のようにエッチングすることができる。
【0047】
恩恵、その他の利点、および問題に対する解決策が、具体的な実施形態に関して、本明細書に記述される。しかしながら、恩恵、利点、問題に対する解決策、および任意の恩恵、利点、または解決策を生じさせる場合がある、またはより顕著にさせる任意の要素は、本開示の重要な、必要とされる、または必須の特徴もしくは要素として解釈されない。
【0048】
本明細書全体を通して、特徴、利点、または類似の文言に言及することは、本開示で実現されうるすべての特徴および利点が、本発明のいずれかの単一の実施形態であるべき、またはそうであることを意味するものではない。むしろ、特徴および利点を参照する文言は、実施形態に関連して記述される特定の特徴、利点、または特性が、本明細書に開示される主題の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味することが理解される。それ故に、この明細書全体を通して、特徴および利点、ならびに類似の文言の考察は、必ずしもそうではないが、同じ実施形態を指す場合がある。
【0049】
さらに、記述された本開示の特徴、利点、および特性は、1つ以上の実施形態において任意の好適な様態で組み合わされてもよい。関連技術分野の当業者は、本出願の主題が、特定の実施形態の特定の特徴または利点のうちの1つ以上を有することなく実施されてもよいことを認識するであろう。他の例では、本開示のすべての実施形態において存在しない場合がある、ある特定の実施形態で、追加の特徴および利点が認識される場合がある。さらに、一部の例では、本開示の主題の態様を曖昧にすることを回避するために、周知の構造、材料、または動作は、詳細には示されていない、または記述されていない。いかなる特許請求の範囲の要素も、当該要素が「のための手段(means for)」という語句を使用して明示的に記載されていない限り、米国特許法第112条(f)を発動することを意図していない。
【0050】
本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲以外の何によっても限定されるべきでなく、当該添付の特許請求の範囲における単数形の要素への言及は、明示的にそのように記載されない限り「1つの、そして1つのみの」を意味することを意図しておらず、むしろ「1つ以上」を意味することを意図している。特に別段の記載がない限り「1つの(a)」、「1つの(an)」、および/または「その(the)」への言及は1つまたは2つ以上を含んでもよく、また単数形のアイテムへの言及は複数形の項目も含んでもよいことが、理解されるべきである。さらに、「複数の」という用語は、少なくとも2つとして定義することができる。本明細書で使用される場合、「のうちの少なくとも1つ」という句は、アイテムのリストで使用される時、リストされたアイテムのうちの1つ以上の異なる組み合わせが使用されてもよく、またリスト中のアイテムのうちの1つのみを必要とする場合があることを意味する。アイテムは、特定の物体、物、またはカテゴリーであってもよい。さらに、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」と同様の句が特許請求の範囲において使用される場合、その句は、一実施形態ではAのみが存在してもよいこと、一実施形態ではBのみが存在してもよいこと、一実施形態ではCのみが存在してもよいこと、または要素A、B、およびCの任意の組み合わせ;例えば、AおよびB、AおよびC、BおよびC、またはA、B、およびC、が単一の実施形態において存在してもよいことを意味すると解釈されることが意図される。一部の事例では、「アイテムA、アイテムB、およびアイテムCのうちの少なくとも1つ」は、例えば、2個のアイテムA、1個のアイテムB、および10個のアイテムC;4個のアイテムBおよび7個のアイテムC;または何らかの他の好適な組み合わせを意味してもよいが、これらに限定されない。
【0051】
本明細書に開示されるすべての範囲および比の制限は、組み合わされてもよい。別段の指示がない限り、「第一の」、「第二の」などの用語は、本明細書では単に標識として使用され、そしてこれらの用語が言及するアイテムに順序的、位置的、または階層的要件を課すことを意図していない。さらに、例えば、「第二の」アイテムの言及は、例えば、「第一の」アイテムもしくはより小さい番号が付けられたアイテム、および/または例えば、「第三の」アイテムまたはより大きい番号が付けられたアイテムの存在を必要としない、または除外しない。
【0052】
本開示の例示的な実施形態が本明細書に記載されているが、本開示はそのように限定されないことを理解するべきである。例えば、反応器システムは様々な特定の構成に関連して記述されているが、本開示は必ずしもこれらの実施例に限定されない。本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載のシステムおよび方法の様々な修正、変形、および強化がなされてもよい。
【0053】
本開示の主題は、本明細書に開示される様々な、システム、構成要素、および構成、ならびに他の特徴、機能、動作および/または特性のすべての新規かつ自明でない組み合わせおよび部分的組み合わせだけでなく、そのありとあらゆる均等物を含む。
【符号の説明】
【0054】
100 システム
102 反応器
103 反応チャンバ
104 基材ホルダー
105 加熱要素
106 ガス分配システム
107 第一の前駆体供給源
108 第二の前駆体供給源
110 ガス供給源
111、112、114、118 弁
200 スタック
210 基材
211 基材の上面
220 第一の導電性材料層
221 下側または下面
230 誘電体層
233 上面または上側
240 第二の導電性材料層
241 下面または下側
【外国語明細書】