(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023027586
(43)【公開日】2023-03-02
(54)【発明の名称】画像形成システム、画像形成方法、及び、画像形成プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20230222BHJP
【FI】
G06F3/12 331
G06F3/12 305
G06F3/12 357
G06F3/12 367
G06F3/12 373
G06F3/12 380
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021132783
(22)【出願日】2021-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100186853
【弁理士】
【氏名又は名称】宗像 孝志
(72)【発明者】
【氏名】瀧川 みな子
(72)【発明者】
【氏名】平川 剛広
(57)【要約】
【課題】画像形成システムにおいて、ユーザーが予期できないルールが適用されるのを少なくする。
【解決手段】画像形成装置と、前記画像形成装置に実行させるジョブを蓄積する情報処理装置とを有する画像形成システムにおいて、前記情報処理装置は、前記ジョブに適用させるルールを設定する設定部と、前記ジョブを入力する入力部と、前記ジョブに対して、前記ジョブに適用される可能性がある第1ルールを判定して出力する第1出力部と、前記ジョブに対して、前記ジョブに適用して実行する第2ルールを判定して出力する第2出力部とを備え、前記画像形成装置は、前記ジョブに基づいて画像形成を行う画像形成部を備えることを特徴とする。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置と、前記画像形成装置に実行させるジョブを蓄積する情報処理装置とを有する画像形成システムであって、
前記情報処理装置は、
前記ジョブに適用させるルールを設定する設定部と、
前記ジョブを入力する入力部と、
前記ジョブに対して、前記ジョブに適用される可能性がある第1ルールを判定して出力する第1出力部と、
前記ジョブに対して、前記ジョブに適用して実行する第2ルールを判定して出力する第2出力部と
を備え、
前記画像形成装置は、
前記ジョブに基づいて画像形成を行う画像形成部
を備える画像形成システム。
【請求項2】
前記第1出力部、及び、前記第2出力部は、
ユーザーごとに前記ジョブを記憶して、過去に実行した前記ジョブの実績に基づき、前記第1ルール、及び、前記第2ルールを判定する
請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記第1出力部は、
前記ジョブを受け付けた際に、前記第1ルールの判定結果を出力し、
前記第2出力部は、
前記ジョブを実行する際に、前記第2ルールの判定結果を出力する
請求項1又は2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記情報処理装置に接続するクライアント端末を更に有し、
前記クライアント端末は、
前記ジョブを前記情報処理装置に送信する送信部と、
前記第1ルール、及び、前記第2ルールの判定結果をユーザーに表示する表示部とを備える
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記第1ルールは、
前記ジョブを実行する上で一部の条件が未確定の状態で判定され、
前記第2ルールは、
前記ジョブを実行する上ですべての条件が確定した状態で判定される
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項6】
画像形成装置と、前記画像形成装置に実行させるジョブを蓄積する情報処理装置とを有する画像形成システムが行う画像形成方法であって、
前記情報処理装置が、前記ジョブに適用させるルールを設定する設定手順と、
前記情報処理装置が、前記ジョブを入力する入力手順と、
前記情報処理装置が前記ジョブに対して、前記ジョブに適用される可能性がある第1ルールを判定して出力する第1出力手順と、
前記情報処理装置が前記ジョブに対して、前記ジョブに適用して実行する第2ルールを判定して出力する第2出力手順と、
前記画像形成装置が、前記ジョブに基づいて画像形成を行う画像形成手順と
を有する画像形成方法。
【請求項7】
請求項6に記載の画像形成方法を実行させるための画像形成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システム、画像形成方法、及び、画像形成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク等を介して、画像形成装置に画像形成を行わせる画像形成システムが知られている。そして、画像形成システムにおいて、事前にルールを設定し、画像形成システムがルールに基づき、印刷ジョブを実行する技術が知られている。
【0003】
具体的には、まず、印刷ジョブがクライアント端末からプリントサーバに送られる。次に、印刷ジョブが解析される。例えば、印刷ジョブは、そのまま印刷可、属性変更後印刷可、又は、当該印刷装置では印刷不可等が判断される。そして、設定情報に基づき印刷ジョブの属性を変更する(例えば、特許文献1を参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術は、印刷ジョブをプリントサーバに蓄積し、蓄積後、画像形成装置に印刷ジョブを実行させる場合を想定していない。そのため、ユーザーが予期できないルールが適用されて画像形成がされる場合が発生する課題がある。
【0005】
本発明は、画像形成システムにおいて、ユーザーが予期できないルールが適用されるのを少なくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明の一態様である、画像形成装置と、前記画像形成装置に実行させるジョブを蓄積する情報処理装置とを有する画像形成システムでは、
前記情報処理装置は、
前記ジョブに適用させるルールを設定する設定部と、
前記ジョブを入力する入力部と、
前記ジョブに対して、前記ジョブに適用される可能性がある第1ルールを判定して出力する第1出力部と、
前記ジョブに対して、前記ジョブに適用して実行する第2ルールを判定して出力する第2出力部と
を備え、
前記画像形成装置は、
前記ジョブに基づいて画像形成を行う画像形成部
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画像形成システムにおいて、ユーザーが予期できないルールが適用されるのを少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図6】第2実施形態における全体処理例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付する図面を参照し、具体例を説明する。なお、実施形態は、以下に説明する具体例に限られない。
【0010】
(第1実施形態)
【0011】
[画像形成システムの例]
図1は、画像形成システムの構成例を示す図である。例えば、画像形成システム100は、情報処理装置の例であるプリントサーバ101、及び、MultiFunction Peripheral(以下「MFP103」という。)を有する構成である。
【0012】
また、画像形成システム100は、ネットワークを介して、クライアント端末105等を接続する。以下、ユーザー200がクライアント端末105を操作して、印刷を行わせるジョブを発生させる例で説明する。ただし、ジョブは、クライアント端末105以外の装置が発生させてもよい。
【0013】
なお、画像形成システム100は、認証サーバ102等のように、他に装置を更に有してもよい。さらに、画像形成システム100は、画像形成装置を複数有してもよい。例えば、画像形成システム100は、画像形成装置がMFP103以外に、MFP104を有してもよい。以下、図示するように、各装置がネットワークを介して接続する構成で説明する。
【0014】
プリントサーバ101は、ネットワーク上で実行されるジョブに適用されるルールを設定する。なお、本明細書において「ルール」とは、ジョブを実行するときに参照されるデータの一種であって、処理の内容等を規定する設定値を意味する。ルールは、あらかじめ設定されるものであって、MFP103が画像形成動作を行うときに参照される。なお、ルールの詳細は後述する。
【0015】
プリントサーバ101は、ジョブをクライアント端末105等からネットワークを介して受け付けて蓄積する。また、プリントサーバ101は、ジョブに適用するルールの判定を行う。なお、ジョブの蓄積、及び、ルールの判定は、プリントサーバ101以外の装置が行ってもよい。例えば、ジョブの蓄積、及び、ルールの判定は、クライアント端末105等が行ってもよい。
【0016】
プリントサーバ101は、ジョブに適用するルールを判定する。また、プリントサーバ101は、ルールの判定結果を出力する。
【0017】
プリントサーバ101は、ジョブを実行する際に、ジョブを実行させる画像形成装置にジョブを配信する。すなわち、プリントサーバ101は、ジョブを受け付けると、ジョブの実行まではジョブを蓄積する。その後、プリントサーバ101は、ルールの判定等を経て、実行の指示があると、蓄積していたジョブを画像形成装置に配信する。
【0018】
認証サーバ102は、ジョブを実行する際等に、ユーザー200を認証する。また、認証サーバ102は、ジョブを蓄積する際に、ジョブとユーザー200を紐づける。さらに、認証サーバ102は、ジョブを実行する際に、MFP103、及び、MFP104へのログインにおける認証を行う。
【0019】
クライアント端末105は、ユーザー200による文書等の印刷を行う指示を受けて、プリントサーバ101へネットワークを介して、ジョブを送信する。
【0020】
クライアント端末105は、プリントサーバ101からルールの判定結果を受け取り、判定結果を表示する。
【0021】
MFP103、及び、MFP104は、画像形成装置の例である。
【0022】
MFP103、及び、MFP104は、ダイレクトの場合には、プリントサーバ101からジョブを受け取ると、画像形成を行う。
【0023】
MFP103、及び、MFP104は、プルプリントの場合には、まず、ユーザー200のログイン、及び、ジョブリスト表示要求を受け付ける。次に、MFP103、及び、MFP104は、ジョブリストを表示する。なお、ジョブリストは、プリントサーバ101から受け取る。
【0024】
MFP103、及び、MFP104は、プルプリントの場合において、ユーザー200から指示を受けると、ジョブリストで指定されたジョブをプリントサーバ101に要求する。次に、MFP103、及び、MFP104は、ジョブに基づき、画像形成を行う。
【0025】
なお、画像形成システム100は、図示するような装置構成、及び、役割でなくともよい。例えば、プリントサーバ101、及び、認証サーバ102が一体でもよい。
【0026】
また、画像形成装置は、何台でもよい。すなわち、画像形成システム100は、MFP103、及び、MFP104以外に画像形成装置を有してもよい。そして、ユーザー200は、使用する画像形成装置、すなわち、出力先を操作等により指定する。
【0027】
[情報処理装置の例]
図2は、情報処理装置の例を示す図である。例えば、プリントサーバ101、認証サーバ102、及び、クライアント端末105は、以下のようなハードウェア構成の装置である。
【0028】
以下、プリントサーバ101、認証サーバ102、及び、クライアント端末105が同一のハードウェア構成の例で説明する。
【0029】
プリントサーバ101、認証サーバ102、及び、クライアント端末105は、Central Processing Unit(以下「CPU301」という。)、記憶装置302、ネットワークインタフェース303、入力装置304、及び、出力装置305を備える。
【0030】
CPU301は、演算装置、及び、制御装置の例である。
【0031】
記憶装置302は、メモリ等の主記憶装置、ハードディスク等の補助記憶装置、又は、これらの組み合わせ等である。
【0032】
ネットワークインタフェース303は、外部装置とデータを送受信する通信装置等である。
【0033】
入力装置304は、例えば、マウス、キーボード、又は、これらの組み合わせ等である。すなわち、入力装置304は、ユーザー200等による操作を入力する装置である。
【0034】
出力装置305は、例えば、ディスプレイ等である。すなわち、出力装置305は、ユーザー200等に、画面等を表示する装置である。
【0035】
なお、プリントサーバ101、認証サーバ102、及び、クライアント端末105は、異なるハードウェア構成の装置でもよい。また、情報処理装置は、図示する以外のハードウェア資源を内部又は外部に更に備えてもよい。
【0036】
[画像形成装置の例]
図3は、画像形成装置の例を示す図である。例えば、MFP103、及び、MFP104は、以下のようなハードウェア構成の装置である。
【0037】
MFP103、及び、MFP104は、画像形成器306を備える点が情報処理装置と異なる。以下、異なる点を中心に説明し、情報処理装置と重複する構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0038】
画像形成器306は、例えば、感光体、及び、用紙等の記録媒体を搬送する搬送装置等である。なお、画像形成器306は、画像形成の方式により、ハードウェアが定まる。
【0039】
なお、MFP103、及び、MFP104は、異なるハードウェア構成の装置でもよい。また、画像形成装置は、図示する以外のハードウェア資源を内部又は外部に更に備えてもよい。
【0040】
[全体処理例]
図4は、全体処理例を示す図である。
【0041】
ステップS0401では、プリントサーバ101は、ルールを設定する。なお、ルールは、一度設定された後、他のジョブに再度使用されてもよい。したがって、ステップS0401は、ルールが既に設定されている等の場合には省略されてもよい。
【0042】
ステップS0402では、ユーザー200は、クライアント端末105に印刷を指示する操作を入力する。なお、ユーザー200は、印刷の指示以外に、カラーで印刷するか、又は、モノクロで印刷するか、印刷する部数、片面印刷とするか、又は、両面印刷とするか等の条件も入力してよい。
【0043】
ステップS0403では、認証サーバ102は、ユーザー200を認証する。例えば、ステップS0403は、クライアント端末105から印刷を行うジョブが出力されるタイミング等で行われる。そして、クライアント端末105には、認証の結果が返信される。以下、ユーザー200が認証された、すなわち、ユーザー200がMFP103を使用できるユーザーであると認証されたとする。
【0044】
ステップS0404では、クライアント端末105は、ジョブをプリントサーバ101に送信する。
【0045】
ステップS0405では、プリントサーバ101は、ジョブに適用される可能性があるルール(以下「第1ルール」という。)を判定する。
【0046】
ステップS0406では、プリントサーバ101は、第1ルールの判定結果を出力する。例えば、プリントサーバ101は、第1ルールの判定結果を示すデータをクライアント端末105に送信する。
【0047】
ステップS0407では、クライアント端末105は、第1ルールの判定結果をユーザー200に表示する。例えば、クライアント端末105は、以下のような表示を行う。
【0048】
図5は、表示例を示す図である。例えば、クライアント端末105は、プリントサーバ101から送信される第1ルールの判定結果に基づき、判定結果を示すダイアログ401等を表示する。
【0049】
ダイアログ401は、適用されるルールがあり、ルールを適用した後の条件を示す表示の例である。
【0050】
具体的には、ダイアログ401は、印刷するドキュメントの名称、ユーザー名、印刷するページ数、印刷部数、カラーの設定、両面印刷の設定、及び、出力先等の項目を表示する。なお、表示される項目は、これ以外の項目があってもよい。
【0051】
図示する例は、適用されるルールがあり、ルールの適用によって一部の条件を変更した例である。具体的には、図示する例は、「カラー設定」がユーザー200の指示では、「カラー」であったのを「白黒」に変更している例である。
【0052】
ほかにも、図示する例は、「両面設定」がユーザー200の指示では、「片面」であったのを「両面」に変更している例である。
【0053】
第1ルールは、一部の条件が未確定な状態で判定される。そのため、判定結果は、適用される可能性があるルールを適用して出力される。例えば、画像形成装置によっては、カラーによる印刷、又は、両面印刷等といった一定の条件でのジョブの実行が不可能な場合もある。したがって、判定結果は、ジョブを実行する出力先等によって異なる場合もある。
【0054】
また、ルールの適用した結果、ユーザー200が指示した条件と異なる条件がある場合には、変更された条件が強調された形式で表示されるのが望ましい。例えば、ダイアログ401は、ルールにより、変更された条件(以下「変更条件402」という。)を太字で強調する例である。このように、変更条件402が強調されると、ユーザー200は、ルールにより、どの条件が変更されたか分かりやすい。
【0055】
なお、強調は、太字以外の方法でもよい。例えば、変更条件402は、点滅、他の箇所とは異なる色、又は、これらの組み合わせ等で強調されてもよい。
【0056】
クライアント端末105は、ダイアログ401以外のUser Interface(UI)で判定結果をユーザー200に表示してもよい。ほかにも、判定結果は、クライアント端末105以外の装置が表示してもよい。
【0057】
例えば、ユーザー200は、操作ボタン403を押して、ジョブを実行するか否かを選択する操作を行う。すなわち、この例では、操作ボタン403において、「OK」又は「Cancel」のボタンを押す操作がされると、クライアント端末105が操作結果を返信する。
【0058】
ステップS0408では、クライアント端末105は、判定結果に対する返信を行う。次に、返信が印刷を続行する指示であり、かつ、プルプリントの場合(図において「プルプリントの場合」)には、画像形成システム100は、ステップS0409に進む。一方で、返信が印刷を続行する指示であり、かつ、ダイレクトの場合(図において「ダイレクトの場合」)には、画像形成システム100は、ステップS0417に進む。
【0059】
ステップS0409では、プリントサーバ101は、ジョブを蓄積する。
【0060】
ステップS0410では、ユーザー200は、クライアント端末105にジョブの実行を指示する操作を入力する。なお、ジョブの実行は、クライアント端末105以外から指示されてもよい。
【0061】
ステップS0411では、クライアント端末105は、ジョブの実行を指示するデータを送信する。なお、ジョブを実行する上で未確定の条件がある場合には、クライアント端末105は、条件を追加し、ジョブが実行できるように条件を確定させる。
【0062】
ステップS0412では、プリントサーバ101は、ジョブをする上で適用されるルール(以下「第2ルール」という。)を判定する。
【0063】
ステップS0413では、プリントサーバ101は、第2ルールの判定結果を出力する。例えば、プリントサーバ101は、第2ルールの判定結果を示すデータをクライアント端末105に送信する。
【0064】
ステップS0414では、クライアント端末105は、第2ルールの判定結果をユーザー200に表示する。例えば、第2ルールの判定結果は、第1ルールの判定結果と同様の形式、すなわち、
図5に示すダイアログ401等で表示される。
【0065】
なお、第1ルールの判定結果と第2ルールの判定結果は、表示形式等が異なってもよい。
【0066】
以下、ダイアログ401により、第2ルールの判定結果に対して「OK」ボタンが押されて、ジョブを実行させる場合とする。
【0067】
ステップS0415では、プリントサーバ101は、ジョブをMFP103等に送信する。なお、ジョブは、ジョブ等で設定される出力先に送信される。以下、MFP103でジョブを実行する設定であるとする。
【0068】
ステップS0416では、MFP103は、ジョブに基づき、画像形成を行う。
【0069】
ステップS0417では、プリントサーバ101は、ジョブをMFP103等に送信する。
【0070】
ステップS0418では、MFP103は、ジョブに基づき、画像形成を行う。
【0071】
[ルール、及び、ルールに基づく画像形成の例]
画像形成システムは、ルールに基づき、一定の条件下にあるジョブを事前に決めた設定に従って画像形成装置に印刷を行う。
【0072】
ルールは、ルールに基づき変更する対象であるか否かの基準を示す情報を含む。さらに、ルールは、ルールを適用する場合において、変更対象となる条件、及び、変更する内容を示す情報を含む。
【0073】
具体的には、ルールは、下記(表1)に示すようなテーブル構造のデータに基づいて設定される。なお、下記(表1)における「No」カラムは、ルールを一意に識別するために設定する通し番号である。以下、ルールを下記(表1)の行で示し、かつ、条件を下記(表1)の列で示す。具体的には、下記(表1)を用いる例では、「カラー設定条件」乃至「適用機器」の条件でルールを適用するか否か判定する。そして、ルールが適用される場合には、条件は、「適用時」乃至「両面変更」に示す条件のように変更される。なお、ルールは、他の形式で設定されてもよい。
【0074】
【0075】
「カラー設定条件」は、カラーで印刷する条件か否かである。上記(表1)において、「カラー」という入力は、カラーで印刷する条件であることを示す。
【0076】
「ページ数条件」は、ジョブの対象となるドキュメントのページ数を示す。例えば、「<20」は、20ページ未満のドキュメントが対象であることを示す。
【0077】
「両面設定条件」は、片面で印刷するか、又は、両面で印刷するかの条件である。例えば、「片面」は、片面で印刷する条件を示す。
【0078】
「適用ユーザー」は、ルールを適用するユーザーを指定する条件である。例えば、「ユーザーA」は、「A」というユーザー名で認証されたユーザーによるジョブに対して、ルールを適用する対象とする設定である。
【0079】
「適用機器」は、ジョブを実行する画像形成装置によってルールを適用するか否かを設定する。例えば、「MFP104」は、画像形成装置の名称を示す例であり、「MFP104」が出力先に指定されたジョブにルールを適用することを示す。
【0080】
例えば、以上のような条件に該当するか否かにより、画像形成システムは、ルールを適用するか否かを判定する(ステップS0405、ステップS0412)。
【0081】
次に、ルールを適用する場合において、画像形成システムは、以下に設定するように条件を変更する。
【0082】
「適用時」は、ルールをジョブに適用するタイミングを示す。例えば、「蓄積時」は、ジョブを蓄積するタイミングでルールを適用する設定である。一方で、「印刷時」は、ジョブを実行するタイミングでルールを適用する設定である。
【0083】
「出力先変更」は、ジョブを実行する画像形成装置を指定する設定である。例えば、「MFP103」のように画像形成装置の名称が入力される。
【0084】
「カラー変更」は、カラーの条件を変更する設定である。例えば、「強制モノクロ」と設定されると、ジョブは、モノクロの条件で実行される。
【0085】
「両面変更」は、片面又は両面の条件を変更する設定である。例えば、「強制両面」と設定されると、ジョブは、両面印刷の条件で実行される。
【0086】
なお、判定に用いる項目、入力する値、及び、変更する条件は、(表1)に示す項目、及び、設定値に限られない。すなわち、画像形成システムは、他の条件でルールを適用するか否かを判定する、及び、ルールを適用して他の項目を変更してもよい。
【0087】
第1ルールは、一部の条件が未確定な状態でも判定される。
【0088】
例えば、画像形成システムは、第1ルールを判定するのに、ジョブを実行する画像形成装置が未確定、すなわち、どこの画像形成装置でジョブを実行させるのかという条件が未確定であっても判定される。
【0089】
ゆえに、第1ルールは、例えば、モノクロの条件でしかジョブが実行できない画像形成装置が出力先に指定されるといった想定で判定される。このように、第1ルールは、適用される可能性があれば判定されるルールである。
【0090】
第2ルールは、ジョブを実行する上ですべての条件が確定した状態で判定される。
【0091】
第2ルールは、第1ルールと異なるのは、未確定な条件がない状態で判定される点が異なる。なお、第2ルールは、第1ルールでは未確定であった条件に限定して判定されてもよい。又は、第2ルールの判定結果は、第1ルールと異なる点について限定して強調して表示されてもよい。
【0092】
また、ジョブには、上記のルールを判定するために用いる設定等を示すデータが含まれる。ゆえに、情報処理装置は、ジョブを受け取ると、ジョブにルールを適用するか否かを判定するデータが得られる。なお、ルールの判定に用いる条件等は、ジョブ以外で設定されてもよい。
【0093】
(第2実施形態)
図6は、第2実施形態における全体処理例を示す図である。第1実施形態と比較すると、第2実施形態は、ステップS0601が加わる点が異なる。
【0094】
ステップS0601では、プリントサーバ101は、実行したジョブの内容を記憶する。このようにして、プリントサーバ101は、過去に実行したジョブの実績を把握する。なお、プリントサーバ101は、過去に実行したジョブの実績を解析し、実行される頻度が高い条件等を抽出してもよい。
【0095】
また、過去に実行したジョブの実績はユーザーごとに分けて記憶する。このように、ユーザーごとに分けてジョブの実績が記憶されると、ユーザーごとの特徴を画像形成システムは判定できる。
【0096】
例えば、ユーザーは、出力先をあまり変えない場合が多い。具体的には、1つのビルにおいて、複数の階に画像形成装置が設置されている場合であっても、ユーザーは、自分の居所となる階に設置されている画像形成装置しか使用しない場合が多い。
【0097】
ゆえに、過去に実行したジョブの実績を用いると、画像形成システムは、よりユーザーに適したルールを適用してジョブが実行できる。
【0098】
また、時刻、又は、スケジューラ等と連動して判定がされてもよい。ユーザーは、時間帯によって居場所がある程度定まる場合がある。すなわち、ユーザーの時間帯によって、適した出力先が異なる場合がある。この場合には、画像形成システムは、時間帯、又は、スケジューラに入力される情報等に基づき、適用するルールを変えてもよい。
【0099】
なお、判定は、Artificial Intelligence(AI、人工知能)等を用いてもよい。
【0100】
[機能構成例]
図7は、機能構成例を示す図である。例えば、画像形成システム100は、設定部501、入力部502、第1出力部503、第2出力部504、及び、画像形成部505等を備える。
【0101】
設定部501は、ルールを設定する設定手順を行う。例えば、設定部501は、入力装置304等で実現する。
【0102】
入力部502は、ジョブを入力する入力手順を行う。例えば、入力部502は、ネットワークインタフェース303等で実現する。
【0103】
第1出力部503は、ジョブに対して、ジョブに適用される可能性がある第1ルールを判定して出力する第1出力手順を行う。例えば、第1出力部503は、CPU301等で実現する。
【0104】
第2出力部504は、ジョブに対して、ジョブに適用して実行する第2ルールを判定して出力する第2出力手順を行う。例えば、第2出力部504は、CPU301等で実現する。
【0105】
画像形成部505は、ジョブに基づいて画像形成を行う画像形成手順を行う。例えば、画像形成部505は、画像形成器306等で実現する。
【0106】
画像形成システム100は、一部の条件が未確定な状態でも、ルールを判定する。そのため、ユーザーが予期しないルールが適用されるのをルールが蓄積される段階等でも、ユーザーはどのような条件で印刷されるかを把握できる。ゆえに、画像形成システム100において、ユーザーが予期できないルールが適用されるのを少なくできる。
【0107】
[その他の実施形態]
装置は、複数の装置であってもよい。すなわち、各装置は、複数の装置で分散、冗長、又は、並列に処理を行う構成等でもよい。
【0108】
画像形成システムは、画像形成方法を画像形成プログラム等により実行する。画像形成方法は、画像形成システムにおける各装置が備える演算装置、制御装置、及び、記憶装置を協働させて処理を実行することで実現される。
【0109】
上記の実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者であれば、開示した内容から様々な変形例を実現することが可能である。そのような変形例も、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0110】
100 :画像形成システム
101 :プリントサーバ
102 :認証サーバ
103 :MFP
104 :MFP
105 :クライアント端末
200 :ユーザー
301 :CPU
302 :記憶装置
303 :ネットワークインタフェース
304 :入力装置
305 :出力装置
306 :画像形成器
401 :ダイアログ
402 :変更条件
403 :操作ボタン
501 :設定部
502 :入力部
503 :第1出力部
504 :第2出力部
505 :画像形成部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0111】