IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社日建設計の特許一覧 ▶ 学校法人東京理科大学の特許一覧

<>
  • 特開-電源種別確認方法及び確認装置 図1
  • 特開-電源種別確認方法及び確認装置 図2
  • 特開-電源種別確認方法及び確認装置 図3
  • 特開-電源種別確認方法及び確認装置 図4
  • 特開-電源種別確認方法及び確認装置 図5
  • 特開-電源種別確認方法及び確認装置 図6
  • 特開-電源種別確認方法及び確認装置 図7
  • 特開-電源種別確認方法及び確認装置 図8
  • 特開-電源種別確認方法及び確認装置 図9
  • 特開-電源種別確認方法及び確認装置 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023028160
(43)【公開日】2023-03-03
(54)【発明の名称】電源種別確認方法及び確認装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/55 20200101AFI20230224BHJP
   G01R 31/58 20200101ALI20230224BHJP
【FI】
G01R31/55
G01R31/58
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021133684
(22)【出願日】2021-08-18
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1.令和2年8月20日及び21日に東京電機大学において開催される予定だった2020年(第38回)電気設備学会全国大会の講演論文集[令和2年8月20日に頒布]の第9頁に掲載されることによって公開。 2.令和2年8月20日及び21日に東京電機大学において開催される予定だった2020年(第38回)電気設備学会全国大会の講演論文集[令和2年8月20日に頒布]の第10頁に掲載されることによって公開。 3.令和3年電気学会全国大会の講演論文集[令和3年3月1日に発行]の第17頁に掲載されることによって公開。 4.令和3年3月9日乃至11日にWebexによるオンライン配信によって開催された[大阪大学豊中キャンパスにおける開催をオンライン配信に変更]令和3年電気学会全国大会において発表することによって公開。
(71)【出願人】
【識別番号】000152424
【氏名又は名称】株式会社日建設計
(71)【出願人】
【識別番号】000125370
【氏名又は名称】学校法人東京理科大学
(74)【代理人】
【識別番号】100103399
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 清
(72)【発明者】
【氏名】小倉 良友
(72)【発明者】
【氏名】高橋 陽平
(72)【発明者】
【氏名】片山 昇
(72)【発明者】
【氏名】横田 陸
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 太一
【テーマコード(参考)】
2G014
【Fターム(参考)】
2G014AA07
2G014AB33
(57)【要約】
【課題】 医療施設等において、商用電源、非常用電源、無停電電源の配線ラインの電源種別を確実、迅速に確認することができる電源種別確認方法及び確認装置を提供する。
【解決手段】 電源種別確認方法は、商用電源、非常用電源、無停電電源について、配線ラインの電源側に当該電源に固有の識別信号を付加し、配線ラインの末端側においてその応答信号を検出することによって、電源種別を識別することを特徴とする。この確認方法を実施する電源種別確認装置は、商用電源1A、非常用電源1B、無停電電源1Cの配線ライン2A,2B,2Cの電源側に装着して、識別信号SDを付加する送信器4と、配線ライン2A,2B,2Cの末端側に装着して、その応答信号SRを検出する受信器5と、から構成される。識別信号SDは、微小電圧振幅、低周波数領域の信号とし、変調した上で付加するものとする。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電源、非常用電源について、その配線ラインの電源側に当該電源に固有の識別信号を付加し、配線ラインの末端側においてその応答信号を検出することによって、電源種別を識別することを特徴とする電源種別確認方法。
【請求項2】
商用電源、非常用電源、無停電電源について、その配線ラインの電源側に当該電源に固有の識別信号を付加し、配線ラインの末端側においてその応答信号を検出することによって、電源種別を識別することを特徴とする電源種別確認方法。
【請求項3】
商用電源、非常用電源の配線ラインの電源側に装着して、識別信号を付加する送信器と、前記配線ラインの末端側に装着して、その応答信号を検出する受信器と、から構成されることを特徴とする電源種別確認装置。
【請求項4】
商用電源、非常用電源、無停電電源の配線ラインの電源側に装着して、識別信号を付加する送信器と、前記配線ラインの末端側に装着して、その応答信号を検出する受信器と、から構成されることを特徴とする電源種別確認装置。
【請求項5】
前記送信器は、一端部をクランプ状を呈する挟持部としてあり、この挟持部によって配線ラインの配線コード外周を包囲、挟持して、配線ラインの適宜位置に固定し、本体部に内蔵した信号発生回路によって、配線ラインに識別信号を付加、電源電圧に重畳するものであることを特徴とする請求項3又は4に記載の電源種別確認装置。
【請求項6】
前記受信器は、先端部を端子状とした差込部としてあり、この差込部を配線ラインの末端側に配設したコンセントに差込んで、本体部に内蔵した信号検出回路によって、配線ラインに付加された識別信号を応答信号として検出するものであることを特徴とする請求項3乃至5の何れかに記載の電源種別確認装置。
【請求項7】
前記識別信号は、微小電圧振幅、低周波数領域の信号とし、変調した上で付加するものであることを特徴とする請求項3乃至6の何れかに記載の電源種別確認装置。
【請求項8】
前記識別信号を変調する方式として、位相偏移変調方式を採用することを特徴とする請求項3乃至7の何れかに記載の電源種別確認装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療施設、福祉施設、通信施設、研究施設、生産施設、オフィスビル等、電源装置が遮断されると社会生活上において多大な影響を及ぼす施設において、非常用電源、無停電電源が確実に配線されているか確認するための電源種別確認方法及び確認装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療施設、福祉施設、通信施設、研究施設、生産施設、オフィスビル等においては、災害、事故等によって通常時に供給される商用電源が遮断されてしまった場合に、非常時の緊急処置として所定時間に亘って電力を供給できるよう、非常用電源、無停電電源が配備されている。
【0003】
特に、医療施設である病院では、手術室、集中治療室等において、非常時にも所定時間に亘って電力が供給されないと、人命の危機に直結する場合があるため、商用電源以外に非常用電源、無停電電源が配備されている。
【0004】
そして、これら商用電源、非常用電源、無停電電源については、各電源が支障なく確実に作動するか、又、配線ラインに誤接続がないか、作業者が定期的に保守点検するようになっている。
【0005】
この保守点検作業は、作業者が、電源種別毎に配線ラインを目視で確認したり、配線ライン中の回路を接続、遮断することによって、各電源が支障なく確実に作動するか、又、配線ラインに誤接続がないか、作業者の専門的作業によって確認していた。
【0006】
上記のように、従来の保守点検作業は、作業者の専門的作業によるも、作業者の目視による場合も多く、人間の目視での確認である以上、見落とし、見間違い等の過誤の可能性があった。
【0007】
そこで、このような保守点検作業を、作業者の目視による確認ではなく、極力、自動化して、迅速かつ確実に実施する方法及び装置として、特許文献1及び2に記載されるものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2020-065401号公報
【特許文献1】特開2017-184590号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1及び2に記載された方法及び装置は、非常用電源又は無停電電源が非常時に確実に作動するか、自動的に、又、遠隔的に保守点検し、診断することができるものではあるが、配線ラインの誤接続については確認することができない。
【0010】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みて為されたものであって、医療施設等の電源装置が遮断されると社会生活上において多大な影響を及ぼす施設において、商用電源、非常用電源、無停電電源が確実に配線されているか、配線ラインの電源種別を確実、迅速に確認することができる電源種別確認方法及び確認装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の電源種別確認方法は、商用電源、非常用電源、無停電電源について、その配線ラインの電源側に当該電源に固有の識別信号を付加し、配線ラインの末端側においてその応答信号を検出することによって、電源種別を識別することを特徴とする。
【0012】
ここで、本発明の電源種別確認方法は、無停電電源を装備せず、商用電源、非常用電源のみを装備する場合にも適用することができる。
【0013】
又、本発明の電源種別確認装置は、前記電源種別確認方法を適用できるものであって、 商用電源、非常用電源、無停電電源の配線ラインの電源側に装着して、識別信号を付加する送信器と、前記配線ラインの末端側に装着して、その応答信号を検出する受信器と、から構成されることを特徴とする。
【0014】
ここで、本発明の電源種別確認装置は、無停電電源を装備せず、商用電源、非常用電源のみを装備する場合にも適用することができる。
【0015】
前記送信器は、一端部をクランプ状を呈する挟持部としてあり、この挟持部によって配線ラインの配線コード外周を包囲、挟持して、配線ラインの適宜位置に固定し、本体部に内蔵した信号発生回路によって、配線ラインに識別信号を付加、電源電圧に重畳するものであることを特徴とする。
【0016】
前記受信器は、先端部を端子状とした差込部としてあり、この差込部を配線ラインの末端側に配設したコンセントに差込んで、本体部に内蔵した信号検出回路によって、配線ラインに付加された識別信号を応答信号として検出するものであることを特徴とする。
【0017】
前記識別信号は、微小電圧振幅、低周波数領域の信号とし、変調した上で付加するものであることを特徴とする。
【0018】
ここで、前記識別信号を変調する方式としては、位相偏移変調方式を採用するのが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の電源種別確認方法によれば、商用電源、非常用電源、無停電電源が確実に配線されているか、配線ラインの電源種別を確実、迅速に確認することができる。
【0020】
又、本発明の電源種別確認装置によれば、前記電源種別確認方法を好適に適用でき、さらに、保守点検を専門とする作業者でなくとも、簡単な作業によって、配線ラインの電源種別を確実、迅速に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の電源種別確認方法の概念説明図である。
図2】本発明の電源種別確認方法及び確認装置の概要説明図である。
図3】送信信号の種々変調方式の説明図である。
図4】電源電圧に識別信号を重畳した場合の入力信号、変調信号及び出力信号の対応関係を示す説明図である。
図5】本発明の電源種別確認装置の送信器を示す説明図である。
図6図5に示す送信器の使用状態を示す説明図である。
図7】本発明の電源種別確認装置の受信器を示す説明図である。
図8図7に示す受信器の使用状態を示す説明図である。
図9】電源からコンセントに至る配線ラインに送信器及び受信器を設置した状態における概略回路図である。
図10】本発明の電源種別確認装置を適用した実際の配線ラインの具体例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の電源種別確認方法及び確認装置の好適な実施形態について、以下、図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
先ず、本発明の電源種別確認方法は、図1に示すように、商用電源1A、非常用電源1B、無停電電源1Cについて、その配線ライン2A,2B,2Cの電源側に当該電源に固有の識別信号SDを付加し、配線ライン2A,2B,2Cの末端側においてその応答信号SRを検出することによって、電源種別を識別するというものである。
【0024】
具体的には、図2に示すように、電源1からコンセント等の出力端3に至るまでの配線ライン2において、その電源側に当該電源に固有の識別信号SDを送信器4によって付加すると共に、その末端側においてその応答信号SRを受信器によって検出し、当初の識別信号SDを判別することによって、電源種別を識別するというものである。
【0025】
ここで、電源から供給される電源電圧に識別信号SDを付加、重畳させた際、電圧信号に大きな影響を生じさせないよう、識別信号SDは微小電圧の信号とする必要がある。
【0026】
又、商用電源1A、非常用電源1B、無停電電源1Cという3種の電源種別を識別するため、識別信号SDとして、少なくとも、3種の識別信号SDを用意する必要がある。
【0027】
3種の識別信号SDとして、例えば、2進数で示せば、商用電源1Aには001、非常用電源1Bには010、無停電電源1Cには100を対応させることができる。
【0028】
識別信号SDは、微小電圧の信号であると共に、配線ライン2に電源電圧が印加されている時に、すなわち、電力供給時に付加するために、低周波数領域の信号とし、変調した上で電源電圧に付加、重畳させる。そして、応答信号SRは、配線ライン2に印加され、重畳された信号を復調した上で、検出する。
【0029】
ここで、識別信号SDとして、電圧振幅は、10μV~100mV、特には、1~20mV、周波数は、100Hz~1kHz、特には、200~400Hzであるのが好ましく、信号波形は、正弦波であるのが好ましい。
【0030】
変調方式としては、図3に示すように、振幅偏移変調(Amplitude Shift Keying : ASK)、位相偏移変調(Phase Shift Keying : PSK)、周波数偏移変調(Frequency Shift Keying : FSK)の3方式があるが、微小電圧信号を変調して付加、重畳させた後、再度、復調して検出する場合に、ノイズによるエラーが少なく、正確な応答信号が得られる必要がある。
【0031】
検証試験の結果、識別信号SDとして、信号振幅を20mV、変調周波数を400Hzに想定した場合、図4に示すように、上記3方式の中では、位相偏移変調方式がノイズによって復調信号波形にエラーが発生する程度が最も低く、再現性が良好であった。よって、位相偏移変調方式を採用するのが好ましいと言える。
【0032】
次に、本発明の電源種別確認装置は、上記電源種別確認方法を好適に実施できるものであって、図1、2、5乃至9に示すように、配線ライン2A,2B,2Cの電源側に装着し、微小電圧信号である識別信号SDを付加、重畳する送信器4と、配線ライン2A,2B,2Cの末端側に装着し、その応答信号SRを検出する受信器5と、から構成される。
【0033】
送信器4は、図5に示すように、一端部をクランプ状を呈する挟持部41としてあり、この挟持部41によって配線ライン2の配線コード21外周を包囲、挟持して、送信器4を配線ライン2の適宜位置に固定、配置でき、本体部42に内蔵した信号発生回路43によって、配線ライン2に識別信号SDを付加、電源電圧に重畳するようになっている。
【0034】
又、図2及び5に示すように、本体部42内に信号発生回路43、符号器44、変調器45、変成器46を配設してあり、信号発生回路43によって発生させたデジタル信号を符号器44によって識別信号SDに符号化し、変調器45によって変調させた後、変成器46によって配線ライン2に識別信号SDを付加するようになっている。
【0035】
使用時には、図6に示すように、挟持部41を回動して開放し、配線コード21を篏合溝部41a,42aに位置させた後、挟持部41を回動して閉鎖すれば、配線コード21外周を篏合溝部42において包囲、挟持することができ、送信器4を配線ライン2の適宜位置に固定、配置することができる。
【0036】
そして、電源種別確認作業時においては、本体部42に内蔵した信号発生回路43によって、商用電源1A、非常用電源1B、無停電電源1Cの配線ライン2A,2B,2C毎に固有の識別信号SDを付加し、配線ライン2A,2B,2Cの電源電圧に重畳するようになっている。
【0037】
受信器5は、図7に示すように、検電器型を呈するものであって、先端部を刃状端子とした差込部51としてあり、この差込部51を配線ライン2の末端側に配設したコンセント3に差込んで、本体部52に内蔵した信号検出回路54によって、配線ライン2に付加された識別信号SDを応答信号SRとして検出するようになっている。
【0038】
又、図2及び5に示すように、本体部52内にA/D変換器56、復調器57、復号器58を配設してあり、電源電圧に重畳された識別信号SDをA/D変換器56、復調器57を介して復調させた後、復号器58によって復号化し、信号検出回路54によって応答信号SRとして検出するようになっている。
【0039】
使用時には、図8に示すように、受信器5を片手で把持し、商用電源1A、非常用電源1B、無停電電源1Cの配線ライン2A,2B,2Cの末端側に配設した適宜コンセント3A,3B,3Cに、受信器5の差込部51を差込んで使用する。
【0040】
そして、電源種別確認作業時においては、受信器5の本体部52の電源スイッチ53を押下することによって、本体部52に内蔵した信号検出回路54が作動し、配線ライン2に付加された識別信号SDを応答信号SRとして検出すると共に、固有の識別信号SDを判別するようになっている。
【0041】
ここで、固有の識別信号SDに対応した検知ランプ55A,55B,55Cが点灯するようになっているので、作業者は、どの識別信号SDを検出したか、迅速、確実に視認することができる。さらに、検知ランプ55A,55B,55Cの点灯色を別個のものとしておけば、より確実に視認することができる。
【0042】
又、受信器5の本体部52に、表示装置を配設すれば、この表示装置に文字、画像等を表示させることによって、商用電源1A、非常用電源1B、無停電電源1Cの何れの識別信号SDを検出したかを、視覚によって認識することができる。
この表示装置としては、液晶、プラズマ、有機EL等のディスプレイを採用することができる。
【0043】
又、受信器5の本体部52に、音声生成装置及びスピーカーを内蔵させれば、この音声生成装置によって、何れの識別信号SDを検出したかを音声出力することができ、これによって、聴覚によって認識することができる。
【0044】
さらに、受信器5の本体部52に、通信回路及びアンテナを内蔵させれば、商用電源1A、非常用電源1B、無停電電源1Cの何れの識別信号SDを検出したかを情報データとして、アンテナから携帯通信機器、携帯電話装置、パーソナルコンピュータ等に送信することができる。
【0045】
これによれば、異なる保守点検作業場所にいる、携帯通信機器、携帯電話装置等を携帯している作業者に、直ちに、電源種別を確認したことを伝達することができる。
又、管理センター等に設置したパーソナルコンピュータ等に送信すれば、遠隔場所にいる作業者、管理者に、直ちに、電源種別を確認したことを伝達することができると共に、管理用サーバー等に情報データとして格納すれば、記録、分析、処理等に利用することができる。
【0046】
次に、図9に示すように、商用電源1Aの配線ライン2Aの電源側の配線コード21に送信器4を装着し、配線ライン2Aの末端側のコンセント3に受信器5を装着して、識別信号SDを付加すると共に、その応答信号SRを検出したところ、図6に示すような結果を得た。
これによれば、微小電圧信号の識別信号SDは、応答信号SRとして略正確に検出されているから、本発明の電源種別確認方法が有効であることがわかる。
【0047】
よって、図10に示すように、商用電源1A、非常用電源1B、無停電電源1Cについて、配線ライン2A,2B,2Cの電源側に送信器4を配置して、当該電源に固有の識別信号SDを付加、重畳させ、配線ライン2A,2B,2Cの末端側の分電盤、動力盤、ISO-TR盤の所定部所に受信器5を配置して、その応答信号SRを検出すれば、確実に電源種別を識別することが可能であることがわかる。
【0048】
そして、送信器4において、少なくとも3種類の識別信号SDを発生する発生回路を内蔵させ、受信器5において、これら識別信号SDを検出する検出回路を内蔵させれば、配線ライン2の商用電源1A、非常用電源1B、無停電電源1Cの種別を確実、迅速に確認することができる。
【0049】
又、本発明の電源種別確認方法及び装置によれば、従来のように、保守点検する対象種別の電源を通電させ、対象種別でない電源を停電させて接続確認するのではなく、何れの電源を停電させなくとも、配線ラインの接続確認をすることができる。
【0050】
さらに、本発明の電源種別確認装置によれば、保守点検を専門とする作業者でなくとも、配線ラインの電源種別を確実、迅速に確認することができる。
【0051】
尚、上記実施形態において、送信器4として、クランプ状を呈する挟持部41を有し、配線コード21外周を包囲し、挟持する形態のものを、受信器5として、刃状端子とした差込部51を有し、差込部51をコンセント3に差込む形態のものを説明したが、かかる形態のものに限定される訳ではなく、種々形態のものを採用できること、勿論である。
【符号の説明】
【0052】
1A 商用電源
1B 非常用電源
1C 無停電電源
2 配線ライン
21 配線コード
3 コンセント
4 送信器
41 挟持部
42 本体部
5 受信器
51 差込部
52 本体部
SD 識別信号
SR 応答信号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10