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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023030360
(43)【公開日】2023-03-08
(54)【発明の名称】ウェハ及びウェハの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20230301BHJP
【FI】
H01L21/92 602N
H01L21/92 604B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021135446
(22)【出願日】2021-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】000190688
【氏名又は名称】新光電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】山本 研吾
(57)【要約】
【課題】導電バンプの形成に用いるレジスト層の残存を抑制することができるウェハ及びウェハの製造方法を提供する。
【解決手段】ウェハは、複数の有効チップ領域が配列した第1領域と、前記第1領域の周囲に設けられた第2領域と、を備えた第1面を有する基板と、前記第1領域内において前記基板の前記第1面に設けられた複数の第1導電バンプと、前記第2領域内において前記基板の前記第1面に設けられた複数の第2導電バンプと、を有し、前記第1面に垂直な方向からの平面視で、前記第2領域内での前記第2導電バンプの面積密度は、前記第1領域内での前記第1導電バンプの面積密度よりも低い。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の有効チップ領域が配列した第1領域と、前記第1領域の周囲に設けられた第2領域と、を備えた第1面を有する基板と、
前記第1領域内において前記基板の前記第1面に設けられた複数の第1導電バンプと、
前記第2領域内において前記基板の前記第1面に設けられた複数の第2導電バンプと、
を有し、
前記第1面に垂直な方向からの平面視で、前記第2領域内での前記第2導電バンプの面積密度は、前記第1領域内での前記第1導電バンプの面積密度よりも低いことを特徴とするウェハ。
【請求項2】
前記第2領域内での前記第2導電バンプの面積密度は、前記第1領域から離れるに連れて連続的に低下することを特徴とする請求項1に記載のウェハ。
【請求項3】
前記第2領域内での前記第2導電バンプの面積密度は、前記第1領域から離れるに連れて段階的に低下することを特徴とする請求項1に記載のウェハ。
【請求項4】
前記第2領域内での前記第2導電バンプの面積密度は、前記第1領域内での前記第1導電バンプの面積密度の20%~80%であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のウェハ。
【請求項5】
前記第1面に垂直な方向からの平面視で、前記複数の第1導電バンプの各々と前記複数の第2導電バンプの各々との間で円相当径が等しいことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のウェハ。
【請求項6】
前記第1面に垂直な方向からの平面視で、前記第2領域内での前記第2導電バンプの個数密度は、前記第1領域内での前記第1導電バンプの個数密度よりも低いことを請求項1乃至5のいずれか1項に記載のウェハ。
【請求項7】
前記第1導電バンプは、第1銅ピラーを含み、
前記第2導電バンプは、第2銅ピラーを含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のウェハ。
【請求項8】
複数の有効チップが配列した第1領域と、前記第1領域の周囲に設けられた第2領域と、を備えた第1面を有する基板を準備する工程と、
前記第1領域内において前記基板の前記第1面に複数の第1導電バンプを形成し、前記第2領域内において前記基板の前記第1面に複数の第2導電バンプを形成する工程と、
を有し、
前記第1面に垂直な方向からの平面視で、前記第2領域内での前記第2導電バンプの面積密度は、前記第1領域内での前記第1導電バンプの面積密度よりも低くすることを特徴とするウェハの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ウェハ及びウェハの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造に用いるウェハの製造方法として、有効領域及び無効領域を備えた基板に導電バンプを形成し、その後に、電解めっき法により複数の導電バンプを形成する方法が知られている。有効領域は複数の有効チップが配列した領域であり、無効領域は有効領域の周囲に設けられる。導電バンプは有効領域及び無効領域の両方に、略同一サイズかつ略同一ピッチで形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-168453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
導電バンプをサブトラクティブ法により形成する場合、めっき処理の後にレジスト層を除去する。しかし、従来のウェハでは、レジスト層を除去するための処理を行った後にも、無効領域にレジスト層が残存することがある。
【0005】
本開示は、導電バンプの形成に用いるレジスト層の残存を抑制することができるウェハ及びウェハの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一形態によれば、複数の有効チップ領域が配列した第1領域と、前記第1領域の周囲に設けられた第2領域と、を備えた第1面を有する基板と、前記第1領域内において前記基板の前記第1面に設けられた複数の第1導電バンプと、前記第2領域内において前記基板の前記第1面に設けられた複数の第2導電バンプと、を有し、前記第1面に垂直な方向からの平面視で、前記第2領域内での前記第2導電バンプの面積密度は、前記第1領域内での前記第1導電バンプの面積密度よりも低いウェハが提供される。
【発明の効果】
【0007】
開示の技術によれば、導電バンプの形成に用いるレジスト層の残存を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係るウェハを示す上面図(その1)である。
図2】第1実施形態に係るウェハを示す上面図(その2)である。
図3】第1実施形態に係るウェハを示す断面図である。
図4】第1実施形態に係るウェハにおける導電バンプの面積密度の分布を示す図である。
図5】第1実施形態に係るウェハの製造方法を示す断面図(その1)である。
図6】第1実施形態に係るウェハの製造方法を示す断面図(その2)である。
図7】第1実施形態に係るウェハの製造方法を示す断面図(その3)である。
図8】第1実施形態に係るウェハの製造方法を示す断面図(その4)である。
図9】第1実施形態に係るウェハの製造方法を示す断面図(その5)である。
図10】第1実施形態に係るウェハの製造方法を示す断面図(その6)である。
図11】第2実施形態に係るウェハを示す上面図である。
図12】第2実施形態に係るウェハにおける導電バンプの面積密度の分布を示す図である。
図13】第3実施形態に係るウェハを示す上面図である。
図14】第3実施形態に係るウェハにおける導電バンプの面積密度の分布を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本願発明者は、従来のウェハにおいて無効領域にレジスト層が残存する原因を究明すべく鋭意検討を行った。この結果、従来のウェハでは、無効領域の外側に導電バンプが形成されないため、導電バンプを電解めっき法により形成する際に、無効領域における電流密度が有効領域における電流密度よりも高くなり、無効領域に形成される導電バンプが有効領域に形成される導電バンプよりも高くなりやすいことが判明した。導電バンプが高くなるほど、レジスト層の除去の際にレジスト層の膨潤が阻害されやすくなり、レジスト層が除去されにくくなる。
【0010】
このように、無効領域において導電バンプが高く形成されることで、レジスト層が残存しやすくなるのである。
【0011】
本願発明者らは、このような知見に基づき、下記の実施形態に想到した。
【0012】
以下、実施形態について添付の図面を参照しながら具体的に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省くことがある。
【0013】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態について説明する。第1実施形態はウェハに関する。
【0014】
[ウェハの構成]
図1及び図2は、第1実施形態に係るウェハを示す上面図である。図2は、図1中の領域40を拡大して示す。図3は、第1実施形態に係るウェハを示す断面図である。図3は、図1中のIII-III線に沿った断面図に相当する。図4は、第1実施形態に係るウェハにおける導電バンプの面積密度の分布を示す図である。
【0015】
図1及び図2に示すように、第1実施形態に係るウェハ1は、基板10と、複数の第1導電バンプ135と、複数の第2導電バンプ235とを有する。本開示では、便宜上、ウェハ1の第1導電バンプ135及び第2導電バンプ235側を上側又は一方の側とし、その反対側を下側又は他方の側とする。また、ウェハ1の第1導電バンプ135及び第2導電バンプ235側の面を一方の面又は上面とし、その反対側の面を他方の面又は下面とする。
【0016】
基板10は回路形成面11を有する。基板10の直径は、例えば300mm(12インチ)又は200mm(8インチ)である。第1導電バンプ135及び第2導電バンプ235は回路形成面11の上に設けられている。本開示では、平面視とは対象物をウェハ1の回路形成面11の法線方向から視ることを指し、平面形状とは対象物をウェハ1の回路形成面11の法線方向から視た形状を指すものとする。回路形成面11は第1面の一例である。
【0017】
基板10は、バンプ形成領域21と、バンプ形成領域21の周囲に設けられたバンプ非形成領域22とを備える。バンプ形成領域21に後述の導電バンプが形成されているが、バンプ非形成領域22には導電バンプが形成されていない。バンプ非形成領域22の径方向の寸法(幅)は、例えば1.5mm程度である。バンプ形成領域21は、複数の有効チップ領域110が配列した有効領域100と、有効領域100の周囲に設けられた無効領域200とを備える。有効チップ領域110は、平面視でアレイ状に配列している。有効チップ領域110は有効領域100と無効領域200との境界30の内側にある。境界30上にあるチップ領域は無効チップ領域210とする。ダイシングにより有効チップ領域110から切り出される半導体チップが製品とされ、無効チップ領域210から切り出される半導体チップは製品とされない。無効領域200の径方向の寸法(幅)は、例えば3mm~10mm程度である。有効領域100は第1領域の一例であり、無効領域200は第2領域の一例である。
【0018】
基板10は、例えば、シリコン等からなる半導体基板に半導体集積回路等が形成されて構成されている。図3に示すように、基板10には、複数の第1電極パッド130及び複数の第2電極パッド230が設けられている。第1電極パッド130は有効領域100内に設けられ、第2電極パッド230は無効領域200内に設けられている。第1電極パッド130は半導体集積回路に接続されているが、第2電極パッド230は半導体集積回路に接続されていない。第1電極パッド130及び第2電極パッド230は、例えば、アルミニウム(Al)により形成されている。
【0019】
平面視で、無効領域200内での第2電極パッド230の面積密度は、有効領域100内での第1電極パッド130の面積密度よりも低く、例えば25%程度である。平面視で、無効領域200内での第2電極パッド230のピッチは、有効領域100内での第1電極パッド130のピッチよりも大きく、例えば200%程度である。平面視で、無効領域200内での第2電極パッド230の面積密度及びピッチは、略均一である。例えば、第1電極パッド130のピッチは10μm~100μmであり、第2電極パッド230のピッチは20μm~200μmである。なお、平面視で、複数の第1電極パッド130の各々と複数の第2電極パッド230の各々との間で円相当径が等しくてもよい。平面視で、無効領域200内での第2電極パッド230の個数密度は、有効領域100内での第1電極パッド130の個数密度よりも低い。ここで、パッドの面積密度とは、単位面積あたりにパッドが占める面積の割合をいう。パッドの個数密度とは、単位面積あたりに含まれるパッドの数をいう。パッドのピッチとは、隣り合うパッドの間の平面視での中心間距離をいう。
【0020】
第1導電バンプ135は有効領域100内において第1電極パッド130上に設けられている。第1導電バンプ135は、第1シード層131、第1銅(Cu)層132と、第1はんだ層133とを有する。
【0021】
第1シード層131は第1電極パッド130に直接接触する。第1シード層131の材料は、例えば、銅、チタン(Ti)、クロム(Cr)若しくはタングステン(W)又はこれらの任意の組み合わせの合金である。第1シード層131が積層膜を含み、積層膜のそれぞれの材料が、例えば、銅、チタン、クロム若しくはタングステン又はこれらの任意の組み合わせの合金であってもよい。第1シード層131の厚さは、例えば、0.01μm~0.3μm程度である。第1シード層131の平面形状は、例えば、略円形である。この場合、第1シード層131の直径は、例えば5μm~100μm程度であり、好適には10μm~20μm程度である。
【0022】
第1銅層132は、円柱状等の柱状の形状を有する。第1銅層132は電解めっき層であり、第1シード層131に直接接触する。第1銅層132の厚さは、例えば、10μm~200μm程度であり、好適には20μm~150μm程度である。第1銅層132の平面形状は、第1シード層131の平面形状と略同一であり、第1銅層132は第1シード層131と平面視で重複するように形成されている。第1銅層132は第1銅ピラーの一例である。
【0023】
第1はんだ層133は、第1銅層132に直接接触する。第1はんだ層133の形状は、例えば、ドーム状である。ここで、ドーム状とは、中央部近傍の高さが高く、周縁部に行くに従って低くなる形状をいう。第1はんだ層133の厚さ(中央部近傍の最大厚さ)は、例えば、10μm程度である。第1はんだ層133の平面形状は、第1銅層132の平面形状と略同一であり、第1はんだ層133は第1銅層132と平面視で重複するように形成されている。第1はんだ層133の材料は、例えば鉛(Pb)を含む合金、錫(Sn)とCuとの合金、Snと銀(Ag)との合金、SnとAgとCuとの合金等である。
【0024】
第1導電バンプ135の高さは、例えば10μm~200μm程度である。第1はんだ層133が設けられていなくてもよい。第1銅層132と第1はんだ層133との間にニッケル(Ni)層等の他の金属層が設けられていてもよい。
【0025】
第2シード層231は第2電極パッド230に直接接触する。第2シード層231の材料は、第1シード層131の材料と同じであってよい。第2シード層231の厚さは、例えば、0.01μm~0.3μm程度である。第2シード層231の平面形状は、例えば、略円形である。この場合、第2シード層231の直径は、例えば5μm~100μm程度であり、好適には10μm~20μm程度である。
【0026】
第2銅層232は、円柱状等の柱状の形状を有する。第2銅層232は電解めっき層であり、第2シード層231に直接接触する。第2銅層232の厚さは、例えば、10μm~200μm程度であり、好適には20μm~150μm程度である。第2銅層232の平面形状は、第2シード層231の平面形状と略同一であり、第2銅層232は第2シード層231と平面視で重複するように形成されている。第2銅層232は第2銅ピラーの一例である。
【0027】
第2はんだ層233は、第2銅層232に直接接触する。第2はんだ層233の形状は、例えば、ドーム状である。第2はんだ層233の厚さ(中央部近傍の最大厚さ)は、例えば、10μm程度である。第2はんだ層233の平面形状は、第2銅層232の平面形状と略同一であり、第2はんだ層233は第2銅層232と平面視で重複するように形成されている。第2はんだ層233の材料は、第1はんだ層133の材料と同じであってよい。
【0028】
第2導電バンプ235の高さは、例えば10μm~200μm程度である。第2はんだ層233が設けられていなくてもよい。第2銅層232と第2はんだ層233との間にニッケル層等の他の金属層が設けられていてもよい。
【0029】
上述のように、平面視で、無効領域200内での第2電極パッド230の面積密度は、有効領域100内での第1電極パッド130の面積密度よりも低く、例えば25%程度である。このため、図2図4に示すように、平面視で、無効領域200内での第2導電バンプ235の面積密度は、有効領域100内での第1導電バンプ135の面積密度よりも低く、例えば25%程度である。また、平面視で、無効領域200内での第2導電バンプ235のピッチは、有効領域100内での第1導電バンプ135のピッチよりも大きく、例えば200%程度である。平面視で、無効領域200内での第2導電バンプ235の面積密度及びピッチは、略均一である。例えば、第1導電バンプ135のピッチは10μm~100μmであり、第2導電バンプ235のピッチは20μm~200μmである。なお、平面視で、複数の第1導電バンプ135の各々と複数の第2導電バンプ235の各々との間で円相当径が等しくてもよい。平面視で、無効領域200内での第2導電バンプ235の個数密度は、有効領域100内での第1導電バンプ135の個数密度よりも低い。
【0030】
[ウェハの製造方法]
次に、第1実施形態に係るウェハ1の製造方法について説明する。図5図10は、第1実施形態に係るウェハの製造方法を示す断面図である。図5図10は、図1中のIII-III線に沿った断面図に相当する。
【0031】
まず、図5に示すように、回路形成面11に複数の第1電極パッド130及び複数の第2電極パッド230が形成された基板10を準備する。
【0032】
次に、図6に示すように、第1電極パッド130及び複数の第2電極パッド230を覆うようにして基板10上にシード層331を形成する。シード層331は、後に第1シード層131及び第2シード層231となる層である。シード層331の材料は、第1シード層131及び第2シード層231の材料と同じであり、シード層331の厚さは、第1シード層131及び第2シード層231の厚さと等しい。シード層331は、例えば、スパッタ法又は無電解めっき法により形成できる。
【0033】
次に、図7に示すように、シード層331上にレジスト層300を形成する。具体的には、例えば、シード層331上に、レジスト層300として感光性樹脂からなるドライフィルムレジスト等をラミネートする。そして、レジスト層300を露光及び現像によりパターニングし、レジスト層300に複数の第1開口部311及び複数の第2開口部312を形成する。第1開口部311及び第2開口部312はシード層331が露出するように形成する。第1開口部311は、有効領域100内で第1導電バンプ135を形成する位置に形成し、第2開口部312は、無効領域200内で第2導電バンプ235を形成する位置に形成する。レジスト層300の厚さは、形成しようとする第1導電バンプ135及び第2導電バンプ235の高さよりも大きく、例えば20μm~210μm程度である。
【0034】
次に、図8に示すように、シード層331をめっき給電経路に利用する電解めっき法により、第1開口部311から露出するシード層331の上面に第1銅層132を形成し、第2開口部312から露出するシード層331の上面に第2銅層232を形成する。次に、シード層331をめっき給電経路に利用する電解めっき法により、第1銅層132上に第1はんだ層133を形成し、第2銅層232上に第2はんだ層233を形成する。
【0035】
次に、図9に示すように、レジスト層300を除去する。レジスト層300は、例えば、水酸化ナトリウム等を含有する剥離液を用いて剥離できる。
【0036】
次に、図10に示すように、エッチング液を用いて、シード層331の、第1はんだ層133又は第2はんだ層233から露出する部分を除去する。エッチング液としては、例えば、過酸化水素及び硫酸を主成分とする水溶液、過硫酸ナトリウム水溶液、過硫酸アンモニウム水溶液、硝酸等のエッチング液を用いることができる。
【0037】
次に、リフロー等により、第1はんだ層133及び第2はんだ層233を溶融させ、その後に凝固させてドーム状等に成形する。このようにして、第1電極パッド130上に第1導電バンプ135が形成され、第2電極パッド230上に第2導電バンプ235が形成される。
【0038】
このようにして、第1実施形態に係るウェハ1を製造することができる。
【0039】
第1実施形態に係るウェハ1では、平面視で、無効領域200内での第2電極パッド230の面積密度が、有効領域100内での第1電極パッド130の面積密度よりも低い。このため、平面視で、無効領域200内での第2導電バンプ235の面積密度が、有効領域100内での第1導電バンプ135の面積密度よりも低い。従って、第1銅層132及び第2銅層232の形成の際にも、第1はんだ層133及び第2はんだ層233の形成の際にも、無効領域200における電流密度の過剰な上昇を抑制することができる。このため、第2導電バンプ235の高さを第1導電バンプ135の高さと同程度に調整しやすい。これにより、無効領域200においても、レジスト層300の除去の際にレジスト層300が剥離液により膨潤しやすくなり、第1導電バンプ135及び第2導電バンプ235の形成に用いるレジスト層300の残存を抑制することができる。
【0040】
更に、第2導電バンプ235の配列が第1導電バンプ135の配列よりも疎であるため、レジスト層300に剥離液が浸透しやすく、この点でもレジスト層300の残存を抑制することができる。
【0041】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、主として、第2導電バンプ235の配列の点で第1実施形態と相違する。図11は、第2実施形態に係るウェハを示す上面図である。図12は、第2実施形態に係るウェハにおける導電バンプの面積密度の分布を示す図である。
【0042】
図11及び図12に示すように、平面視で、無効領域200内での第2電極パッド230及び第2導電バンプ235の面積密度及び個数密度が、有効領域100から離れるに連れて連続的に低下する。つまり、平面視で、無効領域200内での第2電極パッド230及び第2導電バンプ235の面積密度及び個数密度が、基板10の径方向で連続的に低下する。例えば、有効領域100と無効領域200との境界30の近傍での第2電極パッド230及び第2導電バンプ235の面積密度及び個数密度は、第1電極パッド130及び第1導電バンプ135の面積密度及び個数密度と同程度であってもよい。また、例えば、無効領域200の外縁での第2電極パッド230及び第2導電バンプ235の面積密度及び個数密度は、実質的にゼロであってもよい。
【0043】
他の構成は第1実施形態と同様である。
【0044】
第2実施形態によっても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第2導電バンプ235の面積密度及び個数密度が、有効領域100から離れるに連れて連続的に低下するため、第1銅層132及び第2銅層232の形成の際にも、第1はんだ層133及び第2はんだ層233の形成の際にも、無効領域200における電流密度が緩やかに変化する。従って、第2導電バンプ235の高さを第1導電バンプ135の高さと同程度に更に調整しやすい。これにより、第1導電バンプ135及び第2導電バンプ235の形成に用いるレジスト層300の残存をより抑制しやすくできる。
【0045】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、主として、第2導電バンプ235の配列の点で第1実施形態及び第2実施形態と相違する。図13は、第3実施形態に係るウェハを示す上面図である。図14は、第3実施形態に係るウェハにおける導電バンプの面積密度の分布を示す図である。
【0046】
図13及び図14に示すように、無効領域200は、第1円環領域201と、第2円環領域202と、第3円環領域203と、第4円環領域204とを有する。平面視で、第1円環領域201の内縁の全体が有効領域100の外縁の全体に接する。平面視で、第2円環領域202の内縁の全体が第1円環領域201の外縁の全体に接する。平面視で、第3円環領域203の内縁の全体が第2円環領域202の外縁の全体に接する。平面視で、第4円環領域204の内縁の全体が第3円環領域203の外縁の全体に接する。平面視で、第4円環領域204の外縁の全体がバンプ非形成領域22の内縁の全体に接する。
【0047】
第1円環領域201内での第2電極パッド230及び第2導電バンプ235の面積密度、個数密度及びピッチは、略均一である。第1円環領域201内での第2電極パッド230及び第2導電バンプ235の面積密度及びピッチは、有効領域100内での第1電極パッド130及び第1導電バンプ135の面積密度及びピッチと同程度である。
【0048】
第2円環領域202内での第2電極パッド230及び第2導電バンプ235の面積密度、個数密度及びピッチは、略均一である。第2円環領域202内での第2電極パッド230及び第2導電バンプ235のピッチは、有効領域100内での第1電極パッド130及び第1導電バンプ135のピッチの150%程度である。第2円環領域202内での第2電極パッド230及び第2導電バンプ235の面積密度及び個数密度は、有効領域100内での第1電極パッド130及び第1導電バンプ135の面積密度の44%程度である。
【0049】
第3円環領域203内での第2電極パッド230及び第2導電バンプ235の面積密度、個数密度及びピッチは、略均一である。第3円環領域203内での第2電極パッド230及び第2導電バンプ235のピッチは、有効領域100内での第1電極パッド130及び第1導電バンプ135のピッチの200%程度である。第3円環領域203内での第2電極パッド230及び第2導電バンプ235の面積密度及び個数密度は、有効領域100内での第1電極パッド130及び第1導電バンプ135の面積密度の25%程度である。
【0050】
第4円環領域204内での第2電極パッド230及び第2導電バンプ235の面積密度、個数密度及びピッチは、略均一である。第4円環領域204内での第2電極パッド230及び第2導電バンプ235のピッチは、有効領域100内での第1電極パッド130及び第1導電バンプ135のピッチの250%程度である。第4円環領域204内での第2電極パッド230及び第2導電バンプ235の面積密度及び個数密度は、有効領域100内での第1電極パッド130及び第1導電バンプ135の面積密度の16%程度である。
【0051】
このように、第3実施形態では、平面視で、無効領域200内での第2電極パッド230及び第2導電バンプ235の面積密度及び個数密度が、有効領域100から離れるに連れて段階的に低下する。つまり、平面視で、無効領域200内での第2電極パッド230及び第2導電バンプ235の面積密度及び個数密度が、基板10の径方向で段階的に低下する。
【0052】
他の構成は第1実施形態と同様である。
【0053】
第3実施形態によっても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第2導電バンプ235の面積密度及び個数密度が、有効領域100から離れるに連れて段階的に低下するため、第1銅層132及び第2銅層232の形成の際にも、第1はんだ層133及び第2はんだ層233の形成の際にも、無効領域200における電流密度が緩やかに変化する。従って、第2導電バンプ235の高さを第1導電バンプ135の高さと同程度に更に調整しやすい。これにより、第1導電バンプ135及び第2導電バンプ235の形成に用いるレジスト層300の残存をより抑制しやすくできる。
【0054】
なお、無効領域200内での第2導電バンプ235の面積密度は、有効領域100内での第1導電バンプ135の面積密度の、例えば5%~80%であり、好ましくは10%~70%であり、より好ましくは20%~60%である。無効領域200内での第2導電バンプ235の面積密度が過剰に低い場合、無効領域200を広く確保しなければ、有効領域100の外縁近傍にて電解めっきの際に電流密度が高くなるおそれがある。無効領域200を広く確保すると、歩留まりが低下してしまう。無効領域200内での第2導電バンプ235の面積密度が過剰に高い場合、無効領域200にてレジスト層300の残渣を抑制する効果が低下するおそれがある。
【0055】
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、上述した実施の形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0056】
1、2、3 ウェハ
10 基板
11 回路形成面
21 バンプ形成領域
22 バンプ非形成領域
100 有効領域
110 有効チップ領域
130 第1電極パッド
131 第1シード層
132 第1銅層
133 第1はんだ層
135 第1導電バンプ
200 無効領域
210 無効チップ領域
230 第2電極パッド
231 第2シード層
232 第2銅層
233 第2はんだ層
235 第2導電バンプ
300 レジスト層
311 第1開口部
312 第2開口部
図1
図2
図3
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