(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023031004
(43)【公開日】2023-03-08
(54)【発明の名称】ファックス送受信サーバ、ファックス送受信システム、及びファックス送受信方法
(51)【国際特許分類】
G06F 13/00 20060101AFI20230301BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20230301BHJP
【FI】
G06F13/00 357A
H04N1/00 127B
H04N1/00 350
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021136453
(22)【出願日】2021-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100186853
【弁理士】
【氏名又は名称】宗像 孝志
(72)【発明者】
【氏名】小平 格
【テーマコード(参考)】
5B089
5C062
【Fターム(参考)】
5B089GA15
5B089GA21
5B089GA26
5B089GB03
5B089HA01
5B089HA06
5B089HA10
5B089JB14
5B089KA01
5C062AA05
5C062AA32
5C062AA35
5C062AB02
5C062AB20
5C062AB23
5C062AB41
5C062AB42
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC36
5C062AC38
5C062AC41
5C062AE02
5C062AE08
5C062AE10
5C062AE16
5C062AF01
5C062AF02
5C062AF03
5C062AF06
5C062AF12
5C062AF14
5C062BA02
5C062BC06
5C062BD09
(57)【要約】
【課題】同報送信されたファックスデータの受信先装置において、他の受信先装置での閲覧状態を確認可能にする。
【解決手段】ファックス送受信サーバは、ファックスデータ、複数の受信先ID、及びデータIDを、送信元装置から受信するファックス受信部と、データID、ファックスデータ、複数の受信先ID、複数の閲覧状態を互いに対応付けてメモリに記憶させる記憶処理部と、送信元装置からファックスデータを受信したことを複数の受信先装置に通知する受信通知部と、受信先IDを含む送信要求を受信先装置から受信したことに応じて、受信先IDで識別される受信先装置にファックスデータを送信するファックス送信部と、受信先IDに対応する閲覧状態を未読状態から既読状態に更新する状態更新部と、データIDを含む閲覧状態確認要求を受信したことに応じて、データIDに対応付けられた複数の閲覧状態を送信する閲覧状態送信部とを備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファックスデータ、前記ファックスデータを受信すべき受信先装置を一意に識別する複数の受信先ID、及び前記ファックスデータ及び複数の前記受信先IDの組み合わせを一意に識別するデータIDを、送信元装置から受信するファックス受信部と、
前記データID、前記ファックスデータ、複数の前記受信先ID、複数の前記受信先IDそれぞれで識別される受信先装置で前記ファックスデータが閲覧されたか否かを示す複数の閲覧状態を、互いに対応付けてメモリに記憶させる記憶処理部と、
送信元装置から前記ファックスデータを受信したことを、送信元装置から受信した複数の前記受信先IDそれぞれで識別される受信先装置に通知する受信通知部と、
前記受信先IDを含む送信要求を受信先装置から受信したことに応じて、前記送信要求に含まれる前記受信先IDで識別される受信先装置に、前記ファックスデータを送信するファックス送信部と、
前記送信要求に含まれる前記受信先IDに対応する前記閲覧状態を、前記ファックスデータが閲覧されていないことを示す未読状態から、前記ファックスデータが閲覧されたことを示す既読状態に更新する状態更新部と、
前記データIDを含む閲覧状態確認要求を受信したことに応じて、前記データIDに対応付けられた複数の前記閲覧状態を、前記閲覧状態確認要求の送信元の装置に送信する閲覧状態送信部とを備えることを特徴とするファックス送受信サーバ。
【請求項2】
前記データIDは、送信元装置を一意に識別する送信元IDと、前記ファックスデータの送信日時とを組み合わせたFコードであることを特徴とする請求項1に記載のファックス送受信サーバ。
【請求項3】
前記メモリには、前記受信先IDと、ユーザIDとが対応付けて記憶されており、
前記ファックス送信部は、前記ユーザIDを含む送信要求をユーザ端末から受信したことに応じて、前記送信要求に含まれる前記ユーザIDで識別されるユーザ端末に、前記ファックスデータを送信し、
前記状態更新部は、
前記送信要求に含まれる前記ユーザIDに対応付けられた前記受信先IDを前記メモリから読み出し、
読み出した前記受信先IDに対応する前記閲覧状態を、前記未読状態から前記既読状態に更新することを特徴とする請求項1または2に記載のファックス送受信サーバ。
【請求項4】
前記ファックス受信部は、共通の前記ファックスデータ及び前記データIDと、複数の前記受信先IDのうちの異なる1つとを、送信元装置から繰り返し受信し、
前記記憶処理部は、
前記ファックス受信部が前記ファックスデータを受信する度に、前記データIDが前記メモリに記憶されているか否かを判定し、
前記データIDが前記メモリに記憶されていないと判定した場合に、前記データID、前記ファックスデータ、前記受信先ID、前記閲覧状態を、互いに対応付けて前記メモリに記憶させ、
前記データIDが前記メモリに記憶されていると判定した場合に、前記受信先ID及び前記閲覧状態を、前記データIDに対応付けて前記メモリに記憶させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のファックス送受信サーバ。
【請求項5】
ファックスデータを送信する送信元装置と、
前記送信元装置から送信された前記ファックスデータを受信する複数の受信先装置と、
前記送信元装置から複数の前記受信先装置に前記ファックスデータを中継するファックス送受信サーバとを備えるファックス送受信システムであって、
前記ファックス送受信サーバは、
前記ファックスデータ、前記受信先装置を一意に識別する複数の受信先ID、及び前記ファックスデータ及び複数の前記受信先IDの組み合わせを一意に識別するデータIDを、前記送信元装置から受信するファックス受信部と、
前記データID、前記ファックスデータ、複数の前記受信先ID、複数の前記受信先IDそれぞれで識別される前記受信先装置で前記ファックスデータが閲覧されたか否かを示す複数の閲覧状態を、互いに対応付けてメモリに記憶させる記憶処理部と、
前記送信元装置から前記ファックスデータを受信したことを、前記送信元装置から受信した複数の前記受信先IDそれぞれで識別される前記受信先装置に通知する受信通知部と、
前記受信先IDを含む送信要求を前記受信先装置から受信したことに応じて、前記送信要求に含まれる前記受信先IDで識別される前記受信先装置に、前記ファックスデータを送信するファックス送信部と、
前記送信要求に含まれる前記受信先IDに対応する前記閲覧状態を、前記ファックスデータが閲覧されていないことを示す未読状態から、前記ファックスデータが閲覧されたことを示す既読状態に更新する状態更新部と、
前記データIDを含む閲覧状態確認要求を受信したことに応じて、前記データIDに対応付けられた複数の前記閲覧状態を、前記閲覧状態確認要求の送信元の装置に送信する閲覧状態送信部とを備えることを特徴とするファックス送受信サーバ。
【請求項6】
送信元装置から複数の受信先装置に同報送信されるファックスデータを中継するファックス送受信方法であって、
前記ファックスデータ、受信先装置を一意に識別する複数の受信先ID、及び前記ファックスデータ及び複数の前記受信先IDの組み合わせを一意に識別するデータIDを、送信元装置から受信し、
前記データID、前記ファックスデータ、複数の前記受信先ID、複数の前記受信先IDそれぞれで識別される受信先装置で前記ファックスデータが閲覧されたか否かを示す複数の閲覧状態を、互いに対応付けてメモリに記憶させ、
送信元装置から前記ファックスデータを受信したことを、送信元装置から受信した複数の前記受信先IDそれぞれで識別される受信先装置に通知し、
前記受信先IDを含む送信要求を受信先装置から受信したことに応じて、前記送信要求に含まれる前記受信先IDで識別される受信先装置に、前記ファックスデータを送信し、
前記送信要求に含まれる前記受信先IDに対応する前記閲覧状態を、前記ファックスデータが閲覧されていないことを示す未読状態から、前記ファックスデータが閲覧されたことを示す既読状態に更新し、
前記データIDを含む閲覧状態確認要求を受信したことに応じて、前記データIDに対応付けられた複数の前記閲覧状態を、前記閲覧状態確認要求の送信元の装置に送信することを特徴とするファックス送受信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファックス送受信サーバ、ファックス送受信システム、及びファックス送受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、送信元装置から受信したファックスデータを印刷せずにメモリに蓄積し、ユーザの操作に従って当該ファックスデータをディスプレイに表示させる受信先装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
特許文献1に記載の受信先装置は、メモリに蓄積された複数のファックスデータそれぞれについて、ユーザが閲覧したか否かを示す閲覧状態を管理している。すなわち、受信先装置は、ファックスデータをディスプレイに表示させたことに応じて、当該ファックスデータに対応する閲覧状態を、閲覧されていないことを示す「未読状態」から閲覧されたことを示す「既読状態」に更新する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
送信元装置は、複数の受信先装置それぞれに対して、共通のファックスデータをファックス送信する、所謂「同報送信」を行うことができる。しかしながら、特許文献1に記載の受信先装置では、他の受信先装置でファックスデータが閲覧されたか否かを知ることができないという課題がある。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、同報送信されたファックスデータの受信先装置において、他の受信先装置での閲覧状態を確認可能にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、ファックスデータ、前記ファックスデータを受信すべき受信先装置を一意に識別する複数の受信先ID、及び前記ファックスデータ及び複数の前記受信先IDの組み合わせを一意に識別するデータIDを、送信元装置から受信するファックス受信部と、前記データID、前記ファックスデータ、複数の前記受信先ID、複数の前記受信先IDそれぞれで識別される受信先装置で前記ファックスデータが閲覧されたか否かを示す複数の閲覧状態を、互いに対応付けてメモリに記憶させる記憶処理部と、送信元装置から前記ファックスデータを受信したことを、送信元装置から受信した複数の前記受信先IDそれぞれで識別される受信先装置に通知する受信通知部と、前記受信先IDを含む送信要求を受信先装置から受信したことに応じて、前記送信要求に含まれる前記受信先IDで識別される受信先装置に、前記ファックスデータを送信するファックス送信部と、前記送信要求に含まれる前記受信先IDに対応する前記閲覧状態を、前記ファックスデータが閲覧されていないことを示す未読状態から、前記ファックスデータが閲覧されたことを示す既読状態に更新する状態更新部と、前記データIDを含む閲覧状態確認要求を受信したことに応じて、前記データIDに対応付けられた複数の前記閲覧状態を、前記閲覧状態確認要求の送信元の装置に送信する閲覧状態送信部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、同報送信されたファックスデータの受信先装置において、他の受信先装置での閲覧状態を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係るファックス送受信システムの概略図。
【
図4】ファックス送受信サーバのハードウェア構成図。
【
図7】データ管理テーブル(A)及びユーザ管理テーブル(B)のデータ例。
【
図9】MFPとファックス送受信サーバとの間で実行されるダウンロード処理のフローチャート。
【
図10】MFPのパネル表示部に表示されるデータ一覧画面(A)、データ表示画面(B)、閲覧状態一覧画面(C)の表示例。
【
図11】スマートフォンとファックス送受信サーバとの間で実行されるダウンロード処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態に係るファックス送受信システム、ファックス送受信サーバ、及びファックス送受信方法について、図面などを参照しながら説明する。
【0010】
図1は、本実施形態に係るファックス送受信システム1の概略図である。ファックス送受信システム1は、複数のMFP10A、10B、10C、10D(以下、これらを総称して、「MFP10」と表記することがある。)、スマートフォン20、及びファックス送受信サーバ30を有する。そして、MFP10A、10B、10C、10D、スマートフォン20、ファックス送受信サーバ30は、通信ネットワーク100を介して相互にデータの送受信可能に構成されている。通信ネットワーク100は、例えば、有線LAN、無線LAN、インターネット、公衆電話回線、またはこれらの組み合わせで構成される。
【0011】
MFP(Multifunction Peripheral/Product/Printer)10は、
図2に示すように、スキャナ部231と、プリンタ部232と、ファックス部233とを備える画像形成装置である。スキャナ部231は、原稿に記録された画像を読み取って画像データを生成する。プリンタ部232は、画像データで示される画像をシートに形成する。ファックス部233は、ファックスプロトコルに準拠した方式で他の装置との間でファックスデータを送受信する。但し、ファックス送受信システム1を構成するのは、MFP10に代えて、ファックス部233を備えるファックス単能機、または、ファックスプログラムがインストールされたPC等でもよい。
【0012】
MFP10A、10B、10C、10Dそれぞれのファックス部233には、ファックス番号が設定されている。
図1の例では、MFP10Aにファックス番号[03-1111-2222]が設定され、MFP10Bにファックス番号[03-3333-4444]が設定され、MFP10Cにファックス番号[06-5555-6666]が設定され、MFP10Dにファックス番号[045-777-8888]が設定されている。ファックス番号は、MFP10を一意に識別する装置ID(後述する送信元ID、受信先ID)の一例である。
【0013】
スマートフォン20は、MFP10のユーザが所持するユーザ端末である。ユーザ端末の具体例は、スマートフォン20に限定されず、PC、ノートパソコン、携帯電話などでもよいが、持ち運び可能な可搬端末であるのが望ましい。スマートフォン20には、所持するユーザを一意に識別するユーザIDが設定されている。
【0014】
ファックス送受信サーバ30は、例えば、送信元装置であるMFP10Aと、受信先装置であるMFP10B、10C、10Dとの間におけるファックスデータの送受信を中継する。また、ファックス送受信サーバ30は、MFP10B、10C、10Dそれぞれにおけるファックスデータの閲覧状態を管理する。送信元装置に設定されるファックス番号は送信元IDの一例であり、受信先装置に設定されるファックス番号は受信先IDの一例である。但し、送信元装置及び受信先装置の組み合わせは、前述の例に限定されない。
【0015】
図2は、MFP10のハードウェア構成図である。
図2に示されているように、MFP10は、コントローラ210、近距離通信回路220、エンジン制御部230、操作パネル240、ネットワークI/F250を備えている。
【0016】
これらのうち、コントローラ210は、コンピュータの主要部であるCPU201、システムメモリ(MEM-P)202、ノースブリッジ(NB)203、サウスブリッジ(SB)204、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)206、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)207、HDDコントローラ208、及び、記憶部であるHD209を有し、NB203とASIC206との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス221で接続した構成となっている。
【0017】
これらのうち、CPU201は、MFP10の全体制御を行う制御部である。NB203は、CPU201と、MEM-P202、SB204、及びAGPバス221とを接続するためのブリッジであり、MEM-P202に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0018】
MEM-P202は、コントローラ210の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM202a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM202bとからなる。なお、RAM202bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0019】
SB204は、NB203とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC206は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス221、PCIバス222、HDDコントローラ208およびMEM-C207をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC206は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC206の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C207を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、エンジン制御部230との間でPCIバス222を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC206には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしてもよい。
【0020】
MEM-C207は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD209は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HD209は、CPU201の制御にしたがってHD209に対するデータの読出又は書込を制御する。AGPバス221は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM-P202に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0021】
また、近距離通信回路220には、アンテナ220aが備わっている。近距離通信回路220は、NFC、Bluetooth(登録商標)等の通信回路である。さらに、エンジン制御部230には、スキャナ部231、プリンタ部232、及びファックス部233が接続されている。そして、コントローラ210は、エンジン制御部230を介してスキャナ部231、プリンタ部232、及びファックス部233の動作を制御する。
【0022】
操作パネル240は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部240a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなる操作パネル240bを備えている。
【0023】
ネットワークI/F250は、通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。近距離通信回路220及びネットワークI/F250は、PCIバス222を介して、ASIC206に電気的に接続されている。コントローラ210は、ネットワークI/F250を通じて、外部装置に情報を送信し、外部装置から情報を受信することができる。
【0024】
図3は、スマートフォン20のハードウェア構成図である。
図3に示されているように、スマートフォン20は、CPU301、ROM302、RAM303、EEPROM304、CMOSセンサ305、撮像素子I/F306、加速度・方位センサ307、メディアI/F309、GPS受信部311を備えている。
【0025】
これらのうち、CPU301は、スマートフォン20全体の動作を制御する。ROM302は、CPU301やIPL等のCPU301の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。EEPROM304は、CPU301の制御にしたがって、スマートフォン用プログラム等の各種データの読み出し又は書き込みを行う。CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ305は、CPU301の制御に従って被写体(主に自画像)を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。なお、CMOSセンサではなく、CCD(Charge Coupled Device)センサ等の撮像手段であってもよい。撮像素子I/F306は、CMOSセンサ305の駆動を制御する回路である。加速度・方位センサ307は、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパス、加速度センサ等の各種センサである。メディアI/F309は、フラッシュメモリ等の記録メディア308に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。GPS受信部311は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
【0026】
また、スマートフォン20は、遠距離通信回路312、CMOSセンサ313、撮像素子I/F314、マイク315、スピーカ316、音入出力I/F317、ディスプレイ318、外部機器接続I/F(Interface)319、近距離通信回路320、近距離通信回路320のアンテナ320a、及びタッチパネル321を備えている。
【0027】
これらのうち、遠距離通信回路312は、通信ネットワーク100を介して、他の機器と通信する回路である。CMOSセンサ313は、CPU301の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F314は、CMOSセンサ313の駆動を制御する回路である。マイク315は、音を電気信号に変える内蔵型の回路である。スピーカ316は、電気信号を物理振動に変えて音楽や音声などの音を生み出す内蔵型の回路である。音入出力I/F317は、CPU301の制御に従ってマイク315及びスピーカ316との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイ318は、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機EL(Electro Luminescence)などの表示手段の一種である。外部機器接続I/F319は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。近距離通信回路320は、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の通信回路である。タッチパネル321は、利用者がディスプレイ318を押下することで、スマートフォン20を操作する入力手段の一種である。
【0028】
また、スマートフォン20は、バスライン310を備えている。バスライン310は、
図3に示されているCPU301等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0029】
図4は、ファックス送受信サーバ30のハードウェア構成図である。
図4に示されているように、ファックス送受信サーバ30は、コンピュータによって構築されており、
図4に示されているように、CPU401、ROM402、RAM403、HD404、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ405、ディスプレイ406、外部機器接続I/F(Interface)408、ネットワークI/F409、データバス410、キーボード411、ポインティングデバイス412、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ414、メディアI/F416を備えている。
【0030】
これらのうち、CPU401は、ファックス送受信サーバ30全体の動作を制御する。ROM402は、IPL等のCPU401の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。HD404は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ405は、CPU401の制御にしたがってHD404に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ406は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F408は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F409は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。データバス410は、
図4に示されているCPU401等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0031】
また、キーボード411は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス412は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ414は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW413に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F416は、フラッシュメモリ等の記録メディア415に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0032】
図5は、ファックス送受信サーバ30の機能ブロック図である。
図6は、ファックス管理テーブルのデータ例である。
図7は、データ管理テーブル(A)及びユーザ管理テーブル(B)のデータ例である。
【0033】
ファックス送受信サーバ30は、ファックス受信部31と、記憶処理部32と、受信通知部33と、ファックス送信部34と、状態更新部35と、閲覧状態送信部36と、メモリ37とを備える。ファックス受信部31、記憶処理部32、受信通知部33、ファックス送信部34、状態更新部35、及び閲覧状態送信部36は、例えば、HD404に記憶されたファックス送受信プログラムをCPU401が実行することによって実現される。メモリ37は、ROM402、RAM403、HD404、またはこれらの組み合わせで実現される。
【0034】
ファックス受信部31は、ファックスデータ、送信元ID、送信日時、複数の受信先ID、及びデータIDを、ネットワークI/F409を通じてMFP10Aから受信する。ファックスデータは、受信先装置に送信されるべきデータ(例えば、文書データ、画像データなど)である。送信元IDは、送信元装置を一意に識別する識別子(ファックス番号)である。送信日時は、送信元装置が最初のファックスデータを送信する日時である。受信先IDは、ファックスデータを受信すべき受信先装置を一意に識別する識別子(ファックス番号)である。データIDは、ファックスデータ及び複数の受信先IDの組み合わせ(すなわち、同報送信)を一意に識別する識別子である。
【0035】
より詳細には、送信元装置は、共通のファックスデータ、送信元ID、送信日時、及びデータIDに、複数の受信先IDのうちの異なる1つを含めて、ファックス送受信サーバ30に繰り返し送信する。換言すれば、ファックス受信部31は、共通のファックスデータ、送信元ID、送信日時、及びデータIDと、複数の受信先IDのうちの異なる1つとを、送信元装置から繰り返し受信する。
【0036】
データIDは、例えば、ITU-Tに規定されたG3標準プロトコルに準拠したFコードである。Fコードは、送信元装置を一意に識別する送信元IDと、ファックスデータの送信日時とを組み合わせたものである。前述したように、受信先IDを切り替えてファックスデータが繰り返し送信される場合、Fコードには、最初のファックスデータの送信日時が設定される。
【0037】
記憶処理部32は、ファックス受信部31が受信したFコード、ファックスデータ、送信元ID、送信日時、複数の受信先ID、及び複数の閲覧状態を、互いに対応付けてメモリ37に記憶させる。より詳細には、記憶処理部32は、Fコード及びファックスデータを対応付けて、
図7(A)に示すデータ管理テーブルに記憶させる。また、記憶処理部32は、Fコード、送信元ID、送信日時、複数の受信先ID、及び複数の閲覧状態を対応付けて、
図6に示すファックス管理テーブルに記憶させる。
【0038】
閲覧状態は、受信先IDに一対一に対応付けられている。閲覧状態は、対応する受信先IDで識別される受信先装置でファックスデータが閲覧されたか否かを示す。閲覧状態には、「未読状態」または「既読状態」が設定される。未読状態は、対応する受信先IDで識別される受信先装置でファックスデータが未だ閲覧されていないことを示す。既読状態は、対応する受信先IDで識別される受信先装置でファックスデータが既に閲覧されたことを示す。記憶処理部32によってファックス管理テーブルに追加される閲覧状態には、「未読状態」が設定される。
【0039】
受信通知部33は、送信元装置からファックスデータを受信したことを、送信元装置から受信した複数の受信先IDそれぞれで識別される受信先装置に通知する。より詳細には、受信通知部33は、ネットワークI/F409を通じて受信先装置にファックス受信通知を送信する。ファックス受信通知は、ファックス受信部31が受信したFコードを少なくとも含む。
【0040】
ファックス送信部34は、Fコード及び受信先IDを含む送信要求を受信先装置から受信したことに応じて、当該受信先IDで識別される受信先装置に、Fコードに対応付けられたファックスデータをネットワークI/F409を通じて送信する。また、ファックス送信部34は、Fコード及びユーザIDを含む送信要求をユーザ端末から受信したことに応じて、当該ユーザIDで識別されるユーザ端末に、Fコードに対応付けられたファックスデータをネットワークI/F409を通じて送信する。
【0041】
状態更新部35は、ネットワークI/F409を通じて受信先装置から送信要求を受信したことに応じて、送信要求に含まれる受信先IDに対応する閲覧状態を、「未読状態」から「既読状態」に更新する。また、状態更新部35は、ネットワークI/F409を通じてユーザ端末から送信要求を受信したことに応じて、送信要求に含まれるユーザIDに対応付けられたファックス番号(=受信先ID)を、
図7(B)に示すユーザ管理テーブルから読み出す。そして、状態更新部35は、読み出した受信先IDに対応する閲覧状態を、「未読状態」から「既読状態」に更新する。
【0042】
閲覧状態送信部36は、データIDを含む閲覧状態確認要求を受信したことに応じて、データIDに対応付けられた複数の閲覧状態を、閲覧状態確認要求の送信元の装置(受信先装置、ユーザ端末)にネットワークI/F409を通じて送信する。
【0043】
メモリ37は、ファックス送受信プログラムの他、
図6に示すファックス管理テーブルと、
図7(A)に示すデータ管理テーブルと、
図7(B)に示すユーザ管理テーブルとを記憶している。
【0044】
図6に示すように、ファックス管理テーブルは、1つのFコード、1つの送信元ID、及び1つの送信日時と、N(Nは2以上の整数)個の受信先ID及びN個の閲覧状態とを、互いに対応付けて記憶している。受信先ID及び閲覧状態の数は、2以上であれば特に限定されない。
図6の例では、1レコードに複数の受信先ID及び閲覧状態が含められているが、実際には正規化されて保存されている。
【0045】
図7(A)に示すように、データ管理テーブルは、Fコードとファックスデータとを一対一に対応付けて記憶している。すなわち、
図6に示す送信元ID、送信日時、受信先ID、及び閲覧状態と、
図7(A)に示すファックスデータとは、Fコードによって互いに対応付けられている。
図7(B)に示すように、ユーザ管理テーブルは、ユーザIDとファックス番号とを一対一に対応付けて記憶している。
【0046】
図8は、アップロード処理のフローチャートである。アップロード処理は、送信元装置からアップロードされたファックスデータをメモリ37に記憶させ、ファックスデータがアップロードされたことを受信先装置に通知する処理である。以下、送信元装置であるMFP10Aが、受信先装置であるMFP10B、10C、10Dにファックスデータを同報送信する例を説明する。
【0047】
まず、MFP10Aは、ファックスデータ、送信元ID[0311112222]、送信日時[2020/01/02 12:00]、Fコード[03111122222001021200]、及び受信先ID[0333334444]を、ネットワークI/F250を通じてファックス送受信サーバ30に送信する(S801)。次に、MFP10Aは、同報送信すべき他の受信先IDが存在するか否かを判定する(S802)。
【0048】
そして、MFP10Aは、同報送信すべき他の受信先ID[0655556666]が存在すると判定した場合に(S802:Yes)、ファックスデータ、送信元ID[0311112222]、送信日時[2020/01/02 12:00]、Fコード[03111122222001021200]、及び受信先ID[0655556666]を、ネットワークI/F250を通じてファックス送受信サーバ30に送信する(S801)。
【0049】
さらに、MFP10Aは、同報送信すべき他の受信先ID[0457778888]が存在すると判定した場合に(S802:Yes)、ファックスデータ、送信元ID[0311112222]、送信日時[2020/01/02 12:00]、Fコード[03111122222001021200]、及び受信先ID[0457778888]を、ネットワークI/F250を通じてファックス送受信サーバ30に送信する(S801)。
【0050】
すなわち、1回目、2回目、3回目のステップS801では、ファックスデータ、送信元ID、送信日時、及びFコードが共通し、受信先IDが異なる。すなわち、MFP10Aは、共通のファックスデータ、送信元ID、送信日時、及びFコードと、複数の受信先IDのうちの異なる1つを送信する処理(S801)を、受信先IDの数だけ繰り返す。そして、MFP10Aは、同報送信すべき他の受信先IDが存在しないと判定した場合に(S802:No)、アップロード処理を終了する。
【0051】
一方、ファックス送受信サーバ30のファックス受信部31は、ファックスデータ、送信元ID、送信日時、Fコード、及び受信先IDを、ネットワークI/F409を通じてMFP10Aから受信して(S801)、記憶処理部32に通知する。
【0052】
次に、記憶処理部32は、ファックス受信部31がファックスデータを受信する度に、ファックス受信部31が受信したFコード[03111122222001021200]がファックス管理テーブルに登録されているか否かを判定する(S803)。同報送信の1回目の時点では、Fコードはファックス管理テーブルに登録されていない。そして、記憶処理部32は、Fコードがファックス管理テーブルに登録されていないと判定した場合に(S803:No)、ステップS804~S805の処理を実行する。
【0053】
記憶処理部32は、ファックス受信部31が受信したFコード[03111122222001021200]及びファックスデータを、互いに対応付けてデータ管理テーブルに記憶させる(S804)。また、記憶処理部32は、ファックス受信部31が受信したFコード[03111122222001021200]、送信元ID[0311112222]、送信日時[2020/01/02 12:00]、及び受信先ID[0333334444]と、[未読状態]を設定した閲覧状態とを、互いに対応付けた新規レコードとして、ファックス管理テーブルに登録する(S805)。
【0054】
次に、受信通知部33は、ファックス受信部31が受信した受信先ID[0333334444]で識別されるMFP10Bに、ネットワークI/F409を通じてファックス受信通知を送信する(S806)。ファックス受信通知は、例えば、ファックス受信部31が受信したFコード[03111122222001021200]、送信元ID[0311112222]、及び送信日時[2020/01/02 12:00]を含む。ステップS808で送信するファックス受信通知も同様である。
【0055】
MFP10Bは、ネットワークI/F250を通じてファックス送受信サーバ30からファックス受信通知を受信する。そして、MFP10Bは、受信したファックス受信通知に含まれるFコード[03111122222001021200]、送信元ID[0311112222]、及び送信日時[2020/01/02 12:00]を、互いに対応付けてHD209に記憶させる。
【0056】
次に、記憶処理部32は、同報送信の2回目において、ファックス受信部31が受信したFコード[03111122222001021200]がファックス管理テーブルに登録されていると判定した場合に(S803:Yes)、発見したFコード[03111122222001021200]を含むレコードに、受信先ID[0655556666]と、[未読状態]を設定した閲覧状態とを追加する(S807)。次に、受信通知部33は、ファックス受信部31が受信した受信先ID[0655556666]で識別されるMFP10Cに、ネットワークI/F409を通じてファックス受信通知を送信する(S808)。
【0057】
次に、記憶処理部32は、同報送信の3回目において、ファックス受信部31が受信したFコード[03111122222001021200]がファックス管理テーブルに登録されていると判定した場合に(S803:Yes)、発見したFコード[03111122222001021200]のレコードに、受信先ID[0457778888]と、[未読状態]を設定した閲覧状態とを追加する(S807)。次に、受信通知部33は、ファックス受信部31が受信した受信先ID[0457778888]で識別されるMFP10Dに、ネットワークI/F409を通じてファックス受信通知を送信する(S808)。
【0058】
そして、ファックス送受信サーバ30は、同報送信の全てのデータを受信したことに応じて、アップロード処理を終了する。すなわち、記憶処理部32は、同報送信の最初に受信したファックスデータのみをメモリ37に記憶させ、同報送信の2回目以降に受信したファックスデータのメモリ37への保存を省略する。
【0059】
図9は、MFP10Bとファックス送受信サーバ30との間で実行されるダウンロード処理のフローチャートである。
図10は、MFP10Bのパネル表示部240aに表示されるデータ一覧画面(A)、データ表示画面(B)、閲覧状態一覧画面(C)の表示例である。ダウンロード処理は、ファックス送受信サーバ30に記憶されたファックスデータと、複数の受信先装置の閲覧状態とを、受信先装置の要求に応じてダウンロードする処理である。以下、受信先装置であるMFP10Bからの要求に応じた処理を説明する。また、
図9の処理の開始時点において、MFP10BのHD209には、2つのFコード[03111122222001021200]、[07888899991912310456]が記憶されているものとする。
【0060】
まず、MFP10Bは、データ一覧画面をパネル表示部240aに表示させる(S901)。
図10(A)に示すように、データ一覧画面は、HD209に記憶されたFコード[03111122222001021200]、[07888899991912310456]それぞれに対応するレコードと、[データ表示]ボタンと、[データ印刷]ボタンと、[データ削除]ボタンとを含む。そして、MFP10Bは、データ一覧画面に表示されたレコードを選択する操作と、[データ表示]ボタン、[データ印刷]ボタン、[データ削除]ボタンを押下する操作とを、操作パネル240bを通じて受け付ける。
【0061】
次に、MFP10Bは、Fコード[03111122222001021200]に対応するレコードを選択する操作と、[データ表示]ボタンを押下する操作とを、操作パネル240bを通じて受け付けたことに応じて(S902)、ネットワークI/F250を通じてファックス送受信サーバ30にダウンロード要求を送信する(S903)。ダウンロード要求は、選択したFコード[03111122222001021200]に対応するファックスデータの送信を要求する情報である。ダウンロード要求は、例えば、Fコード[03111122222001021200]と、自装置を識別するファックス番号[0333334444]とを含む。
【0062】
ファックス送受信サーバ30のファックス送信部34は、ネットワークI/F409を通じてMFP10Bからダウンロード要求を受信したことに応じて(S903)、受信したダウンロード要求に含まれるFコード[03111122222001021200]に対応するファックスデータを、データ管理テーブルから読み出す。そして、ファックス送信部34は、ダウンロード要求に含まれるファックス番号[0333334444]で識別されるMFP10Bに、読み出したファックスデータをネットワークI/F409を通じて送信する(S904)。
【0063】
また、ファックス送信部34は、受信したダウンロード要求を状態更新部35に通知する。そして、状態更新部35は、ダウンロード要求に含まれるFコード[03111122222001021200]及びにファックス番号(=受信先ID)[0333334444]対応する閲覧状態を、
図6(A)に示す[未読状態]から
図6(B)に示す[既読状態]に更新する(S905)。
【0064】
次に、MFP10Bは、ネットワークI/F250を通じてファックス送受信サーバ30からファックスデータを受信したことに応じて(S904)、データ表示画面をパネル表示部240aに表示させる(S906)。
図10(B)に示すように、データ表示画面は、ファックス送受信サーバ30から受信したファックスデータで示される画像と、[前ページ]ボタンと、[次ページ]ボタンと、[拡大]ボタンと、[縮小]ボタンと、[受信先確認]ボタンと、[表示終了]ボタンとを含む。そして、MFP10Bは、データ表示画面に含まれるボタンを押下する操作を、操作パネル240bを通じて受け付ける。
【0065】
MFP10Bは、ファックスデータが複数の画像(ページ)を含む場合において、[前ページ]ボタンが押下された場合に、現在表示中のページの前のページをデータ表示画面に表示させる。また、MFP10Bは、[後ページ]ボタンが押下された場合に、現在表示中のページの次のページをデータ表示画面に表示させる。また、MFP10Bは、[拡大]ボタンが押下された場合に、現在表示中のページを拡大してデータ表示画面に表示させる。また、MFP10Bは、[縮小]ボタンが押下された場合に、現在表示中のページを縮小してデータ表示画面に表示させる。さらに、MFP10Bは、[表示終了]ボタンが押下された場合に、ステップS907以降の処理を実行せずに、ダウンロード処理を終了する。
【0066】
MFP10Bは、[受信先確認]ボタンを押下する操作を操作パネル240bを通じて受け付けた場合に(S907)、ネットワークI/F250を通じてファックス送受信サーバ30に閲覧状態確認要求を送信する(S908)。閲覧状態確認要求は、データ一覧画面で選択されたFコード[03111122222001021200]に対応するファックスデータが、同報送信された複数の受信先装置それぞれで閲覧されたか否かを確認するための情報である。閲覧状態確認要求は、例えば、選択されたFコード[03111122222001021200]と、自装置を識別するファックス番号[0333334444]とを含む。
【0067】
ファックス送受信サーバ30の閲覧状態送信部36は、ネットワークI/F409を通じてMFP10Bから閲覧状態確認要求を受信したことに応じて(S908)、受信した閲覧状態確認要求に含まれるFコード[03111122222001021200]に対応するレコードをデータ管理テーブルから読み出す。そして、閲覧状態送信部36は、閲覧状態確認要求に含まれるファックス番号[0333334444]で識別されるMFP10Bに、ネットワークI/F409を通じて閲覧状態一覧データを送信する(S909)。閲覧状態一覧データは、読み出したレコードに設定された情報(少なくとも、Fコード[03111122222001021200]に対応する全ての閲覧状態)を含む。
【0068】
次に、MFP10Bは、ネットワークI/F250を通じてファックス送受信サーバ30から閲覧状態一覧データを受信したことに応じて(S909)、閲覧状態一覧画面をパネル表示部240aに表示させる(S910)。
図10(C)に示すように、閲覧状態一覧画面は、閲覧状態一覧データに含まれる送信日時[2020/01/02 12:00]と、送信元ID[0311112222]と、Fコード[03111122222001021200]と、複数の受信先ID及び閲覧状態の組(受信先ID[0333334444]-閲覧状態[既読状態]、受信先ID[0655556666]-閲覧状態[未読状態]、受信先ID[0457778888]-閲覧状態[未読状態])と、[表示終了]ボタンとを含む。
【0069】
また図示は省略するが、
図10(A)の[データ印刷]ボタンが押下された場合、ステップS903~S905の処理が実行される。また、MFP10Bは、ステップS906において、プリンタ部232を制御することによって、受信したファックスデータで示される画像をシートに印刷する。さらに図示は省略するが、
図10(A)の[データ削除]ボタンが押下された場合、MFP10Bは、選択されたFコード[03111122222001021200]をHD209から削除する。
【0070】
図11は、スマートフォン20とファックス送受信サーバ30との間で実行されるダウンロード処理のフローチャートである。なお、
図9と共通の処理には同一のステップ番号を付与して詳細な説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0071】
まず、スマートフォン20は、自装置に設定されたユーザID[satoh]及びFコード[03111122222001021200]を含むダウンロード要求を、遠距離通信回路312を通じてファックス送受信サーバ30を送信する(S1101)。ファックス送受信サーバ30の状態更新部35は、ダウンロード要求に含まれるユーザID[satoh]に対応するファックス番号[0333334444]を、ユーザ管理テーブルから読み出す(S1102)。そして、状態更新部35は、ダウンロード要求に含まれるFコード[03111122222001021200]と、読み出したファックス番号[0333334444](=受信先ID)とに対応する閲覧状態を、[未読状態]から[既読状態]に更新する(S905)。
【0072】
上記の実施形態によれば、例えば以下の作用効果を奏する。
【0073】
上記の実施形態によれば、同報送信の複数の受信先装置の閲覧状態をファックス送受信サーバ30で一元管理することによって、同報送信の複数の受信先装置の1つ(例えば、MFP10B)において、他の受信先装置(例えば、MFP10C、MFP10D)の閲覧状態を知ることができる。
【0074】
また、上記の実施形態によれば、同報送信に係る情報を一意に識別するデータIDとして、G3標準プロトコルに準拠したFコードを用いることによって、プロトコルを拡張せずに
図8及び
図9の処理を実現することができる。但し、データIDは、同報送信を一意に識別することができれば、Fコードに限定されない。
【0075】
なお、上記の実施形態では、MFP10Aからファックス送受信サーバ30にFコードが送信される例を説明したが、ステップS801におけるFコードの送信は省略されてもよい。そして、ファックス送受信サーバ30は、MFP10Aから受信した送信元ID及び送信日時を組み合わせて、Fコード(データID)を生成してもよい。
【0076】
また、上記の実施形態によれば、受信先装置のみならず、受信先装置に紐づけられたユーザ端末でもファックスデータを閲覧することができる。そして、ユーザIDとファックス番号(=受信先ID)との対応関係をファックス送受信サーバ30で管理することによって、ユーザ端末によるファックスデータの閲覧を閲覧状態に反映させることができる。
【0077】
さらに、上記の実施形態によれば、同報送信の1回目で受信したファックスデータをデータ管理テーブルに登録し、同報送信の2回目以降で受信したファックスデータの登録を省略することによって、メモリ37の記憶容量を節約することができる。但し、ファックス送受信サーバ30は、同報通信の2回目以降で受信したファックスデータをメモリ37に記憶させてもよい。また、上記の実施形態では、受信先装置の数だけファックスデータを繰り返し送信する例(S801~S802)を説明したが、送信元装置がファックスデータを送信する具体的な方法は前述の例に限定されず、ファックスデータに複数の受信先IDを付加して送信してもよい。
【0078】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0079】
また、送信元装置及び受信先装置は、通信機能を備えた装置であれば、MFP10に限られない。送信元装置及び受信先装置は、例えば、PJ(Projector:プロジェクタ)、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、自動車(Connected Car)、ノートPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPCまたはデスクトップPC等であってもよい。
【0080】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、その技術的要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。上記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者であれば、開示した内容から様々な変形例を実現することが可能である。そのような変形例も、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0081】
1 ファックス送受信システム
10,10A,10B,10C,10D :MFP
20 :スマートフォン
30 :ファックス送受信サーバ
31 :ファックス受信部
32 :記憶処理部
33 :受信通知部
34 :ファックス送信部
35 :状態更新部
36 :閲覧状態送信部
37 :メモリ
100 :通信ネットワーク
201,301,401 :CPU
202a,302,402 :ROM
202b,303,403 :RAM
206 :ASIC
208,405 :HDDコントローラ
210 :コントローラ
220,320 :近距離通信回路
220a,320a :アンテナ
221 :AGPバス
222 :PCIバス
230 :エンジン制御部
231 :スキャナ部
232 :プリンタ部
233 :ファックス部
240 :操作パネル
240a :パネル表示部
240b :操作パネル
250 :ネットワークI/F
305,313 :CMOSセンサ
306,314 :撮像素子I/F
307 :方位センサ
308 :記録メディア
309,416 :メディアI/F
310 :バスライン
311 :GPS受信部
312 :遠距離通信回路
315 :マイク
316 :スピーカ
317 :音入出力I/F
318,406 :ディスプレイ
319,408 :外部機器接続I/F
321 :タッチパネル
409 :ネットワークI/F
410 :データバス
411 :キーボード
412 :ポインティングデバイス
414 :RWドライブ
415 :記録メディア
【先行技術文献】
【特許文献】
【0082】