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特開2023-31481銅精鉱供給設備への銅精鉱の供給方法および銅精鉱供給設備
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023031481
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】銅精鉱供給設備への銅精鉱の供給方法および銅精鉱供給設備
(51)【国際特許分類】
   C22B 15/00 20060101AFI20230302BHJP
【FI】
C22B15/00 102
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021136991
(22)【出願日】2021-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134979
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 博
(74)【代理人】
【識別番号】100167427
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】三浦 修
(72)【発明者】
【氏名】森 勝弘
【テーマコード(参考)】
4K001
【Fターム(参考)】
4K001AA09
4K001BA03
4K001GA04
4K001GB01
(57)【要約】
【課題】自熔炉に供給する原料を適切に調整することができる自熔炉に銅精鉱供給する銅精鉱供給設備への銅精鉱の供給方法および銅精鉱供給設備を提供する。
【解決手段】自熔炉Fに対して銅精鉱Cを供給する銅精鉱供給設備1であって、銅精鉱Cを乾燥する乾燥器2と、乾燥器2から供給される銅精鉱Cが貯留される乾鉱庫10と、乾燥器2から乾鉱庫10に乾燥された銅精鉱Cを気流搬送する気流搬送部5と、を備えており、乾鉱庫10は、気流搬送部5から乾燥された銅精鉱Cが供給される貯留空間11~14を備えており、気流搬送部5は、大粒径精鉱回収部6と、中粒径精鉱回収部7と、小粒径精鉱回収部8と、を備えており、中粒径精鉱回収部7で回収された中粒径の銅精鉱Cの一部について、供給する乾鉱庫10の貯留空間11~14を変更する分配装置20を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自熔炉に対して銅精鉱を供給する銅精鉱供給設備に対する銅精鉱の供給を調整する方法であって、
前記銅精鉱供給設備が、
銅精鉱を乾燥する乾燥器と、
該乾燥器から供給される銅精鉱が貯留される乾鉱庫と、
前記乾燥器から前記乾鉱庫に乾燥された銅精鉱を気流搬送する気流搬送部と、を備えており、
前記乾鉱庫は、
前記気流搬送部から乾燥された銅精鉱が供給される貯留空間を複数備えており、
前記気流搬送部は、
前記乾燥器によって乾燥された銅精鉱のうち、大粒径の銅精鉱を回収する大粒径精鉱回収部と、
該大粒径精鉱回収部で回収されなかった中粒径の銅精鉱を回収する中粒径精鉱回収部と、
該中粒径精鉱回収部および前記大粒径精鉱回収部で回収されなかった小粒径の銅精鉱を回収する小粒径精鉱回収部と、を備えており、
前記中粒径精鉱回収部で回収された中粒径の銅精鉱の一部を、前記小粒径精鉱回収部で回収された小粒径の銅精鉱が供給される貯留空間に供給する
ことを特徴とする銅精鉱供給設備への銅精鉱の供給方法。
【請求項2】
前記乾鉱庫内の各貯留空間の銅精鉱の貯留高さを測定する測定部を備えており、
該測定部の測定結果に基づいて、各貯留空間に供給する前記中粒径の銅精鉱の量を調整する
ことを特徴とする請求項1記載の銅精鉱供給設備への銅精鉱の供給方法。
【請求項3】
前記乾鉱庫内の各貯留空間の銅精鉱の貯留高さを3.5m以上に維持する
ことを特徴とする請求項2記載の銅精鉱供給設備への銅精鉱の供給方法。
【請求項4】
自熔炉に対して銅精鉱を供給する銅精鉱供給設備であって、
前記銅精鉱供給設備が、
銅精鉱を乾燥する乾燥器と、
該乾燥器から供給される銅精鉱が貯留される乾鉱庫と、
前記乾燥器から前記乾鉱庫に乾燥された銅精鉱を気流搬送する気流搬送部と、を備えており、
前記乾鉱庫は、
前記気流搬送部から乾燥された銅精鉱が供給される貯留空間を複数備えており、
前記気流搬送部は、
前記乾燥器によって乾燥された銅精鉱のうち、大粒径の銅精鉱を回収する大粒径精鉱回収部と、
該大粒径精鉱回収部で回収されなかった中粒径の銅精鉱を回収する中粒径精鉱回収部と、
該中粒径精鉱回収部および前記大粒径精鉱回収部で回収されなかった小粒径の銅精鉱を回収する小粒径精鉱回収部と、を備えており、
前記中粒径精鉱回収部で回収された中粒径の銅精鉱の一部について、供給する前記乾鉱庫の貯留空間を変更する分配装置を備えている
ことを特徴とする銅精鉱供給設備。
【請求項5】
前記分配装置が、
前記中粒径精鉱回収部で回収された中粒径の銅精鉱を貯留する中粒径貯留空間と前記中粒径精鉱回収部との間に設けられた、前記中粒径精鉱回収部で回収された中粒径の銅精鉱を前記中粒径貯留空間に供給する供給部と、
該供給部と、前記小粒径精鉱回収部で回収された小粒径の銅精鉱を貯留する小粒径貯留空間と、の間に設けられ、該小粒径貯留空間に前記中粒径の銅精鉱を供給する連結搬送部と、を備えており、
前記供給部は、
前記中粒径精鉱回収部から中粒径の銅精鉱が供給される第一流路と、
該第一流路の排出端と前記中粒径貯留空間とを連通する第二流路と、
前記第一流路の排出端と前記連結搬送部とを連通する第三流路と、
前記第一流路の排出端に設けられた、前記中粒径の銅精鉱を供給する流路を前記第二流路と前記第三流路との間で切り替える分配部と、を備えている
ことを特徴とする請求項4記載の銅精鉱供給設備。
【請求項6】
前記分配部の作動を制御する制御部を備えており、
該制御部は、
前記乾鉱庫内の各貯留空間の銅精鉱の貯留高さを測定する測定部を備えており、
該測定部の測定結果に基づいて、前記分配部の作動を制御する機能を有している
ことを特徴とする請求項5記載の銅精鉱供給設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銅精鉱供給設備への銅精鉱の供給方法および銅精鉱供給設備に関する。さらに詳しくは、自熔炉に装入する前に乾燥した銅精鉱を貯留する銅精鉱供給設備およびかかる銅精鉱供給設備への銅精鉱の供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの金属精錬設備では、燃料消費率が他の製法と比べて低い自熔製錬法が採用されている。自熔製錬法は、自熔炉の反応塔内において乾燥させた粉体状の精鉱(以下、乾鉱ということもある)と空気等を吹き込むことにより、瞬間的に酸化反応を起こさせて所望の濃縮物と不要物とに分離する方法である。この自熔製錬法では、自熔炉を安定して操業することが重要であり、かかる自熔炉の安定操業には、自熔炉に供給する乾鉱の量を適切に調整することが非常に重要となる。
【0003】
自熔炉に供給する乾鉱は、乾燥させた粉体の状態で一時的に乾鉱庫に貯留され、乾鉱庫から所定量の乾鉱が連続的に自熔炉へ搬送される。所定量の乾鉱を乾鉱庫から自熔炉に搬送する方法として、例えば、計量スクリューコンベアを使用する方法が採用されている(例えば、特許文献1、2参照)。この方法では、乾鉱庫の底部(排出口)に計量スクリューコンベアを設け、この計量スクリューコンベアの作動を制御することによって乾鉱庫から自熔炉に搬送し自熔炉に投入する乾鉱の量を調整する。
【0004】
しかし、計量スクリューコンベアによって乾鉱庫から自熔炉に搬送する乾鉱の量は、計量スクリューコンベアの作動状態を同じにした場合でも、乾鉱庫から切り出される乾鉱の量によって変動する。乾鉱庫から切り出される乾鉱の量は、乾鉱庫内の乾鉱の高さや乾鉱の粒度が変化すれば、計量スクリューコンベアの作動状態を同じにしても変化してしまう。したがって、計量スクリューコンベアによって所定量の乾鉱を乾鉱庫から自熔炉へ搬送するには、乾鉱庫内の乾鉱の高さや乾鉱の粒度を一定にすることが必要になる。
【0005】
乾鉱庫に貯留される乾鉱は乾燥設備で乾燥されるが、乾燥設備から乾鉱庫への乾鉱の搬送には、通常、気流搬送が用いられる。気流搬送される間に、乾鉱は、ダストチャンバー(大粒径精鉱回収部)、1次サイクロン(中粒径精鉱回収部)、2次サイクロン(小粒径精鉱回収部)によって固気分離されて回収され、各装置で回収された乾鉱が乾鉱庫に搬送される。乾鉱庫は、通常、その上部は一つの空間となっているが、その下部は複数の貯留空間に分離されており、各装置から搬送される乾鉱は、複数の貯留空間に振り分けられて貯留される。そして、乾鉱庫の各貯留空間の下端には、それぞれ計量スクリューコンベアが設けられており、各貯留空間内の乾鉱が各計量スクリューコンベアから自熔炉に供給される。
【0006】
乾燥設備から乾鉱庫への乾鉱の気流搬送では、固気分離の気体側である排ガス中に乾鉱を残さないようにするために、中粒径精鉱回収部である1次サイクロンまでに乾鉱のほとんどが回収されており、小粒径精鉱回収部である2次サイクロンで回収される乾鉱は少量となる特徴がある。そのため、乾鉱庫の複数の貯留空間のうち、2次サイクロンで回収した乾鉱が振り分けられる貯留空間では乾鉱が少ない状態となり、乾鉱庫内において貯留空間の間で乾鉱の高さにばらつきを生じる。かかる貯留空間の間で乾鉱の高さのばらつきが生じれば、貯留空間内の乾鉱の流動化の一因となる。とくに、小粒径精鉱回収部である2次サイクロンで回収された乾鉱の粒径は小さく、乾鉱庫の貯留空間において圧密されにくいという特徴もあり、乾鉱庫内において中粒径精鉱と小粒径精鉱の偏在があることも乾鉱が流動する一因となる。
【0007】
このような流動化を防止する方法として、特許文献3に記載された技術がある。この技術では、大粒径精鉱回収部で回収された大粒径の銅精鉱を粒径が小さい乾鉱を多く含む貯留空間に供給することによって流動化現象を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10-121159号公報
【特許文献2】特開2011-202221号公報
【特許文献3】特開2017-160526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献3に記載された技術は流動化現象を防止する技術として有効であるものの、大粒径精鉱回収部で回収される大粒径の銅精鉱の量が少ない場合には、粒径が小さい乾鉱を多く含む貯留空間に十分な量の大粒径の銅精鉱を供給できない。すると、粒径が小さい乾鉱を多く含む貯留空間における流動化を防止できず、自熔炉に供給する原料を適切に調整することが難しくなる可能性がある。
【0010】
本発明は上記事情に鑑み、自熔炉に供給する原料を適切に調整することが可能となる銅精鉱供給設備への銅精鉱の供給方法および銅精鉱供給設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
<銅精鉱供給設備への銅精鉱の供給方法>
第1発明の銅精鉱供給設備への銅精鉱の供給方法は、自熔炉に対して銅精鉱を供給する銅精鉱供給設備に対する銅精鉱の供給を調整する方法であって、前記銅精鉱供給設備が、銅精鉱を乾燥する乾燥器と、該乾燥器から供給される銅精鉱が貯留される乾鉱庫と、前記乾燥器から前記乾鉱庫に乾燥された銅精鉱を気流搬送する気流搬送部と、を備えており、前記乾鉱庫は、前記気流搬送部から乾燥された銅精鉱が供給される貯留空間を複数備えており、前記気流搬送部は、前記乾燥器によって乾燥された銅精鉱のうち、大粒径の銅精鉱を回収する大粒径精鉱回収部と、該大粒径精鉱回収部で回収されなかった中粒径の銅精鉱を回収する中粒径精鉱回収部と、該中粒径精鉱回収部および前記大粒径精鉱回収部で回収されなかった小粒径の銅精鉱を回収する小粒径精鉱回収部と、を備えており、前記中粒径精鉱回収部で回収された中粒径の銅精鉱の一部を、前記小粒径精鉱回収部で回収された小粒径の銅精鉱が供給される貯留空間に供給することを特徴とする。
第2発明の銅精鉱供給設備への銅精鉱の供給方法は、第1発明において、前記乾鉱庫内の各貯留空間の銅精鉱の貯留高さを測定する測定部を備えており、該測定部の測定結果に基づいて、各貯留空間に供給する前記中粒径の銅精鉱の量を調整することを特徴とする。
第3発明の銅精鉱供給設備への銅精鉱の供給方法は、第2発明において、前記乾鉱庫内の各貯留空間の銅精鉱の貯留高さを3.5m以上に維持することを特徴とする。
<銅精鉱供給設備>
第4発明の銅精鉱供給設備は、自熔炉に対して銅精鉱を供給する銅精鉱供給設備であって、前記銅精鉱供給設備が、銅精鉱を乾燥する乾燥器と、該乾燥器から供給される銅精鉱が貯留される乾鉱庫と、前記乾燥器から前記乾鉱庫に乾燥された銅精鉱を気流搬送する気流搬送部と、を備えており、前記乾鉱庫は、前記気流搬送部から乾燥された銅精鉱が供給される貯留空間を複数備えており、前記気流搬送部は、前記乾燥器によって乾燥された銅精鉱のうち、大粒径の銅精鉱を回収する大粒径精鉱回収部と、該大粒径精鉱回収部で回収されなかった中粒径の銅精鉱を回収する中粒径精鉱回収部と、該中粒径精鉱回収部および前記大粒径精鉱回収部で回収されなかった小粒径の銅精鉱を回収する小粒径精鉱回収部と、を備えており、前記中粒径精鉱回収部で回収された中粒径の銅精鉱の一部について、供給する前記乾鉱庫の貯留空間を変更する分配装置を備えていることを特徴とする。
第5発明の銅精鉱供給設備は、第4発明において、前記分配装置が、前記中粒径精鉱回収部で回収された中粒径の銅精鉱を貯留する中粒径貯留空間と前記中粒径精鉱回収部との間に設けられた、前記中粒径精鉱回収部で回収された中粒径の銅精鉱を前記中粒径貯留空間に供給する供給部と、該供給部と、前記小粒径精鉱回収部で回収された小粒径の銅精鉱を貯留する小粒径貯留空間と、の間に設けられ、該小粒径貯留空間に前記中粒径の銅精鉱を供給する連結搬送部と、を備えており、前記供給部は、前記中粒径精鉱回収部から中粒径の銅精鉱が供給される第一流路と、該第一流路の排出端と前記中粒径貯留空間とを連通する第二流路と、前記第一流路の排出端と前記連結搬送部とを連通する第三流路と、前記第一流路の排出端に設けられた、前記中粒径の銅精鉱を供給する流路を前記第二流路と前記第三流路との間で切り替える分配部と、を備えていることを特徴とする。
第6発明の銅精鉱供給設備は、第5発明において、前記分配部の作動を制御する制御部を備えており、該制御部は、前記乾鉱庫内の各貯留空間の銅精鉱の貯留高さを測定する測定部を備えており、該測定部の測定結果に基づいて、前記分配部の作動を制御する機能を有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
<銅精鉱供給設備への銅精鉱の供給方法>
第1発明によれば、回収量の多い中粒径の銅精鉱を分配するので、各貯留空間の粒度や貯留高さを均一に近づけることができる。したがって、乾鉱庫の貯留空間から切り出す銅精鉱の量を安定化することができるので、自熔炉に供給する銅精鉱の量を適切に調整することが可能になる。
第2、第3発明によれば、乾鉱庫の各貯留空間内の銅精鉱の貯留高さを適切な高さに調整できるので、自熔炉に供給する銅精鉱の量を適切に調整することが可能になる。
<銅精鉱供給設備>
第4発明によれば、分配装置によって回収量の多い中粒径の銅精鉱を分配するので、各貯留空間の粒度や貯留高さを均一に近づけることができる。したがって、乾鉱庫の貯留空間から切り出す銅精鉱の量を安定化することができるので、自熔炉に供給する銅精鉱の量を適切に調整することが可能になる。
第5発明によれば、中粒径の銅精鉱を確実に分配できる。
第6発明によれば、乾鉱庫の各貯留空間内の銅精鉱の貯留高さを適切な高さに調整できるので、自熔炉に供給する銅精鉱の量を適切に調整することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態の銅精鉱供給設備1の概略説明図であり、(A)は概略配置図であり、(B)は概略平面図である。
図2】(A)は図1(B)のIIA-IIA線概略断面図であり、(B)は分配装置20の要部拡大図である。
図3】(A)は乾鉱庫10の単体概略斜視図であり、(B)は乾鉱庫10の単体概略平面図である。
図4】実験結果を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の銅精鉱供給設備への銅精鉱の供給方法は、自熔炉に供給する銅精鉱を貯留する銅精鉱供給設備の乾鉱庫に対する銅精鉱の供給方法であって、乾鉱庫から銅精鉱を切り出す量を安定させることができるようにしたことに特徴を有している。
【0015】
<銅精鉱供給設備1>
まず、本発明の銅精鉱供給設備への銅精鉱の供給方法に適した銅精鉱供給設備1を説明する。
図1(A)に示すように、銅精鉱供給設備1は、乾燥器2と、乾燥器2で乾燥された銅精鉱Cを貯留する乾鉱庫10と、乾燥器2から乾鉱庫10に銅精鉱を気流搬送する気流搬送部5と、を備えている。
【0016】
<乾燥器2>
乾燥器2は、原料である銅精鉱Cが貯留庫から供給されて、この銅精鉱Cを水分が1%以下になるまで乾燥するものである。この乾燥器2は、銅精鉱Cを所定の水分率まで乾燥できるものであればとくに限定されないが、例えば、フラッシュドライヤーや蒸気ドライヤー等の公知の乾燥装置を乾燥器2として使用できる。
【0017】
<乾鉱庫10>
乾鉱庫10は、上述した乾燥器2で乾燥された銅精鉱Cを貯留する設備である。図3に示すように、この乾鉱庫10は、銅精鉱Cを貯留する4つの貯留空間11~14を備えた中空な箱状の構造物である。この乾鉱庫10内において、上部は貯留空間11~14と連通される一つの供給空間10Aとなっており、下部が互いに分離された貯留空間11~14となっている。各貯留空間11~14は、いずれもホッパーのような構造になっている。例えば、対向する壁面が上方から下方に向かって接近するような構造となっている。そして、各貯留空間11~14の下端には、供給口が形成されており、この供給口の下方には各貯留空間11~14内の銅精鉱Cを切り出して自熔炉Fに供給する軽量スクリューコンベアなどの搬送部15a~15dがそれぞれ設けられている。つまり、各貯留空間11~14の搬送部15a~15dを作動させれば、各貯留空間11~14内の銅精鉱Cを各搬送部15a~15dによって自熔炉Fに供給することができる。
【0018】
図1(B)および図3に示すように、乾鉱庫10の上面には、乾鉱庫10内に銅精鉱Cを供給する供給口10a~10cが設けられている。各供給口10a~10dは、供給空間10Aを介して、貯留空間11~14に連通されている。具体的には、供給口10aは、貯留空間11,12の上方に形成されており、供給口10aを通して銅精鉱Cを貯留空間11,12に供給できるようになっている。また、供給口10bは、貯留空間13,14の上方に形成されており、供給口10bを通して銅精鉱Cを貯留空間13,14に供給できるようになっている。さらに、2つの供給口10cは、それぞれ、隣接する2つの貯留空間11,12の境界の上方および隣接する2つの貯留空間13,14の境界の上方にそれぞれ形成されており、一方の供給口10cを通して銅精鉱Cを貯留空間11,12に供給でき、他方の供給口10cを通して銅精鉱Cを貯留空間13,14に供給できるようになっている。
【0019】
なお、乾鉱庫10において、供給口10a~10cを設ける位置は、各供給口10a~10cから各貯留空間11~14に上述したように銅精鉱Cを供給できる位置であればよく、とくに限定されない。例えば、各貯留空間11~14内で十分に銅精鉱Cが広がるように、各貯留空間11~14の長手方向(図1(B)、図3(B)では左右方向)に振り分けて配置したり、各貯留空間11~14の傾斜壁から離れた位置に重点的に配置したりすることができる。
【0020】
また、後述する気流搬送部5や分配装置20から各供給口10a~10cには配管等を介して銅精鉱Cが供給されるが、この配管等の先端は、各供給口10a~10cを通して乾鉱庫10内に挿入されていてもよい。この場合には、配管等の先端の位置は、各貯留空間11~14内に貯留された銅精鉱Cに接触しない高さ(銅精鉱Cの最大貯留高さより上方)であって、水平方向の位置が上述した各供給口10a~10cと同様に各貯留空間11~14に銅精鉱Cを供給できる位置に設けられていればよい。
【0021】
<気流搬送部5>
図1に示すように、乾燥器2と乾鉱庫10との間には、乾燥器2で乾燥された銅精鉱Cを気流搬送する気流搬送部5を備えている。この気流搬送部5には、空気とともに銅精鉱Cが流される流路5aを備えている。この流路5aには、その上流側端部に銅精鉱Cと気流が供給されており、上流側から下流側に向かって銅精鉱Cが気流搬送されるようになっている(図1(A)の矢印Xの方向)。
【0022】
この流路5aには、上流側から下流側に向かって、大粒径精鉱回収部6、中粒径精鉱回収部7、小粒径精鉱回収部8、がこの順番で配設されている。
【0023】
<大粒径精鉱回収部6>
大粒径精鉱回収部6は、大粒径の銅精鉱Cを回収(捕集)する装置である。この大粒径精鉱回収部6は、例えば10μmより大きい粒径の銅精鉱C(大粒径の銅精鉱C)を回収する機能を有するものであり、例えば、ダストチャンバーなどである。この大粒径精鉱回収部6は、回収した大粒径の銅精鉱Cを乾鉱庫10の供給口10cに供給できるようになっている。つまり、供給口10cを通して、大粒径精鉱回収部6から乾鉱庫10の貯留空間11~14に大粒径の銅精鉱Cが供給できるようになっている。例えば、大粒径精鉱回収部6から重力落下により供給口10cに大粒径の銅精鉱Cを供給してもよい。また、大粒径精鉱回収部6から公知のコンベアなどに大粒径の銅精鉱Cを供給して、公知のコンベアなどによって供給口10cに大粒径の銅精鉱Cを供給してもよい。
【0024】
<中粒径精鉱回収部7>
中粒径精鉱回収部7は、大粒径精鉱回収部6で回収(捕集)されなかった粒径の銅精鉱Cを回収する装置である。この中粒径精鉱回収部6は、大粒径精鉱回収部6で回収しきれなかった銅精鉱Cのうち、例えば5μm以上の粒径の銅精鉱C(中粒径の銅精鉱C)を回収する機能を有するものであり、例えば、サイクロンなどである。この中粒径精鉱回収部7は、分配装置20によって回収した中粒径の銅精鉱Cを乾鉱庫10の供給口10aと供給口10bの両方またはいずれか一方に供給できるようになっている。つまり、供給口10aおよび供給口10bを通して、中粒径精鉱回収部7から貯留空間11~14に中粒径の銅精鉱Cを供給できるようになっている。なお、分配装置20については後述する。また、乾鉱庫10の貯留空間11~14のうち、供給口10bの下方に位置する貯留空間13,14が特許請求の範囲にいう中粒径貯留空間に相当する。
【0025】
<小粒径精鉱回収部8>
小粒径精鉱回収部8は、大粒径精鉱回収部6および中粒径精鉱回収部7で回収(捕集)できなかった粒径の銅精鉱Cを回収する装置である。この小粒径精鉱回収部8は、大粒径精鉱回収部6、中粒径精鉱回収部7で回収しきれなかった銅精鉱C(小粒径の銅精鉱C)を回収する機能を有するものであり、例えば、サイクロンなどである。この小粒径精鉱回収部8は、回収した小粒径の銅精鉱Cを供給口10aに供給できるようになっている。つまり、供給口10aを通して、小粒径精鉱回収部8から貯留空間11,12に小粒径の銅精鉱Cを供給できるようになっている。例えば、小粒径精鉱回収部8から重力落下により供給口10bに小粒径の銅精鉱Cを供給してもよい。また、小粒径精鉱回収部8から公知のコンベアなどに小粒径の銅精鉱Cを供給して、公知のコンベアなどによって供給口10bに小粒径の銅精鉱Cを供給してもよい。なお、乾鉱庫10の貯留空間11~14のうち、供給口10aの下方に位置する貯留空間11,12が特許請求の範囲にいう小粒径貯留空間に相当する。
【0026】
<分配装置20>
図1(B)に示すように、分配装置20は、中粒径精鉱回収部6で回収された中粒径の銅精鉱Cを貯留空間13,14に供給する一対の供給部21,21と、中粒径の銅精鉱Cを貯留空間11,12に供給する一対の連結搬送部26,26と、を備えている。
<供給部21>
図2に示すように、供給部21は、第一流路22と、第二流路23と、第三流路24と、分配部25と、を有している。
【0027】
第一流路22は、その上流側端部に中粒径精鉱回収部7で回収された中粒径の銅精鉱Cが中粒径精鉱回収部7から供給される供給口22aを有している。この第一流路22においてこの中粒径の銅精鉱Cが排出される端部、つまり、第一流路22において供給口22aと反対側に位置する端部には、排出口22bが形成されている。この排出口22bには、第二流路23の供給口23aと第三流路24の供給口24aとが連通されている。つまり、排出口22bから排出される銅精鉱Cを、第二流路23の供給口23aと第三流路24の両方またはいずれか一方に供給できるように、排出口22bが形成されている。
【0028】
<第二流路23>
上述したように、第一流路22の排出口22bには、第二流路23の供給口23aが連通されている。この第二流路23は、第一流路22から供給される中粒径の銅精鉱Cを排出する端部、つまり、第二流路23において供給口23aと反対側に位置する端部に、排出口23bが形成されている。この第二流路23の排出口23bは、乾鉱庫10の供給口10bに連通されている。
【0029】
<第三流路24>
上述したように、第一流路22の排出口22bには、第三流路24の供給口24aが連通されている。この第三流路24も、第一流路22から供給される中粒径の銅精鉱Cを排出する端部、つまり、第三流路24において供給口24aと反対側に位置する端部に、排出口24bが形成されている。この第二流路24の排出口24bは、連結搬送部26に対して中粒径の銅精鉱Cを供給できるようになっている。
【0030】
<分配部25>
分配部25は、第一流路22の排出口22bから排出される中粒径の銅精鉱Cを、第二流路23と第三流路24とに分配して供給する機能を有するものである。例えば、第一流路22の排出口22bから排出される中粒径の銅精鉱Cのすべてを第二流路23と第三流路24のいずれか一方に供給したり、大部分の中粒径の銅精鉱Cを第二流路23に供給し一部の中粒径の銅精鉱Cを第三流路24に供給したり、また、大部分の中粒径の銅精鉱Cを第三流路24に供給し一部の中粒径の銅精鉱Cを第二流路23に供給したりする機能を分配部25は有している。
【0031】
図2(B)に示すように、分配部25は、第二流路23および第三流路24の開度(流路面積)を変更するダンパ25aを有している。図2(B)に示すように、2つのダンパ25aが第二流路23および第三流路24にそれぞれ設けられており、いずれも、第二流路23および第三流路24における中粒径の銅精鉱Cの流動方向と交差する方向に移動するようになっている。つまり、2つのダンパ25aを移動させると、第二流路23および第三流路24を開閉したり開度(流路面積)を調整したりできるようになっている。この分配部25は制御部30に電気的に接続されており、制御部30によって分配部25の作動(つまりダンパ25aの移動)を制御している。
【0032】
なお、分配部25の構成は上記構成に限定されない。第一流路22の排出口22bから排出される中粒径の銅精鉱Cを、上記のように第二流路23と第三流路24とに分配して供給できる構成であればよい。
【0033】
<連結搬送部26>
連結搬送部26は、第二流路24の排出口24bから供給された中粒径の銅精鉱Cを乾鉱庫10の供給口10aに供給するものである。具体的には、連結搬送部26は、第二流路24の排出口24bから上流側端部に供給された中粒径の銅精鉱Cを下流側端部まで搬送し、下流側端部において配管26a等(図1(B)参照)を介して乾鉱庫10の供給口10aに供給するものである。連結搬送部26は、例えば、コンベアなどの公知の搬送装置を使用することができるが、上記機能を有するものであればとくに限定されない。
【0034】
本実施形態の銅精鉱供給設備1が以上のような構成を有しているので、乾燥器2で乾燥された銅精鉱Cを、気流搬送部5によって、その粒径に応じて乾鉱庫10の貯留空間11~14の所定の貯留空間に供給することができる。
しかも、分配装置20によって、回収量の多い中粒径の銅精鉱Cを小粒径の銅精鉱Cが貯留される貯留空間11,12にも分配するので、各貯留空間11~14内の銅精鉱Cの粒度や銅精鉱Cの貯留高さを均一に近づけることができる。
すると、乾鉱庫10の各貯留空間11~14から切り出す銅精鉱Cの量を安定化することができるので、自熔炉Fに供給する銅精鉱Cの量を適切に調整することが可能になる。
【0035】
<測定部31>
上述したように、分配部25の作動を制御して、中粒径の銅精鉱Cを小粒径の銅精鉱Cが貯留される貯留空間11,12に分配するが、分配する量を乾鉱庫10の各貯留空間11~14内の銅精鉱Cの貯留高さに応じて調整するようにしてもよい。つまり、乾鉱庫10の各貯留空間11~14内の銅精鉱Cの貯留高さを測定する測定部31を設け、この測定部31の測定結果に基づいて、制御部30は分配部25の作動を制御してもよい。
【0036】
なお、銅精鉱Cの貯留高さとは、各貯留空間11~14の下端、つまり、排出口が設けられている位置から銅精鉱Cの上面までの高さを意味している。なお、各貯留空間11~14内に貯留されている銅精鉱Cの上面には凹凸があるが、ここでいう銅精鉱Cの上端とは、後述する測定部31の測定器sが設けられている位置における銅精鉱Cの上端(図2(A)ではCtの位置)を意味している。
【0037】
具体的には、乾鉱庫10の各貯留空間11~14内の銅精鉱Cの貯留高さを、測定部31の測定器sによって測定する。例えば、乾鉱庫10の天井、つまり、各貯留空間11~14の上方にマイクロウェーブ計などの測定器sを設け、測定器sによって銅精鉱Cの上端までの距離L3を測定する(図2(A)参照)。測定部31が測定器sから貯留空間11~14の下端までの距離L2のデータを有していれば、測定器sの測定値と距離L2とに基づいて、測定部31は銅精鉱Cの貯留高さL1(L1=L2-L3)を求めることができる。
【0038】
測定部31によって、各貯留空間11~14内の銅精鉱Cの貯留高さが算出されれば、その結果に基づいて、制御部30は分配部25の作動を制御して、乾鉱庫10の各貯留空間11~14内の銅精鉱Cの貯留高さを適切な高さに調整できる。すると、乾鉱庫10の各貯留空間11~14から切り出す銅精鉱Cの量を安定化しやすくなるので、乾鉱庫10の各貯留空間11~14から自熔炉Fに供給する銅精鉱Cの量を調整しやすくなる。
【0039】
乾鉱庫10の各貯留空間11~14内の銅精鉱Cの貯留高さは、乾鉱庫10の各貯留空間11~14から切り出す銅精鉱Cの量を安定化しやすい高さであればよく、とくに限定されない。例えば、いくらかの受け入れ余力を残しながら乾鉱庫10からいつでも銅精鉱Cを供給できるように、乾鉱庫10の内容量を6割~8割程度に保つ高さに維持することが望ましい。例えば、貯留空間11~14の下端から天井までの高さが6m程度の乾鉱庫10の場合であって、各貯留空間11~14に傾斜面が形成されている領域の高さが50cm程度であれば、銅精鉱Cの貯留高さを3.5m以上、好ましくは3.5m以上4.5m以下程度とすることが望ましい。
【0040】
<測定部31の測定器sについて>
測定部31の測定器sは、銅精鉱Cの上面(図2(A)ではCtの位置)までの距離を測定できるものであればよく、とくに限定されない。上述したマイクロウェーブ計などの非接触で銅精鉱Cの上端までの距離を測定できる測定器sを設ければ、距離測定が各貯留空間11~14内の銅精鉱Cの状態に影響を与えないという利点がある。
【0041】
乾鉱庫10において測定部31の測定器sを設ける位置はとくに限定されない。各貯留空間11~14に対して水平方向の中央部に測定器sを設ければ、銅精鉱Cの量を精度よく把握し易くなる。水平方向の中央部に加えて、銅精鉱Cの高さが最も高くなりやすい位置や最も低くなりやすい位置に測定器sを設けてもよく、これらの位置にも測定器sを設ければ、銅精鉱Cの量をより精度よく把握できる。
【0042】
<分配装置20について>
上述したように、分配装置20が実質的に同じ構造の一対の供給部21,21と、実質的に同じ構造の一対の連結搬送部26,26と、を有している場合、分配装置20は、通常、各供給部21に同じ量の中粒径の銅精鉱Cを供給する。しかし、乾鉱庫10に測定部31の測定器sを設けた場合には、各貯留空間11~14内の銅精鉱Cの貯留高さに応じて、一対の供給部21,21に供給する中粒径の銅精鉱Cの量を調整する供給量調整部を分配装置20に設けてもよい。供給量調整部を有していれば、各貯留空間11~14内の銅精鉱Cの貯留高さを均一にしやすくなる。例えば、貯留空間13の銅精鉱Cの貯留高さに比べて貯留空間14の銅精鉱Cの貯留高さよりが大幅に低くなったとする。このとき、供給量調整部によって貯留高さの低い貯留空間14に中粒径の銅精鉱Cを供給する供給部21に、他方の供給部21よりも多くの中粒径の銅精鉱Cを供給するようにすれば、貯留空間13と貯留空間14の銅精鉱Cの貯留高さを均一に近づけることができる。
【0043】
なお、供給量調整部は、分配部25とは別の制御部によって制御されてもよいが、分配部25と同じ制御部30によってその作動が制御されていることが望ましい。この場合、供給量調整部と分配部25の両方で、各貯留空間11~14に供給する中粒径の銅精鉱Cの量を調整できるので、乾鉱庫10の全ての貯留空間11~14の銅精鉱Cの貯留高さを均一に近づけやすくなる。
【実施例0044】
本発明の銅精鉱供給設備への銅精鉱の供給方法により、乾鉱庫内の銅精鉱の貯留高さを均一に近づけることができることを確認した。
【0045】
実験では、上述した分配装置を作動させる前後における乾鉱庫内の銅精鉱の貯留高さを確認した。
【0046】
使用した設備は、上述した図1の設備と同様の構成を有する設備であり、4基のスクリューコンベアによって乾鉱庫から自熔炉に銅精鉱を供給する設備である。なお、乾鉱庫は図3に示す乾鉱庫と同様の構成を有するものである。乾燥器から気体搬送される銅精鉱のうち、大粒径精鉱回収部に相当するダストチャンバーで捕集された銅精鉱は図2の供給口10cに供給され、小粒径精鉱回収部に相当するサイクロンで捕集された銅精鉱は図2の供給口10aに供給され、中粒径精鉱回収部に相当するサイクロンで捕集された銅精鉱は分配装置によって、図2の供給口10a、供給口10bに供給されるようになっている設備である。
【0047】
乾鉱庫内には、各貯留空間の銅精鉱の上面までの距離を測定するマイクロウェーブ計をそれぞれ設けた。分配装置は、マイクロウェーブ計の測定値に基づいて算出される各貯留空間の銅精鉱の貯留高さに基づいて、各貯留空間内の高さの差が1m以内となるように制御した。なお、マイクロウェーブ計は、全ての貯留空間に設け、各貯留空間の天井の水平方向の中央部に設置した。
【0048】
結果を図4に示す。
なお、縦軸に示した銅精鉱の貯留高さレベルは、各貯留空間の高さに対する銅精鉱の貯留高さ(図3のL1)の割合で示している。各貯留空間の天井は全て同じ高さであるので、各貯留空間の銅精鉱の貯留高さレベルを比較することは、実質的に各貯留空間の銅精鉱の貯留高さを比較していることになる。したがって、以下では、銅精鉱の貯留高さレベルを銅精鉱の貯留高さという場合がある。
【0049】
図4(A)に示すように、分配装置を作動しなかった場合には、小粒径貯留空間(第1、3室、図3の貯留空間11,12に相当する)の銅精鉱の貯留高さと、中粒径貯留空間(第2、4室、図3の貯留空間13,14に相当する)の銅精鉱の貯留高さは、20%以上の差があり、小粒径貯留空間の銅精鉱の貯留高さが低くなっていた。
【0050】
一方、分配装置を作動させた場合には、図4(B)に示すように、小粒径貯留空間の貯留高さを高く、中粒径貯留空間の銅精鉱の貯留高さを低くすることができた。そして、小粒径貯留空間の銅精鉱の貯留高さと中粒径貯留空間の銅精鉱の貯留高さとの差を、最大でも10%程度にすることができた。
【0051】
以上の結果より、本発明の銅精鉱供給設備への銅精鉱の供給方法が、乾鉱庫内の銅精鉱の貯留高さを均一に近づけること効果を発揮することが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明の銅精鉱供給設備への銅精鉱の供給方法は、銅精鉱などを原料とする非鉄金属の製錬において銅精鉱供給設備に粉体を供給する方法として適している。
【符号の説明】
【0053】
1 銅精鉱供給設備
2 乾燥器
5 気流搬送部
6 大粒径精鉱回収部
7 中粒径精鉱回収部
8 小粒径精鉱回収部
10 乾鉱庫
11 貯留空間
12 貯留空間
13 貯留空間
14 貯留空間
20 分配装置
21 供給部
22 第一流路
23 第二流路
24 第三流路
25 分配部
26 連結搬送部
30 制御部
31 測定部
T 銅精鉱
F 自熔炉
C 銅精鉱
図1
図2
図3
図4