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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023032285
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/14 20060101AFI20230302BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
B41J2/14 611
B41J2/01 401
B41J2/01 451
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021138322
(22)【出願日】2021-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】山中 健太郎
【テーマコード(参考)】
2C056
2C057
【Fターム(参考)】
2C056EA20
2C056EB07
2C056EB39
2C056EB40
2C056EC07
2C056EC38
2C057AF61
2C057AL13
2C057AM40
2C057AN01
2C057AN05
2C057AR14
2C057BA04
2C057BA14
(57)【要約】
【課題】共通電圧用の配線を含む場合において電気接続不良の検出を行うことを可能にする。
【解決手段】液体を吐出する液体吐出ヘッドは、液体の吐出を制御する制御元の各配線を接続する接続部と、各配線の制御元からの電気接続を切断する第1スイッチと、第1スイッチにより電気接続を切断する各配線に対し検査用電源から検査用電圧の印加とグランドへの接続を選択的に切り替える第2スイッチと、各配線の検査順に、第2スイッチを切り替えて各配線のうちの一つの配線に検査用電圧を印加して残りの配線にグランドを接続する制御を行う制御部と、検査用電圧を印加した各配線の電位に基づき電気接続不良を検出する検出部と、を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を吐出する液体吐出ヘッドであって、
前記液体の前記吐出を制御する制御元の各配線を接続する接続部と、
前記各配線の前記制御元からの電気接続を切断する第1スイッチと、
前記第1スイッチにより前記電気接続を切断する前記各配線に対し検査用電源から検査用電圧の印加とグランドへの接続を選択的に切り替える第2スイッチと、
前記各配線の検査順に、前記第2スイッチを切り替えて前記各配線のうちの一つの配線に前記検査用電圧を印加して残りの配線に前記グランドを接続する制御を行う制御部と、
前記検査用電圧を印加した前記各配線の電位に基づき電気接続不良を検出する検出部と、
を有する液体吐出ヘッド。
【請求項2】
前記制御元の各配線は、前記液体と吐出させる圧電アクチュエータを駆動する配線を有し、
前記圧電アクチュエータを駆動する配線として、前記圧電アクチュエータの第1電極に印加される駆動電圧の配線と第2電極に印加される共通電圧の配線とがある、
請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項3】
前記圧電アクチュエータの第1電極に印加される駆動電圧の配線として、第1駆動電圧の配線と第2駆動電圧の配線とがある、
請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項4】
前記圧電アクチュエータを駆動する配線として、複数の前記圧電アクチュエータの中から駆動対象の圧電アクチュエータを選択するICへの電源配線がある、
請求項2または3に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項5】
請求項1~4のうちの何れか一項に記載の液体吐出ヘッドと、
前記液体が付着可能なものに前記液体吐出ヘッドの前記液体を吐出する搬送制御を行う搬送制御部と、
を有する液体吐出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インクジェットヘッドは圧電アクチュエータの駆動によりノズルからインクの液滴を吐出する。インクジェットヘッドは、インクジェットヘッドのコネクタ部と駆動回路とを接続し、駆動回路により圧電アクチュエータを駆動する。
【0003】
駆動回路とインクジェットヘッドとをケーブルで接続する場合に、ケーブルコネクタへのインクの付着やケーブルコネクタの嵌合不良などによりコネクタ端子間が短絡して回路が破損することがある。これを防止する技術として、駆動電圧側の短絡を検出する技術が開示されている(特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、昨今のインクジェットヘッドにおいて、圧電アクチュエータの負極側の電極をGNDに接続せずに共通電圧を印加して駆動するものがある。この場合、従来の方法では共通電圧用の配線の接続不良の検出が行えず、そこに電気接続不良があると回路が破損する恐れがあるという問題がある。
【0005】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、共通電圧用の配線を含む場合において電気接続不良の検出を行うことが可能な液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、液体を吐出する液体吐出ヘッドは、前記液体の前記吐出を制御する制御元の各配線を接続する接続部と、前記各配線の前記制御元からの電気接続を切断する第1スイッチと、前記第1スイッチにより前記電気接続を切断する前記各配線に対し検査用電源から検査用電圧の印加とグランドへの接続を選択的に切り替える第2スイッチと、前記各配線の検査順に、前記第2スイッチを切り替えて前記各配線のうちの一つの配線に前記検査用電圧を印加して残りの配線に前記グランドを接続する制御を行う制御部と、前記検査用電圧を印加した前記各配線の電位に基づき電気接続不良を検出する検出部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、共通電圧用の配線を含む場合において電気接続不良の検出を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の実施の形態にかかる一例の液体吐出ヘッドの圧力室長手方向の断面図である。
図2図2は、図1のノズル配列方向に沿う断面を説明するA-A断面図である。
図3図3は、液体吐出ヘッドの一例の電気系統のブロック図である。
図4図4は、駆動回路に検査回路を設けた構成の一例を示す図である。
図5図5は、検査時の駆動回路の動作説明図である。
図6図6は、検査後の通常動作時の駆動回路の動作説明図である。
図7図7は、検査シーケンスの動作フローの一例を示す図である。
図8図8は、第2の実施の形態にかかる液体吐出装置の一例の液体吐出ヘッドの外観図である。
図9図9は、図8の液体吐出ヘッドの内部の構成を示す断面図である。
図10図10は、液体吐出装置の一例の印刷装置の概略説明図である。
図11図11は、複数のサブモジュールを設けたヘッドの構成の一例を示す図である。
図12図12は、液体を循環させる液体循環装置の説明図である。
図13図13は、第2の実施の形態の変形例1にかかる印刷装置の要部平面図である。
図14図14は、図13の要部側面図である。
図15図15は、変形例2にかかる液体吐出ヘッドの正面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置の実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
(第1の実施の形態)
(液体吐出ヘッド)
図1および図2は、第1の実施の形態にかかる液体吐出ヘッドの吐出構造の一例を示す図である。図1は、液体吐出ヘッドの圧力室長手方向(ノズル配列方向に直交する方向)の断面図である。図2は、ノズル配列方向に沿う断面を説明するA-A断面図である。
【0011】
第1の実施の形態の液体吐出ヘッドの一例である液体吐出ヘッド100は、ノズル板1と、個別流路部材である流路板2と、壁面部材としての振動板部材3とを積層接合している。そして、振動板部材3の振動領域(振動板)30を変位させる圧電アクチュエータ11と、ヘッドのフレーム部材を兼ねている共通流路部材20とを備えている。
【0012】
ノズル板1は、液体を吐出する複数のノズル4を有している。
【0013】
流路板2は、複数のノズル4に通じる複数の圧力室6と、各圧力室6にそれぞれ通じる個別流路である個別供給流路7と、1又は複数(本実施の形態では1つ)の個別供給流路7に通じる液導入部となる中間供給流路8を形成している。ここで流路板2を、一例として第1流路板2Aと第2流路板2Bとの2層構造としているが、2層構造に限定するものではない。
【0014】
振動板部材3は、流路板2の圧力室6の壁面を形成する変位可能な複数の振動板(振動領域)30を有する。ここで振動板部材3を、一例として流路板2側から薄肉部を形成する第1層3Aと厚肉部を形成する第2層3Bとの2層構造としているが、2層構造に限定するものではない。
【0015】
そして、薄肉部である第1層3Aで圧力室6に対応する部分に変形可能な振動領域30を形成している。振動領域30内には、第2層3Bで圧電アクチュエータ11と接合する厚肉部である凸部30aを形成している。
【0016】
そして、振動板部材3の圧力室6とは反対側に、振動板部材3の振動領域30を変形させる駆動手段(アクチュエータ手段、圧力発生手段)としての電気機械変換素子を含む圧電アクチュエータ11を配置している。
【0017】
この圧電アクチュエータ11は、ベース部材13上に接合した圧電部材にハーフカットダイシングによって溝加工をして、ノズル配列方向において、所要数の柱状の圧電素子12を所定の間隔で櫛歯状に形成している。そして、圧電素子12は、振動板部材3の振動領域30に形成した厚肉部である凸部30aに接合している。
【0018】
この圧電素子12は、圧電層と内部電極とを交互に積層したものであり、内部電極がそれぞれ端面に引き出されて外部電極(端面電極)に接続され、外部電極にフレキシブル配線部材15が接続されている。
【0019】
共通流路部材20は複数の圧力室6に通じる共通供給流路10を形成している。共通供給流路10は、振動板部材3に設けた開口部9を介して液導入部となる中間供給流路8に連通し、中間供給流路8を介して個別供給流路7に通じている。
【0020】
この液体吐出ヘッド100においては、例えば圧電素子12に与える電圧を基準電位(中間電位)から下げることによって圧電素子12が収縮し、振動板部材3の振動領域30が引かれて圧力室6の容積が膨張することで、圧力室6内に液体が流入する。
【0021】
その後、圧電素子12に印加する電圧を上げて圧電素子12を積層方向に伸長させ、振動板部材3の振動領域30をノズル4に向かう方向に変形させて圧力室6の容積を収縮させることにより、圧力室6内の液体が加圧され、ノズル4から液体が吐出される。
【0022】
(駆動回路の構成)
図3は、液体吐出ヘッド100の電気系統のブロック図である。図3に示されるように、液体吐出ヘッド100は、駆動回路200を有し、液体吐出ヘッド100の屈曲ケーブルKを駆動回路200のコネクタ250に接続して駆動させる。ここで、屈曲ケーブルKは、例えばFPC(Flexible Printed Circuits)ケーブルなどであり、液体吐出ヘッド100側では各種端子と接続されている。コネクタ250は「接続部」に相当する。IC150は、複数の圧電素子12から駆動対象の圧電素子を選択的にスイッチングするロジック回路である。
【0023】
例えば印刷装置などの本体制御部は、画像情報及び印刷開始コマンドに基づいて、液体吐出ヘッド100の各ノズルの大滴用の波形、中滴用の波形又は小滴用の波形を選択し、いずれかの駆動波形が、各圧電素子に供給されるようにされている。この例では、IC150により、いずれかの各圧電素子に選択的に駆動波形が印加される。
【0024】
屈曲ケーブルKには、IC150に電源を供給する電源配線や、圧電素子12に駆動電圧波形を出力する配線や、圧電素子12に共通電圧を出力する配線などが含まれる。これらの電気接続が正常な場合、駆動回路200側と液体吐出ヘッド100側の対応する配線がそれぞれ接続され、駆動回路200により液体吐出ヘッド100が正常に動作する。駆動回路200には検査回路を設けており、接続が正常な状態で駆動できるように事前に各端子の検査を行う。
【0025】
図4は、駆動回路200に検査回路を設けた構成の一例を示す図である。検査回路は、コネクタ250の各端子の電気接続不良を検査するための回路である。図4に示される駆動回路200は、液体吐出ヘッド100の液体の吐出を制御する制御元の電源供給部210として、第1駆動電圧増幅部211と、第2駆動電圧増幅部212と、共通電圧生成部213と、電源214とを有する。
【0026】
第1駆動電圧増幅部211は、第1駆動電圧元波形201に入力される第1波形信号を増幅して第1駆動電圧を生成する。第2駆動電圧増幅部212は、第2駆動電圧元波形202に入力される第2波形信号を増幅して第2駆動電圧を生成する。共通電圧生成部213は、共通電圧を生成する。
【0027】
図4に示す例では説明を分かり易くするために、液体吐出ヘッド100が1つの場合の典型的な構成を1例として示したものである。この例において、第1駆動電圧増幅部211が生成した第1駆動電圧と、第2駆動電圧増幅部212が生成した第2駆動電圧との2系統が液体吐出ヘッド100の圧電素子12の第1電極に印加される電圧として出力される。共通電圧は圧電素子12の第2電極に印加される電圧として出力される。電源214はIC150に電源電圧を供給する。これら出力線は、それぞれ、コネクタ250に設けた2系統の駆動電圧端子と、1系統の共通電圧端子と、電源電圧端子とに配線されている。また、コネクタ250のグランド(GND)端子には駆動回路200のGNDが配線されている。
【0028】
図4に示されるように、駆動回路200には電源供給部210から後段への出力をオフする第1スイッチ221が設けられている。第1スイッチ221は、例えばトランジスタまたはMOSFETで構成された電子スイッチであり、電子スイッチの制御により、電源供給部210と後段との電気接続を切断する。つまり、第1スイッチ221がオンすると、電源供給部210と各配線が電気的に接続され、第1スイッチ221がオフすると各配線が電気的に切断される。なお、第1スイッチ221として、電源供給部210の各配線に電子スイッチを個別に設けているが、これらは共に同じ切替動作を行う。
【0029】
また、駆動回路200に検査回路300を設けている。検査回路300は、主に、制御部301と、検査用電源供給部311と、第2スイッチ321と、出力線部331と、出力電位測定部341と、比較部351と、スイッチ切替生成部361とに相当する。このうち主に出力電位測定部341と、比較部351と、スイッチ切替生成部361とが「検出部」に相当する。
【0030】
制御部301は、駆動回路200において検査のシーケンスを実行する。例えば制御部301は、液体吐出ヘッド100が屈曲ケーブルKを介してコネクタ250に接続されると、検査シーケンスを実行してコネクタ250の各端子の電気接続不良を検査する。検査シーケンスの実行により電気接続不良が見つかった場合には作業者に報知し、コネクタ250の端子への液体の付着や、コネクタ250と屈曲ケーブルKとの嵌合不良などを作業者に確認させる。
【0031】
検査用電源供給部311は、電源供給部210からの出力が切られている場合に電源供給部210の各配線に検査用電圧を印加する。この例では、電源供給部210の各配線に対応させて、検査用電源供給部311から検査用電圧を印加する配線を施している。
【0032】
電源供給部210からの各配線と、検査用電源供給部311からの各配線は、対応する線同士を、出力線部331で接続している。出力線部331からコネクタ250へは、検査用電源供給部311からの各配線が接続された、電源供給部210の各出力線が配線されている。
【0033】
検査用電源供給部311は、例えば二次電池などから生成した直流電圧を検査用電圧として印加する。駆動回路200は二次電池を搭載していてもよいし、外部から供給を受けてもよい。
【0034】
第2スイッチ321は、第1スイッチ221がオフにされた状態のときに検査用電源供給部311が出力線部331の各配線に印加する検査用電圧とGND接続とを選択的に切り替える個別スイッチである。この個別スイッチは、オンで検査用電源供給部311から対応する配線へ検査用電圧を印加し、オフで対応する配線をGNDに接続する電子スイッチである。
【0035】
出力電位測定部341は、出力線部331からコネクタ250へ接続されている各配線の電位を測定し、測定した電位を比較部351に出力する。比較部351は、出力電位測定部341が測定した電位と、予め設定されている設定電位とを比較し、比較結果をスイッチ切替生成部361に出力する。
【0036】
(駆動回路の動作)
図5は、検査時の駆動回路200の動作説明図であり、図6は、検査後の通常動作時の駆動回路200の動作説明図である。
【0037】
(検査時)
第1スイッチ221は初期状態でオフになっている。図5に示されるように駆動回路200の第1スイッチ221がオフになっている場合、電源供給部210から出力線部331への出力が止められている。制御部301は、第2スイッチ321により、コネクタ250の各端子の電気接続不良を検査する。例えば制御部301は、第2スイッチ321の一つをオンし、残りの第2スイッチ321をオフにする切り替えを、第2スイッチ321の4つすべてに対して配線の検査順に繰り返す。配線の検査順は、任意に設定してよい。そして、制御部301は、第2スイッチ321の4つすべてに対して切り替えを終えると、検査用電源供給部311からの供給を停止し、各配線からすべて切り離す。制御部301が第2スイッチ321の一つから他の一つへ切り替えを行うタイミングとしては、スイッチ切替生成部361に比較結果が入力されたことを条件にスイッチ切替生成部361が出力する切替信号をトリガにすることができる。
【0038】
なお、制御部301は、スイッチ切替生成部361から切替信号と共に正常範囲内か正常範囲外かを示す比較結果を取得し、正常範囲外の場合に、作業者に報知することができる。ここで、配線の接続が正常な場合には、検査用電圧の印加により検査対象の配線から測定される出力電位測定部341の電位が上昇するので、比較部351で正常の閾値の設定電位を上回り正常と判断できる。また、配線の接続が不良な場合には、検査用電圧の印加により検査対象の配線から測定される出力電位測定部341の電位が比較部351の設定電位を下回り電気接続不良と判断できる。例えば、インクの付着やコネクタ端子との嵌合不良などにより検査対象の配線が他の配線と短絡している場合には、検査用電圧の印加により検査対象の配線から測定される出力電位測定部341の電位が上昇せずGNDレベルのままになるので、比較部351の設定電位を下回り電気接続不良と判断できる。作業者は、検査した各端子について電位の比較結果が正常範囲内であれば、端子の接続は正常であると判断し、正常範囲外であれば、その端子は接続不良があると判断する。
【0039】
(検査後)
検査後は、例えば印刷装置などの本体制御部からの指示により、図6に示されるように制御部301が第1スイッチ221をオンして電源供給部210による出力線部331への出力を開始して、液体吐出ヘッド100が通常の液体吐出動作を行う。
【0040】
事前にコネクタ250の各端子の検査により電気接続不良が解消されているため、電源供給部210をオンに端子間の短絡などにより回路破損が生じることを防止することができる。
【0041】
図7は、検査シーケンスの動作フローの一例を示す図である。初期の組付け時やメンテナンス時などにおいて液体吐出ヘッド100が屈曲ケーブルKを介してコネクタ250に接続されたとき、制御部301が所定のタイミングで検査シーケンスを実行する。なお、制御部301は、本体制御部から指示されたタイミングなど、その他のタイミングで検査シーケンスを実行してもよい。
【0042】
図7(a)に示されるように、制御部301は、検査時にまず、第1スイッチ221がオフであるかを確認する(S1)。初期状態で第1スイッチ221はオフとなっているが、第1スイッチ221がオフでない場合は、第1スイッチ221をオフにしてから検査を実行する。
【0043】
続いて、制御部301は、第2スイッチ321のうちのスイッチ2-1をオンし、第2スイッチ321のうち他のスイッチ2-2~スイッチ2-4をオフし、検査用電圧で配線の短絡を検査する(S2)。
【0044】
続いて、制御部301は、第2スイッチ321のうちのスイッチ2-2をオンし、第2スイッチ321のうち他のスイッチ2-1、2-3、2-4をオフし、検査用電圧で配線の短絡を検査する(S3)。
【0045】
続いて、制御部301は、第2スイッチ321のうちのスイッチ2-3をオンし、第2スイッチ321のうち他のスイッチ2-1、2-2、2-4をオフし、検査用電圧で配線の短絡を検査する(S4)。
【0046】
続いて、制御部301は、第2スイッチ321のうちのスイッチ2-4をオンし、第2スイッチ321のうち他のスイッチ2-1、2-2、2-3をオフし、検査用電圧で配線の短絡を検査する(S5)。
【0047】
そして、制御部301は、短絡などの不良箇所がある場合に電気接続不良として報知し(S6)、本検査シーケンスを終了する。S2~S5の各検査で配線の電位が正常範囲外、例えば短絡していれば正常範囲外のGNDになるので、その場合に、制御部301は接続不要を報知する。制御部301が電気接続不良を報知する報知手段は、例えば、報知ランプを設けて報知ランプを点灯させたり、操作画面に電気接続不良や不良箇所の端子番号を表示させたり、作業者が電気接続不良と分かる方法であれば適宜設定してよい。
【0048】
図7(b)は、S2、S3、S4、S5の各検査の詳細シーケンスの一例を示す図である。図7(b)に示されるように、制御部301は、第2スイッチ321のうちのスイッチ2-nをオンし、第2スイッチ321のうちスイッチ2-n以外のスイッチをオフし、配線に検査用電圧を印加する(S11)。つまり、第2スイッチ321のうちのスイッチ2-nに対応する配線には検査用電圧が印加され、第2スイッチ321のうち残りのスイッチに対応する配線には、GNDが接続される。
【0049】
続いて、出力電位測位部が検査対象の配線の電位を測定し(S12)、比較部が設定電圧と配線の測定電位とを比較して比較結果を出力する(S13)。
【0050】
続いて、スイッチ切換生成部がスイッチ切替信号を生成して制御部301に出力する(S14)。
【0051】
なお、第1の実施の形態は、液体吐出ヘッド100がサブモジュールとして複数装着されている場合にも適用可能である。例えば液体吐出ヘッド100をサブモジュールとしてベース部材上に並べて配置したヘッドアレイがある。ヘッドアレイに8つのサブモジュールが設けられているとすると、駆動電圧の系統数×サブモジュール数は2×8となるため、駆動電圧の配線が16本、共通電圧の配線はサブモジュール数であるため8本となる。つまり、サブモジュールの数が増加することで屈曲ケーブルKを介して駆動回路200に接続される配線数が増大する。駆動回路200には、各配線に対応する数の第2スイッチが設けられることになり、各第2スイッチが順に切り替えられる。
【0052】
以上のように、共通電圧が使用されている場合であっても、検査回路により液体吐出ヘッドの使用前にそれぞれの配線が短絡していないことを確認することができる。このため、配線の短絡により過電流が駆動回路および液体吐出ヘッドに流れることを防止することができ、駆動回路と液体吐出ヘッドとを保護することができる。
【0053】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態として、印刷装置を例に液体吐出装置について説明する。なお、印刷装置の液体吐出ヘッド100には、一例として循環型液体吐出ヘッドを採用したものを示す。
【0054】
図8および図9は、第2の実施の形態にかかる液体吐出装置の液体吐出ヘッド100の構成を示す図である。図8は、液体吐出ヘッド100の外観図であり、図9は、液体吐出ヘッド100の内部の構成を示す断面図である。なお、図8および図9において、図1と同じ要素には同一番号を付し、第1の実施の形態と異なる点を説明する。
【0055】
液体吐出ヘッド100は、ノズル板1と、流路板2と、壁面部材としての振動板部材3とを積層接合している。そして、振動板部材3の振動領域(振動板)30を変位させる圧電アクチュエータ11と、ヘッドのフレーム部材を兼ねている共通流路部材20とを備えている。
【0056】
そして、流路板2は、複数のノズル4に各々ノズル連通路5を介して通じる複数の圧力室6と、複数の圧力室6に各々通じる複数の流体抵抗部を兼ねる個別供給流路7と、2以上の個別供給流路7に通じる1又は複数の液導入部となる中間供給流路8などを形成している。
【0057】
個別供給流路7は、圧力室6よりも流体抵抗が高い2つの第1流路部7A及び第2流路部7Bと、第1流路部7Aと第2流路部7Bとの間に配置され、第1流路部7A及び第2流路部7Bよりも流体抵抗が低い第3流路部7Cとを含む。
【0058】
なお、流路板2は、複数枚の板状部材2A~2Eを積層して構成しているが、これに限るものではない。
【0059】
また、流路板2は、複数の圧力室6にノズル連通路5を介して各々通じる流路板2の面方向に沿う複数の個別回収流路57と、2以上の個別回収流路57に通じる1又は複数の液導出部となる中間回収流路58を形成している。
【0060】
個別回収流路57は、圧力室6よりも流体抵抗が高い2つの第1流路部57A及び第2流路部57Bと、第1流路部57Aと第2流路部57Bとの間に配置され、第1流路部57A及び第2流路部57Bよりも流体抵抗が低い第3流路部57Cとを含む。個別回収流路57は、第2流路部57Bよりも循環方向において下流側となる流路部57Dは第3流路部57Cと同じ流路幅にしている。
【0061】
共通流路部材20は、共通供給流路10と共通回収流路50とを形成している。なお、本実施の形態においては、共通供給流路10は、ノズル配列方向において共通回収流路50と並ぶ流路部分10Aと、共通回収流路50と並ばない流路部分10Bとで構成している。
【0062】
共通供給流路10は、振動板部材3に設けた開口部9を介して液導入部となる中間供給流路8に連通し、中間供給流路8を介して個別供給流路7に通じている。共通回収流路50は、振動板部材3に設けた開口部59を介して液導出部となる中間回収流路58に連通し、中間回収流路58を介して個別回収流路57に通じている。
【0063】
また、共通供給流路10は供給ポート71に通じ、共通回収流路50は回収ポート72に通じている。
【0064】
なお、その他の振動板部材3の層構成、圧電アクチュエータ11の構成などは、第1の実施の形態と同様である。
【0065】
この液体吐出ヘッド100においても、第1の実施の形態と同様にして、圧電素子12を積層方向に伸長させ、振動板部材3の振動領域30をノズル4に向かう方向に変形させて圧力室6の容積を収縮させることにより、圧力室6内の液体が加圧され、ノズル4から液体が吐出される。
【0066】
また、ノズル4から吐出されない液体はノズル4を通過して個別回収流路57から共通回収流路50に回収され、共通回収流路50から外部の循環経路を通じて共通供給流路10に再度供給される。また、ノズル4から液体吐出を行っていないときも、共通供給流路10から圧力室6を経て共通回収流路50に液体が循環し、外部の循環経路を通じて共通供給流路10に再度供給される。
【0067】
本実施の形態においても、簡単な構成で、液体吐出に伴う圧力変動を減衰して、共通供給流路10、共通回収流路50に対する伝搬を抑制することができる。
【0068】
図10図12は、液体吐出装置の全体構成の説明図である。図10に液体吐出装置の一例として印刷装置の概略説明図を示している。図11には、複数のサブモジュールを設けたヘッドの構成の一例を示している。図12は、液体を循環させる液体循環装置の説明図である。
【0069】
この印刷装置500は、連続体510を搬入する搬入手段501と、搬入手段501から搬入された連帳紙、シート材などの連続体510を印刷手段505に案内搬送する案内搬送手段503と、連続体510に対して液体を吐出して画像を形成する印刷を行う印刷手段505と、連続体510を乾燥する乾燥手段507と、連続体510を搬出する搬出手段509などを備えている。ここで連続体510は、「液体が付着可能なもの」の一例である。搬入手段501と、案内搬送手段503と、搬出手段509などが「搬送制御部」の一例である。
【0070】
連続体510は搬入手段501の元巻きローラ511から送り出され、搬入手段501、案内搬送手段503、乾燥手段507、搬出手段509の各ローラによって案内、搬送されて、搬出手段509の巻取りローラ591にて巻き取られる。
【0071】
この連続体510は、印刷手段505において、搬送ガイド部材上をヘッドユニット550及びヘッドユニット555に対向して搬送され、ヘッドユニット550から吐出される液体によって画像が形成され、ヘッドユニット555から吐出される処理液で後処理が行われる。
【0072】
ここで、ヘッドユニット550には、例えば、搬送方向上流側から、4色分のフルライン型ヘッドアレイ551A、551B、551C、551D(以下、色の区別しないときは「ヘッドアレイ551」という。)が配置されている。
【0073】
各ヘッドアレイ551は、それぞれ、搬送される連続体510に対してブラックK、シアンC、マゼンタM、イエローYの液体を吐出する。なお、色の種類及び数はこれに限るものではない。
【0074】
ヘッドアレイ551は、例えば、サブモジュールである液体吐出ヘッド100をベース部材552上に千鳥状に並べて配置したものであるが、これに限らない。
【0075】
次に、液体循環装置の一例について説明する。なお、図12には1つの液体吐出ヘッド100のみ図示しているが、複数のサブモジュールを配列する場合には、マニホールドなどを介して複数のサブモジュールの供給側、回収側にそれぞれ供給側液体経路、回収側液体経路を接続することになる。
【0076】
液体循環装置600は、供給タンク601、回収タンク602、メインタンク603、第1送液ポンプ604、第2送液ポンプ605、コンプレッサ611、レギュレータ612、真空ポンプ621、レギュレータ622、供給側圧力センサ631、回収側圧力センサ632などで構成されている。
【0077】
ここで、コンプレッサ611及び真空ポンプ621は、供給タンク601内の圧力と回収タンク602内の圧力とに差圧を生じさせる手段を構成している。
【0078】
供給側圧力センサ631は、供給タンク601と液体吐出ヘッド100との間であって、液体吐出ヘッド100の供給ポート71に繋がった供給側液体経路に接続されている。回収側圧力センサ632は、液体吐出ヘッド100と回収タンク602との間であって、液体吐出ヘッド100の回収ポート72に繋がった回収側液体経路に接続されている。
【0079】
回収タンク602の一方は、第1送液ポンプ604を介して供給タンク601と接続されており、回収タンク602の他方は第2送液ポンプ605を介してメインタンク603と接続されている。
【0080】
これにより、供給タンク601から供給ポート71を通って液体吐出ヘッド100内に液体が流入し、回収ポート72から回収タンク602へ回収され、第1送液ポンプ604によって回収タンク602から供給タンク601へ液体が送られることによって、液体が循環する循環経路が構成される。
【0081】
ここで、供給タンク601にはコンプレッサ611がつなげられており、供給側圧力センサ631で所定の正圧が検知されるように制御される。一方、回収タンク602には真空ポンプ621がつなげられており、回収側圧力センサ632で所定の負圧が検知されるよう制御される。
【0082】
これにより、液体吐出ヘッド100内を通って液体を循環させつつ、メニスカスの負圧を一定に保つことができる。
【0083】
また、液体吐出ヘッド100のノズル4から液体を吐出すると、供給タンク601及び回収タンク602内の液体量が減少していく。そのため、適宜、第2送液ポンプ605を用いて、メインタンク603から回収タンク602に液体を補充する。
【0084】
なお、メインタンク603から回収タンク602への液体補充のタイミングは、回収タンク602内の液体の液面高さが所定高さよりも下がったときに液体補充を行うなど、回収タンク602内に設けた液面センサなどの検知結果によって制御することができる。
【0085】
第2の実施の形態にかかる液体吐出装置において、液体吐出ヘッド100を駆動する駆動回路は第1の実施の形態と同様に設けることができる。制御部301は、液体吐出装置本体の制御部に設けてもよい。その他の駆動回路の説明は、第1の実施の形態の説明の繰り返しになるため、ここでの説明は省略する。
【0086】
(第2の実施の形態の変形例1)
印刷装置500の変形例1として、シリアル型装置について説明する。
図13は、変形例1にかかる印刷装置500の要部平面図であり、図14は、要部側面図である。
【0087】
この印刷装置500は、シリアル型装置であり、「搬送制御部」の一例である主走査移動機構493によって、キャリッジ403は主走査方向に往復移動する。主走査移動機構493は、ガイド部材401、主走査モータ405、タイミングベルト408等を含む。ガイド部材401は、左右の側板491A、491Bに架け渡されてキャリッジ403を移動可能に保持している。そして、主走査モータ405によって、駆動プーリ406と従動プーリ407間に架け渡したタイミングベルト408を介して、キャリッジ403は主走査方向に往復移動される。
【0088】
このキャリッジ403には、液体吐出ヘッド100及びヘッドタンク441を一体にした液体吐出ユニット440を搭載している。液体吐出ユニット440の液体吐出ヘッド100は、例えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色の液体を吐出する。また、液体吐出ヘッド100は、複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配置し、吐出方向を下方に向けて装着している。
【0089】
液体吐出ヘッド100は、液体循環装置600(図12参照)と接続されて、所要の色の液体が循環供給される。
【0090】
この印刷装置500は、用紙410を搬送するための搬送機構495を備えている。搬送機構495は、搬送手段である搬送ベルト412、搬送ベルト412を駆動するための副走査モータ416を含む。
【0091】
搬送ベルト412は用紙410を吸着して液体吐出ヘッド100に対向する位置で搬送する。この搬送ベルト412は、無端状ベルトであり、搬送ローラ413と、テンションローラ414との間に掛け渡されている。吸着は静電吸着、あるいは、エアー吸引などで行うことができる。
【0092】
そして、搬送ベルト412は、副走査モータ416によってタイミングベルト417及びタイミングプーリ418を介して搬送ローラ413が回転駆動されることによって、副走査方向に周回移動する。
【0093】
さらに、キャリッジ403の主走査方向の一方側には搬送ベルト412の側方に液体吐出ヘッド100の維持回復を行う維持回復機構420が配置されている。
【0094】
維持回復機構420は、例えば液体吐出ヘッド100のノズル面(ノズルが形成された面)をキャッピングするキャップ部材421、ノズル面を払拭するワイパ部材422などで構成されている。
【0095】
主走査移動機構493、維持回復機構420、搬送機構495は、側板491A,491B、背板491Cを含む筐体に取り付けられている。
【0096】
このように構成したこの印刷装置500においては、用紙410が搬送ベルト412上に給紙されて吸着され、搬送ベルト412の周回移動によって用紙410が副走査方向に搬送される。
【0097】
そこで、キャリッジ403を主走査方向に移動させながら画像信号に応じて液体吐出ヘッド100を駆動することにより、停止している用紙410に液体を吐出して画像を形成する。
【0098】
(変形例2)
液体吐出ヘッド100は、各種付属パーツと組み合わせて提供されてもよい。
図15は、変形例2にかかる液体吐出ヘッドとして提供される液体吐出ヘッドの正面説明図である。
【0099】
この液体吐出ユニット440は、流路部品444が取付けられた液体吐出ヘッド100と、流路部品444に接続されたチューブ456で構成されている。
【0100】
なお、流路部品444はカバー442の内部に配置されている。流路部品444に代えてヘッドタンク441を含むこともできる。また、流路部品444の上部には液体吐出ヘッド100と電気的接続を行うコネクタ443が設けられている。
【0101】
ここで図示を省略しているが、コネクタ443に駆動回路200の屈曲ケーブルKがすべて接続されている。
【0102】
本願において、吐出される液体は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
【0103】
液体を吐出するエネルギー発生源として、圧電アクチュエータ(積層型圧電素子及び薄膜型圧電素子)、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどを使用するものが含まれる。
【0104】
「液体吐出ユニット」は液体吐出ヘッドの一形態である。液体吐出ユニットは、液体吐出ヘッドに機能部品、機構が一体化したものであり、液体の吐出に関連する部品の集合体が含まれる。例えば、「液体吐出ユニット」は、ヘッドタンク、キャリッジ、供給機構、維持回復機構、主走査移動機構、液体循環装置の構成の少なくとも一つを液体吐出ヘッドと組み合わせたものなどが含まれる。
【0105】
ここで、一体化とは、例えば、液体吐出ヘッドと機能部品、機構が、締結、接着、係合などで互いに固定されているもの、一方が他方に対して移動可能に保持されているものを含む。また、液体吐出ヘッドと、機能部品、機構が互いに着脱可能に構成されていても良い。
【0106】
例えば、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されているものがある。また、チューブなどで互いに接続されて、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されているものがある。ここで、これらの液体吐出ユニットのヘッドタンクと液体吐出ヘッドとの間にフィルタを含むユニットを追加することもできる。
【0107】
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとキャリッジが一体化されているものがある。
【0108】
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドを走査移動機構の一部を構成するガイド部材に移動可能に保持させて、液体吐出ヘッドと走査移動機構が一体化されているものがある。また、液体吐出ヘッドとキャリッジと主走査移動機構が一体化されているものがある。
【0109】
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドが取り付けられたキャリッジに、維持回復機構の一部であるキャップ部材を固定させて、液体吐出ヘッドとキャリッジと維持回復機構が一体化されているものがある。
【0110】
また、液体吐出ユニットとして、ヘッドタンク若しくは流路部品が取付けられた液体吐出ヘッドにチューブが接続されて、液体吐出ヘッドと供給機構が一体化されているものがある。このチューブを介して、液体貯留源の液体が液体吐出ヘッドに供給される。
【0111】
主走査移動機構は、ガイド部材単体も含むものとする。また、供給機構は、チューブ単体、装填部単体も含むものする。
【0112】
「液体吐出装置」には、液体吐出ヘッド(又は液体吐出ユニットとも言う)を備え、液体吐出ヘッドを駆動させて液体を吐出させる装置が含まれる。液体を吐出する装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
【0113】
この「液体吐出装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる搬送制御手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
【0114】
例えば、「液体吐出装置」として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
【0115】
また、「液体吐出装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
【0116】
上記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
【0117】
上記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
【0118】
また、「液体吐出装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
【0119】
また、「液体吐出装置」としては、他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液を、ノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。
【0120】
なお、本願の用語における、画像形成、記録、印字、印写、印刷、造形等はいずれも同義語とする。
【0121】
以上、本発明の実施の形態および変形例をいくつか説明したが、本実施の形態および変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施の形態および変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの各実施の形態および変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0122】
11 圧電アクチュエータ
12 圧電素子
100 液体吐出ヘッド
150 IC
200 駆動回路
201 第1駆動電圧元波形
202 第2駆動電圧元波形
210 電源供給部
211 第1駆動電圧増幅部
212 第2駆動電圧増幅部
213 共通電圧生成部
214 電源
221 第1スイッチ
250 コネクタ
300 検査回路
301 制御部
311 検査用電源供給部
321 第2スイッチ
331 出力線部
341 出力電位測定部
351 比較部
361 スイッチ切替生成部
500 印刷装置
501 搬入手段
503 案内搬送手段
505 印刷手段
507 乾燥手段
509 搬出手段
510 連続体
K 屈曲ケーブル
【先行技術文献】
【特許文献】
【0123】
【特許文献1】特開2010-69787号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15