(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023032322
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】操作補助具及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 1/26 20060101AFI20230302BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
B65H1/26 312
B65H1/26 310Z
G03G15/00 401
【審査請求】未請求
【請求項の数】26
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021138375
(22)【出願日】2021-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
(72)【発明者】
【氏名】木村 一平
【テーマコード(参考)】
2H072
3F343
【Fターム(参考)】
2H072BB01
3F343FA02
3F343FB01
3F343FC26
3F343FC30
3F343HA01
3F343HB03
3F343HC04
3F343HC06
3F343HC22
3F343LA04
3F343LC02
(57)【要約】
【課題】取っ手部を介した感染の広がりを抑制できる操作補助具および画像形成装置を提供する。
【解決手段】操作補助具100は、把持部102と、装置本体に対して引き出し可能に構成された引き出しユニットたる給紙カセットの取っ手部に係合する係合部101とを有している。操作補助具100の係合部101に給紙カセットの取っ手部を挿入して係合させた後、把持部102を掴んで引くことで、取っ手部に直接触れずに、給紙カセットを引き出すことができる。これにより、取っ手部を介した感染の広がりを抑制できる。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持部と、
装置本体に対して引き出し可能に構成された引き出しユニットの取っ手部に係合する係合部とを有することを特徴とする操作補助具。
【請求項2】
請求項1に記載の操作補助具において、
前記係合部は、前記取っ手部の前記引き出しユニットの引き出し方向に直交する一対の直交面のうち、前記引き出し方向の下流側の直交面に対向する第一対向面と、前記引き出し方向の上流側の直交面に対向する第二対向面とを有することを特徴とする操作補助具。
【請求項3】
請求項2に記載の操作補助具において、
前記取っ手部に装着した状態で、前記第一対向面および前記第二対向面は、前記直交面に対向していることを特徴とする操作補助具。
【請求項4】
請求項2または3に記載の操作補助具において、
前記係合部は、下部に前記取っ手部が挿入される開口を有し、
前記第一対向面および前記第二対向面の前記取っ手部よりも下方の位置に、前記取っ手部側に突出した返し部を設けたことを特徴とする操作補助具。
【請求項5】
請求項1乃至4いずれか一項に記載の操作補助具において、
前記取っ手部に装着した状態での回転を止める回り止め部を有することを特徴とする操作補助具。
【請求項6】
請求項1乃至5いずれか一項に記載の操作補助具において、
ユーザーが前記把持部を把持したときに、ユーザーの手の平が接触する前記把持部の手の平接触面の上下方向長さが、ユーザーが前記把持部を把持したときに、ユーザーの指先が接触する前記把持部の指先接触面の上下方向長さよりも長いことを特徴とする操作補助具。
【請求項7】
請求項1乃至6いずれか一項に記載の操作補助具において、
操作パネルの操作するためのパネル操作部を有することを特徴とする操作補助具。
【請求項8】
請求項7に記載の操作補助具において、
前記パネル操作部は、前記把持部に設けられていることを特徴とする操作補助具。
【請求項9】
請求項7または8に記載の操作補助具において、
前記パネル操作部の少なくとも前記操作パネルを押圧する押圧部を交換可能に構成したことを特徴とする操作補助具。
【請求項10】
請求項7乃至9いずれか一項に記載の操作補助具において、
前記パネル操作部の少なくとも前記操作パネルを押圧する押圧部を、当該操作補助具の本体とは別材料で構成したことを特徴とする操作補助具。
【請求項11】
請求項1乃至10いずれか一項に記載の操作補助具において、
前記係合部を交換可能に構成したことを特徴とする操作補助具。
【請求項12】
請求項1乃至11いずれか一項に記載の操作補助具において、
前記係合部を当該操作補助具の本体とは別材料で構成したことを特徴とする操作補助具。
【請求項13】
請求項12に記載の操作補助具において、
前記係合部の前記取っ手部との摩擦係数が、当該操作補助具の本体の前記取っ手部との摩擦係数よりも高いことを特徴とする操作補助具。
【請求項14】
請求項1乃至13いずれか一項に記載の操作補助具において、
少なくとも前記把持部は、抗菌処理されていることを特徴とする操作補助具。
【請求項15】
請求項1乃至13いずれか一項に記載の操作補助具において、
少なくとも前記把持部は、金属で構成されていることを特徴とする操作補助具。
【請求項16】
請求項1乃至15いずれか一項に記載の操作補助具において、
前記取っ手部が挿入されるアーチ形状部分を有し、前記アーチ形状部分の内周面が、前記係合部であり、前記アーチ形状部分の外周面が前記把持部であり、
前記アーチ形状部分を、弾性変形可能に構成したことを特徴とする操作補助具。
【請求項17】
請求項16に記載の操作補助具において、
前記アーチ形状部分の内周面の下端に突起部を設けたことを特徴とする操作補助具。
【請求項18】
請求項17に記載の操作補助具において、
前記突起部を、交換可能に構成したことを特徴とする操作補助具。
【請求項19】
請求項17または18に記載の操作補助具において、
前記突起部を前記アーチ形状部分とは別材料で構成したことを特徴とする操作補助具。
【請求項20】
請求項1乃至19いずれか一項に記載の操作補助具において、
前記装置本体に対して着脱可能に構成したことを特徴とする操作補助具。
【請求項21】
請求項1乃至20いずれか一項に記載の操作補助具において、
前記取っ手部は、シート収納するシート収納部の取っ手部であることを特徴とする操作補助具。
【請求項22】
装置本体に対して引き出し可能に構成された引き出しユニットを備える画像形成装置において、
請求項1乃至21いずれか一項に記載の操作補助具を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項23】
請求項22に記載の画像形成装置において、
前記操作補助具を、視認可能箇所に保持したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項24】
請求項22または23に記載の画像形成装置において、
複数の操作補助具を保持可能に構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項25】
請求項24に記載の画像形成装置において、
前記複数の操作補助具の色が、互いに異なることを特徴とする画像形成装置。
【請求項26】
請求項22乃至25いずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記引き出しユニットが、給紙カセットであることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作補助具及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、装置本体に対して引き出し可能に構成された引き出しユニットを備えた画像形成装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、上記画像形成装置として、引き出しユニットたる給紙トレイに設けられた取っ手部を使用者が把持して引くことで、給紙ユニットが装置本体から引き出されるものが記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
給紙トレイなどの引き出しユニットの取っ手部は、不特定多数の使用者が手で触れる部分であり、ウィルスが付着した手で取っ手部を触れた場合に、取っ手部を介して感染が広がるおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明の操作補助具は、把持部と、装置本体に対して引き出し可能に構成された引き出しユニットの取っ手部に係合する係合部とを有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、取っ手部を介した感染の広がりを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成図。
【
図4】給送装置におけるピックアップローラの接離機構の動作を示す概略図。
【
図6】
図1とは、別の構成の画像形成装置を示す斜視図。
【
図7】
図6に示す画像形成装置における給送装置の斜視図。
【
図8】本実施形態の操作補助具100を示す概略図。
【
図9】操作補助具を、取っ手部12bに装着した状態を示す概略図。
【
図10】操作補助具を用いて、給紙カセットを給送装置から引き出すときの様子を示す概略図。
【
図11】本実施形態の操作補助具を用いた操作パネルの操作について説明する図。
【
図13】変形例の操作補助具を、取っ手部に装着した状態を示す図。
【
図14】変形例の操作補助具で排紙トレイに排紙されたシート束を挟持する様子を示す図。
【
図15】操作補助具を画像形成装置に着脱可能に構成した一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0009】
まず、
図1にて、画像形成装置1における全体の構成・動作について説明する。
図1は本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
図1において、画像形成装置1は、原稿Dの画像情報を光学的に読み込む原稿読込部2、原稿読込部2で読み込んだ画像情報に基いた露光光Lを感光体ドラム5上に照射する露光部3、感光体ドラム5上にトナー像(画像)を形成する作像部4を備えている。また、画像形成装置1は、感光体ドラム5上に形成されたトナー像をシートP(記録媒体)に転写する転写部7を備えている。
【0010】
また、画像形成装置1は、セットされた原稿Dを原稿読込部2に搬送する原稿搬送部10(自動原稿搬送装置)、給紙カセット12a,13b内に収容されたシートPが給送する給送装置12、13を備えている。さらに、画像形成装置1は、ユーザーが手差しでセットしたシートPを給送する手差し給送装置16も備えている。
【0011】
また、画像形成装置1は、転写部7に向けてシートPを搬送するレジストローラ対17(搬送ローラ対)、シートP上に担持されたトナー像(未定着画像)を定着する定着装置20を備えている。定着装置20は、定着ローラ21、加圧ローラ22を有している。また、画像形成装置1は、装置本体から排紙されたシートPが積載される排紙トレイ31を有している。
各給送装置12、13は、各給送装昇降可能に構成された載置部(昇降板)42、43と、給送手段としての給送機構52とを有している。
【0012】
図1を参照して、画像形成装置1における、通常の画像形成時の動作について説明する。
まず、原稿Dは、原稿搬送部10の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送(給送)されて、原稿読込部2上を通過する。このとき、原稿読込部2では、上方を通過する原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
【0013】
そして、原稿読込部2で読み取られた光学的な画像情報は、電気信号に変換された後に、露光部3(書込部)に送信される。 そして、露光部3からは、その電気信号の画像情報に基づいたレーザ光等の露光光Lが、作像部4の感光体ドラム5上に向けて発せられる。
【0014】
一方、作像部4において、感光体ドラム5は
図1の時計方向に回転しており、所定の作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程)を経て、感光体ドラム5上に画像情報に対応した画像(トナー像)が形成される。その後、感光体ドラム5上に形成された画像は、画像形成部としての転写部7で、レジストローラ対17により搬送されたシートP上に転写される。
【0015】
一方、転写部7(画像形成部)に搬送されるシートPは、次のように動作する。すなわち、画像形成装置1の複数の給送装置12、13のうち、1つの給送装置が自動又は手動で選択される(例えば、下段の給送装置13が選択されたものとする。 )。そして、給送装置13に収納されたシートPの最上方の1枚が、給送機構52によって給送されて、搬送経路Kに向けて搬送される。その後、シートPは、複数の搬送ローラが配設された搬送経路Kを通過して、レジストローラ対17の位置に達する。このとき、レジストローラ対17は、回転停止した状態であって、そのニップにシートPの先端が突き当たることで、シートPの斜行(スキュー)が補正されることになる。
【0016】
なお、画像形成装置1の側方に設置された手差し給送装置16が選択された場合には、ユーザーによって手差し給送装置16の手差しトレイに載置されたシートP(複数枚のシートPが積載された場合には、最上方のシートP)が、給送機構52(給送手段)によって搬送経路に向けて給送される。そして、レジストローラ対17の位置にシートが到達し斜行(スキュー)が補正される。その後、レジストローラ対17の回転が開始され、感光体ドラム5上に形成された画像と位置合わせをするためにタイミングを合わせて、転写部7(画像形成部)に向けてシートが搬送される。
【0017】
このように、レジストローラ対17は、回転停止した状態でニップにシートPの先端を突き当ててシートPの斜行(スキュー)を補正して、回転した状態で斜行が補正された後のシートPをニップに挟持して搬送する搬送ローラ対として機能するものである。そして、転写工程後のシートPは、転写部7の位置を通過した後に、搬送経路を経て定着装置20に達する。 定着装置20に達したシートPは、定着ローラ21と加圧ローラ22との間に送入されて、定着ローラ21から受ける熱と双方のローラ21、22から受ける圧力とによってトナー像が定着される(定着工程である)。
【0018】
トナー像が定着された定着工程後のシートPは、定着ローラ21と加圧ローラ22との間(定着ニップ)から送出された後に、画像形成装置1から排出されて、出力画像として排紙トレイ31上に積載されることになる。
こうして、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0019】
次に、本実施形態における給送装置について詳述する。
なお、以下、画像形成装置1に内接された複数の給送装置12、13のうち、下段の給送装置13について説明するが、上段の給送装置12も設置位置が異なる点を除いて下段の給送装置13とほぼ同様の構成となっているため、その説明を省略することにする。
【0020】
図2は、給送装置13を示す概略構成図である。
給送装置13には、複数枚のシートPを積載できるように形成された載置部43(昇降板)、載置部43に載置されたシートPを給送するための給送手段としての給送機構52、等が設置されている。載置部43は、回転中心軸43a(
図1参照)を中心に正逆方向に回動することで、昇降するように構成されている。
【0021】
給送機構52は、フィードローラ53、ピックアップローラ54、分離部材としての分離ローラ55、トルクリミッタ56、DCモータ77(駆動源)等を有している。また、給送機構52は、ピックアップローラ54を、載置部43に載置されたシートP(最上方のシートP1)に対して接離させる接離機構、分離ローラ55を幅方向(給送方向に直交する方向であって、
図2の紙面垂直方向)に移動させる移動機構80を備えている。
【0022】
フィードローラ53は、載置部43に載置されたシートPに対して給送方向(
図2の白矢印方向)の先端側に設置されていて、シートPの上面に接触してシートPの給送方向に沿うように回転(
図2の反時計方向の回転)してシートPを一点鎖線矢印で示す給送方向に給送するものである。
【0023】
ピックアップローラ54は、載置部43に載置されたシートPの表面(上面)に当接した状態で、走行方向に沿うように
図2の反時計方向に回転して、そのシートPをフィードローラ53の位置に向けて搬送するものである。
また、ピックアップローラ54は、載置部43に載置されたシートP(最上方のシートP1)に対して接離可能に構成されている。 すなわち、ピックアップローラ54は、載置部43に載置されたシートPに対して、当接しない退避位置(
図4(B)参照)と、
図2に示す当接する当接位置との間を移動可能に形成されている。
【0024】
分離ローラ55は、フィードローラ53との間にニップ部を形成するように設置されている。分離ローラ55は、ニップ部に複数枚のシートPが挟持されたときに、最上方のシートPのみが給送されるように下方のシートPを最上方のシートPに対して分離させる分離部材として機能する。
【0025】
詳しくは、分離部材としての分離ローラ55は、そのニップ部に1枚のシートPが挟持されたときは給送方向に沿うように回転する(
図2の破線矢印方向であって、時計方向に回転する)。これに対して、分離ローラ55は、ニップ部に複数枚のシートPが挟持されたときは、上記給送方向とは逆方向に沿うように回転する(
図2の実線矢印方向であって、反時計方向に回転する)。これにより、その複数枚のシートPのうち最上方のシートP1がフィードローラ53の回転に沿って給送方向に給送され、下方のシートP2が給送方向に対して逆方向に搬送される。
【0026】
フィードローラ53とピックアップローラ54と分離ローラ55は、それぞれ、軸部上にゴム材料(又は、樹脂材料)で形成されたローラ部(コロ部)が、軸方向に1つ又は複数分割して形成されたものである。また、フィードローラ53とピックアップローラ54と分離ローラ55とは、それぞれ、軸部に対してローラ部が着脱可能(交換可能)に形成されていて、ローラ部のメンテナンスを容易にできるようになっている。
【0027】
駆動源としてのDCモータ77は、そのモータ軸の回転速度が所定値となるようにフィードバック制御されている。詳しくは、制御部70によるPWM制御によって、負荷変動に関わらず、DCモータ77の回転数が一定になるように、DCモータ77に印加される電流(又は、電圧)が調整される。具体的に、DCモータ77にかかる負荷が大きいときにはDCモータ77に印加される電流(又は、電圧)が大きくなるように調整される。一方、DCモータ77にかかる負荷が小さいときにはDCモータ77に印加される電流(又は、電圧)が小さくなるように調整される。これにより、DCモータ77の回転数が定速化される。
【0028】
給送装置13は、ピックアップローラ54が載置部43に積載された最上方のシートPに当接できるように、載置部43上に積載されるシートPの枚数によって、載置部43が上下方向に昇降する。そして、上下方向の位置が調整された載置部43に載置されたシートPの上面に当接する位置までピックアップローラ54が降下してから、シートPの給送動作がおこなわれる。
【0029】
また、載置部43と、フィードローラ53と分離ローラ55とのニップ部と、の間には、入口ガイド板が設置されている。また、給送装置13は、載置部43上に載置されたシートPの幅方向(
図2の紙面垂直方向である。)の位置を規制するサイドフェンスが設けられている。サイドフェンスは、シートPを挟むように幅方向両端部にそれぞれ設置されていて、手動移動機構によってシートPの幅方向のサイズに合わせて幅方向に移動可能に構成されている。
【0030】
また、給送装置13は、載置部43上に載置されたシートPの給送方向(
図2の左右方向である。)の位置を規制するエンドフェンスが設けられている。エンドフェンスは、シートPの給送方向後端に当接するように設置されていて、手動移動機構によってシートPの給送方向のサイズに合わせて給送方向に移動可能に構成されている。
【0031】
図3は、給送装置13の駆動系を示す概略構成図である。
図3に示すように、フィードローラ53は、その軸部に、上段ギヤ65aと下段ギヤ65bとを有する2段ギヤ65が設置されている。2段ギヤ65の上段ギヤ65aは、プーリ・2段ギヤ62の第二ギヤ62cと噛み合っている2段ギヤ65の下段ギヤ65bは、アイドラギヤ67が噛み合っており、このアイドラギヤ67は、ピックアップローラ54の軸部に設置されたギヤ68に噛み合っている。
【0032】
プーリ・2段ギヤ62の第一ギヤ62bは、分離ローラ55の軸部に設置された分離ギヤ69と噛み合っている。分離ローラの軸部には、トルクリミッタ56も設置されている。DCモータ77(駆動モータ)には、モータプーリ60が設けられている。モータプーリ60とプーリ・2段ギヤ62のプーリ62aとにタイミングベルト61が張架されている。
【0033】
DCモータ77からモータプーリ60、タイミングベルト61、プーリ62a及び第一ギヤ62bを介して分離ギヤ69に駆動が伝達される。さらに分離ギヤ69からトルクリミッタ56を介してその駆動が分離ローラ55に伝達されたり遮断されたりする。
【0034】
トルクリミッタ56は、分離ローラ55に所定値を超える回転負荷がかかると、分離ローラ55がトルクリミッタ56に対して相対的に空転するように構成されている。ニップ部(フィードローラ53と分離ローラ55との当接部)に1枚のシートPが挟持されたとき、ニップ部にシートPが挟持されていないときは、分離ローラ55にかかる回転負荷が比較的大きい。このとき、トルクリミッタ56は、DCモータ77から分離ローラ55への駆動伝達を遮断する。そのため、分離ローラ55は、トルクリミッタ56に対して空転した状態になり、フィードローラ53の回転に沿うように
図3の時計方向に連れ回り(従動回転)する。
【0035】
ニップ部に複数枚のシートPが挟持されたときは、シートP同士のすべりによって、分離ローラ55にかかる回転負荷が比較的小さくなる。そのため、トルクリミッタ56は、DCモータ77から分離ローラ55に駆動を伝達する。これにより、分離ローラ55が
図3の反時計方向に回転駆動し、ニップ部に挟まれた複数枚のシートPのうち、最上方のシートP1を除く下方のシートが逆方向に搬送されて載置部43に戻される。このような構成により、フィードローラ53と分離ローラ55とのニップ部からシートPが重送されることなく、1枚のシートPが給送方向(搬送方向)に送出される。
【0036】
また、DCモータ77からプーリ・2段ギヤ62に伝達された駆動は、第二ギヤ62cを介して2段ギヤ65の上段ギヤ65aに伝達され、フィードローラ53が
図3の反時計方向に回転駆動する。さらに、2段ギヤ65の下段ギヤ65b、アイドラギヤ67を介してギヤ68に駆動が伝達されて、ピックアップローラ54が
図3の反時計方向に回転駆動する。
【0037】
図4は、給送装置13におけるピックアップローラ54の接離機構の動作を示す概略図である。
ピックアップローラ54は、アーム58に回転可能に保持されている。アーム58は、フィードローラ53の回転軸に回動可能に保持されている。アーム58の突出部58aには、ピックアップローラ54が退避位置に移動するように付勢するスプリング73や、ピックアップローラ54をスプリング73の付勢力に抗するように当接位置に移動させるソレノイド72が接続されている。
【0038】
制御部70(
図2参照)に制御されて、ソレノイド72がオン状態になったときに
図4(A)に示すようにピックアップローラ54が当接位置に移動する。ソレノイド72がオフ状態になったときに
図4(B)に示すようにピックアップローラ54が退避位置に移動する。
なお、先に
図3を用いて説明したアイドラギヤ67は、アーム58に設置されており、ピックアップローラ54のギヤ68との噛合状態とフィードローラ53のギヤ65bとの噛合状態とを維持しながらアーム58とともに回動することになる。
【0039】
載置部43にシートPがセットされていない状態では、その状態がエンド検知センサ95によって検知されて、制御部70(
図2参照)によるソレノイド72の制御によってピックアップローラ54が退避位置(
図4(B)参照)に退避した状態になっている。載置部43にシートPがセットされると、その状態がエンド検知センサ95によって検知され、制御部70によるソレノイド72の制御によってピックアップローラ54が退避位置から当接位置(
図4(A)に示す位置)に向けて移動される。
そして、載置部43に載置された最上方のシートPの上面にピックアップローラ54が当接した状態でピックアップローラ54の反時計方向の回転駆動が開始されて、同じタイミングでフィードローラ53と分離ローラ55との回転が開始される。これにより、ピックアップローラ54によって載置部43に載置されたシート束のうち最上方のシートPが、フィードローラ53と分離ローラ55とのニップ部に向けて搬送される。さらにそのニップ部から1枚のシートPが画像形成部に向けて分離され搬送される。
【0040】
また、載置部43に載置されたすべてのシートPが給送されて載置部43にシートPがセットされていない状態になると、その状態がエンド検知センサ95によって検知される。エンド検知センサ95がシートがセットされていない状態を検知したら、制御部70によるソレノイド72の制御によってピックアップローラ54が再び退避位置に移動する(
図4(B)の状態)。
【0041】
図5は、給送装置13の動作の一例を示すものであって、ニップ部に複数枚のシートPが挟持されたときの動作を示す概略図である。
まず、
図5(A)に示すように、載置部43にシートPがセットされると、載置部43が最適な位置に上昇した後に、制御部70(
図2参照)によるソレノイド72の制御によってピックアップローラ54が退避位置から当接位置に向けて移動する。そして、載置部43に載置された最上方のシートP1の上面にピックアップローラ54が当接する。最上方のシートP1の上面にピックアップローラ54が当接した状態でピックアップローラ54の反時計方向の回転駆動が開始される。そして、ピックアップローラ54によって載置部43に載置されたシートP1、P2がフィードローラ53と分離ローラ55とのニップ部に向けて搬送される。このとき、2枚のシートP1、P2が重送されてしまったものとする。また、ニップ部にシートP1、P2が挟まれていない状態では、トルクリミッタ56が空転した状態になって、分離ローラ55は時計方向に回転している。
【0042】
図5(B)に示すように、重送された2枚のシートP1、P2がニップ部まで搬送されると、ピックアップローラ54は再び退避位置に移動することになる。このとき、ニップ部に2枚のシートP1、P2が挟まれることで、トルクリミッタ56が連結した状態になって、分離ローラ55は反時計方向に回転開始する。分離ローラ55が反時計方向に回転することで、
図5(C)に示すように、下方のシートP2が分離ローラ55の回転に沿うように黒矢印方向に搬送される(載置部43に向けて戻される)。また、上方のシートP1(最上方のシートP1)は、フィードローラ53の回転に沿うように白矢印方向に搬送される(画像形成装置1の搬送経路に向けて搬送される)。
【0043】
図5(D)に示すように、分離ローラ55によって載置部43に向けて戻された下方のシートP2がニップ部を抜けると、トルクリミッタ56が再び空転した状態になって、分離ローラ55が再び時計方向に回転する。
なお、
図5(A)の状態からニップ部に1枚のシートPが挟持されるときは、
図5(B)、(C)のように分離ローラ55が反時計方向に回転せず、時計方向に従動回転したまま最上方のシートP1が白矢印方向に搬送される(
図5(D))。
【0044】
図6は、
図1とは、別の構成の画像形成装置を示す斜視図である。
この
図6に示す画像形成装置は、原稿読込部2や原稿搬送部10を有しておらず、装置の上面が、画像が形成されたシートが排出される排紙トレイ31となっている。また、
図6に示す画像形成装置は、ひとつの給送装置12を備えている。
【0045】
図7は、
図6に示す画像形成装置における給送装置12の斜視図である。
図7に示すように、引き出し装置たる給送装置12は、本体に対して引き出し可能な引き出しユニットでありシート収納部である給紙カセット12aを有し、給紙カセット12aは、側面に取っ手部12bを有している。給紙カセット12a内のシートが無くなったときは、給紙カセット12aにシートを補給するために、給紙カセット12aは、給送装置12から引き出される。このときは、ユーザーが取っ手部12bを把持して引くことで、給紙カセット12aを給送装置12から引き出す。また、給紙カセット12aにシートを補給したら、ユーザーは、取っ手部12bを把持して押すことで、給紙カセット12aを給送装置12内に押し入れる。
【0046】
給紙カセット12aの引き出し操作は、印刷中に給紙カセット内のシートが無くなったときや、シートジャムが発生したときなどに行われ、画像の印刷を指示したユーザーが行うことが一般的である。よって、この給紙カセット12aの取っ手部12bは、不特定多数のユーザーに把持される場合がある。そのため、ウィルスが付着した手で取っ手部12bを把持することで、ウィルスが取っ手部12bに付着し、取っ手部12bを介して別のユーザーにウィルスが感染する所謂接触感染が生じるおそれがあった。
そこで、本実施形態では、操作補助具を用いて、給紙カセット12aの取っ手部12bに直接触れずに、給紙カセット12aの引き出しを行えるようにした。以下、図面を用いて、具体的に説明する。
【0047】
図8は、本実施形態の操作補助具100を示す概略図であり、
図8(a)は、正面図、
図8(b)は、側面図、
図8(c)は、斜視図である。
操作補助具100は、本画像形成装置を使用するユーザーひとりひとりが所有している。
図8に示すように、操作補助具100は、下方が開口したアーチ形状をしており、このアーチ形状部の内周面が、取っ手部12bに係合する係合部101となっており、外周面が、ユーザーが把持する把持部102となっている。係合部101の引き出し方向に直交する面101a,101bの下部には、突出する一対の返し部105が設けられている。一方の返し部と他方の返し部との距離は、取っ手部12bの厚みよりも十分に長くなっている。
【0048】
把持部102の上面102bには、後述するように、操作パネル200(
図11参照)を操作するためのパネル操作部103が設けられている。パネル操作部103の押圧部たる先端部103aは、弾性材でかつタッチパネルが反応可能な材料で構成し、操作補助具100の本体とは別材料で構成されている。パネル操作部103の先端部103aは、圧入や接着やねじ止め等、公知の方法で取り付ける。また、圧入やネジ止めで先端部103aを取り付けることで、先端部103aを本体から容易に取り外すことができ、先端部103aの交換を行うことが可能になり好ましい。交換可能とすることで、先端部103aが破損したときは、先端部103aを交換することで、継続して操作補助具100を使用することができる。
なお、パネル操作部103全体を、操作補助具100の本体とは別材料で構成してもよい。
【0049】
また、把持部102の給紙トレイ12aの側面に対向し、把持した際にユーザーの指先が接触する指先接触面102cの上端と下端の幅方向両端には、上下方向に延びる回り止め部104を有している。この回り止め部104は、給送装置12の側板12c(
図9参照)に突き当たって、操作補助具100が取っ手部回りに回るのを止めるものである。
また、
図8(b)に示すように、取っ手部12bよりも外側に位置し、ユーザーが把持部102を把持したときにユーザーの手の平が当接する把持部102の手の平接触面102aは、指先接触面102cよりも下方にXmm長くなっている。
【0050】
操作補助具100は、抗菌処理が施された構成や金属材料で構成するのが好ましい。抗菌処理としては、銀イオンを樹脂に練りこんだ特殊な材料を使うことも可能であり、殺菌・除菌・抗菌の効果がある材料や処理であれば良い。また、金属材料としては、銅、銅合金、アルミニウム、アルミ合金等でも問題なく、銅や銅合金は殺菌効果がありより好ましい。操作補助具100を抗菌処理が施された構成や金属材料で構成することで、操作補助具100を介したウィルスの接触感染を抑制することができる。
また、ユーザーが把持する把持部102のみを抗菌処理が施された構成や金属材料で構成してもよい。
【0051】
また、
図8に示す構成では、係合部101が把持部102と一つの材料で一体的に形成されたものであるが、係合部101と把持部102とを別の材料で構成してもよい。係合部101と把持部102とを別の材料で構成することで、係合部101は、取っ手部12bとの係合に適した材料で構成でき、把持部102は、ユーザーの把持に適した材料で構成できる。これにより、操作補助具100の操作性や機能性を高めることができる。
【0052】
例えば、係合部101を、EPDM、シリコンゴムなどの高摩擦係数の材料で構成し、取っ手部12bに対する摩擦係数が、把持部102の取っ手部12bに対する摩擦係数よりも高くする。そして、把持部102を、上述したように抗菌処理が施された材料や金属材料で構成する。係合部101を高摩擦係数の材料で構成することで、取っ手部12bを操作する際に、操作補助具100が取っ手部12bに対して動くのを抑制でき、安定的に給紙カセット12aの引き出しや押し入れを行うことができる。また、把持部102を抗菌処理が施された構成や金属材料で構成することで、接触感染を良好に抑制できる。
【0053】
係合部101の把持部102(アーチ形状部分)への取り付けは、圧入や接着やねじ止め等、公知の方法を用いることができる。ネジ止めや圧入など、係合部101を取り外し可能に把持部102(アーチ形状部分)に取り付けることで、係合部101の交換が可能になり好ましい。交換可能とすることで、係合部101が破損したときは、係合部101を交換することで、継続して操作補助具100を使用することができる。
【0054】
図9は、操作補助具100を、取っ手部12bに装着した状態を示す概略図である。
図9(a)は、斜視図であり、
図9(b)は、断面図である。
操作補助具100は、上から取っ手部12bを係合部101に挿入して取っ手部12bに装着する。一方の返し部と他方の返し部との距離は、取っ手部の厚みよりも十分に長くなっているため、操作補助具100を取っ手部12bに装着するときに、返し部105が引っ掛かることなく、取っ手部12bを係合部101に入れ込むことができる。
【0055】
操作補助具100を、取っ手部12bに装着すると、係合部101の第一面101aが、取っ手部12bの外周面12b1に対向し、係合部101の第二面101bが、取っ手部12bの内周面12b2に対向する。また、係合部101の上面101cが取っ手部12bの上面と接触して、操作補助具100が取っ手部12bに支持される。また、操作補助具100を取っ手部12bに装着すると、一対の返し部105は、取っ手部12bよりも下方に位置する。
【0056】
また、操作補助具100を、取っ手部12bに装着すると、回り止め部104の先端が、給送装置12の側板12cに対向する。操作補助具100が
図9(b)の時計回りに回動しようとすると、下方の回り止め部104の先端が給送装置12の側板12cに突き当たり、操作補助具100の取っ手部12b回りの回動を規制する。一方、操作補助具100が
図9(b)の反時計回りに回動しようとすると、上方の回り止め部104の先端が給送装置12の側板12cに突き当たり、操作補助具100の取っ手部12b回りの回動を規制する。
【0057】
このように、回り止め部104により操作補助具100の回動を規制することで、操作補助具100の姿勢を、
図9(b)に示すような引き出す際の姿勢に維持することができる。これにより、取っ手部12bに装着された操作補助具100を容易に掴むことができる。また、引き出す際に、操作補助具100の姿勢を変更せずに、給紙カセット12aを引き出すことができ、引き出し操作を容易に行うことができる。
【0058】
図10は、操作補助具100を用いて、給紙カセット12aを給送装置12から引き出すときの様子を示す概略図である。
図10(a)は、斜視図であり、
図10(b)は、断面図である。
給紙カセット12aを引き出すときは、ユーザー所有の操作補助具100を取っ手部12bに装着する。そして、
図10に示すように、ユーザーの手Hで操作補助具100の把持部102を把持すると、指先h1が把持部102の指先接触面102cに接触し、手の平h2が把持部102の手の平接触面102aに接触する。
【0059】
また、本実施形態の操作補助具100は、パネル操作部103を把持部102の上面102bに設けている。そのため、
図10(a)に示すように、ユーザーの指でパネル操作部103を挟みこむ形で把持部102を把持することになる。これにより、操作補助具100がユーザーの手Hに対して幅方向へ移動するのを防止でき、しっかりと操作補助具100を把持することができる。これにより、操作補助具100による給紙カセット12aの引き出しおよび押し入れ操作の操作性を向上することができる。
【0060】
図10(b)に示すように、ユーザーの手Hが把持部102を把持したとき、手の平h2は、指先h1よりも下方に位置している。本実施形態では、手の平h2が接触する把持部102の手の平接触面102aを、指先接触面102cよりもXmm下方に延ばしている。これにより、ユーザーの手の平h2が手の平接触面102aに接触する面積を、手の平接触面102aの下端の位置が指先接触面102cの下端の位置と同一の場合よりも広くすることができる。その結果、ユーザーは、把持部102を安定的に把持することができ、操作補助具100により安定的に給紙カセット12aの引き出しおよび押し入れを行うことができる。
【0061】
ユーザーが操作補助具100の把持部102を把持して引くと、係合部101の第二面101bが取っ手部12bの内周面12b2に当接し、この係合部101の第二面101bを介してユーザーの引く力が、取っ手部12bに伝わる。これにより、給紙カセット12aが給送装置12から引き出される。
【0062】
本実施形態では、操作補助具100を、取っ手部12bに装着した状態で、係合部101の第二面101bが、取っ手部12bの内周面12b2に対向する。そのため、ユーザーは、操作補助具100の姿勢を変更することなく、把持部102を把持して引くだけで、係合部101の第二面101bを取っ手部12bの内周面12b2に当接させることができる。
【0063】
係合部101の第二面101bが取っ手部12bの内周面12b2に当接して給紙カセット12aを引き出しているときは、第二面101bに設けられた返し部105が、取っ手部12bと下方から対向する。引き出し操作のとき、ユーザーの引き方によっては、操作補助具100に
図10(b)の時計回りに回動させるような力が生じることがある。引き出しの際に
図10(b)の時計回りに回動させるような力が生じたとき、係合部101の第二面101bに設けられた返し部105が取っ手部12bの下面に突き当たる。これにより、操作補助具100の回動が規制され、引き出しの際に操作補助具100が取っ手部12bから外れるのを良好に抑制することができ、安定的に給紙カセット12aを給送装置12から引き出すことができる。
【0064】
給紙カセット12aを給送装置12に押し入れるときは、係合部101の第一面101aが取っ手部12bの外周面12b1に当接し、この係合部101の第一面101aを介してユーザーの押す力が、取っ手部12bに伝わる。これにより、給紙カセット12aが給送装置12に押し入れられる。
【0065】
本実施形態では、操作補助具100を、取っ手部12bに装着すると、取っ手部12bの外周面12b1が、係合部101の第一面101a対向する。従って、ユーザーは、操作補助具100の姿勢を変更することなく、把持部102を把持して押すだけで、係合部101の第一面101aを取っ手部12bの外周面12b1に当接させることができる。
【0066】
また、係合部101の第一面101aが取っ手部12bの外周面12b1に当接して給紙カセット12aを押し入れているときは、第一面101aに設けられた返し部105が、取っ手部12bと下方から対向する。押し入れ操作のときは、ユーザーの押し方によっては、操作補助具100に
図10(b)の反時計回りに回動させるような力が生じることがある。押し入れの際に
図10(b)の反時計回りに回動させるような力が生じたとき、係合部101の第一面101aに設けられた返し部105が取っ手部12bの下面に突き当たる。これにより、操作補助具100の回動が規制され、押し入れの際に操作補助具100が取っ手部12bから外れるのを良好に抑制することができ、安定的に給紙カセット12aを給送装置12に押し入れることができる。
【0067】
操作補助具100の回り止め部104が給送装置12の側板12cに突き当たる位置まで給紙カセット12aを押し入れると、給送装置12の構造により給紙カセット12aが給送装置12へ自動的に引き込まれていく。これにより、給紙カセット12aが、給送装置12に装着され、
図10(b)の状態となる。
【0068】
給紙カセット12aを最後まで給送装置12に押し入れないと、給紙カセット12aが給送装置12に装着されないような給送装置12に適用される操作補助具については、回り止め部104を無くせばよい。回り止め部104を無くすことで、操作補助具により最後まで給紙カセット12aを押し入れて、給紙カセット12aを給送装置に装着することができる。
【0069】
また、回り止め部104を弾性変形可能な構成として、操作補助具100で最後まで給紙カセット12aを押し入れ可能な構成としてもよい。回り止め部104が給送装置12の側板12cに突き当たった状態で、さらに操作補助具100を押すと、回り止め部104が弾性変形し、給紙カセット12aを最後まで給送装置12に押し入れることができる。
【0070】
このように、本実施形態では、ユーザーが取っ手部12bを直接触れずに、給紙カセット12aを引き出し、押し入れすることができ、ウィルスの接触感染を抑制することができる。
【0071】
また、本実施形態の操作補助具100は、取っ手部12bが挿入されるアーチ形状部の外周面を把持部102としている。これにより、把持部102を取っ手部12bよりも大きく構成でき、取っ手部12bを把持する場合に比べて、把持部102を握りやすくできる。これにより、力が入りやすくなり、かつ、安定して操作を行うことができる。
【0072】
図11は、本実施形態の操作補助具100を用いた操作パネル200の操作について説明する図である。
操作補助具100で操作パネル200を操作するときも、給紙カセット12aを引き出すときと同様に、操作補助具100を把持する。そして、パネル操作部103の先端部103aで操作パネル200のボタン200aを押すことで、操作パネル200を操作することができる。
【0073】
画像形成装置の操作パネル200は、画質の設定や印刷枚数の設定などで、不特定多数のユーザーが触れるため、操作パネル200にウィルスが付着する可能性が高い。本実施形態では、操作補助具100により操作パネル200に直接触れずに、操作パネル200を操作することができる。これにより、操作パネル200を介した接触感染も抑制できる。
【0074】
次に、操作補助具の変形例について、説明する。
図12は、変形例の操作補助具100A示す斜視図である。
この変形例の操作補助具100Aは、PP(ポリプロピレン)等の柔らかい樹脂材料やウレタンやシリコン等のゴム材料で構成し、ユーザーの挟持力で操作補助具100Aが弾性変形する構成としている。
【0075】
また、変形例の操作補助具100Aは、係合部の第一面、第二面の下方の返し部105は、幅方向に所定の間隔を開けて設けられ、複数の円柱状の凸形状としている。
【0076】
図13は、変形例の操作補助具100Aを、取っ手部12bに装着した状態を示す図である。
図13(a)は、斜視図であり、
図13(b)は、断面図である。
この変形例についても、操作補助具100Aを取っ手部12bに装着すると、係合部101の第一面101aが取っ手部12bの外周面12b1に対向し、指先接触面102cが取っ手部12bの内周面12b2に対向する。これにより、実施形態と同様に、ユーザーが把持部102を掴んで引くことで、係合部101の第二面101bが取っ手部12bの内周面12b2に当接し、給紙カセット12aを引き出すことができる。また、ユーザーが把持部102を掴んで押すことで、係合部101の第一面101aが取っ手部12bの外周面12b1に当接し、給紙カセット12aを押し入れることができる。
【0077】
また、実施形態と同様、給紙カセット12aの引き出しおよび押し入れ操作の際に、返し部105が、取っ手部12bの下面と対向して、操作補助具100の外れも抑制できる。さらに、実施形態と同様、把持部102が取っ手部12bよりも大きく把持しやすい。従って、力が入りやすくなり、かつ、安定して操作を行うことができる。
【0078】
この変形例においても、ユーザーが取っ手部12bを直接触れずに、給紙カセット12aを引き出し、押し入れすることができ、ウィルスの接触感染を抑制することができる。
【0079】
図14は、変形例の操作補助具100Aで排紙トレイ31に排紙されたシート束を挟持する様子を示す図である。
図14(a)は、斜視図であり、
図14(b)は、側面図である。
変形例の操作補助具100Aは、ユーザーの挟持力で弾性変形する構成としている。そのため、
図14に示すように、ユーザーの挟持力で操作補助具100Aを弾性変形させて、排紙トレイ31に排紙されたシート束を操作補助具100Aで掴むことができる。これにより、操作補助具100Aにより排紙されたシート束に直接触れずに、排紙トレイ31からシート束を取り出すことができる。
【0080】
また、
図14(b)に示すように操作補助具でシート束を掴むと、返し部105がシート束に当接する。この変形例では、返し部105を複数の凸形状としているので、ユーザーの挟持力を返し部105に集中させることができる。これにより、良好にシート束を操作補助具により掴み取ることができる。
【0081】
各返し部を、操作補助具100Aの本体よりもシートに対する摩擦係数が高い材料や、耐久性の高い材料で構成し、各返し部を、操作補助具100Aの本体とは別体で構成してもよい。各返し部を、操作補助具100Aの本体よりもシートに対する摩擦係数が高い材料で構成することで、操作補助具によりシート束を掴み取った際に、シートの自重などにより操作補助具から滑り落ちるのを抑制できる。
【0082】
各返し部105の本体への取り付けは、圧入や接着やねじ止め等、公知の方法を用いることができる。ネジ止めや圧入など、返し部105を取り外し可能に取り付けることで、返し部105の交換が可能になり好ましい。交換可能とすることで、返し部105が破損したときは、返し部105を交換することで、継続して操作補助具100Aを使用することができる。
【0083】
図15は、操作補助具を画像形成装置1に着脱可能に構成した一例を示す図である。
図15に示すように、操作補助具を使用する装置である画像形成装置の側面に着脱可能に構成するのが好ましい。画像形成装置の側面への保持は、例えば、圧入、磁力による吸着、マジックテープ(登録商標)を用いた保持など、公知の手法を用いることができる。
【0084】
また、画像形成装置の側面に保持された複数の操作補助具の色を互いに異ならせて、どのユーザーに対応する操作補助具なのかを容易に識別可能にすることが好ましい。また、装置内部ではなく、装置の外部に操作補助具を保持し、画像形成装置から露出させて操作補助具を保持するのが好ましい。これにより、例えば、操作補助具を使用する際や、使用後にアルコールなどを吹き付けて除菌するのが容易になる。また、操作補助具の画像形成装置への取り付け、取り外しを容易に行うことができる。さらには、保持された操作補助具を容易に視認でき、操作補助具が保持されている箇所を探す必要がなくなる。
【0085】
このように、操作補助具を使用する装置である画像形成装置に保持しておくことで、ユーザーが個々に保管する場合に比べて、操作補助具の紛失を防止できる。また、使用する際は、画像形成装置に保持された操作補助具を取り外して使用することができるため、ユーザーが個々に保管してある保管場所に操作補助具を取りに戻るなどの事態が発生するのも防止できる。
【0086】
上述では画像形成装置の給紙カセット12aに本発明の操作補助具を用いた例について説明したが、これに限られず、引き出しユニットを備える装置に、本発明の操作補助具を用いることができる。
【0087】
図16は、引き出しユニットを備える装置としての紙幣計算機300の概略構成図である。
紙幣計算機300は、装置本体に対して引き出し可能に構成され、紙幣が装填される引き出しユニットでありシート収納部であるスタッカ部301と、紙幣を判別する判別部306とを備えている。また、紙幣計算機300は、置本体に対して引き出し可能に構成され、判別された紙幣を集積する引き出しユニットでありシート収納部である集積部308を備えている。
【0088】
スタッカ部301にスタックされた紙幣は、給紙ローラ302により分離ベルト303に搬送ローラ304が当接して形成された分離ニップへ給送される。分離ベルト303は、搬送方向とは逆方向に回転しており、紙幣が複数枚重なったときは、最下層の紙幣のみが判別部306に向けて搬送され、2枚目以降の紙幣は、分離ベルト303により戻されることで、複数枚給送された紙幣が一枚に分離される。この分離ニップで一枚に分離された紙幣は、判別部306に搬送され判別部306により紙幣の種別が判別され、判別した紙幣の種別に応じて、金額を加算する。搬送路305の末端には集積車307が設けられており、集積車307により一枚ずつ搬送された紙幣が集積部308に集積される。紙幣有無を検知する手段がスタッカ部301にスタックされた紙幣が無いことを検知したら、紙幣の搬送を終了し、累計した金額を操作パネルの表示部に表示する。
【0089】
装置本体から引き出す際に掴むスタッカ部301の取っ手部や集積部308の取っ手部は、不特定多数のユーザーが触れるおそれがある。その結果、スタッカ部301の取っ手部や集積部308の取っ手部を介して接触感染するおそれがある。そのため、スタッカ部301の引き出し押し入れ操作や集積部308の引き出し押し入れ操作において、上述した操作補助具を用いることで、上記取っ手部に直接触れることなく、スタッカ部301や集積部308を引き出すことができ、接触感染を防止できる。
【0090】
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
操作補助具100は、把持部102と、装置本体に対して引き出し可能に構成された給紙カセット12aなどの引き出しユニットの取っ手部12bに係合する係合部101とを有する。
これによれば、実施形態で説明したように、操作補助具を使用することにより、使用者は、取っ手部に触れることなく引き出しユニットの引き出しおよび押し入れを行うことができる。これにより、取っ手部を介した感染の広がりを抑制することができる。
【0091】
(態様2)
態様1において、係合部101は、取っ手部12bの引き出しユニットの引き出し方向に直交する一対の直交面のうち、外周面12b1などの引き出し方向下流側の直交面に対向する第一面101aなどの第一対向面と、内周面12b2などの引き出し方向上流側の直交面に対向する第二面101bなどの第二対向面とを有する。
これによれば、実施形態で説明したように、給紙カセット12aなどの引き出しユニットを装置本体から引き出すときは、第一面101aなどの第一対向面が、取っ手部12bに当接することで、ユーザーの引く力を取っ手部12bに伝達し、引き出しユニットを装置本体から引き出すことができる。
一方、引き出しユニットを装置本体へ押し入れるときは、第二面101bなどの第二対向面が、取っ手部12bに当接することで、ユーザーの押す力を取っ手部12bに伝達し、引き出しユニットを装置本体へ押し入れることができる。
これにより、操作補助具を用いて引き出しユニットの装置本体に対する引き出しおよび押し入れ操作を行うことができる。
【0092】
(態様3)
態様2において、取っ手部12bに装着した状態で、第一面101aなどの第一対向面および第二面101bなどの第二対向面は、直交面に対向している。
これによれば、実施形態で説明したように、給紙カセット12aなどの引き出しユニットの引き出し操作の際に、第一面101aなどの第一対向面を直交面に対向させる操作や、引き出しユニットの押し入れ操作の際に、第二面101bなどの第二対向面を直交面に対向させる操作が不要となる。これにより、取っ手部12bに装着された操作補助具を掴んで引くだけで、引き出しユニットを引き出せ、操作補助具を掴んで押すだけで、引き出しユニットを押し入れることができる。
【0093】
(態様4)
態様2または3において、係合部101は、下部に取っ手部が挿入される開口を有し、第一面101aなどの第一対向面および第二面101bなどの第二対向面の取っ手部12bよりも下方の位置に、取っ手部側に突出した返し部105を設けた。
これによれば、実施形態で説明したように、操作補助具100により給紙カセット12aなどの引き出しユニットの操作中に、操作補助具100が取っ手部12bから抜け出すのを抑制することができる。
【0094】
(態様5)
態様1乃至4いずれかにおいて、取っ手部12bに装着した状態での回転を止める回り止め部104を有する。
これによれば、実施形態で説明したように、取っ手部12bに装着された操作補助具が、取っ手部回りに回転するのを防止でき、操作補助具の姿勢を、引き出しユニットを引き出す際の姿勢に維持することができる。これにより、取っ手部に装着された操作補助具を容易に掴むことができる。また、引き出す際に、操作補助具の姿勢を変更せずに、引き出しユニットを引き出すことができ、引き出し操作を容易に行うことができる。
【0095】
(態様6)
態様1乃至5いずれかにおいて、ユーザーが把持部102を把持したときに、ユーザーの手の平h2が接触する把持部102の手の平接触面102aの上下方向長さが、ユーザーが把持部102を把持したときに、ユーザーの指先が接触する指先接触面102cの上下方向長さよりも長い。
これによれば、実施形態で説明したように、ユーザーは、把持部102を安定的に把持することができ、操作補助具により安定的に給紙カセット12aなどの引き出しユニットの引き出しおよび押し入れを行うことができる。
【0096】
(態様7)
態様1乃至6いずれかにおいて、操作パネル200の操作するためのパネル操作部103を有する。
これによれば、実施形態で説明したように、操作補助具により操作パネル200に直接触れずに、操作パネル200の操作を行うことができ、操作パネル200を介した接触感染を抑制できる。
【0097】
(態様8)
態様7において、パネル操作部103は、把持部102に設けられている。
これによれば、実施形態で説明したように、パネル操作部103を指で挟むようにして把持部102を把持することが可能となり、操作補助具をしっかりと把持することができる。これにより、操作補助具による給紙カセット12aなどの引き出しユニットの引き出しおよび押し入れ操作の操作性を向上することができる。
【0098】
(態様9)
態様7または8において、パネル操作部103の少なくとも操作パネル200を押圧する先端部103aなどの押圧部を交換可能に構成した。
これによれば、実施形態で説明したように、先端部103aなどの押圧部が破損したときは、押圧部を交換することで、継続して操作補助具を使用することができる。
【0099】
(態様10)
態様7乃至9いずれかにおいて、パネル操作部103の少なくとも操作パネル200を押圧する先端部103aなどの押圧部を、当該操作補助具の本体とは別材料で構成した。
これによれば、操作パネルを操作しやすい材料でパネル操作部103の少なくとも先端部103aなどの押圧部を構成でき、本体を把持しやすい材料などで構成することができる。これにより、操作パネル200の操作性と、給紙カセット12aなどの引き出しユニットの操作性とを両立を容易に図ることができる。
【0100】
(態様11)
態様1乃至10いずれかにおいて、係合部101を交換可能に構成した。
これによれば、実施形態で説明したように、係合部101が破損したときは、係合部101を交換することで、継続して操作補助具100を使用することができる。
【0101】
(態様12)
態様1乃至11いずれかにおいて、係合部101を当該操作補助具の本体とは別材料で構成した。
これによれば、実施形態で説明したように、係合部101は、取っ手部12bとの係合に適した材料で構成でき、把持部102は、ユーザーの把持に適した材料で構成できる。これにより、安定的に給紙カセット12aなどの引き出しユニットの操作を行うことができる。
【0102】
(態様13)
態様12において、係合部101の取っ手部12bとの摩擦係数が、当該操作補助具の本体の取っ手部12bとの摩擦係数よりも高い。
これによれば、実施形態で説明したように、係合部101が取っ手部12bに当接して給紙カセット12aなどの引き出しユニットの引き出しおよび押し入れ操作を行うときに、操作補助具100が取っ手部12bに対して動くのを抑制できる。これにより、安定的に引き出しユニットの引き出しや押し入れを行うことができる。
【0103】
(態様14)
態様1乃至13いずれかにおいて、少なくとも把持部102は、抗菌処理されている。
これによれば、実施形態で説明したように、操作補助具を介した接触感染を良好に抑制できる。
【0104】
(態様15)
態様1乃至13いずれかにおいて、少なくとも把持部102は、金属で構成されている。
これによれば、実施形態で説明したように、操作補助具を介した接触感染を良好に抑制できる。
【0105】
(態様16)
態様1乃至15いずれかにおいて、取っ手部12bが挿入されるアーチ形状部分を有し、アーチ形状部分の内周面が、係合部101であり、アーチ形状部分の外周面が把持部102であり、アーチ形状部分を、弾性変形可能に構成した。
これによれば、変形例で説明したように、操作補助具を弾性変形させて画像形成装置から排出されたシート束などを挟持することができ、操作補助具によりシート束に直接触れずに、排紙トレイ31からシート束を取り出すことができる。
【0106】
(態様17)
態様16において、アーチ形状部分の内周面の下端に返し部105などの突起部を設けた。
これによれば、変形例で説明したように、給紙カセット12aなどの引き出しユニットを引き出しおよび押し入れ操作の際は、突起部が取っ手部と対向して、操作補助具が取っ手部12bから外れるのを抑制できる。また、シート束などを挟持するときは、この突起部が当接し、高い当接圧でシート束を挟持することができる。
【0107】
(態様18)
態様17において、返し部105などの突起部を、交換可能に構成した。
これによれば、変形例で説明したように、返し部105などの突起部が破損したときは、突起部を交換することで、継続して操作補助具を使用することができる。
【0108】
(態様19)
態様17または18において、返し部105などの突起部をアーチ形状部分とは別材料で構成した。
これによれば、変形例で説明したように、返し部105などの突起部を操作補助具によりシート束などを良好に挟できる材料で構成し、アーチ形状部分をユーザーが把持しやすい材料で構成することができる。これにより、操作補助具によるシート束の挟持性と、引き出しユニットの操作性とを両立させることができる。
【0109】
(態様20)
態様1乃至19に記載の操作補助具において、装置本体に対して着脱可能に構成した。
これによれば、
図15を用いて説明したように、ユーザーが個々に保管する場合に比べて、操作補助具の紛失を防止できる。また、使用する際は、装置本体に保持された操作補助具を取り外して使用することができるため、ユーザーが個々に保管してある保管場所に操作補助具を取りに戻るなどの事態が発生するのも防止できる。
【0110】
(態様21)
態様1乃至20いずれかにおいて、取っ手部12bは、シート収納する給紙カセット12aなどのシート収納部の取っ手部である。
これによれば、実施形態で説明したしたように、シート収納部の取っ手部を介したウィルスの感染を抑制することができる。
【0111】
(態様22)
装置本体に対して引き出し可能に構成された引き出しユニットを備える画像形成装置において、態様1乃至21いずれかの操作補助具を備える。
これによれば、実施形態で説明したしたように、引き出しユニットの取っ手部を介したウィルスの感染を抑制することができる。
【0112】
(態様23)
態様22において、操作補助具を、視認可能箇所に保持した。
これによれば、
図15を用いて説明したように、装置に保持された操作補助具を容易に見つけることができる。
【0113】
(態様24)
態様22または23において、複数の操作補助具を保持可能に構成した。
これによれば、複数の利用者の操作補助具を保持することができる。
【0114】
(態様25)
態様24に記載の引き出し装置において、複数の操作補助具の色が、互いに異なる。
これによれば、
図15を用いて説明したように、画像形成装置に保持された複数の操作補助具から、色により利用者の操作補助具と、他の利用者の操作補助具とを識別することができる。
【0115】
(態様26)
態様22乃至25いずれかにおいて、引き出しユニットが、給紙カセット12aである。
これによれば、実施形態で説明したしたように、給紙カセット12aの取っ手部12bを介したウィルスの感染を抑制することができる。
【符号の説明】
【0116】
1 :画像形成装置
12 :給送装置
12a :給紙カセット
12a1 :側面
12b :取っ手部
12b1 :外周面
12b2 :内周面
12c :側板
100 :操作補助具
100A :操作補助具
101 :係合部
101a :第一面
101b :第二面
101c :上面
102 :把持部
102a :手の平接触面
102b :上面
102c :指先接触面
103 :パネル操作部
103a :先端部
104 :回り止め部
105 :返し部
200 :操作パネル
200a :ボタン
300 :紙幣計算機
301 :スタッカ部
308 :集積部
H :手
h1 :指先
h2 :手の平
【先行技術文献】
【特許文献】
【0117】