(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023032539
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】除湿装置
(51)【国際特許分類】
B01D 53/26 20060101AFI20230302BHJP
F24F 3/14 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
B01D53/26 100
F24F3/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021138727
(22)【出願日】2021-08-27
(71)【出願人】
【識別番号】000148357
【氏名又は名称】株式会社前川製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 克也
(72)【発明者】
【氏名】菊地 努
(72)【発明者】
【氏名】中田 誠一
(72)【発明者】
【氏名】北山 英博
【テーマコード(参考)】
3L053
4D052
【Fターム(参考)】
3L053BC02
4D052AA08
4D052BA04
4D052BB04
(57)【要約】
【課題】除湿装置のシステム全体で効率的に運転することができるとともに、水冷式において補給水の供給量を低減することのできる除湿装置を提供する。
【解決手段】
除湿装置1は、冷媒が循環する冷凍サイクル20と、冷凍サイクルの冷却コイル21が配置され、ファン10によって取り込まれた空気を冷却除湿する除湿部30と、除湿部の冷却コイルより下流側に配置され、空気を加熱する加温部31Aと、冷凍サイクルの凝縮器23、および除湿部に接続される冷却塔40と、除湿部および冷却塔を接続する第1経路50と、冷却塔および凝縮器を接続する第2経路60と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒が循環する冷凍サイクルと、
前記冷凍サイクルの冷却コイルが配置され、ファンによって取り込まれた空気を冷却除湿する除湿部と、
前記除湿部の前記冷却コイルより下流側に配置され、空気を加熱する加温部と、
前記冷凍サイクルの凝縮器、および前記除湿部に接続される冷却塔と、
前記除湿部および前記冷却塔を接続する第1経路と、
前記冷却塔および前記凝縮器を接続する第2経路と、を有する除湿装置。
【請求項2】
水または不凍液である媒体が循環する循環部をさらに有し、
前記循環部は前記加温部と、前記除湿部の前記冷却コイルより上流側に配置され、空気を冷却する冷却部と、前記媒体を循環させるポンプと、を有する請求項1に記載の除湿装置。
【請求項3】
前記ファンと前記冷却コイルの間の空気流路に配置され、空気に水を噴霧するように構成された噴霧部を有する、請求項1または2に記載の除湿装置。
【請求項4】
前記第2経路から分岐され、前記冷却塔の冷却水を前記噴霧部に移動するように形成される第3経路を有する、請求項3に記載の除湿装置。
【請求項5】
前記除湿部において発生した少なくとも一部のドレイン水が、前記噴霧部に移動する第4経路をさらに有する、請求項3に記載の除湿装置。
【請求項6】
前記第4経路は、前記第1経路から分岐されるように形成される、請求項5に記載の除湿装置。
【請求項7】
前記冷却塔に補給水が供給する第5経路と、
前記第5経路から分岐して前記第4経路に合流する第6経路と、をさらに有する、請求項5または6に記載の除湿装置。
【請求項8】
前記噴霧部において、水は水平方向に噴霧される、請求項3~7のいずれか1項に記載の除湿装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除湿装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、夏場に工場内や体育館内等の環境改善のため、内部の空気を冷却除湿する除湿装置が種々開発されている。
【0003】
このような除湿装置としては、圧縮機、凝縮器、膨張装置および蒸発器が順に配管で接続され、冷媒が循環する冷媒回路と、除湿対象空間から蒸発器および凝縮器を経由して除湿対象空間に戻る風路に空気を流通させる送風機と、を有するものが知られている(例えば下記の特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような除湿装置に対して、除湿装置のシステム全体で効率的に運転することが求められている。また、このような除湿装置では、水の供給や設備の取り扱いの観点から空冷方式が主流であるが、エネルギー効率が悪いことが課題である。一方で、水冷式ではエネルギー効率が高いが、水の消費量が多いため補給水の供給量が増大することが課題である。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために発明されたものであり、除湿装置のシステム全体で効率的に運転することができるとともに、水冷式において補給水の供給量を低減することのできる除湿装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明に係る除湿装置は、冷媒が循環する冷凍サイクルと、前記冷凍サイクルの冷却コイルが配置され、ファンによって取り込まれた空気を冷却除湿する除湿部と、前記除湿部の前記冷却コイルより下流側に配置され、空気を加熱する加温部と、前記冷凍サイクルの凝縮器、および前記除湿部に接続される冷却塔と、前記除湿部および前記冷却塔を接続する第1経路と、前記冷却塔および前記凝縮器を接続する第2経路と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
上述の除湿装置によれば、除湿部において発生したドレイン水が、第1経路を介して、冷却塔に流入し、第2経路を循環する冷却水と混合される。そして、ドレイン水と混合されて低温になった冷却水は、第2経路を介して凝縮器に移動される。ドレイン水は、一般的に冷却水よりも温度が低いため、ドレイン水が混合されることによってより低温の液体が凝縮器に供給される。このため、除湿装置のシステム全体で効率的に運転することができる。また、ドレイン水を補給水として用いることができるため、水冷式において補給水の供給量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る除湿装置を示す概略図である。
【
図2】本発明の第2実施形態に係る除湿装置を示す概略図である。
【
図3】本発明の第2実施形態の変形例に係る除湿装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る除湿装置1を、
図1を参照しつつ説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0011】
図1は、第1実施形態に係る除湿装置1を示す概略図である。
【0012】
第1実施形態に係る除湿装置1は、ファン10によって取り込んだ空気を冷却除湿することができる。除湿装置1が配置される箇所としては、特に限定されないが、例えば工場や体育館である。
【0013】
第1実施形態に係る除湿装置1は、
図1に示すように、ファン10と、冷媒が循環する冷凍サイクル20と、ファン10によって取り込まれて空気を冷却除湿する除湿部30と、冷却塔40と、除湿部30および冷却塔40を接続する第1経路50と、冷却塔40および凝縮器23を接続する第2経路60と、第2経路60から分岐されて噴霧部33に接続される第3経路70と、補給水が冷却塔40に移動する第5経路80と、を有する。以下、各構成について説明する。
【0014】
ファン10は、
図1に示すように、冷凍サイクル20の冷却コイル21の空気の流れの上流側に設けられる。ファン10は、工場等の内部の空気または外気(被処理空気)を取り込んで、冷凍サイクル20の冷却コイル21に向けて送風する。
【0015】
冷凍サイクル20は、
図1に示すように、冷却コイル21と、圧縮機22と、凝縮器23と、膨張弁24と、循環ライン25と、を有する。
【0016】
冷却コイル21において、ファン10によって取り込まれた空気の熱により蒸発した冷媒は、圧縮機22によって圧縮され、高温高圧になった冷媒は凝縮器23において冷却されて凝縮し、凝縮された冷媒は、膨張弁24に送られて膨張され、膨張した冷媒は、冷却コイル21に送られて、ファン10によって取り込まれた空気の冷却除湿に用いられる。
【0017】
冷却コイル21は、
図1に示すように、除湿部30のハウジング31の内部に配置されている。圧縮機22は、モーターMによって駆動される。
【0018】
冷凍サイクル20を循環する冷媒としては、アンモニアやCO2、HFOといったいわゆるグリーン冷媒やフロン冷媒を用いることができ、特に限定されない。
【0019】
除湿部30は、ファン10によって取り込まれた空気を冷却除湿することができる。除湿部30には、
図1に示すように、冷凍サイクル20の冷却コイル21が配置される。除湿部30は、
図1に示すように、ハウジング31と、水または不凍液が循環する循環部32と、噴霧部33と、を有する。
【0020】
ハウジング31の内部には、冷却コイル21が配置されている。ハウジング31は、断熱壁から構成されることが好ましい。
【0021】
循環部32は、ハウジング31内の右側に位置する第1熱交換部32Aと、ハウジング31内の左側に位置する第2熱交換部32Bと、ポンプ32Cと、循環ライン32Dと、を有する。
【0022】
第1熱交換部(加温部に相当)32Aは、冷却コイル21によって冷却された空気を加熱することでより快適な温度及び湿度の空気を供給する機能を持つ。つまり、第1熱交換部32Aにおいて、冷却コイル21によって冷却された空気と熱交換することで、第1熱交換部32A内部を循環する媒体(水または不凍液)の温度が低下する。このとき、第1熱交換部32Aによって冷却コイル21によって冷却された空気が温められることで、相対湿度が下がりより快適な温度で供給できる。そして、温度が低下した媒体は、第2熱交換部(冷却部に相当)32Bに移動されて、第2熱交換部32Bにおいて、ファン10によって取り込まれた比較的高温の空気と熱交換して空気を冷却し、媒体の温度は上昇する。そして、温度が上昇した媒体は、ポンプ32Cによって第1熱交換部32Aに移動される。このように循環部32が設けられることによって、冷却コイル21の入口側における空気の温度を下げ、冷却負荷を低減することができ、かつ冷却コイル21の出口側における空気の温度を上げ、快適な温度で空気を供給することができる。
【0023】
噴霧部33は、冷却塔40から第2経路60および第3経路70を移動してきた液体を、除湿部30のハウジング31の内部に噴霧する。噴霧部33の構成は、水を噴霧できる構成であれば特に限定されない。噴霧部33は、液体を水平方向に噴霧するように配置されている。この構成によれば、ファン10によって取り込まれた空気に汚れが付着している場合に好適に除去することができる。また、散水する構成と比較して、噴霧することによって水の蒸発潜熱を効果的に用いることができ、プレクーリングの効果をより向上させることができる。
【0024】
冷却塔40は、第2経路60を循環する冷却水を冷却する。第2経路60を循環する冷却水は、
図1に示すように、散水部41から散水される。
【0025】
冷却塔40の内部には、冷却塔40内部の冷却水の水位を測定するためのレベルセンサー42が配置されている。
【0026】
第1経路50は、除湿部30および冷却塔40を連結する。除湿部30において、ファン10によって取り込まれた高温高湿の空気を冷却除湿する際に生じるドレイン水は、第1経路50を介して、冷却塔40に移動する。これにより、ドレイン水を冷却塔40の補給水として用いることができるため、補給水の供給量を低減することができる。また、比較的低温のドレイン水が冷却塔40に供給されることで、冷却水の温度を低下させることができ、凝縮器23に低温の冷却水を供給することができるため、冷凍サイクルの効率が向上する。
【0027】
第2経路60は、冷却塔40および凝縮器23を連結する。第2経路60は、ドレイン水によって温度が低下された冷却水が循環する。第2経路60上には、冷却水を循環させるためのポンプ61が配置されている。
【0028】
このように、第2経路60をドレイン水によって温度が低下された冷却水が循環して、ドレイン水によって温度が低下された冷却水が凝縮器23に供給されるため、凝縮器23の効率が上昇するとともに、圧縮機22を駆動するためのモーターMの負荷が低減する。
【0029】
第3経路70は、第2経路60から分岐されて噴霧部33に接続される。ドレイン水によって温度が低下された冷却水が噴霧部33から、ファン10によって取り込まれた空気に噴霧されるため、ファン10によって取り込まれた空気をプレクーリングすることができる。このため、冷却コイル21における冷却負荷を低減することができる。
【0030】
なおドレイン水によって温度が低下された冷却塔40の冷却水を噴霧部33に供給するに際し、夏場、外気温が高くなると冷却水内に菌(レジオネラ菌)が発生する場合がある。そのため、第3経路70には、ドレイン水によって温度が低下された冷却水内の菌を殺菌するための紫外線ランプが配置されていることが好ましい。
【0031】
第5経路80は、補給水を冷却塔40に供給するための経路である。第5経路80には、
図1に示すように、補給水の冷却塔40への供給量を調整するための調整弁81が配置されている。
【0032】
次に、第1実施形態に係る除湿装置1の使用方法について説明する。使用方法の説明において記載する温度や湿度の数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。
【0033】
第1実施形態の除湿装置1は、被処理空気(温度30℃、相対湿度75%)を取り込んで、冷却除湿した空気(温度20℃、相対湿度70%)として工場や体育館等に供給する。
【0034】
まず、ファン10によって被処理空気(温度30℃、相対湿度75%)を取り込んで、冷凍サイクル20の冷却コイル21に向けて送風する。
【0035】
そして、噴霧部33から噴霧される水によって、空気はプレクーリングされる(温度29.8℃)。
【0036】
そして、被処理空気は第1熱交換部32Aと熱交換して冷却され(温度27℃、相対湿度100%)、さらに冷却コイル21において、冷却除湿される(温度10℃、相対湿度100%)。このとき、除湿部30の内部において、ドレイン水(温度5℃)が発生し、ハウジング31の下部に貯蔵される。
【0037】
そして、冷却コイル21によって冷却された空気は、第1熱交換部32Aで加熱されたうえで(温度20℃、相対湿度70%)、工場や体育館などに供給される。
【0038】
また、除湿部30で発生したドレイン水は、第1経路50を介して、冷却塔40に送られる。そして、冷却塔40において、第2経路60を循環する冷却水(温度31.3℃)と混合されて、冷却水はドレイン水によって冷却される(温度31.2℃)。このように第1経路50を介して、ドレイン水が冷却塔40に供給されるため、冷却塔40の内部において、冷却水が不足することを好適に抑制することができる。
【0039】
そして、ドレイン水によって冷却された冷却水は、第2経路60を流れて、冷凍サイクル20の凝縮器23に移動する。このように、第2経路60をドレイン水によって温度が低下された冷却水が循環して、ドレイン水によって温度が低下された冷却水が凝縮器23に供給されるため、凝縮器23の効率が上昇するとともに、凝縮熱が低下することで圧縮機22を駆動するためのモーターMの負荷が低減する。また、ドレイン水を冷却塔40の補給水として用いることができるため、冷却塔40に供給する補給水量を低減することができ、省水となる。
【0040】
また、ドレイン水によって冷却された冷却水は、第2経路60および第3経路70を介して、噴霧部33まで移動した後、噴霧部33から霧状に噴霧される。ドレイン水によって温度が低下された冷却水が噴霧部33から、ファン10によって取り込まれた空気に噴霧されるため、ファン10によって取り込まれた空気をプレクーリングすることができる。
【0041】
以上説明したように、本実施形態に係る除湿装置1は、冷媒が循環する冷凍サイクル20と、冷凍サイクル20の冷却コイル21が配置され、ファン10によって取り込まれた空気を冷却除湿する除湿部30と、前記除湿部の前記冷却コイルより下流側に配置され、空気を加熱する第1熱交換部32Aと、冷凍サイクル20の凝縮器23、および除湿部30に接続される冷却塔40と、除湿部30および冷却塔40を接続する第1経路50と、冷却塔40および凝縮器23を接続する第2経路60と、を有する。このように構成された除湿装置1によれば、除湿部30において発生したドレイン水が、第1経路50を介して、冷却塔40に流入し、第2経路60を循環する冷却水と混合される。そして、ドレイン水と混合されて低温になった冷却水は、第2経路60を介して凝縮器23に移動される。ドレイン水は、一般的に冷却水よりも温度が低いため、ドレイン水が混合されることによってより低温の液体が凝縮器23に供給される。このため、除湿装置1のシステム全体で効率的に運転することができる。また、ドレイン水を補給水として用いることができるため、水冷式において補給水の供給量を低減することができる。
【0042】
また、除湿装置1は、除湿部30において発生したドレイン水が、除湿部30の上流に配置される噴霧部33に移動する第3経路70をさらに有する。このように構成された除湿装置1によれば、ファン10によって取り込まれた空気をプレクーリングすることができる。
【0043】
また、第3経路70は、第2経路60から分岐されるように形成される。このように構成された除湿装置1によれば、ドレイン水が混合された冷却水が噴霧部33に供給されるため、噴霧部33から噴霧される液体が枯渇することを防止できる。
【0044】
また、噴霧部33において、ドレイン水は水平方向に噴霧される。このように構成された除湿装置1によれば、ファン10によって取り込まれた空気に汚れが付着している場合に好適に除去することができる。
【0045】
<第2実施形態>
次に、
図2を参照して、本発明の第2実施形態に係る除湿装置2の構成について説明する。
【0046】
図2は、第2実施形態に係る除湿装置2を示す概略図である。第1実施形態と共通する部分は説明を省略し、第2実施形態のみに特徴のある個所について説明する。なお、上述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付して説明し、重複した説明は省略する。第2実施形態は、第1実施形態と比較して、第4経路170が第1経路50から分岐される点などが異なる。
【0047】
第2実施形態に係る除湿装置2は、
図2に示すように、ファン10と、冷媒が循環する冷凍サイクル20と、ファン10によって取り込まれた空気を冷却除湿する除湿部30と、冷却塔40と、除湿部30および冷却塔40を接続する第1経路50と、冷却塔40および凝縮器23を接続する第2経路60と、第1経路50から分岐されて噴霧部33に接続される第4経路170と、補給水が冷却塔40に供給される第5経路80と、第1経路50から第4経路170に分岐される箇所に配置されるタンク90と、を有する。ファン10、冷凍サイクル20、除湿部30、冷却塔40、第1経路50、第2経路60、第5経路80の構成は、上述した第1実施形態に係る除湿装置1と同様であるため、説明は省略する。
【0048】
第4経路170は、第1経路50から分岐されるように形成される。第4経路170には、第1経路50を流れるドレイン水を噴霧部33まで移動させるためのポンプ171が配置されている。
【0049】
タンク90は、
図2に示すように、第4経路170が第1経路50から分岐される箇所に配置されている。タンク90にはタンク90におけるドレイン水の水位を把握できるレベルセンサー91が配置されている。
【0050】
次に、第2実施形態に係る除湿装置2の使用方法について説明する。第1実施形態に係る除湿装置1と同一の使用方法については適宜省略する。
【0051】
ファン10によって取り込まれた空気は、冷却コイル21において、冷却除湿される。このとき、除湿部30の内部において、ドレイン水が発生し、ハウジング31の下部に貯蔵される。
【0052】
そして、ドレイン水は、第1経路50を介して、タンク90に送られる。そして、初期状態のタンク90がドレイン水で満たされる前において、タンク90内のドレイン水は、ポンプ171によって噴霧部33に移動されて、噴霧部33から噴霧されて、空気をプレクーリングする。
【0053】
そして、第1経路50から冷却塔40にドレイン水が供給される。その後の使用方法は、第1実施形態に係る除湿装置1と同様であるため、説明は省略する。
【0054】
以上説明したように、第2実施形態に係る除湿装置2において、第4経路170は、第1経路50から分岐されるように形成される。このように構成された除湿装置2によれば、ドレイン水が第2経路60を循環する冷却水に混合されることなく、冷たいドレイン水が直接プレクーリングに用いられるため、ファン10によって取り込まれた空気をより好適にプレクーリングすることができる。
【0055】
<第2実施形態の変形例>
次に、
図3を参照して、第2実施形態の変形例に係る除湿装置3の構成について説明する。
【0056】
図3は、第2実施形態の変形例に係る除湿装置3は、
図3に示すように、ファン10と、冷媒が循環する冷凍サイクル20と、ファン10によって取り込まれた空気を冷却除湿する除湿部30と、冷却塔40と、除湿部30および冷却塔40を接続する第1経路50と、冷却塔40および凝縮器23を接続する第2経路60と、第1経路50から分岐されて噴霧部33に接続される第4経路170と、補給水が冷却塔40に供給される第5経路80と、第1経路50から第4経路170に分岐される箇所に配置されるタンク90と、第6経路100と、を有する。
【0057】
ファン10、冷凍サイクル20、除湿部30、冷却塔40、第1経路50、第2経路60、第4経路170、第5経路80、およびタンク90の構成は、上述した第2実施形態に係る除湿装置2と同様であるため、説明は省略する。
【0058】
第6経路100は、
図3に示すように、第5経路80から分岐するとともに第4経路170に合流する。第6経路100には、第6経路100を流通する補給水の量を調整するための調整弁101が設けられている。
【0059】
次に、
図3を参照して、第2実施形態の変形例に係る除湿装置3の使用方法について説明する。
【0060】
第2実施形態の変形例に係る除湿装置3において、被処理空気の温度が補給水の温度よりも高い場合は、第5経路80の調整弁81を閉じると共に、第6経路100の調整弁101を開いて、補給水を、第4経路170を流れるドレイン水と混合させて、噴霧部33から噴霧して、ファン10によって取り込まれた空気をプレクーリングする。
【0061】
一方、被処理空気の温度が補給水の温度よりも低い場合は、第5経路80の調整弁81を開くと共に、第6経路100の調整弁101を閉じて、補給水を、第5経路80を介して、冷却塔40に供給する。
【0062】
第2実施形態の変形例に係る除湿装置3によれば、被処理空気の温度が補給水よりも高い場合に、補給水とドレイン水とが混合された低温の水を多量に噴霧部33から噴霧する事ができるため、より高効率にファン10によって取り込まれた空気をプレクーリングすることができる。
【0063】
以上、実施形態および変形例を通じて、除湿装置1、2、3の構成について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で種々改変することができる。
【0064】
例えば、上述した第1実施形態では、除湿装置1は、除湿部30において発生したドレイン水が、除湿部30の上流に配置される噴霧部33に移動する第3経路70を有していたが、第3経路を有していなくてもよい。
【0065】
また、上述した第1実施形態では、噴霧部33において、ドレイン水は水平方向に噴霧された。しかしながら、噴霧部において、ドレイン水は水平方向に噴霧されなくてもよい。
【符号の説明】
【0066】
1、2、3 除湿装置、
10 ファン、
20 冷凍サイクル、
21 冷却コイル、
22 圧縮機、
23 凝縮器、
24 膨張弁、
30 除湿部、
32 循環部、
33 噴霧部、
40 冷却塔、
50 第1経路、
60 第2経路、
70 第3経路、
80 第5経路、
90 タンク、
100 第6経路、
170 第4経路。