(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023033096
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】偏光フィゾー干渉計
(51)【国際特許分類】
G01B 9/02015 20220101AFI20230302BHJP
【FI】
G01B9/02015
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022078411
(22)【出願日】2022-05-11
(31)【優先権主張番号】21193604
(32)【優先日】2021-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】000137694
【氏名又は名称】株式会社ミツトヨ
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】松浦 心平
【テーマコード(参考)】
2F064
【Fターム(参考)】
2F064AA15
2F064CC02
2F064EE05
2F064GG33
2F064HH03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】干渉計の分野に関するものであり、特に、干渉図のコントラストを改善するフィゾー干渉計に関する。
【解決手段】フィゾー干渉計1は、光源2と、参照面4と、フィゾー干渉計の支持体上に配置された被検面5と、撮像システム3とを含む。フィゾー干渉計は、干渉図のコントラストを改善するために偏光参照面を利用する。本発明はさらに、フィゾー干渉計によって得られる干渉図のコントラストを改善するための、本発明のフィゾー干渉計を使用する方法に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光路に沿って進行する光ビームを放出する光源を備え、
前記光路の第1部分は、前記光源とフィゾー干渉計の支持体上に配置された反射被検面との間に延在し、
参照面は、前記光源と前記被検面の前記支持体との間の前記光路の前記第1部分に配置され、
前記光路の第2部分は、前記被検面から前記参照面まで、そして、前記光路の前記第2部分から入射する光を測定する前記フィゾー干渉計の撮像システムまで延在し、
前記撮像システムは、参照光ビームと被検光ビームとを干渉させることで生成される干渉図を測定するように構成され、前記参照面は、偏光性・部分反射性を有する参照面であることを特徴としており、前記光源から放出され前記光路の前記第1部分に沿って入射した前記光ビームを部分反射および偏光させて前記参照面により前記参照光ビームを形成し、この参照光ビームは、前記参照面によって、前記光路の前記第2部分に沿って前記撮像システムに向けて反射され、
前記参照光ビームは第1偏光角度を有し、前記被検光ビームは、前記光路の前記第1部分に沿って入射する前記光ビームが、前記光路の前記第1部分に沿って前記参照面を介して前記被検面に向けて通過することで形成され、この被検光ビームは、前記参照面によって偏光され、この被検光ビームは、前記被検面によって前記参照面に向けて、そして前記光路の前記第2部分を通って前記撮像システムへ反射され、
前記被検光ビームは、第2偏光角度を有し、
前記第1偏光角度と前記第2偏光角度は異なり、前記フィゾー干渉計は、前記光路と前記第2部分において前記参照面と前記撮像システムとの間に配置される第1偏光子をさらに備え、
前記第1偏光子は、前記撮像システムに向けて第3偏光角度の光を通過させるように構成される、
フィゾー干渉計。
【請求項2】
前記第1偏光子は、前記第3偏光角度が可変の第3偏光角度となるような第1可変角度偏光子である、
請求項1に記載のフィゾー干渉計。
【請求項3】
前記光路の前記第1部分において前記光源と前記参照面との間に設けられた第2偏光子をさらに備え、
前記第2偏光子は、前記光源と前記参照面との間の前記光路の前記第1部分を進行する光を偏光するように構成された第2可変角度偏光子であり、
その偏光された光は可変の第4偏光角度を有する、
請求項1に記載のフィゾー干渉計。
【請求項4】
前記第1可変角度偏光子および/または前記第2可変角度偏光子は、角度可変の1/2波長板また角度可変のダイクロイック偏光子である、
請求項2または3に記載のフィゾー干渉計。
【請求項5】
前記撮像システムは、前記参照光ビームと前記被検光ビームとを干渉させることで生成される前記干渉図のコントラストを測定するようにさらに構成される、
先の請求項の1以上に記載のフィゾー干渉計。
【請求項6】
前記偏光参照面は、好ましくは反射偏光子であり、
前記偏光参照面は、ワイヤグリッド偏光子である、
先の請求項の1以上に記載のフィゾー干渉計。
【請求項7】
前記光源は、好ましくは単色光を放出するように構成され、
前記光源は、単色レーザである、
先の請求項の1以上に記載のフィゾー干渉計。
【請求項8】
前記参照光ビームおよび前記被検光ビームは、直交する偏光を有する、
先の請求項の1以上に記載のフィゾー干渉計。
【請求項9】
被検面の特性を決定する方法であって、
請求項1から8に記載のフィゾー干渉計が使用される、
方法。
【請求項10】
フィゾー干渉計における干渉図のコントラストを改善する方法であって、
少なくとも請求項2に記載のフィゾー干渉計が使用され、
前記方法は、
-前記参照面および前記被検面を前記光源で照明することと、
-前記撮像システムによって測定された前記干渉図のコントラストを決定することと、
-前記第3偏光角度を変化させて前記干渉図のコントラストを変化させることと、
-前記第3偏光角度を変化させることで前記干渉図のコントラストを改善することと、
を備える、
方法。
【請求項11】
フィゾー干渉計における干渉図のコントラストを改善する方法であって、
少なくとも請求項3に記載のフィゾー干渉計が使用され、
前記方法は、
-前記参照面および前記被検面を前記光源で照明することと、
-前記撮像システムによって測定された前記干渉図のコントラストを決定することと、
-前記第4偏光角度を変化させて前記干渉図のコントラストを変化させることと、
-前記第4偏光角度を変化させることで前記干渉図のコントラストを改善することと、
を備える、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、干渉計の分野に関するものであり、特に、干渉図のコントラストを改善するフィゾー干渉計に関する。フィゾー干渉計は、光源と、参照面と、フィゾー干渉計の支持体上に配置された被検面と、撮像システムとを含む。本発明はさらに、フィゾー干渉計によって得られる干渉図のコントラストを改善するための、本発明のフィゾー干渉計の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フィゾー干渉計システムは、フィゾー干渉計、例えば被検面支持体上に配置された被検面の特性を測定するために使用されてもよい。フィゾー干渉計を用いて、参照光ビームと被検光ビームを干渉させることで、干渉図と呼ばれる干渉パターンが形成されてもよい。参照光ビームは参照面で反射される光ビームであり、被検光ビームは被検面で反射される光ビームである。被検面の特性は、参照面と比較して、干渉パターンに影響を及ぼすものである。したがって、干渉パターンを分析することで、被検面の特性を決定することができる。これらの特性には、被検面の高さに関連する特性が含まれてもよい。
【0003】
既知のフィゾー干渉計では、被検面と参照面は互いに対向して配置される。
【0004】
既知のフィゾー干渉計は、光路に沿って進行する光ビームを放出する光源を備え、光路の第1部分は、光源と、フィゾー干渉計の支持体上に配置された反射被検面との間に延在し、参照面は、光源と被検面の支持体との間の光路の第1部分に配置され、光路の第2部分は、被検面から参照面まで、そして、光路の第2部分から入射する光を測定するフィゾー干渉計の撮像システムまで延在し、参照面は、参照光ビームおよび被検光ビームが生成されるように部分反射性があり、参照光ビームは、光源から放出され、光路の第1部分に沿って入射する光ビームが部分反射されることで形成され、その参照光ビームは、光路の第2部分に沿って撮像システムに向けて反射され、被検光ビームは、光路の第1部分に沿って参照面を通過した光ビームを被検面に向けて通過させることで形成され、その被検光ビームは、被検面によって参照面に向けて、そして、光路の第2部分に沿って撮像システムへと反射され、撮像システムは、参照光ビームと被検光ビームとを干渉させることで生成される干渉図を測定するように構成される。
【0005】
被検光ビームは、被検面で反射された後、参照面を通過してもよい。
【0006】
フィゾー干渉計の最適なパフォーマンスは、干渉図のコントラストがより良好になることで改善する。改善した最適なパフォーマンスにより、フィゾー干渉計で行う測定がより良いものになり、例えば、被検面の軸方向の解像度の改善した試験を可能にする。参照光ビームと被検光ビームの強度比がほぼ等しい場合、干渉図のコントラストは最大に近くなる。参照光ビームと被検光ビームの強度がほぼ等しい場合、2つのビームは均衡していると言われる。
【0007】
2つの光ビームの強度比は、例えば被検面の反射率が低い場合、不均等になることがある。この場合、参照光ビームの強度が被検光ビームの強度よりも高くなる場合がある。
これは、干渉図のコントラストを低下させ、したがってフィゾー干渉計のパフォーマンスを低下させる。
【0008】
同様に、被検面の反射率が参照面よりも高い場合、被検光ビームの強度が参照光ビームの強度よりも高くなる場合がある。この場合、干渉図のコントラストも低下し、フィゾー干渉計のパフォーマンスが所望のものよりも低くなる場合がある。
【0009】
既知のフィゾー干渉計では、ビーム比、すなわち撮像システムにおける参照光ビームと被検光ビームの比は、参照面の反射率を変化させることで制御される。参照面の反射率は、参照面を別の反射率を有する参照面に置き換えることで制御してもよい。また、光路に、いわゆるND(neutral density)フィルタを挿入することでビーム比を制御してもよい。既知のフィゾー干渉計では、通常、NDフィルタは、参照面と被検面との間に配置される。
【0010】
ビーム比を制御するこれらの方法は、対象となる被検面に応じて、異なる参照面および/またはNDフィルタを多数必要とする。参照面およびNDフィルタは、対象となる被検面それぞれに適した反射率および透過率を有する必要がある。様々な参照面および/またはNDフィルタを有する必要性は、フィゾー干渉計の使用コストを増加させ得る。
【0011】
さらに、最適な測定を行うために、フィゾー干渉計のユーザは、異なる被検面を測定するたびにフィゾー干渉計の構成を変更しなければならない場合があり、これは、干渉計の再位置合わせが必要になるというデメリットもある。これにより、測定時間が長くなる。さらに、システム内の素子を交換することで、埃や指紋などによる光学系の汚染のリスクが高まる。
【0012】
本発明の目的は、参照光ビームおよび被検光ビームによって生成される干渉図のコントラストを改善するための代替手段を備えるフィゾー干渉計を提供することである。
【0013】
したがって、請求項1に記載のフィゾー干渉計は、光路に沿って進行する光ビームを放出する光源を備えるフィゾー干渉計であって、光路の第1部分は、光源とフィゾー干渉計の支持体上に配置された反射被検面との間に延在し、参照面は、光源と被検面の支持体との間の光路の第1部分に配置され、光路の第2部分は、被検面から参照面まで、そして、光路の第2部分から入射する光を測定するフィゾー干渉計の撮像システムまで延在し、撮像システムは、参照光ビームと被検光ビームとを干渉させることで生成される干渉図を測定するように構成され、参照面は、偏光性・部分反射性を有する参照面であることを特徴としており、光源から放出され光路の第1部分に沿って入射した光ビームを部分反射および偏光させて参照面により参照光ビームを形成し、この参照光ビームは、参照面によって、光路の第2部分に沿って撮像システムに向けて反射され、参照光ビームは第1偏光角度を有し、被検光ビームは、光路の第1部分に沿って入射する光ビームが、光路の第1部分に沿って参照面を介して被検面に向けて通過することで形成され、この被検光ビームは、参照面によって偏光され、この被検光ビームは、被検面によって参照面に向けて、そして光路の第2部分を通って撮像システムへ反射され、被検光ビームは、第2偏光角度を有し、第1偏光角度と第2偏光角度は異なり、フィゾー干渉計は、光路と第2部分において参照面と撮像システムとの間に配置される第1偏光子をさらに備え、第1偏光子は、撮像システムに向けて第3偏光角度の光を通過させるように構成される、フィゾー干渉計。
【0014】
本発明のフィゾー干渉計は、参照光ビームと被検光ビームを偏光させることで、干渉図のコントラストを改善することができる。参照光ビームは、部分反射参照面に入射する光ビームが部分反射されることで形成され、参照光ビームは、第1偏光角度を有しており、すなわち第1偏光と等価である。被検光ビームは、光ビームが参照面を通過することで形成され、被検光ビームは、第2偏光角度を有しており、すなわち第2偏光と等価である。第1偏光角度と第2偏光角度は同じではない。
【0015】
撮像システムの手前にある第1偏光子は、参照光ビームおよび被検光ビームの偏光を揃えて、2つの光ビームを干渉させる。第1偏光子は、第3偏光の光を撮像システムに向けて通過させる。こうして、参照光ビームおよび被検光ビームの両方は、第1偏光子によって第3偏光角度で偏光される。撮像システムに到達する2つのビームの強度比、ひいては干渉図のコントラストは、第3偏光角度に依存する。第1偏光子および対応する第3偏光角度を適切に選択することで、干渉図のコントラストを改善することができる。
【0016】
例えば、光ビームの偏光は、x成分とy成分とに分解されてもよい。例えば、参照光ビームの第1偏光は、x成分のみを有してもよく、被検光ビームの第2偏光は、y成分のみを有してもよい。直交座標の場合、第1偏光と第2偏光は直交する。第3偏光がx成分のみを有する場合、参照光ビームを完全に撮像システムに向けて通過させることができるが、被検光ビームは、偏光子によって遮断される。第3偏光がx成分とy成分との両方を有する場合、例えばx成分とy成分が等しい場合、参照光ビームの一部と被検光ビームの一部、例えば等しい部分を、撮像システムに向けて通過させることができる。
【0017】
このように、第3偏光角度は、撮像システムに到達するビーム比率を決定し、干渉図のコントラストを改善することを可能にする。
【0018】
フィゾー干渉計の一実施形態は、第3偏光角度が可変の第3偏光角度となるような第1可変角度偏光子である。この実施形態では、第1偏光子の偏光を変化させることで、第3偏光角度、ひいては干渉図のビーム比やコントラストを変化させることを可能にする。有利なことには、干渉図のコントラストを変更するために、フィゾー干渉計の第1偏光子を、異なる第3偏光角度を有する別の第1偏光子に交換する必要はない。好ましくは、第1可変角度偏光子はダイクロイック偏光子である。
【0019】
フィゾー干渉計の別の実施形態では、光路の第1部分において、光源と参照面との間に第2偏光子が設けられ、第2偏光子は、光源と参照面との間の光路の第1部分を進行する光を偏光するように構成された第2可変角度偏光子であり、その偏光された光は可変の第4偏角度を有する。
【0020】
第2偏光子は、光路の第1部分を参照面に向けて進行する光ビームを偏光することで、ビーム比、ひいては干渉図のコントラストの制御を可能にする。参照面に向かって進行する光ビームが第1偏光角度に近い第4偏光角度を有する場合、光ビームの大部分が参照面によって反射され、参照光ビームを形成する。対照的に、参照面に向かって進行する光ビームが第2偏光角度に近い第4偏光角度を有する場合、光ビームのごく一部が参照面によって反射され、参照光ビームを形成する。どちらの場合も、光ビームの残りの部分は参照面を通過し、被検光ビームを形成する。このように第4偏光角度を制御することでビーム比を制御することができ、干渉図のコントラストを改善することができる。さらに有利には、この実施形態は、第4偏光角度を制御することで、被検面に入射する際の被検光ビームの強度の制御を可能にする。好ましくは、第2偏光子は、角度可変の1/2波長板である。
【0021】
第1および/または第2可変角度偏光子を有する実施形態において、第1可変角度偏光子および/または第2可変角度偏光子は、角度可変の1/2波長板または角度可変のダイクロイック偏光子であってもよい。好ましい実施形態にかかわらず、第1および/または第2偏光子のいずれかは、任意の適切な、場合によっては角度可変の、偏光子によって具現化されてもよい。
【0022】
フィゾー干渉計の一実施形態において、撮像システムは、参照光ビームと被検光ビームとを干渉させることで生成される干渉図のコントラストを測定するようにさらに構成される。フィゾー干渉計は、干渉図のコントラストを改善することができる。この実施形態では、撮像システムは、有利には、干渉図のコントラストを測定することを可能にし、これにより、第3または第4の偏光角度を変化させる効果を定量化することを可能にする、または、より効果的に干渉図のコントラストを改善することを可能にする。撮像システムは、干渉図の暗い領域と明るい領域とを比較してコントラストを測定するように構成されてもよい。撮像システムは、例えば、干渉図において中間の輝度を有する領域のサイズを考慮することによって、明るい領域と暗い領域とがどの程度明確にされているかを測定することによって、コントラストを測定するように構成されてもよい。
【0023】
フィゾー干渉計の一実施形態において、偏光参照面は、好ましくは反射偏光子であり、偏光参照面は、ワイヤグリッド偏光子である。ワイヤグリッド偏光子は有利に使用され、実験によればフィゾー干渉計に典型的に見られる入射光条件下で、効率的に光を反射するとともに透過させる。他の偏光参照面も本発明において使用されてもよい。
【0024】
一実施形態においては、フィゾー干渉計の光源は、好ましくは単色光を放出するように構成され、光源は、単色レーザである。実施形態では、光源の波長は、対象となる被検面に応じて構成されてもよい。例えば、測定される被検面が小さい場合、より小さな波長の光を放出する光源が必要になることがある。
【0025】
フィゾー干渉計の一実施形態では、参照光ビームおよび被検光ビームは、直交する偏光を有する。
【0026】
本発明はさらに、被検面の特性を決定する方法に関するものであり、本発明のフィゾー干渉計が使用される。
【0027】
本発明はさらに、フィゾー干渉計における干渉図のコントラストを改善する方法であって、第1可変角度偏光子を含むフィゾー干渉計を使用する方法に関し、この方法は、
-参照面および被検面を光源で照明することと、
-撮像システムによって測定された干渉図のコントラストを決定することと、
-第3偏光角度を変化させて干渉図のコントラストを変化させることと、
-第3偏光角度を変化させることで干渉図のコントラストを改善することと、
を備える。
【0028】
上記の方法ステップは、同時に実行されてもよく、例えば第3偏光角度は、参照面が照明され、干渉図のコントラストが決定されている最中に、変更されてもよい。方法ステップはまた、反復的に実行されてもよく、例えば所望のコントラストを有する干渉図をもたらす第3偏光角度を決定するように、第3偏光角度を様々な回数だけ変化させてもよい。
【0029】
干渉図のコントラストを改善することで、フィゾー干渉計の光学的パフォーマンスを改善することができる。改善したコントラストの干渉図とは、コントラスト比のより高い干渉図であってもよい。
【0030】
本発明はさらに、フィゾー干渉計における干渉図のコントラストを改善するための方法であって、第2の可変角度偏光子を含むフィゾー干渉計を使用する方法に関し、この方法は、
-参照面および被検面を光源で照明することと、
-撮像システムによって測定された干渉図のコントラストを決定することと、
-第4偏光角度を変化させて干渉図のコントラストを変化させることと、
-第4偏光角度を変化させることで干渉図のコントラストを改善することと、
を備える。
【0031】
本発明はさらに、光路に沿って進行する光ビームを放出する光源を備えるフィゾー干渉計に関し、光路の第1部分は、光源とフィゾー干渉計の支持体上に配置された反射被検面との間に延在し、参照面は、光源と被検面の支持体との間の光路の第1部分に配置され、光路の第2部分は、被検面から参照面まで、そして、光路の第2部分から入射する光を測定するフィゾー干渉計の撮像システムまで延在し、撮像システムは、参照光ビームと被検光ビームとを干渉させることで生成される干渉図を測定するように構成され、参照面は、偏光性・部分反射性を有する参照面であることを特徴としており、光源から放出され光路の第1部分に沿って入射した光ビームを部分反射および偏光させて参照面により参照光ビームを形成し、この参照光ビームは、参照面によって、光路の第2部分に沿って撮像システムに向けて反射され、参照光ビームは第1偏光角度を有し、被検光ビームは、光路の第1部分に沿って入射する光ビームが、光路の第1部分に沿って参照面を介して被検面に向けて通過することで形成され、この被検光ビームは、参照面によって偏光され、この被検光ビームは、被検面によって参照面に向けて、そして光路の第2部分を通って撮像システムへ向けられ、被検光ビームは、第2偏光角度を有し、第1偏光角度と第2偏光角度は異なり、フィゾー干渉計は、光路と第2部分において参照面と撮像システムとの間に配置される第1偏光子をさらに備え、第1偏光子は、撮像システムに向けて第3偏光角度の光を通過させるように構成される、フィゾー干渉計。
【0032】
第1偏光子は、第3偏光角度が可変の第3偏光角度となるような第1可変角度偏光子であって、フィゾー干渉計は、光路の第1部分において光源と参照面との間に設けられた第2偏光子をさらに含み、第2偏光子は、光源と参照面との間の光路の第1部分を進行する光を偏光するように構成された第2可変角度偏光子であって、その偏光された光は可変の第4偏角度を有する。
【0033】
本発明はさらに、光路に沿って進行する光ビームを放出する光源を含むフィゾー干渉計に関し、光路の第1部分は、光源とフィゾー干渉計の支持体上に配置された反射被検面との間に延在し、参照面は、光源と被検面の支持体との間の光路の第1部分に配置され、光路の第2部分は、被検面から参照面まで、そして、光路の第2部分から入射する光を測定するフィゾー干渉計の撮像システムまで延在し、撮像システムは、参照光ビームと被検光ビームとを干渉させることで生成される干渉図を測定するように構成され、参照面は、可変の偏光角度を有する偏光性・部分反射性を有する参照面であることを特徴としており、光源から放出され光路の第1部分に沿って入射した光ビームを部分反射および偏光させて参照面により参照光ビームを形成し、この参照光ビームは、参照面によって、光路の第2部分に沿って撮像システムに向けて反射され、参照光ビームは第1偏光角度を有し、被検光ビームは、光路の第1部分に沿って入射する光ビームが、光路の第1部分に沿って参照面を介して被検面に向けて通過することで形成され、この被検光ビームは、参照面によって偏光され、この被検光ビームは、被検面によって参照面に向けて、そして光路の第2部分を通って撮像システムへ反射され、被検光ビームは、第2偏光角度を有し、第1偏光角度と第2偏光角度は異なり、フィゾー干渉計は、光路と第2部分において参照面と撮像システムとの間に配置される第1偏光子をさらに備え、第1偏光子は、撮像システムに向けて第3偏光角度の光を通過させるように構成される、フィゾー干渉計。
【0034】
本発明のこの実施形態では、参照面は、参照光ビームおよび被検光ビームを可変の偏光角度で偏光するように構成される。本明細書に記載の他の実施形態と同様に、これは、参照光ビームと被検光ビームとのビーム比、ひいては干渉図のコントラストの制御を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0035】
ここで、本発明の実施形態を、対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略図を参照して、例示的にのみ説明する。
【0036】
【
図1】偏光参照面と第1偏光子とを備えるフィゾー干渉計を示す。
【
図2】偏光参照面と偏光角度が可変な第1偏光子とを備えるフィゾー干渉計を示す。
【
図3】偏光参照面と、第1偏光子と、第2偏光子とを備えるフィゾー干渉計を示す。
【
図4A】参照光ビームおよび被検光ビームの偏光と、その偏光に対する第1偏光子の効果とを示す。
【
図4B】参照光ビームおよび被検光ビームの偏光と、その偏光に対する第1偏光子の効果とを示す。
【
図4C】参照光ビームおよび被検光ビームの偏光と、その偏光に対する第1偏光子の効果とを示す。
【
図4D】参照光ビームおよび被検光ビームの偏光と、その偏光に対する第1偏光子の効果とを示す。
【0037】
図1は、偏光参照面4と第1偏光子8とを含むフィゾー干渉計1を示す。本実施形態の第1偏光子8は、第3偏光角度の光を撮像システム3に向けて通過させるように構成されている。
【0038】
フィゾー干渉計1は、第1部分6と第2部分7とを含む、光路に沿って進む光ビームを放出する光源2を含む。光源は、単色レーザなどの単色光源2であってもよい。光路の第1部分6は、被検面5がフィゾー干渉計1の支持体上に配置されたとき、光源2と被検面5との間に延在する。偏光参照面4は、光路の第1部分6において光源2と被検面5との間に配置される。参照面4と被検面5は互いに対向して配置されている。
【0039】
光路の第2部分7は、被検面5から参照面4まで、そして参照面4を通って、撮像システム3まで延在する。撮像システム3は、光路の第2部分7から入射する光を測定するように構成される。光路には複数のレンズ11が配置され、光を光路に沿って誘導する。光路の第2部分7は、光路の第1部分6と部分的に重なる。この実施形態では、ビームスプリッタ10は、参照面4および被検面5によって反射された光を撮像システム3に向けて送り、光源2からの光を参照面4および被検面5に向けて進行させるように光路内に配置される。ビームスプリッタ10は、光路の第1部分6を光路の第2部分7から分離する。
【0040】
撮像システム3は、参照光ビーム32を被検光ビーム31と干渉させて得られる干渉図を測定するように構成される。例えば、撮像システム3は、干渉図から被検面5の情報を抽出したり、干渉図を表示装置に表示したりするなど、干渉図をさらに処理する計算手段に接続されてもよい。本発明の実施形態では、撮像システム3はさらに、干渉図のコントラストを直接測定するように構成されてもよい。
【0041】
参照面4は、参照光ビーム32および被検光ビーム31が形成されるように部分反射性を有しており、参照光ビーム32は、光源2が放出する光ビームが部分反射されることで形成される。被検光ビーム31は、光路の第1部分6に沿って参照面4を通過した光ビームが被検面5に向かって通過することで形成される。参照光ビーム32は、参照面4によって、光路の第2部分7に沿って撮像システム3に向け反射される。被検光ビーム31は、光路の第1部分6に沿って参照面4を通過して被検面5へ向かう。そして、被検光ビーム31は、被検面5によって光ビームの第2部分7に沿って反射され、参照面4に向かって戻り、撮像システム3に向かって進む。
【0042】
参照面4は、第1偏光角度で光を反射し、第2偏光角度で光を通過させるように構成された偏光参照面4である。第1および第2の偏光角度は異なる。参照光ビーム32は偏光参照面によって第1偏光角度で偏光され、被検光ビーム31は偏光参照面によって第2偏光角度で偏光される。
【0043】
実施形態では、偏光参照面4は、反射型偏光子として具現化され、好ましくは、偏光参照面4は、ワイヤグリッド偏光子として具現化される。ワイヤグリッド偏光子の利点は、ワイヤグリッド偏光子が、フィゾー干渉計で典型的に見られる入射光条件下で、参照光ビームと被検光ビームを偏光させることを可能にすることである。
【0044】
フィゾー干渉計1は、光路の第2部分7において参照面4と撮像システム3との間に配置される第1偏光子8をさらに含む。第1偏光子8は、第3偏光の光を撮像システム3に向けて通過させるように構成される。実施形態では、第1偏光子8は、1/2波長板またはダイクロイック偏光子として具現化される。第1偏光子の他の実施形態も可能である。
【0045】
偏光参照面4を用いて光を偏光することで、参照光ビーム32と被検光ビーム31は異なる偏光を有する。異なる偏光を有する光ビームは、最適に干渉しないことが知られている。第1偏光子8は、参照光ビーム32と被検光ビーム31の偏光を揃えて、光ビームの干渉を可能にする。
【0046】
さらに、この実施形態では、第1偏光子8は、被検光ビーム31と比較して参照光ビーム32の相対的な割合を選択することができる。これは、
図4A~4Dを参照して、以下に詳細に説明する。
【0047】
2つの光ビームの相対的な割合を選択することで、参照光ビーム32の強度と被検光ビーム31の強度とのビーム比が制御される。その結果、適切な第3偏光角度を有する適切な第1偏光子8を選択することで、参照光ビーム32と被検光ビーム31とを干渉させて得られる干渉図のコントラストを改善することができる。これは、被検面5の反射率が参照面4の反射率と比較して大幅に異なる場合に特に重要である。2つの面4、5の反射率が大幅に異なる場合、得られる干渉図のコントラストが減少し、フィゾー干渉計1が実行する測定に悪影響が生じる。本発明のこの実施形態は、特に参照面4および被検面5の反射率が異なる場合に、改善した測定を可能にする。
【0048】
図2は、フィゾー干渉計1の第2の実施形態を示す。
図2のフィゾー干渉計1は、偏光参照面4および第1偏光子28を含む。この実施形態における第1偏光子28は、可変の偏光角度を有する。
図2に示すフィゾー干渉計1の実施形態は、第1可変角度偏光子28を有する以外は、
図1に示す実施形態と同じであってもよい。
【0049】
図2の実施形態における第1偏光子28は、可変の第3偏光角度を有し、これは、撮像システム3における参照光ビーム32と被検光ビーム31とのビーム比を制御することを可能にする。ビーム比を制御することで、干渉図のコントラストを改善することができ、例えばコントラストを増加させることができる。第1可変角度偏光子28は、ダイクロイック偏光子28であってもよい。
【0050】
図3は、フィゾー干渉計1の第3の実施形態を示す。
図3のフィゾー干渉計1は、光路の第1部分6において光源2と参照面4との間に設けられる第2偏光子9を含み、第2偏光子9は、光源2と参照面4との間の光路の第1部分6を進行する光を偏光するように構成された第2可変角度偏光子9であり、その偏光された光は可変の第4偏角度を有する。
【0051】
第2偏光子9は、光路の第1部分6を参照面4に向かって進行する光ビームを偏光することで、ビーム比、ひいては干渉図のコントラストの制御を可能にする。例えば、参照面4に向かって進行する光ビームが第1偏光角度に近い第4偏光角度を有する場合、光ビームの大部分が参照面4によって反射され、参照光ビーム32を形成する。対照的に、参照面4に向かって進行する光ビームが第2偏光角度に近い第4偏光角度を有する場合、光ビームのわずかな部分が参照面4によって反射され、参照光ビーム32を形成する。両方の場合において、光ビームの残りの部分は参照面4を通過し、被検光ビーム31を形成する。第4偏光角度を制御することで、ビーム比を制御することができ、これにより干渉図のコントラストを改善することができる。この実施形態は、さらに有利には、第4偏光角度、ひいては参照面4を通過する光の割合を制御することで、被検面5に入射する際の被検光ビーム31の強度の制御を可能にする。
【0052】
好ましくは、第2偏光子9は、角度可変の1/2波長板として具現化される。
【0053】
図4A、4B、4Cおよび4Dは、参照光ビーム32および被検光ビーム31の偏光と、それに対する第1偏光子8、28の効果を示す。参照光ビーム32および被検光ビーム31は、図において矢印で示されており、矢印の長さは光ビームの振幅を示し、x-y平面における矢印の方向は光ビームの偏光を示す。第3偏光角度33は、図中の、より細い矢印によって示される。
【0054】
図4Aおよび4Cは、偏光子8、28を通過する前の参照光ビーム32と被検光ビーム31とを、2つの異なる状況において示している。
【0055】
図4Aは、参照光ビーム32および被検光ビーム31が、同様の振幅と強度を持ちながら、直交偏光される状況を示す。参照光ビーム32はy軸に沿って偏光され、被検光ビーム31はx軸に沿って偏光される。第1の偏光子8、28の第3偏光角度33への光ビームの投影は、破線によって示されている。
【0056】
図4Bに見られるように、参照光ビーム32および被検光ビーム31は、
図4Aの光ビームが偏光子8、28を通過した後、両方とも第3偏光角度33に揃い、両方とも同じ振幅を有している。この図において、矢印34は、参照光ビーム32と被検光ビーム31の両方を示している。
図4Aおよび
図4Bは、参照光ビーム32および被検光ビーム31が同じ振幅で直交する偏光を有する状況を示している。この場合、第3偏光角度33が、それらの光ビームの両方の偏光角度の45度と等しければ、第1偏光子以降の光ビームは同じ強度を持つ。
【0057】
それとは異なる状況が、
図4Cおよび4Dに示されている。
図4Cに見られるように、参照光ビーム32および被検光ビーム31の偏光は、この例でも直交している。しかし、被検光ビーム31は、おそらく反射率の高い被検面5の結果として、参照光ビームよりも大きな振幅を有している。
【0058】
図4Cに見られるように、第3偏光角度33は、両方の光ビームの45度ではなくなっている。この効果は、
図4Dに見ることができる。結果として得られる参照光ビーム32および被検光ビーム31は、再び矢印34で示されている。また、この例では、参照光ビーム32および被検光ビーム31は、第1偏光子8、28を通過する前は振幅が異なっていたが、第1偏光子8、28を通過した後は振幅と偏光が同じになっている。このように、第1偏光子8、28の手前ではビーム比が1とは異なっていたのに対し、第1偏光子8、28の後ではビーム比が1に近くなっている。第3偏光角度33が参照光ビーム31および被検光ビーム32の振幅に与える影響を明確に確認することができる。
【0059】
図4A~4Dは、ビーム比およびコントラストを制御するために第1偏光子8、28を利用する本発明を示しているが、本発明の他の実施形態、例えば第2偏光子9を含むなどといった、本発明の他の実施形態は、同じ原理で機能する。
【手続補正書】
【提出日】2022-07-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
したがって、請求項1に記載のフィゾー干渉計は、光路に沿って進行する光ビームを放出する光源を備えるフィゾー干渉計であって、光路の第1部分は、光源とフィゾー干渉計の支持体上に配置された反射被検面との間に延在し、参照面は、光源と被検面の支持体との間の光路の第1部分に配置され、光路の第2部分は、被検面から参照面まで、そして、光路の第2部分から入射する光を測定するフィゾー干渉計の撮像システムまで延在し、撮像システムは、参照光ビームと被検光ビームとを干渉させることで生成される干渉図を測定するように構成され、参照面は、偏光性・部分反射性を有する参照面であることを特徴としており、光源から放出され光路の第1部分に沿って入射した光ビームを部分反射および偏光させて参照面により参照光ビームを形成し、この参照光ビームは、参照面によって、光路の第2部分に沿って撮像システムに向けて反射され、参照光ビームは第1偏光角度を有し、被検光ビームは、光路の第1部分に沿って入射する光ビームが、光路の第1部分に沿って参照面を介して被検面に向けて通過することで形成され、この被検光ビームは、参照面によって偏光され、この被検光ビームは、被検面によって参照面に向けて、そして光路の第2部分を通って撮像システムへ反射され、被検光ビームは、第2偏光角度を有し、第1偏光角度と第2偏光角度は異なり、フィゾー干渉計は、光路の第2部分において参照面と撮像システムとの間に配置される第1偏光子をさらに備え、第1偏光子は、撮像システムに向けて第3偏光角度の光を通過させるように構成される、フィゾー干渉計。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
本発明はさらに、光路に沿って進行する光ビームを放出する光源を備えるフィゾー干渉計に関し、光路の第1部分は、光源とフィゾー干渉計の支持体上に配置された反射被検面との間に延在し、参照面は、光源と被検面の支持体との間の光路の第1部分に配置され、光路の第2部分は、被検面から参照面まで、そして、光路の第2部分から入射する光を測定するフィゾー干渉計の撮像システムまで延在し、撮像システムは、参照光ビームと被検光ビームとを干渉させることで生成される干渉図を測定するように構成され、参照面は、偏光性・部分反射性を有する参照面であることを特徴としており、光源から放出され光路の第1部分に沿って入射した光ビームを部分反射および偏光させて参照面により参照光ビームを形成し、この参照光ビームは、参照面によって、光路の第2部分に沿って撮像システムに向けて反射され、参照光ビームは第1偏光角度を有し、被検光ビームは、光路の第1部分に沿って入射する光ビームが、光路の第1部分に沿って参照面を介して被検面に向けて通過することで形成され、この被検光ビームは、参照面によって偏光され、この被検光ビームは、被検面によって参照面に向けて、そして光路の第2部分を通って撮像システムへ向けられ、被検光ビームは、第2偏光角度を有し、第1偏光角度と第2偏光角度は異なり、フィゾー干渉計は、光路の第2部分において参照面と撮像システムとの間に配置される第1偏光子をさらに備え、第1偏光子は、撮像システムに向けて第3偏光角度の光を通過させるように構成される、フィゾー干渉計。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
本発明はさらに、光路に沿って進行する光ビームを放出する光源を含むフィゾー干渉計に関し、光路の第1部分は、光源とフィゾー干渉計の支持体上に配置された反射被検面との間に延在し、参照面は、光源と被検面の支持体との間の光路の第1部分に配置され、光路の第2部分は、被検面から参照面まで、そして、光路の第2部分から入射する光を測定するフィゾー干渉計の撮像システムまで延在し、撮像システムは、参照光ビームと被検光ビームとを干渉させることで生成される干渉図を測定するように構成され、参照面は、可変の偏光角度を有する偏光性・部分反射性を有する参照面であることを特徴としており、光源から放出され光路の第1部分に沿って入射した光ビームを部分反射および偏光させて参照面により参照光ビームを形成し、この参照光ビームは、参照面によって、光路の第2部分に沿って撮像システムに向けて反射され、参照光ビームは第1偏光角度を有し、被検光ビームは、光路の第1部分に沿って入射する光ビームが、光路の第1部分に沿って参照面を介して被検面に向けて通過することで形成され、この被検光ビームは、参照面によって偏光され、この被検光ビームは、被検面によって参照面に向けて、そして光路の第2部分を通って撮像システムへ反射され、被検光ビームは、第2偏光角度を有し、第1偏光角度と第2偏光角度は異なり、フィゾー干渉計は、光路の第2部分において参照面と撮像システムとの間に配置される第1偏光子をさらに備え、第1偏光子は、撮像システムに向けて第3偏光角度の光を通過させるように構成される、フィゾー干渉計。
【手続補正4】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光路に沿って進行する光ビームを放出する光源を備え、
前記光路の第1部分は、前記光源とフィゾー干渉計の支持体上に配置された反射被検面との間に延在し、
参照面は、前記光源と前記被検面の前記支持体との間の前記光路の前記第1部分に配置され、
前記光路の第2部分は、前記被検面から前記参照面まで、そして、前記光路の前記第2部分から入射する光を測定する前記フィゾー干渉計の撮像システムまで延在し、
前記撮像システムは、参照光ビームと被検光ビームとを干渉させることで生成される干渉図を測定するように構成され、前記参照面は、偏光性・部分反射性を有する参照面であることを特徴としており、前記光源から放出され前記光路の前記第1部分に沿って入射した前記光ビームを部分反射および偏光させて前記参照面により前記参照光ビームを形成し、この参照光ビームは、前記参照面によって、前記光路の前記第2部分に沿って前記撮像システムに向けて反射され、
前記参照光ビームは第1偏光角度を有し、前記被検光ビームは、前記光路の前記第1部分に沿って入射する前記光ビームが、前記光路の前記第1部分に沿って前記参照面を介して前記被検面に向けて通過することで形成され、この被検光ビームは、前記参照面によって偏光され、この被検光ビームは、前記被検面によって前記参照面に向けて、そして前記光路の前記第2部分を通って前記撮像システムへ反射され、
前記被検光ビームは、第2偏光角度を有し、
前記第1偏光角度と前記第2偏光角度は異なり、前記フィゾー干渉計は、前記光路の第2部分において前記参照面と前記撮像システムとの間に配置される第1偏光子をさらに備え、
前記第1偏光子は、前記撮像システムに向けて第3偏光角度の光を通過させるように構成される、
フィゾー干渉計。
【請求項2】
前記第1偏光子は、前記第3偏光角度が可変の第3偏光角度となるような第1可変角度偏光子である、
請求項1に記載のフィゾー干渉計。
【請求項3】
前記光路の前記第1部分において前記光源と前記参照面との間に設けられた第2偏光子をさらに備え、
前記第2偏光子は、前記光源と前記参照面との間の前記光路の前記第1部分を進行する光を偏光するように構成された第2可変角度偏光子であり、
その偏光された光は可変の第4偏光角度を有する、
請求項1に記載のフィゾー干渉計。
【請求項4】
前記第1可変角度偏光子および/または前記第2可変角度偏光子は、角度可変の1/2波長板また角度可変のダイクロイック偏光子である、
請求項2または3に記載のフィゾー干渉計。
【請求項5】
前記撮像システムは、前記参照光ビームと前記被検光ビームとを干渉させることで生成される前記干渉図のコントラストを測定するようにさらに構成される、
請求項1に記載のフィゾー干渉計。
【請求項6】
前記偏光参照面は、反射偏光子であり、
前記偏光参照面は、ワイヤグリッド偏光子である、
請求項1に記載のフィゾー干渉計。
【請求項7】
前記光源は、単色光を放出するように構成され、
前記光源は、単色レーザである、
請求項1に記載のフィゾー干渉計。
【請求項8】
前記参照光ビームおよび前記被検光ビームは、直交する偏光を有する、
請求項1に記載のフィゾー干渉計。
【請求項9】
被検面の特性を決定する方法であって、
請求項1に記載のフィゾー干渉計が使用される、
方法。
【請求項10】
フィゾー干渉計における干渉図のコントラストを改善する方法であって、
少なくとも請求項2に記載のフィゾー干渉計が使用され、
前記方法は、
-前記参照面および前記被検面を前記光源で照明することと、
-前記撮像システムによって測定された前記干渉図のコントラストを決定することと、
-前記第3偏光角度を変化させて前記干渉図のコントラストを変化させることと、
-前記第3偏光角度を変化させることで前記干渉図のコントラストを改善することと、
を備える、
方法。
【請求項11】
フィゾー干渉計における干渉図のコントラストを改善する方法であって、
少なくとも請求項3に記載のフィゾー干渉計が使用され、
前記方法は、
-前記参照面および前記被検面を前記光源で照明することと、
-前記撮像システムによって測定された前記干渉図のコントラストを決定することと、
-前記第4偏光角度を変化させて前記干渉図のコントラストを変化させることと、
-前記第4偏光角度を変化させることで前記干渉図のコントラストを改善することと、
を備える、
方法。
【外国語明細書】