(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023033839
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】配線基板、半導体装置及び配線基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 3/46 20060101AFI20230306BHJP
H05K 3/28 20060101ALI20230306BHJP
【FI】
H05K3/46 Q
H05K3/46 B
H05K3/46 N
H05K3/28 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021139755
(22)【出願日】2021-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】000190688
【氏名又は名称】新光電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】種子田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】清水 規良
(72)【発明者】
【氏名】水谷 理絵
(72)【発明者】
【氏名】滝沢 優哉
(72)【発明者】
【氏名】秋山 尚輝
【テーマコード(参考)】
5E314
5E316
【Fターム(参考)】
5E314AA25
5E314AA32
5E314BB02
5E314BB11
5E314CC17
5E314FF05
5E314FF21
5E314GG26
5E316AA02
5E316AA12
5E316AA32
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5E316AA43
5E316CC04
5E316CC05
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5E316CC09
5E316CC10
5E316CC13
5E316CC32
5E316CC37
5E316CC38
5E316DD02
5E316DD03
5E316DD17
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5E316DD25
5E316DD32
5E316DD33
5E316EE33
5E316FF07
5E316FF15
5E316GG15
5E316GG17
5E316GG18
5E316GG22
5E316GG28
5E316HH11
5E316JJ02
(57)【要約】
【課題】反りを低減できる配線基板、半導体装置及び配線基板の製造方法を提供する。
【解決手段】配線基板は、複数の第1配線層と、感光性樹脂を主成分とする複数の第1絶縁層と、を含む第1配線構造と、最上層の前記第1絶縁層上に積層された、非感光性の熱硬化性樹脂を主成分とする封止樹脂層と、を有し、最上層の前記第1配線層は、最上層の前記第1絶縁層から突出するパッドを含み、前記封止樹脂層は、前記パッドの上面を露出し、前記パッドの側面の少なくとも一部と、前記複数の第1絶縁層の側面の少なくとも一部とを被覆し、前記パッドの上に半導体チップが搭載される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1配線層と、感光性樹脂を主成分とする複数の第1絶縁層と、を含む第1配線構造と、
最上層の前記第1絶縁層上に積層された、非感光性の熱硬化性樹脂を主成分とする封止樹脂層と、
を有し、
最上層の前記第1配線層は、最上層の前記第1絶縁層から突出するパッドを含み、
前記封止樹脂層は、
前記パッドの上面を露出し、
前記パッドの側面の少なくとも一部と、前記複数の第1絶縁層の側面の少なくとも一部とを被覆し、
前記パッドの上に半導体チップが搭載される配線基板。
【請求項2】
前記封止樹脂層は、前記複数の第1絶縁層の側面の全体を被覆する請求項1に記載の配線基板。
【請求項3】
前記最上層の前記第1絶縁層の上面に、前記封止樹脂層が埋め込まれたスリットが形成されている請求項1又は2に記載の配線基板。
【請求項4】
前記スリットは、前記半導体チップが搭載される領域を包囲するように設けられている請求項3に記載の配線基板。
【請求項5】
第2配線層と、非感光性の熱硬化性樹脂を主成分とする第2絶縁層と、を含む第2配線構造を有し、
前記第1配線構造は前記第2配線構造の上に積層され、前記封止樹脂層は、前記第2配線構造の上面を被覆する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の配線基板。
【請求項6】
前記封止樹脂層の前記最上層の前記第1絶縁層の上面から前記封止樹脂層の上面までの厚さT3は、前記第2絶縁層の厚さT1よりも厚い請求項5に記載の配線基板。
【請求項7】
前記第2配線構造において、前記第2配線層は前記第2絶縁層の下面側に露出し、
前記第2配線構造は、前記第2絶縁層を貫通して前記第2配線層と接続されたビア配線を含み、
前記第1配線構造の最下層の前記第1配線層は、前記ビア配線の上端面とシード層を介して直接接合されている請求項5又は6に記載の配線基板。
【請求項8】
前記封止樹脂層の熱膨張係数は、前記第1絶縁層の熱膨張係数よりも低く、前記封止樹脂層の熱膨張係数は、前記第2絶縁層の熱膨張係数と略等しい請求項5乃至7のいずれか1項に記載の配線基板。
【請求項9】
ベース基板と、
前記ベース基板上に実装された請求項1乃至8のいずれか1項に記載の配線基板と、
前記配線基板上に実装された半導体チップと、
を有する半導体装置。
【請求項10】
支持体の上に、複数の第1配線層と、感光性樹脂を主成分とする複数の第1絶縁層とを含み、最上層の前記第1配線層は、最上層の前記第1絶縁層から突出するパッドを含み、前記パッドの上に半導体チップが搭載される第1配線構造を形成する工程と、
非感光性の熱硬化性樹脂を主成分とする封止樹脂層を、前記パッドの上面を露出し、前記パッドの側面の少なくとも一部と、前記複数の第1絶縁層の側面の少なくとも一部とを被覆するように形成する工程と、
前記支持体を前記第1配線構造から剥離する工程と、
を有する配線基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配線基板、半導体装置及び配線基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体チップ等の電子部品が搭載される配線基板として、配線パターンを高密度化するため、ビルドアップ工法により複数の配線層及び絶縁層を交互に積層した配線基板が知られている。この種の配線基板として、熱硬化性樹脂からなる絶縁層を含む低密度配線層の上に、感光性樹脂からなる絶縁層を含む高密度配線層を形成した配線基板が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-157666号公報
【特許文献2】特開2020-047735号公報
【特許文献3】特開2019-192886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の配線基板では、熱硬化性樹脂からなる絶縁層と感光性樹脂からなる絶縁層の熱膨張係数の差異に起因して反りが発生する場合がある。
【0005】
本開示は、反りを低減できる配線基板、半導体装置及び配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一形態によれば、複数の第1配線層と、感光性樹脂を主成分とする複数の第1絶縁層と、を含む第1配線構造と、最上層の前記第1絶縁層上に積層された、非感光性の熱硬化性樹脂を主成分とする封止樹脂層と、を有し、最上層の前記第1配線層は、最上層の前記第1絶縁層から突出するパッドを含み、前記封止樹脂層は、前記パッドの上面を露出し、前記パッドの側面の少なくとも一部と、前記複数の第1絶縁層の側面の少なくとも一部とを被覆し、前記パッドの上に半導体チップが搭載される配線基板が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、反りを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】参考例に係る配線基板のレイアウトを示す図である。
【
図3】第1実施形態に係る配線基板のレイアウトを示す図である。
【
図4】第1実施形態に係る配線基板を示す断面図である。
【
図5】第1実施形態に係る配線基板の製造方法を示す断面図(その1)である。
【
図6】第1実施形態に係る配線基板の製造方法を示す断面図(その2)である。
【
図7】第1実施形態に係る配線基板の製造方法を示す断面図(その3)である。
【
図8】第1実施形態に係る配線基板の製造方法を示す断面図(その4)である。
【
図9】第1実施形態に係る配線基板の製造方法を示す断面図(その5)である。
【
図10】第1実施形態に係る配線基板の製造方法を示す断面図(その6)である。
【
図11】第1実施形態に係る配線基板の製造方法を示す断面図(その7)である。
【
図12】第1実施形態に係る配線基板の製造方法を示す断面図(その8)である。
【
図13】第1実施形態に係る配線基板の製造方法を示す断面図(その9)である。
【
図14】第2実施形態に係る配線基板を示す断面図である。
【
図15】第2実施形態に係る配線基板の製造方法を示す断面図(その1)である。
【
図16】第2実施形態に係る配線基板の製造方法を示す断面図(その2)である。
【
図17】第3実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について添付の図面を参照しながら具体的に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省くことがある。また、本開示においては、X1-X2方向、Y1-Y2方向、Z1-Z2方向を相互に直交する方向とする。X1-X2方向及びY1-Y2方向を含む面をXY面と記載し、Y1-Y2方向及びZ1-Z2方向を含む面をYZ面と記載し、Z1-Z2方向及びX1-X2方向を含む面をZX面と記載する。なお、便宜上、Z1-Z2方向を上下方向とし、Z1側を上側、Z2側を下側とする。また、平面視とは、Z1側から対象物を視ることをいい、平面形状とは、対象物をZ1側から視た形状のことをいう。但し、配線基板及び半導体装置は天地逆の状態で用いることができ、又は任意の角度で配置することができる。
【0010】
(参考例)
まず、参考例について説明する。
図1は、参考例に係る配線基板のレイアウトを示す図である。
図2は、参考例に係る配線基板を示す断面図である。
【0011】
図1及び
図2に示すように、参考例に係る配線基板9は、第2配線構造1Lと、第2配線構造1L上に積層された第1配線構造1Hと、第1配線構造1H上に積層された封止樹脂層24とを有する。配線基板9の平面形状は、例えば、正方形状や長方形状とすることができる。
【0012】
配線基板9は、第1半導体チップ搭載領域51、第2半導体チップ搭載領域52、第3半導体チップ搭載領域53、第4半導体チップ搭載領域54及び第5半導体チップ搭載領域55を有する。第1半導体チップ搭載領域51、第2半導体チップ搭載領域52、第3半導体チップ搭載領域53、第4半導体チップ搭載領域54及び第5半導体チップ搭載領域55は矩形状の平面形状を有する。平面視で、第1半導体チップ搭載領域51は、第2半導体チップ搭載領域52、第3半導体チップ搭載領域53、第4半導体チップ搭載領域54及び第5半導体チップ搭載領域55よりも大きい。平面視で、第2半導体チップ搭載領域52、第3半導体チップ搭載領域53、第4半導体チップ搭載領域54及び第5半導体チップ搭載領域55は、互いに共通の寸法を有する。
【0013】
第1半導体チップ搭載領域51は、平面視で配線基板9の中心に配置されている。第2半導体チップ搭載領域52及び第3半導体チップ搭載領域53は、第1半導体チップ搭載領域51のX1側に配置され、第4半導体チップ搭載領域54及び第5半導体チップ搭載領域55は、第1半導体チップ搭載領域51のX2側に配置されている。第3半導体チップ搭載領域53は、第2半導体チップ搭載領域52のY2側に配置され、第5半導体チップ搭載領域55は、第4半導体チップ搭載領域54のY2側に配置されている。
【0014】
第1半導体チップ搭載領域51、第2半導体チップ搭載領域52、第3半導体チップ搭載領域53、第4半導体チップ搭載領域54及び第5半導体チップ搭載領域55に1個ずつ半導体チップが搭載される。
【0015】
配線基板9は、第1コンデンサ搭載領域61、第2コンデンサ搭載領域62、第3コンデンサ搭載領域63及び第4コンデンサ搭載領域64を有する。第1コンデンサ搭載領域61、第2コンデンサ搭載領域62、第3コンデンサ搭載領域63及び第4コンデンサ搭載領域64は矩形状の平面形状を有する。
【0016】
第1コンデンサ搭載領域61は、第1半導体チップ搭載領域51、第2半導体チップ搭載領域52及び第4半導体チップ搭載領域54のY1側に配置されている。X1-X2方向で、第1コンデンサ搭載領域61の寸法は、第1半導体チップ搭載領域51、第2半導体チップ搭載領域52及び第4半導体チップ搭載領域54の各寸法の和よりも大きい。第1コンデンサ搭載領域61に複数のコンデンサが搭載される。
【0017】
第2コンデンサ搭載領域62は、第2半導体チップ搭載領域52のY2側に配置されている。X1-X2方向で、第2コンデンサ搭載領域62の寸法は、第1半導体チップ搭載領域51の寸法と同程度である。第2コンデンサ搭載領域62に複数のコンデンサが搭載される。
【0018】
第3コンデンサ搭載領域63は、第2コンデンサ搭載領域62のX1側、かつ第3半導体チップ搭載領域53のY2側に配置されている。第4コンデンサ搭載領域64は、第2コンデンサ搭載領域62のX2側、かつ第5半導体チップ搭載領域55のY2側に配置されている。第3コンデンサ搭載領域63及び第4コンデンサ搭載領域64に2個ずつコンデンサが搭載される。
【0019】
第2配線構造1Lは、第1配線構造1Hよりも配線密度の低い配線層が形成された低密度配線層であり、配線層11と、絶縁層12と、配線層13とを有する。これに対して、第1配線構造1Hは、第2配線構造1Lよりも配線密度の高い配線層が形成された高密度配線層であり、配線層14と、絶縁層15と、配線層16と、絶縁層17と、配線層18と、絶縁層19と、配線層21とを有する。
【0020】
配線層11は、絶縁層12の下面側に露出する最下層の配線層であり、上面及び側面が絶縁層12に被覆されている。配線層11の下面は、例えば、絶縁層12の下面12bと面一であってもよい。配線層11の下面が、絶縁層12の下面12bから配線層13側に窪んだ位置に露出していてもよく、配線層11の側面の一部及び下面が、絶縁層12の下面12bから下側に突出してもよい。
【0021】
配線層11は、例えば、平面形状が円形のパッドであるが、配線パターンを含んでいてもよい。配線層11の下面に表面処理層110を形成してもよい。
【0022】
絶縁層12は、配線層11の上面及び側面を被覆している。絶縁層12は、非感光性の熱硬化性樹脂を主成分とし、補強部材128を有している。絶縁層12の上面12aは、凹凸が少ない平滑面(低粗度面)である。例えば、絶縁層12の上面12aは研磨面である。絶縁層12の上面12aは、例えば、ビアホール12xの内側面よりも表面粗度が小さくなっている。
【0023】
配線層13は、絶縁層12に埋設されたビア配線である。より詳しくは、配線層13は、絶縁層12を貫通し配線層11の上面を露出するビアホール12x内に充填されたビア配線であり、配線層11と電気的に接続されている。
【0024】
ビア配線である配線層13の上面は、絶縁層12の上面12aから露出している。配線層13の上面は、例えば、絶縁層12の上面12aと面一とすることができる。配線層13の上面は、配線層14の下面と直接接合されている。配線層13の下面は、絶縁層12内で配線層11と直接接合されている。配線層13の上端面は、絶縁層12の上面12aと同様に、凹凸が少ない平滑面(低粗度面)である。例えば、配線層13の上端面は研磨面である。
【0025】
配線層14は、絶縁層12の上面12aに形成されている。配線層14は、絶縁層12の上面12aに直接形成されており、配線層13を介して配線層11と電気的に接続された配線(配線パターンやパッド)を含んでいる。すなわち、配線層14の下面の一部は、配線層13の上面と接しており、両者は電気的に接続されている。
【0026】
絶縁層15は、感光性樹脂を主成分とする絶縁層である。絶縁層15は、絶縁層12の上面12aに、配線層14を被覆するように形成されている。
【0027】
配線層16は、絶縁層15の一方の側(Z1側)に形成されており、配線層14と電気的に接続されている。配線層16は、絶縁層15を貫通し配線層14の上面を露出するビアホール15x内に充填されたビア配線と、絶縁層15の上面に形成された配線パターンとを含んでいる。
【0028】
絶縁層17は、感光性樹脂を主成分とする絶縁層である。絶縁層17は、絶縁層15の一方の面に、配線層16を被覆するように形成されている。
【0029】
配線層18は、絶縁層17の一方の側(Z1側)に形成されており、配線層16と電気的に接続されている。配線層18は、絶縁層17を貫通し配線層16の上面を露出するビアホール17x内に充填されたビア配線と、絶縁層17の上面に形成された配線パターンとを含んでいる。
【0030】
絶縁層19は、感光性樹脂を主成分とする絶縁層である。絶縁層19は、絶縁層17の一方の面に、配線層18を被覆するように形成されている。第1配線構造1Hにおいて、絶縁層19は、最上層の絶縁層である。
【0031】
配線層21は、絶縁層19の一方の側(Z1側)に形成されている。第1配線構造1Hにおいて、配線層21は、最上層の配線層である。配線層21は、絶縁層19を貫通し配線層18の上面を露出するビアホール19x内に充填されたビア配線22と、絶縁層19の上面から突出する導電性のパッド23とを含んでいる。パッド23の上面に、表面処理層110と同様の表面処理層210を形成してもよい。
【0032】
パッド23は、第1半導体チップ搭載領域51、第2半導体チップ搭載領域52、第3半導体チップ搭載領域53、第4半導体チップ搭載領域54、第5半導体チップ搭載領域55、第1コンデンサ搭載領域61、第2コンデンサ搭載領域62、第3コンデンサ搭載領域63及び第4コンデンサ搭載領域64内に設けられている。
【0033】
封止樹脂層24は、第1配線構造1Hにおける最上層の絶縁層である絶縁層19上に積層されている。封止樹脂層24は、パッド23の上面を露出し、パッド23の側面の少なくとも一部を被覆する。
【0034】
封止樹脂層24の材料としては、例えば、モールド樹脂を使用できる。モールド樹脂とは、トランスファーモールド法、コンプレッションモールド法、インジェクションモールド法等に使用可能な非感光性の熱硬化性樹脂を主成分とする絶縁性樹脂である。例えば、封止樹脂層24の熱膨張係数は20ppm/K以下であり、封止樹脂層24のヤング率は1GPa以上である。
【0035】
このような構成を備えた参考例によれば、封止樹脂層24が設けられていない場合よりも反りを低減することが可能である。また、封止樹脂層24が厚いほど、反りを抑制する効果が高くなる。
【0036】
しかしながら、パッド23をセミアディティブ法により形成する場合、封止樹脂層24を厚くすると、パッド23の直径を大きくしなければパッド23を高精度で形成することが困難となる。これは、パッド23のアスペクト比が大きくなるほど、露光精度が低くなるためである。例えば、アスペクト比が8以上のパッド23をセミアディティブ法により高精度で形成することは困難である。従って、参考例によっても、反りを十分に抑制することが困難な場合がある。
【0037】
そこで、本願発明者らは、封止樹脂層24のパッド23が形成される部分を厚くせずとも反りを更に抑制できる構成について鋭意検討を行った。この結果、絶縁層15、17及び19の積層構造体の側面の少なくとも一部に接するように封止樹脂層24を設けることで、配線基板に含まれる封止樹脂層24の体積を増加させて反りを更に抑制できることを知見した。本願発明者らは、このような知見に基づき、下記の実施形態に想到した。
【0038】
(第1実施形態)
次に、第1実施形態について説明する。第1実施形態は配線基板に関する。
【0039】
[第1実施形態に係る配線基板の構造]
図3は、第1実施形態に係る配線基板のレイアウトを示す図である。
図4は、第1実施形態に係る配線基板を示す断面図である。
図3及び
図4に示すように、第1実施形態に係る配線基板1は、配線基板9と同様に、第2配線構造1Lと、第2配線構造1L上に積層された第1配線構造1Hと、第1配線構造1H上に積層された封止樹脂層24とを有する。配線基板1の平面形状は、例えば、正方形状や長方形状とすることができる。ただし、これには限定されず、配線基板1は任意の平面形状とすることができる。
【0040】
配線基板1は、配線基板9と同様に、第1半導体チップ搭載領域51、第2半導体チップ搭載領域52、第3半導体チップ搭載領域53、第4半導体チップ搭載領域54及び第5半導体チップ搭載領域55を有する。配線基板1は、配線基板9と同様に、第1コンデンサ搭載領域61、第2コンデンサ搭載領域62、第3コンデンサ搭載領域63及び第4コンデンサ搭載領域64をも有する。
【0041】
第2配線構造1Lは、第1配線構造1Hよりも配線密度の低い配線層が形成された低密度配線層であり、配線層11と、絶縁層12と、配線層13とを有する。これに対して、第1配線構造1Hは、第2配線構造1Lよりも配線密度の高い配線層が形成された高密度配線層であり、配線層14と、絶縁層15と、配線層16と、絶縁層17と、配線層18と、絶縁層19と、配線層21とを有する。
【0042】
配線層11は、絶縁層12の下面側に露出する最下層の配線層であり、上面及び側面が絶縁層12に被覆されている。配線層11の下面は、例えば、絶縁層12の下面12bと面一であってもよい。配線層11の下面が、絶縁層12の下面12bから配線層13側に窪んだ位置に露出していてもよく、配線層11の側面の一部及び下面が、絶縁層12の下面12bから下側に突出してもよい。
【0043】
配線層11は、例えば、平面形状が直径150μm程度の円形のパッドであるが、配線パターンを含んでいてもよい。隣接する配線層11の間隔は、例えば、200μm程度とすることができる。配線層11の材料としては、例えば、銅(Cu)等を用いることができる。配線層11の厚さは、例えば、10μm~20μm程度とすることができる。なお、配線層11は、他の配線基板と電気的に接続するための外部接続端子(パッド)として使用できる。配線層11を、チップコンデンサ等を接続するための外部接続端子(パッド)として使用してもよい。
【0044】
配線層11の下面に表面処理層110を形成してもよい。表面処理層110の例としては、Au層や、Ni/Au層(Ni層とAu層をこの順番で積層した金属層)、Ni/Pd/Au層(Ni層とPd層とAu層をこの順番で積層した金属層)等が挙げられる。また、配線層11の下面に、水溶性プリフラックス(organic solderability preservative:OSP)処理等の酸化防止処理を施してもよい。
【0045】
絶縁層12は、配線層11の上面及び側面を被覆している。絶縁層12は、非感光性の熱硬化性樹脂を主成分とし、補強部材128を有している。絶縁層12は、補強部材128に非感光性の熱硬化性樹脂を含浸させた構成とすることができる。ここで、『非感光性の熱硬化性樹脂を主成分とし』とは、熱硬化性樹脂以外にフィラー等の他の成分を含有してもよいことを意味する。
【0046】
絶縁層12に用いる非感光性の熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ系樹脂、イミド系樹脂、フェノール系樹脂、シアネート系樹脂等が挙げられる。補強部材128としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維等の織布や不織布等が挙げられる。絶縁層12が含有するフィラーとしては、例えば、シリカ(SiO2)、カオリン(Al2Si2O5(OH4))、タルク(Mg3Si4O10(OH2))、アルミナ(Al2O3)等が挙げられる。また、これらを混在させてもよい。補強部材128としては、例えば、ガラス繊維束を用いたガラスクロスや、炭素繊維束、ポリエステル繊維束、ナイロン(ポリアミド)繊維束、アラミド繊維束などを用いてもよい。
【0047】
絶縁層12の厚さT1は、例えば、60μm~70μm程度とすることができる。絶縁層12の熱膨張係数は、例えば、5ppm/K以上10ppm/K以下とすることができる。絶縁層12の熱膨張係数は、例えば、フィラーの含有量や絶縁性樹脂の組成や等により所定値に調整できる。絶縁層12の熱膨張係数は、絶縁層15、17及び19の各々の熱膨張係数よりも低い。
【0048】
補強部材128は、絶縁層12内において、絶縁層12の厚さ方向の中心よりも第1配線構造1H側(ここでは、上側)に偏在している。具体的には、補強部材128は、絶縁層12の厚さ方向の中心よりも第1配線構造1H側に片寄った位置に配置されている。詳述すると、絶縁層12では、樹脂層の厚さ(具体的には、絶縁層12の上面12aから補強部材128までの厚さ)が、樹脂層の厚さ(具体的には、補強部材128から絶縁層12の下面12bまでの厚さ)よりも薄く設定されている。
【0049】
絶縁層12の上面12aは、凹凸が少ない平滑面(低粗度面)である。例えば、絶縁層12の上面12aは研磨面である。絶縁層12の上面12aは、例えば、ビアホール12xの内側面よりも表面粗度が小さくなっている。絶縁層12の上面12aの粗度は、表面粗さRa値で例えば15μm~40nm程度となるように設定されている。また、ビアホール12xの内側面の粗度は、表面粗さRa値で例えば300nm~400nm程度となるように設定されている。ここで、表面粗さRa値とは、表面粗さを表わす数値の一種であり、算術平均粗さと呼ばれるものであって、具体的には測定領域内で変化する高さの絶対値を平均ラインである表面から測定して算術平均したものである。
【0050】
配線層13は、絶縁層12に埋設されたビア配線である。より詳しくは、配線層13は、絶縁層12を貫通し配線層11の上面を露出するビアホール12x内に充填されたビア配線であり、配線層11と電気的に接続されている。ビアホール12xは、絶縁層15側に開口されている開口部の径が配線層11の上面によって形成された開口部の底面の径よりも大きい逆円錐台状の凹部とすることができる。ビアホール12xの開口部の径は、例えば60μm~70μm程度とすることができる。
【0051】
ビア配線である配線層13の上面は、絶縁層12の上面12aから露出している。配線層13の上面は、例えば、絶縁層12の上面12aと面一とすることができる。配線層13の上面は、配線層14の下面と直接接合されている。配線層13の下面は、絶縁層12内で配線層11と直接接合されている。配線層13の材料は、例えば、配線層11と同様とすることができる。
【0052】
配線層13の上端面は、絶縁層12の上面12aと同様に、凹凸が少ない平滑面(低粗度面)である。例えば、配線層13の上端面は研磨面である。配線層13の上端面の粗度は、表面粗さRa値で例えば15nm~40nm程度となるように設定されている。
【0053】
なお、第1実施形態では、配線層13は、絶縁層12のビアホール12xに形成されたビア配線のみからなる。言い換えれば、配線層13には、絶縁層12の上面12aに一体的に形成される配線パターンはない。配線層13と配線層14は、電気的には接続されているが、一体的ではない。具体的には、後述する製造方法において、配線層14をセミアディティブ法で形成した場合には、配線層13の上面と配線層14の下面の境界にはシード層が介在する。このような構造とする理由は、後述の配線層14として高密度の配線パターン(例えば、ライン/スペースが3μm/3μm程度)を形成するためである。詳しくは、配線基板1の製造方法の項で説明する。
【0054】
配線層14は、絶縁層12の上面12aに形成されている。配線層14は、絶縁層12の上面12aに直接形成されており、配線層13を介して配線層11と電気的に接続された配線(配線パターンやパッド)を含んでいる。すなわち、配線層14の下面の一部は、配線層13の上面と接しており、両者は電気的に接続されている。配線層14の材料としては、例えば、銅(Cu)等を用いることができる。配線層14は、複数の導体層が積層された積層膜であってもよい。
【0055】
配線層14は、配線層11よりも配線密度が高く(ライン/スペースが狭く)、かつ配線層11よりも薄い。本明細書では、ライン/スペースが8μm/8μm以下の配線層を配線密度が高い配線層とする。配線層14のライン/スペースは、例えば、1μm/1μm~3μm/3μm程度とすることができる。配線層14の厚さは、例えば、1μm~3μm程度とすることができる。
【0056】
なお、ライン/スペースにおけるラインとは配線幅を表し、スペースとは隣り合う配線同士の間隔(配線間隔)を表す。例えば、ライン/スペースが2μm/2μmと記載されていた場合、配線幅が2μmで隣り合う配線同士の間隔が2μmであることを表す。
【0057】
絶縁層15は、感光性樹脂を主成分とする絶縁層である。『感光性樹脂を主成分とする』とは、感光性樹脂以外にフィラー等の他の成分を含有してもよいことを意味する。例えば、絶縁層15は、シリカ(SiO2)等のフィラーを含有しても構わない。
【0058】
絶縁層15は、絶縁層12の上面12aに、配線層14を被覆するように形成されている。絶縁層15に用いる感光性樹脂としては、例えば、フェノール系樹脂やポリイミド系樹脂等の絶縁性樹脂が挙げられる。絶縁層15の厚さT2は、例えば5μm以上10μm以下とすることができる。絶縁層15の熱膨張係数は、例えば、40ppm/K以上60ppm/K以下とすることができる。絶縁層15の熱膨張係数は、例えば、フィラーの含有量や絶縁性樹脂の組成や等により所定値に調整できる。
【0059】
平面視で絶縁層15は絶縁層12よりも狭く形成されており、絶縁層12の上面の外周部は絶縁層15に覆われていない。つまり、絶縁層12の上面の外周部は絶縁層15から露出している。
【0060】
配線層16は、絶縁層15の一方の側(Z1側)に形成されており、配線層14と電気的に接続されている。配線層16は、絶縁層15を貫通し配線層14の上面を露出するビアホール15x内に充填されたビア配線と、絶縁層15の上面に形成された配線パターンとを含んでいる。ビアホール15xは、絶縁層17側に開口されている開口部の径が配線層14の上面によって形成された開口部の底面の径よりも大きい逆円錐台状の凹部とすることができる。ビアホール15xの開口部の径は、例えば10μm~20μm程度とすることができる。配線層16の材料、配線層16を構成する配線パターンの厚さは、例えば、配線層14と同様とすることができる。
【0061】
なお、配線層16のライン/スペースは、例えば、1μm/1μm~3μm/3μm程度とすることができるが、配線層14よりも更にライン/スペースを狭くすることが可能である。すなわち、絶縁層12の上面12aは研磨された面であり、絶縁層12の下面12bよりも平滑である。感光性樹脂を主成分とする絶縁層15の上面は、非感光性の熱硬化性樹脂を主成分とする絶縁層12の上面12aよりも更に平滑である。そのため、配線層16のライン/スペースは、配線層14のライン/スペースよりも狭くすることができる。例えば、配線層14のライン/スペースを3μm/3μm、配線層16のライン/スペースを1μm/1μmとすることができる。後述の配線層18についても同様である。
【0062】
絶縁層17は、絶縁層15の一方の面に、配線層16を被覆するように形成されている。平面視で絶縁層17は絶縁層12よりも狭く形成されており、絶縁層12の上面の外周部は絶縁層17から露出している。平面視で絶縁層17の縁は絶縁層15の縁と重なり合う。絶縁層17の材料、厚さ及び熱膨張係数は、例えば、絶縁層15と同様とすることができる。絶縁層17は、シリカ(SiO2)等のフィラーを含有しても構わない。
【0063】
配線層18は、絶縁層17の一方の側(Z1側)に形成されており、配線層16と電気的に接続されている。配線層18は、絶縁層17を貫通し配線層16の上面を露出するビアホール17x内に充填されたビア配線と、絶縁層17の上面に形成された配線パターンとを含んでいる。ビアホール17xは、絶縁層19側に開口されている開口部の径が配線層16の上面によって形成された開口部の底面の径よりも大きい逆円錐台状の凹部とすることができる。ビアホール17xの開口部の径は、例えば10μm~20μm程度とすることができる。配線層18の材料、配線層18を構成する配線パターンの厚さは、例えば、配線層14と同様とすることができる。配線層18を構成する配線パターンのライン/スペースは、例えば、配線層16と同様とすることができる。
【0064】
絶縁層19は、絶縁層17の一方の面に、配線層18を被覆するように形成されている。平面視で絶縁層19は絶縁層12よりも狭く形成されており、絶縁層12の上面の外周部は絶縁層19から露出している。平面視で絶縁層19の縁は絶縁層15及び17の各縁と重なり合う。第1配線構造1Hにおいて、絶縁層19は、最上層の絶縁層である。絶縁層19の材料、厚さ及び熱膨張係数は、例えば、絶縁層15と同様とすることができる。絶縁層19は、シリカ(SiO2)等のフィラーを含有しても構わない。
【0065】
配線層21は、絶縁層19の一方の側(Z1側)に形成されている。第1配線構造1Hにおいて、配線層21は、最上層の配線層である。配線層21は、絶縁層19を貫通し配線層18の上面を露出するビアホール19x内に充填されたビア配線22と、絶縁層19の上面から突出する導電性のパッド23とを含んでいる。ビアホール19xは、パッド23側に開口されている開口部の径が配線層18の上面によって形成された開口部の底面の径よりも大きい逆円錐台状の凹部とすることができる。ビアホール19xの開口部の径は、例えば10μm~20μm程度とすることができる。
【0066】
配線層21の材料は、例えば、配線層14と同様とすることができる。パッド23の厚さ(絶縁層19の上面からパッド23の上面までの厚さ)は、例えば、80μm~150μmとすることができる。パッド23の平面形状は、例えば、直径が20μm~30μm程度の円形とすることができる。パッド23のピッチは、例えば、40μm~50μm程度とすることができる。なお、パッド23の封止樹脂層24から露出する部分は、半導体チップと電気的に接続するための外部接続端子として使用される。つまり、パッド23の上に半導体チップ又はコンデンサ等が搭載される。
【0067】
パッド23は、第1半導体チップ搭載領域51、第2半導体チップ搭載領域52、第3半導体チップ搭載領域53、第4半導体チップ搭載領域54、第5半導体チップ搭載領域55、第1コンデンサ搭載領域61、第2コンデンサ搭載領域62、第3コンデンサ搭載領域63及び第4コンデンサ搭載領域64内に設けられている。
【0068】
パッド23の上面に、表面処理層110と同様の表面処理層210を形成してもよい。表面処理層210は、パッド23の側面の一部及び上面が封止樹脂層24の上面24aから突出している場合には、パッド23の上面のみ、又は側面の一部及び上面に形成される。
【0069】
絶縁層19に、第1スリット71、第2スリット72、第3スリット73、第4スリット74及び第5スリット75が形成されている。第1スリット71、第2スリット72、第3スリット73、第4スリット74及び第5スリット75は、例えば、絶縁層19を厚さ方向に貫通して絶縁層17の上面を露出するように設けられている。第1スリット71、第2スリット72、第3スリット73、第4スリット74及び第5スリット75の構造は、これに限らず、絶縁層19を厚さ方向の略中央に底面を有する凹部であっても良い。
図4では、第1スリット71、第2スリット72、第3スリット73、第4スリット74及び第5スリット75を、スリット70として図示している。
【0070】
第1スリット71は、平面視で、第1半導体チップ搭載領域51、第2半導体チップ搭載領域52、第3半導体チップ搭載領域53、第4半導体チップ搭載領域54及び第5半導体チップ搭載領域55を包囲する。第1スリット71は、第1半導体チップ搭載領域51と、第2半導体チップ搭載領域52、第3半導体チップ搭載領域53、第4半導体チップ搭載領域54及び第5半導体チップ搭載領域55との間にも形成されている。平面視で、第2スリット72は第1コンデンサ搭載領域61を包囲する。第3スリット73は第2コンデンサ搭載領域62を包囲する。第4スリット74は第3コンデンサ搭載領域63を包囲する。第5スリット75は第4コンデンサ搭載領域64を包囲する。
【0071】
封止樹脂層24は、第1配線構造1Hにおける最上層の絶縁層である絶縁層19上に積層されている。封止樹脂層24は、パッド23の上面を露出し、パッド23の側面の少なくとも一部を被覆する。封止樹脂層24は、パッド23の上面を露出し、パッド23の側面の全部を被覆してもよい。この場合、パッド23の上面は、例えば、封止樹脂層24の上面24aと面一となる。ただし、パッド23の側面の一部及び上面を封止樹脂層24の上面24aから突出させてもよいし、パッド23の上面を封止樹脂層24の上面24aよりも窪んだ位置に露出させてもよい。なお、パッド23の側面の一部及び上面を封止樹脂層24の上面24aから突出させる場合は、封止樹脂層24と半導体チップとの間隔を確保できるため、封止樹脂層24と半導体チップとの間にアンダーフィル樹脂を充填しやすくなる。また、パッド23の上面を封止樹脂層24の上面24aよりも窪んだ位置に露出させる場合は、はんだの流れ出しが低減され、隣接するパッド23同士のショートを防止する効果も備えることができる。
【0072】
配線基板1では、上述のように、絶縁層12の上面の外周部は絶縁層15、17及び19から露出している。すなわち、
図4に示すように、絶縁層15の側面15S、絶縁層17の側面17S及び絶縁層19の側面19Sは、絶縁層12の側面12Sよりも内側に位置する。また、
図3に示すように、平面視で、絶縁層15、17及び19の周囲には、絶縁層12の上面が露出する第1領域76がある。
【0073】
封止樹脂層24は、第1領域76において、絶縁層12の上面の外周部の絶縁層15、17及び19から露出した部分を被覆する。封止樹脂層24は、更に、絶縁層15の側面15S、絶縁層17の側面17S及び絶縁層19の側面19Sをも被覆する。
【0074】
また、絶縁層19に形成された第1スリット71、第2スリット72、第3スリット73、第4スリット74及び第5スリット75は、封止樹脂層24により埋め込まれている。
【0075】
封止樹脂層24の材料としては、例えば、モールド樹脂を使用できる。モールド樹脂とは、トランスファーモールド法、コンプレッションモールド法、インジェクションモールド法等に使用可能な非感光性の熱硬化性樹脂を主成分とする絶縁性樹脂である。モールド樹脂は、例えば、非感光性で熱硬化性のエポキシ系樹脂等の絶縁性樹脂であり、絶縁層12と同様のフィラーを含有してもよいが、ガラス繊維等の補強部材は含有していない。
【0076】
配線基板1の反りを低減する観点から、封止樹脂層24の厚さT3は、絶縁層12の厚さT1よりも厚いことが好ましい。ここでいう封止樹脂層24の厚さT3は、封止樹脂層24の絶縁層19の上面の上での厚さである。絶縁層12の厚さT1が60μm以上70μm以下であれば、例えば、封止樹脂層24の厚さT3は、80μm以上150μm以下とすることができる。封止樹脂層24の熱膨張係数は、絶縁層15、17及び19の各々の熱膨張係数よりも低い。例えば、封止樹脂層24の熱膨張係数は20ppm/K以下であり、封止樹脂層24のヤング率は1GPa以上である。
【0077】
また、配線基板1の反りを低減する観点から、封止樹脂層24の熱膨張係数は、絶縁層12の熱膨張係数と略等しいことが好ましい。ここで、略等しいとは、封止樹脂層24の熱膨張係数が絶縁層12の熱膨張係数に対して±20%以下であることを意味する。
【0078】
例えば、絶縁層12の熱膨張係数が5ppm/K以上10ppm/K以下であれば、封止樹脂層24の熱膨張係数も5ppm/K以上10ppm/K以下であることが好ましい。封止樹脂層24の熱膨張係数は、例えば、フィラーの含有量や絶縁性樹脂の組成や等により所定値に調整できる。
【0079】
[第1実施形態に係る配線基板の製造方法]
次に、第1実施形態に係る配線基板の製造方法について説明する。
図5~
図13は、第1実施形態に係る配線基板の製造方法を示す断面図である。なお、ここでは、1つの配線基板を作製する工程の例を示すが、配線基板となる複数の部分を作製し、その後に個片化して各配線基板とする工程としてもよい。
【0080】
まず、
図5(a)に示すように、支持体100を準備する。支持体100は、例えば、両面に銅箔102が形成されたコア基板101の両側に、プリプレグ103及びキャリア付き銅箔104を順次積層した構造である。コア基板101は、例えば、厚さが0.7mm程度のガラスエポキシ基板であり、銅箔102の厚さは、例えば、7μm~50μm程度とすることができる。プリプレグ103は、例えば、熱硬化性のエポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂等を予めガラス繊維やアラミド繊維等の織布や不織布に含浸させたものである。
【0081】
キャリア付き銅箔104は、例えば銅からなる厚さ10μm~50μm程度の厚箔(キャリア箔)104b上に、剥離層(図示せず)を介して、例えば銅からなる厚さ1.5μm~5μm程度の薄箔104aが剥離可能な状態で貼着された構造を有する。厚箔104bは、薄箔104aの取り扱いを容易にするための支持材として設けられている。厚箔104bは、プリプレグ103により、コア基板101の銅箔102と接着されている。薄箔104aは、支持体100の両側の最外層に配置されている。
【0082】
なお、上記の支持体100の構造は一例であり、これには限定されない。例えば、支持体100において、コア基板101に代えて、複数のプリプレグ103が積層された積層体を用いてもよい。また、支持体100は、ガラス基板や金属基板等の両側に、剥離層を介してキャリア付き銅箔104を配置した構造としてもよい。
【0083】
次に、
図5(b)に示すように、上側のキャリア付き銅箔104の上面(薄箔104aの上面)の全体に感光性のレジスト層500を形成し、レジスト層500を露光及び現像し、配線層11を形成する部分を露出する開口部500xを形成する。同様に、下側のキャリア付き銅箔104の下面(薄箔104aの下面)の全体に感光性のレジスト層510を形成し、レジスト層510を露光及び現像し、配線層31を形成する部分を露出する開口部510xを形成する。レジスト層500及び510としては、例えば、ドライフィルムレジストを用いることができる。開口部500xと開口部510xとは、支持体100を介して互いに対向する位置に形成される。そして、上側のキャリア付き銅箔104を給電層とする電解めっき法により、開口部500x内に露出するキャリア付き銅箔104の上面に電解めっき層である配線層11を形成する。同様に、下側のキャリア付き銅箔104を給電層とする電解めっき法により、開口部510x内に露出するキャリア付き銅箔104の下面に電解めっき層である配線層31を形成する。配線層11の材料及び厚さは、前述の通りである。配線層31の材料及び厚さは、例えば、配線層11と同様とすることができる。
【0084】
次に、
図5(c)に示すように、レジスト層500及び510を剥離する。次に、
図5(d)に示すように、上側のキャリア付き銅箔104の上面の全体に配線層11を被覆する感光性のレジスト層520を形成し、下側のキャリア付き銅箔104の下面の全体に配線層31を被覆する感光性のレジスト層530を形成する。レジスト層520及び530としては、例えば、ドライフィルムレジストを用いることができる。そして、レジスト層520を露光及び現像し、上側のキャリア付き銅箔104の外周部を露出する開口部520xを形成する。また、レジスト層530を露光及び現像し、下側のキャリア付き銅箔104の外周部を露出する開口部530xを形成する。開口部520xと開口部530xとは、支持体100を介して互いに対向する位置に形成される。
【0085】
次に、
図6(a)に示すように、
図5(d)に示す開口部520x内に露出する上側のキャリア付き銅箔104と、
図5(d)に示す開口部530x内に露出する下側のキャリア付き銅箔104とをエッチングにより除去する。これにより、支持体100の一方の側(Z1側)の外周部に上側のプリプレグ103の上面が露出し、支持体100の他方の側(Z2側)の外周部に下側のプリプレグ103の下面が露出する。その後、レジスト層520及び530を剥離する。なお、支持体100の一方の側(Z1側)及び他方の側(Z2側)の外周部に各々プリプレグ103を露出させるのは、各々のプリプレグ103と絶縁層12及び32とがキャリア付き銅箔104を介さずに直接接する領域を設けることで、両者の密着性を向上するためである。
【0086】
次に、
図6(b)に示すように、上側のプリプレグ103の上面に、上側のキャリア付き銅箔104及び配線層11を被覆する絶縁層12を形成する。また、下側のプリプレグ103の下面に、下側のキャリア付き銅箔104及び配線層31を被覆する絶縁層32を形成する。
【0087】
具体的には、非感光性の熱硬化性樹脂を主成分とし、補強部材128を有している半硬化状態のフィルム状の絶縁性樹脂を準備する。そして、上側のキャリア付き銅箔104の上面に、この絶縁性樹脂をラミネートし、加熱及び加圧しながら硬化させて絶縁層12とする。絶縁層12の材料、厚さ及び熱膨張係数等は、前述の通りである。
【0088】
同様にして、下側のキャリア付き銅箔104の下面に、絶縁性樹脂をラミネートし、加熱及び加圧しながら硬化させて絶縁層32とする。絶縁層32は、非感光性の熱硬化性樹脂を主成分とし、補強部材328を有している。絶縁層32及び補強部材328の材料、厚さ及び熱膨張係数等は、前述の通りである。
【0089】
なお、上記の工程は一例である。例えば、非感光性の熱硬化性樹脂を主成分とし、補強部材を有していない半硬化状態の絶縁性樹脂上に、非感光性の熱硬化性樹脂を主成分とし、補強部材128を有している半硬化状態の絶縁性樹脂を積層した多層フィルムを用いてもよい。
【0090】
次に、
図6(c)に示すように、絶縁層12に、絶縁層12を貫通し配線層11の上面を露出させるビアホール12xを形成する。同様に、絶縁層32に、絶縁層32を貫通し配線層31の下面を露出させるビアホール32xを形成する。ビアホール12x及び32xは、例えば、CO
2レーザ、YAGレーザ、エキシマレーザ等を用いたレーザ加工法により形成できる。ビアホール12x及び32xを形成後、デスミア処理を行い、ビアホール12x及び32xの底部に各々露出する配線層11及び31の表面に付着した樹脂残渣を除去することが好ましい。
【0091】
次に、
図7(a)~
図7(c)に示すように、配線層13及び33を形成する。配線層13及び33は、例えば、セミアディティブ法を用いて形成できる。具体的には、まず、
図7(a)に示すように、ビアホール12xの内壁を含む絶縁層12の表面及びビアホール12x内に露出する配線層11の表面に、無電解めっき法やスパッタ法によりシード層131を形成する。同様に、ビアホール32xの内壁を含む絶縁層32の表面及びビアホール32x内に露出する配線層31の表面に、無電解めっき法やスパッタ法によりシード層331を形成する。シード層131及び331としては、例えば、厚さ100nm~350nm程度の銅層を用いることができる。また、シード層131及び331として、厚さ20nm~50nm程度のチタン層と厚さ100nm~300nm程度の銅層をこの順番で積層した積層膜を用いてもよい。シード層131及び331の下層にチタン層を形成することにより、絶縁層12と配線層13との密着性及び絶縁層32と配線層33との密着性を向上できる。チタンに代えて、窒化チタン等を用いても構わない。なお、チタンや窒化チタンは、銅よりも耐腐食性の高い金属である。
【0092】
次に、
図7(b)に示すように、シード層131の上面の全体に感光性のレジスト層540を形成し、レジスト層540を露光及び現像し、配線層13を形成する部分を露出する開口部540xを形成する。同様に、シード層331の下面の全体に感光性のレジスト層550を形成し、レジスト層550を露光及び現像し、配線層33を形成する部分を露出する開口部550xを形成する。レジスト層540及び550としては、例えば、ドライフィルムレジストを用いることができる。開口部540xと開口部550xとは、支持体100を介して互いに対向する位置に形成される。そして、シード層131を給電層とする電解めっき法により、開口部540x内に露出するシード層131の上面に電解めっき層132(例えば、銅層)を形成する。同様に、シード層331を給電層とする電解めっき法により、開口部550x内に露出するシード層331の下面に電解めっき層332(例えば、銅層)を形成する。
【0093】
次に、
図7(c)に示すように、レジスト層540を剥離した後、電解めっき層132をマスクにして、電解めっき層132に覆われていない部分のシード層131をエッチングにより除去する。これにより、シード層131上に電解めっき層132が積層された配線層13が形成される。同様に、レジスト層550を剥離した後、電解めっき層332をマスクにして、電解めっき層332に覆われていない部分のシード層331をエッチングにより除去する。これにより、シード層331上に電解めっき層332が積層された配線層33が形成される。
【0094】
ここまでの工程により、支持体100を中心として絶縁層及び配線層が上下対称に配置された層構造が形成される。このような上下対称の層構造とすることにより、支持体100の上下で物性値(弾性率及び熱膨張係数)のバランスがとれるため、配線基板1の製造工程の途中の構造体に反りが発生することを抑制できる。なお、下側の層構造は配線基板として製品化される部分ではないが、下側の層構造も配線基板1として完成させ、製品化してもよい。また、配線基板1の製造工程の途中の構造体の反りが問題とならない場合には、支持体100の下側には層構造を形成しなくてもよい。
【0095】
次に、
図8(a)に示すように、配線層13の上面側を研磨して絶縁層12の上面12a及びビアホール12x内を充填する配線層13の上面を露出させ、ビアホール12x内に充填されたビア配線である配線層13を形成する。配線層13の研磨には、例えば、化学機械的研磨(chemical mechanical polishing:CMP)法等を用いることができる。配線層13の上面は、例えば、絶縁層12の上面12aと面一とすることができる。
【0096】
配線層13を研磨する際、絶縁層12の上面12aの一部を同時に研磨して除去してもよい。配線層13と共に絶縁層12の上面12aを研磨し、絶縁層12の上面12aの一部を除去することにより、絶縁層12の上面12aの粗度を研磨前より小さくできる。つまり、絶縁層12の上面12aの平滑度を向上できる。絶縁層12の上面12aの粗度は、研磨前では、例えば、表面粗さRa値で300nm~400nm程度であり、研磨により表面粗さ値Raで15nm~40nm程度とすることができる。このように、絶縁層12の上面12aの粗度を低減して平滑度を向上することにより、後工程において、微細配線(配線密度が高い配線層)の形成が可能となる。なお、絶縁層12の下面12bの粗度は、例えば、表面粗さRa値で180nm~280nm程度である。
【0097】
次に、
図8(b)に示すように、配線層14を形成する。配線層14は、配線層13及び33と同様に、例えば、セミアディティブ法を用いて形成できる。具体的には、まず、配線層13の上面及び絶縁層12の上面12aを連続的に被覆するように、無電解めっき法やスパッタ法によりシード層を形成する。なお、シード層の形成に無電解めっき法を用いてもよいが、スパッタ法を用いる方が薄い膜を形成できるので、配線層の高密度化に対してはスパッタ法を用いる方が有利である。
【0098】
そして、シード層の上面の全体に感光性のレジスト層を形成し、レジスト層を露光及び現像し、配線層14を形成する部分を露出する開口部を形成する。そして、シード層を給電層とする電解めっき法により、開口部内に露出するシード層の上面に電解めっき層を形成する。そして、レジスト層を剥離した後、電解めっき層をマスクにして、電解めっき層に覆われていない部分のシード層をエッチングにより除去する。これにより、シード層上に電解めっき層が積層された配線層14が形成される。配線層14の材料、厚さ及びライン/スペース等は、前述の通りである。なお、配線層14は、シード層上に電解めっき層が積層された構造となるが、
図8等において、シード層と電解めっき層との区別は省略されている(他の配線層についても同様に省略する場合がある)。
【0099】
次に、
図8(c)に示すように、配線層14を被覆するように、絶縁層12の上面12aに液状又はペースト状の感光性の絶縁性樹脂を塗布後、硬化しない程度の温度で加熱して半硬化状態の絶縁層15を形成する。絶縁層15の材料及び厚さは、前述の通りである。
【0100】
次に、
図9(a)に示すように、例えば、フォトリソグラフィ法によりビアホール15xを形成し、その後に、絶縁層15を硬化温度以上に加熱して硬化させる。ビアホール15xの形成の際に、絶縁層12の上面の外周部の上から絶縁層15を除去し、絶縁層15の側面15Sを絶縁層12の側面12Sよりも内側に位置させる。絶縁層12の側面12Sは、後のダイシングによって切断した際に露出する絶縁層12の側面である。感光性の絶縁性樹脂を主成分とする絶縁層15の上面は、絶縁層12の上面12aよりも更に平滑となる。絶縁層15の上面の粗度は、例えば、表面粗さRa値で2nm~6nm程度とすることができる。
【0101】
次に、
図9(b)に示すように、配線層16を形成する。配線層16は、配線層14と同様に、例えば、セミアディティブ法を用いて形成できる。次に、配線層16を被覆するように、絶縁層15の上面に液状又はペースト状の感光性の絶縁性樹脂を塗布後、硬化しない程度の温度で加熱して半硬化状態の絶縁層17を形成する。絶縁層17の材料及び厚さは、前述の通りである。
【0102】
次に、例えば、フォトリソグラフィ法によりビアホール17xを形成し、その後に、絶縁層17を硬化温度以上に加熱して硬化させる。ビアホール17xの形成の際に、絶縁層12の上面の外周部の上から絶縁層17を除去し、絶縁層17の側面17Sを絶縁層12の側面12Sよりも内側に位置させる。感光性の絶縁性樹脂を主成分とする絶縁層17の上面は、絶縁層12の上面12aよりも更に平滑となる。絶縁層17の上面の表面粗さRaは、例えば、2nm~6nm程度とすることができる。
【0103】
次に、
図9(c)に示すように、配線層18を形成する。配線層18は、配線層14と同様に、例えば、セミアディティブ法を用いて形成できる。次に、配線層18を被覆するように、絶縁層17の上面に液状又はペースト状の感光性の絶縁性樹脂を塗布後、硬化しない程度の温度で加熱して半硬化状態の絶縁層19を形成する。絶縁層19の材料及び厚さは、前述の通りである。
【0104】
次に、例えば、フォトリソグラフィ法によりビアホール19x及びスリット70を形成し、その後に、絶縁層19を硬化温度以上に加熱して硬化させる。ビアホール19x及びスリット70の形成の際に、絶縁層12の上面の外周部の上から絶縁層19を除去し、絶縁層19の側面19Sを絶縁層12の側面12Sよりも内側に位置させる。感光性の絶縁性樹脂を主成分とする絶縁層19の上面は、絶縁層12の上面12aよりも更に平滑となる。絶縁層19の上面の表面粗さRaは、例えば、2nm~6nm程度とすることができる。
【0105】
次に、
図10(a)に示すように、ビア配線22及びパッド23を含む配線層21を形成する。配線層21は、配線層14と同様に、例えば、セミアディティブ法を用いて形成できる。
【0106】
次に、
図10(b)に示すように、絶縁層12上に、配線層21のパッド23の上面及び側面と、絶縁層15、17及び19の積層構造体20の上面及び側面とを被覆するように封止樹脂層24を形成する。封止樹脂層24は、例えば、モールド樹脂を用いたモールド成形法により形成できる。例えば、
図10(a)に示す構造体を金型内に収容し、その金型内に圧力(例えば、5MPa~10MPa)を印加して流動化したモールド樹脂を導入する。その後、モールド樹脂を180℃程度の温度で加熱して硬化させることにより、封止樹脂層24を形成する。そして、所要の封止処理を終了後、封止樹脂層24で覆われた構造体を上記金型から取り出す。モールド成形法としては、例えば、トランスファーモールド法、コンプレッションモールド法、インジェクションモールド法等を使用できる。
【0107】
次に、
図11(a)に示すように、
図10(b)に示す封止樹脂層24の上面側を研磨してパッド23の少なくとも上面を露出する。封止樹脂層24の研磨には、例えば、CMP法等を用いることができる。パッド23の上面は、例えば、封止樹脂層24の上面24aと面一とすることができる。ただし、封止樹脂層24の研磨量の調整等により、パッド23の側面の一部及び上面を封止樹脂層24の上面24aから突出させてもよいし、パッド23の上面を封止樹脂層24の上面24aよりも窪んだ位置に露出させてもよい。
【0108】
次に、
図11(b)に示すように、ダイシングブレード等を用いて、
図11(a)に示す構造体の外周部を切断する。切断は、絶縁層12と上側のプリプレグ103とが直接接している領域と、絶縁層32と下側のプリプレグ103とが直接接している領域とを除去するように行う。これにより、
図12(a)に示すように、厚箔104bと薄箔104aとが接している部分を容易に剥離することが可能となる。すなわち、支持体100の主要部分を容易に除去できる。
【0109】
次に、
図12(b)に示すように、
図12(a)に示す支持体100の主要部分を除去した構造体(
図12(a)で傾斜して図示している部分)から薄箔104aを除去する。薄箔104aは、例えば、ウェットエッチングにより除去できる。これにより、絶縁層12の下面12bに配線層11の下面が露出する。絶縁層12の下面12bと配線層11の下面とは、例えば、面一とすることができる。
【0110】
次に、
図13に示すように、必要に応じ、
図12(b)の構造体のパッド23の上面に表面処理層210を形成し、かつ配線層11の下面に表面処理層110を形成する。表面処理層110及び210としては、例えば、無電解めっき法により、前述の金属層や金属層の積層体を形成してもよいし、OSP処理等の酸化防止処理を施してもよい。
【0111】
このようにして、第1実施形態に係る配線基板1を製造することができる。
【0112】
このように、配線基板1では、感光性樹脂を主成分とする絶縁層15、17及び19を含む第1配線構造1Hを挟んで、非感光性の熱硬化性樹脂を主成分とする絶縁層12を含む第2配線構造1Lと、非感光性の熱硬化性樹脂を主成分とする封止樹脂層24とを配置している。そして、絶縁層12の熱膨張係数及び封止樹脂層24の熱膨張係数は、絶縁層15、17及び19の各々の熱膨張係数よりも低い。この構造により、配線基板1の厚さ方向における熱膨張係数の不均衡が改善されるため、配線基板1の反りを低減できる。
【0113】
更に、封止樹脂層24は、絶縁層15の側面15S、絶縁層17の側面17S及び絶縁層19の側面19Sを覆っている。従って、封止樹脂層24の、側面15S、17S及び19Sよりも外側の部分は、パッド23が形成された部分(絶縁層19の上面の上の部分)よりも厚い。このため、配線基板9と比較して、絶縁層12の上側(Z1側)にある封止樹脂層24の体積が大きく、配線基板1の反りは配線基板9の反りよりも抑制される。
【0114】
また、第1スリット71、第2スリット72、第3スリット73、第4スリット74及び第5スリット75は封止樹脂層24により埋め込まれている。このため、この点でも、配線基板9と比較して、絶縁層12の上側(Z1側)にある封止樹脂層24の体積が大きく、配線基板1の反りは配線基板9の反りよりも抑制される。
【0115】
更に、配線基板1の反りが低減することで、配線基板1の封止樹脂層24側に半導体チップを実装したり、配線基板1を他の配線基板上に実装したりすることが容易となる。
【0116】
なお、封止樹脂層24は、絶縁層15の側面15S、絶縁層17の側面17S及び絶縁層19の側面19Sのすべてを覆う必要はなく、これらの一部のみを覆っていてもよい。例えば、平面視で、絶縁層15の側面15Sが絶縁層12の側面12Sと重なり合い、封止樹脂層24が、絶縁層15の側面15Sを覆わずに、絶縁層15の側面15S及び絶縁層17の側面17Sを覆っていてもよい。
【0117】
また、
図11(a)の状態を出荷形態としてもよい。すなわち、支持体100付きの配線基板1を出荷形態としてもよい。
【0118】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は配線基板に関し、主として、第2配線構造1Lを含まない点で第1実施形態と相違する。
【0119】
[第2実施形態に係る配線基板の構造]
図14は、第2実施形態に係る配線基板を示す断面図である。
図14に示すように、第2実施形態に係る配線基板2は、第1配線構造1Hを含むが、第2配線構造1Lを含まない。
【0120】
第1配線構造1Hは、配線層14と、絶縁層15と、配線層16と、絶縁層17と、配線層18と、絶縁層19と、配線層21とに加えて、配線層81と、絶縁層82とを有する。
【0121】
配線層81は、絶縁層82の下面側に露出する最下層の配線層であり、上面及び側面が絶縁層82に被覆されている。配線層81の下面は、例えば、絶縁層82の下面82bと面一であってもよい。配線層81の下面が、絶縁層82の下面82bから配線層14側に窪んだ位置に露出していてもよく、配線層81の側面の一部及び下面が、絶縁層82の下面82bから下側に突出してもよい。
【0122】
配線層81は、例えば、平面形状が直径150μm程度の円形のパッドであるが、配線パターンを含んでいてもよい。隣接する配線層81の間隔は、例えば、200μm程度とすることができる。配線層81の材料としては、例えば、銅(Cu)等を用いることができる。配線層81の厚さは、例えば、1μm~3μm程度とすることができる。なお、配線層81は、他の配線基板と電気的に接続するための外部接続端子(パッド)として使用できる。配線層81を、チップコンデンサ等を接続するための外部接続端子(パッド)として使用してもよい。配線層81の下面に表面処理層110を形成してもよい。
【0123】
絶縁層82は、配線層81の上面及び側面を被覆している。平面視で絶縁層82の縁は絶縁層15、17及び19の縁と重なり合う。絶縁層82の材料、厚さ及び熱膨張係数は、例えば、絶縁層15と同様とすることができる。絶縁層17は、シリカ(SiO2)等のフィラーを含有しても構わない。
【0124】
本実施形態では、配線層14が、絶縁層82の一方の側(Z1側)に形成されており、配線層81と電気的に接続されている。配線層14は、絶縁層82を貫通し配線層81の上面を露出するビアホール82x内に充填されたビア配線と、絶縁層15の上面に形成された配線パターンとを含んでいる。ビアホール82xは、絶縁層15側に開口されている開口部の径が配線層81の上面によって形成された開口部の底面の径よりも大きい逆円錐台状の凹部とすることができる。ビアホール82xの開口部の径は、例えば10μm~20μm程度とすることができる。
【0125】
封止樹脂層24は、絶縁層15の側面15S、絶縁層17の側面17S及び絶縁層19の側面19Sに加えて、絶縁層82の側面82Sを被覆する。封止樹脂層24の下面は絶縁層82の下面82bと面一であってもよい。
【0126】
他の構成は第1実施形態と同様である。
【0127】
[第2実施形態に係る配線基板の製造方法]
次に、第2実施形態に係る配線基板の製造方法について説明する。
図15~
図16は、第2実施形態に係る配線基板の製造方法を示す断面図である。
【0128】
まず、第1実施形態と同様に、支持体100を準備する(
図5(a)参照)。次に、
図15(a)に示すように、配線層11を形成することなく、上側のキャリア付き銅箔104の一部と、下側のキャリア付き銅箔104の一部とをエッチングにより除去する。
【0129】
次に、
図15(b)に示すように、配線層81を形成する。配線層81は、第1実施形態における配線層14と同様に、例えば、セミアディティブ法を用いて形成できる。
【0130】
次に、
図15(c)に示すように、配線層81を被覆するように、上側のキャリア付き銅箔104の上面に液状又はペースト状の感光性の絶縁性樹脂を塗布後、硬化しない程度の温度で加熱して半硬化状態の絶縁層82を形成する。絶縁層82の材料及び厚さは、前述の通りである。
【0131】
次に、例えば、フォトリソグラフィ法によりビアホール82xを形成し、その後に、絶縁層82を硬化温度以上に加熱して硬化させる。ビアホール82xの形成の際に、上側のキャリア付き銅箔104の上面の外周部の上から絶縁層82を除去し、絶縁層82の側面82Sを上側のキャリア付き銅箔104の側面よりも内側に位置させる。
【0132】
次に、
図15(d)に示すように、第1実施形態と同様にして、絶縁層82の上に、配線層14と、絶縁層15と、配線層16と、絶縁層17と、配線層18と、絶縁層19とを形成する。また、適宜、ビアホール15x、17x及び19xを形成する。
【0133】
次に、
図16(a)に示すように、支持体100上に、配線層21のパッド23の上面及び側面と、絶縁層15、17、19及び82の積層構造体20の上面及び側面とを被覆するように封止樹脂層24を形成する。第1実施形態と同様に、封止樹脂層24は、例えば、モールド樹脂を用いたモールド成形法により形成できる。
【0134】
次に、
図16(b)に示すように、第1実施形態と同様に、ダイシングブレード等を用いた切断と、薄箔104aの除去とを行い、必要に応じ、表面処理層210及び表面処理層110を形成する。
【0135】
このようにして、第2実施形態に係る配線基板2を製造することができる。
【0136】
配線基板2においては、封止樹脂層24が、絶縁層19の上面だけでなく、絶縁層15の側面15S、絶縁層17の側面17S、絶縁層19の側面19S及び絶縁層82の側面82Sを覆っている。従って、封止樹脂層24の、側面15S、17S、19S及び82Sよりも外側の部分は、パッド23が形成された部分(絶縁層19の上面の上の部分)よりも厚い。更に、第1スリット71、第2スリット72、第3スリット73、第4スリット74及び第5スリット75は封止樹脂層24により埋め込まれている。このため、第1実施形態と同様に、反りを低減することができる。
【0137】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、第1実施形態に係る配線基板1を含む半導体装置に関する。
図17は、第3実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
【0138】
図17に示すように、第3実施形態に係る半導体装置3は、第1実施形態に係る配線基板1と、ベース基板200とを有する。
【0139】
ベース基板200は、コア層250の両面に配線層及び絶縁層が積層された多層配線基板であり、例えば、周知のビルドアップ工法により作製できる。ベース基板200が有する各配線層は、配線基板1の配線層14、16、18、21に比べて配線密度が低い(ライン/スペースが広い)。ベース基板200が有する各配線層のライン/スペースは、例えば、20μm/20μm程度とすることができる。
【0140】
ベース基板200において、コア層250の一方の面には、配線層252と、絶縁層253と、配線層254と、絶縁層255と、配線層256と、ソルダーレジスト層257とが順次積層されている。また、コア層250の他方の面には、配線層262と、絶縁層263と、配線層264と、絶縁層265と、配線層266と、ソルダーレジスト層267とが順次積層されている。
【0141】
コア層250としては、例えば、ガラスクロスにエポキシ系樹脂等の絶縁性樹脂を含浸させた所謂ガラスエポキシ基板等を用いることができる。コア層250として、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維等の織布や不織布にエポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂等を含浸させた基板等を用いてもよい。コア層250の厚さは、例えば、60μm~400μm程度とすることができる。コア層250には、コア層250を厚さ方向に貫通する貫通孔250xが設けられている。貫通孔250xの平面形状は例えば円形である。
【0142】
配線層252は、コア層250の一方の面に形成されている。また、配線層262は、コア層250の他方の面に形成されている。配線層252と配線層262とは、貫通孔250x内に形成された貫通配線251により電気的に接続されている。配線層252及び262は、各々所定の平面形状にパターニングされている。配線層252及び262、並びに貫通配線251の材料としては、例えば、銅(Cu)等を用いることができる。配線層252及び262の厚さは、例えば、10μm~30μm程度とすることができる。なお、配線層252と配線層262と貫通配線251とは一体に形成されたものであってもよい。
【0143】
絶縁層253は、コア層250の一方の面に配線層252を覆うように形成されている。絶縁層253の材料としては、例えば、エポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂を主成分とする絶縁性樹脂等を用いることができる。絶縁層253の厚さは、例えば30μm~40μm程度とすることができる。絶縁層253は、シリカ(SiO2)等のフィラーを含有することができる。
【0144】
配線層254は、絶縁層253の一方の側(Z1側)に形成されている。配線層254は、絶縁層253を貫通し配線層252の上面を露出するビアホール253x内に充填されたビア配線と、絶縁層253の上面に形成された配線パターンとを含んでいる。配線層254を構成する配線パターンは、ビア配線を介して、配線層252と電気的に接続されている。ビアホール253xは、絶縁層255側に開口されている開口部の径が配線層252の上面によって形成された開口部の底面の径よりも大きい逆円錐台状の凹部とすることができる。配線層254の材料及び配線パターンの厚さは、例えば、配線層252と同様とすることができる。
【0145】
絶縁層255は、絶縁層253の上面に配線層254を覆うように形成されている。絶縁層255の材料及び厚さは、例えば、絶縁層253と同様とすることができる。絶縁層255は、シリカ(SiO2)等のフィラーを含有することができる。
【0146】
配線層256は、絶縁層255の一方の側(Z1側)に形成されている。配線層256は、絶縁層255を貫通し配線層254の上面を露出するビアホール255x内に充填されたビア配線と、絶縁層255の上面に形成された配線パターンと、ソルダーレジスト層257の開口部257xの内側に形成されたパッドとを含んでいる。配線層256を構成する配線パターンは、ビア配線を介して、配線層254と電気的に接続されている。ビアホール255xは、配線基板1側に開口されている開口部の径が配線層254の上面によって形成された開口部の底面の径よりも大きい逆円錐台状の凹部とすることができる。配線層256の材料及び配線パターンの厚さは、例えば、配線層252と同様とすることができる。
【0147】
ソルダーレジスト層257は、絶縁層255の上面に、配線層256を覆うように形成されている。ソルダーレジスト層257は、例えば、エポキシ系樹脂やアクリル系樹脂等の感光性樹脂等から形成することができる。ソルダーレジスト層257の厚さは、例えば15μm~35μm程度とすることができる。
【0148】
配線層256を構成するパッドの平面形状は、例えば、円形とすることができる。必要に応じ、配線層256を構成するパッドの表面(上面のみ、又は、上面及び側面)に前述の表面処理層を形成してもよい。
【0149】
絶縁層263は、コア層250の他方の面に配線層262を覆うように形成されている。絶縁層263の材料及び厚さは、例えば、絶縁層253と同様とすることができる。絶縁層263は、シリカ(SiO2)等のフィラーを含有することができる。
【0150】
配線層264は、絶縁層263の他方の側(Z2側)に形成されている。配線層264は、絶縁層263を貫通し配線層262の下面を露出するビアホール263x内に充填されたビア配線と、絶縁層263の下面に形成された配線パターンとを含んでいる。配線層264を構成する配線パターンは、ビア配線を介して、配線層262と電気的に接続されている。ビアホール263xは、絶縁層265側に開口されている開口部の径が配線層262の下面によって形成された開口部の底面の径よりも大きい円錐台状の凹部とすることができる。配線層264の材料及び厚さは、例えば、配線層252と同様とすることができる。
【0151】
絶縁層265は、絶縁層263の下面に配線層264を覆うように形成されている。絶縁層265の材料及び厚さは、例えば、絶縁層253と同様とすることができる。絶縁層265は、シリカ(SiO2)等のフィラーを含有することができる。
【0152】
配線層266は、絶縁層265の他方の側(Z2側)に形成されている。配線層266は、絶縁層265を貫通し配線層264の下面を露出するビアホール265x内に充填されたビア配線と、絶縁層265の下面に形成された配線パターンとを含んでいる。配線層266を構成する配線パターンは、ビア配線を介して、配線層264と電気的に接続されている。ビアホール265xは、ソルダーレジスト層267側に開口されている開口部の径が配線層264の下面によって形成された開口部の底面の径よりも大きい円錐台状の凹部とすることができる。配線層266の材料及び厚さは、例えば、配線層252と同様とすることができる。
【0153】
ソルダーレジスト層267は、絶縁層265の下面に、配線層266を覆うように形成されている。ソルダーレジスト層267の材料及び厚さは、例えば、ソルダーレジスト層257と同様とすることができる。ソルダーレジスト層267は、開口部267xを有し、開口部267x内には配線層266の下面の一部が露出している。開口部267xの平面形状は、例えば、円形とすることができる。必要に応じ、開口部267x内に露出する配線層266の下面に前述の表面処理層を形成してもよい。
【0154】
配線基板1は、ベース基板200上に実装されている。具体的には、配線基板1の外部接続端子である配線層11と、ベース基板200の外部接続端子である配線層256とが、はんだ層221により接合されている。また、配線基板1の下面(絶縁層12の下面)とベース基板200の上面(絶縁層255の上面)との間に、接着層222が充填されている。接着層222は、配線基板1の側面の一部も被覆している。接着層222により、配線基板1とベース基板200とが接着されている。
【0155】
ベース基板200の上面(ソルダーレジスト層257の上面)の外周部には、スティフナ270が固着されている。スティフナ270は、例えば平面形状が枠状であり、半導体装置3の全体の強度を補強する。スティフナ270の材料としては、例えば、SUS304(CrとNiを主成分とするステンレス鋼:0.08C-18Cr-8Ni)等を用いことができる。スティフナ270の材料として、銅や銅合金等の金属板や、ガラスエポキシ基板等の樹脂板を用いてもよい。スティフナ270は、必要に応じて設けることができる。
【0156】
半導体装置3は、更に、半導体チップ280と、バンプ290と、アンダーフィル樹脂295と、チップコンデンサ380と、バンプ390とを有する。配線基板1には、複数の半導体チップ280がフリップチップ実装されている。
【0157】
半導体チップ280は、例えば、シリコン等からなる薄板化された半導体基板281に半導体集積回路(図示せず)等が形成されたものである。半導体基板281の回路形成面には、半導体集積回路(図示せず)と電気的に接続された電極パッド282が形成されている。
【0158】
半導体チップ280の電極パッド282は、バンプ290を介して、配線基板1の配線層21と電気的に接続されている。アンダーフィル樹脂295は、半導体チップ280の回路形成面と配線基板1の上面との間に充填され、半導体チップ280の側面を被覆している。バンプ290は、例えば、はんだバンプである。はんだバンプの材料としては、例えば、SnBiはんだ等を用いることができる。
【0159】
各々の半導体チップ280は、同一の大きさであっても異なる大きさであってもよい。また、各々の半導体チップ280は、同一の機能であっても異なる機能であってもよい。半導体チップ280の機能の一例としては、メモリ(DRAM等)やロジック(CPU等)が挙げられる。また、配線基板1には1つ又は2つの半導体チップ280が実装されてもよいし、4つ以上の半導体チップ280が実装されてもよい。
【0160】
チップコンデンサ380は、例えば、本体部381と、電極パッド382とを有する。チップコンデンサ380の電極パッド382は、バンプ390を介して、ベース基板200の配線層266と電気的に接続されている。バンプ390の材料は、例えば、バンプ290と同様とすることができる。
【0161】
第3実施形態に係る半導体装置3は配線基板1を含む。このため、配線基板1の反りが抑制され、半導体装置3に優れた信頼性を得ることができる。
【0162】
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、上述した実施の形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0163】
1、2 配線基板
1H 第1配線構造
1L 第2配線構造
3 半導体装置
11、13、14、16、18、21、81 配線層
12、15、17、19、82 絶縁層
12S、15S、17S、19S、82S 側面
20 積層構造体
24 封止樹脂層
70、71、72、73、74、75 スリット
76 第1領域
100 支持体
200 ベース基板