(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023035863
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、会議システム、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230306BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022116050
(22)【出願日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】P 2021141243
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100110607
【弁理士】
【氏名又は名称】間山 進也
(72)【発明者】
【氏名】藤田 雄大
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】 会議において追加された追加情報の活用性を向上させることが可能となる装置、システム、方法およびプログラムを提供すること。
【解決手段】 情報処理装置は、会議の参加者に対して配布する資料を登録する登録部41と、出力機器に対し、登録された資料の印刷を指示する印刷管理部44と、会議の進行状況を示す会議進行情報と、印刷された資料に対して参加者が追加した追加情報とを取得する取得部45と、登録された資料と、取得された会議進行情報および追加情報とに基づき、会議結果を示す会議結果情報を生成する生成部47とを含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
会議結果情報を生成する情報処理装置であって、
会議の参加者に対して配布する資料を登録する登録手段と、
出力機器に対し、登録された前記資料の出力を指示する出力制御手段と、
前記会議の進行状況を示す会議進行情報と、出力された前記資料に対して前記参加者が追加した追加情報とを取得する取得手段と、
前記登録手段により登録された前記資料と、前記取得手段により取得された前記会議進行情報および前記追加情報とに基づき、会議結果を示す会議結果情報を生成する生成手段と
を含む、情報処理装置。
【請求項2】
前記出力制御手段は、前記資料を印刷する画像形成装置へ出力を指示し、
前記取得手段は、前記参加者が前記会議において追加した追加情報を含む前記資料を読み取る読取装置から該追加情報を取得する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記出力制御手段は、前記資料を前記参加者が所持する通信端末へ送信することにより出力を指示し、
前記取得手段は、前記参加者が前記会議において追加した追加情報を含む前記資料を前記通信端末から受信することにより該追加情報を取得する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記出力制御手段は、前記参加者の会議室への入退室を管理する入退室管理システムと連携している場合、前記参加者を識別する参加者識別情報を含めて前記資料の出力を指示し、
前記取得手段は、前記参加者識別情報により識別される前記追加情報を取得する、請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記生成手段は、前記参加者の会議室への入退室を管理する入退室管理システムと連携している場合、前記会議に参加した参加者の一覧と、前記各参加者が前記資料に追加した追加情報とを、前記会議結果情報として生成する、請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記取得手段は、会議中、前記資料の各パートに要した時間を計測し、前記会議進行情報として取得する、請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記生成手段は、前記会議に占める前記各パートの時間的な割合を示すグラフを前記会議結果情報として生成する、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記生成手段は、前記パート毎の前記各参加者が追加した追加情報を前記会議結果情報として生成する、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記取得手段は、会議中に発話した発話者の音声を音声端末から取得し、
前記生成手段は、前記パート毎の発話時間もしくは発話数またはその両方を示すグラフを前記会議結果情報として生成する、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項10】
会議結果情報を生成する情報処理装置と、会議の資料を操作するための情報端末とを含む、会議システムであって、前記情報処理装置が、
会議の参加者に対して配布する資料を登録する登録手段と、
出力機器に対し、登録された前記資料の出力を指示する出力制御手段と、
前記会議の進行状況を示す会議進行情報と、出力された前記資料に対して前記参加者が追加した追加情報とを取得する取得手段と、
前記登録手段により登録された前記資料と、前記取得手段により取得された前記会議進行情報および前記追加情報とに基づき、会議結果を示す会議結果情報を生成する生成手段と
を含む、会議システム。
【請求項11】
情報処理装置により会議結果情報を生成する方法であって、
会議の参加者に対して配布する資料を登録するステップと、
出力機器に対し、登録された前記資料の出力を指示するステップと、
前記会議の進行状況を示す会議進行情報と、出力された前記資料に対して前記参加者が追加した追加情報とを取得するステップと、
登録された前記資料と、取得された前記会議進行情報および前記追加情報とに基づき、会議結果を示す会議結果情報を生成するステップと
を含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法に含まれる各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会議結果情報を生成する情報処理装置、会議システム、方法および会議結果情報を生成する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
会議は、会議の参加者に対し、資料を配布し、資料の内容に沿って進められる。参加者は、その内容に対して発言したり、重要部分に対して下線を引いたり、主催者が説明した内容をメモ書きしたりする。参加者が発言し、メモ書きした資料の箇所は、重要な箇所もしくは参加者が関心のある箇所であり、発言内容やメモ書きした内容を活用できれば、会議の主催者は、今後の資料作成や会議の進め方等に役立てることができる。
【0003】
従来において、発言内容やメモ書きした内容を抽出する技術として、資料の撮影を表示切替時点と表示開始時点とで行い、表示切替時点の撮影画像と表示開始時点の撮影画像との差異部分を特定する差分情報を生成する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、会議終了後に参加者から資料を回収して読み取ったデータを、元の資料のデータと比較して差分データを抽出する技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の技術では、単純に差分のみを抽出するため、会議の進行状況との関係が明確ではなく、資料のどの箇所(パート)で多く発言があったか、どのパートでどの程度の時間議論したか等は分からない。すると、どのパートがどの程度重要であるか、どの程度興味があるかが分からず、抽出した情報を十分に活用できているとは言えないという問題があった。
【0005】
本発明は上述した課題を解決するものであり、会議において追加された追加情報に対する活用性を向上させることができる情報処理装置、会議システム、方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、会議結果情報を生成する情報処理装置であって、
会議の参加者に対して配布する資料を登録する登録手段と、
出力機器に対し、登録された資料の出力を指示する出力制御手段と、
会議の進行状況を示す会議進行情報と、出力された資料に対して参加者が追加した追加情報とを取得する取得手段と、
登録手段により登録された資料と、取得手段により取得された会議進行情報および追加情報とに基づき、会議結果を示す会議結果情報を生成する生成手段と
を含む、情報処理装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、会議において追加された追加情報の活用性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】情報処理装置としての会議支援システムのハードウェア構成の一例を示した図。
【
図3】会議支援システムの機能構成の一例を示したブロック図。
【
図4】会議支援システムにより会議開催前に実行される処理の一例を示したフローチャート。
【
図5】会議開催に際して登録される会議情報の一例を示した図。
【
図6】会議支援システムにより会議開催中に実行される処理の一例を示したフローチャート。
【
図8】会議中に取得される会議進行データの一例を示した図。
【
図9】会議支援システムにより会議開催後に実行される処理の一例を示したフローチャート。
【
図11】会議支援システムに表示される画面の第1の例を示した図。
【
図12】会議支援システムに表示される画面の第2の例を示した図。
【
図13】会議支援システムに表示される画面の第3の例を示した図。
【
図14】会議支援システムに表示される画面の第4の例を示した図。
【
図15】会議支援システムに表示される画面の第5の例を示した図。
【
図16】会議支援システムに表示される画面の第6の例を示した図。
【
図17】会議支援システムに表示される画面の第7の例を示した図。
【
図18】会議支援システムに表示される画面の第8の例を示した図。
【
図19】会議支援システムに表示される画面の第9の例を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明について実施形態をもって説明するが、本発明は後述する実施形態に限定されるものではない。
【0010】
図1は、会議システムの第1の構成例を示した図である。会議システムは、会議の日時や参加者等を管理し、会議の資料を登録し、参加者に対して資料を出力して提供し、参加者から書き込みの内容を取得し、会議結果情報を生成して主催者に提供するシステムである。
【0011】
会議システムは、会議結果情報を生成し、会議を支援するための情報処理装置を含む。以下、情報処理装置を会議支援システムとして参照する。会議支援システム10には、会議の資料を記憶するデータベース11が接続される。データベース11には、会議の資料が、会議の日時や参加者等の情報を含む会議情報と関連付けて、もしくは会議情報に含められて登録される。ここでは、会議支援システム10とは別に、データベース11を設けているが、これに限られるものではなく、会議支援システム10内の記憶装置をデータベース11として用いてもよい。
【0012】
会議支援システム10には、会議中の会議の主催者や参加者の発言を記録するための音声端末12が接続される。音声端末12は、例えばマイクロフォンである。会議支援システム10には、ケーブルにより、またはネットワークを介して、主催者端末13、出力機器としてのプリンタ14、画像読取装置としてのスキャナ15、入退室管理システム16が接続される。なお、会議支援システム10には、カメラや、カメラ付きのスマートデバイス等が有線または無線により接続されてもよい。スマートデバイスは、スマートフォン、タブレット端末、ノートPC、PDA(Personal Digital Assistant)等である。
【0013】
会議の主催者は、会議を実施する人であり、会議支援システム10を利用し、資料データとともに会議情報を登録する。資料データは、会議で使用される資料のデータで、紙等の記録媒体に印刷されて会議資料として会議の参加者に配布される。参加者は、主催者が実施する会議に参加する人であり、会議中、配布された会議資料にペン等の筆記具を使用して書き込みを行う。音声端末12は、主催者や参加者の発言を会議中データ(音声データ)として取得する。音声データは、会議結果のまとめに使用される。
【0014】
主催者端末13は、PC(Personal Computer)、タブレット端末、スマートフォン等で、主催者が使用する端末である。なお、主催者端末13は、情報端末の一例である。主催者は、主催者端末13を使用し、会議支援システム10から会議中データとして会議の進行状況を示す会議進行情報(会議進行データ)を取得する。会議進行データは、会議資料のどの箇所(パート、もしくはページ)にどのくらい時間がかかっているか等のデータである。
【0015】
プリンタ14は、会議支援システム10からの指示により登録された資料データを印刷する。印刷された資料は、参加者に配布される。スキャナ15は、参加者が会議中に書き込みを行った会議資料を、会議後にスキャンし、会議支援システム10へスキャンデータを送信する。なお、カメラやカメラ付きのスマートデバイスを使用する場合、会議後、会議資料をカメラ等で撮影し、撮影データを会議支援システム10へ送信することができる。
【0016】
入退室管理システム16は、会議を行う会議室へ入室する参加者を識別する。入退室管理システム16は、参加者が会議室への入室時に入力する参加者識別情報、もしくは参加者が所持するIC(Integrated Circuit)カードやスマートフォン等から読み取った参加者識別情報に基づき、予め登録された参加者識別情報と比較し、参加者を認証する。このため、入退室管理システム16は、参加者識別情報を入力する入力装置、もしくは参加者識別情報を読み取る読取装置を含む。参加者識別情報は、認証に必要とされる参加者ID、パスワードを含む。参加者識別情報は、参加者の指紋や静脈等の生体情報であってもよい。
【0017】
会議を実施しようとする主催者は、会議情報を入力する。このとき、主催者は、会議に使用する資料データを指定する。会議支援システム10は、音声端末12、プリンタ14、スキャナ15、入退室管理システム16等の周辺デバイスと連携して会議を支援する。会議支援システム10は、会議前、主催者によって入力された会議情報、指定された資料データをデータベース11に登録する。
【0018】
会議支援システム10は、入退室管理システム16により認証された参加者に対し、会議資料を配布するため、データベース11から資料データを読み出し、プリンタ14に対して資料データの印刷を指示する。プリンタ14は、指示された資料データを印刷することにより参加者に対して会議資料を配布する。資料データには、参加者を識別するコードが付与され、資料とともに付与されたコードも印刷される。コードは、一次元コード、二次元コードのいずれであってもよく、その他のコードであってもよい。なお、参加者を識別することができれば、コードに限らず、社員番号等であってもよい。
【0019】
さらに、資料データには、資料を一意に識別する資料識別コードも印刷されてもよい。また、資料の各ページも識別できるように、ページ識別コードも印刷されてもよい。なお、参加者を識別するコード、資料識別コード、ページ識別コードは、それぞれ別々のコードであってもよいし、2つ以上を纏めて1つのコードとしてもよい。資料識別コードやページ識別コードも、参加者を識別するコードと同様、一次元コード、二次元コードのいずれであってもよく、その他のコードであってもよい。また、資料やページを識別することができれば、コードに限らず、会議名やページ番号等であってもよい。
【0020】
図1では、会議システムが、会議支援システム10と入退室管理システム16とが連携し、会議支援システム10が入退室管理システム16から参加者の情報を取得できる構成となっている。しかしながら、会議システムは、会議支援システム10と入退室管理システム16とが連携していなくてもよく、入退室管理システム16がなくてもよい。この場合、会議支援システム10は、参加者から参加者識別情報の入力を受けて認証処理を実行し、参加者から印刷要求を受けて、プリンタ14に対して参加者に対応する会議の資料データの印刷を指示することができる。
【0021】
会議中、会議の主催者は、資料の各パートについて、主催者端末13からディスプレイやプロジェクタを介してスクリーン等に表示して説明を行う。会議支援システム10は、どのパートにどのくらい時間がかかっているか等の会議進行データを取得し、主催者端末13からの要求に応じて主催者端末13へ送信する。パートが資料のページである場合、そのページを表示させてから次のページへ移るまでの時間を、そのパートにかかった時間として計測し、取得することができる。
【0022】
会議支援システム10は、会議後、スキャナ15により読み取られた会議資料をスキャンデータとして受信し、登録された資料データ、会議進行データ、受信したスキャンデータに基づき、会議結果情報(会議結果データ)を生成する。なお、会議支援システム10は、カメラやスマートデバイスにより撮影された会議資料を撮影データとして受信し、登録された資料データ、会議進行データ、受信した撮影データに基づき、会議結果データを生成してもよい。会議支援システム10は、会議結果データを生成した後、主催者に対して会議結果を通知する。会議結果は、会議支援システム10の表示装置の画面に会議結果データを表示することにより通知される。
【0023】
会議結果データは、元の資料データと、参加者の書き込みを含むスキャンデータや撮影データとの差分情報だけではなく、会議進行データに基づき、どのパートにどのくらいの時間がかかっているか等の進行状況と相関した情報としてまとめられる。このため、会議において追加された追加情報としての差分情報の活用性を向上させることが可能となる。
【0024】
はじめに、
図2を参照して、会議支援システム10のハードウェア構成について説明する。会議支援システム10は、一般的なコンピュータで、CPU(Central Processing Unit)20と、ROM(Read Only Memory)21と、RAM(Random Access Memory)22と、HD(Hard Disk)23と、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ24と、ディスプレイ25とを備える。また、会議支援システム10は、外部機器接続I/F26と、ネットワークI/F27と、データバス28と、キーボード29と、ポインティングデバイス30と、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ31と、メディアI/F32とを備える。
【0025】
CPU20は、会議支援システム10全体の動作を制御する。ROM21は、IPL(Initial Program Loader)等のCPU20の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM22は、CPU20の作業領域を提供する。HD23は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ24は、CPU20の制御に従ってHD23に対する各種データの読み出し、または書き込みを制御する。ディスプレイ25は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、画像等の各種情報を表示する。
【0026】
外部機器接続I/F26は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。外部機器としては、例えばUSBメモリやプリンタ等が挙げられる。ネットワークI/F27は、ネットワークを利用してデータを通信するためのインターフェースである。データバス28は、CPU20等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0027】
キーボード29は、文字、数値、各種指示等の入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス30は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動等を行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ31は、着脱可能な記録媒体の一例であり、DVD-RW33に対する各種データの読み出し、または書き込みを制御する。ここでは、DVD-RW33を例に挙げたが、これに限定されるものではなく、DVD-R等であってもよい。メディアI/F32は、フラッシュメモリ等の記録メディア34に対するデータの読み出し、または書き込みを制御する。
【0028】
次に、
図3を参照して、会議支援システム10の機能構成について説明する。会議支援システム10が備える各機能は、CPU20等の処理回路により実現することが可能である。処理回路は、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアにより各機能を実行するようにプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するように設計されたASIC、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0029】
会議支援システム10は、周辺デバイスとして、音声端末12、主催者端末13、プリンタ14、スキャナ15、入退室管理システム16が接続される。
【0030】
会議支援システム10は、各機能を実現するための機能部として、通信部40、登録部41、会議管理部42、参加者管理部43、印刷管理部44、取得部45、分析部46、生成部47、UI(User interface)部48を備える。
【0031】
通信部40は、周辺デバイスとの通信を制御する。登録部41は、登録手段として機能し、主催者が入力した会議情報をデータベース11に登録する。会議管理部42は、登録された会議情報を管理し、会議情報の更新等を行う。参加者管理部43は、会議に参加する参加者の情報を管理し、参加者の追加や削除等を行う。
【0032】
印刷管理部44は、出力制御手段として機能し、会議の参加者に配布する資料の印刷に関する制御を行う。印刷管理部44は、入退室管理システム16により識別された参加者の情報を取得し、その参加者が参加する会議を特定し、プリンタ14に対し、特定した会議の資料の印刷を指示する。そのとき、印刷管理部44は、その参加者のコードも資料とともに印刷するように指示する。また、会議の資料を識別する資料識別コードや、資料の各ページを識別するページ識別コードも印刷するように指示してもよい。
【0033】
取得部45は、取得手段として機能し、会議中の各種データを取得する。各種データとしては、会議進行データ、参加者データ、音声データ、参加者の資料への書き込み等のデータが含まれる。分析部46は、取得部45により取得された各種データを分析する。分析部46は、資料の各パートにかかった時間、その会議に誰が参加したか、各パートでの発言回数、書き込み等の差分を分析する。生成部47は、生成手段として機能し、分析部46の分析結果に基づき、会議結果データを生成する。会議結果データは、例えば、分析結果が各パートにかかった時間の場合、全パートに対する各パートを割合で示した円グラフ等とすることができる。UI部48は、システムの操作を行うユーザに対し、操作するための各画面を提供する。
【0034】
図4~
図10を参照して、会議支援システム10により実行される処理について説明する。会議支援システム10により実行される処理は、会議開催前、会議開催中、会議開催後の3つに分けられることから、それぞれの処理について個別に説明する。
【0035】
図4を参照して、会議開催前の処理について説明する。会議の主催者は、会議支援システム10において会議情報を登録するための画面を表示させることにより、ステップ100から処理を開始する。ステップ101では、会議の主催者が会議情報を入力し、会議支援システム10は、その入力を受け付ける。
【0036】
図5は、データベース11に登録される会議情報の一例を示した図である。会議情報は、データベース11上で、例えばテーブルにより管理される。テーブルには、管理する項目として、会議開催日、会議開始時間、会議終了時間、会議参加者情報、入退室管理システム16との連携、会議資料等があり、それらの項目の説明、データが関連付けられる。
図5では、データの一例がデータ例として示されている。
【0037】
会議開催時間は、会議を開始する予定の時刻であり、会議終了時間は、会議を終了する予定の時刻である。会議参加者情報は、会議に参加してもらう人の氏名、ID、メールアドレス等の情報である。入退室管理システム16との連携は、連携可能な場合、連携するかしないかを選択することができる。
【0038】
再び
図4を参照して、ステップ102では、会議支援システム10の登録部41は、会議に使用する資料をデータベース11に登録する。資料の登録は、資料が記憶されている記憶場所を示すアドレス情報や資料データのファイル名等の登録である。ステップ103では、会議支援システム10は、会議の登録として、受け付けた会議情報を資料と関連付けて、もしくは会議情報に資料を含めてデータベース11に登録する。
【0039】
ステップ104では、会議支援システム10は、入退室管理システム16と連携しているかを判断する。連携していない場合、ステップ105へ進み、印刷管理部44は、プリンタ14に対し、資料データを印刷して出力させる指示を行う。会議主催者は、出力された印刷物を受け取り、参加者に配布する。連携していないと判断した場合は、回収した資料からの個人の特定はできない。ステップ104で連携していると判断した場合、もしくはステップ105で資料データを印刷した後、Aへと進み、登録した会議を選択することで、会議開催中の処理フローに移行する。
【0040】
図6を参照して、会議開催中の処理について説明する。Aから会議開催中の処理フローへ移行すると、ステップ200で、会議支援システム10は、入退室管理システム16と連携しているかを再度判断する。連携していると判断した場合、ステップ201へ進み、入退室管理システム16から参加者情報を取得する。
【0041】
図7は、データベース11に登録された参加者情報の一例を示した図である。参加者情報は、例えばテーブルにより管理される。テーブルには、管理する項目として、参加者ID、参加者氏名があり、その説明、データが関連付けられる。参加者IDは、認証処理の際に利用される。このテーブルには、パスワードが示されていないが、パスワードを含み、パスワードも一緒に管理するようにしてもよい。
【0042】
再び
図6を参照して、ステップ202では、参加者に対し、資料回収時に個人を特定するコード等を付加し、資料データを印刷して出力する。参加者は、出力された印刷物を受け取り、会議の開始を待つ。
【0043】
ステップ200で連携していないと判断した場合、既に参加者には、
図4に示すステップ105において主催者から資料が配布されているので、参加者は会議室へ入り、会議の開始を待つ。
【0044】
ステップ203で会議を開始すると、会議開催中となり、ステップ204で、会議支援システム10は、会議開催中の情報(会議中データ)を取得する。ここで取得される会議中データは、会議の音声データ、どのパートでどの程度の時間を使用しているかという会議進行データ等である。
図8に、会議中に取得する情報の一例を示す。この情報も、例えばテーブルにより管理される。テーブルには、管理する項目として、会議時間、参加者、会議音声があり、その説明、データが関連付けられる。会議時間は、会議に要した実時間であり、実際にパート毎(例えばページ毎)に要した時間である。
図8中、1P~4Pは、ページ番号を示す。参加者は、実際に会議に参加した人であり、会議音声は、会議の音声を記録したデータである。
【0045】
再び
図6を参照して、ステップ205では、会議支援システム10は、会議を終了するかを判断し、終了しないと判断した場合、ステップ204へ戻り、終了すると判断した場合、Bへと進み、会議開催後の処理フローへ移行する。
【0046】
図9を参照して、会議開催後の処理について説明する。Bから会議開催後の処理フローへ移行すると、ステップ300で、会議資料のスキャンデータを取得する。ここでは、会議資料をスキャナ15で読み取ったスキャンデータを取得するものとして説明するが、取得するデータは、カメラやスマートデバイスで撮影した撮影データであってもよい。ここで取得されるスキャンデータは、会議に参加した全参加者の会議資料のスキャンデータであってもよいし、回収できた参加者の会議資料のスキャンデータであってもよい。
【0047】
ステップ301では、会議開催中のステップ204で取得した情報と、ステップ300で取得したスキャンデータとを分析し、パートとそのパートに使用した時間や音声データの関連付け、資料に書き込まれた追加情報の抽出等を行う。このとき、資料識別コードやページ識別コードが印刷されていれば、それらのコードを用いて差分を特定する。具体的には、まず、資料識別コードで識別される資料を特定する。次に、ページ識別コードで識別される資料のページを特定する。そして、特定された資料の特定されたページのデータと、取得したスキャンデータとの差分を抽出する。その後、抽出された差分を追加情報として特定する。ステップ302では、生成部47は、分析結果を基に、会議結果データを生成する。
【0048】
図10は、会議結果データの一例を示した図である。会議結果データは、例えばテーブルを使用して生成される。テーブルには、項目として、会議時間、参加者出欠リスト、会議進行データ、書き込み内容抽出、会議音声があり、その説明、データが関連付けられる。
【0049】
会議時間は、
図8に示した会議中に取得する情報から得られる。参加者出欠リストは、
図5に示した会議情報と、
図8に示した情報とから得られる。会議進行データは、
図8に示した情報のパート毎に要した時間から得られる。書き込み内容抽出は、会議資料のパート毎の分析により配布した資料の内容と会議後に回収した資料の内容の差分として抽出される。書き込みは、例えば「×××が不明・・・」等である。会議音声は、会議分析において会議参加者の会議資料のパート毎に音声データが抽出され、例えば議論の度合いを示す情報(「多」、「中」、「少」)が関連付けられる。議論の度合いは、例えば発言数により決定することができる。
【0050】
再び
図9を参照して、ステップ303で、主催者へ会議結果データを表示して会議結果を通知する。通知が完了したところで、ステップ304において会議開催後の処理を終了する。
【0051】
実際に会議支援システム10に画面を表示し、表示した画面に従って会議情報等の登録等を行い、画面に会議結果データを表示することから、各処理で表示される画面を例示しながら、会議情報の登録等の個々の処理について詳細に説明する。
【0052】
図11は、会議支援システムに表示される画面の第1の例を示した図である。この画面は、会議支援システムのトップ画面である。会議支援システムは、主催者がログインすると、トップ画面を表示する。主催者は、トップ画面に表示されたメニューを選択することで各機能を使用することができる。メニューに表示される機能としては、「会議情報を登録する」、「会議情報を編集する」、「会議を開始する」、「会議結果を確認する」が挙げられるが、これらに限定されるものではない。各機能には、その機能を選択して実行するための実行ボタン50が設けられている。
【0053】
図12は、会議支援システムに表示される画面の第2の例を示した図である。この画面は、
図11に示すメニューのうち、「会議情報を登録する」に対応する実行ボタン50を押下することにより表示される。会議情報の登録では、「会議名」、「会議日時」、「会議参加者」、「入退室管理システムとの連携」の有無を登録することができ、さらに、「会議資料」の登録も実施することができる。
図12に示す画面では、登録する項目51を選択して情報を入力することができるようになっている。
【0054】
図12に示す例では、項目51として「会議資料」が選択され、それに伴って会議資料の資料データを選択する選択ボタン52と、資料データのファイル名を入力するための入力フィールド53と、登録するための登録ボタン54が表示されている。
【0055】
なお、
図11に示すメニューにおいて「会議情報を編集する」が選択されると、
図12に示す画面と同様の項目51を有し、登録された内容が表示される。すなわち、項目51で「会議資料」が選択されると、登録された資料データ、ファイル名が表示される。このため、別の資料データの選択、ファイル名の変更等を行う等して編集を行い、登録ボタン54を押下することで編集後の内容を登録することができる。
【0056】
図13は、会議支援システムに表示される画面の第3の例を示した図である。この画面は、
図11に示すメニューのうち、「会議を開始する」に対応する実行ボタン50を押下することにより表示される。
図13に示す画面には、登録された会議名、会議日時を示す会議が選択可能に表示されている。この画面では、ログインした主催者が登録した会議が表示される。主催者は、表示された会議の中から1つを選択し、会議を開始することができる。
【0057】
図14は、会議支援システムに表示される画面の第4の例を示した図である。この画面は、
図13に示す画面において、会議名「テスト会議1」を選択することにより表示される。
図14に示す画面には、会議名「テスト会議1」の会議情報として、「開始/終了時刻」、「参加者リスト」、「会議資料」が表示される。また、この画面には、会議開始ボタン55も表示される。主催者は、選択した会議情報を確認し、会議開始ボタン55を押下することにより会議を開始する。
【0058】
図15は、会議支援システムに表示される画面の第5の例を示した図である。この画面は、
図14に示す画面において会議開始ボタン55を押下することにより表示される。
図15に示す画面は、会議開催中の画面であり、主催者が説明に使用する資料のパートとしてのページが表示される。この画面には、ページを変えるためのページ切替ボタン56、会議終了ボタン57も表示される。主催者は、次のページへ進む場合や前のページに戻る場合、ページ切替ボタン56を押下する。また、主催者は、会議を終了する場合、会議終了ボタン57を押下する。会議終了ボタン57が押下されると、
図11に示したトップ画面に戻る。
【0059】
図16は、会議支援システムに表示される画面の第6の例を示した図である。この画面は、
図11に示したトップ画面のメニューのうち、「会議結果を確認する」に対応する実行ボタン50を押下することにより、
図13に示す画面と同様の会議を選択する画面が表示され、その会議選択画面において会議名「テスト会議1」を選択することにより表示される。
【0060】
図16に示す画面には、会議結果の項目58として、「参加者出欠リスト」、「会議進行データ」、「書き込み抽出」、「会議音声」が選択できるようになっている。主催者は、開催した会議の各種項目のデータを確認することができる。
図16に示す例では、項目58として「参加者出欠リスト」が選択された場合の会議結果を表示している。会議結果には、参加者ID、氏名、回収した資料へのリンクが表示される。主催者は、リンクをクリックする等して選択することで、参加者の会議資料への書き込みを確認することができる。なお、回収した資料は、pdf形式、テキスト形式のような複数の形式で表示することができるが、これに限られるものではなく、1つの形式あるいは3以上の形式で表示してもよい。また、資料の表示は、データの記憶場所を示すパス名としてもよい。
【0061】
図17は、会議支援システムに表示される画面の第7の例を示した図である。この画面は、
図16に示した画面内の項目58のうち、「会議進行データ」を選択することにより表示される。
図17に示す例では、会議進行データとして、会議資料とリンクしてページ毎に費やした時間やその割合をグラフ等で表示している。この例では、資料がページ1~4まである場合の会議時間における各ページに費やした時間の割合を円グラフで示している。この結果からは、ページ1に多くの時間を費やしていることが分かる。
【0062】
図18は、会議支援システムに表示される画面の第8の例を示した図である。この画面は、
図16に示した画面内の項目58のうち、「書き込み抽出」を選択することにより表示される。
図18に示す例では、資料のページ1~6の差分を箇条書きで示している。この結果からは、ページ1~3、5に書き込みがあることが分かり、その書き込みの内容がどのようなものであるかを確認することができる。
【0063】
図19は、会議支援システムに表示される画面の第9の例を示した図である。この画面は、
図16に示した画面内の項目58のうち、「会議音声」を選択することにより表示される。
図19に示す例では、会議の音声データを再生する再生ボタン59と、再生状況を示す表示60と、ページに対する議論の時間を表示したグラフ61とを表示している。グラフ61が、ページ1~4についての議論の時間を示すものとすると、ページ3についての議論の時間が最も長いことが分かる。
【0064】
これまで、会議開催前に資料データを印刷し、参加者にその印刷物を資料として配布し、会議開催後に参加者から資料を回収し、スキャナで読み取って書き込み内容を取得する例を示したが、これに限られるものではない。
【0065】
図20は、会議システムの第2の構成例を示した図である。
図20に示す例では、参加者の各々がノートPCやタブレット端末等の通信端末70を所持し、会議支援システム10から通信端末70へ資料データを送信することにより配布する。このため、参加者に対し、資料データを印刷し、印刷物として配布する必要がなくなる。
【0066】
会議の参加者は、自身が所持する通信端末70上で資料データを表示させ、通信端末70がタッチパネルを搭載した端末である場合、スタイラスペン等を使用して書き込みを行うことができる。会議の参加者は、通信端末70がタッチパネルを搭載していない端末である場合、タッチパッド、ポインティングデバイス、キーボード等を使用して書き込みを行うことができる。
【0067】
この例では、会議開催後、参加者から書き込みが行われた資料データを送信してもらい、その資料データを受信することで、資料をスキャナで読み取る必要がなくなる。なお、その他の処理については、
図1に示した第1の構成例と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0068】
以上に説明してきたように、会議の進行状況を参加者の書き込み内容と合わせて分析し、会議結果データとして生成するため、元の資料と書き込みのあった資料との差分情報としての会議に関する追加情報の活用性を向上させることが可能となる。会議結果データは、差分箇所に対して会議の進行状況に基づき重み付けができるため、従来の差分情報のみの会議結果データと比較して、会議結果データの信頼性を高くすることができる。
【0069】
これまで本発明の一実施形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本実施形態の構成要素を変更若しくは削除し、または本実施形態の構成要素を他の構成要素を追加するなど、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0070】
10…会議支援システム
11…データベース
12…音声端末
13…主催者端末
14…プリンタ
15…スキャナ
16…入退室管理システム
20…CPU
21…ROM
22…RAM
23…HD
24…HDDコントローラ
25…ディスプレイ
26…外部機器接続I/F
27…ネットワークI/F
28…データバス
29…キーボード
30…ポインティングデバイス
31…DVD-RWドライブ
32…メディアI/F
33…DVD-RW
34…記録メディア
40…通信部
41…登録部
42…会議管理部
43…参加者管理部
44…印刷管理部
45…取得部
46…分析部
47…生成部
48…UI部
50…実行ボタン
51…項目
52…選択ボタン
53…入力フィールド
54…登録ボタン
55…会議開始ボタン
56…ページ切替ボタン
57…会議終了ボタン
58…項目
59…再生ボタン
60…表示
61…グラフ
70…通信端末
【先行技術文献】
【特許文献】
【0071】
【特許文献1】特開2010-176603号公報
【特許文献2】特開2014-048837号公報