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特開2023-36417硬化型組成物、硬化型インク、組成物収容容器、2次元又は3次元の像形成装置、2次元又は3次元の像形成方法、硬化物、及び加飾体
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  • 特開-硬化型組成物、硬化型インク、組成物収容容器、2次元又は3次元の像形成装置、2次元又は3次元の像形成方法、硬化物、及び加飾体 図1
  • 特開-硬化型組成物、硬化型インク、組成物収容容器、2次元又は3次元の像形成装置、2次元又は3次元の像形成方法、硬化物、及び加飾体 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023036417
(43)【公開日】2023-03-14
(54)【発明の名称】硬化型組成物、硬化型インク、組成物収容容器、2次元又は3次元の像形成装置、2次元又は3次元の像形成方法、硬化物、及び加飾体
(51)【国際特許分類】
   C08F 2/50 20060101AFI20230307BHJP
   C07C 229/60 20060101ALI20230307BHJP
   C09D 11/30 20140101ALI20230307BHJP
   B29C 64/112 20170101ALI20230307BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20230307BHJP
   B33Y 70/00 20200101ALI20230307BHJP
   B41M 5/00 20060101ALI20230307BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20230307BHJP
   C07C 229/56 20060101ALN20230307BHJP
【FI】
C08F2/50
C07C229/60
C09D11/30
B29C64/112
B33Y10/00
B33Y70/00
B41M5/00 120
B41M5/00 100
B41J2/01 501
C07C229/56
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021143458
(22)【出願日】2021-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100116713
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 正己
(72)【発明者】
【氏名】小林 雅秀
【テーマコード(参考)】
2C056
2H186
4F213
4H006
4J011
4J039
【Fターム(参考)】
2C056FC01
2H186AB11
2H186BA08
2H186DA09
2H186FB04
2H186FB11
2H186FB29
2H186FB30
2H186FB34
2H186FB36
2H186FB37
2H186FB44
2H186FB46
4F213AB12
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL03
4F213WL23
4H006AA01
4H006AA03
4H006AB48
4H006BJ50
4H006BT32
4H006BU46
4J011AA01
4J011AA05
4J011AA10
4J011AC04
4J011CA01
4J011CA02
4J011CA03
4J011CA04
4J011CA05
4J011CC10
4J011PA36
4J011PB40
4J011PC02
4J011PC08
4J011QA03
4J011QA06
4J011QA12
4J011QA22
4J011QA23
4J011QA39
4J011SA24
4J011SA26
4J011SA29
4J011UA01
4J011VA01
4J011WA05
4J039AD21
4J039BC20
4J039BC36
4J039BE27
4J039EA06
4J039FA02
4J039GA24
(57)【要約】      (修正有)
【課題】低粘度であり、かつ表面硬化性が高く高硬度な硬化物が得られる組成物の提供。
【解決手段】重合性化合物(A)、下記一般式(1)で表される水素引き抜き型重合開始剤(B)、光開裂型重合開始剤(C)及び水素供与剤(D)を含有し、前記水素引き抜き型重合開始剤(B)の含有量が、組成物全量に対して0.1質量%以上10質量%以下であり、前記水素供与剤(D)の含有量が、前記水素引き抜き型重合開始剤(B)の全量に対して、30質量%以上100質量%以下であることを特徴とする硬化型組成物。(一般式(1)中、Aはフェニレン基、ナフチレン基又はビフェニレン基を表し、R、Rは炭素数1~10の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、Rは炭素数1~10の直鎖若しくは分岐のアルキル基又は炭素数2~9の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基を表す。)

【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合性化合物(A)、下記一般式(1)で表される水素引き抜き型重合開始剤(B)、光開裂型重合開始剤(C)及び水素供与剤(D)を含有し、
前記水素引き抜き型重合開始剤(B)の含有量が、組成物全量に対して0.1質量%以上10質量%以下であり、
前記水素供与剤(D)の含有量が、前記水素引き抜き型重合開始剤(B)の全量に対して、30質量%以上100質量%以下である
ことを特徴とする硬化型組成物。
【化1】
(一般式(1)中、Aはフェニレン基、ナフチレン基又はビフェニレン基を表し、R、Rは炭素数1~10の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、Rは炭素数1~10の直鎖若しくは分岐のアルキル基又は炭素数2~9の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基を表す。)
【請求項2】
前記水素引き抜き型重合開始剤(B)および前記水素供与剤(D)の組成物全量に対する含有量の和が10質量%以下である、請求項1に記載の硬化型組成物。
【請求項3】
前記水素供与剤(D)が下記一般式(2)又は下記一般式(3)で表される化合物である、請求項1又は2に記載の硬化型組成物。
【化2】
(一般式(2)中、RおよびRはそれぞれ水素原子、又は炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、Rは炭素数1~10の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。)
【化3】
(一般式(3)中、R、R、RおよびR10はそれぞれ水素原子、又は炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R11は炭素数1~10の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。)
【請求項4】
前記重合性化合物(A)が下記一般式(4)又は下記一般式(5)で表されるアクリルアミド化合物(A1)を含む、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の硬化型組成物。
【化4】
(一般式(4)中、R12は水素原子、又は炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R13は炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキレン基を表し、R14は炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。ただし、R12、R13及びR14の炭素数の合計は2~6である。)
【化5】
(一般式(5)中、環Xは窒素原子を含む炭素数2~5の環構造を表し、R15は単結合、又は炭素数1~3の直鎖若しくは分岐のアルキレン基を表し、R16は炭素数1~3の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。ただし、環X、R15及びR16の炭素数の合計は3~6である。)
【請求項5】
前記光開裂型重合開始剤(C)の含有量が、組成物の全量に対して、3質量%以上20質量%以下であり、前記水素引き抜き型重合開始剤(B)および前記水素供与剤(D)の組成物全量に対する含有量の和が2質量%以下である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の硬化型組成物。
【請求項6】
有機溶剤を含まない、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の硬化型組成物。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の硬化型組成物を含有することを特徴とする硬化型インク。
【請求項8】
インクジェット用である、請求項7に記載の硬化型インク。
【請求項9】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の硬化型組成物、又は、請求項7若しくは8に記載の硬化型インクが容器中に収容されてなることを特徴とする組成物収容容器。
【請求項10】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の硬化型組成物、又は、請求項7若しくは8に記載の硬化型インクの少なくともいずれかを容器中に収容する収容部と、活性エネルギー線を照射するための照射手段と、を有することを特徴とする2次元又は3次元の像形成装置。
【請求項11】
前記活性エネルギー線を照射する手段が、波長365~405nmにピークを有する紫外線を照射するUV-LEDである、請求項10に記載の像形成装置。
【請求項12】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の硬化型組成物、又は、請求項7若しくは8に記載の硬化型インクに活性エネルギー線を照射して2次元又は3次元の像を形成することを特徴とする2次元又は3次元の像形成方法。
【請求項13】
前記活性エネルギー線の照射を、波長365~405nmにピークを有する紫外線を発生するUV-LEDによって行う、請求項12に記載の像形成方法。
【請求項14】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の硬化型組成物又は請求項7若しくは8に記載の硬化型インクの硬化物。
【請求項15】
基材上に請求項14に記載の硬化物からなる表面加飾が施されてなることを特徴とする加飾体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化型組成物、硬化型インク、組成物収容容器、2次元又は3次元の像形成装置、2次元又は3次元の像形成方法、硬化物、及び加飾体に関する。
【背景技術】
【0002】
活性エネルギー線硬化型のインクジェット記録方式に用いるインクとして、ラジカル重合性インクや、カチオン重合性インクが知られている。これらの中でも、インクの生産コスト及び保存安定性の点から、ラジカル重合性インクが広く用いられている。
【0003】
このような活性エネルギー線硬化型のラジカル重合性インクとしては、アクリル酸エステルなどの重合性モノマーと、活性エネルギー線の照射でラジカルを発生する重合開始剤と、を含有したインクが知られている。
前記活性エネルギー線硬化型組成物では、生産性、並びに表面硬化性の向上、及び硬化物の取扱いの観点から、高硬度な硬化物が得られるものが求められている。
【0004】
また近年、環境保護の観点から、活性エネルギー線硬化型組成物の光源が、水銀ランプやメタルハライドランプから、発光ダイオード(LED)に置き換わりつつある。また、生産効率性の観点から、LEDの照射エネルギーが小さい場合(例えば、積算光量が2.0J/cm以下)でも、十分に硬化でき、黄変の少ない光重合反応性を有する組成物が要求されてきている。
【0005】
そこで、表面硬化性、及び硬度を向上させるために、例えば、基材にインクジェットなどにより活性エネルギー線硬化型組成物を吐出し開始剤によって活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させる際に表面の酸素阻害による硬化不良を防止するために水素引き抜き型の重合開始剤を使用することが提案されている(例えば、特許文献1~3、非特許文献1参照)。しかし、表面以外の硬化性は従来の開始剤に劣り、内部硬化性に課題があり、十分に高硬度な硬化物が得られない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、低粘度であり、かつ低黄変で表面硬化性が高く、高硬度な硬化物が得られる組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための手段としての本発明の組成物は、重合性化合物(A)、下記一般式(1)で表される水素引き抜き型重合開始剤(B)、光開裂型重合開始剤(C)及び水素供与剤(D)を含有し、前記水素引き抜き型重合開始剤(B)の含有量が、組成物全量に対して0.1質量%以上10質量%以下であり、前記水素供与剤(D)の含有量が、前記水素引き抜き型重合開始剤(B)の全量に対して、30質量%以上100質量%以下であることを特徴とする硬化型組成物である。
【化1】
(一般式(1)中、Aはフェニレン基、ナフチレン基又はビフェニレン基を表し、R、Rは炭素数1~10の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、Rは炭素数1~10の直鎖若しくは分岐のアルキル基又は炭素数2~9の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基を表す。)
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、低粘度であり、かつ低黄変で表面硬化性が高く、高硬度な硬化物が得られる組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、インクジェット吐出手段を備えた像形成装置の一例を示す概略図である。
図2図2は、別の像形成装置(3次元立体像の形成装置)の一例を示す概略図である。
図3図3は、硬化型組成物を用いて立体造形を行う方法の一例について説明する概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明を実施するための形態について説明する。以下の説明は本発明の実施の形態を例示するものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
【0011】
(硬化型組成物)
本発明の硬化型組成物(以下、「組成物」ともいう)は、重合性化合物(A)、下記一般式(1)で表される水素引き抜き型重合開始剤(B)、光開裂型重合開始剤(C)及び水素供与剤(D)を含有し、前記水素引き抜き型重合開始剤(B)の含有量が、組成物全量に対して0.1質量%以上10質量%以下であり、前記水素供与剤(D)の含有量が、前記水素引き抜き型重合開始剤(B)の全量に対して、30質量%以上100質量%以下であることを特徴とする。また、本発明の硬化型組成物は、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
【化1】
(一般式(1)中、Aはフェニレン基、ナフチレン基又はビフェニレン基を表し、R、Rは炭素数1~10の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、Rは炭素数1~10の直鎖若しくは分岐のアルキル基又は炭素数2~9の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基を表す。)
【0012】
本発明は、従来技術では、水素引き抜き型の重合開始剤は硬化物の表面以外の硬化性は従来の開始剤に大きく劣り、また、350~420nmの波長領域に光吸収を有するため硬化物が黄変しやすいという問題があるという知見に基づいてなされたものである。
【0013】
ベンゾフェノンなどの水素引き抜き型重合開始剤を重合開始剤として用いてLEDにより硬化膜を作製すると、表面硬化性及び硬度を両立できない。また、一般に用いられるLEDの波長領域である350~420nmの波長領域に光吸収を有するチオキサントンなどの水素引き抜き型重合開始剤を重合開始剤として用いて硬化膜を作製すると、黄変が生じるため、クリアな塗膜に使用することができない。一方、従来の光開裂型開始剤のみでは表面にタックが残り、十分な表面硬さが得られない。
【0014】
本発明は、上記課題を解決するため、組成物の成分を、重合性化合物(A)、前記一般式(1)で表される水素引き抜き型重合開始剤(B)、光開裂型重合開始剤(C)、および水素供与剤(D)を含有し、前記水素供与剤(D)の含有量が、下記一般式(1)で表される水素引き抜き型重合開始剤(B)の全量に対して、30質量%以上100質量%以下とすることにより、低粘度、低黄変、高硬化性、および高硬度を実現したものである。
本発明の硬化型組成物としては、熱硬化型組成物、活性エネルギー線硬化型組成物などが挙げられるが、活性エネルギー線硬化型組成物がより好適である。
【0015】
<水素引き抜き型重合開始剤(B)>
水素引き抜き型重合開始剤(B)としては、下記一般式(1)で表される化合物を用いる。
【化1】
(一般式(1)中、Aはフェニレン基、ナフチレン基又はビフェニレン基を表し、R、Rは炭素数1~10の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、Rは炭素数1~10の直鎖若しくは分岐のアルキル基又は炭素数2~9の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基を表す。)
【0016】
一般式(1)で表される化合物としては、例えば、5,7-ジメトキシ-3-(4-メチルベンゾイル)クマリン、5,7-ジメトキシ-3-(4-エチルベンゾイル)クマリン、5,7-ジメトキシ-3-(4-イソプロピルベンゾイル)クマリン、5,7-ジメトキシ-3-(4-ブチルベンゾイル)クマリン、5,7-ジメトキシ-3-(4-(1-メチルヘキシル)ベンゾイル)クマリン、5,7-ジメトキシ-3-(4-(1-エチルヘキシル)ベンゾイル)クマリン、5,7-ジメトキシ-3-(4-(1-プロピルヘキシル)ベンゾイル)クマリン、5,7-ジメトキシ-3-(4-(1-ブチルヘキシル)ベンゾイル)クマリン、5,7-ジメトキシ-3-(4-(1-プロピルヘプチル)ベンゾイル)クマリン、5,7-ジメトキシ-3-(4-(1-ブチルヘプチル)ベンゾイル)クマリン、5,7-ジメトキシ-3-(4-(1-ペンチルヘプチル)ベンゾイル)クマリン、5,7-ジメトキシ-3-(4-(1-ヘキシルヘプチル)ベンゾイル)クマリン、5,7-ジメトキシ-3-(4-(1-ヘプチルヘプチル)ベンゾイル)クマリン、5,7-ジメトキシ-3-(4-(1-ブチルオクチル)ベンゾイル)クマリン、5,7-ジメトキシ-3-(4-(1-ペンチルオクチル)ベンゾイル)クマリン、5,7-ジメトキシ-3-(4-(1-ヘキシルオクチル)ベンゾイル)クマリン、5,7-ジメトキシ-3-(4-(1-ヘプチルオクチルオクチル)ベンゾイル)クマリン、5,7-ジメトキシ-3-(4-(1-オクチルオクチル)ベンゾイル)クマリン、5,7-ジメトキシ-3-(4-(1-ペンチルノニル)ベンゾイル)クマリン、5,7-ジメトキシ-3-(4-(1-ヘキシルノニル)ベンゾイル)クマリン、5,7-ジメトキシ-3-(4-(1-ヘプチルノニル)ベンゾイル)クマリン、5,7-ジエトキシ-3-(4-(4-ペンチルフェニル)ベンゾイル)クマリン、5,7-ジメトキシ-3-(6-メトキシ-2-ナフトイル)クマリンなどが好適である。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0017】
<光開裂型重合開始剤(C)>
光開裂型重合開始剤(C)としては、活性エネルギー線のエネルギーによって、分子の開裂を伴い、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、重合性化合物(モノマーやオリゴマー)の重合を開始させることが可能なものであればよい。光開裂型重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤やカチオン重合開始剤、塩基発生剤等を、1種単独または2種以上を組み合わせて用いることができ、中でも、ラジカル重合開始剤が好ましい。
【0018】
光開裂型重合開始剤(C)としては、例えば、アシルフォスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物など)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物などが挙げられる。
【0019】
具体的には、アセトフェノン、ベンゾイルギ酸エチル2-ヒドロキシ-1-(4-イソプロペニルフェニル)-2-メチルプロパン-1-オンのオリゴマー[ベンゼン,(1-メチルエチニル)-,ホモポリマー,ar-(2-ヒドロキシ-2-メチル-1-オキソプロピル)誘導体](IGM社製、「Esacure ONE」)、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1(商品名「イルガキュア369」)、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(商品名「イルガキュア819」)、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(商品名「イルガキュアTPO」)、ポリエチレングリコール200-ジ(β-4(4-(2-ジメチルアミノ-2-ベンジル)ブタノニルフェニル)ピペラジン)(IGM社製、「Omnipol 910」)などが挙げられる。
【0020】
光開裂型重合開始剤(C)は、組成物の全量に対して、0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、0.5質量%以上10質量%以下がより好ましく、3.0質量%以上10質量%以下が更に好ましい。
光開裂型重合開始剤(C)を併用することにより、使用目的に合わせて、組成物の硬化性や粘度などを容易に調整することができる。
【0021】
<水素供与剤(D)>
本発明の組成物は、水素引き抜き型重合開始剤(B)及び光開裂型重合開始剤(C)により、以下に示す重合開始機構で重合が開始する。すなわち、3-ケトクマリン骨格などを有する化合物が光照射により励起状態となる。すると、該励起分子が近傍の化合物から水素を引き抜き、水素を引き抜かれた化合物上にラジカルが発生し、それがラジカル重合開始点となる。その結果、3-ケトクマリン骨格などを有する化合物は、光ラジカル重合開始剤としての働きを示す。すなわち、3-ケトクマリン骨格などを有する化合物とともに水素を引き抜かれうる化合物が存在していれば、上記重合開始機構により重合が開始する。よって、例えば、本発明で用いるラジカル重合性化合物から水素が引き抜かれれば、そこから重合が開始する可能性がある。
【0022】
一方で、本発明の組成物には、さらに水素が引き抜かれやすい水素供与性化合物である水素供与剤(D)を共存させることができる。その場合、光照射により励起したベンゾフェノン骨格などを有する化合物分子へ水素供与性化合物からの水素受け渡しがより円滑に行われ、重合がより効率的に進行しうる。
【0023】
本発明で用いる水素供与剤(D)は、光照射により励起したベンゾフェノン骨格などを有する化合物分子に対して水素を円滑に供与しうる化合物であれば良い。
水素供与剤(D)としては、下記一般式(2)又は下記一般式(3)で表される化合物であることが好ましい。
【化2】
(一般式(2)中、RおよびRはそれぞれ水素原子、又は炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、Rは炭素数1~10の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。)
【化3】
(一般式(3)中、R、R、RおよびR10はそれぞれ水素原子、又は炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R11は炭素数1~10の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。)
【0024】
水素供与剤(D)としては、水素の受け渡しのエネルギーが低いという点でアミノ基を有する化合物が特に好適に用いられ、中でも2-(N,N-ジメチルアミノ)安息香酸メチル、4-(N,N-ジメチルアミノ)安息香酸エチル、4-(N,N-ジエチルアミノ)安息香酸エチル、ビス-N,N-[4-ジメチルアミノベンゾイル)オキシエチレン-1-イル]-メチルアミン(IGM社製、「Esacure A198」)、1,3-ジ({α-4-(ジメチルアミノ)ベンゾイルポリ[オキシ(1-メチルエチレン)]}オキシ)-2,2-ビス({α-4-(ジメチルアミノ)ベンゾイルポリ[オキシ(1-メチルエチレン)]}オキシメチル)プロパンと{α-4-(ジメチルアミノ)ベンゾイルポリ(オキシエチレン)-ポリ[オキシ(1-メチルエチレン)]-ポリ(オキシエチレン)}4-(ジメチルアミノ)ベンゾエートの混合物(Lambson社製、「Speedcure7040」)、ポリエチレングリコール(200)ビス(4-ジメチルアミノ安息香酸メチル)(IGM社製、「Omnipоl ASA」)等がさらに好ましく用いられる。
【0025】
本発明における水素供与剤(D)を用いる場合の含有量は、通常本発明の組成物中のラジカル重合性化合物に対して1重量%以上100重量%以下の範囲、好ましくは50重量%以上100重量%以下になるようにする。
また、水素引き抜き型重合開始剤(B)、および前記水素供与剤(D)の組成物全量に対する含有量の和は10質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましい。
前記含有量の和が10質量%を超えると、黄変が目立つようになり、本来の色彩が損なわれる。
【0026】
<重合性化合物(A)>
重合性化合物(A)としては、活性エネルギー線(紫外線、電子線等)により重合反応を行うことができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、反応速度、インク物性、及び硬化膜物性などを調整する点から、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記重合性化合物としては、例えば、ラジカル重合性の重合性化合物、重合性オリゴマーなどが挙げられる。
前記ラジカル重合性の重合性化合物としては、例えば、(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリルアミド化合物、芳香族ビニル化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、及びメタクリレートの少なくともいずれかを意味し、(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタクリルの少なくともいずれかを意味する。
【0027】
-(メタ)アクリレート化合物-
前記(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、単官能の(メタ)アクリレート、二官能の(メタ)アクリレート、三官能の(メタ)アクリレート、四官能の(メタ)アクリレート、五官能の(メタ)アクリレート、六官能の(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0028】
前記単官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、tert-オクチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4-n-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2-クロロエチル(メタ)アクリレート、4-ブロモブチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトシキメチル(メタ)アクリレート、3-メトキシブチル(メタ)アクリレート、アルコキシメチル(メタ)アクリレート、アルコキシエチル(メタ)アクリレート、2-(2-メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2-(2-ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2,2,2-テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシル(メタ)アクリレート、4-ブチルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,4,5-テトラメチルフェニル(メタ)アクリレート、4-クロロフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴプロピレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、2-メタクリロイロキシチルコハク酸、2-メタクリロイロキシヘキサヒドロフタル酸、2-メタクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシプロピルフタレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性フェノール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性クレゾール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性-2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、アクリル酸2-(2-ビニロキシエトキシ)エチル、ベンジルアクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0029】
これらの中でも、低粘度、低臭気、及び高硬化性の点から、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジルアクリレート、アクリル酸-2-(2-ビニロキシエトキシ)エチル、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましく、光重合開始剤及びその他モノマーとの相溶性の点から、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジルアクリレート、アクリル酸-2-(2-ビニロキシエトキシ)エチルが特に好ましい。
【0030】
前記二官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,4-ジメチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチルエチルプロパンジオール(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンメタノールジ(メタ)アクリレート、2-エチル-2-ブチル-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2-エチル-2-ブチルプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0031】
前記三官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0032】
前記四官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0033】
前記五官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0034】
前記六官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート、カプトラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0035】
-芳香族ビニル化合物-
前記芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロルメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ビニル安息香酸メチルエステル、3-メチルスチレン、4-メチルスチレン、3-エチルスチレン、4-エチルスチレン、3-プロピルスチレン、4-プロピルスチレン、3-ブチルスチレン、4-ブチルスチレン、3-ヘキシルスチレン、4-ヘキシルスチレン、3-オクチルスチレン、4-オクチルスチレン、3-(2-エチルヘキシル)スチレン、4-(2-エチルヘキシル)スチレン、アリルスチレン、イソプロペニルスチレン、ブテニルスチレン、オクテニルスチレン、4-t-ブトキシカルボニルスチレン、4-メトキシスチレン、4-t-ブトキシスチレンなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0036】
-重合性オリゴマー-
前記重合性オリゴマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を1個以上有することが好ましい。なお、オリゴマーとは、モノマー構造単位の繰り返し数が2以上20以下の重合体を意味する。
前記重合性オリゴマーの重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ポリスチレン換算で、1,000以上30,000以下が好ましく、5,000以上20,000以下がより好ましい。前記重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
【0037】
前記重合性オリゴマーとしては、例えば、ウレタンアクリレートオリゴマー(例えば、芳香族ウレタンアクリレートオリゴマー、脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー等)、エポキシアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、その他の特殊オリゴマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、不飽和炭素-炭素結合が2個以上5個以下のオリゴマーが好ましく、不飽和炭素-炭素結合が2個のオリゴマーがより好ましい。不飽和炭素-炭素結合の数が、2個以上5個以下であると、良好な硬化性を得ることができる。
ウレタンアクリレートオリゴマーは粘度を抑制するという観点から組成物全量に対して5重量%以下であることが好ましい。
【0038】
前記重合性オリゴマーとしては、市販品を使用することができ、前記市販品としては、例えば、日本合成化学工業株式会社製のUV-2000B、UV-2750B、UV-3000B、UV-3010B、UV-3200B、UV-3300B、UV-3700B、UV-6640B、UV-8630B、UV-7000B、UV-7610B、UV-1700B、UV-7630B、UV-6300B、UV-6640B、UV-7550B、UV-7600B、UV-7605B、UV-7610B、UV-7630B、UV-7640B、UV-7650B、UT-5449、UT-5454;サートマー社製のCN902、CN902J75、CN929、CN940、CN944、CN944B85、CN959、CN961E75、CN961H81、CN962、CN963、CN963A80、CN963B80、CN963E75、CN963E80、CN963J85、CN964、CN965、CN965A80、CN966、CN966A80、CN966B85、CN966H90、CN966J75、CN968、CN969、CN970、CN970A60、CN970E60、CN971、CN971A80、CN971J75、CN972、CN973、CN973A80、CN973H85、CN973J75、CN975、CN977、CN977C70、CN978、CN980、CN981、CN981A75、CN981B88、CN982、CN982A75、CN982B88、CN982E75、CN983、CN984、CN985、CN985B88、CN986、CN989、CN991、CN992、CN994、CN996、CN997、CN999、CN9001、CN9002、CN9004、CN9005、CN9006、CN9007、CN9008、CN9009、CN9010、CN9011、CN9013、CN9018、CN9019、CN9024、CN9025、CN9026、CN9028、CN9029、CN9030、CN9060、CN9165、CN9167、CN9178、CN9290、CN9782、CN9783、CN9788、CN9893;ダイセル・サイテック株式会社製のEBECRYL210、EBECRYL220、EBECRYL230、EBECRYL270、KRM8200、EBECRYL4666、EBECRYL5129、EBECRYL8210、EBECRYL8301、EBECRYL8804、EBECRYL8807、EBECRYL9260、KRM7735、KRM8296、KRM8452、EBECRYL4858、EBECRYL8402、EBECRYL9270、EBECRYL8311、EBECRYL8701などが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、市販品ではなく、合成により得た合成品を使用することもでき、合成品及び市販品を併用することもできる。
【0039】
重合性化合物(A)の中で単官能化合物としては、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルにイソシアネート基を有する化合物を反応させたウレタン(メタ)アクリレート誘導体や、(メタ)アクリル酸にエポキシ基を有する化合物を反応させたエポキシ(メタ)アクリレート誘導体も例示できる。
また、(メタ)アクリル酸の誘導体以外にも、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミド等のN-ビニル化合物類;スチレン、α-メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物類;ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル等のビニルエーテル類;アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物類も用いることができる。
【0040】
重合性化合物(A)は、組成物中に50.0質量%以上95.0質量%以下含まれることが好ましく、70.0質量%以上90.0質量%以下含まれることがより好ましい。また、重合性化合物(A)は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合性化合物(A)の含有量を調整することにより、使用目的に合わせて、組成物の硬化性や粘度、硬化物の硬度や密着性などを容易に調整することができる。
【0041】
<アクリルアミド化合物(A1)>
アクリルアミド化合物(A1)としては、アクリルアミド基及びエステル構造を有する。
アクリルアミド化合物(A1)の分子量は150以上200以下が好ましい。分子量が150以上の場合は、化合物の揮発による臭気を抑制することができ、インクジェット吐出の安定性を向上させることができるので好ましい。分子量が250以下の場合は、組成物の硬化性が優れ、硬化物の強度も向上し、更に、組成物の粘度も高くならないので好ましい。
【0042】
なお、本願明細書においては、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを意味する。(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
アクリルアミド化合物(A1)としては、下記一般式(4)又は(5)で表される化合物であることが好ましい。
【0043】
【化4】
(一般式(4)中、R12は水素原子、又は炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R13は炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキレン基を表し、R14は炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。ただし、R12、R13及びR14の炭素数の合計は2~6である。)
【化5】
(一般式(5)中、環Xは窒素原子を含む炭素数2~5の環構造を表し、R15は単結合、又は炭素数1~3の直鎖若しくは分岐のアルキレン基を表し、R16は炭素数1~3の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。ただし、環X、R15及びR16の炭素数の合計は3~6である。)
【0044】
一般式(4)又は一般式(5)で表される化合物としては、例えば、N-アクリロイル-N-アルキルアミノ酸アルキルエステル(N-アクリロイルプロリンアルキルエステルを含む)、N-アクリロイルピペリジンカルボン酸アルキルエステルなどが好適である。本段落でいうアルキル基は、炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキル基を意味するものであるが、特に好ましくは、炭素数1又は2のアルキル基(即ち、メチル基又はエチル基)が挙げられる。
【0045】
上記N-アクリロイル-N-アルキルアミノ酸アルキルエステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、N-アクリロイル-N-メチルグリシンメチルエステル、N-アクリロイル-N-メチルグリシンエチルエステル、N-アクリロイル-N-メチルグリシンプロピルエステル、N-アクリロイル-N-メチルグリシンブチルエステル、N-アクリロイル-N-エチルグリシンメチルエステル、N-アクリロイル-N-エチルグリシンエチルエステル、N-アクリロイル-N-エチルグリシンプロピルエステル、N-アクリロイル-N-プロピルグリシンメチルエステル、N-アクリロイル-N-プロピルグリシンエチルエステル、N-アクリロイル-N-ブチルグリシンメチルエステル、N-アクリロイル-N-メチルアラニンメチルエステル、N-アクリロイル-N-メチルアラニンエチルエステル、N-アクリロイル-N-メチルアラニンプロピルエステル、N-アクリロイル-N-エチルアラニンメチルエステル、N-アクリロイル-N-エチルアラニンエチルエステル、N-アクリロイル-N-プロピルアラニンメチルエステル、N-アクリロイル-N-メチル-β-アラニンメチルエステル、N-アクリロイル-N-メチル-β-アラニンエチルエステル、N-アクリロイル-N-エチル-β-アラニンメチルエステル、N-アクリロイル-N-エチル-β-アラニンエチルエステル、N-アクリロイル-N-メチルバリンメチルエステル、N-アクリロイルプロリンメチルエステル、N-アクリロイルプロリンエチルエステルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0046】
上記N-アクリロイルピペリジンカルボン酸アルキルエステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、N-アクリロイルピペリジン-2-カルボン酸メチル、N-アクリロイルピペリジン-3-カルボン酸メチル、N-アクリロイルピペリジン-4-カルボン酸メチルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0047】
インクジェット記録方式への適用のため、アクリルアミド化合物(A1)は、常温(25℃)で低粘度(100mPa・s以下)の、無色透明ないし淡黄色透明の液体であることが好ましい。また、使用者の安全のため、強い酸性や塩基性を示すものでなく、かつ不純物として有害なホルムアルデヒドを含有しないものが好ましい。
【0048】
重合性を示すアクリルアミド基を有し、エステル構造を含まないアクリルアミド化合物は多数市販されている(例えば、N-アクリロイルモルホリン、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N-(ヒドロキシメチル)アクリルアミド、N-(ブトキシメチル)アクリルアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N-(1,1-ジメチル-3-オキソブチル)アクリルアミド、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸等)が、本発明の効果をすべて満足するものを見出すことは困難である。本発明は、アクリルアミド化合物(A1)が、中性で適度な極性を有するエステル構造を含むことで、本発明の効果を満足することを見出したものである。
【0049】
アクリルアミド化合物(A1)の含有量は、組成物の全量に対して、50.0質量%以上90.0質量%以下が好ましい。
【0050】
<色材>
本発明の組成物は、色材を含有していてもよい。色材としては、本発明における組成物の目的や要求特性に応じて、ブラック、ホワイト、マゼンタ、シアン、イエロー、グリーン、オレンジ、金や銀等の光沢色、などを付与する種々の顔料や染料を用いることができる。
色材の含有量は、所望の色濃度や組成物中における分散性等を考慮して適宜決定すればよく、特に限定されないが、組成物の全量に対して、0.1質量%以上20質量%以下が好ましい。なお、本発明の組成物は、色材を含まず無色透明であってもよく、その場合には、例えば、画像を保護するためのオーバーコート層として好適である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができ、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタンを使用することができる。
有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(例えば、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料が挙げられる。
また、顔料の分散性をより良好なものとするため、分散剤を更に含んでもよい。分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤などの顔料分散物を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。
染料としては、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0051】
<有機溶媒>
本発明の組成物は、有機溶媒を含んでもよいが、可能であれば含まない方が好ましい。有機溶媒、特に揮発性の有機溶媒を含まない(VOC(Volatile Organic Compounds)フリー)組成物であれば、当該組成物を扱う場所の安全性がより高まり、環境汚染防止を図ることも可能となる。なお、「有機溶媒」とは、例えば、エーテル、ケトン、キシレン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、トルエンなどの一般的な非反応性の有機溶媒を意味するものであり、反応性モノマーとは区別すべきものである。また、有機溶媒を「含まない」とは、実質的に含まないことを意味し、0.1質量%未満であることが好ましい。
【0052】
<その他の成分>
本発明の組成物は、必要に応じてその他の公知の成分を含んでもよい。その他の成分としては、特に制限されないが、例えば、従来公知の、界面活性剤、重合禁止剤、レベリング剤、消泡剤、蛍光増白剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)、定着剤、粘度安定化剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、及び増粘剤などが挙げられる。
【0053】
<組成物の調製>
本発明の組成物は、上述した各種成分を用いて作製することができ、その調製手段や条件は特に限定されないが、例えば、重合性モノマー、顔料、分散剤等をボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミル、ダイノーミルなどの分散機に投入し、分散させて顔料分散液を調製し、当該顔料分散液に更に重合性モノマー、開始剤、重合禁止剤、界面活性剤などを混合させることにより調製することができる。
【0054】
<粘度>
本発明の組成物の粘度は、用途や適用手段に応じて適宜調整すればよく、特に限定されないが、例えば、当該組成物をノズルから吐出させるような吐出手段を適用する場合には、20℃から65℃の範囲における粘度、望ましくは25℃における粘度が60mPa・s以下であり、3mPa・s以上40mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上30mPa・s以下がより好ましく、5mPa・s以上15mPa・s以下が更に好ましく、6mPa・s以上12mPa・s以下が特に好ましい。
また、当該粘度範囲を、上記有機溶媒を含まずに満たしていることが特に好ましい。なお、上記粘度は、東機産業株式会社製コーンプレート型回転粘度計VISCOMETER TVE-22Lにより、コーンロータ(1°34’×R24)を使用し、回転数50rpm、恒温循環水の温度を20℃~65℃の範囲で適宜設定して測定することができる。循環水の温度調整にはVISCOMATE VM-150IIIを用いることができる。
【0055】
<硬化手段>
本発明の組成物を硬化させる硬化手段としては、加熱硬化又は活性エネルギー線による硬化が挙げられ、これらの中でも活性エネルギー線による硬化が好ましい。
本発明の組成物を硬化させるために用いる活性エネルギー線としては、紫外線の他、電子線、α線、β線、γ線、X線等の、組成物中の重合性成分の重合反応を進める上で必要なエネルギーを付与できるものであればよく、特に限定されない。特に高エネルギーな光源を使用する場合には、重合開始剤を使用しなくても重合反応を進めることができる。また、紫外線照射の場合、環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。さらに、紫外線発光ダイオード(UV-LED)及び紫外線レーザダイオード(UV-LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、紫外線光源として好ましい。
【0056】
これらの中でも、省エネルギー化や装置小型化の観点から、紫外線発光ダイオード(以下、UV-LEDともいう)から照射される波長285nm~405nm(好ましくは、波長365~405nm)にピークを有する紫外線が好ましい。なお、重合開始剤の光吸収スペクトルは一般にブロードであって、狭小な特定波長域を照射するUV-LEDを用いることは、組成物の硬化性向上を困難にする。そのため、UV-LEDを用いたとしても硬化性に優れる本発明の組成物を用いることが好ましい。
【0057】
<用途>
本発明の組成物の用途は、一般に活性エネルギー線硬化型材料が用いられている分野であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、成形用樹脂、塗料、接着剤、絶縁材、離型剤、コーティング材、シーリング材、各種レジスト、各種光学材料などが挙げられる。
更に、本発明の組成物は、インクとして用いて2次元の文字や画像、各種基材への意匠塗膜を形成するだけでなく、3次元の立体像(立体造形物)を形成するための立体造形用材料としても用いることができる。この立体造形用材料は、例えば、粉体層の硬化と積層を繰り返して立体造形を行う粉体積層法において用いる粉体粒子同士のバインダーとして用いてもよく、また、図2図3に示すような積層造形法(光造形法)において用いる立体構成材料(モデル材)や支持部材(サポート材)として用いてもよい。なお、図2は、本発明の組成物を所定領域に吐出し、活性エネルギー線を照射して硬化させたものを順次積層して立体造形を行う方法であり(詳細後述)、図3は、本発明の組成物5の貯留プール(収容部)1に活性エネルギー線4を照射して所定形状の硬化層6を可動ステージ3上に形成し、これを順次積層して立体造形を行う方法である。
本発明の組成物を用いて立体造形物を造形するための立体造形装置としては、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、該組成物の収容手段、供給手段、吐出手段や活性エネルギー線照射手段等を備えるものが挙げられる。
また、本発明は、組成物を硬化させて得られた硬化物や当該硬化物が基材上に形成された構造体を加工してなる成形加工品も含む。前記成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された硬化物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形することが必要な用途に好適に使用される。
上記基材としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス、又はこれらの複合材料などが挙げられ、加工性の観点からはプラスチック基材が好ましい。
【0058】
<<収容容器>>
本発明の収容容器は、組成物が収容された状態の容器を意味し、上記のような用途に供する際に好適である。例えば、本発明の組成物がインク用途である場合において、当該インクが収容された容器は、インクカートリッジやインクボトルとして使用することができ、これにより、インク搬送やインク交換等の作業において、インクに直接触れる必要がなくなり、手指や着衣の汚れを防ぐことができる。また、インクへのごみ等の異物の混入を防止することができる。また、容器それ自体の形状や大きさ、材質等は、用途や使い方に適したものとすればよく、特に限定されないが、その材質は光を透過しない遮光性材料であるか、又は容器が遮光性シート等で覆われていることが望ましい。
【0059】
<<像の形成方法、形成装置>>
本発明の像の形成方法は、活性エネルギー線を用いてもよいし、加熱なども挙げられる。本発明の組成物を活性エネルギー線で硬化させるためには、活性エネルギー線を照射する照射工程を有し、本発明の像の形成装置は、活性エネルギー線を照射するための照射手段と、本発明の組成物を収容するための収容部と、を備え、該収容部には前記容器を収容してもよい。更に、本発明の組成物を吐出する吐出工程、吐出手段を有していてもよい。吐出させる方法は特に限定されないが、連続噴射型、オンデマンド型等が挙げられる。オンデマンド型としてはピエゾ方式、サーマル方式、静電方式等が挙げられる。
図1は、インクジェット吐出手段を備えた像形成装置の一例である。イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色活性エネルギー線硬化型インクのインクカートリッジと吐出ヘッドを備える各色印刷ユニット23a、23b、23c、23dにより、供給ロール21から供給された被記録媒体22にインクが吐出される。その後、インクを硬化させるための光源24a、24b、24c、24dから、活性エネルギー線を照射して硬化させ、カラー画像を形成する。その後、被記録媒体22は、加工ユニット25、印刷物巻取りロール26へと搬送される。各印刷ユニット23a、23b、23c、23dには、インク吐出部でインクが液状化するように、加温機構を設けてもよい。また必要に応じて、接触又は非接触により記録媒体を室温程度まで冷却する機構を設けてもよい。また、インクジェット記録方式としては、吐出ヘッド幅に応じて間欠的に移動する記録媒体に対し、ヘッドを移動させて記録媒体上にインクを吐出するシリアル方式や、連続的に記録媒体を移動させ、一定の位置に保持されたヘッドから記録媒体上にインクを吐出するライン方式のいずれであっても適用することができる。
被記録媒体22は、特に限定されないが、紙、フィルム、金属、これらの複合材料等が挙げられ、シート状であってもよい。また片面印刷のみを可能とする構成であっても、両面印刷も可能とする構成であってもよい。
更に、光源24a、24b、24cからの活性エネルギー線照射を微弱にするか又は省略し、複数色を印刷した後に、光源24dから活性エネルギー線を照射してもよい。これにより、省エネ、低コスト化を図ることができる。
本発明のインクにより記録される記録物としては、通常の紙や樹脂フィルムなどの平滑面に印刷されたものだけでなく、凹凸を有する被印刷面に印刷されたものや、金属やセラミックなどの種々の材料からなる被印刷面に印刷されたものも含む。また、2次元の画像を積層することで、一部に立体感のある画像(2次元と3次元からなる像)や立体物を形成することもできる。
図2は、本発明に係る別の像形成装置(3次元立体像の形成装置)の一例を示す概略図である。図2の像形成装置39は、インクジェットヘッドを配列したヘッドユニット(AB方向に可動)を用いて、造形物用吐出ヘッドユニット30から第一の組成物を、支持体用吐出ヘッドユニット31、32から第一の組成物を造形物用吐出ヘッドユニット30から吐出し、活性エネルギー線を照射して固化させて第一の造形物層を形成する工程を、積層回数に合わせて、上下方向に可動なステージ38を下げながら複数回繰り返すことで、支持体層と造形物層を積層して立体造形物35を製作する。その後、必要に応じて支持体積層部36は除去される。なお、図2では、造形物用吐出ヘッドユニット30は1つしか設けていないが、2つ以上設けることもできる。
【実施例0060】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
【0061】
<組成物の構成成分>
組成物の調製に用いた原材料の略号、化合物名、メーカー名及び製品名を、重合性化合物(A)については表1-1に、また、その他の成分については表1-2にそれぞれ示した。
市販されていない原材料は、以下に示す合成例1~7の方法で合成した。
合成した化合物の同定は核磁気共鳴分光法(使用装置:日本電子株式会社製、「JNM-ECX500」)で実施し、純度の測定はガスクロマトグラフ法(使用装置:株式会社島津製作所製、「GCMS-QP2010 Plus」)で実施した。これらの化学分析は定法により実施した。
【0062】
【表1-1】
【0063】
【表1-2】
【0064】
(合成例1)
<N-アクリロイル-N-メチルグリシンメチルエステル(A1-1)の合成>
N-メチルグリシンメチルエステル塩酸塩(シグマアルドリッチジャパン合同会社製、試薬)0.30モル、炭酸カリウム(関東化学株式会社製、試薬)0.45モル、及び水400mLを0~10℃で撹拌混合し、その温度を保ったままアクリル酸クロリド(和光純薬工業株式会社製、試薬)0.33モルをゆっくり滴下した。滴下終了後、酢酸エチル(関東化学株式会社製、試薬)400mLで3回抽出し、酢酸エチル層を合わせて水400mLで1回洗浄した。酢酸エチルを減圧下、40℃で留去して、目的のN-アクリロイル-N-メチルグリシンメチルエステル(A1-1)0.20モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は98.3質量%であった。
なお、N-アクリロイル-N-メチルグリシンメチルエステル(A1-1)の分子量は157.2であり、公知の化合物である(CAS登録番号72065-23-7)。
【0065】
(合成例2)
<N-アクリロイル-N-イソプロピルグリシンイソプロピルエステル(A1-2)の合成>
合成例1において、N-イソプロピルグリシンイソプロピルエステル塩酸塩をN-メチルグリシンエチルエステル塩酸塩(東京化成工業株式会社製、試薬)に変更した以外は、合成例1と同様にして、目的のN-アクリロイル-N-イソプロピルグリシンイソプロピルエステル(A1-2)0.22モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は98.5質量%であった。
なお、N-アクリロイル-N-イソプロピルグリシンイソプロピルエステル(A1-2)の分子量は213.3であった。
【0066】
(合成例3)
<N-アクリロイル-N-イソプロピルグリシンメチルエステル(A1-3)の合成>
合成例1において、N-メチルグリシンメチルエステル塩酸塩をN-メチルグリシンイソプロピルエステル塩酸塩(東京化成工業株式会社製、試薬)に変更した以外は、合成例1と同様にして、目的のN-アクリロイル-N-イソプロピルグリシンイソプロピルエステル(A1-3)0.22モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は98.5質量%であった。
なお、N-アクリロイル-N-イソプロピルグリシンメチルエステル(A1-3)の分子量は185.2であった。
【0067】
(合成例4)
<N-アクリロイル-N-メチルアラニンメチルエステル(A1-4)の合成>
合成例1において、N-メチルグリシンメチルエステル塩酸塩をN-メチルアラニンメチルエステル塩酸塩(東京化成工業株式会社製、試薬)に変更した以外は、合成例1と同様にして、目的のN-アクリロイル-N-メチルアラニンメチルエステル(A1-4)0.22モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は98.5質量%であった。
なお、N-アクリロイル-N-メチルアラニンメチルエステル(A1-4)の分子量は171.2であった。
【0068】
(合成例5)
<N-アクリロイル-N-メチルグリシンイソプロピルエステル(A1-5)の合成>
合成例1において、N-メチルグリシンメチルエステル塩酸塩をN-メチルグリシンイソプロピルエステル塩酸塩(東京化成工業株式会社製、試薬)に変更した以外は、合成例1と同様にして、目的のN-アクリロイル-N-メチルアラニンメチルエステル(A1-5)0.22モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は98.5質量%であった。
なお、N-アクリロイル-N-メチルアラニンメチルエステル(A1-5)の分子量は185.2であった。
【0069】
(合成例6)
<N-アクリロイル-N-メチルアラニンイソプロピルエステル(A1-6)の合成>
合成例1において、N-メチルグリシンメチルエステル塩酸塩をN-メチルアラニンイソプロピルエステル塩酸塩(東京化成工業株式会社製、試薬)に変更した以外は、合成例1と同様にして、目的のN-アクリロイル-N-メチルアラニンメチルエステル(A1-6)0.22モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は98.5質量%であった。
なお、N-アクリロイル-N-メチルアラニンメチルエステル(A1-6)の分子量は199.3であった。
【0070】
(合成例7)
<N-アクリロイルピペリジン-4-カルボン酸エチル(A1-7)の合成>
合成例1において、N-メチルグリシンメチルエステル塩酸塩をピペリジン-4-カルボン酸エチル(東京化成工業株式会社製、試薬)に変更した以外は、合成例1と同様にして、目的のN-アクリロイルピペリジン-4-カルボン酸エチル(A1-7)0.27モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は99.2質量%であった。
なお、N-アクリロイルピペリジン-4-カルボン酸エチル(A1-7)の分子量は211.3であり、公知の化合物である(CAS登録番号845907-79-1)。
【0071】
(合成例8)
<5,7-ジメトキシ-3-(4-(4-ペンチルフェニル)ベンゾイル)クマリン(B-2)の合成>
[4,6-ジメトキシ-2-ヒドロキシ-ベンズアルデヒドの合成]
30g(195mmol)の3,5-ジメトキシフェノールを窒素雰囲気下で、1000mlの無水THF中、17.6g(582mmol)の無水パラホルムアルデヒド、53.1g(525mmol)の無水トリエチルアミンおよび50g(525mmol)の無水塩化マグネシウムの溶液に撹拌しながら加えた。60℃で40分後、反応混合物を室温に冷却し、1000mlの水で希釈し、1N塩酸1000mlを加えた。酢酸エチルでの抽出および溶媒の真空蒸発の後、粗製産物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィ-(酢酸エチル/ヘキサン=1/1)によって精製し、16.9g(収率48%)の4,6-ジメトキシ-2-ヒドロキシベンズアルデヒドを白色固体として得た。
(同定データ)
H-NMR (CDCl3, δppm): 3.84(s,3H), 3.85(s,3H), 5.91(s,1H), 6.02(s,1H), 10.10(s,1H).
[5,7-ジメトキシ-3-(4-(4-ペンチルフェニル)ベンゾイル)クマリンの合成]
10g(29.5mmol)のエチル(4-(4-ペンチルフェニル)ベンゾイル)アセテート(Chemieliva Pharmaceutical Product List社より購入)および2.5g(29.5mmol)のピペリジンを、100mlのエタノール中、5.4g(29.5mmol)の4,6-ジメトキシ-2-ヒドロキシ-ベンズアルデヒドの溶液に加えた。混合物を還流下で2時間撹拌し、次いで冷却した。室温での結晶化の後、反応産物をろ過により回収し、11.7gの白色の結晶を得た(収率87%)。
(同定データ)
H-NMR (CDCl, δ ppm): 1.12(t,3H), 1.44-1.77(m,6H), 2.46(m,2H),3.92(s,6H), 6.30(s,1H), 6.47(s,1H),7.45(d,2H), 7.87(d,2H), 7.98(d,2H),8.15(d,2H),8.45(s,1H).
【0072】
(合成例9)
<5,7-ジメトキシ-3-(6-メトキシ-2-ナフトイル)クマリン(B-3)の合成>
10g(29.5mmol)のエチル(4-(6-メトキシナフチル)ベンゾイル)アセテート(Chemieliva Pharmaceutical Product List社より購入)および2.5g(29.5mmol)のピペリジンを、100mlのエタノール中、5.4g(29.5mmol)の4,6-ジメトキシ-2-ヒドロキシ-ベンズアルデヒドの溶液に加えた。混合物を還流下で2時間撹拌し、次いで冷却した。室温での結晶化の後、反応産物をろ過により回収し、10.2gの白色の結晶を得た(収率74%)。
(同定データ)
H-NMR (CDCl, δ ppm):3.62(s,6H), 6.30(s,1H), 6.47(s,1H),7.51(m,2H), 7.61(d,1H), 7.98(m,4H),8.15(d,2H),8.45(s,1H).
【0073】
(実施例1)
<組成物の作製>
A-1:20.0質量%、A-2:20.0質量%、A-3:10.0質量%、A-4:9.8質量%、A-6:10.0質量%、A-13:5.0質量%、A1-1:10.0質量%、A1-7:8.0質量%、B-1:1.0質量%、C-2:4.0質量%、C-3:1.0質量%、D-1:1.0質量%、重合禁止剤:0.1質量%、界面活性剤:0.1質量%を順に添加して2時間撹拌し、目視にて溶解残りがないことを確認した後、メンブランフィルターでろ過して粗大粒子を除去し、実施例1の組成物を作製した。
【0074】
(実施例2~30及び比較例1~10)
実施例1において、下記表2-1~表2-4に示した組成及び含有量(質量%)に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2~30及び比較例1~10の組成物をそれぞれ作製した。
【0075】
【表2-1】
【0076】
【表2-2】
【0077】
【表2-3】
【0078】
【表2-4】
【0079】
次に、得られた各組成物について、粘度、硬化性、硬度、及び黄変性の各評価項目について、以下のようにして評価した。評価結果を表3-1~表3-4に示した。
【0080】
<粘度の測定>
東機産業株式会社製コーンプレート型回転粘度計VISCOMETER TVE-22Lを用い、コーンロータ(1°34’×R24)を使用し、回転数50rpm、恒温循環水の温度を25℃に調整して測定した。循環水の温度調整にはVISCOMATE VM-150IIIを用いた。
【0081】
<インクジェットによる印刷画像の形成>
各組成物をそれぞれプラスチック製の組成物収容容器に充填し、吐出手段としてのインクジェットヘッド(株式会社リコー製、「MH5440」)、活性エネルギー線照射手段としてのUV-LED(インテグレーションテクノロジージャパン社製「LED ZERO」、波長395nm、照射面における照度1.0W/cm)、吐出を制御するコントローラー、及び組成物収容容器からインクジェットヘッドへの供給経路を備えた像形成装置に組み込んだ。
組成物の粘度が10mPa・s~12mPa・sとなるように適宜インクジェットヘッドの温調を行い、汎用的なフィルム材料である市販のPETフィルム(東洋紡株式会社製、「コスモシャインA4100」、厚み188μm)上に組成物を膜厚10μmでインクジェット吐出し、UV-LEDで紫外線照射を行って、印刷画像を作製した。
【0082】
<硬化性>
塗膜を指触して粘着感のない状態に達したものを硬化と判定し、硬化に必要な照射積算光量を求めた。評価結果を表3-1~表3-4に示した。硬化に要する照射積算光量が1.0J/cm以下であった場合を実用可能であるとした。
【0083】
<硬度>
得られた硬化物について、JIS K5600-5-4 引っかき硬度(鉛筆法)に準拠して鉛筆硬度を測定し、下記評価基準に基づいて、「硬度」を評価した。評価結果を表3-1~表3-4に示した。なお、硬度がHB以上であった場合を実用可能であるとした。
【0084】
<黄変性>
上記印刷画像の形成に記載の方法で得られた印画物サンプルを5cm四方にカットし、グレタグ測定器(X-rite社製Ci6x)によりグレタグ測定を実施した。評価結果を表3-1~表3-4に示した。bの値による下記の評価が、評価C以上が実用可能である。
[評価基準]
A:bの値が1以下
B:bの値が1より大きく2以下
C:bの値が2より大きく4以下
D:bの値が4より大きい
【0085】
-装置及び器具-
・装置:COTEC株式会社製のひっかき鉛筆硬度 TQC WWテスター(荷重750g専用)
・鉛筆:次の硬度の木製製図用鉛筆セット(三菱鉛筆株式会社製)
6B、5B、4B、3B、2B、B、HB、F、H、2H、3H、4H、5H、6H
・鉛筆けずり器:鉛筆の円筒状の芯をそのままに残して木部だけをけずり取る、特殊なけずり器とする。
なお、硬化性が低いインクに関しては前記光量で硬化させた場合十分に固まらないため、硬度も低くなる。
【0086】
【表3-1】
【0087】
【表3-2】
【0088】
【表3-3】
【0089】
【表3-4】
【0090】
表3-4中の比較例1~5、9、10の「硬化に要する照射積算光量」の欄の「1」という表示は、照射積算光量が100J/cmとなった際に組成物が硬化していなかったことを示す。
また、表3-4中の比較例1~5、9、10の「黄変性」および「鉛筆硬度」についての「-」という表示は、組成物が硬化しなかったため測定不能であることを示す。
【符号の説明】
【0091】
1 貯留プール(収容部)
3 可動ステージ
4 活性エネルギー線
5 組成物
6 硬化層
21 供給ロール
22 被記録媒体
23a、23b、23c、23d 印刷ユニット
24a、24b、24c、24d 光源
25 加工ユニット
26 印刷物巻取りロール
30 造形物用吐出ヘッドユニット
31、32 支持体用吐出ヘッドユニット
33、34 紫外線照射手段
35 立体造形物
36 支持体積層部
37 造形物支持基板
38 ステージ
39 像形成装置
【0092】
本発明は下記(1)の硬化型組成物にかかるものであるが、下記(2)~(15)を実施形態として含む。
(1)重合性化合物(A)、下記一般式(1)で表される水素引き抜き型重合開始剤(B)、光開裂型重合開始剤(C)及び水素供与剤(D)を含有し、
前記水素引き抜き型重合開始剤(B)の含有量が、組成物全量に対して0.1質量%以上10質量%以下であり、
前記水素供与剤(D)の含有量が、前記水素引き抜き型重合開始剤(B)の全量に対して、30質量%以上100質量%以下である
ことを特徴とする硬化型組成物。
【化1】
(一般式(1)中、Aはフェニレン基、ナフチレン基又はビフェニレン基を表し、R、Rは炭素数1~10の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、Rは炭素数1~10の直鎖若しくは分岐のアルキル基又は炭素数2~9の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基を表す。)
(2)前記水素引き抜き型重合開始剤(B)および前記水素供与剤(D)の組成物全量に対する含有量の和が10質量%以下である、上記(1)に記載の硬化型組成物。
(3)前記水素供与剤(D)が下記一般式(2)又は下記一般式(3)で表される化合物である、上記(1)又は(2)に記載の硬化型組成物。
【化2】
(一般式(2)中、RおよびRはそれぞれ水素原子、又は炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、Rは炭素数1~10の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。)
【化3】
(一般式(3)中、R、R、RおよびR10はそれぞれ水素原子、又は炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R11は炭素数1~10の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。)
(4)前記重合性化合物(A)が下記一般式(4)又は下記一般式(5)で表されるアクリルアミド化合物(A1)を含む、上記(1)乃至(3)のいずれか1項に記載の硬化型組成物。
【化4】
(一般式(4)中、R12は水素原子、又は炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R13は炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキレン基を表し、R14は炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。ただし、R12、R13及びR14の炭素数の合計は2~6である。)
【化5】
(一般式(5)中、環Xは窒素原子を含む炭素数2~5の環構造を表し、R15は単結合、又は炭素数1~3の直鎖若しくは分岐のアルキレン基を表し、R16は炭素数1~3の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。ただし、環X、R15及びR16の炭素数の合計は3~6である。)
(5)前記光開裂型重合開始剤(C)の含有量が、組成物の全量に対して、3質量%以上20質量%以下であり、前記水素引き抜き型重合開始剤(B)および前記水素供与剤(D)の組成物全量に対する含有量の和が2質量%以下である、上記(1)乃至(4)のいずれか1項に記載の硬化型組成物。
(6)有機溶剤を含まない、上記(1)乃至(5)のいずれか1項に記載の硬化型組成物。
(7)上記(1)乃至(6)のいずれか1項に記載の硬化型組成物を含有することを特徴とする硬化型インク。
(8)インクジェット用である、上記(7)に記載の硬化型インク。
(9)上記(1)乃至(6)のいずれか1項に記載の硬化型組成物、又は、上記(7)若しくは(8)に記載の硬化型インクが容器中に収容されてなることを特徴とする組成物収容容器。
(10)上記(1)乃至(6)のいずれか1項に記載の硬化型組成物、又は、上記(7)若しくは(8)に記載の硬化型インクの少なくともいずれかを容器中に収容する収容部と、活性エネルギー線を照射するための照射手段と、を有することを特徴とする2次元又は3次元の像形成装置。
(11)前記活性エネルギー線を照射する手段が、波長365~405nmにピークを有する紫外線を照射するUV-LEDである、上記(10)に記載の像形成装置。
(12)上記(1)乃至(6)のいずれか1項に記載の硬化型組成物、又は、上記(7)若しくは(8)に記載の硬化型インクに活性エネルギー線を照射して2次元又は3次元の像を形成することを特徴とする2次元又は3次元の像形成方法。
(13)前記活性エネルギー線の照射を、波長365~405nmにピークを有する紫外線を発生するUV-LEDによって行う、上記(12)に記載の像形成方法。
(14)上記(1)乃至(6)のいずれか1項に記載の硬化型組成物又は上記(7)若しくは(8)に記載の硬化型インクの硬化物。
(15)基材上に上記(14)に記載の硬化物からなる表面加飾が施されてなることを特徴とする加飾体。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0093】
【特許文献1】特開2017-57249号公報
【特許文献2】特開2011-068783号公報
【特許文献3】特開2007-23151号公報
【非特許文献1】Second generation 3-Ketocoumarin: oligomeric and zero migration photoinitiators for LED curing(2018, May 9).UV+EB 2018 Technology Conference 「Photointiators session」. RadTech North America,Chicago, IL, USA.
図1
図2
図3