(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023036737
(43)【公開日】2023-03-14
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20230307BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20230307BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
H04N5/64 511A
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200734
(22)【出願日】2022-12-16
(62)【分割の表示】P 2018227627の分割
【原出願日】2018-12-04
(31)【優先権主張番号】P 2017248510
(32)【優先日】2017-12-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(72)【発明者】
【氏名】平野 成伸
(72)【発明者】
【氏名】片野 泰男
(72)【発明者】
【氏名】亀山 健司
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 規和
(72)【発明者】
【氏名】田中 伶実
(72)【発明者】
【氏名】中村 直樹
(57)【要約】
【課題】眼前の画面表示の大きさを向上させ、装着時の鼻への荷重負荷を軽減し、かつ、装着者の左右の周辺視野を確保することができる頭部装着型表示装置および表示システムを提供する。
【解決手段】頭部装着型表示装置であって、画像光を出射する画像表示部と、画像光を導光し、頭部装着型表示装置を装着する装着者の眼に画像光を射出させる導光部材と、画像表示部と導光部材との間に配置され、画像光を画像表示部から導光部材まで中継し、導光部材へ入射する前に中間像を少なくとも1回形成する中継光学系と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部装着型表示装置であって、
画像光を出射する画像表示部と、
前記画像光を導光し、前記頭部装着型表示装置を装着する装着者の眼に該画像光を射出させる導光部材と、
前記画像表示部と前記導光部材との間に配置され、前記画像光を該画像表示部から前記導光部材まで中継し、前記導光部材へ入射する前に中間像を少なくとも1回形成する中継光学系と、
を備えた頭部装着型表示装置。
【請求項2】
前記中間像の位置と前記導光部材との間に位置し、前記画像光を平行光またはテレセントリック光に変換する光学系を、さらに備えた請求項1に記載の頭部装着型表示装置。
【請求項3】
前記光学系は、凹面鏡またはコリメートレンズである請求項2に記載の頭部装着型表示装置。
【請求項4】
前記画像表示部が、前記装着者の両方の眼球に接する平面よりも後方に位置する請求項1~3のいずれか一項に記載の頭部装着型表示装置。
【請求項5】
前記装着者の耳にかかることにより前記頭部装着型表示装置を支持するテンプルを、さらに備え、
前記画像表示部の中心が、少なくとも、前記導光部材から前記テンプルまでの間隔の中心から後方に位置する請求項1~3のいずれか一項に記載の頭部装着型表示装置。
【請求項6】
前記画像表示部の中心が、前記装着者の側頭骨と重畳して配置される請求項1~3のいずれか一項に記載の頭部装着型表示装置。
【請求項7】
前記画像表示部を内蔵する表示部筐体が、前記装着者の後頭骨の位置に配置される請求項1~3のいずれか一項に記載の頭部装着型表示装置。
【請求項8】
前記中継光学系は、少なくともリレーレンズ群を含む請求項1~7のいずれか一項に記載の頭部装着型表示装置。
【請求項9】
前記中継光学系は、少なくとも屈折率分布型レンズを含む請求項1~7のいずれか一項に記載の頭部装着型表示装置。
【請求項10】
前記中継光学系は、少なくともイメージガイドファイバを含む請求項1~7のいずれか一項に記載の頭部装着型表示装置。
【請求項11】
前記画像表示部と前記中継光学系との間に配置され、該画像表示部から出射した前記画像光を集光する集光光学系を、さらに備えた請求項1~10のいずれか一項に記載の頭部装着型表示装置。
【請求項12】
前記画像表示部から出射された前記画像光を屈曲させて前記中継光学系に入射させる光学部材を、さらに備えた請求項1~11のいずれか一項に記載の頭部装着型表示装置。
【請求項13】
少なくとも、前記導光部材から前記装着者の眼に向かう方向について、該導光部材を非透過状態と、透過状態または半透過状態と、に切り替える遮光機構を、さらに備えた請求項1~12のいずれか一項に記載の頭部装着型表示装置。
【請求項14】
前記画像表示部を内蔵する表示部筐体内に、前記装着者の骨を振動させて音声を伝える骨伝導スピーカを、さらに備えた請求項1~13のいずれか一項に記載の頭部装着型表示装置。
【請求項15】
少なくとも前記導光部材および前記中継光学系を格納する筐体と、
前記装着者の頭部に前記頭部装着型表示装置を固定するフレームと、
をさらに備え、
前記フレームは、前記筐体のうち前記導光部材を格納している筐体部分のいずれかの位置で接続された請求項1~14のいずれか一項に記載の頭部装着型表示装置。
【請求項16】
前記フレームは、前記筐体のうち前記導光部材を格納している筐体部分のうち、前記装着者が前記頭部装着型表示装置を装着した場合における該装着者の鼻近傍の位置に接続された請求項15に記載の頭部装着型表示装置。
【請求項17】
前記フレームは、前記筐体の少なくとも一部を内包する請求項15または16に記載の頭部装着型表示装置。
【請求項18】
外部デバイスから画像データを受信する受信部を、さらに備え、
前記画像表示部は、前記画像データに基づいて前記画像光を出射する請求項1~17のいずれか一項に記載の頭部装着型表示装置。
【請求項19】
前記受信部は、MHL(Mobile High-definition Link)方式に基づいて、前記外部デバイスから前記画像データまたは音声データのうち少なくともいずれかを受信する請求項18に記載の頭部装着型表示装置。
【請求項20】
前記受信部は、V-by-One HS方式に基づいて、前記外部デバイスから前記画像データまたは音声データのうち少なくともいずれかを受信する請求項18に記載の頭部装着型表示装置。
【請求項21】
請求項18に記載の頭部装着型表示装置と、
前記外部デバイスから出力されたUSB(Universal Serial Bus)信号としての前記画像データを、MHL(Mobile High-definition Link)方式の信号に変換して前記受信部に送信する変換器と、
を有する表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭部装着型表示装置および表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多くのメガネ型の頭部装着型表示装置(形状に応じてヘッドマウントディスプレイ(HMD)、VR(Virtual Reality)ゴーグル、VRグラス、スマートグラス、AR(Augmented Reality)グラス、グラスディスプレイ、グラスデバイス等と呼称される)が開発されている。眼前のディスプレイに仮想映像を表示されたり、現実の背景に仮想画像を重畳して表示したりすることで、従来の卓上型ディスプレイ、スマートフォン、およびタブレット端末とは全く異なる体験を得ることができる。
【0003】
頭部装着型表示装置は、主に以下の3つのタイプに分けられる。1つ目は、ディスプレイが眼前にあり、直接、またはレンズを通して見るタイプである。このタイプは、両眼非透過型のVR表示をするヘッドマウントディスプレイ、または小型単眼型のヘッドマウントディスプレイ等で用いられる。
【0004】
2つ目は、画像表示素子から出る画像光を投射し、眼前にあるミラーまたはハーフミラー等の半透過素子で反射させることにより見るタイプである。このタイプは、画像表示素子と、ミラーまたはハーフミラー等の半透過素子とを離して設置することができるため、画像表示素子を眼球表面より後ろ側に配置することができ、眼球表面より前側の重量を軽減し、鼻への負担を減らすことができる。
【0005】
3つ目は、画像表示素子から出る画像光を、導光部材を通して見るタイプである。このタイプは、例えば、両眼透過型のAR表示をするヘッドマウントディスプレイ等で用いられる。このタイプは、画像表示素子から出る画像光を、コリメートレンズまたはミラーで導光部材に導き、当該導光部材を通して眼に対して入射させる。このように、画像光を導光部材に通すことにより、視野角20度以上の画像表示が可能となり、導光部材の構造によっては視野角60度程度の大画像表示も可能となる。
【0006】
以上のような頭部装着型表示装置のうち、上述の1つ目のタイプとして、左右2つの画像表示装置、駆動回路および光学系を眼前に設置して、視野角90度以上の大画面表示を可能とする両眼非透過型のヘッドマウントディスプレイが開示されている(特許文献1参照)。また、上述の2つ目のタイプとして、顔の横から眼前のミラーまたはハーフミラー等の半透過素子に画像光を投射する表示装置が開示されている(特許文献2参照)。また、上述の3つ目のタイプとして、画像表示装置、コリメートレンズ、ミラーおよび導光部材が一体型となった構造を有し、当該構造体の重心が眼球表面よりも前に位置する虚像表示装置が開示されている(特許文献3参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、左右2つの画像表示装置、駆動回路および光学系を眼前に設置しており、総重量が500g以上となる場合も多く、そのような重く、かつ大きなデバイスを長時間装着し続けることは困難であるという問題がある。また、特許文献2に記載された技術では、顔の横から眼前のミラーまたはハーフミラー等の半透過素子に投射することから、大画面を表示させることが難しく、視野角の小さい画面しか表示させることができないという問題がある。また、特許文献3に記載された技術では、画像表示装置、コリメートレンズ、ミラーおよび導光部材が一体型となった構造を有しており、当該構造体の重心が眼球表面より前にあるため、鼻に対する荷重の負担が大きいため、長時間装着すると鼻パッド付近の皮膚に炎症または痛みを及ぼす可能性があるという問題がある。さらに、当該構造体が、装着者の左右の周辺視野を塞ぐ形態となるため、一般的な人間の視野は180度以上であるところ、装着すると100度以下に低下する可能性があるため、視野が狭い状態で動いたり作業をしたりすると危険を伴い、装着時の安全性が低下するという問題がある。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、眼前の画面表示の大きさを向上させ、装着時の鼻への荷重負荷を軽減し、かつ、装着者の左右の周辺視野を確保することができる頭部装着型表示装置および表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、頭部装着型表示装置であって、画像光を出射する画像表示部と、前記画像光を導光し、前記頭部装着型表示装置を装着する装着者の眼に該画像光を射出させる導光部材と、前記画像表示部と前記導光部材との間に配置され、前記画像光を該画像表示部から前記導光部材まで中継し、前記導光部材へ入射する前に中間像を少なくとも1回形成する中継光学系と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、眼前の画面表示の大きさを向上させ、装着時の鼻への荷重負荷を軽減し、かつ、装着者の左右の周辺視野を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る表示装置の全体構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態の表示部のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態における眼と、表示部の中継光学系側端面との位置関係を示す図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態の表示部と側頭骨との位置関係を示す図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態の変形例1に係る表示装置の構成の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態の変形例1における眼と、表示部の中継光学系側端面との位置関係を示す図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態の変形例2に係る表示装置の構成の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態の変形例2における眼と、表示部の中継光学系側端面との位置関係を示す図である。
【
図9】
図9は、第1の実施形態の変形例3に係る表示装置の構成の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、第1の実施形態の変形例3における眼と、表示部の中継光学系側端面との位置関係を示す図である。
【
図11】
図11は、第2の実施形態に係る表示装置の構成の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、第3の実施形態に係る表示装置の構成の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、第4の実施形態に係る表示装置の全体構成の一例、および、表示部と後頭骨との位置関係を示す図である。
【
図14】
図14は、第5の実施形態に係る表示装置の構成の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、第5の実施形態の変形例1に係る表示装置の構成の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、第5の実施形態の変形例2に係る表示装置の構成の一例を示す図である。
【
図17】
図17は、第6の実施形態に係る表示装置の要部の構成の一例を示す図である。
【
図18】
図18は、第6の実施形態の変形例1に係る表示装置の要部の構成の一例を示す図である。
【
図19】
図19は、第6の実施形態の変形例2に係る表示装置の要部の構成の一例を示す図である。
【
図20】
図20は、第6の実施形態の変形例3に係る表示装置の要部の構成の一例を示す図である。
【
図21】
図21は、第6の実施形態の変形例4に係る表示装置の要部の構成の一例を示す図である。
【
図22】
図22は、第6の実施形態の変形例5に係る表示装置の要部の構成の一例を示す図である。
【
図23】
図23は、第6の実施形態の変形例6に係る表示装置の要部の構成の一例を示す図である。
【
図24】
図24は、第7の実施形態に係る表示装置の要部の構成の一例を示す図である。
【
図25】
図25は、第7の実施形態の変形例1に係る表示装置の要部の構成の一例を示す図である。
【
図26】
図26は、第7の実施形態の変形例2に係る表示装置の要部の構成の一例を示す図である。
【
図27】
図27は、第7の実施形態の変形例3に係る表示装置の要部の構成の一例を示す図である。
【
図28】
図28は、第7の実施形態の変形例4に係る表示装置の要部の構成の一例を示す図である。
【
図29】
図29は、第7の実施形態の変形例5に係る表示装置の要部の構成の一例を示す図である。
【
図30】
図30は、第7の実施形態の変形例6に係る表示装置の要部の構成の一例を示す図である。
【
図31】
図31は、第8の実施形態に係る表示装置の構成の一例を示す図である。
【
図32】
図32は、第9の実施形態に係る表示システムの構成の一例を示す図である。
【
図33】
図33は、第9の実施形態の表示部の要部のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図34】
図34は、第9の実施形態の変形例1の表示部の要部のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図35】
図35は、第9の実施形態の変形例2の表示部の要部のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図36】
図36は、第10実施形態に係る表示システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図37】
図37は、第10実施形態の変形例に係る表示システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図38】
図38は、第11の実施形態に係る表示システムの構成の一例を示す図である。
【
図39】
図39は、第11の実施形態の表示部のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図40】
図40は、第12の実施形態に係る表示装置の構成の一例を示す図である。
【
図41】
図41は、第13の実施形態に係る表示装置の構成の一例を示す図である。
【
図42】
図42は、第14の実施形態に係る表示装置の構成の一例を示す図である。
【
図43】
図43は、第15の実施形態に係る表示装置の構成の一例を示す図である。
【
図44】
図44は、第16の実施形態に係る表示装置の構成の一例を示す図である。
【
図45】
図45は、第16の実施形態の変形例1に係る表示装置の構成の一例を示す図である。
【
図46】
図46は、第16の実施形態の変形例2に係る表示装置の構成の一例を示す図である。
【
図47】
図47は、第16の実施形態の変形例3に係る表示装置の構成の一例を示す図である。
【
図48】
図48は、実施例5での表示装置における各部の間隔を説明する図である。
【
図49】
図49は、実施例6での表示装置における各部の間隔を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、
図1~
図47を参照しながら、本発明に係る頭部装着型表示装置および表示システムの実施形態を詳細に説明する。また、以下の実施形態によって本発明が限定されるものではなく、以下の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想到できるもの、実質的に同一のもの、およびいわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、以下の実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換、変更および組み合わせを行うことができる。
【0013】
[第1の実施形態]
(表示装置の全体構成)
図1は、第1の実施形態に係る表示装置の全体構成の一例を示す図である。
図1を参照しながら、本実施形態に係る表示装置10の全体構成について説明する。なお、
図1に示す表示装置10は、一般のメガネと類似の形態を有するが、この形態に限定されるものではない。
【0014】
本実施形態に係る表示装置10は、画像表示素子から投射された画像光を、導光部材まで中継する中継光学系および当該導光部材を介して、装着者の眼に入射させる頭部装着型表示装置である。装着者は、眼に導光部材から射出された画像光が入射することによって画像として見ることができる。
【0015】
ここで、「中継光学系」とは、画像表示素子から投射(出射)した画像光を、当該画像表示素子から離間した導光部材まで中継し、当該画像表示素子と導光部材との間の光路で1以上の中間像を形成するための光学系素子群を示すものとする。したがって、中継光学系は、例えば、画像光を単に平行光として導光部材に入射させるためのコリメータとは異なる。また、中間像とは、画像表示素子から投射(出射)した光が導光部材までの光路の途中で結像することにより形成される像であり、当該画像表示素子が投射する画像と同じ画像のことを示す。ただし、中間像として形成される画像は、当該画像表示素子が投射する画像と大きさが異なってもよい。また、中継光学系および中間像の概念は、以降の他の実施形態でも同様とする。
【0016】
図1に示すように、表示装置10は、導光部材100a、100bと、筐体フレーム200a、200bと、表示部300a、300bと、ブリッジ400と、テンプル500a、500bと、を備えている。
【0017】
導光部材100a、100bは、後述する表示部300a、300bの画像表示素子301a、301b(画像表示部)から出射され、筐体フレーム200a、200b内の中継光学系201a、201bによりリレーされた(中継された)画像光を、導光して、人間の眼900a、900bに射出させるライトガイドである。導光部材100aは、装着者の左眼である眼900a用のライトガイドであり、反射部101aと、導光部102aと、取り出し部103aと、射出部104aと、を有する。導光部材100bは、装着者の右眼である眼900b用のライトガイドであり、反射部101bと、導光部102bと、取り出し部103bと、射出部104bと、を有する。
【0018】
なお、以下、導光部材100a、100b、反射部101a、101b、導光部102a、102b、取り出し部103a、103b、および射出部104a、104bのそれぞれについて、いずれか任意の方を示す場合、または総称する場合、それぞれ単に「導光部材100」、「反射部101」、「導光部102」、「取り出し部103」および「射出部104」と称するものとし、以降の他の実施形態でも同様とする。また、筐体フレーム200a、200b、中継光学系201a、201b、表示部300a、300b、画像表示素子301a、301b、および眼900a、900bのそれぞれについて、いずれか任意の方を示す場合、または総称する場合、それぞれ単に「筐体フレーム200」、「中継光学系201」、「表示部300」、「画像表示素子301」および「眼900」と称するものとし、以下の他の実施形態でも同様とする。
【0019】
また、導光部材100は、ハーフミラーを用いるタイプ、ホログラム素子を用いるタイプ、または多段反射等の幾何構造を有するタイプ等のいずれであってもよい。
【0020】
反射部101は、筐体フレーム200の中継光学系201から出射した画像光の光線を導光部102へ反射する部位である。導光部102は、反射部101により反射された画像光を全反射させながら導光する部位である。取り出し部103は、導光部102により導光された画像光を、導光部材100の外側に取り出すために反射させる部位である。射出部104は、取り出し部103により導光部材100の外側に取り出すために反射された画像光を、導光部材100の外部に射出させて、眼900に入射させる部位である。なお、反射部101は、導光部材100内で構成されるものに限定されるものではなく、導光部材100とは別のミラー部材によって構成されるものとしてもよい。
【0021】
筐体フレーム200a、200bは、通常のメガネのテンプルに相当する部分であり、表示部300a、300bの画像表示素子301a、301bから出射した画像光をリレーするための中継光学系201a、201bを格納する部材である。従来の頭部装着型表示装置(ヘッドマウントディスプレイ)は、画像表示素子が装着者の眼の前にある、または、導光部材と一体型になっているのに対し、本実施形態に係る表示装置10は、画像表示素子301a、301bを内蔵する表示部300a、300bと、導光部材100a、100bとが、筐体フレーム200a、200b内の中継光学系201a、201bで介されていることにより、表示部300a、300bと、導光部材100a、100bとが離れて設置されることになる。
【0022】
なお、筐体フレーム200a、200b、および中継光学系201a、201bのそれぞれについて、いずれか任意の方を示す場合、または総称する場合、それぞれ単に「筐体フレーム200」および「中継光学系201」と称するものとし、以降の他の実施形態でも同様とする。
【0023】
中継光学系201は、例えば、4枚1組の凸レンズの組み合わせを有するリレーレンズ群である。中継光学系201は、表示部300の画像表示素子301から出射した画像光が入射され、当該画像光を光路の途中で少なくとも1回、中間像を形成してから、当該画像光をほとんど画像劣化させずに、当該画像光を導光部材100へ出射する。中継光学系201から出射する画像光は、略平行光または略テレセントリック光となっている。例えば、中継光学系201に含まれる4枚1組の凸レンズのうち、前段の2枚の凸レンズと後段の2枚の凸レンズとの間で中間像が形成される。この場合、中継光学系201を構成する凸レンズは、例えば、直径2mm程度のレンズであっても画像光をリレーすることが可能であり、筐体フレーム200は、一般のメガネと同等の細さまたは軽さを有するフレームとすることが可能である。
【0024】
また、中継光学系201を複数のレンズ群とすることの利点の1つとして、コストメリットが挙げられる。複数のレンズの組み合わせであるが、各々のレンズは特殊なものではなく、金型を製作して量産すれば単価を抑えることができる。また、中継光学系201を複数のレンズ群とすることのもう1つの利点として、レンズの直径を比較的自由に設計できることが挙げられる。レンズの直径が大きい方が画像表示素子301の画像光を多く取り込むことができて、光利用効率を向上させることができる。一方で、レンズの直径が大き過ぎると、筐体フレーム200が太くなり、装着者の実視野を塞いでしまうことになる。したがって、光利用効率の確保の観点からレンズは直径2mm以上であることが望ましく、また、装着者の実視野を確保するためには直径8mm以下であることが望ましい。中継光学系201としてこのようなレンズ群を用いることで、直径2mmから8mmの間を容易に設計することができる。
【0025】
表示部300a、300bは、筐体フレーム200a、200bの中継光学系201a、201bへ向けて画像光を出射させる装置である。表示部300aは、筐体内に、画像表示素子301aと、制御基板302aと、を内蔵する。表示部300bは、筐体内に、画像表示素子301bと、制御基板302bと、を内蔵する。
【0026】
なお、制御基板302a、302bについて、いずれか任意の方を示す場合、または総称する場合、単に「制御基板302」と称するものとし、以降の他の実施形態でも同様とする。
【0027】
画像表示素子301は、導光部材100を通じて表示する画像(虚像)の基となる画像光を出射するマイクロディスプレイである。画像表示素子301は、表示装置10を構成する他の部品と比較して、重量を占める部品である。例えば、画素数1280×720を有し、画面サイズが0.5インチ以下のマイクロディスプレイの場合、周辺回路を含めると15mm角程度の大きさとなる。さらに、制御基板を合わせて表示部の筐体としてパッケージングすると1辺が20mm以上の筐体となり、重量も20g以上のものとなる。
【0028】
なお、マイクロディスプレイである画像表示素子301は、例えば、透過型液晶、反射型液晶、有機EL(Electro-Luminescence)、またはMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)型デバイス等のいずれであってもよい。
【0029】
制御基板302は、画像表示素子301の表示動作を制御する回路基板である。
【0030】
ブリッジ400は、左右の導光部材100(100a、100b)をつなぎ、装着者の鼻にかかる部材である。また、
図1に図示はしていないが、ブリッジ400には、装着者の鼻を両脇から挟んで表示装置10を支えるためのパッド(鼻あて)が取り付けられている。
【0031】
テンプル500a、500bは、装着者の耳にかかる部材である。テンプル500a、500bは、表示装置10を支えて、装着者の耳から表示装置10が落下することを防止する。なお、テンプル500a、500bについて、いずれか任意の方を示す場合、または総称する場合、単に「テンプル500」と称するものとし、以降の他の実施形態でも同様とする。
【0032】
なお、
図1に示した表示装置10は、両眼メガネ型であるが、これに限定されるものではなく、片眼用の装置であってもよい。この場合、例えば、ヘルメットまたは帽子等に取り付けたり、または、ゴーグル等にいれて使用してもよい。
【0033】
(表示装置の表示部のハードウェア構成)
図2は、第1の実施形態の表示部のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2を参照しながら、本実施形態に係る表示装置10の表示部300のハードウェア構成について説明する。
【0034】
図2に示すように、本実施形態に係る表示装置10の表示部300は、画像表示素子301と、駆動IC303と、メモリ304と、電源回路305と、バッテリ306と、を備える。なお、画像表示素子301については、
図1で上述した通りである。
【0035】
駆動IC303は、メモリ304に蓄積された画像信号を読み出し、当該画像信号に従って、画像表示素子301を表示駆動させるICである。
【0036】
メモリ304は、例えば、
図2に図示しない受信手段により外部から受信した画像信号(映像信号)を蓄積する記憶装置である。
【0037】
電源回路305は、バッテリ306から入力される電圧を、各装置の駆動に対応する電圧に変換して供給する回路である。電源回路305は、
図2に示すように、画像表示素子301、駆動IC303およびメモリ304それぞれに電源(電圧)を供給する。
【0038】
バッテリ306は、電源回路305に電圧を供給する蓄電池である。
【0039】
上述の
図1に示した制御基板302は、例えば、
図2に示す駆動IC303、メモリ304および電源回路305を搭載するものとすればよいが、これに限定されるものではない。
【0040】
なお、
図2に示した表示部300のハードウェア構成は一例を示すものであり、これに限定されるものではなく、例えば、
図2に示した構成要素以外の構成要素を含むものとしてもよい。
【0041】
(表示装置の表示部の位置について)
図3は、第1の実施形態における眼と、表示部の中継光学系側端面との位置関係を示す図である。
図4は、第1の実施形態の表示部と側頭骨との位置関係を示す図である。
図3および
図4を参照しながら、本実施形態に係る表示装置10を装着した場合の表示部300の位置について説明する。
【0042】
本実施形態に係る表示装置10は、
図1に示すように、一般のメガネと類似の形態としているが、装着者に対して、鼻を挟むブリッジ400のパッド、耳にかかるテンプル500、および、こめかみを締め付ける筐体フレーム200および表示部300によって支持される。同じ重量の装置でも重量バランスが取れていれば、鼻、耳およびこめかみに荷重が分散され、装着時の疲れおよび不快感が緩和されるが、従来の頭部装着型表示装置においては、前方重量が極端に大きく、鼻への荷重が集中しており鼻を痛めるおそれがある。本実施形態に係る表示装置10は、重量を占める表示部300が後方に配置されるため、荷重が分散され、鼻への荷重負荷を軽減することができ、結果として、長時間装着が可能となる。この表示装置10の表示部300の位置の詳細について、以下で説明する。
【0043】
図3に示すように、本実施形態に係る表示装置10では、画像表示素子301から出射される画像光をコリメータ等の光学部材のみを介して導光部材100へ導くのではなく、上述のように、画像表示素子301から出射される画像光をリレーする中継光学系201を介して導光部材100へ導く構成となっている。また、筐体フレーム200が格納する中継光学系201は、画像表示素子301から出射した画像光が入射され、当該画像光を光路の途中で少なくとも1回、中間像を形成してから、当該画像光を導光部材100へ出射するという光学的性質に伴い、必然的に、所定の長さを要する構成となり、その結果、導光部材100と表示部300とが離れて設置されることになる。
【0044】
具体的には、
図3に示すように、導光部材100が装着者に装着された状態において、装着者の両方の眼900の瞳孔901を覆う角膜902の頂点それぞれに接する平面Aよりも、中継光学系201の入射側(画像表示素子301側)、すなわち、表示部300の筐体(表示部筐体)の中継光学系201側の端面である平面Bが装着者に対して後方に位置することになる。このときの平面Aと平面Bとの間隔は、5mm以上であることが望ましく、さらに、10mm以上であることがさらに望ましい。
【0045】
また、
図4に示すように、表示装置10の装着者の頭蓋骨の一部である側頭骨51と、表示部300との位置関係の観点から考えた場合、上述の筐体フレーム200(中継光学系201)の構成により導光部材100と表示部300とが離れて設置されるので、表示部300は、画像表示素子301の中心CPが側頭骨51と重畳した配置となる。これによって、画像表示素子301を固定している表示部300の筐体の側面が側頭部に密着し、表示装置10の荷重が分散して鼻への負担が低減される。また、
図4に示すように、画像表示素子301の中心CPは、少なくとも、導光部材100からテンプル500までの間隔の中心から後方側(テンプル500側)に配置されることにもなる。
【0046】
以上のように、
図3および
図4に示す本実施形態に係る表示装置10では、導光部材100と表示部300とが離れて配置され、平面Bが平面Aよりも後方側に配置されることによって、重量を占める表示部300が後方側に配置されることになり、装着者の実視野が確保(180度以上の視野が確保)され、表示装置10の装着時の圧迫感を軽減することができる。すなわち、装着時の鼻への荷重負荷を軽減し、かつ、装着者の左右の周辺視野を確保することができる。また、平面Aと平面Bとの間隔(または、導光部材100と表示部300との間隔と換言することもできる)が大きいほど、実視野が確保され、表示装置10の装着時の圧迫感が軽減される効果が高くなる。
【0047】
また、本実施形態に係る表示装置10は、画像表示素子301から出射した画像光を導光部材100で導光して装着者の眼に入射させる構成であるため、眼前の画面表示の大きさを向上させることができる。
【0048】
(変形例1)
図5は、第1の実施形態の変形例1に係る表示装置の構成の一例を示す図である。
図6は、第1の実施形態の変形例1における眼と、表示部の中継光学系側端面との位置関係を示す図である。
図5および
図6を参照しながら、本実施形態の変形例1に係る表示装置10aの構成、および、表示装置10aを装着した場合の表示部300の位置について説明する。
【0049】
本変形例に係る表示装置10aは、第1の実施形態に係る表示装置10が有する中継光学系201を格納した筐体フレーム200の代わりに、ホプキンス型リレーレンズ群202を格納した筐体フレーム200を備えている。
【0050】
筐体フレーム200は、通常のメガネのテンプルに相当する部分であり、表示部300の画像表示素子301から出射した画像光をリレーするためのホプキンス型リレーレンズ群202を格納する部材である。本変形例に係る表示装置10aでは、画像表示素子301を内蔵する表示部300と、導光部材100とが、筐体フレーム200のホプキンス型リレーレンズ群202が介されていることにより、表示部300と、導光部材100とが離れて設置されることになる。
【0051】
ホプキンス型リレーレンズ群202は、例えば、
図5に示すように、2つのロッドレンズ(登録商標)251を有するリレーレンズ群であり、画像光をリレーする中継光学系として機能する。ロッドレンズ251は、円柱形状のレンズであり、円柱形状の両端にレンズ部251a、251bが形成されている。そして、2つのロッドレンズ251は、軸方向が光軸と重なるように配置され、同一の光学的性質を有するレンズ部251aが向かい合うように配置されている。
【0052】
ホプキンス型リレーレンズ群202は、表示部300の画像表示素子301から出射した画像光が入射され、当該画像光を光路の途中で少なくとも1回、中間像を形成してから、当該画像光をほとんど画像劣化させずに、当該画像光を導光部材100へ出射する。例えば、ホプキンス型リレーレンズ群202に含まれる2つのロッドレンズ251の間で中間像が形成される。
【0053】
図6に示すように、本変形例に係る表示装置10aでは、画像表示素子301から出射される画像光をコリメータ等の光学部材のみを介して導光部材100へ導くのではなく、上述のように、画像表示素子301から出射される画像光をリレーするホプキンス型リレーレンズ群202を介して導光部材100へ導く構成となっている。また、筐体フレーム200が格納するホプキンス型リレーレンズ群202は、画像表示素子301から出射した画像光が入射され、当該画像光を光路の途中で少なくとも1回、中間像を形成してから、当該画像光を導光部材100へ出射するという光学的性質に伴い、必然的に、所定の長さを要する構成となり、その結果、導光部材100と表示部300とが離れて設置される
ことになる。
【0054】
具体的には、
図6に示すように、導光部材100が装着者に装着された状態において、装着者の両方の眼900の瞳孔901を覆う角膜902の頂点それぞれに接する平面Aよりも、ホプキンス型リレーレンズ群202の入射側(画像表示素子301側)、すなわち、表示部300のホプキンス型リレーレンズ群202側の端面である平面Bが装着者に対して後方に位置することになる。このときの平面Aと平面Bとの間隔は、5mm以上であることが望ましく、さらに、10mm以上であることがさらに望ましい。
【0055】
以上のように、
図6に示す本変形例に係る表示装置10aでは、導光部材100と表示部300とが離れて配置され、平面Bが平面Aよりも後方側に配置されることによって、重量を占める表示部300が後方側に配置されることになり、装着者の実視野が確保(180度以上の視野が確保)され、表示装置10aの装着時の圧迫感を軽減することができる。すなわち、装着時の鼻への荷重負荷を軽減し、かつ、装着者の左右の周辺視野を確保することができる。本変形例に係る表示装置10aは、その他、第1の実施形態に係る表示装置10と同様の効果を奏する。
【0056】
(変形例2)
図7は、第1の実施形態の変形例2に係る表示装置の構成の一例を示す図である。
図8は、第1の実施形態の変形例2における眼と、表示部の中継光学系側端面との位置関係を示す図である。
図7および
図8を参照しながら、本実施形態の変形例2に係る表示装置10bの構成、および、表示装置10bを装着した場合の表示部300の位置について説明する。
【0057】
本変形例に係る表示装置10bは、第1の実施形態に係る表示装置10が有する中継光学系201を格納した筐体フレーム200の代わりに、屈折率分布型レンズ203を格納した筐体フレーム200を備えている。
【0058】
筐体フレーム200は、通常のメガネのテンプルに相当する部分であり、表示部300の画像表示素子301から出射した画像光をリレーするための屈折率分布型レンズ203を格納する部材である。本変形例に係る表示装置10bでは、画像表示素子301を内蔵する表示部300と、導光部材100とが、筐体フレーム200の屈折率分布型レンズ203が介されていることにより、表示部300と、導光部材100とが離れて設置されることになる。
【0059】
屈折率分布型レンズ203は、入射面および出射面が平面でありながら、レンズガラス内の屈折率を連続的に変化させることで、レンズとしての集光機能を有するロッド状のレンズであり、画像光をリレーする中継光学系として機能する。屈折率分布型レンズ203は、ガラス内のイオン交換をすることによって、中心部と周辺部との屈折率差を付けるため製作に時間がかかるが、複数枚のレンズを組み合わせて構成する中継光学系と比較して、上述のように1本のロッド状のレンズで画像光を伝搬することができる。これによって、レンズ同士のアラインメントをとる必要がなく、耐衝撃性が向上する。また、屈折率分布型レンズ203の場合、直径2mm以下の細いロッド状のレンズで画像を伝送することができる。
【0060】
屈折率分布型レンズ203は、表示部300の画像表示素子301から出射した画像光が入射され、当該画像光を光路の途中(屈折率分布型レンズ203の内部)で少なくとも1回、中間像を形成してから、当該画像光をほとんど劣化させずに、当該画像光を導光部材100へ出射する。
【0061】
図8に示すように、本変形例に係る表示装置10bでは、画像表示素子301から出射される画像光をコリメータ等の光学部材のみを介して導光部材100へ導くのではなく、上述のように、画像表示素子301から出射される画像光をリレーする屈折率分布型レンズ203を介して導光部材100へ導く構成となっている。また、筐体フレーム200が格納する屈折率分布型レンズ203は、画像表示素子301から出射した画像光が入射され、当該画像光を光路の途中(屈折率分布型レンズ203の内部)で少なくとも1回、中間像を形成してから、当該画像光を導光部材100へ出射するという光学的性質に伴い、必然的に、所定の長さを要する構成となり、その結果、導光部材100と表示部300とが離れて設置されることになる。
【0062】
具体的には、
図8に示すように、導光部材100が装着者に装着された状態において、装着者の両方の眼900の瞳孔901を覆う角膜902の頂点それぞれに接する平面Aよりも、屈折率分布型レンズ203の入射側(画像表示素子301側)、すなわち、表示部300の屈折率分布型レンズ203側の端面である平面Bが装着者に対して後方に位置することになる。このときの平面Aと平面Bとの間隔は、5mm以上であることが望ましく、さらに、10mm以上であることがさらに望ましい。
【0063】
以上のように、
図8に示す本変形例に係る表示装置10bでは、導光部材100と表示部300とが離れて配置され、平面Bが平面Aよりも後方側に配置されることによって、重量を占める表示部300が後方側に配置されることになり、装着者の実視野が確保(180度以上の視野が確保)され、表示装置10bの装着時の圧迫感を軽減することができる。すなわち、装着時の鼻への荷重負荷を軽減し、かつ、装着者の左右の周辺視野を確保することができる。本変形例に係る表示装置10bは、その他、第1の実施形態に係る表示装置10と同様の効果を奏する。
【0064】
(変形例3)
図9は、第1の実施形態の変形例3に係る表示装置の構成の一例を示す図である。
図10は、第1の実施形態の変形例3における眼と、表示部の中継光学系側端面との位置関係を示す図である。
図9および
図10を参照しながら、本実施形態の変形例3に係る表示装置10cの構成、および、表示装置10cを装着した場合の表示部300の位置について説明する。
【0065】
本変形例に係る表示装置10cは、第1の実施形態に係る表示装置10が有する中継光学系201を格納した筐体フレーム200の代わりに、イメージガイドファイバ204を格納した筐体フレーム200を備えている。
【0066】
筐体フレーム200は、通常のメガネのテンプルに相当する部分であり、表示部300の画像表示素子301から出射した画像光をリレーするためのイメージガイドファイバ204を格納する部材である。本変形例に係る表示装置10cでは、画像表示素子301を内蔵する表示部300と、導光部材100とが、筐体フレーム200のイメージガイドファイバ204が介されていることにより、表示部300と、導光部材100とが離れて設置されることになる。
【0067】
イメージガイドファイバ204は、直径が数μmのコア層とクラッド層とからなる光ファイバを規則正しく束ねた構造を有する光学系であり、光ファイバ1本で画像表示素子301の1画素の画像光を伝送するため、画像光をリレーする中継光学系として機能する。光ファイバの数が10万本を超えるイメージガイドファイバも存在しており、主として医療用内視鏡に用いられている。イメージガイドファイバ204は、ガラス製またはプラスチック製のいずれで作製されるものとしてもよいが、特に、プラスチック製のものは屈曲性に優れている。また、イメージガイドファイバ204は、含有する光ファイバの数が多すぎると太くて重くなり、コストも増大するので、光ファイバの本数は、1万本以上10万本以下であることが望ましい。
【0068】
イメージガイドファイバ204は、表示部300の画像表示素子301から出射した画像光が入射され、当該画像光に係る画像全体について光路の途中で中間像が形成されることはないが、当該画像光をほとんど劣化させずに、当該画像光を導光部材100へ出射する。
【0069】
図10に示すように、本変形例に係る表示装置10cでは、画像表示素子301から出射される画像光をコリメータ等の光学部材のみを介して導光部材100へ導くのではなく、上述のように、画像表示素子301から出射される画像光をリレーするイメージガイドファイバ204を介して導光部材100へ導く構成となっている。また、筐体フレーム200が格納するイメージガイドファイバ204は、画像表示素子301から出射した画像光が入射されてから、当該画像光を導光部材100へ出射するまで、上述のように、離れた2地点間の画像伝送路として機能する光学的性質に伴い、必然的に、所定の長さを要する構成となり、その結果、導光部材100と表示部300とが離れて設置されることになる。
【0070】
具体的には、
図10に示すように、導光部材100が装着者に装着された状態において、装着者の両方の眼900の瞳孔901を覆う角膜902の頂点それぞれに接する平面Aよりも、イメージガイドファイバ204の入射側(画像表示素子301側)、すなわち、表示部300のイメージガイドファイバ204側の端面である平面Bが装着者に対して後方に位置することになる。このときの平面Aと平面Bとの間隔は、5mm以上であることが望ましく、さらに、10mm以上であることがさらに望ましい。
【0071】
以上のように、
図10に示す本変形例に係る表示装置10cでは、導光部材100と表示部300とが離れて配置され、平面Bが平面Aよりも後方側に配置されることによって、重量を占める表示部300が後方側に配置されることになり、装着者の実視野が確保(180度以上の視野が確保)され、表示装置10cの装着時の圧迫感を軽減することができる。すなわち、装着時の鼻への荷重負荷を軽減し、かつ、装着者の左右の周辺視野を確保することができる。本変形例に係る表示装置10cは、その他、第1の実施形態に係る表示装置10と同様の効果を奏する。
【0072】
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係る表示装置について、第1の実施形態に係る表示装置10と相違する点を中心に説明する。本実施形態では、画像表示素子301と、筐体フレーム200の中継光学系との間に集光レンズを配置した構成について説明する。
【0073】
(表示装置の構成)
図11は、第2の実施形態に係る表示装置の構成の一例を示す図である。
図11を参照しながら、本実施形態に係る表示装置10dの構成について説明する。
【0074】
図11に示すように、本実施形態に係る表示装置10dは、導光部材100と、筐体フレーム200と、集光レンズ211(集光光学系)と、表示部300と、テンプル500と、を備えている。なお、
図11では図示していないが、表示装置10dは、第1の実施形態に係る表示装置10と同様に、ブリッジ400も備えている。
【0075】
筐体フレーム200は、通常のメガネのテンプルに相当する部分であり、表示部300の画像表示素子301から出射した画像光をリレーするためのホプキンス型リレーレンズ群202を格納する部材である。本実施形態に係る表示装置10dでは、画像表示素子301を内蔵する表示部300と、導光部材100とが、筐体フレーム200のホプキンス型リレーレンズ群202が介されていることにより、表示部300と、導光部材100とが離れて設置されることになる。なお、
図11では、筐体フレーム200にホプキンス型リレーレンズ群202が格納された例を示しているが、これに限定されるものではなく、筐体フレーム200に、中継光学系201、屈折率分布型レンズ203またはイメージガイドファイバ204が格納された構成であってもよい。
【0076】
集光レンズ211は、画像表示素子301とホプキンス型リレーレンズ群202との間に配置され、画像表示素子301から出射した画像光を集光し、平行光またはテレセントリック光として、ホプキンス型リレーレンズ群202に入射させるレンズ群である。集光レンズ211は、例えば、凹レンズ、凸レンズ、アクロマティックレンズおよびメニスカスレンズのうち少なくとも2枚以上の組み合わせ、または屈折率分布型レンズによって構成され、素材はガラスまたはプラスチックのいずれでもよい。
【0077】
また、筐体フレーム200に格納された中継光学系が、
図11に示すように、ホプキンス型リレーレンズ群202である場合、集光レンズ211は、例えば、数枚のレンズからなる一群の集光レンズで構成され、ホプキンス型リレーレンズ群202へ入射する手前で一旦中間像を形成し、出射側で平行光またはテレセントリック光を出射するものとすればよい。また、筐体フレーム200に格納された中継光学系が、屈折率分布型レンズ203である場合、集光レンズ211は、例えば、別の屈折率分布型ロッドレンズと組み合わせて、屈折率分布型レンズ203へ入射する手前で一旦中間像を形成し、出射側で平行光またはテレセントリック光を出射するものとすればよい。また、筐体フレーム200に格納された中継光学系が、イメージガイドファイバ204である場合、集光レンズ211は、例えば、屈折率分布型ロッドレンズと組み合わせて、イメージガイドファイバ204へ入射する手前で一旦中間像を形成し、出射側で平行光またはテレセントリック光を出射するものとすればよい。
【0078】
なお、表示装置10dにおいて、その他の構成は、第1の実施形態に係る表示装置10と同様である。
【0079】
以上のように、
図11に示す本実施形態に係る表示装置10dでは、ホプキンス型リレーレンズ群202(中継光学系)と画像表示素子301との間に集光レンズ211を配置させることによって、画像光を効率的に取り込むことができ、光利用効率を向上させ、消費電力を低減させることができる。本実施形態に係る表示装置10dは、その他、第1の実施形態に係る表示装置10と同様の効果を奏する。
【0080】
[第3の実施形態]
第3の実施形態に係る表示装置について、第2の実施形態に係る表示装置10dと相違する点を中心に説明する。本実施形態では、中継光学系と導光部材100との間にコリメートレンズを配置した構成について説明する。
【0081】
(表示装置の構成)
図12は、第3の実施形態に係る表示装置の構成の一例を示す図である。
図12を参照しながら、本実施形態に係る表示装置10eの構成について説明する。
【0082】
図12に示すように、本実施形態に係る表示装置10eは、導光部材100と、筐体フレーム200と、集光レンズ211と、コリメートレンズ212(コリメート光学系)と、表示部300と、テンプル500と、を備えている。なお、
図12では図示していないが、表示装置10eは、第1の実施形態に係る表示装置10と同様に、ブリッジ400も備えている。
【0083】
筐体フレーム200は、通常のメガネのテンプルに相当する部分であり、表示部300の画像表示素子301から出射した画像光をリレーするためのホプキンス型リレーレンズ群202を格納する部材である。本実施形態に係る表示装置10eでは、画像表示素子301を内蔵する表示部300と、導光部材100とが、筐体フレーム200のホプキンス型リレーレンズ群202が介されていることにより、表示部300と、導光部材100とが離れて設置されることになる。なお、
図12では、筐体フレーム200にホプキンス型リレーレンズ群202が格納された例を示しているが、これに限定されるものではなく、筐体フレーム200に、中継光学系201、屈折率分布型レンズ203またはイメージガイドファイバ204が格納された構成であってもよい。
【0084】
コリメートレンズ212は、ホプキンス型リレーレンズ群202と導光部材100との間に配置され、ホプキンス型リレーレンズ群202から出射した画像光を、平行光またはテレセントリック光として、導光部材100に入射させるレンズ群である。ホプキンス型リレーレンズ群202から出射される画像光も、少なくとも略平行光または略テレセントリック光の状態であるが、コリメートレンズ212は、略平行光または略テレセントリック光の状態の画像光の向きを調整して、最適または好適な角度で画像光を導光部材100に入射させる機能を有する。なお、コリメートレンズ212は、例えば、単独のアクロマティックレンズ、または、凸レンズと凹レンズとアクロマティックレンズとの組み合わせによる光学系(コリメート光学系)によって構成されるものとすればよく、素材はガラスまたはプラスチックのいずれでもよい。
【0085】
なお、表示装置10eにおいて、その他の構成は、第2の実施形態に係る表示装置10dと同様である。
【0086】
以上のように、
図12に示す本実施形態に係る表示装置10eでは、ホプキンス型リレーレンズ群202(中継光学系)と導光部材100との間にコリメートレンズ212を配置させることによって、中継光学系から出射した画像光を平行光またはテレセントリック光にし、導光部材100内での拡散を抑え、画質の向上に寄与する。本実施形態に係る表示装置10eは、その他、第2の実施形態に係る表示装置10dと同様の効果を奏する。
【0087】
[第4の実施形態]
第4の実施形態に係る表示装置について、第1の実施形態に係る表示装置10と相違する点を中心に説明する。本実施形態では、中継光学系として屈曲可能なイメージガイドファイバを用い、表示部300を装着者の後頭部側に配置させる構成について説明する。
【0088】
(表示装置の全体構成)
図13は、第4の実施形態に係る表示装置の全体構成の一例、および、表示部と後頭骨との位置関係を示す図である。
図13を参照しながら、本実施形態に係る表示装置10fの全体構成について説明する。
【0089】
図13に示すように、本実施形態に係る表示装置10fは、導光部材100a、100bと、筐体フレーム200a、200bと、集光レンズ211a、211bと、コリメートレンズ212a、212bと、表示部300a、300bと、ブリッジ400と、を備えている。
【0090】
筐体フレーム200a、200bは、通常のメガネのテンプルに相当する部分であり、表示部300a、300bの画像表示素子301a、301bから出射した画像光をリレーするためのイメージガイドファイバ204a、204bを格納する部材である。また、筐体フレーム200a、200bは、
図13に示すように、装着者の後頭部に配置された表示部300a、300bまで屈曲かつ延設されており、装着者の耳にかかるテンプルとしての役割も担う。本実施形態に係る表示装置10fでは、画像表示素子301a、301bを内蔵する表示部300a、300bと、導光部材100a、100bとが、筐体フレーム200a、200bのイメージガイドファイバ204a、204bが介され、かつ、表示部300a、300bが装着者の後頭部に配置されていることにより、表示部300a、300bと、導光部材100a、100bとが離れて設置されることになる。
【0091】
なお、イメージガイドファイバ204a、204bのそれぞれについて、いずれか任意の方を示す場合、または総称する場合、それぞれ単に「イメージガイドファイバ204」と称するものとし、以降の他の実施形態でも同様とする。
【0092】
イメージガイドファイバ204は、その屈曲性に基づいて、筐体フレーム200の形状に沿って、装着者の後頭部に配置された表示部300まで屈曲かつ延設されている。イメージガイドファイバ204は、表示部300の画像表示素子301から出射した画像光が入射され、当該画像光に係る画像全体について光路の途中で中間像が形成されることはないが、当該画像光をほとんど劣化させずに、当該画像光を導光部材100へ出射する。
【0093】
集光レンズ211a、211bは、それぞれ、画像表示素子301a、301bとイメージガイドファイバ204a、204bとの間に配置され、画像表示素子301a、301bから出射した画像光を集光し、平行光またはテレセントリック光として、イメージガイドファイバ204a、204bに入射させるレンズ群である。集光レンズ211a、211bは、例えば、屈折率分布型ロッドレンズと組み合わせて、イメージガイドファイバ204a、204bへ入射する手前で一旦中間像を形成し、出射側で平行光またはテレセントリック光を出射するものとすればよい。なお、集光レンズ211a、211bのそれぞれについて、いずれか任意の方を示す場合、または総称する場合、それぞれ単に「集光レンズ211」と称するものとし、以降の他の実施形態でも同様とする。
【0094】
コリメートレンズ212a、212bは、それぞれ、イメージガイドファイバ204a、204bと導光部材100a、100bとの間に配置され、イメージガイドファイバ204a、204bから出射した画像光を、平行光またはテレセントリック光として、導光部材100a、100bに入射させるレンズ群である。イメージガイドファイバ204a、204bから出射される画像光も、少なくとも略平行光または略テレセントリック光の状態であるが、コリメートレンズ212a、212bは、略平行光または略テレセントリック光の状態の画像光の向きを調整して、最適または好適な角度で画像光を導光部材100a、100bに入射させる機能を有する。なお、コリメートレンズ212a、212bのそれぞれについて、いずれか任意の方を示す場合、または総称する場合、それぞれ単に「コリメートレンズ212」と称するものとし、以降の他の実施形態でも同様とする。
【0095】
表示部300a、300bは、筐体フレーム200a、200bのイメージガイドファイバ204a、204bへ向けて画像光を出射させる装置であり、
図13に示すように、画像表示素子301a、301bを内蔵している。また、
図13に示すように、表示部300a、300bは、装着者の後頭部(具体的には、後頭骨52)の位置に配置されており、上述したように、イメージガイドファイバ204a、204bを格納した筐体フレーム200a、200bは、表示部300a、300bまで屈曲かつ延設されている。すなわち、表示部300a、300bのそれぞれの中心CPa、CPbが後頭骨52と重畳した位置となる。これによって、画像表示素子301a、301bを固定している表示部300a、300bの筐体の側面が後頭部に密着し、表示装置10fの荷重が分散して鼻への負担が低減される。
【0096】
なお、表示装置10fにおいて、その他の構成は、第1の実施形態に係る表示装置10と同様である。
【0097】
以上のように、
図13に示す本実施形態に係る表示装置10fでは、導光部材100と表示部300とが離れて設置され、重量を占める表示部300が装着者の後頭部に配置されることにより、装着者の実視野が確保(180度以上の視野が確保)され、表示装置10fの装着時の圧迫感を軽減することができる。すなわち、装着時の鼻への荷重負荷を軽減し、かつ、装着者の左右の周辺視野を確保することができる。
【0098】
なお、
図13で上述したように、表示部300を装着者の後頭部に配置させるためには、中継光学系を屈曲させる必要があるので、当該中継光学系としては、イメージガイドファイバ204を用いることが望ましい。ただし、屈曲させた構造をとることが可能であれば、上述の中継光学系201、ホプキンス型リレーレンズ群202または屈折率分布型レンズ203を、イメージガイドファイバ204の代わりに用いるものとしてもよい。
【0099】
また、
図13に示す表示装置10fは、集光レンズ211およびコリメートレンズ212を備えるものとしたが、これに限定されるものではなく、集光レンズ211およびコリメートレンズ212のうち少なくともいずれかを備えない構成であってもよい。
【0100】
また、
図13では、表示部300を後頭部に配置した例を示しているが、これに限定されるものではなく、例えば、イメージガイドファイバ204の屈曲性を利用して、表示部300を装着者の胸の位置まで延設させ、当該表示部300を胸ポケットに入れるなどの構成も可能である。このように、中継光学系としてイメージガイドファイバ204を用いることにより、筐体フレーム200を含む表示装置10fのデザイン性を向上させることができる。
【0101】
[第5の実施形態]
第5の実施形態に係る表示装置について、第3の実施形態に係る表示装置10dと相違する点を中心に説明する。本実施形態では、ミラー等の光学系を用いて画像光を屈曲させて表示部300の筐体を小型化させる構成について説明する。
【0102】
(表示装置の構成)
図14は、第5の実施形態に係る表示装置の構成の一例を示す図である。
図14を参照しながら、本実施形態に係る表示装置10gの構成について説明する。
【0103】
図14に示すように、本実施形態に係る表示装置10gは、導光部材100と、筐体フレーム200と、集光レンズ211と、コリメートレンズ212と、表示部300gと、テンプル500と、を備えている。なお、
図14では図示していないが、表示装置10gは、第1の実施形態に係る表示装置10と同様に、ブリッジ400も備えている。
【0104】
表示部300gは、筐体フレーム200のホプキンス型リレーレンズ群202へ向けて画像光を出射させる装置である。表示部300gは、筐体内に、画像表示素子311(画像表示部)と、制御基板302と、ミラー312(光学部材の一例)と、を内蔵する。
【0105】
画像表示素子311は、導光部材100を通じて表示する画像(虚像)の基となる画像光を出射するマイクロディスプレイである。画像表示素子311は、表示装置10gを構成する他の部品と比較して、重量を占める部品である。
【0106】
制御基板302は、画像表示素子311の表示動作を制御する回路基板である。
【0107】
ミラー312は、画像表示素子311から出射した画像光を90度屈曲させてホプキンス型リレーレンズ群202(直接的には、
図14に示す集光レンズ211)に入射させる光学部材である。なお、画像表示素子311から出射した画像光を90度屈曲させる光学系は、ミラー312に限定されるものではなく、例えば、プリズム等(光学部材の一例)であってもよい。
【0108】
なお、表示装置10gにおいて、その他の構成は、第3の実施形態に係る表示装置10dと同様である。
【0109】
以上のように、画像表示素子311と集光レンズ211との間にミラー312を配置して画像光を90度屈曲させることによって、中継光学系(
図14の例では、ホプキンス型リレーレンズ群202)の光軸と、画像表示素子311の表面とが平行になるように配置している。画像表示素子311は面積が大きいため、画像光の出射方向と中継光学系の光軸方向とを平行にすると、装着者の頭と干渉しないように表示部の幅を大きくする必要がある。しかし、上述のように、本実施形態の表示部300gでは、中継光学系(
図14の例では、ホプキンス型リレーレンズ群202)の光軸と、画像表示素子311の表面とが平行になるように配置することができるので、表示部300gの筐体を小さくすることができる。これにより、表示装置10g全体が軽量となるので、装着時の鼻への荷重負荷を軽減することができる。
【0110】
また、
図14に示すように、さらに、画像表示素子311の表面と、制御基板302の板面とを平行に配置させることによって、さらに、表示部300gの筐体を小さくすることができる。本実施形態に係る表示装置10gは、その他、第3の実施形態に係る表示装置10dと同様の効果を奏する。
【0111】
また、
図14に示す表示装置10gは、集光レンズ211およびコリメートレンズ212を備えるものとしたが、これに限定されるものではなく、集光レンズ211およびコリメートレンズ212のうち少なくともいずれかを備えない構成であってもよい。
【0112】
(変形例1)
図15は、第5の実施形態の変形例1に係る表示装置の構成の一例を示す図である。
図15を参照しながら、本実施形態の変形例1に係る表示装置10hの構成について説明する。
【0113】
図15に示すように、本変形例に係る表示装置10hは、導光部材100と、筐体フレーム200と、集光レンズ211と、コリメートレンズ212と、表示部300hと、テンプル500と、を備えている。なお、
図15では図示していないが、表示装置10hは、第1の実施形態に係る表示装置10と同様に、ブリッジ400も備えている。本変形例の筐体フレーム200は、第5の実施形態に係る表示装置10gの筐体フレーム200が格納するホプキンス型リレーレンズ群202の代わりに、屈折率分布型レンズ203を格納している。
【0114】
表示部300hは、筐体フレーム200の屈折率分布型レンズ203へ向けて画像光を出射させる装置である。表示部300hは、筐体内に、画像表示素子311と、制御基板302と、ミラー312と、を内蔵する。表示部300hの各部品の動作は、上述の第5の実施形態で説明した通りである。
【0115】
以上のように、中継光学系としてホプキンス型リレーレンズ群202の代わりに屈折率分布型レンズ203を用いた本変形例に係る表示装置10hにおいても、上述の第5の実施形態に係る表示装置10gが奏する効果と同様の効果を奏する。
【0116】
(変形例2)
図16は、第5の実施形態の変形例2に係る表示装置の構成の一例を示す図である。
図16を参照しながら、本実施形態の変形例2に係る表示装置10iの構成について説明する。
【0117】
図16に示すように、本変形例に係る表示装置10iは、導光部材100と、筐体フレーム200と、集光レンズ211と、コリメートレンズ212と、表示部300iと、テンプル500と、を備えている。なお、
図16では図示していないが、表示装置10iは、第1の実施形態に係る表示装置10と同様に、ブリッジ400も備えている。本変形例の筐体フレーム200は、第5の実施形態に係る表示装置10gの筐体フレーム200が格納するホプキンス型リレーレンズ群202の代わりに、イメージガイドファイバ204を格納している。
【0118】
表示部300iは、筐体フレーム200のイメージガイドファイバ204へ向けて画像光を出射させる装置である。表示部300iは、筐体内に、画像表示素子311と、制御基板302と、ミラー312と、を内蔵する。表示部300iの各部品の動作は、上述の第5の実施形態で説明した通りである。
【0119】
以上のように、中継光学系としてホプキンス型リレーレンズ群202の代わりにイメージガイドファイバ204を用いた本変形例に係る表示装置10iにおいても、上述の第5の実施形態に係る表示装置10gが奏する効果と同様の効果を奏する。
【0120】
[第6の実施形態]
第6の実施形態に係る表示装置について、第1の実施形態に係る表示装置10と相違する点を中心に説明する。本実施形態では、筐体フレーム200に格納される中継光学系により中継される画像光が中間像を形成する当該中継光学系の構成の例を説明する。
【0121】
(表示装置の要部構成)
図17は、第6の実施形態に係る表示装置の要部の構成の一例を示す図である。
図17を参照しながら、本実施形態に係る表示装置10_1の要部の構成について説明する。なお、
図17は、表示装置10_1の要部の構成を簡潔に示すものであり、中継光学系を格納する筐体フレーム200、および、画像表示素子301を内蔵する表示部300の図示を省略している。
【0122】
図17に示すように、本実施形態に係る表示装置10_1は、導光部材100と、中継光学系である凸レンズ252a、252bと、コリメートレンズ213と、画像表示素子301と、を含む。
【0123】
凸レンズ252a、252bは、上述のように、図示しない筐体フレーム200に格納され、画像表示素子301から出射した画像光をリレーする中継光学系である。本実施形態に係る表示装置10_1では、画像表示素子301を内蔵する表示部300(
図17では図示せず)と、導光部材100とが、中継光学系である凸レンズ252a、252bが介されていることにより、表示部300と、導光部材100とが離れて設置されることになる。
【0124】
また、凸レンズ252a、252bは、
図17に示すように、画像表示素子301から出射した画像光を入射し、当該画像光は、凸レンズ252bから出射したところで結像して中間像700を形成してから、後段のコリメートレンズ213へ入射する。このように、中間像700を形成する中継光学系の光学的性質に伴い、必然的に、表示部300と導光部材100との距離は所定の長さを要する構成となり、その結果、導光部材100と表示部300とのが離れて設置されることなる。また、上述のように、中継光学系の光路で中間像700が形成されることによって、画像についてほとんど画像劣化(収差等)をさせずに、画像光を導光部材100の方向へ出射することができる。
【0125】
コリメートレンズ213は、中継光学系(凸レンズ252a、252b)と導光部材100との間に配置され、中継光学系から出射した画像光を、平行光またはテレセントリック光として、導光部材100に入射させるレンズ群である。ここで、「平行光」とは、完全な平行光のみに限らず、一定程度の平行性を有する光であって平行とみなせる光をも含む意味であるものとし、これを「略平行光」と称する場合もあるものとする。また、「テレセントリック光」とは、完全なテレセントリック光のみに限らず、一定程度のテレセントリック性を有する光であってテレセントリックな光とみなせる光をも含む意味であるものとし、これを「略テレセントリック光」と称する場合もあるものとする。また、コリメートレンズ212は、略平行光または略テレセントリック光とした画像光の向きを調整して、最適または好適な角度で画像光を導光部材100に入射させる機能を有する。また、コリメートレンズ213は、中間像のアスペクト比を変えずに画像を大きくする機能を有する。これにより、コリメートレンズ213は、大きな画角の画像光を導光部材100に入射させることができ、その結果、導光部材100から視野角の広い画像を表示させることができる。なお、コリメートレンズ213は、例えば、単独のアクロマティックレンズ、または、凸レンズと凹レンズとアクロマティックレンズとの組み合わせによる光学系(コリメート光学系)によって構成されるものとすればよく、素材はガラスまたはプラスチックのいずれでもよい。
【0126】
なお、表示装置10_1において、その他の構成は、第1の実施形態に係る表示装置10と同様である。
【0127】
以上のように、
図17に示す本実施形態に係る表示装置10_1では、中継光学系(凸レンズ252a、252b)により、画像表示素子301(表示部300)と導光部材100との間の光路上で中間像700を形成させるものとしている。これによって、中間像700を形成する中継光学系の光学的性質に伴い、必然的に、表示部300と導光部材100との距離は所定の長さを要する構成となり、第1の実施形態で上述したように、重量を占める画像表示素子301を内蔵している表示部300が後方側へ配置されることになり、装着者の実視野が確保され、表示装置10_1の装着時の圧迫感(鼻への荷重負荷等)を軽減することができる。
【0128】
また、中継光学系と導光部材100との間にコリメートレンズ213を配置させることによって、中継光学系から出射した画像光を平行光またはテレセントリック光にし、導光部材100内での拡散を抑え、画質の向上に寄与する。本実施形態に係る表示装置10_1は、その他、第1の実施形態に係る表示装置10と同様の効果を奏する。
【0129】
(変形例1)
図18は、第6の実施形態の変形例1に係る表示装置の要部の構成の一例を示す図である。
図18を参照しながら、本実施形態の変形例1に係る表示装置10_2の構成について説明する。なお、
図18は、表示装置10_2の要部の構成を簡潔に示すものであり、中継光学系を格納する筐体フレーム200、および、画像表示素子301を内蔵する表示部300の図示を省略している。
【0130】
図18に示すように、本変形例に係る表示装置10_2は、導光部材100と、中継光学系である凸レンズ253a~253dと、コリメートレンズ213と、画像表示素子301と、を含む。本変形例に係る表示装置10_2は、第6の実施形態に係る表示装置10_1が有する中継光学系である凸レンズ252a、252bの代わりに、凸レンズ253a~253dを有する。
【0131】
凸レンズ253a~253dは、上述のように、図示しない筐体フレーム200に格納され、画像表示素子301から出射した画像光をリレーする中継光学系である。本変形例に係る表示装置10_2では、画像表示素子301を内蔵する表示部300(
図18では図示せず)と、導光部材100とが、中継光学系である凸レンズ253a~253dが介されていることにより、表示部300と、導光部材100とが離れて設置されることになる。
【0132】
また、凸レンズ253a~253dは、
図18に示すように、画像表示素子301から出射した画像光を入射し、当該画像光は、凸レンズ253bから出射したところで結像して中間像701aを形成した後、凸レンズ253cへ入射する。さらに、当該画像光は、凸レンズ253dを出射したところで再び結像して中間像701bを形成してから、後段のコリメートレンズ213へ入射する。このように、中間像701a、701bを形成する中継光学系の光学的性質に伴い、必然的に、表示部300と導光部材100との距離は所定の長さを要する構成となり、その結果、導光部材100と表示部300とのが離れて設置されることなる。また、上述のように、中継光学系の光路で中間像701a、701bが形成されることによって、画像についてほとんど画像劣化(収差等)をさせずに、画像光を導光部材100の方向へ出射することができる。
【0133】
以上のように、中継光学系として凸レンズ252a、252bの代わりに、凸レンズ253a~253dを用いた本変形例に係る表示装置10_2においても、上述の第6の実施形態に係る表示装置10_1が奏する効果と同様の効果を奏する。
【0134】
(変形例2)
図19は、第6の実施形態の変形例2に係る表示装置の要部の構成の一例を示す図である。
図19を参照しながら、本実施形態の変形例2に係る表示装置10_3の構成について説明する。なお、
図19は、表示装置10_3の要部の構成を簡潔に示すものであり、中継光学系を格納する筐体フレーム200、および、画像表示素子301を内蔵する表示部300の図示を省略している。
【0135】
図19に示すように、本変形例に係る表示装置10_3は、導光部材100と、中継光学系であるコリメートレンズ254および集光レンズ255と、コリメートレンズ213と、画像表示素子301と、を含む。本変形例に係る表示装置10_3は、第6の実施形態に係る表示装置10_1が有する中継光学系である凸レンズ252a、252bの代わりに、コリメートレンズ254および集光レンズ255を有する。
【0136】
コリメートレンズ254および集光レンズ255は、上述のように、図示しない筐体フレーム200に格納され、画像表示素子301から出射した画像光をリレーする中継光学系である。コリメートレンズ254は、画像表示素子301から出射した画像光を平行光またはテレセントリック光として出射する。集光レンズ255は、コリメートレンズ254により平行光またはテレセントリック光とされた画像光を集光することにより結像させて中間像702を形成する。
【0137】
このように、本変形例に係る表示装置10_3では、画像表示素子301を内蔵する表示部300(
図19では図示せず)と、導光部材100とが、中継光学系であるコリメートレンズ254および集光レンズ255が介されていることにより、表示部300と、導光部材100とが離れて設置されることになる。
【0138】
また、中継光学系のうちコリメートレンズ254は、
図19に示すように、画像表示素子301から出射した画像光を入射し、当該画像光は、集光レンズ255から出射したところで結像して中間像702を形成した後、コリメートレンズ213へ入射する。このように、中間像702を形成する中継光学系の光学的性質に伴い、必然的に、表示部300と導光部材100との距離は所定の長さを要する構成となり、その結果、導光部材100と表示部300とのが離れて設置されることなる。また、上述のように、中継光学系の光路で中間像702が形成されることによって、画像についてほとんど画像劣化(収差等)をさせずに、画像光を導光部材100の方向へ出射することができる。
【0139】
以上のように、中継光学系として凸レンズ252a、252bの代わりに、コリメートレンズ254および集光レンズ255を用いた本変形例に係る表示装置10_3においても、上述の第6の実施形態に係る表示装置10_1が奏する効果と同様の効果を奏する。
【0140】
(変形例3)
図20は、第6の実施形態の変形例3に係る表示装置の要部の構成の一例を示す図である。
図20を参照しながら、本実施形態の変形例3に係る表示装置10_4の構成について説明する。なお、
図20は、表示装置10_4の要部の構成を簡潔に示すものであり、中継光学系を格納する筐体フレーム200、および、画像表示素子301を内蔵する表示部300の図示を省略している。
【0141】
図20に示すように、本変形例に係る表示装置10_4は、導光部材100と、中継光学系であるトリプレットアクロマートレンズ256および集光レンズ257と、コリメートレンズ213と、画像表示素子301と、を含む。本変形例に係る表示装置10_4は、第6の実施形態に係る表示装置10_1が有する中継光学系である凸レンズ252a、252bの代わりに、トリプレットアクロマートレンズ256および集光レンズ257を有する。
【0142】
トリプレットアクロマートレンズ256および集光レンズ257は、上述のように、図示しない筐体フレーム200に格納され、画像表示素子301から出射した画像光をリレーする中継光学系である。トリプレットアクロマートレンズ256は、画像表示素子301から出射した画像光を平行光またはテレセントリック光として出射する。集光レンズ257は、トリプレットアクロマートレンズ256により平行光またはテレセントリック光とされた画像光を集光することにより結像させて中間像703を形成する。
【0143】
このように、本変形例に係る表示装置10_4では、画像表示素子301を内蔵する表示部300(
図20では図示せず)と、導光部材100とが、中継光学系であるトリプレットアクロマートレンズ256および集光レンズ257が介されていることにより、表示部300と、導光部材100とが離れて設置されることになる。
【0144】
また、中継光学系のうちトリプレットアクロマートレンズ256は、
図20に示すように、画像表示素子301から出射した画像光を入射し、当該画像光は、集光レンズ257から出射したところで結像して中間像703を形成した後、コリメートレンズ213へ入射する。このように、中間像703を形成する中継光学系の光学的性質に伴い、必然的に、表示部300と導光部材100との距離は所定の長さを要する構成となり、その結果、導光部材100と表示部300とのが離れて設置されることなる。また、上述のように、中継光学系の光路で中間像703が形成されることによって、画像についてほとんど画像劣化(収差等)をさせずに、画像光を導光部材100の方向へ出射することができる。
【0145】
以上のように、中継光学系として凸レンズ252a、252bの代わりに、トリプレットアクロマートレンズ256および集光レンズ257を用いた本変形例に係る表示装置10_4においても、上述の第6の実施形態に係る表示装置10_1が奏する効果と同様の効果を奏する。
【0146】
(変形例4)
図21は、第6の実施形態の変形例4に係る表示装置の要部の構成の一例を示す図である。
図21を参照しながら、本実施形態の変形例4に係る表示装置10_5の構成について説明する。なお、
図21は、表示装置10_5の要部の構成を簡潔に示すものであり、中継光学系を格納する筐体フレーム200、および、画像表示素子301を内蔵する表示部300の図示を省略している。
【0147】
図21に示すように、本変形例に係る表示装置10_5は、導光部材100と、中継光学系である屈折率分布型レンズ258と、コリメートレンズ213と、画像表示素子301と、を含む。本変形例に係る表示装置10_5は、第6の実施形態に係る表示装置10_1が有する中継光学系である凸レンズ252a、252bの代わりに、屈折率分布型レンズ258を有する。
【0148】
屈折率分布型レンズ258は、上述のように、図示しない筐体フレーム200に格納され、画像表示素子301から出射した画像光をリレーする中継光学系である。屈折率分布型レンズ258は、入射面および出射面が平面でありながら、レンズガラス内の屈折率を連続的に変化させることで、レンズとしての集光機能を有するロッド状のレンズである屈折率分布型レンズ258は、画像表示素子301から出射した画像光を入射して、上述の屈折効果により、出射した光を結像させ中間像704を形成する。
【0149】
このように、本変形例に係る表示装置10_5では、画像表示素子301を内蔵する表示部300(
図21では図示せず)と、導光部材100とが、中継光学系である屈折率分布型レンズ258が介されていることにより、表示部300と、導光部材100とが離れて設置されることになる。
【0150】
また、中継光学系である屈折率分布型レンズ258は、
図21に示すように、画像表示素子301から出射した画像光を入射し、当該画像光は、屈折率分布型レンズ258から出射したところで結像して中間像704を形成した後、コリメートレンズ213へ入射する。このように、中間像704を形成する中継光学系の光学的性質に伴い、必然的に、表示部300と導光部材100との距離は所定の長さを要する構成となり、その結果、導光部材100と表示部300とのが離れて設置されることなる。また、上述のように、中継光学系の光路で中間像704が形成されることによって、画像についてほとんど画像劣化(収差等)をさせずに、画像光を導光部材100の方向へ出射することができる。
【0151】
以上のように、中継光学系として凸レンズ252a、252bの代わりに、屈折率分布型レンズ258を用いた本変形例に係る表示装置10_5においても、上述の第6の実施形態に係る表示装置10_1が奏する効果と同様の効果を奏する。
【0152】
(変形例5)
図22は、第6の実施形態の変形例5に係る表示装置の要部の構成の一例を示す図である。
図22を参照しながら、本実施形態の変形例5に係る表示装置10_6の構成について説明する。なお、
図22は、表示装置10_6の要部の構成を簡潔に示すものであり、中継光学系を格納する筐体フレーム200、および、画像表示素子301を内蔵する表示部300の図示を省略している。
【0153】
図22に示すように、本変形例に係る表示装置10_6は、導光部材100と、中継光学系である対物レンズ259、イメージガイドファイバ260および集光レンズ261と、コリメートレンズ213と、画像表示素子301と、を含む。本変形例に係る表示装置10_6は、第6の実施形態に係る表示装置10_1が有する中継光学系である凸レンズ252a、252bの代わりに、対物レンズ259、イメージガイドファイバ260および集光レンズ261を有する。
【0154】
対物レンズ259、イメージガイドファイバ260および集光レンズ261は、上述のように、図示しない筐体フレーム200に格納され、画像表示素子301から出射した画像光をリレーする中継光学系である。対物レンズ259は、画像表示素子301から出射した画像光を集光してイメージガイドファイバ260に入射させる。イメージガイドファイバ260は、直径が数μmのコア層とクラッド層とからなる光ファイバを規則正しく束ねた構造を有する光学系であり、光ファイバ1本で画像表示素子301の1画素の画像光を伝送する。集光レンズ261は、イメージガイドファイバ260から出射した画像光を集光することにより結像させて中間像705を形成する。
【0155】
このように、本変形例に係る表示装置10_6では、画像表示素子301を内蔵する表示部300(
図22では図示せず)と、導光部材100とが、中継光学系である対物レンズ259、イメージガイドファイバ260および集光レンズ261が介されていることにより、表示部300と、導光部材100とが離れて設置されることになる。
【0156】
また、中継光学系のうち対物レンズ259は、
図22に示すように、画像表示素子301から出射した画像光を入射し、当該画像光は、イメージガイドファイバ260により中継され、集光レンズ261から出射したところで結像して中間像705を形成した後、コリメートレンズ213へ入射する。このように、中間像705を形成する中継光学系の光学的性質に伴い、必然的に、表示部300と導光部材100との距離は所定の長さを要する構成となり、その結果、導光部材100と表示部300とのが離れて設置されることなる。また、上述のように、中継光学系の光路で中間像705が形成されることによって、画像についてほとんど画像劣化(収差等)をさせずに、画像光を導光部材100の方向へ出射することができる。
【0157】
以上のように、中継光学系として凸レンズ252a、252bの代わりに、対物レンズ259、イメージガイドファイバ260および集光レンズ261を用いた本変形例に係る表示装置10_6においても、上述の第6の実施形態に係る表示装置10_1が奏する効果と同様の効果を奏する。
【0158】
(変形例6)
図23は、第6の実施形態の変形例6に係る表示装置の要部の構成の一例を示す図である。
図23を参照しながら、本実施形態の変形例6に係る表示装置10_7の構成について説明する。なお、
図23は、表示装置10_7の要部の構成を簡潔に示すものであり、中継光学系を格納する筐体フレーム200、および、画像表示素子301を内蔵する表示部300の図示を省略している。
【0159】
図23に示すように、本変形例に係る表示装置10_7は、導光部材100と、中継光学系であるロッドレンズ262a、262bと、コリメートレンズ213と、画像表示素子301と、を含む。本変形例に係る表示装置10_7は、第6の実施形態に係る表示装置10_1が有する中継光学系である凸レンズ252a、252bの代わりに、ロッドレンズ262a、262bを有する。
【0160】
ロッドレンズ262a、262bは、上述のように、図示しない筐体フレーム200に格納され、画像表示素子301から出射した画像光をリレーする中継光学系である。ロッドレンズ262a、262bは、円柱形状のレンズであり、軸方向が光軸と重なるように配置され、同一の光学的性質を有する。
【0161】
このように、本変形例に係る表示装置10_7では、画像表示素子301を内蔵する表示部300(
図23では図示せず)と、導光部材100とが、中継光学系であるロッドレンズ262a、262bが介されていることにより、表示部300と、導光部材100とが離れて設置されることになる。
【0162】
また、中継光学系であるロッドレンズ262a、262bは、
図23に示すように、画像表示素子301から出射した画像光を入射し、当該画像光は、ロッドレンズ262bから出射したところで結像して中間像706を形成した後、コリメートレンズ213へ入射する。このように、中間像706を形成する中継光学系の光学的性質に伴い、必然的に、表示部300と導光部材100との距離は所定の長さを要する構成となり、その結果、導光部材100と表示部300とのが離れて設置されることなる。また、上述のように、中継光学系の光路で中間像706が形成されることによって、画像についてほとんど画像劣化(収差等)をさせずに、画像光を導光部材100の方向へ出射することができる。
【0163】
以上のように、中継光学系として凸レンズ252a、252bの代わりに、ロッドレンズ262a、262bを用いた本変形例に係る表示装置10_7においても、上述の第6の実施形態に係る表示装置10_1が奏する効果と同様の効果を奏する。
【0164】
[第7の実施形態]
第7の実施形態に係る表示装置について、第6の実施形態に係る表示装置10_1と相違する点を中心に説明する。本実施形態では、中継光学系により結像された画像光を、凹面鏡により導光部材へ入射させる構成の例を説明する。
【0165】
(表示装置の要部構成)
図24は、第7の実施形態に係る表示装置の要部の構成の一例を示す図である。
図24を参照しながら、本実施形態に係る表示装置10a_1の要部の構成について説明する。なお、
図24は、表示装置10a_1の要部の構成を簡潔に示すものであり、画像表示素子301を内蔵する表示部300の図示を省略している。
【0166】
図24に示すように、本実施形態に係る表示装置10a_1は、導光部材100_1と、筐体フレーム200_1と、画像表示素子301と、を含む。
【0167】
導光部材100_1は、画像表示素子301から出射され、筐体フレーム200_1内の中継光学系(後述する凸レンズ252a、252b)によりリレーされた(中継された)画像光を導光して、人間の眼に射出させるライトガイドである。導光部材100_1は、
図24に示すように、第1の実施形態で示した導光部材100の構成のうち、反射部101を有さない構成となっている。
【0168】
筐体フレーム200_1は、画像表示素子301から出射した画像光をリレーするための中継光学系である凸レンズ252a、252bと、凹面鏡214と、を格納する部材である。
図24に示すように、筐体フレーム200_1の壁面のうち、導光部材100_1に接合される部分は開口しており、凹面鏡214により反射された画像光が、導光部材100_1の側面から入射する構成となっている。
【0169】
凸レンズ252a、252bは、上述のように、筐体フレーム200_1に格納され、画像表示素子301から出射した画像光をリレーする中継光学系である。本実施形態に係る表示装置10a_1では、画像表示素子301を内蔵する表示部300(
図24では図示せず)と、導光部材100_1とが、中継光学系である凸レンズ252a、252bが介されていることにより、表示部300と、導光部材100_1とが離れて設置されることになる。
【0170】
また、凸レンズ252a、252bは、
図24に示すように、画像表示素子301から出射した画像光を入射し、当該画像光は、凸レンズ252bから出射したところで結像して中間像700を形成してから、後段の凹面鏡214へ入射する。このように、中間像700を形成する中継光学系の光学的性質に伴い、必然的に、表示部300と導光部材100_1との距離は所定の長さを要する構成となり、その結果、導光部材100_1と表示部300とのが離れて設置されることなる。また、上述のように、中継光学系の光路で中間像700が形成されることによって、画像についてほとんど画像劣化(収差等)をさせずに、画像光を導光部材100_1の方向へ出射することができる。
【0171】
凹面鏡214は、中継光学系から出射した画像光を、平行光またはテレセントリック光として、導光部材100_1の側面から入射させる光学部材である。また、凹面鏡214は、略平行光または略テレセントリック光とした画像光の向きを調整して、最適または好適な角度で画像光を導光部材100_1に入射させる機能を有する。また、凹面鏡214は、中間像のアスペクト比を変えずに画像を大きくする機能を有する。これにより、凹面鏡214は、大きな画角の画像光を導光部材100_1に入射させることができ、その結果、導光部材100_1から視野角の広い画像を表示させることができる。なお、導光部材100_1へ入射させる光学部材は、凹面鏡214に限定されるものではなく、中間光学系から出射した画像光を、平行光またはテレセントリック光として導光部材100_1へ入射させることができれば、どのような光学部材であってもよい。
【0172】
なお、表示装置10a_1において、その他の構成は、第6の実施形態に係る表示装置10_1と同様である。
【0173】
以上のように、
図24に示す本実施形態に係る表示装置10a_1では、中継光学系(凸レンズ252a、252b)により、画像表示素子301(表示部300)と導光部材100_1との間の光路上で中間像700を形成させるものとしている。これによって、中間像700を形成する中継光学系の光学的性質に伴い、必然的に、表示部300と導光部材100_1との距離は所定の長さを要する構成となり、第1の実施形態で上述したように、重量を占める画像表示素子301を内蔵している表示部300が後方側へ配置されることになり、装着者の実視野が確保され、表示装置10a_1の装着時の圧迫感(鼻への荷重負荷等)を軽減することができる。
【0174】
また、中継光学系から出射した画像光を凹面鏡214へ入射させることによって、中継光学系から出射した画像光を平行光またはテレセントリック光にし、導光部材100_1内での拡散を抑え、画質の向上に寄与する。本実施形態に係る表示装置10a_1は、その他、第6の実施形態に係る表示装置10_1と同様の効果を奏する。
【0175】
(変形例1)
図25は、第7の実施形態の変形例1に係る表示装置の要部の構成の一例を示す図である。
図25を参照しながら、本実施形態の変形例1に係る表示装置10a_2の構成について説明する。なお、
図25は、表示装置10a_2の要部の構成を簡潔に示すものであり、中継光学系を格納する筐体フレーム200_1、および、画像表示素子301を内蔵する表示部300の図示を省略している。
【0176】
図25に示すように、本変形例に係る表示装置10a_2は、導光部材100_1と、中継光学系である凸レンズ253a~253dと、凹面鏡214と、画像表示素子301と、を含む。本変形例に係る表示装置10a_2は、第7の実施形態に係る表示装置10a_1が有する中継光学系である凸レンズ252a、252bの代わりに、凸レンズ253a~253dを有する。
【0177】
凸レンズ253a~253dは、上述のように、図示しない筐体フレーム200_1に格納され、画像表示素子301から出射した画像光をリレーする中継光学系である。本変形例に係る表示装置10a_2では、画像表示素子301を内蔵する表示部300(
図25では図示せず)と、導光部材100_1とが、中継光学系である凸レンズ253a~253dが介されていることにより、表示部300と、導光部材100_1とが離れて設置されることになる。
【0178】
また、凸レンズ253a~253dは、
図25に示すように、画像表示素子301から出射した画像光を入射し、当該画像光は、凸レンズ253bから出射したところで結像して中間像701aを形成した後、凸レンズ253cへ入射する。さらに、当該画像光は、凸レンズ253dを出射したところで再び結像して中間像701bを形成してから、後段の凹面鏡214へ入射する。このように、中間像701a、701bを形成する中継光学系の光学的性質に伴い、必然的に、表示部300と導光部材100_1との距離は所定の長さを要する構成となり、その結果、導光部材100_1と表示部300とのが離れて設置されることなる。また、上述のように、中継光学系の光路で中間像701a、701bが形成されることによって、画像についてほとんど画像劣化(収差等)をさせずに、画像光を導光部材100_1の方向へ出射することができる。
【0179】
以上のように、中継光学系として凸レンズ252a、252bの代わりに、凸レンズ253a~253dを用いた本変形例に係る表示装置10a_2においても、上述の第7の実施形態に係る表示装置10a_1が奏する効果と同様の効果を奏する。
【0180】
(変形例2)
図26は、第7の実施形態の変形例2に係る表示装置の要部の構成の一例を示す図である。
図26を参照しながら、本実施形態の変形例2に係る表示装置10a_3の構成について説明する。なお、
図26は、表示装置10a_3の要部の構成を簡潔に示すものであり、中継光学系を格納する筐体フレーム200_1、および、画像表示素子301を内蔵する表示部300の図示を省略している。
【0181】
図26に示すように、本変形例に係る表示装置10a_3は、導光部材100_1と、中継光学系であるコリメートレンズ254および集光レンズ255と、凹面鏡214と、画像表示素子301と、を含む。本変形例に係る表示装置10a_3は、第7の実施形態に係る表示装置10a_1が有する中継光学系である凸レンズ252a、252bの代わりに、コリメートレンズ254および集光レンズ255を有する。
【0182】
コリメートレンズ254および集光レンズ255は、上述のように、図示しない筐体フレーム200_1に格納され、画像表示素子301から出射した画像光をリレーする中継光学系である。コリメートレンズ254は、画像表示素子301から出射した画像光を平行光またはテレセントリック光として出射する。集光レンズ255は、コリメートレンズ254により平行光またはテレセントリック光とされた画像光を集光することにより結像させて中間像702を形成する。
【0183】
このように、本変形例に係る表示装置10a_3では、画像表示素子301を内蔵する表示部300(
図26では図示せず)と、導光部材100_1とが、中継光学系であるコリメートレンズ254および集光レンズ255が介されていることにより、表示部300と、導光部材100_1とが離れて設置されることになる。
【0184】
また、中継光学系のうちコリメートレンズ254は、
図26に示すように、画像表示素子301から出射した画像光を入射し、当該画像光は、集光レンズ255から出射したところで結像して中間像702を形成した後、凹面鏡214へ入射する。このように、中間像702を形成する中継光学系の光学的性質に伴い、必然的に、表示部300と導光部材100_1との距離は所定の長さを要する構成となり、その結果、導光部材100_1と表示部300とのが離れて設置されることなる。また、上述のように、中継光学系の光路で中間像702が形成されることによって、画像についてほとんど画像劣化(収差等)をさせずに、画像光を導光部材100_1の方向へ出射することができる。
【0185】
以上のように、中継光学系として凸レンズ252a、252bの代わりに、コリメートレンズ254および集光レンズ255を用いた本変形例に係る表示装置10a_3においても、上述の第7の実施形態に係る表示装置10a_1が奏する効果と同様の効果を奏する。
【0186】
(変形例3)
図27は、第7の実施形態の変形例3に係る表示装置の要部の構成の一例を示す図である。
図27を参照しながら、本実施形態の変形例3に係る表示装置10a_4の構成について説明する。なお、
図27は、表示装置10a_4の要部の構成を簡潔に示すものであり、中継光学系を格納する筐体フレーム200_1、および、画像表示素子301を内蔵する表示部300の図示を省略している。
【0187】
図27に示すように、本変形例に係る表示装置10a_4は、導光部材100_1と、中継光学系であるトリプレットアクロマートレンズ256および集光レンズ257と、凹面鏡214と、画像表示素子301と、を含む。本変形例に係る表示装置10a_4は、第7の実施形態に係る表示装置10a_1が有する中継光学系である凸レンズ252a、252bの代わりに、トリプレットアクロマートレンズ256および集光レンズ257を有する。
【0188】
トリプレットアクロマートレンズ256および集光レンズ257は、上述のように、図示しない筐体フレーム200_1に格納され、画像表示素子301から出射した画像光をリレーする中継光学系である。トリプレットアクロマートレンズ256は、画像表示素子301から出射した画像光を平行光またはテレセントリック光として出射する。集光レンズ257は、トリプレットアクロマートレンズ256により平行光またはテレセントリック光とされた画像光を集光することにより結像させて中間像703を形成する。
【0189】
このように、本変形例に係る表示装置10a_4では、画像表示素子301を内蔵する表示部300(
図27では図示せず)と、導光部材100_1とが、中継光学系であるトリプレットアクロマートレンズ256および集光レンズ257が介されていることにより、表示部300と、導光部材100_1とが離れて設置されることになる。
【0190】
また、中継光学系のうちトリプレットアクロマートレンズ256は、
図27に示すように、画像表示素子301から出射した画像光を入射し、当該画像光は、集光レンズ257から出射したところで結像して中間像703を形成した後、凹面鏡214へ入射する。このように、中間像703を形成する中継光学系の光学的性質に伴い、必然的に、表示部300と導光部材100_1との距離は所定の長さを要する構成となり、その結果、導光部材100_1と表示部300とのが離れて設置されることなる。また、上述のように、中継光学系の光路で中間像703が形成されることによって、画像についてほとんど画像劣化(収差等)をさせずに、画像光を導光部材100_1の方向へ出射することができる。
【0191】
以上のように、中継光学系として凸レンズ252a、252bの代わりに、トリプレットアクロマートレンズ256および集光レンズ257を用いた本変形例に係る表示装置10a_4においても、上述の第7の実施形態に係る表示装置10a_1が奏する効果と同様の効果を奏する。
【0192】
(変形例4)
図28は、第7の実施形態の変形例4に係る表示装置の要部の構成の一例を示す図である。
図28を参照しながら、本実施形態の変形例4に係る表示装置10a_5の構成について説明する。なお、
図28は、表示装置10a_5の要部の構成を簡潔に示すものであり、中継光学系を格納する筐体フレーム200_1、および、画像表示素子301を内蔵する表示部300の図示を省略している。
【0193】
図28に示すように、本変形例に係る表示装置10a_5は、導光部材100_1と、中継光学系である屈折率分布型レンズ258と、凹面鏡214と、画像表示素子301と、を含む。本変形例に係る表示装置10a_5は、第7の実施形態に係る表示装置10a_1が有する中継光学系である凸レンズ252a、252bの代わりに、屈折率分布型レンズ258を有する。
【0194】
屈折率分布型レンズ258は、上述のように、図示しない筐体フレーム200_1に格納され、画像表示素子301から出射した画像光をリレーする中継光学系である。屈折率分布型レンズ258は、入射面および出射面が平面でありながら、レンズガラス内の屈折率を連続的に変化させることで、レンズとしての集光機能を有するロッド状のレンズである屈折率分布型レンズ258は、画像表示素子301から出射した画像光を入射して、上述の屈折効果により、出射した光を結像させ中間像704を形成する。
【0195】
このように、本変形例に係る表示装置10a_5では、画像表示素子301を内蔵する表示部300(
図28では図示せず)と、導光部材100_1とが、中継光学系である屈折率分布型レンズ258が介されていることにより、表示部300と、導光部材100_1とが離れて設置されることになる。
【0196】
また、中継光学系である屈折率分布型レンズ258は、
図28に示すように、画像表示素子301から出射した画像光を入射し、当該画像光は、屈折率分布型レンズ258から出射したところで結像して中間像704を形成した後、凹面鏡214へ入射する。このように、中間像704を形成する中継光学系の光学的性質に伴い、必然的に、表示部300と導光部材100_1との距離は所定の長さを要する構成となり、その結果、導光部材100_1と表示部300とのが離れて設置されることなる。また、上述のように、中継光学系の光路で中間像704が形成されることによって、画像についてほとんど画像劣化(収差等)をさせずに、画像光を導光部材100_1の方向へ出射することができる。
【0197】
以上のように、中継光学系として凸レンズ252a、252bの代わりに、屈折率分布型レンズ258を用いた本変形例に係る表示装置10a_5においても、上述の第7の実施形態に係る表示装置10a_1が奏する効果と同様の効果を奏する。
【0198】
(変形例5)
図29は、第7の実施形態の変形例5に係る表示装置の要部の構成の一例を示す図である。
図29を参照しながら、本実施形態の変形例5に係る表示装置10a_6の構成について説明する。なお、
図29は、表示装置10a_6の要部の構成を簡潔に示すものであり、中継光学系を格納する筐体フレーム200_1、および、画像表示素子301を内蔵する表示部300の図示を省略している。
【0199】
図29に示すように、本変形例に係る表示装置10a_6は、導光部材100_1と、中継光学系である対物レンズ259、イメージガイドファイバ260および集光レンズ261と、凹面鏡214と、画像表示素子301と、を含む。本変形例に係る表示装置10a_6は、第7の実施形態に係る表示装置10a_1が有する中継光学系である凸レンズ252a、252bの代わりに、対物レンズ259、イメージガイドファイバ260および集光レンズ261を有する。
【0200】
対物レンズ259、イメージガイドファイバ260および集光レンズ261は、上述のように、図示しない筐体フレーム200_1に格納され、画像表示素子301から出射した画像光をリレーする中継光学系である。対物レンズ259は、画像表示素子301から出射した画像光を集光してイメージガイドファイバ260に入射させる。イメージガイドファイバ260は、直径が数μmのコア層とクラッド層とからなる光ファイバを規則正しく束ねた構造を有する光学系であり、光ファイバ1本で画像表示素子301の1画素の画像光を伝送する。集光レンズ261は、イメージガイドファイバ260から出射した画像光を集光することにより結像させて中間像705を形成する。
【0201】
このように、本変形例に係る表示装置10a_6では、画像表示素子301を内蔵する表示部300(
図29では図示せず)と、導光部材100_1とが、中継光学系である対物レンズ259、イメージガイドファイバ260および集光レンズ261が介されていることにより、表示部300と、導光部材100_1とが離れて設置されることになる。
【0202】
また、中継光学系のうち対物レンズ259は、
図29に示すように、画像表示素子301から出射した画像光を入射し、当該画像光は、イメージガイドファイバ260により中継され、集光レンズ261から出射したところで結像して中間像705を形成した後、凹面鏡214へ入射する。このように、中間像705を形成する中継光学系の光学的性質に伴い、必然的に、表示部300と導光部材100_1との距離は所定の長さを要する構成となり、その結果、導光部材100_1と表示部300とのが離れて設置されることなる。また、上述のように、中継光学系の光路で中間像705が形成されることによって、画像についてほとんど画像劣化(収差等)をさせずに、画像光を導光部材100_1の方向へ出射することができる。
【0203】
以上のように、中継光学系として凸レンズ252a、252bの代わりに、対物レンズ259、イメージガイドファイバ260および集光レンズ261を用いた本変形例に係る表示装置10a_6においても、上述の第7の実施形態に係る表示装置10a_1が奏する効果と同様の効果を奏する。
【0204】
(変形例6)
図30は、第7の実施形態の変形例6に係る表示装置の要部の構成の一例を示す図である。
図30を参照しながら、本実施形態の変形例6に係る表示装置10a_7の構成について説明する。なお、
図30は、表示装置10a_7の要部の構成を簡潔に示すものであり、中継光学系を格納する筐体フレーム200_1、および、画像表示素子301を内蔵する表示部300の図示を省略している。
【0205】
図30に示すように、本変形例に係る表示装置10a_7は、導光部材100_1と、中継光学系であるロッドレンズ262a、262bと、凹面鏡214と、画像表示素子301と、を含む。本変形例に係る表示装置10a_7は、第7の実施形態に係る表示装置10a_1が有する中継光学系である凸レンズ252a、252bの代わりに、ロッドレンズ262a、262bを有する。
【0206】
ロッドレンズ262a、262bは、上述のように、図示しない筐体フレーム200_1に格納され、画像表示素子301から出射した画像光をリレーする中継光学系である。ロッドレンズ262a、262bは、円柱形状のレンズであり、軸方向が光軸と重なるように配置され、同一の光学的性質を有する。
【0207】
このように、本変形例に係る表示装置10a_7では、画像表示素子301を内蔵する表示部300(
図30では図示せず)と、導光部材100_1とが、中継光学系であるロッドレンズ262a、262bが介されていることにより、表示部300と、導光部材100_1とが離れて設置されることになる。
【0208】
また、中継光学系であるロッドレンズ262a、262bは、
図30に示すように、画像表示素子301から出射した画像光を入射し、当該画像光は、ロッドレンズ262bから出射したところで結像して中間像706を形成した後、凹面鏡214へ入射する。このように、中間像706を形成する中継光学系の光学的性質に伴い、必然的に、表示部300と導光部材100_1との距離は所定の長さを要する構成となり、その結果、導光部材100_1と表示部300とのが離れて設置されることなる。また、上述のように、中継光学系の光路で中間像706が形成されることによって、画像についてほとんど画像劣化(収差等)をさせずに、画像光を導光部材100_1の方向へ出射することができる。
【0209】
以上のように、中継光学系として凸レンズ252a、252bの代わりに、ロッドレンズ262a、262bを用いた本変形例に係る表示装置10a_7においても、上述の第7の実施形態に係る表示装置10a_1が奏する効果と同様の効果を奏する。
【0210】
[第8の実施形態]
第8の実施形態に係る表示装置について、第1の実施形態に係る表示装置10と相違する点を中心に説明する。本実施形態では、外部の光が導光部材100を透過して装着者の眼に入らないように遮光してVR表示を可能とする構成について説明する。
【0211】
(表示装置の構成)
図31は、第8の実施形態に係る表示装置の構成の一例を示す図である。
図31を参照しながら、本実施形態に係る表示装置10jの構成について説明する。
【0212】
本実施形態に係る表示装置10jは、第1の実施形態に係る表示装置10の構成を有すると共に、
図31に示すように、導光部材100a、100bを指示するフレームの上部に設置されたヒンジ部111a、111bと、当該ヒンジ部111a、111bにより回動自在に支持された遮光部材110a、110b(遮光機構の一例)と、を備えている。
【0213】
遮光部材110a、110bは、導光部材100a、100bを外側(装着者の眼に対して反対側)から覆うことによって、外部の光が導光部材100a、100bを透過して装着者の眼に入らないように遮光する部材である。遮光部材110a、110bは、ヒンジ部111a、111bを中心に回動自在となっており、導光部材100a、100bに対して遮光、または遮光の解除を切り替える。
【0214】
図31(a)は、遮光部材110a、110bを、導光部材100a、100bから開放させて遮光を解除した状態を示す。
図31(a)の状態では、導光部材100a、100bは遮光されていないため、外部に対して透過状態または半透過状態となっており、AR表示の用途に使用することが可能となる。
【0215】
一方、
図31(b)は、遮光部材110a、110bを、導光部材100a、100bの外側を覆うことによって遮光した状態を示す。
図31(b)の状態では、導光部材100a、100bが遮光されているため、外部に対して非透過状態となっており、VR表示の用途に使用することが可能となる。
【0216】
以上のように、本実施形態に係る表示装置10jは、少なくとも、導光部材100から装着者の眼に向かう方向について透過状態もしくは半透過状態、または非透過状態のいずれかに切り替える機構(
図31に示す例では、遮光部材110a、110b)を備えている。これによって、1つの装置(表示装置10j)で、AR表示またはVR表示を簡単に切り替えることができるため、用途の幅を広げることができる。本実施形態に係る表示装置10jは、その他、第1の実施形態に係る表示装置10と同様の効果を奏する。
【0217】
なお、
図31に示す例では、遮光部材110a、110bが、導光部材100a、100bのフレームに取り付けられたヒンジ部111a、111bにより回動自在となっている構成を示したが、これに限定されるものではなく、例えば、遮光部材110a、110bが導光部材100a、100bに対して左右にスライドする構造であってもよく、または、遮光部材110a、110bが導光部材100a、100bに対して脱着可能な構造であってもよい。
【0218】
また、導光部材100a、100bに対して遮光するために遮光部材110a、110bを用いることに限定されるものではなく、例えば、電気の導通または非導通によって透過状態と非透過状態とを切り替えることができる調光素子(遮光機構の一例)が、導光部材100a、100bに形成され、または取り付けられているものとしてもよい。調光素子としては、例えば、液晶素子またはエレクトロクロミック素子等を用いればよい。特に、エレクトロクロミック素子は、透過状態と非透過状態とのコントラストが大きく、没入感のある非透過状態のVR表示と、現実世界の視認性が高い透過状態のAR表示とを明確に切り替えることができる。この場合、遮光するための遮光部材110a、110bおよびヒンジ部111a、111bのような部材が不要となる。
【0219】
[第9の実施形態]
第9の実施形態に係る表示システムについて、第1の実施形態に係る表示装置10を用いた構成として説明する。本実施形態では、画像表示素子301から画像光を出射させるための画像データを、外部装置から受信する構成について説明する。
【0220】
(表示システムの構成)
図32は、第9の実施形態に係る表示システムの構成の一例を示す図である。
図32を参照しながら、本実施形態に係る表示システム1の構成について説明する。
【0221】
図32に示すように、本実施形態に係る表示システム1は、表示装置10と、外部デバイス20と、を有する。
【0222】
表示装置10は、例えば、第1の実施形態に係る表示装置10であり、画像表示素子から投射された画像光を中継光学系および導光部材100を介して、装着者の眼に入射させる頭部装着型表示装置である。
【0223】
外部デバイス20は、画像データ(映像データを含む)を、ケーブル2を介して、表示装置10の表示部300(
図32に示す表示部300a、300b)へ送信する情報処理装置である。外部デバイス20は、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット、ノートPC(Personal Computer)、またはデスクトップPC等である。
【0224】
(表示装置の表示部のハードウェア構成)
図33は、第9の実施形態の表示部の要部のハードウェア構成の一例を示す図である。
図33を参照しながら、本実施形態に係る表示装置10の表示部300のハードウェア構成について説明する。
【0225】
図33に示すように、本実施形態に係る表示装置10の表示部300は、画像表示素子301と、駆動IC303と、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)レシーバ321(受信部の一例)と、を備える。なお、画像表示素子301および駆動IC303については、第1の実施形態で説明した通りであり、
図33に図示していないが、各部に電圧を供給する電源回路(例えば、
図2に示す電源回路305)を含む。
【0226】
HDMIレシーバ321は、
図33に示すように、HDMIケーブルであるケーブル2を介して外部デバイス20に接続されており、外部デバイス20から出力された画像データを含むHDMI信号を受信する装置である。HDMIレシーバ321は、受信した画像データを含むHDMI信号を駆動IC303へ送信する。なお、HDMIレシーバ321は、受信したHDMI信号としての画像データを、画像情報としてメモリに一旦記憶させるものとしてもよく、この場合、駆動IC303は、メモリに蓄積された画像信号を読み出し、当該画像信号に従って、画像表示素子301を表示駆動させる。
【0227】
HDMIケーブルであるケーブル2は、映像用の汎用ケーブルであり、PC等の各種の外部機器と容易に接続することが可能である。このHDMIケーブルによって+5Vの電源を外部デバイス20から表示部300に供給することが可能であり、上述の電源回路は、HDMIケーブルから入力した電圧(+5V)を、各装置の駆動に対応する電圧に変換して供給する。なお、第1の実施形態で上述したように、電源回路は、バッテリから入力される電圧を、各装置の駆動に対応する電圧に変換して供給するものとしてもよい。
【0228】
例えば、表示装置10に、画像ソースとしての画像の出力先が含まれる構成では、表示装置10自体が重くなってしまうという問題がある。しかし、本実施形態に係る表示システム1のように、画像ソースとしての画像の出力先である外部デバイス20を、表示装置10とは別のユニットとして構成している。これによって、表示装置10自体を軽量化させることができ、装着者の鼻への荷重負荷を大幅に軽減することができる。本実施形態に係る表示システム1の表示装置10は、その他、第1の実施形態に係る表示装置10と同様の効果を奏する。
【0229】
(変形例1)
図34は、第9の実施形態の変形例1の表示部の要部のハードウェア構成の一例を示す図である。
図34を参照しながら、本実施形態の変形例1に係る表示部300kのハードウェア構成について説明する。
【0230】
図34に示すように、本変形例に係る表示装置(例えば、第1の実施形態に係る表示装置10)の表示部300kは、画像表示素子301と、駆動IC303と、MHL(登録商標)(Mobile High-definition Link)/HDMI変換器322(受信部の一例)と、を備える。なお、画像表示素子301および駆動IC303については、第1の実施形態で説明した通りであり、
図34に図示していないが、各部に電圧を供給する電源回路(例えば、
図2に示す電源回路305)を含む。
【0231】
MHL/HDMI変換器322は、
図34に示すように、MHLケーブルであるケーブル2aを介して外部デバイス20に接続されており、外部デバイス20から出力された画像データを含むMHL信号を受信する装置である。すなわち、
図34に示す表示部300kおよび外部デバイス20は、MHL方式で通信可能に接続されている。MHL/HDMI変換器322は、受信したMHL信号を、駆動IC303にて処理可能とするためにHDMI信号に変換して、駆動IC303へ送信する。
【0232】
ここで、MHLケーブルとは、MHL方式に対応した通信ケーブルであり、マイクロUSB(Universal Serial Bus)端子を使用した実質5本の通信線で画像の伝送を可能とするケーブルである。したがって、MHLケーブルは、19本の通信線で構成される上述のHDMIケーブルと比較して、ケーブル径を細くすることが可能であり、ケーブルとしての取り回しが容易となり、抵抗感なく表示装置の表示部300kと外部デバイス20とを接続することが可能となる。
【0233】
なお、MHL/HDMI変換器322は、変換したHDMI信号としての画像データを、画像情報としてメモリに一旦記憶させるものとしてもよく、この場合、駆動IC303は、メモリに蓄積された画像信号を読み出し、当該画像信号に従って、画像表示素子301を表示駆動させる。
【0234】
また、
図34に示した例では、駆動IC303は、MHL/HDMI変換器322により変換されたHDMI信号を使用するものとしているが、24ビットのRGB信号を使用する駆動ICの場合、MHL/HDMI変換器322の代わりに、MHL/24RGB変換器を用いるものとすればよい。
【0235】
MHLケーブルであるケーブル2aは、映像用の汎用ケーブルであり、MHL方式に対応したスマートフォン等の各種の外部機器と容易に接続することが可能である。このMHLケーブルによって電源を外部デバイス20から表示部300kに供給することが可能であり、上述の電源回路は、MHLケーブルから入力した電圧を、各装置の駆動に対応する電圧に変換して供給する。なお、第1の実施形態で上述したように、電源回路は、バッテリから入力される電圧を、各装置の駆動に対応する電圧に変換して供給するものとしても
よい。
【0236】
以上のように、画像ソースとしての画像の出力先である外部デバイス20を、表示装置とは別のユニットとして構成し、かつ、表示部300kと外部デバイス20とを接続するケーブルをMHLケーブルとすることによって、表示装置自体を軽量化すると共に、ケーブル重量を低減し、装着者の鼻への荷重負荷を大幅に軽減することができる。本変形例に係る表示装置は、その他、第1の実施形態に係る表示装置10と同様の効果を奏する。
【0237】
(変形例2)
図35は、第9の実施形態の変形例2の表示部の要部のハードウェア構成の一例を示す図である。
図35を参照しながら、本実施形態の変形例2に係る表示部300lのハードウェア構成について説明する。
【0238】
図35に示すように、本変形例に係る表示装置(例えば、第1の実施形態に係る表示装置10)の表示部300lは、画像表示素子301と、駆動IC303と、V-by-One(登録商標) HS変換器323(受信部の一例)と、を備える。なお、画像表示素子301および駆動IC303については、第1の実施形態で説明した通りであり、
図35に図示していないが、各部に電圧を供給する電源回路(例えば、
図2に示す電源回路305)を含む。
【0239】
V-by-One HS変換器323は、
図35に示すように、V-by-One HSケーブルであるケーブル2bを介して外部デバイス20に接続されており、外部デバイス20から出力された画像データを含むV-by-One HS信号を受信する装置である。すなわち、
図35に示す表示部300lおよび外部デバイス20は、V-by-One HS方式で通信可能に接続されている。V-by-One HS変換器323は、受信したV-by-One HS信号を、駆動IC303にて処理可能とするためにHDMI信号またはRGB信号等に変換して、駆動IC303へ送信する。
【0240】
ここで、V-by-One HSケーブルとは、V-by-One HS方式に対応した通信ケーブルであり、ツイストペアで形成された2本の通信線、および2本の電源線で構成され、画像の伝送を可能とするケーブルである。したがって、V-by-Oneケーブルは、19本の通信線で構成される上述のHDMIケーブルと比較して、ケーブル径を細くすることが可能であり、ケーブルとしての取り回しが容易となり、抵抗感なく表示装置の表示部300lと外部デバイス20とを接続することが可能となる。
【0241】
なお、V-by-One HS変換器323は、変換したHDMI信号またはRGB信号等の画像データを、画像情報としてメモリに一旦記憶させるものとしてもよく、この場合、駆動IC303は、メモリに蓄積された画像信号を読み出し、当該画像信号に従って、画像表示素子301を表示駆動させる。
【0242】
V-by-One HSケーブルであるケーブル2bは、映像用の汎用ケーブルであり、V-by-One HS方式に対応したスマートフォン等の各種の外部機器と容易に接続することが可能である。このV-by-One HSケーブルに含まれる電源線によって電源を外部デバイス20から表示部300lに供給することが可能であり、上述の電源回路は、V-by-Oneケーブルから入力した電圧を、各装置の駆動に対応する電圧に変換して供給する。なお、第1の実施形態で上述したように、電源回路は、バッテリから入力される電圧を、各装置の駆動に対応する電圧に変換して供給するものとしてもよい。
【0243】
以上のように、画像ソースとしての画像の出力先である外部デバイス20を、表示装置とは別のユニットとして構成し、かつ、表示部300lと外部デバイス20とを接続するケーブルをV-by-One HSケーブルとすることによって、表示装置自体を軽量化すると共に、ケーブル重量を低減し、装着者の鼻への荷重負荷を大幅に軽減することができる。本変形例に係る表示装置は、その他、第1の実施形態に係る表示装置10と同様の効果を奏する。
【0244】
[第10の実施形態]
第10の実施形態に係る表示システムについて、第9の実施形態に係る表示システム1と相違する点を中心に説明する。本実施形態では、USB信号をMHL信号に変換するUSB/MHL変換器を介して、表示装置と外部デバイスとを接続する構成について説明する。
【0245】
(表示システムのハードウェア構成)
図36は、第10の実施形態に係る表示システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
図36を参照しながら、本実施形態に係る表示システム1mのハードウェア構成について説明する。
【0246】
図36に示すように、本実施形態に係る表示システム1mは、表示装置10mと、外部デバイス20と、USB/MHL変換器30(変換器)と、を含む。
【0247】
表示装置10mは、画像表示素子301a、301bと、駆動IC303a、303bと、MHL/HDMI変換器322a、322b(受信部の一例)と、カメラ331と、9軸センサ332と、を備えている。なお、画像表示素子301a、301bおよび駆動IC303a、303bについては、第1の実施形態で説明した通りであり、
図36に図示していないが、各部に電圧を供給する電源回路(例えば、
図2に示す電源回路305)を含む。
【0248】
MHL/HDMI変換器322a、322bは、MHL信号を伝送するMHLケーブルを介して、USB/MHL変換器30に接続されており、USB/MHL変換器30から出力された画像データを含むMHL信号を受信する装置である。MHL/HDMI変換器322a、322bは、受信したMHL信号を、駆動IC303a、303bが処理可能とするためにHDMI信号に変換して、駆動IC303a、303bへ送信する。
【0249】
カメラ331は、例えば、表示装置10mにおいてブリッジ(図示せず)等に設置され、前方の対象物等を撮像する撮像装置である。カメラ331は、撮像した撮像画像データをUSB信号として、USB/MHL変換器30を介して、外部デバイス20へ送信する。
【0250】
9軸センサ332は、表示装置10mの表示部(例えば、第1の実施形態の表示部300等)に備えられ、装着者の姿勢、動作方向、および向き等を検出するためのセンサである。9軸センサ332は、検出した検出信号をUSB信号として、USB/MHL変換器30を介して、外部デバイス20へ送信する。
【0251】
USB/MHL変換器30は、外部デバイス20から出力された画像データを含むUSB信号を、HDMI信号に変換して、さらに当該HDMI信号をMHL信号に変換する変換器である。USB/MHL変換器30は、変換したMHL信号(画像データを含む)を、上述のMHLケーブルを介して、表示装置10m(MHL/HDMI変換器322a、322b)へ送信する。また、このMHLケーブルによって、電源を表示装置10mに供給することが可能であり、上述の電源回路は、MHLケーブルから入力した電圧を、各装置の駆動に対応する電圧に変換して供給する。なお、第1の実施形態で上述したように、電源回路は、バッテリから入力される電圧を、各装置の駆動に対応する電圧に変換して供給するものとしてもよい。USB/MHL変換器30は、USB/HDMI変換器31と、HDMI分配器32と、HDMI/MHL変換器33a、33bと、USBハブ34と、を備えている。
【0252】
USB/HDMI変換器31は、外部デバイス20から出力された画像データを含むUSB信号を、HDMI信号に変換する変換器である。また、USB/HDMI変換器31は、表示装置10mの各種センサ(例えば、カメラ331および9軸センサ332)からの検出信号(USB信号)を、他の信号形式に変換することなく、外部デバイス20へ送信する。
【0253】
HDMI分配器32は、USB/HDMI変換器31から出力されたHDMI信号を、装着者の右眼用のHDMI信号と、左眼用のHDMI信号とに分配する装置である。
【0254】
HDMI/MHL変換器33a、33bは、USB/HDMI変換器31により変換され、かつ、HDMI分配器32により分配された画像データを含む各HDMI信号をMHL信号に変換する変換器である。
【0255】
USBハブ34は、複数のUSBポートを有するハブである。カメラ331および9軸センサ332から出力されるUSB信号は、USBハブ34を介して、USB/HDMI変換器31へ送信される。
【0256】
USBは、スマートフォン、携帯電話、タブレット、ノートPCおよびデスクトップPC等で一般的に使用されている伝送規格であり、USB信号をHDMI信号に変換するUSB/MHL変換器30(具体的には、その内部のUSB/HDMI変換器31)を用いることによって、外部デバイス20として、HDMIに対応している等の特殊な専用端末でなく、汎用的なUSBに対応するものを使用することが可能となる。
【0257】
以上のように、本実施形態に係る表示システム1mでは、USB規格に対応した外部デバイス20と、MHLに対応した表示装置10mとを、USB信号に基づいてMHL信号に変換するUSB/MHL変換器30を介して接続した構成としている。上述のように、スマートフォン、携帯電話、タブレット、ノートPCおよびデスクトップPC等である外部デバイス20は、USB規格に対応していることが一般的であり、また、外部デバイス20と表示装置10mとを接続するには、線数の少ないMHLケーブルを使用できることが望ましい。これについて、外部デバイス20と表示装置10mとをUSB/MHL変換器30を介して接続することによって一度に実現可能となる。また、USB/MHL変換器30には、入力したUSB信号を、信号形式を変えることなく外部デバイス20に出力する機能もあるので、
図36に示すように、USB規格に対応した種々のセンサ等の機器を接続することが可能となる。
【0258】
また、画像ソースとしての画像の出力先である外部デバイス20を、表示装置10mとは別のユニットとして構成し、かつ、USB/MHL変換器30と外部デバイス20とを接続するケーブルをMHLケーブルとすることによって、表示装置10m自体を軽量化すると共に、ケーブル重量を低減し、装着者の鼻への荷重負荷を大幅に軽減することができる。
【0259】
また、
図36に示すように、表示装置10mは、9軸センサ332を備えているので、表示装置10mを装着した装着者の頭の方向および傾き等がリアルタイムで把握することができ、例えば、頭の方向または傾きに応じて、オブジェクトを表示させたり、消去させたりといったことが可能となる。なお、
図36に示すカメラ331および9軸センサ332の検出信号を、後述する第11の実施形態のように、無線回路によって無線通信により外部デバイス20に送信するものとしてもよい。
【0260】
本実施形態に係る表示装置10mは、その他、第1の実施形態に係る表示装置10と同様の効果を奏する。
【0261】
(変形例)
図37は、第10実施形態の変形例に係る表示システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
図37を参照しながら、本変形例に係る表示システム1tのハードウェア構成について説明する。
【0262】
図37に示すように、本変形例に係る表示システム1tは、表示装置10tと、外部デバイス20と、USB/V-by-One HS変換器30a(変換器)と、を含む。
【0263】
表示装置10tは、画像表示素子301a、301bと、駆動IC303a、303bと、V-by-One HS/HDMI変換器324a、324b(受信部の一例)と、カメラ331と、9軸センサ332と、を備えている。なお、画像表示素子301a、301bおよび駆動IC303a、303bについては、第1の実施形態で説明した通りであり、
図37に図示していないが、各部に電圧を供給する電源回路(例えば、
図2に示す電源回路305)を含む。
【0264】
V-by-One HS/HDMI変換器324a、324bは、V-by-One HS信号を伝送するV-by-One HSケーブルを介して、USB/V-by-One HS変換器30aに接続されており、USB/V-by-One HS変換器30aから出力された画像データを含むV-by-One HS信号を受信する装置である。V-by-One HS/HDMI変換器324a、324bは、受信したV-by-One HS信号を、駆動IC303a、303bが処理可能とするためにHDMI信号に変換して、駆動IC303a、303bへ送信する。
【0265】
カメラ331は、例えば、表示装置10tにおいてブリッジ(図示せず)等に設置され、前方の対象物等を撮像する撮像装置である。カメラ331は、撮像した撮像画像データをUSB信号として、USB/V-by-One HS変換器30aを介して、外部デバイス20へ送信する。
【0266】
9軸センサ332は、表示装置10tの表示部(例えば、第1の実施形態の表示部300等)に備えられ、装着者の姿勢、動作方向、および向き等を検出するためのセンサである。9軸センサ332は、検出した検出信号をUSB信号として、USB/V-by-One HS変換器30aを介して、外部デバイス20へ送信する。
【0267】
USB/V-by-One HS変換器30aは、外部デバイス20から出力された画像データを含むUSB信号を、HDMI信号に変換して、さらに当該HDMI信号をV-by-One HS信号に変換する変換器である。USB/V-by-One HS変換器30aは、変換したV-by-One HS信号(画像データを含む)を、上述のV-by-One HSケーブルを介して、表示装置10t(V-by-One HS/HDMI変換器324a、324b)へ送信する。また、このV-by-One HSケーブルによって、電源を表示装置10tに供給することが可能であり、上述の電源回路は、V-by-One HSケーブルから入力した電圧を、各装置の駆動に対応する電圧に変換して供給する。なお、第1の実施形態で上述したように、電源回路は、バッテリから入力される電圧を、各装置の駆動に対応する電圧に変換して供給するものとしてもよい。USB/V-by-One HS変換器30aは、USB/HDMI変換器31と、HDMI分配器32と、HDMI/V-by-One HS変換器35a、35bと、USBハブ34と、を備えている。なお、USB/HDMI変換器31、HDMI分配器32およびUSBハブ34の機能については、
図36で上述した通りである。
【0268】
HDMI/V-by-One HS変換器35a、35bは、USB/HDMI変換器31により変換され、かつ、HDMI分配器32により分配された画像データを含む各HDMI信号をV-by-One HS信号に変換する変換器である。
【0269】
USBは、上述のように、スマートフォン、携帯電話、タブレット、ノートPCおよびデスクトップPC等で一般的に使用されている伝送規格であり、USB信号をHDMI信号に変換するUSB/V-by-One HS変換器30a(具体的には、その内部のUSB/HDMI変換器31)を用いることによって、外部デバイス20として、HDMIに対応している等の特殊な専用端末でなく、汎用的なUSBに対応するものを使用することが可能となる。
【0270】
以上のように、本変形例に係る表示システム1tでは、USB規格に対応した外部デバイス20と、V-by-One HSに対応した表示装置10tとを、USB信号に基づいてV-by-One HS信号に変換するUSB/V-by-One HS変換器30aを介して接続した構成としている。上述のように、スマートフォン、携帯電話、タブレット、ノートPCおよびデスクトップPC等である外部デバイス20は、USB規格に対応していることが一般的であり、また、外部デバイス20と表示装置10tとを接続するには、線数の少ないV-by-One HSケーブルを使用できることが望ましい。これについて、外部デバイス20と表示装置10tとをUSB/V-by-One HS変換器30aを介して接続することによって一度に実現可能となる。また、USB/V-by-One HS変換器30aには、入力したUSB信号を、信号形式を変えることなく外部デバイス20に出力する機能もあるので、
図37に示すように、USB規格に対応した種々のセンサ等の機器を接続することが可能となる。
【0271】
また、画像ソースとしての画像の出力先である外部デバイス20を、表示装置10tとは別のユニットとして構成し、かつ、USB/V-by-One HS変換器30aと外部デバイス20とを接続するケーブルをV-by-One HSケーブルとすることによって、表示装置10t自体を軽量化すると共に、ケーブル重量を低減し、装着者の鼻への荷重負荷を大幅に軽減することができる。
【0272】
また、
図37に示すように、表示装置10tは、9軸センサ332を備えているので、表示装置10tを装着した装着者の頭の方向および傾き等がリアルタイムで把握することができ、例えば、頭の方向または傾きに応じて、オブジェクトを表示させたり、消去させたりといったことが可能となる。なお、
図37に示すカメラ331および9軸センサ332の検出信号を、後述する第11の実施形態のように、無線回路によって無線通信により外部デバイス20に送信するものとしてもよい。
【0273】
本変形例に係る表示装置10tは、その他、第1の実施形態に係る表示装置10と同様の効果を奏する。
【0274】
[第11の実施形態]
第11の実施形態に係る表示システムについて、第9の実施形態に係る表示システム1と相違する点を中心に説明する。本実施形態では、表示装置と外部デバイスとの間で無線通信を行う構成について説明する。
【0275】
(表示システムの構成)
図38は、第11の実施形態に係る表示システムの構成の一例を示す図である。
図38を参照しながら、本実施形態に係る表示システム1nの構成について説明する。
【0276】
図38に示すように、本実施形態に係る表示システム1nは、表示装置10nと、外部デバイス20と、を有する。
【0277】
表示装置10nは、画像表示素子から投射された画像光を中継光学系および導光部材100を介して、装着者の眼に入射させる頭部装着型表示装置である。表示装置10nは、画像表示素子から画像光を出射させるための画像データを、無線通信により外部デバイス20から受信する。表示装置10nは、導光部材100a、100bと、筐体フレーム200a、200bと、表示部300na、300nbと、ブリッジ400と、テンプル500a、500bと、を備えている。
【0278】
表示部300na、300nbは、外部デバイス20から無線で画像データを受信し、当該画像データに基づいて、筐体フレーム200a、200bの中継光学系(例えば、
図1に示す中継光学系201a、201b)へ向けて画像光を出射させる装置である。ここで、表示部300na、300nbおよび外部デバイス20が使用する無線方式としては、例えば、Bluetooth(登録商標)または無線LAN(Local Area Network)等が挙げられる。
【0279】
Bluetooth(登録商標)を使用した場合、最大24Mbpsの転送速度で、1024×768×24(フルカラー)の映像の場合には18.9Mbpsであり、1秒ごとに1枚以上の画像を転送することができる。また、無線LAN(例えば、IEEE802.11n)を使用した場合、最大300Mbpsの転送速度であり、1024×768×24の画像の場合、15fps程度の転送が可能となる。
【0280】
なお、表示部300na、300nbについて、いずれか任意の方を示す場合、または総称する場合、単に「表示部300n」と称するものとする。
【0281】
また、表示装置10nにおいて、その他の構成は、第1の実施形態に係る表示装置10と同様である。
【0282】
(表示装置の表示部のハードウェア構成)
図39は、第11の実施形態の表示部のハードウェア構成の一例を示す図である。
図39を参照しながら、本実施形態に係る表示装置10nの表示部300nのハードウェア構成について説明する。
【0283】
図39に示すように、本実施形態に係る表示装置10nの表示部300nは、画像表示素子301と、駆動IC303と、メモリ304と、電源回路305と、バッテリ306と、無線回路307(受信部の一例)と、を備える。
【0284】
メモリ304は、無線回路307により受信された外部デバイス20からの画像データを蓄積する記憶装置である。
【0285】
電源回路305は、バッテリ306から入力される電圧を、各装置の駆動に対応する電圧に変換して供給する回路である。電源回路305は、
図39に示すように、画像表示素子301、駆動IC303、メモリ304および無線回路307それぞれに電源(電圧)を供給する。
【0286】
無線回路307は、上述の無線方式に従って、外部デバイス20から無線通信に画像データを受信する回路である。
【0287】
なお、表示部300nのその他の構成部品は、第1の実施形態に係る表示部300と同様である。
【0288】
以上のように、本実施形態に係る表示システム1nでは、表示装置10n(表示部300n)と、画像ソースとしての外部デバイス20とを、ケーブルレスで接続することができるので、煩雑なケーブルの取り回しを気にすることなく使用することが可能となる。本実施形態に係る表示装置10nは、その他、第1の実施形態に係る表示装置10と同様の効果を奏する。
【0289】
なお、本実施形態では、表示部300nと外部デバイス20との間で、画像データ等の情報を無線通信する例を説明したが、例えば、表示部300n(バッテリ306)と外部デバイス20との間で、非接触給電が可能であるものとしてもよい。この場合、外部デバイス20が有する電力により、ケーブルレスで、表示部300n側に給電することが可能となる。
【0290】
[第12の実施形態]
第12の実施形態に係る表示装置について、第1の実施形態に係る表示装置10と相違する点を中心に説明する。本実施形態では、カメラを搭載した表示装置の構成について説明する。
【0291】
(表示装置の構成)
図40は、第12の実施形態に係る表示装置の構成の一例を示す図である。
図40を参照しながら、本実施形態に係る表示装置10pの構成について説明する。
【0292】
図40に示すように、本実施形態に係る表示装置10pは、導光部材100a、100bと、筐体フレーム200a、200bと、表示部300a、300bと、ブリッジ400と、テンプル(図示せず)と、カメラ333a、333bと、カメラ334と、を備えている。
【0293】
カメラ333a、333bは、筐体フレーム200a、200bの前面側に取り付けられ、いわゆるステレオカメラとして機能する撮像装置である。カメラ333a、333bにより撮像された撮像画像の視差に基づき、撮像画像に写っている対象物までの距離が算出できる。例えば、カメラ333a、333bが撮像した撮像画像データは、無線通信または有線通信により外部デバイスに送信され、当該外部デバイスによって、当該撮像画像データの視差により対象物までの距離が算出される。そして、外部デバイスは、例えば、算出した距離に仮想のオブジェクトが表示されるような画像データを生成し、当該画像データを、表示装置10pに送信する。表示装置10pは、受信したオブジェクトが表示された画像データを、装着者に対して虚像として画像表示させることにより、当該オブジェクトがあたかも上述の距離に存在するように認識させることができる。
【0294】
カメラ334は、装着者の前方の背景を撮像する撮像装置である。カメラ334が撮像した撮像画像データは、無線通信または有線通信により外部デバイスに送信され、当該外部デバイスは、例えば、受信した撮像画像データに、上述のオブジェクトを重畳させた画像のデータを記憶することができる。
【0295】
なお、カメラ333a、333bおよびカメラ334により撮像された撮像画像データに対する処理は、表示装置10pとは別体の外部デバイスにより行われるものとしたが、これに限定されるものではない。例えば、表示装置10pの表示部(例えば、
図1に示す表示部300a、300b)に演算装置が搭載されているものとし、当該演算装置が、上述の撮像画像データに対する処理を行うものとしてもよい。
【0296】
また、表示装置10pにおいて、その他の構成は、第1の実施形態に係る表示装置10と同様である。
【0297】
以上のように、本実施形態に係る表示装置10pでは、ステレオカメラが装備されているので、装着者が前方で視認している対象物の距離を算出することが可能となり、当該距離に応じた仮想のオブジェクトを虚像として画像表示させることができる。これによって、実際の距離に応じたオブジェクトの表示を用いたAR表示により、装着者は没入感を堪能することができる。本実施形態に係る表示装置10pは、その他、第1の実施形態に係る表示装置10と同様の効果を奏する。
【0298】
[第13の実施形態]
第13の実施形態に係る表示装置について、第1の実施形態に係る表示装置10と相違する点を中心に説明する。本実施形態では、いわゆるデプスセンサを搭載した表示装置の構成について説明する。
【0299】
(表示装置の構成)
図41は、第13の実施形態に係る表示装置の構成の一例を示す図である。
図41を参照しながら、本実施形態に係る表示装置10qの構成について説明する。
【0300】
図41に示すように、本実施形態に係る表示装置10qは、導光部材100a、100bと、筐体フレーム200a、200bと、表示部300a、300bと、ブリッジ400と、テンプル(図示せず)と、赤外線スキャナ335と、赤外線カメラ336と、を備えている。
【0301】
赤外線スキャナ335および赤外線カメラ336は、いわゆるデプスセンサを構成する。まず、赤外線スキャナ335が赤外線を照射した後、赤外線カメラ336で撮像することにより、物体の距離によって、照射した赤外線が反射した時間(ToF:Time of Flight)と、赤外線カメラ336で撮像された各点の画像とでは時間差が生じ、この時間差に対する三角測量により画像上の各点の距離(深度)の演算が可能となる。この距離の演算は、第12の実施形態で説明したように、表示装置10qの表示部が行ってもよく、外部デバイスが行ってもよい。このように、物体の距離(深度)を面で把握でき、三次元の空間として記録することが可能となる。そして、一度、デプスセンサにより検出した三次元の空間の情報は記録されているので、表示装置10qを装着した人物が移動しても、その人物がどの位置にいるのかを把握することができる(自己位置推定)。
【0302】
また、表示装置10qにおいて、その他の構成は、第1の実施形態に係る表示装置10と同様である。
【0303】
以上のように、本実施形態に係る表示装置10qでは、デプスセンサを搭載し、装着者が三次元空間のどの位置にいるのかを把握できるので、表示装置10qで画像表示するオブジェクトを自由に配置したり固定したりすることが可能となる。例えば、表示装置10qを装着した装着者が移動した場合であっても、実空間が把握できているので、固定したオブジェクトが異なる位置に移動することなく表示させることが可能となる。本実施形態に係る表示装置10qは、その他、第1の実施形態に係る表示装置10と同様の効果を奏する。
【0304】
[第14の実施形態]
第14の実施形態に係る表示装置について、第1の実施形態に係る表示装置10と相違する点を中心に説明する。本実施形態では、アイトラッカーを搭載した表示装置の構成について説明する。
【0305】
(表示装置の構成)
図42は、第14の実施形態に係る表示装置の構成の一例を示す図である。
図42を参照しながら、本実施形態に係る表示装置10rの構成について説明する。
【0306】
図42に示すように、本実施形態に係る表示装置10rは、導光部材100a、100bと、筐体フレーム200a、200bと、表示部300a、300bと、ブリッジ400と、パッド401a、401bと、テンプル(図示せず)と、近赤外線LED337と、近赤外線カメラ338と、を備えている。また、
図42に示す表示装置10rの構成図は、装着者側から見た図である。
【0307】
パッド401a、401bは、装着者の鼻を両脇から挟んで表示装置10rを支えるための部材である。
【0308】
近赤外線LED337および近赤外線カメラ338は、いわゆるアイトラッカーを構成する。まず、近赤外線LED337は、装着者の眼に向けて近赤外線を発光する。次に、近赤外線カメラ338は、装着者の眼を撮像することにより、装着者の眼の瞳孔の位置、および、近赤外線LED337により発光された近赤外線の角膜上の反射点の位置が特定される。そして、これらの位置に基づいて、装着者の注視点の演算が可能となる。この注視点の演算は、第12の実施形態で説明したように、表示装置10rの表示部が行ってもよく、外部デバイスが行ってもよい。ここで、装着者の注視点を演算するために近赤外線を用いるのは、暗い場所でも眼球の位置が正確に把握できるようにするためである。なお、
図42に示す例では、装着者の右眼側に近赤外線LED337および近赤外線カメラ338が設置されているが、これに限定されるものではなく、左眼側に設置されるものとしてもよい。
【0309】
また、表示装置10rにおいて、その他の構成は、第1の実施形態に係る表示装置10と同様である。
【0310】
以上のように、本実施形態に係る表示装置10rでは、アイトラッカーを搭載し、装着者の注視点を演算、すなわち、装着者の視線の方向が把握できるので、装着者が見ている対象物(文字または物等)を認識することができ、その対象物に応じたオブジェクト(例えば、ポップアップによる対象部に関する付加情報)を表示装置10rで画像表示させることができる。
【0311】
[第15の実施形態]
第15の実施形態に係る表示装置について、第1の実施形態に係る表示装置10と相違する点を中心に説明する。本実施形態では、骨伝導スピーカを搭載した表示装置の構成について説明する。
【0312】
(表示装置の構成)
図43は、第15の実施形態に係る表示装置の構成の一例を示す図である。
図43を参照しながら、本実施形態に係る表示装置10sの構成について説明する。
【0313】
図43に示すように、本実施形態に係る表示装置10sは、導光部材100と、筐体フレーム200と、表示部300sと、ブリッジ(図示せず)と、テンプル500と、を備えている。
【0314】
表示部300sは、外部デバイスから画像データを受信し、当該画像データに基づいて、筐体フレーム200の中継光学系(例えば、第1の実施形態の中継光学系201等)へ向けて画像光を出射させる装置である。表示部300sは、筐体内に、
図2に示した表示部300が有するハードウェア部品の他、
図33に示すHDMIレシーバ321、
図34に示すMHL/HDMI変換器322、または、
図39に示す無線回路307等のデータ受信手段と、骨伝導スピーカ339と、を内蔵する。また、表示部300sは、
図4で上述したように、装着者の側頭骨51近傍に配置されるものとする。
【0315】
データ受信手段は、上述した通りであるが、ここでは、画像データの他、音声データ等を受信する。
【0316】
骨伝導スピーカ339は、データ受信手段により受信された音声データに基づき、装着者の骨を振動させて、装着者の耳に音声を伝えるスピーカ装置である。骨伝導スピーカ339は、装着者の骨に振動を伝えやすくするため、表示部300sの筐体のうち装着者に密着する側の筐体内壁に配置するのが望ましい。また、上述のように、表示部300sは、装着者の側頭骨51近傍に配置されているので、骨伝導スピーカ339は、骨伝導により音声を伝えやすいため、表示部300sを新たに他の場所に設置する必要がない。
【0317】
また、表示装置10sにおいて、その他の構成は、第1の実施形態に係る表示装置10と同様である。
【0318】
以上のように、本実施形態に係る表示装置10sでは、表示部300sに骨伝導スピーカ339が搭載されているので、表示装置10sによる画像表示の内容に応じた音声を装着者に伝えることができる。例えば、骨伝導スピーカ339により、作業について遠隔地からの指示またはガイダンスを装着者に伝えることができ、この場合、装着者の耳が塞がれることがないため、周囲の音も同時に聞こえるので安全に作業を行うことができる。
【0319】
[第16の実施形態]
第16の実施形態に係る表示装置について、第4の実施形態に係る表示装置10gと相違する点を中心に説明する。本実施形態では、中継光学系を格納する筐体と、装着者が表示装置を装着するためのフレームとを別にした構成について説明する。
【0320】
(表示装置の構成)
図44は、第16の実施形態に係る表示装置の構成の一例を示す図である。
図44を参照しながら、本実施形態に係る表示装置10b_1の構成について説明する。
【0321】
図44(a)に示すように、本実施形態に係る表示装置10b_1は、筐体220a、220bと、フレーム221a、221bと、テンプル222a、222bと、ブリッジ400と、を備えている。
【0322】
筐体220aは、導光部材100aと、コリメートレンズ212aと、中継光学系であるホプキンス型リレーレンズ群202aと、集光レンズ211aと、ミラー312aと、画像表示素子311a(画像表示部)と、制御基板302aと、を格納する一体部材の筐体である。ここで、筐体220aに格納される導光部材100a、コリメートレンズ212a、ホプキンス型リレーレンズ群202a、集光レンズ211a、ミラー312a、画像表示素子311a、および、制御基板302aの配置関係は、上述の第4の実施形態に係る表示装置10gにおける配置関係と同様である。また、筐体220aのうち、導光部材100aを覆う部分は光透過性の部材で形成されている。
【0323】
筐体220bは、導光部材100bと、コリメートレンズ212bと、中継光学系であるホプキンス型リレーレンズ群202bと、集光レンズ211bと、ミラー312bと、画像表示素子311b(画像表示部)と、制御基板302bと、を格納する一体部材の筐体である。ここで、筐体220bに格納される導光部材100b、コリメートレンズ212b、ホプキンス型リレーレンズ群202b、集光レンズ211b、ミラー312b、画像表示素子311b、および、制御基板302bの配置関係は、上述の第4の実施形態に係る表示装置10gにおける配置関係と同様である。また、筐体220bのうち、導光部材100bを覆う部分は光透過性の部材で形成されている。筐体220bは、筐体220aとブリッジ400によって接続されている。なお、筐体220aおよび筐体220bは、ブリッジ400によって接続されることに限られず、一体成型された筐体であってもよい。
【0324】
筐体220a、220bは、例えば、比重が小さく硬い素材であるマグネシウム合金アルミニウム合金、または硬質エンジニアリングプラスチック等で形成されている。なお、比重は3[mg/cm3]以下であり、かつ、曲げ応力が90[MPa]以上であることが望ましい。また、筐体220a、220bの肉厚は、軽量化のため、厚いところでも1[mm]以下が望ましい。また、上述の硬質エンジニアリングプラスチックとしては、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、高密度ポリエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、または液晶ポリマー等が適する。また、グラスファイバ等のフィラーを充填することが望ましい。また、筐体220a、220b内にそれぞれ導光部材100a、100bを固定する方法としては、ネジ留め、嵌め込み、または接着剤留め等が適する。
【0325】
なお、筐体220a、220bは、必ずしも一体部材である必要はなく、例えば、複数の筐体部材により構成され、各筐体部材がネジまたは接着剤等で固定することにより一体化された部材であってもよい。例えば、導光部材100(100a、100b)を格納した筐体、中継光学系等の光学系を格納した筐体、ならびに、制御基板302(302a、302b)、画像表示素子311(311a、311b)およびミラー312(312a、312b)を格納した筐体を独立して組み立て、これらをネジ留め、嵌め込みまたは接着剤留め等によって一体化するものとしてもよい。また、筐体220a、220bに格納される各光学部材および部品は、上述した第4の実施形態に係る表示装置10gにおいて対応する各光学部材および部品と同様の機能を有する。
【0326】
ここで、上述の第4の実施形態に係る表示装置10gでは、導光部材100と、画像表示素子311との間に中継光学系(ホプキンス型リレーレンズ群202)が配置されているため、導光部材100と、画像表示素子311とは離間した状態で配置される。このため、表示装置10gに対して外部から力が加わると、
図14に示した導光部材100と、中継光学系を格納する筐体フレーム200とが接合した部分である接合部600を中心にモーメントが大きくなり、導光部材100および筐体フレーム200等が歪む可能性がある。この場合、表示装置10gを頭部に装着したときに光軸が曲がり、右目と左目とで見ている映像の位置がずれて、映像が二重に見えたり、歪んで見えたりする虞がある。これに対応するために、例えば、筐体フレーム200の肉厚を厚くして比重の高い金属等を用いて頑丈にすると、歪みの発生は抑制することができるが、筐体フレーム200の重量が著しく増加し、鼻等の頭部への負担が大きくなる。
【0327】
そこで、本実施形態に係る表示装置10b_1では、
図44(a)に示すように、中継光学系(ホプキンス型リレーレンズ群202a、202b)を格納している筐体(筐体220a、220b)と、頭部に装着するためのフレーム(フレーム221a、221b)とを独立させた構造を取るものとしている。さらに、フレーム221aは、
図44(b)に示すように、軸方向が、筐体220aに格納されている中継光学系の光軸と略平行となっており、
図44(a)~
図44(c)に示すように、筐体220aのうち導光部材100aを格納している筐体部分に対して、接続部分230aで接続(接合)している。導光部材100aを格納している筐体部分と、接続部分230aとの接続は、例えば、ネジ留め、嵌め込み、または接着剤による接合のいずれであってもよい。これによって、筐体220aのうち画像表示素子311aを格納している筐体部分には負荷がかからず、
図14に示した接合部600に対応する接合部601を中心とするモーメントを小さくすることができるため、筐体220aの歪みの発生を抑制することができるため、映像が二重に見えたり、歪んで見えたりすることを抑制することができる。また、フレーム221aは、上述のように、軸方向が、筐体220aに格納されている中継光学系の光軸と略平行、かつ、筐体220aの高さと同じ高さとなっているため、フレーム221aと筐体220aとの一体感を高めることができる。なお、フレーム221bの構成もフレーム221aと同様であり、フレーム221bは、軸方向が筐体220bに格納されている中継光学系の光軸と略平行とし、
図44(a)および
図44(c)に示すように、筐体220bのうち導光部材100bを格納している筐体部分に対して、接続部分230bで接続(接合)している。
【0328】
また、フレーム221a、221bは、弾性を有する部材である金属または樹脂等で形成されている。なお、フレーム221a、221bを形成する部材としては、超弾性があり、低ヤング率(80[GPa]以下)で油脂、塩に対して耐食性に優れ、頭部形状にフィットするフィッティング性および曲げ耐久性を有することが望ましい。また、フレーム221a、221bの部材の具体的な材質としては、チタン、チタン合金(チタンーニッケル合金、βチタン合金、ゴムメタル等)、マグネシウム合金、アルミニウム合金、ステンレス合金、トリアセテート、カーボン樹脂、またはポリアミド樹脂等が望ましい。
【0329】
また、フレーム221a、221bは、
図44(a)に示すように、接続部分230a、230bとは逆の端部側にテンプル222a、222bを備え、さらに、折り曲げを可能にする蝶番223a、223bを備えている。なお、蝶番223a、223bが備えられることは必須ではなく、備えられていなくてもよい。
【0330】
以上のように、本実施形態に係る表示装置10b_1は、中継光学系(ホプキンス型リレーレンズ群202a、202b)を格納している筐体(筐体220a、220b)と、頭部に装着するためのフレーム(フレーム221a、221b)とを独立させた構造を取るものとしてる。さらに、フレーム221a、221bは、筐体220a、220bのうち導光部材100a、100bを格納している筐体部分に対して、接続部分230a、230bで接続(接合)しているものとしている。これによって、筐体220a、220bのうち画像表示素子311a、311bを格納している筐体部分には負荷がかからず、接合部601を中心とするモーメントを小さくすることができるため、筐体220a、220bの歪みの発生を抑制することができるため、映像が二重に見えたり、歪んで見えたりすることを抑制することができる。
【0331】
なお、筐体220a、220bに格納されている中継光学系としては、上述のようにホプキンス型リレーレンズ群202a、202bとしているが、これに限定されるものではなく、上述の各実施形態で示したような他の中継光学系であってもよいのは言うまでもない。
【0332】
(変形例1)
図45は、第16の実施形態の変形例1に係る表示装置の構成の一例を示す図である。
図45を参照しながら、本実施形態の変形例1に係る表示装置10b_2の構成について説明する。
【0333】
図45(a)に示すように、本実施形態に係る表示装置10b_1は、筐体220a、220bと、前部フレーム231と、フレーム221a、221bと、テンプル222a、222bと、ブリッジ400と、を備えている。なお、筐体220a、220b、ならびにこれらに格納される各光学系および装置等の構成は、上述の
図44に示した第16の実施形態に係る表示装置10b_1における構成と同様である。
【0334】
本変形例に係る表示装置10b_2では、
図45(a)に示すように、上述の第16の実施形態に係る表示装置10b_1と同様に、中継光学系(ホプキンス型リレーレンズ群202a、202b)を格納している筐体(筐体220a、220b)と、頭部に装着するためのフレーム(フレーム221a、221b)とを独立させた構造を取るものとしている。さらに、フレーム221aとフレーム221bとは、導光部材100a、100bの長手方向と略平行に延設された前部フレーム231によって結合されている。前部フレーム231の中央部分は、接続部分232によって、導光部材100a、100bを格納する筐体220a、220bの中央部、すなわち、ブリッジ400に接合されている。ブリッジ400と、接続部分232との接続は、例えば、ネジ留め、嵌め込み、または接着剤による接合のいずれであってもよい。この接続部分232が接合された導光部材100a、100bを格納する筐体220a、220bの中央部(ブリッジ400)は、外力が加わっても筐体220a、220bについて変形または歪みが最も生じにくい部分である。これによって、筐体220a、220bのうち画像表示素子311a、311bを格納している筐体部分には負荷がかからず、筐体220a、220bの歪みの発生を抑制することができるため、映像が二重に見えたり、歪んで見えたりすることを抑制することができる。なお、接続部分232はブリッジ400に接合されることに限定されるものではなく、筐体220a、220bのうち導光部材100a、100bを格納している筐体部分であって装着者の鼻近傍の部分に接合されるものとしてもよい。
【0335】
さらに、フレーム221a、221bは、
図45(a)~
図45(c)に示すように、軸方向が、筐体220a、220bに格納されている中継光学系の光軸と略平行となっており、かつ、筐体220a、220bの高さと同じ高さとなっているため、フレーム221a、221bと筐体220a、220bとの一体感を高めることができる。
【0336】
(変形例2)
図46は、第16の実施形態の変形例2に係る表示装置の構成の一例を示す図である。
図46を参照しながら、本実施形態の変形例2に係る表示装置10b_3の構成について説明する。
【0337】
図46(a)に示すように、本実施形態に係る表示装置10b_3は、筐体220a、220bと、前部フレーム233と、フレーム221a、221bと、テンプル222a、222bと、ブリッジ400と、を備えている。なお、筐体220a、220b、ならびにこれらに格納される各光学系および装置等の構成は、上述の
図44に示した第16の実施形態に係る表示装置10b_1における構成と同様である。
【0338】
本変形例に係る表示装置10b_3では、
図46(a)に示すように、上述の第16の実施形態に係る表示装置10b_1と同様に、中継光学系(ホプキンス型リレーレンズ群202a、202b)を格納している筐体(筐体220a、220b)と、頭部に装着するためのフレーム(フレーム221a、221b)とを独立させた構造を取るものとしている。さらに、フレーム221aとフレーム221bとは、導光部材100a、100bの長手方向と略平行に延設された前部フレーム233によって結合されている。前部フレーム233の中央部分は、接続部分234によって、導光部材100a、100bを格納する筐体220a、220bの中央部、すなわち、ブリッジ400に接合されている。ブリッジ400と、接続部分234との接続は、例えば、ネジ留め、嵌め込み、または接着剤による接合のいずれであってもよい。なお、接続部分234はブリッジ400に接合されることに限定されるものではなく、筐体220a、220bのうち導光部材100a、100bを格納している筐体部分であって装着者の鼻近傍の部分に接合されるものとしてもよい。
【0339】
ここで、上述の変形例1に係る表示装置10b_2の構成の場合、例えば、頭の大きな人が装着した場合、フレーム221a、221bが大きく外側に広がって、中継光学系を格納している筐体220a、220bに干渉する可能性がある。この干渉を抑制するため、本変形例では、
図46(b)および
図46(c)に示すように、前部フレーム233の高さ位置を、導光部材100a、100bを格納した筐体220a、220bよりも上方に位置する構成としている。これによって、前部フレーム233に接合されたフレーム221a、221bの高さ位置も、筐体220a、220bよりも上方に位置することになる。これによって、頭に装着した場合、フレーム221a、221bが大きく外側に広がった場合でも、中継光学系を格納している筐体220a、220bに干渉して力が加わることがないため、任意の人が装着可能となる。
【0340】
また、接続部分234が接合された導光部材100a、100bを格納する筐体220a、220bの中央部(ブリッジ400)は、外力が加わっても筐体220a、220bについて変形または歪みが最も生じにくい部分である。これによって、筐体220a、220bのうち画像表示素子311a、311bを格納している筐体部分には負荷がかからず、筐体220a、220bの歪みの発生を抑制することができるため、映像が二重に見えたり、歪んで見えたりすることを抑制することができる。
【0341】
(変形例3)
図47は、第16の実施形態の変形例3に係る表示装置の構成の一例を示す図である。
図47を参照しながら、本実施形態の変形例3に係る表示装置10b_4の構成について説明する。
【0342】
図47(a)に示すように、本実施形態に係る表示装置10b_4は、筐体220a、220bと、フレーム筐体224a、224b(フレームの一例)と、、ブリッジ400と、を備えている。なお、筐体220a、220b、ならびにこれらに格納される各光学系および装置等の構成は、上述の
図44に示した第16の実施形態に係る表示装置10b_1における構成と同様である。
【0343】
本変形例に係る表示装置10b_4では、
図47(a)に示すように、上述の第16の実施形態に係る表示装置10b_1と同様に、中継光学系(ホプキンス型リレーレンズ群202a、202b)を格納している筐体(筐体220a、220b)と、頭部に装着するためのフレーム(フレーム筐体224a、224b)とを独立させた構造を取るものとしている。フレーム筐体224aは、
図47(a)~
図47(c)に示すように、筐体220aの上側部分を内包する態様で形成された部材であると共に、装着者の頭部に装着するためのフレーム(テンプル)としての機能も有する。フレーム筐体224bも、同様に、筐体220bの上側部分を内包する態様で形成された部材であると共に、装着者の頭部に装着するためのフレーム(テンプル)としての機能も有する。フレーム筐体224a、224bの材質としては、金属または樹脂のいずれでもよいが、ヤング率は70[GPa]以下の低ヤング率である方が、頭部へのフィット感がよくなるので望ましい。なお、フレーム筐体224a、224bは、筐体220a、220bの上側部分を内包する態様であることに限定されるものではなく、例えば、下側部分を内包するものとしてもよく、少なくとも筐体220a、220bの一部を内包する態様であってもよい。
【0344】
さらに、フレーム筐体224aおよびフレーム筐体224bは、筐体220aのうち導光部材100aを格納している筐体部分と、筐体220bのうち導光部材100bを格納している筐体部分とが接続部分236で接合されている。また、接続部分236は、導光部材100a、100bを格納する筐体220a、220bの中央部、すなわち、ブリッジ400に接合されている。ブリッジ400と、接続部分236との接続は、例えば、ネジ留め、嵌め込み、または接着剤による接合のいずれであってもよい。なお、接続部分236はブリッジ400に接合されることに限定されるものではなく、筐体220a、220bのうち導光部材100a、100bを格納している筐体部分であって装着者の鼻近傍の部分に接合されるものとしてもよい。
【0345】
ここで、上述の表示装置10b_1~10b_3の構成の場合、例えば、頭部に装着する際、筐体220a、220bのうち中継光学系を格納した部分に、装着者の手または頭部が触れてしまい、筐体220a、220bが変形する可能性がないわけではない。そこで、本変形例に係る表示装置10b_4は、上述のように、筐体220a、220bを覆うフレーム筐体224a、224bを備え、接続部分236でブリッジ400に接合させるものとしている。これによって、頭部に装着した場合に、頭部に接触するフレーム筐体224a、224bが変形しても、中継光学系を格納している筐体220a、220bには力が加わることがなく、筐体220a、220bに装着者の手または頭部が触れることもないため、筐体220a、220bの歪みの発生を抑制することができるため、映像が二重に見えたり、歪んで見えたりすることを抑制することができる。
【0346】
さらに、フレーム筐体224a、224bは、
図47(b)および
図47(c)に示すように、軸方向が、筐体220a、220bに格納されている中継光学系の光軸と略平行となっており、かつ、筐体220a、220bの高さと同じ高さとなっているため、フレーム筐体224a、224bと筐体220a、220bとの一体感を高めることができる。
【実施例0347】
(頭部装着型表示装置の構成)
実施例1に係る頭部装着型表示装置は、画像表示素子と、中継光学系と、導光部材と、を備えており、構成の詳細を下記のようにした。
【0348】
・導光部材:アクリル樹脂、厚み10mm、長さ50mm、高さ10mm、両端に角度45度のハーフミラー
・中継光学系
・両凸レンズ2枚を1群とした2群(レンズ間隔は下記参照)
・曲率半径7mm・-7mm、厚み4mm、屈折率nd=1.728(素材:N-SF10)
・直径が6mm、7mm、8mm、9mm、12mmの5種類の中継光学系とした。
【0349】
・両凸レンズ4枚は、各直径に応じて厚み0.1mmのステンレス製パイプ材にて固定し、筐体フレームとした。
【0350】
・画像表示素子:KOPIN社製VGA-LVS、表示面7.2mm×5.4mm、素子筐体寸法20mm×15mm
・リレーレンズと導光部材と画像表示素子とを、
図1のように配置した。
【0351】
・画像表示素子の表示面と両凸レンズとの間隔A:6mm、両凸レンズ間隔B:10mm、両凸レンズ間隔C:12mm、両凸レンズ間隔D:10mm、両凸レンズと導光部材の光入射部との間隔E:5mm、画像表示素子の表示面から導光部材の光入射部までの距離:43mm ・画像表示素子は、制御基板(20mm×25mm)と共に、筐体(25mm×30mm×20mm)内に固定した。
【0352】
・導光部材と、中継光学系を固定した筐体フレームと、画像表示素子およびその制御基板を固定した筐体と、を固定し、プラスチック製のテンプルと弾性樹脂性のモダンとを取り付けて、両眼で見る頭部装着型表示装置とした。
【0353】
・両眼の角膜の頂点に接する平面に対して、画像表示素子の表示面に近接する両凸レンズの位置は28mm後方に位置した。
【0354】
(実施結果)
各直径の中継光学系での映像視認性、実視野の確保、および鼻への負担について、下記の(表1)に示すような実施結果が得られた。
【0355】
【0356】
(表1)に示すように、中継光学系の幅が8mm以下であれば、画像表示素子を導光部材に接する位置と同等の映像表示ができ、かつ、圧迫感なく実視野を十分確保し、鼻への負担が顕著に低減できることを確認した。
・画像表示素子の表示面とリレーレンズとの間隔A:5mm、リレーレンズ長さBおよびD:15mm、リレーレンズ間隔C:10mm、リレーレンズと導光部材の光入射部
との間隔E:5mm、画像表示素子の表示面から導光部材の光入射部までの距離:50mm
・画像表示素子は、制御基板(20mm×25mm)と共に、筐体(25mm×30mm×20mm)内に固定した。
(表2)に示すように、中継光学系の幅が8mm以下であれば、画像表示素子を導光部材に接する位置と同等の映像表示ができ、かつ、圧迫感なく実視野を十分確保し、鼻への負担が顕著に低減できることを確認した。さらに、ホプキンス型リレーレンズ群としたことにより、レンズの枚数を低減でき、筐体への組み込み時に光学系の調芯が簡素化できた。