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特開2023-37368情報処理装置、メンテナンス状況提供方法、プログラム、サービス提供システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023037368
(43)【公開日】2023-03-15
(54)【発明の名称】情報処理装置、メンテナンス状況提供方法、プログラム、サービス提供システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230308BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021144070
(22)【出願日】2021-09-03
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】岸本 充弘
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】複数の取得方法に優先順位を設定して外部サーバーのメンテナンス情報を取得できる情報処理装置、メンテナンス状況提供方法、プログラム及びサービス提供システムを提供する。
【解決手段】サービス提供システムにおいて、第二の情報処理装置である文書配信管理サーバー110がサービスの提供に使用する外部サーバーである配信サーバーを監視する情報処理装置である監視サーバー140は、外部サーバーに関する情報を取得する複数の取得方法のうち、予め設定された優先順位で外部サーバーに関する情報を取得する情報取得部と、情報取得部が取得した外部サーバーに関する情報に基づいて、外部サーバーのメンテナンス状況を前記第二の情報処理装置に提供する提供部と、を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第二の情報処理装置がサービスの提供に使用する外部サーバーを監視する情報処理装置であって、
前記外部サーバーに関する情報を取得する複数の取得方法のうち、予め設定された優先順位で前記外部サーバーに関する情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した前記外部サーバーに関する情報に基づいて、前記外部サーバーのメンテナンス状況を前記第二の情報処理装置に提供する提供部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記外部サーバーに関する情報を解析して、前記外部サーバーのメンテナンス状況を判断するメンテナンス情報解析部を有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記複数の取得方法は、前記外部サーバーが公開するWeb APIを使用する方法、前記外部サーバーがメンテナンス情報を公開するWebサイトから取得する方法、及び、前記外部サーバーに電子メールで問い合わせ、前記問い合わせに対する返信として取得する方法、であることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報取得部は、前記外部サーバーが前記Web APIを公開している場合は前記Web APIを使用し、
前記外部サーバーが前記Web APIを公開していない場合は、前記Webサイトから取得し、
前記外部サーバーが前記Webサイトを公開していない場合は、前記電子メールを用いて前記外部サーバーに関する情報を取得することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記複数の取得方法のそれぞれについて、前記外部サーバーが公開するWeb API、前記WebサイトのURL、及び、前記外部サーバーのメールアドレス及びメールサーバの登録画面を端末装置に提供し、前記端末装置から前記外部サーバーが公開するWeb API、前記WebサイトのURL、及び、前記外部サーバーのメールアドレス及びメールサーバの設定を受け付ける設定受付部を有することを特徴とする請求項3又は4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記設定受付部は、前記複数の取得方法の優先順位の設定を受け付けることを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記優先順位は前記外部サーバーによって異なることを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
第二の情報処理装置がサービスの提供に使用する外部サーバーを監視する情報処理装置のメンテナンス状況提供方法であって、
前記外部サーバーに関する情報を取得する複数の取得方法のうち、予め設定された優先順位で前記外部サーバーに関する情報を取得するステップと、
取得した前記外部サーバーに関する情報に基づいて、前記外部サーバーのメンテナンス状況を前記第二の情報処理装置に提供するステップと、
を有することを特徴とするメンテナンス状況提供方法。
【請求項9】
第二の情報処理装置がサービスの提供に使用する外部サーバーを監視する情報処理装置を、
前記外部サーバーに関する情報を取得する複数の取得方法のうち、予め設定された優先順位で前記外部サーバーに関する情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した前記外部サーバーに関する情報に基づいて、前記外部サーバーのメンテナンス状況を前記第二の情報処理装置に提供する提供部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項10】
外部サーバーを使用してサービスを提供するにサービス提供システムであって、
前記外部サーバーに関する情報を取得する複数の取得方法のうち、予め設定された優先順位で前記外部サーバーに関する情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した前記外部サーバーに関する情報に基づく、前記外部サーバーのメンテナンス状況に応じて、サービスを実行するサービス実行制御部と、
を有することを特徴とするサービス提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、メンテナンス状況提供方法、プログラム、及び、サービス提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
文書の配信などの種々のジョブを実行するサービス提供システムが知られている。サービス提供システムがジョブを実行する際に外部サーバーの障害によりジョブが失敗する場合がある。この場合、サービス提供システムの管理者は例えば外部サーバーの管理者から障害が解消した旨を受信して、復旧したことを検出することができる。
【0003】
また、外部サーバー等のネットワーク上のサービスが復旧したかどうかを、サービスを公開しているWebサーバーから取得する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、複数の方法でサーバーのメンテナンス状況等を確認する方法が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、複数の取得方法に優先順位を設定して外部サーバーのメンテナンス情報を取得できないという問題がある。例えば、複数の取得方法の精度に差がある場合に精度のよいものから実行することが困難である。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、複数の取得方法に優先順位を設定して外部サーバーのメンテナンス情報を取得できる情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に鑑み、本発明は、第二の情報処理装置がサービスの提供に使用する外部サーバーを監視する情報処理装置であって、前記外部サーバーに関する情報を取得する複数の取得方法のうち、予め設定された優先順位で前記外部サーバーに関する情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部が取得した前記外部サーバーに関する情報に基づいて、前記外部サーバーのメンテナンス状況を前記第二の情報処理装置に提供する提供部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
複数の取得方法に優先順位を設定して外部サーバーのメンテナンス情報を取得できる情報処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】サービス提供システムのシステム全体の概略構成図の一例である。
図2】コンピュータの一例のハードウェア構成図である。
図3】文書配信管理サーバー及び監視サーバーの機能構成例を示す図である。
図4】記憶部に格納されるテーブルの例を示す図である。
図5】管理者端末が表示するメンテナンス情報取得設定情報の登録画面の一例を示す図である。
図6】取得方法の優先順位を変更できるメンテナンス情報取得設定情報の登録画面の一例を示す図である。
図7】Web APIにより取得されるメンテナンス情報の一例を示す図である。
図8】WebサイトのURLへのアクセスにより取得されるメンテナンス情報の一例を示す図である。
図9】電子メールにより取得されるメンテナンス情報の一例を示す図である。
図10】サービス提供システムが機器からの要求に応じてジョブを実行する手順を示すシーケンス図の一例である。
図11】監視サーバーがメンテナンス情報を解析する手順を示すフローチャート図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態の一例として、サービス提供システムとサービス提供システムが行うメンテナンス状況提供方法について図面を参照しながら説明する。
【0010】
<サービス提供システムの動作の概略>
監視サーバーが配信先サーバーなどの外部サーバーのメンテナンス情報を取得する方法として、
1.外部サーバーが用意するWeb API(Application Programming Interface)
2.外部サーバーのWebページで公開される情報
3.外部サーバーに対する問い合わせ先のメールアドレス
を使用する方法がある。
【0011】
本実施形態のサービス提供システムは、上記のような複数の方法を組み合わせ、外部サーバーのメンテナンス情報を取得する。これにより、上記の複数の取得方法のうち1つしか対応していない外部サーバーが存在しても、外部サーバーのメンテナンス情報を幅広く取得できる。
【0012】
また、サービス提供システムは、メンテナンス情報を取得する取得方法に優先順位をつけることでメンテナンス情報の判断精度を向上できる。
【0013】
<用語について>
Web APIとは、HTTPプロトコルを用いてネットワーク越しに呼び出すアプリケーション間又はシステム間のインターフェースをいう。
【0014】
サービスとは、処理を行うことや処理結果を提供することをいう。処理の結果は有体物でも無体物でもよい。
【0015】
外部サーバーに関する情報とは、外部サーバーのメンテナンス状況を判断できる情報であればよい。また、メンテナンスとは、外部サーバーの維持、保守又は管理等のために使用が制限されることをいい、メンテナンス状況は理由を問わずにメンテナンスが行われているかどうかをいう。
【0016】
<システム構成例>
図1は、本実施形態におけるサービス提供システムのシステム全体の概略構成図である。図1では、一例として、サービス提供システム100は、文書配信管理サーバー110と監視サーバー140を有している。また、文書配信管理サーバー110は配信先サーバー120と通信することができる。文書配信管理サーバー110、監視サーバー140、及び配信先サーバー120は、情報処理装置であり、互いにネットワークを介して通信可能である。
【0017】
本実施形態の文書配信管理サーバー110(第二の情報処理装置の一例)は、MFP(Multi-Function Peripheral)130などの画像処理装置が読み込んだ文書(スキャンした画像データ)を、PDF等の所定の形式のファイルで配信先サーバー120に配信することで、ジョブを実行する。文書配信管理サーバー110はジョブを実行することでジョブに応じたサービスを提供する。このようなジョブをワークフローや処理フローという場合がある。MFP130がスキャンした文書の他、FAX受信した文書もジョブの対象となる。
【0018】
ジョブには、例えば、MFPが原稿をスキャンして得た文書にOCR(Optical Character Reader)を施してPDFに変換し、電子メールで送信したり、フォルダに配信したりするものがある。このような一連の処理(すなわちジョブ)は、顧客側の管理者が登録しておくことができ、エンドユーザーはMFP130が表示するジョブのリストから所望のジョブを選択して、実行できる。
【0019】
なお、配信対象となる文書は、MFP130以外の装置から提供されるものであってもよい。また、文書配信管理サーバー110は、実行するジョブの設定を管理者端末111から行うことができる。
【0020】
管理者端末111は、管理者が使用する端末装置である。管理者端末は、例えば、PC(Personal Computer)、スマートデバイス(スマートフォン、タブレット端末等)が挙げられているが、この他、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPC等、Webブラウザが動作するか、ジョブの設定用に使用されるアプリが動作すればよい。
【0021】
配信先サーバー120は、文書配信管理サーバー110から受信した文書を格納する。情報処理端末121は、配信先サーバー120とネットワークを介して接続され、各ユーザーは、配信された文書を情報処理端末121から閲覧することができる。
【0022】
配信先サーバー120は、文書配信管理サーバー110とは管理者や運営元が異なる外部サーバーである。このため、配信先サーバー120のメンテナンス時間等は文書配信管理サーバー110から制御できない。また、図1では、配信先サーバー120は一台だが、各種の配信先サーバー120が、複数存在することが想定される。どの配信先サーバー120に配信されるかは、予めジョブに設定されている。配信先サーバー120としては、Dropbox(登録商標)、Box(登録商標)、OneDrive(登録商標)、Google ドライブ(登録商標)、Microsoft365(登録商標)等があるが、これらは一例に過ぎない。
【0023】
監視サーバー140は、配信先サーバー120のメンテナンス状況を監視する(情報処理装置の一例)。監視サーバー140は、文書配信管理サーバー110からの要求に応じて配信先サーバー120のメンテナンス状況を取得してもよいし、自律的に、配信先サーバー120のメンテナンス状況を取得してもよい。このため、監視サーバー140はネットワークを介して各種の配信先サーバー120と通信可能に接続されている。
【0024】
図1に示すサービス提供システム100の概略構成は一例であって、文書配信管理サーバー110と監視サーバー140は一体でもよい。また、監視サーバー140の機能が複数のサーバーに分散して配置されていてもよい。
【0025】
また、例えば、文書配信管理サーバー110と、MFP130とが行う処理が、1の装置で行われるような構成であってもよい。また、サービス提供システム100に含まれる各装置の台数は一例であり、図示する以外の数の装置が存在してよい。
【0026】
<ハードウェア構成例>
図1の文書配信管理サーバー110、及び監視サーバー140は例えば図2に示すハードウェア構成のコンピュータにより実現される。図2はコンピュータの一例のハードウェア構成図である。図2のコンピュータ500はコンピュータによって構築されており、図2に示されているように、CPU501、ROM502、RAM503、HD504、HDDコントローラ505(Hard Disk Drive)、ディスプレイ506、外部機器接続I/F508(Interface)、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティングデバイス512、光学ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0027】
これらのうち、CPU501は、コンピュータ全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、図2に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0028】
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。光学ドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としての光記憶媒体513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。光学ドライブ514はCD、DVD、Blu-Ray(登録商標)等である。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0029】
<機能について>
図3は、文書配信管理サーバー110及び監視サーバー140の機能構成例を示す図である。
【0030】
<<文書配信管理サーバー>>
文書配信管理サーバー110は、ジョブ入力受付部310、サービス実行制御部320、通知送受信部330、設定部340、通信部350、記憶部360の各モジュールを含む。文書配信管理サーバー110が有するこれら各機能部は、文書配信管理サーバー110にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令を図2に示したCPU501が実行することで実現される機能又は手段である。以下に、各機能手段について詳細に説明する。
【0031】
ジョブ入力受付部310は、MFP130から文書を配信するジョブの入力(実行要求)を受け付ける。文書は、例えば、MFP130のスキャン機能によって読み取られた文書であり、PDFなどの所定の形式に変換されたファイルとして入力される。
【0032】
サービス実行制御部320は、予め登録されたジョブの設定情報を参照し、当該設定情報に基づいて、ジョブの実行を制御する手段である。例えばサービス実行制御部320は、ジョブ入力受付部310にジョブが入力されると、所定の配信先に文書ファイルを配信することで、ジョブを実行する。また、サービス実行制御部320は、通知送受信部330に対して、ジョブの実行の成否に応じた通知を依頼する。更に、サービス実行制御部320は、実行に失敗したジョブの保留や、保留されたジョブの再実行などの処理を行うことができる。
【0033】
通知送受信部330は、ネットワークI/F509を介して、種々の通知を行う手段である。通知送受信部330は、例えば、ジョブの実行処理を行ったユーザーに対して、当該ジョブの成否の通知を送信することができる。また、通知送受信部330は、配信先サーバー120のエラーによってジョブを実行できなかった場合に、当該サーバー装置の管理者に対して、配信先サーバー120にエラーが発生している旨や、修復などの対処を依頼する旨の通知を送信する。更に、通知送受信部330は、配信先サーバー120の管理者から、サーバーを修復した旨の通知を受信することができる。
【0034】
設定部340は、ジョブに関する種々の設定を行う手段である。設定部340は、設定用の画面を生成して管理者端末111に送信し、画面に入力された情報を受け付けるWebサーバーとして機能する。本実施形態においては、サービス提供システム100の管理者が、管理者端末111から文書配信管理サーバー110にアクセスすることで、文書を配信するジョブの種々の処理について設定することができる。
【0035】
通信部350は、監視サーバー140のAPIを介して、監視サーバー140に配信先サーバー120のメンテナンス状況を問い合わせたり、メンテナンス状況を取得したりする。
【0036】
記憶部360は、種々のデータを記憶する。本実施形態の記憶部360は、保留ジョブテーブル361と、異常サーバテーブル362とを格納する。記憶部360に格納されるテーブルについて、図4を参照して説明する。図4は、本実施形態の記憶部360に格納されるテーブルの例を示す図である。
【0037】
図4(a)は、保留ジョブテーブル361の例を示す。保留ジョブテーブル361は、実行に失敗したジョブを、実行が保留されているジョブ(以下、「保留ジョブ」として参照する)として格納する記憶領域である。保留ジョブテーブル361には、各ジョブを識別する番号と、各ジョブの内容などとを対応付けて格納することができる。図4(a)に示す例では、保留ジョブテーブル361は、ジョブを識別する番号、各ジョブに基づいて配信される文書の配信先サーバー名、配信先サーバー120のアドレス、配信先のフォルダ、認証情報などを対応付けて格納している。なお、保留ジョブテーブル361には、図4(a)に示したもの以外の項目が含まれてもよい。
【0038】
図4(b)は、異常サーバテーブル362の例を示す。異常サーバテーブル362には、エラーが発生した配信先サーバー名と、当該サーバーが配信の対象となっているジョブとが対応付けられたリストが格納されている。本実施形態では、実行に失敗したジョブについて、文書の配信先となっている配信先サーバー120を、エラーが発生したサーバーとして保留ジョブと対応付けて異常サーバテーブル362に格納する。また、新たに発生したエラーに係るサーバーが、すでに異常サーバテーブル362に格納されているものである場合には、当該サーバーに対応する保留ジョブの項目に、エラーが発生したジョブのジョブ識別番号を追加する。図4(b)では、図4(a)の保留ジョブテーブル361に格納されている各配信先サーバー名が、保留ジョブのジョブ識別番号と対応付けられて異常サーバテーブル362に格納されている例を示している。
【0039】
<<監視サーバー>>
監視サーバー140は、通信部11、情報取得部12、メンテナンス情報解析部13、設定受付部14、及び、提供部15を有している。監視サーバー140が有するこれら各機能部は、監視サーバー140にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令を図2に示したCPU501が実行することで実現される機能又は手段である。以下に、各機能手段について詳細に説明する。
【0040】
通信部11は、文書配信管理サーバー110から配信先サーバー120のメンテナンス状況の問い合わせを受信する。また、通信部11は、配信先サーバー120のメンテナンス状況を文書配信管理サーバー110に送信する。
【0041】
情報取得部12は、文書配信管理サーバー110からメンテナンス状況の取得依頼を受信した場合に、後述のメンテナンス情報取得設定情報に従い、配信先サーバー120から配信先サーバー120のメンテナンス情報を取得する。
【0042】
メンテナンス情報を取得する場合、配信先サーバー120がメンテナンス情報の取得用のWeb APIを公開していれば、Web APIから取得できるメンテナンス情報が最も正確であると思われる。そのため、Web APIが公開されている場合、情報取得部12は第一の取得方法としてWeb APIを使用する。
【0043】
ただしすべての配信先サーバー120がメンテナンス情報を取得できるWeb APIを公開しているとは限らない。その場合、情報取得部12は、第二の取得方法としてメンテナンス情報を公開するWebサイトのURLにアクセスし、Webページの情報を取得する。アクセスするURLは後述のメンテナンス情報取得設定情報に登録されている。第二の取得方法によって取得された情報は後述のメンテナンス情報解析部13に渡され、メンテナンス状況の判断に使われる。
【0044】
第一の取得方法と第二の取得方法が使用できない場合、情報取得部12は第三の取得方法として配信先サーバー120の問い合わせ用のメールアドレスに電子メールを自動で送信し、それに対し問い合わせ先担当者が返信することでメンテナンス情報を取得する。電子メールの送信先は後述のメンテナンス情報取得設定情報に登録されている。第三の取得方法によって取得された情報は後述のメンテナンス情報解析部13に渡され、メンテナンス状況の判断に使われる。
【0045】
メンテナンス情報解析部13は、情報取得部12が取得した情報を解析してメンテナンス状況を判断する。
・第一の取得方法であるWeb APIにより取得された情報の場合、メンテナンス情報解析部13はWeb APIのレスポンス仕様(フォーマット)にしたがってメンテナンス状況を判断する。レスポンス仕様とは、予め決まった項目名にメンテナンス状況を示す情報が対応付けられていることをいう。
・第二の取得方法であるWebサイトのURLへのアクセスにより取得されたメンテナンス状況(htmlファイル)の場合、メンテナンス情報解析部13は、Webページにアクセスしたときに取得されるhtmlファイルなどを解析することでメンテナンス状況を判断する。
【0046】
メンテナンス状況の判断方法として機械学習を使用する方法がある。例えば、ナイーブベイズを使用してWebページのテキストデータがメンテナンス中かどうかを判断する。ナイーブベイズはあるデータがどのカテゴリーに属するものなのか判断する機械学習の手法のひとつである。この場合、テキストデータの単語にもとついてメンテナンス中かそうでないかが判断される。また、メンテナンス情報解析部13は、ディープラーニングを使用して、判断してもよい。あるいは、メンテナンス情報解析部13は、単に、Webページのテキストデータを形態素解析して、メンテナンスの開始、メンテナンス中、又は、終了したことを示すキーワードと、予め登録しておいたキーワードを比較してもよい。
・第三の取得方法である電子メールにより取得されたメンテナンス情報の場合、メンテナンス情報解析部13は、予め決められた文面の問い合わせメールを自動送信し、返信された受信メールの文面からメンテナンス状況を判断する。判断方法は第二の取得方法と同様でよい。
【0047】
設定受付部14は、メンテナンス情報取得設定情報の登録を受け付ける。サービス提供システム100の管理者は一例として後述する図5のような登録画面によりメンテナンス情報取得設定情報を登録できる。
【0048】
提供部15は、メンテナンス情報解析部13が生成したメンテナンス状況を、通信部11を介して文書配信管理サーバー110に提供する。
【0049】
<メンテナンス情報取得設定情報の登録画面>
図5は、管理者端末111が表示するメンテナンス情報取得設定情報の登録画面210の一例である。管理者は管理者端末111を監視サーバー140に接続させ、Webブラウザが監視サーバー140から受信したメンテナンス情報取得設定情報の登録画面210の画面情報に基づいて、この登録画面210を表示する。画面情報は、HTML、XML、スクリプト言語、及びCSS(Cascading Style Sheet)等で記述されたプログラムであり、主にHTMLによりWebページの構造が規定され、スクリプト言語によりWebページの動作が規定され、CSSによりWebページのスタイルが規定される。
【0050】
管理者はサービス提供システム100で使用され得る配信先サーバー120に"Web API"、"メンテナンス情報取得URL"及び"問い合わせアドレス/メールサーバ"の1つ以上を設定する。管理者は"Web API"の項目にメンテナンス情報が公開されているWeb APIを設定する。また、管理者は"メンテナンス情報取得URL"の項目には、配信先サーバー120のメンテナンスページのURLを入力する。また、管理者は、"問い合わせアドレス/メールサーバ"の項目に各配信先サーバー120の問い合わせ先メールアドレスとメールサーバに関する情報(SMTPサーバーとPopサーバーのIPアドレス等)を入力する。図5でSMTPサーバーとPopサーバーのIPアドレスが、配信先サーバーAとCで同じなのは、文書配信管理サーバー110が使用するメールサーバのIPアドレスだからである。
【0051】
管理者により設定されたメンテナンス情報取得設定情報は、管理者端末111から監視サーバー140に送信される。設定受付部14は、メンテナンス情報取得設定情報をメンテナンス情報取得設定情報記憶部19に保存する。メンテナンス情報取得設定情報は前述の情報取得部12により参照される。
【0052】
また、図5では、取得方法の優先順位が配信先サーバー120に共通であるが、配信先サーバー120に応じて取得方法の優先順位を管理者が設定できてもよい。
【0053】
図6は、取得方法の優先順位を変更できるメンテナンス情報取得設定情報の登録画面220の一例である。図6(a)では、配信先サーバーAの優先順位は、Web API、メンテナンス情報取得URL、問い合わせアドレス/メールサーバの順である。図6(b)では、配信先サーバーBの優先順位は、Web API、問い合わせアドレス/メールサーバ、メンテナンス情報取得URLの順である。
【0054】
例えば、配信先サーバーBがメンテナンス情報取得URLを公開しているが、更新が遅いことが分かっているような場合、管理者が問い合わせアドレス/メールサーバの優先順位を高くすることで、正確な情報を得やすくなる。
【0055】
<各メンテナンス情報の一例>
次に、図7図9を参照して、第一~第三の取得方法により取得される各メンテナンス情報について説明する。
【0056】
図7は、Web API(第一の取得方法)により取得されるメンテナンス情報の一例を示す。図7(a)はメンテナンス中に取得されるメンテナンス情報を示し、図7(b)は復旧後に取得されるメンテナンス情報を示す。図7のメンテナンス情報では、"Status"230の項目が、配信先サーバー120がメンテナンス中("Stopped")か通常稼働中か("Running")を示す。したがって、メンテナンス情報解析部13はメンテナンス情報の"Status"230の項目に基づいて、メンテナンス中かどうかを判断する。
【0057】
なお、図7ではJson形式のメンテナンス情報を示すが、メンテナンス情報はXMLやCSV等のどのような形式でもよい。また、メンテナンス情報の"Status"230の項目がメンテナンス中を表すかどうかは一例に過ぎない。項目名と、メンテナンス中かどうかを示す値は配信先サーバー120ごとに決まっており、メンテナンス情報解析部13は決まった項目を参照する。
【0058】
図8は、WebサイトのURLへのアクセス(第二の取得方法)により取得されるメンテナンス情報の一例を示す。図8(a)はメンテナンス中に取得されるメンテナンス情報を示し、図8(b)は復旧後に取得されるメンテナンス情報を示す。図8のメンテナンス情報では、サポートタグ231に、日時に対応付けて、コメント232が表示される。メンテナンス情報解析部13は最新のコメント232に着目する。なお、図8では説明のためにWebページの形式でメンテナンス情報を示すが、メンテナンス情報解析部13はhtmlファイルの形式でメンテナンス情報を取得する。
【0059】
図8(a)によれば、最新のコメント232は「1月1日12時から臨時メンテナンスのためサービスを停止しております。大変ご不便をおかけしますが、今しばらくお待ちください。」である。メンテナンス情報解析部13は、上記のように、ナイーブベイズ、ディープラーニング、コメント232の形態素解析等により、メンテナンス中であると判断できる。
【0060】
同様に、図8(b)によれば、最新のコメント233は「1月1日12時から1月4日12時にかけ、データセンターのサーバー破損によりWeb Service Aの利用が不可能になりました。ご迷惑をおかけ致しましたことをお詫び申し上げます。現在サーバーの復旧作業が完了し、通常通りご利用頂けます。」である。メンテナンス情報解析部13は、上記のように、ナイーブベイズ、ディープラーニング、コメント233の形態素解析等により、メンテナンスから復旧した(通常稼働中)と判断できる。
【0061】
なお、機械学習の手法はディープラーニングに限られず、パーセプトロン、サポートベクターマシン、ロジスティック回帰、決定木、ランダムフォレストなどがあり、本実施形態で説明する手法には限られない。機械学習とは、コンピュータに人のような学習能力を獲得させるための技術であり、コンピュータが、データ識別等の判断に必要なアルゴリズムを、事前に取り込まれる学習データから自律的に生成し、新たなデータについてこれを適用して予測を行う技術のことをいう。機械学習のための学習方法は、教師あり学習、教師なし学習、半教師学習、強化学習、深層学習のいずれかの方法でもよく、更に、これらの学習方法を組み合わせた学習方法でもよく、機械学習のための学習方法は問わない。
【0062】
図9は、電子メール(第三の取得方法)により取得されるメンテナンス情報の一例を示す。まず、図9(a)は情報取得部12が配信先サーバー120に送信する、メンテナンス情報を問い合わせる電子メールの文例である。図9(a)では「当メールは貴社のWeb Service Aを利用している○○社のサービス提供システム△△より自動送信されています。こちらのメールにService Aの復旧状況を記載し返信をお願いします。」と記載されている。このような文面は情報取得部12に予め設定されている。また、送信元のメールアドレス(監視サーバー140のメールアドレス)はメンテナンス情報取得設定情報記憶部19に予め登録されている。
【0063】
図9(b)はメンテナンス中に返信される電子メール(メンテナンス情報)を示し、図9(c)は復旧後に返信される電子メール(メンテナンス情報)を示す。図9(b)の電子メールには、「1月1日12時からメンテナンスのためサービスを停止しております。大変ご不便をおかけしますが、今しばらくお待ちください。」と記載されている。メンテナンス情報解析部13は、上記のように、ナイーブベイズ、ディープラーニング、電子メールの形態素解析等により、メンテナンス中であると判断できる。
【0064】
同様に、図9(c)の電子メールには、「1月1日12時から1月4日12時にかけ、データセンターのサーバー破損によりWeb Service Aの利用が不可能になりました。ご迷惑をおかけ致しましたことをお詫び申し上げます。現在サーバーの復旧作業が完了し、通常通りご利用頂けます。」と記載されている。メンテナンス情報解析部13は、上記のように、ナイーブベイズ、ディープラーニング、電子メールの形態素解析等により、メンテナンスから復旧したと判断できる。
【0065】
<動作手順>
図10は、サービス提供システムが機器からの要求に応じてジョブを実行する手順を示すシーケンス図の一例である。
【0066】
S11:MFP130を操作するユーザーは文書配信管理サーバー110にログインして、該ユーザーに登録されているジョブ(ワークフローのアプリともいう)のリストをMFPに表示させる。ユーザーはリストから実行するジョブを選択し、ジョブを実行する。MFP130はジョブの実行を受け付けて、ユーザーが用意した原稿をスキャンするなどして、文書とともにジョブ実行要求を文書配信管理サーバーに送信する。
【0067】
S12:文書配信管理サーバー110の通信部350はジョブ実行要求を受信すると、該ジョブで使用する配信先サーバー120を指定して、メンテナンス状況を監視サーバー140に問い合わせる。
【0068】
S13:監視サーバー140の通信部11はメンテナンス状況の問い合わせを受け付け、情報取得部12が配信先サーバー120に対しメンテナンス情報を要求する。このステップS13の処理の詳細を図11にて説明する。
【0069】
S14:監視サーバー140の提供部15は、通信部11を介して、メンテナンス情報に基づいて判断したメンテナンス状況を文書配信管理サーバー110に提供する。メンテナンス状況は、例えばメンテナンス中や通常稼働中等である。
【0070】
S15:文書配信管理サーバー110の通信部350はメンテナンス状況を受信し、サービス実行制御部320はメンテナンス中でなければ、文書を配信先サーバー120に配信する。
【0071】
S16:メンテナンス中である場合、通知送受信部330はユーザーのメールアドレス宛にメンテナンス中のため実行を保留にした旨を送信する。あるいは、通知送受信部330は、MFP130にメンテナンス中のため実行を保留にした旨を送信し、MFP130のログに保存させてもよい。サービス実行制御部320は、実行に失敗したジョブを保留ジョブテーブル361と異常サーバテーブル362に登録し、メンテナンスから復旧すると、保留されたジョブを再実行する。メンテナンスからの復旧を検出するため、通信部350は一定時間ごとにメンテナンス状況を監視サーバー140に問い合わせる。
【0072】
図11は、監視サーバー140がメンテナンス情報を解析する手順を示すフローチャート図の一例である。
【0073】
まず、通信部11が、文書配信管理サーバー110から配信先サーバー120を指定してメンテナンス状況の解析依頼を受信する(S1)。文書配信管理サーバー110は、例えば、ジョブの実行時にジョブが文書を配信する配信先サーバー120を指定する。
【0074】
情報取得部12は、指定された配信先サーバー120について、メンテナンス情報取得設定情報にWeb APIが設定されているか否かを判断する(S2)。
【0075】
ステップS2の判断がYesの場合、情報取得部12は配信先サーバー120のWeb APIにHTTPリクエストを送り、HTTPレスポンスとしてメンテナンス情報を取得する。そして、メンテナンス情報解析部13がメンテナンス情報を解析し、メンテナンス中か通常稼働中かを判断する(S3)。
【0076】
ステップS2の判断がNoの場合、情報取得部12は、指定された配信先サーバー120について、メンテナンス情報取得設定情報にメンテナンス情報取得URLが設定されているか否かを判断する(S4)。
【0077】
ステップS4の判断がYesの場合、情報取得部12はメンテナンス情報取得URLにアクセスし、Webページの情報を取得する。メンテナンス情報解析部13は、Webページの情報を解析して、メンテナンス中か通常稼働中かを判断する(S5)。
【0078】
ステップS4の判断がNoの場合、指定された配信先サーバー120について、メンテナンス情報取得設定情報に"問い合わせメールアドレス/メールサーバが設定されているか否かを判断する(S6)。
【0079】
ステップS6の判断がNoの場合、情報取得部12がメンテナンス情報を取得できないので図11の処理は終了する。
【0080】
ステップS6の判断がYesの場合、情報取得部12が"問い合わせメールアドレス/メールサーバ"のアドレス宛に電子メールを送信する(S7)。この問い合わせの電子メールに対し電子メールが返信されるまでは、配信先サーバー120において人間が介在するため時間がかかる。このため、通信部11は、返信を待機し、電子メールの返信があるまで文書配信管理サーバー110に"判断中"という結果を返す(S8)。
【0081】
配信先サーバー120から返信の電子メールを受信した場合、メンテナンス情報解析部13は文面を解析してメンテナンス中か通常稼働中かを判断する(S9)。
【0082】
そして、通信部11は、配信先サーバー120のメンテナンス状況(配信先サーバー120がメンテナンス中か、通常稼働中)を文書配信管理サーバー110に送信する(S10)。
【0083】
このように、情報取得部12は、予め設定されている優先順位にしたがって、異なる方法でメンテナンス情報を配信先サーバー120から取得できる。Web APIが用意されている場合、Web APIで得られるメンテナンス情報は、メンテナンス中か否かを簡潔に示すので解析が不要か又は解析が容易である。Web APIが用意されていない場合、情報取得部12はWebページに記載されたメンテナンス情報をWeb APIと同様に即座に得られる。また、Webページのメンテナンス情報は決まった文体が多いので、メンテナンス中か否かの解析が容易である。メンテナンス情報取得URLが用意されてない場合でも、情報取得部12は電子メールによりメンテナンス情報を取得できるので、配信先サーバー120によってWeb APIとメンテナンス情報取得URLが用意されていなくても、メンテナンス情報を取得する機会を増やすことができる。
【0084】
なお、本実施形態では、Web API、メンテナンス情報取得URL、電子メールの順に優先順位が高いとしたが、必ずしも優先順位はこの順番でなくてもよい。
【0085】
また、情報取得部12は文書配信管理サーバー110からの要求がなくても、例えば定期的に配信先サーバー120からメンテナンス情報を取得してもよい。この場合、メンテナンス情報解析部13は、将来予定されるメンテナンスも解析で明らかにし、予め、文書配信管理サーバー110に送信しておくことができる。
【0086】
<主な効果>
本実施形態のサービス提供システムは、上記のような複数の方法を組み合わせ、配信先サーバー120(外部サーバー)のメンテナンス状況を取得する。これにより、上記の複数の方法のうち1つしか対応していない配信先サーバー120が存在しても、配信先サーバー120のメンテナンス状況を幅広く取得できる。
【0087】
また、本実施形態では、メンテナンス状況を取得する方法に優先順位をつけることでメンテナンス状況の判断精度を向上できる。
【0088】
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0089】
本実施形態では、サービス提供システムが文書を配信する配信先サーバー120のメンテナンス状況を監視サーバー140が監視したが、サービス提供システムはサービスの提供に外部サーバーを使用すればよく、文書を配信しなくてもよい。例えば、外部サーバーは画像データのファイル形式の変換、OCR(Optical Character Reader)、翻訳、各種の計算等を行ってもよい。
【0090】
また、ジョブの実行にはMFPが使用されなくてもよい。例えば、ユーザーは、PJ(Projector:プロジェクタ)、電子黒板(電子式の黒板機能を有する白板)等、MFP以外の機器を使用してジョブを実行できる。
【0091】
また、図3などの構成例は、文書配信管理サーバー110及び監視サーバー140による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。文書配信管理サーバー110及び監視サーバー140の処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【0092】
また、実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、監視サーバー140は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。
【0093】
更に、文書配信管理サーバー110及び監視サーバー140は、本実施形態で開示された処理ステップ、例えば図10を様々な組み合わせで共有するように構成できる。文書配信管理サーバー110及び監視サーバー140は、1つのサーバー装置にまとめられていても良いし、複数の装置に分けられていても良い。
【0094】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【符号の説明】
【0095】
100 サービス提供システム
110 文書配信管理サーバー
120 配信先サーバー
130 MFP
140 監視サーバー
【先行技術文献】
【特許文献】
【0096】
【特許文献1】特開2014-220665号公報
図1
図2
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図4
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図10
図11